JP7143484B1 - 制御装置、制御方法、及び配送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】無人配送機の待機時間の観点から配送効率を高めることが可能な制御装置、制御方法、及び配送システムを提供する。【解決手段】配送システム2は、無人配送機1により配送先に配送されるべき物品の受取人が当該配送先から当該物品の受け取り地点に到着する推定到着時間を推定し、受け取り地点に到着した無人配送機1が当該受け取り地点において待機している時間が、推定された推定到着時間に応じた待機時間を超えた場合、無人配送機1を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる。【選択図】図8
Description
本発明は、無人配送機を用いて物品を配送先へ効率的に配送するシステム等の技術分野に関する。
従来、特許文献1には、最適化された配送を実現できるようにするために、荷物を積み込む積み込み地点および荷物を受け取る受け取り地点のうちの少なくとも2つの地点の経由にかかる周回時間などに基づいて、荷物を配送する無人自動走行車の配送計画を作成する技術が開示されている。特許文献1によれば、配送計画の作成に当たって、例えば受取人が不在のときのために、荷物の受け取り時間のタイムアウトが設定されるようになっている。
しかし、従来技術のような一律のタイムアウトの設定では、例えば、受取人が居住場所から無人配送機の待機地点まで移動するのにかかる時間は建物の広さや構造によって大きく異なるため(例えば、高層マンションにおける高層階の住民は待機地点までに移動するのに一戸建ての住民よりも時間がかかる)、受取人が不在であるにも関わらず必要以上に待機したり、または、受取人が待機地点に向かっているにも関わらず無人配送機が出発してしまい再配送となったりするなど、配送効率が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題等に鑑みてなされたものであり、無人配送機の待機時間の観点から配送効率を高めることが可能な制御装置、制御方法、及び配送システムを提供することを課題の一つとする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、物品を配送先に配送するための無人配送機を制御する制御装置であって、前記物品の受取人が前記配送先から当該物品の受け取り地点に到着する時間を推定する推定手段と、前記受け取り地点に到着した前記無人配送機が当該受け取り地点において待機している時間が、前記推定手段により推定された時間に応じた待機時間を超えた場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる移動制御手段と、を備えることを特徴とする。これにより、無人配送機が受け取り地点に無駄に待機することを防ぐことができ、無人配送機の待機時間の観点から配送効率を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制御装置において、前記推定手段は、複数階からなる建物内において前記配送先がある階の階数に基づいて、前記時間を推定することを特徴とする。これにより、受取人が配送先から受け取り地点に到着する時間をより迅速に推定することができ、また、当該時間の推定精度を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の制御装置において、前記推定手段は、前記配送先がある階と前記受け取り地点に対応する階との差が大きいほど長い前記時間を推定することを特徴とする。これにより、受取人が配送先から受け取り地点に到着する時間の推定精度をより一層高めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の制御装置において、前記推定手段は、前記配送先がある階を含む複数階からなる建物内の設備の現在の稼働状況を示す稼働状況情報を取得し、前記稼働状況情報に基づいて、前記時間を推定することを特徴とする。これにより、受取人が配送先から受け取り地点に到着する時間の推定精度をより一層高めることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の制御装置において、前記設備は、前記建物内において人をある階から別の階に搬送するための搬送手段であり、前記推定手段は、前記搬送手段が一時的に停止している階と、前記配送先がある階との差に基づいて、前記時間を推定することを特徴とする。これにより、受取人が配送先から受け取り地点に到着する時間の推定精度をより一層高めることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の制御装置において、前記推定手段は、前記配送先がある階を含む複数階からなる建物において当該配送先がある階の階数に対応する過去の実績待機時間に基づいて、前記時間を推定することを特徴とする。これにより、受取人が配送先から受け取り地点に到着する時間の推定精度をより一層高めることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の制御装置において、前記移動制御手段は、前記無人配送機が待機している時間が前記待機時間を超えた場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる前に、前記配送先から前記受け取り地点までの受取人の動線上にある設備に関する制御情報を取得し、当該設備が一時的に利用困難な状態になっていることを前記制御情報から判定すると、前記待機時間を延長させることを特徴とする。これにより、受取人以外の問題で受取人が受け取り地点に到着することが推定よりも少し遅れた場合であっても、当該受取人は受け取り地点において物品を受け取ることができるため、物品の受け渡しの利便性を高めることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の制御装置において、前記移動制御手段は、前記無人配送機が待機している時間が前記待機時間を超えた場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる前に、前記配送先がある階を含む複数階からなる建物内のエレベータに関する制御情報を取得し、前記エレベータが前記配送先がある階から移動中であることを前記制御情報から判定するか、または前記配送先がある階において前記エレベータを呼ぶためのボタンが押下されたことを前記制御情報から判定すると、前記待機時間を延長させることを特徴とする。これにより、受取人以外の問題または受取人側の問題で受取人が受け取り地点に到着することが推定よりも少し遅れた場合であっても、当該受取人は受け取り地点において物品を受け取ることができるため、物品の受け渡しの利便性を高めることができる。
請求項9に記載の発明は、物品を配送先に配送するための無人配送機を制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、前記物品の受取人が前記配送先から当該物品の受け取り地点に到着する時間を推定するステップと、前記受け取り地点に到着した前記無人配送機が当該受け取り地点において待機している時間が、前記推定手段により推定された時間に応じた待機時間を超えた場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させるステップと、を含むことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、物品を配送先に配送するための無人配送機を備える配送システムであって、前記物品の受取人が前記配送先から当該物品の受け取り地点に到着する時間を推定する推定手段と、前記受け取り地点に到着した前記無人配送機が当該受け取り地点において待機している時間をカウントし、当該時間が前記推定手段により推定された時間に応じた待機時間を超えたか否かを判定する判定手段と、前記待機時間を超えたと判定された場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる移動制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、無人配送機が受け取り地点に無駄に待機することを防ぐことができ、無人配送機の待機時間の観点から配送効率を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
