JP7139848B2 - 印画物の製造方法、熱転写印画装置及び印画物 - Google Patents

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Description

本発明は、印画物の製造方法、熱転写印画装置及び印画物に関する。
熱転写印画装置にあっては、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シート(昇華型熱転写シート)から、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する。
昇華型熱転写方式は、一般的にイエロー、マゼンタ、シアンの3色を順次重ねて、階調印画することにより、フルカラー表現を行っている。
しかし、被転写体の受容層へ転写した複数色の染料が混ざり合った混色の耐光性(色相変化)が、イエロー、マゼンタ、シアン単色の耐光性よりも劣化する触媒退色という現象が生じていた。これは、各染料間の相互作用によるものと考えられている。また、昇華型熱転写方式で製造した印画物では、低濃度領域、高濃度領域と比較して、中間調領域における耐光性が低かった。
特許第4335627号公報
本発明は、OD値が所定値以上の領域における耐光性を向上できる印画物の製造方法、熱転写印画装置及び印画物を提供することを課題とする。
本発明による印画物の製造方法は、被転写体上に染料を転写して画像を形成する印画物の製造方法であって、前記印画物の前記画像におけるOD値が第1所定値以上の第1領域を、OD値が前記第1所定値より大きい第2所定値以上のドット状に染料を転写することで、前記印画物の前記第1領域に相当するOD値となるように形成し、画像データの各画素の階調値に応じたエネルギーで前記染料を転写して、OD値が前記所定値未満の第2領域を形成するものである。
本発明の一態様では、前記第2所定値は1.9である。
本発明の一態様では、前記第1所定値は0.5である。
本発明の一態様では、濃度が異なるドット状に染料を転写して前記第1領域を形成する。
本発明の一態様では、前記染料はイエロー染料、マゼンタ染料及びシアン染料の少なくともいずれか1つを含む。
本発明による熱転写印画装置は、サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、基材フィルムの一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと、受像シートとを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱し、染料を転写して前記受像シートに画像を形成して印画物を製造する熱転写印画装置であって、画像データから、前記印画物上での各領域のOD値を推定し、OD値が所定値以上となる領域を抽出する抽出部と、抽出された領域の色調から、染料をドット状に転写する際の濃度及び転写位置を含むドットパターンを計算する計算部と、を備え、前記サーマルヘッドは、前記ドットパターンに基づいて前記熱転写シートを加熱し、染料をドット状に転写して、OD値が前記所定値以上の領域を印画するものである。
本発明による印画物は、受像紙に染料を転写して画像が形成された印画物であって、OD値が所定値以上の領域は、前記染料がドット状に転写され、OD値が前記所定値未満の領域は連続階調を有するものである。
本発明によれば、印画物のOD値が所定値以上の領域における耐光性を向上できる。
本発明の実施形態に係る熱転写シートの平面図である。 図1のII-II線断面図である。 高濃度領域及び低濃度領域における色材転写方法を説明する図である。 (a)は中間調領域に係る色材転写方法を説明する図であり、(b)は色材転写領域の拡大図である。 (a)~(c)は色材転写領域の拡大図である。 染料ドットのピッチと濃度の関係を示す図である。 同実施形態に係る熱転写印画装置の概略構成図である。 耐光性の評価結果を示すグラフである。 耐光性の評価結果を示すグラフである。 耐光性の評価結果を示すグラフである。 耐光性の評価結果を示すグラフである。 耐光性の評価結果を示すグラフである。 耐光性の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施の形態に係る熱転写シート10の平面図であり、図2は図1のII-II線断面図である。この熱転写シート10では、基材フィルム1の一方の面上に、イエロー染料層2Y、マゼンタ染料層2M、シアン染料層2Cの3色の染料層2と、転写性保護層3(以下、保護層3と記載する)とが面順次に繰り返し設けられている。
基材フィルム1の他方の面には、背面層8が設けられている。基材フィルム1と背面層8との密着性を良好にする目的で、基材フィルム1と背面層8との間に背面プライマー層7を設けてもよい。
被転写体(受像紙)に画像を形成する際は、熱転写シート10を背面層8側から染料層2を加熱し、被転写体に染料を転写する。
低濃度領域では、画像の各画素の階調値に応じたエネルギーで熱転写シート10を加熱して染料を転写する連続階調で印画を行う。例えば、図3に示すように、複数色の染料層を諧調値に応じたエネルギーで加熱して同一箇所に重ね合わせて転写し、複数色が混ざり合った混色を再現する。
本実施形態では、低濃度領域より濃度が高い非低濃度領域(中間調領域及び高濃度領域)において、各色の染料を極めて高濃度の微小なドット状にして転写し、所望の色を表現する。例えば、図4(a)(b)に示すように、イエロー染料ドット(Yドット)21と、マゼンタ染料ドット(Mドット)22とを転写し、赤色を表現する。複数の微小なYドット21及びMドット22を交互に(又はランダムに)配置した領域は、人間の目には赤色領域に見える。
同様に、例えば図5(a)に示すように、Yドット21及びシアン染料ドット(Cドット)23を転写して緑色領域を形成する。図5(b)に示すように、Mドット22及びCドット23を転写して青色領域を形成する。また、図5(c)に示すように、Yドット21、Mドット22及びCドット23を転写し、各色のドット数の比率を変えて、表現する色を調整する。
