JP7142065B2 - 全熱交換素子用仕切部材、全熱交換素子、および換気装置 - Google Patents

全熱交換素子用仕切部材、全熱交換素子、および換気装置 Download PDF

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Description

本開示は、全熱交換素子用仕切部材と、それを備えた全熱交換素子と、全熱交換素子を備えた換気装置とに関する。
特許文献1に開示されているように、全熱交換素子を備えた換気装置が知られている。全熱交換素子は、給気と排気の間で顕熱と潜熱を交換させる。
換気装置の全熱交換素子は、熱交換を行うための仕切部材を備える。仕切部材は、給気と排気とを物理的に分離する部材である。仕切部材には、給気と排気が交じり合わないようにするための透気性が低い性能(ガスバリア性)と、給気と排気の間で熱交換を行うための伝熱性が求められる。また、仕切部材には、高い透湿性を有することも求められる。
全熱交換素子用仕切部材としては、例えば、潮解性のある塩化カルシウムや塩化リチウムや硫酸、水酸化ナトリウムなどの低分子化合物から形成された透湿膜を利用したものが考えられる。中でも、安全性の点から塩化カルシウムや塩化リチウムから形成された透湿膜が広く使用されている。しかしながら、潮解性を有する化合物や低分子化合物から形成された透湿膜は水に対する溶解性が高く、耐水性に劣るものであった。
また、特許文献1には、全熱交換素子用仕切部材として、他に、多孔質基材と多孔質基材の表面及び内部に備える親水性高分子化合物とを有し、上記親水性高分子化合物は、第四級アンモニウム基とアミド基を有する化合物の重合体である仕切部材が開示されている。
特開2014-55683号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の、第四級アンモニウム基とアミド基を有する化合物の重合体を用いた親水性高分子化合物では、透湿性が不充分であった。特に、低温低湿度環境下での透湿性が不充分であった。
従って、本発明の目的は、透気性が低く、且つ透湿性に優れる全熱交換素子用仕切部材を提供することにある。
本開示の第1の態様は、シート状の多孔質基材(41)と、上記多孔質基材(41)に設けられた透湿膜(42)とを備え、上記透湿膜(42)は、官能基としてベタイン基を含む側鎖を有する熱可塑性共重合体から形成される全熱交換素子用仕切部材である。
第1の態様の全熱交換素子用仕切部材は、透気性が低く、且つ透湿性に優れる。また、この全熱交換素子用仕切部材は、低温低湿度環境下での透湿性にも優れる。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記共重合体はさらに疎水性官能基を側鎖に有する全熱交換素子用仕切部材である。
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、上記共重合体は、上記ベタイン基を含む側鎖を有する構成単位として下記式(1)で表される構成単位と、上記疎水性官能基を側鎖に有する構成単位として下記式(2)で表される構成単位とを含み、下記式(1)で表される構成単位の、下記式(2)で表される構成単位に対するモル比が1/100~100/1である共重合体から形成される全熱交換素子用仕切部材である。
Figure 0007142065000001

[式(1)中、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示す。Xは、炭素数1~4の二価の炭化水素基を示す。Yは、炭素数1~4の二価の直鎖状炭化水素基を示す。Zは、O又はNHを示す。α及びβは、カチオン及びアニオンの組み合わせを示す。]
Figure 0007142065000002

[式(2)中、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数2以上の炭化水素基を示す。Zは、O又はNHを示す。]
本開示の第4の態様は、上記第3の態様において、上記式(1)中のカチオンはアンモニウムイオンである全熱交換素子用仕切部材である。
本開示の第5の態様は、上記第3又は第4の態様において、上記式(1)中のアニオンは、リン酸イオン、硫酸イオン、又は炭酸イオンである全熱交換素子用仕切部材である。
本開示の第6の態様は、上記第3の態様において、上記式(1)は、下記式(1-1)で表される基、下記式(1-2)で表される基、又は下記式(1-3)で表される基を含む全熱交換素子用仕切部材である。
Figure 0007142065000003

[式(1-1)~(1-3)中、X及びYは上記に同じであり、カルボニル炭素原子の左側の結合手は式(1)中のRを有する炭素原子に結合する。式(1-1)中、R、R、及びRは、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。式(1-2)及び式(1-3)中、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。]
本開示の第7の態様は、上記第3~第6のいずれか一つの態様において、上記共重合体の重量平均分子量は2万~200万である全熱交換素子用仕切部材である。
本開示の第8の態様は、上記第3~第7のいずれか一つの態様において、上記共重合体は、上記式(1)で表される構成単位を形成する単量体と上記式(2)で表される構成単位を形成する単量体とのランダム共重合体である全熱交換素子用仕切部材である。
本開示の第9の態様は、上記第1~第8のいずれか一つの態様において、上記多孔質基材(41)は、上記透湿膜(42)を備える側の表面に親水化処理が施されている全熱交換素子用仕切部材である。
本開示の第10の態様は、上記第1~第9のいずれか一つの態様において、JIS Z0208-1976の透湿度試験方法に基づく、温度20℃、相対湿度65%、風速0.2m/秒以下の条件における透湿度が1600g/(m2・24h)以上である全熱交換素子用仕切部材である。
本開示の第11の態様は、上記第1~第10のいずれか一つの態様において、上記透湿膜(42)の表面は親水部と疎水部が相分離した構造を有し、上記透湿膜(42)の表面において、親水部の最大径が50nm以下である全熱交換素子用仕切部材である。
本開示の第12の態様は、上記第1~第11のいずれか一つの態様の全熱交換素子用仕切部材(40)を複数備えると共に、積層された上記全熱交換素子用仕切部材(40)の間に配置されて隣り合う上記全熱交換素子用仕切部材(40)の間隔を保持する間隔保持部材(32,125,155)を備え、第1空気流路(36,121)と第2空気流路(37,151)とが上記全熱交換素子用仕切部材(40)を挟んで交互に形成される全熱交換素子(30)である。
本開示の第13の態様は、上記第12の態様の全熱交換素子(30)を備え、室外から室内へ供給される給気が上記全熱交換素子(30)の上記第1空気流路(36,121)を流れ、室内から室外へ排出される排気が上記全熱交換素子(30)の上記第2空気流路(37,151)を流れる換気装置(10)である。
本開示の全熱交換素子用仕切部材(40)は、透気性が低く、且つ透湿性に優れる。また、低温低湿度環境下での透湿性にも優れる。このため、本開示の全熱交換素子用仕切部材(40)は、全熱交換素子(30)及び当該全熱交換素子(30)を備えた換気装置(10)に特に好ましく用いることができる。
図1は、実施形態1の全熱交換素子用仕切部材の概略断面図である。 図2は、実施形態2の全熱交換素子の概略斜視図である。 図3は、実施形態2の全熱交換素子の要部の断面図である。 図4は、実施形態3の換気装置の概略構成図である。 図5は、実施形態4の全熱交換素子の斜視図である。 図6は、実施形態4の全熱交換素子の平面図である。 図7は、実施形態4の全熱交換素子の一部を抜き出して示す平面図である。 図8は、図7のVIII-VIII断面と、その断面の周辺とを示す斜視図である。 図9は、その他の実施形態の第1変形例の全熱交換素子用仕切部材の概略断面図である。 図10は、その他の実施形態の第1変形例の全熱交換素子用仕切部材の概略断面図である。 図11は、その他の実施形態の第1変形例の全熱交換素子用仕切部材の概略断面図である。 図12は、その他の実施形態の第1変形例の全熱交換素子用仕切部材の概略断面図である。 図13は、その他の実施形態の第2変形例の全熱交換素子の図3に相当する断面図である。 図14は、その他の実施形態の第3変形例の全熱交換素子の図3に相当する断面図である。
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態は、全熱交換素子用仕切部材(40)である。
本実施形態の全熱交換素子用仕切部材(40)は、換気装置(10)に設けられる全熱交換素子(30)を構成する。本実施形態の全熱交換素子用仕切部材(40)は、給気と排気との間で顕熱と潜熱(水分)の交換を行わせるための部材である。以下では、「全熱交換素子用仕切部材」を単に「仕切部材」と言う。
図1に示すように、本実施形態の仕切部材(40)は、積層体によって構成される。この仕切部材(40)を構成する積層体は、シート状の多孔質基材(41)と、多孔質基材(41)に設けられた透湿膜(42)とを備える。図1に示す多孔質基材(41)では、上側の面が第1面(41a)であり、下側の面が第2面(41b)である。本実施形態の仕切部材(40)を構成する積層体において、透湿膜(42)は、多孔質基材(41)の一方の面である第1面(41a)を覆うように設けられる。
上記透湿膜(42)は、官能基としてベタイン基を含む側鎖を有する熱可塑性の共重合体から形成される。上記共重合体は、上記ベタイン基を含む側鎖を有することにより、両イオン性であり親水性が極めて高い基を有し、親水部を有する。このため、上記共重合体から形成される透湿膜(42)中において親水部が形成され、上記親水部が導水パスとして機能して水蒸気をより多く通過させることができ、透湿性に優れるものと推測される。また、一般的に、塩化カルシウムや塩化カリウムから形成された透湿膜(42)は、低温低湿度環境下では水分吸収量が極端に低下し、透湿度が劣る傾向にあるが、上記共重合体から形成された透湿膜(42)は、低温低湿度環境下でも、水分吸収量は極端に低下せず透湿性に優れる。上記ベタイン基を含む側鎖は、一種のみを有していてもよく、二種以上を有していてもよい。
上記熱可塑性の共重合体は、ポリマー主鎖が熱可塑性樹脂であることを意味する。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸などが挙げられる。
上記共重合体は、さらに疎水性官能基を側鎖に有することが好ましい。上記共重合体は、上記ベタイン基を含む側鎖に加えて、上記疎水性官能基を含む側鎖を有することにより疎水部を有する。これにより、上記共重合体から形成される透湿膜(42)中において親水部とともに疎水部が形成される。このため、上記共重合体から形成される透湿膜(42)中において、親水部と疎水部が相分離した構造を形成し、親水部が導水パスとして機能して水蒸気をより多く通過させることができ、より透湿性に優れるものと推測される。上記疎水性官能基としては、炭素数2以上の炭化水素基が挙げられる。上記疎水性官能基は、一種のみを有していてもよく、二種以上を有していてもよい。
上記共重合体は、上記ベタイン基を含む側鎖を有する構成単位として下記式(1)で表される構成単位と、上記疎水性官能基を側鎖に有する構成単位として下記式(2)で表される構成単位とを含むことが好ましい。また、上記共重合体は、上記式(1)で表される構成単位の、上記式(2)で表される構成単位に対するモル比が1/100~100/1であることが好ましい。
Figure 0007142065000004

