JP7142586B2 - セルロース繊維乾燥体、セルロース繊維樹脂複合体、成形体 - Google Patents
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Description
また、無定形状若しくは球状のフィラーには、易加工性、物性の等方性、靱性への悪影響が小さい、成形後の変形が小さい等の特徴がある。
上記の中でもセルロースは、グルコースがβ-1,4-グリコシド結合で連なった天然高分子であり、アスペクト比が高く繊維状のフィラーとして有望である。
特許文献2では、脂肪族ポリエステル樹脂に、セルロース繊維を添加することで結晶化ピーク時間を短縮し、結晶化度を高める方法が開示されている。
特許文献3では、脱水助剤としてセルロース繊維を利用しており、そのセルロースの繊維径として10~30μmのものが開示されている。
特許文献4では、セルロース繊維を含む樹脂を製造するための方法として、水性媒体を用いずに、解繊されたセルロース繊維を樹脂中に均一に分散させる方法が開示されている。
特許文献5では、微小セルロース系繊維を含有する樹脂組成物及びその製造方法が開示されている。
特許文献2で効果が見出されているセルロースは、扁平状のセルロース繊維でその平均径は20μmを超えている。
特許文献3で得られるセルロース繊維は含水物であり、水中での使用が前提となる。すなわち、平均繊維径が0.1~20μmのセルロース繊維を乾燥状態で製造することについては言及されていない。
特許文献4では、その製法上、乾燥化された平均繊維径0.1~20μmのセルロース繊維は単体で得ることはできておらず、溶媒中で分散させて重合反応を行う必要があり、一般的なフィラーとして、熱可塑性樹脂やゴム等への添加混合はできない。
特許文献5では、実施例で具体的に作製されているセルロース系繊維は平均繊維径が0.1μm未満であり、平均繊維径が0.1~20μmのセルロース繊維を乾燥状態で製造することについては実質的な言及がなされていない。
[1] セルロース繊維を含み、含水量が10質量%以下であるセルロース繊維乾燥体であって、前記セルロース繊維の平均繊維径が0.1μm以上20μm以下であり、前記セルロース繊維の構成糖成分におけるヘミセルロース分の割合が50%以下である、セルロース繊維乾燥体。
[2] 前記セルロース繊維が、セルロースI型結晶を有する[1]に記載のセルロース繊維乾燥体。
[3] 前記セルロース繊維の粘度平均分子量が10万以上である[1]又は[2]に記載のセルロース繊維乾燥体。
[4] さらに、界面活性剤を含む[1]~[3]のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[5] 前記界面活性剤がステアリン酸、オレイン酸、グリセリン、及びポリグリセリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である[4]に記載のセルロース繊維乾燥体。
[6] 前記界面活性剤を、セルロース繊維100質量部に対して1質量部以上30質量部以下含む[1]~[5]のいずれかに記載のセルロース繊維乾燥体。
[7] [6]に記載のセルロース繊維乾燥体と熱可塑性樹脂とを含むセルロース繊維樹脂複合体。
[8] 最大径が200μm以上である前記セルロース繊維乾燥体の凝集物が、5個/cm2以下である[7]に記載のセルロース繊維樹脂複合体。
[9] 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記セルロース繊維乾燥体の含有量が1質量%以上である[7]又は[8]に記載のセルロース繊維樹脂複合体。
[10] JIS K7161に規定される引張弾性率が1550MPa以上であり、かつ、引張強度が36MPa以上である[7]~[9]のいずれかに記載のセルロース繊維樹脂複合体。
[11] [7]~[10]のいずれかに記載のセルロース繊維樹脂複合体で形成されてなる成形体。
本発明のセルロース繊維乾燥体の一実施形態(本実施形態)について以下詳細に説明する。
セルロース繊維の平均繊維径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ヘミセルロースの割合は、実施例に記載の方法により測定することができる。
セルロース繊維がI型結晶構造を有することは、その広角X線回折像測定により得られる回折プロファイル(広角X線回折像)において、走査角2θ=14~17°付近と2θ=22~23°付近の二つの位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。
