JP7129073B2 - カードホルダ - Google Patents

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Description

本発明は、カードホルダに関する。
社員証や学生証などのカードを収容し、カードの表示面に記載された情報を外部に表示させるカードホルダが流通している。このようなカードホルダとして、例えば特許文献1に、合成皮革や天然皮革により形成されたカードホルダが知られている。
合成皮革や天然皮革で形成されたカードホルダは、ホルダ全体が透明樹脂で形成されたカードホルダと比較して、看者に高級感を感じさせるので、利用者から高い人気を得ている。
登録実用新案第3163601号公報
カードホルダのホルダ本体が皮革で形成されている場合、ホルダ本体にカードを収容した際に、皮革がカードの表示面の一部を覆う虞がある。そして、皮革がカードの表示面の一部を覆うと、カードの表示面に記載された情報を外部に表示させることができない虞がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、カードの表示面に記載された情報を全て外部に表示させることが可能な、皮革で形成されたカードホルダを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るカードホルダは、
カードの周縁部を囲んで保持する第1の開口部を備えた第1の枠体と、
前記第1の開口部に保持された前記カードの表示面側に配置され、当該カードの表示面に記載された情報を外部に表示させる第2の開口部を備えた第2の枠体と、
前記第1の枠体と前記第2の枠体との間に配置され、前記カードの表示面を覆う透明部材と、
前記第1の開口部に保持された前記カードの表示面の反対面側に配置され、当該反対面を覆う裏壁部材と、
を備え、
前記第2の開口部は、前記第1の開口部に保持された前記カードの周縁部に合致して配置されており、又は、前記第1の開口部に保持された前記カードの周縁部の外側に配置されており、
前記第1の枠体、前記第2の枠体及び前記裏壁部材は、皮革で形成されており、
前記第1の開口部は、前記カードが収容される収容空間を形成しており、当該収容空間に収容された前記カードの周縁部を囲んで保持し、
前記第1の開口部により形成される前記カードの前記収容空間に対して前記カードを挿し抜きするための挿抜口が、前記第1の枠体と前記裏壁部材との間に形成されている。
例えば、前記第1の枠体と前記裏壁部材は、前記第1の開口部を囲むように、U字状に縫い合わされてもよい。
例えば、前記収容空間は、前記第1の開口部の両端部に沿って形成された縫目が互いに対向する方向において、前記収容空間に収容された前記カードの両端部から長さSだけ長くなるように形成されており、
前記収容空間に収容された前記カードを、前記第1の開口部の軸方向に移動させて、前記収容空間から取り出す為の前記Sの最小値は、以下の式1により求められ、
S=DSinθ・・・式1
(但し、Dは、前記カードの厚さであって、θは、前記カードの前記両端部のいずれかの端部と対向する前記第1の開口部の面部の、前記カードの厚み方向からの傾き角度である)、
前記面部と当該面部に沿って形成された縫目との間の長さをMとした場合、
前記収容空間に収容された前記カードを、前記第1の開口部の軸方向に移動させて、前記収容空間から取り出す為の前記Mの最小値は、以下の式2により求められ、
M=(D-H)÷Sinθ・・・式2
(但し、Dは、前記カードの厚さであって、θは、前記カードの前記両端部のいずれかの端部と対向する前記第1の開口部の前記面部の、前記カードの厚み方向からの傾き角度であり、Hは、前記反対面の延長線から前記裏壁部材及び前記第1の枠体が接している箇所の前記縫目までの最短距離である)、
前記Sの最小値及び前記Mの最小値は、前記挿抜口を介して前記カードを前記収容空間に出し入れする為の最小値になってもよい。
例えば、前記第1の枠体と前記裏壁部材とは、1枚の皮革から形成されていてもよい。
