JP2021152060A - アカンプロセートおよびd−サイクロセリンを使用する組み合わせ療法 - Google Patents

アカンプロセートおよびd−サイクロセリンを使用する組み合わせ療法 Download PDF

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Abstract

【課題】加齢関連認知機能不全、軽度認知機能不全(MCI)、認知症、アルツハイマー病(AD)、ADの前駆状態、外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、双極性障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、癌療法関連認知機能不全、精神遅滞、パーキンソン病(PD)、自閉症、強迫神経性行動、物質中毒等を治療する方法を提供する。【解決手段】(i)アカンプロセートまたはその薬学的に許容される塩である第1の治療剤と(ii)D−サイクロセリン、D−サイクロセリンの塩、D−サイクロセリンのエステル、アルキル化D−サイクロセリン、またはD−サイクロセリンの前駆体である第2の治療剤とを含む医薬組成物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、方法である。【選択図】なし

Description

本発明はアカンプロセートおよびD−サイクロセリンの組み合わせを使用する様々な医学的病態の治療に関する。
3−(アセチルアミノ)プロピルスルホン酸(N−アセチルホモタウリンまたはアカンプロセートとも称される):
Figure 2021152060
は、ホモタウリン(中枢神経系(CNS)中の複数の受容体に影響すると思われるγ−アミノ酪酸(GABA)の天然に存在する構造的な類似体)の誘導体である。抗グルタミン酸剤として、アカンプロセートは、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体のアンタゴニストとして神経薬理学的効果を発揮すると考えられる。作用メカニズムには、Ca2+チャンネルをブロッキングしてCa2+流入を減速し、c−fosの発現を低減させ、選択された脳領域におけるメッセンジャーRNA転写の変化およびNMDA受容体のサブユニット組成物への付随する修飾を引き起こすことを含むと考えられる(Zornoza et al.,CNS Drug Reviews,2003,9(4),359−374;およびRammes et al.,Neuropharmacology 2001,40,749−760)。アカンプロセートが、特に代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)のアンタゴニストとして、一般的に興奮性グルタミン酸神経伝達と相互作用し得るというエビデンスもある(De Witte et al.,CNS Drugs 2005,19(6),517−37)。アカンプロセートのグルタミン酸作動性作用メカニズムは、アルコール依存症に対するアカンプロセートの効果について説明でき、他の治療活性(神経保護等)を示唆する。
Forest PharmaによってCampral(登録商標)として市場で取引されるアカンプロセートカルシウムは、2004年にFDAによって最初に認可された。Campral(登録商標)は、治療開始時に断酒中のアルコール依存症に罹患する患者において、アルコールを断つことの維持に適応される。Campral(登録商標)による治療は、心理社会的支持を含む包括的管理プログラムの一部であるべきである。
D−サイクロセリン(DCS、D−4−アミノ−3−イソオキサゾリドン):
Figure 2021152060
は、天然に存在するアミノ酸D−セリンの誘導体である。原因細菌がこの薬物に感受性である場合、および一次投薬(ストレプトマイシン、イソニアジド、リファンピンおよびエタンブトール)による治療が不適切であるとわかった場合の、活動性肺結核および肺外結核(腎臓病を含む)の治療のために、Purdue GMPによってセロマイシン(SEROMYCIN)(登録商標)として市場で取引される。すべての抗結核薬と同様に、セロマイシンは、単独療法剤としてではなく、他の効果的な化学療法と併用して投与されるべきである。セロマイシンは、グラム陽性株およびグラム陰性菌の感受性株、特にEnterobacter属の種およびEscherichia coliによって引き起こされる急性尿路感染症の治療において効果的であり得る。
D−サイクロセリンはNMDA受容体の部分アゴニストであり、NMDA受容体のNR1サブユニット上のストリキニーネ非感受性グリシン結合部位でコアゴニストとして作用する。DCSはNMDA受容体の活性化の確率を増加させるが;その効果を発揮するには受容体へのグルタミン酸結合の存在を必要とする(Myers,K.M.;Carlezon,W.A.J.「D−cycloserine effects on extinction of conditioned responses to drug−related cues.」Biol.Psychiatry 2012,71,947−955)。DCS活性化は、神経毒性を引き起こさずにこれらの受容体を介してカルシウム流入を増加させることによって、NMDAの機能を促進する(Olive,M.F.;Cleva,R.M.;Kalivas,P.W.;Malcolm,R.J.「Glutamatergic medications for the treatment of drug and behavioral addictions.」Pharmacol.Biochem.Behav.2012,100,801−810;およびSheinin,A.;Shavit,S.;Benveniste,M.