[1.配送システムSの構成]
先ず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る配送システムSの構成について説明する。図1は、配送システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、配送システムSは、無人配送機1、及び管理サーバ2を含んで構成される。物品を配送先に配送するために、無人配送機1には、UGV(Unmanned Ground Vehicle)、またはUAV(Unmanned Aerial Vehicle)が用いられる。UGVは、無人で地上を自律的に走行することが可能になっている。UGVは、複数の車輪を有する車両であってもよいし、車輪を有しないロボット(例えば、2足歩行ロボット)等であってもよい。UAVは、ドローン、またはマルチコプタとも呼ばれ、無人で空中を自律的に飛行することが可能になっている。管理サーバ2は、物品の配送を管理及び制御するためのサーバである。また、管理サーバ2は、制御装置として、無人配送機1を制御することもできる。管理サーバ2は、無人配送機1との間で通信ネットワークNWを介して通信可能になっている。なお、通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。
先ず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る配送システムSの構成について説明する。図1は、配送システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、配送システムSは、無人配送機1、及び管理サーバ2を含んで構成される。物品を配送先に配送するために、無人配送機1には、UGV(Unmanned Ground Vehicle)、またはUAV(Unmanned Aerial Vehicle)が用いられる。UGVは、無人で地上を自律的に走行することが可能になっている。UGVは、複数の車輪を有する車両であってもよいし、車輪を有しないロボット(例えば、2足歩行ロボット)等であってもよい。UAVは、ドローン、またはマルチコプタとも呼ばれ、無人で空中を自律的に飛行することが可能になっている。管理サーバ2は、物品の配送を管理及び制御するためのサーバである。また、管理サーバ2は、制御装置として、無人配送機1を制御することもできる。管理サーバ2は、無人配送機1との間で通信ネットワークNWを介して通信可能になっている。なお、通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。
貨物として、無人配送機1に積載される物品(つまり、無人配送機1により配送先に配送されるべき物品)は、例えば、EC(Electronic commerce)サイトまたは宅配サイトなどで注文される注文品(例えば、商品または宅配品)である。このような物品は、配送拠点から、配送依頼人(例えば、商品の注文者)による注文で指定された配送先(配達先)に向けて運搬される。配送拠点は、物品が無人配送機1に積み込まれる場所である。物品の配送先は、例えば、物品の受取人が居住する住宅、或いは、物品の受取人が勤務するオフィスなどである。なお、物品の配送先は、住宅やオフィスの出入口(例えば、玄関)がある地点(場所)ということもできる。
本実施形態では、物品の配送先と受け取り地点とが離れている場合を想定する。受け取り地点は、無人配送機1が待機する待機地点である。受け取り地点は、UAVが離着陸する離着陸ポートであってもよい。配送先が一戸建て住宅である場合、当該住宅が建てられた敷地と道路との境にある門扉付近が受け取り地点となる。なお、配送先が一戸建て住宅である場合の配送先タイプを「一戸建てタイプ」と称する。この場合、受取人は住宅から玄関アプローチを通って受け取り地点へ向かうことになる。このような住宅が大邸宅であり、玄関アプローチの距離が長い場合、受取人は住宅から受け取り地点に到着するまでの時間が長くなる。
また、配送先が集合住宅(例えば、高層マンション)やオフィスビルなどの複数階(複数フロアや複数層ともいう)からなる建物内の一室にある場合、建物の1階のエントランス(共用スペース)付近(例えば、建物の共通出入口用の自動開閉扉付近)が受け取り地点となる。なお、配送先が、複数階からなる建物内にある場合の配送先タイプを、「集合タイプ」と称する。配送先タイプが集合タイプである場合、受取人はエレベータまたは階段を利用して受け取り地点へ向かうことになる。ここで、エレベータは、配送先がある階(例えば、居住フロア、または業務フロア)を含む複数階からなる建物内において人をある階から別の階に搬送するための搬送手段(建物内の設備)の一例である。搬送手段の他の例として、エスカレータが挙げられる。
図2は、高層マンションの一室にある配送先から受け取り地点までの動線の一例を示す概念図である。図2の動線L(矢印)で示すように、受取人Xは高層マンションM内にある自室(配送先)Dから高層マンションM内にあるエレベータEを利用して受け取り地点Pへ向かうことになる。仮に、エレベータEがメンテナンス(整備)等で利用不可である場合、受取人Xは自室Dから高層マンションM内の階段を利用して受け取り地点Pへ向かうことになる。また、図1の例では、UGVが物品を配送する例を示しているが、UAVが物品を配送する場合、建物の屋上(最上階)に設けられた離着陸ポートが受け取り地点となる場合もある。
[1-1.UGVの構成及び機能]
次に、図3を参照して、無人配送機1として用いられるUGVの構成及び機能について説明する。図3は、UGVの概要構成例を示す図である。図3に示すように、UGVは、駆動部11a、測位部12a、通信部13a、センサ部14a、操作・表示部15a、記憶部16a、及び制御部17a(制御装置の一例)等を備える。さらに、UGVは、UGVの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)、車輪W、及び積載される物品を格納するための格納庫B等を備える。図1の例では、格納庫Bは複数備えられており、そのうち中央の最下段部にある格納庫Bの開閉扉が開かれ、物品を収納する収納箱Cを取り出し可能になっている。
次に、図3を参照して、無人配送機1として用いられるUGVの構成及び機能について説明する。図3は、UGVの概要構成例を示す図である。図3に示すように、UGVは、駆動部11a、測位部12a、通信部13a、センサ部14a、操作・表示部15a、記憶部16a、及び制御部17a(制御装置の一例)等を備える。さらに、UGVは、UGVの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)、車輪W、及び積載される物品を格納するための格納庫B等を備える。図1の例では、格納庫Bは複数備えられており、そのうち中央の最下段部にある格納庫Bの開閉扉が開かれ、物品を収納する収納箱Cを取り出し可能になっている。
駆動部11aは、モータ及び回転軸等を備える。駆動部11aは、制御部17aから出力された制御信号に従って駆動するモータ及び回転軸等により複数の車輪Wを回転させる。測位部12aは、電波受信機等を備える。測位部12aは、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUGVの現在位置(緯度及び経度)を検出する。なお、UGVの現在位置は、GNSSの衛星から発信された電波に加えて、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)処理により特定されてもよい。UGVの現在位置は、センサ部14aのカメラにより撮像された画像に基づいて補正されてもよい。測位部12aにより検出された現在位置を示す位置情報は、制御部17aへ出力される。
通信部13aは、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。また、通信部13aは、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能を備え、受取人の端末(例えば、スマートフォン等)との間で近距離無線通信を行ってもよい。センサ部14aは、カメラ等の光学センサを備える。例えば、光学センサは、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的にセンシング(例えば、撮像)する。センサ部14aのセンシングにより得られたセンシング情報は、制御部17aへ出力される。操作・表示部15aは、受取人の操作を受け付ける入力機能と、情報を表示する表示機能とを有するディスプレイ(タッチパネル)を備える。記憶部16aは、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。また、記憶部16aは、UGVの機体IDを記憶する。この機体IDは、UGVを識別するための識別情報である。
