JP7137505B2 - 研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法 - Google Patents

研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法 Download PDF

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本発明は、研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法に関する。本発明の研磨パッドは、光学材料、半導体ウェハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板等の研磨に用いられ、特に半導体ウェハの上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを研磨するのに好適に用いられる。
LSIなどの半導体デバイスの製造では、構造の微細化に伴いさらに繊細な研磨が要求されている。CMPが用いられるデバイスの製造工程は多岐にわたり、工程ごとに重視する性能が異なる。CMPによる研磨はいくつかの研磨工程からなり、例えば、STI工程(シャロートレンチ分離工程)、ILD膜、IMD膜の平坦化等の工程が含まれる。これらの研磨工程では、TEOS等の酸化膜と窒化珪素等の窒化膜とが積層された半導体基板等が研磨対象物として研磨される。すなわち、該半導体基板は、酸化膜の下層に窒化膜がストッパー層として積層されている。
STI研磨は、トランジスタ部と接する箇所を研磨するため、CMPプロセスの中でも欠陥の発生に最も敏感であり、研磨傷の抑制が特に重要となる。また、STIはデバイスの最下層であるため、この工程でのエロージョンやディッシングと呼ばれる局所的平坦性の制御が重要となる。
特許文献1には、デバイス表面の仕上げ用研磨パッドとして、スクラッチ等の研磨傷を与えにくい軟質なスウェードパッドが好適に使用されることが開示されている。
特開2010-149259号公報
CMP工程では、ディッシングやエロージョンは小さくして平坦化特性を向上させるとともに、CMP工程での研磨傷を小さくすることが重要になってきている。半導体デバイスの微細化によって今まで問題にならなかった傷が致命的な欠陥となるため、いかに傷を付けずに平坦化するかということは重要な課題となってくる。また、近年、微細な構造形成のための研磨では、もともと研磨量が少なく、研磨レートよりも加工の再現性を重視する場合もある。すなわち、ウェハ面内均一性、ウェハ間均一性、ロット間均一性等である。
本発明は、ディッシングやエロージョンを抑制し、さらに研磨傷の発生を抑制できる研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))、及び40℃における非晶相の緩和時間が特定の範囲にある研磨層を用いることで上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1] ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層は、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合において、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の成分の緩和時間が500~800μsである、前記研磨パッド。
[2] 20℃における非晶相の成分の含有割合(Aa20)に対する40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/Aa20)が1.5~3である、[1]に記載の研磨パッド。
[3] [1]又は[2]に記載の研磨パッドの製造方法であって、湿式成膜法を使用する工程を含む、前記方法。
[4] 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、[1]又は[2]に記載の研磨パッドを使用する工程を含む、前記方法。
[5] ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法であって、
前記研磨層について、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合に、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の緩和時間が500~800μsであるか否かを確認する工程を含む、前記評価方法。
[6] 20℃における非晶相の成分の含有割合(Aa20)に対する40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/Aa20)が1.5~3であるか否かを確認する工程を更に含む、[5]に記載の評価方法。
本発明の研磨パッドは、ディッシングやエロージョンを抑制し、さらに研磨傷の発生を抑制できる。
パルスNMRによる研磨パッドの構造解析方法を説明する図である。 本発明の研磨パッドの製造工程における塗布、凝固再生、洗浄・乾燥の工程を行う装置の一例を示す概略図である。 本発明の研磨パッドの一例の断面図を示す図である。 本発明の研磨パッドを用いた被研磨物の研磨方法を説明する図である。 実施例1及び2並びに比較例1で得られた研磨パッドのパルスNMRによる構造解析の結果(各成分の緩和時間)を示すグラフである。 実施例1及び2並びに比較例1で得られた研磨パッドのパルスNMRによる構造解析の結果(各成分の含有割合)を示すグラフである。 実施例1及び比較例1で得られた研磨パッドの断面を示す写真である。
(作用)
本発明では、研磨層として、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の緩和時間が500~800μsであるものを使用する。
