JP5791756B1 - 閾値波形作成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】観測波形の平均化による平滑化の効果でその波形の特徴が失われることのない真に平均的な平均波形を得て、観測波形の時間軸方向のばらつきが観測値軸方向のばらつきとして現れることのない真のばらつきを加味した閾値波形を作成する閾値波形作成装置を得ること。【解決手段】観測波形から特徴点を抽出する特徴抽出部13と、特徴抽出部13で抽出された特徴点を評価する相関評価部14と、特徴点に基づいて、観測波形の時間軸方向および観測値軸方向の統計処理を行う統計処理部15と、時間軸方向および観測値軸方向で統計処理された値に基づいて、観測波形の正常性を判定するために用いられる閾値波形を作成する閾値波形作成部16とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、観測波形の正常性を判定するために用いられる閾値波形を作成する閾値波形作成装置に関する。
従来、不具合を含んだ製品を市場に出荷することを防ぐために、製造した製品の良否を判定するための検査が行われている。その検査方法の1つとして、製造した製品に対して試験信号を与え、その際の製品の振る舞いを、センサ等を通じて計測し、その時系列として集録した計測波形を所定の基準である閾値あるいは閾値波形と比較して製品の良否を判定する方法が知られている。
例えば閾値波形による判定方法は、集録した波形が、予め事前に設定した閾値波形の上限波形や下限波形を逸脱していないかを判定の基準とするものである。この判定方法は、閾値波形を設定するだけでよいので、多様な分野において適用が可能である。特に、多品種変量生産が行われている場合に実益がある。
閾値波形の作成方法は、特許文献1および2に記載されている。特許文献1に開示されている方法は、複数の正常波形から算出した平均波形に、これら複数の正常波形の標準偏差を加えて上限波形とし、減じて下限波形とするものである。これに対して、特許文献2に開示されている方法は、複数の正常波形の平均や標準偏差を評価するのではなく、複数の正常波形で囲まれた空間を良と判定すべき空間として、上限波形および下限波形を作成するものである。
特開2002−341909号公報 特開2004−239879号公報
しかし、特許文献1に提案されている方法は、取得した複数の正常波形を平均して得られた平均波形が真に平均的な正常波形であるとは限らない。真に平均的なものとするためには、ある程度の数の正常波形を取得して平均する必要があり、その取得数が1〜2個程度では不十分である。一方、ある程度の数の正常波形を取得して平均すると、その平均化によって波形の特徴が平滑化されてしまい、良否判定すべき波形の特徴が失われ、平均波形が真に平均的な波形とはいえないものとなる場合がある。
また、特許文献1の方法では、正常波形の中に急に値が変化する部分、すなわち立ち上り部分や立下り部分が含まれているとき、そのような部分での標準偏差は、不安定なものとなりがちである。開始のトリガによって波形の観測を開始しているので、観測される波形の時刻は同一なものとして扱うことができるが、実際の検査対象で起こっている物理現象は、時刻が完全に一致するとは限らず、多少の時刻のずれを伴う。立ち上り部分が、時間軸方向に前後にずれると、その時刻のずれは、結果的に観測値のばらつきとして、標準偏差に現れる。しかしながら、この標準偏差は、実際には観測値のばらつきではなく、時刻のばらつきである。従って、実際には観測値はあまりばらついていないのだが、時刻がずれてばらつくことによって、過大な閾値波形が作成されることになる。すなわち、時間軸方向の波形のばらつきが、観測値軸方向の波形のばらつきとして、統計的に評価され、ずらす量に反映されることになり、作成された閾値波形のうち、特に立ち上り部分や立下り部分において,正しい上限や下限を示しているとはいえない。
また、特許文献2に提案されている方法により作成された閾値波形の上限および下限が妥当なものであるといえるためには、ある程度の数の正常波形を取得するだけでは不十分であって、ある程度のばらつきの広さをもって適当にばらついた複数の正常波形を取得する必要がある。しかし、これは容易なことではない。また,ある程度のばらつきの広さをもって適当にばらついた複数の正常波形を取得できているかどうかを検証するためにも、結局のところ特許文献1における標準偏差のような統計的評価が必要となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、観測波形の平均化による平滑化の効果でその波形の特徴が失われることのない真に平均的な平均波形を得て、観測波形の時間軸方向のばらつきが観測値軸方向のばらつきとして現れることのない真のばらつきを加味した閾値波形を作成する閾値波形作成装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、観測波形の正常性を判定するために用いられる閾値波形を作成する閾値波形作成装置であって、観測波形から、特徴点を抽出する特徴抽出部と、前記特徴抽出部で抽出された前記特徴点を評価する相関評価部と、前記特徴点に基づいて、観測波形の時間軸方向および観測値軸方向の統計処理を行う統計処理部と、前記時間軸方向および前記観測値軸方向での統計処理に基づいて前記閾値波形を作成する閾値波形作成部と、を備え、前記特徴抽出部は、複数の前記観測波形の夫々から複数の特徴点を抽出し、前記相関評価部は、同一グループが同一の相関を有する複数の特徴点からなるように前記特徴点を複数にグループ化し、前記統計処理部は、前記統計処理として、前記グループごとに、前記特徴点の観測値の平均および時間の平均を算出して平均波形を作成するとともに、前記観測値および前記時間の標準偏差を算出し、前記閾値波形作成部は、前記グループに対応する前記平均波形上の点に対して、前記標準偏差を加味して前記閾値波形を作成することを特徴とする。
