JP4239140B2 - 標準偏差利用のデータ処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
工作機械の監視、製品の管理等においては比較データを作成し、現状、もしくは現物をこの比較データと付き合わせることで正常異常の判定、もしくは良否を判定し、異常箇所の検査、良品の保存・供給、不良品の廃棄・回収をする。
本発明は、このような監視・管理を行なうための比較データを作成する標準偏差利用のデータ処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、製作加工の監視を行なうための比較用データは、寸法、電流値、反射率等、種々の測定可能な検出装置により、その時の製作開始から終了までのデータを複数回の試行によって得ている。
例えば、比較用の平均値データ、最大値データおよび最小値データは、製作加工の開始から終了までの時間を等間隔に複数区分してサンプリングポイントを複数箇所に設け、各サンプリングポイントにおいて複数回の試行による測定値を記憶部に記憶し、これらを演算することによって得ることができる。
【0003】
上記の比較データを得るには、図11に示す検出装置1に記憶部2をn個用意し、サンプリングポイントをn個とする。また、記憶部2に3つのエリア2a,2b,2cを備える。また、出力端末において監視用の表示装置3を設ける。なお、符号4は制御装置であり、記憶部での演算制御や得られたデータの変換、転送等の処理を行なうことができる。
そして、製作開始から終了までを測定の1サイクルと決め、最初の測定サイクルは記憶部2の3つのエリア2a,2b,2cに同じ値を記憶する。また、サンプリングポイントの1〜nまで測定した値はそれぞれ同じように記憶させる。
【0004】
次サイクルの測定値は、同一サンプリングポイントにおいて、エリア2aには記憶された値に加算して上書きされ、エリア2bは記憶された値と入力された値が比較され大きい方が新たに記憶され、エリア2cは記憶された値と入力された値が比較され小さい方が新たに記憶される。このようにして複数サイクルのデータを記憶させる。
そして、表示装置3により平均値波形、最大値波形及び最小値波形が表示され、実測値と比較することができる。
【0005】
一方、上記記憶部2の使用例として、サンプリングポイントのうち1箇所を指定してここだけをn回測定することで、この箇所の監視精度を上げることができる。すなわち、記憶部2にエリア2a,2b,2cが区分されているのを利用してサンプリングポイントを3箇所指定すれば、それぞれのエリアでn回の測定値が記憶され、サンプリングポイントでの平均値および標準偏差値が得られる。
【0006】
上記の監視方法では指定ポイントを近付けて設定することで局所の監視ができる。このほか、全体を監視するには別な手段がある。これは設計時において考えられる上限値波形と下限値波形をプログラムに組み込み、製品と比較する。つまり、図11に示すエリア2aに上限値波形を記憶させ、エリア2bに下限値波形を記憶させる。測定開始後、実測データをサンプリングポイントごとに比較して、上限値波形および下限値波形から外れた時点で警報を出力し、そのときの実測データをエリア2cに保存して測定中止とするか、あるいは、さらに監視を続け実測データをエリア2cに上書きする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように記憶部2を3つのエリアから構成したものにおいて、その使用方法をまとめると以下のようになる。▲1▼最大値波形、最小値波形および平均値波形のデータを収納する。▲2▼指定ポイントにおける標準偏差値を収納する。▲3▼プログラムされた上限値波形、下限値波形および異常値を収納する。
【0008】
しかしながら、前記▲1▼、▲2▼、▲3▼の特長を備えた装置は一長一短であり、また、いずれかを組み合わせることも難しかった。これは、当時の技術では大容量のメモリー等の記憶機器使用が一般的でなく高価であり、データを処理する側のソフトも同時に大容量のデータを扱えなかったためである。
【0009】
