以下、添付図面を参照して、参考例及び本発明の実施形態について説明する。
(参考例)
以下、図1から図18を参照して、本発明の参考例に係る排気ガス処理装置1について説明する。
まず、図1から図3を参照して、排気ガス処理装置1の全体構成について説明する。図1は、排気ガス処理装置1の斜視図である。図2は、排気ガス処理装置1の正面図である。図3は、排気ガス処理装置1の断面概要図である。
排気ガス処理装置1は、車両に搭載され、エンジン(図示省略)から排出される排気ガスGを処理するものである。本参考例では、小型で優れた排気ガス浄化性能を有する触媒コンバータとしての排気ガス処理装置1の構造例を示す。具体的には、排気ガス処理装置1は、排気ガスGに含まれる炭化水素や一酸化炭素を酸化させて二酸化炭素と水分にするとともに、窒素酸化物の還元、微小粒子状物質の除去を行い、排気ガスGを浄化する。
図1及び図2に示すように、排気ガス処理装置1は、マニホールドとしての第1流路部材10と、第1ケース20と、第2ケース30と、第3ケース40と、第2流路部材50と、を備える。本参考例では、第1ケース20と第2ケース30と第3ケース40とが、ケースに該当する。図3に示すように、排気ガス処理装置1は、EHC(Electrically Heated Catalyst:電気加熱触媒)21と、第1触媒担体としてのTWC(Three-Way Catalyst:三元触媒)25と、第2触媒担体としてのGPF(Gasoline Particulate Filter:ガソリン・パティキュレート・フィルタ)41と、を備える。
図1及び図2に示すように、第1流路部材10は、入口側フランジ11と、第1部材12と、第2部材13と、重複部分14と、を有する。図3に示すように、第1流路部材10は、排気ガスGが流入する流入口としての入口側開口部10aと、排気ガスGが流出する流出口としての出口側開口部10bと、を有する。第1流路部材10には、二次エア制御ユニット80が設けられる。
図1及び図2に示すように、入口側フランジ11は、排気タービン(図示省略)の排気出口部に接続される。入口側フランジ11は、第1流路部材10から第1ケース20の径方向に突出して設けられる。入口側フランジ11の突出端部には、入口側開口部10aが設けられる。入口側フランジ11は、円筒状に形成され、滑らかな曲面状に形成されて排気ガスGの流れ方向に沿って徐々に径が縮小する。入口側フランジ11が滑らかな曲面状に形成されることで、第1流路部材10に導かれる排気ガスGの流れが改善される。
第1部材12は、排気ガスGの流れの内周側に設けられる。第2部材13は、排気ガスGの流れの外周側に設けられる。第1部材12と第2部材13とは重複部分14にて重複し、この重複部分14が溶接されることで一体になる。
重複部分14は、入口側開口部10aから流入する排気ガスGが直線的に進行した場合の進行方向と直交する位置に各々設けられる。
図3に示すように、入口側開口部10aからは、エンジンから排出され第1方向Pに流れる排気ガスGが流入する。出口側開口部10bからは、第1方向Pと交差する第2方向Qに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。第1流路部材10は、第1方向Pから第2方向Qに排気ガスGの進行方向を変える。本参考例では、第1流路部材10は、第1ケース20の径方向から第1方向Pに流れる排気ガスGを略直角に方向転換させ、第1ケース20の中心軸方向の第2方向Qに沿った流れに変えている。
第1流路部材10は、第1ケース20のうち入口側開口部20aに近接している一部に対して排気ガスGの進行方向を滑らかに変えるように曲面状に接続される曲面部15を有する。
第1流路部材10は、入口側開口部10aから流入する排気ガスGが直線的に進行した場合の進行方向に沿って徐々に流路面積を小さくするように出口側開口部10bに向かって突出する突出部17を有する。突出部17が設けられることで、後述する対向壁部26Aに排気ガスGが流れにくくなるので、対向壁部26Aの近傍にEHC21の電極24を配置することができるようになる。電極24を配置可能な電極配置可能範囲26Eについては、図4を参照しながら、後で詳細に説明する。
第1流路部材10は、突出部17よりも排気ガスG流れ方向の上流に設けられて排気ガスGの流路面積を拡張する拡張部18を有する。拡張部18が設けられることで、第1流路部材10内における排気ガスGの流れが改善される。
二次エア制御ユニット80は、エンジンが作動しておらず排気ガスGが流れていないときに、第1流路部材10内に空気(二次エア)を供給する。二次エア制御ユニット80は、第1流路部材10の突出部17に設けられる。二次エア制御ユニット80は、EHC21に向かって空気を供給(噴射)する。二次エア制御ユニット80は、供給する空気の流量[kg/h]を調整可能である。二次エア制御ユニット80によって供給された空気は、EHC21によって加熱されてTWC25に導かれる。これにより、排気ガスGが流れていないときにもTWC25を加熱することができる。
図1及び図2に示すように、第1ケース20は、円筒状に形成される。図3に示すように、第1ケース20は、排気ガスGが流入する入口側開口部20aと、排気ガスGが流出する出口側開口部20bと、を有する。第1ケース20の上流端部は、第1流路部材10の出口側開口部10bの内周に挿入される。第1ケース20は、第1流路部材10と溶接される。第1ケース20には、温度センサ71が設けられる。
第1ケース20は、円筒状の上流側円筒部28と、円筒状の下流側円筒部29と、を有する。上流側円筒部28の下流端部は、下流側円筒部29の上流端部内に挿入されて溶接される。上流側円筒部28内には、EHC21が収容される。下流側円筒部29内には、TWC12が収容される。
EHC21は、TWC25の排気ガスGの流れ方向の上流に設けられ、第1流路部材10から流入し第2方向Qに流れてTWC25に導かれる排気ガスGを加熱する。EHC21は、ヒータ22と、電極支持体23と、電極24と、を有する。
ヒータ22は、電極24に印加された電流によって発熱する。ヒータ22は、例えば、渦巻き形状のヒータである。ヒータ22は、金属によって形成される。ヒータ22は、第1ケース20(上流側円筒部28)内に保持される。
電極支持体23は、TWC25の上流側に位置する。電極支持体23は、ヒータ22及び電極24を支持するハニカム構造体からなる。電極支持体23の外周面は、第1ケース20(上流側円筒部28)内に保持される。
電極24は、第2方向Qと交差する方向(ここでは第1ケース20の径方向)にヒータ22から第1ケース20(上流側円筒部28)の外部に向けて突出して設けられる。電極24からは、ヒータ22に電力が供給される。
ヒータ22と電極支持体23との間には、ヒータ22と電極支持体23との間隔を維持するとともに、ヒータ22及び電極24を保持するための複数のピン(図示省略)が設けられる。複数のピンは、ヒータ22及び電極支持体23のそれぞれに差し込まれるようにして、ヒータ22と電極支持体23との間に設けられる。
排気ガス処理装置1では、エンジンの始動時のコールド始動時(冷態始動時)に、ヒータ22に電極24を通じて電流を流すことで、第1ケース20内を流れる排気ガスGの温度が200~300[℃]になるまで加熱し、この加熱された排気ガスGによりTWC25を加熱する。これにより、TWC25の触媒成分を短い時間で活性化温度にすることができる。このように、排気ガス処理装置1では、短時間でTWC25の触媒成分の活性化を図ることができるので、エンジンの始動時における浄化性能を向上させることができる。
なお、EHC21は、導電性の担体に触媒を担持させたものに通電して温度を上昇させる形式であってもよい。この場合、EHC21が第1触媒担体に相当する。
図1及び図2に示すように、第1ケース20は、排気ガス処理装置1の小型化のために、第1流路部材10に深く挿入される。即ち、EHC21は、第1流路部材10内に進入しており、入口側開口部10aとの距離が小さい。そのため、図3に示すように、第1ケース20には、入口側開口部10aから流入する排気ガスGの流れを遮らないように、入口側凹部20cが形成される。また、図1及び図2に示すように、第1流路部材10には、電極24が設けられる位置に、電極24を避けるように略半円状に切り欠かれた凹部16が形成される。凹部16は、第1流路部材10と第1ケース20とを溶接する際の電極24への溶接熱の影響を抑制するために、電極24の外形よりも大きく形成される。そのため、電極24は、第1流路部材10と第1ケース20との重複長さが所定長さ以上の部分にのみ配置可能である。この電極24の配置については、図4から図11を参照しながら、後で詳細に説明する。
TWC25は、第1流路部材10の出口側開口部10bから導かれる排気ガスGが流入し、第2方向Qに流れる排気ガスGを浄化する。TWC25は、外周を覆う円筒状のインナーケース25aを介して下流側円筒部29に支持される。
図3に示すように、温度センサ71は、EHC21とTWC25との間の空間に挿入される。温度センサ71は、EHC21にて加熱されてTWC25に導かれる排気ガスGの温度[℃]を検出する。即ち、温度センサ71が検出する排気ガスGの温度は、TWC25の温度と略等価である。
図1及び図2に示すように、第2ケース30は、第1部材31と、第2部材32と、重複部分33と、を有する。図3に示すように、第2ケース30は、排気ガスGが流入する入口側開口部30aと、排気ガスGが流出する出口側開口部30bと、を有する。第2ケース30には、センサとしての空燃比センサ35が設けられる。
図3に示すように、入口側開口部30aからは、TWC25を通過して第2方向Qに流れる排気ガスGが流入する。出口側開口部30bからは、第2方向Qと交差する第3方向Rに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。第2ケース30は、第2方向Qから第3方向Rに排気ガスGの進行方向を変える。本参考例では、第2ケース30は、第1ケース20の中心軸方向の第2方向Qに流れる排気ガスGを略100°曲げて方向転換させ、第3ケース40の中心軸方向の第3方向Rに沿った流れに変えている。
図1及び図2に示すように、第1部材31は、排気ガスGの流れの内周側に設けられる。第2部材32は、排気ガスGの流れの外周側に設けられる。第1部材31と第2部材32とは重複部分33にて重複し、この重複部分33が溶接されることで一体になる。
図3に示すように、空燃比センサ35は、排気ガスGを計測する計測部34を有する。空燃比センサ35は、TWC25を通過した排気ガスGを測定する。空燃比センサ35は、棒状部材を有しており、その先端面に計測部34が設けられる。空燃比センサ35の本体部分は、TWC25とGPF41との間の流路上に計測部34が位置するようにして、第2部材32に第2ケース30の外部から取り付けられる。
本参考例では、第2ケース30に取り付けられる空燃比センサ35は、TWC25とGPF41との間の流路上であって、第2ケース30の内壁面の形状に沿って排気ガスGの流速が高い領域を形成し、その排気ガスGの流速が他と比べて速くなった位置に計測部34が位置するようにしている。
第2ケース30は、TWC25の外周面と第2ケース30の内周面との間に設けられ、TWC25の外周を覆う外周流路36と、第2ケース30が内側に突出して形成され、TWC25を通過した排気ガスGをGPF41及び外周流路36のそれぞれに導くように分岐させる分岐部37と、分岐部37によって分岐した残りの排気ガスGを外周流路36に導くガイド部38と、を有する。
分岐部37は、第2ケース30内における排気ガスGの流れ方向外側の管壁の一部が内径方向に突出した形状に形成される。
ガイド部38は、第2方向Qと直交する平面に対して、分岐部37から第2方向Qにおける下流側に所定角度傾斜する傾斜部38aと、傾斜部38aを通過した排気ガスGを外周流路36に導く湾曲部38bと、を有する。
傾斜部38aは、略平面状に形成される。傾斜部38aは、分岐部37によって分岐した排気ガスGを緩やかに湾曲部38bに導き、第2ケース30の内壁面に沿わせながら外周流路36に導く。これにより、TWC25を通過して分岐部37に向かう排気ガスGの流れを妨げずに、排気ガスGをスムーズに外周流路36に導くことができる。
