JP7144903B1 - 電力変換装置、発電電動機の制御装置、及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電力変換装置、発電電動機の制御装置、及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】相電流リプルをより低減させることができる電力変換装置、発電電動機の制御装置、及び電動パワーステアリング装置を得る。【解決手段】第1オフセット演算器8aは、第1印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧のいずれか1つが第1参照信号の最大値又は最小値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧を減算する。第2オフセット演算器8bは、第2印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧のいずれか1つが第2参照信号の最大値又は最小値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧を減算する。制御部6は、第1参照信号が最大及び最小となるタイミングにおける第1電圧ベクトルと、第2参照信号が最大及び最小となるタイミングにおける第2電圧ベクトルとの位相差を30度とするか、又は第1電圧ベクトル及び第2電圧ベクトルの少なくともいずれか一方を零電圧ベクトルとする。【選択図】図1

Description

本開示は、電力変換装置、発電電動機の制御装置、及び電動パワーステアリング装置に関する。
従来の電力変換装置では、2台のインバータを用いて2つの巻線組に電圧が印加される。また、3次高調波が電圧指令に重畳される場合、2台のインバータが同時に有効電圧ベクトルとなることを回避するため、2台のインバータにおける各搬送波信号が互いに90度ずらされる(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-50252号公報
上記のような従来の電力変換装置では、2つの巻線組の相互インダクタンスの影響により、第1組が有効電圧ベクトルを出力しているときには第2組の電流変化が生じ、第2組が有効電圧ベクトルを出力しているときには第1組の電流変化が生じる。このため、従来の電力変換装置では、相電流リプルが大きくなるという問題があった。
本開示は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、相電流リプルをより低減させることができる電力変換装置、発電電動機の制御装置、及び電動パワーステアリング装置を得ることを目的とする。
本開示に係る電力変換装置は、複数の第1スイッチング素子を有しており、直流電源からの直流電圧を第1交流電圧に変換し、交流回転機の第1の3相巻線に印加する第1電力変換器、複数の第2スイッチング素子を有しており、直流電圧を第2交流電圧に変換し、交流回転機の第2の3相巻線に印加する第2電力変換器、及び第1の3相巻線に対する電圧指令である第1電圧指令から第1オフセット電圧を減算して得た第1印加電圧と、第1参照信号とを比較することにより、複数の第1スイッチング素子に対する複数の第1オンオフ信号を算出するとともに、第2の3相巻線に対する電圧指令である第2電圧指令から第2オフセット電圧を減算して得た第2印加電圧と、第2参照信号とを比較することにより、複数の第2スイッチング素子に対する複数の第2オンオフ信号を算出する制御部を備え、第1の3相巻線と第2の3相巻線との位相差は30度であり、第1参照信号及び第2参照信号は、第1搬送波信号及び第2搬送波信号のいずれかであり、第1搬送波信号と第2搬送波信号との位相差は180度であり、制御部は、第1印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧の少なくとも1つが第1参照信号の最大値又は最小値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧を減算するとともに、第2印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧の少なくとも1つが第2参照信号の最大値又は最小値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧を減算し、第1オンオフ信号に基づいて得られる第1電圧ベクトルと、第2オンオフ信号に基づいて得られる第2電圧ベクトルとの位相差を30度とするか、又は第1電圧ベクトル及び第2電圧ベクトルの少なくともいずれか一方を零電圧ベクトルとする。
本開示に係る電力変換装置、発電電動機の制御装置、及び電動パワーステアリング装置によれば、相電流リプルをより低減させることができる。
実施の形態1に係る電力変換装置を示す構成図である。 図1の第1の3相巻線の位相と第2の3相巻線の位相との関係を示す図である。 図1の第1電力変換器によって出力される第1電圧ベクトルを示す図である。 複数の第1オンオフ信号と、第1電圧ベクトルとの関係を示す図である。 図1の第2電力変換器によって出力される第2電圧ベクトルを示す図である。 複数の第2オンオフ信号と、第2電圧ベクトルとの関係を示す図である。 図1の第1オフセット演算器が実行するオフセット演算ルーチンを示すフローチャートである。 図1の第1オンオフ信号発生器の動作を説明するための図である。 図1の第1オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの一例を示す図である。 比較例としての第1オンオフ信号発生器の動作を説明するための図である。 図1の第1オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの一例を示す図である。 図11に対する比較例として、搬送波信号の切り替えタイミングが適切に設定されなかった場合における第1オンオフ信号発生器の動作を説明するための図である。 図1の第1オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの一例を示す図である。 図1の第1オンオフ信号発生器が実行する搬送波信号選択ルーチンを示すフローチャートである。 図1の第2オフセット演算器が実行するオフセット演算ルーチンを示すフローチャートである。 図1の第2オンオフ信号発生器が実行する搬送波信号選択ルーチンを示すフローチャートである。 図1の第2オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの一例を示す図である。 結合係数と6相電流の微分値の直流成分の二乗和との関係を示す図である。 比較例としての電力変換装置における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの例を示す図である。 図1の電力変換装置における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの一例を示す図である。 図1の電力変換装置における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの別の例を示す図である。 図1の電力変換装置の発電電動機への適用例を示す構成図である。 図1の電力変換装置の電動パワーステアリング装置用電動機への適用例を示す構成図である。 実施の形態2に係る電力変換装置を示す構成図である。 図24の電力変換装置における変調方法、搬送波信号、及び有効電圧ベクトル区間の組合せを示す図である。 電圧位相を分割してできる12個の領域を示す図である。 図24の第1オンオフ信号発生器及び第2オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの第1の例を示す図である。 第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第1の例を示す図である。 電圧位相が0度から60度までの領域における第1電圧ベクトルの組合せの第1の例を示す図である。 図24の第1オンオフ信号発生器及び第2オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの第2の例を示す図である。 図24の第1オンオフ信号発生器及び第2オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの第3の例を示す図である。 第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第2の例を示す図である。 電圧位相が0度から60度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第2の例を示す図である。 図24の第1オンオフ信号発生器及び第2オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの第4の例を示す図である。 第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第3の例を示す図である。 電圧位相が0度から60度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第3の例を示す図である。 図24の第1オンオフ信号発生器及び第2オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの第5の例を示す図である。 第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第4の例を示す図である。 電圧位相が0度から120度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第4の例を示す図である。 図24の第1オンオフ信号発生器及び第2オンオフ信号発生器における搬送波信号の切り替えの第6の例を示す図である。 第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第5の例を示す図である。 電圧位相が0度から120度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第5の例を示す図である。 実施の形態1及び2の電力変換装置の機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。 実施の形態1及び2の電力変換装置の機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電力変換装置を示す構成図である。電力変換装置は、平滑コンデンサ3、第1電力変換器4a、第2電力変換器4b、第1電流検出器5a、第2電流検出器5b、及び制御部6を備えている。
電力変換装置には、負荷としての交流回転機1と、電源としての直流電源2とが接続されている。電力変換装置は、直流電源2からの直流電圧Vdcを交流電圧に変換して交流回転機1に印加する。
交流回転機1は、3相交流回転機である。交流回転機1は、第1の3相巻線と第2の3相巻線とを有している。第1の3相巻線と第2の3相巻線とは、互いに電気的に接続されることなく、交流回転機1内の固定子に収納されている。第1の3相巻線は、巻線U1、巻線V1、及び巻線W1を有している。巻線U1、巻線V1、及び巻線W1は、それぞれU1相の巻線、V1相の巻線、及びW1相の巻線である。第2の3相巻線は、巻線U2、巻線V2、及び巻線W2を有している。巻線U2、巻線V2、及び巻線W2は、それぞれU2相の巻線、V2相の巻線、及びW2相の巻線である。
交流回転機1としては、例えば、永久磁石同期回転機、誘導回転機、及び同期リラクタンス回転機等が挙げられる。2つの3相巻線を有する交流回転機であれば、上記のいずれの回転機を交流回転機1として用いてもよい。
直流電源2は、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bに接続されている。直流電源2は、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bに直流電圧Vdcを出力する。直流電源2としては、例えば、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、又はPWM(Pulse Width Modulation)整流器等が用いられる。
平滑コンデンサ3は、直流電源2に対し、並列に接続されている。即ち、平滑コンデンサ3の一端は、直流電源2の正極端子に接続され、平滑コンデンサ3の他端は、直流電源2の負極端子に接続されている。平滑コンデンサ3は、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bの母線電流の変動を抑制し、直流電流を安定させる。図示しないが、平滑コンデンサ3には、真のコンデンサ容量C以外に等価直列抵抗Rc及びリードインダクタンスLcが存在している。
第1電力変換器4aは、複数の第1スイッチング素子を有している。第1電力変換器4aは、直流電源2からの直流電圧Vdcを第1交流電圧に変換し、交流回転機1の第1の3相巻線に印加する。複数の第1スイッチング素子には、3つの第1高電位側スイッチング素子Sup1、Svp1、及びSwp1と、3つの第1低電位側スイッチング素子Sun1、Svn1、及びSwn1とが含まれている。
第1高電位側スイッチング素子Sup1,Svp1,Swp1は、それぞれU1相,V1相,W1相に対応している。第1低電位側スイッチング素子Sun1,Svn1,Swn1は、それぞれU1相,V1相,W1相に対応している。
U1相の第1高電位側スイッチング素子Sup1及びU1相の第1低電位側スイッチング素子Sun1は互いに直列に接続されている。V1相の第1高電位側スイッチング素子Svp1及びV1相の第1低電位側スイッチング素子Svn1は互いに直列に接続されている。W1相の第1高電位側スイッチング素子Swp1及びW1相の第1低電位側スイッチング素子Swn1は互いに直列に接続されている。複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1は、インバータ回路を構成している。
これにより、第1の3相巻線には、U1相電流Iu1、V1相電流Iv1、及びW1相電流Iw1が流れる。
第2電力変換器4bは、複数の第2スイッチング素子を有している。第2電力変換器4bは、直流電源2からの直流電圧Vdcを第2交流電圧に変換し、交流回転機1の第2の3相巻線に印加する。複数の第2スイッチング素子には、3つの第2高電位側スイッチング素子Sup2、Svp2、及びSwp2と、3つの第2低電位側スイッチング素子Sun2、Svn2、及びSwn2とが含まれている。
第2高電位側スイッチング素子Sup2,Svp2,Swp2は、それぞれU2相,V2相,W2相に対応している。第2低電位側スイッチング素子Sun2,Svn2,Swn2は、それぞれU2相,V2相,W2相に対応している。
U2相の第2高電位側スイッチング素子Sup2及びU2相の第2低電位側スイッチング素子Sun2は互いに直列に接続されている。V2相の第2高電位側スイッチング素子Svp2及びV2相の第2低電位側スイッチング素子Svn2は互いに直列に接続されている。W2相の第2高電位側スイッチング素子Swp2及びW2相の第2低電位側スイッチング素子Swn2は互いに直列に接続されている。複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2は、インバータ回路を構成している。
これにより、第2の3相巻線には、U2相電流Iu2、V2相電流Iv2、及びW2相電流Iw2が流れる。
複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1及び複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2のそれぞれには、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)とダイオードとの組合せが用いられる。この組合せでは、IGBTとダイオードとが逆並列に接続されている。また、IGBTに代えて、例えば、バイポーラトランジスタ又はMOS(Metal Oxide Semiconductor)パワートランジスタ等が用いられてもよい。
