JP7143184B2 - 作動媒体の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非共沸混合媒体を作動媒体としてランキンサイクルの下で循環させ熱エネルギを回収する熱エネルギ回収装置から作動媒体を回収するための回収方法に関する。
作動媒体をランキンサイクルの下で循環させ熱エネルギを回収する様々な熱エネルギ回収装置が開発されている(特許文献1を参照)。作動媒体は蒸発器で加熱媒体と熱交換をし液相から気相に相変化する。このとき作動媒体は加熱媒体から熱エネルギを回収する。熱エネルギを回収した作動媒体は膨張機内で膨張し所定の仕事を行う。すなわち、作動媒体によって回収された熱エネルギは膨張機の動力に変換される。膨張機で仕事をした後の気相の作動媒体はその後、凝縮器で液相の作動媒体に変わる。液相の作動媒体はポンプによって蒸発器に再度供給される。
特開2017-190741号公報
作動媒体として非共沸混合媒体が用いられることがある。非共沸混合媒体には飽和蒸気圧において互いに相違する複数種の媒体成分(以下、第1媒体成分及び第2媒体成分と称される)が含まれている。これらの媒体成分は露点及び沸点が分離した単なる混合物としての性質しか有さない。
作動媒体が熱エネルギ回収装置から漏出したとき、漏出後に熱エネルギ回収装置に残る作動媒体が回収され再度利用されることが好ましい。しかしながら作動媒体が気相の状態となっている区間(すなわち、蒸発器から凝縮器へ至るまでの区間)において作動媒体の漏出が生じたときには、従来技術の下では回収された作動媒体を再利用することは以下の理由から困難である。
第1媒体成分及び第2媒体成分の漏出量は、これらの飽和蒸気圧に影響される。第1媒体成分の飽和蒸気圧が第2媒体成分の飽和蒸気圧よりも高いならば、第1媒体成分の漏出量は第2媒体成分の漏出量よりも大きくなる。この場合、第1媒体成分が熱エネルギ回収装置に残っている作動媒体に占める割合は漏出前の割合と較べて小さくなっている。熱エネルギ回収装置に残っている作動媒体が回収されたとしても作動媒体中の第1媒体成分及び第2媒体成分の混合比率は漏出前のものとは相違しているため、回収された作動媒体は所望の性能を発揮することはできない。
本発明は、回収された作動媒体が再利用されるように熱エネルギ回収装置から作動媒体を回収する技術を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る回収方法は、第1媒体成分及び前記第1媒体成分よりも低い飽和蒸気圧を有する第2媒体成分が混合された非共沸混合媒体を作動媒体としてランキンサイクルの下で循環させ熱エネルギを回収する熱エネルギ回収装置から前記作動媒体を回収するために用いられる。回収方法は前記第1媒体成分の前記飽和蒸気圧を下回り且つ前記第2媒体成分の飽和蒸気圧を上回る圧力環境を作り出すことにより液相の前記作動媒体中の前記第1媒体成分を選択的に気化させるとともに前記気化している第1媒体成分を回収することと、前記第1媒体成分の選択的な回収の後に前記熱エネルギ回収装置中に残った前記第2媒体成分を回収することとを備え、前記第1媒体成分を選択的に回収することは、真空装置を用いて前記熱エネルギ回収装置から前記真空装置に連なる配管内の圧力を低減し前記圧力環境を作り出すことを含む。
上記の構成によれば液相の作動媒体から気化した第1媒体成分が選択的に回収された後に第2媒体成分が回収されるので、第1媒体成分及び第2媒体成分の回収量が個別に判明する。したがって第1媒体成分及び第2媒体成分の適切な混合比率を得るために、第1媒体成分及び第2媒体成分それぞれがどのくらいの量だけ補充されればよいかが分かる。第1媒体成分及び第2媒体成分それぞれが適切な補充量だけ補充された後、補充後の第1媒体成分及び第2媒体成分が混合されると熱エネルギ回収装置に再利用可能な作動媒体が作り出される。
また、熱エネルギ回収装置から真空装置に連なる配管内の圧力が真空装置によって減ぜられ、第1媒体成分を選択的に気化するための圧力環境が作り出されるので、第1媒体成分は配管内で気化する。この配管は真空装置に連なっているので、気化した第1媒体成分は真空装置によって吸引及び回収される。
上記の構成に関して前記第1媒体成分を選択的に回収することは、(i)前記作動媒体の温度を測定することと、(ii)前記測定された温度に対応する前記第1媒体成分の前記飽和蒸気圧を下回り且つ前記測定された温度に対応する前記第2媒体成分の前記飽和蒸気圧を上回る前記圧力環境を作り出すこととを含んでいる。
上記の構成によれば圧力環境は作動媒体の温度に基づいて設定されるので、作動媒体の温度が変化しても第1媒体成分が選択的に気化される。
上記の構成に関して前記第1媒体成分を選択的に回収することは、(i)前記真空装置を用いて前記気化した第1媒体成分を吸引することと、(ii)前記吸引された第1媒体成分を圧縮することと、(iii)前記圧縮された第1媒体成分を冷却し液化することと、(iv)前記液化された第1媒体成分を貯留することとを含んでいる。
上記の構成によれば真空装置によって吸引された第1媒体成分は圧縮された後に液化されるので、貯留された第1媒体成分の体積は小さくなる。
上記の構成に関して前記第2媒体成分を回収することは、前記第2媒体成分の液相を保ったまま前記第2媒体成分を回収することを含んでいる。