本発明によれば、観測波形の平均化による平滑化の効果でその波形の特徴が失われることのない真に平均的な平均波形を得て、観測波形の時間軸方向のばらつきが観測値軸方向のばらつきとして現れることのない真のばらつきを加味した閾値波形を得ることができ、このような閾値波形を用いることで、過不足なく、製品の良否判定の際に計測された波形と閾値波形を比較できるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る閾値波形作成装置の実施の形態1のハードウェア構成を示す図である。 図2は、閾値波形の作成を実行するプログラムの構成を示す図である。 図3は、波形の構造が大きく変化する点を示す図である。 図4は、波形の角度変化の最も単純な類型を示す図である。 図5は、一群の角度変化の評価が必要な第1の類型を示す図である。 図6は、一群の角度変化の評価が必要な第2の類型を示す図である。 図7は、異なる波形間での対応する特徴点の関係を模式的に示す図である。 図8は、特徴抽出部で抽出された特徴点およびその相関を示す図である。 図9は、実施の形態1における平均波形、観測値の標準偏差および時間の標準偏差を示す図である。 図10は、実施の形態1において算出された平均波形に観測値の標準偏差および時間の標準偏差を加味して作成した閾値波形を示す図である。 図11は、閾値波形作成部における平均波形の評価方法を模式的に説明する図である。 図12は、実施の形態2における平滑化の度合い調整による特徴点の抽出を示す図である。 図13は、平坦区間における観測値の点群に基づく観測値軸方向の標準偏差の評価を模式的に示す図である。 図14は、本発明に係る閾値波形作成装置の実施の形態3の構成を示す図である。 図15は、実施の形態3における異常発生区間に対する閾値波形の作成過程を模式的に示す図である。 図16は、特許文献1の閾値波形の作成方法を模式的に示す図である。 図17は、特許文献1の統計処理における複数の観測波形の対応関係を模式的に示す図である。 図18は、特許文献1の統計処理における複数の観測波形、平均波形、標準偏差および閾値波形を示す図である。
以下に、本発明にかかる閾値波形作成装置および方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
先に、実施形態1の理解を促すために、特許文献1の波形比較の方法およびその問題点について、図16〜図18を参照して説明する。
図16は、特許文献1の閾値波形の作成方法を模式的に示す図である。
<特許文献1の閾値波形の作成>
良品であることが分かっている製品に対して試験信号を与え、その際の製品の振る舞いをサンプリング間隔Δtで計測する検査を行うものとして、検査の開始をトリガ検出して開始時刻t1を保持すると共にサンプリングを開始し、検査の終了もトリガ検出して終了時刻tnを保持すると共にサンプリングを停止し、その結果、1サイクルの所要時間がtn−t1で、波形点数がn点となったとする。なお、検査の所要時間は毎回一定であるから、1サイクルの開始トリガで波形集録を開始し、その後、波形点数がn点になった時点で、波形集録を終了しても、同じことである。このようにして、正常波形(図示省略)を得る。同様にして、不良品であることが分かっている製品に対しても試験信号を与え、波形集録を行い、異常波形(図示省略)を得る。
このようにして正常波形と異常波形をいくつか取得し、これら取得したいくつかの正常波形と異常波形に基づいて閾値波形を規定する。例えば、取得したいくつかの正常波形を平均して得られた平均波形mを上方向にずらして上限波形hを、下方向にずらして下限波形lを、それぞれ作成する。平均波形mの時間tにおける観測値軸方向の値はm(t)で表示されるものとし、同様に、上限波形hの観測値軸方向の値はh(t)と表示され、下限波形lの観測値軸方向の値はl(t)で表示される。取得した異常波形のいずれもが、サンプリング区間t1〜tnにおいて、この作成した閾値波形を逸脱することを確認して、最終的に上限波形hおよび下限波形lを、上限および下限とする閾値波形として規定する。規定した閾値波形の上限波形hおよび下限波形lも波形点数がn点(サンプリング間隔Δt)である。
<特許文献1の計測波形の判定>
検査対象である製品に対しても同様に試験信号を与え、その際の振る舞いをサンプリング区間t1〜tn、および、サンプリング間隔Δtで計測し、その結果として、時間tにおける観測値軸方向の値がf(t)で表示される計測波形(図示省略)が得られたとする。計測波形が閾値波形を逸脱しているか否かの判定は、計測波形の各点の値と、閾値波形の各点の値を比較することにより行う。例えば,図16に示すように閾値波形として上限波形hと下限波形lの両方が設定されている場合には、計測波形の各点の値が、上限波形hの各点の値より小さく、かつ、下限波形lの各点の値より大きい、すなわちl(t1)<f(t1)<h(t1)、l(t2)<f(t2)<h(t2)、…、l(tn)<f(tn)<h(tn)であることが確認できれば、計測波形が閾値波形を逸脱しておらず、この製品は良品であると判定する。
以上の例では,横軸を時間(サンプリング点数)、縦軸を観測値としているが、そのようにして観測波形を異なる単位の波形へと変換した場合、例えばフーリエ変換(FFT)であれば、変換後の横軸は周波数、縦軸はその周波数成分の大きさ(スペクトル)となるが、その場合でも、その変換後の波形に対する閾値波形を予め設定しておけば、同様に判定がなされる。
このように、製造加工後の製品に対して検査を行い、製品の良否を判定する特許文献1の方式では、製造加工工程の後に検査工程を設ける必要があり、その分だけ製品1個あたりの製造開始から完了までに要する時間も長くなる。これを解決するために、製造加工工程中における制御指令や製造加工状況を計測して、その結果として得られた波形が、正常な製造加工時の波形から逸脱していないかを確認することによって、製品の良否を判定する方法がある。この方法は、インライン検査とか機上検査(オン・マシン・ベリフィケーション)などと呼ばれたりする。
この波形の判定方法も上述した例と同様でよい。すなわち、製造した製品に対して試験信号を与え、その際の製品の振る舞いを計測する代わりに、1個の製品の製造加工(1サイクル)の状況を計測し、得られた波形を、予め設定した上限波形や下限波形と比較すればよい。
一方、上述した平均波形mを上下にずらす量は,経験的に決める必要がある。いくつかの正常波形といくつかの異常波形が取得できた場合は,これらの正常波形を良と判定でき、これらの異常波形を否と判定できるように、ずらす量を調整できるが、その調整した量が適当であるといえるためには、ある程度の数の正常波形や異常波形を取得して比較する必要があり、その作業は煩雑なものとなる。また、通常、生産ラインは良品を製造するためにあるから、ある程度の数の正常波形の取得は比較的容易であるのに比べ、ある程度の数の異常波形を取得することは困難であるため、このような作業は困難を極める。
そこで、特許文献1に開示されている方法を採用して、複数の正常波形の標準偏差を加味して平均波形mのずらす量を決めることは統計的に優れるのであるが、既に述べたとおり、特許文献1に開示されている方法では、過大な閾値波形が作成される可能性がある。この過大な閾値波形が作成される問題については、図17および図18を用いて説明する。
