以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るCO2濃度調整装置1の基本構成を示す図である。本実施形態に係るCO2濃度調整装置1は、ユーザの就寝(入眠)時刻及び起床時刻に基づいて、自動的に室内(部屋)のCO2濃度を調整(制御)する装置である。CO2濃度調整装置1は、室内の壁に設置される壁設置型の装置である。なお、「壁に設置される」とは、CO2濃度調整装置1の各構成の全てが壁に設置されている場合だけでなく、その一部の構成のみが壁に設置されている場合を含んでいてもよい。図1に示されるように、CO2濃度調整装置1は、制御装置10と、CO2貯蓄装置11と、CO2排出装置12と、入力装置13と、CO2センサ14と、換気装置15(濃度低下促進装置)と、を備えている。
CO2貯蓄装置11は、CO2を貯蓄する装置である。CO2貯蓄装置11によって貯蓄されるCO2は、CO2ボンベ又はドライアイス等によって外部供給されてもよいし、別途設けられるCO2回収装置(図1においては不図示。後述)によって室内外から回収されてもよい。CO2貯蓄装置11の貯蓄容量は、ユーザに健康被害が出ないように部屋の容積に対して上限が定められていてもよい。CO2貯蓄装置11は、制御装置10からの要求に応じて制御装置10にCO2貯蓄量を通知する。また、CO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2は、CO2排出装置12によって排出状態及び排出停止状態が切り替えられる。
CO2排出装置12は、CO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2を、ユーザが存在する室内に排出する装置である。CO2排出装置12は、CO2が局所的に高濃度とならないように、室内全体の空気の対流を行う機能を有していてもよい。CO2排出装置12は、熱交換機能を有していてもよい。この場合、CO2排出装置12は、CO2の排出と共に入眠に適した温度に調整を行う。CO2排出装置12は、CO2の排出と共に睡眠導入に適した物質(例えばアロマ等)を排出してもよい。CO2排出装置12は、制御装置10の制御に応じてCO2貯蓄装置11に対してCO2排出要求を行い、CO2の排出を開始する。また、CO2排出装置12は、制御装置10の制御に応じてCO2貯蓄装置11に対してCO2排出停止要求を行い、CO2の排出を停止する。
入力装置13は、ユーザから各種入力を受付ける装置である。入力装置13は、例えばCO2濃度調整装置1の初期設定に関する入力(ユーザの手動入力)を受付ける。初期設定に関する入力とは、例えば、使用ユーザの情報、デフォルト時刻の情報、及び室内の広さの情報に関する入力である。使用ユーザの情報とは、例えば使用ユーザの身長Hi、体重Wi,年齢、及び性別である。使用ユーザの情報は、例えば室内にユーザが複数いる場合には、ユーザ毎に設定される。デフォルト時刻の情報とは、例えば目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、及び起動から目標濃度c1に達するまでに要する時間n1である。起動から目標濃度c1に達するまでに要する時間n1とは、CO2の排出に係る処理を開始してからCO2濃度が目標濃度c1に達するまでに要する時間である。室内の広さの情報とは、CO2濃度調整装置1が設置されると共にユーザが存在する室内の広さL[m3]の情報である。入力装置13は、初期設定に関する入力の内容を制御装置10に送信する。制御装置10は、初期設定に関する入力の内容を記憶する。入力装置13は、初期設定に関する入力を受付けた後において、適宜、上述した各種の情報(目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、目標濃度に達するまでに要する時間n1等)の入力を受付けてもよい。入力装置13は、受け付けた最新の情報を制御装置10に送信する。
入力装置13は、CO2排出装置12及び換気装置15等に関する手動操作の入力をユーザから受け付けてもよい。手動操作に応じた動作は、後述する制御装置10による自動的な動作よりも優先して実行される。ただし、例えば室内のCO2濃度が上限濃度を超えるような手動操作がされた場合には、自動的な動作が優先して実行される。
CO2センサ14は、室内のCO2濃度を検出するセンサである。CO2センサ14は、室内のCO2濃度を連続的に検出し、検出したCO2濃度が所定値に達した場合に、その旨を制御装置10に通知する。具体的には、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなる前においてCO2濃度が所定の目標濃度c1(目標値)に到達した場合に、その旨を制御装置10に通知する。目標濃度c1は、目標就寝時刻StにおけるCO2濃度の目標値であり、ユーザが入眠しやすいCO2濃度(例えば2000ppm前後)である。また、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなる前においてCO2濃度が所定の上限濃度c2(就寝前上限濃度)に到達した場合に、その旨を制御装置10に通知する。上限濃度c2は、目標濃度c1よりも高いCO2濃度であって、目標就寝時刻Stとなる前のCO2濃度の上限値として設定されるCO2濃度(例えば2500ppm)である。また、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなる前においてCO2濃度が所定の下限濃度c3に到達した場合に、その旨を制御装置10に通知する。下限濃度c3は、目標濃度c1よりも低いCO2濃度であって、目標就寝時刻Stとなる前のCO2濃度の下限値として設定されるCO2濃度(例えば1500ppm)である。
