JP7132750B2 - 排ガスの洗浄冷却方法及び排ガスの洗浄冷却設備 - Google Patents

排ガスの洗浄冷却方法及び排ガスの洗浄冷却設備 Download PDF

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Description

本発明は、排ガスの洗浄冷却方法及び排ガスの洗浄冷却設備に関する。
非鉄製錬設備における硫化鉱の燃焼により排出されるSOガスは、予冷塔、洗浄塔、冷却塔等の洗浄冷却塔やミストコットレル等の集塵装置を用いて精製された後、硫酸製造工程へ送られる。洗浄冷却塔では、洗浄冷却水を噴射ノズルからスプレーしてSOガス中に含まれるSe、Pb等の不純物を除去し、洗浄冷却水中に捕集するとともに、SOガスの冷却を行っている。なお、噴射ノズルから噴射される洗浄冷却水はSOガスを捕集しながら循環使用されるので次第に酸性(循環酸)となる。
洗浄冷却塔の内壁は高温乾燥と低温湿潤が繰返されるためレンガ構造が劣化しやすいことから、特許文献1では、このような非鉄製錬設備の洗浄冷却塔内壁の劣化を抑制し、塔本体の寿命を延長し、洗浄冷却スプレー装置のメンテナンスが容易な排ガス洗浄冷却塔を開示している。
特許第4522895号公報
一方、洗浄冷却水(循環酸)中に捕集された不純物はSS(Suspended Solids)となり、このSSの一部が洗浄塔や冷却塔の下部に堆積し、また別の一部が噴射ノズル、プレートクーラ、冷却塔充填物及び洗浄冷却水配管(循環酸配管)などの洗浄冷却水(循環酸)の循環設備に蓄積する。このように、噴射ノズル、プレートクーラ、冷却塔充填物及び循環酸配管にSSが蓄積することは、循環使用される洗浄冷却水通路の閉塞を引き起こし、設備能力の低下の主原因になる。
例えば、洗浄冷却水(循環酸)にSS(Suspended Solids)が混入すると、操業中に噴射ノズルが閉塞して噴射流量が低下する。特に、排ガスの温度が最も高い予冷塔に搭載された噴射ノズルに閉塞が生じると、予冷塔の冷却不足に起因した系内温度上昇が生じ、レンガライニング、目地の溶損、ひいては塔本体の腐食(漏酸)などのトラブルを招くことになる。従来はオペレータ等が定期的に(月に1回の頻度で)噴射ノズルのメンテナンスを行っていたが、トラブルを回避するためにはメンテナンスの頻度を大幅に向上させる必要があった。また、プレートクーラがSSにより閉塞すると出口側のガス温度が上昇し、導入ファン吸引ガス量の低下を招くという問題があった。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、噴射ノズルや配管等の洗浄冷却設備のメンテナンスを適切なタイミングで行い塔内壁の損耗を防止することが可能な排ガスの洗浄冷却方法及び排ガスの洗浄冷却設備を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、製錬炉から排出された排ガスを、洗浄冷却水を噴射する噴射ノズルを複数備えた洗浄冷却塔へ導入し、前記噴射ノズルから洗浄冷却水を噴射して前記排ガスを冷却すると共に不純物を洗浄除去する洗浄冷却設備における排ガスの洗浄冷却方法において、前記洗浄冷却塔の予冷塔に配置された前記噴射ノズルは、当該予冷塔の内壁の円周方向に沿って前記洗浄冷却水を噴射して前記内壁面全体に均一な水層による濡れ壁を形成するものであり、前記噴射ノズルへ前記洗浄冷却水を供給するための洗浄冷却水配管又はその母管の少なくとも一方に設けられた流量計によって、前記噴射ノズルへ供給される前記洗浄冷却水の流量の変化を計測すると共に、前記予冷塔の内壁に設けられた壁面温度計によって前記内壁の温度変化を計測することにより、前記濡れ壁の状態を監視することを特徴とする。
上記課題を解決するため請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排ガスの洗浄冷却方法において、前記濡れ壁を形成する前記噴射ノズルの個数は複数であり、前記流量計の設け先は、複数の前記噴射ノズルのそれぞれに前記洗浄冷却水を供給するための洗浄冷却水配管の母管である、
こと特徴とする。
上記課題を解決するため請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の排ガスの洗浄冷却方法において、前記洗浄冷却塔は、前記予冷塔、洗浄塔及び冷却塔によって構成され、前記冷却塔に配置された前記噴射ノズルは、プレートクーラで冷却された循環使用される洗浄冷却水(以下、「循環酸」という。)を噴射するものであり、前記噴射ノズルへ前記循環酸を供給するための循環酸配管に流量計を設けることにより、前記噴射ノズルから噴射される前記循環酸の流量変化を計測して、前記冷却塔の洗浄冷却の状態を監視することを特徴とする。
上記課題を解決するため請求項4に記載の発明は、製錬炉から排出された排ガスを、洗浄冷却水を噴射する噴射ノズルを複数備えた洗浄冷却塔へ導入し、前記噴射ノズルから洗浄冷却水を噴射して前記排ガスを冷却すると共に不純物を洗浄除去する洗浄冷却設備であって、前記洗浄冷却塔の予冷塔に配置され、当該予冷塔の内壁の円周方向に沿って前記洗浄冷却水を噴射して前記内壁面全体に均一な水層による濡れ壁を形成する噴射ノズルと、前記噴射ノズルへ前記洗浄冷却水を供給するための耐熱PVC製の洗浄冷却水配管と、前記洗浄冷却水配管又はその母管の少なくとも一方に設けられた流量計と、前記予冷塔の内壁に設けられた壁面温度計と、を備え、前記流量計によって、前記噴射ノズルへ供給される前記洗浄冷却水の流量の変化を計測すると共に、前記壁面温度計によって前記内壁の温度変化を計測することにより、前記濡れ壁の状態を監視できるようにしたことを特徴とする。