図17は、特許文献1の統計処理における複数の観測波形の対応関係を模式的に示す図である。波形w1〜w3は、いずれも形状が同一の波形であるが、互いに時間軸方向に少しだけずれている。波形w1〜w3の時間tにおける観測値軸方向の値は、それぞれ、f1(t)〜f3(t)と表示される。例えば、時刻tkにおける観測値をそれぞれf1(tk)〜f3(tk)とする。波形w1〜w3が平坦なところでの時刻tkの観測値の平均や標準偏差は、そう問題とならないが、波形w1〜w3の突出部分が観測される時刻tjの観測値f1(tj)〜f3(tj)の平均や標準偏差は、あきらかに波形w1〜w3の時間軸方向へのずれが観測値のずれとなって表れてしまい、過大な閾値波形が作成されるという問題が生じてしまう。例えば、本来であれば、波形w3の観測値f3(tj)は、波形w1の観測値f1(tj)ではなく、観測値f1(ti)との対応関係において、そのばらつきが統計評価されるべきだからである。
なお、このような従来の統計処理に基づき、波形w1〜wnの時間tkにおける観測値を、それぞれf1(tk)〜fn(tk)、その平均波形の値をm(tk)と表示するものとして一般化すると、
Figure 0005791756
として求められ、同様にしてその標準偏差v(tk)も、
Figure 0005791756
として求めることができる。
図18は、特許文献1の統計処理における複数の観測波形、平均波形、標準偏差および閾値波形を示す図である。図18(a)に示された観測された複数の波形w4〜w6は、いずれも凹凸に関して同じ形状特徴を持った正常波形であるが、観測値軸方向にも時間軸方向にも少しだけばらついている。図18(b)には、数1に基づき各時間において波形w4〜w6を平均した平均波形m1が示されているが、平均波形m1においては、波形w4〜w6が有していた立ち上り直後のオーバーシュート部分となる凸部が殆ど失われてしまうことがわかる。数1に基づくと、平均波形m1は、波形w4〜w6それぞれの凸部の最大値を平均しているのではなく、時間4における波形w4〜w6の観測値の平均、時間5における波形w4〜w6の観測値の平均のように、各時間において平均処理しているからである。また、図18(c)には、数2に基づき各時間において算出された標準偏差を特定倍した値が示されているが、この値は、波形w4〜w6の立ち上りや立下りの部分において突出して大きな値となる。この標準偏差に基づく値を用いて、特許文献1の方式により閾値波形を作成すれば、図18(d)に示すように、立ち上り部分や立下り部分において過大な閾値となる上限波形h1および下限波形l1によって上下限を規定される閾値波形が作成されてしまい、正しい上限や下限を示しているとは言えないことがわかる。
次に、以上における図16〜図18を用いた説明も踏まえて、本発明に係る閾値波形作成装置について説明する。図1は、本発明に係る閾値波形作成装置の実施の形態1のハードウェア構成を示す図である。閾値波形作成装置1は、マイクロプロセッサ2と、システムバス3と、格納メモリ4と、入力部5と、保存部6と、表示部7とを備える。格納メモリ4および保存部6は、閾値波形の作成を実行するプログラムを記憶することができる。マイクロプロセッサ2は、このプログラムに従って処理を行い、保存部6に記憶された正常波形から、平均波形および閾値波形を作成する。表示部7は、作成した平均波形および閾値波形を確認する等のために用いられる。閾値波形作成装置1は、パソコンでもよく,検査装置や計測装置で観測した正常波形をこのパソコン上に保持し、このパソコン上においてオフラインで作成した平均波形および閾値波形を、検査装置に転送して使用する。また、閾値波形作成装置1は、検査装置でもよく、この場合、検査装置が平均波形および閾値波形の作成機能を備えることとなり、検査の事前に観測した正常波形に基づいて平均波形および閾値波形を作成して保持し、これに基づいて、検査対象の観測波形について良否判定を行う。
図2は、閾値波形の作成を実行するプログラムの構成を示す図である。閾値波形作成プログラム11は、格納メモリ4または保存部6に記憶されるものであり、ノイズ処理部12と、特徴抽出部13と、相関評価部14と、統計処理部15と、閾値波形作成部16とを備える。
閾値波形作成プログラム11は、はじめに必要に応じて、ノイズ処理部12において検査の事前に観測された正常波形に対してノイズの除去を行う。良品について観測された正常波形にはノイズが含まれることがあり、このノイズによって本来なら波形の特徴点ではないところが特徴点として抽出されてしまうのを防ぐためである。次に、特徴抽出部13において、観測した正常波形の特徴点を抽出する。そして、相関評価部14において、特徴抽出部13で抽出した特徴点を評価し、特徴点のうち複数の正常波形の間で相関が認められるものを真の特徴点として採用する。統計処理部15において、それぞれの正常波形の真の特徴点の観測値の平均を算出し、また、時間の平均を算出する。ここで、観測値の平均算出は観測値軸方向の統計処理の一種であり、時間の平均算出は時間軸方向の統計処理の一種である。また、統計処理部15は、特徴点の間の区間については一様に対応するものと擬制して観測値と時刻の平均を算出し、これら算出結果から作成した平均波形を、閾値波形を作成する際の元となる一の正常波形とする。さらに、統計処理部15は、観測値および時間の平均を算出した際の対応点について、その観測値および時間の標準偏差を算出する。観測値の標準偏差算出は観測値軸方向の統計処理の一種であり、時間の標準偏差算出は時間軸方向の統計処理の一種である。最後に、閾値波形作成部16において、統計処理部15で得られた平均波形に対して観測値および時間の標準偏差を加味した閾値波形(上限波形および下限波形)を作成する。必要に応じて、事前に観測した複数の正常波形と、抽出された特徴点、平均波形または閾値波形とを比較して、平均波形や閾値波形の作成が妥当なものか否かを判断し、平均波形や閾値波形の作成に係るパラメータを調整して、再度この平均波形や閾値波形の作成を行う。
ノイズ処理部12は、移動平均フィルタや尺度空間フィルタ(Scale Space Filtering)などのローパスフィルタ等によるノイズ除去を行う。このとき、移動平均フィルタならば時定数、尺度空間フィルタならば尺度(畳み込み積分の基底関数であるガウス関数の広がり)によって、除去できるノイズの度合いを調整できる。すなわち、ノイズ処理部12では、時定数や尺度といった除去パラメータ21を調整して,ノイズ除去を行うことが可能である。
これによってノイズが除去される反面、平滑化の効果によって観測波形の特徴点が失われる場合もあるため、過大な除去パラメータ21によるノイズ除去は好ましくない。例えば、移動平均フィルタの場合では、あまり大きな時定数を設定すべきではなく、最低限に留めるべきである。ただし、そうすれば、ノイズが完全に除去しきれないことになり、本来なら波形の特徴点ではないところが特徴点として抽出されてしまうことを完全に防ぐことはできない。これに対処するために、後段に相関評価部14を設けているのである。それでも、過度に特徴点が抽出されてしまい本来なら真の特徴点ではないところまでが相関ありと評価されて真の特徴点として採用されないよう、最低限のノイズ除去は、最初のノイズ処理部12において行うべきである。
