以下、図面を参照して実施形態にかかる運転制御装置および運転制御システムについて説明する。なお、以下に示す各実施形態や各変形例に示す構成は単独で実施してもよいし、適宜組み合わせて実施してもよい。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる運転制御装置の構成の一例を示す図である。図1に示す運転制御装置1は、ネットワークN1に接続し、運転制御装置1が利用可能な経時変化情報2をネットワークN1を介して取得する。ここで、利用可能とは、運転制御装置1の制御対象の運転を切り替える際の判定の要素として利用可能であることを指す。経時変化情報2は、日時などの経時変化に基づいて時々刻々と変化する情報、例えば交通機関の運行情報(発着、遅延、運休など)や、混雑情報(利用人数の推移など)や、気象情報(温度や湿度などの気象予測データ)や、緊急災害情報(地震や火災など緊急時に発報される情報)などである。交通機関は、例えば鉄道、バス、飛行機、船舶などの公共交通機関以外に公共交通機関以外の交通機関(例えばタクシーなど)も含まれる。ネットワークN1は例えばLAN(Local Area Network)や、VPN(Virtual Private Network)や、インターネットなどの通信ネットワークである。
交通機関の運行情報においては、所定の駅に停止する時間情報として、例えば、当該所定の駅において公共交通機関が停止する時刻、及び公共交通機関が発車する時刻を含んでいる。所定の駅は、後述する運転制御装置1による運転制御対象14が設けられた駅、又は、運転制御対象14の近傍に存在する駅とする。
図1に示す運転制御装置1は、取得手段11と、運転制御手段12と、自動切替手段13と、運転制御対象14を備える。
取得手段11は、ネットワークN1に接続し、運転制御装置1が利用可能な経時変化情報2をネットワークN1を介して取得する。例えば、取得手段11はネットワークN1上のWebサイトからWeb情報として経時変化情報2を取得する。Webサイトは、例えばリアルタイムの運行情報を提供するサイト(サイトA)や、気象予測データを提供するサイト(サイトB)や、混雑する時間帯などを提供するサイト(サイトC)である。この他にも、情報を提供するサイトから利用可能な経時変化情報2を適宜取得してもよい。例えば緊急災害情報を提供するサイトから発報される緊急災害情報を取得してもよい。また、Webサイトに限らず、運転制御対象14が配置されている会社(例えば鉄道会社など)の社内独自の経時変化情報2を社内システムから取得するようにしてもよい。
運転制御手段12は、選択された運転モードで運転制御対象14の運転を制御する。例えば、運転制御手段12は、予めデフォルトとして設定された運転モードや、手動切替操作により受け付けた運転モードや、さらに本実施形態では自動切替手段13により切り替えられた運転モードで運転制御対象14の運転を制御する。
自動切替手段13は、経時変化情報2に基づいて運転制御対象14の運転を自動で切り替える。
運転制御対象14は、例えば乗客コンベアである。乗客コンベアは、エレベータや、エスカレータや、動く歩道などがある。
本実施形態の運転制御装置1は、運行情報で示された、所定の駅において公共交通機関が停止する時刻に応じて、当該公共交通機関に乗車する時に利用客が通る動線上に存在する、運転制御対象14の運転を自動的に切り替えることとした。所定の駅又は当該所定の駅近傍に設けられた複数の運転制御対象14のうち、上記運行情報に応じて利用客が通る動線上の運転制御対象14の運転を切り替えることで、利用客に応じた自動制御を実現できる。
また、自動で切り替えるために用いる運行情報は、例えば、Webサイトで公開されている情報とする。このように、Webサイトで公開されている運行情報に基づいて自動制御を行うことで、運転制御対象14の運転制御をするための情報を作成する負担を軽減できる。
運転制御装置1に運転制御手段12を含めなくてもよい。また、さらに運転制御対象14を含めなくてもよい。運転制御手段12と運転制御対象14は、既に設置されているものでもよいし、あるいは運転制御手段12と運転制御対象14を運転制御装置1とは別々に提供するようにしてもよい。本実施形態では一例として運転制御装置1が運転制御手段12と運転制御対象14を備えるものとして説明する。
図2は、運転制御装置1の構成の一例を示す図である。図2には、運転制御装置1の構成の一例としてエスカレータ全体の構成を模式図で示している。図2に示すエスカレータ100は、無端状に連結された複数の踏段101を周回(循環)移動させて動作することで利用者や荷物等の物体を搬送する移動路Rを構成する。図2において、駅(建造物)の上階側階床UFと下階側階床DFの間にトラス102が設置されている。トラス102上にはデッキ103が設置され、欄干Wを構成する欄干パネル104が支持されている。また、欄干パネル104の上端部の欄干デッキには手摺ベルト105が設けられている。
