JP7137364B2 - 車載空調機制御装置及び車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車載空調機制御装置及び車両に関する。
電気自動車、ハイブリッド車等に搭載される空調機の技術分野において、車両に搭載された高電圧バッテリからの通電によりPTCヒータを加熱させ、これによって生成した温水を巡らせる車載空調機制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような車載空調機制御装置は、一般に、マイコン(マイクロコントローラ)を具備し、このマイコンが、上位装置からの指令、及び、センサからの各種検出値に基づいてPTCヒータへの通電(加熱)を適切に制御する。
特開2014-108770号公報
上述した車載空調機制御装置は、低電圧バッテリ(一般的な12V車載バッテリ)から電力の供給を受けて動作する低電圧系回路と、モータ駆動用の高電圧バッテリから電力の供給を受けて動作する高電圧系回路と、に分けて構成される。安全を確保するため、高電圧系回路と低電圧系回路との間は、電気的に絶縁される。
上述したマイコンは、PTCヒータへの通電制御のために、水温センサを通じて、PTCヒータによって温められた水の温度(水温)を取得する必要がある。水温センサは、本体に流入出する水の温度を検出すべく、低電圧系回路のグランドとなる筐体フレームに取り付けられるものである。ここで、水温センサを高電圧系回路に接続した場合、当該水温センサを介して、筐体フレーム(低電圧系回路のグランド)と高電圧系回路のグランドとが密接することになるため、高電圧系回路と低電圧系回路との間の絶縁耐圧を十分に確保できない可能性がある。したがって、絶縁性能の低下を防ぐ観点より、水温センサは、低電圧系回路に接続されるのが好ましい。
上記水温センサに併せて、マイコンも低電圧系回路側に配置することで、マイコンと水温センサとを直接接続することができる。しかしながら、マイコンは、PTCヒータへの通電制御のために、更に、高電圧バッテリから出力される電圧や、高電圧バッテリからPTCヒータに流れる電流の値をも取得する必要がある。マイコンを低電圧系回路に接続した場合、高電圧系回路との間の絶縁性を維持したまま、高電圧バッテリから出力される電圧やPTCヒータに流れる電流の値を取得することが困難になる。
本発明の目的は、低電圧系回路と高電圧系回路との間の絶縁耐圧を十分に確保できる車載空調機制御装置及び車両を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、車載空調機制御装置は、高電圧系回路に含まれ、高電圧バッテリから供給される電力によって発熱するヒータ素子と、低電圧系回路に含まれ、前記高電圧バッテリから前記ヒータ素子へ供給される電力を制御するマイコンと、前記高電圧系回路に含まれ、前記ヒータ素子に流れる電流の値を示す電圧信号を出力する電流検出センサと、前記高電圧系回路に含まれ、前記電流検出センサが出力する電圧信号を周波数信号に変換する電流検出用V/f変換部と、前記電流検出用V/f変換部と前記マイコンとの間の電気的絶縁を保ちながら、前記周波数信号を前記マイコンに伝送する電流検出用デジタルアイソレータと、を備える。
また、本発明の第2の態様によれば、前記電流検出用V/f変換部は、設定端子と、出力端子と、を有するシリコン発振器を備え、前記シリコン発振器は、前記設定端子から出力される電流に対応する周波数の前記周波数信号を、前記出力端子から出力する。
また、本発明の第3の態様によれば、上述の車載空調機制御装置は、前記高電圧系回路に含まれ、前記高電圧バッテリからの入力電圧に応じた電圧信号を出力する高電圧側電圧センサと、前記高電圧系回路に含まれ、前記高電圧側電圧センサが出力する電圧信号を周波数信号に変換する高電圧側電圧検出用V/f変換部と、前記高電圧側電圧検出用V/f変換部と前記マイコンとの間の電気的絶縁を保ちながら、前記周波数信号を前記マイコンに伝送する高電圧側電圧検出用デジタルアイソレータと、を備える。