特徴抽出部13は、観測された複数の正常波形の夫々から波形の構造上の複数の特徴点を抽出する。波形の構造上の特徴点とは、例えば、波形の構造が大きく変化する点であって、波形の変化の度合いを示す値が所定の閾値を超える点である。この点について、図3〜図7を参照して説明する。
図3は、波形の構造が大きく変化する点を示す図である。図3には、観測された1つの波形が示されており、その波形の変化の度合いを示す値として波形の曲率を採用する場合、サンプリング点P1〜P6では、その曲率が所定の閾値を超えており、サンプリング点P1〜P6が波形の構造が大きく変化する点、すなわち、波形の構造上の特徴点となる。また、波形はサンプリング点を線分で結んで構成されるので、その線分がなす角度を曲率の代わりとして評価し、その角度が所定の閾値を超える点を波形の構造上の特徴点としてもよい。
特徴抽出部13で特徴点を抽出する際には、その所定の閾値となる特徴基準パラメータ23を設定する以外に、縦横比パラメータ22を設定する必要がある。波形の横軸は時間であるのに対して、縦軸は観測値であって単位が異なるため、時間に対して観測値がどの程度となるかによって、波形の曲率や角度の値も変わるからである。
波形の構造が大きく変わる点の判断は、波形を大局的に評価する必要があることに注意する。対象となるサンプリング点の近傍のみから閾値をもって判断すれば、本来なら波形の特徴点として抽出されるべきところが特徴点として抽出されない場合があるからである。
図4は、波形の角度変化の最も単純な類型を示す図である。図4には、サンプリング点P7〜P14で構成された波形が示されている。その波形の変化の度合いを示す値として角度変化を採用し、その角度変化を閾値判定することによって特徴点を抽出する場合、その波形の角度変化は、例えば、角度変化Δθ,Δθとして定義できる。角度変化Δθは、サンプリング点P10の角度変化であって、サンプリング点P9,P10を結ぶ線分に対するサンプリング点P10,P11を結ぶ線分の傾斜角度に相当する。また、角度変化Δθは、サンプリング点P11の角度変化であって、サンプリング点P10,P11を結ぶ線分に対するサンプリング点P11,P12を結ぶ線分の傾斜角度に相当する。特徴基準パラメータ23として、凹形状となっている特徴点を判断する基準として基準角度θを+50度とし、凸形状となっている特徴点を判断する基準として基準角度θを−50度と設定すれば、角度変化Δθが+60度をなすサンプリング点P10は波形が局所的に凹形状となっている特徴点として抽出され、角度変化Δθが−60度をなす点は波形が局所的に凸形状となっている特徴点として抽出される。しかし、凹凸形状の特徴が同じ波形であっても、そのサンプリングのされ方によっては、その凹凸形状が特徴点として抽出されないことがある。
図5は、一群の角度変化の評価が必要な第1の類型を示す図である。図5に示された波形は、図4に示された波形と同じくサンプリング点P7〜P14で構成され、凹凸形状の特徴も同じであるが、サンプリング点P9,P10のいずれの点における角度変化Δθ,Δθも図4に示した基準角度θを超えず、サンプリング点P9,P10のいずれの点も凹形状となっている特徴点として抽出されない。なお、角度変化Δθは、サンプリング点P9の角度変化であって、サンプリング点P8,P9を結ぶ線分に対するサンプリング点P9,P10を結ぶ線分の傾斜角度に相当する。
図6は、一群の角度変化の評価が必要な第2の類型を示す図である。図6に示された波形は、図4に示された波形と同じくサンプリング点P7〜P14で構成され、凹凸形状の特徴も同じであるが、サンプリング点P11,P12のいずれの点における角度変化Δθ,Δθも図4に示した基準角度θを超えず、サンプリング点P11,P12のいずれの点も凸形状となっている特徴点として抽出されない。なお、角度変化Δθは、サンプリング点P12の角度変化であって、サンプリング点P11,P12を結ぶ線分に対するサンプリング点P12,P13を結ぶ線分の傾斜角度に相当する。
図5及び6において、このような事態を防ぐためには、同じ方向に連続して角度変化している点群を1まとめとして取り扱い、それらの角度変化の総和を一群の角度変化として、これを閾値判定すべきである。例えば、図5の波形の場合には、サンプリング点P9,P10を一群として取り扱い、その一群の角度変化Δθ´(=角度変化Δθ+角度変化Δθ)が基準角度θを超えると判断される場合、その点群(サンプリング点P9,P10)の真ん中の点を凹形状となっている特徴点として擬制して取り扱えばよい。図6の場合も同様にして、サンプリング点P11,P12を一群として取扱い、その一群の角度変化Δθ´(=角度変化Δθ+角度変化Δθ)が基準角度θを超えると判断される場合、その点群(サンプリング点P11,P12)の真ん中の点を凸形状となっている特徴点として擬制して取り扱えばよい。
図7は、異なる波形間での対応する特徴点の関係を模式的に示す図である。図7には、2つの波形W1,W2が示されており、時間Tにおける波形W1,W2の観測値が、それぞれF1(T),F2(T)で示される。波形W1上の観測値F1(T2)に対応するサンプリング点P15および波形W2上の観測値F2(T3)に対応するサンプリング点P21が、立ち上がりの開始点であり、異なる時刻において互いに対応する特徴点として抽出される。そして、波形W1上の観測値F1(T3)に対応するサンプリング点P16および波形W2上の観測値F2(T4)に対応するサンプリング点P22が、立ち上りの終了点であり、異なる時刻において互いに対応する特徴点として抽出される。次に,波形W1上の観測値F1(T7)に対応するサンプリング点P19および波形W2上の観測値F2(T6)に対応するサンプリング点P24が、立下りの開始点であり、異なる時刻において互いに対応する特徴点として抽出される。そして、波形W1上の観測値F1(T8)に対応するサンプリング点P20および波形W2上の観測値F2(T7)に対応するサンプリング点P25が、立下りの終了点であり、異なる時刻において互いに対応する特徴点として抽出される。また,各特徴点の間の区間は一様に対応するものとして、波形W1上の観測値F1(T5)に対応するサンプリング点P18は、波形W2上の観測値F2(T5)に対応するサンプリング点P23に対応するものと擬制する。なお、波形W1上の観測値F1(T4)に対応するサンプリング点P17は、波形W2上のサンプリング点P22,P23の中点にその対応する点があるものと擬制する。
したがって、特徴抽出部13で正常波形の特徴点を抽出しておくことによって、図7で説明したとおり複数の正常波形の間で、対応する点を定めることができる。それ故、閾値波形作成プログラムでは、観測値軸方向と時間軸方向の両方で平均や標準偏差といった統計的な評価が可能となる。例えば、図7の場合において、波形W1,W2の立ち上りの開始点であるサンプリング点P15,P21における観測値の平均値M(Ti)は、
