JP7144166B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態による動力伝達装置99の断面図である。動力伝達装置99はトルクコンバータ100を備える。以下の説明において、「軸方向」とは、トルクコンバータ100の回転軸Oが延びる方向を意味する。また、「周方向」とは、回転軸Oを中心とした円の周方向を意味し、「径方向」とは、回転軸Oを中心とした円の径方向を意味する。径方向の内側とは、径方向において回転軸Oに近付く側を意味し、径方向の外側とは径方向において回転軸Oから離れる側を意味する。なお、図示していないが、図1の左側にはエンジンが配置されており、図1の右側にはトランスミッションが配置されている。
フロントカバー2は、エンジンからのトルクが入力される。フロントカバー2は、円板部21及び第1筒状部22を有している。第1筒状部22は、円板部21の外周端部からインペラ3側へ軸方向に延びている。
インペラ3は、インペラシェル31、複数のインペラブレード32、及びインペラハブ33を有する。インペラシェル31の外周端部は、フロントカバー2の第1筒状部22の先端部に固定されている。例えば、インペラシェル31は、溶接によって、フロントカバー2に固定されている。
タービン4は、インペラ3に対向して配置されている。タービン4は、タービンシェル41、複数のタービンブレード42、及びタービンハブ43を有している。なお、このタービン4が本発明の回転部材に相当する。
ステータ5は、タービン4からインペラ3へと戻る作動油を整流するように構成されている。ステータ5は、回転軸O周りに回転可能である。ステータ5は、ステータキャリア51と、複数のステータブレード52と、を有している。
ロックアップ装置10は、ロックアップオン状態において、フロントカバー2からのトルクをタービンハブ43に機械的に伝達するように構成されている。ロックアップ装置10は、軸方向において、フロントカバー2とタービン4との間に配置されている。また、ロックアップ装置10は、筐体20内に配置されている。ロックアップ装置10は、クラッチ部6と、ダンパ機構7とを有している。
動吸振器15は、軸方向において、ロックアップ装置10とタービン4との間に配置されている。動吸振器15は、タービン4に取り付けられている。詳細には、動吸振器15は、タービンハブ43に取り付けられている。
図2に示すように、アクチュエータ16は、遠心子153による遠心力にアシスト力を付加するように構成されている。アクチュエータ16は、動吸振器15の本体部151に取り付けられる。例えば、アクチュエータ16は、電動モータ161、ピニオンギア162、及びラック163を有している。ピニオンギア162は電動モータ161の出力軸に取り付けられている。ラック163は遠心子153に取り付けられている。ピニオンギア162とラック163は互いに噛み合っている。電動モータ161を駆動し、ラック163を径方向外側に移動させることで、遠心子153の遠心力を増加させるアシスト力を付与する。一方、電動モータ161を逆駆動し、ラック163を径方向内側に移動させることで、遠心子153の遠心力を減少させるアシスト力を付与する。
給電ユニット11は、アクチュエータ16に給電するように構成されている。給電ユニット11は、第1受電部11a、第1送電部11b、第2受電部11c、及び第2送電部11dを有している。例えば、第1受電部11a及び第2受電部11cは、受電コイルによって構成され、第1送電部11b及び第2送電部11dは送電コイルによって構成される。
図4に示すように、制御部13は、取得部131と、アクティブ制御部132とを有している。なお、制御部13は、例えば、ECU(engine control unit)などによって構成することができる。
次に、制御部13の動作について説明する。まず、図5に示すように、制御部13は、ECUが保有する変速機の変速段情報から、現在の変速段を取得する(ステップS1)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、制御部13は、ECUが有する変速段情報から変速段を取得しているが、これに限定されない。例えば、制御部13は、変速機の入力軸と出力軸とのそれぞれの単位時間あたりの回転数(以下、単に回転数という。)を取得し、この取得された各回転数に基づき変速段を判定してもよい。共振周波数情報は、駆動系のその時々の走行状態による共振周波数に応じた内容を採る情報であればよく、上記した回転変動の情報や、変速段の設定情報の他、例えば気筒休止の設定、油温、出力負荷、などの走行状態情報とすることもできる。
図6に示すように、動力伝達装置99は、回転センサ8をさらに備えていてもよい。回転センサ8は、例えば、筐体20に取り付けられている。詳細には、回転センサ8は、筐体20の外周壁部に取り付けられる。すなわち、回転センサ8は、フロントカバー2の第1筒状部22に取り付けられる。この回転センサ8は、第2受電部11cと電気的に接続されている。例えば、回転センサ8は、第2受電部11cと電線などで有線接続される。
補償部133は、回転変動に関する情報として、ピストン61の回転数を取得してもよい。この場合、図9に示すように、回転センサ8は、ピストン61の回転数を検出する。ピストン61の第2筒状部612は、ドライブプレート71の外周端部が噛み合うよう、周方向に間隔をあけて複数の溝部が形成されている。このため、回転センサ8は、この第2筒状部612の複数の溝部を利用して、ピストン61の回転数を検出することができる。
