JP7143587B2 - 半導体製造装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体製造装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体製造装置および半導体装置の製造方法に関する。
従来、半導体製造装置(各種プロセス処理装置)において半導体ウエハを載置するステージとして、半導体ウエハを載置する面(以下、吸着面とする)に半導体ウエハを吸着させて固定するチャック(Chuck)が公知である。このようなステージでは、載置された半導体ウエハにより塞がれ略閉じた空間となる溝(以下、吸着溝とする)が吸着面に設けられており、当該吸着溝の内部を真空にすることで半導体ウエハがステージの吸着面に吸着される。このようなステージを備えた半導体製造装置として、所定のパターンに開口されたレジストマスクを形成する露光装置が知られている。
従来の半導体製造装置のステージについて、露光装置を例に説明する。図9は、従来の半導体製造装置の要部のレイアウトを示す平面図である。図9には、従来の半導体製造装置のステージ101の吸着面102に設けられた吸着溝103を当該吸着面102側から見たレイアウトを示す。図10Aは、図9の切断線AA-AA’における断面構造を示す断面図である。図10Aでは、吸着溝103の個数を何個か省略して図9よりも少ない個数で図示しているが、図9,10Aには同一のステージ101が図示されており、実際には図9,10Aともに吸着溝103の個数は同一である。図10Bは、図10Aの領域Zの拡大図である。図10Bは、理解を容易にするために模式的に記載した説明図であり、寸法等は正確なものではない。
図9,10Aに示す従来の半導体製造装置は、半導体ウエハ111を載置する表面(吸着面102)に当該半導体ウエハ111を吸着して固定するステージ101を備える。ステージ101の吸着面102には、所定の間隔w101で同心円状に設けられた複数の溝(吸着溝)103と、半導体ウエハ111の一方の主面に接触して半導体ウエハ111を保持するウエハ保持部104と、が設けられている。吸着溝103は、ステージ101の内部の空洞(不図示)に連結され、当該空洞に連結された排気管を介して真空装置(排気手段)に接続されている。ウエハ保持部104は、吸着溝103に沿って設けられた突起部である。
まず、半導体ウエハ111を、一方の主面をステージ101の吸着面102側にして当該吸着面102のウエハ保持部104上に載置する。次に、真空装置によりステージ101の吸着溝103内を排気して真空にし、ステージ101の吸着面102に半導体ウエハ111の一方の主面を吸着することで、当該吸着面102のウエハ保持部104上に半導体ウエハ111を固定して保持する。次に、半導体ウエハ111の他方の主面上に、一般的なフォトリソグラフィ工程により所定パターンに開口されたレジストマスク144を形成する。その後、吸着溝103の内部を大気圧にすることで、ステージ101の吸着面102から半導体ウエハ111を取り外す。
従来の半導体製造装置の別の一例として、ステージの吸着面を、半導体ウエハの裏面を保持する多数の凸部が形成された粗面とすることで、当該粗面の凸部の周囲を囲む凹部にパーティクル(微小なごみ)を補足させて、半導体ウエハの裏面へのパーティクル付着や金属汚染をなくした装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、従来の半導体製造装置の別の一例として、一方の主面をステージの吸着面側にして当該吸着面のウエハ保持部上に半導体ウエハを固定した後、半導体ウエハの他方の主面の平坦性を高めるように、ステージの吸着面のウエハ保持部の高さを調整する装置が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
また、従来の半導体製造装置の別の一例として、ステージの吸着面に設けられた複数の吸着溝のうち、最外周部の吸着溝を真空装置に接続する排気管の径を、残りの吸着溝を真空装置に接続する排気管の径よりも大きくして排気管抵抗を低くすることで、半導体ウエハ全面の吸着力を均一にした装置が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
また、従来の半導体製造装置の別の一例として、ステージの吸着面に半導体ウエハを吸着するために設けられた複数の吸着溝間に、ステージの吸着面と半導体ウエハとの間に介在するパーティクルが補足される溝を半導体ウエハの吸着溝と同じ幅で設けた装置が提案されている(例えば、下記特許文献4参照。)。
また、従来の半導体製造装置の別の一例として、ステージの吸着面のウエハ保持部の間に設けられ、ステージの吸着面上に載置された半導体ウエハを吸着した状態で昇降可能な複数の円筒状のピンの高さを変えることで、半導体ウエハを反った状態で保持する装置が提案されている(例えば、下記特許文献5参照。)。
特開平8-330401号公報 特開2004-087943号公報 特開平10-092728号公報 特開平3-228348号公報 特開2015-018927号公報
しかしながら、従来の半導体製造装置のステージ101では、吸着溝103内において半導体ウエハ111をステージ101側へ引っ張る大きな負圧が生じ、半導体ウエハ111が部分的にステージ101側に引っ張られる。このため、半導体ウエハ111の厚さt101が薄くなっている場合、半導体ウエハ111は、ステージ101の吸着面102への吸着箇所(吸着溝103に対向する箇所)でステージ101側に引っ張られて凹み、当該吸着箇所を基点として略波状に変形してしまう(図10A参照)。このため、半導体ウエハ111の平坦度が悪化したり、半導体ウエハ111をステージ101の吸着面102に正常に吸着させることができなかったり、半導体ウエハ111が破損する虞がある。
また、半導体ウエハ111の平坦度が悪化した場合、その後の半導体ウエハ111のフォトリソグラフィ工程の露光時に、一部では例えばレジスト膜の最表面に焦点が合い、他の一部ではこのレジスト膜の下層の半導体ウエハ111との境界に焦点が合うなど、露光処理の焦点深度が部分的に異なってしまう。このため、半導体ウエハ111の他方の主面に転写されるマスクパターンの解像が、半導体ウエハ111の、ステージ101の吸着面102の吸着溝103への吸着箇所付近121で伸び、かつ当該吸着箇所付近121から離れた部分122で狭くなる等の解像不具合が生じ、設計図通りのパターンを得られない虞がある。
さらに、図10A,10Bに示すように、半導体ウエハ111の平坦度が悪化して半導体ウエハ111が斜めに傾いている領域Zでは、光源からフォトマスク140を通過して入射する光142がレジストマスク144に対し斜めに入射する。これにより、レジストマスク144の開口部144Aの位置が設計からずれ、解像不具合が生じ、設計図通りのパターンを得られない虞がある。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ステージの表面に固定され保持された半導体ウエハの平坦度を向上させることができる半導体製造装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体製造装置は、ステージ、排気手段および処理手段を備え、次の特徴を有する。前記ステージの、半導体基板が載置される面に同心円状に複数の吸着溝が設けられている。前記吸着溝は、前記ステージに載置された前記半導体基板の第1主面を吸着する。前記排気手段は、前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記吸着溝内を排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて前記吸着溝に吸着させる。前記処理手段は、前記排気手段により第1主面が前記ステージの前記吸着溝に吸着された前記半導体基板の第2主面に所定処理を行う。前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記処理手段による処理終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定される。隣り合う前記吸着溝間の間隔は12mm未満である。前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に前記排気手段により生じさせる前記負圧の設定値は、前記閾値以上で、かつ-25kPa以下-50kPa以上に設定される。前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触するか、または前記半導体基板の第1主面との間に密閉空間を形成する。
