JP7116473B2 - バナジウム酸化物のリボン状ナノ構造体及びその製造方法、バナジウム酸化物の薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法、並びにバナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

バナジウム酸化物のリボン状ナノ構造体及びその製造方法、バナジウム酸化物の薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法、並びにバナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、バナジウム酸化物のリボン状ナノ構造体及びその製造方法、バナジウム酸化物の薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法、並びにバナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法に関する。
遷移元素酸化物材料の多くは、従来のバンド理論では金属的になると予想されるにもかかわらず、温度が低い状態では絶縁体となる。これは、価電子同士がクーロン斥力により互いに反発し合い、自由に動くことができない、いわゆるモット絶縁体状態にあるためと考えられている。このような遷移元素酸化物材料は、温度が上昇すると、ある温度を境に金属的な電気伝導を示すようになる。これは、構成元素のイオン半径が増加することにより結晶構造に歪みが生じ、電子が波動性を回復して結晶全体に広がるためと考えられている。そして、前記のような金属-絶縁体転移は、温度変化に伴い可逆的に起こることが知られている。
温度変化に伴う可逆的な金属-絶縁体転移が起こる遷移元素酸化物材料のうち、二酸化バナジウム(VO)は、約68℃で金属-絶縁体相転移を起こすことが知られている。その際、正方晶系(ルチル型)の結晶構造を有する高温相(R相)と単斜晶系の結晶構造を有する低温相(M相)との転移によって、光の透過率が変化する特性、すなわちサーモクロミック特性を示す。具体的には、温度上昇に伴うM相からR相への転移によって近赤外領域の光透過率が低下し、温度低下に伴うR相からM相への転移によって近赤外領域の光透過率が上昇する(特許文献1~4)。
近赤外線の透過率が、高温において低く、低温において高い材料は、例えば建物や車両の窓部材に適用した場合、気温が高い夏期には、太陽光に含まれる近赤外線の透過量を減らして室内又は車内の温度上昇を抑え、逆に気温が低い冬期には、太陽光に含まれる近赤外線の透過量を増やして室内又は車内の温度上昇を促進することができる。
このように、季節等による気温の変化に応じて近赤外線の透過量を自動的に制御し、快適性と省エネルギー性とを両立できると考えられることから、二酸化バナジウム(VO)は、窓部材等への適用が検討されている(特許文献1~4)。
二酸化バナジウムを窓部材に適用する態様として、二酸化バナジウムの微粒子を分散させた樹脂層(サーモクロミックシート)を、透明基材上にコーティングないし貼り付ける態様が知られている。
VO微粒子を分散させたサーモクロミックシートを、例えば自動車窓に貼り付ける場合、運転安全性の確保の観点から、シート表面は濁りや曇りが殆どないことが求められ、そのためには、シート中に分散しているVO微粒子を、粒径が50nm以下で、且つサイズや形状のばらつきが小さい粒子とすることが必要である。
サイズや形状が揃った金属酸化物ナノ粒子を製造する方法として、水熱合成法が広く検討されている。水熱合成法とは、温度100℃以上、圧力1気圧以上の熱水存在下で行われる合成法であり、例えばオートクレーブと呼ばれる高温高圧容器を用いて行われる。
水熱合成法を用いてサーモクロミック特性及び光透過性に優れた酸化バナジウム粒子を製造する方法としては、例えば、バナジウム化合物、還元剤及び水を混合して水熱処理する際に、バナジウム化合物の初期濃度を特定の範囲内とすることが報告されている(特許文献5)。
水熱合成法の粒子生成機構に関しては、マクロな実験結果より推察されることがほとんどであり、一般的には古くから「LaMerモデル」に基づく反応機構が考えられている。これによれば、溶質濃度が臨界過飽和域以上になると、核生成と核成長とがほぼ同時期に進行することとなる。しかしながら、実際には、温度や溶質濃度の空間的不均一があるため、結晶多形や粒子サイズ不均一などがしばしば起こる。
