以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1~図4に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係るジョイント100を、空調装置に用いられる蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置1に適用している。冷凍サイクル装置1は、図1に示すように、圧縮機2、放熱器3、レシーバ4、温度式膨張弁5、蒸発器6を環状に接続して構成されたものである。
圧縮機2は、冷媒を吸入し、高圧冷媒となるまで圧縮して吐出するものである。放熱器3は、圧縮機2から吐出された高圧冷媒と外気とを熱交換させ、高圧冷媒を放熱させて凝縮させる放熱用熱交換器である。レシーバ4は、放熱器3から流出した冷媒の気液を分離して、サイクルの余剰な液冷媒を蓄える受液器である。
温度式膨張弁5は、レシーバ4から流出した高圧冷媒を低圧冷媒となるまで減圧させる減圧装置である。蒸発器6は、温度式膨張弁5にて減圧された低圧冷媒と空調対象空間へ送風される送風空気とを熱交換させて、低圧の液冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。
冷凍サイクル装置1では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、圧縮機11から吐出された吐出冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
次に、本実施形態における被固定部材である温度式膨張弁5の詳細構成を説明する。温度式膨張弁5は、ボデー部51、弁体部53、エレメント部54等を備えている。温度式膨張弁5は、内部に低圧冷媒の温度および圧力を検知するための低圧冷媒通路50cが形成された、いわゆるボックス型の温度式膨張弁として形成されている。
絞り通路50aは、冷媒通路の通路断面積を縮小させることによって、レシーバ4から流出した高圧冷媒を低圧冷媒となるまで減圧させるオリフィスとして機能する冷媒通路である。絞り通路50aは、円柱状あるいは円錐台状等の回転体形状に形成されている。
弁室50bは、絞り通路50aの冷媒流れ上流側に配置されて、弁体部53を収容する空間である。弁室50bは、絞り通路50aよりも径の大きい円柱状に形成されている。絞り通路50aの中心軸と弁室50bの中心軸は、同軸上に配置されている。
弁体部53は、絞り通路50aの中心軸方向へ変位することによって、絞り通路50aの通路断面積を変化させる球体弁である。弁室50bの内部には、弁体部53に対して、絞り通路50aの通路断面積を縮小させる側の荷重をかける弾性部材であるコイルバネ53aが収容されている。
ボデー部51の外表面には、レシーバ4から流出した高圧冷媒を弁室50bへ流入させる高圧側入口51a、および絞り通路50aで減圧された低圧冷媒を流出させる蒸発器側出口51bが開口している。ボデー部51には、弁室50bに弁体部53およびコイルバネ53aを収容するための収容穴51cが形成されている。収容穴51cは、コイルバネ53aの荷重を調整する調整ネジ53bによって閉塞されている。
ボデー部51と調整ネジ53bとの間には、Oリング等のシール部材53cが配置されている。これにより、ボデー部51と調整ネジ53bとの隙間から冷媒が漏れることはない。
ボデー部51の内部には、低圧冷媒通路50cが形成されている。低圧冷媒通路50cは、蒸発器6から流出した低圧冷媒を流通させる冷媒通路である。低圧冷媒通路50cは、円柱状に形成されている。低圧冷媒通路50cの中心軸と絞り通路50aの中心軸は、互いに直交するように配置されている。
さらに、ボデー部51の外表面には、蒸発器6から流出した低圧冷媒を低圧冷媒通路50cへ流入させる低圧側入口52a、および低圧冷媒通路50cを流通した低圧冷媒を圧縮機11の吸入側へ流出させる圧縮機側出口52bが開口している。ボデー部51には、エレメント部54の一部が嵌め込まれる取付穴52c等が形成されている。
エレメント部54は、弁体部53を変位させるための駆動力を出力するものである。エレメント部54は、ケース54a、ダイヤフラム54b等を有している。ケース54aは、椀状、すなわちカップ状の金属(本実施形態では、ステンレス合金)で形成されている。ケース54aは、内部に封入空間541および導入空間542を形成している。
封入空間541は、低圧冷媒通路50cを流通する低圧冷媒の温度に応じて圧力変化する感温媒体が封入された空間である。本実施形態では、感温媒体として、サイクルを循環する冷媒を主成分とするものを採用している。導入空間542は、低圧冷媒通路50cを流通する低圧冷媒の圧力を導入させる空間である。
ダイヤフラム54bは、ケース54aの内部に配置されて、ケース54aの内部を封入空間541および導入空間542に区画している。換言すると、ダイヤフラム54bは、ケース54aとともに、封入空間541を形成している。
ダイヤフラム54bは、円形薄板状の金属(本実施形態では、SUS304)で形成されており、封入空間541内の感温媒体の圧力と導入空間542内の冷媒圧力との圧力差に応じて変形する。前述の如く、感温媒体の圧力は、低圧冷媒通路50cを流通する低圧冷媒の温度に応じて変化するので、ダイヤフラム54bは、低圧冷媒通路50cを流通する低圧冷媒の温度および圧力に応じて変形する変形部材である。
ダイヤフラム54bの導入空間542側の面には、円板状のプレート部材を介して、作動棒54cが連結されている。作動棒54cは、円柱状の金属(本実施形態では、ステンレス合金)で形成されている。作動棒54cは、ダイヤフラム54bの変形を弁体部53へ伝達して、弁体部53を変位させるものである。
