(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる車両1の車室2aの一部が透視された状態が示された例示的な斜視図である。図1に例示されるように、車体2は、不図示の乗員が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。
操舵部4は、例えば、ダッシュボード24から突出したステアリングホイール(ハンドル)である。加速操作部5は、例えば、アクセルペダルである。制動操作部6は、例えば、ブレーキペダルである。変速操作部7は、例えば、シフトレバーである。
また、車室2a内には、表示装置8や、音声出力装置9が設けられている。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。また、表示装置8は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、OELD(Organic Electroluminescent Display)等である。表示装置8は、本実施形態における表示部の一例である。また、表示装置8は、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部10で覆われている。乗員は、表示装置8の表示画面に表示される画像に対応した位置を手指等で操作入力部10を押下等して操作することで、操作入力を実行することができる。
これらの表示装置8、音声出力装置9、操作入力部10等は、例えば、モニタ装置11に設けられている。モニタ装置11は、スイッチや押しボタン等の不図示の操作入力部を有していてもよい。また、車室2a内には、表示装置8とは別の表示装置(表示部)が設けられてもよい。また、ダッシュボード24の計器盤部25には、各種のインジケータが表示される。
図1に例示されるように、車体2には、複数の撮像部(撮像装置)15として、例えば4つの撮像部15a~15dが設けられている。撮像部15は、例えば、CCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラであり、所定のフレームレートで動画データを出力することができる。撮像部15は、車両1が移動可能な路面や車両1が駐車可能な領域を含む車体2の周辺の外部の環境を逐次撮影(撮像)し、撮像画像データとして出力する。
撮像部15aは、車体2の後側の端部2e付近、例えば、リアハッチのドア2hのリアウインドウの下方の壁部に位置される。撮像部15bは、車体2の右側の端部、例えば、右側のドアミラー2gに位置される。撮像部15cは、例えば、車体2の前側、すなわち車両前後方向の前方側の端部に位置される。撮像部15dは、車体2の左側の端部、例えば、左側のドアミラー2gに位置される。撮像部15の数および位置は、これらに限定されるものではない。
また、図1に例示されるように、車両1は、例えば、四輪自動車であり、左右2つの前輪3Fと、左右2つの後輪3Rとを有する。これら4つの車輪3は、いずれも転舵可能に構成されうる。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。
また、図1に例示されるように、車体2には、複数の測距部16a,16d(16),17a~17d(17)が設けられている。測距部16,17は、例えば、超音波を発射してその反射波を捉えるソナー(ソナーセンサ、超音波探知器)である。車体2に設けられる測距部16,17の数および位置は、図1に示される例に限定されるものではない。
また、本実施形態の車両1は、車高をロー(低)、ノーマル(標準)、ハイ(高)の3段階に変更可能であるものとする。車両1の車高を調整する不図示の車高調整機構は、公知のサスペンション等により構成される。
図2は、本実施形態にかかるECU(electronic control unit)14を含む車両制御システム100のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、車両制御システム100では、ECU14や、モニタ装置11、操舵システム13、測距部16,17等の他、ブレーキシステム18、車高センサ26等が、電気通信回線としての車内ネットワーク23を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク23は、例えば、CAN(controller area network)として構成される。
ECU14は、車内ネットワーク23を通じて制御信号を送ることで、操舵システム13、ブレーキシステム18等を制御する。また、ECU14は、車内ネットワーク23を介して、ブレーキセンサ18b、車高センサ26等の検出結果、ならびに、操作入力部10等の指示信号(制御信号、操作信号、入力信号、データ)を受け取る。ECU14は、本実施形態における周辺監視装置の一例である。