図1及び図2に示すように、第3ケース40は、円筒状に形成される。図3に示すように、第3ケース40は、排気ガスGが流入する入口側開口部40aと、排気ガスGが流出する出口側開口部40bと、を有する。第3ケース40には、GPF41が収容される。
GPF41は、TWC25を通過した排気ガスGであって第2方向Qと交差する第3方向Rに沿って流れる排気ガスGを浄化する。GPF41は、外周を覆う円筒状のインナーケース41aを介して第3ケース40に支持される。
図1及び図2に示すように、第2流路部材50は、出口側フランジ51と、第1部材52と、第2部材53と、重複部分54と、を有する。第2流路部材50は、排気ガスGが流入する入口側開口部50a(図3参照)と、排気ガスGが流出する出口側開口部50bと、を有する。
出口側フランジ51は、排気ガスGを外部へ導く排気管(図示省略)に接続される。出口側フランジ51は、第2流路部材50から第3ケース40の径方向に突出して設けられる。出口側フランジ51の突出端部には、出口側開口部50bが設けられる。
第1部材52は、排気ガスGの流れの内周側に設けられる。第2部材53は、排気ガスGの流れの外周側に設けられる。第1部材52と第2部材53とは重複部分54にて重複し、この重複部分54が溶接されることで一体になる。
次に、主に図3を参照して、排気ガス処理装置1における排気ガスGの流れについて説明する。
入口側フランジ11の入口側開口部10aから流入した排気ガスGは、第1流路部材10を通って第1方向Pから第2方向Qに方向を転換し、EHC21に導かれて加熱される。EHC21にて加熱された排気ガスGは、TWC25に導かれ、含まれる炭化水素や一酸化炭素が酸化され二酸化炭素と水分に分解されるとともに、窒素酸化物が還元される。
TWC25を通過した排気ガスGは、第2ケース30の内壁面に形成された分岐部37によって、GPF41の上流側端面に直接向かう流れと、ガイド部38を通って外周流路36に向かう流れと、に分けられる。
GPF41の上流側端面に直接向かう流れは、排気ガスGの主流を形成し、分岐部37によって略100°向きが変えられて、外周流路36へ回り込むことなく、直接GPF41の上流側端面に流れ込む。
ガイド部38を通って外周流路36に流入した排気ガスGは、TWC25の外周面に沿ってGPF41の上流側端面に向かって流れる。このとき、外周流路36を流れる排気ガスGは、TWC25を外周から加熱する。このように外周流路36に排気ガスGを導くことにより、エンジン始動直後に、TWC25の温度を短時間で上昇させることができるので、TWC25の活性化を図ることができる。特に、TWC25の温度が上昇しくい下流側の部分を外周から加熱できるので、TWC25の活性化のための時間を短くすることができる。
このような第1ケース20と第2ケース30とで構成される二重管構造により、第2ケース30の外部への熱逃げを有効に防止するとともに、第1ケース20によってTWC25を覆うことで外周流路36を流れる排気ガスGがTWC25内へ入って行かないため、外周流路36からGPF41へ向かう排気ガスGの流路抵抗を小さくできる。また、外周流路36を流れる排気ガスGがTWC25内に入って行かないので、TWC25内を第2方向Qへ流れる排気ガスGの流れを妨げることが防止される。
以上のようにして、外周流路36を通過した排気ガスGは、分岐部37によって分岐されたGPF41の上流側端面に直接向かう流れと合流し、第3方向Rに流れてGPF41内に流入する。
GPF41内に流入した排気ガスGは、微小粒子状物質が除去され、第2流路部材50を通じて排気管に排出される。
続けて、図4から図11を参照して、EHC21における電極配置可能範囲26Eについて説明する。
まず、主に図4を参照して、電極配置可能範囲26Eの概要について説明する。図4は、EHC21を第2方向Qに見たときの電極配置可能範囲26Eについて説明する概念図であり、図2のIV-IV断面に相当する図である。
図4に示すように、電極24は、第1ケース20において第2方向Qに見たときに入口側開口部10aと対向し入口側開口部10aから流入する排気ガスGが直線的に進行した場合に衝突する対向壁部26Aと重複部分14が設けられる重複部分形成部26Dとの間の領域に配置される。
これにより、エンジンから第1流路部材10に流入する排気ガスGが電極24に直接当たることを防止できる。したがって、ヒータ22に電力を供給するための電極24が排気ガスGによって過熱するのを防止することができる。
また、重複部分14が設けられる重複部分形成部26Dでは、第1部材12と第2部材13とが重複して接合されているので、重複部分形成部26Dに電極24を避けるように切りかかれた凹部16を形成することは困難である。そのため、対向壁部26Aと重複部分形成部26Dとの間の領域に電極24を配置することが望ましい。
更に、電極24は、第1ケース20において第2方向Qに見たときに入口側開口部10aと重複する流入口形成部26Bを除く領域に配置される。流入口形成部26Bは、排気ガスGの流れ方向(第1方向P)にて対向壁部26Aと対向する領域である。
また、電極24は、第1ケース20において曲面部15と重複する曲面重複部26Cを除く領域に配置される。曲面重複部26Cは、第2方向Qに見たときに、流入口形成部26Bの両端に連続する領域である。例えば、入口側開口部10aがヒータ22の中心軸から一方にオフセットされている場合など、入口側開口部10aが形成される位置によっては、曲面重複部26Cは、流入口形成部26Bの一方の端部のみに形成される場合もある。
仮に、流入口形成部26B若しくは曲面重複部26Cに電極24を配置した場合、第1流路部材10に流入する排気ガスGが電極24に直接当たることはない。よって、ヒータ22に電力を供給するための電極24が排気ガスGによって過熱するのを防止することができる。
しかしながら、流入口形成部26B若しくは曲面重複部26Cに電極24が干渉しないように、電極24を第1流路部材10から離れた位置に配置する必要がある。また、電極24を流入口形成部26Bに配置した場合には、排気タービンと電極24との距離が近くなり、排気タービンの温度によって電極24が過熱するおそれがある。
これに対して、排気ガス処理装置1では、対向壁部26Aだけでなく流入口形成部26B及び曲面重複部26Cも除く領域に電極24を配置することで、第1流路部材10に近い位置に電極24を配置することができる。したがって、排気ガス処理装置1が大型化するのを防止することができる。また、排気タービンの温度によって電極24が過熱するのを防止することができる。
以上のように、電極配置可能範囲26Eは、排気ガスGによる過熱のみを考慮した場合には、対向壁部26Aを除く領域である。しかしながら、電極配置可能範囲26Eは、排気タービンによる過熱及び排気ガス処理装置1の小型化を考慮した場合には、対向壁部26A,流入口形成部26B,及び曲面重複部26Cを除く領域であることが望ましい。
次に、図5から図11を参照して、各々の位置に電極24を配置できるか否かについて具体的に説明する。図5は、第1流路部材10とEHC21を収容する第1ケース20とについて説明する斜視図である。図6は、図5におけるVI-VI断面図である。図7は、図5におけるVII-VII断面図である。図8は、図5におけるVIII-VIII断面図である。図9は、第1流路部材10とEHC21を収容する第1ケース20とについて説明する図5とは別の角度から見た斜視図である。図10は、図9におけるX-X断面図である。図11は、図9におけるXI-XI断面図である。
図5に示すように、VI-VI断面は、曲面重複部26Cにおける断面であり、VII-VII断面は、流入口形成部26Bにおける断面であり、VIII-VIII断面は、VI-VIとは反対側の曲面重複部26Cにおける断面である。
図6及び図8に示すように、曲面重複部26Cでは、第1流路部材10と第1ケース20との重複長さが小さい。そのため、この位置に電極24を配置しようとすると、第1流路部材10から電極24を離して溶接代を確保できるようにする必要がある。よって、排気ガス処理装置1が大型化するおそれがあるので、この位置に電極24を配置することは望ましくない。
なお、図6に示すように、第1ケース20には、電極を設けるための孔を塞ぐプラグ24aが設けられている。プラグ24aは過熱しても影響はないので、プラグ24aを設ける場合には、電極24を設ける場合のように大きな凹部16を設ける必要がない。よって、曲面重複部26Cにプラグ24aを設けることは許容されるが、電極24を設けることは望ましくない。
図7に示すように、流入口形成部26Bでは、第1流路部材10と第1ケース20との重複長さが曲面重複部26Cよりも更に小さい。そのため、この位置に電極24を配置しようとすると、第1流路部材10から電極24を大きく離して溶接代を確保できるようにする必要がある。よって、排気ガス処理装置1が大型化するおそれがあるので、この位置に電極24を配置することは望ましくない。
図9に示すように、X-X断面は、対向壁部26Aにおける断面であり、XI-XI断面は、電極配置可能範囲26Eにおける断面である。
図10に示すように、対向壁部26Aでは、第1流路部材10と第1ケース20との重複長さは充分に大きい。しかしながら、対向壁部26Aには、入口側開口部10aから流入する排気ガスGが直線的に進行した場合に衝突する。そのため、エンジンから第1流路部材10に流入する排気ガスGが電極24に直接当たる。よって、電極24が排気ガスGによって過熱するおそれがあるので、この位置に電極24を配置することは望ましくない。
図11に示すように、電極配置可能範囲26Eでは、第1流路部材10と第1ケース20との重複長さは充分に大きい。即ち、第1流路部材10と第1ケース20との溶接代が大きいので、電極24を避けて溶接を行うことができる。また、電極配置可能範囲26Eには、入口側開口部10aから流入する排気ガスGが直線的に進行した場合に衝突することはない。即ち、エンジンから第1流路部材10に流入する排気ガスGが電極24に直接当たることはない。よって、電極24が排気ガスGによって過熱するおそれがなく、排気ガス処理装置1が大型化するおそれもないので、この位置に電極24を配置することが望ましい。
次に、図12から図15Bを参照して、第1流路部材10と第1ケース20との溶接について説明する。図12は、第1流路部材10と第1ケース20との溶接について説明する断面概要図である。図13Aは、図2におけるXIIIA部の拡大斜視図である。図13Bは、図13Aの変形例について説明する拡大斜視図である。図14は、第1流路部材10の変形例について説明する正面図である。図15Aは、第1流路部材10と第1ケース20との接合部の変形例について説明する図である。図15Bは、第1流路部材10と第1ケース20との接合部の他の変形例について説明する図である。
図12に示すように、第1流路部材10と第1ケース20との溶接を行う際には、第1流路部材10の内周に第1ケース20が挿入された状態で、トーチ60を用いて溶接を行い、全周にわたって溶接部61を形成する。
このとき、トーチ60を用いて溶接を行う際に発生するスパッタSが、第1流路部材10と第1ケース20との微小な隙間を通過して第1流路部材10の内周に飛散することがある。ヒータ22は、金属によって形成されるので、スパッタSがヒータ22に飛散して固着すると、ヒータ22が短絡するおそれがある。
しかしながら、第1ケース20は、第1流路部材10の内周に挿入されている。即ち、第1流路部材10は、第1ケース20の外周に重複している。そのため、スパッタSは、第1流路部材10の内周に向かって飛散して、第1流路部材10の内周に固着する。よって、第1流路部材10を第1ケース20の外周に重複させることで、ヒータ22にスパッタSが飛散して固着することを防止できる。
なお、排気ガス処理装置1では、第1流路部材10は、第1部材12と第2部材13との分割構造になっており、重複部分14にて互いに溶接されている。そのため、第1流路部材10を一体構造とした場合と比較して、第1流路部材10の形状の自由度が高い。
