JP2019163818A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より適切に共振を抑制することのできる動力伝達装置を提供する。【解決手段】動力伝達装置99は、回転部材4と、動吸振器15と、アシスト力付加機構16と、制御部13と、を備えている。動吸振器15は、イナーシャ部材152を有している。動吸振器15は、回転部材4に取り付けられる。動吸振器15は、回転部材4とイナーシャ部材152との間に回転方向における相対変位が生じたときに、回転部材4の回転によって受ける遠心力を相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換する。アシスト力付加機構16は、遠心子153の遠心力にアシスト力を付加する。制御部13は、アシスト力付加機構16によるアシスト力を制御する。【選択図】図2
Description
本発明は、動力伝達装置に関するものである。
駆動源と駆動輪との間には、ダンパ機構を有するクラッチ装置や、トルクコンバータなどの動力伝達装置が設置されている。この動力伝達装置は、駆動源からの振動によって共振することを防止するために、動吸振器を有している。
例えば、特許文献1に記載されたダイナミックダンパは、広い回転数域においてトルク変動のピークを抑えるために、遠心子に作用する遠心力を円周方向力に変換する構成を有している。
上述したように特許文献1のダイナミックダンパ装置では、広い回転数域において回転変動を抑制することができる。しかしながら、例えば変速段など、駆動系の走行状態によって駆動系の共振周波数は変動するため、上述したようなダイナミックダンパ装置であっても適切に共振を抑制できないおそれがある。そこで、本発明の課題は、より適切に共振を抑制することのできる動力伝達装置を提供することにある。
本発明のある側面に係る動力伝達装置は、駆動源からのトルクを駆動輪へと伝達するように構成されている。この動力伝達装置は、回転部材と、動吸振器と、アシスト力付加機構と、制御部と、を備えている。回転部材は、駆動源からのトルクが入力され、回転可能に配置される。動吸振器は、回転部材と相対回転可能なイナーシャ部材を有している。動吸振器は、回転部材に取り付けられる。動吸振器は、本体部材とイナーシャ部材との間に回転方向における相対変位が生じたときに、回転部材の回転によって受ける遠心力を相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換する。アシスト力付加機構は、上記遠心力にアシスト力を付加する。制御部は、アシスト力付加機構によるアシスト力を制御する。
この構成によれば、アシスト力付加機構によるアシスト力が遠心力に付加される。そして、制御部は、このアシスト力を制御することができる。このため、制御部によって適切にアシスト力を制御することによって、より適切に共振を抑制することができる。
好ましくは、動吸振器は、回転部材の回転によって遠心力を受ける遠心子をさらに有する。そして、アシスト力付加機構は、遠心子の遠心力にアシスト力を付加する。
好ましくは、アシスト力付加機構は、モータと、ピニオンギアと、ラックとを有する。ピニオンギアは、モータによって回転駆動される。ラックは、ピニオンギアと噛み合うとともに遠心子に取り付けられる。
好ましくは、動吸振器は、カム機構をさらに有する。カム機構は、本体部材とイナーシャ部材との間に回転方向における相対変位が生じたときに、回転部材の回転によって受ける遠心力を相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換する。
好ましくは、動力伝達装置は、回転部材及び動吸振器を収容する筐体をさらに備える。
好ましくは、動力伝達装置は、回転変動に関する情報を検出する回転変動検出部をさらに備える。そして、制御部は、回転変動検出部によって検出された回転変動に関する情報に基づいて、回転変動を低減させるようにアシスト力を制御する。
好ましくは、回転変動検出部は、筐体内に露出する。
好ましくは、制御部は、回転変動に関する情報に基づき回転変動が閾値を超えたと判断すると、本体部材に対するイナーシャ部材の相対回転を禁止する。
本発明によれば、より適切に共振を抑制することができる。
