従来、切削工具の状態をモニタする技術が知られている。
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1に記載の技術を超えて、切削工具における切刃の状態をモニタ可能なシステムにおいて、切削工具に関する優れた機能を実現することが可能な技術が望まれる。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、切削工具における切刃の状態をモニタ可能なシステムにおいて、切削工具に関する優れた機能を実現することが可能な管理装置、表示処理方法および表示処理プログラムを提供することである。
[本開示の効果]
本開示によれば、切削工具における切刃の状態をモニタ可能なシステムにおいて、切削工具に関する優れた機能を実現することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施の形態に係る管理装置は、センサが搭載された切削工具に関する計測結果を取得する計測結果取得部と、前記計測結果取得部により取得された前記計測結果に基づいて、前記切削工具を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う表示処理部とを備える。
このように、切削工具に関する計測結果に基づいて、切削工具を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う構成により、切削工具を用いた作業の状況をユーザにたとえばリアルタイムで確認させることができるため、切削加工中に問題が発生した場合、たとえば切削加工を中断し、発生した問題に対して対処してから切削加工を再開することができる。したがって、切削工具における切刃の状態をモニタ可能なシステムにおいて、切削工具に関する優れた機能を実現することができる。
(2)前記表示処理部は、さらに、前記作業情報を表示する画面に時系列の前記計測結果を表示する処理を行ってもよい。
このような構成により、計測結果の時間変化をたとえばリアルタイムで表示することができるため、切削加工中に発生した問題をより早期に確認することができる。
(3)前記管理装置は、さらに、前記計測結果に基づいて、前記切削工具の異常に関する判断処理を行う第1の判断部と、前記作業情報が表示された画面の入力欄に対して行われる操作を受け付ける受付部とを備え、前記受付部は、前記入力欄に対して行われる操作として、前記判断処理に用いるしきい値の設定操作を受け付けてもよい。
判断処理において用いられるしきい値は、加工条件等を考慮して設定する必要があり一意に設定することが困難であるところ、このような構成により、たとえば切削加工中に当該画面に表示された計測結果を確認しながらしきい値を設定することができるため、計測結果に応じて適切なしきい値を設定することができる。
(4)前記表示処理部は、前記作業情報として、前記切削工具の切刃の状態に関する情報を表示する処理を行ってもよい。
このような構成により、たとえば切削加工中において、切刃の状態に問題が発生した場合、たとえば切削加工を中断し、切刃の交換等により切刃の状態を改善してから切削加工を再開することができる。
(5)前記表示処理部は、前記作業情報として、前記切削工具の寿命に関する情報を表示する処理を行ってもよい。
このような構成により、たとえば切削加工中において、切削工具の寿命に関する情報たとえば切刃の累計使用時間に基づいて切刃を交換すべきタイミングを見積もることができるため、たとえば切刃に異常が発生する前に切削加工を中断して切刃の交換等を行うことができる。
(6)前記管理装置は、さらに、前記切削工具に関する情報である切削情報を取得する切削情報取得部と、前記切削情報に基づいて、前記切削工具の推定使用可能時間を算出する第1の算出部とを備え、前記表示処理部は、前記切削工具の寿命に関する情報として、前記第1の算出部により算出された前記推定使用可能時間を表示する処理を行ってもよい。
このような構成により、たとえば切削加工中において、推定使用可能時間が予定している加工時間より短い場合、たとえば切刃に異常が発生する前に切削加工を中断して切刃の交換等を行うことができる。
(7)前記管理装置は、さらに、前記切削工具に関する情報である切削情報を取得する切削情報取得部と、前記切削情報に基づいて、前記切削工具の推定使用可能時間を算出し、算出した前記推定使用可能時間に基づいて、前記切削工具を用いて加工可能な被削物の数を示す加工可能数を算出する第2の算出部とを備え、前記表示処理部は、前記切削工具の寿命に関する情報として、前記第2の算出部により算出された前記加工可能数を表示する処理を行ってもよい。
このような構成により、たとえば切削加工中において、加工可能数が予定している加工数より少ない場合、たとえば切刃に異常が発生する前に切削加工を中断して切刃の交換等を行うことができる。
(8)前記表示処理部は、さらに、前記作業情報を表示する画面に前記切削工具の画像を表示する処理を行ってもよい。
このような構成により、たとえば切削加工中において、使用中の切削工具を目視で確認することができるため、切削加工を中断して切削工具に関する部品を交換する際に部品の交換ミスを抑制することができる
(9)前記管理装置は、さらに、前記計測結果に基づいて、前記切削工具を用いた切削加工が行われているか否かを判断する第2の判断部を備え、前記表示処理部は、前記作業情報として、前記第2の判断部による判断の結果を表示する処理を行ってもよい。
このような構成により、切削加工中において、被削物が目視できない場合においても、実際に切削加工が行われているか否かを確認することができる。
(10)前記表示処理部は、さらに、前記作業情報を表示する画面に前記切削工具と前記管理装置との通信状態を表示する処理を行ってもよい。
このような構成により、たとえば切削加工中において、通信状態が良好でない場合、たとえば切削加工を中断し、通信状態を改善してから切削加工を再開することができる。
(11)本開示の実施の形態に係る表示処理方法は、管理装置における表示処理方法であって、センサが搭載された切削工具に関する計測結果を取得するステップと、取得した前記計測結果に基づいて、前記切削工具を用いた作業に関する情報である作業情報を表示する処理を行うステップとを含む。
このように、切削工具に関する計測結果に基づいて、切削工具を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う方法により、切削工具を用いた作業の状況をユーザにたとえばリアルタイムで確認させることができるため、切削加工中に問題が発生した場合、たとえば切削加工を中断し、発生した問題に対して対処してから切削加工を再開することができる。したがって、切削工具における切刃の状態をモニタ可能なシステムにおいて、切削工具に関する優れた機能を実現することができる。
(12)本開示の実施の形態に係る表示処理プログラムは、管理装置において用いられる表示処理プログラムであって、コンピュータを、センサが搭載された切削工具に関する計測結果を取得する計測結果取得部と、前記計測結果取得部により取得された前記計測結果に基づいて、前記切削工具を用いた作業に関する情報である作業情報を表示する処理を行う表示処理部、として機能させるためのプログラムである。
このように、切削工具に関する計測結果に基づいて、切削工具を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う構成により、切削工具を用いた作業の状況をユーザにたとえばリアルタイムで確認させることができるため、切削加工中に問題が発生した場合、たとえば切削加工を中断し、発生した問題に対して対処してから切削加工を再開することができる。したがって、切削工具における切刃の状態をモニタ可能なシステムにおいて、切削工具に関する優れた機能を実現することができる。
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[工具システム]
図1は、本開示の実施の形態に係る工具システムの構成を示す図である。
図1を参照して、工具システム300は、切削工具100と、管理装置200と、無線親機201と、表示装置202とを備える。無線親機201および表示装置202は、たとえば有線で管理装置200にそれぞれ接続されている。
切削工具100は、図示しない工作機械に取り付けられる。切削工具100は、シャンク部10と、シャンク部10に設けられたセンサモジュール20とを備える。後述するように、センサモジュール20は、センサを含む。たとえば、シャンク部10は、切刃を有する切削インサート1を取り付け可能である。
管理装置200は、切削工具100に関する計測結果を取得する。管理装置200は、取得した計測結果に基づいて、切削工具100の作業に関する情報である作業情報を表示装置202に表示する処理を行う。
たとえば、管理装置200は、切削工具100に関する計測結果として、センサモジュール20におけるセンサ22の計測結果を示す計測情報を取得する。より詳細には、切削工具100は、計測情報を格納したセンサパケットを含む無線信号を無線親機201へ送信する。
無線親機201は、たとえばアクセスポイントである。無線親機201は、切削工具100から受信した無線信号に含まれるセンサパケットを取得して管理装置200へ中継する。
管理装置200は、無線親機201経由で切削工具100からセンサパケットを受信すると、受信したセンサパケットから計測情報を取得する。
また、無線親機201は、切削工具100からの無線信号の受信時におけるRSSI(Received Signal Strength Indicator)を計測する。無線親機201は、RSSIの計測結果を示す通信状態情報を管理装置200へ送信する。
切削工具100および無線親機201は、たとえば、IEEE 802.15.4に準拠したZigBee(登録商標)、IEEE 802.15.1に準拠したBluetooth(登録商標)およびIEEE802.15.3aに準拠したUWB(Ultra Wide Band)等の通信プロトコルを用いた無線による通信を行う。なお、切削工具100および無線親機201間において、上記以外の通信プロトコルが用いられてもよい。
なお、工具システム300は、1つの切削工具100を備える構成に限らず、複数の切削工具100を備える構成であってもよい。また、工具システム300は、1つの管理装置200を備える構成に限らず、複数の管理装置200を備える構成であってもよい。
[切削工具]
図2は、本開示の実施の形態に係る切削工具を工作機械に取り付けた状態を示す図である。
図2を参照して、切削工具100は、シャンク部10が工作機械における刃物台50に上下から挟まれることにより固定される。
切削工具100は、たとえば、回転する被削物の加工に用いられる旋削加工用の工具であり、旋盤等の工作機械に取り付けられる。
上述したように、シャンク部10は、切刃を有する切削インサート1を取り付け可能である。すなわち、切削工具100は、いわゆるスローアウェイバイトである。より詳細には、シャンク部10は、固定用部材3A,3Bを含む。固定用部材3A,3Bは、切削インサート1を保持する。
切削インサート1は、たとえば、上面視で三角形、正方形、ひし形、および五角形等の多角形状である。切削インサート1は、たとえば、上面の中央において貫通孔が形成され、固定用部材3A,3Bによりシャンク部10に固定される。
なお、シャンク部10は、固定用部材3A,3Bを含まない代わりに、自己が切刃を有する構成であってもよい。すなわち、切削工具100は、むくバイトまたはろう付けバイトであってもよい。
また、切削工具100は、たとえば、固定された被削物の加工に用いられる転削加工用の工具であって、フライス盤等の工作機械に取り付けられてもよい。転削加工用の切削工具100は、シャンク部10に切削インサート1を取り付け可能な構成であってもよいし、シャンク部10が切刃を有する構成であってもよい。
[センサモジュール]
図3は、本開示の実施の形態に係るセンサモジュールの構成を示す図である。
図3を参照して、センサモジュール20は、ひずみセンサ22A,22Bと、加速度センサ22Cと、処理部23と、通信部24と、記憶部25と、電池29とを含む。センサモジュール20は、たとえばユーザの操作により起動される。