粘度平均分子量は実施例に記載の方法により測定することができる。
界面活性剤は、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましい。また、20質量部以下であることがより好ましく、15質量部以下であることがさらに好ましい。
なお、セルロース繊維水系分散体における「水系」とは溶媒若しくは分散媒が水を50質量%以上含有することを意味する。溶媒若しくは分散媒が水だけで構成された水分散体でもよいが、添加剤等に起因する各種有機物で水に溶解できるものを含んでいてもよい。
上記セルロース繊維水系分散体の製造に用いられる原料セルロースは、セルロースI型結晶を有することが好ましい。例えば、木本系(針葉樹、広葉樹)、草本系、クラフトパルプ、コットン、ラミー、藻類、ホヤ、バクテリアセルロース等が挙げられる。なかでも、クラフトパルプ、コットン(綿セルロース)等が好ましい。セルロースの構成糖としては、ヘミセルロースの含有率が低いものが好ましく、セルロース純度の高いものが好ましい。具体的には、構成等分析により検出された糖の全量を100%としたときに、構成糖のグルコースの割合が50%以上のものが好ましい。言い換えると、セルロース繊維の構成糖成分におけるヘミセルロース分の割合が50%以下のものが好ましい。これらのセルロース系繊維は、単独または二種以上組み合わせて使用してもよい。また、セルロース系原料の形状は、取り扱い性の観点から繊維状、粉末状、チップ状、フレーク状が好ましく、これらの混合物でもよい。
機械処理工程は、繊維径が20~50μmのセルロース繊維を平均繊維径が0.1~20μmになるようにフィブリル化する工程である。フィブリル化とは、繊維を解し、さらに毛羽立たせる工程である。機械処理の前にセルロース原料は水で希釈分散させ、セルロース濃度が0.1~30質量%の分散液に調整されることが好ましい。フィブリル化には1~20質量%がより好ましい。特に1~20質量%であることでフィブリル化の効率が高くなり、粘度上昇を抑えることができる。
本実施形態のセルロース繊維水系分散体に界面活性剤を含有させるには、水、エタノール、又はメタノール等の水可溶性アルコールに溶解および分散可能なアニオン系、ノニオン系界面活性剤を、機械処理工程を経て作製したセルロース繊維水系分散体に添加し、市販のプロペラ撹拌機、ブレンダー、リボンミキサー、自転公転式の撹拌脱泡機、プラネタリーミキサー等により、均一に撹拌混合する。また、機械処理工程の前に添加し、同時に湿式粉砕を行うことも可能である。
セルロース繊維水系分散体におけるセルロース繊維のメジアン径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
一般に、セルロース繊維水系分散体における固形分濃度は実用上は多くて10質量%程度であるが、本実施形態のセルロース繊維水系分散体は、分散性が良好であるため、固形分濃度を比較的高くすることができる。
乾燥方法は、特に限定されるものではなく、市販の乾燥装置を用いて乾燥させればよい。例えば、噴霧乾燥法を利用した噴霧乾燥装置、真空乾燥法を利用した乾燥装置、気流乾燥法を利用した気流式乾燥装置、熱風を利用した熱風乾燥装置、蒸気を利用した蒸気乾燥装置、遠心力を利用したスピン乾燥装置、振動の力を利用した振動乾燥装置、流動層乾燥法を利用した流動層乾燥装置、回転する加熱ドラムの表面に付着乾燥させるドラム式乾燥装置、凍結したスラリー分散液を真空で乾燥させる凍結乾燥装置等が挙げられる。そして、当該乾燥処理により、含水量を10質量%以下とする。含水量は例えば加熱乾燥式の水分計等により測定することが可能であるが、実施例に記載の方法を採用すれば、含水量は10質量%以下とすることができる。
粉砕工程は、特に限定されるものではなく、市販の粉砕装置を用いて粉砕させればよい。例えば、ローラーの重力・遠心力が回転するテーブル・鉢形の粉砕容器に押しつけ圧縮粉砕するローラーミル、数気圧以上の圧搾・高圧空気や高圧ガスを噴出させ、ジェット気流で原料粒子を加速させ、粒子の衝突・衝撃作用によって粉砕させるジェットミル、高速回転のハンマーで供給粒子に衝撃を与え粉砕するハンマーミル、数十本のピンを向かい合った2枚の円板表面につけ、高速回転させることで対象物を粉砕するピンミル、水平軸を中心に容積の3分の1を満たす量の粉砕媒体を回転円筒の中に充填し、回転によって対象物を粉砕する回転ミル、円筒状またはトラフ状のミル内に粉砕媒体を充填し、ミルに振動を与えることで媒体が動き、粉砕する振動ミル、対象物と一緒に粉砕媒体を充填した容器が自転し、公転する機構による衝突力で粉砕する遊星ミル、約3~10ミリメートルのボールを使って棒状の撹拌(かくはん)アームで対象物を粉砕するアトライター、容器の中に媒体となるビーズを充填し、アジテータの回転でビーズを衝突させ粉砕するビーズミル、回転するインペラが発生させる気流で、原材料同士を対向衝突させて粉砕する気流式粉砕機等が挙げられる。
