JP7128613B2 - 搬送ベルト及び搬送ベルトの製造方法 - Google Patents
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Description
軽い物を搬送する場合、物を高速で搬送する場合、及び、搬送ベルトを傾斜させた状態で物を搬送する場合には、物と搬送ベルト表面との摩擦力が十分でないために物が搬送ベルト上を滑ってしまうおそれがある。そこで、搬送ベルトの表面に摩擦力を高める高摩擦布を貼り付けて物との摩擦力を高め、安定した搬送を行えるようにした搬送ベルトが用いられている。
搬送ベルトの構成について説明する。
図1に示すように、基板やガラス板等の物を搬送するベルトコンベア100は、プーリ1と、搬送ベルト3と、を備えている。
プーリ1は、主動プーリ11と、従動プーリ12と、を備えている。主動プーリ11は、例えば、モータ(他のアクチュエータでもよい。図示略)に連結された回転軸21の両端部にそれぞれ設けられている。すなわち、モータの駆動により回転軸21が軸回りに回転することで主動プーリ11も軸回りに回転する。従動プーリ12は、例えば、回転軸21から離間して平行に配置された回転軸22の両端部にそれぞれ設けられている。従動プーリ12は、主動プーリ11と従動プーリ12とに架け渡された搬送ベルト3を介して主動プーリ11の回転が伝達されて軸回りに回転する。
主動プーリ11及び従動プーリ12は、ともに外周面に同じピッチで歯11a,12aが形成されており、搬送ベルト3の内面に形成された歯31aと噛み合うようになっている。
図1、図2に示すように、ベルト本体31は、無端状に形成されており、プーリ1に架け渡されている。ベルト本体31は、プーリ1に架け渡される面(内面)とは反対側の面(載置面)に搬送対象となる物が載置される。ベルト本体31は、内面にプーリ1の歯11a,12aと噛み合う歯31aがプーリ1の歯11a,12aと同じピッチで全周にわたって形成されている。ベルト本体31の載置面は、平坦に形成されている。
ベルト本体31は、熱可塑性樹脂、例えば、ポリウレタンによって形成されている。なお、熱可塑性樹脂は、ポリウレタンに限られるものではなく、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の汎用プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のスーパーエンジニアリングプラスチックを用いてもよい。
心材35は、ベルト本体31の強度を高めるため、例えば、鋼製のワイヤーロープ、鋼製の網、織布等が用いられる。なお、心材35は、線状のものに限らず、網状であってもよいし、板状であってもよい。
次に、搬送ベルトの製造装置について説明する。
図3に示すように、搬送ベルト3は、押出成形機5によって製造される。
押出成形機5は、内型となる歯車状の型車51と、外型となるベルト機構53と、成形材料を吐出するノズル55と、を備えている。
型車51は、外周面に歯51aが形成された歯車状の部材である。ここで、歯51aのピッチは、ベルト本体31の歯31aのピッチと同じになるように形成されており、ベルト本体31を成形する内型としての役割を担う。
ベルト機構53は、三つのプーリ53a,53b,53cと、これらのプーリ53a,53b,53cに架け渡される無端状のベルト54と、を備えており、ベルト54がベルト本体31を成形する外型としての役割を担う。
したがって、型車51とベルト54との間の隙間が、ベルト本体31を成形するためのキャビティとなる。
次に、押出成形機5を用いた搬送ベルト3の製造方法について説明する。
型車51とベルト54を、図中矢印方向にそれぞれ回転させながら、型車51とベルト54との間に形成されるキャビティ内に、ノズル55からベルト本体31の成形材料であるポリウレタンを吐出していく。また、ポリウレタンの吐出と共に、キャビティ内に心材35とシート6を挿入する。
なお、心材35は、ポリウレタンに埋まるように挿入し、シート6は、ポリウレタンとベルト54との間、すなわち、シート6がベルト54に接触するように挿入する。
ここで、搬送ベルト3の成形後、搬送ベルト3は、型車51とベルト54による挟み込みから解放され、ポリウレタンに接着しないフッ素樹脂からなるシート6は、ベルト本体31から剥がれる。
成形された搬送ベルト3は、用途に応じて所定の長さに切断され、端部同士を接着することで無端状の搬送ベルト3が製造される。
よって、従来のように、ベルト本体31の載置面に高摩擦布を貼り付ける必要がなくなるので、搬送物との接触により、高摩擦布がベルト本体31から剥がれてしまうおそれもない。さらに、摩擦力を高めることにより、搬送物がずれにくくなるので、搬送速度を上げることもできる。
また、高摩擦布をベルト本体31に貼り付ける工程も不要となるので、搬送ベルト3の製造において作業効率が低下することもない。
また、高摩擦布に比べて、コストの低減を図ることができる。
また、搬送ベルト3の製造において、押出成形機5によって、ベルト本体31の成形と共にフッ素樹脂層33をベルト本体31に形成することができるので、フッ素樹脂層33を形成するための金型、設備等が不要となり、コストが嵩むこともなく、小ロットの製造も可能となる。
また、搬送ベルト3の製造において、シート6はフッ素樹脂から形成されているので、ベルト本体31のポリウレタンに接着することはなく、その自重によってベルト本体31から剥がれるので、成形性もよい。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではない。例えば、搬送ベルトは押出成形に限らず、注型成形等、その他の成形方法によって製造してもよい。
3 搬送ベルト
5 押出成形機
6 シート
31 ベルト本体
33 フッ素樹脂層
35 心材
100 ベルトコンベア
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂によりベルト本体を成形する工程と、
前記ベルト本体を成形する際に、押出成形機の型車とベルトとの間に形成されるキャビティ内に、前記熱可塑性樹脂を吐出すると共に前記ベルト本体の表面粗さよりも小さな表面粗さを有するフッ素樹脂からなるシートを前記キャビティ内に挿入し、前記シートを成形される前記ベルト本体の一方の面に密着させて表面のフッ素樹脂を前記ベルト本体に転写し、前記ベルト本体とフッ素樹脂層とを一体に成形する工程と、
成形後に前記シートを剥がす工程と、
を有することを特徴とする搬送ベルトの製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載の搬送ベルトの製造方法。
- 前記フッ素樹脂層は、ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送ベルトの製造方法。
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