「Subunit specificity and mechanism of action of NMDA partial agonist D−cycloserine.」Neuropharmacology 2001,41,151−158)。しかしながら、DCSは、NMDA受容体機能の修飾で、内在性リガンドのグリシンおよびD−セリンほど効率的ではない。高用量のDCSは、より効率的な内在性リガンドに取って代わり、中用量のDCSは、NMDA受容体依存型のシナプス可塑性および学習を促進することを示した(Myers,K.M.;Carlezon,W.A.J.「D−cycloserine effects on extinction of conditioned responses to drug−related cues.」Biol.Psychiatry 2012,71,947−955)。
アカンプロセートおよびD−サイクロセリンは様々な医学的病態を治療する単療法剤として示唆されているが、本出願人はこれらの薬物が組み合わせ療法について有用であることを見出した。
本発明は、アカンプロセートおよびD−サイクロセリンの組み合わせを相乗的に使用して様々な医学的病態を治療できるという発見に関する。
第1の態様において、本発明は、患者における医学的病態を治療する方法であって、治療法上効果的な量の(i)アカンプロセートまたはその薬学的に許容される塩である第1の治療剤と、(ii)D−サイクロセリン、D−サイクロセリンの塩、D−サイクロセリンのエステル、アルキル化D−サイクロセリン、またはD−サイクロセリンの前駆体である第2の治療剤とを含む医薬組成物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、方法を提供する。
第1の実施形態において、第2の治療剤はD−サイクロセリンである。
第2の実施形態において、第2の治療剤は、D−サイクロセリンのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、およびアンモニウム塩からなる群から選択される、D−サイクロセリンの塩である。
第3の実施形態において、第2の治療剤は、1〜20の炭素原子を備えたエステル基を有するD−サイクロセリンのエステルである。
第4の実施形態において、第2の治療剤は、1〜20の炭素原子を備えたアルキル基を有するアルキル化D−サイクロセリンである。
第5の実施形態において、第2の治療剤は、D−サイクロセリンの前駆体である。
第6の実施形態において、医薬組成物は少なくとも1週間の間患者へ投与される。
第7の実施形態において、医薬組成物は少なくとも4週間の間患者へ投与される。
第8の実施形態において、医薬組成物は少なくとも6週間の間患者へ投与される。
第9の実施形態において、医薬組成物は少なくとも8週間の間患者へ投与される。
第10の実施形態において、医薬組成物は毎日少なくとも1回患者へ投与される。
第11の実施形態において、医薬組成物は1日あたり2用量で患者へ投与される。
第12の実施形態において、医薬組成物は1日あたり3用量で患者へ投与される。
第13の実施形態において、医薬組成物は1日あたり4用量で患者へ投与される。
第14の実施形態において、医薬組成物は、経口、静脈内、経粘膜、経肺、経皮、眼、頬腔、舌下、腹腔内、髄腔内、および筋肉内の経路からなる群から選択される経路によって投与される。
第15の実施形態において、医薬組成物は経口経路によって投与される。
第16の実施形態において、第1の治療剤は、100〜2500mgのアカンプロセートカルシウムに等価な用量で投与される。
第17の実施形態において、第2の治療剤は、105〜500mgのD−サイクロセリンに等価な用量で投与される。
第18の実施形態において、第2の治療剤は、125〜400mgのD−サイクロセリンに等価な用量で投与される。
第19の実施形態において、第2の治療剤は、150〜300mgのD−サイクロセリンに等価な用量で投与される。
第20の実施形態において、医学的病態は、加齢関連認知機能不全、軽度認知機能不全(MCI)、認知症、アルツハイマー病(AD)、ADの前駆状態、外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、双極性障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、癌療法関連認知機能不全、精神遅滞、パーキンソン病(PD)、自閉症、強迫神経性行動、または物質中毒である。
第21の実施形態において、医学的病態は、アルコール依存症、耳鳴り、睡眠時無呼吸、パーキンソン病、パーキンソン病におけるレボドパ誘導性運動障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、皮質拡延性抑制、片頭痛、統合失調症、不安、遅発性ジスキネジア、痙性、多発性硬化症、様々なタイプの疼痛、または過食症である。
第22の実施形態において、医学的病態は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders IV中で更に参照されるような、自閉症スペクトラム障害、特定不能の広汎性発達障害、特発性自閉症、脆弱X症候群、アスペルガー症候群、Rhett症候群、小児期崩壊性障害である。
第23の実施形態において、医学的病態は脆弱X症候群である。
第24の実施形態において、医学的病態は自閉症スペクトラム障害である。