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態による動力伝達装置99の断面図である。動力伝達装置99はトルクコンバータ100を備える。以下の説明において、「軸方向」とは、トルクコンバータ100の回転軸Oが延びる方向を意味する。また、「周方向」とは、回転軸Oを中心とした円の周方向を意味し、「径方向」とは、回転軸Oを中心とした円の径方向を意味する。径方向の内側とは、径方向において回転軸Oに近付く側を意味し、径方向の外側とは径方向において回転軸Oから離れる側を意味する。なお、図示していないが、図1の左側にはエンジンが配置されており、図1の右側にはトランスミッションが配置されている。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態による動力伝達装置99の断面図である。動力伝達装置99はトルクコンバータ100を備える。以下の説明において、「軸方向」とは、トルクコンバータ100の回転軸Oが延びる方向を意味する。また、「周方向」とは、回転軸Oを中心とした円の周方向を意味し、「径方向」とは、回転軸Oを中心とした円の径方向を意味する。径方向の内側とは、径方向において回転軸Oに近付く側を意味し、径方向の外側とは径方向において回転軸Oから離れる側を意味する。なお、図示していないが、図1の左側にはエンジンが配置されており、図1の右側にはトランスミッションが配置されている。
トルクコンバータ100は、駆動源であるエンジンからのトルクを駆動輪へと伝達するように構成されている。トルクコンバータ100は、回転軸Oを中心に回転可能である。トルクコンバータ100は、フロントカバー2、インペラ3、タービン4、ステータ5、ロックアップ装置10、及び動吸振器15を備えている。また、動力伝達装置99は、トルクコンバータ100、回転センサ8、給電ユニット11、及び制御部13を備えている。
[フロントカバー2]
フロントカバー2は、エンジンからのトルクが入力される。フロントカバー2は、円板部21及び第1筒状部22を有している。第1筒状部22は、円板部21の外周端部からインペラ3側へ軸方向に延びている。
フロントカバー2は、エンジンからのトルクが入力される。フロントカバー2は、円板部21及び第1筒状部22を有している。第1筒状部22は、円板部21の外周端部からインペラ3側へ軸方向に延びている。
[インペラ3]
インペラ3は、インペラシェル31、複数のインペラブレード32、及びインペラハブ33を有する。インペラシェル31の外周端部は、フロントカバー2の第1筒状部22の先端部に固定されている。例えば、インペラシェル31は、溶接によって、フロントカバー2に固定されている。
インペラ3は、インペラシェル31、複数のインペラブレード32、及びインペラハブ33を有する。インペラシェル31の外周端部は、フロントカバー2の第1筒状部22の先端部に固定されている。例えば、インペラシェル31は、溶接によって、フロントカバー2に固定されている。
インペラブレード32はインペラシェル31の内側面に固定されている。インペラハブ33はインペラシェル31の内周部に溶接などによって固定されている。
このインペラシェル31とフロントカバー2とによって、トルクコンバータ100の筐体20を構成している。筐体20内は流体が充填されている。詳細には、筐体20内は作動油が充填されている。筐体20は、エンジンからのトルクが伝達され、回転可能に配置されている。
[タービン4]
タービン4は、インペラ3に対向して配置されている。タービン4は、タービンシェル41、複数のタービンブレード42、及びタービンハブ43を有している。なお、このタービン4が本発明の回転部材に相当する。
タービン4は、インペラ3に対向して配置されている。タービン4は、タービンシェル41、複数のタービンブレード42、及びタービンハブ43を有している。なお、このタービン4が本発明の回転部材に相当する。
タービンシェル41は、リベット101によってタービンハブ43に固定されている。タービンブレード42は、タービンシェル41の内側面に、ろう付けなどによって固定されている。タービンハブ43の内周面にはスプライン孔433が形成されている。このスプライン孔433に対してトランスミッションの入力軸がスプライン嵌合する。
[ステータ5]
ステータ5は、タービン4からインペラ3へと戻る作動油を整流するように構成されている。ステータ5は、回転軸O周りに回転可能である。ステータ5は、ステータキャリア51と、複数のステータブレード52と、を有している。
ステータ5は、タービン4からインペラ3へと戻る作動油を整流するように構成されている。ステータ5は、回転軸O周りに回転可能である。ステータ5は、ステータキャリア51と、複数のステータブレード52と、を有している。
[ロックアップ装置10]