本発明によれば、カードの表示面に記載された情報を全て外部に表示させることが可能な、皮革で形成されたカードホルダを提供することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るカードホルダの分解斜視図である。 (a)は、第1の開口部にカードを保持させた状態を示す斜視図であり、(b)は、第1の開口部にカードを保持させた状態を示す正面図である。 (a)は、第1の開口部の形状及び厚さを説明するための斜視図であり、(b)は、カードの厚さを説明するための斜視図である。 (a)は、第2の枠体を取り付ける位置を説明するための斜視図であり、(b)は、第1の枠体に第2の枠体を取り付けた状態を示す斜視図である。 第1の枠体に第2の枠体を取り付けた状態を示す正面図である。 (a)は、図1に示すカードホルダの背面側の斜視図であり、(b)は、挿抜口を説明するための斜視図である。 (a)は、図1に示すカードホルダの第1の変形例を説明するための正面図であり、(b)は、図1に示すカードホルダの第2の変形例を説明するための正面図である。 (a)は、図1に示すカードホルダの第3の変形例を説明するための斜視図であり、(b)は、図1に示すカードホルダの第3の変形例を説明するための分解斜視図である。 (a)は、図8に示すカードホルダの収容空間にカードを収容させた状態を説明するための断面図であり、(b)は、図9(a)に示すカードホルダの部分拡大図である。 (a)は、図9(a)に示すカードホルダの収容空間に収容されたカードを、カードの厚み方向であって、かつ裏壁部材が位置する方向に移動させて、収容空間から取り出した際の状態を示す図であり、(b)は、図10(a)に示すカードホルダの第1の部分拡大図である。 図10(a)に示すカードホルダの第2の部分拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係るカードホルダを説明する。
本実施の形態に係るカードホルダ1は、カードを収容し、カードの表示面に記載された情報を外部に表示させるものであり、図1に示す通り、筒状の第1の枠体10と、第1の枠体10の一端側に配置される筒状の第2の枠体20と、第1の枠体10及び第2の枠体20の間に配置される透明部材30と、第1の枠体10の他端側に配置される裏壁部材40と、を備える。
第1の枠体10は、合成皮革、天然皮革又はこれらの組み合わせで形成されており、図1から図3に示す通り、カードを収容する第1の開口部11と、孔を形成する孔部12及び孔部13と、を備える。
なお、孔部12及び孔部13は、直線状に貫通する孔を形成している。
第1の開口部11は、図2(a)及び図2(b)に示す通り、カード2を収容するとともに、カード2の周縁部を囲んで保持する。具体的には、第1の開口部11はカード2の周方向の形状に合致する形状に形成されており、第1の開口部11にカード2が嵌め込まれることにより、第1の開口部11はカード2の周縁部を囲んで保持する。
ここで、カード2は、限定されないが、例えば社員証、名刺、学生証などの身分証明書である。以下では、カード2について、外部に表示させる情報を記載した面を表示面とし、外部に表示させる必要のない面を、表示面の反対面として説明する。なお、さらに詳しく説明すると、表示面の反対面は、カードにおける表示面の反対側の面である。
第1の開口部11の厚さは、カード2の厚さと同等以上となるように形成されている。
ここで、第1の開口部11の厚さとは、図3(a)に示す通り、第1の開口部11の軸方向の長さAをいい、カード2の厚さとは、図3(b)に示す通り、カード2の平面に直交する方向の長さBをいう。なお、カード2は、図3(a)に示す第1の開口部11により形成されるカード2の収容空間Xに収容される。
孔部12は、カードホルダ1を利用者の胸元などに着用させるために使用される吊着治具が挿入される孔を形成している。吊着治具としては、特に限定されず、例えばストラップ、安全ピンが挙げられる。
孔部13は、収容空間Xに収容されたカード2を取り出す為の棒状体が挿入される孔を形成している。孔部13の利用方法は、後述する。
図1に示す第2の枠体20は、合成皮革、天然皮革又はこれらの組み合わせで形成されており、図4(a)に示す通り、第1の開口部11に保持されたカード2の表示面側に配置される。第2の枠体20は、中央部で開口を形成する第2の開口部21を備える。
そして、図4(a)及び図4(b)に示す通り、第2の開口部21は、第1の開口部11に重ねて配置され、第1の開口部11に保持されたカード2の表示面に記載された情報を外部に表示させる。
ここで、第2の開口部21の形状と第1の開口部11の形状は、厚さを除き互いに同一である。