ECU14は、例えば、CPU14a(central processing unit)や、ROM14b(read only memory)、RAM14c(random access memory)、表示制御部14d、音声制御部14e、SSD14f(solid state drive、フラッシュメモリ)等を有している。
CPU14aは、ROM14b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行する。また、CPU14aは、操作部14gの操作入力による操作信号や、各種のセンサからの信号を取得する。表示制御部14dは、表示装置8に対する画像出力を制御する。また、音声制御部14eは、ECU14での演算処理のうち、主として、音声出力装置9で出力される音声データの処理を実行する。
なお、CPU14aや、ROM14b、RAM14c等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、ECU14は、CPU14aに替えて、DSP(digital signal processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD14fに替えてHDD(hard disk drive)が設けられてもよいし、SSD14fやHDDは、ECU14とは別に設けられてもよい。
操作部14gは、ユーザからの操作を受けて、操作信号を出力するデバイスであり、例えば、押しボタンやスイッチ等で構成される。本実施形態の操作部14gは、一例として、車両1の車高をロー、ノーマル、ハイの3つのモードから選択可能であるものとする。操作部14gは、例えばダッシュボード24に設けられる。
また、操舵システム13は、少なくとも2つの車輪3を操舵する。また、ブレーキシステム18は、アクチュエータ18aと、ブレーキセンサ18bとを有する。ブレーキシステム18は、アクチュエータ18aを介して、車輪3ひいては車両1に制動力を与える。
車高センサ26は、車輪3の近傍に設けられ、地面からの車体の高さを検知するセンサである。本実施形態の車両1には、4つの車高センサ26のそれぞれが、各車輪3の近傍に設置される。車高センサ26は、車体の高さの検知結果を示す検知信号を、ECU14に送信する。検知信号は、本実施形態における車高情報の一例である。上述した各種センサやアクチュエータの構成や、配置、電気的な接続形態等は、一例であって、種々に設定(変更)することができる。
図3は、本実施形態にかかるECU14が有する機能の一例を示すブロック図である。図3に示すように、ECU14は、受付部141と、取得部142と、車高調整部143と、画像処理部144と、表示制御部145と、記憶部150と、を備える。受付部141、取得部142、車高調整部143、画像処理部144、表示制御部145の各構成は、CPU14aが、ROM14b内に格納されたプログラムを実行することで実現される。なお、これらの構成をハードウェア回路で実現するように構成しても良い。
記憶部150は、車両1の外観を表すアイコン画像(以下、アイコン)を予め記憶する。本実施形態のアイコンは、例えば斜め上方または側方から見た車両1を描画した画像である。また、記憶部150は、車両1の車体2の形状を表すゴーストを予め記憶する。本実施形態のゴーストは、半透明のアイコンである。ゴーストが画像上に表示されると、ゴーストの背景の画像がゴーストを透過して表示される。また、ゴーストは、少なくとも車両1の車体2の輪郭が視認可能な表示態様とする。なお、ゴーストは透過アイコンまたは透過画像ともいう。また、記憶部150は、さらに、車両1の上面や後面を表す画像を予め保存する。本実施形態のアイコン、ゴーストおよび車両1の上面や後面を表す画像は、例えばCG(Computer Graphics)等で予め生成される。記憶部150は、例えば、SSD14fである。
また、記憶部150は、車両1が各車高(ロー、ノーマル、ハイ)のそれぞれの場合の撮像部15の地面からの高さを、各車高に対応付けて記憶する。
受付部141は、操作部14gから取得した操作信号により、ユーザによる車高の変更の操作を受け付ける。また、受付部141は、操作入力部10から運転者による車高の変更の操作を受け付けても良い。具体的には、受付部141は、ユーザが変更後の車高としてロー、ノーマル、ハイのいずれかを選択した操作を受け付ける。
取得部142は、車高センサ26から入力される検知信号に基づいて、車両1の車高を取得する。