ロックアップ装置10は、ロックアップオン状態において、フロントカバー2からのトルクをタービンハブ43に機械的に伝達するように構成されている。ロックアップ装置10は、軸方向において、フロントカバー2とタービン4との間に配置されている。また、ロックアップ装置10は、筐体20内に配置されている。ロックアップ装置10は、クラッチ部6と、ダンパ機構7とを有している。
ロックアップ装置10は、ロックアップオン状態において、フロントカバー2からのトルクをタービンハブ43に機械的に伝達するように構成されている。ロックアップ装置10は、軸方向において、フロントカバー2とタービン4との間に配置されている。また、ロックアップ装置10は、筐体20内に配置されている。ロックアップ装置10は、クラッチ部6と、ダンパ機構7とを有している。
クラッチ部6は、ピストン61と摩擦材62とを有している。ピストン61は円板状である。ピストン61は、中央部に貫通孔を有している。そして、タービンハブ43がピストン61の貫通孔内を延びている。タービンハブ43の外周面とピストン61の内周面との間はシールされている。
ピストン61は、筐体20と相対回転可能に配置されている。また、ピストン61は、タービンハブ43と相対回転可能に配置されている。ピストン61は、軸方向に移動可能に配置されている。詳細には、ピストン61は、タービンハブ43上を軸方向に摺動可能である。
ピストン61は、ピストン本体部611と、第2筒状部612とを有している。ピストン本体部611は、円板状であり、フロントカバー2の円板部21と対向している。第2筒状部612は、ピストン本体部611の外周端部から軸方向に延びている。詳細には、第2筒状部612は、ピストン本体部611の外周端部からフロントカバー2から離れる方向に延びている。第2筒状部612の外周面は、フロントカバー2の第1筒状部22の内周面と対向している。
摩擦材62は、環状である。摩擦材62は、ピストン61に固定されている。詳細には、摩擦材62は、ピストン61の外周端部に固定されている。摩擦材62は、フロントカバー2の円板部21と対向するように配置されている。摩擦材62とフロントカバー2の円板部21とは、軸方向において対向している。
クラッチ部6は、摩擦係合位置と解除位置との間で軸方向に移動可能である。クラッチ部6は、摩擦係合位置にあるとき、筐体20と摩擦係合する。詳細には、クラッチ部6が軸方向において、フロントカバー2側(図1の左側)に移動することで、クラッチ部6の摩擦材62がフロントカバー2の円板部21に対して接触して摩擦係合する。この結果、クラッチ部6は、摩擦係合状態となり、フロントカバー2と一体的に回転する。この摩擦係合状態では、フロントカバー2に入力されたトルクは、ロックアップ装置10を介してタービンハブ43から出力される。このようにクラッチ部6が摩擦係合位置にあるとき、ロックアップ装置10はロックアップオン状態となる。
クラッチ部6は、解除位置にあるとき、摩擦材62と筐体20との摩擦係合を解除する。詳細には、クラッチ部6が軸方向においてフロントカバー2から離れる側(図1の右側)に移動することで、クラッチ部6の摩擦材62がフロントカバー2の円板部21から離間し、摩擦材62は円板部21と非接触となる。この結果、クラッチ部6は、摩擦材62と円板部21との摩擦係合が解除された解除状態となり、フロントカバー2と相対回転可能となる。なお、この解除状態では、フロントカバー2に入力されたトルクは、インペラ3及びタービン4を介してタービンハブ43から出力される。このようにクラッチ部6が解除位置にあるとき、ロックアップ装置10はロックアップオフ状態となる。
また、クラッチ部6は、スリップ状態をとることができる。このスリップ状態では、クラッチ部6は、摩擦材62と円板部21とは互いに接触している一方、摩擦係合状態よりも弱い力で摩擦係合している。このため、摩擦材62と円板部21とはスリップしながら摩擦係合する。このスリップ状態では、フロントカバー2に入力されたトルクは、一部がインペラ3及びタービン4を介してタービンハブ43から出力され、その他がロックアップ装置10を介してタービンハブ43から出力される。
ダンパ機構7は、軸方向においてピストン61とタービン4との間に配置されている。ダンパ機構7は、ドライブプレート71と、ドリブンプレート72と、複数のトーションスプリング73とを有している。
ドライブプレート71は円板状に形成されており、外周端部がピストン61と係合している。このため、ドライブプレート71は、ピストン61と一体的に回転する。また、ドライブプレート71とピストン61とは、軸方向において相対移動する。ドライブプレート71は、周方向に間隔をあけて配置される複数の収容部711を有している。