[式(1)中、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示す。Xは、炭素数1~4の二価の炭化水素基を示す。Yは、炭素数1~4の二価の直鎖状炭化水素基を示す。Zは、O又はNHを示す。α及びβは、カチオン及びアニオンの組み合わせを示す。]
Figure 0007142065000005

[式(2)中、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示し、Rは、炭素数2以上の炭化水素基を示す。Z2は、O又はNHを示す。]
上記共重合体は、上記式(1)で表される構成単位を含むことにより、α及びβに由来する両イオン性であり親水性が極めて高い基を有し、親水部を有する。また、上記共重合体は、上記式(2)で表される構成単位を含むことにより、疎水部である炭素数2以上のアルキルエステル部を有する。そして上記モル比が上記範囲内であることにより、上記共重合体中で親水部と疎水部がバランス良く存在することとなる。このため、上記共重合体から形成される透湿膜(42)中において、親水部と疎水部が相分離した構造を形成し、親水部が導水パスとして機能して水蒸気をより多く通過させることができ、透湿性に優れるものと推測される。また、一般的に、塩化カルシウムや塩化カリウムから形成された透湿膜(42)は、低温低湿度環境下では水分吸収量が極端に低下し、透湿度が劣る傾向にあるが、上記共重合体から形成された透湿膜(42)は、低温低湿度環境下でも、水分吸収量は極端に低下せず透湿性に優れる。また、親水部と疎水部のうち、これらのモル比で疎水部の割合が多くなると、透湿性に優れながら、水に溶解しにくく、耐水性にも優れた透湿膜(42)とすることもできる。さらに、上記共重合体の水溶液は、pHが弱酸性であるため、スルホニル基等の酸性官能基を有する従来の強酸性である樹脂を用いた透湿膜(42)に比べて金属の腐食を起こしにくい(すなわち耐金属腐食性に優れる)。
上記式(1)で表される構成単位を含む構成単位として、下記式(1’)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0007142065000006

[式(1’)中、Rは、二価の炭化水素基を示す。R、X、Y、Z、α、及びβは上記に同じである。]
式(1’)中、Rは、二価の炭化水素基を示し、例えば、メチレン基、エチレン基などの炭素数1~4のアルキレン基が挙げられる。上記Rがメチレン基である場合の上記式(1’)で表される構成単位としては、アクリル酸エステルに由来する構成単位、メタクリル酸エステルに由来する構成単位が挙げられる。上記二価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
式(1)中、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示し、好ましくは水素原子又はメチル基、より好ましくはメチル基である。
式(1)中、Xは、炭素数1~4の二価の炭化水素基を示し、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基などが挙げられる。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、イソプロピレン基、テトラメチレン基等の直鎖又は分岐鎖状C1-4アルキレン基が挙げられる。アルケニレン基としては、例えば、エチニレン基、1-プロペニレン基、イソプロペニレン基、1-ブテニレン基、2-ブテニレン基、3-ブテニレン基等の直鎖又は分岐鎖状C2-4アルケニレン基などが挙げられる。上記二価の炭化水素基としては、中でも、直鎖又は分岐鎖状アルキレン基が好ましく、より好ましくは直鎖状アルキレン基である。
式(1)中、Yは、炭素数1~4の二価の直鎖状炭化水素基を示し、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基などが挙げられる。アルキレン基としては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。アルケニレン基としては、例えば、エチニレン基、1-プロペニレン基、1-ブテニレン基などが挙げられる。上記二価の直鎖状炭化水素基としては、中でも、アルキレン基が好ましく、より好ましくは直鎖状アルキレン基である。上記X及びYの炭素数を上記の範囲内に調整することにより、疎水性及び親水性のバランスが最適化される。
式(1)中、Zは、O又はNHを示す。すなわち、二価の結合基であるZは、-O-(エーテル結合)又はアミノ結合(-NH-)であり、上記式(1)で表される構成単位において、隣接するカルボニル炭素と併せてエステル結合又はアミド結合を形成する。
式(1)中、α及びβは、カチオン及びアニオンの組み合わせである。すなわち、αがカチオンでありβがアニオンであるか、又は、αがアニオンでありβがカチオンである。上記カチオンとしてはアンモニウムイオンが好ましい。上記アニオンとしては、リン酸イオン(-PO )、硫酸イオン(-SO )、又は炭酸イオン(-CO )であることが好ましい。上記アニオンがリン酸イオンである場合、上記式(1)で表される構成単位はホスホベタインを含み、上記アニオンが硫酸イオンである場合、上記式(1)で表される構成単位はスルホベタインを含み、上記アニオンが炭酸イオンである場合、上記式(1)で表される構成単位はカルボベタインを含むこととなる。上記アニオンは、上記共重合体において共鳴構造を有していてもよい。
上記カチオンがアンモニウムイオンであり、上記アニオンがリン酸イオン(-PO )、硫酸イオン(-SO )、又は炭酸イオン(-CO )である、上記式(1)で表される構成単位は、例えば、下記式(1-1)~(1-3)で表される基を有するものが挙げられる。
Figure 0007142065000007

[式(1-1)~(1-3)中、X及びYは上記に同じであり、カルボニル炭素原子(式(1-3)においては左側のカルボニル炭素原子)の左側の結合手は式(1)中のRを有する炭素原子に結合する。式(1-1)中、R、R、及びRは、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。式(1-2)及び式(1-3)中、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。]
式(1-1)中、R、R、及びRは、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。上記炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。中でも、メチル基が好ましい。
式(1-1)としては、中でも、Xがジメチレン基、Yがジメチレン基であることが好ましい。
上記式(1-1)で表される構成単位を形成する単量体としては、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。
上記式(1-1)で表される基を含む場合の上記式(1’)で表される構成単位としては、下記式(1’-1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0007142065000008