また、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなった後且つ目標起床時刻Wtとなる前(すなわち就寝時)においてCO2濃度が所定の換気濃度c4(就寝時上限濃度)に到達した場合に、その旨を制御装置10に通知する。換気濃度c4は、下限濃度c3よりも低いCO2濃度であって、目標就寝時刻Stとなった後且つ目標起床時刻Wtとなる前(すなわち就寝時)の上限値として設定されるCO2濃度(例えば1000ppm)である。また、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなった後且つ目標起床時刻Wtとなる前(すなわち就寝時)においてCO2濃度が所定の外気濃度c5に到達した場合に、その旨を制御装置10に通知する。外気濃度c5は、換気濃度c4よりも低いCO2濃度であって、目標就寝時刻Stとなった後且つ目標起床時刻Wtとなる前(すなわち就寝時)の下限値として設定されるCO2濃度(例えば450ppm)である。
なお、CO2センサ14は、CO2濃度が所定の濃度c6に到達した場合、及び所定の濃度c7に到達した場合に、その旨を制御装置10に通知してもよい。濃度c6は、上限濃度c2よりも高いCO2濃度(例えば3500ppm)である。濃度c7は、濃度c6よりも高いCO2濃度(例えば4000ppm)である。このような場合のCO2センサ14から制御装置10への通知は、CO2濃度が異常な状態となっていることを知らせる異常状態通知である。制御装置10は、濃度c6に到達した旨の通知を受けると、換気装置15を強制的に動作させて室内のCO2濃度を低下させてもよい。また、制御装置10は、濃度c7に到達した旨の通知を受けると、アラーム等を発出し室内のユーザに危険を通知することが望ましい。
換気装置15は、室内の換気を行うことにより室内のCO2濃度を低下させる濃度低下促進装置である。換気装置15は、制御装置10の制御に応じて室内の換気を開始すると共に、制御装置10の制御に応じて室内の換気を停止する。なお、換気装置15は、室内の汚れた空気を屋外に排出すると共に新鮮な外気を導入する機能を有していてもよいし、熱交換機能を有していてもよい。
制御装置10は、CO2排出装置12によるCO2の排出を制御する。以下、制御装置10の機能について、図2も参照しながら説明する。
図2は、図1のCO2濃度調整装置1に含まれる制御装置10の機能構成を示すブロック図である。図2に示されるように、制御装置10は、入力部101と、制御部102と、記憶部103とを有している。
入力部101は、入力装置13から送信される情報の入力を受ける機能である。すなわち、入力部101は、入力装置13より、ユーザによって入力された各種情報を受ける。具体的には、入力部101は、使用ユーザの身長Hi、体重Wi,年齢、性別、目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、起動から目標濃度c1に達するまでに要する時間n1、及び室内の広さL[m3]等の情報を取得する。入力部101は、これらの情報を初期設定から取得してもよいし、これらの情報の一部を、初期設定後(例えばCO2の排出制御を開始するタイミング)においてユーザから入力装置13に入力される情報に基づいて取得してもよい。入力部101は、取得した情報を記憶部103に格納する。
記憶部103は、入力部101が受け付けた情報を記憶する機能である。すなわち、記憶部103は、最初に、CO2濃度調整装置1の初期設定に関する入力を記憶する。また、記憶部103は、初期設定後においてユーザから入力装置13に新たな情報が入力された場合には、元の情報を新たな情報に書き換えて記憶する。すなわち、例えば記憶部103は、当初、初期設定時に設定された目標就寝時刻St,目標起床時刻Wt、及び起動から目標濃度c1に達するまでの時間n1を記憶している場合において、例えばCO2の排出制御が開始されるタイミングにおいてユーザから入力装置13に新たな目標就寝時刻St,目標起床時刻Wt、及び起動から目標濃度c1に達するまでの時間n1が入力された場合には、元の目標就寝時刻St,目標起床時刻Wt、及び起動から目標濃度c1に達するまでの時間n1に替えて、新たな目標就寝時刻St,目標起床時刻Wt、及び起動から目標濃度c1に達するまでの時間n1を記憶する。
制御部102は、記憶部103に記憶されている情報及びCO2センサ14から取得した情報に基づいて、CO2排出装置12によるCO2の排出(CO2濃度の上昇促進)を制御すると共に、換気装置15によるCO2濃度の低下促進を制御する。
制御部102は、記憶部103に記憶されている目標就寝時刻St(予め取得しているユーザの目標就寝時刻St)の所定時間前に、CO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2が排出されるように、CO2排出装置12を制御する。
