JP7128536B2 - 特定の患者集団において神経変性障害を処置する方法 - Google Patents

特定の患者集団において神経変性障害を処置する方法 Download PDF

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Description

この出願は、2015年9月10日に提出された米国仮特許出願第62/216,404号、2016年2月2日に提出された米国仮特許出願第62/290,287号、2016年3月1日に提出された米国仮特許出願第62/302,027号、及び2016年7月22日に提出された米国仮特許出願第62/365,809号の利益を主張し、それぞれの開示内容は、全体が参照により本明細書にここで組み込まれる。
本開示は、アルツハイマー病(AD)を含めた神経学的障害、及び具体的には特定の患者集団におけるADの処置に概して関する。
ADは、加齢に主に関連する脳の進行性変性疾患である。2000年における米国でのADの有病率は、450万人に近かった。65歳を超える10人に約1人、85歳を超える人のおよそ半数がADに冒されていると推定された。米国だけでも、毎年、およそ360,000人の患者がADと診断されることとなる。
ADの臨床所見は、記憶、認知、論理的思考、判断、及び見当識の喪失によって特徴付けられる。疾患が進行するにつれ、運動、感覚及び言語能力もまた、複数の認知機能の全体障害が存在するまで影響を受ける。これらの認知欠損は、徐々にかつ漸進的に起こり、典型的には、診断から12年以内に重篤な障害及び最終的には死に至る。
ADは、脳における2つの主要な病理学的観察:神経原線維変化、及びベータアミロイドペプチド(Aβ)として知られているペプチド断片の集合体から主として構成されるβアミロイド(または神経突起)プラーク;によって特徴付けられる。ADを有する個体は、脳における(Aβプラーク)及び脳血管における(βアミロイド血管症)特徴的なAβ沈着、ならびに神経原線維変化を示す。神経原線維変化は、ADにおいてだけでなく、他の認知症誘発性障害においても起こる。
本開示は、とりわけ、ホモタウリン(3-アミノ-1-プロパンスルホン酸(3-APS)、トラミプロセート、またはAlzhemed(商標))及びそのバリンプロドラッグ形態ALZ-801が、特定のヒト患者サブ集団において、より強い治療効果をもたらすという発見に基づいている。特に、これらの薬物は、アポリポタンパク質E4(APOE4)遺伝子にヘテロ接合性でありかつ中等度ADを有する患者;ならびにAPOE4遺伝子にホモ接合性でありかつ軽度~中等度または軽度ADを有する患者においてより有効性を示す。
ALZ-801(バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸)は、以下に示される、トラミプロセートよりも薬物動態及び経口寛容性が改良された、トラミプロセートの新規の経口投与可能な小分子プロドラッグである:
Figure 0007128536000001
本発明者らの認識では、APOE4-陽性患者が、ADの重篤度に応じて異なってトラミプロセートまたはそのプロドラッグ(例えば、ALZ-801)に応答することができることを予測するいずれの理由も当該分野において提供されていない。ADの重篤度は、ミニメンタルステート検査(MMSE)の使用を通して測定され得る。本明細書において使用されているとき、「ベースラインMMSE」は、初期処置の前の60日以内、好ましくは30日以内に得られたMMSEスコアを称する。ベースラインMMSEスコア20~26は、軽度ADであるとされるが;ベースラインMMSEスコア16~19は、中等度ADとされる。本願において、本発明者らは、中等度ADを、ベースラインMMSEスコア18~19として定義される「軽度~中等度AD」と、ベースラインMMSEスコア16~17として定義される「より中等度のAD」とに細分している。本発明者らはまた、軽度ADも、ベースラインMMSEスコア20~21として定義される「やや軽度のAD」と、ベースラインMMSEスコア22~26として定義される「より軽度のAD」とに細分している。
出願人らは、臨床データに基づいて、中等度ADに罹患しているAPOE4-ヘテロ接合患者が、他のAD患者(例えば、APOE4陰性/中等度AD;軽度ADを有するAPOE4ヘテロ接合体)よりも、トラミプロセートまたはそのプロドラッグ(例えば、ALZ-801)による処置に対して予想外にも応答することを驚くべきことに発見した。したがって、本開示は、中等度ADを有するAPOE4-ヘテロ接合患者においてADを処置する新規の方法を提供する。
また、出願人らは、臨床データに基づいて、軽度ADまたは軽度~中等度ADを有するAPOE4/4ホモ接合患者が、他のAD患者(例えば、より中等度のADを有するAPOE4/4ホモ接合患者)よりも、トラミプロセートまたはそのプロドラッグ(例えば、ALZ-801)による処置に対して予想外にも応答することを驚くべきことに発見した。特に、軽度AD(ベースラインMMSEスコア20~26)を有するAPOE4/4ホモ接合患者及び軽度~中等度AD(ベースラインMMSEスコア18~19)を有するAPOE4/4ホモ接合患者は、ベースラインでMMSE<18を有する患者よりも、150mg BIDにおいてトラミプロセートに対してより高い改良を示す傾向にある。さらに、ベースラインMMSE≧22を有するApoE4/4ホモ接合患者は、78週の研究にわたって、プラセボと比較して、最も高い有効性及び認知機能の漸進的な増加を示した。同じことが、等価用量(265mg BID)のALZ-801-トラミプロセートプロドラッグについて予期される。
したがって、本開示のいくつかの態様は、対象においてADを処置する方法であって、以下のステップ:(i)対象のAPOE4ステータスを決定するステップと;(ii)対象においてADの重篤度を決定するステップと;(iii)対象に、トラミプロセートをレシピエントに送達することが可能である医薬組成物(例えば、トラミプロセートまたはそのプロドラッグ(例えば、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩)を含む組成物)を、対象がAPOE4ヘテロ接合であり中等度ADを有すると決定されるとき;または対象がAPOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度ADを有すると決定されるときに投与するステップと;を含む、上記方法に関する。
いくつかの実施形態において、本開示は、対象においてアルツハイマー病を処置する方法であって、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、(i)APOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病を有する;または(ii)APOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病を有すると決定された対象に投与することを含む、上記方法を提供する。
関連実施形態において、本開示は、対象においてアルツハイマー病を処置する方法であって:
a.トラミプロセート、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸またはこれらのいずれかの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、(i)APOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病を有する;または(ii)APOE4/4ホモ接合体であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病を有すると決定された対象に投与するステップと;
b.対象に、医薬組成物を、対象が(i)APOE4陰性である;(ii)APOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病に罹患していない;または(iii)APOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病に罹患していないと決定されるときには投与しないステップとを含む、上記方法を提供する。これらの実施形態の一態様において、対象が(i)APOE4陰性;(ii)APOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病に罹患していない;または(iii)APOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病に罹患していないと決定されるとき、対象に、トラミプロセート、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸または上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩以外の治療薬が投与される。
関連実施形態において、本開示は、対象においてADを処置する方法であって:(i)対象のAPOE4ステータスを決定することと;(ii)対象のベースラインMMSEスコアを決定することと;(iii)対象に、トラミプロセートをレシピエントに送達することが可能である医薬組成物(例えば、トラミプロセートまたはそのプロドラッグ(例えば、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩)を含む組成物)を、対象がAPOE4ヘテロ接合でありベースラインMMSEスコア16~19を有すると決定されるとき;または対象がAPOE4/4ホモ接合でありベースラインMMSEスコア18~26を有すると決定されるときに投与することとを含む、上記方法を提供する。
用語「APOE4」ステータスは、本明細書において使用されているとき、対象におけるAPOE4アレルの数を決定することを意味する(例えば、0、1、またはヘテロ接合性、及び2またはAPOE4/4ホモ接合性)。
