JP7145506B2 - 二酸化バナジウム粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化バナジウム粒子の製造方法に関する。
バナジウムの酸化物には、VO、VO、V、V、V13、V、Vなど様々な酸化数のものが存在する。また、4価バナジウムの酸化物であるVOには、A相、B相、D相、M相、R相などの様々な結晶相が存在する。
これらのうち、単斜晶(モノクリニック)構造を有するM相のVO(以下、「VO(M)」と記載することがある。)は、価電子同士がクーロン斥力により互いに反発し合い、自由に動くことができない絶縁体状態にあるが、相転移温度(68℃)を境として可逆的な金属-絶縁体相転移を起こす。相転移温度以上になると、VOは、構成元素のイオン半径が増加することで結晶構造に歪みが生じて正方晶系ルチル型構造を有するR相となり、電子が波動性を回復して金属状態となる。
この金属―絶縁体相転移に起因して、VO(M)は、近赤外光の透過率が、高温において低くなり、低温において高くなる、サーモクロミック特性を示す。
このことから、VO(M)を用いて形成した透明性のフィルムないし膜を窓部材表面に設けることで、夏はジリジリとする太陽熱が入りにくく、冬はポカポカとした太陽熱を取り入れる、快適性と省エネ性とを両立した窓部材とすることができる。
サーモクロミック特性に優れると共に、窓部材に要求される高い可視光透過性を実現するためには、VO粒子の小径化、粒径均一化及び高結晶品質化が必須である。
こうしたVO粒子を得る方法として、特許文献1には、5価バナジウム酸化物原料とヒドラジン等の還元剤との混合水溶液を用いた水熱合成法によってVOのナノ粒子を製造する技術が開示されている。
水熱合成法の粒子生成機構に関しては、マクロな実験結果より推察されることがほとんどであり、一般的には古くから「LaMerモデル」に基づく反応機構が考えられている。この反応機構によれば、溶質濃度が臨界過飽和域以上になると、核生成と核成長とがほぼ同時期に進行し(核生成期)、その後、溶質濃度が臨界過飽和度を下回ると核成長のみが進行する(成長期)ことで均一な粒径の微粒子が得られるとされている。しかし実際には、温度や溶質濃度の空間的不均一があるため、結晶多形や粒子サイズ不均一などがしばしば起こる。
特許文献1に記載の製造方法の場合、温度上昇に伴いヒドラジンが分解することで、5価バナジウム酸化物の還元反応が起こり、さらに臨界飽和濃度以上における核生成と核成長が進行していく。しかしながら、ヒドラジンの分解速度は極めて遅いため、5価バナジウム酸化物の還元反応は起こりにくい。このため、核生成速度よりも核成長速度が相対的に大きくなり、生成する粒子の径が大きくなってしまう。さらに、通常の水熱合成では、前述した温度や溶質濃度の空間的不均一があるため、生成したナノ粒子の粒径が不均一になってしまう。
5価バナジウム酸化物を含まない溶液を用いてVO粒子を水熱合成する方法として、非特許文献1には、酸化硫酸バナジウム(VOSO)を含む水溶液にヒドラジン一水和物を滴下混合した後、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を添加して、240℃で36時間の水熱反応をさせることで粒径の小さなVO(M)ナノ粒子を作製した後、該ナノ粒子表面にシリカコートを行って保護層を形成し、600℃で20分間、窒素雰囲気中でのポストアニール処理を施す技術が開示されている。
また、非特許文献2には、ペルバナジルイオン(VO )を含むpH≒1の水溶液を40℃/分で急速昇温し、270℃~390℃で15時間保持する水熱反応により、VO(M)ナノ粒子を作製する技術が開示されている。
さらに非特許文献3には、ペルバナジルイオン(VO )及びオキシ水酸化バナジウム(VO(OH))を含む溶液にマイクロ波を照射して、230℃で90分間処理することで、結晶質のVOを得る技術が開示されている。
特許第5548479号
非特許文献1に記載の技術によれば、VO(M)ナノ粒子の小径化、粒径均一化及び高結晶品質化が実現できるが、粒子のシリカコート処理及びポストアニール処理が必須であるため、合成に手間と時間とを要することが問題であった。
非特許文献2に記載の技術によれば、小径化と高結晶品質化とが両立されたVO(M)ナノ粒子が得られるが、50nmを超える粗粒が生成し粒径が不均一となることが問題であった。