具体的には、制御部102は、記憶部103を参照し、目標就寝時刻Stと、起動から目標濃度c1に達するまでの時間n1とを取得する。時間n1は、上述したように、CO2の排出に係る処理を開始してからCO2濃度が目標濃度c1に達するまでに要する時間であり、後述するCO2貯蓄量問合せ処理、及び、CO2排出量算出処理が行われた後にCO2の排出が開始されてCO2濃度が目標濃度c1に達するまでに要するトータルの時間である。CO2貯蓄量問合せ処理では、制御部102は、CO2貯蓄装置11に現在のCO2貯蓄量を問い合わせる(貯蓄量の通知を要求する)。制御部102は、CO2貯蓄装置11から通知されたCO2の貯蓄量が、CO2の排出が可能な量として設定された閾値よりも大きい場合には、CO2排出量算出処理を行う。なお、制御部102は、CO2の貯蓄量が上記閾値よりも小さい場合には、その旨を出力モニタ(不図示)等を介してユーザに通知し、CO2の排出を中止する。
制御部102は、CO2排出量算出処理では、記憶部103に記憶されている(予め取得している)各種の情報に基づいてCO2の排出量を決定してもよい。具体的には、制御部102は、ユーザの年齢に基づいてCO2の排出量を決定してもよい。また制御部102は、室内に存在するユーザの人数に基づいて呼吸量を計算し、該呼吸量を考慮してCO2の排出量を決定してもよい。また、制御部102は、室内に存在するユーザの体型(身長H
i、体重W
i)、性別、及び年齢の少なくとも一つに基づいて呼吸量を計算し、該呼吸量を考慮してCO2の排出量を決定してもよい。具体的には、制御部102は、以下の(1)式に基づいてCO2の排出量を決定する。
上記(1)式において、TCO2[l/m]は1分当たりのCO2の排出量、L[m3]は部屋の広さ、c1[ppm]は目標濃度、c0[ppm]は排出開始前の室内のCO2濃度、10は単位換算用の定数、nは室内に存在する人数、THi[l/m]は1分当たりに一人のユーザが呼吸によって排出するCO2の量(呼吸量)、V[l/m]は1分当たりに窓等の換気によって室外へ放出されるCO2の量、n1[min]は起動から目標濃度c1に達するまでの時間である。部屋の広さL[m3]及び室内に存在する人数nは、記憶部103に記憶されている情報から取得される。排出開始前の室内のCO2濃度c0[ppm]はCO2センサ14から取得される。窓等の換気によって室外へ放出されるCO2の量V[l/m]は、窓の開閉センサ(不図示)又は入力装置13を介した手動入力によって取得される。
目標濃度c1は、以下の(2)式に基づいて導出される。
上記(2)式において、CMは例えば3000ppmのような濃度を示す定数であり、Cmは例えばCMより小さい2000ppmのような濃度を示す定数である。ageはユーザの年齢である。ユーザの年齢ageは記憶部103に記憶されている情報から取得される。図3は、CM=3000ppm、Cm=2000ppmとした場合の、目標濃度c1と年齢との関係を示している。図3に示されるように、目標濃度c1は、年齢に依存した二次関数で表され、40歳の時最も低くなり、低年齢又は高年齢になるほど高くなる。このような二次関数は、年齢と入眠潜時に由来し、入眠に時間がかかる人ほど、高いCO2濃度を設定する必要があるという予測に基づく。年齢と入眠潜時との関係性は年齢の二次関数で表されることが知られている。なお、ユーザの年齢ageは最大80として、age>80のときはage=80として計算してもよい。
なお、目標濃度c1を導出するに際して、室内に複数のユーザがいる場合には、睡眠状態ではない(起きている)ユーザに対応する目標濃度c1のうち、最大値を最終的な目標濃度c1に設定してもよい。すなわち、例えば80歳で目標濃度c1が3000ppmのAさんと、40歳で目標濃度c1が2000ppmのBさんとが同じ室内にいる場合を考える。この場合、各ユーザの状態に応じて、目標濃度c1は次のように設定される。すなわち、どちらも起きている場合には目標濃度c1はAさんの目標濃度c1である3000ppmとされ、Aさんが寝てBさんが起きている場合には目標濃度c1はBさんの目標濃度c1である2000ppmとされ、Aさんが起きてBさんが寝ている場合には目標濃度c1はAさんの3000ppmとされる。なお、どちらも寝ている場合には、室内のCO2濃度が下がる方向に制御される(詳細は後述)ため、上記(2)式によっては目標濃度c1は導出されない。どのユーザが起きているのかの情報については例えば入力装置13を介した手動入力によって取得されてもよいし、バイタルセンサ(本実施形態においては不図示)から取得されてもよい。
1分当たりに一人のユーザが呼吸によって排出するCO2の量(呼吸量)T
Hi[l/m]は、以下の(3)式に基づいて導出される。
上記(3)式によって1分当たりに一人のユーザが呼吸によって排出するCO2の量(呼吸量)を求め、上記(1)式に規定されているようにn人分の呼吸量の総和を求めることにより、1分あたりに全ユーザの呼吸量によって増加するCO2の量を求めることができる。上記(3)式において、体重Wi[kg]はユーザの体重、Hi[cm]はユーザの身長、Caiは年齢及び性別に応じて決まる係数である。ユーザの体重Wi[kg]、身長Hi[cm]、及びCaiは、記憶部103に記憶されている情報から取得される。なお、呼吸量THi[l/m]は、ユーザの体型、性別、及び年齢の全てを考慮して導出されるものでなくてもよく、この中の少なくとも一つに基づいて導出されるものであってもよい。