また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記処理手段は、前記ステージに載置された前記半導体基板の第2主面に、素子構造に応じた露光処理を行う露光手段である。前記負圧の前記設定値は、前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となるように設定されることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体製造装置は、ステージ、排気手段および露光処理を備え、次の特徴を有する。前記ステージの、半導体基板が載置される面に同心円状に複数の吸着溝が設けられている。前記吸着溝は、前記ステージに載置された前記半導体基板の第1主面を吸着する。前記排気手段は、前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記吸着溝内を排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて前記吸着溝に吸着させる。前記露光手段は、前記排気手段により第1主面が前記ステージの前記吸着溝に吸着された前記半導体基板の第2主面に素子構造に応じた露光処理を行う。前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記露光手段による前記露光処理の終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定される。隣り合う前記吸着溝間の間隔は、前記半導体基板の第1主面の全面にわたって前記半導体基板の、前記吸着溝への吸着箇所が分散される狭さの間隔に設定される。前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に前記排気手段により生じさせる前記負圧の設定値は、前記閾値以上で、かつ前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となるように設定される。前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触するか、または前記半導体基板の第1主面との間に密閉空間を形成する。
また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記焦点深度は、前記露光手段により前記露光処理を処理可能な前記半導体基板の凹凸の高さの上限値であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記焦点深度は±10μmの範囲内であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記ステージの、前記半導体基板が載置される面から突出した凸状で、かつ前記吸着溝の周囲を囲む同心円状に設けられ、前記ステージに載置された前記半導体基板の第1主面に接触して前記半導体基板を保持する保持部をさらに備える。前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、互いに隣り合う前記保持部間において前記半導体基板の第1主面との間に密閉空間を形成することを特徴とする。また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記ステージは、前記半導体基板が載置される面に、外周に沿って、中央部よりも外周部を凹ませてなる第1段差を有し、前記第1段差によって中央部の厚さを外周部の厚さよりも厚くした断面形状であることを特徴とする。また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記半導体基板は、第1主面に、外周に沿って、中央部を外周部よりも凹ませてなる第2段差を有し、前記第2段差によって外周部の厚さを中央部の厚さよりも厚くした断面形状であり、前記半導体基板が前記ステージに載置されたときに、前記半導体基板の第1主面の前記ステージ側に突出した外周部が前記ステージの前記第1段差に収容されることを特徴とする。また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に生じる前記負圧は、-18kPaよりも高く、かつ-36.7kPaよりも低く、前記半導体基板の厚さは、30μm以上400μm以下であり、前記半導体基板は、第1主面に素子構造による21μm以下の高低差の段差を有することを特徴とする。また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記半導体基板の厚さは、30μm以上400μm以下であり、前記半導体基板は、第1主面に素子構造による21μm以下の高低差の段差を有することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、半導体製造装置のステージに、第1主面を前記ステージ側にして半導体基板を載置する載置工程を行う。次に、前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられた複数の吸着溝内を排気手段により排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて、前記半導体基板の第1主面を前記吸着溝に吸着させることにより、前記ステージに前記半導体基板を固定する排気工程を行う。次に、前記排気工程を継続させた状態で、素子構造に応じた露光処理を前記半導体基板の第2主面に行う露光工程を行う。前記半導体製造装置に、前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記露光工程の終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定される。前記ステージの隣り合う前記吸着溝間の間隔は、前記半導体基板の第1主面の全面にわたって前記半導体基板の、前記吸着溝への吸着箇所が分散される狭い間隔に設定される。前記排気工程では、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に、前記閾値以上で、かつ前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となる設定値で前記負圧を生じさせる。前記排気工程では、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触するか、または前記半導体基板の第1主面との間に密閉空間を形成する。また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記ステージは、前記半導体基板が載置される面に、外周に沿って、中央部よりも外周部を凹ませてなる第1段差を有し、前記第1段差によって中央部の厚さを外周部の厚さよりも厚くした断面形状であることを特徴とする。また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記半導体基板は、第1主面に、外周に沿って、中央部を外周部よりも凹ませてなる第2段差を有し、前記第2段差によって外周部の厚さを中央部の厚さよりも厚くした断面形状であり、前記載置工程では、前記半導体基板の第1主面の前記ステージ側に突出した外周部が前記ステージの前記第1段差に収容されることを特徴とする。また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上述した発明において、前記半導体基板の厚さは、30μm以上400μm以下であり、前記半導体基板は、第1主面に素子構造による21μm以下の高低差の段差を有することを特徴とする。
上述した発明によれば、半導体基板の各吸着溝への吸着箇所それぞれをステージ側へ引っ張る方向に生じる負圧を低くすることができ、かつ当該吸着箇所を狭い間隔で半導体ウエハ全面にわたって分散させることができる。これにより、各吸着溝への吸着箇所で半導体基板がステージ側に引っ張られて凹み、略波状に変形することを抑制することができる。