その為、図1に示す第2の開口部21の縦方向の幅の長さL1は、第1の開口部11の縦方向の幅の長さL3と同一である。また、第2の開口部21の横方向の幅の長さL2は、第1の開口部11の横方向の幅の長さL4と同一である。
そして、第1の開口部11が第2の開口部21に重ねて配置された状態で、第1の開口部11及び第2の開口部21の縦方向の幅の位置が互いに一致しており、また、第1の開口部11及び第2の開口部21の横方向の幅の位置が互いに一致している。
そして、第2の開口部21は、第1の開口部11と同様に、カード2の周方向の形状に合致する形状に形成されている。
つまり、第1の開口部11が第2の開口部21に重ねて配置された状態で、第2の開口部21は、第1の開口部11に保持されたカード2の周縁部に合致して配置されている。
その為、図2(b)に示す正面図で、第1の開口部11がカード2の周縁部を囲んで保持した状態を示したが、図5に示す正面図に記載の通り、第1の開口部11が第2の開口部21に重ねて配置されたとしても、カード2の表示面の見え方に変化はない。
図1に示す透明部材30は、透明樹脂やガラスで形成されており、第1の開口部11に保持されたカード2の表示面側に配置される。なお、透明樹脂は、特に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロンを挙げることができる。
そして、透明部材30は、第1の枠体10と第2の枠体20との間に配置されており、第1の枠体10と第2の枠体20との間に配置された状態で、第1の開口部11に保持されたカード2の表示面を覆っている。具体的には、透明部材30は矩形などに形成されており、透明部材30の周縁部が第1の開口部11及び第2の開口部21に挟まれており、透明部材30の中央部が、第1の開口部11に保持されたカード2の表示面を覆っている。
なお、透明部材30の透明性は、透明部材30が第1の開口部11に保持されたカード2の表示面を覆った状態で、看者がカード2の表示面に記載された情報を判別できる程度の透明性であればよい。
裏壁部材40は、合成皮革、天然皮革又はこれらの組み合わせで形成されており、第1の開口部11に保持されたカード2の表示面の反対面側に配置される。裏壁部材40は、カード2の表示面の反対面を覆うように配置される。裏壁部材40は、図6(a)及び図6(b)に示す通り、第1の開口部11により形成されるカード2の収容空間Xに対して、カード2を挿し抜きするための挿抜口41を備える。
挿抜口41は、第1の開口部11により形成されるカード2の収容空間Xに繋がっている。
次に、カードホルダ1の使用方法について、説明する。
カードホルダ1には、カード2が、裏壁部材40の挿抜口41から挿入される。そして、カード2が、第1の開口部11により形成されるカード2の収容空間Xに収容され、第1の開口部11に嵌め込まれる。
そして、第1の開口部11に嵌め込まれ、第1の開口部11に周縁部を保持されたカード2は、第1の枠体10により表示面が覆われない。また、第2の開口部21は、カード2の周方向の形状に合致する形状に形成されており、第1の開口部11に保持されたカード2の周縁部に合致して配置されている。その為、カード2は、第2の枠体20により表示面を覆われない。
つまり、看者がカ-ドホルダ1を正面視した際に、第1の開口部11に保持されたカード2の表示面が、カードホルダ1を形成する革皮により隠されることがない。
その為、カードホルダ1が皮革で形成されていても、カードホルダ1に収容されたカード2の表示面に記載された情報を全て読み取ることが可能になる。
また、第1の開口部11がカード2の周方向の形状に合致する形状に形成されることにより、カード2は第1の開口部11に嵌め込まれて保持されるので、第1の開口部11により形成されるカード2の収容空間に収容されたカードを支持する手段を別途設ける必要がなくなる。
さらに、第1の開口部11に周縁部を囲まれて保持されたカード2は、その表示面側及びその表示面の反対面側が透明部材30又は裏壁部材40により覆われているので、カードホルダ1に衝撃が与えられるなどして第1の開口部11がカード2を保持しない状態になったとしても、カードホルダ1から離脱することはない。
さらに、第1の開口部11の厚さがカード2の厚さと同等以上となるように形成されているので、第1の開口部11にカード2を保持させた際に、カードホルダ1について、従来のもののようなカード2の厚さ方向への膨らみを防止し、平板様にすることができる。