制御部102は、例えば上記(1)~(3)式を用いて決定したCO2の排出量で、CO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2の排出が開始されるように、CO2排出装置12を制御する。
制御部102は、目標就寝時刻Stよりも前の時間帯(且つCO2の排出が行われている状態)において、CO2センサ14により検出された室内のCO2濃度が目標濃度c1(所定の目標値)に到達した場合には、CO2の排出が停止されるようにCO2排出装置12を制御する。制御部102は、さらに、目標就寝時刻Stよりも前の時間帯において、CO2センサ14により検出された室内のCO2濃度が上記目標濃度c1よりも高い上限濃度c2(就寝前上限濃度)に到達した場合には、換気が開始されて室内のCO2濃度が低下するように、換気装置15を制御する。制御部102は、さらに、目標就寝時刻Stよりも前の時間帯において、CO2センサ14により検出された室内のCO2濃度が上記目標濃度c1よりも低い下限濃度c3にまで低下した場合には、換気が停止されて室内のCO2濃度が上昇するように、換気装置15を制御する。このようにして、制御部102は、目標就寝時刻Stとなる前においては、室内のCO2濃度が下限濃度c3~上限濃度c2の間の値となるように、換気装置15を制御する。
制御部102は、目標就寝時刻Stとなった後且つ目標起床時刻Wtとなる前(すなわち就寝時)において、CO2センサ14により検出された室内のCO2濃度が、下限濃度c3よりも低いCO2濃度であって就寝時の上限値として設定されるCO2濃度である換気濃度c4(就寝時上限濃度)に到達した場合には、換気が開始されて室内のCO2濃度が低下するように、換気装置15を制御する。制御部102は、さらに、就寝時において、CO2センサ14により検出された室内のCO2濃度が、就寝時の下限値として設定されるCO2濃度である外気濃度c5にまで低下した場合には、換気が停止されて室内のCO2濃度が上昇するように、換気装置15を制御する。このようにして、制御部102は、就寝時においては、室内のCO2濃度が就寝前よりも低い外気濃度c5~換気濃度c4の間の値となるように、換気装置15を制御する。
次に、図4を参照して、CO2濃度調整装置1が実行する処理を説明する。図4は、本実施形態に係るCO2濃度調整装置1が行う処理を示すシーケンス図である。なお、図4に示される処理が実行される前提として、入力装置13がユーザから初期設定に関する入力を受付けており、制御装置10が初期設定に係る情報(使用ユーザの身長Hi、体重Wi,年齢、性別、目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、起動から目標濃度c1に達するまでに要する時間n1、及び室内の広さL[m3]等の情報)を記憶しているものとする。
図4に示される処理では、最初に、入力装置13が、ユーザから、目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、起動から目標濃度c1に達するまでに要する時間n1、及び対象となるユーザの選択の入力を受付け、これらの情報を制御装置10に送信している(ステップS1)。この場合、制御装置10は、予め記憶していた情報を、新たに取得した情報に書き換えて記憶する。なお、ステップS1の処理が行われない場合においても、制御装置10は、デフォルトの情報(初期設定に係る情報)を用いてステップS2以降の処理を実行することができる。
制御装置10は、目標就寝時刻Stよりも時間n1だけ前の時刻に、CO2貯蓄装置11に現在のCO2貯蓄量を問い合わせる(貯蓄量の通知を要求する)(ステップS2)。CO2貯蓄装置11は、制御装置10からの要求に応じて制御装置10にCO2貯蓄量を通知する(ステップS3)。
制御装置10は、CO2貯蓄装置11から通知されたCO2の貯蓄量が、CO2の排出が可能な量として設定された閾値よりも大きい(すなわちCO2貯蓄量が十分である)場合には、CO2排出量算出処理を行った後に、CO2排出開始要求をCO2排出装置12に送信する(ステップS4)。一方で、CO2貯蓄量が十分でない場合に、制御装置10は、その旨を出力モニタ(不図示)等を介してユーザに通知し、CO2の排出を中止する。
なお、上記のCO2排出量算出処理では、制御装置10は、記憶されている(予め取得している)各種の情報に基づいてCO2の排出量を決定してもよい。具体的には、制御装置10は、ユーザの年齢に基づいてCO2の排出量を決定してもよい。また、制御装置10は、室内に存在するユーザの人数に基づいて呼吸量を計算し、該呼吸量を考慮してCO2の排出量を決定してもよい。また、制御装置10は、室内に存在するユーザの体型(身長Hi、体重Wi)、性別、及び年齢の少なくとも一つに基づいて呼吸量を計算し、該呼吸量を考慮してCO2の排出量を決定してもよい。より具体的には、制御装置10は、上述した(1)~(3)式に基づいてCO2の排出量を決定する。
CO2排出装置12は、制御装置10よりCO2排出開始要求を受けると、CO2貯蓄装置11に対してCO2排出要求を行う(ステップS5)。CO2貯蓄装置11は、CO2排出装置12に対してCO2の排出を開始する(ステップS6)。そして、CO2排出装置12は、室内に対してCO2の排出を行う(ステップS7)。CO2排出装置12は、制御装置10によって導出された排出量だけ、CO2を排出する。
