JP7145737B2 - 粉状材料敷均し機の材料送り機構 - Google Patents
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Description
ベントナイトの性能を十分に発揮させるためには、ベントナイトの密度管理などにおいて厳しい品質管理を行う必要があり、材料の品質を確保することが施工後の品質において重要である。そこで、厳しい品質管理に適応した材料の敷均し、締固めを実現することが必要となる。通常、ベントナイトの敷均しはバックホウやブルドーザーなどを用いて実施されているが、これらの建設機械よりもベントナイトの敷均しの精度を高めるために、アスファルトフィニッシャーを用いてベントナイトの敷均しを行うことが試みられている。
この文献1に記載されているように、アスファルトフィニッシャーは、舗装工事用の車両で、前方、後方に一対の車輪を有し、後方の車輪を駆動する駆動部を搭載されたトラクタと、トラクタの前部に設けられて、アスファルト合材を積み込むホッパーと、ホッパーの底部に設けられ、ホッパーに積み込まれるアスファルト合材をトラクタの後方に移送してトラクタの後部開口から路盤上に投下するフィーダコンベアと、トラクタの後方に設置され、路盤上に投下されるアスファルト合材を路盤上にトラクタの車幅方向(左右方向)に送り敷き拡げるスクリュースプレッダと、トラクタの後方でスクリュースプレッダの後方に設置され、路盤上の舗装幅に合わせて敷き拡げられるアスファルト合材の表面を平坦に敷き均すスクリードとを備える。
このアスファルトフィニッシャーによる路盤の舗装工事では、先ず、ホッパーを開き、アスファルトフィニッシャーの前方にアスファルト合材を積載したダンプトラックを付けて、ダンプトラックからアスファルト合材をホッパー内に移載する。ホッパー内にアスファルト合材が積み込まれると、ダンプトラックはアスファルトフィニッシャーから離れて、アスファルトフィニッシャーが作業員の運転席での操作により始動される。この場合、まず、ホッパー内のアスファルト合材をフィーダコンベアによってトラクタの後方へ移送し、トラクタ後部中央の開口から路盤上に投下する。これに続いて、このアスファルト合材をスクリュースプレッダにより路盤上に車幅方向に送り敷き拡げる。そして、作業員の運転席での運転操作により後方車輪を駆動してアスファルトフィニッシャーを前進させつつ、この路盤に敷き拡げられたアスファルト合材をスクリードによって敷き均す。
このようにしてアスファルトフィニッシャーによりアスファルト合材を路盤上に所定の厚さに敷き均す。なお、アスファルトフィニッシャーの後方には、ロードローラが待機され、アスファルトフィニッシャーにより敷き均されたアスファルト合材をロードローラにより転圧して、アスファルト舗装を形成する。
このようなアスファルトフィニッシャーでベントナイトの敷均しを行う場合、ベントナイトをブレードの前に過供給しないように適切に管理することが必要で、ベントナイトをブレードの前に均質に供給し自然充填された状態からブレードにより敷均して高さの制御を行い、その後にスクリードで予備転圧することが望ましい。とりわけ、ベントナイトを可能な限り均質に供給して自然充填の状態にすることが重要である。なお、小型のアスファルトフィニッシャーの場合、ブレードが装備されていないため、この場合は、ベントナイトをスクリードの前に均質に供給することが重要となる。
しかしながら、このスクリューユニットは、送る材料が通常のアスファルト合材であればトラクタの左右両側方に一様に広げることができるものの、例えばベントナイトなどの粉状の軽い材料になると、材料がスクリューから逃げて、地盤上に均質に敷き拡げることができず、その結果、高い山のところと低い山のところが生じ、スクリードで押えることで外観上同じ高さになるものの、充填された密度にばらつきが生じる、という問題がある。
また、このスクリューユニットでは、材料がベントナイトの場合、スクリューでベントナイトを解しつつ横方向に送る結果、多少の練り返しが生じ、ベントナイトが固くなる、という問題がある。
そこで、スクリューユニットに代わり、ベントナイトなど軽い粉状の材料でも地盤上に均質に敷き拡げることのできる新たな材料送り機構が求められる。