第1電流検出器5aは、第1電力変換器4aと第1の3相巻線との間に設けられている。第1電流検出器5aは、U1相電流Iu1、V1相電流Iv1、及びW1相電流Iw1の値を、電流検出値Iu1s、Iv1s、及びIw1sとしてそれぞれ検出する。
第1電流検出器5aは、複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1のオンオフ状態にかかわらず、U1相電流Iu1、V1相電流Iv1、及びW1相電流Iw1の値を常時検出することができる。従って、実施の形態1に係る電力変換装置は、U1相電流Iu1、V1相電流Iv1、及びW1相電流Iw1の値が検出できるか否かを考慮することなく、第1電力変換器4aの各第1スイッチング素子をオンにするかオフにするかを決定することができる。
第2電流検出器5bは、第2電力変換器4bと第2の3相巻線との間に設けられている。第2電流検出器5bは、U2相電流Iu2、V2相電流Iv2、及びW2相電流Iw2の値を、電流検出値Iu2s、Iv2s、及びIw2sとしてそれぞれ検出する。
第2電流検出器5bは、複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2のオンオフ状態にかかわらず、U2相電流Iu2、V2相電流Iv2、及びW2相電流Iw2の値を常時検出することができる。従って、実施の形態1に係る電力変換装置は、U2相電流Iu2、V2相電流Iv2、及びW2相電流Iw2の値が検出できるか否かを考慮することなく、第2電力変換器4bの各第2スイッチング素子をオンにするかオフにするかを決定することができる。
制御部6は、電圧指令演算器7、第1オフセット演算器8a、第2オフセット演算器8b、第1オンオフ信号発生器9a、及び第2オンオフ信号発生器9bを有している。
電圧指令演算器7は、交流回転機1に対する制御指令に基づいて、第1電圧指令を演算し、演算された第1電圧指令を第1オフセット演算器8aに入力する。第1電圧指令には、U1相に対する電圧指令Vu1、V1相に対する電圧指令Vv1、及びW1相に対する電圧指令Vw1が含まれている。
また、電圧指令演算器7は、交流回転機1に対する制御指令に基づいて、第2電圧指令を演算し、演算された第2電圧指令を第2オフセット演算器8bに入力する。第2電圧指令には、U2相に対する電圧指令Vu2、V2相に対する電圧指令Vv2、及びW2相に対する電圧指令Vw2が含まれている。
電圧指令演算器7は、例えば、電流フィードバック制御又はV/F(Voltage/Frequency)制御により第1電圧指令及び第2電圧指令を演算する。
電流フィードバック制御による場合、電圧指令演算器7は、制御指令として、交流回転機1に対する電流指令を設定し、設定された電流指令に基づいて、電圧指令の振幅を決定する。より具体的に述べると、電圧指令演算器7は、交流回転機1に対する電流指令と、電流検出値Iu1s,Iv1s,Iw1sとの偏差が零となるように、比例積分制御によって第1電圧指令を演算する。また、電圧指令演算器7は、交流回転機1に対する電流指令と、電流検出値Iu2s,Iv2s,Iw2sとの偏差が零となるように、比例積分制御によって第2電圧指令を演算する。
V/F制御による場合、電圧指令演算器7は、制御指令として、交流回転機1に対する速度指令又は周波数指令を設定し、設定された速度指令又は周波数指令に基づいて、電圧指令の振幅を決定する。
なお、V/F制御はフィードフォワード制御であるため、電圧指令演算器7は、U1相電流Iu1、V1相電流Iv1、W1相電流Iw1、U2相電流Iu2、V2相電流Iv2、及びW2相電流Iw2の情報を必要としない。従って、V/F制御による場合、U1相電流Iu1、V1相電流Iv1、W1相電流Iw1、U2相電流Iu2、V2相電流Iv2、及びW2相電流Iw2の情報は電圧指令演算器7に入力される必要はない。
第1オフセット演算器8aは、第1オフセット電圧Voffset1を演算する。第1オフセット演算器8aは、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算することにより、第1印加電圧を得る。第1オフセット演算器8aは、得られた第1印加電圧を第1オンオフ信号発生器9aに出力する。
第1印加電圧には、各相に対応する3つの印加電圧、即ち、U1相に対応する印加電圧Vu1’、V1相に対応する印加電圧Vv1’、及びW1相に対応する印加電圧Vw1’が含まれている。つまり、第1印加電圧は、以下の式(1)により表される。
Figure 0007144903000002
第2オフセット演算器8bは、第2オフセット電圧Voffset2を演算する。第2オフセット演算器8bは、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算することにより、第2印加電圧を得る。第2オフセット演算器8bは、得られた第2印加電圧を第2オンオフ信号発生器9bに出力する。
第2印加電圧には、各相に対応する3つの印加電圧、即ち、U2相に対応する印加電圧Vu2’、V2相に対応する印加電圧Vv2’、及びW2相に対応する印加電圧Vw2’が含まれている。つまり、第2印加電圧は、以下の式(2)により表される。
Figure 0007144903000003
第1オンオフ信号発生器9aは、第1印加電圧と第1参照信号とを比較することにより、複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1に対する複数の第1オンオフ信号Qup1、Qun1、Qvp1、Qvn1、Qwp1、及びQwn1を算出する。第1参照信号は、搬送波信号である。第1オンオフ信号発生器9aは、算出された複数の第1オンオフ信号Qup1~Qwn1を第1電力変換器4aに出力する。
複数の第1オンオフ信号Qup1、Qvp1、Qwp1、Qun1、Qvn1、及びQwn1は、複数の第1スイッチング素子Sup1、Svp1、Swp1、Sun1、Svn1、及びSwn1をそれぞれオンオフする。
複数の第1オンオフ信号Qup1~Qwn1の値が「1」である場合、第1オンオフ信号発生器9aは、対応する複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1をオンにするための信号を第1電力変換器4aに出力する。複数の第1オンオフ信号Qup1~Qwn1の値が「0」である場合、第1オンオフ信号発生器9aは、対応する複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1をオフにするための信号を第1電力変換器4aに出力する。
第2オンオフ信号発生器9bは、第2印加電圧と第2参照信号とを比較することにより、複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2に対する複数の第2オンオフ信号Qup2、Qun2、Qvp2、Qvn2、Qwp2、及びQwn2を算出する。第2参照信号は、搬送波信号である。第2オンオフ信号発生器9bは、算出された複数の第2オンオフ信号Qup2~Qwn2を第2電力変換器4bに出力する。
複数の第2オンオフ信号Qup2、Qvp2、Qwp2、Qun2、Qvn2、及びQwn2は、複数の第2スイッチング素子Sup2、Svp2、Swp2、Sun2、Svn2、及びSwn2をそれぞれオンオフする。
複数の第2オンオフ信号Qup2~Qwn2の値が「1」である場合、第2オンオフ信号発生器9bは、対応する複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2をオンにするための信号を第2電力変換器4bに出力する。複数の第2オンオフ信号Qup2~Qwn2の値が「0」である場合、第2オンオフ信号発生器9bは、対応する複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2をオフにするための信号を第2電力変換器4bに出力する。
図2は、図1の第1の3相巻線U1,V1,W1の位相と第2の3相巻線U2,V2,W2の位相との関係を示す図である。第1の3相巻線U1,V1,W1と第2の3相巻線U2,V2,W2との位相差は電気角で30度である。より具体的に述べると、U2相の巻線の位相は、U1相の巻線の位相に対して30度進んでいる。V2相の巻線の位相は、V1相の巻線の位相に対して30度進んでいる。W2相の巻線の位相は、W1相の巻線の位相に対して30度進んでいる。
図3は、図1の第1電力変換器4aによって出力される第1電圧ベクトルを示す図である。第1電力変換器4aは、複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1のオンオフ状態に応じて、8つの第1電圧ベクトルのいずれか1つを出力する。8つの第1電圧ベクトルは、V0(1)、V1(1)、V2(1)、V3(1)、V4(1)、V5(1)、V6(1)、及びV7(1)である。
ここで、V0(1)及びV7(1)は零電圧ベクトルである。第1電力変換器4aが零電圧ベクトルを出力しているとき、第1電力変換器4aの母線電流である第1母線電流Iinv1は零となる。また、V1(1)、V2(1)、V3(1)、V4(1)、V5(1)、及びV6(1)は有効電圧ベクトルである。第1電力変換器4aが有効電圧ベクトルを出力しているとき、第1母線電流Iinv1は、各相の電流値又はその反転値となる。
図4は、複数の第1オンオフ信号Qup1~Qwn1と、第1電圧ベクトルとの関係を示す図である。図4に示すように、複数の第1オンオフ信号Qup1~Qwn1の値の組合せは、8通りである。例えば、Qup1が「0」、Qun1が「1」、Qvp1が「0」、Qvn1が「1」、Qwp1が「0」、Qwn1が「1」である場合、第1電力変換器4aは、第1電圧ベクトルとしてV0(1)を出力する。
図5は、図1の第2電力変換器4bによって出力される第2電圧ベクトルを示す図である。また、図5には、比較のため、図3の第1電圧ベクトルが破線により表されている。第2電力変換器4bは、複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2のオンオフ状態に応じて、8つの第2電圧ベクトルのいずれか1つを出力する。8つの第2電圧ベクトルは、V0(2)、V1(2)、V2(2)、V3(2)、V4(2)、V5(2)、V6(2)、及びV7(2)である。
ここで、V0(2)及びV7(2)は零電圧ベクトルである。第2電力変換器4bが零電圧ベクトルを出力しているとき、第2電力変換器4bの母線電流である第2母線電流Iinv2は零となる。また、V1(2)、V2(2)、V3(2)、V4(2)、V5(2)、及びV6(2)は有効電圧ベクトルである。第2電力変換器4bが有効電圧ベクトルを出力しているとき、第2母線電流Iinv2は、各相の電流値又はその反転値となる。
第1の3相巻線と第2の3相巻線との位相差は30度であるので、V1(1)とV1(2)、V2(1)とV2(2)、V3(1)とV3(2)、V4(1)とV4(2)、V5(1)とV5(2)、V6(1)とV6(2)とはそれぞれ位相が30度ずれている。例えば、第2電圧ベクトルV1(2)の位相は、第1電圧ベクトルV1(1)の位相に対して30度進んでいるが、第1電圧ベクトルV2(1)の位相に対しては30度遅れている。
図6は、複数の第2オンオフ信号Qup2~Qwn2と、第2電圧ベクトルとの関係を示す図である。図6に示すように、複数の第2オンオフ信号Qup2~Qwn2の値の組合せは、8通りである。例えば、Qup2が「0」、Qun2が「1」、Qvp2が「0」、Qvn2が「1」、Qwp2が「0」、Qwn2が「1」である場合、第2電力変換器4bは、第2電圧ベクトルとしてV0(2)を出力する。
図7は、図1の第1オフセット演算器8aが実行するオフセット演算ルーチンを示すフローチャートである。第1オフセット演算器8aは、第1オフセット電圧Voffset1を図7のルーチンに従って演算する。図7のルーチンは、例えば、第1オフセット演算器8aに第1電圧指令Vu1,Vv1,Vw1が到来する毎に実行されるようになっている。
ここで、第1電圧指令における各相を、電圧指令が大きい順に、第1電圧最大相、第1電圧中間相、及び第1電圧最小相と呼ぶことにする。また、第1電圧最大相に対する電圧指令をVmax1と呼び、第1電圧中間相に対する電圧指令をVmid1と呼び、第1電圧最小相に対する電圧指令をVmin1と呼ぶことにする。また、第1電圧指令Vu1,Vv1,Vw1のうち、絶対値が最大となる相を第1電圧絶対値最大相と呼ぶこととする。
図7のルーチンが開始されると、第1オフセット演算器8aは、ステップS130において、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致するか否かを判定する。
第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致している場合、第1オフセット演算器8aは、ステップS131において、第1オフセット電圧Voffset1を、第1電圧最大相に対する電圧指令Vmax1と電源電圧Vdcとの差Vmax1-Vdcに設定する。次いで、第1オフセット演算器8aは、本ルーチンを一旦終了する。つまり、この場合、第1電圧最大相に対応する印加電圧が第1参照信号の最大値と一致する。
一方、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致していない場合、つまり第1電圧絶対値最大相と第1電圧最小相とが一致している場合、第1オフセット演算器8aは、ステップS132において、第1オフセット電圧Voffset1を第1電圧最小相に対する電圧指令Vmin1に設定し、本ルーチンを一旦終了する。つまり、この場合、第1電圧最小相に対応する印加電圧が第1参照信号の最小値と一致する。なお、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致していないということは、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最小相とが一致しているということに等しい。
即ち、第1オフセット演算器8aは、第1印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧のいずれか1つが第1参照信号の最大値又は最小値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算する。
図8は、図1の第1オンオフ信号発生器9aの動作を説明するための図である。図8において、U1相に対する電圧指令Vu1、V1相に対する電圧指令Vv1、W1相に対する電圧指令Vw1には、Vu1>Vv1>Vw1の関係が成り立っている。これは、図7において、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致している場合に相当する。C1は第1搬送波信号である。C2は第2搬送波信号である。第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2は、いずれも最小値が0、最大値がVdc、周期がTcの三角波である搬送波信号である。第1搬送波信号C1と第2搬送波信号C2との位相差は180度である。
第1オンオフ信号発生器9aは、第1参照信号としての第1搬送波信号C1と、U1相の印加電圧Vu1’とを比較する。U1相の印加電圧Vu1’が第1搬送波信号C1以上である場合、第1オンオフ信号発生器9aは、Qup1及びQun1としてそれぞれ「1」及び「0」を第1電力変換器4aに出力する。U1相の印加電圧Vu1’が第1搬送波信号C1よりも小さい場合、第1オンオフ信号発生器9aは、Qup1及びQun1としてそれぞれ「0」及び「1」を第1電力変換器4aに出力する。
ここで、第1印加電圧Vu1’は、電源電圧Vdcと等しい。つまり、第1印加電圧Vu1’は、第1参照信号の最大値に一致している。従って、搬送波信号の1周期Tcにおいて、Qup1は常に「1」を出力し、Qun1は常に「0」を出力する。このため、図8に示す期間においては、U1相のスイッチング素子のスイッチング動作は停止している。この場合のU1相は第1スイッチング停止相と呼ばれる。このように、第1スイッチング停止相は、第1印加電圧を第1参照信号の最大値又は最小値に一致させた相である。