前述の問題点を解決し、粒径の揃ったナノ粒子を得る方法として、TiOナノチューブなどの1次元ナノ構造体を前駆体として用い、該1次元ナノ構造体を含む溶液を水熱反応させ、該1次元ナノ構造体の結晶構造の分解及び再核発生・再結晶成長を促進させ、粒径の揃ったTiOナノ粒子に作り変える方法が提案されている(非特許文献1)。
このような1次元ナノ構造体の結晶構造の分解及び再核発生・再結晶成長機構では、1次元ナノ構造体の結晶構造の一部が分解して新たな結晶核が形成されたとき、該結晶核は1次元ナノ構造体の結晶構造と弱く結合して留まる。このため、従来の溶解-析出機構と比較して、結晶核同士が融合して粗大化する確率が低くなるため、再結晶成長した後も、それぞれの結晶粒子のサイズのばらつきが小さくなると考えられる。
バナジウム酸化物の1次元ナノ構造体としては、アンモニウムイオンを含むバナジウム酸化物の水和物を基本構造とするものが報告されている(非特許文献2)。
特許第5548479号 特開2013-184091号公報 特開2004-346260号公報 国際公開第2016/158920号 特開2016-166294号公報
しかしながら、前述のようなバナジウム酸化物の1次元ナノ構造体を、サーモクロミック特性を有するバナジウム酸化物ナノ粒子の合成における前駆体として用いることについては、これまで報告がなかった。
そこで本発明は、バナジウム酸化物の1次元ナノ構造体であるリボン状ナノ構造体を前駆体として使用する、粒径が小さく、粒子サイズの揃った、サーモクロミック特性を有するバナジウム酸化物ナノ粒子の新規な製造方法、該製造方法への使用に好適なリボン状ナノ構造体及びその製造方法、並びに該製造方法への使用に好適な薄片状ナノ粒子を含む水溶液の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために種々の検討を行ったところ、特定の結晶構造を有するアンモニウム含有酸化バナジウム水和物でリボン状ナノ構造体を形成し、該リボン状ナノ構造体を、還元剤、及び硫酸又はその水溶性塩と共に水に混合して撹拌しながら加熱して薄片状ナノ構造体を含む水溶液とせしめ、さらに当該水溶液を水熱反応処理することにより、粒径が小さく、粒子サイズが揃っており、且つバナジウムの価数が4価であるバナジウム酸化物ナノ粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決するための本発明の第1の態様は、アンモニウム含有酸化バナジウム水和物で形成されたリボン状ナノ構造体であって、該アンモニウム含有酸化バナジウム水和物の結晶構造が、5価のバナジウムイオンの周囲に配位した5個の酸素を頂点とする多面体が稜及び頂点を共有しながら2次元的に広がった層と、該層間に配置された水及びアンモニウムイオンと、を備える、リボン状ナノ構造体、である。
本発明の第2の態様は、五酸化バナジウムとペルオキソ二硫酸アンモニウムとを水熱反応させることを含む、リボン状ナノ構造体の製造方法、である。
本発明の第3の態様は、前述のリボン状ナノ構造体を、還元剤、及び硫酸又はその水溶性塩と共に水に混合し、該リボン状ナノ構造体を薄片化することを含む、薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法、である。
本発明の第4の態様は、五酸化バナジウムとペルオキソ二硫酸アンモニウムとを水熱反応させてリボン状ナノ構造体を得ること、並びに、前記リボン状ナノ構造体を、還元剤、及び硫酸又はその水溶性塩と共に水に混合し、該リボン状ナノ構造体を薄片化すること、を含む、薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法、である。
本発明の第5の態様は、前述の薄片状ナノ構造体を含む水溶液を水熱反応処理することを含む、粒径が50nm以下であり、且つバナジウムの価数が4価であるバナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法、である。
本発明によれば、粒径が小さく、粒子サイズが揃っており、且つバナジウムの価数が4価であるバナジウム酸化物ナノ粒子及びその製造方法を提供することができる。