本発明は、従来の最大値波形、最小値波形および平均値波形を求めるだけでなく、標準偏差値波形を作成し、また、これらのデータを収納する記憶部を改善した標準偏差利用のデータ処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ワークの測定開始点から終了点までの1サイクル内に複数のサンプリングポイントを設定し、データ処理装置の記憶部を第1のエリア、第2のエリアおよび第3のエリアに区分し、次に、各サンプリングポイントの複数サイクルによる複数のサンプリングデータを採取し、得られた複数のサンプリングデータを前記第1のエリアに記憶させ、前記第1のエリアに記憶した複数のサンプリングデータから、複数サイクルにおける同一サンプリングポイントの最大値、最小値、平均値および標準偏差値をサンプリングポイントごとに演算し、得られた複数組の最大値、最小値、平均値および標準偏差値を前記第2のエリアに記憶させることを所定の標準偏差処理回数だけ行った後、前記第2のエリアから選んだ前記複数組の平均値および標準偏差値を演算して、各サンプリングポイントの上限データおよび下限データを作成し、作成した前記上限データおよび下限データを前記第3のエリアに記憶させ、前記上限データおよび下限データにより前記ワークの実測値を監視するようにし、前記複数のサンプリングデータは、前記第1のエリアに、直前の複数サイクルにおけるサンプリングデータに上書きして記憶され、前記複数組の最大値、最小値、平均値および標準偏差値は、前記第2のエリアの空所に記憶されることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記ワークを監視しながら、その測定データをサンプリングデータとして使用して、前記第2のエリアに記憶されている前記複数組の平均値および標準偏差値のうち、直前に行われた前記所定の標準偏差処理回数分の前記複数組の平均値および標準偏差値のみに基づいて、前記上限データおよび下限データを更新することを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は請求項1の発明において、前記ワークを監視しながら、その測定データをサンプリングデータとして使用して、前記第2のエリアに記憶されている全ての前記複数組の平均値および標準偏差値に基づいて、前記上限データおよび下限データを更新することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
まず、ワークを監視するためのサンプリングデータを抽出する場合、ワークの測定開始点から終了点までを1サイクルとする。この1サイクル中に複数のサンプリングポイント(k個とする)を設定し、所定サイクル数nのサンプリングデータを記憶させる。この複数のデータに基づき監視データまたは監視波形を得るものである。この時のデータ数はk・nになり、記憶個数もk・nとなる。
【0014】
このようにすれば、各サンプリングポイントにおいて、n個のデータがあるので同一箇所の最大値、最小値、平均値および標準偏差値を求めることができ、後述する手段により少ないデータ記憶容量で標準偏差を利用した監視データが作成できる。
ところで、監視データは実態に合わせて作成しなければ意味を成さず、監視するワークが多ければ時間経過と共に何回も作り直して精確性を維持する必要がある。したがって、監視データを作成する回数を増やすことが良いが記憶容量が増加する。また、所定サイクル数n以上にサンプル数が必要なときは所定サイクル数nを繰り返せば良いが、この繰り返す回数をmとすると、[k・n,m]のマトリックスで示す記憶容量が必要になる。本発明では、記憶部を複数のエリアに分け、各エリアに特長を持たせ、第1のエリア(nの保存領域)を上書き保存することで大容量となることを回避したものである。
【0015】
記憶部の構成は図1に示すように、サンプリングデータ[k・n]個を収容する第1のエリアと演算結果を記憶する第2のエリアがあり、空きメモリが存在する。第3のエリアには監視用の上限値波形および下限値波形のデータが記憶されている。
【0016】
第2のエリアは最初に1回目の監視データ、すなわちm=1;[n,1]における波形の、記憶部の第1のエリアに記憶されたサンプリングデータを演算して求めた各サンプリングポイントの最大値、最小値、平均値および標準偏差値が記憶される。また、第3のエリアには、平均値±標準偏差値σが監視用の上限値波形および下限値波形として記憶されるが、実際には注意報知、危険報知の段階を設けており、警報基準を設定している。図2に示すように、記憶部の第3のエリアは、平均値±標準偏差値3σを良品とし、注意判定の基準として平均値±標準偏差値4σを上下限値波形としている。また、危険判定の基準として平均値±標準偏差値5σを上下限値波形としている。これにより、ワークの監視中に異常判定が出た時に一律に異常を報知するのではなく、ワークの状況を細かく監視することができる。