処理部23における各機能は、1または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、「処理回路」は、たとえば、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようにプログラミングされたCPU(Central Processing Unit)およびDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、または各機能を実行するように設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)等を含む。通信部24は、たとえば通信用IC(Integrated Circuit)等の通信回路により実現される。記憶部25は、たとえば不揮発性メモリである。
電池29は、たとえば、1次電池、2次電池、太陽電池、またはキャパシタ等を含む蓄電装置である。電池29は、ひずみセンサ22A,22B、加速度センサ22C、記憶部25ならびに処理部23および通信部24の各回路に電力を供給する。
ひずみセンサ22A,22Bおよび加速度センサ22Cは、たとえば、切削工具100における切刃の近傍に設けられる。以下、ひずみセンサ22A,22Bおよび加速度センサ22Cの各々をセンサ22とも称する。
なお、センサモジュール20は、3つのセンサ22を備える構成に限らず、1つ、2つまたは4つ以上のセンサ22を備える構成であってもよい。また、センサモジュール20は、3つのセンサ22のうちの少なくとも1つの代わりに、または3つのセンサ22に加えて、圧力センサ、音センサおよび温度センサ等の他のセンサを含む構成であってもよい。
(通信接続)
処理部23は、センサモジュール20が起動されると、管理装置200との通信接続を確立する処理を行う。
たとえば、管理装置200は、定期的または不定期に、管理装置200のMACアドレスを含むアドバタイズパケットを無線親機201経由でブロードキャストする。
通信部24は、センサモジュール20が起動された後、無線親機201から受信した無線信号に含まれるアドバタイズパケットを取得し、取得したアドバタイズパケットを処理部23へ出力する。
処理部23は、通信部24からアドバタイズパケットを受けると、受けたアドバタイズパケットに含まれる送信元MACアドレスを有する管理装置200を通信対象として設定する。具体的には、処理部23は、当該送信元MACアドレスを、通信対象の管理装置200のMACアドレスとして記憶部25に登録する。また、処理部23は、センサモジュール20のMACアドレスを含む応答パケットを生成して通信部24へ出力する。
通信部24は、処理部23から受けた応答パケットを含む無線信号を無線親機201経由で管理装置200へ送信する。
管理装置200は、無線親機201経由で切削工具100のセンサモジュール20からの応答パケットを受信すると、受信した応答パケットに含まれる送信元MACアドレスを有するセンサモジュール20を通信対象として設定する。具体的には、管理装置200は、当該送信元MACアドレスを、通信対象のセンサモジュール20のMACアドレスとして後述する記憶部280に登録する。
(センサパケットの送信)
ひずみセンサ22A,22Bは、ひずみを計測し、計測したひずみを示すアナログ信号を処理部23へ出力する。加速度センサ22Cは、加速度を計測し、計測した加速度を示すアナログ信号を処理部23へ出力する。
処理部23は、センサ22から受けるアナログ信号をAD(Analog Digital)変換し、変換後のデジタル値であるセンサ計測値sを生成する。処理部23は、センサ計測値sを生成すると、生成したセンサ計測値sに対応のセンサ22のセンサIDを付与した計測情報を記憶部25に蓄積する。
また、処理部23は、所定周期で電池29の電池残量を計測し、計測結果を示す電池残量情報を記憶部25に保存する。
処理部23は、たとえば所定周期に従う送信タイミングにおいて、1または複数の計測情報および電池残量情報を記憶部25から取得する。そして、処理部23は、取得した計測情報および取得した電池残量情報が格納されたセンサパケットを生成し、生成したセンサパケットを通信部24へ出力する。
通信部24は、送信タイミングごとにセンサパケットを処理部23から受けて、受けたセンサパケットを無線親機201経由で管理装置200へ送信する。
(検知処理)
処理部23は、記憶部25に蓄積した計測情報に基づいて、切削インサート1における切刃の異常を検知する検知処理を行う。
処理部23は、計測情報に基づいて、切刃に異常が発生したことを検知すると、切刃に異常が発生したことを示す検知情報が格納された検知パケットを生成し、生成した検知パケットを通信部24へ出力する。
通信部24は、検知情報が格納された検知パケットを処理部23から受けて、受けた検知パケットを無線親機201経由で管理装置200へ送信する。
[管理装置]
図4は、本開示の実施の形態に係る管理装置の構成を示す図である。
図4を参照して、管理装置200は、受付部210と、切削情報取得部220と、算出部230と、演算部231と、通信部240と、計測結果取得部250と、判断部260と、処理部270と、記憶部280とを備える。処理部270は、表示処理部の一例である。算出部230は、第1の算出部の一例であり、かつ第2の算出部の一例である。
通信部240は、たとえば通信用IC等の通信回路により実現される。受付部210、切削情報取得部220、算出部230、演算部231、計測結果取得部250、判断部260および処理部270における各機能は、1または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、「処理回路」は、たとえば、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようにプログラミングされたCPUおよびDSP等のプロセッサ、または各機能を実行するように設計されたASICおよびFPGA等を含む。記憶部280は、たとえば不揮発性メモリである。
受付部210は、マウスおよびキーボード等の入力機器であり、ユーザが表示装置202に表示された画面の入力欄に対して行った操作を受け付け、受け付けた操作内容を示す操作情報を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から操作情報を受けると、受けた操作情報に従って画面情報を生成し、生成した画面情報に基づいて画面を表示する処理、より詳細には当該画面を表示装置202に表示する処理を行う。
たとえば、通信部240は、無線親機201経由で切削工具100から検知パケットを受信すると、受信した検知パケットから検知情報を取得し、取得した検知情報を処理部270へ出力する。処理部270は、通信部240から検知情報を受けると、受けた検知情報に基づいて、切刃に異常が発生したことを示す画面を表示装置202に表示する処理を行う。
[切削情報取得部]
切削情報取得部220は、切削工具100に関する情報である切削情報を取得する。たとえば、切削情報取得部220は、切削加工の開始前に切削情報を取得する。
(切削パラメータ情報の取得)
切削情報取得部220は、切削情報として、切削加工に用いられるシャンク部10の名称、切削加工に用いられる切削インサート1の名称、切削加工される被削物の名称、および切削加工における加工条件を示す切削パラメータ情報を取得する。
より詳細には、受付部210は、たとえば、切削加工の開始前において加工条件等の設定処理を開始すべき旨を示す操作を受け付けると、加工条件等の設定処理を開始すべき旨を示す操作情報Cs1を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から操作情報Cs1を受けると、受けた操作情報Cs1に従って画面情報を生成し、生成した画面情報に基づいて設定画面S1を表示装置202に表示する処理を行う。
ユーザは、表示装置202に表示された設定画面S1に対して操作を行うことにより、切削加工に用いる切削インサート1の名称、切削加工に用いるシャンク部10の名称、切削加工される被削物の名称および切削加工における加工条件等の切削パラメータを設定画面S1に入力する操作を行う。
たとえば、ユーザは、切削パラメータを設定画面S1に入力する操作として、設定画面S1に表示された切削パラメータのプリセットを選択する操作を行う。
より詳細には、設定画面S1には、切削パラメータのプリセットを複数含むプリセットリストが表示される。ユーザは、切削パラメータを設定画面S1に入力する操作として、プリセットリストの中から1つのプリセットを選択する操作を行う。
受付部210は、ユーザによるプリセットの選択操作を受け付けると、選択されたプリセットを示す選択プリセット情報を切削情報取得部220へ出力する。
記憶部280は、プリセットと、プリセットの名称と、プリセットに付与されたコメントと、切削パラメータとの対応関係を示すプリセット対応情報を記憶している。
切削情報取得部220は、受付部210から選択プリセット情報を受けると、記憶部280に記憶されているプリセット対応情報から、当該選択プリセット情報が示すプリセットに対応する切削パラメータを取得し、取得した切削パラメータを示す切削パラメータ情報を生成する。
切削情報取得部220は、選択プリセット情報および生成した切削パラメータ情報を記憶部280に保存する。
(画像情報の取得)
切削情報取得部220は、切削情報として、切削工具100の画像情報Pc1を記憶部280から取得する。
より詳細には、記憶部280は、切削インサート1の名称および型番と、切削インサート1の画像情報との対応関係を示す画像対応情報を記憶している。
切削情報取得部220は、受付部210から切削パラメータ情報を受けると、記憶部280に記憶されている画像対応情報を参照し、受けた切削パラメータ情報が示す切削インサート1の名称に対応する画像情報Pc1を特定し、特定した画像情報Pc1を記憶部280から取得する。
切削情報取得部220は、取得した画像情報Pc1を表示用画像情報として記憶部280に保存する。
(設定情報の取得)
切削情報取得部220は、切削情報として、センサ22に関する設定を示す設定情報を取得する。
より詳細には、受付部210は、たとえば、切削加工の開始前においてセンサに関するパラメータの設定処理を開始すべき旨を示す操作を受け付けると、センサに関するパラメータの設定処理を開始すべき旨を示す操作情報Cs2を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から操作情報Cs2を受けると、受けた操作情報Cs2に従って画面情報を生成し、生成した画面情報に基づいて設定画面S2を表示装置202に表示する処理を行う。
ユーザは、表示装置202に表示された設定画面S2に対して、使用するセンサ22を選択する操作、およびセンサ22から出力されるアナログ信号をAD変換する際のサンプリング周波数を入力する操作を行う。
具体的には、たとえば、ユーザは、使用するセンサ22として「ひずみセンサ22B」を選択する操作、およびひずみセンサ22Bから出力されるアナログ信号をAD変換する際のサンプリング周波数として「3000Hz」を入力する操作を行う。
受付部210は、設定画面S2の入力欄に対するユーザの操作を受け付けると、受け付けた操作の内容を示す設定情報を生成し、生成した設定情報を通信部240および切削情報取得部220へ出力する。
切削情報取得部220は、受付部210から設定情報を受けると、受けた設定情報を記憶部280に保存する。
通信部240は、受付部210から設定情報を受けると、受けた設定情報を格納した設定パケットを無線親機201経由で切削工具100へ送信する。
切削工具100のセンサモジュール20における通信部24は、無線親機201から受信した無線信号に含まれる設定パケットを取得し、取得した設定パケットを処理部23へ出力する。
処理部23は、通信部24から設定パケットを受けると、受けた設定パケットに含まれる設定情報に従って、設定情報におけるセンサIDに対応するひずみセンサ22Bからのアナログ信号を3000Hzのサンプリング周波数でAD変換することによりセンサ計測値sを生成する。