実施例1で得られた粉末試料(リボン状ナノ構造体)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真 実施例1で得られた粉末試料(リボン状ナノ構造体)のX線回折パターン及び該パターンから導出されたバナジウム酸化物の結晶構造を示す概略図 実施例1にて溶液Aにおける沈殿物から得た粉末試料(薄片状ナノ構造体)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真 実施例1にて溶液Aを水熱処理して得られた微粒子状試料(ナノ粒子)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真 実施例1得られた微粒子状試料(ナノ粒子)のX線回折パターン 比較例1、2にて溶液B及び溶液Cにおける沈殿物から得られた粉末試料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真 比較例1にて溶液Bを水熱処理して得られた微粒子状試料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真
以下、本発明の構成及び作用効果について、技術的思想を交えて説明する。なお、数値範囲の記載(2つの数値を「~」でつないだ記載)については、下限及び上限として記載された数値をも含む意味である。
[リボン状ナノ構造体]
本発明の第1の態様に係るリボン状ナノ構造体は、アンモニウム含有酸化バナジウム水和物で形成されており、該アンモニウム含有酸化バナジウム水和物が、5価のバナジウムイオンの周囲に配位した5個の酸素を頂点とする多面体が稜及び頂点を共有しながら2次元的に広がった層と、該層間に配置された水分子及びアンモニウムイオンと、を備える結晶構造を有する。ここで、「リボン状ナノ構造体」とは、その外形が、向かい合って一方向に延びる一対の面を有し、該各面の伸長方向の長さがμmオーダーで、該伸長方向に直交する前記各面の幅及び前記各面の間隔である厚さがいずれもnmオーダーであると共に、前記厚さに比べて前記幅が大きい構造体をいう。ただし、複数のリボン状ナノ構造体が厚さ方向に重なることで、見かけ上、幅と同等の厚さを有する構造体を形成する場合もある。前述のアンモニウム含有酸化バナジウム水和物で形成されるリボン状ナノ構造体では、前述のバナジウム-酸素多面体が2次元的に広がった層が、前記一対の面を構成する。前述の結晶構造を有するアンモニウム含有酸化バナジウム水和物の組成式の例としては、(NH 0.5・HOが挙げられる。
なお、前述のバナジウム-酸素多面体により形成された層の間には、アンモニウムイオンの他に、カリウムイオン及びナトリウムイオン等の陽イオンが存在していてもよい。
本発明の第2の態様に係るリボン状ナノ構造体の製造方法は、五酸化バナジウム(V)とペルオキソ二硫酸アンモニウム((NH)とを水熱反応させることを含む。
本実施形態及び後述する各実施形態で採用される「水熱処理」とは、温度100℃以上、圧力1気圧以上の熱水存在下で行われる化学合成処理を意味する。前記熱水は、温度及び圧力が、水の臨界点(374℃、22MPa)よりもやや低い亜臨界水、又は温度及び圧力が水の臨界点を超える超臨界水であることが好ましい。また、「水熱反応」とは、前記「水熱処理」において起こる化学反応をいう。水熱合成は、例えば、オートクレーブ装置内で実施される。
本実施形態における水熱反応の条件は特に限定されず、使用する反応装置の仕様に応じてリボン状ナノ構造体が生成する条件を適宜選択すれば良い。一例として、温度120~200℃にて2~24時間反応させることが挙げられる。
前述した各実施形態に係るリボン状ナノ構造体の幅及び厚さは特に限定されないが、後述する薄片状ナノ構造体の形状を揃えて均一なバナジウム酸化物ナノ粒子を得る点からは、幅300nm以下、厚さ300nm以下であることが好ましい。なお、前述のように、リボン状ナノ構造体が、複数のリボン状ナノ構造体が重なった積層構造を有する場合には、該積層構造を有する構造体全体の厚さが前記範囲内にあることが好ましい。
[薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法]
本発明の第3ないし第4の態様に係る薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法は、前述した各実施形態に係るリボン状ナノ構造体を、還元剤、及び硫酸又はその水溶性塩と共に水に混合し、該リボン状ナノ構造体を薄片化することを含む。
前記リボン状ナノ構造体が薄片化するメカニズムは明らかとはいえないが、該リボン状ナノ構造体のバナジウム酸化物結晶の一部が水中で還元剤及び硫酸イオンと反応し、バナジウムの価数が4の酸化硫酸バナジウム(VOSO)を生成し、次いで該酸化硫酸バナジウムが水に溶解してバナジルイオン(VO2+)と硫酸イオン(SO 2-)とに電離することで、前記リボン状ナノ構造体が切断されるものと推測される。