本発明に係る排ガスの洗浄冷却方法及び洗浄冷却設備によれば、噴射ノズルへ前記洗浄冷却水(循環酸)を供給するための洗浄冷却水配管(循環酸配管)に流量計を設けることとしたので、噴射ノズルから噴射される洗浄冷却水(循環酸)の流量の変化を間接的に計測することができ、流量計が高温に晒されるのを防ぎつつ、洗浄冷却塔の洗浄冷却の状態を監視することができる。また、噴射ノズルがSSによって閉塞が生じた場合には噴射ノズルの噴射流量が低下することが予想されるので、(循環酸)の流量の変化から、噴射ノズルの閉塞の有無を検知することができる。そこで管理者は、洗浄冷却水(循環酸)の流量の変化を検知したタイミングで噴射ノズルや洗浄冷却水配管(循環酸配管)等のメンテナンスを行うことで、洗浄冷却塔の洗浄冷却不足を防ぎ、洗浄冷却不足による温度上昇等に起因した洗浄冷却塔の内壁の損耗を回避することが可能となる。また、洗浄冷却水(循環酸)の流量の変化を検知していない場合には管理者が噴射ノズルや洗浄冷却水配管(循環酸配管)等のメンテナンスの時期を先延ばしすることも可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る洗浄冷却設備の概略構成を示す説明図である。 図2は、予冷塔の構成を示す縦断面図である。 図3は、予冷塔の噴射ノズル20-3の配置関係を示す横断面図である。 図4は、予冷塔の噴射ノズル20-4の配置関係を示す横断面図である。 図5は、予冷塔の噴射ノズル20-5の配置関係を示す横断面図である。 図6は、予冷塔の噴射ノズル20-8の配置関係を示す横断面図である。 図7は、洗浄塔の構成を示す縦断面図である。 図8は、洗浄塔の噴射ノズル30-3の配置関係を示す横断面図である。 図9は、洗浄塔の噴射ノズル30-4の配置関係を示す横断面図である。 図10は、冷却塔の構成を示す縦断面図である。 図11は、冷却塔の噴射ノズル40-3、40-4の配置関係を示す横断面図である。 図12は、噴射ノズルへ冷却水を供給する配管及び流量計の設置先を示す説明する配管図である。 図13は、伝搬時間差式流量計の原理を示す説明図である。 図14は、ドップラー式流量計の原理を示す説明図である。 図15は、予冷塔の噴射ノズル20-3、20-4、20-5の流量の時間変化を示すグラフである。
[実施形態]
以下、本発明に係る排ガスの洗浄冷却方法及び排ガスの洗浄冷却設備について、好ましい一実施形態に基づいて詳細に説明する。
[洗浄冷却設備の構成]
先ず、本実施形態に係る洗浄冷却設備の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係る洗浄冷却設備の概略構成を示す説明図である。図示されるとおり、洗浄冷却設備1は、自溶炉や転炉等の製錬炉での硫化鉱の燃焼により排出されたSOガスを含む排ガス(以下、「SOガス」という。)を、洗浄冷却塔において洗浄冷却する設備である。洗浄冷却塔は、予冷塔2、洗浄塔3及び冷却塔4を備えて構成され、予冷塔2、洗浄塔3及び冷却塔4にはそれぞれ冷却水を噴射するスプレー装置200、300、400の噴射ノズルが設けられている。そして、スプレー装置200、300、400の噴射ノズルから洗浄冷却水(循環酸)を噴射してSOガスを冷却すると共に不純物を洗浄除去する。製錬炉から排出されたSOガスは、予冷塔2、洗浄塔3、冷却塔4の順に通過し、その間に、冷却、洗浄されて、硫酸製造工場(図示しない)へ送られる。この洗浄冷却設備1を通過することによりSOガスの温度は300℃から40℃へ低下する。
予冷塔2には、塔内に流入するSOガスに向けて洗浄冷却水(循環酸)を噴射してSOガスを洗浄及び冷却する複数のスプレー装置200が備えられている。また、洗浄冷却水(循環酸)は、洗浄塔3の下部に貯留され、循環ポンプ32を介してスプレー装置200に供給されて循環使用される。製錬炉から排出されたSOガス中にはSe、Pbを含む粒子状の不純物が含まれており、複数のスプレー装置200の各噴射ノズルから洗浄冷却水(循環酸)を噴射することにより、粒子状の不純物が洗浄冷却水(循環酸)に懸濁してSS(Suspended Solids)となって、洗浄塔3の下部に溜まる。
洗浄塔3にも予冷塔2と同様に、塔内に流入するSOガスに向けて洗浄冷却水(循環酸)を噴射してSOガスを洗浄及び冷却する複数のスプレー装置300が備えられている。複数のスプレー装置300の各噴射ノズルから洗浄冷却水(循環酸)を噴射することにより、予冷塔2内においてSOガス中から除去されなかった粒子状の不純物が、洗浄冷却水(循環酸)に懸濁してSSとなり、洗浄塔3の下部に溜まる。洗浄冷却水(循環酸)は、洗浄塔3の下部から循環ポンプ32を介してスプレー装置300に供給される。なお、洗浄冷却水(循環酸)は、循環ポンプ32の圧送により、例えば8000(L/min)でスプレー装置300へ供給される。
冷却塔4にも予冷塔2及び洗浄塔3と同様に、SOガスを洗浄及び冷却する複数のスプレー装置400が備えられている。冷却塔4には充填部42が備えられており、複数のスプレー装置400の噴射ノズルで充填部42上部に噴射された洗浄冷却水(循環酸)は、充填部42で拡散される。充填部42下部から流入する洗浄塔3を通過したSOガスは、充填部42で拡散され、充填部42では洗浄冷却水(循環酸)によるSOガスの冷却が行われる。