ドリブンプレート72は円板状に形成されている。ドリブンプレート72は、タービンハブ43に固定されている。詳細には、ドリブンプレート72の内周端部がタービンハブ43に溶接などによって固定されている。ドリブンプレート72は、周方向に間隔をあけて配置される複数の収容部721を有している。ドリブンプレート72の収容部721は、軸方向視において、ドライブプレート71の収容部711と重複するように配置されている。
トーションスプリング73は、ドライブプレート71の収容部711及びドリブンプレート72の収容部721内に収容されている。トーションスプリング73は、ドライブプレート71とドリブンプレート72とを弾性的に連結している。このため、ドリブンプレート72は、所定の捩じり角度の範囲内において、ドライブプレート71と相対回転することができる。
以上のような構成によって、クラッチ部6に入力されたトルクは、ドライブプレート71、トーションスプリング73、及びドリブンプレート72を介してタービンハブ43から出力される。
[動吸振器]
動吸振器15は、軸方向において、ロックアップ装置10とタービン4との間に配置されている。動吸振器15は、タービン4に取り付けられている。詳細には、動吸振器15は、タービンハブ43に取り付けられている。
動吸振器15は、軸方向において、ロックアップ装置10とタービン4との間に配置されている。動吸振器15は、タービン4に取り付けられている。詳細には、動吸振器15は、タービンハブ43に取り付けられている。
図2に示すように、動吸振器15は、本体部材151と、一対のイナーシャ部材152と、複数の遠心子153と、カム機構154(変換機構の一例)とを有している。
本体部材151は、中央に貫通孔を有する円板状である。本体部材151は、タービン4に取り付けられている。詳細には、本体部材151の内周端部がタービンハブ43に取り付けられている。例えば、溶接などによって、本体部材151とタービンハブ43とが固定されている。
図3に示すように、本体部材151は、外周端部において径方向外側に突出する複数の突出部155を有している。各突出部155は、周方向において間隔をあけて配置されている。
図2に示すように、イナーシャ部材152は、リング状のプレートである。一対のイナーシャ部材152は、リベット102によって互いに連結され、本体部材151及び遠心子153を挟んでいる。イナーシャ部材152は、本体部材151とともに回転可能に配置されている。
図3に示すように、イナーシャ部材152は、所定の捩じり角度の範囲内において本体部材151と相対回転することができる。なお、図3に示す動吸振器15において、イナーシャ部材152は本体部材151に対して角度θだけ捩れている。
遠心子153は、タービン4の回転によって遠心力を受ける。遠心子153は、本体部材151の突出部155に沿って径方向に摺動可能である。詳細には、遠心子153は、一対のガイドローラ156を有している。このガイドローラ156で、突出部155を挟んでいる。ガイドローラ156が突出部155の側面上を転がることで、遠心子153は突出部155に沿って径方向に移動可能である。このため、遠心子153は、遠心力を受けることによって、径方向の外側に移動する。
カム機構154は、カムフォロアとしてのローラ157と、カム158とを有している。ローラ157は、リベット102の胴部の外周に嵌めこまれている。すなわち、ローラ157はリベット102に支持されている。なお、ローラ157は、リベット102に対して回転可能に装着されているのが好ましいが、回転不能であってもよい。
カム158は、遠心子153の外周面に形成されている。カム158は、ローラ157が当接する円弧状の面であり、径方向の内側に凹んでいる。本体部材151とイナーシャ部材152とが相対回転すると、ローラ157はこのカム158に沿って移動する。
本体部材151とイナーシャ部材152との間に回転位相差が生じたときに、ローラ157とカム158との接触によって、遠心子153に生じた遠心力は、回転位相差が小さくなるような円周方向の力に変換される。具体的には、遠心子153に生じた遠心力によってカム158がローラ157を径方向外側に押圧することによって、ローラ157及びイナーシャ部材152を捩じれる前の位置に戻すように構成されている。
[アシスト力付加機構]
図2に示すように、アシスト力付加機構16は、遠心子153の遠心力にアシスト力を付加するように構成されている。アシスト力付加機構16は、動吸振器15の本体部151に取り付けられる。
図2に示すように、アシスト力付加機構16は、遠心子153の遠心力にアシスト力を付加するように構成されている。アシスト力付加機構16は、動吸振器15の本体部151に取り付けられる。