第25の実施形態において、医学的病態は、グルタミン酸塩−GABAの不均衡として特徴づけられる神経伝達障害もしくは認知障害、破壊もしくは異常調節されたERKシグナル経路により特徴づけられる障害、または脳発達、学習、記憶もしくは認知力の異常をもたらすRAS病である。
第2の態様において、本発明は、患者における医学的病態を治療する方法であって、(i)治療法上効果的な量のアカンプロセートまたはその薬学的に許容される塩である第1の治療剤と、(ii)治療法上効果的な量のD−サイクロセリン、D−サイクロセリンの塩、D−サイクロセリンのエステル、アルキル化D−サイクロセリン、またはD−サイクロセリンの前駆体である第2の治療剤とをそれを必要とする患者へ共投与することを含む、方法を提供する。
第1の実施形態において、第1および第2の治療剤は単一投薬形状で投与される。
第2の実施形態において、単一投薬形状は経口投与に好適である。
第3の実施形態において、単一投薬形状は、錠剤、カプセル、経口懸濁物、またはスプリンクル製剤である。
第4の実施形態において、第1および第2の治療剤は、単一投薬形状中に均一に分散される。
第5の実施形態において、第1および第2の治療剤は、単一投薬形状中に不均一に分散される。
第6の実施形態において、第1および第2の治療剤は単一投薬形状の異なる層またはセクション中にある。
第7の実施形態において、第1および第2の治療剤は異なる投薬形状において共投与される。
第8の実施形態において、第1の治療剤は、錠剤、カプセル、経口懸濁物またはスプリンクル製剤として投与され、第2の治療剤は、分離した錠剤、カプセル、経口懸濁物またはスプリンクル製剤として共投与される。
第9の実施形態において、第1の治療剤は第1のスプリンクル製剤中にあり、第2の治療剤は第2のスプリンクル製剤中にあり、そこで第1および第2のスプリンクル製剤は分離した分包中にある。
第10の実施形態において、第1の治療剤は第1のスプリンクル製剤中にあり、第2の治療剤は第2のスプリンクル製剤中にあり、そこで第1および第2のスプリンクル製剤は単一分包中で組み合わせられる。
第3の態様において、本発明は、(i)アカンプロセートまたはその薬学的に許容される塩である第1の治療剤と、(ii)D−サイクロセリン、D−サイクロセリンの塩、D−サイクロセリンのエステル、アルキル化D−サイクロセリン、またはD−サイクロセリンの前駆体である第2の治療剤とを含む、医薬組成物を提供する。
上記のおよび本出願内の他のところで記載される様々な態様および実施形態のすべての可能な組み合わせが本発明の更なる態様および実施形態として企図されることが企図される。
本明細書において使用される時、「自閉症」は、病的な自己陶酔、社会的機能不全、言語遅延、および常同行動によって特徴づけられる精神の内向性状態を指す。患者はDSM−IV尺度の使用によって自閉症を患うと診断され得る。
「薬学的に許容される」は、連邦政府もしくは州政府の規制機関によって承認されるかもしくは承認可能であること、または米国薬局方もしくは動物および特にヒトにおける使用のための他の一般的に認められた薬局方中で記載されることを指す。
「薬学的に許容される塩」は、親化合物の所望される薬理活性を保持する化合物の塩を指す。活性成分がアカンプロセートである場合、好ましい塩はカルシウム塩である。
「医薬組成物」は、少なくとも1つの活性成分および少なくとも1つの薬学的に許容されるベヒクルを指し、それにより少なくとも1つの活性成分が被験体へ投与される。
「塩」は、陽イオンおよび陰イオンの会合からなる化学化合物を指す。本開示の化合物の塩は、塩の化学量論的形状および非化学量論的形状を含む。ある特定の実施形態において、医薬品におけるその使用の可能性があるので、活性成分の塩は薬学的に許容される塩である。
「スプリンクル製剤」は、腸溶性コーティングのビーズまたはペレットを指し、それは球状の形であり得、サイズが0.82mm〜3.04mm(+または−10%の変動)であるようにFDAによって現在定義され、咀嚼有りまたは無しで食品と共に経口で投与できる。スプリンクルは、いくつかの形(円柱状、丸い端部を備えた円柱状、ダンベル状、楕円状、球状の形等)で製造できる。「Guidance for Industry Size of Beads in Drug Products Labeled for Sprinkle」、U.S.Department of Health and Human Services Food and Drug Administration Center for Drug Evaluation and Research(CDER)2012年5月CMC Rev.1を参照されたい。
「分包」は、すべての4つの側面上で層を一緒に接着することによって作製される小さな柔軟なパッケージである。多くの場合、液体、粉末、クリーム、ペーストまたは顆粒として提供され得る製剤の用量を含有する、一回使用のシールされた柔軟なアルミニウムパウチを指す。
「被験体」および「患者」は、哺乳類(例えばヒト)を指す。
任意の疾患を「治療すること」または「治療」は、疾患または疾患もしくは障害の臨床症状のうちの少なくとも1つを停止もしくは寛解すること、疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを獲得するリスクを低減すること、疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つの発症を低減すること、または疾患もしくは疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを発症するリスクを低減することを指す。「治療すること」または「治療」は、疾患を、物理的に(例えば識別可能な症状の安定化)、生理的に(例えば身体的パラメータの安定化)のいずれか、または両方で阻害すること、および被験体に識別可能または識別可能であり得る少なくとも1つの身体的パラメータを阻害することも指す。ある特定の実施形態において、「治療すること」または「治療」は、たとえその被験体がまだ疾患の症状を経験していないかまたは提示していなくても、疾患または障害へ曝露され得るかまたは素因のある被験体において、疾患またはその少なくとも1つ以上の症状の開始を遅延させることを指す。