本実施形態に係るセルロース繊維樹脂複合体は、セルロース繊維乾燥体と熱可塑性樹脂とを含む。このとき、最大径が200μm以上であるセルロース繊維乾燥体の凝集物が、5個/cm2以下であることが好ましい。5個/cm2以下であることで、セルロース繊維乾燥体の分散性が良好に保たれ、所望の物性が得られやすくなる。
当該凝集物の個数は、セルロース繊維と複合化した樹脂プレスシートから、実施例に記載の方法にて測定することができる。
混合する樹脂としては、溶融温度が300℃以下の熱可塑性樹脂等が挙げられ、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン)、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、PET樹脂、ポリエチレンテレフタレート、PVA樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、アセタール樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、PBT樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、アセチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロースエチルセルロース等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、単独または二種類以上の組み合わせで使用することができる。また、上記の中でも、ポリオレフィン系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
なお、本実施形態に係るセルロース繊維樹脂複合体においては、その効果を阻害しない範囲で公知の添加剤(相容化剤、熱安定剤、酸化防止剤等)を混合することができる。
セルロース繊維乾燥体におけるセルロース繊維をフィラーとして用いる際の樹脂として、ポリオレフィン等のビニル系樹脂、ポリアミド等の重縮合系樹脂等に限らず、融点が300℃以下の熱可塑性樹脂であれば適用可能である。また、セルロースと等しい屈折率のエポキシ等の透明基材(樹脂)との複合化により新機能性透明フィルム・樹脂を合成することができる。特に、本実施形態に係るセルロース繊維は、水素結合形成可能なフェノール樹脂、ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタラート、ポリビニルアルコール等の高分子と複合化することで、強度ないし表面特性を変えることができる。
(水分散体中のセルロース繊維の平均繊維径)
1μm以上の繊維径については水分散体を繊維が1本ずつ単離されるように、十分に希釈分散させた後に、プレパラートを作製し、マイクロスコープ(キーエンス社製、装置名:VHX-500)による観察にて、各繊維の繊維径を50本観察し、その平均値を平均繊維径とした。また、1μm未満の繊維径については水分散体を繊維が1本ずつ単離されるように、十分に希釈分散させた後に、雲母片に滴下し、自然乾燥後に、走査型プローブ顕微鏡(島津製作所社製 SPM-9700)による観察にて、各繊維の繊維径を50本観察し、その平均値を平均繊維径とした。
構成糖の分析は、還元糖分析システムを用いて測定した。この方法はカラム分離後、150℃のほう酸およびアルギニンで糖反応(メイラード反応)させ、蛍光検出する方式である。還元糖の分析システムの構成としては、島津製作所社製、コントローラCBM-20A、送液ポンプLC-20AD、オートサンプラSIL-20AC、カラムオープンCTO-20AC、蛍光検出器RF-20Axs、化学反応槽CRB-6Aを用いた。サンプルは解繊処理後の水分を含んだ試料を使用した。加熱乾燥により乾燥した後の試料を0.03g秤量し、70%の硫酸300μlに浸して1時間置いた。純水8.4mlを添加し、110℃で加熱、減圧環境下で60分維持した。その後、試料をガラスファイバーでろ過し、純水で10mlに定容する。試料1容量に対し、濃度40%の水酸化バリウム溶液を2容量添加し、試料溶液中の硫酸を塩析させた。