例えば、アシスト力付加機構16は、電動モータ161、ピニオンギア162、及びラック163を有している。電動モータ161は、例えばステッピングモータである。ピニオンギア162は電動モータ161の出力軸に取り付けられている。ラック163は遠心子153に取り付けられている。ピニオンギア162とラック163は互いに噛み合っている。
電動モータ161を駆動し、ラック163を径方向外側に移動させることで、遠心子153の遠心力に径方向外側を向くアシスト力を付与することができる。この結果、遠心子153の外周面に形成されたカム158がローラ157を押圧する力が増加し、動吸振器15の剛性を高くすることができる。
一方、電動モータ161を逆駆動し、ラック163を径方向内側に移動させることで、遠心子153の遠心力に径方向内側を向くアシスト力を付与することができる。この結果、遠心子153の外周面に形成されたカム158がローラ157を押圧する力が減少し、動吸振器15の剛性を低くすることができる。
以上のように、遠心子153の遠心力に、径方向外側又は内側を向くアシスト力を付与することで、遠心子153に作用する径方向の力を制御することができ、ひいては動吸振器15を可変剛性型とすることができる。
[回転センサ]
回転センサ8は、筐体20に取り付けられている。詳細には、回転センサ8は、筐体20の外周壁部に取り付けられる。すなわち、回転センサ8は、フロントカバー2の第1筒状部22に取り付けられる。
回転センサ8は、筐体20に取り付けられている。詳細には、回転センサ8は、筐体20の外周壁部に取り付けられる。すなわち、回転センサ8は、フロントカバー2の第1筒状部22に取り付けられる。
回転センサ8は、回転変動に関する情報を検出する。詳細には、回転センサ8は、タービン4の回転変動に関する情報を検出する。回転センサ8は、タービン4の単位時間あたりの回転数(以下、単に回転数という。)検出する。回転センサ8は、例えばロータリーエンコーダなどによって構成される。回転センサ8は、筐体20内に露出している。回転センサ8は、タービン4に取り付けられた被検出部9と対向するように配置されている。被検出部9は、周方向に間隔をあけて形成された複数の凹部を外周面に有している。被検出部9は、例えば歯車である。なお、この回転センサ8が、本発明の回転変動検出部に相当する。
[給電ユニット]
給電ユニット11は、回転センサ8及びアシスト力付加機構16に給電するように構成されている。給電ユニット11は、第1受電部11a、第1送電部11b、第2受電部11c、及び第2送電部11dを有している。例えば、第1受電部11a及び第2受電部11cは、受電コイルによって構成され、第1送電部11b及び第2送電部11dは送電コイルによって構成される。
給電ユニット11は、回転センサ8及びアシスト力付加機構16に給電するように構成されている。給電ユニット11は、第1受電部11a、第1送電部11b、第2受電部11c、及び第2送電部11dを有している。例えば、第1受電部11a及び第2受電部11cは、受電コイルによって構成され、第1送電部11b及び第2送電部11dは送電コイルによって構成される。
第1受電部11aはアシスト力付加機構16と電気的に接続される。例えば、第1受電部11aは、電線などでアシスト力付加機構16の電動モータ161と有線接続される。第1受電部11aは、動吸振器15の外周面に取り付けられる。詳細には、第1受電部11aは、本体部151の外周面に取り付けられている。
第1送電部11bは、筐体20の内周面に取り付けられている。詳細には、第1送電部11bは、フロントカバー2の第1筒状部22の内周面に取り付けられている。第1送電部11bは、径方向において、第1受電部11aと間隔をあけて配置されている。第1送電部11bは、第1受電部11aに非接触で電力を送電するように構成されている。
第2受電部11cは、筐体20の外周面に取り付けられている。詳細には、第2受電部11cは、フロントカバー2の第1筒状部22の外周面に取り付けられている。第2受電部11cは、第1送電部11bと電気的に接続されている。また、第2受電部11cは、回転センサ8にも電気的に接続されている。例えば、第2受電部11cは、電線などで第1送電部11b及び回転センサ8と有線接続される。
第2送電部11dは、径方向において第2受電部11cの外側に配置されている。第2送電部11dは、径方向において第2受電部11cと間隔をあけて配置されている。第2送電部11dは、例えば、トルクコンバータ100を収容するハウジングの内壁面に取り付けられる。第2送電部11dは、第2受電部11cに非接触で電力を送電するように構成されている。