「治療法上効果的な量」は、疾患または疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つの治療のために被験体へ投与される場合に、疾患またはその症状のかかる治療に影響するのに十分な化合物の量を指す。「治療法上効果的な量」は、例えば化合物、疾患および/または疾患の症状、疾患および/または疾患もしくは障害の症状の重症度、治療される被験体の年齢、体重および/または健康、ならびに処方する医師の判断に依存して変動し得る。任意の与えられた事例における適切な量は、当業者によって確認されるかまたは常用の実験による決定が可能であろう。
「治療法上効果的な用量」は、被験体における疾患または障害の効果的な治療を提供する用量を指す。治療法上効果的な用量は、化合物間および被験体間で変動し、被験体の状態および送達の経路等の因子に依存し得る。治療法上効果的な用量は、当業者に公知の常用の薬理学的手順に従って決定され得る。
本発明のすべての方法および組成物において、D−サイクロセリン(またはその修飾バージョン)は、アミノ酸の修飾バージョン(塩、エステル、アルキル化形状、またはアミノ酸の前駆体等)で置換できる。例えば、アミノ酸は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、またはアンモニウム塩の形状であり得る。かかる塩形状のD−サイクロセリンは、従来の方法に従って作製できる(例えばOrganic Chemistry、822−823ページ、Morrison and Boyd編、第5版、Allyn and Bacon,Inc.、Newton、Mass.を参照)。D−サイクロセリンの他の修飾形状も、本発明の方法および組成物において使用できる。例えば、アミノ酸のカルボキシ基は、標準的なエステル化法に従って、アルコールとの反応によってエステル基に変換できる(同上、841−843)。例えば、1〜20の炭素原子を有するアルコールを使用して、本発明で使用されるD−サイクロセリンのエステルを産生できる(例えば、メチル−アルコール、エチル−アルコール、プロピル−アルコール、イソプロピル−アルコール、ブチル−アルコール、イソブチル−アルコール、sec−ブチル−アルコール、tert−ブチル−アルコール、ペンチル−アルコール、イソペンチル−アルコール、tert−ペンチル−アルコール、ヘキシル−アルコール、ヘプチル−アルコール、オクチル−アルコール、デシル−アルコール、ドデシル−アルコール、テトラデシル−アルコール、ヘキサデシル−アルコール、オクタデシル−アルコール、およびフェニル−アルコールを使用できる)。別の変化では、アミノ酸のアミノ基を、従来の方法を使用してアルキル化して、ハロゲン化物のアンモノリシスまたは還元的アミノ化によって第二級アミノ基または第三級アミノ基を産生できる(同上、939−948)。例えば、1〜20の炭素原子を有するアルキル基をアミノ酸へ添加して、アルキル化アミノ酸を産生できる(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基およびフェニル基をアミノ酸へ添加できる)。
概略
D−サイクロセリン(cylcoserine)(DCS)は、サイクロセリンの右旋性(dexatrorotary)形状の、広範囲な安全記録により認可されたFDA薬物であり、結核の治療のために以前に使用されていた。DCSは血液脳関門を通過し、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体のグリシン部位での部分アゴニストである。NMDA受容体は、シナプス可塑性、学習、および記憶に関与する(J.Ren et al.、「The effects of intra−hippocampal microinfusion of d−cycloserine on fear extinction,and the expression of NMDA receptor subunit NR2B and neurogenesis in the hippocampus in rats.」Progress In Neuro−Psychopharmacology And Biological Psychiatry 44:257−264(2013);K.Baker et al.、「D−cycloserine does not facilitate fear extinction by reducing conditioned stimulus processing or promoting conditioned inhibition to contextual cues」、Learning&Memory 19(10):461−469(2012)を参照)。DCSはNR1 NMDA受容体サブユニット上のストリキニーネ非感受性グリシン結合部位へ結合し、グリシン単独への曝露の間の最大刺激の40〜50%のレベルへ受容体活性化を増加させる(S.Dravid et al.、「Structural determinants of D−cycloserine efficacy at the NR1/ NR2C NMDA receptors」、The Journal Of Neuroscience:The Official Journal Of The Society For Neuroscience 30(7):2741−2754(2010);およびW.F.Hood et al.、「D−cycloserine:a ligand for the N−methyl−D−aspartate coupled glycine receptor has partial agonist characteristics」、Neurosci Lett.Mar 13;98(1):91−5(1989)を参照)。DCSは、NMDAグルタミン酸受容体のグリシン活性化部位での部分アゴニストとして整合性のある特性を有する。
