JP7128140B2 - Egr装置 - Google Patents

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Description

本開示は、EGR装置に関する。
自動車の内燃機関において、触媒で排気ガスを浄化し、浄化された排気ガスの一部を内燃機関に循環させるEGR(排気再循環)装置が公知である。
下記特許文献1では、触媒の下流の出口側ディフューザを拡張させて排気通路を形成し、触媒コンバータの側方のEGR通路を通過してEGRガスを内燃機関に送るEGR装置が開示されている。
特開2004-176554号公報
上述のように触媒の下流の出口側ディフューザを拡張させて排気通路を形成すると、EGR装置の下流側部分のサイズが大きくならざるを得ない。そのため、自動車におけるEGR装置の搭載に必要なスペースが増大する。
本開示の一局面は、搭載に必要なスペースを低減できるEGR装置を提供することを目的としている。
本開示の一態様は、EGR装置であって、ケースと、触媒と、EGR配管と、EGR取り出し口と、流路形成部と、を有する。ケースは、内燃機関の排気ガスが流入する。触媒は、ケースの内部に格納され、排気ガスの流れ方向に関して当該触媒よりも上流側の第1空間と下流側の第2空間とを連結する流路を有する。EGR配管は、排気ガスの一部を内燃機関に循環させる。EGR取り出し口は、ケースにおける触媒の側面を覆う部分に備えられ、EGR配管が連結される。流路形成部は、ケースと触媒の側面との間に配置され、第1空間からEGR取り出し口への排気ガスの流入を抑制するとともに、第2空間からEGR取り出し口への排気ガスの流入を抑制しない。
このような構成によれば、第1空間から触媒を通過して第2空間に到達した排気ガスの一部が、ケースと触媒の側面との間を通過してEGR取り出し口から排出される。EGR取り出し口がケースにおける触媒の側面を覆う部分に設けられているため、触媒の下流側にEGRガスの流路を形成する必要がなくなる。その結果、EGR装置における触媒の下流側のサイズ増加が抑制できるため、EGR装置の搭載に必要なスペースが低減できる。
上述したEGR装置において、流路形成部は、弾性変形可能であるマットであってもよい。マットは、ケースと触媒との間において、ケースの周方向に沿って、触媒の側面を囲むように配置されてもよい。
このような構成によれば、ケースと触媒の間に配置されるマットを流路形成部として用いることができる。上記マットは、ケース内において触媒を振動等から保護しつつ触媒を保持する。つまり、マットは上述した保持効果を奏しつつ、さらに流路形成部として機能するため、流路形成部としての機能のみを奏する、別個の部材を新たに設ける必要がなくなる。
上述したマットは、第2空間側から第1空間側に向かって切欠きが形成されていてもよい。切欠きが形成された空間が、排気ガスが第2空間からEGR取り出し口まで流れるための流路となってもよい。
このような構成によれば、マットのうち、上述した流路を構成するために必要な部分のみが切欠きとして失われる。そのため、マットが配置されない部分が生じることの影響を低減でき、マットによる上述した保持効果の低下を抑制することができる。
また上述したEGR装置において、触媒の側面のうち、少なくとも排気ガスが第2空間からEGR取り出し口まで流れるための流路を構成する部分の少なくとも一部には、当該触媒の触媒成分が備えられていてもよい。このような構成によれば、触媒の側面にも触媒成分が備えられているため、上記流路においても触媒機能を発揮することができ、排気ガスの浄化性能を向上させることができる。
図1は、実施形態のEGR装置の模式的な正面図である。 図2は、図1のII-II線での模式的な断面図である。 図3は、図2のIII-III線での模式的な断面図である。 図4は、実施形態のEGR装置の模式的な斜視図である。 図5は、図1とは異なる実施形態のEGR装置の模式的な斜視図である。 図6は、図1とは異なる実施形態のEGR装置の模式的な斜視図である。 図7は、図1とは異なる実施形態のEGR装置の模式的な斜視図である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.実施形態]
[1-1.構成]
図1~図4に示すEGR装置1は、内燃機関の排気ガス流路内に設けられる。