図13Aに示すように、重複部分14は、第2部材13の端部が拡径されており、第2部材13の端部が第1部材12の外周に重複する構造である。これに代えて、図13Bに示すように、重複部分14を設けずに、第1部材12の端部と第2部材13の端部とを突き合わせて溶接してもよい。この場合、第1部材12の先端に微小な隙間が形成されないので、スパッタSの飛散を更に防止することができる。
図14に示すように、第1流路部材10をお椀状の一体構造としてもよい。この場合、第1流路部材10の形状の自由度は低くなるが、第1流路部材10をプレス成形することができるので、第1流路部材10の製造性を向上させることができる。
図15Aに示すように、第1ケース20の上流側円筒部28に、全周にわたって形成される拡径部28cを設けてもよい。また、図15Bに示すように、第1流路部材10の下流端部に、全周にわたって形成される拡径部10cを設けてもよい。このように、拡径部28c若しくは拡径部10cを設けることで、第1流路部材10の内周へのスパッタSの侵入を防止することができる。
続いて、図16から図18を参照して、二次エア供給制御について説明する。図16は、排気ガス処理装置1の制御ブロック図である。図17は、エンジン始動時における二次エア供給制御のフローチャートである。図18は、二次エア供給制御について説明するタイミングチャートである。
まず、図16を参照して、排気ガス処理装置1の構成について説明する。
図16に示すように、排気ガス処理装置1は、コントローラ70を有する。また、エンジンには、エンジンの回転速度[rpm]を検出するエンジン回転速度センサ72が設けられる。
コントローラ70は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ70は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することで各種の処理を行う。コントローラ70は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。コントローラ70とECU(エンジンコントロールユニット)とを統合して1つのコントローラとしてもよい。
コントローラ70は、温度センサ71、エンジン回転速度センサ72、及び外気温センサ73等からの信号や、蓄電装置90からのSOC(State Of Charge:充電状態)に対応した信号に基づきEHC21の作動状態、二次エア制御ユニット80の作動状態、蓄電装置90の充放電状態等を制御する。
次に、図17を参照して、エンジン始動時における二次エア供給制御について説明する。図17に示す二次エア供給制御のフローは、コントローラ70にて実行される。
ステップS11では、コントローラ70は、二次エア供給制御の始動条件が成立したか否かを判定する。この始動条件は、エンジンが始動していないこととあわせて、例えば、以下のいずれかが検出されたことによって成立する。
(1)運転席のドアが開き、ドアセンサ(図示省略)がオフからオンに切り換わったこと。
(2)運転者が運転席に着座し、体重検知センサ(図示省略)が運転者を検知したこと。
(3)運転者がシートベルトを装着し、シートベルトセンサ(図示省略)がオフからオンに切り換わったこと。
(4)運転者がステアリングを握り、ステアリングに設けられる静電容量センサ(図示省略)が運転者の手が触れたことを検知したこと。
(5)電子キー(図示省略)の電波を検知し、電子キーを所持した使用者が車両に近接したことを検知したこと。
ステップS11にて始動条件が成立したと判定された場合には、ステップS12に移行する。一方、ステップS11にて、始動条件が成立していないと判定された場合には、始動条件が成立するまでステップS11の処理を繰り返す。
ステップS12では、コントローラ70は、EHC21をオンにする。
ステップS13では、コントローラ70は、二次エア制御ユニット80に空気を供給(噴射)させる。これにより、EHC21がオンの状態で二次エア制御ユニット80が空気を供給しているので、EHC21によって空気が加熱され、加熱された空気によってTWC25が加熱される。
ステップS14では、エンジンが始動しているか否かを判定する。ステップS14にてエンジンが始動していると判定された場合には、ステップS15に移行する。一方、ステップS14にてエンジンが始動していないと判定された場合には、エンジンが始動するまでステップS14の処理を繰り返す。
ステップS15では、コントローラ70は、エンジンが始動して排気ガスGが排気ガス処理装置1に供給されるので、二次エア制御ユニット80からの空気の供給を停止させる。
ステップS16では、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は、エンジンが始動してから排気ガスGの温度が200~300[℃]まで上昇するまでの時間に設定される。ステップS16にて所定時間が経過したと判定された場合には、ステップS17に移行する。一方、ステップS16にて所定時間が経過していないと判定された場合には、所定時間が経過するまでステップS16の処理を繰り返す。
ステップS17では、コントローラ70は、エンジンの排気ガスGの温度が200~300[℃]まで上昇したので、EHC21をオフにする。
次に、図18を参照して、図17のフローによる二次エア供給制御について具体的に説明する。図18では、横軸は、時間t[sec]であり、縦軸は、TWC25の温度[℃],EHC21の通電電力[kW],二次エアの流量[kg/h],エンジン回転速度[rpm],及び車速[km/h]である。温度T1は、TWC25の触媒が活性化する温度であり、例えば200~300[℃]である。また、温度T2は、TWC25の使用可能温度の上限値である。
時刻t0では、コントローラ70は、二次エア供給制御の始動条件が成立したと判定し、EHC21をオンにして、二次エア制御ユニット80による空気の供給を開始させる。
なお、時刻t0にて二次エア制御ユニット80による空気の供給を開始するのではなく、時刻t1まで遅らせてから二次エア制御ユニット80による空気の供給を開始してもよい。即ち、EHC21がオンになった後に、EHC21の温度が上昇するまで待ってから二次エア制御ユニット80による空気の供給を開始してもよい。
時刻t2では、エンジン始動要求に基づきエンジンが始動する。エンジンが始動すると排気ガスGが排気ガス処理装置1に供給されるので、コントローラ70は、二次エア制御ユニット80からの空気の供給を停止させる。このとき、TWC25の温度Tは温度T1に達しているが、EHC21による排気ガスGの加熱は継続される。
時刻t3では、時刻t2から所定時間が経過したので、コントローラ70は、EHC21をオフにする。また、時刻t4では、エンジンが停止する。
ここで、エンジンが始動した直後には、エンジンのシリンダ(図示省略)と排気ガス処理装置1との間に残留していた低温の排気ガスGが排気ガス処理装置1内へ流入する。また、エンジンや排気通路を構成する部品自体が低温であるため、シリンダから排出される排気ガスGも低温になるおそれがある。そのため、低温の排気ガスGによって、TWC25の温度が低下するおそれがある。
これに対して、排気ガス処理装置1では、エンジンが始動しても所定時間が経過するまではEHC21による排気ガスGの加熱が継続される。そのため、低温の排気ガスGは、EHC21により加熱されてTWC25に導かれる。よって、TWC25の温度が低下することを防止することができる。
次に、図19を参照して、EHC21の制御について説明する。図19に示すEHC21の制御のフローは、コントローラ70にて実行される。
ステップS10では、コントローラ70は、エンジンの始動前条件を検出する。エンジンの始動前条件は、例えば、外気温センサ73が検出する外気温や、蓄電装置90から送られる信号に基づいて推定される蓄電装置90のSOC等である。
ステップS11では、コントローラ70は、EHC21の始動条件が成立したか否かを判定する。この始動条件は、図17のステップS11と同様であるため、ここでは説明を省略する。
ステップS11にて始動条件が成立したと判定された場合には、ステップS12に移行する。一方、ステップS11にて始動条件が成立していないと判定された場合には、始動条件が成立するまでステップS10及びステップS11の処理を繰り返す。
ステップS12では、コントローラ70は、EHC21をオンにする。
ステップS23では、コントローラ70は、エンジンが再始動したか否かを判定する。エンジンが再始動したことは、エンジンが完全に冷えていない状態(水温・油温が完全に下がっていない状態)にてエンジンが始動したことに基づいて判定される。ステップS23にてエンジンが再始動したと判定された場合には、ステップS27に移行する。一方、ステップS23にて、エンジンが再始動していないと判定された場合には、ステップS24に移行する。
ステップS24では、コントローラ70は、外気温が0[℃]以上であるか否かを判定する。ステップS24にて外気温が0[℃]以上であると判定された場合には、ステップS25に移行する。一方、ステップS24にて外気温が0[℃]以上でない、即ち外気温が0[℃]未満であると判定された場合には、ステップS27に移行する。
ステップS25では、コントローラ70は、蓄電装置90のSOCが50[%]以上であるか否かを判定する。ステップS25にて蓄電装置90のSOCが50[%]以上であると判定された場合には、ステップS28に移行する。一方、ステップS25にて蓄電装置90のSOCが50[%]以上でない、即ち蓄電装置90のSOCが50[%]未満であると判定された場合には、ステップS27に移行する。
ステップS26では、TWC25の活性が完了したか否かを判定する。ステップS26にてTWC25の活性が完了したと判定された場合には、ステップS17に移行する。一方、ステップS26にてTWC25の活性が完了していないと判定された場合には、TWC25の活性が完了するまでステップS26の処理を繰り返す。このTWC25の活性が完了するまでEHC21を運転させる状態が、第1運転状態に該当する。
ステップS17では、コントローラ70は、EHC21をオフにする。
一方、ステップS23にてエンジンが再始動したと判定された場合、ステップS24にて外気温が0[℃]以下でないと判定された場合、及びステップS25にて蓄電装置90のSOCが50[%]以上でないと判定された場合に移行するステップS27では、EHCF21の活性が50[%]以上であるか否かを判定する。
ステップS27にてTWC25の活性が50[%]以上になったと判定された場合には、ステップS17に移行して、コントローラ70は、EHC21をオフにする。一方、ステップS27にてTWC25の活性が50[%]に達していないと判定された場合には、TWC25の活性が50[%]に達するまでステップS27の処理を繰り返す。このTWC25の活性が50[%]に達するまでEHC21を運転させる状態が、第2運転状態に該当する。
以上のように、コントローラ70は、外気温と蓄電装置90のSOCとに基づき、EHC21を複数の運転状態に切り換える。これにより、車両を駆動する電動モータ等の電動パワートレイン(図示省略)による走行距離を伸ばし、二酸化炭素の排出量を抑制することができる。
具体的には、コントローラ70は、エンジンの始動前に、外気温が0[℃]以下であり、かつ蓄電装置90のSOCが50[%]未満である場合には、第1運転状態にて前記ヒータを運転させる。一方、コントローラ70は、エンジンの始動前に、外気温が0[℃]以下であり、かつ蓄電装置90のSOCが50[%]以上である場合、外気温が0[℃]よりも高い場合、若しくはエンジンが再始動された場合には、第1運転状態とは異なる第2運転状態にてEHC21を運転させる。また、コントローラ70は、第1運転状態では、第2運転状態よりもTWC25の活性が進んだ状態までEHC21の運転を実行する。
これにより、外気温は低いが蓄電装置90のSOCは充分に高い場合には、蓄電装置90に充電された電力を使用してEHC21を作動させることで、TWC25を活性させることができる。
一方、外気温は低いが蓄電装置90のSOCが充分に高くない場合には、TWC25の活性が50[%]に達するまでEHC21を作動させてTWC25を活性させるので、車両が走行するための蓄電装置90のSOCを確保しながら、TWC25を活性させることができる。