X線回折装置は(リガク社製、装置名:回転対陰極形X線発生装置ロータフレックスRU-200B)により加速電圧40kV,加速電流150mAでNiフィルターを通したCuKα線(A=1.542)を用いて同社製粉末X線回折用横型ゴニオメーターにて測定した。回折強度は回折角2θの範囲を5°から35°に対して測定した。セルロース繊維の広角X線回折像測定により得られる回折プロファイル(広角X線回折像)において、走査角2θ=14~17°付近と2θ=22~23°付近の二つの位置に典型的なセルロースI型結晶に起因するピークをもつかどうかで、セルロースI型結晶の有無を確認した。
セルロース繊維の分子量は、粘度法を用いて測定した。具体的には、セルロース繊維水分散体を凍結乾燥することで乾燥粉末試料を得た後、各セルロース繊維のサンプルを銅エチレンジアミン溶液に溶解させ、オストワルド粘度計を用いて、溶媒に対する溶液の相対粘度から、固有粘度を求め、各セルロース繊維の分子量(粘度平均分子量)を算出した。
繊維の解繊度を簡易的に測定するためにメジアン径を測定した。メジアン径(頻度の累積が50%になる粒子径)は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定方法(堀場製作所社製、装置名:LA-300)で求めた。測定前に超音波による分散処理を5分間実施し、粒度分布測定を行った。
セルロース繊維乾燥体の形状を確認するために電子顕微鏡(日本電子社製、装置名:JCM-5700)を用いて繊維外観の確認を行った。それぞれの繊維がバラバラに解れて繊維状になっているものはA、繊維状になっておらず繊維が複数本全体にわたって凝集している凝集体となっているものはD、その中間で、繊維同士が一部凝集して部分凝集体となっているものが半分未満の場合をB、部分凝集体となっているものが半分以上あるものをCと判定した。なお、A及びB判定を合格とする。
乾燥後の繊維形状判定で繊維状体が確認されたものについて、セルロース繊維乾燥体の繊維径を測定するために電子顕微鏡(日本電子社製、装置名:JCM-5700)を用いて繊維径測定を行った。各繊維の繊維径を50本観察し、その平均値を平均繊維径とした。
原料セルロースとして綿花由来のコットンを用い、セルロース繊維水分散体を作製した。
まず、カッティングミル(フリッチュ社製 Pulverisette 15)にてコットンを粉砕し、綿粉状セルロースを得た。得られた綿粉状セルロースを10質量%の濃度になるようにイオン交換水で分散液を調製し、湿式微粒化装置(スギノマシン社製 スターバースト)にて解繊処理を10回実施し、繊維を解した。その後、構成糖分析により、セルロース繊維の構成糖におけるヘミセルロース分の割合を測定した。また、得られたセルロース繊維水分散体を凍結乾燥することで乾燥粉末試料を得た後、粘度法により、その平均分子量を求め、X線回折測定により、セルロースI型結晶の有無の確認を行った。次に得られた10質量%のセルロース繊維水分散体に界面活性剤として縮合リシノール酸エステル(品名:CRS-75、メーカー名:阪本薬品工業)を、セルロース固形分100質量部に対して10質量部になるように添加し、十分に撹拌混合した。
セルロース繊維水分散体におけるセルロース繊維の平均繊維径、及び粒度分布の測定を行った。その結果を表1に示す。
製造例1と同様に得られた10質量%のセルロース繊維水分散体に界面活性剤として縮合リシノール酸エステル(品名:CRS-75、メーカー名:阪本薬品工業)を添加することなく、製造例1と同様に加熱乾燥させて、粒状の乾燥体を得た。さらに粒状の乾燥体は製造例1と同様にピンミルを用いて粉砕処理を実施し、セルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを電子顕微鏡により確認した(図2)。乾燥後の繊維形状を判定し、繊維状である場合はその平均繊維径を測定した。その結果を表2に示す。
製造例1と同様にして得られた10質量%のセルロース繊維水分散体に界面活性剤として縮合リシノール酸エステル(品名:CRS-75、メーカー名:阪本薬品工業)を、セルロース繊維(固形分)100質量部に対して1質量部になるように添加し、十分に撹拌混合した。その後、製造例1と同様に加熱乾燥させることで、粒状の乾燥体を得た。さらに粒状の乾燥体は製造例1と同様にピンミルを用いて粉砕処理を実施し、セルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを電子顕微鏡により確認した(図3)。乾燥後の繊維形状を判定し、繊維状である場合はその平均繊維径を測定した。その結果を表2に示す。