いくつかの実施形態において、対象が、APOE4陰性であり、軽度ADを有するAPOE4ヘテロ接合であり(すなわち、ベースラインMMSEスコア20~26)、またはより中等度のもしくは重篤なAD(すなわち、ベースラインMMSEスコア<18)を有するAPOE4/4ホモ接合であると決定されるとき、トラミプロセートを送達することが可能である医薬組成物は対象に投与されず、また、任意選択的に、患者は異なる治療薬で処置される。
なお他の関連実施形態において、本開示は、対象においてADを処置する方法であって:(i)対象のAPOE4ステータス及びAD疾患重篤度に関する情報を受け取ることと;(ii)対象に、トラミプロセートをレシピエントに送達することが可能である医薬組成物(例えば、トラミプロセートまたはそのプロドラッグ(例えば、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩)を含む組成物)を、対象がAPOE4ヘテロ接合でありベースラインMMSEスコア16~19を有する;または対象がAPOE4/4ホモ接合でありベースラインMMSEスコア18~26を有すると決定されるときに投与することとを含む、上記方法を提供する。
さらに他の関連実施形態において、本開示は、対象においてADを処置する方法であって、対象に、トラミプロセートをレシピエントに送達することが可能である医薬組成物(例えば、トラミプロセートまたはそのプロドラッグ(例えば、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩)を含む組成物)を投与することを含み、対象がAPOE4ヘテロ接合でありベースラインMMSEスコア16~19を有し;または対象がAPOE4/4ホモ接合でありベースラインMMSEスコア18~26を有する、上記方法を提供する。
なお別の実施形態において、本開示は、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸による処置に関する対象の適合性を決定する方法であって、対象のAPOE4ステータスを決定することと、対象のアルツハイマー病の重篤度を決定することとを含み、a)対象がAPOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病を有するとき;またはb)対象がAPOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病を有するとき、対象が処置に適合していると決定される、上記方法を提供する。
関連実施形態において、本開示は、トラミプロセートもしくはバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸、または上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩による処置に関する対象の適合性を決定する方法であって、対象のAPOE4ステータスを決定することと、対象のアルツハイマー病の重篤度を決定することとを含み、a)対象がAPOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病を有するとき;またはb)対象がAPOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病を有するとき、対象が処置に適合していると決定され;また、(i)対象がAPOE4ヘテロ接合であり軽度アルツハイマー病を有するとき;(ii)対象がAPOE4陰性であるとき;または(iii)対象がAPOE4/4ホモ接合であり、より中等度のアルツハイマー病を有するとき、対象が処置に適合していないと決定される、上記方法を提供する。
上記実施形態のある特定の態様において、対象は、APOE4/4ホモ接合でありかつベースラインMMSEスコア18~26、19~26、20~26、21~26、または22~26を有するとき、処置され、または処置に適合していると決定される。これらの実施形態のより詳細な態様において、対象は、APOE4/4ホモ接合でありかつベースラインMMSEスコア20~26を有するとき、処置され、または処置に適合していると決定される。これらの実施形態のさらにより詳細な態様において、対象は、APOE4/4ホモ接合でありかつベースラインMMSEスコア22~26を有するとき、処置され、または処置に適合していると決定される。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、100mg~300mg/用量の範囲の用量のトラミプロセートを送達するように投与される。これらの実施形態のいくつかの態様において、医薬組成物は、100mg~150mg/用量の範囲の用量のトラミプロセートを送達するように投与される。これらの実施形態のより詳細な態様において、医薬組成物は、150mg/用量を送達するように投与される。これらの実施形態のいくつかの態様において、医薬組成物は、300~350mgのALZ-801/用量を含む。これらの実施形態のより詳細な態様において、医薬組成物は、265mgのALZ-801/用量を含む。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、毎日1回または毎日2回投与される。これらの実施形態のいくつかの態様において、医薬組成物は、毎日2回投与される。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、例えば、13週以上;26週以上;52週以上;65週以上;または78週以上の期間にわたって対象に投与される。
本発明の方法は、認知能力の低下が、メマンチンを用いるまたは用いない抗コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル単独またはメマンチンとの組み合わせ)による標準治療対照処置と比較して遅れているとき、有効であるとされることが理解されるべきである。処置有効性は、当該分野において公知である測定基準、例えば、ADAS-CogスコアまたはCDR-SBスコアによって決定され得る。ADAS-CogスコアまたはCDR-SBスコアについて、より高いスコアは、より低い認知を示す。いくつかの実施形態において、APOE4ヘテロ接合であり中等度ADを有すると診断された対象は、対象が52週と78週との間の期間にわたって医薬組成物によって処置されるときに、週当たり0.13以下の平均速度で増加するADAS-Cogスコアを有する。いくつかの実施形態において、対象のADAS-Cogスコアは、対象のベースラインADAS-Cogスコアと比較して、52週間の投与後に7以下だけ増加する。いくつかの実施形態において、対象のCDR-SBスコアは、対象が52週と78週との間の期間にわたって医薬組成物で処置されるとき、週当たり0.05以下の平均速度で増加する。いくつかの実施形態において、対象のCDR-SBスコアは、対象のベースラインCDR-SBスコアと比較して、52週間の投与後に3.0以下だけ増加する。
いくつかの実施形態において、対象は、85歳以下、例えば、65~85歳である。
いくつかの実施形態において、処置は、血管原性浮腫を含まない。
いくつかの実施形態において、本開示は、260mgと270mgとの間(例えば、265mg)のバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸と;薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物であって、即時放出の経口錠剤またはカプセルとして製剤化される、上記組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を処置する方法であって、これを必要とする対象に、260mgと270mgとの間(例えば、265mg)の上記のバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸を含む即時放出の経口医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。これらの実施形態のいくつかの態様において、上記方法は、上記組成物を1日に2回投与することを含んだ。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
対象においてアルツハイマー病を処置する方法であって、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、(i)APOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病を有する;または(ii)APOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病を有すると決定された対象に投与することを含む、前記方法。
(項目2)
対象においてアルツハイマー病を処置する方法であって:
a.トラミプロセート、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸またはこれらのいずれかの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、(i)APOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病を有する;または(ii)APOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病を有すると決定された対象に投与するステップと;
b.前記対象に、前記医薬組成物を、前記対象が(i)APOE4陰性である;(ii)APOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病に罹患していない;または(iii)APOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病に罹患していないと決定されるときに投与しないステップと
を含む、前記方法。
(項目3)
前記対象におけるアルツハイマー病の重篤度が、前記組成物の最初の投与の前の60日以内になされたミニメンタルステート検査(MMSE)におけるスコアによって決定されており:
a.前記対象が16~19の範囲のミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有したときに前記対象が中等度アルツハイマー病を有すると決定されており;
b.前記対象が20~26の範囲のミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有したときに前記対象が軽度アルツハイマー病を有すると決定されており;
c.前記対象が18~19の範囲のミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有したときに前記対象が軽度~中等度アルツハイマー病を有すると決定されている、
項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記対象がAPOE4ヘテロ接合であり、ベースラインMMSEスコア16~19によって示される中等度アルツハイマー病を有する、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記対象がAPOE4/4ホモ接合であり、ベースラインMMSEスコア18~26によって示される軽度~中等度または軽度アルツハイマー病を有する、項目3に記載の方法。
(項目6)
前記対象がAPOE4/4ホモ接合であり、ベースラインMMSEスコア20~26によって示される軽度アルツハイマー病を有する、項目3に記載の方法。
(項目7)
前記対象がAPOE4ホモ接合であり、ベースラインMMSEスコア22~26によって示されるより軽度のアルツハイマー病を有する、項目3に記載の方法。
(項目8)
前記医薬組成物が、100mg~150mg/用量の範囲の用量のトラミプロセートを送達する、項目1~7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記医薬組成物が、260mgと270mgとの間のバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸またはその薬学的に許容可能な塩を含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記組成物が265mgのバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸を含み、前記組成物が、即時放出の経口錠剤またはカプセルとして製剤化される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記医薬組成物が、毎日2回投与される、項目1~10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記対象が85歳以下である、項目1~11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記処置が、前記対象における認知低下を減少させる、項目1~12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸による処置に関する対象の適合性を決定する方法であって、前記対象のAPOE4ステータス、及び前記対象のアルツハイマー病の重篤度を決定することを含み、a)前記対象がAPOE4ヘテロ接合であり中等度アルツハイマー病を有するとき;またはb)前記対象がAPOE4/4ホモ接合であり軽度もしくは軽度~中等度アルツハイマー病を有するとき、前記対象が処置に適合していると決定される、前記方法。
(項目15)
260mgと270mgとの間のバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸と;薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物であって、即時放出の経口錠剤またはカプセルとして製剤化されている、前記組成物。
(項目16)
アルツハイマー病を処置する方法であって、これを必要とする対象に項目15の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目17)
前記医薬組成物が1日に2回投与される、項目16に記載の方法。
100mg BID及び150mg BIDでの、APOE4ヘテロ接合集団におけるADAS-Cogに対するトラミプロセート効果(最小二乗(LS)平均)の時間的経過を実証している(集団≦年齢85歳、軽度~中等度AD)。 100mg BID及び150mg BIDでの、APOE4ヘテロ接合集団におけるCDR-SBに対するトラミプロセート効果(LS平均)の時間的経過を実証している(集団≦年齢85歳、軽度~中等度AD)。 100mg BID及び150mg BIDでの、APOE4集団におけるADAS-Cogに対するトラミプロセート効果(LS平均)の時間的経過を実証している(集団≦85歳、軽度~中等度AD)。 100mg BID及び150mg BIDでの、APOE4集団におけるCDR-SBに対するトラミプロセート効果(LS平均)の時間的経過を実証している(集団≦年齢85歳、軽度~中等度AD)。 100mg BID及び150mg BIDでの、APOE4集団におけるADAS-Cogに対するトラミプロセート効果(LS平均)の時間的経過を実証している(集団≦85歳、中等度AD) 100mg BID及び150mg BIDでの、APOE4集団におけるCDR-SBに対するトラミプロセート効果(LS平均)の時間的経過を実証している(集団≦85歳、中等度AD)。 パネルAは、プラセボ対照と比較したとき、種々の範囲の疾患重篤度(ベースラインMMSEスコアによって測定される)によって分けられた、52、65及び78週にわたるAPOE4/4ホモ接合患者におけるADAS-Cogスコアに対する、トラミプロセート150mg BIDの効果を実証している。パネルBは、プラセボ対照と比較したとき、種々の範囲の疾患重篤度(ベースラインMMSEスコアによって測定される)によって分けられた、52、65及び78週にわたるAPOE4/4ホモ接合患者におけるCDR-SBスコアに対する、150mg BIDトラミプロセートの効果を実証している。 即時放出製剤において205mgまたは342mgのALZ-801が経口投与されたヒトにおける血漿トラミプロセートレベルの時間的経過、ならびに256mg用量のALZ-801について予測される時間的経過を表す。
定義
以下の定義を本開示に関連して使用する。
用語「対象」及び「患者」は、本明細書において互換的に使用され、アルツハイマー病と診断されたヒトを称する。
本明細書において使用されているとき、用語「APOE4陽性」または「APOE4」は、対象における少なくとも1つのAPOE4アレル、例えば、1または2のAPOE4アレルの存在を称する。いくつかの態様において、対象は、単一のAPOE4アレルを有する場合があり、すなわち、これらは、APOE4にヘテロ接合性であり、「APOE4ヘテロ接合」としてまたは「APOE4ヘテロ接合体」として表される。他の態様において、対象は、2のAPOE4アレルを有する場合があり、すなわち、これらは、APOE4にホモ接合性であり、「APOE4/4ホモ接合」としてまたは「APOE4/4接合体」として表される。
本明細書において使用されているとき、用語「APOE4陰性」は、対象におけるAPOE4アレルの非存在を称する。
本明細書において使用されているとき、用語「プラセボ」及び「対照」は、互換的に使用されて、Aricept(登録商標)単独(すなわち、ドネペジル)またはメマンチンとの組み合わせを称する。
本明細書において使用されているとき、「有効量」は、別の治療剤と関連して使用されるとき、化合物との組み合わせで状態を処置または防止するのに有効である量である。「との組み合わせで」は、同じ組成物内での及び別個の組成物を介しての投与を含み;後者の場合、他の治療剤は、化合物がその予防もしくは治療効果を発揮する時間の間、状態を処置または防止するのに有効であるか、その逆である。
本明細書において使用されているとき、用語「薬学的に許容可能な」は、妥当なリスク/ベネフィット比に見合って、不当な毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応などを伴わず、ヒト及び下等動物の組織に接触して使用するのに好適な、該用語が説明している、薬物、薬剤、不活性成分などを称する。これは、動物における、より特定的にはヒトにおける使用のための、連邦もしくは州政府の規制機関によって承認されているもしくは承認可能である、または米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方において列挙されている化合物または組成物を好ましくは称する。
本明細書において使用されているとき、用語「医薬組成物」は、少なくとも1つの化合物及び少なくとも1つの薬学的に許容可能なビヒクルを称し、これと共に該化合物が患者に投与される。
用語「担体」は、共に化合物が投与される、希釈剤または充填剤、崩壊剤、析出抑制剤、界面活性剤、流動促進剤、結着剤、潤滑剤、抗酸化剤、ならびに他の賦形剤及びビヒクルを称する。担体は、本明細書、及びE.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」においても概して記載されている。担体の例として、限定されないが、モノステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシステアリン酸ヒドロキシオクタコサニル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ラクトース一水和物、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、微結晶セルロース、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー407、ポビドン、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、シリコーン、シリコーン接着剤4102、及びシリコーンエマルションが挙げられる。しかし、本開示において提供される医薬組成物について選択される担体、及び該組成物におけるかかる担体の量は、製剤化方法(例えば、乾式造粒製剤化、固体分散体製剤化)に応じて変動してよいことが理解されるべきである。