また、冷却塔4内の洗浄冷却水(循環酸)はSOガス中の不純物を補足し、冷却塔4の下部に溜まる。冷却塔4の下部に溜まった洗浄冷却水(循環酸)は、プレートクーラ44で冷却された後、洗浄冷却水配管(循環酸配管)43を通りスプレー装置400へ供給される。洗浄冷却水(循環酸)は、例えば9000(L/min)でスプレー装置400へ供給される。
[予冷塔の構成]
次に、予冷塔の構成について説明する。図2は、予冷塔の構成を示す縦断面図である。図示されるとおり予冷塔2は、円筒状の胴部2Aと、胴部2Aの上側に設けられたスカート状の排ガス入口部2Bと、胴部2Aの下部から横方向に向かって延在した円筒状の排ガス出口部2Cとを備えている。予冷塔2の胴部2Aの最上段には、8本のスプレー装置200(8本の噴射ノズル20-3)が設けられ、胴部2Aの次の段には、さらに8本のスプレー装置200(8本の噴射ノズル20-4)が設けられ、胴部2Aの次の段には、さらに8本のスプレー装置200(8本の噴射ノズル20-5)が設けられ、胴部2Aの最下段には2本のスプレー装置200(2本の噴射ノズル20-8)が設けられている。また、胴部2Aの噴射ノズル20-3が設けられた段と噴射ノズル20-4が設けられた段との間には、1本の緊急用スプレー装置200(1本の噴射ノズル20-6)が設けられている。
なお、予冷塔2の内壁には耐酸性の高いカーボンレンガ、耐酸磁器レンガなどの耐酸材料が用いられ、予冷塔2の外壁は適宜に鉄壁で構成される。但し、外壁及び内壁の材料は、これに限定されることはない。例えば、カーボンレンガの代わりにフランレンガなども使用することができるし、その他種々のレンガを使用することができる。
[予冷塔の噴射ノズル20-3]
次に、予冷塔2の噴射ノズル20-3について説明する。図3は、予冷塔2の噴射ノズル20-3の配置関係を示す横断面図である。図示されるとおり、8本の噴射ノズル20-3は、予冷塔2の内壁の円周方向にかけて等間隔で設けられている。これら8本の噴射ノズル20-3は、予冷塔2の胴部2Aの内壁の円周方向に沿って洗浄冷却水(循環酸)を噴射して内壁面全体に均一な水層による濡れ壁を形成する。濡れ壁用の噴射ノズル20-3の設計流量は例えば75L/min、濡れ壁用の噴射ノズル20-3の設計噴射角度は水平方向に45°、垂直方向に10°である。また、濡れ壁の厚さtは1~5mmである。
[予冷塔の噴射ノズル20-4]
次に、予冷塔2の噴射ノズル20-4について説明する。図4は、予冷塔2の噴射ノズル20-4の配置関係を示す横断面図である。図示されるとおり、8本の噴射ノズル20-4は、予冷塔2の内壁の円周方向にかけて等間隔で設けられた冷却用の噴射ノズルである。これら冷却用の噴射ノズル20-4の設計流量は例えば210L/min、設計噴射角度は水平方向に90°、垂直方向に45°である。
[予冷塔の噴射ノズル20-5]
次に、予冷塔2の噴射ノズル20-5について説明する。図5は、予冷塔2の噴射ノズル20-5の配置関係を示す横断面図である。図示されるとおり、8本の噴射ノズル20-5、は予冷塔2の内壁の円周方向にかけて等間隔で設けられた冷却用の噴射ノズルである。これら冷却用の噴射ノズル20-5の設計流量は例えば210L/min、設計噴射角度は90°(フルコーン)である。
[予冷塔の噴射ノズル20-8]
次に、予冷塔2の噴射ノズル20-8について説明する。図6は、予冷塔2の噴射ノズル20-8の配置関係を示す横断面図である。図示されるとおり、2本の噴射ノズル20-8は、予冷塔2の内壁に対向して設けられた冷却用の噴射ノズルである。これら冷却用の噴射ノズル20-8の設計流量は例えば210L/min、設計噴射角度は120°(フルコーン)である。
[予冷塔の噴射ノズル20-3のメンテナンス]
次に、予冷塔2の噴射ノズル20-3のメンテナンスについて説明する。本実施形態では、予冷塔2の8本の噴射ノズル20-3の流量は、各配管に設けられた流量計SA、SB(後述)によって個別に監視される。少なくとも1本の噴射ノズル20-3の流量が元の値として例えば75L/minから低下して閾値例えば60L/min(水平角度42°)を下回った場合には警報が発報され、これを契機として管理者は該当する噴射ノズル(又はこれを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスを実施する。
また、本実施形態では、予冷塔2の胴部2Aの内壁の温度は、8本の噴射ノズル20-3の近傍に個別に配置された8本の壁面温度計210によって監視される。8本の壁面温度計210は、胴部2Aの内壁の円周方向にかけて等間隔で設けられている。少なくとも1つの壁面温度計210により監視される温度が例えば110℃を超えた場合には警報が発報され、これを契機として管理者は該当する壁面温度計210に近接した噴射ノズル(又はこれを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスを実施する。これによって、アイフランモルタルの耐熱温度120℃以下に内壁の温度を維持することができる。
[予冷塔の噴射ノズル20-4、5、8のメンテナンス]
次に、予冷塔2の噴射ノズル20-4、5、8のメンテナンスについて説明する。本実施形態では、予冷塔2の噴射ノズル20-4、20-5、20-8の流量は、各配管に設けられた流量計SC、SD、SE、SF、SG(後述)によって個別又は包括的に監視される。噴射ノズル20-4、20-5、20-8の少なくとも1本の流量が元の値例えば210L/minから低下して閾値例えば190L/min(元の流量の1割減)を下回った場合には警報が発報され、これを契機として管理者は該当する噴射ノズル(又はこれを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスを実施する。