各送電部11b、11dは、ワイヤレス給電によって各受電部11a、11cに電力を送電している。なお、各送電部11b、11dと各受電部11a、11cとの間のワイヤレス給電の方式は、磁界結合方式、電界結合方式、又は電磁界結合方式とすることができる。
[制御部]
制御部13は、アシスト力付加機構16によるアシスト力を制御する。詳細には、制御部13は、回転変動に関する情報に基づいて、アシスト力付加機構16によるアシスト力を制御することによって、動吸振器15をアクティブ制御する。
制御部13は、アシスト力付加機構16によるアシスト力を制御する。詳細には、制御部13は、回転変動に関する情報に基づいて、アシスト力付加機構16によるアシスト力を制御することによって、動吸振器15をアクティブ制御する。
制御部13は、図4に示すように、アシスト力設定部131とアクチュエータ制御部132とを備えている。アシスト力設定部131は、回転変動が小さくなるようにアシスト力を設定する。また、アシスト力設定部131は、回転センサ8によって検出された回転数に基づき回転変動を算出し、この回転変動に基づきアシスト力を設定する。
アクチュエータ制御部132は、アシスト力設定部131が設定したアシスト力を遠心子153に付加するよう、アシスト力付加機構16を制御する。具体的には、アクチュエータ制御部132は、アシスト力付加機構16のモータ161に与える直流電流量や交流信号のデューティー比などにより、モータ161駆動力、すなわちアシスト力を設定する。
なお、制御部13は、算出されたタービン4の回転変動が予め設定された第1閾値を超えたと判断すると、動吸振器15の本体部材151に対するイナーシャ部材152の相対回転を禁止するような処理を実行し、相対回転を停止または抑制させてもよい。
例えば、図5に示すように、制御部13は、アシスト力付加機構16を駆動し、遠心子153を径方向外側に移動させて、カム158でローラ157を径方向外側に押圧する。これにより、イナーシャ部材152は、本体部材151に対して相対回転することを抑制できる。また、制御部13は、算出された回転変動の値が予め設定された第2閾値未満の場合は、アシスト力付加機構16の制御を行わなくてもよい。
次に、制御部13の動作について説明する。まず、図6に示すように、制御部13は、回転センサ8によって検出されたタービン4の回転数を無線通信により取得する(ステップS1)。この無線通信のために、トルクコンバータ100に図示していない無線チップおよびアンテナを設けるとともに、制御部13に図示していないアンテナを設け、デジタル変調方式またはアナログ変調方式の無線通信を行うテレメトリーシステムを構築することができる。なお、この無線通信は、第1受電部11a、第1送電部11b、第2受電部11c、及び第2送電部11dを介した負荷変調通信方式とすることもできる。
次に、制御部13は、取得されたタービン4の回転数に基づいて、タービン4の回転変動を算出する(ステップS2)。
次に、制御部13は、算出された回転変動に基づき、アシスト力を制御する(ステップS3)。詳細には、制御部13は、動吸振器15の遠心子153に付加されるアシスト力を制御する。なお、この制御部13の動作は、ロックアップ装置10がロックアップオン状態のときだけでなく、ロックアップ装置10がロックアップオフ状態のときに行われてもよい。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
変形例1
上記実施形態では、アシスト力付加機構16は、電動モータ161、ピニオンギア162、及びラック163によって構成されていたが、アシスト力付加機構16の構成はこれに限定されない。例えば、アシスト力付加機構16は、油圧や空気圧などによって、遠心子153にアシスト力を付加してもよい。
上記実施形態では、アシスト力付加機構16は、電動モータ161、ピニオンギア162、及びラック163によって構成されていたが、アシスト力付加機構16の構成はこれに限定されない。例えば、アシスト力付加機構16は、油圧や空気圧などによって、遠心子153にアシスト力を付加してもよい。
変形例2
上記実施形態では、制御部13は、回転センサ8によって検出されたタービン4の回転数に基づき、アシスト力付加機構16によるアシスト力を制御しているが、これに限定されない。例えば、制御部13は、変速機の変速段や、エンジンの一次振動の周波数などに基づいて、アシスト力を制御することができる。例えば、制御部13は、変速段ごとに予め設定されたアシスト力を遠心子153に付与するような制御を行うことができる。