本発明にかかる半導体製造装置および半導体装置の製造方法によれば、ステージの表面に固定され保持された半導体ウエハの平坦度を向上させることができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる半導体製造装置の要部のレイアウトを示す平面図である。 図1の切断線A-A’における断面構造を示す断面図である。 実施の形態2にかかる半導体製造装置の要部を示す断面図である。 実施の形態3にかかる半導体製造装置の要部を示す断面図である。 実施の形態3にかかる半導体製造装置の要部を示す断面図である。 実施例1のステージの吸着面に吸着された状態の半導体ウエハの変形量を示す特性図である。 従来のステージの吸着面に吸着された状態の半導体ウエハの変形量を示す特性図である。 実施例3の半導体ウエハをステージ側へ引っ張る負圧の好適な範囲(太枠部分)を示す特性図である。 従来の半導体製造装置の要部のレイアウトを示す平面図である。 図9の切断線AA-AA’における断面構造を示す断面図である。 図10Aの領域Zの拡大図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体製造装置および半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書において、半導体ウエハ(半導体基板)をステージ側へ引っ張るように生じさせる負圧(吸着圧)は大気圧を0kPaとしてマイナス値で示し、その絶対値の大小で負圧の大小をあらわしている。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体製造装置(各種プロセス処理装置)の構造について説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体製造装置の要部のレイアウトを示す平面図である。図1には、実施の形態1にかかる半導体製造装置のステージ1の吸着面2に設けられた吸着溝3を当該吸着面2側から見たレイアウトを示す。図2は、図1の切断線A-A’における断面構造を示す断面図である。図1では、吸着溝3をハッチングで示し、ウエハ保持部4を図示省略する。図2では、吸着溝3の個数を何個か省略して図1よりも少ない個数で図示しているが、図1,2には同一のステージ1が図示されており、実際には図1,2ともに吸着溝3の個数は同一である。なお、吸着溝3は、矩形状に図示されているが、これに限らず、テーパ状等他の形状であってもよい。
図1,2に示す実施の形態1にかかる半導体製造装置は、例えば所定のパターンに開口されたレジストマスクを形成する露光装置であり、半導体ウエハ(半導体基板)11を載置する表面(吸着面2)に当該半導体ウエハ11を吸着して固定するステージ1を備える。ステージ1は、例えば、少なくとも半導体ウエハ11の全体を吸着面2上に収めることができる程度の表面積を有する。すなわち、ステージ1の平面形状が略矩形状である場合、ステージ1の各辺の長さは半導体ウエハ11の直径以上である。ステージ1の平面形状が略円形状である場合、ステージ1の直径は半導体ウエハ11の直径以上である。
ステージ1の吸着面2には、複数の溝(吸着溝)3と、半導体ウエハ11の一方の主面に接触して半導体ウエハ11を保持するウエハ保持部4と、が設けられている。ウエハ保持部4は、ステージ1の吸着面2から凸状に盛り上がった断面形状を有し、ステージ1の吸着面2側から見て同心円状に複数設けられている。隣り合うウエハ保持部4間に挟まれた部分に、ステージ1の吸着面2の中心から外側へ向かう方向に1つおきに吸着溝3が設けられている。すなわち、吸着溝3は、ステージ1の吸着面2側から見て同心円状に複数設けられている。ウエハ保持部4は、円形状の平面形状の各吸着溝3の内側および外側それぞれに沿って設けられ、吸着溝3の周囲を囲む。
半導体ウエハ11は、一方の主面をステージ1の吸着面2側にして当該吸着面2のウエハ保持部4上に載置される。吸着溝3は、ステージ1の吸着面2のウエハ保持部4上に載置された半導体ウエハ11により塞がれ略閉じた空間となる。吸着溝3は、例えばステージ1の内部の空洞(不図示)に連結され、当該空洞に連結された排気管を介して真空装置に連結されている。半導体ウエハ11により塞がれ略閉じた空間となっている吸着溝3内を真空装置により排気することで、吸着溝3内に、半導体ウエハ11の、吸着溝3と対向する部分(吸着溝3を塞ぐ部分)をステージ1側へ引っ張る方向に圧力(すなわち負圧(吸着圧))が生じる。
このように吸着溝3内を排気することで、半導体ウエハ11は、ステージ1の吸着面2に吸着され、当該吸着面2のウエハ保持部4上に固定され保持される。吸着溝3内の排気を継続して行うことで、吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る負圧が生じた状態が維持され、半導体ウエハ11のステージ1の吸着面2への吸着が維持される。吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に後述する閾値以上の負圧を生じさせるために真空装置に設定される負圧(以下、負圧の設定値とする)は、従来の半導体製造装置(図9,10)で吸着溝103内に半導体ウエハ111をステージ101側へ引っ張る方向に閾値以上の負圧を生じさせるための負圧の設定値(例えば-78kPa程度)よりも低い。吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に生じさせる負圧の設定値は、後述する負圧の閾値以上で、かつ当該負圧により半導体ウエハ11に生じる凹凸が露光処理の焦点深度以下となるように設定される。
具体的には、吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に閾値以上の負圧を生じさせるための負圧の設定値は、例えば-25kPa以上-50kPa以下程度である。その理由は、次の通りである。吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に閾値以上の負圧を生じさせるための負圧の設定値が-25kPa未満である場合、半導体ウエハ11がステージ1の吸着面2に正常に吸着されない虞があるからである。ステージ1の吸着面2のウエハ保持部4に接触する、半導体ウエハ11の一方の主面(例えば半導体ウエハ11の表面)には、素子構造に応じた段差(不図示)が存在する。半導体ウエハ11の一方の主面に表面素子構造が形成されている場合、半導体ウエハ11の一方の主面には、例えば、層間絶縁膜により1μm程度、表面電極により5μm程度、パッシベーション膜により15μm程度の高さの段差が生じる。この段差により、半導体ウエハ11の、吸着溝3内の排気時に吸引される部分の面積(表面積)が半導体ウエハ11に段差が生じていない場合(すなわち吸着溝3の平面形状の表面積)よりも小さくなる。
吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に閾値以上の負圧を生じさせるための負圧の設定値は、真空装置に設定される。半導体ウエハ11の、吸着溝3内の排気時に吸引される部分の面積が小さくなるほど、吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に実際に生じる負圧は真空装置に設定された負圧の設定値よりも小さくなる。例えば、真空装置に設定された負圧の設定値が-30kPaである場合、吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に実際に生じる負圧は-22kPa程度である。そこで、半導体製造装置には、半導体ウエハ11を吸着溝3に吸着させるために吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に実際に生じさせる必要のある負圧の下限値(例えば-18kPa程度)が負圧の閾値として設定される。半導体製造装置は、吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に実際に生じている負圧が閾値を満たしている(すなわち負圧の閾値以上である)場合に、正常な吸着であると特定する。すなわち、正常な吸着とは、吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に実際に生じている負圧が予め設定された閾値を満たしており、半導体製造装置によって半導体ウエハ11がステージ1の吸着面2に吸着されていると特定されることである。半導体製造装置は、吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に実際に生じている負圧の閾値を満たしていない(すなわち負圧の閾値未満である)場合、正常な吸着でないと特定する。半導体製造装置が正常な吸着でないと特定した場合、ステージ1の吸着面2に半導体ウエハ11が吸着されない、または、露光処理の途中でステージ1から半導体ウエハ11が剥離して、露光処理が途中で終了される等の問題が生じる。
吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に生じさせる負圧の設定値が-50kPaを超える場合、半導体ウエハ11がステージ1の吸着面2の吸着溝3への吸着箇所(吸着溝3を塞ぐ箇所)でステージ1側に引っ張られて凹み、略波状に変形する。吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に生じさせる負圧の設定値を大きくするほど、半導体ウエハ11の変形による凹凸が大きくなり、その変形の大きさが従来の半導体製造装置(図10参照)を用いた場合に近づく。この半導体ウエハ11の変形による凹凸の高さが露光処理の焦点深度を超えた場合、従来の半導体製造装置のステージ101と同様の問題が生じるからである(図10参照)。露光処理の焦点深度とは、露光処理可能な半導体ウエハ11の凹凸の高さの上限値である。具体的には、半導体ウエハ11の凹凸の凸部および凹部の各高さの上限値は、半導体ウエハ11に凹凸が生じていない状態と比較して、例えばそれぞれ±10μm程度の範囲内であり、好適には例えばそれぞれ±5μm程度の範囲内であることがよい。
吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に生じさせる負圧の設定値が上記範囲内である場合、例えば30μm以上400μm以下程度の厚さt11を有する半導体ウエハ11に適用可能である。好ましくは、例えば40μm以上350μm以下程度の厚さt11を有する半導体ウエハ11に適用することで、本発明の効果(ステージ1の吸着面2のウエハ保持部4上に固定され保持された半導体ウエハ11の平坦性)がより得られる。本発明は、一様な厚さt11の半導体ウエハ11(図2参照)に適用してもよいし、後述する外周部31cの厚さt31を中央部31dの厚さt32よりも厚く残した半導体ウエハ31(図4,5参照)に適用してもよい。
吸着溝3の幅w2は、例えば1.0mm以上2.5mm以下程度である。隣り合う吸着溝3間の間隔w1は、従来の半導体製造装置(図9,10参照)のステージ101の吸着面102の隣り合う吸着溝103間の間隔w101よりも狭く設定されている。具体的には、ステージ1の吸着面2の隣り合う吸着溝3間の間隔w1は、例えば12mm未満程度であり、好適には例えば6mm程度であることがよい。また、半導体ウエハ11の厚さt11が薄いほど、ステージ1の吸着面2の隣り合う吸着溝3間の間隔w1を狭くすることがよい。具体的には、半導体ウエハ11の厚さt11が40μmである場合、吸着溝3が同心円状に例えば16個設けられ、半導体ウエハ11の厚さt11が100μmである場合、吸着溝3が同心円状に例えば19個設けられる。
より具体的には、半導体ウエハ11の直径および厚さt11がそれぞれ8インチおよび120μmである場合、ステージ1の吸着面2の隣り合う吸着溝3間の間隔w1は例えば6mm程度であり、ステージ1に例えば16個の吸着溝3が同心円状に設けられる。各吸着溝3間の間隔w1は一定である。一方、従来の半導体製造装置では、半導体ウエハ111の直径および厚さt101が8インチおよび120μmである場合、ステージ101の吸着面102の隣り合う吸着溝103間の間隔w101は例えば12mm程度であり、従来のステージ101には例えば8つの吸着溝103が設けられる。また、図9には、各吸着溝103間の間隔w101を等間隔に図示しているが、各吸着溝103間の間隔w101は一定ではない。
この実施の形態1にかかる半導体製造装置においては、まず、実施の形態1にかかる半導体製造装置に、ウエハカセットや他の半導体製造装置から半導体ウエハ11を搬送する。次に、半導体ウエハ11を、一方の主面をステージ1の吸着面2側にして当該吸着面2のウエハ保持部4上に載置する。次に、真空装置によりステージ1の吸着溝3内を排気して、吸着溝3内に半導体ウエハ11をステージ1側へ引っ張る方向に少なくとも半導体製造装置に予め設定された負圧の閾値以上の負圧を生じさせるように負圧を生じさせる。これによって、ステージ1の吸着面2に半導体ウエハ11の一方の主面が吸着され、当該吸着面2のウエハ保持部4上に半導体ウエハ11が固定され保持される。次に、半導体ウエハ11の他方の主面上に、一般的なフォトリソグラフィ工程により所定パターンに開口されたレジストマスクを形成する。その後、吸着溝3の内部を大気圧にすることで、ステージ1の吸着面2から半導体ウエハ11を取り外し、例えばウエハカセットに回収するか、後の工程で用いる半導体製造装置に搬送する。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、ステージの吸着面の吸着溝に半導体ウエハを吸着させるために吸着溝内に半導体ウエハをステージ側へ引っ張る方向に生じさせる負圧(吸着圧)を所定範囲以下に低くし、かつステージの吸着面の隣り合う吸着溝間の間隔を所定範囲以下に狭くする。これによって、半導体ウエハの各吸着溝への吸着箇所それぞれをステージ側へ引っ張る方向に生じる負圧を低くすることができ、かつ当該吸着箇所を狭い間隔で半導体ウエハ全面にわたって分散させることができる。これにより、各吸着溝への吸着箇所で半導体ウエハがステージ側に引っ張られて凹み、略波状に変形することを抑制することができる。このため、ステージの吸着面上に固定され保持された半導体ウエハの平坦度を向上させることができる。半導体ウエハの平坦度が向上することで、露光処理時に従来のような解像不具合が生じることを防止することができる。また、半導体ウエハの平坦度が向上することで、吸着エラー(ステージの吸着面に半導体ウエハを吸着することができない、または露光処理途中でステージの吸着面から半導体ウエハが剥離する等)やウエハ割れを低減させることができる。本発明は、半導体ウエハの厚さが薄いほど有用であり、高い効果が得られる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる半導体製造装置の構造について説明する。図3は、実施の形態2にかかる半導体製造装置の要部を示す断面図である。図3のステージ1’の吸着面2’に設けられた吸着溝3’を当該吸着面2’側から見たレイアウトは、実施の形態1(図1参照)と同様である。すなわち、図3には、図1の切断線A-A’における断面形状が示されている。
実施の形態2にかかる半導体製造装置が実施の形態1にかかる半導体製造装置と異なる点は、ステージ1’の吸着面2’からステージ1’の深さ方向に凹んでなる吸着溝3’が設けられている点である。ステージ1’の吸着面2’の、吸着溝3’間に挟まれた部分がウエハ保持部4’となる。すなわち、吸着溝3’は、ステージ1’の吸着面2’に直接設けられている。ウエハ保持部4’は、ステージ1’の吸着面2’から凸状に盛り上がっていない。ステージ1’の吸着面2’の隣り合う吸着溝3間の間隔w1’、および、吸着溝3の幅w2’は、実施の形態1と同様である。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、吸着溝を吸着面に直接設けたステージを備える場合においても、吸着溝間の間隔を狭くして、ステージの吸着面に半導体ウエハを吸着させるために吸着溝内に半導体ウエハをステージ1側へ引っ張る方向に生じさせる負圧を低くすることで、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる半導体製造装置の構造について説明する。図4,5は、実施の形態3にかかる半導体製造装置の要部を示す断面図である。図4のステージ21の吸着面22に設けられた吸着溝23を当該吸着面22側から見たレイアウトは、実施の形態1(図1参照)と同様である。すなわち、図4,5には、図1の切断線A-A’における断面形状が示されている。実施の形態3にかかる半導体製造装置が実施の形態1にかかる半導体製造装置と異なる点は、外周部31cの厚さt31を中央部31dの厚さt32よりも厚く残した半導体ウエハ31に適用可能なステージ21を備える点である。
