JP7128535B2 - ルーフモール及びその端末組付け構造 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示するルーフモールは、上記溝部に突設したTスタッドの頭部を挿通する挿通穴と、挿通穴に挿入後の頭部を前後方向にスライドして係止する長穴とを有するブラケットを備える。
同公報に開示するブラケットは、前後方向にずれ易いTスタッドの頭部に対して、挿通穴から長穴にかけて傾斜を設けることによりずれを防いでいる。
しかしながら、比較的大きな荷重が掛かる洗車時等において、Tスタッドの頭部が前後方向にずれてルーフモールが車体から組み外されてしまう懸念は拭いきれず、車体に対するルーフモールの組付け安定性に不安が残る。
本発明において、前後とはルーフモールの前後方向、すなわち車両前後方向のことをいい、左右方向とは車幅方向をいう。
ルーフモールは、そのエンドキャップ本体に設けた係合孔と車体側に設けたスタッドの頭部とが係合することで車体に組付けられる。
洗車時等において、ルーフモールに対して前後方向に大きな力が加わると、スタッドと係合孔との間に相対的な前後方向のずれが生じ、エンドキャップ本体からスタッドが外れてしまう恐れがある。
本発明において、係合孔の前後の一方又は両方に規制部を設けることで、ルーフモールの前後方向の移動を規制し、係合孔とスタッドとの相対的な前後方向のずれを防止する。
また、規制部は、係合孔を形成する係合部から相互に内側に向けて突出するように設けることもできる。
これにより、係止部に設けた爪部が切欠部に設けた被係止部に係止することで、エンドキャップがモール本体の前後方向から抜け出るのを防止する。
ここで、モール本体はロールフォーミング等にてチャンネル形状に成形したものであり、モール本体の自動車に装着した際の意匠面を表面とし、裏面に形成されたチャンネル形状の頂部を裏縁部と表現した。
本発明に係るルーフモールの端末組付け構造は、上記ルーフモールを車体側へ組付けることを特徴とする。
また、係合孔に規制部を設けることでルーフモールの前後方向の移動を規制し、車体に組付けたルーフモールに対して前後方向に比較的大きな荷重が掛かる場合にも、ルーフモールが車体から組み外されるのを防止する。
さらに、エンドキャップが係止部を有することで、モール本体にエンドキャップを安定して取付けることができる。
本発明に係るルーフモールの端末組付け構造は、スタッドの挿入、抜去に影響を与えずにルーフモールの端末に対する車両前後方向の耐荷重を著しく高めることができる。
図1に、本発明に係るルーフモールの端末を車体側パネル1に組付けした状態の平面図及びそのA-A線断面図を示す。
スタッド2は、立設軸部とそれよりも外径が大きい頭部2aとからなるTスタッド等であり、ルーフパネル等である車体側パネル1から上方向に突出するように備えられている。
ルーフモールはエンドキャップを用いて、このスタッド2の頭部2aと係合することにより車体に組付けられる。
モール本体10は、金属製の芯材と樹脂材とを複合成形した断面チャンネル形状であり、自動車に装着した際の意匠面となる表面部11と、この表面部11の両側から折り曲げ立設した側壁部12、12を有する。
側壁部12,12は、さらにその先端側を断面U字状に表面部11側に折り返した折返し部14となっている。
側壁部12から折返し部14を形成する際にできる裏面側の頂部を、裏縁部13と表現する。
この裏縁部の一部を切り欠いて切欠部16を形成してあり、この切欠部16のモール端末側が後述する被係止部16aとなる。
本構造例においては、モール本体10の両側の裏縁部13の一方からシールリップ17を設けた例になっている。
係止部23には両側へ突設した係止片23aを形成してあり、係止片23aの一部にモール本体10の裏面部15に向かって突出する爪部23bを設けてある。
また、延在部24の両側には裏面部15側に突出する突出片24aと補助片24cとを設け、突出片24aの先端に裏面部15から遠のくように反り返った傾斜部24bを有する。
図5に示すように、エンドキャップ本体21は、挿入されたスタッド2の頭部2aと係合する係合孔29を有する。
この係合孔29はスタッド2が挿入される際に頭部2aが通過できるように弾性的に拡径し、頭部2aの通過後には元の孔径に縮径することで係合することになる。
本実施例では、内側よりの係合スリット部30と、その外側に設けたサブスリット部31との間に、モール本体10の前後方向に沿って延在する帯状の係合部27を形成した例になっている。