図6に示すように、転写するドットのピッチを変えることで、濃度を調整できる。ピッチが小さい程、濃度は高くなり、ピッチが大きい程、濃度は低くなる。各ドットのサイズは、20μm以上200μm以下、望ましくは100μm以下程度である。ドット間のピッチは、200μm以下にすることが好ましい。転写するドットのピッチを変えずにドットサイズを変えることでも濃度を調整できる(面積階調)。
Yドット21、Mドット22及びCドット23は1つ1つが極めて高濃度であり、耐光性がよい。そのため、中間調領域を含む非低濃度領域の耐光性を向上できる。
上記実施形態において、Yドット21、Mドット22及びCドット23のOD(光学濃度)値は1.9以上であることが好ましい(ISO status A density、絶対白色基準、偏光フィルタ無し)。OD値が0.5以上、好ましくは0.7以上の非低濃度領域を、Yドット21、Mドット22及びCドット23を組み合わせて表現することが好ましい。この場合、OD値が0.5未満好ましくは0.7未満の領域が低濃度領域となる。OD値が0.5未満の低濃度領域は、ドットで表現するよりも、通常の連続階調印画を行う方が細かい模様の再現性が良好となる。
触媒退色の影響を考慮して、Yドット21、Mドット22及びCドット23が互いに重ならないように転写してもよい。
各ドットは、互いに同じ濃度である必要はなく、再現する濃度に合わせて異なっていてもよい。例えば、OD値が1.9のドットと、OD値が2.2のドットがあってもよい。
図7は、本発明の実施の形態に係る熱転写印画装置の概略構成図である。熱転写印画装置は、熱転写シート10を用いて、受像シート32上にイエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料を昇華転写させて画像を印画し、画像上に保護層を形成するサーマルヘッド101を備えている。
サーマルヘッド101の下流側に、熱転写シート10を巻き付けて形成された供給部103が設けられ、サーマルヘッド101の上流側に回収部104が設けられている。供給部103から繰り出された熱転写シート10は、サーマルヘッド101を通って、回収部104に回収されるようになっている。
熱転写シート10及び受像シート32からみてサーマルヘッド101とは反対側の位置に、回転自在なプラテンロール102が設けられている。サーマルヘッド101及びプラテンロール102を含む印画部140は、熱転写シート10及び受像シート32を挟み込み、熱転写シート10の染料層2を加熱して、受像シート32上に染料を熱転写することで画像を形成する。
また、印画部140は、熱転写シート10の保護層形成領域を加熱して、受像シート32の画像上に保護層3を転写する。
サーマルヘッド101の上流側には、受像シート32の搬送を行うための回転駆動自在なキャプスタンローラ109aと、キャプスタンローラ109aに受像シート32を圧着させるためのピンチローラ109bが設けられている。
受像シート32は、受像シートロール30から繰り出される。受像シート32には公知のものを使用できる。
印画部140で画像形成及び保護層の転写が施された受像シート32は、下流側でカッター108によりプリント枚葉P(印画物)として切り出される。プリント枚葉Pは、図示を省略する排出口から排出される。
制御装置110は、熱転写印画装置の各部の駆動を制御する。制御装置110は、CPU(中央演算処理装置)や、フラッシュメモリ、ROM(Read-only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部120を有したコンピュータである。記憶部120は、制御プログラム、及び外部から受信した画像データを格納する。CPUが制御プログラムを実行することで、抽出部111及びドットパターン計算部112の機能が実現される。
抽出部111は、記憶部120に格納された画像データから、印画物上での各領域の濃度(OD値)を推定し、非低濃度領域となる部分を抽出する。
ドットパターン計算部112は、抽出された非低濃度領域の色調から、Yドット21、Mドット22及びCドット23の転写濃度及び転写位置を含むドットパターンを計算する。ドットパターン計算部112は、いわゆるハーフトーニング技術を用いてドットパターンを計算する。ハーフトーニングの手法には、網点スクリーン法、Bayerディザ法、誤差拡散法等が挙げられる。
サーマルヘッド101は、計算されたドットパターンに基づいて染料層2を加熱し、Yドット21、Mドット22及びCドット23を受像シート32に転写して、耐光性の良い非低濃度領域を形成する。また、サーマルヘッド101は、低濃度領域を形成する際は、画像データの各画素の階調値に応じたエネルギーで染料層2を加熱し、通常の連続階調印画を行う。
次に、熱転写シート10を構成する材料について説明する。
<基材フィルム>
熱転写シート10の基材フィルム1としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれのものでも良く、例えば、0.5μm以上50μm以下好ましくは3μm以上10μm以下程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムの他に、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、又は紙や不織布と樹脂との複合体であってもよい。
<染料層>
染料層2は、昇華性染料を含む層として形成する。
染料としては、公知の熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能であり、特に限定されない。これらの染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾールアゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールアゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられる。