図4,5に示すように、実施の形態3にかかる半導体製造装置のステージ21の吸着面22には、ステージ21の中央部21bよりも外周部21aを凹ませてなる段差25が設けられている。この段差25は、ステージ21の外周に沿って設けられ、ステージ21の中央部21bの周囲を囲む。この段差25により、ステージ21は、中央部21bの厚さt22を外周部21aの厚さt21よりも厚くした断面形状となっている。ステージ21の中央部21bにおいて吸着面22上に、実施の形態1と同様に、吸着溝23およびウエハ保持部24が設けられている。ステージ21の吸着面22の隣り合う吸着溝23間の間隔w11、および、吸着溝23の幅w12は、実施の形態1と同様である。
半導体ウエハ31は、中央部31dを裏面(他方の主面)31b側から研削し、外周部31cの厚さt31を中央部31dの厚さt32よりも厚く残した半導体ウエハである。すなわち、半導体ウエハ31の表面(一方の主面)31aは、略平坦である。半導体ウエハ31の裏面31bには、半導体ウエハ31の外周部31cよりも中央部31dを凹ませてなる段差32が形成されている。半導体ウエハ31の中央部31dの厚さt32は、実施の形態1の半導体ウエハ11の厚さt11(図2参照)と同じ範囲に設定される。
半導体ウエハ31は、裏面31bをステージ21の吸着面22側にして当該吸着面22上に保持されてもよいし(図4)、表面31aをステージ21の吸着面22側にして当該吸着面22上に保持されてもよい(図5)。半導体ウエハ31をステージ21の吸着面22上に保持させたとき、半導体ウエハ31の中央部31dはステージ21の中央部21bに対向し、半導体ウエハ31の外周部31cはステージ21の外周部21aに対向する。
図4に示すように、半導体ウエハ31を、裏面31bをステージ21の吸着面22側にして当該吸着面22上に保持させる場合、半導体ウエハ31の外周部31cの段差32により中央部31dよりも突出した部分は、ステージ21の外周部21aの段差25に収容される。すなわち、半導体ウエハ31の外周部31cが最外周の吸着溝23よりも外側に位置するように、半導体ウエハ31がステージ21の吸着面22上に保持される。
実施の形態3に実施の形態2のステージ1’の吸着溝3’およびウエハ保持部4’(図3参照)を適用してもよい。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、半導体ウエハであっても、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。
(実施例1)
次に、ステージの吸着面に吸着された状態の半導体ウエハの変形量について検証した。図6は、実施例1のステージの吸着面に吸着された状態の半導体ウエハの変形量を示す特性図である。図7は、従来のステージの吸着面に吸着された状態の半導体ウエハの変形量を示す特性図である。変形とは、ステージの吸着面の各吸着溝への吸着箇所で半導体基板がステージ側に引っ張られて凹み、略波状になることである。
図6,7は、半導体ウエハ31の中心を中心(0mm)として半導体ウエハ31の主面に平行な方向の距離を正負の符号を付して示す横軸と、半導体ウエハ31の深さ方向の高低差を正負の符号を付して示す縦軸と、の直交座標である。なお、図6,7では、半導体ウエハ31の深さ方向の高低差を示すために、半導体ウエハ31の深さ方向の所定の位置を縦軸の中心(0μm)として図示する。
実施の形態3にかかる半導体製造装置を用いて、ステージ21の吸着面22の凸状のウエハ保持部24上に、裏面31bをステージ21の吸着面22側にして固定され保持された半導体ウエハ31(図4参照)の変形量を測定した結果を図6に示す(以下、実施例1とする)。
実施例1において、ステージ21の吸着面22の隣り合う吸着溝23間の間隔w11を6mmとし、吸着溝23の幅w12を1.7mmとし、吸着溝23の個数を16個とした。外周部31cの厚さt31を610μmとし、中央部31dの厚さt32を120μmとした8インチの半導体ウエハ31を用いた。ステージ21の吸着面22の吸着溝23内を排気してステージ21の吸着面22の吸着溝23内に当該吸着面22上の半導体ウエハ31をステージ21側へ引っ張る方向に生じさせる負圧(吸着圧)の設定値を-30kPaとした。
比較として、従来の半導体製造装置(図9,10参照)を用いて、ステージ101の吸着面102上に、裏面をステージ101の吸着面102側にして固定され保持された半導体ウエハの変形量を測定した結果を図7に示す(以下、従来例とする)。
従来例では、ステージ101の吸着面102の隣り合う吸着溝103間の間隔w101を12mmとし、吸着溝103の幅w102を1.7mmとし、吸着溝103の個数を8つとした。ステージ101の吸着面102の吸着溝103内を排気してステージ101の吸着面102の吸着溝103内に当該吸着面102上の半導体ウエハをステージ101側へ引っ張る方向に生じさせる負圧(吸着圧)の設定値を-50kPaとした。従来例の半導体ウエハの条件は、実施例1の半導体ウエハ31と同様である。
図7に示す結果より、従来例では、ステージ101の吸着面102に吸着させて保持された状態で半導体ウエハの中央部が波状に変形し、その凹凸の高さは+15μm~-10μm(すなわち半導体ウエハの中央部に生じた凹凸の高低差25μm)に及ぶことが確認された。図7に示す結果において、波状の曲線の下向きの複数のピーク131が、半導体ウエハの、負圧により吸着溝103内に引っ張られている部分である。
一方、図6に示す結果より、実施例1において、ステージ21の吸着面22に吸着させて保持された状態で半導体ウエハ31の中央部31dに生じた凹凸の高さは±5μmの範囲内(具体的には、半導体ウエハ31の中央部31dに生じた凹凸の高低差5μm程度)であり、従来例と比べて半導体ウエハ31の平坦性を向上させることができることが確認された。
図示省略するが、半導体ウエハ31を、表面31aをステージ21の吸着面22側にして当該吸着面22の凸状のウエハ保持部24上に保持させた場合(図5参照)や、実施の形態3に実施の形態2のステージ1’の吸着溝3’およびウエハ保持部4’(図3参照)を適用した場合や、実施の形態1,2のように一様な厚さt11の半導体ウエハ11を用いた場合(図1~3参照)においても、半導体ウエハの中央部に生じた凹凸の高さを±10μm程度の範囲内にすることができ、実施例1と同様の結果が得られることが確認された。
(実施例2)
次に、ステージの吸着面に半導体ウエハを吸着させるために吸着溝内に半導体ウエハをステージ側へ引っ張る方向に生じさせる負圧(吸着圧)の範囲について検証した。図8は、実施例3の半導体ウエハをステージ側へ引っ張る方向に生じさせる負圧の好適な範囲(太枠部分)を示す特性図である。図8には、半導体ウエハのステージに接触する主面上の段差の高さと、ステージの吸着面に半導体ウエハを吸着させるために吸着溝内に半導体ウエハをステージ側へ引っ張る方向に所定の負圧を生じさせるために半導体製造装置に設定される負圧の設定値(吸着圧設定値)と、の関係を示す。図8には、半導体製造装置が正常な吸着であると特定した場合を「○」で示し、正常な吸着でないと特定した場合を「×」で示す。半導体製造装置に設定された負圧の閾値は、-18kPaとした。
実施の形態3にかかる半導体製造装置を用いて、ステージ21の吸着面22の凸状のウエハ保持部24上に表面31aをステージ21側にして半導体ウエハ31を載置した後(図5参照)、当該吸着面22の吸着溝23内を排気して吸着溝23内に半導体ウエハ31をステージ21側へ引っ張る方向に所定の負圧を生じさせる負圧(吸着圧)の設定値を種々変更して、当該吸着面22に半導体ウエハ31が吸着されたか否かを確認した結果を図8に示す(以下、実施例2とする)。ステージ21の条件は、実施例1のステージ21と同様である。