作動棒54cは、防振バネ54dによって、絞り通路50aの中心軸方向へ摺動可能に支持されている。防振バネ54dは板状の金属(本実施形態では、ステンレス合金)を円筒状に湾曲させることによって形成されたものである。
また、エレメント部54のケース54aの導入空間542側を形成する部位には、ネジ部が形成されている。このネジ部は、ボデー部51に連結された固定部材55にネジ締結されている。これにより、エレメント部54とボデー部51が互いに固定されている。本実施形態の固定部材55は、ボデー部51と一体的に形成されている。したがって、固定部材55は、ボデー部51と同じ種類の金属で形成されている。
固定部材55は、円筒状に形成されている。固定部材55は内部に作動棒54cを収容するように、作動棒54cの周囲に配置されている。さらに、固定部材55は、低圧冷媒通路50cを貫通するように配置されている。
固定部材55の外周面には、その内外を連通させる複数の均圧穴55aが形成されている。固定部材55の内部には、均圧穴55aを介して流入した低圧冷媒を、エレメント部54の導入空間542側へ導く連通路55bが形成されている。これにより、低圧冷媒通路50cを流通する低圧冷媒が導入空間542へ導かれる。
そして、導入空間542へ導かれた低圧冷媒の温度が、ダイヤフラム54bを介して、封入空間541内の感温媒体に伝達される。
エレメント部54とボデー部51との間には、Oリング等のシール部材56が配置されている。これにより、エレメント部54とボデー部51との隙間から冷媒が漏れることはない。
ボデー部51における低圧側入口52aには、蒸発器6の流出側と低圧冷媒通路50cとを接続して、蒸発器6から流出した低圧冷媒を低圧冷媒通路50cに流入させる流入側配管71が組み付けられている。つまり、低圧側入口52aには、流入側配管71が組み付けられた状態で固定されている。
また、ボデー部51における蒸発器側出口51bには、絞り通路50aと蒸発器6の流入側とを接続して、絞り通路50aで減圧された低圧冷媒を蒸発器6側に流出させる流出側配管72が組み付けられている。つまり、蒸発器側出口51bには、流出側配管72が組み付けられた状態で固定されている。
続いて、本実施形態における温度式膨張弁5と流入側配管71との固定構造、および、温度式膨張弁5と流出側配管72との固定構造について、詳細に説明する。なお、流入側配管71および流出側配管72はほぼ同様の構成であるため、以下の説明では、流入側配管71および流出側配管72をあわせて配管7とも称する。
配管7のうち、温度式膨張弁5側の先端部73の径は、他の部位の径よりも大きい。先端部73のうち温度式膨張弁5側の部位は、ボデー部51の内部に配置されている。具体的には、先端部73のうち温度式膨張弁5側の部位は、低圧側入口52aまたは蒸発器側出口51bの内部に配置されている。先端部73の外周面と、低圧側入口52aまたは蒸発器側出口51bの内壁面との間には、隙間が形成されている。
先端部73のうち、ボデー部51の内部に配置される部位の外周面には、溝部73aが形成されている。溝部73aは、配管7の外周に沿って一周するように形成されている。
溝部73aには、弾性変形可能な材質により形成されたシール部材73bが配置されている。本実施形態では、シール部材73bとして、ゴム製のOリングを採用している。シール部材73bは、ボデー部51と配管7との間をシールして、ボデー部51と配管7との隙間から冷媒が漏れることを防止している。
先端部73における温度式膨張弁5と反対側の端部には、先端部73に対して径方向外側に延びるフランジ部74が形成されている。つまり、フランジ部74の径は、先端部73の径よりも大きい。
ところで、温度式膨張弁5には、配管7をボデー部51に対して組み付けた状態で固定するジョイント100が接続されている。ジョイント100は、ボデー部51と配管7との組み付け部に配置された配管接続部材8と、ボデー部51と配管7との接続部に設けられた防振接続部90とを備えている。なお、本明細書における「防振」とは、振動源(本例では温度式膨張弁5)と被振動源(本例では配管7)間の振動の伝達を抑制することを意味している。
配管接続部材8は、金属で形成されている。配管接続部材8は、ボデー部51に固定されている。具体的には、配管接続部材8は、締結部材であるボルト81によりボデー部51に締結されている。
配管接続部材8は、配管7が挿入された状態で固定される固定部82を有している。固定部82は、配管7のフランジ部74を覆うように形成されている。
より詳細には、フランジ部74は、弾性変形可能な材質(本実施形態ではゴム)により形成された接続防振部材9に覆われている。接続防振部材9は、フランジ部74を含んだ配管7の外周表面に接触している。また、接続防振部材9の外形は、円柱状に形成されている。接続防振部材9の中心軸と配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。
フランジ部74は、冷媒による内圧がかかった際に、接続防振部材9をボデー部51と反対側に向かって押圧可能に構成されている。したがって、本実施形態のフランジ部74が、本発明の押圧部に相当している。
配管接続部材8の固定部82は、接続防振部材9を覆うように設けられている。具体的には、固定部82は、リング状(すなわち円環状)に形成された内側リング部82aおよび外側リング部82bと、筒状に形成された筒状部82cを有して構成されている。内側リング部82a、外側リング部82bおよび筒状部82cは、配管接続部材8の一部として一体に形成されている。