エスカレータ100の乗降部の床下、すなわち、床下空間Sには、踏段101を周回駆動するための駆動機構が収容されている。なお、床下空間Sは、上階側から下階側まで連通している。エスカレータ100の駆動機構は、主として、駆動源としてのモータ106と、減速機107と、駆動チェーン108と、駆動スプロケット109と、従動スプロケット110と、踏段チェーン111とを備えている。モータ106と減速機107とは、駆動装置112を構成する。この他に緊急停止させるためのブレーキ(ブレーキ機構)140(図3参照)なども備えている。モータ106は、例えば、上階側に設けられている。モータ106の出力軸には、減速機107が取り付けられている。減速機107は、モータ106の回転を減速させ、モータ106の回転トルクを増幅させる。減速スプロケット113は、減速機107の出力軸に設けられ、複数の歯を有する。駆動チェーン108は、無端状に形成され、減速スプロケット113と駆動スプロケット109とに亘って掛けられている。駆動チェーン108は、減速機107を介して伝達されたモータ106の駆動力によって、駆動スプロケット109と減速スプロケット113との周りを循環走行することで、駆動スプロケット109を回転させる。すなわち、駆動チェーン108は、減速機107を介して伝達されたモータ106の駆動力を駆動スプロケット109に伝達する。駆動スプロケット109は、踏段チェーン111に噛み合う複数の歯を有し、駆動装置112からの駆動力により回転する。
エスカレータ100は、駆動スプロケット109と従動スプロケット110との間に掛け渡された踏段チェーン111を駆動させることで、無端状に連結された複数の踏段101を周回移動させて動作する。これにより、踏段チェーン111は、複数の踏段101を走行させる。
エスカレータ100が下り方向に稼動する場合、上階側乗降口UEの乗降板Tの先端部分において、複数の踏段101の中で進行方向に向けて隣接する踏段101同士が水平状でトラス102内から進出される。そして、上部遷移カーブにおいて、隣接する踏段101間の段差が拡大されて、複数の踏段101は、階段状に遷移される。中間傾倒部において、複数の踏段101は、階段状で下降される。続いて、下部遷移カーブにおいて、隣接する踏段101間の段差が縮小されて、複数の踏段101は、水平状に遷移される。下階側乗降口DEの乗降板Tの先端部分において、複数の踏段101は、再び水平状となってトラス102内に進入する。複数の踏段101は、トラス102内に進入された後に上方に反転され、帰路側を水平状で上昇される。複数の踏段101は再度反転されて、上階側乗降口UEの乗降板Tの先端部分において、トラス102内から進出される。上り方向に稼動するエスカレータ100では上述の動作の逆の動作となる。このように、上階側乗降口UEおよび下階側乗降口DEの乗降板Tの先端部分において、踏段101は、利用者を乗せる上面の踏み面を水平状として、トラス102内から進出し、またはトラス102内へ進入する。
エスカレータ100は、複数の踏段101の進行方向における両脇に一対の欄干Wを備える。欄干Wは、主として、スカートガードパネル114と、内デッキ115と、欄干パネル104と、欄干パネル104の外縁部に設けられた欄干デッキに支持された手摺レール上に設けられた手摺ベルト105と、から構成されている。スカートガードパネル114は、複数の踏段101の走行方向(エスカレータ100が稼働する下り方向および上り方向)に対して直交する方向(幅方向)の両側において近接して、かつ、上階側乗降口UEと下階側乗降口DEとの間に亘って設けられている。スカートガードパネル114の上側には、内デッキ115が取り付けられている。内デッキ115の上側には、例えば、ガラス板等の透明または半透明の部材やステンレス等の金属板で構成される欄干パネル104が取り付けられている。欄干パネル104の外周に取り付けられた手摺レールには、手摺ベルト105が移動可能に嵌め込まれている。手摺ベルト105は、踏段チェーン111と同期して周回駆動する移動手摺駆動チェーンによって周回移動し、下階側ではインレット116から進出し、上階側では、インレット116に進入する。踏段101と手摺ベルト105とは同方向に同期した状態で周回移動する。
このようなエスカレータ100の動作は、例えば、トラス102内の床下空間Sに設置される制御盤130によって、減速機107、モータ106、ブレーキ機構140などを制御することで実現される。また、制御盤130には、利用者検出センサ118等の各種センサからの検出信号が提供され、各種センサの検出信号に基づき、モータ106の駆動制御や音声案内出力等が実行される。なお、図2の場合、下階側乗降口DE側のスカートガードパネル114には、運転操作装置117が配置されている。運転操作装置117では、利用者の利用状況や利用時間帯等に応じて、エスカレータ100の運転方向や運転速度等の切替操作等を手動で行うことも可能になっている。