車高調整部143は、受付部141がユーザによる車高の変更の操作を受け付けた場合に、車高調整機構を制御して車両1の車高を変更する。また、車高調整部143は、ユーザによる車高の変更の操作に限らず、車両1の走行モードが変更された場合等にも、車両1の車高を各走行モードに応じた高さに変更する。
画像処理部144は、撮像部15によって撮像された撮像画像を所定の変換内容によって変換することによって3Dビューや俯瞰画像を生成する。所定の変換内容は、例えば、撮像画像の視点を所定の角度分変換することや、複数の撮像画像を合成することをいう。3Dビューは、車両1の周囲を斜め上方または側方等から見た背景画像と、車両1を表すアイコンとを含む画像である。アイコンは、記憶部150に予め記憶されたアイコンである。俯瞰画像は、車両1の周囲を上方から見た背景画像と、車両1の上面の画像とを含む画像である。より詳細には、画像処理部144は、撮像部15によって撮像された撮像画像に対して合成や視点変換等の画像処理(変換)を行うことによって、3Dビューや、俯瞰画像を生成する。3Dビューや俯瞰画像の詳細は後述する。
表示制御部145は、車両1の車高が変化する場合に、表示装置8の画面上において変化前の車高に対応する画面上の位置(第1の位置)に車両1を表すアイコンを表示する。あるいは、表示制御部145は、表示装置8の画面上において変化後の車高に対応する画面上の位置(第2の位置)に車両1を表すアイコンを表示する。本実施形態の表示制御部145は、第1の位置または第2の位置の少なくとも一方に車両1を表すアイコンを表示するものとする。第1の位置に表示されるアイコンは本実施形態における第1の車両画像の一例であり、第2の位置に表示されるアイコンは本実施形態における第2の車両画像の一例である。
また、表示制御部145は、表示装置8の画面上の第1の位置と第2の位置との間に車両1を表すゴーストを表示する。表示制御部145は、車高が目標の高さに達するまでの間は、ゴーストを、変化前の車高に対応する画面上の位置から変化後の車高に対応する画面上の位置までの間を、車高が変化する方向に繰り返し移動させる。ゴーストは、本実施形態における第3の車両画像の一例である。なお、本実施形態の第1の車両画像、第2の車両画像、第3の車両画像はそれぞれ車両1を表すものであれば良く、アイコンおよびゴーストに限定されるものではない。アイコンおよびゴーストの表示の詳細については後述する。また、表示制御部145は、画像処理部144によって生成された3Dビューや俯瞰画像等を表示装置8に表示する。
図4は、本実施形態にかかる車高変化の表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
受付部141は、操作部14gから取得した操作信号により、ユーザによる車高の変更の操作を受け付ける(S1)。この場合、車高調整部143は、車両1の車高の変更を開始する(S2)。例えば、変更前の車高が“ノーマル”で、ユーザによる変更操作が車高を“ハイ”にするものである場合、車高調整部143は、車高の上昇を開始する。
車高の変更が開始する場合に、表示制御部145は、現在、表示装置8の画面上に車両1を表すアイコンを含む3Dビューを表示しているか否かを判断する(S3)。
3Dビューが表示中である場合(S3“Yes”)、表示制御部145は、車両1を表すゴーストを3Dビュー上に表示する(S4)。アイコンおよびゴーストの表示について、図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態にかかる車高の上昇を示す表示の一例を示す図である。図5に示す例では、車両1の車高の変更の開始の際に、3Dビュー90が、表示装置8の画面上に表示されている。3Dビュー90は、車両1の周囲を斜め上方等から見た背景画像70と、アイコン50と含む。アイコン50は、3Dビュー90において変化前の車両1の車高に対応する位置に表示されている。また、アイコン50は、不透過の画像である。背景画像70は、画像処理部144が、複数の撮像画像に対して合成および視点変換等の画像処理をして生成した画像である。3Dビュー90は、本実施形態における第1の画像の一例である。第1の画像は、3Dビュー90に限定されるものではなく、変化前の車両1の車高に対応する位置にアイコン50を表示する画像であれば良い。また、3Dビュー90上のアイコン50の位置は、本実施形態における第1の位置の一例であり、アイコン50は、本実施形態における第1の車両画像の一例である。なお、アイコン50は、変化後の車高に相当する画面上の位置を示す指標画像ともいう。
表示制御部145は、S4の処理で、車両1を表すゴースト51を、アイコン50に重畳して表示する。本実施形態のゴースト51は、アイコン50とは異なる表示態様であり、具体的には、背景を透過する半透明の状態である。また、ゴースト51は、車両1の車体2の上昇を示すための画像であるため、車体2に相当する外観のみを含む画像であり、車輪3の画像は含まないものとする。