U1相が第1スイッチング停止相となるため、実質的にV1相及びW1相の2つの相によって変調が行われる。このような変調は、第1上べた二相変調と呼ばれる。即ち、第1上べた二相変調は、第1電圧最大相に対応する印加電圧が第1参照信号の最大値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算する変調である。
その結果、第1電力変換器4aは、第1電圧ベクトルとして、t1~t2においてV2(1)、t2~t3においてV1(1)、t3~t5においてV6(1)、t5~t6においてV1(1)、及びt6~t7においてV2(1)をそれぞれ出力する。力行運転時には、力率角は0度又は0度に近い場合が多い。
なお、図7において、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致していない場合には、制御部6は、第1下べた二相変調を実施する。即ち、第1下べた二相変調は、第1電圧最小相に対応する印加電圧が第1参照信号の最小値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算する変調である。
図9は、図1の第1オンオフ信号発生器9aにおける搬送波信号の切り替えの一例を示す図である。図9において、ハッチングをかけた部分は、第1スイッチング停止相に対応している。例えば、電圧位相が0度~30度の範囲において、第1電圧絶対値最大相はU1相である。また、第1電圧最大相はU1相である。この場合、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致しているため、第1オフセット演算器8aにより、U1相の印加電圧Vu1’は、第1搬送波信号C1の最大電圧と等しくされる。そのため、U1相のスイッチング素子Sup1,Sun1は、電圧位相が0度~30度の範囲において、オンオフしない。つまり、電圧位相が0度~30度の範囲において、U1相が第1スイッチング停止相となる。
U1相に対しては、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれが選択されてもQup1及びQun1の出力結果は変わらないため、図9では、U1相にハッチングがかけられている。また、V1相に対応する第1参照信号としては、第1搬送波信号C1が選択され、W1相に対応する第1参照信号としては、第2搬送波信号C2が選択される。
例えば、力率角が0度であり、且つ電圧位相が25度である場合に、第1スイッチング停止相以外の2つの相の第1参照信号として異なる搬送波信号が選択されると、図8のような電圧ベクトルが出力される。2つの相の第1参照信号として異なる搬送波信号が選択されるとは、一方の相の第1参照信号として第1搬送波信号C1が選択され、他方の相の第1参照信号として第2搬送波信号C2が選択されることである。
このとき、電圧ベクトルV1(1)、V2(1)、V6(1)が出力され、母線電流はそれぞれIu1、-Iw1、-Iv1となる。ここで、Iu1>0、Iv1<0、Iw1<0であるので、母線には常に正の電流が流れる。
図10は、図8に対する比較例としての電力変換装置における第1オンオフ信号及び第1電圧ベクトルを示す図である。即ち、図10は、比較例としての第1オンオフ信号発生器9aの動作を説明するための図である。一方、第1スイッチング停止相以外の2つの相の第1参照信号として同一の搬送波信号が選択されると、図10のような電圧ベクトルが出力される。2つの相の第1参照信号として同一の搬送波信号が選択されるとは、2つの相の第1参照信号として同時に第1搬送波信号C1が選択されるか、同時に第2搬送波信号C2が選択されるかのいずれかである。
このとき、電圧ベクトルV1(1)、V2(1)、V7(1)が出力され、母線電流はそれぞれIu1、-Iw1、0となる。ここで、Iu1>0、Iw1<0であるから、母線には正の電流が流れる場合と電流が流れない場合とがある。
従って、コンデンサ電流を小さくするには、第1スイッチング停止相以外の2つの相において選択される搬送波信号の位相が180度異なっていればよい。第1スイッチング停止相の変化に合わせて、搬送波信号を60度毎に切り替える場合、V1相では、まず電圧位相30度において搬送波信号を切り替える必要がある。電圧位相が30度のとき、V1相は第1電圧中間相であるため、第1スイッチング停止相にはならない。
図11は、図1の第1オンオフ信号発生器9aの動作を説明するための図である。図11は、理想的に搬送波信号が切り替わった場合のQup1、Qvp1、Qwp1の変化を示している。V1相の印加電圧Vv1’は、t10~t12において第1搬送波信号C1と比較され、t12~t14において第2搬送波信号C2と比較される。t12以降の第1印加電圧についての演算は、通常、t12以前に完了しているため、t12以前に搬送波信号の切り替えの要否は判明している。
図12は、図11に対する比較例として、搬送波信号の切り替えタイミングが適切に設定されなかった場合における第1オンオフ信号発生器9aの動作を説明するための図である。例えば、第1印加電圧の演算がt15で完了し、その時点で搬送波信号を切り替えたとすると、本来、第1オンオフ信号発生器9aがt15においてQvpを「0」から「1」へ変更する制御が実施できなくなる。従って、t10~t12において出力されるべきV1相の印加電圧Vv1’が適切に出力されなくなり、これにより、3相電流が乱れてしまう。
このような問題を回避して、図11に示すように、第1印加電圧が適切に出力されるようにするには、搬送波信号の切り替えと第1印加電圧の出力とをt12において同期させる必要がある。しかし、廉価なマイコンを用いた場合には、同期させる処理が困難な場合がある。
図13は、図1の第1オンオフ信号発生器9aにおける搬送波信号の切り替えの一例を示す図である。これによれば、搬送波信号の切り替えと第1印加電圧の反映とを同期させなくとも、V1相の印加電圧Vv1’が適切に出力されなくなるという問題を回避することができる。図9に示すように搬送波信号を設定すると、第1電圧中間相において搬送波信号の切り替えが必要となるが、図13に示すように搬送波信号を設定することにより、搬送波信号の切り替えの頻度を低くすることができる。
U1相では、210度~330度において第1搬送波信号C1が選択され、30度~150度において第2搬送波信号C2が選択される。V1相では、0度~90度及び330度~360度において第1搬送波信号C1が選択され、150度~270度において第2搬送波信号C2が選択される。W1相では、90度~210度において第1搬送波信号C1が選択され、0度~30度及び270度~360度において第2搬送波信号C2が選択される。
1つの相において、第1搬送波信号C1が選択されている区間と第2搬送波信号C2が選択されている区間との間には、第1スイッチング停止相となる区間が挟まれる。
搬送波信号1周期において、第1スイッチング停止相となっている相における第1オンオフ信号は変化しない。そのため、第1スイッチング停止相において搬送波信号が切り替えられても第1オンオフ信号は変化しない。
本実施の形態1では、図13の左から右に変化する回転方向であれば、U1相における第1参照信号としては、150度~210度において第1搬送波信号C1が選択され、330度~360度又は0度~30度において第2搬送波信号C2が選択される。V1相における第1参照信号としては、270度~330度において第1搬送波信号C1が選択され、90度~150度において第2搬送波信号C2が選択される。W1相における第1参照信号としては、30度~90度において第1搬送波信号C1が選択され、210度~270度において第2搬送波信号C2が選択される。
図14は、図1の第1オンオフ信号発生器9aが実行する搬送波信号選択ルーチンを示すフローチャートである。第1オンオフ信号発生器9aは、搬送波信号の選択を以下のように行う。図14のルーチンは、例えば、第1オンオフ信号発生器9aに第1印加電圧Vu1’,Vv1’,Vw1’が到来する毎に実行されるようになっている。
図14のルーチンが開始されると、第1オンオフ信号発生器9aは、ステップS140において、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致しているか否かを判定する。
第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致している場合、第1オンオフ信号発生器9aは、ステップS141において、第1電圧絶対値最大相の搬送波信号として第2搬送波信号C2を選択し、本ルーチンを一旦終了する。
一方、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致していない場合、第1オンオフ信号発生器9aは、ステップS142において、第1電圧絶対値最大相の搬送波信号として第1搬送波信号C1を選択し、本ルーチンを一旦終了する。
なお、図示しないが、第1オンオフ信号発生器9aは、第1電圧絶対値最大相以外の2つの相における搬送波信号として、前回選択された搬送波信号を保持する。
つまり、第1オンオフ信号発生器9aは、3相のうちのある相において、相の状態がスイッチング停止状態となるとき、印加電圧が搬送波信号の最大値と一致するとき、又は印加電圧が搬送波信号の最小値と一致するときに搬送波信号を切り替える。これにより、搬送波信号の切り替えによって生じる印加電圧の乱れが抑制される。
図15は、図1の第2オフセット演算器8bが実行するオフセット演算ルーチンを示すフローチャートである。第2オフセット演算器8bは、第2オフセット電圧Voffset2を図15のルーチンに従って演算する。図15のルーチンは、例えば、第2オフセット演算器8bに第2電圧指令Vu2,Vv2,Vw2が到来する毎に実行されるようになっている。
ここで、第2電圧指令における各相を、電圧指令が大きい順に、第2電圧最大相、第2電圧中間相、及び第2電圧最小相と呼ぶこととする。また、第2電圧最大相に対する電圧指令をVmax2と呼び、第2電圧中間相に対する電圧指令をVmid2と呼び、第2電圧最小相に対する電圧指令をVmin2と呼ぶこととする。また、第2電圧指令Vu2,Vv2,Vw2のうち、絶対値が最大となる相を第2電圧絶対値最大相と呼ぶこととする。
図15のルーチンが開始されると、第2オフセット演算器8bは、ステップS150において、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致するか否かを判定する。
第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致している場合、第2オフセット演算器8bは、ステップS151において、第2オフセット電圧Voffset2を、第2電圧最大相に対する電圧指令Vmax2と電源電圧Vdcとの差Vmax2-Vdcに設定する。次いで、第2オフセット演算器8bは、本ルーチンを一旦終了する。つまり、この場合、第2電圧最大相に対応する印加電圧が第2参照信号の最大値と一致する。
一方、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致していない場合、つまり第2電圧絶対値最大相と第2電圧最小相とが一致している場合、第2オフセット演算器8bは、ステップS152において、第2オフセット電圧Voffset2を第2電圧最小相に対する電圧指令Vmin2に設定し、本ルーチンを一旦終了する。つまり、この場合、第2電圧最小相に対応する印加電圧が第2参照信号の最小値と一致する。なお、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最小相とが一致していないということは、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最小相とが一致しているということに等しい。
即ち、第2オフセット演算器8bは、第2印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧のいずれか1つが第2参照信号の最大値又は最小値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算する。
図16は、図1の第2オンオフ信号発生器9bが実行する搬送波信号選択ルーチンを示すフローチャートである。第1オンオフ信号発生器9aが図14のように搬送波信号を選択する場合、第2オンオフ信号発生器9bは、図16のように搬送波信号を選択する。図16のルーチンは、例えば、第2オンオフ信号発生器9bに第2印加電圧Vu2’,Vv2’,Vw2’が到来する毎に実行されるようになっている。
図16のルーチンが開始されると、第2オンオフ信号発生器9bは、ステップS160において、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致しているか否かを判定する。
第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致している場合、第2オンオフ信号発生器9bは、ステップS161において、第2電圧絶対値最大相の搬送波信号として第2搬送波信号C2を選択し、本ルーチンを一旦終了する。
一方、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致していない場合、第2オンオフ信号発生器9bは、ステップS162において、第1電圧絶対値最大相の搬送波信号として第1搬送波信号C1を選択し、本ルーチンを一旦終了する。
なお、図示しないが、第2オンオフ信号発生器9bは、第2電圧絶対値最大相以外の2つの相における搬送波信号として、前回選択された搬送波信号を保持する。
つまり、第2オンオフ信号発生器9bは、3相のうちのある相において、相の状態がスイッチング停止状態となるとき、印加電圧が搬送波信号の最大値と一致するとき、又は印加電圧が搬送波信号の最小値と一致するときに搬送波信号を切り替える。これにより、搬送波信号の切り替えによって生じる印加電圧の乱れが抑制される。
なお、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致している場合には、制御部6は、第2上べた二相変調を実施する。即ち、第2上べた二相変調は、第2電圧最大相に対応する印加電圧が第2参照信号の最大値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算する変調である。
また、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致していない場合には、制御部6は、第2下べた二相変調を実施する。即ち、第2下べた二相変調は、第2電圧最小相に対応する印加電圧が第2参照信号の最小値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算する変調である。また、第2印加電圧を第2参照信号の最大値又は最小値に一致させた相は、第2スイッチング停止相と呼ばれる。
図17は、図1の第2オンオフ信号発生器9bにおける搬送波信号の切り替えの一例を示す図である。第2電圧ベクトルは、第1電圧ベクトルと対応するように決定される。つまり、第1電圧ベクトルに合わせて、第2電圧ベクトルが設定される必要がある。例えば、図14のステップS141とステップS142とは入れ替えられてもよいが、その場合、第2電圧ベクトルが第1電圧ベクトルと対応するように、図16のステップS161とステップS162とが入れ替えられる必要がある。
次に、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せによる相電流リプルの差異につて説明する。ここでは、説明を簡単にするため、抵抗成分及び誘起電圧成分を0と見做しているが、抵抗成分及び誘起電圧成分が0でない場合についても同様の考えに基づいて説明することができる。
第1電力変換器4aにおけるd軸電圧を第1d軸電圧Vd1、第1電力変換器4aにおけるq軸電圧を第1q軸電圧Vq1、第2電力変換器4bにおけるd軸電圧を第2d軸電圧Vd2、第2電力変換器4bにおけるq軸電圧を第2q軸電圧Vq2とする。このとき、以下の式(3)が成り立つ。
Figure 0007144903000004