非特許文献3には、得られたVOの結晶構造が正方晶系ルチル型であった旨の記載がある。しかし、JCPDSの71-0291に収録されている正方晶系ルチル型の結晶構造によるXRD(CuKα線)のメインピークは、図8に示すように、2θ=27.7°付近に現れるのに対し、該文献に記載されたXRDパターンは、2θ=19°付近にメインピークが見られること(Figure 2.)、及び導電率の急峻な変化が、可逆的な金属-絶縁体相転移を起こす68℃付近ではなく、400℃付近に観察されること(Figure 5.)から、該文献に記載の技術では、ルチル型構造ないし単斜晶構造のVOは得られていないと解される。
そこで本発明は、前述した問題点を解決し、粒径が小さく、粒径が均一で、かつ結晶性の高いVO(M)ナノ粒子が簡便に得られる新規な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために種々の検討を行ったところ、オキシ水酸化バナジウムを含有し、かつ室温での電気伝導率が低い液を原料液とし、これにマイクロ波を照射して水熱反応させることで、粒径が小さく、粒径が均一で、かつ結晶性の高いVO(M)ナノ粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決するための本発明の一実施態様は、オキシ水酸化バナジウムを含有し、かつ室温での電気伝導率が10mS/cm以下である原料液に、マイクロ波を照射して水熱反応させることを特徴とする、単斜晶型の結晶構造を有する二酸化バナジウム粒子の製造方法、である。
本発明によれば、粒径が小さく、粒径が均一で、かつ結晶性の高いVO(M)ナノ粒子を簡便に得ることができる。
実施例1に係る粒子試料(VO(M))のX線回折測定結果 実施例1に係る粒子試料(VO(M))の走査型電子顕微鏡(SEM)像 実施例1に係る粒子試料(VO(M))の円相当径のヒストグラム 比較例2に係る粒子試料のX線回折測定結果 比較例2に係る粒子試料の走査型電子顕微鏡(SEM)像 比較例3に係る粒子状試料のX線回折測定結果 比較例3に係る粒子状試料の走査型電子顕微鏡(SEM)像 JCPDSの71-0291に収録されている正方晶系ルチル型の結晶構造によるX線回折パターン
以下、本発明の構成及び作用効果について、技術的思想を交えて説明する。なお、数値範囲の記載(2つの数値を「~」でつないだ記載)については、下限及び上限として記載された数値をも含む意味である。
本発明の一実施態様(以下、「本実施態様」と記載する)に係る単斜晶型の結晶構造を有する二酸化バナジウム粒子の製造方法は、オキシ水酸化バナジウムを含有し、かつ室温での電気伝導率が10mS/cm以下である原料液にマイクロ波を照射して水熱反応させることを特徴とする。
本実施態様で使用するオキシ水酸化バナジウム(VO(OH))は特に限定されず、通常入手可能なものであればよい。
オキシ水酸化バナジウムを合成して使用する場合には、合成方法として、[1]酸化硫酸バナジウム(VOSO)を水に溶解させて、所定温度に保持しながら撹拌した後、ヒドラジン水和物水溶液、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液若しくは水酸化カリウム水溶液等の塩基性物質を混合する方法、又は[2]五酸化二バナジウム(V)を硫酸水溶液とを混合し、ヒドラジン一水和物水溶液等の還元性物質を適量加えて所定温度に保持しながら撹拌した後、前記[1]と同様の塩基性物質を混合する方法、等を採用することができる。
これらの合成方法においては、前記塩基性物質の混合により、pH値を4以上とすることが好ましく、6以上とすることがより好ましい。pHを高くすることで、析出するオキシ水酸化バナジウムの収率が大きくなる。他方、前記pH値は、9以下とすることが好ましく、8以下とすることがより好ましい。pHを低くすることで、前述した塩基性物質由来のイオンのオキシ水酸化バナジウムに対する付着量を抑えることができる。
本実施態様で使用する原料液は、オキシ水酸化バナジウムを含有し、かつ室温での電気伝導率が10mS/cm以下である。ここで、室温とは、外部から加熱も冷却もされていない状態の温度であり、概ね1~30℃程度を意味する。