次に、表示制御部145は、ゴースト51を車高の変更方向に移動する(S5)。図5に示す例では、受付部141は、ユーザによる車高の上昇を指示する信号を受け付けたものとする。この場合、車両1の車高は上昇するため、表示制御部145は、図5に示すように、ゴースト51を上方に移動する。表示制御部145は、変更前後の車高に応じて、ゴースト51の移動の速度を変更しても良い。例えば、表示制御部145は、変更前の車高が“ロー”で変更後の車高(目標車高)が“ハイ”の場合は、変更前の車高が“ノーマル”で目標車高が“ハイ”の場合よりも、ゴースト51の移動の速度を速くしても良い。
ここで、表示制御部145は、ゴースト51が、変化後の車高に対応する画面上の位置に到達したか否かを判断する(S6)。図5の例では、(c)に示すゴースト51の位置が、変更後の車高に対応する画面上の位置であり、本実施形態における第2の位置の位置である。本実施形態では、変化後の車高に対応する画面上の位置は、車高の変化量の実寸値に即した位置ではなく、変化量が実際よりも大きくなるように強調した位置とする。表示制御部145は、ゴースト51が変化後の車高に対応する位置に到達していないと判断した場合(S6“No”)、S4に戻り、ゴースト51を継続して車高の変更方向に移動する。
また、表示制御部145は、ゴースト51が変化後の車高に対応する位置に到達したと判断した場合(S6“Yes”)、ゴースト51を最初に表示した位置、つまり変化前の車両1の車高に対応する位置に戻す(S7)。
ここで、取得部142は、車高センサ26から入力される検知信号に基づいて、車両1の車高を取得する(S8)。そして、表示制御部145は、取得部142が取得した車両1の車高が、目標車高と一致するか否かを判断する(S9)。目標車高は、車高変更の目標の高さであり、この場合はユーザの操作によって指定された“ハイ”に相当する車高である。車両1の車高が目標車高と一致しない場合(S9“No”)、表示制御部145は、S4~S9の処理を繰り返す。当該処理により、表示制御部145は、車高が目標の高さに達するまでの間は、ゴースト51を、変化前の車両1の車高に対応する位置から変化後の車両1の車高に対応する位置までの間を、車高が変化する方向に繰り返し移動させる。
また、図6は、本実施形態にかかる車高の下降を示す表示の一例を示す図である。上述の図5の例は車高が上昇する場合であったが、図6に示すように車高が下降する場合も、表示制御部145は、車高が目標の高さになるまでの間は、ゴースト51を、アイコン50の位置から変化後の車両1の車高に対応する位置までの間を、車高が変化する方向に繰り返し移動させる。また、図5、図6では、変更前の車高に対応する画面上の位置にアイコン50を表示しているが、表示制御部145は、変更前の車高に対応する画面上の位置にアイコン50を表示せずに、変更後の車高に対応する画面上の位置に車両1を表すアイコンを表示しても良い。
また、車両1の車高が目標車高と一致した場合(S9“Yes”)、表示制御部145は、車高調整が完了したと判断し、ゴースト51の表示を終了する(S10)。このとき、表示制御部145は、3Dビュー90上のアイコン50を、変化後の車高に対応する画面上の位置に移動しても良い。
また、画像処理部144は、車高調整が完了すると、変化後の車高に対応する撮像部15の高さに応じた変換内容によって撮像画像を変換して3Dビュー90を生成する(S11)。画像処理部144は、複数の撮像部15によって撮像された撮像画像を合成や視点変換することにより3Dビュー90を生成するが、各撮像部15の高さが画像処理の際に基準とした各撮像部15の高さから変化すると、3Dビュー90に歪みが生じる場合がある。このため、画像処理部144は、変化後の車高に対応付けられた撮像部15の高さを記憶部150から取得し、当該高さに応じた変換内容によって撮像画像を変換した3Dビュー90を新たに生成する。表示制御部145は、画像処理部144によって新たに生成された3Dビュー90を表示装置8の画面上に表示することにより、画面表示を更新する。
また、車高の変化が開始する際に3Dビュー90が表示中ではない場合(S3“No”)、表示制御部145は、表示装置8に、アイコン50を含むバーを表示する(S12)。