d軸自己インダクタンスをLd、d軸相互インダクタンスをMd、q軸自己インダクタンスをLq、q軸相互インダクタンスをMq、電気角をθ、微分演算子をpとすると、6相電流の微分値piu1~piw2は、以下の式(4)により表すことができる。
Figure 0007144903000005
結合係数をkとし、式(5)のように簡単化し、以下では、6相電流の微分値を式(6)で表されるベース電流の微分値pibaseに対する比として表現する。
Figure 0007144903000006
Figure 0007144903000007
第1電力変換器4aが第1電圧ベクトルとしてV1(1)を出力し、第2電力変換器4bが第2電圧ベクトルとしてV0(2)を出力する場合、6相電流の微分値の直流成分piu1_dc~piw2_dcは、以下の式(7)により与えられる。交流回転機1の効率は、6相すべての相電流リプルに影響を受ける。そのため、交流回転機1の効率を向上させるには、6相電流の微分値の直流成分の二乗和を最小化すればよい。この場合、6相電流の微分値の直流成分の2乗和は、以下の式(8)により表される。なお、「6相電流の微分値の直流成分の二乗和」は、以下「微分直流二乗和」と略して呼ぶことにする。
Figure 0007144903000008
Figure 0007144903000009
第1電力変換器4aが第1電圧ベクトルとしてV1(1)を出力し、第2電力変換器4bが第2電圧ベクトルとしてV1(2)を出力する場合、6相電流の微分値の直流成分は、以下の式(9)により与えられる。この場合、微分直流二乗和は、以下の式(10)により表される。
Figure 0007144903000010
Figure 0007144903000011
第1電力変換器4aが第1電圧ベクトルとしてV1(1)を出力し、第2電力変換器4bが第2電圧ベクトルとしてV2(2)を出力する場合、6相電流の微分値の直流成分は、以下の式(11)により与えられる。この場合、微分直流二乗和は、以下の式(12)により表される。
Figure 0007144903000012
Figure 0007144903000013
第1電力変換器4aが第1電圧ベクトルとしてV1(1)を出力し、第2電力変換器4bが第2電圧ベクトルとしてV3(2)を出力する場合、6相電流の微分値の直流成分は、以下の式(13)により与えられる。この場合、微分直流二乗和は、以下の式(14)により表される。
Figure 0007144903000014
Figure 0007144903000015
図18は、結合係数kと微分直流二乗和との関係を示す図である。微分直流二乗和は、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差によって決定される。従って、V1(1)とV4(2)とが同時に出力される場合における微分直流二乗和は、V1(1)とV3(2)とが同時に出力される場合における微分直流二乗和と等しい。
また、V1(1)とV5(2)とが同時に出力される場合における微分直流二乗和は、V1(1)とV2(2)とが同時に出力される場合における微分直流二乗和と等しい。また、V1(1)とV6(2)とが同時に出力される場合における微分直流二乗和は、V1(1)とV1(2)とが同時に出力される場合における微分直流二乗和と等しい。
このように、第1電圧ベクトルとしてV1(1)が出力される場合、微分直流二乗和が最小となる第2電圧ベクトルとして、V6(2)及びV1(2)の2つが存在する。本実施の形態では、第1の3相巻線と第2の3相巻線との位相差が30度であるが、仮に、第1の3相巻線と第2の3相巻線との位相差が0度であるとすると、微分直流二乗和が最小となる第2電圧ベクトルとして、V1(2)しか存在しない。従って、第1の3相巻線と第2の3相巻線との位相差を30度とすることにより、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの選択肢を増やすことができる。
第1電圧ベクトルとしてV1(1)が出力される場合、結合係数kが0.32よりも大きい領域では、第2電圧ベクトルとして零電圧ベクトルであるV0(2)が出力されるよりも、V1(2)又はV6(2)が出力されることにより、相電流の変化をより小さくすることができる。2つの第2電圧ベクトルV1(2)及びV6(2)は、いずれも第1電圧ベクトルV1(1)との位相差が30度のベクトルである。
一方、第1電圧ベクトルとしてV1(1)が出力される場合、V1(1)との位相差が90度のV2(2)及びV1(1)との位相差が150度のV3(2)が第2電圧ベクトルとして出力されると、相電流の変化が増大する。従って、相電流リプルを低減するためには、V1(1)は、V1(2)又はV6(2)と同時に出力されることが望ましい。
ここでは、第1電圧ベクトルV1(1)と組み合わせられる第2電圧ベクトルについてのみ説明しているが、他の第1電圧ベクトルV2(1)~V6(1)と組み合わされる第2電圧ベクトルについても同様に考えればよい。つまり、第1電圧ベクトルV2(1)~V6(1)は、位相差が30度の第2電圧ベクトルと同時に出力されることが望ましい。
図19は、比較例としての電力変換装置における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの例を示す図である。比較例の電力変換装置では、実施の形態1とは異なり、電流絶対値最大相が電圧最大相又は電圧最小相と一致する場合に、電流絶対値最大相のスイッチングを停止させるようになっている。なお、図19の組合せの例において、電力変換装置の変調率は0.9、力率角は60度である。図19において示される電圧位相範囲は0度から60度までである。また、横軸の長さは、搬送波信号1周期Tcに相当する。
例えば、電圧位相50度における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V6(1)とV0(2)、V6(1)とV1(2)、V1(1)とV1(2)、V2(1)とV1(2)、及びV2(1)とV2(2)である。このように、位相差が90度の電圧ベクトルが出力される区間があるため、比較例において、相電流は比較的大きくなる。
図20は、図1の電力変換装置における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの一例を示す図である。図19と同様に、電力変換装置の変調率は0.9、力率角は60度であり、電圧位相範囲は0度から60度までである。
例えば、電圧位相50度における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V1(1)とV6(2)、V1(1)とV1(2)、V2(1)とV1(2)、V2(1)とV2(2)、及びV3(1)とV2(2)である。上記いずれの組合せにおいても、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差は30度になっているため、相電流リプルをより低減できる。
図21は、図1の電力変換装置における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの別の例を示す図である。図21には、電力変換装置の変調率が0.4の場合の電圧ベクトルの組合せが示されている。
例えば、電圧位相50度における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V1(1)とV6(2)、V1(1)とV7(2)、V0(1)とV7(2)、V0(1)とV2(2)、及びV3(1)とV2(2)である。上記いずれの組合せにおいても、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差は30度になっているため、相電流リプルをより低減できる。
つまり、実施の形態1の電力変換装置では、第1スイッチング停止相及び第2スイッチング停止相以外の4つの相のうち、位相差が最も小さい組合せとなる2つの相における第1参照信号及び第2参照信号として、同一の搬送波信号が選択される。つまり、位相差が最も小さい組合せとなる2つの相における第1参照信号及び第2参照信号として、同時に第1搬送波信号C1が選択されるか又は同時に第2搬送波信号C2が選択される。これにより、相電流リプルをより低減できる。
ここで、第1スイッチング停止相以外の2つの相の搬送波信号として、位相が180度異なる搬送波信号が選択される場合、搬送波信号が最大となるタイミング及び搬送波信号が最小となるタイミングにおいて有効電圧ベクトルが出力される。また、第2スイッチング停止相以外の2つの相の搬送波信号として、位相が180度異なる搬送波信号が選択される場合も、搬送波信号が最大となるタイミング及び搬送波信号が最小となるタイミングにおいて有効電圧ベクトルが出力される。そのため、上記タイミングにおける相電流の変化を抑制することが相電流リプルの低減に有効である。
そこで、実施の形態1の電力変換装置では、第1参照信号が最大及び最小となるタイミングにおいて得られる第1電圧ベクトルと、前記第2参照信号が最大及び最小となるタイミングにおいて得られる第2電圧ベクトルとの位相差が30度とされる。又は、第1電圧ベクトル及び第2電圧ベクトルの少なくともいずれか一方が零電圧ベクトルとされる。これにより、相電流リプルを低減させることができる。つまり、時刻t4において電流検出を行えば、電流検出誤差を抑制できる。
なお、第1電力変換器4aが過変調となる場合には、第1電圧最大相の状態及び第1電圧最小相の状態は、ともにスイッチング停止状態となる。このように、第1印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧のうち2つが第1参照信号の最大値又は最小値と一致することがある。つまり、第1印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧の少なくとも1つが第1参照信号の最大値又は最小値と一致する。
同様に、第2電力変換器4bが過変調となる場合には、第2電圧最大相の状態及び第2電圧最小相の状態は、ともにスイッチング停止状態となる。このように、第2印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧のうち2つが第2参照信号の最大値又は最小値と一致することがある。つまり、第2印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧の少なくとも1つが第2参照信号の最大値又は最小値と一致する。
図22は、図1の電力変換装置の発電電動機への適用例を示す構成図である。電力変換装置の構成については、図1を用いて説明した通りであるため、ここではその説明は省略される。発電電動機は、例えば、車両用発電電動機である。発電電動機は、交流回転機1及び内燃機関801を有している。発電電動機は、図示しない車両に搭載されている。
交流回転機1は、内燃機関801の補機として、図示しない駆動系部品を経由して車両に設けられた車輪の駆動力を発生させるとともに、内燃機関801の回転を利用して発電を行う。
内燃機関801の回転数がアイドル回転数に近いほど、交流回転機1により発電動作が実施される頻度は高くなる。また、アイドル回転数付近の比較的低い回転数における運転では、鉄損が発電効率に与える影響は、比較的大きくなる。
実施の形態1の電力変換装置によれば、内燃機関801のアイドル回転数付近において頻繁に実施される交流回転機1の発電動作における相電流リプルが抑制される。これにより、鉄損が低減されるとともに、より効率のよい発電が行われる。また、力行運転により駆動力がアシストされる場合においても同様に、鉄損が低減されるとともに、効率のよい駆動が行われることにより、車両の燃費をより向上させることができる。
図23は、図1の電力変換装置の電動パワーステアリング装置用電動機への適用例を示す構成図である。電力変換装置の構成については、図1を用いて説明した通りであるため、ここではその説明は省略される。交流回転機1は、図示しない車両の電動パワーステアリング装置に接続されている。
車両は、ハンドル901、前輪902、トルク検出器903、ギヤ904、及び制御指令生成部905を有している。車両の運転者は、ハンドル901を左右に回転させることにより、前輪902の操舵を行う。トルク検出器903は、ステアリング系の操舵トルクTsを検出し、検出された操舵トルクTsを制御指令生成部905に出力する。
制御指令生成部905は、トルク検出器903から出力された操舵トルクTsに基づいて、交流回転機1を制御するための制御指令を演算する。演算された制御指令は、制御部6の電圧指令演算器7に入力される。制御指令生成部905は、制御指令として、以下の式(15)により、トルク電流指令Iq_tgtを演算する。ここで、kaは定数である。
Figure 0007144903000016
実施の形態1に係る電力変換装置を電動パワーステアリング装置用の電動機に用いることにより、相電流リプルが低減され、運転者にとって不快な振動が、ハンドル901を介して、運転者に伝わることが抑制される。また、車室内に伝わる騒音が低減される。
なお、定数kaは、操舵トルクTs又は車両の走行速度に応じて変化するように設定されてもよい。ここでは、式(15)を用いてトルク電流指令Iq_tgtが決定されるが、操舵状況に応じた公知の補償制御に基づいてトルク電流指令Iq_tgtが決定されてもよい。ここでは、単純化して、q軸電流に対するトルク電流指令Iq_tgtのみが決定されていたが、q軸電流に対するトルク電流指令だけでなく、d軸電流に対するトルク電流指令が決定される方式であってもよい。
以上のように、実施の形態1に係る電力変換装置は、第1電力変換器4a、第2電力変換器4b、及び制御部6を備えている。第1電力変換器4aは、複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1を有しており、直流電源2からの直流電圧Vdcを第1交流電圧に変換し、交流回転機1の第1の3相巻線U1,V1,W1に印加する。第2電力変換器4bは、複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2を有しており、直流電圧Vdcを第2交流電圧に変換し、交流回転機1の第2の3相巻線U2,V2,W2に印加する。
制御部6は、第1電圧指令Vu1,Vv1,Vw1から第1オフセット電圧Voffset1を減算して得た第1印加電圧Vu1’,Vv1’,Vw1’と、第1参照信号とを比較する。これにより、制御部6は、複数の第1スイッチング素子Sup1~Swn1に対する複数の第1オンオフ信号Qup1~Qwn1を算出する。第1電圧指令Vu1,Vv1,Vw1は、第1の3相巻線U1,V1,W1に対する電圧指令である。
制御部6は、第2電圧指令Vu2,Vv2,Vw2から第2オフセット電圧Voffset2を減算して得た第2印加電圧Vu2’,Vv2’,Vw2’と、第2参照信号とを比較する。これにより、制御部6は、複数の第2スイッチング素子Sup2~Swn2に対する複数の第2オンオフ信号Qup2~Qwn2を算出する。第2電圧指令Vu2,Vv2,Vw2は、第2の3相巻線U2,V2,W2に対する電圧指令である。
ここで、第1の3相巻線と第2の3相巻線との位相差は30度である。また、第1参照信号及び第2参照信号は、第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれかであり、第1搬送波信号C1と第2搬送波信号C2との位相差は180度である。
制御部6は、第1印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧の少なくとも1つが第1参照信号の最大値又は最小値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算する。また、これとともに、制御部6は、第2印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧の少なくとも1つが第2参照信号の最大値又は最小値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算する。
制御部6は、第1オンオフ信号に基づいて得られる第1電圧ベクトルと、第2オンオフ信号に基づいて得られる第2電圧ベクトルとの位相差を30度とするか、又は第1電圧ベクトル及び第2電圧ベクトルの少なくともいずれか一方を零電圧ベクトルとする。