また、本発明の第4の態様によれば、車載空調機制御装置は、高電圧系回路に含まれ、高電圧バッテリから供給される電力によって駆動するモータと、低電圧系回路に含まれ、前記高電圧バッテリから前記モータへ供給される電力を制御するマイコンと、前記高電圧系回路に含まれ、前記モータに流れる電流の値を示す電圧信号を出力する電流検出センサと、前記高電圧系回路に含まれ、前記電流検出センサが出力する電圧信号を周波数信号に変換する電流検出用V/f変換部と、前記電流検出用V/f変換部と前記マイコンとの間の電気的絶縁を保ちながら、前記周波数信号を前記マイコンに伝送する電流検出用デジタルアイソレータと、を備える。
また、本発明の第5の態様によれば、車両は、上述の車載空調機制御装置を備える。
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、低電圧系回路と高電圧系回路との間の絶縁耐圧を十分に確保できる。
第1の実施形態に係る車載空調機制御装置の全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係るV/f変換部の詳細な回路構成を示す第1図である。 第1の実施形態に係るV/f変換部の機能を説明するための第1図である。 第1の実施形態に係るV/f変換部の詳細な回路構成を示す第2図である。 第1の実施形態に係るV/f変換部の機能を説明するための第2図である。 第2の実施形態に係る車載空調機制御装置の全体構成を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る車載空調機制御装置について、図1~図5を参照しながら説明する。
(車載空調機制御装置の全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る車載空調機制御装置の全体構成を示す図である。
図1に示す車載空調機制御装置1は、電気自動車、ハイブリッド車等の車両に搭載される空調機制御装置である。車載空調機制御装置1は、いわゆる温水PTCヒータであって、電気自動車、ハイブリッド車等に搭載される高電圧バッテリB2(モータ駆動用高電圧バッテリ)からの通電によりPTCヒータHを発熱させ、車内空調のために必要な温水を生成する。
図1に示すように、車載空調機制御装置1は、低電圧系回路LVと、高電圧系回路HVとを有してなる。低電圧系回路LVのグランドGND1と高電圧系回路HVのグランドGND2との間は絶縁されている。また、低電圧系回路LVのグランドGND1は、筐体フレームFと電気的に接続されている。低電圧系回路LVには、車載される低電圧バッテリB1(例えば、DC12V出力の車載バッテリ)が接続される。高電圧系回路HVには、車載される高電圧バッテリB2(例えば、DC300V出力の車載バッテリ)が接続される。高電圧バッテリB2は、主に、車両駆動用のモータを回転駆動させるための電力供給源となる。
車載空調機制御装置1の高電圧系回路HVは、ゲートドライバ11と、スイッチング素子12と、高電圧側電圧センサ13と、電流検出センサ14と、V/f変換部161、162と、を備えている。また、車載空調機制御装置1の低電圧系回路LVは、マイコン10と、CANトランシーバ150と、入口側水温センサ151と、出口側水温センサ152と、低電圧側電圧センサ153と、レギュレータ18と、を備えている。
また、車載空調機制御装置1は、低電圧系回路LVと高電圧系回路HVとの境界に跨って配置される、デジタルアイソレータ170、171、172と、DC/DCコンバータ19と、を備えている。
以下、高電圧系回路HVに含まれる各種回路構成について詳しく説明する。
ゲートドライバ11は、後述するマイコン10からの制御信号(デジタル信号)に基づいて、スイッチング素子12のON/OFFを制御する。ゲートドライバ11は、DC15Vの電源電圧で駆動する。また、ゲートドライバ11のグランド端子は、高電圧系回路HVのグランドGND2に接続される。
ゲートドライバ11とマイコン10との間に配置されるデジタルアイソレータ170については後述する。