EGR装置1は、排気ガスの浄化を行うと共に、浄化した排気ガスの一部を内燃機関に循環させる。EGR装置1が設けられる内燃機関としては、例えば、自動車に用いられるガソリンエンジン又はディーゼルエンジンが挙げられる。
EGR装置1は、上流コーン2と、触媒コンバータ3と、下流コーン4と、EGR配管5とを備える。上流コーン2、後述する触媒コンバータ3の外筒31、及び下流コーン4によって、内燃機関の排気ガスが流入するケース11が構成される。
<上流コーン>
上流コーン2は、内燃機関の排気ガスが導入される部材である。上流コーン2は、EGR装置1において排気ガスの流れ方向における最も上流側に配置されている。
上流コーン2は、図3に示すように、上面と下面とがそれぞれ開口し、上流側から下流側に向かって拡径する円錐台状の筒体である。上流コーン2は、導入口21を有する。
導入口21は、排気ガスを上流コーン2の内部に導入する開口であり、上流コーン2の上流側の端部に設けられている。導入口21には、内燃機関に連結された排気マニホールド等が接続される。
上流コーン2は、上流側の端部が導入口21を構成し、下流側の端部は後述する触媒コンバータ3の外筒31に連通した開口を構成している。上流コーン2は、導入口21及び外筒31に連通した第1空間S1を画定している。
<触媒コンバータ>
触媒コンバータ3は、上流コーン2の下流側に配置されている。触媒コンバータ3は、外筒31と、触媒32と、マット33と、EGR取り出し口34とを有する。
外筒31は、上流コーン2に連結された筒状の部材である。外筒31の上流側の端部は、上流コーン2の下流側の開口に溶接等によって固定されている。外筒31には、触媒32とマット33とが格納されている。また外筒31の周壁部分、言い換えると、ケース11における触媒32の側面32aを覆う部分に、EGR取り出し口34が形成されている。なお触媒32の側面32aを覆う部分とは、外筒31の周壁のうち、触媒32の上流側端部と下流側端部の間の位置である。
触媒32は、触媒32に設けられた触媒成分と排気ガスとの接触によって排気ガス中の環境汚染物質を改質又は捕集し、排気ガスを浄化する。触媒成分とは、例えば、白金族元素や希土類などであってもよい。
触媒32は、ケース11の内部に格納される。より具体的には外筒31の内部に格納される。また触媒32は、排気ガスが外筒31の軸方向に流れる複数の流路35を外筒31内に構成している。複数の流路35同士は互いに連通しないが、連通していてもよい。上述した触媒成分は、流路35を構成する壁面と、側面32aと、に備えられている。
触媒32は、例えば、排気ガスの流れ方向と垂直な断面が多角形(例えば四角形、六角形等)の複数のチューブが集合した立体形状を有する。つまり、触媒32は、外筒31の軸方向に延伸する複数の仕切り板が格子状に配置された立体形状(例えばハニカム形状)を有する。なお上述した側面32aは、触媒32における第1空間S1を向く面及び第2空間S2を向く面を底面としたときの側面である。
マット33は、図2及び図3に示すように、外筒31と触媒32との間に配置された弾性変形可能な部材である。マット33は、外筒31の周方向に沿って、触媒32の側面を囲むように配置される。マット33は、実質的に排気ガスを通過させない。ここでいう実質的とは、EGR装置1の触媒コンバータ3の機能や性能に影響する程度の排気ガスの漏れが生じていないことを意味する。言い換えると、マット33は、触媒コンバータ3の機能が損なわれない程度に排気ガスを通過させてもよい。またマット33は、図4に示されるように、第2空間S2側から第1空間S1側に向かって切欠き33aが形成されている。マット33が流路形成部に相当する。
EGR取り出し口34は、後述するEGR配管5が連結された開口である。EGR取り出し口34からはEGRガスが排出される。EGR取り出し口34は、ケース11における触媒32の側面32aを覆う部分、つまり外筒31の周壁に設けられている。またEGR取り出し口34は、外筒31を上流側の部分と下流側の部分とに区分した場合に下流側の部分に設けられている。またEGR取り出し口34は、マット33の切欠き33aが形成された位置に重ねて設けられている。EGR取り出し口34の開口面積は、導入口21の開口面積よりも小さい。EGR取り出し口34は、バーリング加工により穴の周囲が外側に向けて立ち上がっている。
<下流コーン>