また、外気温が充分に高い場合、若しくはエンジンが再始動した場合には、TWC25が活性しやすい環境であるため、TWC25の活性が50[%]に達するまでEHC21を作動させてTWC25を活性させる。これにより、必要以上に蓄電装置90のSOCを消費せずに、TWC25を活性させることができる。
続いて、図20から図22を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。
まず、図20を参照して、本発明の他の実施形態に係る排気ガス処理装置1について説明する。
図20に示すように、排気ガス処理装置1は、ケース110と、トラップ触媒としてのNOxトラップ触媒120と、EHC21と、TWC25と、を備える。
ケース110は、NOxトラップ触媒120とEHC21とTWC25とを収容する。ケース110内には、NOxトラップ触媒120とEHC21とTWC25とが同一直線上に並べて直列に配置される。
NOxトラップ触媒120には、エンジンから排出される排気ガスGが流入する。NOxトラップ触媒120は、エンジンから排出される排気ガスG中のNOx(窒素酸化物)を一旦吸蔵し、エンジンが理論空燃比若しくはリッチ燃焼時にNOxを還元することで、排気ガスGを浄化する。
なお、NOxトラップ触媒120に代えて、HCトラップ触媒をトラップ触媒として設けてもよい。HCトラップ触媒は、エンジンから排出される排気ガスG中のHC(ハイドロカーボン)を一旦吸蔵し、エンジンが理論空燃比若しくはリッチ燃焼時にHCを還元することで、排気ガスGを浄化する。
EHC21は、ケース110内にて、NOxトラップ触媒120の排気ガスGの流れ方向の下流に設けられる。EHC21は、エンジンから流入してNOxトラップ触媒120を通過した排気ガスGを加熱する。
TWC25は、ケース110内にて、EHC21の排気ガスGの流れ方向の下流に設けられる。TWC25は、EHC21によって加熱された排気ガスGを浄化する。
NOxトラップ触媒120とEHC21との距離L1は、EHC21とTWC25との距離L2よりも大きい。これにより、EHC21を作動させたときに、NOxトラップ触媒120とTWC25との温度差を大きくし、TWC25を先に加熱して活性化させることができる。よって、NOxトラップ触媒120に吸蔵されていたNOxやHC等がNOxトラップ触媒120からの離脱を開始したときに、TWC25を既に活性した状態にしておくことができる。よって、活性したTWC25を用いて排気ガスG中のNOxやHC等を浄化させることができる。
次に、図21を参照して、本発明の他の実施形態の第1の変形例に係る排気ガス処理装置1について説明する。
排気ガス処理装置1は、ケース110と、NOxトラップ触媒120と、EHC21と、TWC25と、を備える。
ケース110は、第1ケース111と、第2ケース112と、第3ケース113と、を有する。
第1ケース111は、筒状に形成される。第1ケース111内には、エンジンからの排気ガスが導かれる。第1ケース111の内周には、インナーケース(図示省略)を介してNOxトラップ触媒120が収容される。
第2ケース112は、第1ケース111よりも内径が大きな有底筒状に形成される。第2ケース112は、第1ケース111の外周に間隔をあけて設けられる。第2ケース112の内周と第1ケース111の外周との間には、インナーケース(図示省略)を介して環状のEHC21が収容される。
第2ケース112の底部112aは、NOxトラップ触媒120を通過した排気ガスGの進行方向に設けられる。NOxトラップ触媒120を通過した排気ガスGは、底部112aに衝突して反対向きに方向転換してEHC21に導かれる。
第3ケース113は、第2ケース112よりも内径が大きな有底筒状に形成される。第3ケース113は、第2ケース112の外周に間隔をあけて設けられる。第3ケース113の内周と第2ケース112の外周との間には、インナーケース(図示省略)を介して環状のTWC25が収容される。
第3ケース113の底部113aは、EHC21を通過した排気ガスGの進行方向に設けられる。EHC21を通過した排気ガスGは、底部113aに衝突して反対向きに方向転換してTWC25に導かれる。第3ケース113内にてTWC25を通過した排気ガスGは、排気通路の下流に導かれる。
この第1の変形例においても、NOxトラップ触媒120とEHC21との距離は、EHC21とTWC25との距離よりも大きい。よって、図20に示す排気ガス処理装置1と同様の効果を奏する。なお、この場合の距離とは、各触媒間の物理的な距離ではなく、排気ガスGが流れる距離である。
次に、図22を参照して、本発明の他の実施形態の第2の変形例に係る排気ガス処理装置1について説明する。
排気ガス処理装置1は、ケース110と、NOxトラップ触媒120と、EHC21と、TWC25と、を備える。
ケース110は、第1ケース111と、第2ケース112と、第3ケース113と、を有する。
第1ケース111は、有底筒状に形成される。第1ケース111内には、エンジンからの排気ガスが導かれる。
第1ケース111の底部111aは、NOxトラップ触媒120を通過した排気ガスGの進行方向に設けられる。NOxトラップ触媒120を通過した排気ガスGは、底部111aに衝突して反対向きに方向転換してEHC21に導かれる。
第2ケース112は、第1ケース111よりも内径が小さな有底筒状に形成される。第2ケース112は、第1ケース111の内周に間隔をあけて設けられる。第2ケース112の外周と第1ケース111の内周との間には、インナーケース(図示省略)を介して環状のNOxトラップ触媒120が収容される。
第2ケース112の底部112aは、EHC21を通過した排気ガスGの進行方向に設けられる。EHC21を通過した排気ガスGは、底部112aに衝突して反対向きに方向転換してTWC25に導かれる。
第3ケース113は、第2ケース112よりも内径が小さな筒状に形成される。第3ケース113は、第2ケース112の内周に間隔をあけて設けられる。第3ケース113の外周と第2ケース112の内周との間には、インナーケース(図示省略)を介して環状のTWC25が収容される。第3ケース113の内周には、インナーケース(図示省略)を介してTWC25が収容される。第3ケース113内にてTWC25を通過した排気ガスGは、排気通路の下流に導かれる。
この第2の変形例においても、NOxトラップ触媒120とEHC21との距離は、EHC21とTWC25との距離よりも大きい。よって、図20に示す排気ガス処理装置1と同様の効果を奏する。なお、この場合の距離とは、各触媒間の物理的な距離ではなく、排気ガスGが流れる距離である。
以上の参考例によれば、以下に示す効果を奏する。
エンジンから排出される排気ガスGを処理する排気ガス処理装置1は、エンジンから排出され第1方向Pに流れる排気ガスGが流入する入口側開口部10aと、第1方向Pと交差する第2方向Qに流れるように排気ガスGを下流に導く出口側開口部10bと、を有し、第1方向Pから第2方向Qに排気ガスGの進行方向を変える第1流路部材10と、第1流路部材10の出口側開口部10bから導かれる排気ガスGが流入し、第2方向Qに流れる排気ガスGを浄化するTWC25と、TWC25の排気ガスGの流れ方向の上流に設けられ、第1流路部材10から流入してTWC25に導かれる排気ガスGを加熱するヒータ22と、第1流路部材10の出口側開口部10bに取り付けられTWC25とヒータ22とを収容する第1ケース20と、第2方向Qと交差する方向にヒータ22から第1ケース20の外部に向けて突出して設けられ、ヒータ22に電力を供給するための電極24と、を備え、第1流路部材10は、排気ガスGの流れの内周側に設けられる第1部材12と、排気ガスGの流れの外周側に設けられる第2部材13と、第1部材12と第2部材13とが重複する重複部分14と、を有し、電極24は、第1ケース20において第2方向Qに見たときに入口側開口部10aと対向し入口側開口部10aから流入する排気ガスGが直線的に進行した場合に衝突する対向壁部26Aと重複部分14が設けられる重複部分形成部26Dとの間の領域に配置される。
この構成によれば、電極24は、第1ケース20において第2方向Qに見たときに入口側開口部10aと対向し入口側開口部10aから流入する排気ガスGが直線的に進行した場合に衝突する対向壁部26Aと重複部分14が設けられる重複部分形成部26Dとの間の領域に配置される。そのため、エンジンから第1流路部材10に流入する排気ガスGが電極24に直接当たることを防止できる。したがって、ヒータ22に電力を供給するための電極24が排気ガスGによって過熱するのを防止することができる。
また、排気ガス処理装置1は、第3ケース40に収容され、TWC25を通過した排気ガスGであって第2方向Qと交差する第3方向Rに沿って流れる排気ガスGを浄化するGPF41と、排気ガスGを計測する計測部34を有しTWC25を通過した排気ガスGを測定するための空燃比センサ35と、TWC25の外周面と第2ケース30の内周面との間に設けられ、TWC25の外周を覆う外周流路36と、第2ケース30が内側に突出して形成され、TWC25を通過した排気ガスGをGPF41及び外周流路36のそれぞれに導くように分岐させる分岐部27と、を更に備える。
この構成によれば、第2ケース30の内壁面に形成された分岐部37によって、GPF41の上流側端面に直接向かう流れと、外周流路36に向かう流れと、に分けられる。GPF41の上流側端面に直接向かう流れは、排気ガスGの主流を形成し、分岐部37によって向きが変えられて、外周流路36へ回り込むことなく、直接GPF41の上流側端面に流れ込む。外周流路36に流入した排気ガスGは、TWC25の外周面に沿ってGPF41の上流側端面に向かって流れる。このとき、外周流路36を流れる排気ガスGは、TWC25を外周から加熱する。このように外周流路36に排気ガスGを導くことにより、エンジン始動直後に、TWC25の温度を短時間で上昇させることができるので、TWC25の活性化を図ることができる。
(第1の実施形態)
以下、図23から図30を参照して、本発明の第1の実施形態に係る排気ガス処理装置201について説明する。以下に示す各実施形態では、参考例と異なる点を中心に説明し、同様の機能を有する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
まず、図23から図27を参照して、排気ガス処理装置201の全体構成について説明する。図23は、排気ガス処理装置201の斜視図である。図24は、排気ガス処理装置201の正面図であり、コンテナ210を想像線で示したものである。図25は、排気ガス処理装置201の左側面図であり、コンテナ210を想像線で示したものである。図26は、図25におけるXXVI-XXVI断面図である。図27は、図24におけるXXVII-XXVII断面図である。
排気ガス処理装置201は、車両に搭載され、エンジン(図示省略)から排出される排気ガスGを処理するものである。排気ガス処理装置201は、排気ガスGに含まれる炭化水素や一酸化炭素を酸化させて二酸化炭素と水分にするとともに、窒素酸化物の還元、微小粒子状物質の除去を行い、排気ガスGを浄化する。
図23から図25に示すように、排気ガス処理装置201は、コンテナ210と、流入口通路部材220と、第1ケース230と、第1流路部材240と、第2ケース250と、第2流路部材260と、第3ケース270と、第3流路部材280と、第4ケース290と、流出口通路部材300と、を備える。また、排気ガス処理装置201は、第1触媒担体としての第1TWC(Three-Way Catalyst:三元触媒)231と、第2触媒担体としての第2TWC251と、第3触媒担体としてのGPF(Gasoline Particulate Filter:ガソリン・パティキュレート・フィルタ)271と、第4触媒担体としてのGOC(Gasoline Oxidation Catalyst:ガソリン酸化触媒)291と、を備える。
排気ガス処理装置201では、第1TWC231と第2TWC251とGPF271とGOC291とがコンテナ210内に収容されるので、種類の異なる複数の触媒をコンパクトに設けることができる。