また、本実施形態では、予冷塔2の出口部2Cの温度は、ガス温度計220によって監視され、監視される温度が例えば100℃(設計値)を超えた場合には警報が発報され、これを契機として管理者は噴射ノズル20-4、20-5、20-8の流量を確認し、流量が例えば190L/minを下回る噴射ノズル(又はこれを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスを実施する。但し、流量が例えば190L/min以上である場合においても、管理者は流量の低い噴射ノズル(又はこれを搭載したスプレー装置の全体)から順番にメンテナンスを実施することが望ましい。
[洗浄塔の構成]
次に、洗浄塔の構成について説明する。図7は、洗浄塔の構成を示す縦断面図である。図示されるとおり洗浄塔3は、円筒状の胴部3Aと、胴部3Aの上側に設けられたドーム状の排ガス出口部3Bと、胴部31の下部から横方向に向かって延在した円筒状の排ガス入口部3Cとを備えている。洗浄塔3の胴部3Aの最上段には、8本のスプレー装置300(8本の噴射ノズル30-3)が設けられ、胴部3Aの最下段には、さらに8本のスプレー装置300(8本の噴射ノズル30-4)が設けられている。また、洗浄塔3の排ガス出口部3Bには、1本の緊急用のスプレー装置300(1本の噴射ノズル30-10)が設けられている。
なお、洗浄塔3の内壁には耐酸性の高いカーボンレンガ、耐酸磁器レンガなどの耐酸材料が用いられ、洗浄塔3の外壁は適宜に鉄壁で構成される。但し、外壁及び内壁の材料は、これに限定されることはない。例えば、カーボンレンガの代わりにフランレンガなども使用することができるし、その他種々のレンガを使用することができる。
[洗浄塔の噴射ノズル30-3]
次に、洗浄塔の噴射ノズル30-3について説明する。図8は、洗浄塔の噴射ノズル30-3の配置関係を示す横断面図である。図示されるとおり、8本の噴射ノズル30-3は、洗浄塔3の内壁の円周方向にかけて等間隔で設けられた冷却用の噴射ノズルである。これら8本の冷却用の噴射ノズル30-3の設計流量は例えば210L/min、噴射ノズル30-3の設計噴射角度は90°(フルコーン)である。
[洗浄塔の噴射ノズル30-4]
次に、洗浄塔の噴射ノズル30-4について説明する。図9は、洗浄塔の噴射ノズル30-4の配置関係を示す横断面図である。図示されるとおり、8本の噴射ノズル30-4は、洗浄塔3の内壁の円周方向にかけて等間隔で設けられた冷却用の噴射ノズルである。これら8本の冷却用の噴射ノズル30-4の設計流量は例えば210L/min、設計噴射角度は90°(フルコーン)である。
[洗浄塔の噴射ノズル30-3、4のメンテナンス]
次に、洗浄塔の噴射ノズル30-3、4のメンテナンスについて説明する。本実施形態では、洗浄塔3の16本の噴射ノズル30-3、30-4の流量は、母管に設けられた1つの流量計SH(後述)によって包括的に監視される。監視される流量が元の値例えば3.4m/min(210L/min×16本)から低下して閾値例えば3.0m/min(190L/min×16本、元の流量の1割減)を下回った場合には警報が発報され、これを契機として管理者は16本の噴射ノズル30-3、30-4(又はこれらを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスを実施する。
また、本実施形態では、洗浄塔3の排ガス出口部3Bの温度は、ガス温度計320によって監視され、監視される温度が例えば65℃を超えた場合には警報が発報され、これを契機として管理者は16本の噴射ノズル30-3、30-4の流量(ここでは流量計SHが検出する流量)を確認し、流量が例えば3.0m/minを下回る場合に16本の噴射ノズル30-3、30-4(又はこれらを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスを実施する。但し、流量が例えば30m/min以上である場合においても、管理者は流量の低い噴射ノズル(スプレー装置)から順番にメンテナンスを実施することが望ましい。
[冷却塔の構成]
次に、冷却塔の構成について説明する。図10は、冷却塔の構成を示す縦断面図である。図示されるとおり冷却塔4は、円筒状の胴部4Aと、胴部4Aの上側に設けられたドーム状の排ガス出口部4Bと、胴部4Aの下部から横方向に向かって延在した円筒状の排ガス入口部4Cとを備えている。冷却塔4の排ガス出口部4Bの最上段には、6本の冷却用スプレー400(噴射ノズル40-3)が設けられ、次の段には、14本の冷却用スプレー装置400(噴射ノズル40-4)が設けられている。
なお、冷却塔4の内壁には耐酸性の高いカーボンレンガ、耐酸磁器レンガなどの耐酸材料が用いられ、冷却塔4の外壁は適宜に鉄壁で構成される。但し、外壁及び内壁の材料は、これに限定されることはない。例えば、カーボンレンガの代わりにフランレンガなども使用することができるし、その他種々のレンガを使用することができる。
[冷却塔の噴射ノズル40-3、4]