図10に示すように、補償部133は、回転変動に関する情報として、タービン4及びピストン61の回転数を取得してもよい。具体的には、動力伝達装置99は、第1回転センサ8aと第2回転センサ8bとの2つの回転センサを有している。第1回転センサ8aはタービン4の回転数を検出し、第2回転センサ8bはピストン61の回転数を検出する。そして、補償部133は、タービン4の回転数からタービン4の回転変動を算出するとともに、ピストン61の回転数からピストン61の回転変動を算出し、これら回転変動に基づいて動吸振器15を調整してもよい。
上記実施形態では、回転変動に関する情報を検出する回転変動検出部として回転センサ8を例示しているが、回転変動検出部は他のセンサであってもよい。例えば、図11に示すように、回転変動検出部は、加速度センサ8cであってもよい。加速度センサ8cは、タービン4に取り付けられており、タービン4の角加速度を検出する。
上記実施形態では、アクティブ制御部132は、動吸振器15の遠心子153にアシスト力を付加することで動吸振器15を制御しているが、制御部13による動吸振器15の制御方法はこれに限定されない。例えば、制御部13は、動吸振器15のイナーシャ部材152の径方向の位置や、イナーシャ部材152の慣性モーメントを変えることなど他の手段によって動吸振器15を制御してもよい。
筐体20の外周壁部は、主にフロントカバー2の第1筒状部22によって構成されているが、特にこれに限定されない。例えば、インペラシェル31がフロントカバー2のように、円板部と筒状部とを有していてもよい。そして、このインペラシェル31の筒状部によって筐体20の外周壁部を構成してもよいし、フロントカバー2の第1筒状部22とインペラシェル31の筒状部との双方によって筐体20の外周壁部を構成してもよい。
本発明は、上述したトルクコンバータだけでなく、クラッチ装置やデュアルマスホイールなど、動吸振器を取り付けることができる他の装置にも適用することができる。
13 :制御部
15 :動吸振器
20 :筐体
99 :動力伝達装置
131 :取得部
132 :アクティブ制御部
151 :本体部材
151 :本体部
152 :イナーシャ部材
153 :遠心子
154 :カム機構
Claims (10)
- 駆動源からのトルクを駆動輪へと伝達する動力伝達装置であって、
前記駆動源からのトルクが入力され、回転可能に配置される回転部材と、
前記回転部材に取り付けられる本体部材、前記本体部材に対して所定の捩じり角度の範囲内において相対回転可能なイナーシャ部材、径方向に移動可能な遠心子、及び前記本体部材と前記イナーシャ部材との間に回転位相差が生じたときに前記遠心子に生じた遠心力を前記回転位相差が小さくなるような円周方向の力に変換するカム機構、を有する動吸振器と、
前記遠心子による遠心力にアシスト力を付加するように構成されたアクチュエータと、
前記駆動源から前記駆動輪の間の動力伝達経路における共振周波数に関する共振周波数情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された共振周波数情報に基づいて前記動吸振器をアクティブ制御するように前記アクチュエータを制御するアクティブ制御部と、
を備える、動力伝達装置。
- 前記回転部材の回転変動に関する情報を検出する回転変動検出部をさらに備え、
前記取得部は、前記共振周波数情報として、前記回転変動検出部によって検出された前記回転部材の回転変動に関する情報を取得する、
請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記取得部は、前記共振周波数情報として、変速段に関する情報を取得する、
請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記アクティブ制御部は、予め設定された、前記変速段と前記アクティブ制御のための処理とを対応付けた制御マップに基づき、前記動吸振器をアクティブ制御する、
請求項3に記載の動力伝達装置。
- 前記回転部材及び前記動吸振器を収容する筐体をさらに備える、
請求項1から4のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記回転変動検出部は、前記筐体内に露出する、
請求項2に従属する請求項5に記載の動力伝達装置。
- 前記アクティブ制御部は、前記回転変動に関する情報に基づき回転変動が閾値を超えたと判断すると、前記本体部材に対する前記イナーシャ部材の相対回転を禁止する、
請求項2に記載の動力伝達装置。
- 前記アクチュエータは、前記本体部材に取り付けられる、
請求項1から7のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記アクチュエータは、電動モータ、前記遠心子に取り付けられたラック、及び前記電動モータの出力軸に取り付けられ且つ前記ラックに噛み合うピニオン、を有する
請求項1から8のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記アクチュエータに給電するように構成された給電ユニットをさらに備え、
前記給電ユニットは、
前記アクチュエータと電気的に接続され、前記動吸振器に取り付けられる第1受電部と、
前記筐体の内周面に取り付けられ、前記第1受電部に非接触で電力を送電するように構成された第1送電部と、
前記筐体の外周面に取り付けられ、前記第1送電部と電気的に接続される第2受電部と、
径方向において前記第2受電部の外側に配置され、前記第2受電部に非接触で電力を送電するように構成された第2送電部と、
を有する、
請求項5に記載の動力伝達装置。
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