本発明者らは、予想外にもAa40/(Ai40+Ac40)が2~10であり、40℃における非晶相の緩和時間が500~800μsである研磨層を用いることにより、ディッシングやエロージョンを抑制し、さらに研磨傷の発生を抑制できることを見出した。これらの特性が得られる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
研磨パッドによる研磨について、研磨開始初期の研磨パッドの研磨面の温度は室温(約20℃)付近であるが、研磨中期から後期の研磨面の温度は摩擦熱等に起因して40℃付近にまで上昇する。
Aa40/(Ai40+Ac40)は、研磨中期から後期の研磨面の温度(約40℃)における非晶相の成分の割合に対応しており、非晶相の成分の割合はポリウレタン樹脂における分子鎖が拘束されず動きやすい領域(ソフトセグメント成分)の割合を意味していると考えられる。本発明の研磨パッドにおいては、界面相と結晶相とを合わせた含有割合に対し、非晶相の含有割合が2倍以上大きく、分子鎖が拘束されず動きやすい領域が多くを占めており、分子鎖が拘束されていて動きにくい領域(界面相と結晶相の合計)が全体の33%よりも小さい。そのため、本発明の研磨パッドは、研磨傷を与えることなく研磨が可能になると考えられる。
また、非晶相の成分はソフトセグメント成分に対応するものと考えられ、非晶相の緩和時間が大きいと、緩和時間が小さいものに比べて、非晶相の運動性が大きいことを意味する。本発明の研磨パッドにおいては、非晶相の成分の緩和時間が500~800μsであることにより、凸部を選択的に研磨し、凹部の研磨を抑制することができ、例えば、酸化膜を研磨して窒化膜で止めなくてはならないSTI工程において、窒化膜に対して酸化膜の研磨選択性を高めることができる。一般的に、ディッシングやエロージョンはパッドの剛性と相関があり、パッドが硬いほどディッシングやエロージョン特性が向上する。緩和時間が500~800μsの範囲であると、本発明よりも剛性が大きいパッドの緩和時間と同程度の運動性を有しており、適度な伸長回復性を持つため、凹部凸部を有する研磨面の凹部に対する沈み込みが抑制されディッシングやエロージョンを抑制できるものと思われる。Aa40/(Ai40+Ac40)が1以上2未満であるような、本発明よりも剛性が大きいパッドでは、緩和時間が500~800μsであって凹部に対する沈み込みが抑制されていても凹部に接した際の研削力が勝りディッシングやエロージョンは悪化すると考えられる。
(パルスNMRによる構造解析)
パルスNMRでは、パルスに対する応答信号を検出することで定量性に優れるFID信号を得ることができる。このため、ポリウレタン樹脂の相分離構造を解析することができる。FID信号の初期値は測定試料中のプロトンの数に比例しており、測定試料に複数の成分があれば、FID信号は各成分の応答信号の和となる。各成分の運動性に差があると、応答信号の減衰の速さが異なりスピン-スピン緩和時間T2が異なるため、これらを分離して各成分の緩和時間T2と成分割合Rとを求めることができる。成分の運動性が小さくなるほど緩和時間T2が短くなり、運動性が大きくなるほど緩和時間T2が長くなる。換言すれば、緩和時間T2が短くなるほど結晶性が大きくなり、緩和時間T2が長くなるほど非晶性が大きくなる。
図1に示すように、ポリウレタン樹脂のパルスNMRで得られるFID信号は、曲線Dで示される。曲線Dから、最小二乗法により緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することで、曲線H、曲線S、曲線Iで示される3つの成分に分けることができる。曲線Sで示される緩和時間T2の長い成分が非晶相に相当し、曲線Hで示される緩和時間T2の短い成分が結晶相に相当する。曲線Sと曲線Hとの間の曲線Iで示される成分が界面相に相当する。ポリウレタン樹脂では、運動性の大きなソフトセグメントで形成される非晶相の成分割合が圧縮弾性率と相関し、運動性の小さなハードセグメントで形成される結晶相の成分割合がA硬度と相関する。このため、非晶相の成分割合を大きくすれば圧縮弾性率を大きくすることができ、結晶相の成分割合を大きくすればA硬度を大きくすることができる。
以下、本発明の研磨パッド、研磨パッドの製造方法、光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、及び研磨パッドの評価方法について、説明する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「A~B」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値であるA及びBを含むものとする。
(研磨パッド)
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、前記研磨層は、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合において、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の成分の緩和時間が500~800μsである。
Aa40/(Ai40+Ac40)は、2~10であり、6~9.5が好ましく、7~9がより好ましい。40℃における非晶相の成分の緩和時間は、500~800μsであり、620~780μsが好ましく、650~750μsがより好ましい。Aa40/(Ai40+Ac40)及び40℃における非晶相の成分の緩和時間が上記数値範囲内にあると、ディッシングやエロージョンを抑制し、さらに研磨傷の発生を抑制できる研磨パッドが得られる。
Aa40は、70~95%が好ましく、75~95%がより好ましく、80~95%が最も好ましい。Ai40は、1~10%が好ましく、2~8%がより好ましく、3~7%が最も好ましい。Ac40は、1~10%が好ましく、2~8%がより好ましく、3~7%が最も好ましい。