スイッチング素子12は、高耐圧半導体スイッチング素子(いわゆるパワートランジスタ)であって、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などである。スイッチング素子12は、ゲートドライバ11からのゲート信号に基づいてON/OFF制御される。スイッチング素子12がONすると、高電圧バッテリB2(DC300V)からPTCヒータHへ電流が流れ、PTCヒータHが加熱される。
高電圧側電圧センサ13は、高電圧バッテリB2からの入力電圧を検出するためのセンサである。具体的には、高電圧側電圧センサ13は、抵抗素子R5、R6からなる分圧器である。高電圧バッテリB2からの入力電圧(例えば、DC300V)は、高電圧側電圧センサ13(分圧器)によって分圧される。このような構成により、高電圧側電圧センサ13は、高電圧バッテリB2からの入力電圧に対応する電圧信号(アナログ信号)を、マイコン10に向けて出力する。
高電圧側電圧センサ13とマイコン10との間に配置されるV/f変換部161及びデジタルアイソレータ171については後述する。
電流検出センサ14は、PTCヒータHに流れる電流(以下、「ヒータ電流」とも記載する。)の値を検出するセンサである。具体的には、電流検出センサ14は、シャント抵抗である抵抗素子RSと増幅器OPとを有してなる。このような電流検出センサ14によれば、ヒータ電流の値に応じて抵抗素子RSに電圧降下が発生する。そして、抵抗素子RSにおける電圧降下が増幅器OPにて増幅されてなる電圧信号(アナログ信号)を、マイコン10に向けて出力する。
電流検出センサ14とマイコン10との間に配置されるV/f変換部162及びデジタルアイソレータ172については後述する。
PTCヒータHは、高電圧バッテリB2から供給される電力によって発熱するヒータ素子である。
V/f変換部161(高電圧側電圧検出用V/f変換部)は、高電圧側電圧センサ13から出力される電圧信号(アナログ信号)を受信して、当該電圧信号に対応する周波数で発振する周波数信号に変換する。
V/f変換部162(電流検出用V/f変換部)は、電流検出センサ14が出力する電圧信号(アナログ信号)を周波数信号に変換する。
次に、低電圧系回路LVに含まれる各種回路構成について詳しく説明する。
マイコン10は、車載空調機制御装置1の動作全体を司るプロセッサである。マイコン10は、予め用意されたプログラムに従って各種処理を実行する。具体的には、マイコン10は、上位装置から受け付けた指令値(目標水温等)と、PTCヒータHによって温められる温水の入口温度と出口温度との検出結果等に基づいて、PTCヒータHへ通電を制御する。この際、マイコン10は、現時点におけるヒータ電流の値をモニタリングしながら適切に調整する。
また、マイコン10は、低電圧バッテリB1からの入力電圧、高電圧バッテリB2からの入力電圧を常時監視し、低電圧バッテリB1、高電圧バッテリB2についての異常検出等を行う。
図1に示すように、マイコン10は、グランドGND1を基準とするDC5Vの電源電圧で駆動する。また、マイコン10のグランド端子は、低電圧系回路LVのグランドGND1に接続される。
CANトランシーバ150は、CANバスに接続されるとともに、当該CANバスを介して接続される上位装置(図示せず)とマイコン10との間の双方向通信を実現する。CANトランシーバ150は、例えば、上位装置からの指令値をマイコン10に伝送する。
CANトランシーバ150は、グランドGND1を基準とするDC5Vの電源電圧で駆動する。また、CANトランシーバ150のグランド端子は、低電圧系回路LVのグランドGND1に接続される。
入口側水温センサ151、出口側水温センサ152は、それぞれ、PTCヒータHによって加熱される温水の温度を検出する温度センサである。具体的には、入口側水温センサ151は、筐体フレームFのうち、温水の流路(図示せず)の入口付近に設置され、温水入口温度を検出する。また、出口側水温センサ152は、筐体フレームFのうち、温水の流路の出口付近に設置され、温水出口温度を検出する。
入口側水温センサ151、出口側水温センサ152は、グランドGND1を基準とするDC5Vの電源電圧で駆動する。また、入口側水温センサ151、出口側水温センサ152のグランド端子は、低電圧系回路LVのグランドGND1に接続される。