次に、冷却塔4の噴射ノズル40-3、4について説明する。図11は、冷却塔4の噴射ノズル40-3、4の配置関係を示す横断面図である。図示されるとおり、6本の噴射ノズル40-3は、冷却塔4の内壁(ドーム状)の中央近傍の第一の円上に等間隔で設けられた冷却用の噴射ノズルであり、14本の噴射ノズル40-4は第一の円の外側の第二の円上に等間隔で設けられた冷却用の噴射ノズルである。これら20本の冷却用の噴射ノズル40-3、40-4は、プレートクーラ44で冷却された洗浄冷却水(循環酸)を冷却塔4へ噴射する。これら20本の冷却用の噴射ノズル40-3、40-4の設計流量は例えば450L/min、設計噴射角度は90°(フルコーン)である。
[冷却塔の噴射ノズル40-3、4のメンテナンス]
次に、冷却塔の噴射ノズル40-3、4のメンテナンスについて説明する。本実施形態では、冷却塔4の噴射ノズル40-3、40-4の流量は、各配管又は母管に設けられた5つの流量計SI(後述)によって個別又は包括的に監視される。監視される流量が元の値例えば9.0m/min(450L/min×20本)から低下して閾値例えば8.1m/min(400L/min×20本、元の流量の1割減)を下回った場合には警報が発報され、これを契機として管理者は噴射ノズル40-3、40-4(又はこれらを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスを実施する。
また、本実施形態では、冷却塔4の出口部4Bの温度は、ガス温度計420(旋回翼上部に設置される)によって監視され、監視される温度が例えば40℃以下に維持されている場合には、噴射ノズル40-3、40-4(又はこれを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスが見送られる。一方、ガス温度計420によって監視される温度が例えば40℃を超えた場合には警報が発報され、これを契機として管理者は噴射ノズル40-3、40-4の流量及びプレートクーラ44の交換熱量を確認し、噴射ノズルノズル40-3、40-4の閉塞が疑われる場合には該当する噴射ノズル又は全ての噴射ノズル40-3、40-4(又はこれを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスを実施する。
[閾値についての補足]
なお、本実施形態において警報を発報するか否かを判定するための閾値は、各部の設計値に依存して決まるものであるから、上述した数値はあくまでも一例に過ぎない。
[スプレー装置の構成]
次に、図3に基づきスプレー装置200の構成について説明する。但し、以下の説明は、他のスプレー装置300、400についても同様に当てはまるものとする。図3に示されるスプレー装置200は、予冷塔2の壁面を貫通するノズル装着孔20と、ノズル装着孔20に装着される噴射ノズル20-3と、洗浄冷却水(循環酸)を所定の圧力及び流量で噴射ノズル20-3へ供給する流量調整弁及び連通管111を備える。ノズル装着孔20の角度は、噴射ノズル20-3が機能を発揮できるような所定の角度に設定されている。例えば、ノズル装着孔20の角度により、噴射ノズル20-3の中心線(噴射方向)は、予冷塔2の中心線O1に正対する姿勢から角度α=45°だけ横向きに傾斜しており、これによって濡れ壁を形成するという機能を発揮することができる。なお、噴射ノズル20-3の中心線(噴射方向)は、水平から所定角度だけ下向きに傾斜させてもよい。このようなノズル装着孔20に対して噴射ノズル20-3を着脱可能にしておけば、噴射ノズル20-3(又はこれを搭載したスプレー装置の全体)のメンテナンスが容易になる。また、噴射ノズル20-3は、樹脂で作製することが可能であり、これによってコスト削減を図ることができる。また、樹脂としては、PTFE、PP、塩化ビニール、フッ素樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)等を用いることができる。なお、ここでは予冷塔2の噴射ノズル20-3の噴射方向について説明したが、予冷塔2の他の噴射ノズル20-4、20-5、20-8、洗浄塔3の噴射ノズル30-3、30-4,冷却塔4の噴射ノズル40-3、40-4の各々の噴射方向は、各噴射ノズルの機能に応じて適切に設定されるものとする。
[流量計の設置先]
次に、流量計の設置先について説明する。図12は、噴射ノズルへ冷却水を供給する配管及び流量計の設置先の配管図である。図示されるとおり本実施形態の排ガスの洗浄冷却設備1は、製錬炉から排出されたSOガスを洗浄冷却塔の予冷塔2へ導入し、予冷塔2、洗浄塔3及び冷却塔4内にスプレー装置200、300、400の噴射ノズル20-3、20-4、・・・、40-4で洗浄冷却水(循環酸)を噴射してSOガスを冷却すると共に不純物を洗浄除去する。本実施形態では、噴射ノズル20-3、・・・、40-4へ洗浄冷却水(循環酸)を供給するための洗浄冷却水配管(配管、又はこれらを束ねる母管)の何れかに流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SIを設けることにより、噴射ノズル20-3、・・・、40-4から噴射される洗浄冷却水(循環酸)の流量の変化を計測して、予冷塔2、洗浄塔3及び冷却塔4の洗浄冷却の状態を監視する。
ここで、流量計SAの設置先は、予冷塔2の8本の噴射ノズル20-3に個別に連結された8本の配管の各々である。これら8つの流量計SAによれば、当該8本の噴射ノズル20-3の噴射流量の時間変化を個別に計測することができる。そして、少なくとも1本の噴射ノズル20-3の流量が閾値を下回った場合に、該当する噴射ノズル20-3に閉塞が生じた旨の警報が発報される。