上記の構成によれば第2媒体成分は液相の状態で回収されるので、回収された第2媒体成分の体積は気相の第2媒体成分と較べて過度に大きくならない。
本発明の他の局面に係る回収方法は、第1媒体成分及び前記第1媒体成分よりも低い飽和蒸気圧を有する第2媒体成分が混合された非共沸混合媒体を作動媒体としてランキンサイクルの下で循環させ熱エネルギを回収する熱エネルギ回収装置から前記作動媒体を回収するために用いられる。回収方法は前記第1媒体成分の前記飽和蒸気圧を下回り且つ前記第2媒体成分の飽和蒸気圧を上回る圧力環境を作り出すことにより液相の前記作動媒体中の前記第1媒体成分を選択的に気化させるとともに前記気化している第1媒体成分を回収することと、前記第1媒体成分の選択的な回収の後に前記熱エネルギ回収装置中に残った前記第2媒体成分を回収することとを備え、前記第1媒体成分を選択的に回収することは、前記ランキンサイクルを停止することと、前記ランキンサイクルの膨張工程を担う膨張機を迂回する迂回路を通じて前記膨張機の上流部位と下流部位との間での前記第1媒体成分の流動を許容することとを含んでいる。
膨張機の上流部位及び下流部位のうち一方に第1媒体成分を選択的に回収するための回収位置が設定されると、第1媒体成分の選択的な回収のための圧力環境が設定された空間領域は第1媒体成分の回収量が増えるにつれて回収位置の周囲で拡がる。上記の構成によれば膨張機を迂回する迂回路が存在しているので、上述の空間領域は停止した膨張機に妨げられることなく迂回路を通じて上流部位及び下流部位のうち他方に拡がることができる。この結果、上流部位及び下流部位のうち他方に存在する作動媒体も第1媒体成分の選択的な回収のための圧力環境に曝される。この結果、第1媒体成分は上流部位及び下流部位のうち他方に存在する作動媒体からも気化することができる。上流部位及び下流部位のうち他方で気化した第1媒体成分は迂回路を通じて回収位置に至り回収される。
上記の構成に関して回収方法は、前記回収された第1媒体成分及び前記回収された第2媒体成分を計量することを更に備えている。
上記の構成によれば第1媒体成分及び第2媒体成分の回収量が分かるので、第1媒体成分及び第2媒体成分の適切な混合比率を得るために第1媒体成分及び第2媒体成分それぞれがどのくらいの量だけ補充されればよいかが分かる。
上述の技術は、回収された作動媒体が再利用されるように熱エネルギ回収装置から作動媒体を回収することを可能にする。
例示的な熱エネルギ回収装置の概略図である。 熱エネルギ回収装置内で循環される作動媒体の概略的なp-h線図である。 作動媒体を回収するための回収動作を制御する制御システムの例示的な機能構成を表す概略的なブロック図である。 制御部の例示的な制御動作を表す概略的なフローチャートである。 凝縮器とポンプとの間の区間において熱エネルギ回収装置から作動媒体の第1媒体成分を回収する第1回収設備の概略図である。
図1は例示的な熱エネルギ回収装置100の概略図である。熱エネルギ回収装置100が図1を参照して説明される。
熱エネルギ回収装置100は非共沸混合媒体を作動媒体としてランキンサイクルの下で循環させ熱エネルギを回収するように構成されている。非共沸混合媒体に含まれている複数の成分のうち1つは以下の説明において「第1媒体成分」と称される。第1媒体成分よりも低い飽和蒸気圧を有する他のもう1つの成分は以下の説明において「第2媒体成分」と称される。第1媒体成分及び第2媒体成分の種類及びこれらの混合比率は所望の特性が得られるように定められている。たとえば第1媒体成分及び第2媒体成分としてHFC及びHFOがそれぞれ用いられてもよい。
熱エネルギ回収装置100は作動媒体をランキンサイクルの下で循環させる結果回収された熱エネルギから電力が生成されるように構成されている。すなわち、熱エネルギ回収装置100は作動媒体をランキンサイクルの下で循環させる循環部位と、回収された熱エネルギを利用して発電する発電部位とを備えている。熱エネルギ回収装置100は循環部位及び発電部位に加えて、ランキンサイクルの膨張工程の停止下において作動媒体が熱エネルギ回収装置100内で循環することを可能にする循環補助部位を備えている。循環補助部位はたとえば熱エネルギ回収装置100の立ち上げ時に利用される。循環部位、発電部位及び循環補助部位が以下に説明される。
循環部位は液相の作動媒体を吐出するポンプ111、ポンプ111から吐出された作動媒体がポンプ111に戻るように構成された循環路116、循環路116上に配置された蒸発器112、膨張機113及び凝縮器114を含む。蒸発器112、膨張機113及び凝縮器114はポンプ111から吐出された作動媒体がこれらを順に通過するように配置されている。蒸発器112はランキンサイクルの蒸発工程を担う装置であり、ポンプ111から吐出された液相の作動媒体を他の設備から生じた加熱媒体(たとえば内燃機関からの排ガス)と熱交換させ加熱媒体から熱エネルギを回収するように構成されている。加熱媒体との熱交換の結果、作動媒体は蒸発する(すなわち気相になる)。気相の作動媒体は、ランキンサイクルの膨張工程を担う膨張機113に流入する。気相の作動媒体は膨張機113内で膨張し膨張機113のロータの回転運動を引き起こす。膨張機113の回転運動は発電部位での発電に利用される。膨張機113で膨張した作動媒体はランキンサイクルの凝縮工程を担う凝縮器114に流入する。凝縮器114は作動媒体を作動媒体よりも低温の冷却水と熱交換させるように構成されている。冷却水との熱交換の結果、作動媒体は冷却され液相になる。液相の作動媒体はポンプ111によって吸い込まれ蒸発器112へ再度吐出される。