前記[1]又は[2]の方法によりオキシ水酸化バナジウムを合成して使用する場合には、塩基性物質の混合で生じる硫酸アンモニウム((NHSO)、硫酸ナトリウム(NaSO)又は硫酸カリウム(KSO)等の塩、ないしそこから生じるアンモニウムイオン(NH )、ナトリウムイオン(Na)又はカリウムイオン(K)等のイオンが、水熱反応時に(NH、NaV、KV等を生成し、VO(M)の生成を妨げる。また、他の方法で得たオキシ水酸化バナジウムを使用した場合でも、例えば化石燃料の燃焼灰の精製によって得られた、鉄、クロム、ニッケル、マグネシウム又はケイ素等の金属不純物の残存量の多いオキシ水酸化バナジウムを含有する原料液や、前述した塩ないしイオンの含有量が多い原料液では、同様にVO(M)の生成が妨げられる。したがって、粒径が小さく、粒径が均一で、かつ結晶性の高いVO(M)ナノ粒子を得るためには、こうした塩等の不純物の含有量が少ない原料液を使用する必要がある。
原料液の電気伝導率は、含有する不純物量との正の相関が高いため、これが室温で10mS/cm以下であれば、不純物量が少なく、VO(M)の生成への悪影響は十分に小さいといえる。
前記[1]又は[2]の方法で合成したオキシ水酸化バナジウムを使用して、室温での電気伝導率が10mS/cm以下である原料液を得るには、該オキシ水酸化バナジウムを洗浄すればよい。洗浄の仕方としては、例えば、オキシ水酸化バナジウムの水中への分散と固液分離とを繰り返すことや、フィルタ上のオキシ水酸化バナジウムに水を供給しながらろ過すること等が挙げられる。前記固液分離には、遠心分離、減圧ろ過及び限外ろ過等が利用できる。
原料液の室温での電気伝導率の測定は、以下の方法で行う。
清浄なマイクロピペットを用いて、原料液から200μL程度を取り出し、これをコンパクト電気伝導率計(堀場製作所製 LAQUAtwin EC-33B)のセンサ部に分注して温度及び電気伝導率を確認する。
本実施態様では、前述した原料液にマイクロ波を照射して加熱する。
本明細書において、マイクロ波とは、波長が1μm~1m、周波数が300MHz~3THzの電磁波の総称である。一般的なマイクロ波加熱装置においては、電波法で定められた2.45GHzの周波数のものが用いられるが、本実施態様で使用するマイクロ波はこれに限定されない。
マイクロ波を用いた加熱は、双極子をもつ分子内に電界によって配向分極を生じさせ、該電界の変化で該配向分極の回転運動を誘起することで、内部摩擦により昇温させる非接触の加熱法方式である。このため、分極を持つ誘電損失の大きな物質は、内部から瞬時にかつ局所的に加熱される。
マイクロ波照射によるエネルギー伝達は、例えば2.45GHzの場合には10-9秒オーダーで起き、分子の緩和時間(非平衡状態から平衡状態に戻る時間)である10-5秒オーダーに比べて極めて短時間(高頻度)である。このため、マイクロ波加熱においては、エネルギーが供給されて非平衡状態となった分子が平衡状態に戻る前に新たなエネルギーが供給されることとなり、定常的に非平衡状態に励起された状態を保つことができる。
したがって、マイクロ波照射によれば、高密度のエネルギーが投入され、反応が短時間で効率良く進行するため、合成時間を短縮できる。
本実施態様では、マイクロ波の照射により、原料液中で水熱反応を起こす。ここで、「水熱反応」とは、温度100℃以上、圧力1気圧以上の熱水存在下で行われる化学合成処理(水熱処理)において起こる化学反応をいう。
本実施態様では、マイクロ波加熱により水熱処理を行うため、他の加熱方法を採用した場合に比べて温度や溶質濃度の空間的均一性が高くなり、生成する粒子の小径化と粒径均一化とを同時に達成できると考えられる。また、加熱が短時間のうちに行われるため、結晶性の高い粒子を得るべく高温で水熱処理を行った場合でも、生成した粒子同士の融合による粗大化を防ぐことができると考えられる。
本実施態様において、前述した水熱処理は、230℃以上の温度で行われることが好ましく、270℃以上の温度で行われることがより好ましい。処理温度を高くすることで、VO(M)以外の相の生成を抑制すると共に、結晶性の高いVO(M)粒子が得られる。他方、前記水熱処理は、310℃以下の温度で行われることが好ましい。処理温度を低くすることで、生成した粒子同士の融合による粗大化を抑制することができる。