第1ケース230と、第2ケース250と、第3ケース270と、第1TWC231と、第2TWC251と、GPF271と、は、第1触媒部を構成する。第4ケース290と、GOC291と、は、第2触媒部を構成する。第1触媒部は、コンテナ210内に内壁面210aとの間に空間をあけて設けられる。第2触媒部も同様に、コンテナ210内に内壁面210aとの間に空間をあけて設けられる。第2触媒部は、コンテナ210内にて第1触媒部に隣接して設けられる。具体的には、第2触媒部は、第1触媒部の下方に設けられる。第1触媒部と第2触媒部とは、第3流路部材280を介して連結される。
排気ガス処理装置201では、第1触媒部と第2触媒部を上下に並べてコンテナ210内に集中的に設けられるので、スペース効率を向上させることができるとともに、第1触媒部と第2触媒部との保温性を向上させることができる。また、第1触媒部及び第2触媒部とコンテナ210の内壁面210aとの間には空間があいているので、コンテナ210内における第1触媒部と第2触媒部との保温性を更に向上させることができる。
図23に示すように、コンテナ210は、略直方体形状に形成される。コンテナ210は、筒部211と、上部蓋部材212と、下部蓋部材213と、を有する。
図26及び図27に示すように、筒部211は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。筒部211は、一対の開口部211a,211bを有する。筒部211は、排気ガスGが流入する流入口としての排気ガス流入開口部214(図27参照)と、排気ガスGが排出される流出口としての排気ガス流出開口部215(図26参照)と、を有する。
図27に示すように、排気ガス流入開口部214は、筒部211のひとつの側面211cに設けられる貫通孔である。排気ガス流入開口部214には、流入口通路部材220が挿通する。排気ガス流入開口部214からは、エンジンから排出される排気ガスGがコンテナ210内に流入する。
図26に示すように、排気ガス流出開口部215は、筒部211の側面211cと隣り合う他の側面211dに設けられる貫通孔である。排気ガス流出開口部215には、流出口通路部材300が挿通する。排気ガス流出開口部215からは、排気ガス流入開口部214から流入して第1TWC231,第2TWC251,GPF241,及びGOC251を通過した排気ガスGがコンテナ210外に排出され、排気通路の下流に導かれる。
図26及び図27に示すように、上部蓋部材212は、筒部211の一方の開口部211aを閉塞する板状部材である。上部蓋部材212と筒部211との間は、シール部材(図示省略)によってシールされ、排気ガスGが外部に漏れないようになっている。
下部蓋部材213は、筒部211の他方の開口部211bを閉塞する板状部材である。下部蓋部材213と筒部211との間は、シール部材(図示省略)によってシールされ、排気ガスGが外部に漏れないようになっている。
図27に示すように、流入口通路部材220は、入口側フランジ221と、開口部としての入口側開口部222と、出口側開口部223と、を有する。流入口通路部材220には、空燃比センサ(図示省略)が設けられる。
入口側フランジ221は、流入口通路部材220からコンテナ210の側方に突出して設けられる。入口側フランジ221の突出端部には、入口側開口部222が設けられる。
入口側開口部222からは、エンジンから排出され第1方向Aに流れる排気ガスGが流入する。出口側開口部223からは、第1方向Aと交差する第2方向Bに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。流入口通路部材220は、第1方向Aから第2方向Bに排気ガスGの進行方向を変える。本実施形態では、流入口通路部材220は、コンテナ210の側方から第1方向Aに流れる排気ガスGを略直角に方向転換させ、コンテナ210の高さ方向に沿った流れに変えている。
第1ケース230は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第1ケース230は、コンテナ210内にコンテナ210の内壁面210aとの間に空間をあけて設けられる。第1ケース230は、排気ガスGが流入する入口側開口部232と、排気ガスGが流出する出口側開口部233と、を有する。第1ケース230の上流端部は、流入口通路部材220と連結される。第1ケース230の下流端部は、第1流路部材240と連結される。第1ケース230内には、第1TWC231が収容される。
第1TWC231は、流入口通路部材220の出口側開口部223から導かれる排気ガスGが流入し、第2方向Qに流れる排気ガスGを浄化する。第1TWC231は、外周を覆う筒状のインナーケース231aを介して第1ケース230に支持される。
第1TWC231は、第2TWC251よりもコンテナ210の高さ方向に小さく形成される。具体的には、第1TWC231の高さ方向の寸法をH1とし、第2TWC251の高さ方向の寸法をH2としたときに、H1<H2の関係である。これにより、入口側開口部222からコンテナ210内に流入する排気ガスGの流路FP1を確保することができる。
また、第1TWC231と第2TWC251との高さ方向の大きさの違いによって、第1TWC231の上流には段差部235が形成される。段差部235には、排気ガス流入開口部214が形成される。
このように、第1TWC231の上流に第1TWC231と第2TWC251との高さ方向の大きさの違いによって形成される段差部235に排気ガス流入開口部214が設けられるので、スペース効率の向上が可能である。また、コンテナ210内に流路FP1を形成し、段差部235に排気ガス流入開口部214が設けられるので、複数の触媒をコンテナ210内に収容して触媒性能を高めるとともに、入口側開口部222(入口側フランジ221)のコンテナ210の外側への突出量を小さくし、排気ガス処理装置201をコンパクトにすることができる。
また、段差部235が設けられることで、第1TWC231の上方の空間がレゾネータとして作用して、排気音を低減させることができる。
第1流路部材240は、上下方向に扁平な略直方体形状に形成される。第1流路部材240は、入口側開口部242と、出口側開口部243と、を有する。第1流路部材240は、第1TWC231の下流端部と第2TWC251の上流端部とを接続する。第1流路部材240は、第1TWC231を通過した排気ガスGが折り返すように進行方向を変えて第2TWC251に導く。第1ケース230には、温度センサ(図示省略)が設けられる。
入口側開口部242と出口側開口部243とは、第1流路部材240の上面に並べて設けられる。入口側開口部242からは、第1TWC231から流出し第2方向Bに流れる排気ガスGが流入する。出口側開口部243からは、第2方向Bと対向する第3方向Cに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。第1流路部材240は、第2方向Bから第3方向Cに排気ガスGの進行方向を変える。
第2ケース250は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第2ケース250は、コンテナ210内にコンテナ210の内壁面210aとの間に空間をあけて設けられる。第2ケース250は、第1ケース230との間に空間をあけて第1ケース230と平行に並べて設けられる。第2ケース250は、排気ガスGが流入する入口側開口部252と、排気ガスGが流出する出口側開口部253と、を有する。第2ケース250の上流端部は、第1流路部材240と連結される。第2ケース250の下流端部は、第2流路部材260と連結される。第2ケース250内には、第2TWC251が収容される。
第2TWC251は、第1TWC231と平行に並べて設けられる。第2TWC251は、第1流路部材240の出口側開口部223から導かれる排気ガスGが流入し、第2方向Bに流れる排気ガスGを浄化する。第2TWC251は、外周を覆う筒状のインナーケース251aを介して第2ケース250に支持される。
図26に示すように、第2流路部材260は、上下方向に扁平に形成される。第2流路部材260は、入口側開口部262と、出口側開口部263と、を有する。第2流路部材260は、第2TWC251の下流端部とGPF271の上流端部とを接続する。第2流路部材260は、第2TWC251を通過した排気ガスGが折り返すように進行方向を変えてGPF271に導く。第2流路部材260には、温度センサ(図示省略)、差圧センサ(図示省略)、O2センサ(図示省略)、及びNOXセンサ(図示省略)が設けられる。
入口側開口部262と出口側開口部263とは、第2流路部材260の下面に並べて設けられる。入口側開口部262からは、第2TWC251から流出し第3方向Cに流れる排気ガスGが流入する。出口側開口部263からは、第3方向Cと対向する第4方向Dに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。第1流路部材240は、第3方向Cから第4方向Dに排気ガスGの進行方向を変える。なお、第4方向Dは、第2方向Bと同じ方向である。
第3ケース270は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第3ケース270は、コンテナ210内にコンテナ210の内壁面210aとの間に空間をあけて設けられる。第3ケース270は、第1ケース230及び第2ケース250との間に空間をあけて第1ケース230及び第2ケース250と平行に並べて設けられる。第3ケース270は、排気ガスGが流入する入口側開口部272と、排気ガスGが流出する出口側開口部273と、を有する。第3ケース270の上流端部は、第2流路部材260と連結される。第3ケース270の下流端部は、第3流路部材280と連結される。第3ケース270内には、GPF271が収容される。
GPF271は、第2TWC251を通過した排気ガスGであって第3方向Cと対向する第4方向Dに沿って流れる排気ガスGを浄化する。GPF271は、外周を覆う筒状のインナーケース271aを介して第3ケース270に支持される。GPF271は、GOC291と排気ガスGの進行方向が交差するように配置される。
第3流路部材280は、略L字状に曲がった筒状に形成される。第3流路部材280は、GPF271の下流端部とGOC291の上流端部とを接続する。第3流路部材280は、入口側開口部282と、出口側開口部283と、を有する。入口側開口部282は、第3流路部材280の上面に形成される。出口側開口部283は、第3流路部材280のひとつの側面に形成される。出口側開口部283には、第4ケース290(GOC291)における排気ガスGの流れ方向の上流側の一部が挿入される。第3流路部材280の内周面は、第4ケース290の外周面との間に空間をあけるように大きく形成される。第4ケース290の外周面と第3流路部材280の内周面との間には、外周流路285が形成される。第3流路部材280には、温度センサ(図示省略)、O2センサ(図示省略)、及びNOXセンサ(図示省略)が設けられる。
第3流路部材280は、GPF271を通過した排気ガスGの一部をGOC291の外周に形成される外周流路285に導き、GPF271から直接導かれる排気ガスGと外周流路285を経由して導かれる排気ガスGとを合わせてGOC291に流入させる。
このように、第3流路部材280は、GPF271を通過した排気ガスGの一部をGOC291の外周に形成される外周流路285に導くので、GOC291の保温性を向上させることができる。
入口側開口部282からは、GPF271から流出し第4方向Dに流れる排気ガスGが流入する。出口側開口部283からは、第4方向Dと交差する第5方向Eに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。第3流路部材280は、第4方向Dから第5方向Eに排気ガスGの進行方向を変える。本実施形態では、第3流路部材280は、コンテナ210の高さ方向である第4方向Dに流れる排気ガスGを略直角に方向転換させ、コンテナ210の横方向である第5方向Eに沿った流れに変えている。