[式(1’-1)中、R、R、R、R、X、及びYは上記に同じである。]
式(1-2)中、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。上記炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。中でも、メチル基が好ましい。
式(1-2)としては、中でも、Xがトリメチレン基、Yがテトラメチレン基であることが好ましい。
式(1-3)中、R及びRは、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。上記炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。中でも、メチル基が好ましい。
式(1-3)中、Xがジメチレン基、Yがメチレン基であることが好ましい。
式(2)中、Rは、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示し、好ましくは水素原子又はメチル基、より好ましくはメチル基である。
式(2)中、Rは、炭素数2以上の炭化水素基を示す。上記炭素数は、疎水部の疎水性がより適度となる観点から、4~26が好ましく、より好ましくは8~22、さらに好ましくは10~20、特に好ましくは14~18である。
上記炭素数2以上の炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらが2以上結合した基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基等の直鎖又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、5-ヘキセニル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基が挙げられる。アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基が挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等のC3-12シクロアルキル基;シクロヘキセニル基等のC3-12シクロアルケニル基;ビシクロヘプタニル基、ビシクロヘプテニル基等のC4-15架橋環式炭化水素基などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6-14アリール基(特に、C6-10アリール基)などが挙げられる。
上記炭素数2以上の炭化水素基としては、中でも、脂肪族炭化水素基が好ましく、より好ましくは直鎖又は分岐鎖状アルキル基、さらに好ましくは直鎖状アルキル基である。
式(2)中、Zは、O又はNHを示す。すなわち、二価の結合基であるZは、-O-(エーテル結合)又はアミノ結合(-NH-)であり、上記式(1)で表される構成単位において、隣接するカルボニル炭素と併せてエステル結合又はアミド結合を形成する。
上記式(2)で表される構成単位を形成する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。
上記式(1)で表される構成単位及び上記式(2)で表される構成単位は、それぞれ、一種のみを有していてもよいし、二種以上を有していてもよい。
上記ベタイン基を含む側鎖を有する構成単位に対する上記疎水性官能基を側鎖に有する構成単位のモル比(好ましくは、上記式(1)で表される構成単位の上記式(2)で表される構成単位に対するモル比)[前者/後者]は、1/100~100/1(すなわち0.01~100.0)であることが好ましく、より好ましくは0.01~90、さらに好ましくは0.02~80、さらに好ましくは0.1~20、特に好ましくは0.5~5である。
上記共重合体における親水部の疎水部に対するモル比[前者/後者]は、0.01~2.0が好ましく、より好ましくは0.01~1.5、さらに好ましくは0.01~1.3である。なお、上記親水部及び疎水部は、エネルギー表示法に基づく自由エネルギーを算出するプロセスから得られる溶質-溶媒ペアのエネルギーヒストグラムにおいて、負側の積分値を水に対する引力値、正側の積分値を水に対する斥力値とした場合の上記引力値として示される項を親水部、上記斥力値として示される項を疎水部とする。
上記共重合体において、上記ベタイン基を含む側鎖を有する構成単位と上記疎水性官能基を側鎖に有する構成単位の重合形態(特に、上記式(1)で表される構成単位と上記式(2)で表される構成単位の共重合形態)は特に限定されず、ブロック共重合、交互共重合、ランダム共重合のいずれであってもよい。上記共重合体が上記式(1)で表される構成単位を形成する単量体と上記式(2)で表される構成単位を形成する単量体の共重合体である場合、上記共重合体は、ブロック共重合体、交互共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよい。中でも、上記共重合体は、ランダム共重合体であることが好ましい。
上記共重合体は、上記式(1)で表される構成単位及び上記式(2)で表される構成単位以外の、他の単量体由来の構成単位を有していてもよい。但し、上記共重合体は、上記式(1)で表される構成単位及び上記式(2)で表される構成単位の合計モル数は、上記共重合体を構成する全単量体に由来する構成単位の総モル数に対して、50モル%以上が好ましく、より好ましくは90モル%、さらに好ましくは99モル%以上である。
上記共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、2万~200万が好ましく、より好ましくは3万~150万、さらに好ましくは5万~100万、特に好ましくは7万~50万である。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいうものとする。
上記透湿膜(42)は、上記共重合体より形成されたものである。上記透湿膜(42)は、本開示の積層体における効果を損なわない範囲内で、上記共重合体以外のその他の成分を含んでいてもよい。
上記透湿膜(42)は、上記その他の成分として防腐剤を含むことが好ましい。上記防腐剤は、上記透湿膜(42)から脱落しにくい観点から、上記透湿膜(42)の厚さよりも小径であることが好ましい。なお、上記防腐剤の径は、上記防腐剤における最大粒径をいうものとする。
上記透湿膜(42)の厚さは、特に限定されないが、50~1000nmが好ましく、より好ましくは100~500nmである。上記厚さが50nm以上であると、製膜性が良好となり、ガスバリア性向上に繋がる。上記厚さが1000nm以下であると、透湿性がより良好となる。また、上記透湿膜(42)は1000nm以下での薄膜形成が容易であり、経済性にも優れる。
上記共重合体が親水部及び疎水部を有する場合、これに起因して、上記透湿膜(42)は表面に親水部及び疎水部が相分離した構造を有する。上記透湿膜(42)表面における親水部の最大径は50nm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以下である。上記親水部の最大径が50nm以下であると、サイズが50nmを超える物質が上記透湿膜(42)を透過しにくく、上記透湿膜(42)を、50nm以上の物質(例えばウイルスなど)を透過させないバリアフィルムとして使用することができる。上記親水部の径は次の方法によって評価される。走査型プローブ顕微鏡(SPM)の凝着力測定モードを用いて吸着力の高い部位(親水部)と吸着力の低い部位(疎水部)を凝着力によって数値化し、画像解析ソフトで処理することで、円相当径として親水部の径を算出することができる。そして、上記最大径は、上述のようにして算出された親水部の径(円相当径)のうち、最も径が大きい径である。
上記多孔質基材(41)は、上記透湿膜(42)の支持体となる要素であり、透湿性に優れるものであることが好ましい。
上記多孔質基材(41)を形成する材料としては、親水性材料及び疎水性材料のいずれであってもよいが、疎水性材料であることが好ましい。上記疎水性材料を用いると、透湿膜(42)を形成するための水性組成物を塗布した際、水性組成物が多孔質基材(41)に染み込まないため、多孔質基材(41)において水性組成物が塗膜形成面とは反対側の面から流れ落ちるのを防ぐためのリード基材が不要となる。
上記多孔質基材(41)を形成する材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂、金属、ガラス、セラミック等の無機物、紙などが挙げられる。中でも、上記透湿膜(42)は上記多孔質基材(41)上に比較的低温で製膜可能であるため、また、透湿性及び耐水性に優れる観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。上記材料は、金属繊維、無機繊維などの繊維状であってもよい。上記多孔質基材(41)を形成する材料は、一種のみであってもよいし、二種以上であってもよい。
上記多孔質基材(41)としては、例えば、樹脂多孔膜、無機多孔膜、金属多孔膜、繊維状基材などが挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンを必須の単量体成分として構成される重合体(オレフィン系エラストマーを含む)であり、即ち、分子中(1分子中)にオレフィンに由来する構成単位を少なくとも含む重合体である。上記オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィンが挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレンを必須の単量体成分として構成される重合体(ポリエチレン系樹脂)、プロピレンを必須の単量体成分として構成される重合体(ポリプロピレン系樹脂)、アイオノマー、非晶性環状オレフィン系重合体などが挙げられる。中でも、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
上記多孔質基材(41)の空隙率は、特に限定されないが、30~90体積%が好ましく、より好ましくは40~70体積%である。上記空隙率が30体積%以上であると、透湿性がより良好となる。上記空隙率が90体積%以下であると、透湿膜(42)の支持性能がより良好となる。
上記多孔質基材(41)の厚さは、特に限定されないが、上記透湿膜(42)を充分に支持可能である観点から、5μm以上が好ましく、より好ましくは10μm以上である。また、上記多孔質基材(41)の厚さは、透湿性に優れる観点や経済性を考慮して、50μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下である。
上記多孔質基材(41)の上記透湿膜(42)を備える側の表面(本実施形態では「第1面(41a)」)は、上記透湿膜(42)を容易に形成可能とする観点から、親水化処理が施されていることが好ましい。特に、上記多孔質基材(41)を形成する材料として疎水性材料を用いた場合、上記親水化処理が施されていることが好ましい。上記親水化処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理などが挙げられる。これらの親水化処理により、多孔質基材(41)の表面にカルボキシ基、ヒドロキシ基、或いはカルボニル基を生じさせることができ、上記透湿膜(42)を形成するための水性組成物が多孔質基材(41)の表面に濡れ広がりやすくなり、上記透湿膜(42)の形成が容易となる。また、これにより、上記多孔質基材(41)と上記透湿膜(42)の密着性が向上する。また、疎水性基材から形成された上記多孔質基材(41)を巻回体として保管する際、巻回体において上記多孔質基材(41)の一方の面と他方の面とが接触する形態となるが、親水性の一方の面と疎水性の他方の面とが接触することとなるため、ブロッキングを防止することができる。
上記多孔質基材(41)の上記透湿膜(42)を形成する側の面(本実施形態では「第1面(41a)」)の表面張力は、35~55dyn/cmが好ましく、より好ましくは37~50dyn/cmである。上記表面張力が35dyn/cm以上であると、上記透湿膜(42)を形成するための水性組成物を塗布することが容易となり、上記透湿膜(42)の形成が容易となる。上記表面張力が55dyn/cm以下であると、上記透湿膜(42)を形成するための水性組成物が濡れ広がりすぎず、上記多孔質基材(41)の表面に容易に上記透湿膜(42)を形成することができる。なお、上記多孔質基材(41)の表面が親水化処理されている場合、上記透湿膜(42)を形成する側の面(本実施形態では「第1面(41a)」)は、上記親水化処理が施された面である。