[計測結果の取得1]
計測結果取得部250は、切削工具100に関する計測結果を取得する。たとえば、計測結果取得部250は、切削工具100に関する計測結果として、無線親機201によるRSSIの計測結果を取得する。より詳細には、通信部240は、無線親機201から通信状態情報を受信すると、受信した通信状態情報を計測結果取得部250へ出力する。
計測結果取得部250は、通信部240から通信状態情報を受けると、受けた通信状態情報を記憶部280に保存する。
また、たとえば、計測結果取得部250は、切削工具100に関する計測結果として、センサモジュール20におけるセンサ22により測定された計測結果および処理部23により測定された電池残量の計測結果を取得する。より詳細には、通信部240は、無線親機201経由で切削工具100からセンサパケットを受信すると、受信したセンサパケットから計測情報および電池残量情報を取得し、取得した計測情報および電池残量情報を計測結果取得部250へ出力する。
計測結果取得部250は、通信部240から計測情報および電池残量情報を受けると、受けた計測情報および電池残量情報を記憶部280に保存する。より詳細には、計測結果取得部250は、当該計測情報をセンサIDごとに記憶部280に保存する。
判断部260は、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されると、当該計測情報が示すセンサ計測値sに関する異常指標値をセンサIDごとに算出する。後述するように、判断部260は、算出した異常指標値を用いて、切削工具100の異常に関する判断処理を行う。
たとえば、判断部260は、異常指標値として、所定期間に生成された複数のセンサ計測値sの平均値、分散、標準偏差、歪度および尖度等の統計量、所定期間に生成された複数のセンサ計測値sの相関、ならびに所定期間に生成された複数のセンサ計測値sの変化の傾向を示すベクトルをセンサIDごとに算出する。
たとえば、判断部260は、異常指標値として、異なる種類の異常指標値IVa,IVb,IVcを算出する。
たとえば、判断部260は、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されるたびに異常指標値IVa,IVb,IVcを算出し、異常指標値IVaを示す算出情報ca、異常指標値IVbを示す算出情報cbおよび異常指標値IVcを示す算出情報ccを当該計測情報と対応付けて記憶部280に保存する。
[モニタ画面]
たとえば、ユーザは、加工条件等の設定処理およびセンサに関するパラメータの設定処理を完了すると、設定処理を終了するための操作を表示装置202に表示された画面に対して行う。
受付部210は、設定処理を終了するための操作を受け付けると、設定処理を終了すべき旨を示す操作情報Ceを生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から操作情報Ceを受けると、受けた操作情報Ceに従って画面情報を生成し、生成した画面情報に基づいて、切削加工中に表示すべき画面であるモニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行う。
図5は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおける表示装置に表示されたモニタ画面の一例を示す図である。
図5を参照して、モニタ画面Sm1には、切削加工における切削パラメータを表示するための領域Rg1と、切削工具100の異常に関する判断処理における設定内容を表示するための領域Rg2と、切削工具100を用いた作業に関する作業情報を表示するための領域Rg3と、センサ22により測定された計測結果を表示するための領域Rg4とが含まれる。モニタ画面Sm1は、作業情報を表示する画面の一例である。
領域Rg1には、領域Rg1aと、領域Rg1bとが含まれる。
領域Rg2には、チェックボックスCB1~CB11と、電波アイコンIRと、センサリストLt1、テキストボックスTB1,TB2と、ボタンBt1,Bt2,Bt3とが含まれる。
領域Rg3には、領域Rg3a,Rg3b,Rg3c,Rg3d,Rg3e,Rg3f,Rg3g,Rg3h,Rg3iと、画像表示領域Imgと、詳細情報リストLt2とが含まれる。
領域Rg4には、グラフ表示領域G1と、タブTAB1,TAB2,TAB3,TAB4とが含まれる。
受付部210は、モニタ画面Sm1の入力欄に対して行われる操作を受け付ける。より詳細には、受付部210は、ユーザによる、チェックボックスCB1~CB11をクリックする操作、ボタンBt1,Bt2,Bt3をクリックする操作、テキストボックスTB1,TB2に数値を入力する操作およびタブTAB1,TAB2,TAB3,TAB4を選択する操作を受け付ける。
[表示処理]
(切削パラメータの表示)
たとえば、処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、切削情報取得部220により取得された切削パラメータ情報に関する情報を領域Rg1に表示する処理を行う。
より詳細には、処理部270は、記憶部280に記憶されているプリセット対応情報から、切削情報取得部220により記憶部280に保存された選択プリセット情報に対応する、プリセットの名称およびコメントを取得する。
そして、処理部270は、記憶部280から取得したプリセットの名称である「プリセットA」の文字列を領域Rg1における領域Rg1aに表示する処理、および記憶部280から取得したコメントである「製品Aの加工用」の文字列を領域Rg1における領域Rg1bに表示する処理を行う。
(設定情報の表示)
たとえば、処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、切削情報取得部220により取得された設定情報に関する情報を領域Rg2に表示する処理を行う。
より詳細は、処理部270は、記憶部280から設定情報を取得し、使用するセンサ22として、当該設定情報が示すセンサ22すなわちひずみセンサ22Bが選択された旨を表示する処理を行う。
具体的には、たとえば、領域Rg2におけるセンサリストLt1には、「ひずみセンサ22A」、「ひずみセンサ22B」および「加速度センサ22C」の文字列が表示されている。処理部270は、センサリストLt1における「ひずみセンサ22B」の文字列を点灯させる処理を行う。
(詳細情報および画像の表示)
処理部270は、モニタ画面Sm1に切削工具100の画像を表示する処理を行う。より詳細には、処理部270は、切削工具100の画像として、切削情報取得部220により取得された画像情報Pc1が示す画像を領域Rg3における画像表示領域Imgに表示する処理を行う。
より詳細には、処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、記憶部280から表示用画像情報すなわち画像情報Pc1を取得し、取得した画像情報Pc1が示す画像P1を画像表示領域Imgに表示する処理を行う。
また、処理部270は、モニタ画面Sm1に切削パラメータ情報に対応する詳細情報を表示する処理を行う。より詳細には、処理部270は、切削情報取得部220により取得された切削パラメータ情報が示す切削インサート1の名称に対応する詳細情報を取得する。
より詳細には、記憶部280は、切削インサート1の名称と切削インサート1の詳細情報Dnとの対応関係を示す対応情報Rnを記憶している。
処理部270は、記憶部280に記憶されている対応情報Rnを参照することにより、記憶部280に記憶されている切削パラメータ情報が示す切削インサート1の名称に対応する詳細情報Dnを特定する。
処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、特定した詳細情報Dnを領域Rg3における詳細情報リストLt2に表示する処理を行う。たとえば、処理部270は、詳細情報Dnとして、切削インサート1の型番、切削インサート1のコーナー数および切削インサート1の厚さ等を詳細情報リストLt2に表示する処理を行う。
(通信状態の表示)
処理部270は、モニタ画面Sm1に切削工具100と管理装置200との通信状態を表示する処理を行う。
より詳細には、処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、記憶部280から通信状態情報を取得し、取得した通信状態情報が示すRSSIに対応する電波アイコンIRを領域Rg3に表示する処理を行う。
たとえば、電波アイコンIRは、RSSIのレベルに応じてたとえば5種類の形態を有する。
処理部270は、記憶部280から取得した通信状態情報が示すRSSIのレベルに対応する形態の電波アイコンIRを特定し、特定した電波アイコンIRを領域Rg3に表示する処理を行う。
処理部270は、表示装置202にモニタ画面Sm1を表示している状態において、計測結果取得部250により記憶部280に通信状態情報が保存されるたびに、当該通信状態情報を取得し、取得した通信状態情報に基づいて、通信状態情報が示すRSSIのレベルに対応する形態の電波アイコンIRを特定し、特定した電波アイコンIRを領域Rg3に表示する処理を行う。
(計測結果の表示)
処理部270は、モニタ画面Sm1に時系列の計測結果を表示する処理を行う。
より詳細には、処理部270は、表示装置202にモニタ画面Sm1を表示している状態において、記憶部280に記憶されている設定情報が示すセンサID、すなわちひずみセンサ22Bの計測結果を領域Rg3におけるグラフ表示領域G1に表示する処理を行う。
処理部270は、ひずみセンサ22Bの計測結果として、センサ計測値sの時系列変化、異常指標値IVaの時系列変化、異常指標値IVbの時系列変化および異常指標値IVcの時系列変化を表示可能である。
たとえば、ユーザは、チェックボックスCB1,CB2をクリックする操作およびタブTAB1,TAB2,TAB3,TAB4を選択する操作により、グラフ表示領域G1に表示させる内容を選択する。
たとえば、処理部270は、ユーザによりチェックボックスCB1がクリックされた状態であって、かつユーザによりタブTAB1が選択された状態において、ひずみセンサ22BのセンサIDが付与された複数の計測情報を記憶部280から取得し、取得した計測情報が示すセンサ計測値sの時系列変化をグラフGsとしてグラフ表示領域G1に表示する処理を行う。
処理部270は、ひずみセンサ22BのセンサIDが付与された計測情報が記憶部280に保存されるたびに当該計測情報を記憶部280から取得し、取得した計測情報が示すセンサ計測値sを用いてグラフ表示領域G1に表示するグラフGsを更新する処理を行う。
また、たとえば、処理部270は、ユーザによりチェックボックスCB1がクリックされた状態であって、かつユーザによりタブTAB2が選択されている状態において、ひずみセンサ22BのセンサIDが付与された計測情報に対応する複数の算出情報caを記憶部280から取得し、取得した算出情報caが示す異常指標値IVaの時系列変化をグラフGaとしてグラフ表示領域G1に表示する処理を行う。
処理部270は、算出情報caが記憶部280に保存されるたびに当該算出情報caを記憶部280から取得し、取得した算出情報caが示す異常指標値IVaを用いてグラフ表示領域G1に表示するグラフGaを更新する処理を行う。
また、たとえば、処理部270は、ユーザによりチェックボックスCB1がクリックされた状態であって、かつユーザによりタブTAB3が選択されている状態において、ひずみセンサ22BのセンサIDが付与された計測情報に対応する複数の算出情報cbを記憶部280から取得し、取得した算出情報cbが示す異常指標値IVbの時系列変化をグラフGbとしてグラフ表示領域G1に表示する処理を行う。
処理部270は、算出情報cbが記憶部280に保存されるたびに当該算出情報cbを記憶部280から取得し、取得した算出情報cbが示す異常指標値IVbを用いてグラフ表示領域G1に表示するグラフGbを更新する処理を行う。