上述したようなエスカレータ100には、例えば、上階側の移動路Rの遷移カーブ付近(隣接する踏段101の水平状態と段差状態が切り替わる折れ点付近)および下階側の移動路Rの遷移カーブ付近の内デッキ115に利用者検出センサ118が配置され、スカートガードパネル114に乗込確認センサ119が配置されている。利用者検出センサ118は、エスカレータ100の乗降口に向かって接近して来る利用者(物体)を検知するセンサである。利用者検出センサ118は、例えば、検出光を発光(出射)して、その検出光が利用者(物体)にて反射して戻ってきた反射光を受光することで利用者(物体)の存在(接近)を検出する反射型の光学センサである。また、乗込確認センサ119は、エスカレータ100の利用者(物体)が、踏段101に乗り込んだことを検知するセンサである。乗込確認センサ119は、例えば、検出光を発光面から受光面に向けて発光し、利用者(物体)により、その検出光が遮られたことを検出した場合に、利用者(物体)の乗り込みを確認する投光型の光学センサである。
上述したように、利用者検出センサ118は、反射型のセンサであり、図2に示されるように、例えば、踏段101が例えば上階側乗降口UEの乗降板Tの先端部分から進出する付近(遷移カーブ付近)の左右の内デッキ115に配置されている。別の実施形態においては、利用者検出センサ118は、左右いずれか一方でもよい。
利用者検出センサ118は、図2に示されるように、それぞれ移動路R(乗降板T)の略中央付近に設定された利用者検出位置に向けて、検出光を発光する。つまり、利用者検出センサ118は、踏段101の幅方向について、移動路R(乗降板T)の略中央付近に向かう方向(斜め方向)で、かつエスカレータ100の高さ方向について、利用者の胸部付近に向かう方向(斜め上方向)に検出光を発光する。
乗込確認センサ119は、前述したように投光型のセンサであり、例えば、右側のスカートガードパネル114に投光部が配置され、移動路Rを挟んで左側のスカートガードパネル114に受光部が配置されている。投光部から発光された検出光は、踏段101を横切り受光部にて受光される。踏段101に乗った利用者によって検出光が遮られた場合に、検出光の未到達に基づき利用者がエスカレータ100に乗り込んだことを検出する。
また、乗降口(上階側乗降口UE、下階側乗降口DE)には音声案内を行うスピーカが設置されており、制御盤130からの出力信号に対応する音声案内を流す。
制御盤130は、エスカレータ全体を制御し、選択された運転モードで運転する。例えば制御盤130は、エスカレータ1に関する操作スイッチから制御信号を受け付けて選択された運転モードで運転する。また、制御盤130は自動切替装置150から制御信号を受け付けて運転の切り替えを行う。例えば制御盤130は、断続運転モードまたは連続運転モードでエスカレータを運転制御する。断続運転は自動運転とも呼んでいる。制御盤130は、自動運転モードでは利用客をセンサで検知し、上り方向(または下り方向)の運転を起動して利用客を上り方向(または下り方向)へ輸送する。利用客の輸送が終わると、一定時間後に運転を停止する。また制御盤130は、連続運転モードでは、一度運転を起動すると、その後は上り方向(または下り方向)へ連続で運転し続ける。また制御盤130は、運転速度の切り替えを受け付けると、減速機107を制御し、速度を安全な加速度で低速(または高速)に切り替える。また、制御盤130は、上り運転と下り運転とを入れ替える場合、音声案内をスピーカから流す。また、制御盤130は、緊急停止信号を受け付けるとブレーキ機構140を使ってブレーキをかけて緊急停止する。
自動切替装置150は、通信機能を有し、通信先から得られた情報に基づいて制御盤130の運転の自動切替を行う。
図3は、自動切替装置150のハードウェア構成の一例を示す図である。図3の自動切替装置150は、制御部151と、メモリ152と、ネットワークIF153と、IF154とを有し、各部はバスを介して接続されている。
制御部151は、CPU(Central Processing Unit)などによって構成され、自動切替装置150全体を制御する。例えば制御部151は制御プログラムに従い、自動切替装置150の各部を制御し、経時変化情報2の取得や運転の自動切替などを行う。
メモリ152は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などにより構成されたメモリである。メモリ152は、制御部151のワーク領域などに利用される。例えば、メモリ152は、取得された経時変化情報2を一時的に記憶する領域や、経時変化情報2を処理する処理領域などに利用される。
ネットワークIF153は、ネットワークN1に接続するためのインタフェース回路である。ネットワークIF153は、エスカレータ100が設置される設備内(駅、店舗、施設など)に配設されているネットワーク機器(無線ルータ等)に有線LAN接続または無線LAN接続して経時変化情報2の提供元から経時変化情報2を取得する。
IF154は、制御盤130と通信するインタフェース回路である。制御部151はIF154を介して制御盤130に所定の制御信号を送信することによりエスカレータ100の運転切替を指示する。また、各種センサやスピーカについては図示を省略しているが、制御部151は、IF154を介して制御盤130の最新の運転の設定や人感センサの検知信号などを検出する。
(運行情報に基づく自動切替)