本実施態様における水熱処理では、前述した水熱処理温度での保持は必須ではないが、好ましくは当該水熱処理温度で30秒以上、より好ましくは3分以上、保持することが、十分な量のVO(M)を生成させ、水熱処理後に降温する際に、残存する原料からB相をはじめとする異相が生成することを抑制する点で効果的である。他方、前記保持時間は、4時間以下が好ましく、1時間以下がより好ましい。保持時間を短くすることで、生成した粒子同士の融合による粗大化を抑制することができる。
水熱処理温度(保持温度)までの昇温速度は、120℃から保持温度までを10℃/分以上とすることが好ましく、25℃/分以上とすることがより好ましい。昇温速度を高くすることで、B相をはじめとする異相の生成を抑制できる。他方、前記昇温速度は60℃/分以下とすることが好ましく、50℃/分以下とすることがより好ましい。昇温速度を低くすることで、原料液を収容した容器内の圧力の急上昇を抑制し、容器の密閉性を十分に保つことができる。また、120℃から保持温度までの昇温速度を25℃/分~50℃/分とすることは、粒径が小さく、粒径が均一で、かつ結晶性の高いVO(M)ナノ粒子を得る点で特に好ましい。
本実施態様では、前述したマイクロ波照射の態様として、密閉容器の中にオキシ水酸化バナジウムを含有する原料液を収容し、該容器の外側から前記マイクロ波を照射することが好ましい。容器の外側からマイクロ波を照射すると、マイクロ波源が原料液に直接触れることがないため、使用後の装置の清掃や整備が容易になる。この場合、原料液を収容する密閉容器としては、マイクロ波透過性を有する必要があるため、フッ素系樹脂、石英及びホウケイ酸ガラス等のマイクロ波透過性の高い材料で構成されたものが好適に使用される。特に、フッ素系樹脂製の容器は、滑らかで清浄な壁面とすることができるため、壁面での不均一核生成が抑制される点で、より好ましい。
本実施態様では、得られる二酸化バナジウム粒子の平均粒径が10nm~30nmであることが好ましく、10nm~25nmであることがより好ましい。平均粒径がこの範囲内にあることで、可視光透過性とサーモクロミック特性とを高レベルで両立できる。
ここで、本実施態様における二酸化バナジウム粒子の平均粒径は、以下の方法で決定される。
まず、粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を画像データとして取得し、描画ソフトを用いて該画像上に各粒子と同じ大きさの多角形を作図すると共に、スケールバーのマーキングを行った後、SEM画像を削除して描画データを保存する。前述した多角形の作図は、最低でも300個の粒子について行う。
次に、画像処理ソフト「Image J」(アメリカ国立衛生研究所(NIH)で開発されたオープンソースソフトウェア)により、前述の描画データ中の個々の多角形の面積を求めた後、該面積値から各多角形の円相当径(ヘイウッド径)を算出し、これを各粒子の円相当径rとする。
最後に、得られた各粒子の円相当径r及び測定した粒子の個数nから、下記(式1)を用いて算出された値を平均粒径ravgとする。
Figure 0007145506000001
前述した二酸化バナジウム粒子は、粒径の変動係数CV(粒径の標準偏差/平均粒径)が0.05~0.5であることが好ましく、0.05~0.3であることがより好ましい。粒径の変動係数CVがこの範囲内にあることで、可視光透過性とサーモクロミック特性とをより高レベルで両立できる。
二酸化バナジウムの粒径の変動係数CVは、前述した方法で得られた各粒子の円相当径r及び平均粒径ravgから下記(式2)を用いて粒径の標準偏差sを算出し、この値及び平均粒径ravgの値から下記(式3)により算出される。
Figure 0007145506000002
Figure 0007145506000003
前述した二酸化バナジウム粒子は、CuKα線を用いた粉末X線回折(XRD)により測定されるX線回折パターンにおいて、2θ=27.8°±1.0°に現れるピークの強度(I)と、2θ=37.0°±1.0°に現れるピークの強度(I)との比(I/I)が1以上3以下であるものであることが好ましい。当該ピーク強度比(I/I)が1以上である二酸化バナジウム粒子は結晶性が高く、より優れたサーモクロミック特性を示す点で好ましい。また、前記ピーク強度比(I/I)が3以下である二酸化バナジウム粒子は、特定の結晶方位に配向することなく等方性が高い点で好ましい。