また、たとえば、処理部270は、ユーザによりチェックボックスCB1がクリックされた状態であって、かつユーザによりタブTAB4が選択されている状態において、ひずみセンサ22BのセンサIDが付与された計測情報に対応する複数の算出情報ccを記憶部280から取得し、取得した算出情報ccが示す異常指標値IVcの時系列変化をグラフGcとしてグラフ表示領域G1に表示する処理を行う。
処理部270は、算出情報ccが記憶部280に保存されるたびに当該算出情報ccを記憶部280から取得し、取得した算出情報ccが示す異常指標値IVcを用いてグラフ表示領域G1に表示するグラフGcを更新する処理を行う。
また、たとえば、処理部270は、ユーザによりチェックボックスCB2がクリックされた状態において、ひずみセンサ22BのセンサIDが付与された計測情報および当該計測情報に対応する複数の算出情報ca,cb,ccを記憶部280から取得し、センサ計測値sの時系列変化および異常指標値IVa,IVb,IVcの時系列変化をグラフ表示領域G1に表示する処理を行う。
(しきい値の表示)
処理部270は、判断部260における判断処理に用いるしきい値をグラフ表示領域G1に表示する処理を行う。
より詳細には、受付部210は、モニタ画面Sm1の入力欄に対して行われる操作として、判断部260における判断処理に用いるしきい値の設定操作を受け付ける。
たとえば、受付部210は、ユーザによりタブTAB1が選択されている状態において、ユーザによるテキストボックスTB1,TB2に数値をそれぞれ入力する操作を受け付けると、テキストボックスTB1に入力された数値を異常しきい値Ths1として記憶部280に保存するとともに、テキストボックスTB2に入力された数値を注意しきい値Ths2として記憶部280に保存する。
処理部270は、ユーザによりタブTAB1が選択されている状態において、記憶部280から異常しきい値Ths1および注意しきい値Ths2を取得し、当該異常しきい値Ths1を示すラインLs1、および当該注意しきい値Ths2を示すラインLs2をグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
また、たとえば、受付部210は、ユーザによりタブTAB2が選択されている状態において、ユーザによるテキストボックスTB1,TB2に数値をそれぞれ入力する操作を受け付けると、テキストボックスTB1に入力された数値を異常しきい値Tha1として記憶部280に保存するとともに、テキストボックスTB2に入力された数値を注意しきい値Tha2として記憶部280に保存する。
処理部270は、ユーザによりタブTAB2が選択されている状態において、記憶部280から異常しきい値Tha1および注意しきい値Tha2を取得し、当該異常しきい値Tha1を示すラインLa1、および当該注意しきい値Tha2を示すラインLa2をグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
また、たとえば、受付部210は、ユーザによりタブTAB3が選択されている状態において、ユーザによるテキストボックスTB1,TB2に数値をそれぞれ入力する操作を受け付けると、テキストボックスTB1に入力された数値を異常しきい値Thb1として記憶部280に保存するとともに、テキストボックスTB2に入力された数値を注意しきい値Thb2として記憶部280に保存する。
処理部270は、ユーザによりタブTAB3が選択されている状態において、記憶部280から異常しきい値Thb1および注意しきい値Thb2を取得し、当該異常しきい値Thb1を示すラインLb1、および当該注意しきい値Thb2を示すラインLb2をグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
また、たとえば、受付部210は、ユーザによりタブTAB4が選択されている状態において、ユーザによるテキストボックスTB1,TB2に数値をそれぞれ入力する操作を受け付けると、テキストボックスTB1に入力された数値を異常しきい値Thc1として記憶部280に保存するとともに、テキストボックスTB2に入力された数値を注意しきい値Thc2として記憶部280に保存する。
処理部270は、ユーザによりタブTAB4が選択されている状態において、記憶部280から異常しきい値Thc1および注意しきい値Thc2を取得し、当該異常しきい値Thc1を示すラインLc1、および当該注意しきい値Thc2を示すラインLc2をグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
以下、異常しきい値Ths1,Tha1,Thb1,Thc1の各々を異常しきい値Th1とも称し、注意しきい値Ths2,Tha2,Thb2,Thc2の各々を注意しきい値Th2とも称する。
たとえば、ユーザは、テキストボックスTB1,TB2に数値をそれぞれ入力する操作を行うことにより異常しきい値Th1および注意しきい値Th2の設定を行うと、ボタンBt1をクリックすることにより、設定した各しきい値を登録する。
図6は、本開示の実施の形態に係る管理装置の記憶部に記憶されているしきい値データベースの一例を示す図である。
図6を参照して、たとえば、記憶部280は、切削パラメータのプリセットと、異常しきい値Th1および注意しきい値Th2との対応関係を示すしきい値データベースを記憶している。たとえば、しきい値データベースは、切削パラメータのプリセットと、各プリセットに対応して予め設定された推奨しきい値である異常しきい値Th1および注意しきい値Th2との対応関係を示す。
受付部210は、ユーザによるボタンBt1をクリックする操作を受け付けると、操作情報Cth1を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から操作情報Cth1を受けると、記憶部280から切削パラメータ情報ならびに異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を取得し、取得した切削パラメータ情報が示す切削パラメータと、取得した異常しきい値Th1および注意しきい値Th2とを対応付けて記憶部280に記憶されているしきい値データベースに登録する。
なお、ユーザは、テキストボックスTB1,TB2に数値をそれぞれ入力する操作を行う代わりに、ボタンBt3をクリックする操作を行うことにより異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を設定することができる。
より詳細には、受付部210は、ユーザによるボタンBt3をクリックする操作を受け付けると、操作情報Cth2を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から操作情報Cth2を受けると、記憶部280から切削パラメータ情報を取得する。そして、処理部270は、記憶部280に記憶されているしきい値データベースから、取得した切削パラメータ情報が示す切削パラメータに対応する推奨しきい値として、異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を取得する。処理部270は、取得した異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を記憶部280に保存する。
また、処理部270は、ユーザによりタブTAB1が選択されている状態において、取得した異常しきい値Ths1および注意しきい値Ths2をテキストボックスTB1,TB2にそれぞれ表示する処理を行うとともに、当該異常しきい値Ths1を示すラインLs1、および当該注意しきい値Ths2を示すラインLs2をグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
また、処理部270は、ユーザによりタブTAB2が選択されている状態において、取得した異常しきい値Tha1および注意しきい値Tha2をテキストボックスTB1,TB2にそれぞれ表示する処理を行うとともに、当該異常しきい値Tha1を示すラインLa1、および当該注意しきい値Tha2を示すラインLa2をグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
また、処理部270は、ユーザによりタブTAB3が選択されている状態において、取得した異常しきい値Thb1および注意しきい値Thb2をテキストボックスTB1,TB2にそれぞれ表示する処理を行うとともに、当該異常しきい値Thb1を示すラインLb1、および当該注意しきい値Thb2を示すラインLb2をグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
また、処理部270は、ユーザによりタブTAB4が選択されている状態において、取得した異常しきい値Thc1および注意しきい値Thc2をテキストボックスTB1,TB2にそれぞれ表示する処理を行うとともに、当該異常しきい値Thc1を示すラインLc1、および当該注意しきい値Thc2を示すラインLc2をグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
ユーザは、ボタンBt3をクリックする操作を行うことにより異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を設定した後、設定した異常しきい値Th1および注意しきい値Th2をリセットする場合、ボタンBt2をクリックする。
受付部210は、ユーザによるボタンBt2をクリックする操作を受け付けると、操作情報Cth3を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から操作情報Cth3を受けると、記憶部280に記憶されているしきい値データベースを示す画面を表示装置202に表示する処理を行う。
ユーザは、表示装置202に表示されたしきい値データベースを示す画面に対して、いずれかのプリセットをクリックする操作を行う。
受付部210は、たとえばユーザによるプリセットp1を選択する操作を受け付けると、プリセットp1が選択されたことを示す操作情報を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から当該操作情報を受けると、記憶部280に記憶されているしきい値データベースを参照することにより、受けた操作情報が示すプリセットp1に対応する推奨しきい値として、異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を取得する。処理部270は、取得した異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を記憶部280に保存する。
処理部270は、当該異常しきい値Th1および当該注意しきい値Th2をテキストボックスTB1,TB2にそれぞれ表示する処理、ならびに当該異常しきい値Th1を示すラインおよび当該注意しきい値Th2を示すラインをグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
(欠損状態の表示)
処理部270は、計測結果取得部250により取得された計測結果に基づいて、切削工具100を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う。たとえば、処理部270は、作業情報として、切削工具100の切刃の状態に関する情報を表示する処理を行う。より詳細には、処理部270は、切刃の状態に関する情報として、切刃の欠損状態を領域Rg3cに表示する処理を行う
より詳細には、判断部260は、計測結果取得部250により取得された計測結果に基づいて、切削工具100の異常に関する判断処理を行う。
ユーザは、チェックボックスCB3~CB6をクリックする操作により、判断部260における判断処理における判断方式を選択する。
また、ユーザは、チェックボックスCB7~CB11をクリックする操作により、判断部260における判断処理に用いる指標値である使用指標値を選択する。具体的には、ユーザは、チェックボックスCB8をクリックする操作により使用指標値としてセンサ計測値sを選択し、チェックボックスCB9をクリックする操作により使用指標値として異常指標値IVaを選択し、チェックボックスCB10をクリックする操作により使用指標値として異常指標値IVbを選択し、チェックボックスCB11をクリックする操作により使用指標値として異常指標値IVcを選択する。