エスカレータ100が駅などに設けられた場合、エスカレータ100の自動切替装置150は、自装置が配置されている駅名やホームなどの属性を予め登録しておいたり、管理者により後から入力により受け付けたりすることにより自装置の属性に対応する列車の運行情報を取得する。また、運行情報を一括して取得し、その中から自装置に対応する情報を駅名やホームなどにより抽出して活用してもよい。
図4~図7は、エスカレータ100の自動切替装置150が行う自動切替の具体的な処理の一例を示す図である。一例として列車の到着時刻や出発時刻に応じてエスカレータ100の運転の制御を行う場合の処理について示している。図4は、運行情報に応じて運転モードを自動切替する処理の説明図である。図5~図7は、複数パターンの運転制御のフロー図である。
図4に、1番ホームに設置されているエスカレータ100の自動切替装置150により取得された運行情報200を示している。運行情報200には一例として、1番ホームにおける列車の「行先」の情報、「到着時刻」の情報、「出発時刻」の情報、さらにリアルタイム性のある情報として「遅延」の情報が取得されたものを示している。つまり一例に示す運行情報200は、リアルタイム性のある発着情報になっている。「運休」になった列車については、この例では運行情報200から消去を行うなどして既に除外した。本実施形態においては、運行情報200は、Webサイトで公開されている情報とする。運行情報200を公開している事業者は、当該交通機関の事業者でも良いし、交通機関に関する情報を提供している事業者であっても良い。つまり、運転制御装置1の管理者が情報を生成せずとも、交通機関の状況に応じたエスカレータ100の自動制御を実現できる。
自動切替装置150は、現在時刻161と、運行情報200で示された、エスカレータ100が設けられた駅における列車の発着時刻と、を比較部162で比較し、比較結果に基づいて、当該列車の利用客が乗り降りする対象となるエスカレータ100の運転の切り替えを、制御盤130に指示する。また、自動切替装置150は、列車に遅延がある場合には駅に列車が遅れて停止する時間情報(到着時刻や、出発時刻など)を考慮して切替を行う。例えば到着時刻と出発時刻を遅延部163で遅延時間の分だけ遅らせて現在時刻161と比較する。図4の運行情報200に示す2分遅れの列車については、到着時刻を「13:37」から「13:39」に遅らせ、出発時刻を「13:39」から「13:41」に遅らせる。
運転の切り替えは目的により様々なパターンがある。このため、それぞれの目的により適宜設定してよい。例えば省エネを目的として自動運転を連続運転に切り替えるといった場合の切り替えパターンや、乗り遅れの防止または駆け込みの防止を目的として運転速度を切り替えるといった場合の切り替えパターンや、ホームと改札間の移動人数に応じて運転方向を切り替えるといった場合の切り替えパターンなどがある。以下では一例としてこれら3パターンの各制御の例を示す。
(第1のパターン)
図5は、自動運転と連続運転とを切り替える運転制御の一例を示すフロー図である。まず、エスカレータ100は自動運転モードによる運転を行う(ステップS1)。
エスカレータ100の自動運転中に自動切替装置150が列車の運行情報を取得する(ステップS2)。
自動切替装置150は、列車の運行情報に基づきX分(X=1、2、・・・)以内に列車が到着するかを判定する(ステップS3)。X分は例えば2分とする。自動切替装置150は、X分以内に到着する列車がない場合(ステップS3:No)、所定時間後に再度ステップS3を実行し、X分以内に列車が到着するかを判定する。
自動切替装置150は、X分以内に到着する列車がある場合(ステップS3:Yes)、制御盤130に制御信号を送信し、エスカレータ100の運転モードを連続運転モードに切り替える(ステップS4)。
その後、列車が到着し(ステップS5)、列車の停止中に(ステップS6)、自動切替装置150は、その列車が出発時刻になったかを判定する(ステップS7)。この判定は列車の運行情報等に基づいて行う。自動切替装置150は、その列車が出発時刻になっていないと判定した場合(ステップS7:No判定)、ステップS6の列車の停止中において、所定時間後に再度ステップ7を実行し、その列車が出発時刻になったかを判定する。
自動切替装置150は、その列車が出発時刻になり(ステップS7:Yes)、列車が発車すると(ステップS8)、その列車の発車から一定時間が経過したかを判定する(ステップS9)。自動切替装置150は、その列車の発車から一定時間が経過していない場合(ステップS9:No)、所定時間後に再度ステップS9を実行し、その列車の発車から一定時間が経過したかを判定する。
自動切替装置150は、その列車の発車から一定時間が経過すると(ステップS9:Yes)、制御盤130に制御信号を送信し、エスカレータ100の運転モードを自動運転モードへと切り替える(ステップS10)。その後はステップS1から同様の処理を繰り返し行う。なお、ここでは時間をX分としているが単位は一例である。単位をX秒区切りにしてもよい。また、X分の一例を2分としたが、エスカレータ100の設置場所により1分や3分などの任意の時間に設定してよい。
(第2のパターン)