作動媒体がポンプ111、蒸発器112、膨張機113及び凝縮器114を通じて循環流動をしている間、発電部位は電力を作り出す。
発電部位は膨張機113のロータに機械的に接続された発電機115を含む。発電機115は膨張機113のロータの回転運動に応じて回転し電力を作り出す。
発電機115が電力を作り出している期間以外にも作動媒体の循環が必要とされることがある(たとえば、熱エネルギ回収装置100の立ち上げ作業時)。この場合、循環補助部位が作動媒体の循環に利用される。
循環補助部位は膨張機113を迂回する流路を形成している迂回路140と、迂回路140上に配置された弁体141とを含む。迂回路140は、膨張機113の上流部位(すなわち蒸発器112と膨張機113との間の区間)及び下流部位(すなわち膨張機113と凝縮器114との間の区間)に接続されている。迂回路140上に配置された弁体141は、膨張機113が停止された状態で作動媒体を循環させる必要が生じたときに開かれる。弁体141が開かれると、作動媒体は膨張機113を迂回して膨張機113の上流部位から下流部位へ流れることができる。
作動媒体に含まれる第1媒体成分及び第2媒体成分の飽和蒸気圧特性及び作動媒体として非共沸混合媒体を利用することに伴う課題が図1及び図2を参照して説明される。図2は作動媒体の概略的なp-h線図である。
図2に示されるように、第1媒体成分の飽和蒸気圧は第2媒体成分の飽和蒸気圧よりも高い。したがって、第1媒体成分は第2媒体成分よりも高い圧力で気化する。言い換えると、第1媒体成分は第2媒体成分よりも気化しやすい。気化のしやすさの相違は、熱エネルギ回収装置100から気相の作動媒体が漏出したとき(たとえば熱エネルギ回収装置100の循環路116が破損したとき)における第1媒体成分及び第2媒体成分の漏出量の相違に帰結する。第1媒体成分は第2媒体成分より気化しやすいので、第1媒体成分の漏出量は第2媒体成分の漏出量を上回る。第1媒体成分及び第2媒体成分が漏出する漏出箇所が図1において蒸発器112から膨張機113へ向かう作動媒体の流動経路上に描かれた点Lによって示されている。
作動媒体が漏れ出たとき、第1媒体成分及び第2媒体成分それぞれがどのくらい失われたのかが不明になる。作動媒体の漏出部位が修復された後に循環路116から作動媒体が第1媒体成分及び第2媒体成分の混合状態を保ったまま回収されたとしても、回収された作動媒体中の第1媒体成分及び第2媒体成分の混合比率は漏出前の混合比率とは大きく相違している可能性がある。したがって、回収された作動媒体は再利用に適していない。
作動媒体を再利用できるように回収するための技術が図1及び図2を参照して説明される。
図1には、作動媒体中の第1媒体成分の回収に専ら用いられる第1回収設備120及び作動媒体中の第2媒体成分の回収に専ら用いられる第2回収設備130が示されている。第1回収設備120は膨張機113から凝縮器114に向かう作動媒体の流動経路において熱エネルギ回収装置100に接続されている。第1回収設備120が熱エネルギ回収装置100に接続された接続部位は図1において「点C1」で示されている。第2回収設備130は凝縮器114からポンプ111へ向かう作動媒体の流動経路及び膨張機113から凝縮器114へ向かう作動媒体の流動経路において熱エネルギ回収装置100に接続されている。凝縮器114からポンプ111へ向かう作動媒体の流動経路上の接続部位は図1において「点C2」で示されている。膨張機113から凝縮器114へ向かう作動媒体の流動経路上の接続部位は図1において「点C3」で示されている。第1回収設備120及び第2回収設備130は作動媒体の漏出後に熱エネルギ回収装置100に取り付けられてもよいし、熱エネルギ回収装置100に予め取り付けられていてもよい。第1回収設備120及び第2回収設備130が以下に説明される。
第1回収設備120は点C1において熱エネルギ回収装置100中の作動媒体の循環路116から分岐するように構成された配管125と、配管125上に配置された真空装置121、圧縮機122、熱交換器123及び第1タンク124とを含む。真空装置121は真空装置121、圧縮機122、熱交換器123及び第1タンク124の中で第1媒体成分の流れ方向において最も上流に配置されている一方で、第1タンク124はこれらの中で最も下流に配置されている。圧縮機122は真空装置121の下流に配置されている。熱交換器123は圧縮機122と第1タンク124との間に配置されている。
真空装置121は第1媒体成分が選択的に気化するような圧力環境を真空装置121と熱エネルギ回収装置100中の液相の作動媒体との間の空間に作り出すために設けられている。第1媒体成分は真空装置121によって作り出された圧力環境下で気化し、真空装置121によって吸い込まれる。第1媒体成分はその後、真空装置121から圧縮機122へ流入する。