動物モデルにおいて、単一用量として投与されたDCSは、海馬破壊、抗コリン作動剤、および初期の社会的隔離によって産生された認知機能不全を回復させた。健康な動物において、DCSは、条件付け恐怖の消去、迷路課題でのパフォーマンス、および視覚認識記憶を促進した(D.Quartermain et al.、「Acute but not chronic activation of the NMDA−coupled glycine receptor with d−cycloserine facilitates learning and retention」、Eur J Pharm.,257:7−12(1994);N.Matsuoka and T.G.Aigner、「D−cycloserine, a partial agonist at the glycine site coupled to N−methyl−D−aspartate receptors, improves visual recognition memory in rhesus monkeys」、J Pharmacol Exp Ther.,278:891−897(1996)を参照)。
DCSが認知行動療法と併せて使用される場合に、それは一連の不安およびストレスに関連する障害における恐怖消去を支援する(R.A.Nicoll and R.C.Malenka、「Expression mechanisms underlying NMDA receptor−dependent long−term potentiation」、Ann N Y Acad Sci.,1999;868:515−525(1999);Y.P.Tang et al.、「Genetic enhancement of learning and memory in mice」、Nature,401:63−69(1999)を参照)。DCSは訓練の間のパフォーマンスに影響しないことが示されており;代わりに、訓練の24時間後に査定される新たな学習についての記憶を選択的に改善する(8)。(E.Santini et al.、「Consolidation of extinction learning involves transfer from NMDA−independent to NMDA−dependent memory」、J Neurosci.,21:9009−9017(2001)を参照)。更なる研究は、DCSは記憶定着を促進するが新規学習に限定されているように思われることを示唆する(J.M.Langton and R.Richardson、「D−cycloserine facilitates extinction the first time but not the second time:an examination of the role of NMDA across the course of repeated extinction sessions」、Neuropsychopharmacology,33:3096−3102(2008)を参照)。タキフィラキシーがDCSの反復用量により急速に発症することが更に報告された(A.S.Parnas et al.、「Effects of multiple exposures to D−cycloserine on extinction of conditioned fear in rats」、Neurobiol Learn Mem.,2005;83:224−231(2005)を参照)。
アカンプロセートは、NMDAグルタミン酸受容体活性の潜在的な修飾を含む多面的効果を有する。DCSはNMDA受容体上の中性アミノ酸部位(一般的にはグリシン受容体部位として公知である)で活性を有するが、アカンプロセートはNMDA受容体上のポリアミン部位で活性を有することが実証された。アカンプロセート活性の部位は、NMDA受容体アゴニスト(NMDA、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、およびホモシステイン酸塩(homocysteate)を含む)が受容体へ結合するのと同じ部位である。アカンプロセートは、高いポリアミン濃度で正味のアンタゴニスト効果および低い濃度でアゴニスト効果を有するポリアミンNMDA受容体部位上で、部分アゴニストとして作用すると仮定される。このアカンプロセートの効果は、DCSの部分アゴニスト効果に概念では類似しているが、NMDA受容体複合体の異なるユニークな結合部位においてである。本質的に、DCSおよびアカンプロセートは潜在的に相乗的または並列的な部分アゴニスト能力を有し、1つの薬物がグリシンNMDA部位(DCS)で作用し、1つはポリアミンNMDA部位(アカンプロセート)経由である(例えばM.al Qatari et al.