制御部17aは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備え、ROM(または、記憶部16a)に記憶されたプログラムに従って各種制御を実行する。例えば、制御部17aは、配送先に向けてUGVを移動させる制御(走行制御)を行う。かかる制御においては、測位部12aから取得された位置情報、センサ部14aから取得されたセンシング情報、後述の配送先情報及び配送スケジュール等が用いられて、車輪Wの回転数の制御、UGVの位置及び進行方向の制御が行われる。これにより、UGVは自律的に配送先に向けて移動することができる。なお、UGVの走行中に、UGVの位置情報、及びUGVの機体IDは、通信部13aにより管理サーバ2へ逐次送信される。
ここで、配送先情報及び配送スケジュールは、管理サーバ2から注文ID及び受取人情報とともにUGVへ送信されて制御部17aに設定されるとよい。注文IDは、注文を識別するための識別情報である。注文IDの代わりに、物品を識別するための物品IDが用いられてもよい。受取人情報には、受取人のメールアドレスまたは電話番号が含まれる。配送先情報には、例えば、配送先の住所、及び物品の受け取り地点の位置情報が含まれ、かかる位置情報は、緯度及び経度で表されるとよい。受け取り地点は、人為的に決定されてもよいし、配送先を含む地図データから機械的に決定されてもよい。
また、配送先タイプが集合タイプである場合、配送先情報には、さらに、建物情報(例えば、建物名)、建物の階の総数(例えば、16階建)、配送先がある階の階数(例えば、8階)及び部屋番号が含まれる。一方、配送先タイプが一戸建てタイプである場合、配送先情報には、さらに、玄関アプローチの距離が含まれる。なお、複数の配送先それぞれに物品が配送される場合、配送先ごとに配送先情報が設定される。配送スケジュールには、配送ルート及び配送日程が含まれる。配送日程には、UGVが受け取り地点に到着する到着予定時刻等が含まれるとよい。
そして、UGVが物品の受け取り地点に到着すると、UGVの到着を示す到着情報が受取人に通知される。例えば、当該到着情報を記述するメールが受取人のメールアドレス宛に送信されるか、または当該到着情報を記述するメッセージがSMS(Short Message Service)により受取人の電話番号宛に送信されることで受取人に通知される。かかる通知は、制御部17aにより行われてもよいし、管理サーバ2により行われてもよい。後者の場合、UGVが受け取り地点に到着すると、UGVの到着を示す到着情報が通信部13aにより管理サーバ2へ送信されるとよい。
到着情報が受取人に通知されると、制御部17aは、受け取り地点においてUGVが待機している時間をカウントし、当該UGVが待機している時間(カウント開始からの経過時間)が、受取人の推定到着時間に応じた待機時間(上限値)を超えるまでの間に受け取り地点に到着した受取人に対して物品を受け渡す(受け取らせる)ための制御を行う。例えば、受取人により操作・表示部15aのディスプレイから、格納庫Bの開閉扉を解錠(つまり、開閉扉のロックを解除)するための入力データが入力されると、当該入力データが制御部17aにより取得される。かかる入力データは、数字や記号からなるコードデータであってもよいし、受取人の指紋等の生体データであってもよい。
なお、受取人の端末とUGVとの間で近距離無線通信が行われる場合、受取人により端末から入力された入力データが通信部13aを介して制御部17aにより取得されてもよい。また、上記推定到着時間は、無人配送機1により配送先に配送されるべき物品の受取人が配送先から受け取り地点に到着する時間として推定された時間であり、かかる推定は、制御部17a(推定手段の一例)により行われてもよいし、管理サーバ2により行われてもよい。上記推定到着時間の具体的な推定方法については後述する。
そして、入力データが認証された場合、制御部17aは、物品が格納されている格納庫Bの開閉扉を解錠して当該開閉扉を開放させ、物品またはその収納箱Cを取り出し可能とする。ここで、入力データが認証された場合とは、例えば、当該入力データと、予め設定された認証用データと一致した場合である。入力データと照合される認証用データは、管理サーバ2から注文ID等とともにUGVに送信されて設定されるとよい。ただし、受け渡しに盗難等のリスクがない場合(例えば、配送先が特定の企業内にある場合)、入力データの認証は不要となるので、認証用データは設定されなくてもよい。
一方、制御部17a(移動制御手段の一例)は、受け取り地点に受取人が到着せず(現れず)、UGVが待機している時間が、受取人の推定到着時間に応じた待機時間を超えた場合(つまり、タイムアウトの場合)、UGVを次の配送先または配送拠点に向けて移動(走行)させる制御を行う。ここで、UGVが待機している時間が、設定された待機時間を超えたか否かの判定は、制御部17aにより行われてもよいし、管理サーバ2により行われてもよい。前者の場合、待機時間は、管理サーバ2から注文IDとともにUGVへ送信されて制御部17aに設定される。一方、後者の場合、制御部17aは、UGVが受け取り地点に到着した後、管理サーバ2からの移動制御指令が通信部13aにより受信された場合、UGVを次の配送先または配送拠点に向けて移動させる。
なお、UGVが待機している時間が待機時間を超えた場合、制御部17aは、UGVを次の配送先または配送拠点に向けて移動させる前に、配送先から受け取り地点までの受取人の動線(例えば、最短の動線)上にある設備に関する制御情報を例えば建物内にある制御機器から取得し、当該設備が一時的に利用困難(利用不可も含む)な状態になっていることを当該制御情報から判定すると、待機時間を延長させてもよい。ここで、受取人の動線上にある設備とは、受取人が配送先から受け取り地点まで移動する途中にある設備であり、例として、エレベータ、エスカレータ、自動開閉扉などが挙げられる。自動開閉扉は、1階建ての建物(平屋)内に設置される場合もある。
一時的に利用困難な状態の例として、エレベータ、エスカレータ、または自動開閉扉が一時的な不具合で動作しなくなっていること、引越しでエレベータが一時的に引越し業者に占有されていることなどが挙げられる。このような場合、受取人が余計に待たされたり、受取人の動線が変わったり(例えば、階段の利用による)することで受け取り地点に到着することが推定よりも遅れることが想定されるため、待機時間を延長させるのである。これにより、受取人以外の問題で受取人が受け取り地点に到着することが推定よりも少し遅れた場合であっても、当該受取人は受け取り地点において物品を受け取ることができるため、物品の受け渡しの利便性を高めることができる。
また、別の例として、UGVが待機している時間が待機時間を超えた場合、制御部17aは、UGVを次の配送先または配送拠点に向けて移動させる前に、エレベータに関する制御情報を例えば建物内にある制御機器から取得し、エレベータが、配送先がある階から移動中であることを当該制御情報から判定するか、または配送先がある階においてエレベータを呼ぶためのボタンが押下されたことを当該制御情報から判定すると、待機時間を延長させてもよい。これにより、受取人以外の問題または受取人側の問題で受取人が受け取り地点に到着することが推定よりも少し遅れた場合であっても、当該受取人は受け取り地点において物品を受け取ることができるため、物品の受け渡しの利便性を高めることができる。
[1-2.UAVの構成及び機能]
次に、図4を参照して、無人配送機1として用いられるUAVの構成及び機能について説明する。図4は、UAVの概要構成例を示す図である。図4に示すように、UAVは、駆動部11b、測位部12b、通信部13b、センサ部14b、記憶部15b、及び制御部16b(制御装置の一例)等を備える。さらに、UAVは、UAVの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)、水平回転翼であるロータR(プロペラ)、及び積載される物品を格納するための格納部H等を備える。格納部Hは、格納部Hの側面に開閉扉が設けられてもよいし、格納部Hの下面に開閉扉が設けられてもよい。なお、格納部Hには、ワイヤ、及びワイヤの送り出しまたは巻き取りを行うリール(ウインチ)が備えられてもよい。これにより、UAVがホバリングしている状態で格納部Hを地面方向に降下させることができる。