流量計SBの設置先は、当該8本の配管へ冷却水を供給するための母管である。この流量計SBは、当該8本の噴射ノズル20-3の包括的な流量の時間変化を計測することができる。そして、包括的な流量が閾値を下回った場合に、当該8本の噴射ノズル20-3の少なくとも1つに閉塞が生じた旨の警報が発報される。
流量計SCの設置先は、予冷塔2の8本の噴射ノズル20-4に個別に連結された8本の配管の各々である。これら8本の流量計SCによれば、当該8本の噴射ノズル20-4の流量の時間変化を個別に計測することができる。そして少なくとも1本の噴射ノズル20-4の流量が閾値を下回った場合に、当該噴射ノズル20-4に閉塞が生じた旨の警報が発報される。
流量計SDの設置先は、当該8本の配管へ冷却水を供給するための母管である。この流量計SDは、当該8本の噴射ノズル20-4の包括的な流量の時間変化を計測することができる。包括的な流量が閾値を下回った場合に、当該8本の噴射ノズル20-4の少なくとも1つに閉塞が生じた旨の警報が発報される。
流量計SEの設置先は、予冷塔2の8本の噴射ノズル20-5に個別に連結された8本の配管の各々である。これら8つの流量計SEによれば、当該8本の噴射ノズル20-5の流量の時間変化を個別に計測することができる。そして少なくとも1本の噴射ノズル20-5の流量が閾値を下回った場合に、当該噴射ノズル20-5に閉塞が生じた旨の警報が発報される。
流量計SFの設置先は、当該8本の配管へ冷却水を供給するための母管である。この流量計SFは、当該8本の噴射ノズル20-5の包括的な流量の時間変化を計測することができる。包括的な流量が閾値を下回った場合に、当該8本の噴射ノズル20-5の少なくとも1つに閉塞が生じた旨の警報が発報される。
流量計SGの設置先は、予冷塔2の2本の噴射ノズル20-8の配管へ冷却水を供給するための母管である。この流量計SGは、当該2本の噴射ノズル20-8の包括的な流量の時間変化を計測することができる。包括的な流量が閾値を下回った場合に、当該2本の噴射ノズル20-8の少なくとも1つに閉塞が生じた旨の警報が発報される。
流量計SHの設置先は、洗浄塔3の8本の噴射ノズル30-3及び8本の噴射ノズル30-4の配管へ冷却水を供給するための母管である。この流量計SHは、当該8本の噴射ノズル30-3及び8本の噴射ノズル30-4の包括的な流量の時間変化を計測することができる。包括的な流量が閾値を下回った場合に、当該8本の噴射ノズル30-3及び8本の噴射ノズル30-4の少なくとも1つに閉塞が生じた旨の警報が発報される。
流量計SIの設置先は、冷却塔4の20本の噴射ノズル40-3、40-4の配管又はこれらを束ねる母管のうち選択された5箇所である。これら5つの流量計SIは、当該20本の噴射ノズル40-3、40-4の包括的な流量の時間変化を計測することができる。包括的な流量が閾値を下回った場合に、当該20本の噴射ノズル40-3、40-4の少なくとも1つに閉塞が生じた旨の警報が発報される。
[流量計の仕様]
次に、流量計の仕様について説明する。表1は、流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SIの各々の仕様を説明する表である。表1においては、流量計の個数、取り付け先となった配管の材質、口径、流れ方向、測定方式、設計流量を流量計ごとに示している。
Figure 0007132750000001
表1に示されるとおり口径が比較的細い配管(口径40A~50A)に設けられる流量計SA、SC、SEには伝搬時間差式流量計が用いられ、口径が比較的太い母管(口径80A~250A)に設けられる流量計SB、SD、SF、SG、SH、SIにはドップラー式流量計が用いられる。なぜなら前者の伝搬時間差式流量計は、施工容易性、省スペース、超音波伝搬用グリス塗布が不要などのメリットがあるのに対して、後者のドップラー式流量計は、その原理上、スラリー濃度や配管付着物の影響を受けないので、配管の口径にかかわらず信号強度が低下しないというメリットがあるからである。なお、伝搬時間差式流量計としては例えばキーエンス社製のFD-Q50Cを使用することが可能であり、ドップラー式流量計としては例えばGREYLINE INSTRUMENTS社製のDFM5.1を使用することが可能である。また、流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SIの各々の設置先の配管は、耐熱PVC製(PVC:polyvinyl chloride、塩化ビニール樹脂)であり、メンテナンス性を考慮してフランジ式短管とした。このように流量計の設置先の配管を耐熱PVC製とすることで、耐食性を維持しつつ超音波式流量計(伝搬時間差式流量計又はドップラー式流量計)の使用を可能としている。
[伝搬時間差式流量計]
次に、伝搬時間差式流量計の原理について説明する。図13は、伝搬時間差式流量計の原理を説明する説明図である。図示されたとおり伝搬時間差式流量計500は、センサヘッドを内側にした姿勢で配管の外周へ固定される。伝搬時間差式流量計500には、配管内部に向けて上り超音波を発振する発振部500Aと、配管内の媒質(循環酸)を通過した後に配管の内壁で反射した上り超音波を受信する受信部500Bと、配管内部に向けて下り超音波を発振する発振部500Cと、配管内の媒質(循環酸)を通過した後に配管の内壁で反射した下り超音波を受信する受信部500Dと、発振部500Aが上り超音波を発振するタイミング及び発振部500Cが下り超音波を発振するタイミングを制御する不図示の制御部と、受信部500Bが上り超音波を受信したタイミングと受信部500Dが下り超音波を受信したタイミングとのずれ(伝搬時間差)を反映した信号を出力する不図示の出力部とが備えられる。