Figure 0005791756
Figure 0005791756
で求められ、その標準偏差は、観測値軸方向の標準偏差Vf(Ti)および時間軸方向の標準偏差Vt(Ti)として、
Figure 0005791756
Figure 0005791756
でそれぞれ求められる。
相関評価部14は、複数の正常波形から抽出した特徴点について相関が認められるものを真の特徴点として採用し、同一グループが同一の相関を有する複数の特徴点からなるようにその真の特徴点を複数にグループ化する。ノイズの影響により、本来なら波形の特徴点ではないところが特徴点として抽出されてしまうことを防ぐためである。複数の正常波形は、互いに同じ波形の特徴を有するから、それぞれの正常波形からは、およそ同じ位置に特徴点が抽出される。そして、一部の波形のみから抽出された特徴点は、ノイズの影響によって特徴判断の基準値を超えたものと解することができる。この点について、図8を参照して説明する。
図8は、特徴抽出部で抽出された特徴点およびその相関を示す図である。図8(a)が波形W3と波形W3の特徴点P26〜P30を示し、図8(b)が波形W4と波形W4の特徴点P31〜P36を示し、図8(c)が波形W5と波形W5の特徴点P37〜P42を示し、図8(d)がこれら特徴点P26〜P42のみをプロットした状態を示す。図8(d)の時間3〜5付近において、波形W3〜W5から抽出された凹なる特徴点P26,P31,P37は、互いに近接して存在していることがわかる。このように、いずれの波形W3〜W5からも抽出され、一定範囲内で近接している同種の特徴点(同じ凹なる特徴点あるいは同じ凸なる特徴点)は、相関が認められると解されるから、相関評価部14で真の特徴点として採用する。また、相関評価部14は、これら複数の波形W3〜W5間で同一の相関の認められる特徴点P26,P31,P37をグループ化し、互いに対応する点群として採用する。どの程度の範囲を近接し相関ありと判断するか、その判断基準となる閾値は、相関度パラメータ24として設定あるいは調整する。例えば、相関度パラメータ24としては、時間軸方向の近接範囲や観測値軸方向の近接範囲などが挙げられる。これにより、相関評価部14において、時間4〜6付近において波形W3〜W5から抽出された凸なる特徴点P27,P32,P38は、互いに近接する同種の特徴点であって相関ありと判断されるので、真の特徴点として採用されるとともに、同一の相関が認められる点群としてグループ化され、時間5〜8付近において波形W3〜W5から抽出された凹なる特徴点P28,P33,P39は、互いに近接する同種の特徴点であって相関ありと判断されるので、真の特徴点として採用されるとともに、同一の相関が認められる点群としてグループ化され、時間23〜25付近において波形W3〜W5から抽出された凸なる特徴点P29,P35,P41は、互いに近接する同種の特徴点であって相関ありと判断されるので、真の特徴点として採用されるとともに、同一の相関が認められる点群としてグループ化され、時間25〜27付近において波形W3〜W5から抽出された凹なる特徴点P30,P36,P42は、互いに近接する同種の特徴点であって相関ありと判断されるので、真の特徴点として採用されるとともに、同一の相関が認められる点群としてグループ化される。また、時間3〜5付近の凹なる特徴点P26,P31,P37と、時間5〜8付近の凹なる特徴点P28,P33,P39は、同種の凹なる特徴点であって、時刻が近接しているものの、観測値が近接しておらず、相関評価部14で相関ありとは判断しない。すなわち、特徴点P26,P31,P37,P28,P33,P39は、同一の相関が認められる点群としてグループ化されない。その一方で、時間15付近において波形W4のみから抽出された凸なる特徴点P34は、他の波形W3,W5から抽出された凸なる特徴点P27,P29,P38,P41のうち近接して存在するものがないため、真の特徴点として採用しえない。時間16付近において波形W5のみから抽出された凹なる特徴点P40も,他の波形W3,W4から抽出された凹なる特徴点P26,P28,P30,P31,P33,P36のうち近接して存在するものがないため、真の特徴点として採用しえない。
統計処理部15は、相関評価部14で真の特徴点として採用されてグループ化されたそれぞれの正常波形の特徴点の観測値および時間の平均を、そのグループごとに算出して平均波形を作成する。また、特徴点の間の区間については一様に対応するものと擬制して、対応する点を定め、それぞれの正常波形の対応する点から観測値および時間の平均を算出する。なお、真の特徴点は、それぞれの正常波形においてサンプリング点として対応する点が存在するが、特徴点の間の区間については一の正常波形上のサンプリング点に対応する点が、他の正常波形上のサンプリング点として存在せず、線分上の点として存在する場合もあるため、そのような線分上の点を算出してもよく、また、その近傍に存在するサンプリング点を対応する点であるものと代替して近似してもよい。
このようにして正常波形間の対応する点が定まれば数3および数4に基づいて平均波形が得られ、閾値波形を作成する際の元となる一の正常波形となる。統計処理部15は、さらに数5および数6に基づいて観測値軸方向と時間軸方向の標準偏差をそれぞれ算出する。正常波形はいずれもn個のサンプリング点群から構成され、各サンプリング点の時間は、時間をサンプリング番号とすれば整数値であるが、得られた平均波形の各点の時間は、平均演算の結果であるから、たいてい整数値ではない。図16に示したとおり、波形比較をするためには、平均波形および閾値波形もn個のサンプリング点群から構成され、その時間も合わせる必要がある。そこで、平均演算の結果を四捨五入等で丸めて整数にしてこれを平均波形としてもよいし、小数値の座標値で示される点群からなる線分を補間して、整数値の座標値で示される点群を算出してこれを平均としてもよい。