なお、本実施態様で得られる二酸化バナジウム粒子のX線回折パターンは、ICDD(JCPDS)のデータベースのリファレンスコードNo.82-0661で示されるパターンによく一致する。該データベースによれば、2θ=27.8°±1.0°に現れるピークは(011)面からの反射に相当し、2θ=37.0°±1.0°に現れるピークは(2-11)面(本来の表記では、(211)の「2」の上にバー「-」を施す)からの反射に相当する。
前述した二酸化バナジウム粒子には、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、フッ素、リン、鉄、クロム、アルミニウム、ガリウム、錫、ゲルマニウム、ケイ素、マグネシウム、スカンジウム、ルテニウム及びオスミウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素が含まれていてもよい。該元素を含有させることで、二酸化バナジウム粒子の可視光透過特性、バンドギャップ、金属-絶縁体転移温度等の物性ないしサーモクロミック特性を制御することができる。
以下、実施例に基づいて本発明の実施態様をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[オキシ水酸化バナジウムの調製]
まず、10mLの蒸留水に、1450mgの五酸化二バナジウム(V、和光純薬、特級)、10%硫酸水溶液15mL及び5%に希釈したヒドラジン一水和物(N・HO)溶液4750mgを混合し、液温60℃で30分間、撹拌保持した。撹拌中の溶液を観察したところ、橙色から青透明色へと変化した。これは、オキソバナジウム(IV)イオン(VO2+)の生成によるものと解される。
次に、得られた青透明色の溶液に、7%に希釈したアンモニア水を添加してpHを7に調整し、カフェオレ色の懸濁液を得た。これは、オキシ水酸化バナジウムの析出及び懸濁によるものと解される。このカフェオレ色の懸濁液の室温での電気伝導率を、上述した方法で測定したところ、47mS/cmであった。
次に、このカフェオレ色の液を3000rpmで遠心分離し、懸濁物を沈殿させた。
そして、得られた沈澱物を50mLの蒸留水に懸濁させた後3000rpmで遠心分離することを3回繰り返し、沈殿物を洗浄した。
[二酸化バナジウム粒子の製造]
洗浄後の沈殿物(オキシ水酸化バナジウム)を蒸留水に懸濁させて50gの原料液とした。この原料液の室温での電気伝導率を、上述した方法で測定したところ、7.5mS/cmであった。この原料液をマイクロ波水熱反応装置(米国CEM社製、MARS6)用の110mLテフロン(登録商標)製密閉容器(米国CEM社製、MARS6専用品、iPrep)に入れ、該密閉容器をマイクロ波水熱反応装置にセットし、水熱合成を行った。
水熱処理は、該密閉容器中に周波数2.45GHzのマイクロ波を照射し、120℃で5分間保持の後、30℃/分の昇温速度で270℃に昇温して60分保持することで行った。
反応後、液温が90℃以下になったことを確認してから密閉容器を開封し、得られた懸濁液を12000rpmで遠心分離した。得られた沈殿物を50mLの蒸留水に懸濁させた後15000rpmで遠心分離することを3回繰り返し、さらに沈殿物を70℃で12時間乾燥させることにより、実施例1に係る粒子試料を得た。
[二酸化バナジウム粒子のX線回折測定]
得られた粒子試料について、CuKα線を用いた粉末X線回折測定を行ったところ、図1に示すように、ICDD(JCPDS)のデータベースのリファレンスコードNo.82-0661で示されるVO(M)に起因するピークのみが観察された。したがって、本実施例で得られた粒子試料は二酸化バナジウム(VO(M))といえる。さらに、該X線回折パターンにおいて、2θ=27.8°付近に現れる(011)面のピークの強度(I)と、2θ=37.0°付近に現れる(2-11)面のピークの強度(I)との比I/Iの値が1.17であったことから、結晶品質は良好といえる。
[二酸化バナジウム粒子のSEM観察及び粒径測定]
得られた二酸化バナジウム(VO(M))粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。結果を図2に示す。本実施例に係る二酸化バナジウム粒子は、粒径が10nm~30nmの範囲内にあり、サイズが揃ったナノ粒子であることが目視で確認された。