これによれば、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差を最小とすることができ、これにより、相電流リプルがより低減される。
また、制御部6は、第1参照信号が最大及び最小となるタイミングにおいて得られる第1電圧ベクトルと、第2参照信号が最大及び最小となるタイミングにおいて得られる第2電圧ベクトルとの位相差を30度とするか、又は第1電圧ベクトル及び第2電圧ベクトルを共に零電圧ベクトルとする。
これによれば、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差を最小とすることができ、これにより、相電流リプルがより低減される。
また、第1電圧絶対値最大相と第1電圧最大相とが一致する場合、制御部6は、第1上べた二相変調を実施する。第1電圧絶対値最大相は、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令の絶対値のうち最大の相である。第1上べた二相変調は、第1電圧最大相に対応する印加電圧が第1参照信号の最大値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算する変調である。
第1電圧絶対値最大相と第1電圧最小相とが一致する場合、制御部6は、第1下べた二相変調を実施する。第1下べた二相変調は、第1電圧最小相に対応する印加電圧が第1参照信号の最小値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算する変調である。
制御部6は、第1印加電圧を第1参照信号の最大値又は最小値に一致させた相以外の2つの相のうち、一方の相の第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択し、他方の相の第1参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
また、第2電圧絶対値最大相と第2電圧最大相とが一致する場合、制御部6は、第2上べた二相変調を実施する。第2電圧絶対値最大相は、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令の絶対値のうち最大の相である。第2上べた二相変調は、第2電圧最大相に対応する印加電圧が第2参照信号の最大値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算する変調である。
第2電圧絶対値最大相と第2電圧最小相とが一致する場合、制御部6は、第2下べた二相変調を実施する。第2下べた二相変調は、第2電圧最小相に対応する印加電圧が第2参照信号の最小値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算する変調である。
制御部6は、第2印加電圧を第2参照信号の最大値又は最小値に一致させた相以外の2つの相のうち、一方の相の第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択し、他方の相の第2参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
制御部6は、第1上べた二相変調又は第1下べた二相変調が実施される相及び第2上べた二相変調又は第2下べた二相変調が実施される相以外の4つの相のうち、位相差が最も小さい組合せとなる2つの相における第1参照信号及び第2参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の同一の信号を選択する。
これによれば、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差を最小とすることができ、これにより、相電流リプルがより低減される。
また、制御部6は、第1上べた二相変調を実施するとき、第1電圧最大相の第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択し、第1電圧中間相及び第1電圧最小相の第1参照信号として前回の第1参照信号を維持する。制御部6は、第1下べた二相変調を実施するとき、第1電圧最小相の第1参照信号として第2搬送波信号C2を選択し、第1電圧最大相及び第1電圧中間相の第1参照信号として前回の第1参照信号を維持する。
制御部6は、第2上べた二相変調を実施するとき、第2電圧最大相の第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択し、第2電圧中間相及び第2電圧最小相の第2参照信号として前回の第2参照信号を維持する。制御部6は、第2下べた二相変調を実施するとき、第2電圧最小相の第2参照信号として第2搬送波信号C2を選択し、第2電圧最大相及び第2電圧中間相の第2参照信号として前回の第2参照信号を維持する。
これによれば、搬送波信号の切り替えの頻度を低くすることができ、スイッチング停止状態において搬送波信号が切り替えられる。これにより、搬送波信号の切り替えによって生じる印加電圧の乱れが抑制される。
また、前記第1電力変換器4a及び前記第2電力変換器4bは、電流検出器5a,5bをさらに備えている。電流検出器5a,5bは、第1参照信号及び第2参照信号が最大となるタイミング及び最小となるタイミングの少なくとも一方のタイミングにおいて、第1の3相巻線及び第2の3相巻線を流れる電流を検出する。制御部6は、電流検出器5a,5bによって得られた第1検出電流及び第2検出電流に基づいて、第1電圧指令及び第2電圧指令を演算する。
これによれば、電流変化の小さいタイミングに相電流が検出される。その結果、相電流の検出誤差が抑制される。
また、発電電動機の制御装置は、実施の形態1に係る電力変換装置を備えている。
これによれば、発電電動機における鉄損を低減し、効率的な発電が可能となる。従って、車両用発電電動機に適用された場合、車両の燃費を向上することができる。
また、電動パワーステアリング装置は、実施の形態1に係る電力変換装置を備えている。
これによれば、電力変換装置の相電流リプルが低減されることにより、ハンドルを介して運転者に伝達される振動が抑制されるとともに、車室内の騒音が低減される。
なお、実施の形態1では、第1搬送波信号C1を搬送波信号1周期において上に凸である三角波とし、第2搬送波信号C2を搬送波信号1周期において下に凸である三角波としたが、これらの関係は、反対であってもよい。
実施の形態2.
図24は、実施の形態2に係る電力変換装置を示す構成図である。図24の電力変換装置には、図1の第1オンオフ信号発生器9aに代えて、第1オンオフ信号発生器9a1が設けられている。また、図24の電力変換装置には、図1の第2オンオフ信号発生器9bに代えて、第2オンオフ信号発生器9b1が設けられている。
上記以外の構成については、図1の電力変換装置と同様である。以下、図1の電力変換装置と同様の構成についての説明は省略される。
図1の第1オンオフ信号発生器9aでは、スイッチング停止相以外の2つの相における第1参照信号として、位相が180度異なる搬送波信号が用いられていた。同様に、第2オンオフ信号発生器9bでは、スイッチング停止相以外の2つの相における第2参照信号として、位相が180度異なる搬送波信号が用いられていた。
これに対し、図24の第1オンオフ信号発生器9a1は、スイッチング停止相以外の2つの相における第1参照信号として、同一の搬送波信号を用いる。同様に、図24の第2オンオフ信号発生器9b1は、スイッチング停止相以外の2つの相における第2参照信号として、同一の搬送波信号を用いる。
上べた二相変調が実施された場合、有効電圧ベクトル区間は、図8に示す場合と同様に、搬送波信号の最大値付近に現れる。有効電圧ベクトル区間は、有効電圧ベクトルが出力されている区間である。従って、印加電圧と第1搬送波信号C1とが比較された場合には、有効電圧ベクトル区間は第1搬送波信号C1の1周期の中央に現れる。印加電圧と第2搬送波信号C2とが比較された場合には、有効電圧ベクトル区間は第2搬送波信号C2の1周期の両端に現れる。
一方、下べた二相変調が実施された場合、有効電圧ベクトル区間は、搬送波信号の最小値付近に現れる。従って、印加電圧と第1搬送波信号C1とが比較された場合には、有効電圧ベクトル区間は第1搬送波信号C1の1周期の両端に現れる。印加電圧と第2搬送波信号C2とが比較された場合には、有効電圧ベクトル区間は第2搬送波信号C2の1周期の中央に現れる。
相電流リプルを低減するには、搬送波信号が最大となるタイミング又は搬送波信号が最小となるタイミングにおいて、第1スイッチング信号に基づく第1電圧ベクトルと第2スイッチング信号に基づく第2電圧ベクトルとの位相差を小さくすればよい。
具体的には、搬送波信号が最大となるタイミング及び搬送波信号が最小となるタイミングにおいて、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差を30度とすることにより、相電流リプルを低減させることができる。
あるいは、第1電圧ベクトル及び第2電圧ベクトルの少なくともいずれか一方を零電圧ベクトルとすることにより、相電流リプルを低減させることができる。
また、搬送波信号が最大となるタイミング及び搬送波信号が最小となるタイミングの少なくともいずれか一方のタイミングにおいて各相の電流を検出することにより、電流検出精度を向上させることができる。
図25は、図24の電力変換装置における変調方法、搬送波信号、及び有効電圧ベクトル区間の組合せを示す図である。図25には、A~Hの8通りの組合せが示されている。
組合せAでは、第1電力変換器4aにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第1搬送波信号C1が用いられる。この場合、有効電圧ベクトル区間は、第1搬送波信号C1の1周期の中央に現れる。また、組合せAでは、第2電力変換器4bにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第1搬送波信号C1が用いられる。この場合、有効電圧ベクトル区間は、第1搬送波信号C1の1周期の中央に現れる。
組合せBでは、第1電力変換器4aにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第1搬送波信号C1が用いられる。また、組合せBでは、第2電力変換器4bにおける変調方法として下べた二相変調が実施され、搬送波信号として第2搬送波信号C2が用いられる。
組合せCでは、第1電力変換器4aにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第2搬送波信号C2が用いられる。また、組合せCでは、第2電力変換器4bにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第2搬送波信号C2が用いられる。
組合せDでは、第1電力変換器4aにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第2搬送波信号C2が用いられる。また、組合せDでは、第2電力変換器4bにおける変調方法として下べた二相変調が実施され、搬送波信号として第1搬送波信号C1が用いられる。
組合せEでは、第1電力変換器4aにおける変調方法として下べた二相変調が実施され、搬送波信号として第1搬送波信号C1が用いられる。また、組合せDでは、第2電力変換器4bにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第2搬送波信号C2が用いられる。
組合せFでは、第1電力変換器4aにおける変調方法として下べた二相変調が実施され、搬送波信号として第1搬送波信号C1が用いられる。また、組合せFでは、第2電力変換器4bにおける変調方法として下べた二相変調が実施され、搬送波信号として第1搬送波信号C1が用いられる。
組合せGでは、第1電力変換器4aにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第2搬送波信号C2が用いられる。また、組合せGでは、第2電力変換器4bにおける変調方法として上べた二相変調が実施され、搬送波信号として第1搬送波信号C1が用いられる。
組合せHでは、第1電力変換器4aにおける変調方法として下べた二相変調が実施され、搬送波信号として第2搬送波信号C2が用いられる。また、組合せHでは、第2電力変換器4bにおける変調方法として下べた二相変調が実施され、搬送波信号として第2搬送波信号C2が用いられる。
組合せA~Hに従って変調方法及び搬送波信号を選択することにより、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差を30度とするか、又は第1電圧ベクトル及び第2電圧ベクトルの少なくともいずれか一方を零電圧ベクトルとすることができる。また、搬送波信号が最大となるタイミング及び搬送波信号が最小となるタイミングの少なくともいずれか一方のタイミングにおいて、各相の電流を検出することにより、電流検出精度が向上する。
図26は、電圧位相を分割してできる12個の領域を示す図である。ここでは、電圧位相の0度から360度までの範囲が、30度ずつ均等に領域aから領域lまでに分割される。電圧ベクトルV1(1)とV1(2)との間の領域は領域aとされ、位相が進む方向に30度毎に領域b、領域c、・・・、領域lとされる。
即ち、領域aは、電圧ベクトルV1(1)とV1(2)との間の領域である。領域bは、電圧ベクトルV1(2)とV2(1)との間の領域である。領域cは、電圧ベクトルV2(1)とV2(2)との間の領域である。領域dは、電圧ベクトルV2(2)とV3(1)との間の領域である。領域eは、電圧ベクトルV3(1)とV3(2)との間の領域である。領域fは、電圧ベクトルV3(2)とV4(1)との間の領域である。
領域gは、電圧ベクトルV4(1)とV4(2)との間の領域である。領域hは、電圧ベクトルV4(2)とV5(1)との間の領域である。領域iは、電圧ベクトルV5(1)とV5(2)との間の領域である。領域jは、電圧ベクトルV5(2)とV6(1)との間の領域である。領域kは、電圧ベクトルV6(1)とV6(2)との間の領域である。領域lは、電圧ベクトルV6(2)とV1(1)との間の領域である。
領域aでは、第1電力変換器4aは、電圧ベクトルV1(1)及びV2(1)を出力する。電圧ベクトルV1(1)及びV2(1)は、いずれも有効電圧ベクトルである。また、領域aでは、第2電力変換器4bは、電圧ベクトルV6(2)及びV1(2)を出力する。電圧ベクトルV6(2)及びV1(2)は、いずれも有効電圧ベクトルである。
領域aにおいて出力される上記4つの電圧ベクトルのうち、方向が最も近い電圧ベクトルは、V1(1)及びV1(2)である。従って、第1電圧最大相はU1相であり、第2電圧最大相はU2相である。U1相とU2相との位相差は30度である。領域aにおいて、方向が2番目に近い電圧ベクトルは、V2(1)及びV6(2)である。従って、第1電圧最小相はW1相であり、第2電圧最小相はV2相である。W1相とV2相との位相差は90度である。
変調方法及び搬送波信号の組合せが組合せAである場合、位相差が30度の電圧ベクトルV1(1)及びV1(2)が同時に出力されるが、位相差が90度の電圧ベクトルV2(1)及びV6(2)も同時に出力される。一方、変調方法及び搬送波信号の組合せが組合せBである場合、位相差が30度の電圧ベクトルV1(1)及びV6(1)が同時に出力されるとともに、位相差が30度の電圧ベクトルV2(1)及びV1(2)が同時に出力される。
組合せD、E、及びGの場合も、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bにおいて位相差が30度の電圧ベクトルが同時に出力されるので、相電流リプルが低減される。
また、領域c、領域e、領域g、領域i、及び領域kにおいても、組合せB、D、E、及びGが選択された場合、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bにおいて位相差が30度の電圧ベクトルが同時に出力される。