ユーザは、使用指標値としてセンサ計測値sおよび異常指標値IVa,IVb,IVcを選択する場合、チェックボックスCB8,CB9,CB10,CB11をクリックしてもよいし、チェックボックスCB8,CB9,CB10,CB11をクリックする代わりにチェックボックスCB7をクリックしてもよい。
判断部260は、判断処理において、ユーザにより選択された使用指標値としきい値とを比較する。
より詳細には、判断部260は、使用指標値としてセンサ計測値sが選択された場合、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されると、当該計測情報が示すセンサ計測値sと、記憶部280に記憶されている異常しきい値Ths1および注意しきい値Ths2とを比較する。
判断部260は、センサ計測値sが注意しきい値Ths2未満である場合、当該センサ計測値sは正常値であると判断する。一方、判断部260は、センサ計測値sが注意しきい値Ths2以上であり、かつ異常しきい値Ths1未満である場合、当該センサ計測値sは要注意値であると判断する。一方、判断部260は、センサ計測値sが異常しきい値Ths1以上である場合、当該センサ計測値sは異常値であると判断する。
また、たとえば、判断部260は、使用指標値として異常指標値IVaが選択された場合、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されると、当該計測情報に対応する異常指標値IVaと、記憶部280に記憶されている異常しきい値Tha1および注意しきい値Tha2とを比較する。
判断部260は、異常指標値IVaが注意しきい値Tha2未満である場合、当該異常指標値IVaは正常値であると判断する。一方、判断部260は、異常指標値IVaが注意しきい値Tha2以上であり、かつ異常しきい値Tha1未満である場合、当該異常指標値IVaは要注意値であると判断する。一方、判断部260は、異常指標値IVaが異常しきい値Tha1以上である場合、当該異常指標値IVaは異常値であると判断する。
また、たとえば、判断部260は、使用指標値として異常指標値IVbが選択された場合、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されると、当該計測情報に対応する異常指標値IVbと、記憶部280に記憶されている異常しきい値Thb1および注意しきい値Thb2とを比較する。
判断部260は、異常指標値IVbが注意しきい値Thb2未満である場合、当該異常指標値IVbは正常値であると判断する。一方、判断部260は、異常指標値IVbが注意しきい値Thb2以上であり、かつ異常しきい値Thb1未満である場合、当該異常指標値IVbは要注意値であると判断する。一方、判断部260は、異常指標値IVbが異常しきい値Thb1以上である場合、当該異常指標値IVbは異常値であると判断する。
また、たとえば、判断部260は、使用指標値として異常指標値IVcが選択された場合、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されると、当該計測情報に対応する異常指標値IVcと、記憶部280に記憶されている異常しきい値Thc1および注意しきい値Thc2とを比較する。
判断部260は、異常指標値IVcが注意しきい値Thc2未満である場合、当該異常指標値IVcは正常値であると判断する。一方、判断部260は、異常指標値IVcが注意しきい値Thc2以上であり、かつ異常しきい値Thc1未満である場合、当該異常指標値IVcは要注意値であると判断する。一方、判断部260は、異常指標値IVcが異常しきい値Thc1以上である場合、当該異常指標値IVcは異常値であると判断する。
(判断処理の例1)
たとえば、判断部260は、ユーザによりチェックボックスCB3,CB5がクリックされた状態において、以下の判断方式に従って判断処理を行う。
すなわち、判断部260は、少なくとも1つのセンサIDに対応する少なくとも1つの使用指標値が異常値である場合、切削工具100は異常状態であると判断する。
一方、判断部260は、すべてのセンサIDに対応するすべての使用指標値が異常値ではなく、かつ少なくとも1つのセンサIDに対応する少なくとも1つの使用指標値が要注意値である場合、切削工具100は要注意状態であると判断する。
一方、判断部260は、すべてのセンサIDに対応するすべての使用指標値が正常値である場合、切削工具100は正常状態であると判断する。
(判断処理の例2)
たとえば、判断部260は、ユーザによりチェックボックスCB3,CB6がクリックされた状態において、以下の判断方式に従って判断処理を行う。
すなわち、判断部260は、少なくとも1つのセンサIDに対応するすべての使用指標値が異常値である場合、切削工具100は異常状態であると判断する。
一方、判断部260は、すべてのセンサIDに対応する少なくとも1つの使用指標値が異常値ではなく、かつ少なくとも1つのセンサIDに対応するすべての使用指標値が要注意値である場合、切削工具100は要注意状態であると判断する。
一方、判断部260は、すべてのセンサIDに対応する少なくとも1つの使用指標値が正常値である場合、切削工具100は正常状態であると判断する。
(判断処理の例3)
たとえば、判断部260は、ユーザによりチェックボックスCB4,CB5がクリックされた状態において、以下の判断方式に従って判断処理を行う。
すなわち、判断部260は、すべてのセンサIDに対応する少なくとも1つの使用指標値が異常値である場合、切削工具100は異常状態であると判断する。
一方、判断部260は、すべてのセンサIDに対応するすべての使用指標値が異常値ではなく、かつすべてのセンサIDに対応する少なくとも1つの使用指標値が要注意値である場合、切削工具100は要注意状態であると判断する。
一方、判断部260は、少なくとも1つのセンサIDに対応するすべての使用指標値が正常値である場合、切削工具100は正常状態であると判断する。
(判断処理の例4)
たとえば、判断部260は、ユーザによりチェックボックスCB4,CB6がクリックされた状態において、以下の判断方式に従って判断処理を行う。
すなわち、判断部260は、すべてのセンサIDに対応するすべての使用指標値が異常値である場合、切削工具100は異常状態であると判断する。
一方、判断部260は、少なくとも1つのセンサIDに対応する少なくとも1つの使用指標値が異常値ではなく、かつすべてのセンサIDに対応するすべての使用指標値が要注意値である場合、切削工具100は要注意状態であると判断する。
一方、判断部260は、少なくとも1つのセンサIDに対応する少なくとも1つの使用指標値が正常値である場合、切削工具100は正常状態であると判断する。
判断部260は、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されるたびに判断処理を行い、判断処理の結果を示す判断情報を処理部270へ出力する。
処理部270は、判断部260から判断情報を受けると、受けた判断情報が示す判断結果を領域Rg3cに表示する処理を行う。たとえば、処理部270は、切削工具100が異常状態であることを示す判断情報を受けた場合、「異常」の文字列を領域Rg3cに表示する処理を行い、切削工具100が要注意状態であることを示す判断情報を受けると、「注意」の文字列を領域Rg3cに表示する処理を行い、切削工具100が正常状態であることを示す判断情報を受けると、「正常」の文字列を領域Rg3cに表示する処理を行う。
たとえば、処理部270は、領域Rg3cに表示する文字列の別に応じて、領域Rg3cの背景を異なる色で表示する処理を行う。具体的には、処理部270は、「正常」の文字列を領域Rg3cに表示する場合、領域Rg3cの背景を緑色で表示する処理を行い、「注意」の文字列を領域Rg3cに表示する場合、領域Rg3cの背景を黄色で表示する処理を行い、「異常」の文字列を領域Rg3cに表示する場合、領域Rg3cの背景を赤色で表示する処理を行う。
(摩耗状態の表示)
処理部270は、作業情報として、切削工具100の切刃の状態に関する情報を表示する処理を行う。より詳細には、処理部270は、切刃の状態に関する情報として、切刃の摩耗状態を領域Rg3dに表示する処理を行う。
たとえば、記憶部280は、切削インサート1と、切削インサート1における切刃の、摩耗量との対応関係を示す摩耗データベースを記憶している。
処理部270は、切削情報取得部220により記憶部280に切削パラメータ情報が保存されると、記憶部280に記憶されている摩耗データベースから、当該切削パラメータ情報が示す切削インサート1における切刃の摩耗量を取得する。
たとえば、処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、記憶部280に記憶されている摩耗データベースから取得した摩耗量に基づいて、切削インサート1の切刃の摩耗状態が「80%」である旨を領域Rg3dに表示する処理を行う。
処理部270は、切削加工中において、たとえば定期的に記憶部280に記憶されている摩耗データベースを更新する。
より詳細には、処理部270は、切削加工中に計測結果取得部250により記憶部280に保存される計測情報が示す、センサ計測値sの変化量または変化率を算出する。そして、処理部270は、切削加工中において、定期的に、算出した値と、計測結果取得部250から受けた経過時間情報が示す経過時間との積を摩耗量として算出する。処理部270は、記憶部280の摩耗データベースにおける当該切削インサート1の摩耗量を、算出した摩耗量に更新するとともに、算出した摩耗量に基づいて、領域Rg3dに表示する内容を更新する処理を行う。
(切削加工が行われているか否かの表示)
処理部270は、作業情報として、切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かを示す情報を表示する処理を行う。
より詳細には、判断部260は、計測結果取得部250により取得された計測結果に基づいて、切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かを判断する。
たとえば、記憶部280は、切削加工が行われているときに予めセンサモジュール20において生成された複数のセンサ計測値sj1と、切削加工が行われていないときに予めセンサモジュール20において生成された複数のセンサ計測値sj2とを記憶している。
判断部260は、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されると、当該計測情報が示すセンサ計測値sと、記憶部280に記憶されているセンサ計測値sj1,sj2とを比較し、比較結果に基づいて、センサ計測値sの生成された時点において切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かを判断する。
たとえば、判断部260は、センサ計測値sj1とセンサ計測値sとの差分およびセンサ計測値sj2とセンサ計測値sとの差分を算出し、算出した各差分に基づいて、センサ計測値sの生成された時点において切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かを判断する。また、たとえば、判断部260は、複数のセンサ計測値sj1,sj2を用いてセンサ計測値sをクラスタ分析することにより、センサ計測値sの生成された時点において切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かを判断する。
判断部260は、計測結果取得部250により記憶部280に計測情報が保存されるたびに、切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かを判断し、判断結果を示す判断情報を計測結果取得部250および処理部270へ出力する。