上記多孔質基材(41)の内部(すなわち、上記透湿膜(42)が形成されていない領域である内部)の表面張力は、35dyn/cm未満が好ましく、より好ましくは33dyn/cm以下である。上記表面張力が35dyn/cm未満であると、上記透湿膜(42)を形成するための水性組成物が上記多孔質基材(41)の内部まで浸透するのを抑制され、上記多孔質基材(41)の表面に容易に上記透湿膜(42)を形成することができる。なお、上記多孔質基材(41)の表面が親水化処理されている場合、上記多孔質基材(41)の内部は、親水化処理が施されていない領域である内部である。また、上記内部の表面張力は、上記多孔質基材(41)を切断した断面について測定して得ることができる。
上記積層体(本実施形態の仕切部材(40)を構成する積層体)は、JIS Z0208-1976の透湿度試験方法(カップ法)に基づく、温度20℃、相対湿度65%、風速0.2m/s以下の条件における透湿度が、1600g/(m・24h)以上であることが好ましく、より好ましくは1700g/(m2・24h)以上、さらに好ましくは1800g/(m・24h)以上である。上記積層体は、透湿性に優れるため、上記透湿度が1600g/(m・24h)以上である構成とすることが可能である。
上記積層体は、JIS Z0208-1976の透湿度試験方法(カップ法)に基づく、温度5℃、相対湿度45%、風速0.2m/s以下の条件における透湿度が、300g/(m・24h)以上であることが好ましく、より好ましくは400g/(m・24h)以上、さらに好ましくは500g/(m・24h)以上である。上記積層体は、低温低湿度環境下における透湿性に優れるため、上記透湿度が300g/(m・24h)以上である構成とすることが可能である。
上記積層体は、JIS P8117-2009のガーレー法に基づく透気抵抗度が、3000秒/100cc以上であることが好ましく、より好ましくは4000秒/100cc以上、さらに好ましくは5000秒/100cc以上である。上記積層体は、透気性が低いため、上記透気抵抗度が3000秒/100cc以上である構成とすることが可能である。
上記積層体は、下記耐水性試験による透気抵抗度の低下率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下である。上記透気抵抗度の低下率が50%以下であると、耐水性により優れる。また、上記透気抵抗度の低下率が上記範囲内であり、且つ上記共重合体における疎水部のモル比が高い場合、さらに耐水性が優れる。
<耐水性試験>
積層体からφ7cmの試験片を切り出し、透気抵抗度を測定する(初期の透気抵抗度)。その後、試験片を、1Lの常温水に15分間浸漬させたのち、常温で自然乾燥させる。上記試験片について、この浸漬、乾燥を1サイクルとして50サイクル繰り返し、耐水性試験後の試験片を得る。そして、得られた耐水性試験後の試験片について透気抵抗度を測定する(耐水性試験後の透気抵抗度)。そして、下記式より透気抵抗度の低下率を求める。なお、上記初期の透気抵抗度及び上記耐水性試験後の透気抵抗度はいずれもJIS P8117-2009のガーレー法に基づく透気抵抗度である。
透気抵抗度の低下率(%)=[(初期の透気抵抗度)-(耐水性試験後の透気抵抗度)]/(初期の透気抵抗度)×100
上記積層体は、JIS P8117-2009のガーレー法に基づく、上記耐水性試験後の透気抵抗度が、3000秒/100cc以上であることが好ましく、より好ましくは4000秒/100cc以上、さらに好ましくは5000秒/100cc以上である。上記積層体は、耐水性及び透湿性に優れるため、上記耐水性試験後の透気抵抗度が3000秒/100cc以上である構成とすることが可能である。
上記積層体は、多孔質基材(41)の少なくとも一方の表面上に、公知乃至慣用の方法により上記透湿膜(42)を形成することで作製することができる。例えば、上記透湿膜(42)を上記多孔質基材(41)の一方の表面に直接形成してもよいし、いったん他の支持体上に上記透湿膜(42)を形成した後、上記多孔質基材(41)の一方の表面に転写する(貼り合わせる)ことにより、多孔質基材(41)上に上記透湿膜(42)を形成してもよい。中でも、上記透湿膜(42)と上記多孔質基材(41)の密着性に優れる観点から、前者の方法が好ましい。
上記多孔質基材(41)の上記透湿膜(42)を設ける側の表面(本実施形態では「第1面(41a)」)に親水性処理を施してもよい。上記親水性処理としては、上述のものが挙げられる。
上記透湿膜(42)は、上記多孔質基材(41)又は上記他の支持体上に、上記透湿膜(42)を形成するための組成物を塗布(塗工)し、得られた塗膜を加熱等により脱溶媒することで形成することができる。
上記組成物は、公知乃至慣用の方法で作製することができる。例えば、上記共重合体を溶媒に溶解又は分散させ、必要に応じて防腐剤などの添加剤を混合することにより、作製することができる。上記溶媒としては、水及び/又は水溶性溶媒が好ましい。水や水溶性溶媒を用いると、上記共重合体は、内側を疎水部、外側を親水部とするコアシェル形状で組成物中に分散するものと推測される。このような組成物を用いることで、塗膜を乾燥した際に親水部と疎水部が相分離し導水パスを有する状態で透湿膜(42)が形成され、また、疎水部同士が強固に結合した状態となるものと推測され、耐水性がより良好となる。
上記水溶性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール等の脂肪族系の水溶性アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテルなどが挙げられる。上記水溶性溶媒は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記共重合体が溶解又は分散した上記組成物中の上記共重合体の割合(濃度)は、特に限定されないが、0.5~5質量%が好ましく、より好ましくは1~4質量%、さらに好ましくは1.5~3質量%である。上記濃度が5質量%以下であると、塗工層の厚みが厚くなるため、乾燥後の透湿膜(42)の膜厚がより均一化される。これにより、ガスバリア性に優れつつ、より薄膜化された透湿膜(42)を形成することができ、結果として透湿性がより向上する。また、上記濃度が上記範囲内であると、塗工性に優れ、また、透湿性及びガスバリア性に優れる透湿膜(42)の形成が容易である。
なお、上記組成物の塗布(塗工)には、公知のコーティング法を利用してもよい。例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーターなどのコーターが用いられてもよい。
上記塗膜を脱溶媒する際の加熱温度は、35~90℃が好ましく、より好ましくは40~85℃、さらに好ましくは45~80℃である。加熱時間は、適宜、適切な時間が採用され得るが、例えば5秒~20分であり、好ましくは5秒~10分、より好ましくは10秒~5分である。上記組成物を用いて90℃以下(特に、80℃以下)の低温で透湿膜(42)を形成可能であるため、製膜が容易であり、また、多孔質基材(41)として透湿性に優れるポリオレフィン系樹脂を使用することができる。
-実施形態1の実施例-
以下に、実施例に基づいて本開示の実施形態1をより詳細に説明する。以下に示す実施例は、“実施形態1の仕切部材(40)を構成する積層体”の実施例である。
〈実施例1〉
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ステアリルのランダム共重合体(構成単位の比率[前者/後者]:1/1、濃度:4質量%、重量平均分子量:10万)及び防腐剤を混合し、蒸留水で希釈して共重合体濃度:2質量%(共重合体は固形分中の主成分)とする組成物を得た。一方、ポリオレフィン系樹脂製多孔質基材(厚さ:20μm表面張力:32dyn)の一方の表面のコロナ処理を行い、表面張力46dynの親水性表面を形成した。そして、上記多孔質基材(41)の親水性表面に、アプリケーターを用いて上記組成物を塗工し、50℃で3分間加熱して、透湿膜(42)(厚さ:100~500nm)を形成した。このようにして実施例1の積層体を作製した。
〈実施例2〉
多孔質基材(41)として、ポリオレフィン系樹脂製多孔質基材(厚さ:12μm、表面張力:32dyn)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の積層体を作製した。
〈実施例3〉
多孔質基材(41)として、ポリオレフィン系樹脂製多孔質基材(厚さ:25μm、表面張力:32dyn)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例3の積層体を作製した。
〈実施例4〉
多孔質基材(41)として、ポリオレフィン系樹脂製多孔質基材(厚さ:5μm、表面張力:32dyn)を用いたこと以外は実施例1と同様にして実施例4の積層体を作製した。
〈実施例5〉
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ステアリルのランダム共重合体(構成単位の比率[前者/後者]:1/1、濃度:4質量%、重量平均分子量:10万)及び防腐剤を混合し、蒸留水で希釈して共重合体濃度:1.5質量%(共重合体は固形分中の主成分)とする組成物を得た。そして、当該組成物を用いて透湿膜(42)を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例5の積層体を作製した。
〈実施例6〉
3-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムプロピオン酸塩とアクリル酸ラウリルのランダム共重合体(構成単位の比率[前者/後者]:40/60、濃度:10質量%、重量平均分子量:80000)及び防腐剤を混合し、蒸留水で希釈して共重合体濃度:4質量%(共重合体は固形分中の主成分)とする組成物を得た。そして、当該組成物を用いて透湿膜(42)を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例6の積層体を作製した。
〈実施例7〉
3-[(2-メタクリロイルアミノ)プロピル]ジメチル-3-スルホブチルアンモニウムヒドロキシド塩とN-ドデシルメタクリルアミドのランダム共重合体(構成単位の比率[前者/後者]:30/70、濃度:50質量%、重量平均分子量:80000)及び防腐剤を混合し、蒸留水で希釈して共重合体濃度:2質量%(共重合体は固形分中の主成分)とする組成物を得た。そして、当該組成物を用いて透湿膜(42)を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例7の積層体を作製した。
〈比較例1〉
市販の全熱交換器に含まれる全熱交換シートを取り出し、比較例1の積層体として用いた。なお、当該積層体は、紙(厚さ:40μm)を多孔質基材(41)とし、当該多孔質基材(41)に透湿向上成分としての潮解性を有する無機塩が含浸されたものである。
〈比較例2〉
ポリウレタン系樹脂溶液(商品名「サンプレン H-600」、三洋化成工業株式会社製、濃度:8質量%)を、アプリケーターを用いて紙上に塗工し、120℃で3分間加熱して、透湿膜(42)を形成した。このようにして比較例2の積層体を作製した。
〈評価〉
実施例及び比較例で得られた各積層体について以下の通り評価した。評価結果は表に記載した。なお、表中の「-」は評価を行わなかったことを示す。また、透湿膜(42)が形成されていないポリオレフィン系樹脂製多孔質基材そのものを比較例3として評価を行った。
(1)透気抵抗度
実施例及び比較例で得られた積層体について、JIS P8117-2009のガーレー法に基づき、透気抵抗度を測定した。具体的には、実施例及び比較例で得られた積層体から、5cm×5cmの試験片を切り出し、ガーレー装置に供して、100ccの空気が流れる秒数をストップウォッチで計測した。
(2)透湿度
実施例及び比較例で得られた積層体について、JIS Z0208-1976の透湿度試験方法(カップ法)に基づき、透湿度を測定した。具体的には、実施例及び比較例で得られた積層体を2時間以上測定環境に静置した後に透湿シートとして上記透湿カップを覆い、気密した。そして、実質上無風状態(風速0.2m/s以下)の環境下、1時間経過時における、塩化カルシウムと透湿カップの合計質量の増加分を試験片1m・24時間あたりの質量に換算し、透湿度として計測した。なお、温度20℃相対湿度65%、及び、温度5℃相対湿度45%の2つの環境下においてそれぞれ計測を行った。