図1及び図3に示すように、下流コーン4は、触媒コンバータ3の下流側に連結された部材である。下流コーン4は、上面と下面とがそれぞれ開口し、上流側から下流側に向かって縮径する円錐台状の筒体である。
下流コーン4の上流側の開口は、外筒31の下流側の端部に溶接等によって固定されている。下流コーン4の下流側の開口は、EGR装置1から排気ガスが排出される排出口41を構成している。下流コーン4は、外筒31及び排出口41に連通した第2空間S2を画定している。
<EGR配管>
EGR配管5は、排気ガスの一部を内燃機関に循環させるための配管である。EGR配管5は、一端が触媒コンバータ3のEGR取り出し口34に溶接等によって連結されている。
<排気ガスの流れ>
図3に示すように、触媒32の流路35は、排気ガスの流れ方向における当該触媒32よりも上流側の第1空間S1と、触媒32よりも下流側の第2空間S2とを連結するように形成されている。
マット33は、ケース11と触媒32の側面32aとの間に配置される。マット33は、第1空間S1からEGR取り出し口34への排気ガスの流入を抑制するとともに、第2空間S2からEGR取り出し口34への排気ガスの流入を抑制しない。
そのため、導入口21から上流コーン2の第1空間S1内に導入された排気ガスは、触媒32を外筒31の軸方向に通過し、下流コーン4の第2空間S2内に流れ込む。
上述した切欠き33aが形成された空間は、排気ガスが第2空間S2からEGR取り出し口34まで流れるための流路36となる。よって、第2空間S2に流れ込んだ排気ガスの一部は、外筒31と触媒32との隙間の流路36を通ってEGR取り出し口34に到達し、EGR配管5に流れ込む。
このEGRガスの流れは、EGR配管5が触媒コンバータ3に対して負圧となることで発生する。EGR配管5に流れ込んだEGRガスは、内燃機関に供給される。
触媒コンバータ3によって浄化された排気ガスのうち、EGR配管5に供給されるEGRガスを除いた残りの部分は、下流コーン4の排出口41から図示しない配管を通じて大気に向かって排出される。
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)上流コーン2から触媒32を通過して下流コーン4に到達した排気ガスの一部は、外筒31と、触媒32の側面32aと、の間に形成された流路36を上流側方向に流れ、外筒31のEGR取り出し口34から排出される。そのため、触媒32で浄化された排気ガスを、触媒32の側面を覆う外筒31の壁面からEGRガスとして取り出すことができる。その結果、下流コーン4にEGRガスの流路を形成する必要がなくなり、下流コーン4のサイズ増加が抑制されるため、EGR装置1の搭載に必要な自動車のスペースが低減できる。
(1b)EGR装置1では、マット33は、外筒31内に触媒32を保持する。またマット33は、第1空間S1からEGR取り出し口34への排気ガスの流入を抑制するとともに、第2空間S2からEGR取り出し口34へのガスの流入を抑制しない流路形成部としても機能する。そのため、流路形成部としての機能のみを奏する新たな部材を設ける必要がなく都合がよい。
また、流路36は切欠き33aにより形成されるため、マット33は流路36を形成するために必要な部分のみが削られることとなる。そのため、マット33の面積が小さくなることの影響を低減でき、マット33による触媒32を保持する機能の低下を抑制することができる。
(1c)EGR装置1では、触媒32の側面32aにも触媒成分が備えられているため、流路36においても触媒機能を発揮して、高度に排気ガスの浄化性能を向上させることができる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態のEGR装置1では、マット33が流路形成部である構成を例示した。しかしながら、マット33は流路形成部としては機能せず、流路形成部として別の要素が備えられていてもよい。例えば、第1空間S1からEGR取り出し口34への排気ガスの流入を抑制するシール部材が設けられていてもよい。