図7は、本実施形態にかかるバー93の表示の一例を示す図である。バー93は帯状の形状の画像で、本実施形態における第3の画像の一例である。また、図7に示す例では、表示装置8の画面上には、いずれかの撮像部15によって撮像された撮像画像が表示されるカメラビュー91と、車両1を上方から見た俯瞰画像92とが表示されている。また、表示装置8の画面上には、車高の変化が開始する時点では、アイコン50は表示されておらず、車両1の車高の状態がわかる角度から車両1を見た画像は表示されていないものとする。俯瞰画像92は、画像処理部144が複数の撮像部15によって撮像された複数の撮像画像を合成および視点変換することにより生成された画像であり、車両1を上方から見た画像500を含む。カメラビュー91および俯瞰画像92は、本実施形態における第2の画像の一例である。なお、カメラビュー91は、画像処理部144によって所定の変換内容によって変換された撮像画像でも良いし、撮像部15によって撮像された撮像画像がそのまま表示されたものとしても良い。
図7の(a)~(c)に示すように、表示制御部145は、表示装置8の画面上に、車両1のアイコン50を含むバー93を徐々に表示する。より詳細には、表示制御部145は、表示装置8の画面上に表示されているカメラビュー91または俯瞰画像92の表示を継続した状態で、カメラビュー91または俯瞰画像92の大きさを段階的に縮小する。そして、表示制御部145は、カメラビュー91または俯瞰画像92の縮小によって表示装置8の画面上にできた空き領域に、バー93を段階的に表示する。また、表示制御部145は、バー93上において、変化前の車高に対応するバー93上の位置にアイコン50を表示する。なお、表示制御部145は、バー93の表示の開始の時点からバー93上にアイコン50を表示しても良いし、バー93の全体を表示した後に、バー93上にアイコン50を表示しても良い。
また、図8は、本実施形態にかかるバー93の表示の他の一例を示す図である。図8に示すように、表示制御部145は、俯瞰画像92の大きさを縮小して、バー93を表示しても良い。図8に示すように俯瞰画像92の表示内容を維持したまま縮小することにより、俯瞰画像92の表示範囲(視野)を狭くせずに、バー93の表示領域を確保することができる。上述の図7では、表示制御部145は、カメラビュー91の上部の道路が含まれない部分の領域を削除することでできた表示装置8の画面上の空き領域にバー93を表示していたが、カメラビュー91の表示内容を変更せずに、カメラビュー91全体を段階的に縮小しても良い。
図4のフローに戻り、表示制御部145は、ゴースト51をバー93上に表示する(S13)。次のS14のゴースト51の移動から、S18の車両1の車高が目標車高と一致するか否かを判断する処理までは、上述のS5~S9の処理と同様である。
車両1の車高が目標車高と一致した場合(S14“Yes”)、表示制御部145は、車高調整が完了したと判断し、バー93の表示を終了する(S19)。表示制御部145は、カメラビュー91および俯瞰画像92の大きさを、バー93を表示する前の大きさに戻す。
また、画像処理部144は、車高調整が完了すると、変更後の車高に対応する撮像部15の高さに応じた変換内容で撮像画像を変換して俯瞰画像92を生成する(S20)。俯瞰画像92は撮像画像を所定の変換内容で変換する画像処置によって生成された画像である。このため、各撮像部15の高さが画像処理の際に画像処理部144が基準とした各撮像部15の高さから変化すると、俯瞰画像92に歪みが生じる場合がある。画像処理部144は、変化後の車高に対応付けられた撮像部15の高さを記憶部150から取得し、撮像画像を当該高さに応じた変換内容で変換した俯瞰画像92を新たに生成する。表示制御部145は、画像処理部144によって新たに生成された俯瞰画像92を表示装置8の画面上に表示することにより、画面表示を更新する。
また、図7に示すように、カメラビュー91には、車両1からの距離を表す目安線および車両1の幅を示す車幅線を含むガイド線95が表示されている。カメラビュー91上のガイド線95の位置は、各撮像部15の高さによって異なるため、表示制御部145は、変化後の車高に対応付けられた撮像部15の高さを記憶部150から取得し、変化後の車高に対応する撮像部15の高さに応じてガイド線95の位置を移動する(S21)。ガイド線95は本実施形態における指標線の一例である。また、指標線は、車両1の走行予定経路を示す他のガイド線でも良く、障害物との距離や、車両1の駐車目標位置等を示すものでも良い。また、指標線は、指標情報ともいう。ガイド線95の移動が完了すると、この処理は終了する。
なお、図4では、ユーザによる車高の変更の操作を処理の開始のトリガとしたが、車両1の走行モードが変更された場合等の理由によって車両1の車高の変更が開始した場合にも図4に示す流れで車高変化の表示処理が実行される。