処理部270は、表示装置202にモニタ画面Sm1を表示している状態において、判断部260から受けた判断情報に基づいて、切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かを示す情報を領域Rg3aに表示する処理を行う。たとえば、処理部270は、判断部260から受けた判断情報に基づいて、切削工具100を用いた切削加工が行われていることを示す「加工中」の文字列を領域Rg3aに表示する処理を行う。
(加工時間の表示)
処理部270は、切削工具100を用いた切削加工の開始後の経過時間を表示する処理を行う。
より詳細には、計測結果取得部250は、判断部260から受ける判断情報に基づいて、切削工具100による切削開始タイミングおよび切削停止タイミングを検知する。そして、計測結果取得部250は、切削開始タイミングを検知すると、切削開始タイミングからの経過時間を計測する。
計測結果取得部250は、切削停止タイミングを検知すると、経過時間の計測を停止する。計測結果取得部250は、経過時間の計測を停止した後、再び切削開始タイミングを検知すると、経過時間たとえば1回目の切削開始タイミングからの累積の経過時間の計測を再開する。
計測結果取得部250は、たとえば0.1秒ごとに、経過時間の計測結果を示す経過時間情報を処理部270へ出力する。
処理部270は、表示装置202にモニタ画面Sm1を表示している状態において、計測結果取得部250から経過時間情報を受けると、受けた経過時間情報が示す経過時間を領域Rg3bに表示する処理を行う。
(切刃の寿命に関する情報の表示)
処理部270は、作業情報として、切削工具100の寿命に関する情報を表示する処理を行う。より詳細には、処理部270は、切刃の寿命に関する情報として、切削インサート1における切刃の累計使用時間および当該切刃を用いた累計切削長さを領域Rg3f,Rg3gにそれぞれ表示する処理を行う。
たとえば、記憶部280は、切削インサート1と、切削インサート1における切刃の累計使用時間および当該切刃を用いた累計切削長さとの対応関係を示す使用データベースを記憶している。
処理部270は、切削情報取得部220により記憶部280に切削パラメータ情報が保存されると、記憶部280に記憶されている使用データベースから、当該切削パラメータ情報が示す切削インサート1における切刃の、累計使用時間および累計切削長さを取得する。
たとえば、処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、記憶部280に記憶されている使用データベースから取得した累計使用時間に基づいて、切削インサート1の切刃の累計使用時間が「2:00:00」である旨を領域Rg3fに表示する処理を行う。また、たとえば、処理部270は、記憶部280に記憶されている使用データベースから取得した累計切削長さに基づいて、当該切刃を用いた累計切削長さが「12m」である旨を領域Rg3gに表示する処理を行う。
処理部270は、切削加工中において、たとえば定期的に記憶部280に記憶されている使用データベースを更新する。
より詳細には、処理部270は、切削加工中において、定期的に、計測結果取得部250から受けた経過時間情報が示す経過時間を記憶部280の使用データベースにおける当該切削インサート1の累計使用時間に加算することにより使用データベースを更新するとともに、加算後の累計使用時間に基づいて、領域Rg3fに表示する内容を更新する処理を行う。
また、処理部270は、切削加工中において、定期的に、計測結果取得部250から受けた経過時間情報が示す経過時間と、切削情報取得部220から受けた切削パラメータ情報が示す加工条件たとえば切削速度および切込み量とに基づいて、切刃の切削長さを算出する。そして、処理部270は、算出した切削長さを記憶部280の使用データベースにおける当該切削インサート1の累計切削長さに加算することにより使用データベースを更新するとともに、加算後の累計切削長さに基づいて、領域Rg3gに表示する内容を更新する処理を行う。
なお、記憶部280は、使用データベースの代わりに、切削工具100に取り付けられた切削インサート1における切刃の累計使用時間および当該切刃を用いた累計切削長さを記憶する構成であってもよい。この場合、処理部270は、記憶部280から累計使用時間および累計切削長さを取得して領域Rg3f,Rg3gにそれぞれ表示する処理を行う。また、処理部270は、切削加工が終了すると、記憶部280に記憶されている累計使用時間および累計切削長さを更新する。また、処理部270は、切削インサート1が切削工具100から取り外されると、記憶部280に記憶されている累計使用時間および累計切削長さをリセットする、すなわちゼロに更新する。たとえば、処理部270は、計測結果取得部250により記憶部280に保存された計測情報に基づいて、切削インサート1が切削工具100から取り外されたことを検知する。
(推定使用可能時間の表示)
処理部270は、切削工具100の寿命に関する情報として、切削工具100の推定使用可能時間を表示する処理を行う。
より詳細には、たとえば、算出部230は、切削情報取得部220により取得された切削情報に基づいて、切削工具100の推定使用可能時間を算出する。
たとえば、記憶部280は、切削インサート1と、加工条件と、切削インサート1の使用可能時間との対応関係を示す可用データベースを記憶している。
算出部230は、切削情報取得部220により記憶部280に切削パラメータ情報が保存されると、記憶部280に記憶されている可用データベースから、当該切削パラメータ情報が示す切削インサート1および加工条件に対応する使用可能時間を取得する。また、算出部230は、切削情報取得部220により記憶部280に切削パラメータ情報が保存されると、記憶部280に記憶されている使用データベースから、当該切削パラメータ情報が示す切削インサート1における切刃の累計使用時間を取得する。
算出部230は、記憶部280に記憶されている可用データベースから取得した使用可能時間と、記憶部280に記憶されている使用データベースから取得した累計使用時間との差分D1を切削工具100の推定使用可能時間として算出する。算出部230は、算出した推定使用可能時間を処理部270へ出力する。
処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、算出部230により算出された推定使用可能時間を表示する処理を行う。より詳細には、処理部270は、算出部230から受けた推定使用可能時間に基づいて、切削工具100の推定使用可能時間が「2:00:00」である旨を領域Rg3hに表示する処理を行う。
算出部230は、処理部270により記憶部280に記憶されている使用データベースが更新されるたびに、記憶部280に記憶されている可用データベースと、更新後の使用データベースとを用いて推定使用可能時間を算出し、算出した推定使用可能時間を処理部270へ通知する。
処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示している状態において、算出部230から推定使用可能時間の通知を受けるたびに、通知された推定使用可能時間に基づいて、領域Rg3hに表示する内容を更新する処理を行う。
(加工可能数の表示)
処理部270は、切削工具100の寿命に関する情報として、切削工具100を用いて加工可能な被削物の数を示す加工可能数を表示する処理を行う。
より詳細には、たとえば、算出部230は、切削情報取得部220により取得された切削情報に基づいて、切削工具100の推定使用可能時間を算出し、算出した推定使用可能時間に基づいて、加工可能数を算出する。
たとえば、記憶部280は、切削インサート1と、被削物と、加工条件と、1加工あたりの所要時間との対応関係を示す生産データベースを記憶している。
算出部230は、切削情報取得部220により記憶部280に切削パラメータ情報が保存されると、記憶部280に記憶されている生産データベースから、当該切削パラメータ情報が示す切削インサート1、被削物および加工条件に対応する1加工あたりの所要時間T1を取得する。
また、算出部230は、上述したように、記憶部280に記憶されている可用データベースから取得した使用可能時間と、記憶部280に記憶されている使用データベースから取得した累計使用時間との差分D1を切削工具100の推定使用可能時間として算出する。
そして、算出部230は、算出した差分D1を取得した所要時間T1で除した値を加工可能数として算出し、算出した加工可能数を処理部270へ通知する。
処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、算出部230により算出された加工可能数を表示する処理を行う。より詳細には、処理部270は、算出部230から通知された加工可能数に基づいて、切削工具100の加工可能数が「50」である旨を領域Rg3iに表示する処理を行う。
算出部230は、処理部270により記憶部280に記憶されている使用データベースが更新されるたびに、記憶部280に記憶されている生産データベースと、更新後の使用データベースとを用いて加工可能数を算出し、算出した加工可能数を処理部270へ通知する。
処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示している状態において、算出部230から加工可能数の通知を受けるたびに、通知された加工可能数に基づいて、領域Rg3iに表示する内容を更新する処理を行う。
(推定稼働時間の表示)
処理部270は、計測情報の送信元であるセンサモジュール20の推定稼働時間を領域Rg3eに表示する処理を行う。
より詳細には、演算部231は、切削情報取得部220により取得された設定情報に基づいて、センサモジュール20の推定稼働時間の演算を行う。
図7は、本開示の実施の形態に係る管理装置の記憶部に記憶されている消費電流テーブルの一例を示す図である。
図7を参照して、たとえば、記憶部280は、センサ22から出力されるアナログ信号をAD変換する際のサンプリング周波数と、センサモジュール20で消費される消費電流との対応関係を示す消費電流テーブルを記憶している。たとえば、記憶部280は、センサ22の種類ごとの消費電流テーブルを記憶している。
演算部231は、切削情報取得部220により記憶部280に設定情報が保存されると、記憶部280に記憶されている消費電流テーブルから、当該設定情報が示すセンサ22およびサンプリング周波数に対応する消費電流をセンサ22ごとに取得する。なお、演算部231は、消費電流テーブルにおけるサンプリング周波数と消費電流との対応関係を線形補間することにより、当該設定情報が示すセンサ22およびサンプリング周波数に対応する消費電流を算出する構成であってもよい。
そして、演算部231は、取得した各消費電流に基づいて、以下の式(1)で表されるセンサモジュール20で消費される総消費電流Kを算出する。
ここで、Nは、センサ22の種類数である。Miは、i番目の種類のセンサ22の個数である。kjは、i番目の種類のセンサ22のうちのj個目のセンサ22のセンサ計測値の生成に係る消費電流である。
図8は、本開示の実施の形態に係る管理装置の記憶部に記憶されている放電容量テーブルの一例を示す図である。
図8を参照して、たとえば、記憶部280は、センサモジュール20における電池29の電池残量と、電池29の放電容量との対応関係を示す放電容量テーブルを記憶している。
演算部231は、計測結果取得部250により記憶部280に電池残量情報が保存されると、記憶部280に記憶されている放電容量テーブルから、当該電池残量情報が示す電池残量に対応する放電容量を取得する。なお、演算部231は、放電容量テーブルにおける電池残量と放電容量との対応関係を線形補間することにより、当該電池残量情報が示す電池残量に対応する放電容量を算出する構成であってもよい。
そして、演算部231は、取得した放電容量を算出した総消費電流Kで除した値を推定稼働時間として算出し、算出した推定稼働時間を処理部270へ通知する。
処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行うと、演算部231により算出された推定稼働時間を表示する処理を行う。より詳細には、処理部270は、演算部231から通知された推定稼働時間に基づいて、センサモジュール20推定稼働時間が「34時間」である旨を領域Rg3eに表示する処理を行う。