、「Mechanism of action of acamprosate.Part II.Ethanol dependence modifies effects of acamprosate on NMDA receptor binding in membranes from rat cerebral cortex」、Alcohol Clinical Experimental Research. 1998 Jun;22(4):810−4; M. al Qatari et al.、「Acamprosate is neuroprotective against glutamate−induced excitotoxicity when enhanced by ethanol withdrawal in neocortical cultures of fetal rat brain.」Alcohol Clinical Experimental Research.2001 Sep;25(9):1276−83; K.Mann et al.、「Acamprosate: recent findings and future research directions」、Alcohol Clinical Experimental Research.2008 Jul;32(7):1105−10.doi:10.1111/j.1530−0277.2008.00690.x;O.Pierrefiche et al.、「Biphasic effect of acamprosate on NMDA but not on GABAA receptors in spontaneous rhythmic activity from the isolated neonatal rat respiratory network」、Neuropharmacology.2004 Jul;47(1):35−45. PMID:15165832;およびM. Naassila et al.、「Mechanism of action of acamprosate.Part I.Characterization of spermidine−sensitive acamprosate binding site in rat brain」、Alcohol Clinical Experimental Research.,13 1998 Jun;22(4):802−9を参照)。
総合して、NMDA受容体での部分アゴニズムは、低レベルの内在性アゴニスト存在で、NMDA活性の学習支持、記憶およびシナプス可塑性効果を利用する機会を提供する一方で、高い内在性アゴニストレベルで神経保護効果も提供する。DCSおよびアカンプロセートはNMDA受容体複合体上でユニークで相補的な部分アゴニスト活性を有し、したがって、グリシンまたはポリアミン内在性アゴニズムへの潜在的な曝露の間に、この受容体活性を修飾する能力を拡大する。
医用使用
いくつかの実施形態において、本開示は、グルタミン酸塩−GABAの不均衡として特徴づけられる任意の神経伝達障害もしくは認知障害、破壊もしくは異常調節されたERKシグナル経路により特徴づけられる任意の障害、または脳発達、学習、記憶および認知力の異常をもたらすRAS病での治療の方法における使用のための医薬品の製造におけるアカンプロセート経口ペレット製剤の使用に関する。これらには、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders V中で更に参照されるような、自閉症スペクトラム障害、特定不能の広汎性発達障害、特発性自閉症、脆弱X症候群、アスペルガー症候群、Rhett症候群、小児期崩壊性障害、そしてアルコール依存症、耳鳴り、睡眠時無呼吸、パーキンソン病、パーキンソン病におけるレボドパ誘導性運動障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、皮質拡延性抑制、片頭痛、統合失調症、不安、遅発性ジスキネジア、痙性、多発性硬化症、様々なタイプの疼痛、または過食症、そして加齢関連認知機能不全、軽度認知機能不全(MCI)、認知症、アルツハイマー病(AD)、ADの前駆状態、外傷後ストレス障害(PTSD)、双極性障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、癌療法関連認知機能不全、強迫神経性行動、および物質中毒を有するかまたはそのリスクがある被験体、が含まれるが、これらに限定されない。
障害と関連する神経学的な不全症または症状(例えば良性小児期癲癇、側頭葉癲癇、視覚空間的欠陥、不安、攻撃性、過活性、動揺、繰り返し行動、異常なもしくは限定された社会的相互関係、言語および学習の困難、ならびに/またはその組み合わせ)のうちの1つまたは複数を、縮小、停止、寛解、または予防するために、脆弱X症候群、自閉症スペクトラム障害、ダウン症候群、神経学的障害および/または精神遅滞に罹患する被験体を治療する方法も本明細書において提供される。ある特定の実施形態において、精神遅滞、自閉症スペクトラム障害、ダウン症候群および脆弱X症候群に罹患する小児が、本発明の製剤により治療され得る。子供は、乳児期(生まれてから約0〜約1年の間)、小児期(乳児期と思春期との間の人生の期間)、および思春期(生まれてから約8年〜生まれてから約18年の間)の間に治療され得る。
ある特定の実施形態において、本明細書において開示される方法を使用して、精神遅滞、脆弱X症候群、自閉症スペクトラム障害および/またはダウン症候群を有する成人(生まれてから約18年を超える)を治療できる。ある特定の実施形態において、脆弱X症候群、自閉症スペクトラム障害、精神遅滞および/またはダウン症候群を有する被験体(小児および成体の両方)における不安および癲癇が、本発明の製剤を被験体へ投与することによって治療され得る。
用量および投与