領域bでは、第1電力変換器4aは、電圧ベクトルV1(1)及びV2(1)を出力する。電圧ベクトルV1(1)及びV2(1)は、いずれも有効電圧ベクトルである。また、領域bでは、第2電力変換器4bは、電圧ベクトルV1(2)及びV2(2)を出力する。電圧ベクトルV1(2)及びV2(2)は、いずれも有効電圧ベクトルである。
領域bにおいて出力される上記4つの電圧ベクトルのうち、方向が最も近い電圧ベクトルは、V2(1)及びV1(2)である。従って、第1電圧最大相はU1相であり、第2電圧最大相はU2相である。U1相とU2相との位相差は30度である。領域bにおいて、方向が2番目に近い電圧ベクトルは、V1(1)及びV2(2)である。従って、第1電圧最小相はW1相であり、第2電圧最小相はW2相である。W1相とW2相との位相差は30度である。
変調方法及び搬送波信号の組合せが組合せBである場合、位相差が30度の電圧ベクトルV2(1)及びV1(2)が同時に出力されるが、位相差が90度の電圧ベクトルV1(1)及びV2(2)も同時に出力される。一方、変調方法及び搬送波信号の組合せが組合せAである場合、位相差が30度の電圧ベクトルV1(1)及びV1(2)が同時に出力されるとともに、位相差が30度の電圧ベクトルV2(1)及びV2(2)が同時に出力される。
また、領域d、領域f、領域h、領域j、及び領域lにおいても、組合せA、C、F、及びHが選択された場合、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bにおいて位相差が30度の電圧ベクトルが同時に出力される。
このように、電圧位相の領域に応じて、変調方法及び搬送波信号の組合せを変えることにより、電圧位相の全範囲において、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差を30度とすることができる。以下に具体的な例を示す。
図27は、図24の第1オンオフ信号発生器9a1及び第2オンオフ信号発生器9b1における搬送波信号切り替えの第1の例を示す図である。また、図28は、第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第1の例を示す図である。このときの電力変換装置の変調率は0.6である。
図29は、電圧位相が0度から60度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第1の例を示す図である。例えば、20度の電圧位相における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V7(1)及びV0(2)、V2(1)及びV0(2)、V2(1)及びV1(2)、V1(1)及びV1(2)、V1(1)及びV6(2)である。いずれの組合せも、位相差が30度又は少なくともいずれか一方が零電圧ベクトルとなっている。
また、例えば、50度の電圧位相における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V2(1)及びV2(2)、V2(1)及びV1(2)、V1(1)及びV1(2)、V0(1)及びV1(2)、V0(1)及びV0(2)である。いずれの組合せも、位相差が30度又は少なくともいずれか一方が零電圧ベクトルとなっている。
図30は、図24の第1オンオフ信号発生器9a1及び第2オンオフ信号発生器9b1における搬送波信号切り替えの第2の例を示す図である。図30に示す例では、図27において第1搬送波信号C1が選択されていた電圧位相において第2搬送波信号C2が選択され、図27において第2搬送波信号C2が選択されていた電圧位相において第1搬送波信号C1が選択されている。この場合も、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、いずれも位相差が30度となり、相電流リプルの低減効果は、図27に示す例と同様である。
つまり、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度である場合には、制御部6は、第1上べた二相変調を実施する。第1オンオフ信号発生器9a1が、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の信号を選択するとき、制御部6は、第2上べた二相変調を実施する。また、第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として、第1参照信号として選択された信号と同一の信号を選択する。
また、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度である場合には、制御部6は、第1下べた二相変調を実施する。第1オンオフ信号発生器9a1が、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の信号を選択するとき、制御部6は、第2下べた二相変調を実施する。また、第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として、第1参照信号として選択された信号と同一の信号を選択する。
また、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度でない場合には、制御部6は、第1上べた二相変調を実施する。第1オンオフ信号発生器9a1が、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の信号を選択するとき、制御部6は、第2下べた二相変調を実施する。また、第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として、第1参照信号として選択された信号と異なる信号を選択する。
また、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度でない場合には、制御部6は、第1下べた二相変調を実施する。第1オンオフ信号発生器9a1が、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の信号を選択するとき、制御部6は、第2上べた二相変調を実施する。また、第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として、第1参照信号として選択された信号と異なる信号を選択する。
図31は、図24の第1オンオフ信号発生器9a1及び第2オンオフ信号発生器9b1における搬送波信号の切り替えの第3の例を示す図である。図27に示す方法によれば、0度から360度の電圧位相範囲において、第1スイッチング停止相は6回切り替えられ、第2スイッチング停止相は11回切り替えられていた。図31に示す方法によれば、第1電力変換器4aによるスイッチング停止相の切り替え回数を3回にまで低減させることができる。
図32は、第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第2の例を示す図である。変調率は0.6である。また、図33は、電圧位相が0度から60度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第2の例を示す図である。例えば、電圧位相が20度の場合、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V7(1)とV0(2)、V2(1)とV0(2)、V2(1)とV1(2)、V1(1)とV1(2)、V1(1)とV6(2)となる。いずれの組合せも、位相差が30度又は少なくともいずれか一方が零電圧ベクトルとなっている。
また、電圧位相が50度の場合、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V7(1)とV7(2)、V7(1)とV2(2)、V2(1)とV2(2)、V2(1)とV1(2)、V1(1)とV1(2)となる。この場合も、いずれの組合せも位相差が30度又は少なくともいずれか一方が零電圧ベクトルとなっている。
この場合、搬送波信号の1周期Tcの端部において、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bがともに零電圧ベクトルを出力する区間が存在する。第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bがともに零電圧ベクトルを出力する区間において、搬送波信号の切り替えを実施することにより、印加電圧の反映と搬送波信号の切り替えタイミングとを同期させる必要がなくなる。従って、上記方法は、廉価なマイコンへの実装に好適である。
つまり、制御部6は、第1上べた二相変調を実施し、第1オンオフ信号発生器9a1は、第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。ここで、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度である場合、制御部6は、第2上べた二相変調を実施する。また、第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
一方、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度でない場合、制御部6は、第2下べた二相変調を実施する。また、第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。これにより、スイッチング停止相の切り替え回数が低減されるとともに、相電流リプルが低減される。
図34は、図24の第1オンオフ信号発生器9a1及び第2オンオフ信号発生器9b1における搬送波信号切り替えの第4の例を示す図である。図34に示す方法によれば、第1スイッチング停止相の切り替え回数を3回にまで減らすことできる。
図35は、第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第3の例を示す図である。変調率は0.6である。また、図36は、電圧位相が0度から60度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第3の例を示す図である。例えば、電圧位相が20度の場合、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V2(1)とV1(2)、V1(1)とV1(2)、V1(1)とV6(2)、V1(1)とV7(2)、V0(1)とV7(2)となる。いずれの組合せも、位相差が30度又は少なくともいずれか一方が零電圧ベクトルとなっている。
また、電圧位相が50度の場合、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せは、V2(1)とV2(2)、V2(1)とV1(2)、V1(1)とV1(2)、V0(1)とV1(1)、V0(1)とV0(2)となる。この場合も、いずれの組合せも位相差が30度又は少なくともいずれか一方が零電圧ベクトルとなっている。
なお、この場合、搬送波信号の1周期Tcの中央において、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bがともに零電圧ベクトルを出力する区間が存在する。第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bがともに零電圧ベクトルを出力する区間において、電流検出を実施することにより電流検出精度が向上する。
つまり、制御部6は、第1下べた二相変調を実施し、第1オンオフ信号発生器9a1は、第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。ここで、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度である場合、制御部6は、第2下べた二相変調を実施する。また、第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
一方、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度でない場合、制御部6は、第2上べた二相変調を実施する。また、第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。これにより、スイッチング停止相の切り替え回数が低減されるとともに、相電流リプルが低減される。
図37は、図24の第1オンオフ信号発生器9a1及び第2オンオフ信号発生器9b1における搬送波信号の切り替えの第5の例を示す図である。図27に示す方法によれば、0度~360度の電圧位相範囲において、第1スイッチング停止相は6回切り替えられ、第2スイッチング停止相は11回切り替えられていた。図37に示す方法によれば、第2スイッチング停止相の切り替え回数を6回にまで低減させることができる。
図38は、図24の電力変換装置における第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第4の例を示す図である。変調率は0.6である。また、図39は、電圧位相が0度から120度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第4の例を示す図である。いずれの電圧位相であっても、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bがともに有効電圧ベクトルを出力する場合には、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとは位相差が30度となっている。
つまり、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれかである場合、制御部6は、第1上べた二相変調を実施する。第1オンオフ信号発生器9a1は、第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
・U1相の電圧指令、V1相の電圧指令、W1相の電圧指令
・V1相の電圧指令、W1相の電圧指令、U1相の電圧指令
・W1相の電圧指令、U1相の電圧指令、V1相の電圧指令
また、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれでもない場合、制御部6は、第1下べた二相変調を実施する。第1オンオフ信号発生器9a1は、第1参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
・U1相の電圧指令、V1相の電圧指令、W1相の電圧指令
・V1相の電圧指令、W1相の電圧指令、U1相の電圧指令
・W1相の電圧指令、U1相の電圧指令、V1相の電圧指令
また、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれかである場合、制御部6は、第2上べた二相変調を実施する。第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
・U2相の電圧指令、V2相の電圧指令、W2相の電圧指令
・V2相の電圧指令、W2相の電圧指令、U2相の電圧指令
・W2相の電圧指令、U2相の電圧指令、V2相の電圧指令
また、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれでもない場合、制御部6は、第2下べた二相変調を実施する。第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
・U2相の電圧指令、V2相の電圧指令、W2相の電圧指令
・V2相の電圧指令、W2相の電圧指令、U2相の電圧指令
・W2相の電圧指令、U2相の電圧指令、V2相の電圧指令
図40は、図24の第1オンオフ信号発生器9a1及び第2オンオフ信号発生器9b1における搬送波信号の切り替えの第6の例を示す図である。図40に示す方法によっても、第2スイッチング停止相の切り替え回数を6回まで減らすことができる。
図41は、第1印加電圧波形及び第2印加電圧波形の第5の例を示す図である。変調率は0.6である。また、図42は、電圧位相が0度から120度までの領域における第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの組合せの第5の例を示す図である。いずれの電圧位相においても、第1電力変換器4a及び第2電力変換器4bがともに有効電圧ベクトルを出力する場合には、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差が30度となっている。