【0017】
前述したように、監視データは、製作した個数が増えてきた時、もしくは時間が経過すると現状に見合った監視データが求められ、図3に示すように、第2のエリアにはサンプルデータnm個の演算結果を保存する記憶容量(例えばm=500の記憶容量を持つ。したがってm=10の場合は累積保存ができる)を備えている。また、第1のエリアは、第2,第3のエリアに演算結果が記憶されることにより、上書き可能となってその分の記憶容量を他に利用することができる。また、第3のエリアも上書き可能となっている。
【0018】
次に、監視データを作成するための条件設定手順を図4を参照して説明する。
操作パネルは図9に示す簡易なものを例にとる。まず、図4のステップ1で条件設定画面を選択する。このとき図9に示す画面上でカーソルを指定表示に合わせエンターキーを押すと、さらに択一の画面になる(図10参照)。数値入力はテンキーまたは移動キーにより行い、確認、訂正を行なうための指示も表示される。
【0019】
ステップ2ではサンプリングポイントの測定間隔時間を設定する。この測定間隔は全体が一定の場合と、部分部分が異なる一定の時間間隔(設定サンプリング速度)tで構成される場合がある。したがってステップ3では測定データ個数aを設定するので、総合時間間隔はt1×a1+t2×a2+・・となる。ここでt1,t2・・が同じ場合もある(即ち、ステップ4)。よって、ステップ5においては測定1サイクル時間に対するサンプリングポイントの配置が表示される。
設定サンプリング速度tを1サイクル中で変化させるのは、製品管理において精度の必要箇所においてサンプリングポイントを多く取り、精度を必要としない箇所は時系列的にサンプリングポイントを粗く取って記憶部の負担を少なくし、利用度を向上させるものである。
【0020】
次に、測定入力側のセンサ入力レンジを選択する(ステップ6)。また、センサスケール値を設定し(ステップ7)、サンプリング用のトリガー条件を選択する(ステップ8)。
【0021】
次に、サンプリングを何回繰り返すか、その測定サイクル回数nを設定する(ステップ9)。また、比較データを更新する標準偏差処理回数(m)を設定する(ステップ10)。測定データを比較するとき、上限下限の帯の中に入っているか否かを判定するので、上限、上々限、上々々限、下限、下々限および下々々限の幅を設定する(ステップ11〜13)。これは平均値にプラスする標準偏差値σの掛け率(例えば、±3、±4、±5)により決められる。但し、実質的な校正を行なうことで上下限の幅が同じになるとは限らないことがある。また、掛け率は2.5、3.2等の実数でもよい。
ステップ14では、上下限自動更新の標準偏差の標準偏差処理回数(k)を設定する。また、ステップ15において測定におけるX軸方向の振れ幅を設定する。以上の設定を行なった後、データの抽出を行なう。
【0022】
次に、ワークを測定して監視データを作成する手順を図5を参照して説明する。
測定X軸に対しトリガーの入力が検出されると、測定開始となる(ステップ21,22)。ステップ23では設定サンプリング速度でデータを測定し、記憶部の第1のエリアに収容する。
ここで1サイクル中、サンプリング速度を一定にした場合、ステップ26に進むが、前述したように、設定サンプリング速度をt1,t2・・と区分した場合、ステップ24において設定サンプリング速度t1でのデータ個数が完了するまで、設定サンプリング速度t1でサンプリングデータを作成し記憶部の第1のエリアに収容する。設定サンプリング速度t1でのデータ個数が完了すると、ステップ25において設定サンプリング速度がt2になる。ステップ26ではサンプリング速度t2のデータがないのでステップ23に戻りデータを採取することになる。このデータも第1のエリアに収容する。
【0023】
ステップ26において、1サイクルのデータ数kが採取できると(Yes)、ステップ27へ進む。ステップ27では同一サンプリングポイントにおいて標準偏差処理を行なうため、複数サイクルのデータが必要になる。したがって、設定サイクル数nに達していない場合(No)は引き続きデータを採取する。
【0024】