さらに、孔部12に、吊着治具を取り付けることにより、カードホルダ1を利用者の胸元などに着用させることが可能になる。
次に、第1の開口部11により形成される収容空間Xに収容されているカード2を、挿抜口41から取り出す方法について説明する。まず、カード2が収容空間Xに収容されている状態で、図3(a)に示す孔部13に、棒状体を挿入する。具体的には、棒状体は、孔部13における、収容空間Xに収容されているカード2が位置する側の開口とは反対側の開口から挿入される。
そして、棒状体を孔部13に挿入して孔部13を通過させ、収容空間Xに収容されているカード2を棒状体で押すことにより、カード2を、図6(a)に示す挿抜口41が位置する方向に移動させる。
そして、これにより、カード2を、挿抜口41から取り出すことができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
例えば、第1の開口部11をカード2の周方向の形状に合致する形状に形成し、第1の開口部11にカード2を嵌め込むことにより、第1の開口部11にカード2の周縁部を囲んで保持させる例を示したが、第1の開口部11がカード2の周縁部を囲んで保持できるのであれば、これに限定されない。
例えば、図7(a)に示す通り、第1の開口部11の形状をカード2の周縁部の形状よりも大きく形成し、第1の開口部11とカード2の周縁部とを接着剤3を介して接続することにより、第1の開口部11にカード2の周縁部を囲んで保持させてもよい。
また、接着剤3の代わりに、ゴム、バネなどの弾性部材を使用してもよい。つまり、第1の開口部11の形状をカードの周縁部の形状よりも大きく形成し、第1の開口部11とカード2の周縁部とを弾性部材を介して接続することにより、第1の開口部11にカード2の周縁部を囲んで保持させてもよい。
これにより、様々な大きさや形状のカード2を、第1の開口部11に保持させることが可能になる。
さらに、上記のような接着剤や弾性部材を使用しなくとも、第1の開口部11がカード2の周縁部を囲んで保持できる程度に、第1の開口部11の形状をカード2の周縁部の形状よりも僅かに大きくしてもよい。
また、図3(a)に示す第1の開口部11に、1枚のカード2を保持させる例を示したが、第1の開口部11に保持されるカードの枚数は複数枚であってもよい。これにより、複数枚のカードを、カードホルダ1を用いて纏めて保持することが可能になる。ここで、第1の開口部11を、複数枚のカード2を保持させる形態とする場合、第1の開口部11の厚さは、収容されるカード2の合計の厚みよりも厚くなるように形成される。
さらに、図1に示す第2の開口部21の縦方向の幅の長さL1が、第1の開口部11の縦方向の幅の長さL3と同一であり、第2の開口部21の横方向の幅の長さL2が、第1の開口部11の横方向の幅の長さL4と同一である例を示したが、第2の枠体20によりカード2の表示面に記載された情報が隠されないのであれば、その形態は任意である。
例えば、第2の開口部21の縦方向の幅の長さL1が、第1の開口部11の縦方向の幅の長さL3よりも長く、また、第2の開口部21の横方向の幅の長さL2が、第1の開口部11の横方向の幅の長さL4よりも長くてもよい。これにより、図7(b)に示す通り、第1の枠体10が第2の枠体20に重ねて配置された状態で、第2の開口部21は、第1の開口部11に保持されたカード2の周縁部の外側に配置される。その為、カード2の表示面が、カードホルダ1を形成する革皮により隠されない。その為、カードホルダ1が皮革で形成されていても、カードホルダ1に収容されたカード2の表示面に記載された情報を全て読み取ることが可能になる。
また、第1の枠体10及び裏壁部材40は、合成皮革、天然皮革又はこれらの組み合わせで形成される例を示したが、第1の枠体10と裏壁部材40とが1枚の皮革から形成されていても良い。
さらに、上記では、図6(b)に示す収容空間Xに対してカード2を挿し抜きするための挿抜口41が、裏壁部材40に形成される例を示したが、カードホルダ1における他の領域に形成されてもよい。
例えば、図8(a)に示す通り、収容空間Xに対してカード2を挿し抜きするための挿抜口50が、第1の枠体10と裏壁部材40との間に形成されてもよい。
なお、この例では、挿抜口50は、利用者に着用された状態であるカードホルダ1の上部の位置に形成される。