上記実施形態では、制御部13は、回転センサ8によって検出されたタービン4の回転数に基づき、アシスト力付加機構16によるアシスト力を制御しているが、これに限定されない。例えば、制御部13は、変速機の変速段や、エンジンの一次振動の周波数などに基づいて、アシスト力を制御することができる。例えば、制御部13は、変速段ごとに予め設定されたアシスト力を遠心子153に付与するような制御を行うことができる。
変形例3
また、制御部13は、ピストン61の回転数に基づき、アシスト力を制御してもよい。この場合、図7に示すように、回転センサ8は、ピストン61の回転数を検出する。ピストン61の第2筒状部612は、ドライブプレート71の外周端部が噛み合うよう、周方向に間隔をあけて複数の溝部が形成されている。このため、回転センサ8は、この第2筒状部612の複数の溝部を利用して、ピストン61の回転数を検出することができる。
また、制御部13は、ピストン61の回転数に基づき、アシスト力を制御してもよい。この場合、図7に示すように、回転センサ8は、ピストン61の回転数を検出する。ピストン61の第2筒状部612は、ドライブプレート71の外周端部が噛み合うよう、周方向に間隔をあけて複数の溝部が形成されている。このため、回転センサ8は、この第2筒状部612の複数の溝部を利用して、ピストン61の回転数を検出することができる。
そして、制御部13は、このピストン61の回転数からピストン61の回転変動を算出し、この回転変動を低減させるように、アシスト力付加機構16によるアシスト力を制御してもよい。
変形例3
図8に示すように、制御部13は、タービン4及びピストン61の回転変動に基づいてアシスト力を制御してもよい。具体的には、動力伝達装置99は、第1回転センサ8aと第2回転センサ8bとの2つの回転センサを有している。第1回転センサ8aはタービン4の回転数を検出し、第2回転センサ8bはピストン61の回転数を検出する。
図8に示すように、制御部13は、タービン4及びピストン61の回転変動に基づいてアシスト力を制御してもよい。具体的には、動力伝達装置99は、第1回転センサ8aと第2回転センサ8bとの2つの回転センサを有している。第1回転センサ8aはタービン4の回転数を検出し、第2回転センサ8bはピストン61の回転数を検出する。
そして、制御部13は、第1回転センサ8aによって検出されたタービン4の回転数からタービン4の回転変動を算出するとともに、第2回転センサ8bによって検出されたピストン61の回転数からピストン61の回転変動を算出する。そして、制御部13は、これら回転変動に基づいてアシスト力を制御してもよい。
変形例4
上記実施形態では、回転変動に関する情報を検出する回転変動検出部として回転センサ8を例示しているが、回転変動検出部は他のセンサであってもよい。例えば、図9に示すように、回転変動検出部は、加速度センサ8cであってもよい。加速度センサ8cは、タービン4に取り付けられており、タービン4の角加速度を検出する。
上記実施形態では、回転変動に関する情報を検出する回転変動検出部として回転センサ8を例示しているが、回転変動検出部は他のセンサであってもよい。例えば、図9に示すように、回転変動検出部は、加速度センサ8cであってもよい。加速度センサ8cは、タービン4に取り付けられており、タービン4の角加速度を検出する。
制御部13は、加速度センサ8cによって検出されたタービン4の角加速度に基づき、タービン4の回転変動を算出し、アシスト力を制御してもよい。また、回転変動検出部は、その他にも、速度センサや変位センサなどであってもよい。
変形例5
筐体20の外周壁部は、主にフロントカバー2の第1筒状部22によって構成されているが、特にこれに限定されない。例えば、インペラシェル31がフロントカバー2のように、円板部と筒状部とを有していてもよい。そして、このインペラシェル31の筒状部によって筐体20の外周壁部を構成してもよいし、フロントカバー2の第1筒状部22とインペラシェル31の筒状部との双方によって筐体20の外周壁部を構成してもよい。
筐体20の外周壁部は、主にフロントカバー2の第1筒状部22によって構成されているが、特にこれに限定されない。例えば、インペラシェル31がフロントカバー2のように、円板部と筒状部とを有していてもよい。そして、このインペラシェル31の筒状部によって筐体20の外周壁部を構成してもよいし、フロントカバー2の第1筒状部22とインペラシェル31の筒状部との双方によって筐体20の外周壁部を構成してもよい。
変形例7
本発明は、上述したトルクコンバータだけでなく、クラッチ装置やデュアルマスホイールなど、動吸振器を取り付けることができる他の装置にも適用することができる。