前記薄片状ナノ構造体の寸法及び形状は特に限定されないが、粒径の揃ったバナジウム酸化物ナノ粒子を得る点からは、長軸方向の長さ、すなわち薄片の輪郭を結ぶ線分のうち最長のものの長さが、50~300nmであることが好ましい。また、薄片状ナノ構造体は、反り返って丸まった形状であってもよい。
前記リボン状ナノ構造体と共に水に混合する還元剤は、特に限定されず、ヒドラジン(N)、シュウ酸((COOH))、尿素(CO(NH)及びギ酸(HCOOH)等が例示される。これらの化合物は、無水物であっても水和物であってもよい。
還元剤の使用量についても特に限定されず、使用する還元剤の還元力等を考慮して適宜設定すればよい。一例として、還元剤としてヒドラジンを用いる場合には、リボン状ナノ構造体の薄片化を促進する点で、リボン状ナノ構造体に含まれるバナジウム1モルに対して、還元剤を0.1モル以上とすることが好ましく、0.2モル以上とすることがより好ましい。他方、バナジウムの還元が進みすぎて3価となることを避ける点で、リボン状ナノ構造体に含まれるバナジウム1モルに対する還元剤(ヒドラジン)の使用量は、1モル以下とすることが好ましく、0.8モル以下とすることがより好ましい。他の例として、還元剤としてシュウ酸を用いる場合は、前述の理由から、リボン状ナノ構造体に含まれるバナジウム1モルに対する還元剤使用量は、0.2モル以上とすることが好ましく、0.4モル以上とすることがより好ましく、また2モル以下とすることが好ましく、1.6モル以下とすることがより好ましい。
前記リボン状ナノ構造体と共に水に混合する硫酸又はその水溶性塩は、水中で電離して硫酸イオン(SO 2-)を生じるものであれば特に限定されず、硫酸(HSO)、硫酸アンモニウム((NHSO)、硫酸スズ(SnSO,Sn(SO)、硫酸イリジウム(Ir(SO,Ir(SO)、硫酸クロム(CrSO)、硫酸鉄(FeSO,Fe(SO)、硫酸ガリウム(Ga(SO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸アルミニウム(Al(SO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸亜鉛(ZnSO)、硫酸ジルコニウム(Zr(SO)及び硫酸ハフニウム(Hf(SO)等が例示される。金属の硫酸塩を用いる場合、後述するバナジウム酸化物ナノ粒子に該金属が含まれることで、可視光透過特性、バンドギャップ、金属-絶縁体転移温度等の物性ないしサーモクロミック特性を制御することができる。
硫酸又はその水溶性塩の使用量についても特に限定されないが、リボン状ナノ構造体の薄片化を促進する点からは、リボン状ナノ構造体に含まれるバナジウム1モルに対して、硫酸イオン換算で0.3モル以上が好ましく、0.4モル以上がより好ましい。他方、経済性の点からは、リボン状ナノ構造体に含まれるバナジウム1モルに対して、硫酸イオン換算で1.5モル以下が好ましく、1モル以下がより好ましい。また、硫酸を使用する場合には、使用量が多すぎると、リボン状ナノ構造体が完全に溶解してしまい、薄片状ナノ構造体が得られなくなる虞があるため、その使用量は、リボン状ナノ構造体に含まれるバナジウム1モルに対して、硫酸イオン換算で1モル以下が好ましく、0.8モル以下がより好ましい。
前述したリボン状ナノ構造体の薄片化は、該リボン状ナノ構造体を、還元剤、及び硫酸又はその水溶性塩と共に水に混合すれば進行するが、該薄片化を促進する点からは、混合液を加熱又は撹拌することが好ましく、混合液を加熱しながら撹拌することがより好ましい。
前記混合液を加熱する場合、その加熱条件は特に限定されないが、リボン状ナノ構造体の薄片化を促進する点からは、40℃以上とすることが好ましく、50℃以上とすることがより好ましい。他方、沸騰による不均一な薄片化を防止する点及び経済性の点からは、90℃以下とすることが好ましく、80℃以下とすることがより好ましい。
前記混合液を撹拌する場合、その撹拌条件としては、生成した薄片状ナノ構造体が衝突により物理的に破壊されない条件であれば特に限定されない。
[ナノ粒子の製造方法]
本発明の第5の態様に係るバナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法は、前述した薄片状ナノ構造体を含む水溶液を水熱処理することを含む。