この場合、挿抜口50は、例えば、第1の枠体10と裏壁部材40とを、図8(b)に示す縫い線S1で縫い合わせることにより形成される。
ここで、縫い線S1はU字状を形成しており、第1の枠体10と裏壁部材40は、第1の開口部11を囲むように、U字状に縫い合わされる。
縫い合わせの手順としては、まずは第1の枠体10と第2の枠体20とを縫い線S2で縫い合わせ、その後、第2の枠体20と縫い合わされた第1の枠体10に、裏壁部材40が上記の通り縫い合わされてもよい。
そして、第1の枠体10と裏壁部材40とが縫い線S1で縫い合わされると、図9(a)に示す通り、その縫目Nが、カードホルダ1に形成される。
ここで、第1の枠体10と裏壁部材40とが縫い線S1で縫い合わされる場合、挿抜口50を介して収容空間Xにカード2を出し入れすることを可能にするための、収容空間Xの大きさ及び縫目Nの位置は、以下の通りである。
まず、収容空間Xは、第1の開口部11の両端部に沿って形成された縫目Nが互いに対向する方向において、カード2よりも大きくなるように形成される。
なお、第1の開口部11の両端部に沿って形成された縫目Nが互いに対向する方向は、図8(b)に示す第1の開口部11の幅の長さL4の方向と、同一の方向である。
以下では、図9(a)に示す第1の開口部11の両端部に沿って形成された縫目Nが互いに対向する方向において、収容空間Xが、収容空間Xに収容されたカード2の両端部から長さSだけ長く形成されているとする。
具体的に説明すると、収容空間Xに収容されたカード2の一端側に注目した場合に、図9(b)に示すカード2が収容された収容空間Xは、カード2の一端部Z1から長さSだけ大きくなっている。
言い換えれば、カード2の厚み方向と平行な一端部Z1から、この一端部Z1と対向する第1の開口部11の面部Z2までの長さが、Sである。
ここで、一端部Z1と面部Z2とは、平行又は概ね平行となるように形成されている。
なお、上記では、収容空間Xに収容されたカード2の一端側に注目したが、収容空間Xに収容されたカード2の他端側でも同様のことが言える。
次に、図9(a)に示す縫目Nは、図10(a)に示す通り、収容空間Xに収容されたカード2を、第1の開口部11の軸方向であって、かつ裏壁部材40が位置する方向に移動させて、第1の枠体10の収容空間Xから取り出すことができるまで、裏壁部材40を変形させることができる位置に設けられる。
以下では、図9(b)に示す第1の開口部11の面部Z2と、面部Z2に沿って形成された縫目Nとの間の長さを、Mとする。
なお、面部Z2と、面部Z2に接続し裏壁部材40に接する面部Z3とは、垂直又は概ね垂直に接続している。
また、面部Z2と、面部Z2に沿って形成された縫目Nとは、平行又は概ね平行となるように形成されている。
図10(a)に示す通り、カード2を、第1の開口部11の軸方向であって、かつ裏壁部材40が位置する方向に移動させて、収容空間Xから取り出した際に、図10(b)に示すカード2の一端部Z1における表示面側の角Z11と、第1の開口部11の面部Z2における裏壁部材40側の角Z21とが、互いに移動可能に接すれば、その時のSの値が、挿抜口50を介してカード2を収容空間Xに出し入れ可能とするための最小値になる。
そして、図11に示す第1の開口部11の面部Z2の長さdが、カードの厚さDと同一であり、また、カード2の厚み方向からの面部Z2の傾きをθとすると、挿抜口50を介してカード2を収容空間Xに出し入れ可能とするためのSの最小値は、以下の(式1)で求められる。
S=DSinθ・・・(式1)
また、図10(a)に示す通り、カード2を、第1の開口部11の軸方向であって、かつ裏壁部材40が位置する方向に移動させて、収容空間Xから取り出した際に、図10(b)に示すカード2の一端部Z1における表示面側の角Z11と、第1の開口部11の面部Z2における裏壁部材40側の角Z21とが、互いに移動可能に接すれば、その時のMの値が、挿抜口50を介してカード2を収容空間Xに出し入れ可能とするための最小値になる。
そして、上記で定義したD及びθに加え、カード2の表示面とは反対側の面の延長線から、裏壁部材40及び第1の枠体10が接している箇所の縫目N1までの最短距離をHとすると、挿抜口50を介してカード2を収容空間Xに出し入れ可能とするための図11に示すMの最小値は、以下の(式2)で求められる。
M=(D-H)÷Sinθ・・・(式2)