用語「希釈剤」または「充填剤」は、送達の前に対象の化合物を希釈するのに使用される物質を概して称する。希釈剤はまた、化合物を安定化する働きもし得る。希釈剤の例として、デンプン、単糖類、二糖類、スクロース、ラクトース、多糖類、セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、糖アルコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、微結晶セルロース、炭酸カルシウムまたはナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、リン酸二カルシウム、セルロース、圧縮糖、無水リン酸水素カルシウム、マンニトール、微結晶セルロース、及び第三リン酸カルシウムが挙げられ得る。
用語「崩壊剤」は、固体調製物への添加の際に、投与後の分解または破壊を容易にして活性成分の放出をできる限り効率的に許容することで迅速な溶解を可能にする物質を概して称する。崩壊剤の例として、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、微結晶セルロース、加工トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ポビドン、アルファデンプン、及びアルギン酸が挙げられ得る。
用語「析出抑制剤」は、活性剤の析出を防止または阻害する物質を概して称する。析出抑制剤の一例として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。
用語「界面活性剤」は、2つの液体間または液体と固体との間の表面張力を低下させる化合物を概して称する。界面活性剤の例として、ポロキサマー及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
用語「流動促進剤」は、錠剤圧縮の際に流動特性を改良するために、また、固結防止効果を生じるために、錠剤及びカプセル製剤において使用される物質を概して称する。流動促進剤の例として、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、フュームドシリカ、デンプン、デンプン誘導体、及びベントナイトが挙げられ得る。
用語「結着剤」は、担体の活性及び不活性成分を一緒に結合させて粘着及び個別部分を一緒に維持するのに使用され得るいずれの薬学的に許容可能な膜も概して称する。結着剤の例として、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、コポビドン、エチルセルロース、ゼラチン、及びポリエチレングリコールが挙げられ得る。
用語「潤滑剤」は、圧縮された粉末塊が錠剤化またはカプセル化プロセスの際に機器に付着するのを防止するために粉末ブレンドに添加される物質を概して称する。潤滑剤は、金型からの錠剤の排出を補助することができ、粉末の流れを改良することができる。潤滑剤の例として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカ、脂肪、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、フマル酸ステアリルナトリウム、またはタルク;ならびに可溶化剤、例えば、ラウリン酸、オレイン酸、及びC/C10脂肪酸を含めた脂肪酸が挙げられ得る。
本明細書において使用されているとき、用語「薬学的に許容可能な塩」は、本明細書において使用されているとき、別途定義されていない限り、本明細書において開示されている化合物における、塩基性基、例えばアミノ基の、または酸性基、例えばカルボキシル基の塩である。塩基性基の例示的な塩として、限定されないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩))などの塩が挙げられる。酸性基の例示的な塩として、限定されないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、クロム、鉄、銅、亜鉛、カドミウム、アンモニウム、グアニジン、ピリジニウム、及び有機アンモニウムの塩が挙げられる。
本明細書において使用されているとき、いずれかの疾患または障害を「処置する(こと)」またはこれらの「処置」という用語は、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの疾患または障害を改善すること(すなわち、疾患の発症またはその臨床症状の少なくとも1つを阻止または低減すること)を称する。ある特定の実施形態において、「処置する(こと)」または「処置」は、患者によって認識できても、認識できなくてもよい、少なくとも1つの物理パラメータを改善することを称する。ある特定の実施形態において、「処置する(こと)」または「処置」は、物理的に(例えば、認識できる症状の安定化)もしくは生理的に(例えば、物理パラメータの安定化)のいずれか、または両方で、疾患または障害を阻害することを称する。ある特定の実施形態において、「処置する(こと)」または「処置」は、疾患または障害のある特定の症状の発症を遅延させることを称する。用語「処置する(こと)」は、いずれの客観的または主観的パラメータも含めた傷害、病状または状態の処置または改善におけるあらゆる成功の兆候、例えば、軽減;緩和;症状を軽くすること、または傷害、病状もしくは状態を対象により耐容性にすること;悪化または低下の速度を遅くすること;悪化の最終点を衰弱させにくくすること;対象の身体的または精神的健康を改良すること;あるいは、いくつかの状況においては、認知症の発症を防止することを称する。症状の処置または改善は;身体検査、精神鑑定、もしくは認知試験、例えば、臨床的認知症尺度(CDR)スケール、ミニメンタルステート検査(MMSE)、認知症のための障害評価尺度(DAD)、アルツハイマー病評定尺度-認知サブスケール(ADAS-Cog)、または当該分野において公知の別の試験を含めた、客観的または主観的パラメータに基づき得る。例えば、本発明の方法は、認知低下の速度を遅くする、または認知低下の程度を低くすることによって対象の認知症を成功裏に処置する。
本明細書において使用されているとき、用語「生物学的同等性」は、等用量の薬物またはプロドラッグを患者に投与した後の薬物の吸収の速度及び程度の同等性を称する。
本明細書において使用されているとき、用語「統計的に有意な」は、観察または事象が偶然に帰属されないこと、p=0.05以下を意味することを称する。
用語「ベースラインスコア」及びその形態、例えば「ベースラインMMSE」、「ベースラインADAS-Cogスコア」及び「ベースラインCDR-SBスコア」は、本明細書において使用されているとき、有効性が決定される処置の前(または、対応するプラセボもしくは対照による処置の前)の0~60日、好ましくは0~30日で得られた特定の試験における対象のスコアを称する。
本明細書において使用されているとき、「重篤度が軽度のAD」及び「軽度AD」は、互換的に使用され、ベースラインMMSEスコア20~26を称し;「重篤度がやや軽度のAD」及び「やや軽度のAD」は、互換的に使用され、ベースラインMMSEスコア20~21を称し;「重篤度がより軽度のAD」及び「より軽度のAD」は、互換的に使用され、ベースラインMMSEスコア22~26を称する。
本明細書において使用されているとき、「中等度に重篤なAD」及び「中等度AD」は、互換的に使用され、ベースラインMMSEスコア16~19を称し;「軽度~中等度に重篤なAD」及び「軽度中等度AD」は、互換的に使用され、ベースラインMMSEスコア18~19を称し;「より中等度に重篤なAD」及び「より中等度のAD」は、互換的に使用され、ベースラインMMSEスコア16~17を称する。
用語「約」は、参照されている数値表示に関連して使用されているとき、参照されている数値表示の最大±10%の参照されている数値表示を意味している。例えば、語「約100」は、90~110の範囲をカバーする。
ADを処置するための方法
ADに現在罹患している個体は、特徴的な認知症、ならびに以下に記載されている危険因子の存在から認識され得る。また、認知及び神経学的検査に基づく多くの診断試験は、ADを有する個体を識別するのに利用可能である。例えば、ADに罹患している個体は、以下に議論されているように、CDRスケール、MMSE、ADAS-Cog、または当該分野において公知のいずれか他の試験によって診断され得る。MMSE及びADASを含めた好適な測定基準に基づくベースラインスコアは、より正常な集団を評価するように設計されている他の測定基準と共に、危険な状態にある集団を見出すのに使用され得る。ADAS-Cog、CDR-SB及びNPIの値が高いほど、より重篤度が高いことを示しているが、DAD及びMMSEの値が低いほど、より重篤度が高いことを示している。
危険な状態にある群を識別するための別の方法は、尿における神経糸タンパク質に関するアッセイを利用する;例えば、Munzar et al.,Neurology and Clinical Neurophysiology、Vol.2002,No.1を参照されたい。ADについて高い危険性を有する患者はまた、記憶障害またはプレアルツハイマー病症状に関連する他の困難さ、ADの家族歴、軽度認識機能障害(MCI)を有する患者、遺伝的危険因子、年齢、性別、及びADに関して高い危険性を予測することが見出されている他の特徴についてスクリーニングすることによって集団から選択され得る。また、ADは、画像技術、例えば、β-アミロイド造影剤(例えば、フロルベタベン、フロルベタピルまたはフルテメタモル)の使用を通して診断され得る。