なお、上記実施形態ではマット33として例示した流路形成部は、第1空間S1からEGR取り出し口34への排気ガスの流入を抑制するとともに、第2空間S2からEGR取り出し口34への排気ガスの流入を抑制しない構成であればよい。ここで、上述した「第1空間S1からEGR取り出し口34への排気ガスの流入を抑制する」とは、排気ガスの流入を高度に抑制するという意味に限定されない。つまり、流路形成部は第1空間S1からEGR取り出し口34への排気ガスの流入量を低減できればよい。また、上述した「第2空間S2からEGR取り出し口34への排気ガスの流入を抑制しない」とは、内燃機関に送るべき流量の排気ガスが第2空間S2から流入可能であるという意味である。つまり、流路形成部は第2空間S2からEGR取り出し口34へ流路において圧力損失を発生させない、という意味ではない。流路形成部は、例えば、第1空間S1からEGR取り出し口34への排気ガスの流路抵抗が、第2空間S2からEGR取り出し口34への排気ガスの流路抵抗よりも大きくなるように構成されたものを含む。
(2b)上記実施形態のEGR装置1では、マット33に矩形の切欠き33aが形成される構成を例示した。しかしながら、切欠きによって第2空間S2からEGR取り出し口34までの流路が形成されるならば、切欠きの具体的な形状は特に限定されない。例えば図5に示される切欠き33bのように三角形であってもよいし、図6に示される切欠き33cのように台形であってもよい。
また、マット33には切欠きが設けられていなくてもよい。例えば図7に示されるマット51のように、マット51が第2空間S2からEGR取り出し口34までの排気ガスの流れを阻害しないように配置されていてもよい。
(2c)上記実施形態のEGR装置1では、触媒32の側面32aにも触媒成分が備えられている構成を例示した。しかしながら、側面32aには触媒成分が備えられていなくてもよい。また、側面32aの一部分、例えば切欠き33aが形成される部分にのみ触媒成分が備えられていてもよい。
(2d)上記実施形態では、EGR取り出し口34が外筒31における下流側の部分に形成される構成を例示したが、外筒31における軸方向の中央部分や上流側部分に形成されていてもよい。
(2e)ケース11の具体的な構成は、上記実施形態のEGR装置1にて例示した構成に限定されない。つまり、内燃機関のガスが流入可能であり、内部に触媒32を保持可能であればよく、上述した上流コーン2、外筒31、下流コーン4と同等の形状や構成を備えていなくてもよい。
(2f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…EGR装置、2…上流コーン、3…触媒コンバータ、4…下流コーン、5…EGR配管、11…ケース、21…導入口、31…外筒、32…触媒、32a…側面、33,51…マット、33a,33b,33c…切欠き、34…EGR取り出し口、35,36…流路、41…排出口、S1…第1空間、S2…第2空間

Claims (4)

  1. EGR装置であって、
    内燃機関の排気ガスが流入するケースと、
    前記ケースの内部に格納される触媒であって、前記排気ガスの流れ方向に関して当該触媒よりも上流側の第1空間と下流側の第2空間とを連結する流路を有する触媒と、
    前記排気ガスの一部を前記内燃機関に循環させるEGR配管と、
    前記ケースにおける前記触媒の側面を覆う部分に備えられ、前記EGR配管が連結されたEGR取り出し口と、
    前記ケースと前記触媒の側面との間に配置され、前記第1空間から前記EGR取り出し口への前記排気ガスの流入を抑制するとともに、前記第2空間から前記EGR取り出し口への前記排気ガスの流入を抑制しない、流路形成部と、
    を有する、EGR装置。
  2. 請求項1に記載のEGR装置であって、
    前記流路形成部は、弾性変形可能であるマットであり、
    前記マットは、前記ケースと前記触媒との間において、前記ケースの周方向に沿って、前記触媒の側面を囲むように配置される、EGR装置。
  3. 請求項2に記載のEGR装置であって、
    前記マットは、前記第2空間側から前記第1空間側に向かって切欠きが形成されており、
    前記切欠きが形成された空間が、前記排気ガスが前記第2空間から前記EGR取り出し口まで流れるための流路となる、EGR装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のEGR装置であって、
    前記触媒の側面のうち、少なくとも前記排気ガスが前記第2空間から前記EGR取り出し口まで流れるための流路を構成する部分の少なくとも一部には、当該触媒の触媒成分が備えられている、EGR装置。
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