その後、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなる前においてCO2濃度が所定の目標濃度c1(例えば2000ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS8)。制御装置10は、CO2排出停止要求をCO2排出装置12に送信する(ステップS9)。CO2排出装置12は、制御装置10よりCO2排出停止要求を受けると、CO2貯蓄装置11に対して排出停止要求を行う(ステップS10)。そして、CO2貯蓄装置11は、CO2の排出停止を行う(ステップS11)。
ここで、密閉空間(室内)におけるCO2濃度は、CO2排出装置12によるCO2の排出だけでなく、人の呼吸によっても時間経過と共に上昇する。そのため、目標就寝時刻Stになるまでの時間帯においては、上がりすぎたCO2濃度を目標濃度c1に近い値にまで下げる処理を行う必要がある。また、当該下げる処理によって過度に下がったCO2濃度を目標濃度c1に近い値にまで上げる処理を行う必要がある。このような観点から、ステップS11の後、目標就寝時刻Stになるまでの時間帯においては、以下のステップS12~S15の処理が繰り返し実行される。
すなわち、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなる前において、人の呼吸等の影響によってCO2濃度が所定の上限濃度c2(例えば2500ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS12)。制御装置10は、換気開始要求を換気装置15に送信する(ステップS13)。換気装置15は、室内の換気を行うことにより室内のCO2濃度を低下させる。
そして、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなる前において、室内の換気によってCO2濃度が所定の下限濃度c3(例えば1500ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS14)。制御装置10は、換気停止要求を換気装置15に送信する(ステップS15)。これにより、換気装置15の動作が停止する。
そして、CO2濃度調整装置1は、目標就寝時刻Stに到達した後は、目標起床時刻Wtに到達するまで、CO2濃度を外気濃度c5にキープするように動作する。このように動作することによって、睡眠中のCO2濃度を低くすることができ、ユーザに快適な眠りを提供することができる。目標就寝時刻Stに到達した後、目標起床時刻Wtに到達するまでの時間帯においては、以下のステップS16~S19の処理が繰り返し実行される。
すなわち、CO2センサ14は、目標起床時刻Wtに到達するまでの時間帯において、CO2濃度が所定の換気濃度c4(例えば1000ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS16)。制御装置10は、換気開始要求を換気装置15に送信する(ステップS17)。換気装置15は、室内の換気を行うことにより室内のCO2濃度を低下させる。
そして、CO2センサ14は、目標起床時刻Wtに到達するまでの時間帯において、室内の換気によってCO2濃度が所定の外気濃度c5(例えば450ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS18)。制御装置10は、換気停止要求を換気装置15に送信する(ステップS19)。これにより、換気装置15の動作が停止する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態に係るCO2濃度調整装置1は、CO2を貯蓄するCO2貯蓄装置11と、CO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2を、室内に排出するCO2排出装置12と、CO2排出装置12によるCO2の排出を制御する制御装置10と、を備え、制御装置10は、予め取得しているユーザの目標就寝時刻Stの所定時間前に、CO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2が排出されるように、CO2排出装置12を制御する。
本実施形態に係るCO2濃度調整装置1では、制御装置10が、目標就寝時刻Stの所定時間前に、CO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2が排出されるようにCO2排出装置12を制御する。これにより、目標就寝時刻Stよりも前において室内のCO2濃度を上昇させることができる。CO2濃度が上昇することによって、ユーザは入眠しやすくなる。以上より、本実施形態に係るCO2濃度調整装置1によれば、ユーザが入眠しやすい環境を提供することができる。