図9は、実施の形態1における平均波形、観測値の標準偏差および時間の標準偏差を示す図である。図9(a)は、統計処理部15において、図8(d)に示した真の特徴点として採用されたそれぞれの正常波形の真の特徴点から、同一の相関の認められる点群ごとに数3および数4に基づき観測値および時間の平均を算出して作成した平均波形M1を示している。平均波形M1の特徴点P43は、図8(d)の特徴点P26,P31,P37の観測値の平均値および時間の平均値を示し、同一の相関が認められる特徴点P26,P31,P37からなる点群に対応する点である。同様に、平均波形M1の特徴点P44は、図8(d)の特徴点P27,P32,P38の観測値の平均値および時間の平均値を示し、同一の相関が認められる特徴点P27,P32,P38からなる点群に対応する点である。特徴点P45は、図8(d)の特徴点P28,P33,P39の観測値の平均値および時間の平均値を示し、同一の相関が認められる特徴点P28,P33,P39からなる点群に対応する点である。特徴点P46は、図8(d)の特徴点P29,P35,P41の観測値の平均値および時間の平均値を示し、同一の相関が認められる特徴点P29,P35,P41からなる点群に対応する点である。特徴点P47は、図8(d)の特徴点P30,P36,P42の観測値の平均値および時間の平均値を示し、同一の相関が認められる特徴点P30,P36,P42からなる点群に対応する点である。図9(b)は、統計処理部15において、図8(d)に示した真の特徴点として採用されたそれぞれの正常波形の真の特徴点から、同一の相関が認められる点群ごとに数5に基づき算出された観測値の標準偏差を示している。図9(c)は、統計処理部15において、図8(d)に示した真の特徴点として採用されたそれぞれの正常波形の真の特徴点から、同一の相関が認められる点群ごとに数6に基づき算出された時間の標準偏差を示している。図9(a)〜(c)に示された統計処理の値は、図18に示した従来手法における波形の時間のずれが結果的に観測値のばらつきとして標準偏差に現れていたものが、観測値軸方向と時間軸方向のばらつきとして評価されている。
閾値波形作成部16は、図9(a)に示す平均波形M1の特徴点P43〜P47の夫々に対して、特徴点P43〜P47の夫々に対応する図8(d)に示された同一の相関が認められる点群ごとに算出された観測値の標準偏差および時間の標準偏差を、所定の許容度に応じて加味して、閾値波形(上限波形および下限波形)を作成する。所定の許容度とは、観測地または時間の標準偏差の一定倍の分だけ加味することであり、その一定倍を許容度パラメータ25で設定あるいは調整する。この点について、図10および図11を参照して説明する。
図10は、実施の形態1において算出された平均波形に観測値の標準偏差および時間の標準偏差を加味して作成した閾値波形を示す図である。図11は、閾値波形作成部における平均波形の評価方法を模式的に説明する図である。図10(a)には、平均波形M1の特徴点P43〜P47に観測値の標準偏差および時間の標準偏差からなる楕円が示されている。ここでは許容度パラメータ25として観測値および時間の標準偏差の3倍を設定した場合の楕円を示している。閾値波形作成部16は、図10(a)に示した楕円の観点から平均波形M1を評価すると、図10(b)に示すように、それら楕円群の外縁を構成する波形を上限波形H1および下限波形L1として規定できる。
ここで、楕円群の外縁を構成する上限波形H1および下限波形L1の構成方法の一例としては、楕円群で囲まれた空間(図11において、各時間に示された楕円C1(図10(a)の平均波形M1に相当する平均波形上の時間T10に対応する観測値の標準偏差の3倍の値を短軸A1の長さとし、平均波形上の時間T10に対応する時間の標準偏差の3倍の値を長軸A2の長さとする楕円)、楕円C2(平均波形上の時間T11に対応する観測値の標準偏差の3倍の値を短軸A3の長さとし、平均波形上の時間T11に対応する時間の標準偏差の3倍の値を長軸A4の長さとする楕円)および楕円C3(平均波形上の時間T12に対応する観測値の標準偏差の3倍の値を長軸A5の長さとし、平均波形上の時間T12に対応する時間の標準偏差の3倍の値を短軸A6の長さとする楕円)で囲まれた範囲)を、良と判定すべき空間として、平均波形を評価し、平均波形から閾値波形としての上限波形および下限波形を作成する(図11に示すように、各時間T10〜T12に対応する平均波形上の点に対して、対応する短軸A1,A3,A6または長軸A2,A4,A5の長さを加減して、平均波形を観測値軸方向および時間軸方向にずらす)方法がある。例えば、図11の楕円C1においては、平均波形の時間T10に対応する観測値に短軸A1の長さを加算するとともに、平均波形の時間T10に対応する時間に長軸A2の長さを減算すると上限波形上の点となる。同様に、楕円C1において、平均波形の時間T10に対応する観測値に短軸A1の長さを減算するとともに、平均波形の時間T10に対応する時間に長軸A2の長さを加算すると下限波形上の点となる。すなわち、特許文献2に開示される方法では、観測された複数の正常波形で囲まれた空間を、良と判定すべき空間として、閾値波形を作成するものであったところ、第1の実施形態においては、平均波形の各点についての観測値の標準偏差および時刻の標準偏差からなる楕円群で囲まれた空間を、良と判定すべき空間として、閾値波形を作成するものである。
ここまでに至る過程においては、調整すべきパラメータとして、除去パラメータ21、縦横比パラメータ22、特徴基準パラメータ23、相関度パラメータ24、許容度パラメータ25の各パラメータが存在し、これらの設定によって、得られる平均波形M1や閾値波形(上限波形H1および下限波形L1)も異なってくる。そのため、抽出された特徴点P43〜P47、平均波形M1、閾値波形(上限波形H1および下限波形L1)を、観測した複数の正常波形W3〜W5と比較して、それらが妥当なものか否かを判断し、必要に応じて、これらパラメータを調整して、再度この平均波形M1や閾値波形の作成を行うことができる。例えば、図10(c)のように、観測した複数の正常波形W3〜W5が、得られた閾値波形(上限波形H1および下限波形L1)に収まるように、パラメータを調整する等である。なお、これらパラメータの設定あるいは調整にあたっては、波形全体を通じて単一の定数値を設定して適用してもよいし、各時間ごとに異なる定数値を設定して微調整してもよい。
このように、実施の形態1によれば、得られた複数の正常波形W3〜W5のばらつきを、観測値軸方向と時間軸方向の両方で評価することができるので、平均化による平滑化の効果で波形の特徴が失われることなく、真に平均的な一の正常波形M1を得ることができ、また、時間のばらつきが観測値のばらつきとして現れることもなく、観測値軸方向の標準偏差と時間時刻方向の標準偏差でもって、ずらす量を決めることができ、真のばらつきを加味した閾値波形(上限波形H1および下限波形L1)を生成することができる。そして、このような閾値波形を用いることで、過不足ない波形比較が実現しうる。
