JP7134346B2 - 給湯システム - Google Patents
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Description
本実施の形態1の給湯システムの構成を、図面を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1に係る給湯システムの一構成例を示す回路図である。図1に示すように、給湯システム1は、温熱を生成する熱源ユニット10と、水を貯留するタンク21と、熱源ユニット10とタンク21との間で水を循環させる循環回路24と、給湯システム1の運転を制御するコントローラ40とを有する。図1に示すように、給湯システム1に発生する異常などの情報をユーザに報知する報知部25が給湯システム1に設けられていてもよい。報知部25は、例えば、表示装置およびスピーカの一方または両方である。報知部25は信号線を介してコントローラ40と接続されている。
熱源ユニット10は、温熱を生成するヒートポンプ給湯器の役目を果たす。熱源ユニット10は、圧縮機12、水熱交換器13、膨張弁15、空気側熱交換器16およびファン17を有する。圧縮機12、水熱交換器13、膨張弁15および空気側熱交換器16がヒートポンプ配管18で接続され、冷媒が循環するヒートポンプ回路11が構成される。ヒートポンプ配管18において、水熱交換器13と膨張弁15との間に冷媒圧力センサ14が設けられている。ヒートポンプ回路11によって生成される温熱が、水熱交換器13を介して循環回路24を流通する水に伝導され、水が加熱される。冷媒は、例えば、R407C冷媒である。
タンク21は、図に示さない給水口から給水され、図に示さない供給口から給湯する。タンク21には、タンク21から水熱交換器13に水が流出するため開口部である出口72と、水熱交換器13を流通した水がタンク21に戻るための開口部である入口71とが設けられている。タンク21の入口71と水熱交換器13とが配管26aで接続され、出口72と水熱交換器13とが配管26bで接続されている。
循環回路24は、循環ポンプ22およびストレーナ23を有する。循環ポンプ22およびストレーナ23は配管26bに設けられている。循環ポンプ22は、タンク21と水熱交換器13との間で水を循環させるために、吸入した水を送出するポンプである。循環ポンプ22は回転数Hを調節できるポンプである。ストレーナ23は、循環回路24を循環する水から異物を濾す濾し器である。ストレーナ23は、水から異物を濾す網部(不図示)と、網部に溜まった異物を取り除くための弁(不図示)とを有する。循環ポンプ22、水熱交換器13およびタンク21が配管26aおよび26bで接続され、水が循環する循環回路24が構成される。
図1に示したコントローラ40について説明する。給湯システム1は通常運転モードおよび試運転モードを有し、各運転モードに対応してコントローラ40は、給湯システム1の運転を制御する。通常運転モードは、給湯で使用される水の温度がユーザによって設定された設定温度Tsになるように運転するモードである。試運転モードは、循環回路24の基準状態において、詰まりの有無の判定に関するパラメータのデータを収集するモードである。基準状態とは、水熱交換器13を含む循環回路24にスケールおよび異物などがほとんど付着しておらず、水の流れが妨げられることがない状態である。基準状態は、例えば、作業者が循環回路24のメンテナンスを行った後から数時間~24時間以内の一定期間の状態である。設定温度Tsは、図に示さないリモートコントローラを介してユーザによってコントローラ40に入力される。