圧縮機122は真空装置121によって気化された第1媒体成分の体積を低減するために用いられる。真空装置121によって気化された第1媒体成分は圧縮機122によって吸い込まれる。圧縮機122は気化した第1媒体成分を圧縮し、第1媒体成分の体積を低減する。圧縮された第1媒体成分は圧縮機122から熱交換器123に流入する。
熱交換器123は圧縮機122によって圧縮された第1媒体成分を液化するために用いられる。熱交換器123は、第1媒体成分を冷却水と熱交換させるように構成されている。第1媒体成分は熱交換器123内で冷却水によって冷却され液相になる。液相の第1媒体成分は第1タンク124に流入し、第1タンク124内で貯留される。
第1タンク124内に作動媒体中の第1媒体成分が回収された後に第2回収設備130が第2媒体成分の回収のために利用される。
第2回収設備130は点C2と点C3とにおいて熱エネルギ回収装置100の循環路116に接続された流路を形成している配管134と、配管134上に配置されたポンプ131、第2タンク132及び弁体133とを含む。ポンプ131は点C2から第2媒体成分を吸い込むように配置されている。第2タンク132は第2媒体成分の流れ方向においてポンプ131の下流に配置されている。ポンプ131によって吸い込まれた第2媒体成分は第2タンク132内で貯留される。第2タンク132と点C2との間の配管134の区間は第2タンク132への第2媒体成分の流入によって第2タンク132から押し出されたガスを熱エネルギ回収装置100の循環路116へ案内するために用いられる。弁体133は、第2タンク132と点C2との間の配管134の区間に配置されている。弁体133は第2媒体成分の回収時において開かれている一方で他の期間は閉じられている。
第1媒体成分及び第2媒体成分の回収方法が以下に説明される。
第1媒体成分及び第2媒体成分の回収は熱エネルギ回収装置100から作動媒体が漏出したときに実行される。作動媒体が熱エネルギ回収装置100から漏出すると、熱エネルギ回収装置100が停止され漏出箇所が修復される。修復の後、作動媒体の液相の状態が得られるように熱エネルギ回収装置100が操作される。たとえば、蒸発器112への加熱媒体の流入が停止される。加えて弁体141が開かれ、迂回路140を通じて膨張機113の上流部位が下流部位に連通される。その後、ポンプ111が駆動され作動媒体が循環される。作動媒体が循環されている間において蒸発器112の蒸発機能は失われているので、熱エネルギ回収装置100内の作動媒体は全体的に液相になる。液相の作動媒体が得られた後、作動媒体の循環が停止される。その後、作動媒体中の第1媒体成分の選択的な回収が開始される。
第1媒体成分の選択的な回収のために、真空装置121は真空装置121と液相の作動媒体との間に形成された空間を減圧し所定の圧力環境を作り出す。真空装置121によって減圧された空間は以下の説明において「減圧空間」と称される。減圧された圧力環境を作り出すために第1媒体成分の回収の開始時に設定された初期圧力が記号「V1」で図2に示されている。初期圧力「V1」は第1媒体成分の飽和蒸気圧を下回り且つ第2媒体成分の飽和蒸気圧を上回る値である。減圧空間の圧力が初期圧力「V1」に設定されると、第1媒体成分が主に気化する。気化した第1媒体成分は真空装置121を通過し圧縮機122で圧縮される。圧縮された第1媒体成分はその後、熱交換器123で液相になる。液相の第1媒体成分は第1タンク124に流入し第1タンク124内で貯留される。
第1タンク124内に第1媒体成分が回収されている間、減圧空間の圧力は初期圧力「V1」から徐々に低下する。初期圧力「V1」より小さな値に設定された閾値圧力が記号「V2」で図2に示されている。閾値圧力「V2」は、減圧空間の圧力が閾値圧力「V2」まで低下したときに第1媒体成分のほとんどが作動媒体から分離された状態が得られるように設定されている。
減圧空間の圧力が閾値圧力「V2」まで下がると真空装置121が停止する。減圧空間の圧力が閾値圧力「V2」まで下がっているとき、第1媒体成分のほとんどは作動媒体から分離され第1タンク124に貯留されている。したがって、第1媒体成分がほとんど取り除かれた作動媒体(すなわち、液相の第2媒体成分)が熱エネルギ回収装置100に残っている。第1媒体成分の回収処理は、減圧空間の圧力が閾値圧力「V2」になったときに液相の第2媒体成分の回収処理に切り替えられる。
液相の第2媒体成分の回収処理のために、ポンプ131が起動されるとともに弁体133が開かれる。ポンプ131は点C2を通じて液相の第2媒体成分を吸引し、吸引された第2媒体成分を第2タンク132へ送り出す。このとき、第2タンク132内のガスは液相の第2媒体成分の流入によって押し出される。第2タンク132内のガスは弁体133を通じて点C3から熱エネルギ回収装置100の循環路116に流入する。第2タンク132内には液相の第2媒体成分が貯留される。