内側リング部82aの中心軸と配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。内側リング部82aは、配管7の中心軸方向に垂直な仮想平面上に配置されている。
内側リング部82aは、接続防振部材9におけるボデー部51側の面を覆うように配置されている。内側リング部82aは、ボデー部51と接続防振部材9との間に配置されている。内側リング部82aの一側の面(すなわち表面)はボデー部51と接触しており、内側リング部82aの他側の面(すなわち裏面)は接続防振部材9の外面と接触している。
内側リング部82aと配管7とは、接触していない、すなわち非接触とされている。換言すると、内側リング部82aの内周縁部と配管7との間には、隙間が形成されている。内側リング部82aにおける径方向外側の端部は、筒状部82cに接続されている。
外側リング部82bは、内側リング部82aよりもボデー部51から遠い側に配置されている。外側リング部82bの中心軸と配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。外側リング部82bは、配管7の中心軸方向に垂直な仮想平面上に配置されている。
外側リング部82bは、接続防振部材9におけるボデー部51から遠い側の面を覆うように配置されている。外側リング部82bの一側の面は、接続防振部材9の外面と接触している。
外側リング部82bと配管7とは、接触していない、すなわち非接触とされている。換言すると、外側リング部82bの内周縁部と配管7との間には、隙間が形成されている。外側リング部82bにおける径方向外側の端部は、筒状部82cに接続されている。
筒状部82cの中心軸と配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。筒状部82cは、接続防振部材9における径方向外側の外周面を覆うように配置されている。
防振接続部90は、ボデー部51と配管接続部材8とが接触し、配管接続部材8と接続防振部材9とが接触し、接続防振部材9と配管7とが接触するように構成されている。すなわち、防振接続部90は、ボデー部51、配管接続部材8、接続防振部材9および配管7が、この順に接触するように構成されている。このため、防振接続部90は、ボデー部51と配管7とが直接接触していない、すなわち非接触となっている。
ここで、本実施形態では、配管接続部材8が上述のように構成されているので、ボデー部51と配管7とは、全て、シール部材73b、または、配管接続部材8および接続防振部材9を介して接続されている。つまり、ボデー部51と配管7とが、全て、防振部材であるシール部材73b単品、または、配管接続部材8と防振部材である接続防振部材9との二部品を介して接続されている。すなわち、ボデー部51と配管7との全ての接続部には、防振部材であるシール部材73b単品、または、配管接続部材8と防振部材である接続防振部材9との二部品を介して接続されている。換言すると、ボデー部51と配管7との全ての接続部には、防振部材(すなわち、シール部材73bまたは接続防振部材9)が設けられている。
続いて、本実施形態における温度式膨張弁5およびジョイント100周辺の作動について説明する。
空調装置では、空調装置のON/OFFによらず、冷媒により内圧が発生する。このため、図2の矢印に示すように、冷媒と外気との間をシールしているシール部材73bに、内圧による圧縮力が加わる。
このシール部材73bは、配管7の溝部73aに固定されている。このため、図3の矢印に示すように、内圧によるシール部材73bへの圧縮力が溝部73aを介して配管7に加わり、配管7を外側(すなわち図3の紙面右側)に向かって押圧する。これにより、図4の矢印に示すように、シール部材73bにより押圧された配管7が接続防振部材9に押し付けられるので、接続防振部材9が圧縮力を受ける。このとき、冷媒による内圧がかかった際に、ボデー部51に対する配管7の相対的位置が動いている。
ここで、本実施形態では、接続防振部材9は、弾性変形可能な柔らかい材質であるゴムにより形成されている。すなわち、接続防振部材9は、圧縮力を受けた状態で柔らかさを保てる材質および形状で構成されている。このため、接続防振部材9において圧縮力を吸収し、温度式膨張弁5から配管接続部材8に伝達された振動が配管7に伝達することを抑制できる。
以上説明したように、本実施形態のジョイント100は、ボデー部51と配管7との組み付け部に配置された配管接続部材8と、ボデー部51と配管7との接続部に設けられた防振接続部90とを備えている。そして、防振接続部90を、ボデー部51と配管7とが非接触であり、かつ、ボデー部51と配管接続部材8とが接触し、配管接続部材8と接続防振部材9とが接触し、接続防振部材9と配管7とが接触するように構成している。
このため、本実施形態によれば、防振接続部90においては配管7とボデー部51とが直接接触しなくなる。さらに、防振接続部90は、配管接続部材8と接続防振部材9とが接触するとともに接続防振部材9と配管7とが接触するように構成されているので、ボデー部51と配管7の接続部が接続防振部材9にて防振される。このため、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達を抑制できる。
ところで、シール部73bおよび接続防振部材9は、ボデー部51および配管7を構成する材質よりも柔らかく、振動を伝達し難い材質(本実施形態ではゴム)で形成されている。このため、本実施形態のシール部73bおよび接続防振部材9は、本発明の防振部材を構成している。