ベントナイトを含む粉状の材料を敷均す粉状材料敷均し機として代用する建設機械のアスファルトフィニッシャー又は前記アスファルトフィニッシャーと略同じ基本構成を備えて構成される専用の粉状材料敷均し機に取り付けられ、前記粉状材料敷均し機の材料出口から投下される粉状の材料を前記粉状材料敷均し機に装着されるブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前で前記粉状材料敷均し機の幅方向に送り敷き拡げるのに使用する粉状材料敷均し機の材料送り機構であって、
前記粉状材料敷均し機の材料出口の下方から前記粉状材料敷均し機の幅方向に向けて延設される一対のベルトフィーダからなり、
前記各ベルトフィーダは、
前記粉状材料敷均し機の材料出口の下方から前記粉状材料敷均し機の幅方向に延びるコンベアフレームと、
前記コンベアフレームの両端に水平方向に配設される軸を介して垂直方向に回転可能に支持されるコンベアローラと、
前記各コンベアローラ間に垂直方向に回転可能に巻き掛けられ、粉状の材料を搬送するための無端状のベルトと、
前記ベルトを回転駆動する駆動装置と、
を備え、
前記各ベルトフィーダの少なくとも前記各ベルトの粉状の材料の搬送面は、前記各ベルトが前記各ベルトの前記材料出口側端からその反対の端方向に向けて回転されて、前記粉状材料敷均し機の前記材料出口から前記各ベルトの搬送面上に投下される粉状の材料を前記ベルトの前記材料出口側端からその反対の端へ送りつつ前記各ベルトの搬送面から前記ブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前へ粉状の材料の敷き広げ方向に略均一に落下可能に、所定の向きに傾けられる、
ことを要旨とする。
この材料送り機構では、各ベルトフィーダの各ベルトの搬送面は、前記ベルトフィーダへの粉状の材料の単位時間当たりの供給量をGkg、前記ベルトフィーダの長さをL、前記ベルトフィーダの長手方向単位長さ当たりの材料の落下量をgkgとして、g=G/L(kg)となるように、前記各ベルトの搬送面の長手方向に前記各ベルトの前記材料出口側端からその反対の端方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ短手方向に前記ブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられる。
この場合、各ベルトの搬送面は、各ベルトフィーダの長手方向に前記各ベルトフィーダの前記材料出口側端からその反対の端方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ短手方向に前記ブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられることが好ましい。
また、この場合、各ベルトの搬送面は、各ベルトフィーダの各コンベアローラ間に前記材料出口側端の前記コンベアローラからその反対の端の前記コンベアローラ方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ前記各コンベアローラの軸方向に前記ブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられるものとしてもよい。
この粉状材料敷均し機の材料送り機構は、ベントナイトを含む粉状の材料を敷均す粉状材料敷均し機として代用する建設機械のアスファルトフィニッシャー又はアスファルトフィニッシャーと略同じ基本構成を備えて構成される専用の粉状材料敷均し機に取り付けられ、粉状材料敷均し機の材料出口から投下される粉状の材料を粉状材料敷均し機に装着されるブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前で粉状材料敷均し機の幅方向に送り敷き拡げるのに使用される。
なお、この実施の形態では、粉状材料敷均し機としてアスファルトフィニッシャーを用いた場合を例示して、材料送り機構について説明する。
図1、図2に示すように、アスファルトフィニッシャーFは、本来舗装工事用の車両で、既に述べたように、前方、後方に一対の車輪101、102を有し、後方の車輪102を駆動する駆動部(図示省略)を搭載された車両をなすトラクタ1と、トラクタ1の前部に設けられて、舗装材を積み込むホッパー11と、ホッパー11の底部に設けられ、ホッパー11に積み込まれる舗装材をトラクタ1の後方に移送してトラクタ1後部中央の開口(材料出口)から路盤上に投下するフィーダ(チェーンコンベア)2と、トラクタ1の後方に設置され、路盤上に投下される舗装材を路盤上にトラクタ1の車幅方向(左右方向)に送り敷き拡げるスクリューユニット3と、トラクタ1の後方でスクリューユニット3の後方に設置され、路盤上に敷き拡げられる舗装材の表面を平坦に敷き均すブレードBと、トラクタ1の後方でブレードBの後方に設置され、路盤上でブレードBにより平坦に敷き均された舗装材を予備転圧するスクリード4とを備えて構成される。