本発明は、上述したトルクコンバータだけでなく、クラッチ装置やデュアルマスホイールなど、動吸振器を取り付けることができる他の装置にも適用することができる。
変形例8
動吸振器15は、上述した構成に限定されず、例えば振り子を用いた回転数適応型動吸振器であってもよい。
動吸振器15は、上述した構成に限定されず、例えば振り子を用いた回転数適応型動吸振器であってもよい。
8 :回転センサ
13 :制御部
15 :動吸振器
20 :筐体
99 :動力伝達装置
151 :本体部材
151 :本体部
152 :イナーシャ部材
153 :遠心子
154 :カム機構
13 :制御部
15 :動吸振器
20 :筐体
99 :動力伝達装置
151 :本体部材
151 :本体部
152 :イナーシャ部材
153 :遠心子
154 :カム機構
Claims (8)
- 駆動源からのトルクを駆動輪へと伝達する動力伝達装置であって、
前記駆動源からのトルクが入力され、回転可能に配置される回転部材と、
前記回転部材と相対回転可能なイナーシャ部材を有し、前記回転部材に取り付けられており、前記回転部材部材と前記イナーシャ部材との間に回転方向における相対変位が生じたときに、前記回転部材の回転によって受ける遠心力を前記相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換する動吸振器と、
前記遠心力にアシスト力を付加するアシスト力付加機構と、
前記アシスト力付加機構によるアシスト力を制御する制御部と、
を備える、動力伝達装置。
- 前記動吸振器は、前記回転部材の回転によって遠心力を受ける遠心子をさらに有し、
前記アシスト力付加機構は、前記遠心子の遠心力にアシスト力を付加する、
請求項1に記載の動力伝達装置。
- 前記アシスト力付加機構は、
モータと、
前記モータによって回転駆動されるピニオンギアと、
前記ピニオンギアと噛み合うとともに前記遠心子に取り付けられるラックと、
を有する、
請求項2に記載の動力伝達装置。
- 前記動吸振器は、カム機構をさらに有し、
前記カム機構は、前記回転部材と前記イナーシャ部材との間に回転方向における相対変位が生じたときに、前記回転部材の回転によって受ける遠心力を前記相対変位が小さくなる方向の円周方向力に変換する、
請求項1から3のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記回転部材及び前記動吸振器を収容する筐体をさらに備える、
請求項1から4のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 回転変動に関する情報を検出する回転変動検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記回転変動検出部によって検出された回転変動に関する情報に基づいて、前記回転変動を低減させるようにアシスト力を制御する、
請求項1から5のいずれかに記載の動力伝達装置。
- 前記回転変動検出部は、前記筐体内に露出する、
請求項5に従属する請求項6に記載の動力伝達装置。
- 前記制御部は、前記回転変動に関する情報に基づき前記回転変動が閾値を超えたと判断すると、前記回転部材に対する前記イナーシャ部材の相対回転を禁止する、
請求項1から7のいずれかに記載の動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018051999A JP2019163818A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018051999A JP2019163818A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019163818A true JP2019163818A (ja) | 2019-09-26 |
Family
ID=68066453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018051999A Pending JP2019163818A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019163818A (ja) |
-
2018
- 2018-03-20 JP JP2018051999A patent/JP2019163818A/ja active Pending
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