ステップ27において、設定サイクル数nに達すると、ステップ28に進みサイクル波形中の各ポイントで平均値および標準偏差値を求め、各サイクルの同ポイントデータと平均値の差がプラス側に一番大きい値はそのポイントの最大値としてポイントごとに保存する。また、各サイクルの同ポイントデータと平均値の差がマイナス側に一番大きい値はそのポイントの最小値としてポイントごとに保存する。これらは記憶部の第2のエリアに記憶させる。
この段階(m=1)で上限値波形及び下限値波形を作成し実測値を監視してもよい。この上限値波形及び下限値波形は第3のエリアに記憶される。
ステップ29では標準偏差処理回数mを3とすれば、3回目ごとにステップ30へ進んで上限値波形及び下限値波形を作成し、実測値を監視することになる。そして、常時監視を行ないながら監視データを作成する場合(Yes)は、再度、データを採取しながらワークを監視する。監視データを作成しない場合(No)、同一の監視データでそのまま監視を続行する。
【0025】
また、複数サイクルnのデータで標準偏差値σを演算して求めても、監視用データとして採用しない限り、上限値波形及び下限値波形は作成せず、また記憶部の第3エリアも使用しない。
ここでサンプルデータの個数とn,mナンバーとの関係を説明する。
nの設定個数を50として[k・n]のマトリックス分の記憶容量を確保する。
50個のワークを(1〜50)順次測定したとき、n=50と表記し、このサンプルデータで監視データを作成するとm=1となる。
51〜100個目のワークを測定したとき、mは2カウントするがnの個数は50である。よってn(51〜100)個のとき測定当初にnナンバーをリセットしてデータ採取し監視データを作成すればm=1と等価である(図3参照)。この実施例では監視データを作成したときにn,mのナンバーをリセットして数値を当て嵌めることで説明している。
また、処理回数mを3としたときには、n=50として150個のワークのデータにより監視データを作成する。
また、処理回数mの最終データ採取後、毎度監視データを作成せず、数回おきに監視データを作成する場合、例えば、m=2のとき(nナンバーは100まで振られる)で1回おきに監視データを作成する場合、m=4(nナンバーは200まで振られる)で監視データを作成するのと同等である。このデータ採取においては従来では、第1エリアにおいて4k・nの記憶容量が必要であるが、本発明ではn=50ごとに測定データが第1エリアで上書きされ、k・n+4(計算結果を保存)の記憶容量で済む。そして、第1エリアの上書き前に保存した測定値を演算して得たデータ1(1~50)、データ2(51~100)、データ3(101~150)、データ4(151~200)が第2エリアに保存される。
【0026】
以上説明したように、m=1のサイクル中のデータ量はn回×k個(サンプリングポイント)であり、第1のエリアに保存される。
2回目(m=1)のデータ測定と標準偏差処理が開始されると、第1のエリアの保存データは1サイクル(k個)ごとに消去され、波形データが上書きされて記憶されていく。データ採取が完了すると、標準偏差処理が行なわれ、図3に示すように、記憶部の第2エリアに各ポイントの最大値、最小値、平均値、標準偏差値が記憶される。これを各ポイントごとに繋ぐことにより波形を表示できる。第2のエリアでは、1回目で使用された4波形分のデータにさらに4波形分のデータが追加記憶される。
【0027】
また、標準偏差処理がm回行なわれるとき、第2のエリアでは、測定されたサイクル数はn1からnm回までの総合計が記憶される。また、ワークを測定しながらそのデータを監視用データを作成するサンプリングデータとしたときに、注意・危険の報知があった場合に割り込みプログラムによりサンプリングデータへの採取をストップさせ、次サイクルから採取するようにセットする。
【0028】
しかるに、監視データを作成する上で、サイクル数nは常に同じでなくても良い。
例えば、[n,1]=500回(500×k個のデータ量)、[n,2]=300個、[n,3]=400回でもよい。
すなわち、n1からnmまでを同一回数としても、測定中に何かの理由で測定を停止せざるを得ない場合、そこまで測定した回数の波形の標準偏差処理を行なえば、波形中の各ポイントの最大値、最小値、平均値、標準偏差値は得られる。この何かの理由で停止した場合、最大値(k個)または最小値(k個)は停止した途中から後は役に立たないデータ値となっていることが多いが、標準偏差値(k個)にはほとんど影響がない。
【0029】