第4ケース290は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第4ケース290は、コンテナ210内にコンテナ210の内壁面210aとの間に空間をあけて設けられる。第4ケース290は、第1ケース230及び第2ケース250との間に上下方向に空間をあけて第1ケース230及び第2ケース250の下方に設けられる。第4ケース290は、排気ガスGが流入する入口側開口部292と、排気ガスGが流出する出口側開口部293と、を有する。第4ケース290の上流端部は、第3流路部材280と連結される。第4ケース290の下流端部は、流出口通路部材300と連結される。第4ケース290内には、GOC291が収容される。
GOC291は、GPF271を通過した排気ガスGであって第4方向Dと直角に交差する第5方向Eに沿って流れる排気ガスGを浄化する。GOC291は、外周を覆う筒状のインナーケース291aを介して第4ケース290に支持される。GOC291は、排気ガスGの流れ方向の上流の一部が、第3流路部材280内に挿入される。GOC291は、GPF271と排気ガスGの進行方向が交差するように配置される。
流出口通路部材300は、出口側フランジ301と、入口側開口部302と、出口側開口部303と、を有する。流出口通路部材300は、コンテナ210内にて入口側開口部302から出口側開口部303に向かって徐々に流路面積が小さくなる。流出口通路部材300は、GOC291から流出した排気ガスGの流れをコンテナ210内にて出口側開口部303の流路面積まで絞っている。流出口通路部材300には、温度センサ(図示省略)、O2センサ(図示省略)、及びNOXセンサ(図示省略)が設けられる。
出口側フランジ301は、流出口通路部材300からコンテナ210の側方に突出して設けられる。出口側フランジ301の突出端部には、出口側開口部303が設けられる。
入口側開口部302からは、GOC291から流出して第5方向Eに流れる排気ガスGが流入する。出口側開口部303からは、第5方向Eに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。流出口通路部材300は、第5方向Eのまま排気ガスGの進行方向を変えない。出口側開口部303からは、GOC291を通過した排気ガスGが排出される。
ここで、図26に示すように、排気ガス処理装置201を正面から見て、GOC291の幅方向の寸法をL1とし、第2TWC251とGPF271とを合わせた幅方向の寸法をL2としたときに、L1<L2の関係である。また、図27に示すように、排気ガス処理装置201を側面から見て、GOC291の幅方向の寸法をM1とし、第1TWC231と第2TWC251とを合わせた幅方向の寸法をM2としたときに、M1<M2の関係である。これにより、図26に示すように、GPF271からGOC291に流入する排気ガスGの流路FP2を確保することができるとともに、GOC291から流出して出口側開口部303に向かう排気ガスGの出口流路OLをコンテナ210内に形成することができる。
また、出口流路OLをコンテナ210内に形成することで、複数の触媒をコンテナ210内に収容して触媒性能を高めるとともに、出口側開口部303(出口側フランジ301)のコンテナ210の外側への突出量を小さくし、排気ガス処理装置201をコンパクトにすることができる。
次に、図28及び図29を参照して、本発明の第1の実施形態の第1の変形例に係る排気ガス処理装置201について説明する。図28は、第1の変形例に係る排気ガス処理装置201について説明する正面の断面図である。図29は、第1の変形例に係る排気ガス処理装置201について説明する側面の断面図である。
図29に示すように、排気ガス流入開口部214からは、エンジンからの排気ガスGが導かれる排気管225が挿入される。排気管225における第1ケース230内に挿入される下流部分には、複数の貫通孔311が形成される。これにより、第1ケース230内の空間がレゾネータとして作用して、排気音を低減させることができる。
また、第1ケース230は、複数の貫通孔312を有する。貫通孔312は、第1ケース230の内部と、第1ケース230とコンテナ210の内壁面210aとの間の空間と、を連通させる。
図28に示すように、第1流路部材240は、複数の貫通孔313を有する。貫通孔313は、第1流路部材240の内部と、第1流路部材240とコンテナ210の内壁面210aとの間の空間と、を連通させる。
第3流路部材280は、複数の貫通孔314を有する。貫通孔314は、第3流路部材280の内部と、第3流路部材280とコンテナ210の内壁面210aとの間の空間と、を連通させる。
流出口通路部材300は、複数の貫通孔315を有する。貫通孔315は、流出口通路部材300の内部と、流出口通路部材300とコンテナ210の内壁面210aとの間の空間と、を連通させる。
なお、流入口通路部材220,第2ケース250,第2流路部材260,第3ケース270,若しくは第4ケース290にも同様に、複数の貫通孔を形成してもよい。
このように、流入口通路部材220と第1流路部材240と第2流路部材260と第3流路部材280と流出口通路部材300との少なくとも一つには、コンテナ210の内壁面210aとの間の空間に排気ガスGを導く貫通孔(貫通孔311,312,313,314,315)を有する。
これにより、流入口通路部材220と第1流路部材240と第2流路部材260と第3流路部材280と流出口通路部材300との少なくとも一つは、コンテナ210の内壁面210aとの間の空間に排気ガスGを導く貫通孔(貫通孔311,312,313,314,315)を有するので、コンテナ210の内壁面210aとの間の空間がレゾネータとして作用して、排気音を低減させることができる。
また、コンテナ210は、流入口通路部材220と第1流路部材240と第2流路部材260と第3流路部材280と流出口通路部材300とのうち一つの貫通孔(貫通孔311,312,313,314,315)から空間に導かれた排気ガスGが、流入口通路部材220と第1流路部材240と第2流路部材260と第3流路部材280と流出口通路部材300とのうち他の貫通孔(貫通孔311,312,313,314,315)に流通するのを遮断する複数のバッフルプレート321を有する。
このように、バッフルプレート321が設けられることで、第1TWC231、第2TWC251、GPF271、GOC291の順に、いずれかをバイパスすることなく排気ガスGを導くことができる。
次に、図30を参照して、本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係る排気ガス処理装置201について説明する。図30は、第2の変形例に係る排気ガス処理装置201について説明する正面図である。
排気ガス処理装置201は、コンテナ210の外周に設けられて外気の熱を遮断する遮熱板331,332,333を更に備える。
遮熱板331は、コンテナ210にて、第1TWC231及び第2TWC251が空間をあけて対峙する側面に設けられる。遮熱板331は、コンテナ210の外部に取り付けられる。
遮熱板332は、コンテナ210にて、GPF271における排気ガスGの流れ方向の上流に対峙する上面に設けられる。遮熱板332は、コンテナ210の外部に取り付けられる。
遮熱板333は、コンテナ210にて、GPF271が空間をあけて対峙する側面に設けられる。遮熱板333は、コンテナ210の外部に取り付けられる。
このように、コンテナ210の外周に外気の熱を遮断する遮熱板331,332,333が設けられるので、コンテナ210内に設けられる第1触媒部(第1TWC231,第2TWC251,及びGPF271)及び第2触媒部(GOC291)の保温性を更に向上させることができる。
なお、排気ガス処理装置201の周囲における熱源となる部品の配置に応じて、コンテナ210の他の側面や底面に遮熱板を設けてもよい。
次に、図31を参照して、本発明の第1の実施形態の第3の変形例に係る排気ガス処理装置201について説明する。図31は、第3の変形例に係る排気ガス処理装置201について説明する正面の断面図である。
図31に示すように、第3の変形例に係る排気ガス処理装置201は、図28及び図29に示す第1の変形例に係る排気ガス処理装置201が、吸上管340を更に備えるものである。
吸上管340は、流出口通路部材300に設けられる。吸上管340は、L字状に形成される管部材である。吸上管340の一方の端部341は、流出口通路部材300の流路面積が絞られて小さくなった部分に、排気ガスGの流れ方向と直交する方向から連結され、流出口通路部材300内に開口する。吸上管340の一方の端部341は、底部213aと略平行に延設され、底部213aに対して略垂直な開口面を有する。
流出口通路部材300内を排気ガスGが流れると、吸上管340が連結されている部分は、流路面積が絞られて小さくなっているので、排気ガスGの流速が他の部分よりも高い。そのため、排気ガスGが流れると、ベンチュリ効果によって負圧が発生し、吸上管340を介してコンテナ210の底部213aに溜まった凝縮水を吸い上げることができる。即ち、吸上管340は、コンテナ210における下部蓋部材213の底部213aに溜まった水を排気ガス流出開口部215から流出する排気ガスGの流れによって当該排気ガスGとともに吸い出す。
このように、吸上管340が設けられることで、コンテナ210内にて排気ガスGに含まれる水蒸気が凝縮して発生した凝縮水を、外部に排出することができる。
以上の第1の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
エンジンから排出される排気ガスGを処理する排気ガス処理装置201は、エンジンから排出される排気ガスGが流入する排気ガス流入開口部214と、排気ガス流入開口部214から流入した排気ガスGを下流に導く排気ガス流出開口部215と、を有するコンテナ210と、コンテナ210内にコンテナ210の内壁面210aとの間に空間をあけて設けられる第1触媒部(第1TWC231,第2TWC251,及びGPF271)と、コンテナ210内に内壁面210aとの間に空間をあけて設けられ、コンテナ210内にて第1触媒部と隣接して設けられる第2触媒部(GOC291)と、を備える。具体的には、第2触媒部(GOC201)は、第1触媒部(第1TWC231,第2TWC251,及びGPF271)の下方に設けられる。
この構成では、第1触媒部と第2触媒部とが隣接するように上下に並べてコンテナ210内に集中的に設けられるので、スペース効率を向上させることができるとともに、第1触媒部と第2触媒部との保温性を向上させることができる。また、第1触媒部及び第2触媒部とコンテナ210の内壁面210aとの間には空間があいているので、コンテナ210内における第1触媒部と第2触媒部との保温性を更に向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、図32から図38を参照して、本発明の第2の実施形態に係る排気ガス処理装置401について説明する。
まず、図32から図35を参照して、排気ガス処理装置401の全体構成について説明する。図32は、排気ガス処理装置401の斜視図である。図33は、排気ガス処理装置401の正面図である。図34は、排気ガス処理装置401の左側面図である。図35は、排気ガス処理装置401の右側面図である。なお、図33から図35では、内部の構造が分かりやすいように、コンテナ410を想像線で示している。
排気ガス処理装置401は、車両に搭載され、エンジン(図示省略)から排出される排気ガスGを処理するものである。排気ガス処理装置401は、排気ガスGに含まれる炭化水素や一酸化炭素を酸化させて二酸化炭素と水分にするとともに、窒素酸化物の還元、微小粒子状物質の除去を行い、排気ガスGを浄化する。
図32から図35に示すように、排気ガス処理装置401は、コンテナ410と、流入口通路部材420と、第1ケース430と、第1流路部材440と、第2ケース450と、第2流路部材460と、第3ケース470と、第3流路部材480と、第4ケース490と、流出口通路部材500と、を備える。また、排気ガス処理装置401は、第1触媒担体としての第1TWC231と、第2触媒担体としての第2TWC251と、第3触媒担体としてのGPF271と、第4触媒担体としてのGOC291と、を備える。
排気ガス処理装置401では、第1TWC231と第2TWC251とGPF271とGOC291とがコンテナ410内に収容されるので、種類の異なる複数の触媒をコンパクトに設けることができる。