染料層は、基材フィルムの一方の面に、これらの染料及びバインダー樹脂、必要に応じて顔料、導電剤の少なくとも1つを添加して、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水等に分散させたりして、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバースロールコーティング印刷法等の手段により塗布および乾燥することにより形成できる。染料層の厚みは、乾燥後の厚みで0.2μm以上6.0μm以下、好ましくは0.2μm以上3.0μm以下程度である。
<背面層>
背面層8は、基材フィルム1の染料層2等が設けられた面とは反対側の面(裏面)に設けられ、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材フィルムとの熱融着を防止し、走行を滑らかにする。
背面層を形成する樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリエステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
これらの樹脂から形成される背面層は、滑り性付与剤、充填剤(タルクなど)を添加して、熱転写シートの転写面と、熱転写シートの背面(背面層)との滑り性を良好にすることにより、巻き上げ時にシワ等が生じて、巻き太りが生じることを防止する機能が発揮できるので、好ましく行なわれる。背面層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサンなどのシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物および燐酸エステル系化合物であり、さらに充填剤を添加することがより好ましい。
背面層は、上述した樹脂、滑り性付与剤、充填剤を、適当な溶剤により、溶解または分散させて、背面層形成用インキを調製し、これを、基材フィルムの裏面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法などの形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。背面層の厚みは、乾燥後の厚みで0.1μm以上2μm以下程度である。
<背面プライマー層>
背面プライマー層7を構成する材料としては、背面層8と基材フィルム1との両方に良好な接着性を有するものであれば特に限定されない。背面プライマー層として、例えばポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。背面プライマー層の厚さは、0.01μm以上、10μm以下程度である。
<保護層>
保護層3は、剥離層、及び剥離層上に積層された接着層を有する。また、基材フィルム1と保護層3との間、具体的には基材フィルム1と剥離層との間に離型層が設けられている。
接着層は、保護層3の転写性と、転写後の保護層3の画像面に対する密着性を向上させる。この接着層は、従来公知の感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50℃以上100℃以下の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、紫外線吸収性樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ブチラール樹脂、ポリアミド、ポリ塩化ビニルなどの如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。
接着層は、上述した材料の中から選択される単独または複数の樹脂材料、さらに必要に応じて、添加剤を加え、有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて接着層用塗布液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。接着層の厚さは特に限定はないが、通常、乾燥状態で0.3μm以上10μm以下程度である。
剥離層は、熱転写時に保護層3を剥離し易くするものであり、熱転写時に受像シート32上に転写される層である。
剥離層の材料としては、例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、飽和又は不飽和ポリエステル、ポリウレタン、熱架橋性エポキシ-アミノ樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。また、剥離層には箔切れ性を向上させるために、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有させることが好ましい。また、剥離層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また剥離層は、上述した樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。
剥離層は、上記の樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、基材フィルム上の少なくとも1部に塗布、乾燥することで形成することができる。剥離層の厚さとしては、乾燥後の厚みで0.1μm以上5μm以下、好ましくは0.5μm以上2μm以下程度である。
離型層は、基材フィルム1と保護層3との接着性を調整し、保護層3の剥離を良好に行うために設けられる。このような離型層は、例えば、シリコーンワックス等の各種ワックス類、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、水溶性樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリウレタン、酢酸ポリビニル、アクリルビニルエーテル樹脂、無水マレイン酸樹脂等の各種樹脂等やこれらの混合物から構成される。