実際に、自動車会社や家電メーカーで製作する合成樹脂の部品を例にすると、射出成形の所要時間が1分程度であれば、1時間で50〜60個、24時間連続で1200〜1440個、それを次の金型交換まで2週間稼動させるとして16800個〜20160個が製作される。したがって、1度(m=1)の繰り返しサイクル数を50、処理回数mを20としてその周期1000に対して監視データを更新して製品の監視を行なうとすると、金型交換まで16〜20回の上下限波形の更新をすることになる。
【0030】
次に、別な方法で得られる監視データについて説明する。
監視データを複数採取するため、処理回数をm回繰り返し行なうと、第2エリアには、4データエリア×mのデータエリアには、m×k個の最大値データ、m×k個の最小値データ、m×k個の平均値データ、m×k個の標準偏差値データ、が保存されている。
【0031】
この第2のエリアのデータ全体を使用して、m回数の最大値の標準偏差値、m回数の最小値の標準偏差値、m回数の平均値の標準偏差値およびm回数の標準偏差値の標準偏差値を求める。
【0032】
次に、最大値の標準偏差値をつないだ「最大値の標準偏差波形」、最小値の標準偏差値をつないだ「最小値の標準偏差波形」、平均値の標準偏差値をつないだ「平均値の標準偏差波形」、および標準偏差値の標準偏差値を±1σ、±2σ、±3σ等整数倍にして平均値の標準偏差値にプラスして上限値波形と下限値波形を作成し第3のエリアに記憶する。
この上限値波形と下限値波形とでワークを監視することができる。また、上限値波形と下限値波形で監視を行ないながら、測定する波形を同様にして処理し、監視動作中の全ての波形に対して同じ処理と結果を求めることができる。
【0033】
上記と同じような手順でサンプリングデータを連続に採取し、所定の処理回数mのときに監視データを作成するプログラムを図6ないし図8を参照して説明する。
図6のステップ41において測定条件を設定する。
測定トリガが入力されたら(ステップ42)合致していることの判定をし(ステップ43)、Yesであれば1サイクルのデータを採取し第1のエリアに保存する(ステップ44)。ステップ45では処理回数Aに達しているか判定し、Noの場合にはステップ42に戻り再度1サイクルのデータを採取する。
処理回数Aに達していれば、ステップ46〜48において、標準偏差値を算出し、最大値波形、最小値波形、平均値波形と共に第2エリアに保存する。
ステップ49では処理回数Bの設定があるか判定し、あれば図7のBに進む。処理回数Bの設定がなければステップ50において上下限値波形を設定し第3のエリアに保存する。これを監視波形としてワークを監視する。
【0034】
ステップ49から図7のBに進んだとき、ステップ51〜54までは処理回数Bになるまで繰り返し1サイクルのデータを採取し、第1のエリアに上書き保存する。また、ステップ55〜57までは処理回数Bの最大値波形、最小値波形、平均値波形および標準偏差値を算出し、第2エリアに保存する。ステップ58ではステップ48で保存したデータとステップ57で作成したデータを複合し、AB標準偏差値波形を作成保存する。
【0035】
ステップ59では処理回数Cの設定があるか判定し、あれば図8のCに進む。処理回数Cの設定がなければステップ60において上下限値波形を設定し第3のエリアに保存する。これを監視波形としてワークを監視する。
【0036】
ステップ59から図8のCに進んだとき、図7のB以降の手順とほぼ同じ繰り返しであるので、要点を説明する。
即ち、処理回数Cに対応する1サイクルのデータを第1のエリアに保存し(ステップ63)、処理回数Cに対応する最大値波形、最小値波形、平均値波形および標準偏差値を算出し、第2エリアに保存する(ステップ67)。
ステップ68ではステップ58で保存したデータとステップ67で作成したデータを複合し、ABC標準偏差値波形を作成保存する。
【0037】
ステップ69では処理回数Dの設定があるか判定し、あれば次サイクルに移行するが、処理回数Dの設定がなければステップ70において上下限値波形を設定し第3のエリアに保存する。これを監視波形としてワークを監視する。