前記水溶液からバナジウム酸化物ナノ粒子が生成するメカニズムは明らかとはいえないが、薄片状ナノ構造体を核生成の起点としつつ、水中に溶解した酸化硫酸バナジウム(VOSO)がVOナノ粒子の成長に必要な成分の供給源となることで、粒径が50nm以下で粒子サイズが揃ったナノ粒子が生成すると推測される。
水熱処理の条件(反応物の量、処理温度、処理圧力及び処理時間等)は、使用する反応装置の仕様や、所望するナノ粒子の量、組成、粒径等に応じて適宜設定されるが、反応装置としてオートクレーブを使用する場合、処理温度の下限としては、例えば180℃以上であり、200℃以上が好ましく、250℃以上がより好ましい。温度を高くすることで、水熱反応が促進され、ナノ粒子が短時間で得られる。他方、処理温度の上限は、350℃以下であり、300℃以下が好ましく、290℃以下がより好ましい。処理温度を低くすることにより、得られるナノ粒子の粒径を小さくすることができる。ただし、過度に粒径が小さいと、結晶性が低くなる。処理時間としては、例えば1時間~5日程度である。時間を長くすることにより、得られるナノ粒子の粒径等を制御することができるが、過度に長い処理時間では、エネルギー消費量が多くなる。
水熱処理は、80~160℃で5分~8時間の第1段階の処理を行った後、温度を上げて、第2段階として前述の条件で処理を行うようにしてもよい。水熱処理を2段階で行うことにより、A相やB相等のサーモクロミック特性を示さない酸化バナジウム(VO)の生成を効果的に抑制することができる。
水熱反応後、懸濁液から生成したナノ粒子を分離して回収し、洗浄処理を行うことで、バナジウム酸化物のナノ粒子が得られる。
得られるバナジウム酸化物ナノ粒子は、個々の粒子の粒径が50nm以下であり、粒子サイズが揃っており、且つバナジウムの価数が4価となっている。ここで、「ナノ粒子」とは、サブミクロン、すなわち1μm未満の径を有する粒子をいう。また、ナノ粒子の「粒径」とは、走査型電子顕微鏡像において、個々のナノ粒子の輪郭を結ぶ線分のうち最長のものの長さをいう。
ナノ粒子を、粒径が50nm以下で粒子サイズが揃ったものとすることで、特に粒径を30~50nmの範囲内とすることで、窓部材に適用した際の濁りや曇りを抑制することができる。また、バナジウムの価数を4価とすることで、上述したサーモクロミック特性を発現可能となる。
前述のバナジウム酸化物ナノ粒子は、良好なサーモクロミック特性を得る点から、粒子が単一ドメインで形成されている単結晶であることが好ましい。
前述のバナジウム酸化物ナノ粒子は、コーティング処理又は表面改質処理が施されたものでも良い。該処理により、ナノ粒子の表面を保護したり、表面性状を改質したり、光学特性を制御したりできる。
[ナノ粒子の用途]
本実施形態に係るフッ素ドープ型酸化チタンバナジウムナノ粒子は、例えば、水又は有機溶媒を含む分散媒中に分散してサーモクロミック特性を有するインクとして使用したり、樹脂及び溶剤と混合してサーモクロミック特性を有する塗料として使用したり、透明樹脂成形体中に分散してサーモクロミック特性を有する樹脂部材(シート又はフィルムを含む)として使用したり、透明基材上にこれを含む層を形成してサーモクロミック特性を有する積層体として使用したりできる。この際に使用される分散媒、樹脂、溶剤、透明基材等は、前記各用途に使用できるものの中から、要求される特性やコスト等に応じて適宜選択すれば良い。
以下、実施例に基づいて本発明の実施態様をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<リボン状ナノ構造体の作製>
10mLの蒸留水に、300mgの五酸化バナジウム(V、和光純薬社製、特級)、600mgのペルオキソ二硫酸アンモニウム((NH、和光純薬社製、特級)をそれぞれ加えて撹拌することにより、反応溶液を調製した。
該反応溶液を、市販の水熱反応用オートクレーブ(三愛科学社製、高圧用反応分解容器25mLセット(耐圧ステンレス製外筒HUS-25、PTFE製内筒HUT-25))内に入れ、160℃で12時間、水熱反応させた。
水熱反応後、オートクレーブ外筒表面の温度が室温と同等になったのを確認してからオートクレーブを開封し、得られた反応生成物をろ過し、これを水及びエタノールで洗浄した。その後、この反応生成物を、定温乾燥機を用いて、60℃で12時間乾燥させ、さらにハンディミルで粉砕することにより粉末試料を得た。