(3)親水部の最大径
実施例及び比較例で得られた積層体について、透湿膜(42)表面の画像を走査型プローブ顕微鏡(SPM)(型番「Dimension Icon」、Bruker社製)で凝着力測定モードを用いて吸着力の高い部位(親水部)と吸着力の低い部位(疎水部)を凝着力によって数値化し、画像解析ソフトで処理することで、円相当径として親水部の大きさを算出し、親水部の最大径を算出した。
Figure 0007142065000009
実施例の積層体は、透気抵抗度が高く、すなわち透気性が低く、且つ、透湿性にも優れると評価された。特に、温度5℃相対湿度45%の環境下における透湿度が500g/(m・24h)以上であり(実施例1~3)、低温低湿度環境下における透湿性が優れると評価された。一方、比較例1の積層体は、透湿性が劣ると評価された。また、比較例2の積層体は、透気性が高く、透湿性にも劣ると評価された。また、多孔質基材(41)のみを用いた比較例3は、透湿性に優れるものの、透気性が高かった。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態は、実施形態1の仕切部材(40)を備えた全熱交換素子(30)である。
図2及び図3に示すように、全熱交換素子(30)は、第1空気流路(36)と第2空気流路(37)とが複数ずつ形成された直交流型の熱交換器である。全熱交換素子(30)は、仕切部材(40)と間隔保持部材(32)とを複数ずつ備え、全体として四角柱状に形成される。
全熱交換素子(30)では、仕切部材(40)と間隔保持部材(32)とが交互に複数ずつ積層される。全熱交換素子(30)において、隣り合う仕切部材(40)同士の間隔は、間隔保持部材(32)によって実質的に一定に保持される。
全熱交換素子(30)では、仕切部材(40)及び間隔保持部材(32)の積層方向に、第1空気流路(36)と第2空気流路(37)とが交互に形成される。隣り合う第1空気流路(36)と第2空気流路(37)は、仕切部材(40)によって仕切られる。
本実施形態の全熱交換素子(30)を構成する仕切部材(40)は、平面視で概ね正方形状に形成される。本実施形態の全熱交換素子(30)では、全ての仕切部材(40)の透湿膜(42)が第1空気流路(36)に面する(図3を参照)。
間隔保持部材(32)は、平面視で概ね正方形状に形成された波板状の部材である。間隔保持部材(32)には、それぞれの稜線が直線状の山部(32a)と谷部(32b)とが複数ずつ形成される。各山部(32a)と各谷部(32b)とは、それぞれの稜線が互いに実質的に平行である。また、間隔保持部材(32)には、山部(32a)と谷部(32b)が交互に形成される。間隔保持部材(32)は、その両側に配置された仕切部材(40)の間隔を保持する。
全熱交換素子(30)において、仕切部材(40)を挟んで隣り合う間隔保持部材(32)は、それぞれの波形の稜線方向が互いに実質的に直交する姿勢で配置される。その結果、全熱交換素子(30)では、全熱交換素子(30)の対向する一対の側面に第1空気流路(36)が開口し、残りの対向する一対の側面に第2空気流路(37)が開口する。
全熱交換素子(30)では、第1空気流路(36,121)と第2空気流路(37,151)とを異なる空気が流れる。例えば、換気装置に設けられた全熱交換素子(30)では、室内へ供給される室外空気(給気)が第1空気流路(36,121)を流れ、室外へ排出される室内空気(排気)が第2空気流路(37,151)を流れる。全熱交換素子(30)では、第1空気流路(36,121)を流れる空気と第2空気流路(37,151)を流れる空気との間で、顕熱と潜熱(水分)とが交換される。
本実施形態の全熱交換素子(30)では、実施形態1の仕切部材(40)によって第1空気流路(36,121)と第2空気流路(37,151)が仕切られる。そのため、本実施形態の全熱交換素子(30)は、第1空気流路(36,121)と第2空気流路(37,151)の間における透気性が低いと共に、第1空気流路(36,121)と第2空気流路(37,151)の間における透湿性(特に、低温低湿度環境下における透湿性)が高い。また、本実施形態の全熱交換素子(30)は、その耐水性が高い。
《実施形態3》
実施形態3について説明する。本実施形態は、実施形態2の全熱交換素子(30)を備えた換気装置(10)である。
図4に示すように、換気装置(10)は、全熱交換素子(30)を収容するケーシング(15)を備える。ケーシング(15)には、外気吸込口(16)と、給気口(17)と、内気吸込口(18)と、排気口(19)とが設けられる。また、ケーシング(15)の内部空間には、給気側通路(21)と、排気側通路(22)とが形成される。給気側通路(21)は、その一端に外気吸込口(16)が接続し、その他端に給気口(17)が接続する。排気側通路(22)は、その一端に内気吸込口(18)が接続し、その他端に排気口(19)が接続する。
全熱交換素子(30)は、給気側通路(21)及び排気側通路(22)を横断するように配置される。また、全熱交換素子(30)は、第1空気流路(36)が給気側通路(21)と連通し、第2空気流路(37)が排気側通路(22)と連通する状態で、ケーシング(15)内に設置される。
換気装置(10)は、給気ファン(26)と,排気ファン(27)とを更に備える。給気ファン(26)は、給気側通路(21)における全熱交換素子(30)の下流側(即ち、給気口(17)側)に配置される。排気ファン(27)は、排気側通路(22)における全熱交換素子(30)の下流側(即ち、排気口(19)側)に配置される。
換気装置(10)では、室外空気が給気側通路(21)を室内へ向かって流れ、室外空気が排気側通路(22)を室外へ向かって流れる。給気側通路(21)を流れる室内空気と、排気側通路(22)を流れる室内空気とは、全熱交換素子(30)において顕熱と水分(潜熱)とを交換する。
《実施形態4》
実施形態4について説明する。本実施形態は、実施形態1の仕切部材(40)を備えた全熱交換素子(30)である。本実施形態の全熱交換素子(30)は、実施形態2の全熱交換素子(30)と同様に、実施形態3の換気装置(10)に設けられ、給気と排気の間で顕熱と潜熱(水分)とを交換させる。
-全熱交換素子の構成-
図5に示すように、全熱交換素子(30)は、端面が多角形の柱状に形成される。本実施形態の全熱交換素子(30)の端面は、横長の八角形状である。図6にも示すように、全熱交換素子(30)には、一つの主熱交換部(111)と、二つの副熱交換部(112a,112b)とが形成される。
主熱交換部(111)は、全熱交換素子(30)のうち図6の左右方向の中央に位置する。図6に示す全熱交換素子(30)の平面図において、主熱交換部(111)は、横長の長方形状の部分である。副熱交換部(112a,112b)は、全熱交換素子(30)のうち図6の左右方向における主熱交換部(111)の側方に位置する。全熱交換素子(30)では、図6の左右方向における主熱交換部(111)の両側に、副熱交換部(112a,112b)が一つずつ配置される。図6に示す全熱交換素子(30)の平面図において、各副熱交換部(112a,112b)は、台形状の部分である。
全熱交換素子(30)は、第1エレメント(120)及び第2エレメント(150)を複数ずつ備える。全熱交換素子(30)において、第1エレメント(120)と第2エレメント(150)は、交互に重なり合っている。第1エレメント(120)は、第1空気流路(121)を形成する。第1空気流路(121)は、給気が流れる流路である。第2エレメント(150)は、第2空気流路(151)を形成する。第2空気流路(151)は、排気が流れる流路である。全熱交換素子(30)では、第1エレメント(120)及び第2エレメント(150)の積層方向に、第1空気流路(121)と第2空気流路(151)が交互に形成される。
全熱交換素子(30)の側面(第1エレメント(120)及び第2エレメント(150)の積層方向に沿った面)には、第1流入口(122a)と、第1流出口(122b)と、第2流入口(152a)と、第2流出口(152b)とが形成される。第1流入口(122a)及び第1流出口(122b)は、第1エレメント(120)に形成されて第1空気流路(121)に連通する。第2流入口(152a)及び第2流出口(152b)は、第2エレメント(150)に形成されて第2空気流路(151)に連通する。
図6及び図7にも示すように、第1流入口(122a)と、第1流出口(122b)と、第2流入口(152a)と、第2流出口(152b)とは、それぞれが全熱交換素子(30)の異なる側面に形成される。全熱交換素子(30)の一方の副熱交換部(112a)では、一つの側面に第1流入口(122a)が開口し、他の側面に第2流出口(152b)が開口する。全熱交換素子(30)の他方の副熱交換部(112b)では、一つの側面に第1流出口(122b)が開口し、他の側面に第2流入口(152a)が開口する。
図8に示すように、第1エレメント(120)は、第1フレーム(125)と実施形態1の仕切部材(40)とを備え、第2エレメント(150)は、第2フレーム(155)と実施形態1の仕切部材(40)とを備える。
第1フレーム(125)と第2フレーム(155)のそれぞれは、射出成形によって形成された樹脂製の扁平な部材である。第1フレーム(125)及び第2フレーム(155)は、隣り合う仕切部材(40)の間隔を保つ間隔保持部材である。第1フレーム(125)と第2フレーム(155)のそれぞれは、平面視で横長の八角形状に形成される(図7を参照)。平面視における各フレーム(125,155)の外形は、全熱交換素子(30)の端面の形状と実質的に同じである。
第1エレメント(120)において、仕切部材(40)は、第1フレーム(125)の一方の面(図8における下面)のほぼ全体を覆う。第1エレメント(120)において、仕切部材(40)は、透湿膜(42)が第1フレーム(125)側を向く状態で、第1フレーム(125)に接着される。第1エレメント(120)において、仕切部材(40)の透湿膜(42)は、その第1エレメント(120)によって形成される第1空気流路(121)に面する。
第2エレメント(150)において、仕切部材(40)は、第2フレーム(155)の一方の面(図8における下面)のほぼ全体を覆う。第2エレメント(150)において、仕切部材(40)は、多孔質基材(41)の第2面(41b)が第2フレーム(155)側を向く状態で、第2フレーム(155)に接着される。第2エレメント(150)において、仕切部材(40)の透湿膜(42)は、その第2エレメント(150)に隣接する第1エレメント(120)によって形成される第1空気流路(121)に面する。
-空気の流れと熱交換作用-
図6に示すように、全熱交換素子(30)では、第1流入口(122a)へ室外空気OAが流入し、第2流入口(152a)に室内空気RAが流入する。第1流入口(122a)へ流入した室外空気OAは、給気として第1空気流路(121)を流れ、一方の副熱交換部(112a)と、主熱交換部(111)と、他方の副熱交換部(112b)とを順に通過し、その後に第1流出口(122b)から流出して室内へ供給される。第2流入口(152a)へ流入した室内空気RAは、排気として第2空気流路(151)を流れ、他方の副熱交換部(112b)と、主熱交換部(111)と、一方の副熱交換部(112a)とを順に通過し、その後に第2流出口(152b)から流出して室外へ排出される。
全熱交換素子(30)の各副熱交換部(112a,112b)において、第1空気流路(121)を流れる給気と第2空気流路(151)を流れる排気とは、互いに交差する方向に流れる。全熱交換素子(30)の主熱交換部(111)において、第1空気流路(121)を流れる給気と第2空気流路(151)を流れる排気とは、互いに逆向きに流れる。
全熱交換素子(30)では、第1空気流路(121)を流れる給気と第2空気流路(151)を流れる排気との間で、顕熱と潜熱(水分)の交換が行われる。全熱交換素子(30)では、給気と排気のうち温度が高い方から温度が低い方へ熱が移動する。また、全熱交換素子(30)では、給気と排気のうち湿度が高い方から湿度が低い方へ水分が移動する。
本実施形態の全熱交換素子(30)において、第1空気流路(121)を流れる給気と第2空気流路(151)を流れる排気とは、主に主熱交換部(111)において顕熱と潜熱とを交換する。従って、本実施形態の全熱交換素子(30)は、対向流型の熱交換器である。
《その他の実施形態》
-第1変形例-