次に、上述した方法で、二酸化バナジウム粒子の平均粒径及び粒径の変動係数を算出したところ、平均粒径は19.1nm、粒径の変動係数は0.275であり、十分な小径化と粒径均一化とが達成されたことが確認された。図3に、本実施例に係る二酸化バナジウム粒子の円相当径のヒストグラムを示す。
(実施例2)
水熱処理時の270℃での保持時間を10分とした以外は実施例1と同様の手順によって、実施例2に係る粒子試料を得た。
X線回折測定の結果から、得られた粒子試料は二酸化バナジウム(VO(M))であることが確認された。また、ピーク強度比I/Iは1.06であったことから、結晶品質は良好といえる。
粒径測定の結果から、本実施例に係る二酸化バナジウム粒子は、平均粒径が17.8nm、粒径の変動係数が0.293であり、十分な小径化と粒径均一化とが達成されたことが確認された。
(実施例3)
水熱処理時の保持温度を290℃、保持時間を30分とした以外は実施例1と同様の手順によって、実施例3に係る粒子試料を得た。
X線回折測定の結果から、得られた粒子試料は二酸化バナジウム(VO(M))であることが確認された。また、ピーク強度比I/Iは1.40であったことから、結晶品質は良好といえる。
粒径測定の結果から、本実施例に係る二酸化バナジウム粒子は、平均粒径が23.8nm、粒径の変動係数が0.268であり、十分な小径化と粒径均一化とが達成されたことが確認された。
(実施例4)
水熱処理時の290℃での保持時間を60秒とした以外は実施例3と同様の手順によって、実施例4に係る粒子試料を得た。
X線回折測定の結果から、得られた粒子試料は二酸化バナジウム(VO(M))であることが確認された。また、ピーク強度比I/Iは1.09であったことから、結晶品質は良好といえる。
粒径測定の結果から、本実施例に係る二酸化バナジウム粒子は、平均粒径が17.7nm、粒径の変動係数が0.296であり、十分な小径化と粒径均一化とが達成されたことが確認された。
(実施例5)
水熱処理時の保持温度を230℃、保持時間を4時間とした以外は実施例1と同様の手順によって、実施例5に係る粒子試料を得た。
X線回折測定の結果から、得られた粒子試料は二酸化バナジウム(VO(M))であることが確認された。また、ピーク強度比I/Iは1.01であったことから、結晶品質は良好といえる。
粒径測定の結果から、本実施例に係る二酸化バナジウム粒子は、平均粒径が21.8nm、粒径の変動係数が0.291であり、十分な小径化と粒径均一化とが達成されたことが確認された。
(比較例1)
マイクロ波照射に代えてオートクレーブを用いて水熱処理を行った場合に、所期の二酸化バナジウム(VO(M))粒子が生成するか否かを確認した。
実施例1と同様の手順で調製した原料液(50g)を、市販の水熱反応処理用オートクレーブ(三愛科学社製HU-100型(SUS製本体に100ml容積のPTFE製内筒を備える)内に入れ、100℃で8時間、引き続き270℃で24時間、水熱処理を実施した。水熱処理後の懸濁液に実施例1と同様の処理を行って、比較例1に係る粒子試料を得た。
粒子試料を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、ほとんどの粒子が30nm以上の粒径を有しており、小径化が不十分であることが確認された。
(比較例2)
特許文献1の実施例3に基づいて、オキシ水酸化バナジウムを含まない原料液にマイクロ波を照射した場合に、所期の二酸化バナジウム(VO(M))粒子が生成するか否かを確認した。
[二酸化バナジウム粒子の製造]
まず、45.3mLの蒸留水に、2.0gのバナジン酸アンモニウム(NHVO、和光純薬、特級)を加え、液温60℃で30分撹拌した。次に、得られた溶液に、ヒドラジン一水和物(N・HO、和光純薬、特級)の5質量%水溶液4.8gをゆっくり滴下し、原料液を調製した。得られた原料液を液温60℃で10分間撹拌した後、マイクロ波水熱反応装置(米国CEM社製、MARS6)用の110mLテフロン(登録商標)製密閉容器(米国CEM社製、MARS6専用品、iPrep)に入れ、該密閉容器をマイクロ波水熱反応装置にセットし、水熱処理を行った。
水熱処理は実施例1と同様の条件であり、該密閉容器中に周波数2.45GHzのマイクロ波を照射し、120℃で5分間保持の後、30℃/分の昇温速度で270℃に昇温して60分保持することで行った。