製造例1と同様にして得られた10質量%のセルロース繊維水分散体に界面活性剤として縮合リシノール酸エステル(品名:CRS-75、メーカー名:阪本薬品工業)を、セルロース繊維(固形分)100質量部に対して3質量部になるように添加し、十分に撹拌混合した。その後、加熱乾燥させることで、粒状の乾燥体を得た。さらに粒状の乾燥体は製造例1と同様にピンミルを用いて粉砕処理を実施し、セルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを電子顕微鏡により確認した(図4)。乾燥後の繊維形状を判定し、繊維状である場合はその平均繊維径を測定した。その結果を表2に示す。
製造例1と同様にして得られた10質量%のセルロース繊維水分散体に界面活性剤として縮合リシノール酸エステル(品名:CRS-75、メーカー名:阪本薬品工業)を、セルロース固形分に対して5質量部になるように添加し、十分に撹拌混合した。その後、加熱乾燥させることで、粒状の乾燥体を得た。さらに粒状の乾燥体は製造例1と同様にピンミルを用いて粉砕処理を実施し、セルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを電子顕微鏡により確認した(図5)。乾燥後の繊維形状を判定し、繊維状である場合はその平均繊維径を測定した。その結果を表2に示す。
製造例1と同様にして得られた10質量%のセルロース繊維水分散体に、界面活性剤としてのオレイン酸(品名:オレイン酸、メーカー名:富士フィルム和光純薬)を、セルロース繊維(固形分)100質量部に対して5質量部になるように添加し、十分に撹拌混合した。その後、加熱乾燥させることで、粒状の乾燥体を得た。さらに粒状の乾燥体は製造例1と同様にピンミルを用いて粉砕処理を実施し、セルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを電子顕微鏡により確認した(図6)。乾燥後の繊維形状を判定し、繊維状である場合はその平均繊維径を測定した。その結果を表2に示す。
なお、上記製造例で得られたセルロース繊維乾燥体におけるセルロース繊維の繊維長さは、各繊維径の10倍以上であった。
分散性の評価はセルロース繊維と複合化した樹脂プレスシートを、マイクロスコープ(キーエンス社製、装置名:VHX-500)により観察し、視野角3.1mm×4.3mmの範囲で50か所、表3に示す分散評価指標を用いて、凝集物の有無やそのサイズを測定し、各乾燥体の樹脂への分散性を評価した。凝集物は最大径で200μm以上のサイズを基準に行った。
精密万能試験装置(島津製作所社製、装置名:オートグラフAG-50KNXD)により、JIS K7161に準拠して、25℃における引張り試験を行い、引張強度、引張弾性率、ひずみを測定した。試験片は射出成型により、所定のダンベル片(JIS K7161)、全長150mm、エッジ部の幅20mm、厚さ3.25mm、狭い部分の幅12.7mmの試験片を得た。試験条件として、試験速度10mm/min、つかみ具間距離60mmに設定した。
原料セルロースとして市販のクラフトパルプを用い、セルロース繊維水分散体を作製した。まず、カッティングミル(フリッチュ社製、装置名:Pulverisette 15)にてパルプを粉砕し、綿粉状セルロースを得た。得られた綿粉状セルロースを10質量%の濃度になるようにイオン交換水で分散液を調製し、湿式微粒化装置(スギノマシン社製、装置名:スターバースト)にて解繊処理を3回実施し、繊維を解した。製造例1と同様に構成糖分析、分子量測定、X線回折測定を行った。次に得られた10質量%のセルロース繊維水分散体に界面活性剤として縮合リシノール酸エステル(品名:CRS-75、メーカー名:阪本薬品工業)を、セルロース固形分100質量部に対して10質量部になるように添加し、十分に撹拌混合した。
その後は製造例1と同様にして、平均繊維径と粒度分布を測定した。結果を表4に示す。また、製造例1と同様にしてセルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを製造例1と同様に電子顕微鏡により確認し、乾燥後に繊維状である場合はその平均繊維径を測定した。その結果を表4に示す。
表4に示す配合比でセルロース繊維、マレイン酸変性ポリプロピレン(品名:ユーメックス Y-1010、メーカー名:三洋化成)、ポリプロピレン(品名:PX600N、メーカー名:サンアロマー)を計量後、ブレンダーを用いて20,000rpmの条件で1分間撹拌混合した。その後、二軸混練機(Xplore Instruments社製)によって溶融混錬を行った。混練条件は、200℃、120rpm、混練時間は10分間実施した。混練後、射出成型により所定のダンベル片(JIS K7161)としてのセルロース繊維樹脂複合体を作製した。得られたダンベル片は、7日以上状態調整後、精密万能試験装置(島津製作所社製、製品名:オートグラフAG-50KNXD)により引張り試験を行った。試験条件として、試験速度10mm/min、つかみ具間距離60mmに設定した。機械的物性(引張強度、引張弾性率、ひずみ)の結果を表4に示す。