Aa40/(Ai40+Ac40)が2~10であるポリウレタン樹脂(研磨層)は、研磨層に使用するポリウレタン樹脂の100%樹脂モジュラス(MPa)を7MPa以下とすることにより得られる。このようなモジュラスの小さいポリウレタン樹脂は、通常はよく伸び、加えた力を解放した後の戻りが遅いが、本願のポリウレタン樹脂では、40℃における非晶相の成分の緩和時間を500~800μsとすることにより、100%モジュラスが5MPaよりも大きいポリウレタン樹脂と同じ程度の分子運動性を持たせている。40℃における非晶相の成分の緩和時間をこのような範囲とすることにより、低モジュラスでありながら、加えた力を解放した後の戻り性を上げることができ、研磨パッドの応答性が向上し、段差性能の向上によりディッシングやエロージョンを抑制することができる。
研磨層に含まれるポリウレタン樹脂の100%樹脂モジュラスは、1~7MPaが好ましく、1.5~6MPaがより好ましい。ポリウレタン樹脂の100%樹脂モジュラスは、樹脂の硬さを表す指標であり、無発泡の樹脂シートを100%伸ばしたとき(元の長さの2倍に伸ばしたとき)に掛かる荷重を断面積で割った値である。100%樹脂モジュラスは、樹脂溶液を薄く引き延ばし熱風乾燥し、200μm程度の厚みの乾式フィルムを作製後、しばらく養生したのち、測定部の全長90mm、両端部幅20mm、つかみ具間距離50mm、平行部幅10mm、厚さ200μmのダンベル状に試料を打ち抜き、測定試料を万能材料試験機テンシロン(株式会社エイ・アンド・デイ製テンシロン万能試験機「RTC-1210」)を用いて、20℃(±2℃)、湿度65%(±5%)の雰囲気下で、引っ張り速度100mm/分で引っ張り、100%伸長時(2倍延伸時)の張力を試料の初期断面積で割ることにより求める。なお、樹脂モジュラスの測定は、ポリウレタン発泡シートをN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)で溶解し、低濃度のポリウレタン樹脂DMF溶液を得たのち、キャスト法によりDMFを気化させ無発泡の樹脂シートを形成することで測定することもできる。
研磨層に含まれるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、100000~200000が好ましく、110000~160000がより好ましく、120000~140000が最も好ましい。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、後述する方法によりゲル浸透クロマトグラフィーにより測定することができる。
40℃における非晶相の成分の緩和時間の調整は、ポリマージオールの種類や分子量を調整したり、鎖伸長剤や末端封止剤の量を調整したりして製造することができる。
本発明の研磨パッドは、20℃における非晶相の成分の含有割合(Aa20)に対する40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/Aa20)が1.5~3であることが好ましく、1.8~2.8がより好ましく、2~2.5が最も好ましい。
Aa40/Aa20が上記数値範囲内にあることにより、研磨初期における低温時(約20℃)には、界面相の成分の割合が多く、分子鎖が拘束された領域が大きい。これにより研磨パッドの弾性が向上し立ち上がり性向上に寄与すると考えられる。また、研磨中期から後期において研磨パッドの温度が上昇すると(約40℃)、非晶相の成分割合が十分に大きくなるため、研磨傷を低減できると考えられる。
Aa20は、25~60%が好ましく、30~50%がより好ましく、35~45%が最も好ましい。
20℃における界面相の成分の含有割合は、30~55%が好ましく、35~53%がより好ましく、40~50%が最も好ましい。20℃における結晶相の成分の含有割合は、5~20%が好ましく、8~18%がより好ましく、10~15%が最も好ましい。
20℃における非晶相の成分の緩和時間は、800~1300μsが好ましく、900~1250μsがより好ましく、1000~1200μsが最も好ましい。20℃における界面相の成分の緩和時間は、100~300μsが好ましく、150~280μsがより好ましく、180~250μsが最も好ましい。20℃における結晶相の成分の緩和時間は、10~30μsが好ましく、15~28μsがより好ましく、18~25μsが最も好ましい。
40℃における界面相の成分の緩和時間は、10~50μsが好ましく、15~40μsがより好ましく、20~35μsが最も好ましい。40℃における結晶相の成分の緩和時間は、5~30μsが好ましく、10~25μsがより好ましく、15~20μsが最も好ましい。
(ポリウレタン樹脂組成物)
本発明の研磨パッドのポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール、ポリアミンなどの硬化剤を反応させて得られ、鎖延長剤を使用することもできる。結晶相(ハードセグメント)はイソシアネート化合物及び鎖延長剤に由来する構造単位から構成され、非晶相(ソフトセグメント)は比較的自由度が高い脂肪族有機基を有するポリオールやジアミンに由来する構造単位から構成される。
ポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とポリオールをあらかじめ反応させて高分子量化したプレポリマーの形で使用することができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート:ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリオール(高分子ジオール)としては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらの高分子ジオールは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、研磨傷の低減の観点から、ポリエーテルジオールを使用することが好ましい。
ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)などが挙げられる。これらのポリエーテルジオールは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルジオールとしては、例えば、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物等のエステル形成性誘導体と低分子ジオールとを直接エステル化反応またはエステル交換反応させることにより製造できる。
ポリエステルジオールを構成するジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2-メチルコハク酸、2-メチルアジピン酸、3-メチルアジピン酸、3-メチルペンタン二酸、2-メチルオクタン二酸、3,8-ジメチルデカン二酸、3,7-ジメチルデカン二酸等の炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;等が挙げられる。これらのジカルボン酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルジオールを構成する低分子ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオール;等が挙げられる。これらの低分子ジオールは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。低分子ジオールの炭素数としては、例えば、6以上12以下が挙げられる。
鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオール化合物、水などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(その他の成分)
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、添加剤を含むことができる。添加剤は、好ましくは、成膜助剤、発泡抑制助剤からなる群より選択される。
成膜助剤としては、疎水性活性剤等が挙げられる。疎水性活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコンなどのノニオン系界面活性剤や、アルキルカルボン酸などのアニオン系界面活性剤が挙げられる。
発泡抑制助剤としては、親水性活性剤等が挙げられる。親水性活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、燐酸エステル塩等のアニオン界面活性剤やセルロースエステルが挙げられる。
成膜助剤を添加剤として添加する場合には、0.2~10質量%であることが好ましい。発泡抑制助剤を添加剤として添加する場合には、0.2~10質量%であることが好ましい。
(ポリウレタン樹脂組成物の重合反応)
ポリウレタン樹脂は、上述したポリウレタン樹脂組成物を重合させることにより製造できる。すなわち、有機溶剤中で前記重合反応を行う方法等が挙げられる。
上記の反応条件で得られたポリウレタン樹脂は、DMFなどの溶媒に混合してから、図2に示すような成膜装置に供給され、ポリウレタンシートに成形される。
(研磨パッドの製造方法)
本発明の研磨パッドの製造方法は、上述の研磨パッドの製造方法であって、湿式成膜法を使用する工程を含む。
以下、図面を参照して、本発明の研磨パッドの製造方法について説明する。
図3に本発明の研磨パッドの一例の断面図を示す。本発明の研磨パッド1は湿式成膜法により製造された軟質プラスチックフォームとしてのポリウレタンシート2を有している。ポリウレタンシート2は、研磨面P側が、ポリウレタンシート2の厚さ(図3の縦方向の長さ)がほぼ一様となるようにバフ処理されている(詳細後述)。
ポリウレタンシート2は、湿式成膜法で表面側に形成されたスキン層がバフ処理により除去されている。バフ処理により、被研磨物を研磨加工するための研磨面Pが構成されている。ポリウレタンシート2の内部には、ポリウレタンシート2の厚さ方向に沿って丸みを帯びた断面略三角状の発泡3が形成されている。発泡3の空間体積は、研磨面P側の大きさが、研磨面Pの裏面側より小さく形成されている。発泡3同士の間のポリウレタン樹脂中には、発泡3より小さな空間体積を有する微発泡が形成されている。発泡3及び微発泡は、連通孔で立体網目状につながっている。
また、研磨パッド1は、アクリル系接着剤を用いて基材8(厚み188μmのポリエチレンテレフタレート樹脂シート)と、バフ処理済のポリウレタンシート2のバフ処理した面とは反対側の面とが貼り合わされている。基材8のポリウレタン樹脂シートと貼り合わされている面とは反対側の面に、研磨機に研磨パッド1を装着するための両面テープが貼り合わされている。両面テープは、他面側(基材8と反対側)の接着剤層が剥離紙で覆われている。
湿式成膜法によりポリウレタンシート2を作製し、基材8を貼り合わせる。すなわち、湿式成膜法では、ポリウレタン樹脂を有機溶媒に溶解させたポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液に浸漬することでポリウレタン樹脂をフィルム状に凝固再生させ、洗浄後乾燥させて帯状(長尺状)のポリウレタンシート2を作製する。以下、工程順に説明する。