すべての本発明の方法において、D−サイクロセリン(またはその修飾バージョン)およびアカンプロセートの適切な投薬量は、疾患の寛解または阻害の徴候について患者をモニタリングることによって医学の当業者によって容易に決定でき、所望に応じて治療の投薬量および/または頻度を増加または減少させる。
被験体における特異的な医学的病態の治療において効果的であろう活性成分の量は、病態の性質に部分的に依存し、当技術分野において公知の標準的な臨床技法によって決定できる。加えて、インビトロまたはインビボのアッセイを用いて、至適の投薬量範囲の同定を支援できる。投与される活性成分の治療法上効果的な量は、他の因子の中でも、治療されている被験体、被験体の体重、疾患の重症度、投与の様式、および処方する医師の判断にも依存し得る。
治療の1つの好適な方法において、医薬組成物は少なくとも1週間の間毎日少なくとも1回患者へ投与される。所望されるならば、医薬組成物は、1日あたり2以上の用量(例えば2、3、または4用量)で患者へ投与できる。一般的に、患者は少なくとも1週間の間治療され;典型的には、患者は、少なくとも数週間(例えば少なくとも4、6、または8週間)または数か月(例えば少なくとも4、8、または12か月)の間治療される。必要であるならば、治療を無期限に継続して、患者の人生の全体にわたり症状を制御できる。
自閉症のための治療の方法において、例えば、105〜500mg/日の投薬量に等価な量でD−サイクロセリンを含有する医薬組成物が、かかる治療を必要とする患者へ投与される。例えば、投薬量は、125〜400mg、150〜300mg等(例えば175mg、200mg、225mg、または250mg)の量であり得る。D−サイクロセリン(D−4−アミノ−3−イソオキサゾリジノン(isoxazolidinone))は、Eli Lilly,Inc.(Indianapolis、Ind.)から商業的に入手可能である。一般的に、治療は少なくとも1週間続き、患者の症状の制御の必要に応じて数年間または一生涯の長さで続き得る。
医薬組成物は、いくつかの経路(経口、静脈内、経粘膜(例えば、鼻、膣など)、経肺、経皮、眼、頬腔、舌下、腹腔内、髄腔内か、筋肉内、または長期デポー調製物等)のうちの任意のものまたはその組み合わせによって患者へ投与できる。
経口医薬製剤(錠剤、カプセル、スプリンクル製剤、および経口懸濁物等)が好ましい。経口投与のための固形組成物は、好適な担体または賦形剤(トウモロコシデンプン、ゼラチン、ラクトース、アカシア、ショ糖、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、脂質、アルギン酸、または制御された遅延放出のための成分等)を含有できる。使用できる崩壊剤は、微結晶性セルロース、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルギン酸を限定されずに含む。使用できる錠剤結合剤は、アカシア、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖、デンプン、およびエチルセルロースを限定されずに含む。
いくつかの実施形態において、アカンプロセートおよびD−サイクロセリンは2つの分離した経口製剤として投与され、各々は活性成分のうちの1つの効果的な量を含有する。例えば、分離した錠剤、カプセル、経口懸濁物またはスプリンクル製剤として共投与されるD−サイクロセリン(cydloserine)と共に、アカンプロセートは、錠剤、カプセル、経口懸濁物、またはスプリンクル製剤として投与できる。具体的には、アカンプロセートおよびD−サイクロセリンは、分離した分包中で独立したスプリンクル製剤として投与できる。あるいは、2つのスプリンクル製剤は、投与のための同じカシェー(cachet)中で同時に組み合わせることができる。同様に、錠剤として共投与されるD−サイクロセリンと共に、アカンプロセートは、スプリンクル製剤として投与できる。「共投与」という用語は、同じもしくはおよそ同じ時間で、または代わりに、治療法の同じラウンドの間に、2つの投薬を服用することを含むように意図される。
他の実施形態において、アカンプロセートおよびD−サイクロセリンは、各々の活性成分の効果的な量を含有する単一経口製剤として投与される。例えば、組み合わせは、錠剤、カプセル、経口懸濁物、またはスプリンクル製剤として投与できる。2つの薬物は当技術分野において公知の任意の様式で組み合わされてよいことが認識されるだろう。2つの活性成分は、投薬形状中に均一に分散されるか、またはその中に不均一に分散され得る。例えば、2つの活性成分は、2層の錠剤の異なる層中に、または錠剤中錠剤(tablet−in−tablet)製剤の異なるセクション中にあり得る。同様に、2つの活性成分は、カプセルまたはスプリンクル製剤のペレットの異なる層またはセクション中にあり得る。

Claims (27)

  1. 患者における医学的病態を治療する方法であって、治療法上効果的な量の(i)アカンプロセートまたはその薬学的に許容される塩である第1の治療剤と(ii)D−サイクロセリン、D−サイクロセリンの塩、D−サイクロセリンのエステル、アルキル化D−サイクロセリン、またはD−サイクロセリンの前駆体である第2の治療剤とを含む医薬組成物をそれを必要とする患者へ投与することを含む、方法。