図6は、一時的に高速運転または低速運転にする場合の運転制御の一例を示すフロー図である。まず、エスカレータ100は予め設定された通常速度での運転を行う(ステップS11)。運転モードは連続運転でも自動運転でもよいものとする。エスカレータ100の運転中に自動切替装置150が列車の運行情報を取得する(ステップS12)。
列車が到着すると(ステップS13)、自動切替装置150は、列車の運行情報に基づき、その列車が出発時刻のY分前(Y=1、2、・・・)かを判定する(ステップS14)。時間の単位はY秒であってもよい。Y分は一例として2分とするが、エスカレータ100の設置場所により任意に時間を設定してよいものとする。
続いて自動切替装置150は、その列車が出発時刻のY分前ではないと判定した場合(ステップS14:No)、所定時間後に再度ステップS14を実行し、その列車が出発時刻のY分前かを判定する。自動切替装置150は、その列車が出発時刻のY分前になると(ステップS14:Yes)、制御盤130に制御信号を送信し、エスカレータ100の運転速度を切り替える(ステップS15)。ここで一例として設定速度まで加速度0.1m/s2で上昇させる。
その後、自動切替装置150は、その設定速度を維持し(ステップS16)、列車が発車すると(ステップS17)、その列車の発車から一定時間が経過したかを判定する(ステップS18)。自動切替装置150は、その列車の発車から一定時間が経過していない場合(ステップS18:No)、所定時間後に再度ステップS18を実行し、その列車の発車から一定時間が経過したかを判定する。
自動切替装置150は、その列車の発車から一定時間が経過すると(ステップS18:Yes)、制御盤130に制御信号を送信し、エスカレータ100の運転を元の設定速度に切り替える(ステップS19)。このフローはステップS15において高速に切り替えているので、低速の設定速度まで減速度0.1m/s2で下降させる。エスカレータ100は運転を低速へ切り替えた後はステップS11から同様の処理を繰り返し行う。なお、ステップS15で高速側に切り替えて、ステップS19で低速側に戻す一例を説明したが、反対にステップS15で低速側に切り替えて、ステップS19で高速側に戻すようにする設定としてもよい。
(第3のパターン)
図7は、運転方向を切り替える場合の運転制御の一例を示すフロー図である。まず、エスカレータ100は改札階からホーム方向への運転(ここでは一例として上り運転とする)を行う(ステップS21)。エスカレータ100の上り運転中に自動切替装置150が列車の運行情報を取得する(ステップS22)。
自動切替装置150は、列車の運行情報に基づき、列車の到着時刻のZ分以内かを判定する(ステップS23)。時間の単位はZ秒であってもよい。Z分は一例として5分程度とするが、エスカレータ100の設置場所により任意に時間を設定してよいものとする。
続いて自動切替装置150は、列車の到着時刻のZ分以内ではないと判定した場合(ステップS23:No)、所定時間後に再度ステップS23を実行し、列車の到着時刻のZ分以内かを判定する。自動切替装置150は、列車の到着時刻のZ分以内になると(ステップS23:Yes)、制御盤130に制御信号を送信し、制御盤130が利用者がいるかを判定する(ステップS24)。例えばエスカレータ100に乗車中の利用者や、これから乗車しようと入場する利用者をセンサにより検知する。
エスカレータ100の利用者がいる場合(ステップS24:Yes)、制御盤130は、上り方向から下り方向へ運転方向を変えるため退出を促すアナウンスを流し(ステップS25)、利用者が退出するまで一定時間待機する(ステップS26)。
一定時間後に利用者が検知されなくなると、制御盤130は、利用者がいないと判定し(ステップS24:No)、停止前アナウンスを流す(ステップS27)。そして、制御盤130は、エスカレータ100を安全な減速度0.1m/s2で緩やかに停止する(ステップS28)。
続いて制御盤130は、下り運転の起動アナウンスを流し(ステップS29)、安全な加速度0.1m/s2で緩やかにエスカレータの下り運転を起動して(ステップS30)、下り運転を行う(ステップS31)。
その後、列車が到着し(ステップS32)、その乗客を下り方向へ輸送する(ステップS33)。自動切替装置150は、利用者を下り方向へ輸送する運転を行っている間、その列車の到着から一定時間が経過したかを判定する(ステップS34)。自動切替装置150は、その列車の到着から一定時間が経過していない場合(ステップS34:No)、利用者を下り方向へ輸送する運転中にステップS34を実行し、その列車の到着から一定時間が経過したかを判定する。
自動切替装置150は、その列車の到着から一定時間が経過すると(ステップS34:Yes)、制御盤130に制御信号を送信し、制御盤130がエスカレータ100の利用者がいるかを判定する(ステップS35)。エスカレータ100の利用者がいる場合(ステップS35:Yes)、制御盤130は、下り方向から上り方向へ運転方向を変えるための退出を促すアナウンスを流し(ステップS36)、利用者が退出するまで一定時間待機する(ステップS37)。