制御装置10は、予め取得しているユーザの年齢に基づいてCO2の排出量を決定し、決定した排出量でCO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2が排出されるように、CO2排出装置12を制御する。一般的に、年齢に応じて入眠に要する時間は異なっている。上記CO2濃度調整装置1では、ユーザの年齢に基づいてCO2の排出量が決定され、該排出量となるようにCO2排出装置12が制御されることによって、どのような年齢のユーザであっても目標就寝時刻Stに入眠させやすくすることができる。
制御装置10は、室内に存在するユーザの人数に基づいて呼吸量を計算し、該呼吸量を考慮してCO2の排出量を決定し、決定した排出量でCO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2が排出されるように、CO2排出装置12を制御する。密閉空間においては、ユーザの呼吸によって時間経過に応じてCO2濃度が上昇すると考えられる。そして、呼吸量はユーザの人数に基づいて変化すると考えられる。このような呼吸量を考慮してCO2の排出量が決定されることによって、より正確に適切な排出量を決定してユーザが入眠しやすい環境を提供することができる。
制御装置10は、室内に存在するユーザの体型、性別、及び年齢の少なくとも一つに基づいて呼吸量を計算し、該呼吸量を考慮してCO2の排出量を決定し、決定した排出量でCO2貯蓄装置11に貯蓄されたCO2が排出されるように、CO2排出装置12を制御する。呼吸量は、ユーザの体型、性別、及び年齢によって変化すると考えられる。このような呼吸量を考慮してCO2の排出量が決定されることによって、より正確に適切な排出量を決定してユーザが入眠しやすい環境を提供することができる。
CO2濃度調整装置1は、室内のCO2濃度を検出するCO2センサ14を備え、制御装置10は、目標就寝時刻Stよりも前の時間帯において、CO2センサ14により検出された室内のCO2濃度が目標濃度c1に到達した場合には、CO2の排出が停止されるようにCO2排出装置12を制御する。これにより、目標就寝時刻StにむけてCO2濃度が過度に上昇することを抑制することができる。
CO2濃度調整装置1は、室内のCO2濃度を低下させる濃度低下促進装置として換気装置15を備え、制御装置10は、目標就寝時刻Stよりも前の時間帯において、CO2センサ14により検出された室内のCO2濃度が目標濃度c1よりも高い上限濃度c2に到達した場合には、室内のCO2濃度が低下するように換気装置15を制御する。例えばCO2排出装置12によるCO2の排出を停止した後においても、ユーザの呼吸の影響等によって、CO2濃度が目標値よりも高い値となることが考えられる。この場合に、換気装置15によって積極的にCO2濃度の低下が図られることにより、目標就寝時刻StにむけてCO2濃度が過度に上昇することを抑制することができる。
制御装置10は、目標就寝時刻Stよりも後の時間帯において、CO2センサ14により検出された室内のCO2濃度が目標濃度c1よりも低い換気濃度c4に到達した場合には、室内のCO2濃度が低下するように換気装置15を制御する。睡眠中はCO2濃度が低いほうが快適に眠れることが知られている。このため、睡眠中であると想定される時間帯(目標就寝時刻Stよりも後の時間帯)においては、目標就寝時刻St前の目標濃度c1よりも低い換気濃度c4をCO2濃度の閾値として設定し、CO2濃度が該換気濃度c4に到達した場合に換気装置15によって積極的にCO2濃度の低下が図られることにより、ユーザが快適に眠れる環境を提供することができる。また、換気装置15が用いられることにより、CO2濃度を高速で下げることができる。
また、CO2濃度調整装置1は、室内の壁に設置される壁設置型である。壁設置型とすることにより、換気装置15を濃度低下促進装置として採用しやすい構成とすることができる。
最後に、CO2濃度調整装置1に含まれた制御装置10のハードウェア構成について、図9を参照して説明する。上述の制御装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。制御装置10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
制御装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、制御装置10の制御部102等の制御機能はプロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御装置10の制御部102等の制御機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(ElectricallyErasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、制御装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
例えば、実施形態においては、壁設置型のCO2濃度調整装置1を説明したが、図5に示されるCO2濃度調整装置1Aであってもよい。図5は、第1の変形例に係るCO2濃度調整装置1Aの基本構成を示す図である。CO2濃度調整装置1Aは、室内の壁から独立して設けられる独立型である。図5に示されるように、CO2濃度調整装置1Aは、CO2濃度調整装置1において設けられていた換気装置15に替えて、CO2回収装置15Aが設けられている。すなわち、CO2濃度調整装置1Aは、濃度低下促進装置として、室内のCO2を回収するCO2回収装置15Aを有している。