次に、図4を参照して、無人配送機1として用いられるUAVの構成及び機能について説明する。図4は、UAVの概要構成例を示す図である。図4に示すように、UAVは、駆動部11b、測位部12b、通信部13b、センサ部14b、記憶部15b、及び制御部16b(制御装置の一例)等を備える。さらに、UAVは、UAVの各部へ電力を供給するバッテリ(図示せず)、水平回転翼であるロータR(プロペラ)、及び積載される物品を格納するための格納部H等を備える。格納部Hは、格納部Hの側面に開閉扉が設けられてもよいし、格納部Hの下面に開閉扉が設けられてもよい。なお、格納部Hには、ワイヤ、及びワイヤの送り出しまたは巻き取りを行うリール(ウインチ)が備えられてもよい。これにより、UAVがホバリングしている状態で格納部Hを地面方向に降下させることができる。
駆動部11bは、モータ及び回転軸等を備える。駆動部11bは、制御部16bから出力された制御信号に従って駆動するモータ及び回転軸等により複数のロータRを回転させる。測位部12bは、電波受信機及び高度センサ等を備える。測位部12bは、例えば、GNSSの衛星から発信された電波を電波受信機により受信し、当該電波に基づいてUAVの水平方向の現在位置(緯度及び経度)を検出する。なお、UAVの水平方向の現在位置は、センサ部14bのカメラにより撮像された画像に基づいて補正されてもよい。測位部12bにより検出された現在位置を示す位置情報は、制御部16bへ出力される。さらに、測位部12bは、気圧センサ等の高度センサによりUAVの垂直方向の現在位置(高度)を検出してもよい。この場合、位置情報には、UAVの高度を示す高度情報が含まれる。
通信部13bは、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。また、通信部13bは、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能を備え、UAVの離着陸ポートに設置された操作パネル、または受取人の端末(例えば、スマートフォン等)との間で近距離無線通信を行ってもよい。センサ部14bは、UAVの飛行制御のために必要な各種センサを備える。各種センサには、例えば、光学センサ、3軸角速度センサ、3軸加速度センサ、及び地磁気センサ等が含まれる。光学センサは、例えばカメラにより構成される。例えば、光学センサは、カメラの画角に収まる範囲内の実空間を連続的にセンシング(例えば、撮像)する。センサ部14bのセンシングにより得られたセンシング情報は、制御部16bへ出力される。記憶部15bは、不揮発性メモリ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。また、記憶部15bは、UAVを識別する機体IDを記憶する。この機体IDは、UAVを識別するための識別情報である。
制御部16bは、CPU、ROM、及びRAM等を備え、ROM(または、記憶部15b)に記憶されたプログラムに従って各種制御を実行する。例えば、制御部16bは、配送先に向けてUAVを移動させる制御(飛行制御)を行う。かかる制御においては、測位部12bから取得された位置情報、センサ部14bから取得されたセンシング情報、配送先情報及び配送スケジュール等が用いられて、ロータRの回転数の制御、UAVの位置、姿勢及び進行方向の制御が行われる。これにより、UAVは自律的に配送先に向けて移動することができる。なお、UAVの飛行中に、UAVの位置情報、及びUAVの機体IDは、通信部13bにより管理サーバ2へ逐次送信される。
ここで、配送先情報及び配送スケジュールは、UGVの場合と同様、管理サーバ2から注文ID及び受取人情報とともにUAVへ送信されて制御部16bに設定されるとよい。配送先情報には、例えば、配送先の住所、及び物品の受け取り地点の位置情報が含まれ、かかる位置情報は、緯度及び経度で表されるとよいが、受け取り地点が建物の屋上にある場合、位置情報は、緯度、経度、及び高度で表されるとよい。配送スケジュールには、配送ルート及び配送日程が含まれ、配送日程には、UAVが受け取り地点に到着する到着予定時刻等が含まれるとよい。
そして、UAVが受け取り地点に到着すると、UGVの場合と同様、UAVの到着を示す到着情報が受取人に通知される。到着情報が受取人に通知されると、制御部16bは、受け取り地点においてUAVが待機している時間をカウントし、当該UAVが待機している時間が、受取人の推定到着時間に応じた待機時間(上限値)を超えるまでの間に受け取り地点に到着した受取人に対して物品を受け渡すための制御を行う。かかる制御は、UAVが受け取り地点に着陸している状態で行われてもよいし、UAVが受け取り地点の上空でホバリングしている状態で行われてもよい。
例えば、操作パネルが設置された離着陸ポート(受け取り地点)にUAVが着陸している状態またはその上空でホバリングしている状態で受け渡しが行われる場合、受取人により当該操作パネルから、格納部Hの開閉扉を解錠するための入力データが入力されると、当該入力データは近距離無線通信によりUAVへ送信されることで通信部13bを介して制御部16bにより取得される。なお、受取人の端末とUAVとの間で近距離無線通信が行われる場合、受取人により端末から入力された入力データが通信部13bを介して制御部16bにより取得される。また、上記推定到着時間の推定は、制御部16b(推定手段の一例)により行われてもよいし、管理サーバ2により行われてもよい。
そして、UAVが着陸している状態で入力データが認証された場合、制御部16bは、物品が格納されている格納部Hの側面の開閉扉を解錠して当該開閉扉を開放させ、物品またはその収納箱を取り出し可能とする。一方、UAVがホバリングしている状態で入力データが認証された場合、制御部16bは、ホバリングしているUAV1のリールによってワイヤの送り出しを行うことで、格納部Hを地面方向に降下させ、格納部Hが接地した場合に格納部Hの側面の開閉扉を解錠して当該開閉扉を開放させてもよい。或いは、制御部16bは、UAVがホバリングしている状態で格納部Hの下面の開閉扉を解錠して当該開閉扉を開放させることで、物品またはその収納箱を投下させてもよい。
一方、制御部16b(移動制御手段の一例)は、受け取り地点に受取人が到着せず、UAVが待機している時間が、受取人の推定到着時間に応じた待機時間を超えた場合、UAVを次の配送先または配送拠点に向けて移動(飛行)させる制御を行う。ここで、UAVが待機している時間が、設定された待機時間を超えたか否かの判定は、UGVの場合と同様、制御部16bにより行われてもよいし、管理サーバ2により行われてもよい。前者の場合、待機時間は、管理サーバ2から注文IDとともにUAVへ送信されて制御部16bに設定される。一方、後者の場合、制御部16bは、UAVが受け取り地点に到着した後、管理サーバ2からの移動制御指令が通信部13bにより受信された場合、UAVを次の配送先または配送拠点に向けて移動させる。
なお、UAVが待機している時間が待機時間を超えた場合、制御部16bは、UGVの場合と同様、UAVを次の配送先または配送拠点に向けて移動させる前に、配送先から受け取り地点までの受取人の動線上にある設備に関する制御情報を例えば建物内にある制御機器から取得し、当該設備が一時的に利用困難な状態になっていることを当該制御情報から判定すると、待機時間を延長させてもよい。また、UGVが待機している時間が待機時間を超えた場合、制御部16bは、UGVの場合と同様、UAVを次の配送先または配送拠点に向けて移動させる前に、エレベータに関する制御情報を例えば建物内にある制御機器から取得し、エレベータが、配送先がある階から移動中であることを当該制御情報から判定するか、または配送先がある階においてエレベータを呼ぶためのボタンが押下されたことを当該制御情報から判定すると、待機時間を延長させてもよい。
[1-3.管理サーバ2の構成及び機能]
次に、図5及び図6を参照して、管理サーバ2の構成及び機能について説明する。図5は、管理サーバ2の概要構成例を示す図である。図5に示すように、管理サーバ2は、通信部21、記憶部22、及び制御部23等を備える。通信部21は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。無人配送機1から送信された位置情報及び機体IDは、通信部21により受信される。管理サーバ2は、無人配送機1の位置情報により無人配送機1の現在位置を認識することができる。記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。