第2タンク132内には第2媒体成分が貯留される一方で第1タンク124内には第1媒体成分が貯留される。したがって回収された第1媒体成分及び第2媒体成分に対する個別の測量が可能になり、第1媒体成分及び第2媒体成分の漏出量が分かる。回収された第1媒体成分に漏出量分の第1媒体成分がその後補充される。同様に、回収された第2媒体成分に漏出量分の第2媒体成分が補充される。補充後の第1媒体成分及び第2媒体成分が混合され、新たな作動媒体が作り出される。新たな作動媒体中の第1媒体成分及び第2媒体成分の混合比率は、漏出前に熱エネルギ回収装置100内で循環していた作動媒体中の第1媒体成分及び第2媒体成分の混合比率に略等しい。したがって、新たな作動媒体は熱エネルギ回収装置100内の熱エネルギ回収媒体として再利用可能である。
作動媒体から第1媒体成分を選択的に回収した後に第2媒体成分を回収する上述の回収動作を制御する制御システム200の例示的な機能構成を表す概略的なブロック図が図3に示される。図1乃至図3を参照して制御システム200が説明される。
制御システム200は作動媒体の温度や減圧空間の圧力環境の状態に基づいて第1回収設備120の真空装置121、第2回収設備130のポンプ131及び弁体133を制御するように構成されている。制御システム200は作動媒体の温度を検出する温度検出部210と、作動媒体の圧力を検出する圧力検出部220と、真空装置121、ポンプ131及び弁体133を制御する制御部230とを含む。
温度検出部210は熱エネルギ回収装置100中の作動媒体の温度を検出するように熱エネルギ回収装置100に取り付けられている。たとえば、温度検出部210は膨張機113と凝縮器114との間の流動区間において循環路116に取り付けられてもよい。温度検出部210は検出された温度を表す検出信号を生成するように構成されている。
温度検出部210が作動媒体の温度を検出に用いられる一方で、圧力検出部220は減圧空間の圧力を検出するために用いられる。
圧力検出部220は減圧空間の圧力を検出するように熱エネルギ回収装置100に取り付けられている。圧力検出部220は検出された圧力を表す検出信号を生成するように構成されている。圧力検出部220及び温度検出部210によって生成された検出信号は制御部230による制御に利用される。
制御部230は圧力検出部220及び温度検出部210によって生成された検出信号を受信するように圧力検出部220及び温度検出部210に接続されている。制御部230はこれらの検出信号に基づいて真空装置121、ポンプ131及び弁体133を制御するように構成されている。制御部230は操作部231、圧力設定部232、第1駆動部233、第2駆動部234及び判定部235を含む。
操作部231は作動媒体の回収作業の開始時及び終了時に作業者によって操作される。操作部231は作業者の操作に応じて信号を生成及び出力するように構成されている。作業者が回収作業の開始を指示するように操作部231を操作すると、操作部231は作業者の開始指示の要求を伝えるための開始要求信号を生成する。作業者が回収作業の終了を指示するように操作部231を操作すると、操作部231は作業者の終了指示の要求を伝えるための終了要求信号を生成する。終了要求信号は第2駆動部234に出力される一方で開始要求信号は圧力設定部232に出力される。
圧力設定部232は、作業者の操作に応じて生成された開始要求信号と温度検出部210からの検出信号とを受信するように構成されている。圧力設定部232は開始要求信号の受信の後に、初期圧力「V1」及び閾値圧力「V2」を温度検出部210からの検出信号が表す温度に応じて決定するように構成されている。
圧力設定部232は初期圧力「V1」及び閾値圧力「V2」をそれぞれ設定する部位として初期圧設定部236及び閾値設定部237を含む。閾値設定部237は温度検出部210からの検出信号によって表される温度に基づいて閾値圧力「V2」を設定するように構成されている。閾値設定部237は閾値圧力「V2」を表す情報が閾値設定部237から初期圧設定部236及び判定部235へ伝達されるように構成されている。初期圧設定部236は、閾値圧力「V2」及び温度検出部210からの検出信号によって表される温度に基づいて初期圧力「V1」を設定するように構成されている。初期圧設定部236は、初期圧力「V1」を表す情報が初期圧設定部236から第1駆動部233へ出力されるように構成されている。
第1駆動部233は初期圧力「V1」を表す情報に加えて、圧力検出部220によって生成された検出信号を受け取るように構成されている。第1駆動部233は圧力検出部220からの検出信号によって表される圧力を参照し、初期圧力「V1」が得られるように真空装置121を駆動するように構成されている。第1駆動部233は、減圧空間の圧力が初期圧力「V1」まで低下すると真空装置121を定常運転させるように構成されている。
真空装置121が定常運転している期間において第1媒体成分が選択的に気化するので、圧力検出部220によって生成された検出信号によって表される圧力が徐々に低下する。圧力検出部220によって生成された検出信号は第1駆動部233だけでなく判定部235へも出力される。
判定部235は圧力検出部220からの検出信号に加えて、閾値圧力「V2」を表す情報を閾値設定部237から受け取るように構成されている。判定部235は、圧力検出部220からの検出信号によって表される圧力が閾値圧力「V2」まで低下するとポンプ131及び弁体133の駆動を第2駆動部234に指示するように構成されている。