つまり、少なくとも上記のSとMの最小値に設定すれば、挿抜口50を介して、収容空間Xにカード2を出し入れすることが可能になる。
なお、上記のSを設定することにより収容空間Xの大きさが決定され、上記のMを設定することにより縫目Nの位置が決定される。
そして、少なくとも上記のSとMの最小値に設定すれば、カードの表示面に記載された情報を全て外部に表示させることが可能になるとともに、収容空間Xにカード2が収容された状態でカードホルダ1を振っても、留め具などをせずとも、カードホルダ1からカード2が飛び出すことを防ぐことが可能になる。
なお、図11に示す通り、裏壁部材40に均等に力がかかる時は、解放曲線はSinカーブ近似となる。
1 カードホルダ
2 カード
3 接着剤
10 第1の枠体
11 第1の開口部
12、13 孔部
20 第2の枠体
21 第2の開口部
30 透明部材
40 裏壁部材
41、50 挿抜口
A 軸方向の長さ
B 平面に直行する方向の長さ
N 縫い目
N1 裏壁部材及び第1の枠体が接している箇所の縫目
S1、S2 縫い線
L1~L4 幅の長さ
X 収容空間
Z1 カードの一端部
Z2、Z3 面部
Z11、Z21 角

Claims (4)

  1. カードの周縁部を囲んで保持する第1の開口部を備えた第1の枠体と、
    前記第1の開口部に保持された前記カードの表示面側に配置され、当該カードの表示面に記載された情報を外部に表示させる第2の開口部を備えた第2の枠体と、
    前記第1の枠体と前記第2の枠体との間に配置され、前記カードの表示面を覆う透明部材と、
    前記第1の開口部に保持された前記カードの表示面の反対面側に配置され、当該反対面を覆う裏壁部材と、
    を備え、
    前記第2の開口部は、前記第1の開口部に保持された前記カードの周縁部に合致して配置されており、又は、前記第1の開口部に保持された前記カードの周縁部の外側に配置されており、
    前記第1の枠体、前記第2の枠体及び前記裏壁部材は、皮革で形成されており、
    前記第1の開口部は、前記カードが収容される収容空間を形成しており、当該収容空間に収容された前記カードの周縁部を囲んで保持し、
    前記第1の開口部により形成される前記カードの前記収容空間に対して前記カードを挿し抜きするための挿抜口が、前記第1の枠体と前記裏壁部材との間に形成されている、
    カードホルダ。
  2. 前記第1の枠体と前記裏壁部材は、前記第1の開口部を囲むように、U字状に縫い合わされている、
    請求項1に記載のカードホルダ。
  3. 前記収容空間は、前記第1の開口部の両端部に沿って形成された縫目が互いに対向する方向において、前記収容空間に収容された前記カードの両端部から長さSだけ長くなるように形成されており、
    前記収容空間に収容された前記カードを、前記第1の開口部の軸方向に移動させて、前記収容空間から取り出す為の前記Sの最小値は、以下の式1により求められ、
    S=DSinθ・・・式1
    (但し、Dは、前記カードの厚さであって、θは、前記カードの前記両端部のいずれかの端部と対向する前記第1の開口部の面部の、前記カードの厚み方向からの傾き角度である)、
    前記面部と当該面部に沿って形成された縫目との間の長さをMとした場合、
    前記収容空間に収容された前記カードを、前記第1の開口部の軸方向に移動させて、前
    記収容空間から取り出す為の前記Mの最小値は、以下の式2により求められ、
    M=(D-H)÷Sinθ・・・式2
    (但し、Dは、前記カードの厚さであって、θは、前記カードの前記両端部のいずれかの端部と対向する前記第1の開口部の前記面部の、前記カードの厚み方向からの傾き角度であり、Hは、前記反対面の延長線から前記裏壁部材及び前記第1の枠体が接している箇所の前記縫目までの最短距離である)、
    前記Sの最小値及び前記Mの最小値は、前記挿抜口を介して前記カードを前記収容空間に出し入れする為の最小値になる、
    請求項2に記載のカードホルダ。
  4. 前記第1の枠体と前記裏壁部材とは、1枚の皮革から形成されている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のカードホルダ。
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