また、混練後に得られたストランドを長さ約3mmで切り出し、複合樹脂ペレットを得た。得られた複合樹脂ペレットをテフロン(登録商標)シートで挟み、熱プレス装置にて12MPa、2分、200℃のプレス処理を行い樹脂プレスシートを得た。得られた樹脂プレスシートは、マイクロスコープにより観察し、表3に示す分散評価方法を用いて、凝集物の有無やそのサイズを測定し、樹脂への分散性を評価した。
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、実施例1と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
湿式微粒化装置での解繊処理回数を2回に変更し、それ以外は製造例1と同様の方法で、セルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを製造例1と同様に電子顕微鏡により確認し、平均繊維径等を測定した(表4)。その後、実施例1と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
セルロース繊維乾燥体を含まない樹脂体の比較例として、表4に示す配合割合でポリプロピレン単体でのサンプル作製を行った。試験片の作製方法は実施例1と同様の方法で試作し、評価した。
原料としてFMa-10010(スギノマシン社製 10質量%セルロース水分散体)を用いた。その後の工程は製造例1と同様にして、構成糖分析、分子量測定、X線回折測定、平均繊維径測定、及び粒度分布測定を行った。結果を表4に示す。
また、製造例1と同様にしてセルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを製造例1と同様に電子顕微鏡により確認し、平均繊維径等を測定した(表4)。その後、実施例1と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
原料としてWFo-10010(スギノマシン社製 10質量%セルロース水分散体)を用いた。その後の工程は製造例1と同様にして、構成糖分析、分子量測定、X線回折測定、平均繊維径測定、及び粒度分布測定を行った。結果を表4に示す。
また、製造例1と同様にしてセルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを製造例1と同様に電子顕微鏡により確認し、平均繊維径等を測定した(表4)。その後、実施例1と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
原料セルロースとして綿花由来のコットンを用い、セルロース繊維水分散体を作製した。
まず、カッティングミル(フリッチュ社製、装置名:Pulverisette 15)にてコットンを粉砕し、綿粉状セルロースを得た。湿式微粒化装置による解繊処理を実施せず、得られた綿粉状セルロースを10質量%の濃度になるようにイオン交換水で分散液を調製した。その後の工程は製造例1と同様にして、構成糖分析、分子量測定、X線回折測定、平均繊維径測定、及び粒度分布測定を行った。結果を表4に示す。
また、製造例1と同様にしてセルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを製造例1と同様に電子顕微鏡により確認し、平均繊維径等を測定した(表4)。その後、実施例1と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
原料としてWFo-10010の低解繊処理品(スギノマシン社製、10質量%セルロース水分散体、1回解繊処理品)を用いた。その後の工程は製造例1と同様にして、セルロース繊維水分散体を作製した。製造例1と同様にして、構成糖分析、分子量測定、X線回折測定、平均繊維径測定、及び粒度分布測定を行った。結果を表4に示す。
また、製造例1と同様にしてセルロース繊維乾燥体を得た。得られたセルロース繊維乾燥体が繊維状になっているかどうかを製造例1と同様に電子顕微鏡により確認し、平均繊維径等を測定した(表4)。その後、実施例1と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
(ポリプロピレンとの複合化と評価)