アポリポタンパク質E遺伝子のAPOE4(すなわち、APOEε4)アレルは、遅発性ADを有する患者の最も強い遺伝的危険因子である。少なくとも1つのAPOEε4アレルを有するAPOE4対象は、健常個体においては25%の有病率に対して、AD事象の50%~60%を占める。APOE4AD患者は、発症年齢の低下、重篤度の増加、及びADの進行の加速を提示する。2つのAPOEε4アレルを有する対象は、ADの10%~14%を占め、さらにより攻撃的な疾患進行を示す。APOEε4アレルは、脳へのAβ沈着の増加、CSFタウ及びp-タウの増加、ならびにより速い認知低下をもたらす。また、1または2つのAPOEε4アレルを持つ認知症になった患者は、ADをより有し易く、結果として、臨床研究における疾患の誤診の有意な低減をもたらす(非APOE4患者では42%に対して2%)。
APOE4-陽性患者を識別する方法は、当該分野において公知であり、患者がε4アレルの1または2つのコピーを有すると決定することが可能であるいずれのアプローチによっても実施され得る。いくつかの実施形態において、シーケンシング技術は、APOE4アレルの存在及び/または数を決定するのに使用される。ADの重篤度を決定する方法は、CDRスケール、MMSE、ADAS-Cog、または当該分野において公知のいずれか他の試験に基づき得る。
トラミプロセートに基づく臨床研究からのデータの分析は、特定の応答する患者集団:APOE4陽性である、中等度ADを有する対象;を明らかにした。例えば、表1及び2に示されているように、85歳以下の全てのAPOE4患者(すなわち、ホモ接合体及びヘテロ接合体の両方)において、中等度ADを有する患者は、軽度群よりも中等度群において、より大きな正のデルタ値によって示されているように、軽度ADを有する患者よりもトラミプロセートに応答することが見出されている。同様に、表3及び4に示されているように、85歳以下のヘテロ接合体APOE4患者において、中等度ADを有する患者は、軽度ADを有する患者よりもトラミプロセートに応答することが見出されている。これらの表の全てにおけるデルタ値は、処置群における各患者についてのベースラインに対するスコア増加を測定し、かかる群における平均増加を得、次いで、この値を、プラセボ群における全ての患者についてのベースラインに対する平均スコア増加から除算することによって算出される。このように、これらの表における正のデルタ値は、プラセボ群に対する改良を表す。
いくつかの実施形態において、対象は、16~19の範囲のベースラインMMSEスコアを有するとき、中等度ADを有すると決定される。いくつかの実施形態において、対象は、20~26の範囲のベースラインMMSEスコアを有するとき、軽度ADを有すると決定される。トラミプロセートはまた、好ましい安全プロファイルも示し:最も一般的な有害事象は悪心であった。トラミプロセート研究の第3相からの安全性データは、生物学的同等性に基づいて、ALZ-801安全性データベースへの橋渡しをサポートする。2015年9月10日に提出された仮出願第62/216,404号、2016年2月2日に提出された同第62/290,287号、及び2016年7月22日に提出された同第62/365,809号における開示内容は、全ての目的で、特に投薬量及び製剤に関して本明細書に組み込まれる。
したがって、一態様において、本開示は、対象におけるAPOE4表現型及びAD重篤度の決定に基づいて対象においてADを処置する方法に関する。いくつかの実施形態において、本発明は、以下のステップ:(i)対象におけるAPOE4アレルの存在または非存在を決定するステップと;(ii)対象におけるADの重篤度を決定するステップと;(iii)対象に、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を、対象がAPOE4陽性であり中等度ADを有すると決定されるときに投与するステップと;を含む方法を提供する。
ある特定の態様において、対象がAPOE4陰性で試験されるとき、トラミプロセートをレシピエントに送達する医薬組成物(例えば、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物)は、対象に投与されない場合がある。他の態様において、対象におけるADの重篤度が中等度でないと決定されるとき、トラミプロセートをレシピエントに送達する医薬組成物は、対象に投与されない場合がある。例えば、対象が軽度ADを有するとき、トラミプロセートをレシピエントに送達する医薬組成物は、対象に投与されない場合がある。
ある特定の態様において、トラミプロセートをレシピエントに送達する医薬組成物は、ALZ-801を含む。代替の態様において、トラミプロセートをレシピエントに送達する医薬組成物は、トラミプロセートを含む。
いくつかの実施形態において、対象がAPOE4陰性で試験されるときまたは対象におけるADの重篤度が中等度でないとき(例えば、軽度)、トラミプロセート、ALZ-801もしくはその薬学的に許容可能な塩以外の治療薬、またはトラミプロセートが対象に投与されてよい。
一態様において、本開示は、アルツハイマー病を処置する方法であって:(i)アルツハイマー病に罹患しているヒト患者におけるAPOE4アレルの存在または非存在に関連する情報を受け取るステップと;(ii)ヒト患者におけるアルツハイマー病の重篤度に関連する情報を受け取るステップと;(iii)処置を必要とする患者に、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を、情報が、患者が少なくとも1つのAPOE4アレルを有し中等度重篤度のアルツハイマー病を有することを示すときに投与するステップと:を含む上記方法に関する。
なお別の態様において、本開示はまた、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩に対する対象の応答性を予測する方法であって:(i)対象におけるAPOE4アレルの存在または非存在を決定することと;(ii)対象においてADの重篤度を決定することと;(iii)対象がAPOE4陽性であり中等度ADを有すると決定されるときに、対象をトラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩に応答すると同定することと;を含む上記方法にも関する。
さらなる態様において、本開示は、アルツハイマー病に罹患しているヒト患者の処置においてトラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩の有効性を予測する方法であって:(i)患者におけるAPOE4アレルの存在または非存在を決定するステップと;(ii)患者のアルツハイマー病の重篤度を決定するステップと;を含み、少なくとも1つのAPOE4アレルの存在、及び、患者が中等度に重篤なアルツハイマー病を有していることの決定が、処置におけるトラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩の有効性を予測する、上記方法に関する。
本明細書に開示されている医薬組成物の処置有効性は、当該分野において公知の試験、例えばADAS-Cog、CDRスケール、MMSE、DAD、またはこれらの組み合わせを使用して評価され得る。
ある特定の実施形態において、処置有効性は、ADAS-Cogスケールを通して決定されてよい。ADASは、ADの最も重要な症状の重篤度を測定するように設計された。そのサブスケールADAS-Cogは、向知性薬の臨床試験に使用される最も一般的な認知試験手段である。これは、記憶、言語、習慣、注意、及び他の認知能力の障害を測定する11のタスクからなり、これらは、多くの場合、ADの中核症状と称される。ADAS-Cogスケールは、認知を評価することを助け、また、正常な認知機能と低下した認知機能とを区別する。これは、認知低下の程度を決定するのに特に有用であり、人間がどのAD段階にあるのかを、その人の回答及びスコアに基づいて評価することを助けることができる。ADAS-Cogスケールは、認知機能の漸進的な改良または低下を決定するために、臨床試験において使用され得る。
いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週、または78週)医薬組成物で処置されているとき、対象のADAS-Cogスコアが週当たり0.13以下の平均速度で増加するときに有効であるとされる。いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週、または78週)医薬組成物で処置されているとき、対象のADAS-Cogスコアが週当たり0.125以下の平均速度で増加するときに有効であるとされる。いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週、または78週)医薬組成物で処置されているとき、対象のADAS-Cogスコアが週当たり0.12以下の平均速度で増加するとき、有効であるとされる。いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週、または78週)医薬組成物で処置されているとき、対象のADAS-Cogスコアが週当たり0.115以下の平均速度で増加するとき、有効であるとされる。いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週、または78週)医薬組成物で処置されているとき、対象のADAS-Cogスコアが週当たり0.11以下の平均速度で増加するとき、有効であるとされる。
いくつかの実施形態において、処置は、対象のADAS-Cogスコアが、対象のベースラインADAS-Cogスコアと比較して、52週間の投与後、約1.0未満、約2.0未満、約3.0未満、4.0未満、5.0未満、または6.0未満だけ増加するとき、有効であるとされる。いくつかの実施形態において、処置は、対象のADAS-Cogスコアが、対象のベースラインADAS-Cogスコアと比較して、52週間の投与後、約0~6.0、0~5.0、0~4.0、0~3.0、0.5~6.0、0.5~5.0、0.5~4.0、0.5~3.0、1.0~6.0、1.0~5.0、1.0~4.0、または1.0~3.0の範囲で増加するとき、有効であるとされる。