このように、本実施形態のECU14は、車両1の車高が変化する場合に、表示装置8の画面上において変化前の車高に対応する画面上の位置にアイコン50、あるいは、表示装置8の画面上において変化後の車高に対応する画面上の位置にアイコンの少なくとも一方を表示する。また、本実施形態のECU14は、変化前の車高に対応する画面上の位置と、変化後の車高に対応する画面上の位置との間にゴースト51を表示する。このため、本実施形態のECU14によれば、変化前または変化後の車高に対応する画面上の位置と、変化前後の中間の位置とに車両1を表すアイコンが表示されることで、車両1の車高が変化していることをユーザが容易に把握することができる。
より具体的には、従来は、車高の変化中には、計器盤部25等に車高の変化を示すインジケータが表示されていたが、当該表示ではユーザが気付き難い場合があった。また、例えば、表示装置8に表示したアイコン50の車体の高さを単に変化させるだけでは、ユーザが車高の変化中であることを把握することが困難な場合がある。これに対して、本実施形態のECU14は、変化前または変化後の車高に対応する位置と、変化前後の中間の位置とに車両1を示すアイコン50またはゴースト51を表示することで、車高の変化が強調され、ユーザが容易に車高が変化していることを把握できる。
さらに、本実施形態のECU14は、車両1の車高が目標の高さに達するまでの間、ゴースト51を車高が変化する方向に移動させる。このため、本実施形態のECU14によれば、車高が上昇または下降していることを、ユーザが容易に把握することができる。
さらに、本実施形態のECU14は、車高が目標の高さに達するまでの間、ゴースト51を、変化前の車高に対応する画面上の位置から変化後の車高に対応する画面上の位置までの間を、車高が変化する方向に繰り返し移動させる。このため、本実施形態のECU14によれば、車高の変化中はゴースト51が動き続けるため、車高変更中であることおよび車高の変化の方向をユーザがさらに容易に把握することができる。
さらに、本実施形態のECU14は、車両1の車高の変化が開始する際に表示装置8の画面上にアイコン50を含む3Dビュー90が表示されている場合は、3Dビュー90上に、ゴースト51を表示する。このため、本実施形態のECU14によれば、元々表示されていた3Dビュー90の表示を継続したままゴースト51を追加するため、ユーザの視聴していた画面を切り替えることなく、車高が変化していることを画面上に表すことができる。
さらに、本実施形態のECU14は、車両1の車高の変化が開始する際に表示装置8にアイコン50を含む3Dビュー90が表示されていない場合は、表示装置8にアイコン50を含むバー93を表示した上で、バー93上にゴースト51を表示する。このため、本実施形態のECU14によれば、変化前の車高に対応する画面上の位置にアイコン50が表示されていない場合であっても、アイコン50とゴースト51とを新たに画面上に表示することができる。
さらに、本実施形態のECU14は、バー93を表示する場合に、表示装置8の画面上に元々表示されていたカメラビュー91または俯瞰画像92の表示を継続した状態で、カメラビュー91または俯瞰画像92の大きさを段階的に縮小すると共に、縮小によって画面上にできた空き領域に、バー93を段階的に表示する。このため、本実施形態のECU14によれば、既に表示されているカメラビュー91または俯瞰画像92の表示を維持したまま、車高の変化を示す画面を表示することができる。また、本実施形態のECU14によれば、バー93を段階的に表示することにより、新たに表示されたバー93およびバー93上の車高の変化を示す表示に対してユーザが容易に気づくことができる。
さらに、本実施形態のECU14は、ゴースト51を、変化前の車高に対応する画面上の位置に表示されるアイコン50および変化後の車高に対応する画面上の位置に表示されるアイコンとは異なる表示態様で表示する。このため、本実施形態のECU14によれば、変化前後の車高に対応する画面上の位置に表示されるアイコンと、車高の変化中に画面上に表示されるゴースト51とをユーザが混同することを防止することができる。
さらに、本実施形態のECU14は、車高の変化が開始する際にガイド線95が表示装置8の画面上に表示されている場合、車高が目標の高さに変化した後に、ガイド線95の表示位置を、車高の変化後の撮像部15の高さに合わせて移動する。このため、本実施形態のECU14によれば、車高の変化に応じて撮像部15の高さが変化することによって生じるガイド線95の画面上の表示位置のずれを修正することができる。
さらに、本実施形態のECU14は、車両1の車高が目標の高さに変化した後に、撮像画像を車高の変化後の撮像部15の高さに応じた変換内容によって変換した俯瞰画像92を生成する。このため、本実施形態のECU14によれば、車高の変化に応じて撮像部15の高さが変化することによって生じる俯瞰画像92の歪みを解消することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ECU14は、ゴースト51を、変化前の車高に対応する画面上の位置と変化後の車高に対応する画面上の位置の間で繰り返し移動させていた。この第2の実施形態では、ECU14は、車両1の車高の変更中に、車高の高さの変化に応じて、ゴースト51を徐々に移動させる。