図6を参照して、CO2濃度調整装置1Aが行う処理について説明する。図6は、第1の変形例に係るCO2濃度調整装置1Aが行う処理を示すシーケンス図である。図6に示すステップS101~ステップS111の処理は、上述した実施形態の図4に示すステップS1~ステップS11の処理と同様であるため、説明を省略する。
図6に示されるように、目標就寝時刻Stになるまでの時間帯においては、ステップS112~S118の処理が繰り返し実行される。すなわち、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなる前において、人の呼吸等の影響によってCO2濃度が所定の上限濃度c2(例えば2500ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS112)。制御装置10は、CO2の回収開始要求をCO2回収装置15Aに送信する(ステップS113)。CO2回収装置15Aは、室内からCO2を回収し(ステップS114,S115)、回収したCO2をCO2貯蓄装置11に貯蓄する(ステップS116)。これにより、CO2回収装置15Aは、室内のCO2濃度を低下させる。
そして、CO2センサ14は、目標就寝時刻Stとなる前において、CO2の回収によってCO2濃度が所定の下限濃度c3(例えば1500ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS117)。制御装置10は、CO2の回収停止要求をCO2回収装置15Aに送信する(ステップS118)。これにより、CO2回収装置15Aの動作が停止する。
そして、CO2センサ14は、目標起床時刻Wtに到達するまでの時間帯において、CO2濃度が所定の換気濃度c4(例えば1000ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS119)。制御装置10は、CO2の回収開始要求をCO2回収装置15Aに送信する(ステップS120)。CO2回収装置15Aは、室内からCO2を回収し(ステップS121,S122)、回収したCO2をCO2貯蓄装置11に貯蓄する(ステップS123)。これにより、CO2回収装置15Aは、室内のCO2濃度を低下させる。
そして、CO2センサ14は、目標起床時刻Wtに到達するまでの時間帯において、CO2の回収によってCO2濃度が所定の外気濃度c5(例えば450ppm)に到達すると、その旨を制御装置10に通知する(ステップS124)。制御装置10は、CO2の回収停止要求をCO2回収装置15Aに送信する(ステップS125)。これにより、CO2回収装置15Aの動作が停止する。
上述したように、CO2濃度調整装置1Aは、室内の壁から独立した独立型とされており、設置場所が限定されない構成とされている。また、CO2濃度調整装置1Aでは、CO2回収装置15Aが採用されることにより、外気温度の影響を受けずにCO2濃度の低下を図ることができると共に、回収したCO2をそのままCO2貯蓄装置11に供給することができる。すなわち、CO2貯蓄装置11にCO2を貯蓄するための構成として、別途、ボンベやドライアイスを設ける必要がなく、簡易な構成とすることができる。
また、例えば図7に示されるCO2濃度調整装置1Bであってもよい。図7は、第2の変形例に係るCO2濃度調整装置1Bの基本構成を示す図である。図7に示されるように、CO2濃度調整装置1Bは、CO2濃度調整装置1の各構成に加えて、バイタルセンサ50B(ユーザ状態センサ)と、学習装置60Bとを備えている。
バイタルセンサ50Bは、ユーザの行動・状態を検知するセンサである。具体的には、バイタルセンサ50Bは、例えば、ユーザが寝ている(入眠した)、起きている、室内にいる等のユーザの行動に関する情報、及び、ユーザの健康度等を検知することができる。バイタルセンサ50Bは、直接ユーザの体に取り付けられるバンド型のものであってもよいし、カメラ等を用いたセンシングであってもよい。バイタルセンサ50Bの形状はどのようなものであってもよい。
学習装置60Bは、バイタルセンサ50Bによって検知される入眠時刻及び起床時刻等の情報からユーザの行動を学習する装置である。学習装置60Bは、バイタルセンサ50Bによって検知されたユーザの入眠時刻及び起床時刻を学習することにより目標就寝時刻St及び目標起床時刻Wtを導出し、導出した目標就寝時刻St及び目標起床時刻Wtを制御装置10に通知する。この場合、目標就寝時刻St及び目標起床時刻Wtは、入力装置13に入力された時刻(ユーザが入力した情報)ではなく、バイタルセンサ50Bによる実測値に基づく時刻となる。すなわち、第2の変形例に係るCO2濃度調整装置1Bでは、入力装置13における入力に替えて(又は加えて)、自動で目標就寝時刻St及び目標起床時刻Wtが導出される。
図8を参照して、CO2濃度調整装置1Bが行う処理について説明する。図8は、第2の変形例に係るCO2濃度調整装置1Bが行う処理を示すシーケンス図である。