一定時間後に利用者が検知されなくなると、制御盤130は、利用者がいないと判定し(ステップS35:No)、停止前アナウンスを流す(ステップS38)。そして、制御盤130は、エスカレータ100を安全な減速度0.1m/s2で緩やかに停止する(ステップS39)。
続いて制御盤130は、上り運転の起動アナウンスを流し(ステップS40)、安全な加速度0.1m/s2で緩やかにエスカレータの上り運転を起動し(ステップS41)、その後はステップS21から同様の処理を繰り返し行う。
本実施形態では、駅に設置される乗客コンベアに運転制御装置1を適用した例を示した。駅では主に列車が発着する時間に応じて乗客コンベアの利用ニーズが変わる。このため、経時変化情報2として運行情報(この例ではリアルタイム性のある運行情報)を使用し、一例として3つのパターンの運転切替を説明した。列車の発着情報や遅延情報などから事前に輸送対象を予測することができるので、環境の変化に合わせてきめ細やかな即時性のある制御が可能になる。
例えば第1のパターンでは、列車の到着の数分前から列車の出発後まで到着ホームのエスカレータを自動運転から連続運転に自動で切り替える制御を行う。このため、第1のパターンでは、列車の往来がない時間帯はエスカレータ100を自動運転にすることができ、エネルギー消費量を節約することができる。
また、第2のパターンでは、列車の出発前の数分前から列車の出発後まで到着ホームのエスカレータ100の運転速度を低速から高速に自動で切り替える制御を行う。このため第2パターンでは、列車の出発に乗り遅れそうな乗客を出発に十分に間に合うように輸送することが可能になる。例えば、列車の出発に遅れそうになると、利用客はエスカレータ100を歩いて下りたり走って下りたりするが、運転速度を上げることで利用客に安全にエスカレータ100を利用させることが可能になる。
なお、この例では列車の出発前に高速運転に自動で切り替える例を示したが、エスカレータ100の設置場所やケースによっては駆け込み乗車に繋がる可能性もある。このため、駆け込みを防止する場合には、低速運転に自動で切り替える制御により輸送を遅らせるようにしてもよい。この場合、低速運転の速度は、元が低速運転であった場合にはより低速の設定の運転としてもよい。
また、一般的には、列車の出発前はホームに向かう乗客の数が増加し、出発後は改札口に向かう乗客の数が増加する。このため、第3のパターンでは、列車の出発前にはホームに向かう方向への運転を行い、出発後には改札口に向かう方向への運転を行うように自動で切り替える制御を行っている。このようにエスカレータ100の運転方向を適宜切り替えることにより、より多くの乗客を輸送することが可能になる。
なお、本実施形態ではエスカレータを例に乗客コンベアでの適用を説明したが、エレベータや歩く歩道についても同様である。また、ホームに設置された1台のエスカレータにおける制御を説明したが、複数のエスカレータや、その他にもエレベータや歩く歩道などが1つの駅に設置される場合も多い。その場合にも、それぞれの設置位置ごとにX分等の待ち時間を長く調整するなどして各乗客コンベアの切替を制御する。X分等の時間の調整は、乗客コンベアごとに個別に設定しておいてもよいし、各乗客コンベアが通信するなどして、各乗客コンベアの時間の調整を連携して行ってもよい。
また、本実施形態では、自動切替装置150と制御盤130とをIF154で接続して自動切替装置150の指示により制御盤130の運転を切り替える例を示しているが、制御盤130に自動切替装置150の機能を組み込んでもよい。例えば、制御盤130のCPUにより自動切替装置150に対応する機能を実現させてもよい。
(変形例1)
第1の実施形態に示す運転制御装置1は、その他、混雑情報に応じて乗客コンベアの運転制御を行ってもよい。例えば、駅によっては時間帯に応じて利用者がほとんどいなかったり、一方で利用者が集中したりすることもある。そのような場合に、混雑情報を優先させて乗客コンベアを運転制御してもよい。
図8は、変形例1にかかる、混雑情報に応じて運転モードを自動切替する処理の説明図である。混雑情報は、駅の利用人数を数値情報として取り扱える情報である。例えば、混雑情報は、携帯電話のキャリア会社から携帯電話やスマートフォンなどの移動端末の位置あるいは集計結果を取得して算出する。また、駅の乗客コンベアにおいて現在の利用人数をセンサで検出し、その情報を混雑情報として利用してもよい。利用人数を検出するセンサは、一例としては乗客コンベアの入場口に設けた人感センサや重さを計測するセンサなどである。その他にも、監視システムと連携し、監視カメラの画像などから利用人数を割り出してもよい。また、混雑情報は、利用人数が多い時間帯と利用人数が少ない時間帯を分けただけの情報であってもよい。混雑情報は、リアルタイム情報であるとより正確だが、予め一定期間の利用客の数を集計して曜日や時間帯などで分けて算出したものであっても一定の効果は見込める。