第2駆動部234は判定部235の駆動指示に加えて、操作部231からの終了要求信号を受信するように構成されている。第2駆動部234はポンプ131に対応して設けられたポンプ駆動部238と、弁体133に対応して設けられた弁駆動部239とを含む。ポンプ駆動部238は判定部235からの駆動指示及び操作部231からの終了要求信号に応じてポンプ131を駆動及び停止するように構成されている。弁駆動部239は判定部235からの駆動指示及び操作部231からの終了要求信号に応じて弁体133を開いたり閉じたりするように構成されている。
操作部231への操作に応じて開始される制御部230の制御動作が図1乃至図4を参照して説明される。図4は制御部230の例示的な制御動作を表す概略的なフローチャートである。
(ステップS205)
制御部230は作業者が操作部231を操作することを待つ。この間、作業者は漏出箇所の修繕や液相の作動媒体を得るための操作を行っている。これらの作業が完了すると、作業者は操作部231を操作し制御部230に作動媒体の回収の開始を指示する。作業者が作動媒体の回収の開始を指示するように操作部231を操作すると、操作部231は開始要求信号を生成する。開始要求信号が操作部231から圧力設定部232へ出力されると、ステップS210が実行される。
(ステップS210)
圧力設定部232の閾値設定部237は温度検出部210からの検出信号を待つ。検出信号が温度検出部210から閾値設定部237へ出力されると、ステップS215が実行される。
(ステップS215)
閾値設定部237は温度検出部210からの検出信号によって表されている温度に基づいて、第1媒体成分及び第2媒体成分の飽和蒸気圧(検出された温度に対応する飽和蒸気圧)を見出す。閾値設定部237は、見出された第1媒体成分及び第2媒体成分の飽和蒸気圧に基づいてランキンサイクルの高圧及び低圧の中間値よりも低い値に閾値圧力「V2」を設定する。閾値圧力「V2」を表す情報が閾値設定部237から初期圧設定部236及び判定部235へ出力される。閾値圧力「V2」を表す情報に加えて第2媒体成分の飽和蒸気圧を表す情報も閾値設定部237から初期圧設定部236へ伝達される。閾値圧力「V2」及び第2媒体成分の飽和蒸気圧を表す情報が閾値設定部237から初期圧設定部236へ出力されると、ステップS220が実行される。
(ステップS220)
初期圧設定部236は閾値圧力「V2」を上回り且つ第1媒体成分の飽和蒸気圧を下回る値に初期圧力「V1」を設定する。初期圧力「V1」を表す情報が初期圧設定部236から第1駆動部233へ出力されると、ステップS225が実行される。
(ステップS225)
第1駆動部233及び判定部235は圧力検出部220からの検出信号を待つ。第1駆動部233及び判定部235が圧力検出部220からの検出信号を受信すると、ステップS230及びステップS245が実行される。
(ステップS230)
第1駆動部233は初期圧力「V1」が得られるように真空装置121の出力を調整し、初期圧力「V1」の圧力環境を減圧空間において作り出す。その後、ステップS235が実行される。
(ステップS235)
第1駆動部233は圧力検出部220からの検出信号を参照し、減圧空間の圧力が初期圧力「V1」に到達したか否かを判定する。第1駆動部233が検出信号によって表されている圧力が初期圧力「V1」に到達していないと判定するならば、ステップS230が実行される。第1駆動部233が検出信号によって表されている圧力が初期圧力「V1」に到達していると判定するならば、ステップS240が実行される。
(ステップS240)
第1駆動部233は真空装置121をステップS230で調整された出力で定常運転させる。真空装置121が定常運転している間、第1媒体成分が選択的に気化する。気化した第1媒体成分は真空装置121を通過し、圧縮機122によってその後圧縮される。圧縮された第1媒体成分は熱交換器123において冷却され液相になる。液相の第1媒体成分は第1タンク124に流入する。
(ステップS245)
第1媒体成分が第1タンク124に回収されている間、減圧空間の圧力(すなわち、圧力検出部220からの検出信号が表す圧力)は徐々に低下する。圧力検出部220からの検出信号によって表される圧力が閾値圧力「V2」に到達しているか否かが第1駆動部233及び判定部235によって判定される。第1駆動部233及び判定部235は圧力検出部220からの検出信号によって表される圧力が閾値圧力「V2」に到達することを待つ。圧力検出部220からの検出信号によって表される圧力が閾値圧力「V2」に到達しているとき、第1媒体成分のほとんどは第1タンク124に回収され、熱エネルギ回収装置100には液相の第2媒体成分が主に残っている。熱エネルギ回収装置100に残存している液相の第2媒体成分を回収するために判定部235は第2回収設備130を駆動するための駆動指示を生成する。駆動指示が判定部235から第2駆動部234へ出力されると、ステップS250が実行される。
(ステップS250)