次に、図5及び図6を参照して、管理サーバ2の構成及び機能について説明する。図5は、管理サーバ2の概要構成例を示す図である。図5に示すように、管理サーバ2は、通信部21、記憶部22、及び制御部23等を備える。通信部21は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。無人配送機1から送信された位置情報及び機体IDは、通信部21により受信される。管理サーバ2は、無人配送機1の位置情報により無人配送機1の現在位置を認識することができる。記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。
また、記憶部22には、注文管理データベース(DB)221、機体管理データベース(DB)222、及び待機実績データベース(DB)223等が構築される。なお、これらのデータベース221~223は一つのデータベースにより構成されてもよい。また、これらのデータベース221~223は、管理サーバ2以外のデータベースサーバ内に構築されてもよい。注文管理データベース221は、物品の注文に関する情報を管理するためのデータベースである。注文管理データベース221には、注文ID、注文に含まれる物品の物品ID、当該物品の名称(例えば、商品名)、配送先情報、受取人情報、及び物品を配送する無人配送機1の機体ID等が注文ごとに対応付けられて格納(登録)される。
機体管理データベース222は、無人配送機1に関する情報を管理するためのデータベースである。機体管理データベース222には、無人配送機1の機体ID、及び無人配送機1に対して割り当てられた配送スケジュール等が無人配送機1ごとに対応付けられて格納(登録)される。待機実績データベース223は、複数階からなる建物における複数の無人配送機(図1に示す無人配送機1以外の無人配送機も含む)による過去の待機実績を管理するためのデータベースである。待機実績データベース223には、建物情報、無人配送機による階別の実績待機時間、及びタイムアウト有無等が建物ごとに対応付けられて格納(登録)される。
制御部23は、CPU,ROM,及びRAM等を備え、ROMまたは記憶部22に記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。図6は、制御部23における機能ブロック例を示す図である。制御部23は、上記プログラムの実行により、図6に示すように、到着時間推定部231(推定手段の一例)、及び機体制御部232(判定手段移動制御手段の一例)等として機能する。
到着時間推定部231は、受取人の推定到着時間を推定(換言すると、予測)する。ここで、当該推定到着時間は、配送先から受け取り地点までにかかる所要時間(例えば、5分)で表されてもよいし、受け取り地点の到着時刻(例えば、10:03)で表されてもよい。配送先タイプが一戸建てタイプである場合、到着時間推定部231は、配送先から受け取り地点までの距離(例えば、玄関アプローチの距離)を配送先情報から特定し、当該特定された距離に基づいて、受取人の推定到着時間を推定する。例えば、特定された距離が長いほど長い推定到着時間が推定される。なお、一戸建てタイプの場合の推定到着時間の推定では、距離と所要時間との関係を規定する演算式f(x)またはテーブルは用いられるとよい。これにより、上記特定された距離に対応する所要時間が推定到着時間として得られる。
一方、配送先タイプが集合タイプである場合、到着時間推定部231は、配送先がある階の階数を配送先情報から特定し、当該特定された階数に基づいて、受取人の推定到着時間を推定する。これにより、当該推定到着時間をより迅速に推定することができ、また、当該推定到着時間の推定精度を高めることができる。例えば、受け取り地点が建物の1階のエントランス付近にある場合、配送先がある階の階数が大きいほど長い推定到着時間が推定される。これは、配送先が下層階(例えば、5階)にあるよりも上層階(例えば、12階)にある方が受取人の所要時間が長くなるためである。ただし、UAVが物品を配送する場合、受け取り地点が建物の屋上に設定される場合もあり、この場合、配送先がある階の階数が小さいほど長い推定到着時間が推定される。
また、受け取り地点が建物の1階のエントランス付近に設定される場合と建物の屋上に設定される場合との双方が考えられる場合、配送先がある階と、受け取り地点に対応する階との差が大きいほど長い推定到着時間が推定されるとよい。これにより、当該推定到着時間の推定精度をより一層高めることができる。ここで、受け取り地点に対応する階とは、受け取り地点が設定された階(1階、または屋上階)を意味するが、受け取り地点が建物外に設定される場合、受け取り地点に対応する階とは、受け取り地点から最も近い階を意味する。なお、複数階からなる建物内に配送先がある場合の推定到着時間の推定では、階数と所要時間との関係を規定する演算式f(x)またはテーブルは用いられるとよい。これにより、上記特定された階数に対応する所要時間が推定到着時間として得られる。
図7は、高層マンションにおいて配送先がある階と受け取り地点に対応する階との差に応じた所要時間の比較例を示す概念図である。図7(A)の例では、受け取り地点Pが高層マンションMの1階にあるため、5階にある配送先D2の受取人X2よりも12階にある配送先D1の受取人X1の方の所要時間が長くなる。一方、図7(B)の例では、受け取り地点Pが高層マンションMの屋上にあるため、5階にある配送先D2の受取人X2よりも12階にある配送先D1の受取人X1の方の所要時間が短くなる。
また、到着時間推定部231は、待機実績データベース223から取得される実績待機時間に基づいて、受取人の推定到着時間を推定してもよい。これにより、当該推定到着時間の推定精度をより一層高めることができる。この場合、到着時間推定部231は、配送先がある建物において当該配送先がある階の階数に対応する過去の実績待機時間を待機実績データベース223から取得し、当該取得した実績待機時間のうちタイムアウトにならなかった実績待機時間を推定到着時間として推定するとよい。
また、配送先がある建物の管理主体(例えば、管理会社等)が情報提供サイトから推奨待機時間を提供している場合、到着時間推定部231は、当該情報提供サイトから推奨待機時間を取得し、当該推奨待機時間に基づいて、受取人の推定到着時間を推定してもよい。これにより、当該推定到着時間の推定精度をより一層高めることができる。ここで、推奨待機時間は、建物内の設備の過去の稼働実績と現在の稼働状況との少なくとも何れか一方に基づいて決定された、より精度の高い待機時間である。過去の稼働実績の例として、平日の朝の時間帯はエレベータが混雑するため、人の待機時間はx分待ちになるとの実績などが挙げられる。現在の稼働状況の例として、稼働中、故障中、メンテナンス中などが挙げられる。
また、到着時間推定部231は、配送先がある建物の管理主体の情報提供サイトから建物内の設備の現在の稼働状況を示す稼働状況情報を取得可能な場合、当該稼働状況情報に基づいて、受取人の推定到着時間を推定してもよい。例えば、建物の1階のエントランスの自動開閉扉が故障中である場合、自動開閉扉が故障中でないときよりも長い推定到着時間が推定される。この場合、受取人が建物の1階のエントランスの自動開閉扉を通らず、別の出入口(非常口)から受け取り地点へ向かうことが想定されるためのである。
別の例として、建物内のエレベータがメンテナンス中(または、故障中)である場合、配送先がある階の階数に対応する所要時間に、所与の時間が加算されることで推定到着時間が推定される。なお、建物内に複数のエレベータがある場合、エレベータの総数nと、メンテナンス中のエレベータの数mとの比(=m/n)に応じた推定到着時間が推定されてもよい。例えば、エレベータの総数が5台であり、そのうち、メンテナンス中のエレベータが1台である場合(1/5)よりも、メンテナンス中のエレベータが3台である場合(3/5)の方が長い推定到着時間が推定される。
以上のように到着時間推定部231により推定された推定到着時間は、通信部21により無人配送機1へ送信される。これにより、無人配送機1において当該推定到着時間に応じた待機時間が設定され、物品の受け取り地点において無人配送機1が待機している時間が、設定された待機時間を超えたか否かが判定されることになる。なお、待機時間は、受取人の推定到着時間と同一であってもよいし、受取人の推定到着時間に所定の余裕時間が加算された時間であってもよい。