さらに、本実施形態では、ボデー部51と配管7との全ての接続部に、防振部材(すなわち、シール部材73bまたは接続防振部材9)を設けている。つまり、本実施形態では、ボデー部51と配管接続部材8とをボルト81により締結しているのにも関わらず、ボデー部51と配管7とが直接接触していない。このため、ボデー部51と配管7の接続部の全てが、防振部材9、73bにて防振される。これにより、防振部材9、73bによる防振効果を確実に得ることができるので、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達を確実に抑制できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図5に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、接続防振部材9の形状が異なるものである。
図5に示すように、本実施形態における接続防振部材9の外表面は、凹凸状に形成されている。これにより、接続防振部材9と配管接続部材8の固定部82との間に、空隙部91が形成されている。
ここで、接続防振部材9は、圧縮力を受けた状態で柔らかいほど、防振効果が高くなる。本実施形態では、接続防振部材9と配管接続部材8の固定部82との間に空隙部91が設けられているので、圧縮力を受けた際に接続防振部材9の柔らかさを保つことができる。したがって、接続防振部材9における防振効果を向上させることができるので、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達をより確実に抑制できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6に基づいて説明する。本実施形態は、上記第2実施形態と比較して、接続防振部材9の形状が異なるものである。
図6に示すように、本実施形態における接続防振部材9の内面、すなわち配管7と接触する面は、凹凸状に形成されている。これにより、接続防振部材9と配管7との間に、空隙部92が形成されている。本実施形態によれば、圧縮力を受けた際に接続防振部材9の柔らかさを保つことができるので、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7に基づいて説明する。本実施形態は、上記第2実施形態と比較して、接続防振部材9の形状が異なるものである。
図7に示すように、本実施形態における接続防振部材9は、その内部に複数の空隙部93を有している。なお、接続防振部材9を、ウレタン等の多孔質材により形成してもよい。本実施形態によれば、圧縮力を受けた際に接続防振部材9の柔らかさを保つことができるので、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図8に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、配管接続部材8および接続防振部材9の形状が異なるものである。以下、本明細書では、配管7の中心軸の軸方向において、ボデー部51側を軸方向内側といい、ボデー部51と反対側を軸方向外側という。
図8に示すように、配管7のフランジ部74において、軸方向内側の端面を表面74aといい、軸方向外側の端面を裏面74bといい、径方向外側の端面を外周面74cという。
本実施形態では、接続防振部材9のうち、フランジ部74の裏面74bと配管接続部材8の外側リング部82bとの間に配置される部位(以下、圧縮部9aという)に、配管7からの圧縮力が加わる。一方、接続防振部材9のうち、圧縮部9a以外の部位(以下、非圧縮部9bという)には、配管7からの圧縮力が加わらない。そして、接続防振部材9は、圧縮部9aの厚さが、非圧縮部9bの厚さよりも厚くなるように形成されている。
ここで、「厚さ」とは、接続防振部材9におけるフランジ部74の各面(すなわち表面74a、裏面74bおよび外周面74c)との接触面に対して垂直な方向の長さである。したがって、接続防振部材9のうち、フランジ部74の裏面74bとの接触面を有する圧縮部9aの厚さL1は、フランジ部74の表面74aとの接触面を有する非圧縮部9bの厚さL2よりも厚い。さらに、接続防振部材9のうち、圧縮部9aの厚さL1は、フランジ部74の外周面74cとの接触面を有する非圧縮部9bの厚さL3よりも厚い。
本実施形態では、圧縮部9aの厚さが非圧縮部9bの厚さよりも厚くなるように接続防振部材9が形成されているので、圧縮力を受けた際に圧縮部9aの柔らかさを保つことができる。したがって、接続防振部材9における防振効果を向上させることができるので、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達をより確実に抑制できる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図9に基づいて説明する。図9に示すように、本実施形態のジョイント100は、第1実施形態のジョイント100と比較して、配管7のフランジ部74を廃止している。また、配管7は、先端部73の軸方向外側に、当該配管7における他の部位よりも径が小さい小径部75を有している。
小径部75は、先端部73に接続されている。これにより、先端部73と小径部75との接続部に、段差が形成されている。
小径部75の軸方向外側には、小径部75より径が大きい一般部76が接続されている。これにより、一般部76と小径部75との接続部にも、段差が形成されている。なお、一般部76の径は、先端部73の径と同等であり、かつ、軸方向で一定である。また、接続防振部材9は、小径部75の全体、先端部73と小径部75との間の段差、および、一般部76と小径部75との間の段差を覆うように形成されている。