駆動指示が判定部235から第2駆動部234へ出力されると、第1媒体成分の回収処理が第2媒体成分の回収処理に切り替えられる。回収処理の切替のために、駆動指示が判定部235から第2駆動部234へ出力されるのと略同期して第1駆動部233は真空装置121を停止させる。第2駆動部234のポンプ駆動部238及び弁駆動部239は判定部235からの駆動指示に応じて第2回収設備130のポンプ131を駆動するとともに第2回収設備130の弁体133を開く。第2駆動部234がポンプ131を駆動するとともに弁体133を開くと、液相の状態で熱エネルギ回収装置100内に残る第2媒体成分は第2タンク132に流入する。第2タンク132への第2媒体成分の回収が開始されると、ステップS255が実行される。
(ステップS255)
第2タンク132への第2媒体成分の回収開始の後、第2駆動部234は終了要求信号の受信を待つ。終了要求信号は作業者が操作部231を操作し回収処理の終了を制御部230に要求したときに、操作部231から第2駆動部234へ出力される。終了要求信号が操作部231から第2駆動部234へ出力されると、ステップS260が実行される。
(ステップS260)
第2駆動部234のポンプ駆動部238及び弁駆動部239は終了要求信号に応じてポンプ131を停止させるとともに弁体133を閉じ、作動媒体の回収処理が完了する。
作動媒体の回収処理の後、第1タンク124及び第2タンク132内の第1媒体成分及び第2媒体成分が個別に計量される。この結果、第1媒体成分及び第2媒体成分それぞれがどのくらい漏出したかが判明する。漏出した分の第1媒体成分が第1タンク124に補充される。同様に、漏出した分の第2媒体成分が第2タンク132に補充される。これらの補充の後、第1タンク124内の第1媒体成分が第2タンク132内の第2媒体成分と混合され新たな作動媒体が生成される。新たな作動媒体中の第1媒体成分及び第2媒体成分の混合比率は漏出の前に用いられていた作動媒体中の第1媒体成分及び第2媒体成分の混合比率と略等しい。したがって新たな作動媒体は熱エネルギ回収装置100中で循環される熱エネルギ回収媒体として好適に再利用される。
第1媒体成分の回収に関して、迂回路140が好適に利用されている。迂回路140上の弁体141が閉じられた状態では真空装置121によって設定された圧力環境の影響は停止状態にある膨張機113によって留められる。すなわち、膨張機113と蒸発器112との間に存在する作動媒体は真空装置121によって設定された圧力環境に曝されない。一方迂回路140上の弁体141が開かれると、膨張機113と蒸発器112との間に存在する作動媒体が真空装置121によって設定された圧力環境に曝されることが以下に述べる如く可能になる。
第1媒体成分の回収の開始時において、点C1の周囲の液相の作動媒体が真空装置121によって設定された圧力環境に曝される。この結果、点C1の周囲の液相の作動媒体から第1媒体成分が選択的に気化する。気化した第1媒体成分は第1回収設備120によって回収されるので、真空装置121と液相の作動媒体との間の減圧空間は徐々に拡がる。第1媒体成分がある程度回収されると、減圧空間は迂回路140を通じて膨張機113と蒸発器112との間の流路区間に至ることができる。この結果、膨張機113と蒸発器112との間の流路区間に存在している作動媒体は真空装置121によって設定された圧力環境に曝され作動媒体中の第1媒体成分が選択的に気化することができる。気化した第1媒体成分は迂回路140を通じて点C1に至り、第1回収設備120によって回収される。
第1回収設備120は圧縮機122及び熱交換器123を用いて第1媒体成分を圧縮及び液化するので、第1媒体成分の体積は気相の媒体成分と較べて大幅に低減されている。したがって、第1媒体成分の貯留に用いられる第1タンク124の容量は過度に大きくなくてもよい。
第1媒体成分と同様に、第2媒体成分は液相の状態で回収される。したがって、第2媒体成分を貯留するために設けられた第2タンク132の容量は過度に大きくなくてもよい。第2媒体成分は第1媒体成分とは異なり気相になることなく回収されるので、第2媒体成分の回収は短時間で完了する。
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
第2媒体成分の回収に関して、上述の実施形態では第2回収設備130が第1回収設備120とは別異に設けられている。しかしながら、第2媒体成分を回収するために第1回収設備120の真空装置121、圧縮機122及び熱交換器123が利用されてもよい。この場合、第2媒体成分を貯留するための第2タンク132が第1媒体成分の回収後に第1タンク124と入れ替えられる。第1媒体成分の回収後に真空装置121は第2媒体成分の飽和蒸気圧より高い圧力の圧力環境を減圧空間に作り出す。この結果、第2媒体成分は気化し真空装置121を通じて圧縮機122に流入する。第2媒体成分は圧縮機122で圧縮された後に熱交換器123で冷却され液相になる。液相の第2媒体成分が第1タンク124と入れ替えられた第2タンク132に流入する。
第1媒体成分の回収に関して、上述の実施形態では第1タンク124の容量を小さくするために圧縮機122及び熱交換器123が配置されている。しかしながら、圧縮機122及び熱交換器123を経ずして第1媒体成分が第1タンク124に回収されてもよい。この場合、第1タンク124に気相の第1媒体成分が貯留される。
作動媒体の組成に関して、上述の実施形態では第1媒体成分及び第2媒体成分が混合された作動媒体の回収技術が例示されている。しかしながら上述の回収技術は、3を超える種類の媒体成分が混合された作動媒体を回収するために用いられてもよい。