入口側水温センサ151は、電源とグランドとの間に直列に接続される抵抗素子R1と温度センサ素子T1とを有してなる。温度センサ素子T1は、検出温度に対応する抵抗値となる。このような構成により、入口側水温センサ151は、入口温度に応じた電圧信号(アナログ信号)を出力する。
出口側水温センサ152は、電源とグランドとの間に直列に接続される抵抗素子R2と温度センサ素子T2とを有してなる。温度センサ素子T2は、検出温度に対応する抵抗値となる。このような構成により、出口側水温センサ152は、出口温度に応じた電圧信号(アナログ信号)を出力する。
低電圧側電圧センサ153は、低電圧バッテリB1からの入力電圧を検出するためのセンサである。具体的には、低電圧側電圧センサ153は、抵抗素子R3、R4からなる分圧器である。低電圧バッテリB1からの入力電圧(例えば、DC12V)は、低電圧側電圧センサ153(分圧器)によって分圧される。このような構成により、低電圧側電圧センサ153は、低電圧バッテリB1からの入力電圧に対応する電圧信号(アナログ信号)を出力する。
低電圧側電圧センサ153のグランド端子は、低電圧系回路LVのグランドGND1に接続される。
デジタルアイソレータ170、171、172は、例えば、フォトカプラ等であって、1次側(低電圧系回路LV)と2次側(高電圧系回路HV)との間の電気的絶縁を保ったまま、1次側から入力されるデジタル信号を2次側へ、若しくは、2次側から入力されるデジタル信号を1次側へ伝送可能とする素子である。
デジタルアイソレータ170は、マイコン10とゲートドライバ11との間の電気的絶縁を保ちながら、当該マイコン10から出力されるデジタル信号をゲートドライバ11に伝送する。
デジタルアイソレータ171(高電圧側電圧検出用デジタルアイソレータ)は、V/f変換部161とマイコン10との間の電気的絶縁を保ちながら、V/f変換部161から出力される周波数信号をマイコン10に伝送する。
デジタルアイソレータ172(電流検出用デジタルアイソレータ)は、V/f変換部162とマイコン10との間の電気的絶縁を保ちながら、V/f変換部162から出力される周波数信号をマイコン10に伝送する。
レギュレータ18は、低電圧バッテリB1からの入力電圧(例えば、DC12V)に基づいて、それよりも低い定電圧(例えば、DC5V)を出力する。レギュレータ18が生成する定電圧は、低電圧系回路LVに属するCANトランシーバ150、入口側水温センサ151、出口側水温センサ152等の電源電圧となる。
DC/DCコンバータ19は、いわゆる絶縁型のDC/DCコンバータであって、1次側(低電圧系回路LV)と2次側(高電圧系回路HV)との間の電気的絶縁を維持しながら、1次側から入力されるDC電圧を、所望のDC電圧に変換して2次側へ出力する。具体的には、DC/DCコンバータ19は、1次側(低電圧系回路LV)のグランドGND1を基準とする低電圧バッテリB1からの電圧(例えば、DC12V)を入力し、これを2次側(高電圧系回路HV)のグランドGND2を基準とする定電圧(例えば、DC5V、DC15V)に変換する。DC/DCコンバータ19が生成する定電圧は、高電圧系回路HVに属するゲートドライバ11等の電源電圧となる。
(電流検出用V/f変換部の回路構成及び機能)
図2は、第1の実施形態に係るV/f変換部の詳細な回路構成を示す第1図である。
また、図3は、第1の実施形態に係るV/f変換部の機能を説明するための第1図である。
以下、図2、図3を参照しながら、V/f変換部162(電流検出用V/f変換部)の回路構成及びその機能について詳細に説明する。なお、図2には、V/f変換部162の回路構成の他に、高電圧バッテリB2、スイッチング素子12、PTCヒータH、電流検出センサ14(抵抗素子RS、増幅器OP、抵抗素子R7~R11、容量素子C)を図示している。増幅器OP、抵抗素子R7~R11及び容量素子Cは、反転増幅回路を構成している。
図2に示すように、V/f変換部162は、シリコン発振器1620と、抵抗素子RVCO、RSETと、を有してなる。また、シリコン発振器1620は、グランドGND2を基準とする電源電圧DC5Vが入力され、グランドGND2に接地される。