第1ケース430と、第2ケース450と、第3ケース470と、第1TWC231と、第2TWC251と、GPF271と、は、第1触媒部を構成する。第4ケース490と、GOC291と、は、第2触媒部を構成する。第1触媒部は、コンテナ410内に内壁面410aとの間に空間をあけて設けられる。第2触媒部も同様に、コンテナ410内に内壁面410aとの間に空間をあけて設けられる。第2触媒部は、コンテナ410内にて第1触媒部に隣接して設けられる。具体的には、第2触媒部は、第1触媒部の側方に設けられる。第1触媒部と第2触媒部とは、第3流路部材480を介して連結される。
排気ガス処理装置401では、第1触媒部と第2触媒部とが横方向に並べてコンテナ410内に集中的に設けられるので、スペース効率を向上させることができるとともに、第1触媒部と第2触媒部との保温性を向上させることができる。また、第1触媒部及び第2触媒部とコンテナ410の内壁面410aとの間には空間があいているので、コンテナ410内における第1触媒部と第2触媒部との保温性を更に向上させることができる。
図32に示すように、コンテナ410は、L字状の断面形状を有する略角柱(六角柱)形状に形成される。コンテナ410は、筒部411と、上部蓋部材412と、下部蓋部材413と、を有する。
筒部411は、略L字状の断面形状を有する筒状部材である。図33から図35に示すように、筒部411は、一対の開口部411a,411bを有する。図32に示すように、筒部411は、排気ガスGが排出される流出口としての排気ガス流出開口部215を有する。
排気ガス流出開口部215は、L字状に形成される筒部411の凹部411cにおける排気ガス流入開口部214から離れた方の側面411dに設けられる貫通孔である。排気ガス流出開口部215には、流出口通路部材500が挿通する。排気ガス流出開口部215からは、排気ガス流入開口部214から流入して第1TWC231,第2TWC251,GPF241,及びGOC251を通過した排気ガスGがコンテナ410外に排出され、排気通路の下流に導かれる。
図33から図35に示すように、上部蓋部材412は、筒部411の一方の開口部411aを閉塞する板状部材である。上部蓋部材412と筒部411との間は、シール部材(図示省略)によってシールされ、排気ガスGが外部に漏れないようになっている。上部蓋部材412は、排気ガスGが流入する流入口としての排気ガス流入開口部214を有する。
排気ガス流入開口部214は、上部蓋部材412の上面412aに設けられる貫通孔である。排気ガス流入開口部214には、流入口通路部材420が挿通する。排気ガス流入開口部214からは、エンジンから排出される排気ガスGがコンテナ410内に流入する。
下部蓋部材413は、筒部411の他方の開口部411bを閉塞する板状部材である。下部蓋部材413と筒部411との間は、シール部材(図示省略)によってシールされ、排気ガスGが外部に漏れないようになっている。
流入口通路部材420は、入口側フランジ221と、開口部としての入口側開口部222(図33参照)と、出口側開口部(図示省略)と、を有する。
図34に示すように、入口側開口部222は、コンテナ410の側部に設けられる。入口側開口部222からは、エンジンから排出され第1方向Hに流れる排気ガスGが流入する。出口側開口部からは、第1方向Hと交差する第2方向Iに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。流入口通路部材420は、入口側開口部222から流入する排気ガスGを、第1TWC231に導く。このとき、流入口通路部材420は、第1方向Hから第2方向Iに排気ガスGの進行方向を変える。本実施形態では、流入口通路部材420は、コンテナ410の側方から第1方向Hに流れる排気ガスGを略直角に方向転換させ、コンテナ410の高さ方向に沿った流れに変えている。
流入口通路部材420は、入口側開口部222から流入した排気ガスGの流れ方向を転換させる方向転換部421を有する。
方向転換部421は、第1TWC231の上流側端面にて入口側開口部222の近くにオフセットして設けられる。これにより、方向転換部421にて方向転換した排気ガスGが入口側開口部222に近い位置に導かれるので、入口側開口部222から離れた位置に排気ガスGが多く導かれることを防止できる。したがって、第1TWC231へ導かれる排気ガスGの流速分布を均一化させることができる。
第1ケース430は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第1ケース430は、コンテナ410内にコンテナ410の内壁面410aとの間に空間をあけて設けられる。第1ケース430の上流端部は、流入口通路部材420と連結される。第1ケース430の下流端部は、第1流路部材440と一体に連結されている。第1ケース430内には、インナーケース(図示省略)を介して第1TWC231が収容される。
第1流路部材440は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第1流路部材240は、第1ケース430の下流端部と第2ケース450の上流端部との間に設けられる。第1流路部材440は、第1ケース430と第2ケース450と同じ断面形状を有し、一体の筒状に形成される。第1流路部材440は、第1TWC231を通過した排気ガスGの進行方向を変えずに第2TWC251に導く。
第2ケース450は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第2ケース450は、コンテナ410内にコンテナ410の内壁面410aとの間に空間をあけて設けられる。第2ケース450の上流端部は、第1流路部材440と一体に連結されている。第2ケース450の下流端部は、第2流路部材460と連結される。第2ケース450内には、インナーケース(図示省略)を介して第2TWC251が収容される。
第1TWC231と第2TWC251とは、コンテナ410の上下方向に排気ガスが通過するように設けられる。第1TWC231と第2TWC251とは、所定の間隔をあけて同一直線上に設けられる。即ち、第1TWC231と第2TWC251とは、直列に並べて設けられる。
第2流路部材460は、上下方向に扁平に形成される。第2流路部材460は、第2TWC251の下流端部とGPF271の上流端部とを接続する。第2流路部材460は、第2TWC251を通過した排気ガスGが折り返すように進行方向を変えてGPF271に導く。第2流路部材460は、第2TWC251の下流端部に面する部分の容積(流路断面積)が最も大きく、GPF271の上流端部に面する部分に向かって容積(流路断面積)が徐々に小さくなるように形成される。
図33から図35に示すように、第2流路部材460には、第2TWC251から流出し第2方向Iに流れる排気ガスGが流入する。第2流路部材460からは、第2方向Iと対向する第3方向Jに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。第2流路部材460は、第2方向Iから第3方向Jに排気ガスGの進行方向を変える。
第3ケース470は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第3ケース470は、コンテナ410内にコンテナ410の内壁面410aとの間に空間をあけて設けられる。第3ケース470は、第1ケース430及び第2ケース450との間に空間をあけて第1ケース430及び第2ケース450の側方に平行に並べて設けられる。第3ケース470の上流端部は、第2流路部材460と連結される。第3ケース470の下流端部は、第3流路部材480と連結される。第3ケース470内には、インナーケース(図示省略)を介してGPF271が収容される。
GPF271は、第2TWC251を通過した排気ガスGであって第2方向Iと対向する第3方向Jに沿って流れる排気ガスGを浄化する。GPF271は、GOC291と排気ガスGの進行方向が交差するように配置される。
第3流路部材480は、上下方向に扁平に形成される。第3流路部材480は、GPF271の下流端部とGOC291の上流端部とを接続する。第3流路部材480は、GPF271を通過した排気ガスGが折り返すように進行方向を変えてGOC291に導く。第3流路部材480は、GPF271の下流端部に面する部分の容積(流路断面積)が最も大きく、GOC291の上流端部に面する部分に向かって容積(流路断面積)が徐々に小さくなるように形成される。
第3流路部材480には、GPF271から流出し第3方向Jに流れる排気ガスGが流入する。第3流路部材480からは、第3方向Jと対向する第4方向Kに流れるように排気ガスGが下流に導かれる。第3流路部材480は、第3方向Jから第4方向Kに排気ガスGの進行方向を変える。なお、第4方向Kは、第2方向Iと同じ方向である。
第4ケース490は、略矩形の断面形状を有する筒状部材である。第4ケース490は、コンテナ410内にコンテナ410の内壁面410aとの間に空間をあけて設けられる。第4ケース490は、第1ケース430及び第2ケース450との間に横方向に空間をあけて第1ケース430及び第2ケース450の側方に設けられる。また、第4ケース490は、第3ケース470との間に横方向に空間をあけて第3ケース470の側方に設けられる。第4ケース490の上流端部は、第3流路部材480と連結される。第4ケース490の下流端部は、流出口通路部材500とは連結されていない。第4ケース490内には、インナーケース(図示省略)を介してGOC291が収容される。
第4ケース490の下流端部は、コンテナ410の内部空間に開放されている。そのため、GOC291を通過した排気ガスGは、コンテナ410の内部空間を満たすように広がる。即ち、コンテナ410の内壁面410aと第1触媒部(第1TWC231、第2TWC251、及びGPF271)及び第2触媒部(GOC291)との間の空間には、第2触媒部(GOC291)を通過した排気ガスが導かれる。具体的には、排気ガスGは、第1ケース430とコンテナ410の内壁面410aとの間の空間、第2ケース450とコンテナ410の内壁面410aとの間の空間、第3ケース470とコンテナ410の内壁面410aとの間の空間、及び第4ケース490とコンテナ410の内壁面410aとの間の空間に導かれる。
これにより、第1TWC231、第2TWC251、GPF271、及びGOC291を外周から温めて保温することが可能である。なお、第2の実施形態では、コンテナ410の内部空間に導かれるのは、第1TWC231、第2TWC251、GPF271、及びGOC291を通過した後の排気ガスGであるため、第1の実施形態の第1の変形例のようにバッフルプレートを設ける必要はない。
GOC291は、GPF271を通過した排気ガスGであって第3方向Jと直角に交差する第4方向Kに沿って流れる排気ガスGを浄化する。GOC291は、GPF271と排気ガスGの進行方向が交差するように配置される。
流出口通路部材500は、出口側フランジ301を有する。流出口通路部材500は、コンテナ410の側面411dから側方に突出して設けられる。流出口通路部材500の突出端部には、出口側開口部303が設けられる。
流出口通路部材500には、コンテナ410の内部空間から流出する排気ガスGが流入する。流出口通路部材500からは、第4方向Kと交差する第5方向Lに流れるように排気ガスGが導かれる。流出口通路部材500からは、GOC291を通過した排気ガスGが排出される。
次に、図36及び図37を参照して、本発明の第2の実施形態の第1の変形例に係る排気ガス処理装置401について説明する。図36は、第2の実施形態に係る排気ガス処理装置401における排気ガスの流れについて説明する概念図である。図37は、第2の実施形態の第1の変形例に係る排気ガス処理装置401における排気ガスの流れについて説明する概念図である。
図36及び図37では、排気ガスGの流れが分かりやすいように、第1TWC231、第2TWC251、GPF271、及びGOC291を同一平面状に並べた展開図として示している。また、図37に示す破線は、図36に示す第2の実施形態に係る排気ガス処理装置401における流入口通路部材420、第2流路部材460、第3流路部材480、及び流出口通路部材500の形状である。