なお,第1の実施形態による閾値波形に基づく良否判定は、製品検査のみならず、社会インフラにおける異変の警報や、日ごろの電力消費の警報など、監視制御システムの異常検知にも使える。従来の監視制御システムにおいては、異常検知のための判断基準として、上限値、下限値、上上限値、下下限値による画一的な判定しか用意されていなかったところ、本手法を用いれば、例えば、日ごろの電力消費パターンのうち、正常なる電力パターンから、閾値波形を作成することができ、より緻密な省エネ判断を行い、警報により無駄遣いを未然に防ぐことができる。この場合でも、電力消費の開始時刻や終了時刻は日々ずれることがあるため、従来手法により作成された閾値波形による判断に比べ、第1の実施形態により作成した閾値波形によって、従来以上に妥当な判断により警報を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1において、平均や標準偏差といった統計的処理による評価値が十分に妥当であるものといえるためには、ある程度の数の正常波形を観測する必要があった。そこで、実施の形態2では、そのような数の正常波形を観測せずとも、平均や標準偏差といった統計的処理による評価値を推定して、平均波形や閾値波形を作成することを可能にする方法を説明する。実施の形態2では、閾値波形作成プログラム11は、観測した正常波形が1つの場合を例として、平均や標準偏差といった統計的処理による評価値を推定して、平均波形や閾値波形を作成することについて説明する。
実施の形態1では、波形に重畳したノイズによって本来なら波形の特徴点ではないところが特徴点として抽出されてしまうのを防ぐためにノイズ処理部12においてノイズ除去を行う一方で、その平滑化の効果によって波形の特徴点が失われるのを防ぐために最低限の除去パラメータ21によるノイズ除去に留め、相関評価部14において相関ある特徴点のみを真の特徴点として対応付けることとしている。しかし、正常波形が1つしかない場合は、実施の形態1のように相関評価部14において相関を評価することができない。そこで、実施の形態2では、ある程度の大きな除去パラメータ21によるノイズ除去を行いつつ、特徴点を抽出する際の特徴基準パラメータ23をゆるやかなものにして対処する。平滑化の度合いを徐々に大きくすれば、高周波成分であるノイズは先に除去されるが、本来の波形の特徴的な構造はその後ゆるやかに失われるものであるから、ノイズが除去できる程度に大きい除去パラメータ21を用いつつ、それでもなお失われていない波形の特徴を、特徴基準パラメータ23の閾値を下げて抽出しようとするのである。
図12は、実施の形態2における平滑化の度合い調整による特徴点の抽出を示す図である。観測した1つの正常な波形W6には、ノイズが含まれている。実施の形態2では、ノイズ除去の方法として、尺度空間フィルタリングを用いる。尺度空間フィルタリングにおける尺度sを大きくしてゆくと波形W6の大まかな構造だけが残されるので、この尺度sをノイズ除去パラメータとして調整する。1つの波形W6に対して、尺度s=1、尺度s=2、尺度s=3としたときの尺度区間フィルタリング後のそれぞれの波形W61、波形W62、波形W63は、次第にノイズが除去されており、特徴抽出部13で、尺度s=3に対応する波形W63に対して特徴点を抽出すれば、凸なる特徴点P49,P51および凹なる特徴点P48,P50,P52が抽出され、相関評価部14で特徴点P48〜P52を真の特徴点として採用する。なお、尺度空間フィルタリングは、非特許文献(周期波形の尺度空間フィルタリング(電子情報通信学会論文誌 D Vol.J73-D2 No.4 pp.544-552,発行日1990/04/25))に開示されているとおり、尺度sを大きくするに従って波形W6の構造が単調に失われることが保証されているものである。
正常波形が1つしかない場合は、相関を評価することができないばかりか、平均も標準偏差も評価できない。そこで、相関評価部14においては、尺度s=3でノイズ除去された波形W63に対して抽出された特徴点P48〜P52のノイズ除去前の波形W6上での特徴点P53〜P57を、波形W6における真の特徴点として採用するとともに、その真の特徴点P53〜P57の間の区間のうち、平坦な区間を特定する。すなわち、相関評価部14は、特徴点P48〜P52に基づいて、波形W6の平坦区間を特定する。実施の形態2における相関度パラメータ24は、どの程度までの傾きを平坦として判断するか、その基準となる閾値を設定あるいは調整するものとなる。例えば、特徴点P53〜P57のうち2つの観測値が、その閾値範囲内であれば、その2つの特徴点の間の区間は平坦として判断し、あるいは、特徴点P53〜P57のうち2つの位置の間の点群に対して最小二乗法などによって直線近似を行い、その直線の傾きが閾値範囲内であれば平坦として判断する等である。そして、統計処理部15においては、その1つの正常波形W6を平均波形として取り扱う。
図13は、平坦区間における観測値の点群に基づく観測値軸方向の標準偏差の評価を模式的に示す図である。統計処理部15は、相関評価部14で特定された平坦区間Tjkに属する点群を対象として、観測値軸方向のみでの統計処理として、その点群に対応した観測値のばらつきである標準偏差Vfの算出を実行する。すなわち平均波形(正常波形W6)の時刻Tにおける観測値がF(T)で表示され、その平坦区間Tjkの観測値がF(Tj)からF(Tk)であったとき,その平均値Mjkは、
Figure 0005791756
で求められるから、標準偏差Vfjkは、
Figure 0005791756
で求められる。この標準偏差Vfjkを、平坦区間Tjkの各点における観測値軸方向の標準偏差として取り扱う。波形W6が平坦となっている部分は、理想的には平坦な直線となるべきところ、重畳するノイズのほか、観測対象の物理現象自体のゆらぎによって、観測値にばらつきが出ているのであるから、複数波形の観測値のばらつきを統計評価する代わりに、同一波形における平坦部分の観測値のばらつきを統計評価しても、その趣旨に逸脱しない。そして、算出された標準偏差Vfjkを、平坦区間Tjkの各サンプリング点における時間軸方向の標準偏差として擬制し、また、特徴点P53〜P57の間のうち平坦区間Tjkを除く他の区間の各サンプリング点における観測値軸方向の標準偏差や時間軸方向の標準偏差として擬制して取り扱う。正常波形が波形W6の1つである以上、平坦区間Tjkの観測値軸方向以外のばらつきについては、その趣旨に逸脱しない妥当な算出方法が見いだせないため、ばらつきは波形W6の全体をとおして一様であるものと擬制するのである。
このようにして,平均波形としての波形W6およびその各点についての観測値の標準偏差および時間の標準偏差を求めることができたので、閾値波形作成部16においては、実施の形態1と同様にして、閾値波形を作成することができる。なお、得られた正常波形が2以上であるが少数であって平均や標準偏差といった統計的処理による評価値が十分に妥当であるものとはいえない場合には、これら少数ではあるが複数の正常波形から実施の形態1によって算出された統計量(平均や標準偏差)と、それぞれの正常波形について実施の形態2によって推定された統計量(平均や標準偏差)とを、平均あるいは重み付き平均することで、1つの統計量にしてから、閾値波形を作成することもできる。
このように、実施の形態2によれば、得られた正常波形が1つあるいは少数であっても、実施の形態1において評価される統計量を推定による評価によって代替することで、実施の形態1と同様の手法により閾値波形を作成することができる。
実施の形態3.