反応後、実施例1と同様の手順によって、比較例2に係る粒子試料を得た。
[粒子試料のX線回折測定]
得られた粒子試料について、実施例1と同様にX線回折測定を行ったところ、図4に示すように、ICDD(JCPDS)のデータベースのリファレンスコードNo.82-0661で示されるVO(M)に起因するピークとともに、ICDD(JCPDS)のデータベースのリファレンスコードNo.23-0791で示される(NHに起因するピークの存在が確認され、本比較例では、VO(M)を単独で得ることはできなかった。
[粒子試料のSEM観察]
得られた粒子試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率1000倍で比較的広域の観察を行ったところ、図5に示すように、一辺が5μm程度の四角形のマイクロシートと微粒子状不定形物が混在していることが確認された。さらに、倍率を10万倍に上げて比較的狭域の観察を行ったところ、図示は省略するが、前記微粒子状不定形物が、粒径20nm程度のナノ粒子の凝集により形成されていることが確認された。前述したX線回折測定の結果と合わせて考察すると、広域観察で確認された四角形のマイクロシートは(NHであり、広域観察で確認された微粒子状不定形物ないし狭域観察で確認された該不定形物を形成するナノ粒子は、VO(M)であると考えられる。
本比較例においてVO(M)ナノ粒子と(NHマイクロシートが混在する理由は、現状では明確になっていないが、バナジン酸アンモニウム(NHVO)及びヒドラジン(N)を含む原料液をマイクロ波加熱した場合は、NHVOからアンモニウムイオン(NH )が充分に脱離するよりも前にNによる還元反応が進行するか、もしくは、NHVOから乖離して液中に溶存するNH が、Nによる還元反応後に再び結合することによって、(NHが形成されるのではないかと考えられる。
(比較例3)
非特許文献3に基づいて、室温での電気伝導率が10mS/cmよりも大きいオキシ水酸化バナジウムを含有する原料液にマイクロ波を照射した場合に、所期の二酸化バナジウム(VO(M))粒子が生成するか否かを確認した。
カフェオレ色の懸濁液に洗浄を施さなかった以外は実施例1と同様の手順で原料液を調整した。この原料液に蒸留水を追加混合して50gとせしめた後に、室温での電気伝導率を、上述した方法で測定したところ、41mS/cmであった。さらに、清浄なマイクロピペットを用いて、原料液のうち300μL程度をコンパクトナトリウムイオンメーター(堀場製作所製 LAQUAtwin Na-11)のセンサ部に分注して室温でのナトリウムイオン(Na)濃度を測定したところ、5300mg/Lであった。この50gの原料液について、実施例1と同様の手順及び条件で水熱処理以降の操作を行うことにより、比較例3に係る粒子試料を得た。
[粒子試料のX線回折測定]
得られた粒子試料について、実施例1と同様にX線回折測定を行ったところ、図6に示すように、ICDD(JCPDS)のデータベースのリファレンスコードNo.82-0661で示されるVO(M)に起因するピークとともに、ICDD(JCPDS)のデータベースのリファレンスコードNo.70-0870で示されるNaVに起因するピークの存在が確認され、本比較例では、VO(M)を単独で得ることはできなかった。
[粒子試料のSEM観察]
得られた粒子試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率1000倍で比較的広域の観察を行ったところ、図7に示すように、長さ5μm程度のマイクロロッドと微粒子状不定形物が混在していることが確認された。さらに、倍率を10万倍に上げて比較的狭域の観察を行ったところ、図示は省略するが、前記微粒子状不定形物が、粒径20nm程度のナノ粒子の凝集により形成されていることが確認された。前述したX線回折測定の結果と合わせて考察すると、広域観察で確認されたマイクロロッドはNaVであり、広域観察で確認された微粒子状不定形物ないし狭域観察で確認された該不定形物を形成するナノ粒子は、VO(M)であると考えられる。