  2. 前記第2の治療剤がD−サイクロセリンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の治療剤がD−サイクロセリンのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、およびアンモニウム塩からなる群から選択されるD−サイクロセリンの塩である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第2の治療剤が1〜20の炭素原子を備えたエステル基を有するD−サイクロセリンのエステルである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第2の治療剤が1〜20の炭素原子を備えたアルキル基を有するアルキル化D−サイクロセリンである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2の治療剤がD−サイクロセリンの前駆体である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記医薬組成物が少なくとも1週間の間患者へ投与される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記医薬組成物が少なくとも4週間の間患者へ投与される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記医薬組成物が少なくとも6週間の間患者へ投与される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記医薬組成物が少なくとも8週間の間患者へ投与される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記医薬組成物が毎日少なくとも1回患者へ投与される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記医薬組成物が1日あたり2用量で患者へ投与される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記医薬組成物が1日あたり3用量で患者へ投与される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記医薬組成物が1日あたり4用量で患者へ投与される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記医薬組成物が経口、静脈内、経粘膜、経肺、経皮、眼、頬腔、舌下、腹腔内、髄腔内、および筋肉内の経路からなる群から選択される経路によって投与される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記医薬組成物が経口経路によって投与される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第1の治療剤が100〜2500mgのアカンプロセートカルシウムに等価な用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記第2の治療剤が105〜500mgのD−サイクロセリンに等価な用量で投与される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記第2の治療剤が125〜400mgのD−サイクロセリンに等価な用量で投与される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第2の治療剤が150〜300mgのD−サイクロセリンに等価な用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記医学的病態が加齢関連認知機能不全、軽度認知機能不全(MCI)、認知症、アルツハイマー病(AD)、ADの前駆状態、外傷後ストレス障害(PTSD)、統合失調症、双極性障害、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、癌療法関連認知機能不全、精神遅滞、パーキンソン病(PD)、自閉症、強迫神経性行動、または物質中毒である、請求項1に記載の方法。
  22. 前記医学的病態がアルコール依存症、耳鳴り、睡眠時無呼吸、パーキンソン病、パーキンソン病におけるレボドパ誘導性運動障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、皮質拡延性抑制、片頭痛、統合失調症、不安、遅発性ジスキネジア、痙性、多発性硬化症、様々なタイプの疼痛、または過食症である、請求項1に記載の方法。
  23. 前記医学的病態がDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders IV中で更に参照されるような自閉症スペクトラム障害、特定不能の広汎性発達障害、特発性自閉症、脆弱X症候群、アスペルガー症候群、Rhett症候群、小児期崩壊性障害である、請求項1に記載の方法。
  24. 前記医学的病態が脆弱X症候群である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記医学的病態が自閉症スペクトラム障害である、請求項23に記載の方法。
  26. 前記医学的病態がグルタミン酸塩−GABAの不均衡として特徴づけられる神経伝達障害もしくは認知障害、破壊もしくは異常調節されたERKシグナル経路により特徴づけられる障害、または脳発達、学習、記憶もしくは認知力の異常をもたらすRAS病である、請求項1に記載の方法。
  27. (i)アカンプロセートまたはその薬学的に許容される塩である第1の治療剤と(ii)D−サイクロセリン、D−サイクロセリンの塩、D−サイクロセリンのエステル、アルキル化D−サイクロセリン、またはD−サイクロセリンの前駆体である第2の治療剤とを含む医薬組成物。
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