準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒のN,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)及び添加剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。例えば、ポリウレタン樹脂が30重量%の濃度となるようにDMFに溶解させる。添加剤としては、発泡3の大きさや量(個数)を制御するため、発泡を促進させる親水性活性剤及びポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。得られた溶液を濾過することで凝集塊等を除去した後、真空下で脱泡してポリウレタン樹脂溶液を得る。
塗布工程、凝固再生工程及び洗浄・乾燥工程では、準備工程で得られたポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液に浸漬することでポリウレタン樹脂を凝固再生させ、洗浄後乾燥させてポリウレタンシート2を得る。塗布工程、凝固再生工程及び洗浄・乾燥工程は、例えば、図2に示す成膜装置で連続して実行される。
図2に示すように、成膜装置60は、成膜基材の不織布や織布を前処理する、水又はDMF水溶液(DMFと水との混合液)等の前処理液15が満たされた前処理槽10、ポリウレタン樹脂を凝固再生させるための、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液25が満たされた凝固槽20、凝固再生後のポリウレタン樹脂を洗浄する水等の洗浄液35が満たされた洗浄槽30及びポリウレタン樹脂を乾燥させるためのシリンダ乾燥機50を連続して備えている。
前処理槽10の上流側には、成膜基材43を供給する基材供給ローラ41が配置されている。前処理槽10は、成膜基材43の搬送方向と同じ長手方向の略中央部の内側下部に一対のガイドローラ13を有している。前処理槽10の上方で、基材供給ローラ41側にはガイドローラ11、12が配設されており、凝固槽20側には前処理した成膜基材43に含まれる過剰な前処理液15を除去するマングルローラ18が配置されている。マングルローラ18の下流側には、成膜基材43にポリウレタン樹脂溶液45を略均一に塗布するナイフコータ46が配置されている。ナイフコータ46の下流側で凝固槽20の上方にはガイドローラ21が配置されている。
凝固槽20には、洗浄槽30側の内側下部にガイドローラ23が配置されている。凝固槽20の上方で洗浄槽30側には凝固再生後のポリウレタン樹脂を脱水処理するマングルローラ28が配置されている。マングルローラ28の下流側で洗浄槽30の上方にはガイドローラ31が配置されている。洗浄槽30には、成膜基材43の搬送方向と同じ長手方向で上部に4本、下部に5本のガイドローラ33が上下交互となるように配設されている。洗浄槽30の上方でシリンダ乾燥機50側には、洗浄後のポリウレタン樹脂を脱水処理するマングルローラ38が配置されている。シリンダ乾燥機50には、内部に熱源を有する4本のシリンダが上下4段に配設されている。シリンダ乾燥機50の下流側には、乾燥後のポリウレタン樹脂を(成膜基材43と共に)巻き取る巻取ローラ42が配置されている。なお、マングルローラ18、28、38、シリンダ乾燥機50及び巻取ローラ42は、図示を省略した回転駆動モータに接続されており、これらの回転駆動力により成膜基材43が基材供給ローラ41から巻取ローラ42まで搬送される。成膜基材43の搬送速度は、例えば、2.5m/minに設定されており、1.0~5.0m/minの範囲で設定されることが好ましい。
成膜基材43に不織布又は織布を用いる場合は、成膜基材43が基材供給ローラ41から引き出され、ガイドローラ11、12を介して前処理液15中に連続的に導入される。前処理液15中で一対のガイドローラ13間に成膜基材43を通過させて前処理(目止め)を行うことにより、ポリウレタン樹脂溶液45を塗布するときに、成膜基材43内部へのポリウレタン樹脂溶液45の浸透が抑制される。成膜基材43は、前処理液15から引き上げられた後、マングルローラ18で加圧されて余分な前処理液15が絞り落とされる。前処理後の成膜基材43は、凝固槽20方向に搬送される。なお、成膜基材43としてPET製等の可撓性フィルムを用いる場合は、前処理が不要のため、ガイドローラ12から直接マングルローラ18に送り込むようにするか、又は、前処理槽10に前処理液15を入れないようにしてもよい。以下、本例では、成膜基材43をPET製フィルムとして説明する。
塗布工程では、準備工程で調製したポリウレタン樹脂溶液45が常温下でナイフコータ46により成膜基材43に略均一に塗布される。このとき、ナイフコータ46と成膜基材43の上面との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液45の塗布厚さ(塗布量)を調整する。
凝固再生工程では、ナイフコータ46でポリウレタン樹脂溶液45が塗布された成膜基材43が、ガイドローラ21からガイドローラ23へ向けて凝固液25中に導入される。凝固液25中では、まず、塗布されたポリウレタン樹脂溶液45の表面に厚さ数μmのスキン層4が形成される。その後、ポリウレタン樹脂溶液45中のDMFと凝固液25との置換の進行によりポリウレタン樹脂が成膜基材43の片面に凝固再生する。このポリウレタン樹脂の凝固再生は、ポリウレタン樹脂溶液45が塗布された成膜基材43が凝固液25中に進入してからガイドローラ23に到る間に完了する。DMFがポリウレタン樹脂溶液45から脱溶媒するときに、ポリウレタン樹脂中に発泡3が形成される。このとき、PET製フィルムの成膜基材43が水を浸透させないため、ポリウレタン樹脂溶液45の表面側で脱溶媒が生じて成膜基材43側が表面側より大きな発泡3が形成される。凝固再生したポリウレタン樹脂は、凝固液25から引き上げられ、マングルローラ28で余分な凝固液25が絞り落とされた後、ガイドローラ31を介して洗浄槽30に搬送され洗浄液35中に導入される。