演算部231は、計測結果取得部250により記憶部280に電池残量情報が保存されるたびに、記憶部280に記憶されている放電容量テーブルから放電容量を取得して推定稼働時間を算出し、算出した推定稼働時間を処理部270へ通知する。
処理部270は、モニタ画面Sm1を表示装置202に表示している状態において、演算部231から推定稼働時間の通知を受けるたびに、通知された推定稼働時間に基づいて、領域Rg3eに表示する内容を更新する処理を行う。
このような構成により、たとえば切削加工中において、センサモジュール20における電池29の電池残量がゼロになる前に切削加工を中断して電池29を交換することができる。
[変形例]
切削情報取得部220は、切削加工の開始前に切削情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。切削情報取得部220は、切削加工の開始前に切削パラメータ情報の一部または全部を取得しない構成であってもよい。
図9は、本開示の実施の形態の変形例に係る工具システムにおける表示装置に表示されたモニタ画面の一例を示す図である。
図9を参照して、処理部270は、設定処理を終了すべき旨を示す操作情報Ceを受付部210から受けると、図5に示すモニタ画面Sm1の代わりに、モニタ画面Sm2を表示する処理を行う。
図9を参照して、モニタ画面Sm2は、モニタ画面Sm1と比べて、領域Rg2におけるボタンBt2,Bt3の代わりにボタンBt4が含まれ、領域Rg3にテキストボックスTB3が含まれる。
たとえば、ユーザは、切削加工に用いる切削インサート1の型番を領域Rg3のテキストボックスTB3に入力する操作を行う。
受付部210は、ユーザによるテキストボックスTB3への入力操作を受け付けると、入力された型番を示す型番情報を処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から型番情報を受けると、記憶部280に記憶されている対応情報Rnを参照することにより、受けた型番情報が示す型番に対応する詳細情報Dnを特定する。そして、処理部270は、特定した詳細情報Dnを領域Rg3における詳細情報リストLt2に表示する処理を行う。
また、処理部270は、記憶部280に記憶されている画像対応情報を参照することにより、受けた型番情報が示す型番に対応する画像情報Pc1を特定する。そして、処理部270は、特定した画像情報Pc1を記憶部280から取得し、取得した画像情報Pc1が示す画像を領域Rg3における画像表示領域Imgに表示する処理を行う。
また、たとえば、ユーザは、異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を設定する設定操作として、ボタンBt4をクリックする。
受付部210は、ユーザによるボタンBt4をクリックする操作を受け付けると、操作情報Cth4を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から操作情報Cth4を受けると、記憶部280に記憶されているしきい値データベースを示す画面を表示装置202に表示する処理を行う。
ユーザは、表示装置202に表示されたしきい値データベースを示す画面に対して、1つのプリセットを選択する操作を行う。
受付部210は、たとえばユーザによるプリセットp1を選択する操作を受け付けると、プリセットp1が選択されたことを示す操作情報を生成して処理部270へ出力する。
処理部270は、受付部210から当該操作情報を受けると、記憶部280に記憶されているしきい値データベースを参照することにより、受けた操作情報が示すプリセットp1に対応する異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を取得して記憶部280に保存する。
また、処理部270は、当該異常しきい値Th1および当該注意しきい値Th2をテキストボックスTB1,TB2にそれぞれ表示する処理、ならびに当該異常しきい値Th1を示すラインおよび当該注意しきい値Th2を示すラインをグラフ表示領域G1にそれぞれ表示する処理を行う。
[加工工程]
図10は、本開示の実施の形態に係る工具システムを用いた加工工程の一例を示す図である。図10を参照して、工具システム300を用いた加工工程は、事前準備工程と、切削工程と、終了工程とを含む。事前準備工程、切削工程および終了工程は、この順に行われる。
(事前準備工程)
事前準備工程において、管理装置200は、ユーザの操作により起動される。たとえば、事前準備工程において、管理装置200における各ユニットのうちの受付部210、切削情報取得部220、通信部240、計測結果取得部250および処理部270が起動される。
また、事前準備工程において、切削工具100は、ユーザにより図示しない工作機械に取り付けられる。センサモジュール20は、たとえば切削工具100が工作機械に取り付けられた後、ユーザの操作により起動される。
上述したように、センサモジュール20における処理部23は、センサモジュール20が起動されると、管理装置200との通信接続を確立する処理を行う。処理部23は、センサ22から受けるアナログ信号を、たとえば初期設定である1000Hzのサンプリング周波数でAD変換することによりセンサ計測値sを生成する。処理部23は、所定周期に従う送信タイミングにおいて、生成したセンサ計測値sを含む計測情報が格納されたセンサパケットを通信部24および無線親機201経由で管理装置200へ送信する。
また、上述したように、無線親機201は、切削工具100からの無線信号の受信時におけるRSSIを計測し、RSSIの計測結果を示す通信状態情報を管理装置200へ送信する。
管理装置200における処理部270は、ユーザの操作により起動されると、初期画面Sfを示す画面情報を生成し、生成した画面情報に基づいて初期画面Sfを表示装置202に表示する処理を行う。
管理装置200における計測結果取得部250は、通信状態情報を通信部240経由で無線親機201から受信し、受信した通信状態情報を記憶部280に保存する。また、計測結果取得部250は、計測情報を無線親機201および通信部240経由でセンサモジュール20から受信し、受信した計測情報を記憶部280に保存する。
処理部270は、センサ計測値sの時系列変化を初期画面Sfに表示する処理を行う。また、処理部270は、センサ感度の判定を行う。より詳細には、処理部270は、センサ計測値sと、所定のしきい値とを比較し、比較結果に基づいて、センサ計測値sが正常な範囲の値であるか否かを判定する。そして、処理部270は、センサ感度の判定結果を初期画面Sfに表示する処理を行う。たとえば、処理部270は、センサ感度の判定結果として、「正常」または「異常」である旨を初期画面Sfに表示する処理を行う。
また、処理部270は、センサモジュール20における処理部23により単位時間あたりに生成されるセンサ計測値sの総数のうち、パケットロス等により無線親機201および通信部240経由で計測結果取得部250が取得できないセンサ計測値sの数の割合を示すデータロス率を算出する。そして、処理部270は、算出したデータロス率が許容可能な範囲であるか否かを判定し、データロス率の判定結果を初期画面Sfに表示する処理を行う。なお、処理部270は、データロス率の判定結果に加えて、算出したデータロス率を初期画面Sfに表示する処理を行ってもよい。
また、処理部270は、記憶部280から通信状態情報を取得し、取得した通信状態情報が示すRSSIと、所定のしきい値とを比較し、比較結果に基づいて、通信状態が正常であるかまたは異常であるかを判定する。そして、処理部270は、通信状態の判定結果を初期画面Sfに表示する処理を行う。たとえば、処理部270は、通信状態の判定結果として、「正常」または「異常」である旨を初期画面Sfに表示する処理を行う。
たとえば、処理部270は、センサ感度の判定結果、データロス率の判定結果、および通信状態の判定結果に基づいて、事前準備の適否を判定する。より詳細には、処理部270は、センサ計測値sの判定結果が正常であり、データロス率が許容可能な範囲であり、かつ通信状態の判定結果が正常である場合、事前準備は適切であると判定し、判定結果を初期画面Sfに表示する処理を行う。
ユーザは、事前準備は適切である旨の判定結果が初期画面Sfに表示されると、工作機械に対してNC(Numerical Control)プログラムおよびCAM(Computer Aided Manufacturing)データにより切削条件を指定する操作を行うとともに、初期画面Sfに対して加工条件等の設定処理を開始すべき旨を示す操作を行う。
そして、上述したように、処理部270は、加工条件等の設定処理を開始すべき旨を示す操作情報Cs1を受付部210から受けて、加工条件等の設定を行うための設定画面S1を表示装置202に表示する処理を行う。また、処理部270は、センサに関するパラメータの設定処理を開始すべき旨を示す操作情報Cs2を受付部210から受けて、センサに関するパラメータの設定を行うための設定画面S2を表示装置202に表示する処理を行う。
(切削工程)
処理部270は、設定処理を終了すべき旨を示す操作情報Ceを受付部210から受けると、事前準備工程を終了し、切削工程へ遷移する処理を行う。具体的には、処理部270は、管理装置200における残りのユニットである、算出部230、演算部231および判断部260を、停止状態から起動状態へ遷移させる処理を行う。また、上述したように、処理部270は、切削加工中に表示すべき画面であるモニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行う。
切削工程において、管理装置200における処理部270は、上述したように、切削工具100を用いた作業に関する作業情報をモニタ画面Sm1に表示する処理を行う。
切削工程において、工作機械は、ユーザの操作に従い切削加工を開始する。具体的には、工作機械は、ユーザにより指定された切削条件に従い、主軸を回転させ、切削工具100の位置を移動させる。
再び図5を参照して、処理部270は、切削工具100を用いた切削加工の開始後、演算部231から通知されるセンサモジュール20の推定稼働時間が所定時間以下となった場合、電池29の交換をユーザに促すために、たとえば領域Rg3eの背景を赤色で表示する処理を行う。
また、処理部270は、切削工具100を用いた切削加工の開始後、算出部230から通知される加工可能数が所定値たとえばゼロになった場合、切削インサート1の交換をユーザに促すために、たとえば領域Rg3iの背景を赤色で表示する処理を行う。
また、上述したように、処理部270は、切削工具100を用いた切削加工の開始後、切削工具100が異常状態であることを示す判断情報を判断部260から受けた場合、「異常」の文字列を領域Rg3cに表示する処理を行う。
たとえば、処理部270は、演算部231から通知されるセンサモジュール20の推定稼働時間が所定時間以下となった場合、算出部230から通知される加工可能数が所定値たとえばゼロになった場合、または切削工具100が異常状態であることを示す判断情報を判断部260から受けた場合、工作機械による切削加工を停止させる処理を行う。なお、処理部270は、切削工具100が異常状態であることを示す判断情報を判断部260から受けた場合、ただちに工作機械による切削加工を停止させる処理を行うのではなく、現在加工中の被削物の加工が完了した後で当該処理を行う構成であってもよい。また、処理部270が工作機械による切削加工を停止させる処理を行う代わりに、ユーザが手動で工作機械による切削加工を停止させてもよい。
そして、工作機械による切削加工が停止されると、自動または手動による切削工具100または切削インサート1の交換、および電池29の交換等が行われる。工作機械は、切削工具100または切削インサート1の交換、および電池29の交換等が適切に行われた後、ユーザの操作に従い切削加工を再開する。
(終了工程)
工作機械は、ユーザにより指定された切削条件による切削加工が完了すると、主軸の回転を停止する。