混雑情報を使用する場合、自動切替装置150は、例えば予め決めた閾値(利用客数が多いか少ないかを決める判定基準)164よりも利用客数が多い場合に連続運転モード(或いは高速運転)に切り替える。連続運転と高速運転とを共に切り替えてもよい。なお、基準を複数、例えば2段階設けておき、一つ目の最大人数の基準を上回っている場合には運転を停止させて、一つ目の最大人数を下回り、二つ目の設定人数を上回る場合に連続運転や高速運転に切り替えるように設定してもよい。利用客が多すぎる場合には乗客コンベアの輸送能力の限界、つまり最大負荷を超える可能性があるため、運転を停止する。また、乗客コンベアの輸送能力の範囲内で高速運転にした場合には、利用者がホームや改札に留まる時間が減り、混雑を解消することが期待できる。
反対に、基準よりも利用客数が少ない場合には自動運転モード(或いは低速運転)に切り替える。自動運転と低速運転とを共に切り替えてもよい。なお、基準を例えば2段階設けておき、一つ目の基準を下回った場合は低速運転、もう一つの基準も下回った場合は自動運転モードに切り替えるように設定してもよい。
なお、変形例1に示すような混雑情報を使用した運転制御は、交通機関の運行に限らず、その他の店舗や施設などに設置される乗客コンベアへの適用も可能である。例えば、店舗や施設では時間帯によって利用者がほとんどいなかったり、一方で利用人数が集中したりする時間帯もある。そこで、店舗や施設などでは、その混雑情報に応じて乗客コンベアの運転制御を変えれば、混雑の解消や客の回転の向上につながることが期待される。
(変形例2)
第1の実施形態に示す運転制御装置1は、その他、気象情報に基づいて運転を切替制御してもよい。例えば、エスカレータ100が屋外に設置されている場合、寒冷地では気象条件により凍結して運転不能となることも考えられる。そこで、Webで提供されている気象予測データを取得し、気象予測データを使って運転を切り替える。
図9は、変形例2にかかる、気象情報に応じて運転モードを自動切替する場合の説明図である。図9に示すように気象予測データとして温度や湿度などの予測データを取得する。自動切替装置150は、これから先の予測データ(温度や湿度などの変動データ)と条件165を比較し、例えば夕方の気温と湿度が凍結の条件166に当てはまる場合に、所定時間前に運転モードを自動運転から連続運転に切り替えるように例えばタイマーなどを設定して切り替える。その他にも、翌日の朝が凍結の条件に当てはまる場合は、時間を指定して運転を起動し、例えば一定時間連続運転を行ったり、断続的に連続運転を行ったりするなどの制御を行うようにしてもよい。なお、気象情報を凍結の予測に利用したのは一例であり、これに限らず気象情報に対して条件を適宜設定して運転を制御してよい。
このように、変形例2にかかる運転制御装置1は気象予測データを使用するため、これからの環境の変化が予測でき、環境の変化に合わせた即時性のある制御が可能になる。
(変形例3)
第1の実施形態に示す運転制御装置1は、その他、緊急災害情報の発報に基づいて運転を切替制御するようにしてもよい。例えば、地震や火災が発生した場合に、他のいずれの運転モードよりも優先して乗客コンベアを緊急停止させる。
図10は、変形例3にかかる、緊急災害情報の発報に応じて運転を緊急時の運転に切り替える場合の説明図である。Webから発報される緊急災害情報を取得し、緊急災害情報に設置エリアが含まれている場合などに緊急時の運転に切り替える。乗客コンベア自体に地震などを感知すると緊急停止する仕組みはあるが、Web情報を利用すれば被害度に合わせた対応が可能になる。例えば、乗客コンベアで災害発生を感知することができない場合でもWeb情報から緊急災害エリアであることを検出し、被害に応じて緊急時の運転に切り替えることができる。具体的には、緊急災害地域の中で被害度をエリアごとに分け、条件166に、被害度が低いエリアに入っている場合は緊急時の運転として減速運転に切り替えたり、速度を段階的に落として安全に停止させたりするようなことを設定する。また、被害度が高いエリアでは、緊急停止を優先し、ブレーキをかけて緊急停止させることを設定する。このようにすることで、緊急の程度に応じて緊急時の制御を細かく分けることができる
このように、変形例3にかかる運転制御装置1は環境の変化に合わせた即時性のある制御が可能になる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、複数の乗客コンベアを集中管理する管理装置と乗客コンベアとを有する運転制御システムについて示す。
図11は、第2の実施形態にかかる運転制御システムの構成の一例を示す図である。図11に示す運転制御システムは、管理装置1-1と、複数の乗客コンベア(運転制御手段12-k(k=1、2、3、・・・)、運転制御対象14-k(k=1、2、3、・・・))を有する。
管理装置1-1は、コンピュータ構成の情報処理装置(サーバ装置)である。管理装置1-1は、複数の乗客コンベアとネットワークN2により接続され、各乗客コンベアをネットワークN2を介して集中管理する。例えば、管理装置1-1は、駅の各設備を管理する管理装置であり、駅構内に設置されているすべての乗客コンベアと有線LANまたは無線LANにより接続され、各乗客コンベアを集中管理する。