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表5に示す配合比でセルロース繊維乾燥体、マレイン酸変性ポリプロピレン(品名:ユーメックス Y-1010、メーカー名:三洋化成)、ポリプロピレン(品名:PX600N、メーカー名:サンアロマー)を計量後、ブレンダーを用いて20,000rpmの条件で1分間撹拌混合した。その後、二軸混練機(Xplore Instruments社製)によって溶融混錬を行った。混練条件は、200℃、120rpm、混練時間は10分間実施した。混練後、射出成型により所定のダンベル片(JIS K7161)としてのセルロース繊維樹脂複合体を作製した。得られたダンベル片は、7日以上状態調整後、精密万能試験装置(島津製作所社製、製品名:オートグラフAG-50KNXD)により引張り試験を行った。試験条件として、試験速度10mm/min、つかみ具間距離60mmに設定した。機械的物性(引張強度、引張弾性率、ひずみ)の結果を表5に示す。
また、混練後に得られたストランドを長さ約3mmで切り出し、複合樹脂ペレットを得た。得られた複合樹脂ペレットをテフロン(登録商標)シートで挟み、熱プレス装置にて12MPa、2分、200℃のプレス処理を行い樹脂プレスシートを得た。得られた樹脂プレスシートは、マイクロスコープにより観察し、表3に示す分散評価方法を用いて、凝集物の有無やそのサイズを測定し、樹脂への分散性を評価した。作製したダンベル片のセルロース繊維比率は1質量%である。
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表5に示す配合比で、実施例4と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様に評価した。機械的物性(引張強度、引張弾性率、ひずみ)の結果を表5に示す。作製したダンベル片のセルロース繊維比率は5質量%である。
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表5に示す配合比で、実施例4と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様に評価した。機械的物性(引張強度、引張弾性率、ひずみ)の結果を表5に示す。作製したダンベル片のセルロース繊維比率は20質量%である。
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表5に示す配合比で、実施例4と同様の方法でポリプロピレンとの複合化を実施し、同様に評価した。機械的物性(引張強度、引張弾性率、ひずみ)の結果を表5に示す。作製したダンベル片のセルロース繊維比率は30質量%である。
(ナイロン6との複合化と評価)
実施例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表6に示す配合比でセルロース繊維乾燥体、ナイロン6(東レ社製 アミランCM1007)を計量後、ブレンダーを用いて20,000rpmの条件で1分間撹拌混合した。撹拌混合後、水分除去のため、80℃のオーブンで2日間乾燥処理を行った。その後、二軸混練機(Xplore Instruments社製)によって溶融混錬を行った。混練条件は、260℃、120rpm、混練時間は8分間実施した。混練後、射出成型により所定のダンベル片(JIS K7161)を得た。得られたダンベル片は、7日以上状態調整後、精密万能試験装置(島津製作所社製、製品名:オートグラフAG-50KNXD)により引張り試験を行った。試験条件として、試験速度10mm/min、つかみ具間距離60mmに設定した。得られた機械的物性(引張強度、引張弾性率、ひずみ)の結果を表6に示す。また、混練後に得られたストランドを長さ約3mmで切り出し、複合樹脂ペレットを得た。得られた複合樹脂ペレットをテフロン(登録商標)シートで挟み、熱プレス装置にて12MPa、2分、260℃のプレス処理を行い樹脂プレスシートを得た。得られた樹脂プレスシートは、マイクロスコープにより観察し、表3に示す分散評価方法を用いて、凝集物の有無やそのサイズを測定し、樹脂への分散性を評価した。
セルロース繊維乾燥体として実施例2のセルロース繊維乾燥体を用いた以外は実施例8と同様の方法でナイロン6との複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
セルロース繊維乾燥体として実施例3のセルロース繊維乾燥体を用いた以外は実施例8と同様の方法でナイロン6との複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