或いは、機体制御部232は、物品の受け取り地点において無人配送機1が待機している時間をカウントし、無人配送機1が待機している時間が、到着時間推定部231により推定された推定到着時間に応じた待機時間を超えたか否かを判定してもよい。そして、機体制御部232は、無人配送機1が待機している時間が待機時間を超えたと判定した場合、制御装置として、通信部21により移動制御指令を無人配送機1へ送信させることで無人配送機1を次の配送先または配送拠点に向けて移動させてもよい。なお、無人配送機1が待機している時間のカウントは、無人配送機1の到着を示す到着情報が無人配送機1または管理サーバ2により受取人に通知されたときに開始されてもよいし、無人配送機1の位置情報に基づいて無人配送機1が受け取り地点に到着したことが検知されたときに開始されてもよい。
[2.配送システムSの動作]
次に、図8~図11を参照して、配送システムSの動作について説明する。図8は、無人配送機1の制御部1x(制御部17aまたは制御部16b)により実行される配送処理の一例を示すフローチャートである。図9は、管理サーバ2の制御部23により実行される待機時間推定処理の一例を示すフローチャートである。図10は、図8に示すステップS16の待機時間延長処理の詳細を示すフローチャートである。なお、以下の動作例の前提として、配送スケジュールが割り当てられた無人配送機1には、管理サーバ2から、注文ID、配送先情報、配送スケジュール、及び受取人情報が提供されているものとする。
次に、図8~図11を参照して、配送システムSの動作について説明する。図8は、無人配送機1の制御部1x(制御部17aまたは制御部16b)により実行される配送処理の一例を示すフローチャートである。図9は、管理サーバ2の制御部23により実行される待機時間推定処理の一例を示すフローチャートである。図10は、図8に示すステップS16の待機時間延長処理の詳細を示すフローチャートである。なお、以下の動作例の前提として、配送スケジュールが割り当てられた無人配送機1には、管理サーバ2から、注文ID、配送先情報、配送スケジュール、及び受取人情報が提供されているものとする。
図8に示す処理は、注文にかかる物品を積載する無人配送機1が配送スケジュールにしたがって配送拠点から配送開始したときに開始される。図8に示す処理が開始されると、無人配送機1の制御部1xは、配送先情報が示す最初の配送先の配送先タイプを配送先情報から特定可能であるか否かを判定する(ステップS1)。配送先タイプを特定可能でないと判定された場合(ステップS1:NO)、処理はステップS2へ進む。一方、配送先タイプを特定可能であると判定された場合(ステップS1:YES)、処理はステップS4へ進む。
ステップS2では、無人配送機1の制御部1xは、配送先タイプの入力を受取人へ要求する。かかる要求は、例えば、受取人のメールアドレス宛に配送先タイプの入力を促すメール送信されるか、または配送先タイプの入力を促すメッセージがSMSにより電話番号宛に送信されることで行われる。これにより、受取人は自身の端末により当該メールまたは当該メッセージを受信し、当該メールまたは当該メッセージに記述されたリンクを選択することで表示された入力ページから配送先タイプを入力することができる。なお、配送先タイプが集合タイプである場合、建物の階の総数、及び配送先がある階の階数が入力される。一方、配送先タイプが一戸建てタイプである場合、玄関アプローチの距離が入力される。
次いで、無人配送機1の制御部1xは、配送先タイプ等が所定時間内に入力されたか否かを判定する(ステップS3)。配送先タイプ等が所定時間内に入力されたと判定された場合(ステップS3:YES)、処理はステップS4へ進む。一方、配送先タイプ等が所定時間内に入力されていないと判定された場合(ステップS3:NO)、処理はステップS5へ進む。
ステップS4では、無人配送機1の制御部1xは、配送先タイプが集合タイプであるか否かを判定する。配送先タイプが集合タイプでないと判定された場合(ステップS4:NO)、処理はステップS5へ進む。なお、配送先タイプが集合タイプでないと判定された場合、さらに、配送タイプが不明であるか、または一戸建てタイプであるかが判定される。ここで、一戸建てタイプであると判定された場合、玄関アプローチの距離が特定される。一方、配送先タイプが集合タイプであると判定された場合(ステップS4:YES)、処理はステップS6へ進む。
配送タイプが一戸建てタイプであると判定された場合のステップS5では、無人配送機1の制御部1xは、玄関アプローチの距離に基づいて、受取人の推定到着時間を推定し、当該推定到着時間に応じた待機時間をタイマーに上限値として設定し、処理をステップS9へ進める。この推定では、距離と所要時間との関係を規定する演算式f(x)またはテーブルが用いられる。一方、配送タイプが不明であると判定された場合のステップS5では、無人配送機1の制御部1xは、標準の待機時間をタイマーに上限値(カウントアップ値)として設定し、処理をステップS9へ進める。他方、ステップS6では、無人配送機1の制御部1xは、受取人の推定到着時間の提供要求を管理サーバ2へ送信する。かかる提供要求には、当該配送先に対応付けられた注文IDを含む。
管理サーバ2の制御部23は、無人配送機1からの提供要求を受信すると、提供要求に含まれる注文IDから配送先を特定し、図9に示す処理を開始する。図9に示す処理が開始されると、管理サーバ2の制御部23は、配送先がある建物の管理主体により推奨待機時間が提供されているか否かを判定する(ステップS31)。かかる判定は、推奨待機時間が提供される建物のリストが参照されることで行われるとよい。かかるリストには、例えば、建物の管理主体の情報提供サイトへアクセスするためのアドレス情報が記述されている。建物の管理主体により推奨待機時間が提供されていると判定された場合(ステップS31:YES)、処理はステップS32へ進む。一方、建物の管理主体により推奨待機時間が提供されていないと判定された場合(ステップS31:NO)、処理はステップS34へ進む。
ステップS32では、管理サーバ2の制御部23は、配送先がある建物の管理主体の情報提供サイトに通信ネットワークNWを介してアクセスし、当該提供サイトから建物内にある配送先の階数に対応付けられた推奨待機時間を取得する。次いで、管理サーバ2の制御部23は、ステップS32で取得された推奨待機時間に基づいて、受取人の推定到着時間を推定し(ステップS33)、処理をステップS38に進める。例えば、推奨待機時間が受取人の推定到着時間として推定される。
ステップS34では、管理サーバ2の制御部23は、待機実績データベース223を参照して、配送先がある階の階数に対応する過去の待機実績が十分にあるか否かを判定する。例えば、配送先がある階の階数に対応する過去の実績待機時間のうちタイムアウトにならなかった実績待機時間が所定数以上登録されていれば、過去の待機実績が十分にあると判定され(ステップS34:YES)、処理はステップS35へ進む。一方、過去の待機実績が十分にないと判定された場合(ステップS33:NO)、処理はステップS37へ進む。
ステップS35では、管理サーバ2の制御部23は、配送先がある階の階数に対応する過去の実績待機時間を待機実績データベース223から取得する。次いで、管理サーバ2の制御部23は、ステップS35で取得された実績待機時間のうちタイムアウトにならなかった実績待機時間に基づいて、受取人の推定到着時間を推定し(ステップS36)、処理をステップS38に進める。例えば、実績待機時間が受取人の推定到着時間として推定される。
なお、ステップS36において、配送先がある階の階数に対応する実績待機時間が複数取得された場合、これらの実績待機時間の平均値、最大値、または最小値が受取人の推定到着時間として推定されるとよい。また、当該階の階数のタイムアウト率が閾値(例えば、80%)以上と高い場合、当該階数に対応する実績待機時間の信頼性が低いので、実績待機時間は用いられずに、処理がステップS37へ進んでもよい。階の階数のタイムアウト率とは、当該階数に対応する実績待機時間のうちタイムアウトになった実績待機時間の数(例えば、12)を、当該階の階数に対応する実績待機時間の総数(例えば、15)で割った値である。