いくつかの実施形態において、処置は、対象のADAS-Cogスコアが、対象のベースラインADAS-Cogスコアと比較して、65週間の投与後、約3.0未満、約4.0未満、約5.0未満、約6.0未満、約7.0未満、または約8.0未満だけ増加するとき、有効であるとされる。いくつかの実施形態において、対象のADAS-Cogスコアは、対象のベースラインADAS-Cogスコアと比較して、65週間の投与後、約0~8.0、1.0~7.0、2.0~6.0、または3.0~6.0の範囲で増加する。
いくつかの実施形態において、対象のADAS-Cogスコアは、対象のベースラインADAS-Cogスコアと比較して、78週間の投与後、約5.0未満、約6.0未満、約7.0未満、約8.0未満、約9.0未満、または約10.0未満だけ増加する。いくつかの実施形態において、対象のADAS-Cogスコアは、対象のベースラインADAS-Cogスコアと比較して、78週間の投与後、約0~10.0、1.0~9.0、2.0~9.0、3.0~9.0、または4.0~9.0の範囲で増加する。
いくつかの実施形態において、プラセボは、処置有効性を決定するのに使用され得る。具体的には、医薬組成物が与えられた試験患者と、プラセボが与えられた患者の群(「プラセボ群」)において決定される平均ADAS-CogスコアとのADAS-Cogスコアの差は、処置有効性を決定するのに使用され得る。プラセボ群は、各患者が標準的な用量または投薬量のAricept(登録商標)を単独(すなわち、ドネペジル)でまたはメマンチンと共に受けた群であることが理解されるべきである。プラセボ群よりも統計的に有意に低いADAS-Cogスコアを有する患者は、処置が有効であることを意味する。同様に、ベースラインADAS-Cogスコアと比較したときの処置期間後のADAS-Cogスコアの増加が、同じ期間後のプラセボ群のADAS-Cogスコアの平均増加よりも統計的に有意に低い患者は、処置が有効であることを意味している。
いくつかの実施形態において、処置は、対象のベースラインADAS-Cogスコアの変化が、プラセボ群におけるベースラインADAS-Cogスコアの平均変化と比較して、52週間の投与後、少なくとも約2.5、少なくとも約3.0、少なくとも約3.5、少なくとも約3.75、少なくとも約4.0、または少なくとも約4.25少ないとき、有効であるとされる。
いくつかの実施形態において、処置は、対象のベースラインADAS-Cogスコアの変化が、プラセボ群におけるベースラインADAS-Cogスコアの平均変化と比較して、65週間の投与後、少なくとも約2.5、少なくとも約3.0、少なくとも約3.5、少なくとも約3.75、少なくとも約4.0、または少なくとも約4.25少ないとき、有効であるとされる。
いくつかの実施形態において、処置は、対象のベースラインADAS-Cogスコアの変化が、プラセボ群におけるベースラインADAS-Cogスコアの平均変化と比較して、78週間の投与後、少なくとも約2.5、少なくとも約3.0、少なくとも約3.5、少なくとも約3.75、少なくとも約4.0、または少なくとも約4.25少ないとき、有効であるとされる。
CDR-SBスコアはまた、処置有効性を定量化するのにも使用され得る。いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週または78週)医薬組成物によって処置されているとき、対象のCDR-SBスコアが週当たり0.055以下の平均速度で増加するとき、有効であるとされる。いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週または78週)医薬組成物によって処置されているとき、対象のCDR-SBスコアが週当たり0.050以下の平均速度で増加するとき、有効であるとされる。いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週または78週)医薬組成物によって処置されているとき、対象のCDR-SBスコアが週当たり0.045以下の平均速度で増加するとき、有効であるとされる。いくつかの実施形態において、処置は、対象が52週と78週との間の期間にわたって(例えば、52週、65週または78週)医薬組成物によって処置されているとき、対象のCDR-SBスコアが週当たり0.040以下の平均速度で増加するとき、有効であるとされる。
いくつかの実施形態において、対象のCDR-SBスコアは、52週間の投与後のベースラインCDR-SBスコアに対して3.0以下、2.5以下または2.1以下だけ増加する。いくつかの実施形態において、対象のCDR-SBスコアは、65週間の投与後のベースラインCDR-SBスコアに対して3.5以下、3.25以下または3.0以下だけ増加する。いくつかの実施形態において、対象のCDR-SBスコアは、78週間の投与後のベースラインCDR-SBスコアに対して4.5以下、4.0または3.5以下だけ増加する。
いくつかの実施形態において、処置は、血管原性浮腫を誘発しない。APOE4患者は、アミロイド抗体処置による血管原性浮腫の危険性がある。APOE4患者に代替処置を付与することにより、本明細書に開示されている処置は、血管原性浮腫の危険性を低減することができる。
投与の目的で、ある特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩は、原料化学物質として投与され得、または、医薬組成物として製剤化され得る。本開示において有用な医薬組成物は、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩と、1以上の薬学的に許容可能な担体とを含む。トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩は、ADを処置するための有効量で組成物に存在する。いくつかの特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与される。
トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物は、経口投与され得る。トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物はまた、いずれか他の常套経路によって、例えば、静脈内注入またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜層(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸粘膜など)を通した吸収によっても投与され得、また、別の生物学的活性剤と共に投与され得る。投与は、全身または局所であり得る。種々の送達系、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなどでのカプセル化が公知であり、化合物を投与するのに使用され得る。ある特定の実施形態において、1を超える化合物が対象に投与される。投与方法として、限定されないが、皮内、筋肉内(デポーを含む)、腹腔内、静脈内、皮下(デポーを含む)、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下(迅速溶解錠剤、ガムもしくは等価物を含む)、鼻腔内、脳内、膣内、経皮、経直腸、肺内(吸入によるものを含めたエアロゾルもしくは等価物)、または局所的に、特に、耳、鼻、目もしくは皮膚への投与が挙げられる。
特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、充填型カプセルで経口投与され、半減期の延長を付与する。この実施形態の一態様において、充填型カプセルにおいて供給される、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、約10~約18時間の半減期を付与する。
別の特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、即効型錠剤製剤で経口投与される。この実施形態の一態様において、即効型錠剤で供給される、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、12~約24時間の半減期を付与する。
ある特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩の経口投与のための投薬量範囲は、一般に、体重kg当たり化合物が約0.001mg~約2000mgである。いくつかの実施形態において、経口用量は、体重kg当たり0.01mg~100mg、体重kg当たり0.1mg~50mg、体重kg当たり0.5mg~20mg、または体重kg当たり1mg~10mgである。いくつかの実施形態において、経口用量は、体重kg当たり化合物5mgである。
さらなる実施形態において、用量は、全ての範囲及びその間のサブ範囲、例えば、約10mg~約900mg、約10mg~約500mg、約10mg~約300mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、または約100mg~約300mgを含めて、約10mg~約1000mgである。なおさらなる実施形態において、組成物は、トラミプロセートを含み、用量は、100mgまたは150mgである。いくつかの実施形態において、組成物は、ALZ-801を含み、用量は、約250mgである。いくつかの実施形態において、組成物は、ALZ-801を含み、用量は、約265mgである。いくつかの実施形態において、組成物は、ALZ-801を含み、用量は、約165mgである。いくつかの実施形態において、組成物は、ALZ-801を含み、用量は、約175mgである。
なおさらなる実施形態において、ALZ-801は、即効型経口製剤として製剤化される。他の態様において、経口製剤は充填型製剤である。特に、これらの実施形態の態様において、ALZ-801は、200mg~300mgの用量範囲で投与される。例えば、投薬量は、220mg~280mg;240mg~270mg、250mg~270mg、250mg~280mg、または260mg~270mgであってよい。ある特定の態様において、用量は、265mgである。
トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、上記のいずれか好適な形態を使用して、毎日1回、2回、3回または4回投与されてよい。いくつかの実施形態において、ALZ-801は、1日に2回投与される。