なお、第2の実施形態に係る排気ガス処理装置401では、流出口通路部材500は、GOC291を収容する第4ケース490と連結されていなかったが、図36及び図37では、第4ケース490と流出口通路部材500とを連結し、排気ガスGが連続して流れるようになっている。
図37に示す第1の変形例に係る排気ガス処理装置401では、流入口通路部材420、第2流路部材460、第3流路部材480、及び流出口通路部材500の容積が、図36に示す第2の実施形態に係る排気ガス処理装置401よりも大きくなっている。これにより、流入口通路部材420、第2流路部材460、第3流路部材480、及び流出口通路部材500の容積が拡大されるので、これらのレゾネータとしての機能を向上させることができる。
次に、図38を参照して、本発明の第2の実施形態の第2の変形例に係る排気ガス処理装置401について説明する。図38は、本発明の第2の実施形態の第2の変形例に係る排気ガス処理装置401について説明する構成図である。図38では、排気ガスGの流れが分かりやすいように、第1TWC231、第2TWC251、GPF271、及びGOC291を同一平面状に並べた展開図として示している。
図38に示すように、エンジン600から排出される排気ガスGは、シリンダヘッド601内の複数のシリンダ602から各々の排気ポート603に導かれ、排気マニホールド604にて合流した後に、排気管225を介して排気ガス処理装置401に導かれる。
排気管225は、円筒形に形成され、排気ガス処理装置401の第1TWC231の上流に形成される拡張室720に挿入される。排気管225は、拡張室720内にて側面に開口する複数の貫通孔225aを有する。
排気マニホールド604がシリンダヘッド601と一体に形成される場合(図38に破線で示す場合)には、排気マニホールド604が集合した集合部605から排出される排気ガスGが排気ガス処理装置401に導かれる。即ち、集合部605から排気管225を通じて排気ガスGが導かれる位置が、排気ガス処理装置401の構造によってレゾネータとして機能させることのできる最上流位置である。
そこで、排気ガス処理装置401では、第1TWC231の上流に拡張室720を形成して拡張レゾネータとして機能させるとともに、排気管225に複数の貫通孔225aを設けることで、共鳴レゾネータとして機能させている。このように、排気ガスGの流れの最上流位置にレゾネータとして機能する構成を配置することで、排気システム全体の低周波の共鳴モードにおける振動の腹の位置において効率よく消音することができる。また、排気ガスGの流れの最上流位置にて消音することで、下流に設けられるマフラ(図示省略)の容量を低減させることができる。
また、第2ケース450の下流側端部の外周には、複数の貫通孔450aが設けられ、第3ケース470の上流側端部の外周には、複数の貫通孔470aが設けられる。これにより、排気ガスGの消音効果を更に向上させることができる。
排気ガス処理装置401は、バッフルプレート450bと、バッフルプレート470bと、バッフルプレート490aと、を有する。
バッフルプレート450bは、排気管225から導かれて第1TWC231を通過する前の排気ガスGが第2流路部材460内に流入することを防止する。バッフルプレート470bは、第2TWC251を通過してGPF271を通過する前の排気ガスGが第3流路部材480内に流入することを防止する。バッフルプレート490aは、GPF271を通過してGOC291を通過する前の排気ガスGが流出口通路部材500内に流入することを防止する。
排気ガス処理装置401は、多孔バッフルプレート430aと、多孔バッフルプレート470cと、多孔バッフルプレート490bと、を有する。
多孔バッフルプレート430aは、第1ケース430をコンテナ410内に支持する。多孔バッフルプレート470cは、第3ケース470をコンテナ410内に支持する。多孔バッフルプレート490bは、第4ケース490をコンテナ410内に支持する。
多孔バッフルプレート430a、多孔バッフルプレート470c、及び多孔バッフルプレート490bは、複数の貫通孔を有する。これにより、排気ガスGが自由に流通できるので、拡張室720、第2流路部材460、及び第3流路部材480の容積を拡大することができる。したがって、拡張室720、第2流路部材460、及び第3流路部材480のレゾネータとしての機能を向上させることができる。
以上の第2の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
エンジンから排出される排気ガスGを処理する排気ガス処理装置401は、エンジンから排出される排気ガスGが流入する排気ガス流入開口部214と、排気ガス流入開口部214から流入した排気ガスGを下流に導く排気ガス流出開口部215と、を有するコンテナ410と、コンテナ410内にコンテナ410の内壁面410aとの間に空間をあけて設けられる第1触媒部(第1TWC231,第2TWC251,及びGPF271)と、コンテナ410内に内壁面410aとの間に空間をあけて設けられ、コンテナ410内にて第1触媒部と隣接して設けられる第2触媒部(GOC291)と、を備える。具体的には、第2触媒部(GOC201)は、第1触媒部(第1TWC231,第2TWC251,及びGPF271)の側方に設けられる。
この構成では、第1触媒部と第2触媒部とが隣接するように上下に並べてコンテナ210内に集中的に設けられるので、スペース効率を向上させることができるとともに、第1触媒部と第2触媒部との保温性を向上させることができる。また、第1触媒部及び第2触媒部とコンテナ210の内壁面210aとの間には空間があいているので、コンテナ210内における第1触媒部と第2触媒部との保温性を更に向上させることができる。
また、コンテナ410の内壁面410aと第1触媒部(第1TWC231、第2TWC251、及びGPF271)及び第2触媒部(GOC291)との間の空間には、第2触媒部(GOC291)を通過した排気ガスが導かれる。これにより、第1TWC231、第2TWC251、GPF271、及びGOC291を外周から温めて保温することが可能である。
なお、上記各実施形態に関して、特許請求の範囲に記載した以外の代表的な発明として、以下のものがあげられる。
(1)エンジンから排出される排気ガスを処理する排気ガス処理装置であって、前記エンジンから排出される排気ガスが流入する流入口と、前記流入口から流入した排気ガスを下流に導く流出口と、を有するコンテナと、前記コンテナ内に前記コンテナの内壁面との間に空間をあけて設けられる第1触媒部と、前記コンテナ内に前記内壁面との間に空間をあけて設けられ、前記コンテナ内にて前記第1触媒部の下方に設けられる第2触媒部と、を備える、ことを特徴とする排気ガス処理装置。
この構成では、第1触媒部と第2触媒部を上下に並べてコンテナ内に集中的に設けられるので、スペース効率を向上させることができるとともに、第1触媒部と第2触媒部との保温性を向上させることができる。また、第1触媒部及び第2触媒部とコンテナの内壁面との間には空間があいているので、コンテナ内における第1触媒部と第2触媒部との保温性を更に向上させることができる。
(2)前記第1触媒部は、前記流入口から流入する排気ガスが導かれる第1触媒担体と、前記第1触媒担体を通過した排気ガスが流入する第2触媒担体と、前記第2触媒担体を通過した排気ガスが流入する第3触媒担体と、を有し、前記第2触媒部は、前記第3触媒担体を通過した排気ガスが流入する第4触媒担体を有し、前記流出口からは、前記第4触媒担体を通過した排気ガスが排出される、ことを特徴とする(1)の排気ガス処理装置。
この構成によれば、第1触媒担体と第2触媒担体と第3触媒担体と第4触媒担体とがコンテナ内に収容されるので、種類の異なる複数の触媒をコンパクトに設けることができる。
(3)前記第1触媒担体の下流端部と前記第2触媒担体の上流端部とを接続し、前記第1触媒担体を通過した排気ガスが折り返すように進行方向を変えて前記第2触媒担体に導く第1流路部材を更に備え、前記第1触媒担体は、前記第2触媒担体よりも前記コンテナの高さ方向に小さく形成され、前記流入口は、前記第1触媒担体と前記第2触媒担体との前記高さ方向の大きさの違いによって形成される前記第1触媒担体の上流の段差部に設けられる、ことを特徴とする(2)の排気ガス処理装置。
この構成によれば、第1触媒担体の上流に第1触媒担体と第2触媒担体との高さ方向の大きさの違いによって形成される段差部に流入口が設けられるので、スペース効率の向上が可能である。
(4)前記第2触媒担体の下流端部と前記第3触媒担体の上流端部とを接続し、前記第2触媒担体を通過した排気ガスが折り返すように進行方向を変えて前記第3触媒担体に導く第2流路部材を更に備える、ことを特徴とする(2)又は(3)の排気ガス処理装置。
(5)前記第3触媒担体と前記第4触媒担体とは、排気ガスの進行方向が交差するように配置され、前記第3触媒担体の下流端部と前記第4触媒担体の上流端部とを接続し、前記第3触媒担体を通過した排気ガスの一部を前記第4触媒担体の外周に形成される外周流路に導き、前記第3触媒担体から直接導かれる排気ガスと前記外周流路を経由して導かれる排気ガスとを合わせて前記第4触媒担体に流入させる第3流路部材を更に備える、ことを特徴とする(2)から(4)のいずれか一つの排気ガス処理装置。
この構成によれば、第3流路部材は、第3触媒担体を通過した排気ガスの一部を第4触媒担体の外周に形成される外周流路に導くので、第4触媒担体の保温性を更に向上させることができる。
(6)前記流入口から流入する排気ガスを前記第1触媒担体に導く流入口通路部材と、 前記第1触媒担体の下流端部と前記第2触媒担体の上流端部とを接続し、前記第1触媒担体を通過した排気ガスが折り返すように進行方向を変えて前記第2触媒担体に導く第1流路部材と、前記第2触媒担体の下流端部と前記第3触媒担体の上流端部とを接続し、前記第2触媒担体を通過した排気ガスが折り返すように進行方向を変えて前記第3触媒担体に導く第2流路部材と、前記第3触媒担体の下流端部と前記第4触媒担体の上流端部とを接続し、前記第3触媒担体を通過した排気ガスの一部を前記第4触媒担体の外周に形成される外周流路に導き、前記第3触媒担体から直接導かれる排気ガスと前記外周流路を経由して導かれる排気ガスとを合わせて前記第4触媒担体に流入させる第3流路部材と、前記第4触媒担体を通過した排気ガスを前記流出口に導く流出口通路部材と、を更に備え、前記流入口通路部材と前記第1流路部材と前記第2流路部材と前記第3流路部材と前記流出口通路部材との少なくとも一つには、前記コンテナの前記内壁面との間の前記空間に排気ガスを導く貫通孔を有する、ことを特徴とする(2)から(5)のいずれか一つの排気ガス処理装置。
この構成によれば、流入口通路部材と第1流路部材と第2流路部材と第3流路部材と流出口通路部材との少なくとも一つは、コンテナの内壁面との間の空間に排気ガスを導く貫通孔を有するので、コンテナの内壁面との間の空間がレゾネータとして作用して、排気音を低減させることができる。
(7)前記コンテナは、前記流入口通路部材と前記第1流路部材と前記第2流路部材と前記第3流路部材と前記流出口通路部材とのうち一つの前記貫通孔から前記空間に導かれた排気ガスが、前記流入口通路部材と前記第1流路部材と前記第2流路部材と前記第3流路部材と前記流出口通路部材とのうち他の前記貫通孔に流通するのを遮断するバッフルプレートを有する、ことを特徴とする(6)の排気ガス処理装置。
この構成によれば、バッフルプレートが設けられることで、第1触媒担体、第2触媒担体、第3触媒担体、第4触媒担体の順に、いずれかをバイパスすることなく排気ガスを導くことができる。
(8)前記コンテナの外周に設けられて外気の熱を遮断する遮熱板を更に備える、ことを特徴とする(1)から(7)のいずれか一つの排気ガス処理装置。
この構成によれば、コンテナの外周に外気の熱を遮断する遮熱板が設けられるので、コンテナ内に設けられる第1触媒部及び第2触媒部の保温性を更に向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
なお、上記参考例、各実施形態、及び各変形例は、適宜組み合わせ可能である。