セルロース繊維乾燥体を含まない樹脂体の比較例として、表6に示す配合割合でナイロン6単体でのサンプル作製を行った。また試験片の作製方法は実施例8と同様の方法で試作し、評価した。
セルロース繊維乾燥体として比較例2のセルロース繊維乾燥体を用いた以外は実施例8と同様の方法でナイロン6との複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
セルロース繊維乾燥体として比較例3のセルロース繊維乾燥体を用いた以外は実施例8と同様の方法でナイロン6との複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
セルロース繊維乾燥体は比較例4で調製したものと同様のものを使用した。また実施例8と同様の方法でナイロン6との複合化を実施し、同様の方法にて評価した。
(ナイロン6との複合化と評価)
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表7に示す配合比でセルロース繊維乾燥体、ナイロン6(東レ社製 アミランCM1007)をブレンダーを用いて20,000rpmの条件で1分間撹拌混合した。撹拌混合後、水分除去のため、80℃のオーブンで2日間乾燥処理を行った。その後、二軸混練機(Xplore Instruments社製)によって溶融混錬を行った。混練条件は、260℃、120rpm、混練時間は8分で射出成型を行い、所定のダンベル片(JIS K7161)を得た。得られたダンベル片は、7日以上状態調整後、精密万能試験装置(オートグラフAG-50KNXD 島津製作所製)により引張り試験を行った。試験条件として、試験速度10mm/min、つかみ具間距離60mmに設定した。得られた機械的物性(引張強度、引張弾性率、ひずみ)ついて表7に示す。作製したダンベル片のセルロース繊維比率は1質量%である。
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表7に示す配合比で、実施例11と同様の方法でナイロン6との複合化を実施し、同様に評価した。作製したダンベル片のセルロース繊維比率は5質量%である。
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表7に示す配合比で、実施例11と同様の方法でナイロン6との複合化を実施し、同様に評価した。作製したダンベル片のセルロース繊維比率は20質量%である。
製造例1のセルロース繊維乾燥体を用い、表7に示す配合比で、実施例11と同様の方法でナイロン6との複合化を実施し、同様に評価した。作製したダンベル片のセルロース繊維比率は30質量%である。
Claims (10)
- セルロース繊維を含み、含水量が10質量%以下であるセルロース繊維乾燥体であって、
前記セルロース繊維の平均繊維径が1.1μm以上20μm以下であり、
前記セルロース繊維の構成糖成分におけるヘミセルロース分の割合が50%以下であり、さらに、界面活性剤を含む、セルロース繊維乾燥体。 - 前記セルロース繊維が、セルロースI型結晶を有する請求項1に記載のセルロース繊維乾燥体。
- 前記セルロース繊維の粘度平均分子量が10万以上である請求項1又は2に記載のセルロース繊維乾燥体。
- 前記界面活性剤がステアリン酸、オレイン酸、グリセリン、及びポリグリセリン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1~3のいずれか1項に記載のセルロース繊維乾燥体。
- 前記界面活性剤を、セルロース繊維100質量部に対して1質量部以上30質量部以下含む請求項1~4のいずれか1項に記載のセルロース繊維乾燥体。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のセルロース繊維乾燥体と熱可塑性樹脂とを含むセルロース繊維樹脂複合体。
- 最大径が200μm以上である前記セルロース繊維乾燥体の凝集物が、5個/cm2以下である請求項6に記載のセルロース繊維樹脂複合体。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記セルロース繊維乾燥体の含有量が1質量%以上である請求項6又は7に記載のセルロース繊維樹脂複合体。
- JIS K7161に規定される引張弾性率が1550MPa以上であり、かつ、引張強度が36MPa以上である請求項6~8のいずれか1項に記載のセルロース繊維樹脂複合体。
- 請求項6~9のいずれか1項に記載のセルロース繊維樹脂複合体で形成されてなる成形体。
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