作動媒体の回収位置に関して、上述の実施形態では作動媒体の第1媒体成分は膨張機113及び凝縮器114の間の区間において設定された点C1から回収されている。しかしながら、第1媒体成分は液相の作動媒体が存在している他の区間から回収されてもよい。凝縮器114とポンプ111との間の区間において熱エネルギ回収装置100の循環路116に接続された第1回収設備120が図5に概略的に示されている。凝縮器114とポンプ111との間の区間にある作動媒体は液相であるので、作動媒体を熱エネルギ回収装置100の全体に亘って液相にするための操作は必要とされない。この場合、温度検出部210は凝縮器114とポンプ111との間の区間にある作動媒体の温度を検出するように熱エネルギ回収装置100に取り付けられる。
上述の実施形態では、作動媒体の第2媒体成分は凝縮器114とポンプ111との間の区間に設定された点C2から回収されている。しかしながら、第2媒体成分の回収位置は作動媒体の循環路116中の他の部位(第1媒体成分の選択的な回収の後に液相の第2媒体成分が残存する部位)に設定されてもよい。
いくつの回収位置が設けられるかに関して、上述の実施形態では第1媒体成分及び第2媒体成分それぞれに対して1つの回収位置が設定されている。しかしながら第1媒体成分及び第2媒体成分のうち少なくとも一方に対して複数の回収位置が設定されてもよい。多くの回収位置が設定される結果、作動媒体の回収作業は短時間で完了する。
上述の実施形態の原理は、ランキンサイクルの下で熱エネルギを回収することが必要とされる様々な技術分野に好適に利用される。
100・・・・・・・・・・・・・・・熱エネルギ回収装置
113・・・・・・・・・・・・・・・膨張機
121・・・・・・・・・・・・・・・真空装置
125・・・・・・・・・・・・・・・配管
140・・・・・・・・・・・・・・・迂回路

Claims (6)

  1. 第1媒体成分及び前記第1媒体成分よりも低い飽和蒸気圧を有する第2媒体成分が混合された非共沸混合媒体を作動媒体としてランキンサイクルの下で循環させ熱エネルギを回収する熱エネルギ回収装置から前記作動媒体を回収する回収方法であって、
    前記第1媒体成分の前記飽和蒸気圧を下回り且つ前記第2媒体成分の飽和蒸気圧を上回る圧力環境を作り出すことにより液相の前記作動媒体中の前記第1媒体成分を選択的に気化させるとともに前記気化している第1媒体成分を回収することと、
    前記第1媒体成分の選択的な回収の後に前記熱エネルギ回収装置中に残った前記第2媒体成分を回収することと、を備え、
    前記第1媒体成分を選択的に回収することは、真空装置を用いて前記熱エネルギ回収装置から前記真空装置に連なる配管内の圧力を低減し前記圧力環境を作り出すことを含む
    作動媒体の回収方法。
  2. 前記第1媒体成分を選択的に回収することは、
    (i)前記作動媒体の温度を測定することと、
    (ii)前記測定された温度に対応する前記第1媒体成分の前記飽和蒸気圧を下回り且つ前記測定された温度に対応する前記第2媒体成分の前記飽和蒸気圧を上回る前記圧力環境を作り出すことと、を含む
    請求項1に記載の回収方法。
  3. 前記第1媒体成分を選択的に回収することは、
    (i)前記真空装置を用いて前記気化した第1媒体成分を吸引することと、
    (ii)前記吸引された第1媒体成分を圧縮することと、
    (iii)前記圧縮された第1媒体成分を冷却し液化することと、
    (iv)前記液化された第1媒体成分を貯留することと、を含む
    請求項1に記載の回収方法。
  4. 前記第2媒体成分を回収することは、前記第2媒体成分の液相を保ったまま前記第2媒体成分を回収することを含む
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回収方法。
  5. 第1媒体成分及び前記第1媒体成分よりも低い飽和蒸気圧を有する第2媒体成分が混合された非共沸混合媒体を作動媒体としてランキンサイクルの下で循環させ熱エネルギを回収する熱エネルギ回収装置から前記作動媒体を回収する回収方法であって、
    前記第1媒体成分の前記飽和蒸気圧を下回り且つ前記第2媒体成分の飽和蒸気圧を上回る圧力環境を作り出すことにより液相の前記作動媒体中の前記第1媒体成分を選択的に気化させるとともに前記気化している第1媒体成分を回収することと、
    前記第1媒体成分の選択的な回収の後に前記熱エネルギ回収装置中に残った前記第2媒体成分を回収することと、を備え、
    前記第1媒体成分を選択的に回収することは、前記ランキンサイクルを停止することと、前記ランキンサイクルの膨張工程を担う膨張機を迂回する迂回路を通じて前記膨張機の上流部位と下流部位との間での前記第1媒体成分の流動を許容することと、を含む
    作動媒体の回収方法。
  6. 前記回収された第1媒体成分及び前記回収された第2媒体成分を計量することを更に備える
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回収方法。
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