処理部270は、ユーザにより指定された切削条件による切削加工が完了すると、切削工程を終了し、終了工程へ遷移する処理を行う。具体的には、処理部270は、管理装置200における各ユニットを起動状態から停止状態へ遷移させる処理を行う。
センサモジュール20は、ユーザの操作により起動状態から停止状態へ遷移する。
[動作の流れ]
本開示の実施の形態に係る工具システムにおける各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図11は、本開示の実施の形態に係る管理装置が表示処理を行う際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。
図11を参照して、まず、管理装置200は、切削情報を取得する。より詳細には、管理装置200は、切削情報として、切削パラメータ情報、切削工具100の画像情報Pc1およびセンサ22に関する設定を示す設定情報を取得する(ステップS102)。
次に、管理装置200は、切削加工の開始前における設定処理を終了するための操作を待ち受け(ステップS104でNO)、設定処理を終了するための操作を受け付けると、切削加工中に表示すべきモニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行う(ステップS106)。
たとえば、モニタ画面Sm1が表示装置202に表示された後、ユーザの操作により、工作機械による切削加工が開始される。
次に、管理装置200は、モニタ画面Sm1に作業情報等を表示する処理を行う。より詳細には、管理装置200は、作業情報として、切刃の欠損状態、切刃の摩耗状態、切削加工が行われているか否かを示す情報、切刃の累計使用時間、切刃を用いた累計切削長さ、推定使用可能時間および加工可能数をモニタ画面Sm1に表示する処理を行う。また、管理装置200は、グラフGs,Ga,Gb,Gc、切削工具100の画像、および切削工具100と管理装置200との通信状態をモニタ画面Sm1に表示する処理を行う(ステップS108)。
次に、管理装置200は、計測情報および経過時間情報等の新たな計測結果を待ち受け(ステップS110でNO)、新たな計測結果を取得すると(ステップS110でYES)、モニタ画面Sm1に表示する内容を更新する(ステップS112)。
次に、管理装置200は、計測情報および経過時間情報等の新たな計測結果を待ち受ける(ステップS110でNO)。
たとえば、管理装置200は、工作機械による切削加工の開始後、センサモジュール20の推定稼働時間が所定時間以下となった場合、加工可能数が所定値たとえばゼロになった場合、または切削工具100が異常状態であると判断した場合、工作機械による切削加工を停止させる処理を行う。工作機械は、切削工具100または切削インサート1の交換、および電池29の交換等が適切に行われた後、ユーザの操作に従い切削加工を再開する。
図12は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおける表示処理のシーケンスの一例を示す図である。
図12を参照して、まず、管理装置200および切削工具100におけるセンサモジュール20が起動され、管理装置200および切削工具100は、通信接続を確立する(ステップS202)。
次に、管理装置200は、切削情報を取得する(ステップS204)。
次に、管理装置200は、設定情報を格納した設定パケットを無線親機201経由で切削工具100へ送信する(ステップS206)。
次に、管理装置200は、切削加工の開始前における設定処理を終了するための操作を受け付けると、切削加工中に表示すべきモニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行う(ステップS208)。
次に、管理装置200は、モニタ画面Sm1に作業情報等を表示する処理を行う(ステップS210)。
次に、切削工具100は、計測情報および電池残量情報を格納したセンサパケットを無線親機201経由で管理装置200へ送信する(ステップS212)。
次に、管理装置200は、切削工具100から受信したセンサパケットから計測情報および電池残量情報を取得し、取得した計測情報および電池残量情報に基づいて、モニタ画面Sm1に表示する内容を更新する(ステップS214)。
次に、切削工具100は、計測情報および電池残量情報を格納したセンサパケットを無線親機201経由で管理装置200へ送信する(ステップS216)。
なお、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、処理部270は、ひずみセンサ22Bの計測結果として、グラフGs,Ga,Gb,Gcをモニタ画面Sm1におけるグラフ表示領域G1に表示する処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部270は、グラフGs,Ga,Gb,Gcをモニタ画面Sm1に表示する処理を行わない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200は、受付部210は、モニタ画面Sm1の入力欄に対して行われる、判断処理に用いる異常しきい値Th1および注意しきい値Th2の設定操作を受け付ける構成であるとしたが、これに限定するものではない。受付部210は、異常しきい値Th1および注意しきい値Th2の設定操作を受け付けない構成であってもよい。この場合、たとえば、判断部260は、たとえば予め設定された異常しきい値Th1および注意しきい値Th2を用いて判断処理を行う。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、処理部270は、切削工具100の状態に関する内容として、切刃の摩耗状態および切刃の欠損状態を表示する処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部270は、切刃の摩耗状態および切刃の欠損状態の一方または両方の表示処理を行わない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、処理部270は、切削工具100の寿命に関する情報として、切削インサート1における切刃の累計使用時間および当該切刃を用いた累計切削長さを表示する処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部270は、累計使用時間および累計切削長さの一方または両方の表示処理を行わない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、算出部230は、切削工具100の推定使用可能時間および加工可能数を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出部230は、推定使用可能時間および加工可能数の一方または両方を算出しない構成であってもよい。また、処理部270は、推定使用可能時間および加工可能数の一方または両方の表示処理を行わない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、処理部270は、モニタ画面Sm1に切削工具100の画像を表示する処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部270は、切削工具100の画像を表示する処理を行わない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、判断部260は、切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かを判断する構成であるとしたが、これに限定するものではない。判断部260は、切削工具100を用いた切削加工が行われているか否かの判断を行わない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、処理部270は、モニタ画面Sm1に切削工具100と管理装置200との通信状態を表示する処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部270は、通信状態を表示する処理を行わない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、処理部270は、1つのモニタ画面Sm1を表示装置202に表示する処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部270は、モニタ画面Sm1の各表示要素のうちの一部を選択的に表示装置202の1画面に表示する処理を行う構成であってもよいし、領域Rg1~領域Rg4を複数の画面に分けて表示装置202に表示する処理を行う構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る管理装置200は、記憶部280を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。記憶部280は、管理装置200の外部に設けられてもよい。
ところで、切削工具における切刃の状態をモニタ可能なシステムにおいて、切削工具に関する優れた機能を実現することが可能な技術が望まれる。
より詳細には、たとえば切削加工の作業効率および品質の向上等を目的として、切削工具を用いた作業の状況をたとえばリアムタイムで確認することが可能な技術が望まれる。
これに対して、本開示の実施の形態に係る管理装置200では、計測結果取得部250は、センサ22が搭載された切削工具100に関する計測結果を取得する。処理部270は、計測結果取得部250により取得された計測結果に基づいて、切削工具100を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う。
また、本開示の実施の形態に係る表示処理方法は、管理装置200における表示処理方法である。この表示処理方法では、まず、管理装置200が、センサ22が搭載された切削工具100に関する計測結果を取得する。次に、管理装置200が、取得した計測結果に基づいて、切削工具100を用いた作業に関する情報である作業情報を表示する処理を行う。
このように、切削工具100に関する計測結果に基づいて、切削工具100を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う構成および方法により、切削工具100を用いた作業の状況をユーザにたとえばリアルタイムで確認させることができるため、切削加工中に問題が発生した場合、たとえば切削加工を中断し、発生した問題に対して対処してから切削加工を再開することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る管理装置および表示処理方法では、切削工具における切刃の状態をモニタ可能なシステムにおいて、切削工具に関する優れた機能を実現することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
センサが搭載された切削工具に関する計測結果を取得する計測結果取得部と、
前記計測結果取得部により取得された前記計測結果に基づいて、前記切削工具を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う表示処理部とを備え、
前記管理装置は、さらに、
前記切削工具に関する情報である切削情報を取得する切削情報取得部と、
前記計測結果に基づいて、前記切削工具の異常に関する判断処理を行う第1の判断部とを備え、
前記表示処理部は、前記第1の判断部における前記判断処理に用いるしきい値として、前記切削情報取得部により取得された前記切削情報に対応する推奨しきい値を取得し、取得した前記推奨しきい値を、前記作業情報を表示する画面に表示する処理を行う、管理装置。
[付記2]
センサが搭載された切削工具に関する計測結果を取得する計測結果取得部と、
前記計測結果取得部により取得された前記計測結果に基づいて、前記切削工具を用いた作業に関する作業情報を表示する処理を行う表示処理部とを備え。
前記計測結果取得部および前記表示処理部は、プロセッサにより実現される、管理装置。