シリコン発振器1620は、設定端子SETと、出力端子OUTとを有する。シリコン発振器1620の設定端子SETは、当該端子に接続される設定ノードVSETの電位が所定値で一定となるように電流Iを流す。そして、シリコン発振器1620の出力端子OUTは、設定端子SETから流れる電流Iの値に応じた周波数の周波数信号FOUTを出力する。
設定ノードVSETと、ヒータ電流に応じた電圧信号(アナログ信号)が出力される出力ノードVCTRLとの間には、抵抗素子RVCOが接続される。また、設定ノードVSETとグランドGND1との間には、抵抗素子RSETが接続される。
以上のような構成によれば、図3に示すように、例えば、ヒータ電流の値が相対的に低い電流値Iaであった場合、シャント抵抗である抵抗素子RSに生じる電圧降下が小さくなり、増幅器OPを含む反転増幅回路の出力となる出力ノードVCTRLの電位が上昇する。そうすると、設定ノードVSETで所定電位を維持するためには、設定端子SETから相対的に小さな電流Iを流す必要がある。したがって、この場合、シリコン発振器1620は、出力端子OUTから、相対的に低い周波数faの周波数信号FOUTを出力する。
他方、図3に示すように、ヒータ電流の量が相対的に高い電流値Ibであった場合、抵抗素子RSに生じる電圧降下が大きくなり、増幅器OPを含む反転増幅回路の出力となる出力ノードVCTRLの電位が低下する。そうすると、設定ノードVSETで所定電位を維持するためには、設定端子SETから相対的に大きな電流Iを流す必要がある。したがって、この場合、シリコン発振器1620は、出力端子OUTから、相対的に高い周波数fbの周波数信号FOUTを出力する。
図3に示すような関係により、マイコン10は、デジタルアイソレータ172を経て入力される周波数信号FOUTの発振周波数を通じて、ヒータ電流の値を把握することができる。
(高電圧側電圧検出用V/f変換部の回路構成及び機能)
図4は、第1の実施形態に係るV/f変換部の詳細な回路構成を示す第2図である。
また、図5は、第1の実施形態に係るV/f変換部の機能を説明するための第2図である。
以下、図4、図5を参照しながら、V/f変換部161(高電圧側電圧検出用V/f変換部)の回路構成及びその機能について詳細に説明する。
図4に示すように、V/f変換部161は、シリコン発振器1610と、抵抗素子RVCO、RSETと、を有してなる。また、シリコン発振器1610は、グランドGND2を基準とする電源電圧DC5Vが入力され、グランドGND2に接地される。
シリコン発振器1610は、図2に示したシリコン発振器1620と同様に、設定端子SETと、出力端子OUTとを有する。シリコン発振器1610の設定端子SETは、当該端子に接続される設定ノードVSETの電位が所定値で一定となるように電流Iを流す。そして、シリコン発振器1610の出力端子OUTは、設定端子SETから流れる電流Iの値に応じた周波数の周波数信号FOUTを出力する。
設定ノードVSETと、高電圧バッテリB2からの入力電圧に応じた電圧信号(アナログ信号)が出力される出力ノードVCTRL(直列に接続される抵抗素子R5と抵抗素子R6との間の中間電位)との間には、抵抗素子RVCOが接続される。また、設定ノードVSETとグランドGND2との間には、抵抗素子RSETが接続される。
以上のような構成によれば、図5に示すように、例えば、高電圧バッテリB2からの入力電圧が相対的に低い電圧Vaであった場合、高電圧側電圧センサ13の出力ノードVCTRLの電位が低下する。そうすると、設定ノードVSETで所定電位を維持するためには、設定端子SETから相対的に大きな電流Iを流す必要がある。したがって、この場合、シリコン発振器1610は、出力端子OUTから、相対的に高い周波数faの周波数信号FOUTを出力する。
他方、図5に示すように、高電圧バッテリB2からの入力電圧が相対的に高い電圧Vbであった場合、高電圧側電圧センサ13の出力ノードVCTRLの電位が上昇する。そうすると、設定ノードVSETで所定電位を維持するためには、設定端子SETから相対的に小さな電流Iを流す必要がある。したがって、この場合、シリコン発振器1610は、出力端子OUTから、相対的に低い周波数fbの周波数信号FOUTを出力する。