なお、上り超音波の進行方向は、媒質(洗浄冷却水)の進行方向とは反対の方向の成分を有しており、下り超音波の進行方向は、媒質(洗浄冷却水)の進行方向と同じ方向の成分を有している。発振部500Aから受信部500Bまでの上り超音波の伝搬路の距離と、発振部500Cから受信部500Dまでの下り超音波の伝搬路の距離とは、互いに等しいか又は既知の関係に設定されている。媒質(洗浄冷却水)の流量が大きいとき、すなわち媒質の速度Vが高いときほど、伝搬時間差も大きくなる。
[ドップラー式流量計]
次に、ドップラー式流量計の原理について説明する。図14は、ドップラー式流量計の原理を説明する説明図である。図示されたとおりドップラー式流量計600は、センサヘッドを内側にした姿勢で配管(母管)の外周へ固定される。ドップラー式流量計600には、配管内部に向けて所定周波数の超音波を出射する発振部600Aと、配管内の粒子(気泡など)で反射した当該超音波を受信する受信部600Bと、受信部600Bの発振周波数と受信部600Bの受信周波数との差(周波数差)を反映した信号を出力する出力部とが備えられる。媒質(洗浄冷却水)の流量が大きいとき、すなわち媒質の速度Vが高いときほど、周波数差も大きくなる。
[実施形態の効果]
以上説明したとおり、本実施形態に係る排ガスの洗浄冷却方法及び洗浄冷却設備によれば、噴射ノズル20-3、・・・、40-4(これらの噴射ノズルには予冷塔2の噴射ノズル20-3、20-4、20-5、20-8、洗浄塔3の噴射ノズル30-3、30-4、冷却塔4の噴射ノズル40-3、40-4が含まれる。)へ洗浄冷却水(循環酸)を供給するための洗浄冷却水配管(循環酸配管)の各部に流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SIを設けることにより、噴射ノズル20-3、・・・、40-4から噴射される洗浄冷却水(循環酸)の流量の変化を間接的に計測するので、流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SIが高温に晒されるのを防ぎつつ、噴射ノズル20-3、・・・、40-4の噴射流量の変化を検知し、予冷塔2、洗浄塔3及び冷却塔4の洗浄冷却の状態を監視することができる。そして噴射ノズル20-3、・・・、40-4の少なくとも1つに閉塞が生じた場合には当該噴射ノズルの噴射流量が著しく低下することが予想されるので、噴射ノズル20-3、・・・、40-4の噴射流量の変化から、噴射ノズル20-3、・・・、40-4の閉塞の有無を、洗浄冷却の状態として検知することができる。そこで管理者は、少なくとも1つの噴射ノズルの閉塞の発生を検知したタイミングで当該噴射ノズルのメンテナンスを行うことで、当該噴射ノズルの洗浄冷却対象となった洗浄冷却塔(予冷塔2、洗浄塔3及び冷却塔4の何れか)の洗浄冷却不足を未然に防ぎ、洗浄冷却不足による温度上昇等に起因した洗浄冷却塔の内壁の損耗を、確実に回避することができる。また、閉塞の検知されていない噴射ノズルについては管理者がメンテナンスの時期を先延ばしすることも可能である。したがって、本実施形態に係る排ガスの洗浄冷却方法及び洗浄冷却設備によれば、噴射ノズル20-3、・・・、40-4のメンテナンスを適切なタイミングで行い洗浄冷却塔(予冷塔2、洗浄塔3及び冷却塔4)内壁の損耗を防止することが可能という効果がある。
また、本実施形態では、複数の噴射ノズル20-3、・・・、40-4のそれぞれ(少なくとも2つ)に洗浄冷却水(循環酸)を供給するためのいずれかの洗浄冷却水母管(循環酸母管)に流量計SB、SD、SF、SG、SH、SIを設けることにより、当該複数の噴射ノズル20-3、・・・、40-4から噴射される洗浄冷却水(循環酸)の流量変化を計測して、当該複数の噴射ノズル20-3、・・・、40-4による洗浄冷却塔の包括的な洗浄冷却の状態を監視するので、当該複数の噴射ノズル20-3、・・・、40-4の全体(又は何れか2以上のノズル)を一括して管理することも可能である。
また、本実施形態では、さらに洗浄冷却塔(ここでは特に予冷塔2)の内壁に8本の壁面温度計210を設けることにより、予冷塔2の内壁の温度変化を計測して、主に濡れ壁用の噴射ノズル20-3による予冷塔2の洗浄冷却の状態(ここでは特に濡れ壁の状態)を監視するので、壁面温度計210を使用しない場合よりも高精度に濡れ壁の状態を監視できる。
また、本実施形態では、洗浄冷却塔(ここでは特に冷却塔4)の噴射ノズル40-3、40-4は、プレートクーラ44で冷却された洗浄冷却水(循環酸)を冷却塔4へ噴射するものであり、噴射ノズル40-3、40-4へ洗浄冷却水(循環酸)を供給するための洗浄冷却水配管(循環酸配管)に流量計SIを設けることにより、噴射ノズル40-3、40-4から噴射される洗浄冷却水(循環酸)の流量変化を計測するので、洗浄冷却水(循環酸)による冷却塔4の洗浄冷却の状態を高精度に監視することができる。この場合、プレートクーラ44内の閉塞による流量低下も考えられるため、プレートクーラ44のメンテナンスの実施のタイミングを図ることも可能となる。
また、本実施形態では、流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SIの各々が設けられる部分の洗浄冷却水配管(循環酸配管)を耐熱PVC製としているので、耐食性を維持しつつ、当該流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SIの各々として超音波式流量計(伝搬時間差式流量計500又はドップラー式流量計600)の使用が可能となるという効果がある。