洗浄・乾燥工程では、洗浄液35中に導入されたポリウレタン樹脂をガイドローラ33に上下交互に通過させることによりポリウレタン樹脂が洗浄される。洗浄後、ポリウレタン樹脂は洗浄液35から引き上げられ、マングルローラ38で余分な洗浄液35が絞り落とされる。その後、ポリウレタン樹脂を、シリンダ乾燥機50の4本のシリンダ間を交互(図2の矢印方向)に、シリンダの周面に沿って通過させることで乾燥させる。乾燥後のポリウレタン樹脂(ポリウレタンシート2)は、成膜基材43と共に巻取ローラ42に巻き取られる。
バフ処理工程では、厚みが一様となるよう成膜樹脂のスキン層側にバフ処理が施される。巻取ローラ42に巻き取られたポリウレタンシート2は成膜基材43のPET製フィルム上に形成されている。成膜時にはポリウレタンシート2の厚さにバラツキが生じるため、研磨面Pには凹凸が形成されている。成膜基材43を剥離した後、成膜樹脂のスキン層と反対側の面に、表面が略平坦な圧接用治具の表面を圧接することで、スキン層側に凹凸が出現する。スキン層側に出現した凹凸をバフ処理で除去される。本例では、連続的に製造されたポリウレタンシート2が帯状のため、研磨面Pに圧接用治具を圧接しながら、スキン層側を連続的にバフ処理する。これにより、スキン層が除去されて平坦な研磨面が形成されたポリウレタンシート2は、厚さのバラツキが解消され、開口が形成される。
貼り合わせ工程では、アクリル系接着剤を用いて基材8(厚み188μmのポリエチレンテレフタレート樹脂シート)と、バフ処理済みのポリウレタンシート2のバフ処理した面とは反対側の面とを貼り合わせる。
ラミネート加工工程では、基材8のポリウレタン樹脂シートと貼り合わされている面とは反対側の面に両面テープを貼り合わせる。研磨面Pにエンボス加工を施した後、裁断・検査工程で円形等の所望の形状に裁断する。エンボス加工のパターンには特に制限はなく、研磨加工時のスラリーの移動が円滑になればよい。そして、汚れや異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い、研磨パッド1を完成させる。
(光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法)
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、上述の研磨パッドを使用する工程を含む。
以下、図面を参照して、本発明の研磨パッドによる研磨方法について説明する。
被研磨物の研磨加工を行うときは、例えば、図4に示すように、片面研磨機70を使用する。片面研磨機70は、上側に被研磨物を押圧する加圧定盤72、下側に回転可能な回転定盤71を有している。加圧定盤72の下面及び回転定盤71の上面は、いずれも平坦に形成されている。加圧定盤72の下面にはバックパッド75が貼付されており、回転定盤71の上面には被研磨物を研磨する研磨パッド1が貼付されている。バックパッド75の表面にはガラスエポキシ製、ベークライト製等のテンプレートが貼付されており、テンプレートの略中央部には被研磨物78を挿入可能な開口が形成されている。テンプレートの開口部で露出したバックパッド75に適量の水を含ませて被研磨物78を押し付けることで、被研磨物78が水の表面張力及びポリウレタン樹脂の粘着性でバックパッド75に保持される。加圧定盤72で被研磨物78を加圧しながら回転定盤71を回転させることで、被研磨物78の下面(加工表面)が研磨パッド1で研磨加工される。
(研磨パッドの評価方法)
本発明の研磨パッドの評価方法は、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法であって、前記研磨層について、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合に、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の緩和時間が500~800μsであるか否かを確認する工程を含む。
本発明の研磨パッドの評価方法は、20℃における非晶相の成分の含有割合(Aa20)に対する40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/Aa20)が1.5~3であるか否かを確認する工程を更に含むことができる。
本発明の研磨パッドの評価方法において、Aa40/(Ai40+Ac40)、40℃における非晶相の緩和時間、Aa40/Aa20の数値範囲は、上記(研磨パッド)において記載したものを用いることができる。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
(実施例1)
アジピン酸及び1,4-ブタンジオールを構成単位とするポリオールを反応させて得られるポリエステルジオールと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを縮合して得られたポリエステル系ポリウレタン樹脂(以下「ポリウレタン樹脂(1)」)を準備した。ポリウレタン樹脂(1)の100%樹脂モジュラスは6.0MPa、重量平均分子量は137900であった。
なお、本実施例において、100%樹脂モジュラスは、無発泡の樹脂シートを100%伸ばしたとき(元の長さの2倍に伸ばしたとき)に掛かる荷重を断面積で割った値を意味する。100%樹脂モジュラスは、樹脂溶液を薄く引き延ばし熱風乾燥し、200μm程度の厚みの乾式フィルムを作製後、しばらく養生したのち、全長90mm、両端部幅20mm、つかみ具間距離50mm、平行部幅10mm、厚さ200μmのダンベル状に試料を打ち抜き、測定試料を万能材料試験機テンシロン(株式会社エイ・アンド・デイ製テンシロン万能試験機「RTC-1210」)の上下エアチャックにはさみ、20℃(±2℃)、湿度65%(±5%)の雰囲気下で、引っ張り速度100mm/分で引っ張り、100%伸長時(2倍延伸時)の張力を試料の初期断面積で割ることにより求めた。