このようなアスファルトフィニッシャーFを粉状材料敷均し機として使用する。
この場合、各ベルトフィーダ5R、5Lの各ベルト53の搬送面は、ベルトフィーダ5R、5Lへの粉状の材料の単位時間当たりの供給量をGkg、ベルトフィーダ5R、5Lの長さをL、ベルトフィーダ5R、5Lの長手方向単位長さ当たりの材料の落下量をgkgとして、g=G/L(kg)となるように、各ベルト53の搬送面の長手方向に各ベルト53のトラクタ1後部中央の開口側端からその反対の端方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ短手方向にブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に、この場合は、ブレードBの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられる。
また、この場合、各ベルト53の搬送面は、各ベルトフィーダ5R、5Lの長手方向に各ベルトフィーダ5R、5Lのトラクタ1後部中央の開口側端からその反対の端方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ短手方向にブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に、この場合は、ブレードBの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられてもよく、また、各ベルトフィーダ5R、5Lの各コンベアローラ52間にトラクタ1後部中央の開口側端のコンベアローラ52からその反対の端のコンベアローラ52方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ各コンベアローラ52の軸方向にブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に、この場合は、ブレードBの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、各ベルト53の搬送面が所定の向きに傾けられるものとしてもよい。
図7に示すように、各ベルトフィーダ5R、5Lの各ベルト53の搬送面が、ベルトフィーダ5R、5Lへの粉状の材料の単位時間当たりの供給量をGkg、ベルトフィーダ5R、5Lの長さをL、ベルトフィーダ5R、5Lの長手方向単位長さ当たりの材料の落下量をgkgとして、g=G/L(kg)となるように、各ベルト53の搬送面の長手方向に各ベルト53のトラクタ1後部中央の開口側端からその反対の端方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ短手方向にブレードBの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられたことで、各ベルト53を各ベルト53のトラクタ1後部中央の開口側端からその反対の端方向に向けて回転させると、トラクタ1後部中央の開口から各ベルト53の搬送面上に投下されたベントナイトはベルトのトラクタ1後部中央の開口側端からその反対の端へ送られつつ各ベルト53の搬送面からブレードBの前へ粉状の材料の敷き広げ方向に略均一に落下し、自然充填状態に供給され、このベントナイトはブレードBやスクリード4により略均等な密度で均質に敷均される。また、ベントナイトを従来のスクリューユニットで送ることによるベントナイトの練り返しが低減されるため、ベントナイトはブレードBやスクリード4で従来よりも高い品質で均質に敷均される
この場合、専用の粉状材料敷均し機は、ベントナイトを含む粉状の材料を積み込むホッパーと、ホッパーの底部に設けられ、ホッパーに積み込まれる粉状の材料をホッパーの出口へ送りホッパーの出口から投下するフィーダコンベアと、ホッパーの出口下部に設置され、ホッパーから投下される粉状の材料を地盤上に横断方向に送り敷き拡げる一対のベルトフィーダからなる材料送り機構と、ホッパーの後方で材料送り機構の後方に設置され、地盤上の所定幅に合わせて敷き拡げられる粉状の材料の表面を平坦に敷き均すブレード若しくはスクレイパ及び/又はスクリードとを備えて構成され、移動方式は、車輪式若しくはクローラ式の自走式、又は自走機構は搭載せず、ウィンチによる牽引方式とする。このような専用機に同様の材料送り機構Mを取り付けることで、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