実施の形態1や2では、正常波形から閾値波形を作成することについて述べたが、事前に異常の発生原因等が既知であって、同種の原因による異常波形を観測することができる場合には、観測波形の全体について閾値波形を設定する必要はなく、その異常が発生する付近について閾値波形を設定すれば十分な場合がある。実施の形態3では、このような閾値波形の設定について説明する。
図14は、本発明に係る閾値波形作成装置の実施の形態3の構成を示す図である。実施の形態3において、閾値波形作成プログラム11は、異常発生区間抽出部33を新たに備えており、これにより、閾値波形作成部16は、観測波形に異常が発生する付近についてのみ閾値波形を設定する機能を備えたものとなる。図15は、実施の形態3における異常発生区間に対する閾値波形の作成過程を模式的に示す図であり、図15(a)が実施の形態3に係る閾値波形作成プログラム11に基づき算出される平均波形M2を示し、図15(b)が異常発生区間S2を示し、図15(c)が異常発生区間S2に対してのみ作成される閾値波形(上限波形H2および下限波形L2)を示す。
実施の形態3において、閾値波形作成プログラム11は、検査の事前に観測された正常波形31または異常波形32のそれぞれに対して、ノイズ処理部12で必要に応じたノイズ除去を行い、特徴抽出部13で特徴点を抽出し、相関評価部14および統計処理部15で相関評価や統計処理を行い、平均波形M2や標準偏差を算出する。つまり、複数の正常波形31が観測できる場合には、実施の形態1と同様にして相関を評価し真の特徴点を抽出し、1つの正常波形しか利用できない場合には、実施の形態2と同様にして特徴点を抽出する。また、複数の異常波形32が観測できる場合には、実施の形態1と同様にして、これら複数の異常波形32の間で相互に相関ある特徴点を真の特徴点として抽出し、1つの異常波形32しか利用できない場合には、実施の形態2と同様にして特徴点を抽出する。
次に、異常発生区間抽出部33において、正常波形31の特徴点と、異常波形32の特徴点との間で相関を評価し、図15(b)に示すように相関のない特徴点によって構成される区間を異常発生区間S2として認定する。このとき、どの程度の幅をもって異常発生区間S2と認定するかを異常基準パラメータ34でもって調整する。例えば、図15(b)に示すように、正常波形31の特徴点とは相関のない異常波形32の特徴点P58〜P61によって規定される区間S1に対して、時間軸の正方向および負方向に、異常波形32の特徴点P58〜P61に対応する時間の標準偏差Vの3倍の値を加えた幅をもって異常発生区間S2と認定することが考えられる。1つの異常波形32しか利用できない場合には、実施の形態2によって擬制された標準偏差に基づいてもよいが、区間S1に相当する正常波形31の区間の特徴点における時間軸方向の標準偏差に基づいてもよい。すなわち、相互に相関ある正常波形31の特徴点と異常波形32の特徴点に基づいて、各点が一様に対応すると擬制した場合に、正常波形31の特徴点とは相関のない異常波形32の特徴点P58〜P61が、正常波形31上において対応する点の時間の標準偏差に基づくようにするのである。
最後に、図15(c)に示すように、こうして得られた異常発生区間S2についてのみ、閾値波形作成部16は、統計処理部15にて算出された平均波形M2や標準偏差を用いて閾値波形(上限波形H2および下限波形L2)を作成する。
実施の形態3によれば、観測される波形の全体について上下限を判定する必要がなくなり、判定に係る処理時間は短縮される。高い生産効率化が求められる結果、1個の製品加工から次の1個の製品加工までの間の時間が短くなっており、その短時間の間に判定処理を終えなければならない場合などに実益をもたらす。
以上のように、本発明にかかる閾値波形作成装置は、観測波形の時間軸方向のばらつきが観測値軸方向のばらつきとして現れることのない真のばらつきを加味した閾値波形を得ることができ、このような閾値波形を用いる点で有用である。
1 閾値波形作成装置、2 マイクロプロセッサ、3 システムバス、4 格納メモリ、5 入力部、6 保存部、7 表示部、11 閾値波形作成プログラム、12 ノイズ処理部、13 特徴抽出部、14 相関評価部、15 統計処理部、16 閾値波形作成部、21 除去パラメータ、22 縦横比パラメータ、23 特徴基準パラメータ、24 相関度パラメータ、25 許容度パラメータ、31 正常波形、32 異常波形、33 異常発生区間抽出部、34 異常基準パラメータ、P1〜P25 サンプリング点、P26〜P61 特徴点、θ,θ基準角度、Δθ〜Δθ角度変化、Δθ ´,Δθ ´ 一群の角度変化、W1〜W6,w1〜w6 波形、M1,M2,m,m1 平均波形、H1,H2,h,h1 上限波形、L1,L2,l,l1 下限波形、C1〜C3 楕円、A1,A3,A6 短軸、A2,A4,A5 長軸、s 尺度、Tjk 平坦区間、S1 区間、S2 異常発生区間。

Claims (6)

  1. 観測波形の正常性を判定するために用いられる閾値波形を作成する閾値波形作成装置であって、
    観測波形から特徴点を抽出する特徴抽出部と、
    前記特徴抽出部で抽出された前記特徴点を評価する相関評価部と、
    前記特徴点に基づいて、観測波形の時間軸方向および観測値軸方向の統計処理を行う統計処理部と、
    前記時間軸方向および前記観測値軸方向での統計処理に基づいて前記閾値波形を作成する閾値波形作成部と、
    を備え、
    前記特徴抽出部は、複数の前記観測波形の夫々から複数の特徴点を抽出し、
    前記相関評価部は、同一グループが同一の相関を有する複数の特徴点からなるように前記特徴点を複数にグループ化し、
    前記統計処理部は、前記統計処理として、前記グループごとに、前記特徴点の観測値の平均および時間の平均を算出して平均波形を作成するとともに、前記観測値および前記時間の標準偏差を算出し、
    前記閾値波形作成部は、前記グループに対応する前記平均波形上の点に対して、前記標準偏差を加味して前記閾値波形を作成することを特徴とする閾値波形作成装置。
  2. 前記閾値波形作成部は、前記平均波形上の前記点に対して、対応する前記グループの前記観測値および前記時間の標準偏差に基づく値を加減して前記閾値波形としての上限波形および下限波形を作成することを特徴とする請求項に記載の閾値波形作成装置。
  3. 観測波形の正常性を判定するために用いられる閾値波形を作成する閾値波形作成装置であって、
    観測波形から特徴点を抽出する特徴抽出部と、
    前記特徴抽出部で抽出された前記特徴点を評価する評価部と、
    前記特徴点に基づいて、観測波形の時間軸方向および観測値軸方向の統計処理を行う統計処理部と、
    前記時間軸方向および前記観測値軸方向での統計処理に基づいて前記閾値波形を作成する閾値波形作成部と、
    を備え、
    前記特徴抽出部は、1つの観測波形から前記特徴点を抽出し、
    記評価部は、前記特徴点に基づいて、前記1つの観測波形の平坦区間を特定し、
    前記統計処理部は、前記平坦区間に属する複数の点群に対応した観測値の標準偏差を算出し、前記算出した観測値の標準偏差を、前記平坦区間での時間の標準偏差として擬制するとともに、前記区間のうち前記平坦区間を除く他の区間における観測値および時間の標準偏差として擬制し、
    前記閾値波形作成部は、前記1つの観測波形に前記観測値および前記時間の標準偏差を加味して前記閾値波形を作成することを特徴とする閾値波形作成装置。
  4. 前記観測波形のうち正常波形の特徴点と前記観測波形のうち異常波形の前記特徴点との間で相関のない特徴点からなる区間を異常発生区間と認定する異常発生区間抽出部を備え、
    前記閾値波形作成部は、前記異常発生区間についてのみ前記閾値波形を作成することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の閾値波形作成装置。
  5. 前記特徴抽出部は、前記観測波形の変化の度合いを示す値が閾値を超える点を前記特徴点として抽出することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の閾値波形作成装置。
  6. 前記特徴抽出部における前記特徴点の抽出処理の前処理として、前記観測波形からノイズの除去を行うノイズ処理部を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の閾値波形作成装置。
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