また、本実施例において、重量平均分子量は後述する測定条件でGPCにより測定されたものを意味する。
上記のポリウレタン樹脂をDMFに溶解させ、ポリウレタン樹脂(1)の濃度が30%であるDMF溶液を得た。得られたポリウレタンDMF溶液100質量部に、DMF50質量部、添加剤として、ポリエーテル変性シリコーン5質量部を添加して混合することにより、樹脂含有溶液を得た。
次に、成膜用基材として、PETフィルムを用意し、そこに、上記樹脂含有溶液を、ナイフコータを用いて1.0mmの厚みで塗布し、凝固浴(凝固液:水)に浸漬し、上記樹脂含有溶液を凝固させた後、洗浄・乾燥させた後にPETフィルムから剥離して樹脂フィルム(厚み1.0mm)を得た。得られた樹脂フィルムの表面に形成されたスキン層側に研削処理を施した(研削量:200μm)。その後、樹脂フィルムの一部を格子状の金型でエンボス加工を行い、研磨パッドを得た。
(実施例2)
100%樹脂モジュラスが4.0MPa、重量平均分子量が132800であり、アジピン酸及び1,4-ブタンジオールを構成単位とするポリオールを反応させて得られるポリエステルジオールと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを縮合して得られたポリエステル系ポリウレタン樹脂(以下「ポリウレタン樹脂(2)」)を準備した。
上記のポリウレタン樹脂をDMFに溶解させ、ポリウレタン樹脂(2)の濃度が30%であるDMF溶液を得た。得られたポリウレタンDMF溶液100質量部に、DMF50質量部、添加剤としてポリエーテル変性シリコーン5質量部、アセチルブチルセルロース1質量部、ノニオン系界面活性剤1質量部、セルロースエステル1質量部を添加して混合することにより、樹脂含有溶液を得た。
以降、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作成し、研磨パッドを得た。
(比較例1)
実施例1のポリウレタン樹脂(1)に代えて、アジピン酸及び1,4-ブタンジオールを構成単位とするポリオールを反応させて得られるポリエステルジオールと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを縮合して得られたポリエステル系ポリウレタン樹脂(以下「ポリウレタン樹脂(3)」)を準備した。ポリウレタン樹脂(3)の100%樹脂モジュラスは8.5MPa、重量平均分子量は137700であった。
以降、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作成し、研磨パッドを得た。
(評価方法)
実施例1及び2並びに比較例1それぞれの研磨パッドについて、以下のGPC測定及びパルスNMRの測定を行った。また、実施例1及び2並びに比較例1それぞれの研磨パッドについて、研磨試験を行い、研磨選択性及び研磨傷による評価を行った。
(GPC測定)
実施例1及び2並びに比較例1で得られたそれぞれの研磨パッドから、研磨層のポリウレタン樹脂を0.05g切り取り、DMF4.95gに溶解し1%ポリウレタンDMF溶液を調整し、静置後、試験管ミキサーにより50℃で14時間振とうした。振とう後、上澄み0.5gを測り取りDMF2gと混合し、0.2%ポリウレタンDMF溶液とした後、0.45μmフィルターにて濾過し、測定試料とした。得られた測定試料を以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定した。標準試料としてポリエチレングリコールオキシド (アジレント・テクノロジー株式会社製 EasiVial PEG/PEO)を用いて検量線を作成した。
(測定条件)
カラム:Ohpak KB-805HQ(排除限界2000000)
移動相:5mM LiBr/DMF
流速:0.75ml/min(21kg/cm2)
オーブン:60℃
検出器:RI
試料量:30μl
(パルスNMR)
実施例1及び2並びに比較例1それぞれの研磨パッドは、以下の条件でパルスNMRにより構造解析を行った。
Figure 0007137505000001
上記の装置、条件にて、得られたエンボス加工済みの研磨パッドのランド部をカッターで切り出し、1~3mm角程度のサンプル片を10mmφの試料管に1~2cmの高さまで充填し、パルスNMRの測定を行うことにより、減衰曲線を得た。得られた減衰曲線とフィッティング曲線が一致するよう、ローレンツ関数(直線部分)、ガウス関数(曲線部分)を用いて最小二乗法により解析し、研磨層中の結晶相、界面相及び非結晶相の割合(存在比(%))、並びに、緩和時間(T2)を得た。なお、フィッティング及び解析は、上記測定装置に付属のソフトウェアを用いた。
(研磨選択性)
実施例1及び2並びに比較例1それぞれの研磨パッドを用い、CMP評価用テストパターンウエハの研磨を以下の条件で実施した。CMP評価用テストパターンウエハは、シリコンウェハに酸化膜(厚み:100Å)、及びSiNストッパー膜(厚み:1500Å)を順次膜付けした後トレンチを形成し、その上にTEOS(Tetro Ethyl Ortho Silicate)膜(厚み:6000Å)が成膜されたものであり、SiNが露出するまで硬質研磨パッドによりTEOS膜を除去したものを使用した。部分的にSiNが露出された部分が形成され、それによりTEOS/SiNの幅がそれぞれ10μm/90μmであるパターンが形成されている。ウェハ上に形成されたSiNとTEOSとからなる上記パターン面を研磨し、SiNが500Å除去された時点で研磨を終了し段差性能を評価した。研磨終了後のパターンの部分を、接触式段差計で走査して、トレンチ部中央のTEOS厚みの減少量であるディッシング量(R1)を算出することにより、段差性能の評価を行った。ディッシングは分離領域の両端に存在するストッパー膜であるSiN膜がTEOS膜よりも研磨されにくいため研磨パッドに撓みが生じ、分離領域のTEOS膜を研磨してしまうために生じるもので、トレンチ部の中央が薄くなってしまう現象をいう。R1の値が大きい程、ディッシング性能は悪化し、R1が200Å以下であると、ディッシングを抑制できるといえる。