ここで、先端部73におけるボデー部51と反対側の端面を、段差面73cという。段差面73cは、冷媒による内圧がかかった際に、接続防振部材9をボデー部51と反対側に向かって押圧可能に構成されている。したがって、本実施形態の段差面73cが、本発明の押圧部に相当している。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図10に基づいて説明する。図10に示すように、本実施形態のジョイント100は、第6実施形態のジョイント100と比較して、配管7の小径部75を廃止している。
このため、先端部73の軸方向外側に、一般部76が直接接続されている。これにより、先端部73と一般部76との接続部に、段差が形成されている。そして、接続防振部材9は、先端部73と一般部76との段差を覆うように形成されている。
その他の構成は、第6実施形態と同様である。したがって、本実施形態によれば、上記第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図11に基づいて説明する。図11に示すように、本実施形態のジョイント100は、第6実施形態のジョイント100と比較して、配管7の小径部75を廃止するとともに、先端部73と一般部76との間に傾斜部77を設けている。また、本実施形態では、一般部76の外径は、先端部73の外径より小さい。
傾斜部77は、軸方向外側に向かうにつれて外径が小さくなるように構成されている。傾斜部77は、先端部73および一般部76の双方に接続されている。
傾斜部77における軸方向内側端部の外径は、先端部73の軸方向外側端部の外径と同等である。傾斜部77における軸方向外側端部の外径は、一般部76の軸方向内側端部の外径と同等である。このため、傾斜部77と先端部73との接続部、および、傾斜部77と一般部76との接続部には、いずれも段差が形成されていない。
接続防振部材9は、傾斜部77における軸方向内側の領域を覆うように形成されている。傾斜部77と一般部76との接続部は、接続防振部材9および配管接続部材8の外部に配置されている。
ここで、傾斜部77は、冷媒による内圧がかかった際に、接続防振部材9をボデー部51と反対側に向かって押圧可能に構成されている。したがって、本実施形態の傾斜部77が、本発明の押圧部に相当している。
その他の構成は、第6実施形態と同様である。したがって、本実施形態によれば、上記第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について図12に基づいて説明する。図12に示すように、本実施形態のジョイント100は、第8実施形態のジョイント100と比較して、傾斜部77の全体が接続防振部材9に覆われている。すなわち、傾斜部77と一般部76との接続部は、接続防振部材9の内部に配置されている。
その他の構成は、第8実施形態と同様である。したがって、本実施形態によれば、上記第8実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について図13および図14に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、配管接続部材8の形状が異なるものである。
図13に示すように、本実施形態の配管接続部材8は、ボデー部51内部に挿入された状態で固定される挿入部84を有している。挿入部84は、配管接続部材8の他の部位と一体に形成されている。
ところで、ボデー部51には、挿入部84が挿入される貫通穴510が設けられている。挿入部84は、筒状に形成されている。挿入部84の外周面は、貫通穴510の内周面と接触している。そして、挿入部84の内部に、低圧冷媒通路50c等の冷媒通路が形成されている。
図14に示すように、配管接続部材8の筒状部82cには、かしめ部としての突出部82dが設けられている。突出部82dは、筒状部82cの軸方向外側の端部からボデー部51と反対側に突出するように形成されている。そして、接続防振部材9を配管接続部材8と配管7との間に組み付けた状態で、突出部82dを接続防振部材9に押し付けるように塑性変形させて、配管接続部材8と配管7とを接続防振部材9を介してかしめ固定している。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態について図15および図16に基づいて説明する。本実施形態は、上記第10実施形態と比較して、配管接続部材8の形状が異なるものである。
図15に示すように、本実施形態の配管接続部材8は、第1配管接続部材8Aおよび第2配管接続部材8Bの二部品により構成されている。第1配管接続部材8Aおよび第2配管接続部材8Bは、同一種類の材質(本実施形態では、金属)により形成されている。
第1配管接続部材8Aは、上記第10実施形態の配管接続部材8と同様に、挿入部84および固定部82を有している。固定部82には、配管7の径方向内側に突出するとともに、第2配管接続部材8Bの後述する爪部803が係合される受部82eが形成されている。
第2配管接続部材8Bは、接続防振部材9に接続されている。具体的には、第2配管接続部材8Bは、リング状(すなわち円環状)に形成されたリング部801と、筒状に形成された筒状部802とを有して構成されている。リング部801および筒状部802は、一体に形成されている。
リング部801の中心軸と配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。リング部801は、配管7の中心軸方向に垂直な仮想平面上に配置されている。リング部801は、接続防振部材9における軸方向外側の面を覆うように配置されている。リング部801と配管7とは、接触していない、すなわち非接触とされている。換言すると、リング部801の内周縁部と配管7との間には、隙間が形成されている。リング部801における径方向外側の端部は、筒状部802に接続されている。