全熱交換素子用仕切部材(40)の構造は、実施形態1の仕切部材(40)の構造に限定されない。
例えば、図9に示す仕切部材(40)は、一つの多孔質基材(41)と二つの透湿膜(42)とを備える。この仕切部材(40)では、一方の透湿膜(42)が仕切部材(40)の第1面(41a)を覆い、他方の透湿膜(42)が仕切部材(40)の第2面(41b)を覆う。
また、図10に示す仕切部材(40)では、透湿膜(42)の一部が多孔質基材(41)に入り込んでいる。この仕切部材(40)を製造する際には、透湿膜(42)を形成するための水性組成物を、多孔質基材(41)の内部にまで浸透させる。そして、この仕切部材(40)において、透湿膜(42)は、その一部分が多孔質基材(41)の第1面(41a)を覆い、残りの部分が多孔質基材(41)の内部に入り込む。
また、図11に示す仕切部材(40)では、透湿膜(42)の全体が多孔質基材(41)に入り込んでいる。この仕切部材(40)を製造する際には、透湿膜(42)を形成するための水性組成物を、多孔質基材(41)の内部に注入する。この仕切部材(40)では、多孔質基材(41)の厚さ方向の中央部に透湿膜(42)が形成される。
また、図12に示す仕切部材(40)は、二つの多孔質基材(41)と一つの透湿膜(42)とを備える。この仕切部材(40)では、透湿膜(42)の厚さ方向の両側に多孔質基材(41)が一つずつ設けられる。この仕切部材(40)の透湿膜(42)は、その一方の面が一方の多孔質基材(41)の第1面(41a)と接し、その他方の面が他方の多孔質基材(41)の第2面(41b)と接する。
-第2変形例-
図13に示すように、実施形態2及び4の全熱交換素子(30)は、全ての仕切部材(40)の透湿膜(42)が第2空気流路(37,151)に面していてもよい。なお、図13は、実施形態2の全熱交換素子(30)に本変形例を適用したものを示す。
本変形例の全熱交換素子(30)では、給気が流れる第1空気流路(36,121)に仕切部材(40)の多孔質基材(41)の第2面(41b)が面し、排気が流れる第2空気流路(37,151)に仕切部材(40)の透湿膜(42)が面する。
-第3変形例-
実施形態2及び4の全熱交換素子(30)では、透湿膜(42)が第1空気流路(36,121)に面する仕切部材(40)と、透湿膜(42)が第2空気流路(37,151)に面する仕切部材(40)とが、混在していてもよい。
例えば、図14に示す全熱交換素子(30)では、透湿膜(42)が第1空気流路(36,121)に面する仕切部材(40)と、透湿膜(42)が第2空気流路(37,151)に面する仕切部材(40)とが、仕切部材(40)及び間隔保持部材(32125,155)の積層方向に交互に配置される。なお、図14は、実施形態2の全熱交換素子(30)に本変形例を適用したものを示す。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、明細書および特許請求の範囲の「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。本開示に係る各発明は、実施形態や上記の実施例によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
《仕切部材を構成する積層体のバリエーション》
以下、本開示に係る積層体のバリエーションを記載する。
[付記1]多孔質基材と、上記多孔質基材の少なくとも一方の面に設けられた透湿膜と、を備え、上記透湿膜は、官能基としてベタイン基を含む側鎖を有する熱可塑性共重合体から形成される、積層体。
[付記2]上記共重合体は、上記ベタイン基を含む側鎖を有する構成単位として上記式(1)で表される構成単位を含む、付記1に記載の積層体。
[付記3]上記共重合体はさらに疎水性官能基を側鎖に有する、付記1又は2に記載の積層体。
[付記4]上記共重合体は、上記疎水性官能基を側鎖に有する構成単位として上記式(2)で表される構成単位を含む、付記3に記載の積層体。
[付記5]上記共重合体における上記式(1)で表される構成単位の、上記式(2)で表される構成単位に対するモル比が1/100~100/1である、付記4に記載の積層体。
[付記6]上記式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基(好ましくはメチル基)である付記4又は5に記載の積層体。
[付記7]上記式(1)で表される構成単位は、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルに由来する構成単位である、付記4~6のいずれか1つに記載の積層体。
[付記8]上記式(1)中、Xは、炭素数1~4の直鎖又は分岐鎖状アルキレン基(好ましくは炭素数1~4の直鎖状アルキレン基)である付記4~7のいずれか1つに記載の積層体。
[付記9]上記式(1)中、Yは、炭素数1~4のアルキレン基(好ましくは炭素数1~4の直鎖状アルキレン基)である付記4~8のいずれか1つに記載の積層体。
[付記10]上記式(1)中のカチオンはアンモニウムイオンである付記4~9のいずれか1つに記載の積層体。
[付記11]上記式(1)中のアニオンは、リン酸イオン、硫酸イオン、又は炭酸イオンである付記4~10のいずれか1つに記載の積層体。
[付記12]上記式(1)は、上記式(1-1)で表される基、上記式(1-2)で表される基、又は下記式(1-3)で表される基を含む、付記4~11のいずれか1つに記載の積層体。
[付記13]上記式(1-1)中、R、R、及びRはメチル基である付記12に記載の積層体。
[付記14]上記式(1-1)中、Xはジメチレン基であり、Yはジメチレン基である、付記12又は13に記載の積層体。
[付記15]上記式(1-1)で表される構成単位を形成する単量体が2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンである付記12~14のいずれか1つに記載の積層体。
[付記16]上記式(1-2)中、R8及びR9はメチル基である付記12に記載の積層体。
[付記17]上記式(1-2)中、Xはトリメチレン基であり、Yはテトラメチレン基である、付記12又は16に記載の積層体。
[付記18]上記式(1-3)中、R及びRはメチル基である付記12に記載の積層体。
[付記19]上記式(1-3)中、Xはジメチレン基であり、Yはメチレン基である、付記12又は18に記載の積層体。
[付記20]上記式(2)中、Rは、水素原子又はメチル基(好ましくはメチル基)である付記4~19のいずれか1つに記載の積層体。
[付記21]上記式(2)中、Rは、炭素数4~26(好ましくは8~22、より好ましくは10~20、さらに好ましくは14~18)の炭化水素基(好ましくは脂肪族炭化水素基、より好ましくは直鎖又は分岐鎖状アルキル基、さらに好ましくは直鎖状アルキル基)である付記4~20のいずれか1つに記載の積層体。
[付記22]上記式(2)で表される構成単位を形成する単量体は(メタ)アクリル酸ステアリルである付記4~21のいずれか1つに記載の積層体。
[付記23]上記共重合体における親水部の疎水部に対するモル比[前者/後者]は0.01~2.0(好ましくは0.01~1.5、より好ましくは0.01~1.3)である付記4~22のいずれか1つに記載の積層体。
[付記24]上記式(1)で表される構成単位の上記式(2)で表される構成単位に対するモル比[前者/後者]は、0.01~90(好ましくは0.02~80、より好ましくは0.1~20、さらに好ましくは0.5~5)である付記4~23のいずれか1つに記載の積層体。
[付記25]上記式(1)で表される構成単位及び上記式(2)で表される構成単位の合計モル数は、上記共重合体を構成する全単量体に由来する構成単位の総モル数に対して、50モル%以上(好ましくは90モル%、より好ましくは99モル%以上)である付記4~24のいずれか1つに記載の積層体。
[付記26]上記共重合体の重量平均分子量は2万~200万(好ましくは3万~150万、より好ましくは5万~100万、さらに好ましくは7万~50万)である付記4~25のいずれか1つに記載の積層体。
[付記27]上記共重合体は、上記式(1)で表される構成単位を形成する単量体と上記式(2)で表される構成単位を形成する単量体とのランダム共重合体である付記4~26のいずれか1つに記載の積層体。
[付記28]上記透湿膜表面は親水部と疎水部が相分離した構造を有し、上記透湿膜表面において、親水部の最大径が50nm以下である、付記1~27のいずれか1つに記載の積層体。
[付記29]上記透湿膜は、上記透湿膜の厚さよりも小径の防腐剤を含む、付記1~28のいずれか1つに記載の積層体。
[付記30]上記多孔質基材を形成する材料は疎水性材料(好ましくはポリオレフィン系樹脂、より好ましくはポリプロピレン系樹脂)である付記1~29のいずれか1つに記載の積層体。
[付記31]上記多孔質基材の空隙率は30~90体積%(好ましくは40~70体積%)である付記1~30のいずれか1つに記載の積層体。
[付記32]上記多孔質基材は、上記透湿膜を備える側の表面に親水化処理が施されている付記1~31のいずれか1つに記載の積層体。
[付記33]上記多孔質基材の上記透湿膜を形成する側の面の表面張力は35~55dyn/cm(好ましくは37~50dyn/cm)である付記1~32のいずれか1つに記載の積層体。
[付記34]上記多孔質基材の上記透湿膜が形成されていない領域である内部の表面張力は35dyn/cm未満(好ましくは33dyn/cm以下)である付記1~33のいずれか1つに記載の積層体。
[付記35]JIS Z0208-1976の透湿度試験方法に基づく、温度20℃、相対湿度65%、風速0.2m/秒以下の条件における透湿度は1600g/(m・24h)以上(好ましくは1700g/(m・24h)以上、より好ましくは1800g/(m・24h)以上)である付記1~34のいずれか1つに記載の積層体。
[付記36]JIS Z0208-1976の透湿度試験方法に基づく、温度5℃、相対湿度45%、風速0.2m/s以下の条件における透湿度は300g/(m・24h)以上(好ましくは400g/(m・24h)以上、より好ましくは500g/(m・24h)以上)である付記1~35のいずれか1つに記載の積層体。
[付記37]JIS P8117-2009のガーレー法に基づく透気抵抗度は3000秒/100cc以上(好ましくは4000秒/100cc以上、より好ましくは5000秒/100cc以上)である付記1~36のいずれか1つに記載の積層体。
[付記38]下記耐水性試験による透気抵抗度の低下率が50%以下である(好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下)である付記1~37のいずれか1つに記載の積層体。
〈耐水性試験〉
積層体からφ7cmの試験片を切り出し、透気抵抗度を測定する(初期の透気抵抗度)。その後、試験片を、常温の水に15分間浸漬させたのち、常温で自然乾燥させる。上記試験片について、この浸漬、乾燥を1サイクルとして50サイクル繰り返し、耐水性試験後の試験片を得る。そして、得られた耐水性試験後の試験片について透気抵抗度を測定する(耐水性試験後の透気抵抗度)。そして、下記式より透気抵抗度の低下率を求める。なお、上記初期の透気抵抗度及び上記耐水性試験後の透気抵抗度はいずれもJIS P8117-2009のガーレー法に基づく透気抵抗度である。
透気抵抗度の低下率(%)=[(初期の透気抵抗度)-(耐水性試験後の透気抵抗度)]/(初期の透気抵抗度)×100
[付記39]JIS P8117-2009のガーレー法に基づく、下記耐水性試験後の透気抵抗度は3000秒/100cc以上(好ましくは4000秒/100cc以上、より好ましくは5000秒/100cc以上)である付記1~38のいずれか1つに記載の積層体。
〈耐水性試験〉
積層体からφ7cmの試験片を切り出し、常温の水に15分間浸漬させたのち、常温で自然乾燥させる。前記試験片について、この浸漬、乾燥を1サイクルとして50サイクル繰り返し、耐水性試験後の試験片を得る。そして、得られた耐水性試験後の試験片について透気抵抗度を測定する。
以上説明したように、本開示は、全熱交換素子用仕切部材と、それを備えた全熱交換素子と、全熱交換素子を備えた換気装置とについて有用である。
10 換気装置
32 間隔保持部材
36 第1空気流路
37 第2空気流路
40 全熱交換素子用仕切部材
41 多孔質基材
41a (多孔質基材の)第1面
42 透湿膜
121 第1空気流路
125 第1フレーム(間隔保持部材)
151 第2空気流路
155 第2フレーム(間隔保持部材)