図5に示すような関係により、マイコン10は、デジタルアイソレータ171を経て入力される周波数信号FOUTの発振周波数を通じて、高電圧バッテリB2からの入力電圧を把握することができる。
(作用・効果)
以上のとおり、第1の実施形態に係る車載空調機制御装置1は、高電圧系回路HVに接続され、高電圧バッテリB2から供給される電力によって発熱するPTCヒータH(ヒータ素子)と、低電圧系回路LVに接続され、高電圧バッテリB2からPTCヒータHへの通電を制御するマイコン10と、高電圧系回路HVに接続され、PTCヒータHに流れる電流の値に対応する電圧信号を出力する電流検出センサ14と、高電圧系回路HVに含まれ、電流検出センサ14が出力する電圧信号を周波数信号に変換する電流検出用V/f変換部(V/f変換部162)と、電流検出用V/f変換部とマイコン10との間の電気的絶縁を保ちながら、周波数信号をマイコン10に伝送する電流検出用デジタルアイソレータ(デジタルアイソレータ172)と、を備える。
以上のような構成とすることで、マイコン10は、低電圧系回路LVに属しながらも、V/f変換部162及びデジタルアイソレータ172を介して、高電圧系回路HVに含まれる電流検出センサ14からの、電流検出値(電圧信号)を取得することができる。したがって、マイコン10によるPTCヒータHへの通電制御を実現しつつ、低電圧系回路と高電圧系回路との間の絶縁耐圧を十分に確保することができる。
また、高電圧系回路HV、低電圧系回路LVのそれぞれに一つずつマイコンを設置して、両マイコンとの間の通信(デジタル信号のやり取り)を、デジタルアイソレータを介して行うことも考えられる。しかしながら、このようにすると、車載空調機制御装置1に2つのマイコンを搭載させる必要があるため、高コストとなる。
したがって、第1の実施形態に係る上記構成とすることで、高コスト化を抑制することができる。
また、第1の実施形態に係るV/f変換部162は、設定端子SETと、出力端子OUTとを備えるシリコン発振器1620等を備えている。このシリコン発振器1620は、設定端子SETから出力される電流に対応する周波数の周波数信号を、出力端子OUTから出力する。
このような構成とすることで、出力する信号の発振周波数を所望に設定可能な機能を有するシリコン発振器1620を通じて、電圧信号を周波数信号に変換させることができる。これにより、V/f変換部162を安価な構成とすることができる。
また、第1の実施形態に係る車載空調機制御装置1は、更に、高電圧系回路HVにおいて、高電圧バッテリB2からの入力電圧に応じた電圧信号を出力する高電圧側電圧センサ13と、高電圧側電圧センサ13が出力する電圧信号を周波数信号に変換する高電圧側電圧検出用V/f変換部(V/f変換部161)とを備える。そして、車載空調機制御装置1は、高電圧側電圧検出用V/f変換部とマイコン10との間の電気的絶縁を保ちながら、周波数信号をマイコン10に伝送する高電圧側電圧検出用デジタルアイソレータ(デジタルアイソレータ171)を備える。
このようにすることで、低電圧系回路LVに配置されたマイコン10は、V/f変換部161及びデジタルアイソレータ171を介して、高電圧バッテリB2からの入力電圧をモニタリングすることができる。これにより、マイコン10は、低電圧バッテリB1のみならず、高電圧バッテリB2についての異常検知も可能となる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る車載空調機制御装置について、図6を参照しながら説明する。
図6に示す車載空調機制御装置1は、電気自動車、ハイブリッド車等の車両に搭載される空調機制御装置である。車載空調機制御装置1は、電気自動車、ハイブリッド車等に搭載される高電圧バッテリB2からの通電によりインバータ12A及びモータMを駆動させ、空調用圧縮機を回転させる。
インバータ12Aは、複数(例えば6個の)スイッチング素子(IGBT等)からなる電力変換回路であって、直流電力を、モータMを駆動させるための三相交流電力に変換する。
この場合、電流検出センサ14は、モータMに流れる電流の値を示す電圧信号を出力する電流検出センサとして機能する。