ステップS37では、管理サーバ2の制御部23は、配送先がある階の階数に基づいて、受取人の推定到着時間を推定し、処理をステップS38に進める。この推定では、階数と所要時間との関係を規定する演算式f(x)またはテーブルが用いられる。この推定では、階数と所要時間との関係を規定する演算式f(x)またはテーブルが用いられる。この関係は、例えば、5階が60秒、6階が70秒、7階が80秒・・・というように階数毎に異なるものであってもよいし、5階~7階が70秒、8階~10階が100秒というように階数の所定範囲毎に異なるものであってもよい。また、管理サーバ2の制御部23は、配送先がある建物の管理主体の情報提供サイトから、上記推奨待機時間の代わりに、建物内のエレベータの現在の稼働状況を示す稼働状況情報を取得できた場合、配送先がある階の階数、及びエレベータの現在の稼働状況に基づいて、受取人の推定到着時間を推定するとよい。
なお、建物内のエレベータの現在の稼働状況に、エレベータ(正常稼働中)が一時的に停止している階が含まれる場合がある。この場合、管理サーバ2の制御部23は、エレベータが一時的に停止している階と、配送先がある階との差に基づいて、受取人の推定到着時間を推定してもよい。つまり、配送先がある階と、エレベータが一時的に停止している階との差が大きいほど長い推定到着時間が推定される。換言すると、当該差が大きいほど長い時間が、配送先がある階の階数に対応する所要時間に加算される。
図11は、エレベータが一時的に停止している階と配送先がある階との差に応じた推定到着時間の比較例を説明するための概念図である。なお、図11は、受け取り地点Pが高層マンションMの1階にある場合を例にとっている。図11(A)の例では、配送先Dがある階が12階であり、エレベータEが一時的に停止している階が1階である。一方、図11(B)の例では、配送先Dがある階とエレベータEが一時的に停止している階が双方とも12階である。このため、図11(A)の例の方が、矢印で示すようにエレベータEが往復する分、長い推定到着時間が推定されることになる。
ステップS38では、管理サーバ2の制御部23は、上記推定された推定到着時間を、通信ネットワークNWを介して無人配送機1へ送信する。これにより、図8に示すように、無人配送機1の制御部1xは、管理サーバ2からの推定到着時間を取得する(ステップS7)。次いで、無人配送機1の制御部1xは、ステップS7で取得された推定到着時間に応じた待機時間をタイマーに上限値として設定し(ステップS8)、処理をステップS9へ進める。
ステップS9では、無人配送機1の制御部1xは、無人配送機1が配送先情報に示される受け取り地点に到着したか否かを判定する。無人配送機1が受け取り地点に到着していないと判定された場合(ステップS9:NO)、当該処理は繰り返される。一方、無人配送機1が受け取り地点に到着したと判定された場合(ステップS9:YES)、処理はステップS10へ進む。
ステップS10では、無人配送機1の制御部1xは、無人配送機1の到着を示す到着情報を受取人に通知する。例えば、当該到着情報を記述するメールが受取人のメールアドレス宛に送信されるか、または当該到着情報を記述するメッセージがSMSにより受取人の電話番号宛に送信されることで受取人に通知される。なお、UGVの到着を示す到着情報は、無人配送機1が受け取り地点に到着する直前(例えば数秒前)に受取人へ通知されてもよい。なお、ステップS10において、無人配送機1の制御部1xは、当該到着情報を管理サーバ2へ送信してもよい。
次いで、無人配送機1の制御部1xは、受け取り地点において待機している時間のカウントを開始(つまり、タイマーを起動してカウント開始)する(ステップS11)。次いで、無人配送機1の制御部1xは、カウント開始からの経過時間(この例では、受取人への到着情報の送信からの経過時間)が、タイマーに設定された待機時間を超えたか否かを判定する(ステップS12)。カウント開始からの経過時間が待機時間を超えていないと判定された場合(ステップS12:NO)、処理はステップS13へ進む。一方、カウント開始からの経過時間が待機時間を超えたと判定された場合(ステップS12:YES)、処理はステップS15へ進む。
ステップS13では、無人配送機1の制御部1xは、当該注文に含まれる物品の受取人が受け取り地点に到着したか否かを判定する。例えば、制御部1xは、上述したように受取人により入力された入力データを取得したとき、またはカメラにより撮像された画像から受取人を識別したときに、受取人が受け取り地点に到着したと判定し(ステップS13:YES)、当該受取人に対して物品を受け渡すための制御を行い(ステップS14)、物品の受け渡し完了後に、処理をステップS20へ進める。一方、受取人が受け取り地点に到着していないと判定された場合(ステップS13:NO)、処理はステップS12に戻る。
ステップS15では、無人配送機1の制御部1xは、配送先から受け取り地点までの受取人の動線上にある設備に関する制御情報を取得可能であるか否かを判定する。例えば、配送先がある建物内にある制御機器から近距離無線通信により上記設備に関する制御情報が取得可能であると判定された場合(ステップS15:YES)、処理はステップS16へ進む。一方、上記設備に関する制御情報が取得可能でないと判定された場合(ステップS15:NO)、処理はステップS20へ進む。
ステップS16では、無人配送機1の制御部1xは、待機時間延長処理を実行し、処理をステップS17へ進める。この待機時間延長処理では、無人配送機1の制御部1xは、例えば、上記設備が一時的に利用困難な状態になっていることを当該制御情報から判定すると、タイマーに設定された待機時間を所定の延長時間だけ延長する。例えば、タイマーに設定された待機時間が、当該待機時間に所定の延長時間が加算された新たな待機時間に更新(上限値を上げる)される。ここで、所定の延長時間は、固定的な時間(例えば、1~2分)であってよい。
なお、配送先タイプが集合タイプである場合において、ステップS15でエレベータに関する制御情報を取得可能であると判定された場合、図10に示す待機時間延長処理が実行されるとよい。かかる待機時間延長処理では、図10に示すように、無人配送機1の制御部1xは、建物内にある制御機器から近距離無線通信によりエレベータに関する制御情報を取得する(ステップS161)。
ここで、エレベータに関する制御情報には、例えば、エレベータが移動中であるか否かを示す情報、及びエレベータが移動中である場合にどの階からどの階へ移動中であるかを示す情報が含まれる。また、エレベータに関する制御情報には、エレベータを呼ぶためのボタンが押下されているか(換言すると、当該ボタンが点灯中であるか)否かを示す情報、及びボタンが押下されている場合にどの階でボタン押下されたかを示す情報が含まれるとよい。さらに、エレベータに関する制御情報には、移動中のエレベータに人が乗っているか否かを示す情報が含まれてもよい。エレベータに人が乗っているか否かは、上記制御機器によりエレベータ内に設置されたカメラや重量センサにより検出することができる。なお、エレベータが複数設置されている場合、エレベータ毎にエレベータに関する制御情報が取得されるとよい。
次いで、無人配送機1の制御部1xは、ステップS161で取得された制御情報に基づいて、エレベータが、配送先がある階から受け取り地点に対応する階に向けて移動中であるか否かを判定する(ステップS162)。エレベータが、配送先がある階から移動中でないと判定された場合(ステップS162:NO)、処理はステップS163へ進む。一方、エレベータが、配送先がある階から移動中であると判定された場合(ステップS162:YES)、つまり、無人配送機1の制御部1xは、エレベータが、配送先がある階から移動中であることを上記制御情報から判定すると、処理はステップS164へ進む。なお、無人配送機1の制御部1xは、エレベータが、配送先がある階から移動中であり、且つ当該移動中のエレベータに人が乗っていることを上記制御情報から判定した場合に限り、処理をステップS164へ進めてもよい。
ステップS163では、無人配送機1の制御部1xは、ステップS161で取得された制御情報に基づいて、配送先がある階においてエレベータを呼ぶためのボタン(つまり、配送先がある階に設置されたボタン)が押下されているか否かを判定する。配送先がある階においてエレベータを呼ぶためのボタンが押下されていないと判定された場合(ステップS163:NO)、図8に示す処理に戻る。一方、配送先がある階においてエレベータを呼ぶためのボタンが押下されていると判定された場合(ステップS163:YES)、つまり、無人配送機1の制御部1xは、配送先がある階においてエレベータを呼ぶためのボタンが押下されたことを上記制御情報から判定すると、処理はステップS164へ進む。