本比較例においてVO(M)ナノ粒子とNaVマイクロロッドが混在する理由は、現状では明確になっていないが、以下のことが考えられる。まず、室温で10mS/cmを超える原料液の電気伝導率は、原料液中に溶存する硫酸イオン(SO 2-)及びナトリウムイオン(Na)によるものと考えられる。そして、該ナトリウムイオン(Na)がマイクロ波加熱によってオキシ水酸化バナジウムと再結合することによって、NaVが形成されるのではないかと考えられる。前述したように、50gの原料液のナトリウムイオン(Na)濃度は5300mg/Lと測定されたが、原料中に混合した五酸化二バナジウムが1450mgであることから、バナジウム(V)含量は16200mg/L程度、原料液中のNa含量/V含量は0.33程度とそれぞれ推定される。この含量比からみて、VO(M)ナノ粒子とNaVマイクロロッドが混在することは大いにありうるといえる。
以上の結果から、オキシ水酸化バナジウムを含有し、かつ室温での電気伝導率が10mS/cm以下である液を原料液とし、これにマイクロ波を照射して水熱反応させる本実施態様の実施例によれば、粒径が小さく、粒径が均一で、かつ結晶性の高いVO(M)ナノ粒子が得られるのに対し、オキシ水酸化バナジウムを含有し、かつ室温での電気伝導率が10mS/cm以下である液を原料液とするもののマイクロ波照射を行わなかった場合(比較例1)、オキシ水酸化バナジウムを含まない原料液にマイクロ波照射を行った場合(比較例2)及びオキシ水酸化バナジウムを含有するものの室温での電気伝導率が10mS/cmを超える液を原料液とし、これにマイクロ波照射を行った場合(比較例3)には、粒径が小さく、粒径が均一で、かつ結晶性の高いVO(M)ナノ粒子は得られないことが判る。
本発明に係る二酸化バナジウム粒子の製造方法は、粒径が小さく、粒径が均一で、かつ結晶性の高い、単斜晶型の結晶構造を有する二酸化バナジウムナノ粒子を得るのに好適である。該二酸化バナジウムナノ粒子は、サーモクロミック特性を有する多機能塗料及びそれを適用した被覆物、樹脂フィルム、ならびにインクおよびその印刷物等に適用することができる。また、前記二酸化バナジウムナノ粒子を車両若しくは建築物の窓、テラス、カーポート、テント材又は農業用温室フィルム等に適用した場合、近赤外線入射量を調節する効果を得ることができる。特に、本発明に係る製造方法で得られた二酸化バナジウムナノ粒子を車両若しくは建築物の窓に適用した場合には、濁りや曇りを抑制しつつ近赤外線入射量を調節することができる点で有用である。

Claims (6)

  1. オキシ水酸化バナジウムを含有し、かつ室温での電気伝導率が10mS/cm以下である原料液に、マイクロ波を照射して水熱反応させることを特徴とする、単斜晶型の結晶構造を有する二酸化バナジウム粒子の製造方法。
  2. 前記水熱反応を、230℃以上の温度で行う、請求項1に記載の二酸化バナジウム粒子の製造方法。
  3. 前記水熱反応を、310℃以下の温度で30秒以上4時間以下保持して行い、昇温中の120℃から保持温度までの昇温速度を10℃/分以上60℃/分以下とする、請求項2に記載の二酸化バナジウム粒子の製造方法。
  4. フッ素系樹脂製の容器の中に前記原料液を収容し、該容器の外側から前記マイクロ波を照射する、請求項1~3のいずれか1項に記載の二酸化バナジウム粒子の製造方法。
  5. 前記二酸化バナジウム粒子は、平均粒径が10nm以上30nm以下、粒径の変動係数(粒径の標準偏差/平均粒径)が0.05以上0.5以下であり、CuKα1線を用いた粉末X線回折(XRD)により測定されるX線回折パターンにおいて、2θ=27.8°±1.0°に現れるピークの強度(I)と、2θ=37.0°±1.0°に現れるピークの強度(I)との比(I/I)が1以上3以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の、二酸化バナジウム粒子の製造方法。
  6. 前記原料液が、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、フッ素、リン、鉄、クロム、アルミニウム、ガリウム、錫、ゲルマニウム、ケイ素、マグネシウム、スカンジウム、ルテニウム及びオスミウムからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の二酸化バナジウム粒子の製造方法。
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