筒状部802の中心軸と配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。筒状部802は、接続防振部材9における径方向外側の外周面を覆うように配置されている。筒状部802における軸方向内側(すなわちボデー部51側)の先端部には、第1配管接続部材8Aの受部82eと係合する爪部803が設けられている。
続いて、第1配管接続部材8Aおよび第2配管接続部材8Bの組み付けについて説明する。図16に示すように、まず、接続防振部材9が接続された配管7に第2配管接続部材8Bを組み付ける。その後、図16中の矢印に示すように、第2配管接続部材8Bに対して、第1配管接続部材8Aを軸方向外側に向かってスライドさせ、爪部803と受部82eとを係合させる。これにより、第1配管接続部材8Aおよび第2配管接続部材8Bが組み付けられ、その結果、ボデー部51に対して配管7が固定される。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態について図17に基づいて説明する。図17に示すように、本実施形態のジョイント100は、第1実施形態のジョイント100と比較して、接続防振部材9を磁気バネにより構成している点が異なる。
具体的には、配管7のフランジ部74より軸方向外側(すなわち図17の紙面右側)には、2つの磁石901、902が設けられている。2つの磁石901、902は、同じ極(本実施形態ではS極)同士が対向するように配置されている。つまり、2つの磁石901、902は、互いに反発するように配置されている。2つの磁石901、902の間には、空隙部903が形成されている。
2つの磁石901、902は、それぞれ、中央部に貫通孔901a、902aを有する円環状に形成されている。当該貫通孔901a、902aには、配管7におけるフランジ部74より軸方向外側の部位が挿通されている。
また、本実施形態の固定部82は、外側リング部82bおよび筒状部82cを有している。すなわち、本実施形態の固定部82では、第1実施形態の内側リング部82aが廃止されている。
外側リング部82bと配管7との間には、弾性変形可能なゴムまたはエラストマにより構成された円環状のストッパ部83が設けられている。ストッパ部83は、固定部82と接触している。ストッパ部83と配管7との間には、空隙部83aが形成されている。
本実施形態のストッパ部83は、ゴムにより構成されている。また、本実施形態のストッパ部83は、当該ストッパ部83の周方向に直交する断面がL字状に形成されている。
上述したように、本実施形態では、接続防振部材9を磁気バネにより構成しているので、ボデー部51と配管7の接続部を磁気バネにて防振することができる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第13実施形態)
次に、本発明の第13実施形態について図18に基づいて説明する。図18に示すように、本実施形態のジョイント100は、第1実施形態のジョイント100と比較して、接続防振部材9を圧縮コイルバネにより構成している点が異なる。
具体的には、圧縮コイルバネは、当該圧縮コイルバネの軸方向が配管7の軸方向と平行になるように設けられている。圧縮コイルバネは、配管7のフランジ部74と固定部82との間に配置されている。本実施形態では、圧縮コイルバネとして、円筒コイルバネを用いている。なお、本実施形態の固定部82では、第1実施形態の内側リング部82aおよび筒状部82cが廃止されている。
上述したように、本実施形態では、接続防振部材9を圧縮コイルバネにより構成しているので、ボデー部51と配管7の接続部を圧縮コイルバネにて防振することができる。したがって、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第14実施形態)
次に、本発明の第14実施形態について図19に基づいて説明する。図19に示すように、本実施形態のジョイント100は、第1実施形態のジョイント100と比較して、接続防振部材9を、二種類のゴム部材904、905により構成している点が異なる。
具体的には、接続防振部材9は、第1ゴム部材904と、当該第1ゴム部材904よりゴム硬度が低い(すなわち柔らかい)第2ゴム部材905とを有している。第1ゴム部材904は、フランジ部74全体を含んだ配管7の外周表面に接触するように配置されている。第2ゴム部材905は、第1ゴム部材904より軸方向外側(すなわち図19の紙面右側)において、配管7の外周表面に接触するように配置されている。
第1ゴム部材904と第2ゴム部材905との間には、空隙部906が形成されている。また、第1ゴム部材904の中心軸、第2ゴム部材905の中心軸および配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。
本実施形態では、第1ゴム部材904を、フランジ部74全体を含んだ配管7の外周表面に接触するように配置している。これによれば、冷媒による内圧がかかった際にフランジ部74にて押圧される部位に、ゴム硬度の高い第1ゴム部材904を配置することができる。したがって、冷媒の内圧により力が加わる部位における接続防振部材9の強度を向上させて、接続防振部材9が裂けることを抑制できる。
一方、フランジ部74に押圧されない部位には、ゴム硬度の低い第2ゴム部材905を配置している。このため、第2ゴム部材905において、防振性能を確保することができる。
(第15実施形態)