Claims (11)

  1. シート状の多孔質基材(41)と、上記多孔質基材(41)に設けられた透湿膜(42)とを備え、
    上記透湿膜(42)は、官能基としてベタイン基を含む側鎖を有する熱可塑性共重合体から形成され
    上記共重合体は、上記ベタイン基を含む側鎖を有する構成単位として下記式(1)で表される構成単位と、上記疎水性官能基を側鎖に有する構成単位として下記式(2)で表される構成単位とを含み、下記式(1)で表される構成単位の、下記式(2)で表される構成単位に対するモル比が1/100~100/1である共重合体から形成される、全熱交換素子用仕切部材。
    Figure 0007142065000010

    [式(1)中、R1は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示す。Xは、炭素数1~4の二価の炭化水素基を示す。Yは、炭素数1~4の二価の直鎖状炭化水素基を示す。Z1は、O又はNHを示す。α及びβは、カチオン及びアニオンの組み合わせを示す。]
    Figure 0007142065000011
    [式(2)中、R2は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示し、R3は、炭素数2以上の炭化水素基を示す。Z2は、O又はNHを示す。]
  2. 請求項1に記載の全熱交換素子用仕切部材において、
    上記式(1)中のカチオンはアンモニウムイオンである、全熱交換素子用仕切部材。
  3. 請求項1又は2に記載の全熱交換素子用仕切部材において、
    上記式(1)中のアニオンは、リン酸イオン、硫酸イオン、又は炭酸イオンである、全熱交換素子用仕切部材。
  4. 請求項1~3のいずれか一つに記載の全熱交換素子用仕切部材において、
    上記式(1)は、下記式(1-1)で表される基、下記式(1-2)で表される基、又は下記式(1-3)で表される基を含む、全熱交換素子用仕切部材。
    Figure 0007142065000012