離型層は、上記ワックス類及び上記樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塗布液を、従来公知の塗布方法に従って基材フィルム上に塗布し、乾燥することで形成できる。離型層の厚みは、乾燥後の厚みで0.5μm以上5μm以下程度である。
[実験例]
下記評価プリンタにて、大日本印刷(株)製のDS40用ポストカードサイズメディア(インクリボン、受像シート)を用い、下記条件でイエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)、ブラック(Black)、レッド(Red)、グリーン(Green)、ブルー(Blue)の各色について、連続諧調印画による画像と、OD値2.2のドットでの印画による画像とを、複数の異なる濃度で形成した。
<評価プリンタ>
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子(株)製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・印字電力:0.21(W/dot)
・ライン周期:2(msec./line)
・パルスDuty:85%
次いで、上記評価プリンタ(ただし印字電力:0.12(W/dot))にて、画像上に、大日本印刷(株)製のDS40用ポストカードサイズメディアを用いて保護層の転写を行い、印画物を作製した。得られた印画物について、下記条件のキセノンフェードメータにより耐光性の評価を行った。
(i)耐光性評価の条件
・照射試験器:アトラス(株)製 Ci4000
・光源:キセノンランプ
・フィルタ:内側=CIRA
外側=ソーダライム
・ブラックパネル温度:45(℃)
・照射強度:1.2(W/m)-420(nm)での測定値
・照射エネルギー:400(kJ/m)-420(nm)での積算値
(ii)耐光性評価の方法
次に、上記の耐光性条件の照射前後の光学反射濃度の変化を、光学濃度計(X-Rite社製、spectrolino)を用い、JIS Z 8730に準拠して測定し、照射前後のL*、a*,b*から色相変化(ΔE*ab)を算出した。
なお、色差(ΔE*ab)とは、ΔE*ab=((ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2で表され、L*、a*及びb*は、国際証明委員会(CIE)のL*a*b*表色系における数値で定義される。
評価結果を図8~図13に示す。グラフの横軸は、構成する色の平均濃度である。2、3次色を構成する各色はほぼ同一濃度とした。例えば、図11に示すレッドの場合、グラフ横軸の濃度≒イエロー濃度≒マゼンタ濃度である。
ほぼ全濃度域にて色相変化が抑えられ、耐光性が向上した。しかし、初期濃度0.7以下、特に0.5以下では、ドットが少なくドットの間隔が広がり、ドットに対して白色部の面積が大きくなるため、ドットが目立ち、画像の均一性が低下した。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 基材フィルム
2 染料層
3 保護層
10 熱転写シート
21 イエロー染料ドット
22 マゼンタ染料ドット
23 シアン染料ドット
32 受像シート

Claims (7)

  1. 被転写体上に染料を転写して画像を形成する印画物の製造方法であって、
    前記印画物の前記画像におけるOD値が第1所定値以上の第1領域を、OD値が前記第1所定値より大きい第2所定値以上のドット状に染料を転写することで、前記印画物の前記第1領域に相当するOD値となるように形成し、
    画像データの各画素の階調値に応じたエネルギーで前記染料を転写して連続階調印画を行い、OD値が前記第1所定値未満の第2領域を形成することを特徴とする印画物の製造方法。
  2. 前記第2所定値は1.9であることを特徴とする請求項1に記載の印画物の製造方法。
  3. 前記第1所定値は0.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印画物の製造方法。
  4. 濃度が異なるドット状に染料を転写して前記第1領域を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印画物の製造方法。
  5. 前記染料はイエロー染料、マゼンタ染料及びシアン染料の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印画物の製造方法。
  6. サーマルヘッド及びプラテンロールを有し、基材フィルムの一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと、受像シートとを重ね合わせて、前記サーマルヘッドと前記プラテンロールとの間を搬送させるとともに、前記サーマルヘッドが前記熱転写シートを加熱し、染料を転写して前記受像シートに画像を形成して印画物を製造する熱転写印画装置であって、
    画像データから、前記印画物上での各領域のOD値を推定し、OD値が所定値以上となる領域を抽出する抽出部と、
    抽出された領域の色調から、染料をドット状に転写する際の濃度及び転写位置を含むドットパターンを計算する計算部と、
    を備え、
    前記サーマルヘッドは、前記ドットパターンに基づいて前記熱転写シートを加熱し、染料をドット状に転写して、OD値が前記所定値以上の領域を印画し、OD値が前記所定値未満の領域は連続階調印画を行うことを特徴とする熱転写印画装置。
  7. 受像紙に染料を転写して画像が形成された印画物であって、
    OD値が所定値以上の領域は、前記染料がドット状に転写され、OD値が前記所定値未満の領域は連続階調を有することを特徴とする印画物。
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