また、マイコン10は、上位装置からの指令に従い、モータMに流れる電流(モータ電流)をモニタリングしながら、制御を行う。
V/f変換部161、162等の具体的な構成については第1の実施形態と同様である。
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。上述の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述の実施形態及びその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 車載空調機制御装置
10 マイコン
11 ゲートドライバ
12 スイッチング素子
12A インバータ
13 高電圧側電圧センサ
14 電流検出センサ
150 CANトランシーバ
151 入口側水温センサ
152 出口側水温センサ
153 低電圧側電圧センサ
161、162 V/f変換部
1610、1620 シリコン発振器
170、171、172 デジタルアイソレータ
18 レギュレータ
19 DC/DCコンバータ
H PTCヒータ
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、RS、RVCO、RSET 抵抗素子
C 容量素子
OP 増幅器
T1、T2 温度センサ素子
F 筐体フレーム
B1 低電圧バッテリ
B2 高電圧バッテリ
M モータ

Claims (4)

  1. 高電圧系回路に含まれ、高電圧バッテリから供給される電力によって発熱するヒータ素子と、
    低電圧系回路に含まれ、前記高電圧バッテリから前記ヒータ素子へ供給される電力を制御するマイコンと、
    前記高電圧系回路に含まれ、前記ヒータ素子に流れる電流の値を示す電圧信号を出力する電流検出センサと、
    前記高電圧系回路に含まれ、前記電流検出センサが出力する電圧信号を周波数信号に変換する電流検出用V/f変換部と、
    前記電流検出用V/f変換部と前記マイコンとの間の電気的絶縁を保ちながら、前記周波数信号を前記マイコンに伝送する電流検出用デジタルアイソレータと、
    を備え
    前記電流検出用V/f変換部は、
    設定端子と、出力端子と、を有するシリコン発振器を備え、
    前記シリコン発振器は、
    前記設定端子から出力される電流に対応する周波数の前記周波数信号を、前記出力端子から出力する
    載空調機制御装置。
  2. 前記高電圧系回路に含まれ、前記高電圧バッテリからの入力電圧に応じた電圧信号を出力する高電圧側電圧センサと、
    前記高電圧系回路に含まれ、前記高電圧側電圧センサが出力する電圧信号を前記周波数信号に変換する高電圧側電圧検出用V/f変換部と、
    前記高電圧側電圧検出用V/f変換部と前記マイコンとの間の電気的絶縁を保ちながら、前記周波数信号を前記マイコンに伝送する高電圧側電圧検出用デジタルアイソレータと、
    を備える請求項1に記載の車載空調機制御装置。
  3. 高電圧系回路に含まれ、高電圧バッテリから供給される電力によって駆動するモータと、
    低電圧系回路に含まれ、前記高電圧バッテリから前記モータへ供給される電力を制御するマイコンと、
    前記高電圧系回路に含まれ、前記モータに流れる電流の値を示す電圧信号を出力する電流検出センサと
    前記高電圧系回路に含まれ、前記電流検出センサが出力する電圧信号を周波数信号に変換する電流検出用V/f変換部と、
    前記電流検出用V/f変換部と前記マイコンとの間の電気的絶縁を保ちながら、前記周波数信号を前記マイコンに伝送する電流検出用デジタルアイソレータと、を備え、
    前記電流検出用V/f変換部は、
    設定端子と、出力端子と、を有するシリコン発振器を備え、
    前記シリコン発振器は、
    前記設定端子から出力される電流に対応する周波数の前記周波数信号を、前記出力端子から出力する
    車載空調機制御装置。
  4. 請求項1から請求項の何れか一項に記載の車載空調機制御装置を備える
    車両。
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