つまり、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれかである場合、制御部6は、第1下べた二相変調を実施する。第1オンオフ信号発生器9a1は、第1参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
・U1相の電圧指令、V1相の電圧指令、W1相の電圧指令
・V1相の電圧指令、W1相の電圧指令、U1相の電圧指令
・W1相の電圧指令、U1相の電圧指令、V1相の電圧指令
また、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれでもない場合、制御部6は、第1上べた二相変調を実施する。第1オンオフ信号発生器9a1は、第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
・U1相の電圧指令、V1相の電圧指令、W1相の電圧指令
・V1相の電圧指令、W1相の電圧指令、U1相の電圧指令
・W1相の電圧指令、U1相の電圧指令、V1相の電圧指令
また、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれかである場合、制御部6は、第2下べた二相変調を実施する。第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
・U2相の電圧指令、V2相の電圧指令、W2相の電圧指令
・V2相の電圧指令、W2相の電圧指令、U2相の電圧指令
・W2相の電圧指令、U2相の電圧指令、V2相の電圧指令
また、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれでもない場合、制御部6は、第2上べた二相変調を実施する。第2オンオフ信号発生器9b1は、第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
・U2相の電圧指令、V2相の電圧指令、W2相の電圧指令
・V2相の電圧指令、W2相の電圧指令、U2相の電圧指令
・W2相の電圧指令、U2相の電圧指令、V2相の電圧指令
以上のように、実施の形態2に係る電力変換装置では、以下のように変調が行われる。第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度である場合、制御部6は、第1上べた二相変調と第2上べた二相変調との組合せ又は第1下べた二相変調と第2下べた二相変調との組合せで変調を行う。
ここで、第1電圧指令における各相を、電圧指令が大きい順に、第1電圧最大相、第1電圧中間相、第1電圧最小相と呼び、第2電圧指令における各相を、電圧指令が大きい順に、第2電圧最大相、第2電圧中間相、第2電圧最小相と呼ぶ。
第1上べた二相変調は、第1電圧最大相に対応する印加電圧が第1参照信号の最大値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算する変調である。第2上べた二相変調は、第2電圧最大相に対応する印加電圧が第2参照信号の最大値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算する変調である。
第1下べた二相変調は、第1電圧最小相に対応する印加電圧が第1参照信号の最小値と一致するように、第1電圧指令から第1オフセット電圧Voffset1を減算する変調である。第2下べた二相変調は、第2電圧最小相に対応する印加電圧が第2参照信号の最小値と一致するように、第2電圧指令から第2オフセット電圧Voffset2を減算する変調である。
制御部6は、第1上べた二相変調を実施し、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の信号を選択するとき、第2上べた二相変調を実施し、第2参照信号として、第1参照信号として選択された信号と同一の信号を選択する。
また、制御部6は、第1下べた二相変調を実施し、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の信号を選択するとき、第2下べた二相変調を実施し、第2参照信号として、第1参照信号として選択された信号と同一の信号を選択する。
一方、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度でない場合、制御部6は、第1上べた二相変調と第2下べた二相変調との組合せ又は第1下べた二相変調と第2上べた二相変調との組合せで変調を行う。
制御部6は、第1上べた二相変調を実施し、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の信号を選択するとき、第2下べた二相変調を実施し、第2参照信号として、第1参照信号として選択された信号と異なる信号を選択する。
また、制御部6は、第1下べた二相変調を実施し、第1参照信号として第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2のいずれか一方の信号を選択するとき、第2上べた二相変調を実施し、第2参照信号として、第1参照信号として選択された信号と異なる信号を選択する。
これによれば、第1電圧ベクトルと第2電圧ベクトルとの位相差を最小とすることができ、これにより、相電流リプルがより低減される。
また、制御部6は、第1上べた二相変調を実施し、第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。また、制御部6は、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度である場合、第2上べた二相変調を実施し、第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。一方、制御部6は、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度でない場合、第2下べた二相変調を実施し、第2参照信号として第2搬送波信号を選択する。
これによれば、スイッチング停止相の切り替え回数が低減されるとともに、相電流リプルが低減される。
また、制御部6は、第1下べた二相変調を実施し、第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。また、制御部6は、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度である場合、第2下べた二相変調を実施し、第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。一方、制御部6は、第1電圧最大相と第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は第1電圧最小相と第2電圧最小相との位相差が30度でない場合、第2上べた二相変調を実施し、第2参照信号として第2搬送波信号を選択する。
これによれば、スイッチング停止相の切り替え回数が低減されるとともに、相電流リプルが低減される。
第1の3相巻線の各相をU1相,V1相,W1相とし、第2の3相巻線の各相をU2相,V2相,W2相としたとき、U1相とU2相との位相差、V1相とV2相との位相差、及びW1相とW2相との位相差は、それぞれ30度に設定されている。
制御部6は、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれかである場合、第1上べた二相変調を実施し、第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
・U1相の電圧指令、V1相の電圧指令、W1相の電圧指令
・V1相の電圧指令、W1相の電圧指令、U1相の電圧指令
・W1相の電圧指令、U1相の電圧指令、V1相の電圧指令
制御部6は、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれでもない場合、第1下べた二相変調を実施し、第1参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
・U1相の電圧指令、V1相の電圧指令、W1相の電圧指令
・V1相の電圧指令、W1相の電圧指令、U1相の電圧指令
・W1相の電圧指令、U1相の電圧指令、V1相の電圧指令
制御部6は、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれかである場合、第2上べた二相変調を実施し、第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
・U2相の電圧指令、V2相の電圧指令、W2相の電圧指令
・V2相の電圧指令、W2相の電圧指令、U2相の電圧指令
・W2相の電圧指令、U2相の電圧指令、V2相の電圧指令
制御部6は、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれでもない場合、第2下べた二相変調を実施し、第2参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
・U2相の電圧指令、V2相の電圧指令、W2相の電圧指令
・V2相の電圧指令、W2相の電圧指令、U2相の電圧指令
・W2相の電圧指令、U2相の電圧指令、V2相の電圧指令
これによれば、スイッチング停止相の切り替え回数が低減されるとともに、相電流リプルが低減される。
第1の3相巻線の各相をU1相,V1相,W1相とし、第2の3相巻線の各相をU2相,V2相,W2相としたとき、U1相とU2相との位相差、V1相とV2相との位相差、及びW1相とW2相との位相差は、それぞれ30度に設定されている。
制御部6は、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれかである場合、第1下べた二相変調を実施し、第1参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
・U1相の電圧指令、V1相の電圧指令、W1相の電圧指令
・V1相の電圧指令、W1相の電圧指令、U1相の電圧指令
・W1相の電圧指令、U1相の電圧指令、V1相の電圧指令
制御部6は、第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれでもない場合、第1上べた二相変調を実施し、第1参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
・U1相の電圧指令、V1相の電圧指令、W1相の電圧指令
・V1相の電圧指令、W1相の電圧指令、U1相の電圧指令
・W1相の電圧指令、U1相の電圧指令、V1相の電圧指令
制御部6は、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれかである場合、第2下べた二相変調を実施し、第2参照信号として第2搬送波信号C2を選択する。
・U2相の電圧指令、V2相の電圧指令、W2相の電圧指令
・V2相の電圧指令、W2相の電圧指令、U2相の電圧指令
・W2相の電圧指令、U2相の電圧指令、V2相の電圧指令
制御部6は、第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に以下の順のいずれでもない場合、第2上べた二相変調を実施し、第2参照信号として第1搬送波信号C1を選択する。
・U2相の電圧指令、V2相の電圧指令、W2相の電圧指令
・V2相の電圧指令、W2相の電圧指令、U2相の電圧指令
・W2相の電圧指令、U2相の電圧指令、V2相の電圧指令
これによれば、スイッチング停止相の切り替え回数が低減されるとともに、相電流リプルが低減される。
なお、第1搬送波信号C1は、搬送波信号1周期の中央において最大となり、搬送波信号1周期の両端において最小となる信号と定義されていた。また、第2搬送波信号C2は、搬送波信号1周期の中央において最小となり、搬送波信号1周期の両端において最大となる信号と定義されていた。しかし、第1搬送波信号C1及び第2搬送波信号C2の定義が互いに入れ替わったとしても同様の作用効果を得ることができる。
また、実施の形態1及び2の電力変換装置の機能は、処理回路によって実現される。図43は、実施の形態1及び2の電力変換装置の機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。第1の例の処理回路100は、専用のハードウェアである。
また、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
また、図44は、実施の形態1及び2の電力変換装置の機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。第2の例の処理回路200は、プロセッサ201及びメモリ202を備えている。
処理回路200では、電力変換装置の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組合せにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、機能を実現する。
メモリ202に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ202とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ202に該当する。
なお、上述した電力変換装置の機能について、一部の専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組合せによって、上述した電力変換装置の機能を実現することができる。
1 交流回転機、2 直流電源、4a 第1電力変換器、4b 第2電力変換器、5a 第1電流検出器、5b 第2電流検出器、6 制御部、Sup1~Swn1 第1スイッチング素子、Sup1,Svp1,Swp1 第1高電位側スイッチング素子、Sun1,Svn1,Swn1 第1低電位側スイッチング素子、Sup2~Swn2 第2スイッチング素子、Sup2,Svp2,Swp2 第2高電位側スイッチング素子、Sun2,Svn2,Swn2 第2低電位側スイッチング素子、U1,V1,W1 第1の3相巻線、U2,V2,W2 第2の3相巻線。

Claims (12)

  1. 複数の第1スイッチング素子を有しており、直流電源からの直流電圧を第1交流電圧に変換し、交流回転機の第1の3相巻線に印加する第1電力変換器、
    複数の第2スイッチング素子を有しており、前記直流電圧を第2交流電圧に変換し、前記交流回転機の第2の3相巻線に印加する第2電力変換器、及び
    前記第1の3相巻線に対する電圧指令である第1電圧指令から第1オフセット電圧を減算して得た第1印加電圧と、第1参照信号とを比較することにより、前記複数の第1スイッチング素子に対する複数の第1オンオフ信号を算出するとともに、前記第2の3相巻線に対する電圧指令である第2電圧指令から第2オフセット電圧を減算して得た第2印加電圧と、第2参照信号とを比較することにより、前記複数の第2スイッチング素子に対する複数の第2オンオフ信号を算出する制御部
    を備え、
    前記第1の3相巻線と前記第2の3相巻線との位相差は30度であり、
    前記第1参照信号及び前記第2参照信号は、第1搬送波信号及び第2搬送波信号のいずれかであり、
    前記第1搬送波信号と前記第2搬送波信号との位相差は180度であり、
    前記制御部は、
    前記第1印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧の少なくとも1つが前記第1参照信号の最大値又は最小値と一致するように、前記第1電圧指令から前記第1オフセット電圧を減算するとともに、前記第2印加電圧における3相に対応する3つの印加電圧の少なくとも1つが前記第2参照信号の最大値又は最小値と一致するように、前記第2電圧指令から前記第2オフセット電圧を減算し、