冷凍サイクル制御手段81は、通常運転モードにおいて、流入温度Tin、流出温度Tout、水圧Pw、冷媒圧力Prおよび設定温度Tsに基づいて、給湯システム1の運転を制御する。具体的には、冷凍サイクル制御手段81は、タンク21に溜まる水の容量、流出温度Tout、流入温度Tinおよび設定温度Tsとから必要な熱量を算出する。そして、冷凍サイクル制御手段81は、冷媒圧力Prに対応してヒートポンプ回路11で生成される熱量を示す関係式を用いて、必要な熱量が得られるように圧縮機12およびファン17の回転数、ならびに膨張弁15の開度を制御する。冷凍サイクル制御手段81は、流入温度Tinと流出温度Toutとの温度差ΔTが大きいほど、圧縮機12およびファン17の回転数を大きくする制御を行ってもよい。冷凍サイクル制御手段81は、流入温度Tinと流出温度Toutとの温度差ΔTが大きいほど、循環ポンプ22のモータの回転数を小さくする制御を行ってもよい。なお、タンク21に水の容量を検出するセンサおよびタンク21に溜まる水の温度を検出するセンサなどが設けられていてもよい。
水圧マップ作成手段85は、試運転モードにおいて、循環ポンプ22の回転数Hを変化させ、回転数Hに対応して水圧センサ33で検出される水圧Pwを記録する。具体的には、水圧マップ作成手段85は、循環ポンプ22の回転数Hを単位回転数ΔH変化させる度に水圧Pwを記録する。そして、水圧マップ作成手段85は、記録した水圧Pwを基準水圧Pwrefとして、回転数Hと基準水圧Pwrefとの関係を示す水圧マップを作成してメモリ41に記憶させる。
冷媒圧力マップ作成手段86は、試運転モードにおいて、流入温度Tinと流出温度Toutとの温度差ΔTの目標温度差ΔTsを設定する。冷媒圧力マップ作成手段86は、設定した目標温度差ΔTsを冷凍サイクル制御手段81に通知する。冷媒圧力マップ作成手段86は、目標温度差ΔTsを単位温度差dT変化させ、変化させる度に目標温度差ΔTsを冷凍サイクル制御手段81に通知する。冷媒圧力マップ作成手段86は、目標温度差ΔTsを単位温度差dT変化させる度に冷媒圧力Prを記録する。そして、冷媒圧力マップ作成手段86は、記録した冷媒圧力Prを基準冷媒圧力Prrefとし、目標温度差ΔTsを温度差ΔTとし、温度差ΔTと基準冷媒圧力Prrefとの関係を示す冷媒圧力マップを作成する。冷媒圧力マップ作成手段86は、作成した冷媒圧力マップをメモリ41に記憶させる。
異常判定手段82は、循環ポンプ22が停止した状態から起動する際、水圧センサによって検出される水圧と基準水圧Pwrefとから循環回路24に詰まりが発生したか否かを判定する。具体的には、異常判定手段82は、図1に示したメモリ41が記憶する水圧マップを参照し、運転中の循環ポンプ22の回転数Hに対応する基準水圧Pwrefを決定する。そして、異常判定手段82は、検出される水圧Pwと基準水圧Pwerとを比較し、水圧Pwが基準水圧Pwerと比べて水圧差閾値ΔPwthよりも低下した場合、循環回路24に詰まりが発生したと判定する。循環回路24に詰まりが発生すると、水の流れが悪くなり、循環ポンプ22の回転数Hが同じでも、水圧Pwが低くなるからである。異常判定手段82は、検出される水圧Pwと基準水圧Pwerとの水圧差が水圧差閾値ΔPwthよりも小さい場合、循環回路24に詰まりが発生していないと判定する。水圧差閾値ΔPwthはメモリ41が記憶している。
位置判定手段83は、異常判定手段82によって循環回路24に詰まりが発生したと判定されると、冷媒圧力センサ14によって検出される冷媒圧力Prと基準冷媒圧力Prrefとから水熱交換器13に詰まりが発生したか否かを判定する。具体的には、位置判定手段83は、メモリ41が記憶する冷媒圧力マップを参照し、検出される流入温度Tinおよび流出温度Toutから算出される温度差ΔTに対応する基準冷媒圧力Prrefを決定する。そして、位置判定手段83は、検出される冷媒圧力Prが基準冷媒圧力Prrefと比べて冷媒圧力差閾値ΔPrthよりも大きいか否かを判定する。
異常停止手段84は、循環回路24に詰まりが発生した場合、水圧センサ33によって検出される水圧Pwが大気圧Patmより小さい負圧であるか否かを判定する。水圧Pwが大気圧Patmより小さい負圧である場合、異常停止手段84は循環ポンプ22の運転を停止する異常停止を行う。その際、異常停止手段84は、第3異常として、循環回路24に負圧を検知した旨のメッセージを、報知部25に表示させてもよく、メッセージを音声で報知部25に出力させてもよい。さらに、異常停止手段84は、異常停止を冷凍サイクル制御手段81に指示してもよい。