次に、本発明の第15実施形態について図20に基づいて説明する。図20に示すように、本実施形態のジョイント100は、第13実施形態のジョイント100と比較して、接続防振部材9である圧縮コイルバネの両端部に、ゴム部材907、908をそれぞれ配置した点が異なる。
具体的には、圧縮コイルバネの軸方向内側(すなわち図20の紙面左側)には、第3ゴム部材907が配置されている。圧縮コイルバネの軸方向外側(すなわち図20の紙面右側)には、第4ゴム部材908が配置されている。
第3ゴム部材907および第4ゴム部材908は、それぞれ円環状に形成されている。第3ゴム部材907の中心軸、第4ゴム部材908の中心軸および配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。
ここで、本実施形態の固定部82は、外側リング部82bおよび筒状部82cを有している。すなわち、本実施形態の固定部82では、第1実施形態の内側リング部82aが廃止されている。
第3ゴム部材907は、当該第3ゴム部材907の周方向に直交する断面がL字状に形成されている。第3ゴム部材907は、配管7の先端部73における外周表面と、フランジ部74の表面74aおよび外周面74cと、固定部82の筒状部82cにおける内周面とに接触するように配置されている。
第4ゴム部材908は、当該第4ゴム部材908の周方向に直交する断面が四角形状に形成されている。第4ゴム部材908は、配管7の外周表面と、固定部82の筒状部82cにおける内周面と、固定部82の外側リング部82bにおける内壁面とに接触するように配置されている。
ここで、本実施形態の温度式膨張弁5の振動は、図20の矢印で示すように、ボデー部51→締結部材81→配管接続部材8→第4ゴム部材904→圧縮コイルバネ(すなわち接続防振部材9)→配管7の順に伝達する。そして、本実施形態では、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達の経路上に、防振機能を有する第4ゴム部材904を配置している。このため、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達をより確実に抑制できる。
(第16実施形態)
次に、本発明の第16実施形態について図21に基づいて説明する。本実施形態は、上記第2実施形態と比較して、接続防振部材9の形状が異なるものである。
図21に示すように、本実施形態の接続防振部材9は、配管7の軸方向と平行に複数個(本例では3個)に分割されている。分割された各接続防振部材9の間には、それぞれ、空隙部94が形成されている。
このように、各接続防振部材9の間に空隙部94を形成することで、圧縮力を受けた際に接続防振部材9の柔らかさを保つことができる。したがって、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第17実施形態)
次に、本発明の第17実施形態について図22に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、ボデー部51と配管7との固定構造が異なるものである。
図22に示すように、本実施形態では、ボデー部51および配管7は、防振機能を有する防振締結部材810により固定されている。防振締結部材810は、ボデー部51および配管7を構成する材質よりも柔らかく、振動を伝達し難い材質により形成されている。本実施形態では、防振締結部材810として、樹脂性の樹脂ボルトを用いている。
ボデー部51と配管7との間には、空隙部820が形成されている。つまり、ボデー部51および配管7は、ボデー部51と配管7とが非接触となるように、防振締結部材810により固定されている。
配管7のフランジ部74における軸方向外側(すなわち図22の紙面右側)には、防振締結部材810が締結される被締結部材830が設けられている。被締結部材830としては、金属製のナットを用いることができる。
より詳細には、防振締結部材810は、配管7の軸方向に平行に延びている。ボデー部51には、配管7の軸方向に平行に延びる貫通孔57が形成されている。防振締結部材810は、軸方向内側から貫通孔57に挿通されている。防振締結部材810の軸方向外側の端部は、被締結部材830に締結されている。
このとき、ボデー部51と防振締結部材810とが接触している。防振締結部材810と被締結部材830とが接触している。被締結部材830と配管7とが接触している。
ここで、本実施形態の温度式膨張弁5の振動は、図22の矢印で示すように、ボデー部51→防振締結部材810→被締結部材830→配管7の順に伝達する。そして、本実施形態では、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達の経路上に、防振機能を有する防振締結部材810を配置している。このため、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達を抑制することが可能となる。
ところで、上述したように、冷凍サイクル装置1は、冷媒により内圧が発生する。このため、冷媒と外気との間をシールしているシール部材73bに、内圧による圧縮力が加わり、配管7を軸方向外側(すなわち図22の紙面右側)に向かって押圧する。これにより、ボデー部51と配管7との間にクリアランス(すなわち空隙部820)を確保することができる。したがって、ボデー部51と配管7との金属接触を無くして、温度式膨張弁5から配管7への振動伝達をより確実に抑制できる。
(第18実施形態)
次に、本発明の第18実施形態について図23に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、ボデー部51と配管7とのシール構造が異なるものである。