図11に示すように管理装置1-1は、取得手段11と自動切替手段13とを有する。管理装置1-1は、ネットワークN1に接続し、経時変化情報2(図1参照)をネットワークN1を介して取得する。そして、管理装置1-1は経時変化情報2の内容に基づき各乗客コンベアに対して制御信号を送信して運転を制御する。例えば、管理装置1-1は経時変化情報として駅のリアルタイムな運行情報200を取得し、各ホームに発着する列車のそれぞれの運行情報(1番ホームの運行情報200-1、2番ホームの運行情報200-2、3番ホームの運行情報200-3、・・・)に基づき、発着のあるホームに連絡する乗客コンベアのそれぞれの運転を切り替える。発着のあるホームに連絡する乗客コンベアの組み合わせについては後述する。切り替えは、対象の乗客コンベアにおいて同時に行ってもよいし、乗客コンベアごとにタイミングを変えてもよい。例えばホームと乗客コンベアの設置位置との距離に応じて切替のタイミングを早めたり、あるいはタイミングを遅らせたりすることも可能である。
第1の実施形態に示す運転制御手段12と運転制御対象14は、各乗客コンベアにそれぞれ運転制御手段12-k(k=1、2、3、・・・)、運転制御対象14-k(k=1、2、3、・・・)として含まれている。例えば乗客コンベアがエスカレータである場合、運転制御手段12はエスカレータを制御する制御盤130であり、運転制御対象14はエスカレータのモータなどの駆動部である。
図12は、運転制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。図12に示すように管理装置1-1は、制御部151と、メモリ152と、ネットワークIF153と送信部300を有し、各部はバスを介して接続されている。
制御部151は、CPUなどによって構成され、管理装置1-1全体を制御する。例えば制御部151は制御プログラムに従い、管理装置1-1の各部を制御し、経時変化情報2の取得や、各乗客コンベアの管理や、各乗客コンベアの運転の自動切替などを指示する。
メモリ152は、ROMやRAMなどにより構成されたメモリである。メモリ152は、制御部151のワーク領域などに利用される。例えば、メモリ152は、リアルタイムの運行情報200を処理する処理領域や、各乗客コンベアを管理する管理テーブルT1の記憶領域などに利用される。
ネットワークIF153は、ネットワークN1に接続するためのインタフェース回路である。
送信部300は、各乗客コンベアが接続されるネットワークN2に接続するための通信インタフェースを有する。ネットワークN2は、有線LANや無線LANであり、各乗客コンベアは、有線または無線でネットワークN2に接続されている。制御部151は送信部300を介して各乗客コンベアに制御信号を送信することにより各乗客コンベアが運転を切り替える。また、制御部151は、通信インタフェースを介して各乗客コンベアの最新の運転の設定や人感センサの検知信号などを受信できるようにしてもよい。
各乗客コンベアは、管理装置1-1からの制御信号を受信する受信部300-1、300-2、・・・を有する。受信部300-1、300-2、・・・はネットワークN2に接続して通信する通信インタフェースを有する。受信部300-1、300-2、・・・で受信した制御信号に基づき、対応する制御盤130-1、130-2、・・・が制御対象であるエスカレータ等の運転を切り替える。
図13は、管理テーブルT1の一例を示す図である。図13に示す管理テーブルT1は、発着ホーム毎に、対応する運行情報と乗客コンベアの識別情報とを紐づけている。図13には乗客コンベアの紐づけの一例としてホームに直接アクセスする1階エスカレータと、改札口から各ホームの1階エスカレータに乗り継ぐための2階の共通エスカレータ(2階改札エスカレータ)とを紐づけている。1階エスカレータは、1番ホームと2番ホームとで共通の1・2番ホームエスカレータ、3番ホームと4番ホームとで共通の3・4番ホームエスカレータなどを紐づける。2階エスカレータは、ホームに関係なく共通であるため、2階改札エスカレータとして示している。また、この例では改札と各ホーム間を輸送するエレベータも紐づけている。
さらに、タイミング調整量の項目も設けている。タイミング調整量は、ホームに距離が近いものほど不要(0秒)とし、ホームから距離が離れるに従い「要」として調整量を設定している。例えば、1番ホームに到着する列車が2分以内に到着するかを判定する場合、1階1・2番ホームエスカレータでは2分以内で判定し、2階改札エスカレータでは2分+2分=4分以内で判定する。つまり、2階改札エスカレータは列車到着の4分前に運転が自動で切り替えられ、1階ホームエスカレータは列車到着の2分前になってから運転が自動で切り替えられる。
各乗客コンベアの制御については、第1の実施形態で示した乗客コンベアでの制御とほぼ同様である。よって、説明の繰り返しになるため、これ以上の詳しい説明は省略する。
このように第2の実施形態では、管理装置が経時変化情報を集中的に管理し、管理範囲の各乗客コンベアの運転を制御する。なお、管理装置をもたず、乗客コンベア同士が通信を行って各乗客コンベアの運転を最適に制御してもよい。
本発明の実施形態および変形例を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。