よって、係合孔29の両側に一対の係合部27を有していることになる。
スタッド2の頭部2aが挿入される際には、この一対の係合部27の中央部の間隔が広がるように弾性変形し、頭部2aの通過後は一対の係合部27が弾性復帰するとともに、この一対の係合部27の対向する内側に段差状に設けた保持部32で頭部2aの根元側を保持してTスタッドから抜けるのを防止した、いわゆるクリップ構造となっている。
洗車等により、ルーフモールに前後方向の大きな力が加わり、ルーフモールが前方又は後方に移動する動きが生じると、スタッド2の頭部と係合孔29との間に相対的な前後方向のずれが生じ、係合孔29が拡径する恐れがある。
係合孔29が大きく拡径すると、エンドキャップ本体21がスタッド2から外れてしまう恐れも生じる。
そこで本発明は、ルーフモールの前後方向の移動を規制する目的で、係合孔29の前方又は後方、あるいはその両方に規制部28をリジットに設けた。
なお、図5に示した実施例は、係合孔29の前方側と後方側の両方であって、ルーフモールの前後方向に沿って設けた例になっている。
規制部28は、スタッド2と係合孔29の相対的なずれを防止するものであり、スタッド2の頭部2aとかならずしも当接している必要はない。
この規制部28は、係合孔29とスタッド2との相対的な前後方向のずれを防止するのが目的であり、例えば図6に示すように、一対の係合部27から相互に内側に突設した構造でもよい。
また、エンドキャップ本体21は、車体側パネル1に向けて弾性当接する弾性片26を設けた例になっている。
係止部23の爪部23bを切欠部16の被係止部16aに係止させるようにして延在部24をモール本体10側に向けて押し付けると、傾斜部24bが折返し部14の内側に係止する。
図4、図1に、モール本体10にエンドキャップ20を取り付けた後の状態を示し、図2(a)、(b)に係止部23の断面図を、図2(c)、(d)に延在部24の断面図を示す。
係止部23の爪部23bが被係止部16aに係止すると、爪部23b以外の係止片23aは、図2(a)に示すようにモール本体10の裏縁部13に乗っかるように当接する。
係止部23がモール本体10の表面部11側に向けた付勢力を有すると、係止片23aが裏縁部13に押し付けられた状態となり、爪部23bの被係止部16aからの抜け防止となる。
延在部24は、図2(c)に示すように補助片24cを折返し部24の外側に当接し、図2(d)に示すように傾斜部24bを折返し部14の内側に係止することにより、係止部23の被係止部16aに対する係止力を高める。
規制部28をリジット形状に形成することにより、スタッド2の頭部2aの挿入、抜去には悪影響を与えずに、前後方向の移動を規制できる。
また、車両側パネル1に弾性当接する弾性片26によって、スタッド2の高さのバラツキ等を吸収するとともに、弾性片26の反発力によってルーフモールの上下方向のガタ付きを解消する。
2a 頭部
10 モール本体
13 裏縁部
16 切欠部
16a 被係止部
20 エンドキャップ
21 エンドキャップ本体
22 意匠部
23 係止部
23b 爪部
27 係合部
28 規制部
29 係合孔
Claims (3)
- モール本体と、該モール本体の端末に取り付けたエンドキャップとを備えるルーフモールであって、
前記エンドキャップは、前記モール本体の端末から挿入されるエンドキャップ本体と、前記モール本体の端末を塞ぐ意匠部とを有し、
前記エンドキャップ本体は、車体側に設けたスタッドの頭部と係合する係合孔と、
前記係合孔の前後の一方又は両方に規制部を有し、
前記係合孔は、左右方向に弾性変形可能な係合部にて形成され、前記規制部は前記スタッドの頭部と係合孔との前後方向のずれを防止するために、前記係合部の弾性変形に影響しないリジット形状になっていることを特徴とするルーフモール。 - 前記モール本体は、裏縁部の一部を切り欠いて形成した切欠部を有し、
前記エンドキャップは、さらに前記エンドキャップ本体からモール本体側に延在する係止部を有し、
前記エンドキャップを前記モール本体に挿入し、前記係止部に設けた爪部が前記切欠部に設けた被係止部に係止することを特徴とする請求項1記載のルーフモール。 - 請求項1又は2に記載のルーフモールを車体側へ組付けることを特徴とするルーフモールの端末組付け構造。
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