実施例2の半導体ウエハ31として、表面31aの段差(不図示)の高さを、層間絶縁膜により1μmとした試料1と、層間絶縁膜および表面電極を積層して6μmとした試料2と、層間絶縁膜、表面電極およびパッシベーション膜を積層して21μmとした試料3と、を用意した。層間絶縁膜は、BPSG(Boro Phospho Silicate Glass)膜である。表面電極は、アルミニウム-シリコン(Al-Si)膜である。パッシベーション膜は、ポリイミド(PI:polyimide)膜である。実施例2の半導体ウエハ31の、表面31aの段差以外の条件は、実施例1の半導体ウエハ31と同様である。
図8に示す結果より、ステージ21の吸着面22の吸着溝23内に半導体ウエハ31をステージ21側へ引っ張る方向に所定の負圧を生じさせる負圧の設定値を-25kPa未満とすると、表面31aの段差の高さが大きい場合に(具体的には試料2,3)、ステージ21の吸着面22に半導体ウエハ31が固定されないことが確認された。一方、ステージ21の吸着面22の吸着溝23内に半導体ウエハ31をステージ21側へ引っ張る方向に所定の負圧を生じさせる負圧の設定値を-25kPa以上とした場合に、ステージ21の吸着面22の凸状のウエハ保持部24上に半導体ウエハ31が固定され保持されることが確認された。すなわち、負圧の設定値を-25kPa以上とすることで、吸着溝23内に半導体ウエハ31をステージ21側へ引っ張る方向に閾値以上の負圧が生じることが確認された。しかし、ステージ21の吸着面22の吸着溝23内に半導体ウエハ31をステージ21側へ引っ張る方向に所定の負圧を生じさせる負圧の設定値が-60kPa以上である場合、半導体ウエハ31がステージ21の吸着面22の吸着溝23への吸着箇所でステージ21側に引っ張られて凹み、略波状に変形し、半導体ウエハ31の裏面31bに露光処理により形成されたレジストマスクに従来と同様の不具合が生じることが確認された。したがって、ステージの吸着面に半導体ウエハを吸着させるために吸着溝内に半導体ウエハをステージ側へ引っ張る方向に閾値以上の負圧を生じさせる負圧の設定値は、-25kPa以上-50kPa以下であることが好ましいことがわかる。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、表面をステージの吸着面側にして当該吸着面上に半導体ウエハを保持した後(すなわち各実施の形態において、半導体ウエハの一方の主面を表面とし、他方の主面を裏面とする)、半導体ウエハの表面のアライメント(位置合わせ)マークを基準としてアライメントし、半導体ウエハの裏面にフォトリソグラフィ工程を行う場合、ステージの吸着面に、半導体ウエハの表面のアライメントマークの位置を確認するためのカメラが設けられていてもよい。この場合、例えば、ステージの吸着面に埋め込まれるようにカメラが配置され、ステージの吸着面の、当該カメラを配置した部分に吸着溝を設けない構成とすればよい。
以上のように、本発明にかかる半導体製造装置および半導体装置の製造方法は、厚さの薄い半導体ウエハに所定の素子構造を形成して作製(製造)される半導体装置に有用であり、特に、一方の主面の素子構造に対応したパターンで、他方の主面の素子構造が形成される半導体装置に適している。一方の主面の素子構造に対応したパターンで、他方の主面の素子構造が形成される半導体装置としては、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)と、このIGBTに逆並列に接続したFWD(Free Wheeling Diode:還流ダイオード)とを同一の半導体基板(半導体チップ)1上に一体化してなる逆導通IGBT(RC-IGBT:Reverse Conducting IGBT)や、半導体基板の裏面からn+型カソード領域よりも深い位置にp型浮遊領域を有するFWDが挙げられる。
1,1',21 ステージ
2,2',22 ステージの吸着面
3,3',23 ステージの吸着面の吸着溝
4,4',24 ステージの吸着面のウエハ保持部
11 半導体ウエハ
21a ステージの外周部
21b ステージの中央部
25 ステージの吸着面の段差
31 半導体ウエハ
31a 半導体ウエハの表面
31b 半導体ウエハの裏面
31c 半導体ウエハの外周部
31d 半導体ウエハの中央部
32 半導体ウエハの裏面の段差
w1,w1',w11 ステージの隣り合う吸着溝間の間隔
w2,w2',w12 吸着溝の幅

Claims (20)

  1. 半導体基板が載置されるステージと、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられ、前記ステージに載置された前記半導体基板の第1主面を吸着する複数の吸着溝と、
    前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記吸着溝内を排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて前記吸着溝に吸着させる排気手段と、
    前記排気手段により第1主面が前記ステージの前記吸着溝に吸着された前記半導体基板の第2主面に所定処理を行う処理手段と、
    を備え、
    前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記処理手段による処理終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    隣り合う前記吸着溝間の間隔は12mm未満であり、
    前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に前記排気手段により生じさせる前記負圧の設定値は、前記閾値以上で、かつ-25kPa以下-50kPa以上に設定され、
    前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触し、
    前記処理手段は、前記ステージに載置された前記半導体基板の第2主面に、素子構造に応じた露光処理を行う露光手段であり、
    前記負圧の前記設定値は、前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となるように設定されることを特徴とする半導体製造装置。
  2. 半導体基板が載置されるステージと、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられ、前記ステージに載置された前記半導体基板の第1主面を吸着する複数の吸着溝と、
    前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記吸着溝内を排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて前記吸着溝に吸着させる排気手段と、
    前記排気手段により第1主面が前記ステージの前記吸着溝に吸着された前記半導体基板の第2主面に所定処理を行う処理手段と、
    を備え、
    前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記処理手段による処理終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    隣り合う前記吸着溝間の間隔は12mm未満であり、
    前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に前記排気手段により生じさせる前記負圧の設定値は、前記閾値以上で、かつ-25kPa以下-50kPa以上に設定され、
    前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触し、
    前記ステージは、
    前記半導体基板が載置される面に、外周に沿って、中央部よりも外周部を凹ませてなる第1段差を有し、
    前記第1段差によって中央部の厚さを外周部の厚さよりも厚くした断面形状であることを特徴とする半導体製造装置。
  3. 半導体基板が載置されるステージと、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられ、前記ステージに載置された前記半導体基板の第1主面を吸着する複数の吸着溝と、