図8に示されるように、CO2濃度調整装置1Bでは、最初に、ステップS201及びステップS202の処理(学習前処理)が行われる場合と、ステップS203及びステップS202の処理(学習後処理)が行われる場合とがある。学習前処理とは、目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、及び起動から目標濃度c1に達するまでに要する時間n1が学習装置60Bによって学習されていない場合に実行される処理であり、学習後処理とは、目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、及び時間n1が学習装置60Bによって学習されている場合に実行される処理である。
学習前処理が行われる場合には、入力装置13が、ユーザから、目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、及び時間n1の入力を受付け、これらの情報を制御装置10に送信する(ステップS201)。また、バイタルセンサ50Bが、室内にユーザが存在するか否かの判定を行い、存在するユーザの情報を制御装置10に通知する(ステップS202)。なお、室内にユーザが存在するか否かの判定(及びユーザの特定)は、例えばバイタルセンサ50Bがカメラ型である場合には画像認識により実行され、例えばバイタルセンサ50Bがバンド型である場合にはBluetooth(登録商標)、超音波センサ、又は赤外線センサ等によりユーザを検知することにより行われる。
学習後処理が行われる場合には、入力装置13からの入力に替えて、学習装置60Bが、導出した目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、及び時間n1を制御装置10に通知する(ステップS203)。なお、ステップS203は、後述するステップS214、ステップS220、ステップS226、及びステップS227の処理が少なくとも1度実行されている場合に実行される。ただし、ステップS203において目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、及び時間n1の一部の情報のみを通知する場合には、対応するステップの処理(例えば目標就寝時刻Stのみを通知する場合にはステップS220の処理及びステップS227の処理)が少なくとも1度実行されていればよい。
ステップS204~ステップS213の処理は、上述した実施形態の図4に示すステップS2~ステップS11の処理と同様であるため、説明を省略する。
制御装置10は、ステップS213が完了すると、ステップS210においてCO2センサ14から取得した情報に基づき、目標濃度c1に達するまでに要した時間の実測値を学習装置60Bに通知する(ステップS214)。
ステップS215~ステップS218のループ処理は、上述した実施形態の図4に示すステップS12~ステップS15のループ処理と同様であるため、説明を省略する。
バイタルセンサ50Bは、ユーザの入眠を検知すると、睡眠確認通知を制御装置10に通知する(ステップS219)。なお、上述したステップS215~ステップS218のループ処理の脱出契機は、目標就寝時刻Stになったことではなく、バイタルセンサ50Bから制御装置10に睡眠確認通知が通知されたこととしてもよい。バイタルセンサ50Bは、学習装置60Bにユーザの就寝(入眠)時刻を通知する(ステップS220)。
ステップS221~ステップS224のループ処理は、上述した実施形態の図4に示すステップS16~ステップS19のループ処理と同様であるため、説明を省略する。
バイタルセンサ50Bは、ユーザの起床を検知すると、起床確認通知を制御装置10に通知する(ステップS225)。なお、上述したステップS221~ステップS224のループ処理の脱出契機は、目標起床時刻Wtになったことではなく、バイタルセンサ50Bから制御装置10に起床確認通知が通知されたこととしてもよい。バイタルセンサ50Bは、学習装置60Bにユーザの起床時刻を通知する(ステップS226)。
学習装置60Bは、バイタルセンサ50Bによって検知されたユーザの入眠時刻及び起床時刻、並びに、制御装置10から通知された目標濃度c1に達するまでに要した時間に基づき行動学習を行い、目標就寝時刻St、目標起床時刻Wt、及び、起動から目標濃度c1に達するまでに要する時間n1を導出する(ステップS227)。このようにして導出された各種情報は、次回のステップS203の処理において制御装置10に通知される。
上述したように、第2の変形例に係るCO2濃度調整装置1Bでは、バイタルセンサ50Bによってユーザの入眠時刻が検知され、その情報が学習装置60Bによって学習されることにより、実測値を用いて、ユーザの目標就寝時刻Stを高精度に導出することができる。
また、CO2濃度調整装置は、CO2貯蓄装置11については必ずしも備えていなくてもよい。すなわち、CO2濃度調整装置は、例えば、CO2を常時貯蓄している構成を備えずに、CO2を排出する際に都度CO2を生成する構成であってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broad-band)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-Wide Band)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
ユーザ端末は、当業者によって、移動通信端末、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。