    前記第1オンオフ信号に基づいて得られる第1電圧ベクトルと、前記第2オンオフ信号に基づいて得られる第2電圧ベクトルとの位相差を30度とするか、又は前記第1電圧ベクトル及び前記第2電圧ベクトルの少なくともいずれか一方を零電圧ベクトルとする
    電力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記第1参照信号が最大及び最小となるタイミングにおいて得られる前記第1電圧ベクトルと、前記第2参照信号が最大及び最小となるタイミングにおいて得られる前記第2電圧ベクトルとの位相差を30度とするか、又は前記第1電圧ベクトル及び前記第2電圧ベクトルを共に零電圧ベクトルとする
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第1電圧指令における各相を、電圧指令が大きい順に、第1電圧最大相、第1電圧中間相、第1電圧最小相とし、前記第2電圧指令における各相を、電圧指令が大きい順に、第2電圧最大相、第2電圧中間相、第2電圧最小相としたとき、
    前記制御部は、
    前記第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令の絶対値のうち最大の相である第1電圧絶対値最大相と前記第1電圧最大相とが一致する場合、前記第1電圧最大相に対応する印加電圧が前記第1参照信号の最大値と一致するように、前記第1電圧指令から前記第1オフセット電圧を減算する変調である第1上べた二相変調を実施し、
    前記第1電圧絶対値最大相と前記第1電圧最小相とが一致する場合、前記第1電圧最小相に対応する印加電圧が前記第1参照信号の最小値と一致するように、前記第1電圧指令から前記第1オフセット電圧を減算する変調である第1下べた二相変調を実施し、
    前記第1印加電圧を前記第1参照信号の最大値又は最小値に一致させた相以外の2つの相のうち、一方の相の前記第1参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、他方の相の前記第1参照信号として前記第2搬送波信号を選択し、
    前記第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令の絶対値のうち最大の相である第2電圧絶対値最大相と前記第2電圧最大相とが一致する場合、前記第2電圧最大相に対応する印加電圧が前記第2参照信号の最大値と一致するように、前記第2電圧指令から前記第2オフセット電圧を減算する変調である第2上べた二相変調を実施し、
    前記第2電圧絶対値最大相と前記第2電圧最小相とが一致する場合、前記第2電圧最小相に対応する印加電圧が前記第2参照信号の最小値と一致するように、前記第2電圧指令から前記第2オフセット電圧を減算する変調である第2下べた二相変調を実施し、
    前記第2印加電圧を前記第2参照信号の最大値又は最小値に一致させた相以外の2つの相のうち、一方の相の前記第2参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、他方の相の前記第2参照信号として前記第2搬送波信号を選択し、
    前記第1上べた二相変調又は前記第1下べた二相変調が実施される相及び前記第2上べた二相変調又は前記第2下べた二相変調が実施される相以外の4つの相のうち、位相差が最も小さい組合せとなる2つの相における前記第1参照信号及び前記第2参照信号として前記第1搬送波信号及び前記第2搬送波信号のいずれか一方の同一の信号を選択する
    請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、
    前記第1上べた二相変調を実施するとき、前記第1電圧最大相の前記第1参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、前記第1電圧中間相及び前記第1電圧最小相の前記第1参照信号として前回の前記第1参照信号を維持し、
    前記第1下べた二相変調を実施するとき、前記第1電圧最小相の前記第1参照信号として前記第2搬送波信号を選択し、前記第1電圧最大相及び前記第1電圧中間相の前記第1参照信号として前回の前記第1参照信号を維持し、
    前記第2上べた二相変調を実施するとき、前記第2電圧最大相の前記第2参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、前記第2電圧中間相及び前記第2電圧最小相の前記第2参照信号として前回の前記第2参照信号を維持し、
    前記第2下べた二相変調を実施するとき、前記第2電圧最小相の前記第2参照信号として前記第2搬送波信号を選択し、前記第2電圧最大相及び前記第2電圧中間相の前記第2参照信号として前回の前記第2参照信号を維持する
    請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 前記第1電圧指令における各相を、電圧指令が大きい順に、第1電圧最大相、第1電圧中間相、第1電圧最小相とし、前記第2電圧指令における各相を、電圧指令が大きい順に、第2電圧最大相、第2電圧中間相、第2電圧最小相とし、
    前記制御部は、
    前記第1電圧最大相と前記第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ前記第1電圧最小相と前記第2電圧最小相との位相差が30度である場合、
    前記第1電圧最大相に対応する印加電圧が前記第1参照信号の最大値と一致するように、前記第1電圧指令から前記第1オフセット電圧を減算する変調である第1上べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第1搬送波信号及び前記第2搬送波信号のいずれか一方の信号を選択するとき、前記第2電圧最大相に対応する印加電圧が前記第2参照信号の最大値と一致するように、前記第2電圧指令から前記第2オフセット電圧を減算する変調である第2上べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として、前記第1参照信号として選択された信号と同一の信号を選択し、
    前記第1電圧最小相に対応する印加電圧が前記第1参照信号の最小値と一致するように、前記第1電圧指令から前記第1オフセット電圧を減算する変調である第1下べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第1搬送波信号及び前記第2搬送波信号のいずれか一方の信号を選択するとき、前記第2電圧最小相に対応する印加電圧が前記第2参照信号の最小値と一致するように、前記第2電圧指令から前記第2オフセット電圧を減算する変調である第2下べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として、前記第1参照信号として選択された信号と同一の信号を選択し、
    前記第1電圧最大相と前記第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は前記第1電圧最小相と前記第2電圧最小相との位相差が30度でない場合、
    前記第1上べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第1搬送波信号及び前記第2搬送波信号のいずれか一方の信号を選択するとき、前記第2下べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として、前記第1参照信号として選択された信号と異なる信号を選択し、
    前記第1下べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第1搬送波信号及び前記第2搬送波信号のいずれか一方の信号を選択するとき、前記第2上べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として、前記第1参照信号として選択された信号と異なる信号を選択する
    請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、
    前記第1上べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第1搬送波信号を選択するとともに、
    前記第1電圧最大相と前記第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ前記第1電圧最小相と前記第2電圧最小相との位相差が30度である場合、前記第2上べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、
    前記第1電圧最大相と前記第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は前記第1電圧最小相と前記第2電圧最小相との位相差が30度でない場合、前記第2下べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として前記第2搬送波信号を選択する
    請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記制御部は、
    前記第1下べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第1搬送波信号を選択するとともに、
    前記第1電圧最大相と前記第2電圧最大相との位相差が30度であり、且つ前記第1電圧最小相と前記第2電圧最小相との位相差が30度である場合、前記第2下べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、
    前記第1電圧最大相と前記第2電圧最大相との位相差が30度でない場合又は前記第1電圧最小相と前記第2電圧最小相との位相差が30度でない場合、前記第2上べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として前記第2搬送波信号を選択する
    請求項5に記載の電力変換装置。
  8. 前記第1の3相巻線の各相をU1相,V1相,W1相とし、前記第2の3相巻線の各相をU2相,V2相,W2相としたとき、
    前記U1相と前記U2相との位相差、前記V1相と前記V2相との位相差、及び前記W1相と前記W2相との位相差は、それぞれ30度に設定されており、
    前記制御部は、
    前記第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に前記U1相の電圧指令、前記V1相の電圧指令、前記W1相の電圧指令の順、前記V1相の電圧指令、前記W1相の電圧指令、前記U1相の電圧指令の順、及び前記W1相の電圧指令、前記U1相の電圧指令、前記V1相の電圧指令の順のいずれかである場合、前記第1上べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、
    前記第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に前記U1相の電圧指令、前記V1相の電圧指令、前記W1相の電圧指令の順、前記V1相の電圧指令、前記W1相の電圧指令、前記U1相の電圧指令の順、及び前記W1相の電圧指令、前記U1相の電圧指令、前記V1相の電圧指令の順のいずれでもない場合、前記第1下べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第2搬送波信号を選択し、
    前記第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に前記U2相の電圧指令、前記V2相の電圧指令、前記W2相の電圧指令の順、前記V2相の電圧指令、前記W2相の電圧指令、前記U2相の電圧指令の順、及び前記W2相の電圧指令、前記U2相の電圧指令、前記V2相の電圧指令の順のいずれかである場合、前記第2上べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、
    前記第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に前記U2相の電圧指令、前記V2相の電圧指令、前記W2相の電圧指令の順、前記V2相の電圧指令、前記W2相の電圧指令、前記U2相の電圧指令の順、及び前記W2相の電圧指令、前記U2相の電圧指令、前記V2相の電圧指令の順のいずれでもない場合、前記第2下べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として前記第2搬送波信号を選択する
    請求項5に記載の電力変換装置。
  9. 前記第1の3相巻線の各相をU1相,V1相,W1相とし、前記第2の3相巻線の各相をU2相,V2相,W2相としたとき、
    前記U1相と前記U2相との位相差、前記V1相と前記V2相との位相差、及び前記W1相と前記W2相との位相差は、それぞれ30度に設定されており、
    前記制御部は、
    前記第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に前記U1相の電圧指令、前記V1相の電圧指令、前記W1相の電圧指令の順、前記V1相の電圧指令、前記W1相の電圧指令、前記U1相の電圧指令の順、及び前記W1相の電圧指令、前記U1相の電圧指令、前記V1相の電圧指令の順のいずれかである場合、前記第1下べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第2搬送波信号を選択し、
    前記第1電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に前記U1相の電圧指令、前記V1相の電圧指令、前記W1相の電圧指令の順、前記V1相の電圧指令、前記W1相の電圧指令、前記U1相の電圧指令の順、及び前記W1相の電圧指令、前記U1相の電圧指令、前記V1相の電圧指令の順のいずれでもない場合、前記第1上べた二相変調を実施し、前記第1参照信号として前記第1搬送波信号を選択し、
    前記第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に前記U2相の電圧指令、前記V2相の電圧指令、前記W2相の電圧指令の順、前記V2相の電圧指令、前記W2相の電圧指令、前記U2相の電圧指令の順、及び前記W2相の電圧指令、前記U2相の電圧指令、前記V2相の電圧指令の順のいずれかである場合、前記第2下べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として前記第2搬送波信号を選択し、
    前記第2電圧指令における3相に対応する3つの電圧指令が、大きい順に前記U2相の電圧指令、前記V2相の電圧指令、前記W2相の電圧指令の順、前記V2相の電圧指令、前記W2相の電圧指令、前記U2相の電圧指令の順、及び前記W2相の電圧指令、前記U2相の電圧指令、前記V2相の電圧指令の順のいずれでもない場合、前記第2上べた二相変調を実施し、前記第2参照信号として前記第1搬送波信号を選択する
    請求項5に記載の電力変換装置。
  10. 前記第1電力変換器及び前記第2電力変換器は、前記第1参照信号及び前記第2参照信号が最大となるタイミング及び最小となるタイミングの少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第1の3相巻線及び前記第2の3相巻線を流れる電流を検出する電流検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記電流検出器によって得られた第1検出電流及び第2検出電流に基づいて、前記第1電圧指令及び前記第2電圧指令を演算する
    請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の電力変換装置を備えた発電電動機の制御装置。
  12. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の電力変換装置を備えた電動パワーステアリング装置。
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