得られた粉末試料の走査電子顕微鏡(SEM)観察をすることにより、図1に示すようなリボン状ナノ構造体が形成されていることを確認した。
X線回折測定の結果から、前記リボン状ナノ構造体は、図2に示すように、層状構造を有するバナジウム酸化物を含み、その層間距離は0.96nmであることが確認された。
また、前記リボン状ナノ構造体の熱重量測定及び示差熱分析を行うことにより、該リボン状ナノ構造体は水分子を含む水和物であることを確認した。
さらに、X線光電子分光(XPS)法を用いてバナジウムの2P 3/2 ピークの形状と位置を確認することにより、バナジウムの価数が5であることを確認すると共に、窒素の1Sピークの面積とバナジウムの2P3/2ピークの面積との比を算出することにより、アンモニウムイオンを含むことを確認し、該アンモニウムイオンの含有量を見積もった。
上述の結果から、前記リボン状ナノ構造体を形成するアンモニウム含有酸化バナジウム水和物の構造式は、(NH 0.5・HOと考えられる。
<薄片状ナノ構造体を含む水溶液の作製>
10mLの蒸留水に、320mgのリボン状ナノ構造体、5%に希釈したヒドラジン一水和物(N・HO)溶液950mg(リボン状ナノ構造体中のバナジウム1モルに対してヒドラジンが0.25モルとなる量)、1規定(0.5mol/L)の硫酸水溶液1.7mL(リボン状ナノ構造体中のバナジウム1モルに対して硫酸イオンが0.5モルとなる量)を混合し、液温60℃で30分間、撹拌保持した(溶液A)。
撹拌を停止してから溶液を観察したところ、黒緑色の沈殿物と青透明色の上澄み液とに分離されていた。
沈殿物の一部を回収し、定温乾燥機を用いて、60℃で12時間乾燥させて粉末試料を得て、得られた粉末試料の走査電子顕微鏡(SEM)観察をすることにより、図3に示すような薄片状ナノ構造体が形成されていることを確認した。
一方、青透明色の上澄み液は、バナジルイオン(VO2+)の存在によって青透明色を呈していると考えられる。そうであれば、前述のリボン状ナノ構造体が薄片状ナノ構造体は、上述のリボン状ナノ構造体を構成するバナジウム酸化物の一部が硫酸と反応して、バナジウムの価数が4価の酸化硫酸バナジウム(VOSO)を生成し、次いで該酸化硫酸バナジウムが水に溶解してバナジルイオン(VO2+)と硫酸イオン(SO 2-)とに電離することで、前記リボン状ナノ構造体が切断されて生成したものと推測される。
<ナノ粒子の作製>
上述の溶液Aを、沈殿物と上澄み液とを分離することなく、そのまま市販の水熱反応用オートクレーブ(三愛科学社製、高圧用反応分解容器25mLセット(耐圧ステンレス製外筒HUS-25、PTFE製内筒HUT-25))内に入れ、160℃で4時間、さらに270℃で24時間、水熱反応させた。
水熱反応後、オートクレーブ外筒表面の温度が室温と同等になったのを確認してからオートクレーブを開封し、溶液を市販の遠心分離用遠心管に入れ、遠心分離を施し上澄水を除去した。次いで、遠心管底に沈殿した反応生成物に蒸留水を加えて振盪させて混合した後、再度遠心分離を施し、上澄み水を除去した。次いで、遠心管底に沈澱した反応生成物にエタノールを加えて振盪させて混合した後、再度遠心分離を施し、上澄みのエタノールを除去することで、反応生成物の洗浄を行った。洗浄後の反応生成物を70℃の定温乾燥機で一晩乾燥し、実施例1に係る微粒子状試料を得た。
<ナノ粒子の評価>
得られた微粒子状試料を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。微粒子状試料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図4に示す。該微粒子状試料は、粒径が30~50nmの範囲内にあり、サイズと形状が揃ったナノ粒子であることが確認された。
得られた微粒子状試料のX線回折測定を行ったところ、図5に示すように、単斜晶系の結晶構造(M相)を有することが確認された。
X線光電子分光(XPS)法により、得られた微粒子状試料中には窒素および硫酸が含まれていないことが確認された。
(比較例1、2)
薄片状ナノ構造体を含む水溶液の作製時に、硫酸を混合せずに溶液Bを作製した以外は実施例1と同様にして、比較例1に係るナノ粒子を作製した。また、薄片状ナノ構造体を含む水溶液の作製時に、還元剤を混合せず、硫酸の混合量を3.4mL(リボン状ナノ構造体中のバナジウム1モルに対して硫酸イオンが1モルとなる量)として溶液Cを作製した以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る試料を作製した。なお、後述するように、溶液B及び溶液Cはいずれも薄片状ナノ構造体を含む水溶液とはならず、かつ溶液Bを水熱処理した際にリボン状ナノ構造体が残存したことから、溶液Cについては、溶液Bと同様の結果が得られると考え、水熱処理以降の操作を行わなかった。