図23に示すように、本実施形態のジョイント100では、第1実施形態のシール部73bが廃止されている。実施形態の配管7では、シール部73bを固定する溝部73aが廃止されている。また、本実施形態の配管7は、その軸方向において内径寸法および外形寸法が一定に形成されている。
本実施形態の接続防振部材9は、円筒状の筒状部909を有している。筒状部909の中心軸および配管7の中心軸は、同軸上に配置されている。筒状部909における軸方向両端部には、筒状部909から径方向外側に向かって突出するフランジ910、911が、それぞれ設けられている。筒状部909およびフランジ910、911は、一体に形成されている。
以下、フランジ910、911のうち、筒状部909の軸方向内側端部に接続されるものを内側フランジ910といい、筒状部909の軸方向外側端部に接続されるものを外側フランジ911という。
ここで、本実施形態の配管接続部材8は、配管7の軸方向に直交する方向に延びる板状に形成された3つの板状部材811、812、813を有している。3つの板状部材811、812、813は、それぞれ金属により形成されている。
3つの板状部材811、812、813は、配管7の軸方向に並んで配置されている。3つの板状部材811、812、813のうち、軸方向内側に配置されるものを内側板状部材811といい、軸方向外側に配置されるものを外側板状部材813といい、内側板状部材811と外側板状部材813との間に配置されるものを中央板状部材812という。
内側板状部材811には、接続防振部材9の筒状部909が挿通される内側貫通孔811aが形成されている。中央板状部材812には、接続防振部材9の筒状部909が挿通される中央貫通孔812aが形成されている。外側板状部材813には、配管7が挿通される外側貫通孔813aが形成されている。
接続防振部材9の内側フランジ910は、ボデー部51と内側板状部材811とに挟まれた状態で固定されている。内側板状部材811は、当該内側板状部材811をボデー部51の方向へと押し付ける締結部材である内側ボルト81Aにより、ボデー部51に固定されている。
ところで、内側板状部材811がボデー部51に固定された状態において、内側フランジ910は、ボデー部51と内側板状部材811との間を面シールする面シール部としての機能を果たす。換言すると、本実施形態では、ボデー部51と配管接続部材8における内側板状部材811との間には面シール部910が設けられている。そして、当該面シール部910は、接続防振部材9と一体に形成されている。
接続防振部材9の外側フランジ910は、配管7のフランジ部74における軸方向内側の面に接触している。外側フランジ910およびフランジ部74は、中央板状部材812と外側板状部材813とに挟まれた状態で固定されている。このとき、外側フランジ910における軸方向内側の面は、中央板状部材812と接触している。フランジ部74における軸方向外側の面は、外側板状部材813と接触している。
中央板状部材812は、当該中央板状部材812を外側板状部材813の方向へと押し付ける締結部材である外側ボルト81Bにより、外側板状部材813に固定されている。これにより、配管7が、中央板状部材812と外側板状部材813との間に固定されている。
内側板状部材811と中央板状部材812とは、直接接触していない。中央板状部材812と外側板状部材813とは、直接接触していない。
上述したように、本実施形態では、第1実施形態のシール部73bを廃止するとともに、接続防振部材9の内側フランジ910によりボデー部51と内側板状部材811との間を面シールしている。これによれば、ボデー部51と内側板状部材811との間をシールするシール部材を別途設ける必要がないため、部品点数を削減することができる。
(第19実施形態)
次に、本発明の第19実施形態について図24に基づいて説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、配管7の構成が異なるものである。
図24に示すように、本実施形態の配管7には、蛇腹状に形成された蛇腹部700が設けられている。蛇腹部700は、配管7のうち、固定部82よりも軸方向外側に配置されている。本実施形態によれば、配管7の蛇腹部700において、振動を吸収することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、例えば以下のように種々変形可能である。また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
(1)上記実施形態では、本発明に係るジョイント100を、蒸発器6に接続される配管7と温度式膨張弁5との接続部に適用した例を説明したが、ジョイント100の適用はこれに限定されない。例えば、ジョイント100を、冷凍サイクル装置1における圧縮機2と他の構成部品との接続部に適用してもよい。
(2)上記実施形態では、防振部材、すなわちシール部73bおよび接続防振部材9をゴムにより形成した例について説明したが、シール部73bおよび接続防振部材9の材質はこれに限定されない。例えば、シール部73bおよび接続防振部材9を、エラストマや樹脂により形成してもよい。また、シール部73bおよび接続防振部材9を、ボデー部51および配管7を構成する材質よりも柔らかく、振動を伝達し難い金属により形成してもよい。
(3)上記第13実施形態では、接続防振部材9である圧縮コイルバネとして、円筒コイルバネを用いた例について説明したが、圧縮コイルバネはこれに限定されない。例えば、圧縮コイルバネとして、つづみ形コイルや円錐コイルバネ等を用いてもよい。