    前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記吸着溝内を排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて前記吸着溝に吸着させる排気手段と、
    前記排気手段により第1主面が前記ステージの前記吸着溝に吸着された前記半導体基板の第2主面に所定処理を行う処理手段と、
    を備え、
    前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記処理手段による処理終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    隣り合う前記吸着溝間の間隔は12mm未満であり、
    前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に前記排気手段により生じさせる前記負圧の設定値は、前記閾値以上で、かつ-25kPa以下-50kPa以上に設定され、
    前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触し、
    前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に生じる前記負圧は、-18kPaよりも高く、かつ-36.7kPaよりも低く、
    前記半導体基板の厚さは、30μm以上400μm以下であり、
    前記半導体基板は、第1主面に素子構造による21μm以下の高低差の段差を有することを特徴とする半導体製造装置。
  4. 半導体基板が載置されるステージと、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられ、前記ステージに載置された前記半導体基板の第1主面を吸着する複数の吸着溝と、
    前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記吸着溝内を排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて前記吸着溝に吸着させる排気手段と、
    前記排気手段により第1主面が前記ステージの前記吸着溝に吸着された前記半導体基板の第2主面に所定処理を行う処理手段と、
    を備え、
    前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記処理手段による処理終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    隣り合う前記吸着溝間の間隔は12mm未満であり、
    前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に前記排気手段により生じさせる前記負圧の設定値は、前記閾値以上で、かつ-25kPa以下-50kPa以上に設定され、
    前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、前記半導体基板の第1主面との間に密閉空間を形成することを特徴とする半導体製造装置。
  5. 前記処理手段は、前記ステージに載置された前記半導体基板の第2主面に、素子構造に応じた露光処理を行う露光手段であり、
    前記負圧の前記設定値は、前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となるように設定されることを特徴とする請求項4に記載の半導体製造装置。
  6. 半導体基板が載置されるステージと、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられ、前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記半導体基板の第1主面を吸着する複数の吸着溝と、
    前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記吸着溝内を排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて前記吸着溝に吸着させる排気手段と、
    前記排気手段により第1主面が前記ステージの前記吸着溝に吸着された前記半導体基板の第2主面に素子構造に応じた露光処理を行う露光手段と、
    を備え、
    前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記露光手段による前記露光処理の終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    隣り合う前記吸着溝間の間隔は、前記半導体基板の第1主面の全面にわたって前記半導体基板の、前記吸着溝への吸着箇所が分散される狭さの間隔に設定され、
    前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に前記排気手段により生じさせる前記負圧の設定値は、前記閾値以上で、かつ前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となるように設定され、
    前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触し、
    前記焦点深度は、前記露光手段により前記露光処理を処理可能な前記半導体基板の凹凸の高さの上限値であることを特徴とする半導体製造装置。
  7. 半導体基板が載置されるステージと、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられ、前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記半導体基板の第1主面を吸着する複数の吸着溝と、
    前記ステージに前記半導体基板が載置されたときに前記吸着溝内を排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて前記吸着溝に吸着させる排気手段と、
    前記排気手段により第1主面が前記ステージの前記吸着溝に吸着された前記半導体基板の第2主面に素子構造に応じた露光処理を行う露光手段と、
    を備え、
    前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記露光手段による前記露光処理の終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    隣り合う前記吸着溝間の間隔は、前記半導体基板の第1主面の全面にわたって前記半導体基板の、前記吸着溝への吸着箇所が分散される狭さの間隔に設定され、
    前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に前記排気手段により生じさせる前記負圧の設定値は、前記閾値以上で、かつ前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となるように設定され、
    前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、前記半導体基板の第1主面との間に密閉空間を形成することを特徴とする半導体製造装置。
  8. 前記焦点深度は、前記露光手段により前記露光処理を処理可能な前記半導体基板の凹凸の高さの上限値であることを特徴とする請求項1、5、7のいずれか一つに記載の半導体製造装置。
  9. 前記焦点深度は±10μmの範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の半導体製造装置。
  10. 前記ステージの、前記半導体基板が載置される面から突出した凸状で、かつ前記吸着溝の周囲を囲む同心円状に設けられ、前記ステージに載置された前記半導体基板の第1主面に接触して前記半導体基板を保持する保持部をさらに備え、
    前記ステージの前記吸着溝に前記半導体基板が吸着されたときに、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、互いに隣り合う前記保持部間において前記半導体基板の第1主面との間に密閉空間を形成することを特徴とする請求項4または7に記載の半導体製造装置。