次に、給湯システム1が通常運転モードで運転中に異常を検知する動作を説明する。図7は、図1に示した給湯システムが異常を検知する動作手順の一例を示すフローチャートである。コントローラ40は、例えば、循環ポンプ22の起動のタイミングで、図7に示す手順で動作する。図7に示す手順の開始のタイミングは、循環ポンプ22の起動のタイミングに限定されない。コントローラ40は、循環回路24のメンテナンスが行われた後、一定の周期で、図7に示す手順を繰り返してもよい。
Claims (5)
- 水を加熱する水熱交換器を含み、冷媒が循環するヒートポンプ回路と、
前記水を貯留するタンクと、
前記タンクと前記水熱交換器との間で前記水が循環する循環回路と、
前記循環回路に水を循環させる循環ポンプと、
前記水熱交換器の前記水の流出側に設けられ、水圧を検出する水圧センサと、
前記水熱交換器の前記冷媒の流出側に設けられ、冷媒圧力を検出する冷媒圧力センサと、
前記水熱交換器の前記水の流入温度および流出温度と、前記冷媒圧力と、前記水圧と、前記水の設定温度とに基づいて前記ヒートポンプ回路および前記循環ポンプを制御するコントローラと、を有し、
前記コントローラは、
前記水圧センサによって検出される前記水圧と基準水圧とから前記循環回路に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段と、
前記冷媒圧力センサによって検出される前記冷媒圧力と基準冷媒圧力とから前記水熱交換器に異常が発生したか否かを判定する位置判定手段と、を有し、
前記位置判定手段は、
前記異常判定手段によって前記循環回路に異常が発生したと判定されると、検出される前記冷媒圧力が前記基準冷媒圧力と比べて決められた冷媒圧力差閾値よりも大きいか否かを判定し、
検出される前記冷媒圧力が前記基準冷媒圧力と比べて前記冷媒圧力差閾値よりも大きい場合、前記異常の発生箇所を前記水熱交換器と判定し、検出される前記冷媒圧力と前記基準冷媒圧力との差が前記冷媒圧力差閾値以下である場合、前記異常の発生箇所を前記循環回路のうち、前記水熱交換器以外の部分と判定する、
給湯システム。 - 前記異常判定手段は、
検出される前記水圧が前記基準水圧と比べて決められた水圧差閾値以上小さい場合、前記循環回路に異常が発生したと判定する、請求項1に記載の給湯システム。 - 前記水熱交換器の前記水の流入側に設けられ、前記流入温度を検出する入口温度センサと、
前記水熱交換器の前記水の流出側に設けられ、前記流出温度を検出する出口温度センサと、を有し、
前記コントローラは、
前記循環回路の基準状態において、前記循環ポンプの回転数に対応して前記水圧を前記基準水圧として記録し、前記回転数と前記基準水圧との関係を示す水圧マップを作成する水圧マップ作成手段と、
前記基準状態において、前記流入温度と前記流出温度との温度差に対応して前記冷媒圧力を前記基準冷媒圧力として記録し、前記温度差と前記基準冷媒圧力との関係を示す冷媒圧力マップを作成する冷媒圧力マップ作成手段と、をさらに有し、
前記異常判定手段は、前記判定を行う際、前記水圧マップを参照し、運転中の前記循環ポンプの回転数に対応して前記基準水圧を決定し、
前記位置判定手段は、前記判定を行う際、前記冷媒圧力マップを参照し、前記入口温度センサおよび前記出口温度センサのそれぞれの検出値から求まる前記温度差に対応して前記基準冷媒圧力を決定する、請求項1または2に記載の給湯システム。 - 前記異常判定手段は、
前記循環回路に異常が発生した場合、前記循環ポンプの回転数を大きくする応急運転を前記循環ポンプに行わせる、請求項1~3のいずれか1項に記載の給湯システム。 - 前記コントローラは、
前記循環回路に異常が発生し、かつ前記水圧センサによって検出される前記水圧が負圧である場合、前記循環ポンプを停止させる異常停止手段をさらに有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の給湯システム。
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