ステップS164では、無人配送機1の制御部1xは、タイマーに設定された待機時間を所定の延長時間だけ延長し、図8に示す処理に戻る。ここで、所定の延長時間は、固定的な時間(例えば、1~2分)であってもよいし、配送先がある階と受け取り地点に対応する階との差に応じて変化する時間であってもよい。
ステップS17では、無人配送機1の制御部1xは、ステップS16の待機時間延長処理で待機時間が延長されたか否かを判定する。待機時間が延長されたと判定された場合(ステップS17:YES)、処理はステップS18へ進む。一方、待機時間が延長されていないと判定された場合(ステップS17:NO)、処理はステップS20へ進む。
ステップS18では、無人配送機1の制御部1xは、カウント開始からの経過時間が、延長された待機時間を超えたか否かを判定する。カウント開始からの経過時間が延長された待機時間を超えていないと判定された場合(ステップS18:NO)、処理はステップS19へ進む。一方、カウント開始からの経過時間が延長された待機時間を超えたと判定された場合(ステップS18:YES)、処理はステップS20へ進む。
ステップS19では、無人配送機1の制御部1xは、当該注文に含まれる物品の受取人が受け取り地点に到着したか否かを判定する。受取人が受け取り地点に到着したと判定された場合(ステップS19:YES)、処理はステップS14へ移行する。一方、受取人が受け取り地点に到着していないと判定した場合(ステップS19:NO)、処理はステップS18に戻る。
ステップS20では、無人配送機1の制御部1xは、無人配送機1を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、配送システム2は、無人配送機1により配送先に配送されるべき物品の受取人が当該配送先から当該物品の受け取り地点に到着する推定到着時間を推定し、受け取り地点に到着した無人配送機1が当該受け取り地点において待機している時間が、推定された推定到着時間に応じた待機時間を超えた場合、無人配送機1を次の配送先または配送拠点に向けて移動させるように構成したので、無人配送機1が受け取り地点に無駄に待機することを防ぐことができ、無人配送機1の待機時間の観点から配送効率を高めることができる。
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。上記実施形態においては、受取人の推定到着時間は、主として、管理サーバ2により推定されるように構成したが、無人配送機1の制御部1x(推定手段の一例)により当該推定到着時間が推定されてもよい。この場合、無人配送機1により図8に示す処理が行われる。
1 無人配送機
2 管理サーバ
11a,11b 駆動部
12a,12b 測位部
13a,13b 通信部
14a,14b センサ部
15a 操作・表示部
16a,15b 記憶部
17a,16b 制御部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 到着時間推定部
232 機体制御部
NW 通信ネットワーク
S 配送システム
2 管理サーバ
11a,11b 駆動部
12a,12b 測位部
13a,13b 通信部
14a,14b センサ部
15a 操作・表示部
16a,15b 記憶部
17a,16b 制御部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 到着時間推定部
232 機体制御部
NW 通信ネットワーク
S 配送システム
Claims (10)
- 物品を配送先に配送するための無人配送機を制御する制御装置であって、
前記物品の受取人が前記配送先から当該物品の受け取り地点に到着する時間を推定する推定手段と、
前記受け取り地点に到着した前記無人配送機が当該受け取り地点において待機している時間が、前記推定手段により推定された時間に応じた待機時間を超えた場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる移動制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。 - 前記推定手段は、複数階からなる建物内において前記配送先がある階の階数に基づいて、前記時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 前記推定手段は、前記配送先がある階と前記受け取り地点に対応する階との差が大きいほど長い前記時間を推定することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
- 前記推定手段は、前記配送先がある階を含む複数階からなる建物内の設備の現在の稼働状況を示す稼働状況情報を取得し、前記稼働状況情報に基づいて、前記時間を推定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の制御装置。
- 前記設備は、前記建物内において人をある階から別の階に搬送するための搬送手段であり、
前記推定手段は、前記搬送手段が一時的に停止している階と、前記配送先がある階との差に基づいて、前記時間を推定することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。 - 前記推定手段は、前記配送先がある階を含む複数階からなる建物において当該配送先がある階の階数に対応する過去の実績待機時間に基づいて、前記時間を推定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の制御装置。
- 前記移動制御手段は、前記無人配送機が待機している時間が前記待機時間を超えた場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる前に、前記配送先から前記受け取り地点までの受取人の動線上にある設備に関する制御情報を取得し、当該設備が一時的に利用困難な状態になっていることを前記制御情報から判定すると、前記待機時間を延長させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の制御装置。
- 前記移動制御手段は、前記無人配送機が待機している時間が前記待機時間を超えた場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる前に、前記配送先がある階を含む複数階からなる建物内のエレベータに関する制御情報を取得し、前記エレベータが前記配送先がある階から移動中であることを前記制御情報から判定するか、または前記配送先がある階において前記エレベータを呼ぶためのボタンが押下されたことを前記制御情報から判定すると、前記待機時間を延長させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の制御装置。
- 物品を配送先に配送するための無人配送機を制御するコンピュータにより実行される制御方法であって、
前記物品の受取人が前記配送先から当該物品の受け取り地点に到着する時間を推定するステップと、
前記受け取り地点に到着した前記無人配送機が当該受け取り地点において待機している時間が、前記推定手段により推定された時間に応じた待機時間を超えた場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させるステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。 - 物品を配送先に配送するための無人配送機を備える配送システムであって、
前記物品の受取人が前記配送先から当該物品の受け取り地点に到着する時間を推定する推定手段と、
前記受け取り地点に到着した前記無人配送機が当該受け取り地点において待機している時間をカウントし、当該時間が前記推定手段により推定された時間に応じた待機時間を超えたか否かを判定する判定手段と、
前記待機時間を超えたと判定された場合、前記無人配送機を次の配送先または配送拠点に向けて移動させる移動制御手段と、
を備えることを特徴とする配送システム。
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JP2021107878A JP7143484B1 (ja) | 2021-06-29 | 2021-06-29 | 制御装置、制御方法、及び配送システム |
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Family Applications (1)
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