    [式(1-1)~(1-3)中、X及びYは上記に同じであり、カルボニル炭素原子の左側の結合手は式(1)中のR1を有する炭素原子に結合する。式(1-1)中、R5、R6、及びR7は、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。式(1-2)及び式(1-3)中、R8及びR9は、同一又は異なって、炭素数1~4のアルキル基を示す。]
  5. 請求項1~4のいずれか一つに記載の全熱交換素子用仕切部材において、
    上記共重合体の重量平均分子量は2万~200万である、全熱交換素子用仕切部材。
  6. 請求項1~5のいずれか一つに記載の全熱交換素子用仕切部材において、
    上記共重合体は、上記式(1)で表される構成単位を形成する単量体と上記式(2)で表される構成単位を形成する単量体とのランダム共重合体である、全熱交換素子用仕切部材。
  7. 請求項1~6のいずれか一つに記載の全熱交換素子用仕切部材において、
    上記多孔質基材(41)は、上記透湿膜(42)を備える側の表面に親水化処理が施されている、全熱交換素子用仕切部材。
  8. 請求項1~7のいずれか一つに記載の全熱交換素子用仕切部材において、
    JIS Z0208-1976の透湿度試験方法に基づく、温度20℃、相対湿度65%、風速0.2m/秒以下の条件における透湿度が1600g/(m2・24h)以上である、全熱交換素子用仕切部材。
  9. 請求項1~8のいずれか一つに記載の全熱交換素子用仕切部材において、
    上記透湿膜(42)の表面は親水部と疎水部が相分離した構造を有し、上記透湿膜(42)の表面において、親水部の最大径が50nm以下である、全熱交換素子用仕切部材。
  10. 請求項1~10のいずれか一つに記載の全熱交換素子用仕切部材(40)を複数備えると共に、
    積層された上記全熱交換素子用仕切部材(40)の間に配置されて隣り合う上記全熱交換素子用仕切部材(40)の間隔を保持する間隔保持部材(32,125,155)を備え、
    第1空気流路(36,121)と第2空気流路(37,151)とが上記全熱交換素子用仕切部材(40)を挟んで交互に形成される全熱交換素子。
  11. 請求項10に記載の全熱交換素子(30)を備え、
    室外から室内へ供給される給気が上記全熱交換素子(30)の上記第1空気流路(36,121)を流れ、室内から室外へ排出される排気が上記全熱交換素子(30)の上記第2空気流路(37,151)を流れる換気装置。
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