得られた溶液B及び溶液Cにおける沈殿物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真をそれぞれ図6に示す。また、溶液Bを水熱処理した際に生成した微粒子状試料の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図7に示す。
図6から判るように、溶液B及び溶液Cにおける沈殿物はいずれも、混合したリボン状ナノ構造体の形状をほぼそのまま保っており、比較例1、2では薄片状ナノ構造体を含む水溶液が得られなかった。
また、図7から判るように、溶液Bを水熱処理した場合、少量のナノ粒子が生成するものの、リボン状ナノ構造体が残存し、サイズと形状が揃ったナノ粒子は得られなかった。
本発明に係るリボン状ナノ構造体及びその製造方法、薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法、並びにバナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法は、粒径が小さく、粒子サイズが揃ったサーモクロミック特性を有するバナジウム酸化物ナノ粒子を得るのに好適である。また、本発明のバナジウム酸化物ナノ粒子は、サーモクロミック特性を有する多機能塗料及びそれを適用した被覆物、樹脂フィルム、ならびにインクおよびその印刷物等に適用することができる。また、本発明に係るバナジウム酸化物ナノ粒子を車両若しくは建築物の窓、テラス、カーポート、テント材又は農業用温室フィルム等に適用した場合、近赤外線入射量を調節する効果を得ることができる。特に、本発明に係るバナジウム酸化物ナノ粒子を車両若しくは建築物の窓に適用した場合には、濁りや曇りを抑制することができる点で有用である。

Claims (7)

  1. 五酸化バナジウムとペルオキソ二硫酸アンモニウムとを水熱反応させることを含む、リボン状ナノ構造体の製造方法。
  2. 結晶構造が、5価のバナジウムイオンの周囲に配置された5個の酸素を頂点とする多面体が稜及び頂点を共有しながら2次元的に広がった層と、該層間に配置された水及びアンモニウムイオンと、を備えるアンモニウム含有酸化バナジウム水和物で形成されたリボン状ナノ構造体を、還元剤、及び硫酸又はその水溶性塩と共に水に混合し、該リボン状ナノ構造体を薄片化することを含む、薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法。
  3. 五酸化バナジウムとペルオキソ二硫酸アンモニウムとを水熱反応させてリボン状ナノ構造体を得ること、並びに、
    前記リボン状ナノ構造体を、還元剤、及び硫酸又はその水溶性塩と共に水に混合し、該リボン状ナノ構造体を薄片化すること、
    を含む、薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法。
  4. 前記還元剤が、ヒドラジン、シュウ酸、尿素及びギ酸から選択される一以上である、請求項又はに記載の薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法。
  5. 前記薄片状ナノ構造体の長軸方向の長さが、50~300nmである、請求項のいずれかに記載の薄片状ナノ構造体を含む水溶液の製造方法。
  6. 請求項のいずれかに記載の方法で薄片状ナノ構造体を含む水溶液を製造すること、及び、
    該水溶液を水熱反応処理すること、
    を含む、粒径が50nm以下であり、且つバナジウムの価数が4価であるバナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法。
  7. 前記水熱反応処理が、80~160℃で5分~8時間の第1段階の処理を行った後、180℃以上に昇温して第2段階の処理を行うものである、請求項に記載のバナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法。
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