なお、ここでの標準偏差値波形は、A→AB→ABC→、のように作成するが、A→AB→BC→CD→、のように監視データを作成しても良い。例えば、A=1,B=1,C=1でもよく、A,C=1,B=2としてもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明は以上述べた通りであり、請求項1に記載の発明では、複数サイクルのデータをサンプリングポイントごとに採取し、これを第1のエリアに記憶し、前記各サンプリングポイントの所定サイクル数個のデータから演算により得られる最大値、最小値、平均値および標準偏差値を第2のエリアに記憶し、平均値および標準偏差値から得られる上限データおよび下限データを第3のエリアに記憶し、前記上限データおよび下限データにより前記ワークの実測値を監視するので、ワークの個々のサンプリングポイントで精確な監視を行なうことができる。また、複数のサンプリングデータは、直前の複数サイクルにおけるサンプリングデータに上書きして第1のエリアに記憶されるので、記憶容量を節約でき、その分サンプリングポイント数を増やすことができ、より精確な監視を行なうことができる。
また、サンプリングデータはその演算結果がすべて第2のエリアに順次記憶されるので、後からデータチェックをすることができる。
また、記憶部の第2のエリアに保存された複数組の平均値および標準偏差値を標準偏差処理して、監視用の上限データおよび下限データを作成して第3のエリアに記憶させ、該上限データおよび下限データにより前記ワークの実測値を監視するようにしたので、総合的なワークの監視を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態の、監視装置の記憶部の構成図である。
【図2】図1の記憶部の第3のエリアの詳細図である。
【図3】図1の記憶部の処置回数mのときの詳細図である。
【図4】本発明における監視装置の測定条件設定のフローチャートである。
【図5】本発明における監視装置の監視データ作成のフローチャートである。
【図6】本発明における監視装置の監視データ作成の処置回数Aのときのフローチャートである。
【図7】本発明における監視装置の監視データ作成の処置回数Bのときのフローチャートである。
【図8】本発明における監視装置の監視データ作成の処置回数Cのときのフローチャートである。
【図9】本発明における監視装置の操作面の初期表示を示す模式図である。
【図10】本発明における監視装置の操作面の始動表示を示す模式図である。
【図11】従来の監視装置のブロック図である。
【符号の説明】
2 記憶部
Claims (3)
- ワークの測定開始点から終了点までの1サイクル内に複数のサンプリングポイントを設定し、データ処理装置の記憶部を第1のエリア、第2のエリアおよび第3のエリアに区分し、
所定の標準偏差処理回数だけ、各サンプリングポイントの複数サイクルによる複数のサンプリングデータを採取し、得られた複数のサンプリングデータを前記第1のエリアに記憶させ、前記第1のエリアに記憶した複数のサンプリングデータから、複数サイクルにおける同一サンプリングポイントの最大値、最小値、平均値および標準偏差値をサンプリングポイントごとに演算し、得られた複数組の最大値、最小値、平均値および標準偏差値を前記第2のエリアに記憶させることを行った後、
前記第2のエリアから選んだいずれかの前記複数組の平均値および標準偏差値を演算して、各サンプリングポイントの上限データおよび下限データを作成し、作成した前記上限データおよび下限データを前記第3のエリアに記憶させ、前記上限データおよび下限データにより前記ワークの実測値を監視するようにし、
前記複数のサンプリングデータは、前記第1のエリアに、直前の複数サイクルにおけるサンプリングデータに上書きして記憶され、前記複数組の最大値、最小値、平均値および標準偏差値は、前記第2のエリアの空所に記憶されることを特徴とする標準偏差利用のデータ処理方法。 - 前記ワークを監視しながら、その測定データをサンプリングデータとして使用して、前記第2のエリアに記憶されている前記複数組の平均値および標準偏差値のうち、直前に行われた前記所定の標準偏差処理回数分の前記複数組の平均値および標準偏差値のみに基づいて、前記上限データおよび下限データを更新することを特徴とする請求項1に記載の標準偏差利用のデータ処理方法。
- 前記ワークを監視しながら、その測定データをサンプリングデータとして使用して、前記第2のエリアに記憶されている全ての前記複数組の平均値および標準偏差値に基づいて、前記上限データおよび下限データを更新することを特徴とする請求項1に記載の標準偏差処理利用のデータ処理方法。
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