本実施形態における車両1の構成は、第1の実施形態と同様である。また、本実施形態のECU14は、第1の実施形態と同様に、受付部141と、取得部142と、車高調整部143と、画像処理部144と、表示制御部145と、記憶部150と、を備える。受付部141と、取得部142と、車高調整部143と、画像処理部144と、記憶部150とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の表示制御部145は、第1の実施形態の機能を備えた上で、取得部142が取得した車両1の車高に応じて、ゴースト51を変化後の車両1の車高に対応する画面上の位置に向けて移動する。
図9は、本実施形態にかかる車高変化の表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。S31の車高変更操作の受け付けから、S33の3Dビュー90の表示の有無の判断の処理までは、図4のS1~S3の処理と同様である。
3Dビュー90が表示中である場合(S33“Yes”)、表示制御部145は、変化後の車高に対応する3Dビュー90上の位置に、車両1を表すアイコンを表示する(S34)。図10は、本実施形態にかかる車高の上昇を示す表示の一例を示す図である。図10では省略しているが、アイコン50の周囲には、図5に示したように背景画像70が表示されているものとする。図10に示すアイコン50は、変化前の車高に対応する3Dビュー90上の位置に表示されたアイコン50である。アイコン50は、3Dビュー90に既に表示されていたものとする。表示制御部145は、図10の(b)に示すように、変化後の車高に対応する3Dビュー90上の位置に、アイコン52を表示する。図10では変化後の車両1の車高を実際に車高が変化する高さよりも強調して表示しているが、アイコン52の3Dビュー90上の位置は、ユーザが車高の変化を認識可能な位置であれば良い。アイコン52は、本実施形態における第2の車両画像の一例である。なお、アイコン52は、変化後の車高に相当する画面上の位置を示す指標画像ともいう。
次に、表示制御部145は、ゴースト51を3Dビュー90上に表示する(S35)。例えば、表示制御部145は、図10の(c)に示すように、変化前の車高に対応する3Dビュー90上の位置に、アイコン50に重畳してゴースト51を表示する。
ここで、取得部142は、車両1の車高を取得する(S36)。そして、表示制御部145は、取得部142が取得した車両1の車高に応じて、ゴースト51をアイコン52の方向へ移動する(S37)。より具体的には、表示制御部145は、車高の変化の進捗度合に応じて、ゴースト51の位置を決定する。例えば、表示制御部145は、変化前の車高から目標の車高までの長さにおける、変化前の車高から取得部142が取得した車両1の車高までの長さが占める割合を算出して、車高の変化の進捗度合を判断する。表示制御部145は、取得部142が取得した現在の車高が、変更前の車高から目標車高までの間の距離の中間地点に位置する場合、ゴースト51をアイコン50とアイコン52の中間地点まで移動する。本実施形態のゴースト51は、現在の車高に相当する画面上の位置を示す指標画像ともいう。
そして、取得部142は、車両1の車高を再度取得する(S38)。そして、表示制御部145は、取得部142が取得した車両1の車高が、目標車高と一致するか否かを判断する(S39)。車両1の車高が目標車高と一致しない場合(S39“No”)、表示制御部145は、S37~S39の処理を繰り返す。
また、車両1の車高が目標車高と一致した場合(S39“Yes”)、表示制御部145は、車高調整が完了したと判断し、変化前の車高に対応する画面上の位置に表示されたアイコン50と、ゴースト51との表示を終了する(S40)。図10の(h)に示すように、表示制御部145は、変化後の車高に対応する画面上の位置に、アイコン52を継続して表示する。S41の3Dビュー90の更新は、図4のS11の処理と同様である。
また、図11は、本実施形態にかかる車高の下降を示す表示の一例を示す図である。上述の図10の例は車高が上昇する場合であったが、図11の(a)~(h)に示すように車高が下降する場合も、表示制御部145は、車高の変化の進捗度合に応じて、ゴースト51を、アイコン50の位置からアイコン52の位置に向けて移動する。なお、図10、図11では、表示制御部145は、アイコン50とアイコン52の両方を表示しているが、いずれか1つのみを表示しても良い。