1 トラクタ
101、102 車輪
11 ホッパー
111 ホッパーウィング
112 油圧シリンダ
2 フィーダ
3 スクリューユニット
3R (右側の)スクリュー
3L (左側の)スクリュー
31 回転軸
32 スクリュー羽根
B ブレード
4 スクリード
4C センタースクリード
4R 右スクリード
4L 左スクリード
M 材料送り機構
5R (右側の)ベルトフィーダ
5L (左側の)ベルトフィーダ
51 コンベアフレーム
52 コンベアローラ
521 軸
53 ベルト
54 駆動装置(駆動モータ)
Claims (4)
- ベントナイトを含む粉状の材料を敷均す粉状材料敷均し機として代用する建設機械のアスファルトフィニッシャー又は前記アスファルトフィニッシャーと略同じ基本構成を備えて構成される専用の粉状材料敷均し機に取り付けられ、前記粉状材料敷均し機の材料出口から投下される粉状の材料を前記粉状材料敷均し機に装着されるブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前で前記粉状材料敷均し機の幅方向に送り敷き拡げるのに使用する粉状材料敷均し機の材料送り機構であって、
前記粉状材料敷均し機の材料出口の下方から前記粉状材料敷均し機の幅方向に向けて延設される一対のベルトフィーダからなり、
前記各ベルトフィーダは、
前記粉状材料敷均し機の材料出口の下方から前記粉状材料敷均し機の幅方向に延びるコンベアフレームと、
前記コンベアフレームの両端に水平方向に配設される軸を介して垂直方向に回転可能に支持されるコンベアローラと、
前記各コンベアローラ間に垂直方向に回転可能に巻き掛けられ、粉状の材料を搬送するための無端状のベルトと、
前記ベルトを回転駆動する駆動装置と、
を備え、
前記各ベルトフィーダの少なくとも前記各ベルトの粉状の材料の搬送面は、前記各ベルトが前記各ベルトの前記材料出口側端からその反対の端方向に向けて回転されて、前記粉状材料敷均し機の前記材料出口から前記各ベルトの搬送面上に投下される粉状の材料を前記ベルトの前記材料出口側端からその反対の端へ送りつつ前記各ベルトの搬送面から前記ブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前へ粉状の材料の敷き広げ方向に略均一に落下可能に、所定の向きに傾けられる
ことを特徴とする粉状材料敷均し機の材料送り機構。 - 各ベルトフィーダの各ベルトの搬送面は、前記ベルトフィーダへの粉状の材料の単位時間当たりの供給量をGkg、前記ベルトフィーダの長さをL、前記ベルトフィーダの長手方向単位長さ当たりの材料の落下量をgkgとして、g=G/L(kg)となるように、前記各ベルトの搬送面の長手方向に前記各ベルトの前記材料出口側端からその反対の端方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ短手方向に前記ブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられる請求項1に記載の粉状材料敷均し機の材料送り機構。
- 各ベルトの搬送面は、各ベルトフィーダの長手方向に前記各ベルトフィーダの前記材料出口側端からその反対の端方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ短手方向に前記ブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられる請求項2に記載の粉状材料敷均し機の材料送り機構。
- 各ベルトの搬送面は、各ベルトフィーダの各コンベアローラ間に前記材料出口側端の前記コンベアローラからその反対の端の前記コンベアローラ方向に向けて水平に対して角度αの上方傾斜を付けられ、かつ前記各コンベアローラの軸方向に前記ブレード若しくはスクレーパ又はスクリードの前に向けて水平に対して角度βの下方傾斜を付けられて、所定の向きに傾けられる請求項2に記載の粉状材料敷均し機の材料送り機構。
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