また、ある特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物による投与または処置は、何週間も継続されてよく;例えば、一般的に、処置は、少なくとも2週間、4週間、8週間、12週間、16週間、20週間、24週間、28週間、32週間、36週間、40週間、44週間、48週間、52週間、56週間、60週間、64週間、68週間、72週間、76週間、80週間、84週間、88週間、92週間、96週間、100週間、または104週間継続される。なおさらなる実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物による投与または処置は、何ヶ月も継続されてよく;例えば、一般的に、処置は、少なくとも2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、10ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月、20ヶ月、または24ヶ月継続される。なおさらなる実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物による投与または処置は、無期限に継続されてよい。
ある特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、少なくとも1つの他の治療剤との併用療法で使用され得る。トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩及び少なくとも1つの他の治療剤は、相加的に、または、ある特定の実施形態において、相乗的に作用し得る。ある特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、別の治療剤の投与と同時に投与され得る。ある特定の実施形態において、トラミプロセート、ALZ-801またはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物は、別の治療剤の投与の前または後に投与され得る。少なくとも1つの他の治療剤は、同じまたは異なる疾患、障害または状態を処置するのに有効であり得る。
本発明の方法は、本発明の1以上の化合物または医薬組成物、及び1以上の他の治療剤の投与を含み、但し、組み合わされた投与が、本発明の1以上の化合物の治療有効性を阻害しないこと、かつ/または有害な組み合わせ効果を生じないことを条件とする。
ある特定の実施形態において、本発明の組成物は、本発明の化合物を含有しているものと同じ医薬組成物の部分または異なる組成物の部分であり得る別の治療剤の投与と同時に投与され得る。ある特定の実施形態において、本発明の化合物は、別の治療剤の投与の前または後に投与され得る。併用療法のある特定の実施形態において、併用療法は、本発明の組成物の投与及び別の治療剤を含む組成物の投与の間で交互して、例えば、特定の薬物に関連する副作用を最小にすることを含む。本発明の化合物は、限定されないが、毒性を含めた副作用を潜在的に生じ得る別の治療剤と同時に投与されるとき、治療剤は、副作用が引き起こされる閾値より少ない用量で有利に投与され得る。
ある特定の実施形態において、本発明の化合物または医薬組成物は、店頭販売でまたは処方箋によって入手可能であり得る別の治療薬物を含み、またはこれと共に患者に投与され得る。米国特許出願第2005/0031651号(参照により本明細書に組み込まれる)は、本発明による、組み合わせにおいて有用であり得る、多いが非排他的な「治療薬物」リストを提供する。本発明の化合物または医薬組成物と共に使用される好ましい治療薬物は、限定されないが、ドネペジル(Aricept(登録商標))、メマンチン(Namenda(商標))、リバスチグミン(Exelon(商標))、ガランタミン(Reminyl(商標)及びR-フルルビプロフェン(Flurizan(商標))を含めた、ADまたはその症状の防止または処置に有用な治療薬物である。本発明による化合物及び組成物は、ADの防止または処置のためのワクチン及び抗体とも組み合わされ得る。
他のトラミプロセート組成物またはトラミプロセートの変形例は、本明細書に開示されている、同定された患者集団を標的とするように投与され得ることに注意すべきである。例示的なトラミプロセート組成物またはトラミプロセートの変形例はUS8,748,656号に開示されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
各引用出願及び学術論文の内容は、あたかも本明細書に全部が記載されているかのごとく、参照により組み込まれる。
実施例1:APOE4軽度~中等度集団対APOE4中等度集団
アルツハイマー病を処置するためのトラミプロセートの第3相ヒト臨床試験を、100mg BID及び150mg BIDの用量で最大78週間、北米及び欧州の両方で行った(合計1691患者が登録された)。両試験におけるプラセボは、単独またはメマンチンとの組み合わせのいずれかのドネペジルによる処置であった。ADAS-Cogスコア及びCDR-SBスコアを、試験に残った患者について13週毎に得た。患者はAPOE4の遺伝子型であり、疾患の重篤度を処置の開始の前にMMSEを使用して測定した。両試験からのデータをある特定の統計分析用に統合した。これらのデータの最初の統計分析は、APOE4ステータスに焦点を当てたものであり、プラセボと比較した100mg処置群及び150mg処置群の両方の統計的に有意な効果を、APOE4サブ群におけるADAS-Cog及びCDR-SBの両方について観察した。
本発明者らは、次いで、さらなるサブ群分析:APOE4遺伝子型/アレルステータス(APOE4ヘテロ接合体またはAPOE4ホモ接合性)により、また、疾患重篤度(軽度対中等度)によりサブグループ化して、εアレルの数及び/または疾患の重篤度が、トラミプロセート治療のより良好な成果を予測したか否かを決定する;を実施した。本発明者らは、処置の直前に中等度重篤度の疾患を有すると特徴付けられていた全てのApoE4患者におけるADAS-Cogスコア及びCDR-SBスコアの増加がより少ないこと(例えば、より遅い認知低下)によって測定されているように、より良好な治療成果があったことを見出した。
Figure 0007128536000002
表1において、対照処置は単独またはメマンチンとの組み合わせのいずれかのドネペジルである。正のデルタ値は、対照群に関するベースラインより上のADAS-Cogスコアポイントの平均増加が、処置群に関するベースラインより上のADAS-Cogスコアポイントの平均増加を超える量を定量化している。負のデルタ値は、処置群が、対照群よりも、ベースラインに対するADAS-Cogスコアの増加が大きかったことを示している。
結果は、中等度に重篤なAD(MMSE16~19)を有するAPOE4群が、重篤度が軽度のAD群(MMSE20~26)または中等度の群及び重篤度が軽度の群の組み合わせ(「軽度~中等度」;MMSE16~26)のいずれよりも、ADAS-Cogによって測定される認知低下の阻害が大きいことを示したことを実証している。疾患重篤度(すなわち、軽度~中等度群)によってサブグループ化されていない全てのAPOE4患者に関する、投与用量によるベースラインADAS-Cogスコアの変化を図3に示す。中等度疾患重篤度を有するAPOE4患者に関する、投与用量によるベースラインADAS-Cogスコアの変化を図5に示す。
Figure 0007128536000003
表2において、対照処置は単独またはメマンチンとの組み合わせのいずれかのドネペジルである。正のデルタ値は、対照群に関するベースラインより上のCDR-SBスコアポイントの平均増加が、処置群に関するベースラインより上のCDR-SBスコアポイントの平均増加を超える量を定量化している。負のデルタ値は、処置群が、対照群よりも、ベースラインに対するCDR-SBスコアの増加が大きかったことを示している。
結果はまた、中等度に重篤なAD(MMSE16~19)を有するAPOE4群が、重篤度が軽度のAD群(MMSE20~26)または中等度の群及び重篤度が軽度の群の組み合わせ(「軽度~中等度」;MMSE16~26)のいずれよりも、CDR-SBによって測定される認知低下の阻害が大きいことを示したこと実証している。疾患重篤度(すなわち、軽度~中等度群)によってサブグループ化されていない全てのAPOE4患者に関する、投与用量によるベースラインCDR-SBスコアの変化を図4に示す。中等度疾患重篤度を有するAPOE4患者に関する、投与用量によるベースラインCDR-SBスコアの変化を図6に示す。
Figure 0007128536000004

表3において、対照処置は単独またはメマンチンとの組み合わせのいずれかのドネペジルである。正のデルタ値は、対照群に関するベースラインより上のADAS-Cogスコアポイントの平均増加が、処置群に関するベースラインより上のADAS-Cogスコアポイントの平均増加を超える量を定量化している。負のデルタ値は、処置群が、対照群よりも、ベースラインに対するADAS-Cogスコアの増加が大きかったことを示している。
結果は、中等度に重篤なAD(MMSE16~19)を有するAPOE4ヘテロ接合群が、重篤度が軽度のAD群(MMSE20~26)または中等度の群及び重篤度が軽度の群の組み合わせ(「軽度~中等度」;MMSE16~26)のいずれよりも、ADAS-Cogによって測定される認知低下の阻害が大きいことを示したことを実証している。疾患重篤度(すなわち、軽度~中等度群)によってサブグループ化されていないAPOE4ヘテロ接合患者に関する、投与用量によるベースラインADAS-Cogスコアの変化を図1に示す。
Figure 0007128536000005
表4において、対照処置は単独またはメマンチンとの組み合わせのいずれかのドネペジルである。正のデルタ値は、対照群に関するベースラインより上のCDR-SBスコアポイントの平均増加が、処置群に関するベースラインより上のCDR-SBスコアポイントの平均増加を超える量を定量化している。負のデルタ値は、処置群が、対照群よりも、ベースラインに対するCDR-SBスコアの増加が大きかったことを示している。