また、車高の変化が開始する際に3Dビュー90が表示中ではない場合(S33“No”)、表示制御部145は、表示装置8の画面上に、アイコン50を含むバー93を表示する(S42)。バー93を表示する手法は、図7、図8で説明したS12の処理と同様である。
次に、表示制御部145は、変化後の車高に対応するバー93上の位置にアイコン52を表示する(S43)。そして、表示制御部145は、ゴースト51を、バー93上に表示する(S44)。
S45の車高の取得の処理から、S48の車両1の車高が目標車高と一致するか否かを判断する処理までは、上述のS36~S39の処理と同様である。また、S49のバー93の表示の終了から、S51のガイド線95の移動の処理までは、図4のS19~S21の処理と同様である。
このように、本実施形態のECU14は、車高が変化する場合に、取得部142が取得した車両1の車高に応じて、ゴースト51を変化後の車両1の車高に対応する画面上の位置に向けて移動する。このため、本実施形態のECU14によれば、実際の車高の変化に応じてゴースト51を移動するため、第1の実施形態の効果に加えて、ユーザは車高変化の進捗度合を把握することができる。
(変形例1)
上述の第1、第2の実施形態では、バー93は車高の変化の表示の際に表示されていたが、バー93は他の目的に活用されても良い。
例えば、図12は、変形例1にかかるバックフォグランプの点灯を表示する画面の一例を示す図である。本変形例の表示制御部145は、車両1のバックフォグランプが点灯した場合に、図12(a)に示すように、バー93を表示し、バー93上に車両1の後面を示すアイコン53を表示する。そして、表示制御部145は、バー93上のアイコン53のバックフォグランプに相当する位置の近辺に、点灯を示す記号900a,900bを表示する。また、表示制御部145は、バックフォグランプの点灯に限らず、ドアの開閉等の車両1の状態を表す画像をバー93に表示しても良い。このように表示することで、本変形例のECU14によれば、既に表示されていたカメラビュー91または俯瞰画像92を継続して表示しつつ、バックフォグランプの点灯等の車両1の状態の変化をユーザに知らせることができる。
(変形例2)
また、図13は、変形例2にかかるバー93の利用方法の一例を示す図である。図13に示すように、表示制御部145は、バー93上に、各種の設定変更が可能な設定ボタン60や、画面の明るさの調整ボタン61等を表示しても良い。表示制御部145は、その他に、ガイド線95の表示のオン/オフを指示するボタンや、メニューボタン等を表示しても良い。本変形例では、表示制御部145は、例えば、ユーザが操作入力部10へのタッチまたはスワイプ等の操作をしたことをトリガとして、バー93を表示する。本変形例のECU14によれば、既に表示されていたカメラビュー91または俯瞰画像92を継続して表示しつつ、各種の操作ボタンを表示装置8上に表示させるため、ユーザはカメラビュー91または俯瞰画像92の確認と、各種の操作とを同時に行うことができる。
(変形例3)
上述の第1、第2の実施形態で説明しゴースト51、アイコン50、アイコン52の表示態様は、変更前後の車高に応じて変化しても良い。
例えば、表示制御部145は、変更後の車高(目標車高)に応じて、ゴースト51の表示態様を変化させても良い。具体的には、表示制御部145は、目標車高が“ハイ”の場合はゴースト51を赤色にし、目標車高が“ノーマル”の場合はゴースト51を灰色にし、目標車高が“ロー”の場合はゴースト51を青色にする等、目標車高ごとに異なる色でゴースト51を表示しても良い。また、表示制御部145は、目標車高が同じ場合でも、変更前の車高ごとに、ゴースト51の表示態様を変化させても良い。
また、表示制御部145は、アイコン50またはアイコン52の表示態様を、変化前後の車高に応じて変更しても良い。例えば、表示制御部145は、アイコン50を、変化前の車高が“ロー”の場合は青色、変化前の車高が“ノーマル”の場合は灰色、変化前の車高が“ハイ”の場合は赤色で表示する等、変化前の車高ごとに異なる色で表示しても良い。また、例えば、表示制御部145は、アイコン52を、目標車高が“ロー”の場合は青色、目標車高の車高が“ノーマル”の場合は灰色、目標車高の車高が“ハイ”の場合は赤色で表示する等、変化後の車高ごとに異なる色で表示しても良い。
本変形例のECU14によれば、変化前後の車高に応じてゴースト51、アイコン50、またはアイコン52の表示態様を変化させることにより、目標車高や変化前の車高をユーザが容易に把握することができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。