  11. 前記ステージは、
    前記半導体基板が載置される面に、外周に沿って、中央部よりも外周部を凹ませてなる第1段差を有し、
    前記第1段差によって中央部の厚さを外周部の厚さよりも厚くした断面形状であることを特徴とする請求項1、3~10のいずれか一つに記載の半導体製造装置。
  12. 前記半導体基板は、
    第1主面に、外周に沿って、中央部を外周部よりも凹ませてなる第2段差を有し、
    前記第2段差によって外周部の厚さを中央部の厚さよりも厚くした断面形状であり、
    前記半導体基板が前記ステージに載置されたときに、前記半導体基板の第1主面の前記ステージ側に突出した外周部が前記ステージの前記第1段差に収容されることを特徴とする請求項11に記載の半導体製造装置。
  13. 前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に生じる前記負圧は、-18kPaよりも高く、かつ-36.7kPaよりも低く、
    前記半導体基板の厚さは、30μm以上400μm以下であり、
    前記半導体基板は、第1主面に素子構造による21μm以下の高低差の段差を有することを特徴とする請求項1または4に記載の半導体製造装置。
  14. 前記半導体基板の厚さは、30μm以上400μm以下であり、
    前記半導体基板は、第1主面に素子構造による21μm以下の高低差の段差を有することを特徴とする請求項6または7に記載の半導体製造装置。
  15. 半導体製造装置のステージに、第1主面を前記ステージ側にして半導体基板を載置する載置工程と、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられた複数の吸着溝内を排気手段により排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて、前記半導体基板の第1主面を前記吸着溝に吸着させることにより、前記ステージに前記半導体基板を固定する排気工程と、
    前記排気工程を継続させた状態で、素子構造に応じた露光処理を前記半導体基板の第2主面に行う露光工程と、
    を含み、
    前記半導体製造装置に、前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記露光工程の終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    前記ステージの隣り合う前記吸着溝間の間隔は、前記半導体基板の第1主面の全面にわたって前記半導体基板の、前記吸着溝への吸着箇所が分散される狭い間隔に設定され、
    前記排気工程では、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に、前記閾値以上で、かつ前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となる設定値で前記負圧を生じさせ、
    前記排気工程では、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触し、
    前記ステージは、
    前記半導体基板が載置される面に、外周に沿って、中央部よりも外周部を凹ませてなる第1段差を有し、
    前記第1段差によって中央部の厚さを外周部の厚さよりも厚くした断面形状であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 半導体製造装置のステージに、第1主面を前記ステージ側にして半導体基板を載置する載置工程と、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられた複数の吸着溝内を排気手段により排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて、前記半導体基板の第1主面
    を前記吸着溝に吸着させることにより、前記ステージに前記半導体基板を固定する排気工程と、
    前記排気工程を継続させた状態で、素子構造に応じた露光処理を前記半導体基板の第2主面に行う露光工程と、
    を含み、
    前記半導体製造装置に、前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記露光工程の終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    前記ステージの隣り合う前記吸着溝間の間隔は、前記半導体基板の第1主面の全面にわたって前記半導体基板の、前記吸着溝への吸着箇所が分散される狭い間隔に設定され、
    前記排気工程では、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に、前記閾値以上で、かつ前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となる設定値で前記負圧を生じさせ、
    前記排気工程では、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、全域で前記半導体基板の第1主面に接触し、
    前記半導体基板の厚さは、30μm以上400μm以下であり、
    前記半導体基板は、第1主面に素子構造による21μm以下の高低差の段差を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 半導体製造装置のステージに、第1主面を前記ステージ側にして半導体基板を載置する載置工程と、
    前記ステージの、前記半導体基板が載置される面に同心円状に設けられた複数の吸着溝内を排気手段により排気し、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所を前記ステージ側へ引っ張る負圧を前記吸着溝内に生じさせて、前記半導体基板の第1主面を前記吸着溝に吸着させることにより、前記ステージに前記半導体基板を固定する排気工程と、
    前記排気工程を継続させた状態で、素子構造に応じた露光処理を前記半導体基板の第2主面に行う露光工程と、
    を含み、
    前記半導体製造装置に、前記吸着溝への前記半導体基板の吸着を前記露光工程の終了時まで維持可能な前記負圧の下限値が前記負圧の閾値として予め設定され、
    前記ステージの隣り合う前記吸着溝間の間隔は、前記半導体基板の第1主面の全面にわたって前記半導体基板の、前記吸着溝への吸着箇所が分散される狭い間隔に設定され、
    前記排気工程では、前記半導体基板の第1主面の、前記吸着溝に対向する箇所に、前記閾値以上で、かつ前記負圧により前記半導体基板に生じる凹凸が前記露光処理の焦点深度以下となる設定値で前記負圧を生じさせ、
    前記排気工程では、前記ステージの、互いに隣り合う前記吸着溝間の部分は、前記半導体基板の第1主面との間に密閉空間を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 前記ステージは、
    前記半導体基板が載置される面に、外周に沿って、中央部よりも外周部を凹ませてなる第1段差を有し、
    前記第1段差によって中央部の厚さを外周部の厚さよりも厚くした断面形状であることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記半導体基板は、
    第1主面に、外周に沿って、中央部を外周部よりも凹ませてなる第2段差を有し、
    前記第2段差によって外周部の厚さを中央部の厚さよりも厚くした断面形状であり、
    前記載置工程では、前記半導体基板の第1主面の前記ステージ側に突出した外周部が前記ステージの前記第1段差に収容されることを特徴とする請求項15または18に記載の半導体製造装置の製造方法。
  20. 前記半導体基板の厚さは、30μm以上400μm以下であり、
    前記半導体基板は、第1主面に素子構造による21μm以下の高低差の段差を有することを特徴とする請求項15、17~19のいずれか一つに記載の半導体製造装置の製造方法。
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