結果は、中等度に重篤なAD(MMSE16~19)を有するAPOE4ヘテロ接合群が、重篤度が軽度のAD群(MMSE20~26)または中等度の群及び重篤度が軽度の群の組み合わせ(「軽度~中等度」;MMSE16~26)のいずれよりも、CDR-SBによって測定される認知低下の阻害が大きいことを示したこと実証している。疾患重篤度(すなわち、軽度~中等度群)によってサブグループ化されていないAPOE4ヘテロ接合患者に関する、投与用量によるベースラインCDR-SBスコアの変化を図2に示す。
疾患重篤度によるAPOE4にホモ接合性の患者のサブグループ化は、上記試験において、少数のAPOE4/4ホモ接合患者に起因してできなかった。これにもかかわらず、全てのAPOE4患者(全てのキャリア)及びAPOE4ヘテロ接合体に関する結果は、中等度に重篤なADを有する患者によって得られた、重篤度が軽度のADによるものよりも優れた結果が、なおAPOE4/4ホモ接合体に外挿され得ることを示唆した。しかし、トラミプロセートの第3相臨床試験からのデータのさらなる分析は、驚くべきことに、APOE4/4ホモ接合体が、実施例2において以下に示すようにより軽度の疾患形態を有したとき、実際にはより良好に応答したことを示した。
実施例2:より軽度のADを有するAPOE4/4ホモ接合対象はトラミプロセートへの認知反応がより良好であることを実証する ベースラインMMSEに基づいた、APOE4/4ホモ接合体対象におけるトラミプロセートの有効性の分析を実施して、軽度患者と中等度患者との間の薬物応答の差について評価した。MMRM分析を以下のベースラインMMSEカテゴリー:軽度~中等度AD集団(ベースラインMMSE16~26(境界含む))、軽度AD集団(ベースラインMMSE20~26(境界含む))、及びより軽度のAD集団(ベースラインMMSE22~26(境界含む));において実施した。データを図7、パネルA及びBにおいて以下に示す。
これらの分析は、軽度AD(ベースラインMMSE≧20)またはより軽度のAD(ベースラインMMSE≧22)を有するAPOE4/4ホモ接合患者が、150mg BIDにおいてトラミプロセートについて、ベースラインでより低いMMSEを有するものよりも高い改良を示すことを示唆している。さらに、ベースラインMMSE≧22を有する患者(より軽度の患者)は、試験の78週で、最も高い有効性及び認知機能の漸進的な増加を示すとされる。APOE4/4ホモ接合患者においてある特定の他の範囲のベースラインMMSEを分析するのに十分な対象が存在しなかったが、傾向としては、軽度~中等度AD(ベースラインMMSE=18~19)を有するAPOE4ホモ接合患者もまた、より中等度のAD(ベースラインMMSE=16~17)を有するAPOE4ホモ接合患者よりも高い改良を示し得ることが示唆されている。
実施例3:ALZ-801
ALZ-801の臨床開発を第3相に進めるために、本発明者らは、安全性、耐容性及び薬物動態を評価するために、健常なより高齢のボランティアにおいて単回用量及び14日の複数用量漸増の第1相ブリッジング試験を終了させた。経口トラミプロセートと比較して、単回用量の経口ALZ-801は、50%超がより低い被験者間変動で等しい血漿中曝露量のトラミプロセートを送達した(以下の表5を参照されたい)。経口ALZ-801もまた、一旦定常状態に達したら、血漿トラミプロセートの終末相半減期を約24時間に延長した(以下の表6を参照されたい)。複数用量漸増試験において観察されたより長い半減期はBID投薬の14日後に得られ、これは、単回用量試験と比較して、この試験でなされた採血の時点がより延びていたという事実に起因するものであった。複数用量漸増試験において、BID投薬の7日目にALZ-801の定常状態に達し、Cmax及びAUCの両方の患者間変動が定常状態で24~28%の間であった。
Figure 0007128536000006
Figure 0007128536000007
ALZ-801の即効型錠剤製剤を開発し、これは、充填型カプセル製剤と同様の曝露量及び低い変動を示した。かかる剤形のALZ-801を食物と共に投与することにより、血漿トラミプロセート曝露量を維持しながら、絶食状態と比較して、GI症状の発生率を著しく低減させたが、単回用量の205mgの後には、食後対象と絶食対象との間に薬物動態パラメータの有意な差は無かった。食物と共に投与される剤形での単回用量のALZ-801の半減期を、投薬後24時間で血液サンプルを採取することによって決定し、かかる半減期がおよそ24時間であったことを確認した。即効型錠剤製剤は、充填型カプセルについて観察されたのと同様のPK曝露量及びより低い患者間変動を示した。ALZ-801はまた、14日間にわたって、血漿中曝露量のトラミプロセートの蓄積も減少も伴わずに優れた用量比例性も示した。
ALZ-801の単回及び複数回用量の薬物動態に基づいて、ALZ-801即効型錠剤の経口BID投薬後の、活性薬物トラミプロセートの定常状態の血漿中曝露量を決定した。データは、ALZ-801の、260mgと270mgとの間(例えば、265mg)のBIDが、150mg BIDの経口トラミプロセートに等しい、定常状態のトラミプロセート曝露量に達することを示している。これらのブリッジングデータは、ALZ-801の第3相開発、APOE4/4ホモ接合体AD対象においてGI耐容性が改良されかつ対象間薬物動態変動が少ないトラミプロセートの最適化プロドラッグをサポートするものである。
即時放出経口製剤中205mg及び342mgのALZ-801の第I相の投与からの薬物動態結果に基づいて、1日に2回投与される即時放出の経口製剤において265mgのALZ-801を含む錠剤またはカプセルが、807ng/ml±25%のCmax;4473ng/mlhr±25%の単回用量AUC12時間トラミプロセート血漿レベル;及び4429ng/mlhr±25%の定常状態AUC12時間トラミプロセート血漿レベルを付与することが予測される(図8を参照されたい)。

Claims (14)

  1. )APOE4であり;かつ(ii)ミニメンタルステート検査(MMSE)で~19のベースラインMMSEスコアを有する
    と決定され対象のみにおけるアルツハイマー病の処置における使用のための、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸またはこの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、該MMSEは、該組成物の初回投与の前の60日以内に行われたものである、組成物
  2. 前記対象がAPOE4ヘテロ接合であ、請求項1に記載の使用のための組成物。
  3. 前記対象がAPOE4/4ホモ接合であ、請求項1に記載の使用のための組成物。
  4. (i)APOE4/4ホモ接合であり;かつ(ii)ミニメンタルステート検査(MMSE)で20~21のベースラインMMSEスコアを有する
    と決定された対象のみにおけるアルツハイマー病の処置における使用のための、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸またはこの薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、該MMSEは、該組成物の初回投与の前の60日以内に行われたものである、組成物。
  5. 前記医薬組成物の各投与後に、前記医薬組成物が、100mg~150mgのトラミプロセートに等しいトラミプロセート曝露量を達成する、請求項1~のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  6. 前記医薬組成物が、260と270mgの間のバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸を含む、請求項に記載の使用のための組成物。
  7. 前記組成物が、265mgのバリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸を含み、前記組成物が、即時放出の経口錠剤またはカプセルとして製剤化される、請求項に記載の使用のための組成物。
  8. 前記医薬組成物が1日に2回投与される、請求項1~のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  9. 前記対象が85歳以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  10. 前記処置が前記対象の認知低下を減少させる、請求項1~のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  11. 対象のAPOE4ステータスと該対象のアルツハイマー病の重篤度を、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸による処置に関する対象の適合性の指標とする方法であって、
    該対象がAPOE4であり、かつ1~19のベースラインミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有する
    場合に、該対象が処置に適合していることが示されることを特徴とする、方法。
  12. 前記対象がAPOE4ヘテロ接合である、請求項11に記載の使用のための方法。
  13. 前記対象がAPOE4/4ホモ接合である、請求項11に記載の使用のための方法。
  14. 対象のAPOE4ステータスと該対象のアルツハイマー病の重篤度を、バリル-3-アミノ-1-プロパンスルホン酸による処置に関する対象の適合性の指標とする方法であって、
    該対象がAPOE4/4ホモ接合であり、かつ20~21のベースラインミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有する
    場合に、該対象が処置に適合していることが示されることを特徴とする、方法。
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