[実施例]
次に、実施例について説明する。図15は、予冷塔2の噴射ノズル30-3、30-4、20-5の流量の時間変化を示すグラフである。図15の上段は噴射ノズル20-3に係るグラフであり、図15の中段は噴射ノズル20-4に係るグラフであり、図15の下段は噴射ノズル20-5に係るグラフである。グラフの横軸は時間、縦軸は監視された流量であり、グラフの波形は流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SHの出力波形を重畳させたものに相当する。図15における符号A、B、C、D、E、F、G、H、Iは、それぞれ流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SH、SIの出力波形を示している。図15において円枠で囲った部分は、流量計SA、SB、SC、SD、SE、SF、SG、SHの何れか1つの流量が閾値を下回り、これに対応する噴射ノズルのメンテナンスを管理者が実施したタイミングを示している。これらのタイミングの各々で管理者が噴射ノズルについてメンテナンスを実施することで、流量が回復していることがわかる。
[その他の実施の形態]
本発明は各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 洗浄冷却設備
2 予冷塔
2A 胴部
2B 排ガス入口部
2C 排ガス出口部
3 洗浄塔
3A 胴部
3B 排ガス出口部
3C 排ガス入口部
4 冷却塔
4A 胴部
4B 排ガス出口部
4C 排ガス入口部
32 循環ポンプ
42 充填部
43 循環酸配管
44 プレートクーラ
200 スプレー装置
210 壁面温度計
220 ガス温度計
300 スプレー装置
320 ガス温度計
400 スプレー装置
420 ガス温度計
500 伝搬時間差式流量計
500A 発信部
500B 受信部
500C 発信部
500D 受信部
600 ドップラー式流量計
600A 発振部
600B 受信部
20-3 噴射ノズル
20-4 噴射ノズル
20-5 噴射ノズル
20-6 噴射ノズル
20-8 噴射ノズル
30-3 噴射ノズル
30-4 噴射ノズル
40-3 噴射ノズル
40-4 噴射ノズル
SA 流量計
SB 流量計
SC 流量計
SD 流量計
SE 流量計
SF 流量計
SG 流量計
SH 流量計
SI 流量計

Claims (4)

  1. 製錬炉から排出された排ガスを、洗浄冷却水を噴射する噴射ノズルを複数備えた洗浄冷却塔へ導入し、前記噴射ノズルから洗浄冷却水を噴射して前記排ガスを冷却すると共に不純物を洗浄除去する洗浄冷却設備における排ガスの洗浄冷却方法において、
    前記洗浄冷却塔の予冷塔に配置された前記噴射ノズルは、当該予冷塔の内壁の円周方向に沿って前記洗浄冷却水を噴射して前記内壁面全体に均一な水層による濡れ壁を形成するものであり、
    前記噴射ノズルへ前記洗浄冷却水を供給するための洗浄冷却水配管又はその母管の少なくとも一方に設けられた流量計によって、前記噴射ノズルへ供給される前記洗浄冷却水の流量の変化を計測すると共に、前記予冷塔の内壁に設けられた壁面温度計によって前記内壁の温度変化を計測することにより、前記濡れ壁の状態を監視することを特徴とする排ガスの洗浄冷却方法。
  2. 請求項1に記載の排ガスの洗浄冷却方法において、
    前記濡れ壁を形成する前記噴射ノズルの個数は複数であり、
    前記流量計の設け先は、複数の前記噴射ノズルのそれぞれに前記洗浄冷却水を供給するための洗浄冷却水配管の母管である、
    ことを特徴とする排ガスの洗浄冷却方法。
  3. 請求項1又は2に記載の排ガスの洗浄冷却方法において、
    前記洗浄冷却塔は、前記予冷塔、洗浄塔及び冷却塔によって構成され、
    前記冷却塔に配置された前記噴射ノズルは、プレートクーラで冷却された循環使用される洗浄冷却水(以下、「循環酸」という。)を噴射するものであり、
    前記噴射ノズルへ前記循環酸を供給するための循環酸配管に流量計を設けることにより、前記噴射ノズルから噴射される前記循環酸の流量変化を計測して、前記冷却塔の洗浄冷却の状態を監視することを特徴とする排ガスの洗浄冷却方法。
  4. 製錬炉から排出された排ガスを、洗浄冷却水を噴射する噴射ノズルを複数備えた洗浄冷却塔へ導入し、前記噴射ノズルから洗浄冷却水を噴射して前記排ガスを冷却すると共に不純物を洗浄除去する洗浄冷却設備であって、
    前記洗浄冷却塔の予冷塔に配置され、当該予冷塔の内壁の円周方向に沿って前記洗浄冷却水を噴射して前記内壁面全体に均一な水層による濡れ壁を形成する噴射ノズルと、
    前記噴射ノズルへ前記洗浄冷却水を供給するための耐熱PVC製の洗浄冷却水配管と、
    前記洗浄冷却水配管又はその母管の少なくとも一方に設けられた流量計と、
    前記予冷塔の内壁に設けられた壁面温度計と、
    を備え、
    前記流量計によって、前記噴射ノズルへ供給される前記洗浄冷却水の流量の変化を計測すると共に、前記壁面温度計によって前記内壁の温度変化を計測することにより、前記濡れ壁の状態を監視できるようにしたことを特徴とする排ガスの洗浄冷却設備。
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