<研磨条件>
使用研磨機:(株)荏原製作所製、商品名「F-REX300」
研磨速度(定盤回転数):70rpm
加工圧力:176g/cm
スラリ流量:200mL/min
ドレッサ:3M社製ダイヤモンドドレッサー、型番「A188」
コンディショニング:Ex-situ、30N,4スキャン
研磨時間:SiNが500Å研磨されるまで
被研磨物:TEOS膜/SiN膜付き パターンウェハ
研磨スラリー:Cabot社製 品番:SS-25・2倍希釈(SS25原液:純水=1:1の混合液を使用)
(研磨傷)
研磨傷については、上記(研磨選択性)における研磨により得られた、研磨処理枚数が10枚目、20枚目、30枚目のTEOS部の表面を表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP2XP)の高感度測定モードにて測定し、基板表面全体のTEOSにおける90nm以上の研磨傷の数(個)をカウントした。
研磨傷の数がTEOS部に関しては30個以下であると研磨傷が少なく良好であるといえる。
結果を以下の表2、並びに図5及び6に示す。また、実施例1及び比較例1で得られた研磨パッドの断面写真を図7に示す。
Figure 0007137505000002
表2の結果より、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の成分の緩和時間が500~800μsである実施例1及び2の研磨パッドは、ディッシング量(R1)が小さく研磨選択性に優れており、相対的に軟らかいTEOS膜の削れ過ぎを防止しディッシングやエロージョンを抑制できることがわかった。
また、実施例1及び2の研磨パッドは、TEOS部分に対する研磨傷の発生を抑制することができることがわかった。実施例1及び2の研磨パッドにおいては、20℃における非晶相の成分の含有割合(Aa20)に対する40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/Aa20)の値が大きく、研磨後期に相当する40℃において非晶成分が比較的多く分子鎖が拘束されず動きやすい領域が多くを占めていること、及び、約20℃で行われるドレス時には非晶成分が減じることで樹脂脂の千切れやすさが向上して研磨面へのドレスがかかりやすくなることにより、研磨傷の発生を抑制することができたと考えられる。
一方、40℃における非晶相の成分の緩和時間が500~800μsであるものの、Aa40/(Ai40+Ac40)が2未満である比較例1の研磨パッドは、実施例1及び2の研磨パッドに比べ、R1が大きくディッシング特性に劣り、また、TEOS部にたいしても研磨傷の発生が多かった。
以上の結果より、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の成分の緩和時間が500~800μsである研磨パッドが、ディッシングやエロージョンを抑制し、さらに研磨傷の発生を抑制できることが確認できた。
また、本発明によれば、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の緩和時間が500~800μsであるか否かを確認することにより、ディッシングやエロージョンの抑制、研磨傷の発生の抑制といった研磨パッドの性能を評価できることがわかった。

Claims (6)

  1. ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
    前記研磨層は、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合において、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の成分の緩和時間が500~800μsである、前記研磨パッド。
  2. 20℃における非晶相の成分の含有割合(Aa20)に対する40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/Aa20)が1.5~3である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 請求項1又は2に記載の研磨パッドの製造方法であって、湿式成膜法を使用する工程を含む、前記方法。
  4. 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、請求項1又は2に記載の研磨パッドを使用する工程を含む、前記方法。
  5. ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドの評価方法であって、
    前記研磨層について、パルスNMRで得られる自由誘導減衰信号(FID)を最小二乗法によってスピン-スピン緩和時間T2の長い成分から順に差し引き、波形分離することにより、スピン-スピン緩和時間T2の長い方から順に非晶相、界面相、結晶相の3成分に分けた場合に、40℃における界面相の成分の含有割合(Ai40)と40℃における結晶相の成分の含有割合(Ac40)との合計に対する、40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/(Ai40+Ac40))が2~10であり、40℃における非晶相の緩和時間が500~800μsであるか否かを確認する工程を含む、前記評価方法。
  6. 20℃における非晶相の成分の含有割合(Aa20)に対する40℃における非晶相の成分の含有割合(Aa40)の比(Aa40/Aa20)が1.5~3であるか否かを確認する工程を更に含む、請求項5に記載の評価方法。
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