<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた前扉用鉤部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部51は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された前面ブロック80aと、前面ブロック80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。
前面ブロック80aは透明樹脂により形成された遊技領域形成体310を有してなり、遊技領域形成体310の前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体310の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技領域形成体310は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図6及び図7に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体310の遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。
遊技領域形成体310には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口ユニット83(作動口83a,83b)、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体310の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体310には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘93や風車94等の各種遊技部品が配設されている。これら遊技釘93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
前面ブロック80a(遊技領域形成体310)の中央には中央開口85が形成されており、この中央開口を覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット500等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット500等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット500が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口ユニット83やスルーゲート84等が配設されている。作動口ユニット83には、可変表示ユニット500の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの下方に配設された下作動口83bとが設けられている。これら2つの作動口83a,83bのうち下作動口83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が併設されている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット500の側方:右ルート)には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技球が通過可能な大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉体が設けられている。開閉体は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(許容状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(阻止状態)とに切替可能となっている。また、同開閉体は、遊技盤ユニット80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド等)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット500について補足説明する。可変表示ユニット500は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置を構成しており、後述する報知・演出制御装置や表示制御装置によってその表示内容が制御される。可変表示ユニット500においては、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が例えば上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。
遊技領域形成体310には、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体310に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体310の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が可変表示ユニット500に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット500(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに大別されている。
なお、上述した可変入賞装置82及びスルーゲート84については、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球はそれら可変入賞装置82やスルーゲートに入賞することが回避される。一方、右ルートを流下する遊技球は上作動口83aに入賞することが回避される。このため、下作動口83bの電動役物91が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部96が形成されている。センターフレーム95の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路97を通じてステージ部96上に排出される。ステージ部96については、当該ステージ部96に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように、具体的にはステージ部96を介さない遊技球と比較して上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部96上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部96上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット500)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット500)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため可変表示ユニット500に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット500寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット500周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体310における右側の端部には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材や主表示ユニット87が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111~113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤ユニット80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤ユニット80側、詳しくは遊技盤ユニット80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤ユニット80(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤ユニット80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤ユニット80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体310の左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技盤ユニット80の背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、前面ブロック80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤ユニット80の背面に固定されることで、前面ブロック80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット500の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した可変表示ユニット500(図6参照)と、その可変表示ユニット500を駆動するための報知・演出制御装置140とが取り付けられている。これら可変表示ユニット500及び報知・演出制御装置140は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に可変表示ユニット500が前側且つ報知・演出制御装置140が後側となるように重ねて配置されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び可変表示ユニット500の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体251を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤ユニット80の背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図9に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット500を囲むのに十分な大きさを有する(図10参照)。
ベース部211には、外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図10に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
(可変表示ユニット500)
既に説明したように、本実施の形態においては、作動口ユニット83への入球に基づく抽選の結果が遊技盤ユニット80に搭載された可変表示ユニット500によって報知される構成となっており、この可変表示ユニット500に係る構成が特徴的なものとなっている。以下、図11~図14を参照して、本実施の形態における可変表示ユニット500について説明する。図11(a)は可変表示ユニット500の正面図、図11(b)は可変表示ユニット500の斜視図、図12は可変表示ユニット500の分解斜視図、図13は可変表示ユニット500の縦断面図、図14は可変表示ユニットの横断面図である。なお、図12においては、一部のドラムユニットについて後述する導光部を省略した状態で示している。
図11に示すように可変表示ユニット500は遊技機前方に開放された略箱状のハウジング521と、当該ハウジング521に左右に並ぶようにして収容された複数(詳しくは3つ)のドラムユニット523とを有してなり、ハウジング521が遊技領域形成体310に対してその背面側から固定されることで当該遊技領域形成体310と一体化されている。なお、ハウジング521については有色不透明となっており、ハウジング521外部からの光が当該ハウジング521の肉部を通じてその内部へ照射されないように遮光している。
ドラムユニット523については、その一部がハウジング521の開口522を通じて前方に突出している。この突出部分の一部が遊技盤ユニットに形成された中央開口85を通じて遊技機前方から視認可能となっている(図11(a)の2点鎖線参照)。つまり、中央開口85が可変表示ユニット500にて視認可能となる領域を規定する規定部又は窓部として機能している。
図12に示すように、ドラムユニット523は、ハウジング521への取付部を構成する板状のベース体524と、ベース体524によって保持された回転体(ドラム)525とを有してなる。ベース体524がハウジング521に固定された状態では、当該ベース体524によってハウジング521の内部領域が各ドラムユニット523に合せて左右に3等分されている。
回転体525はモータ526を介してベース体524に搭載されている。具体的にはモータ526がベース体524に固定されており、そのモータ526の出力軸に回転体525が固定されている。モータ526の出力軸はドラムユニット523の並設方向(左右方向)に延びており、当該出力軸の軸線(回動中心軸線CL)を中心に回転体525が回転する構成となっている。モータ526は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって駆動制御が行われる構成となっている。モータ526はステッピングモータであり、出力される駆動信号のパルス数によって回転体525の回転位置の調整が可能となっている。
なお、ベース体524には、回転体525の回転位置を検知する位置検知センサ527が搭載されている。位置検知センサ527は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140は位置検知センサ527からの検知情報(検知信号)に基づいて回転体525の回転位置を把握する。外力の影響や動作不良等の発生によって回転体525の回転位置にずれが生じた場合には、把握した位置情報に基づいて回転体525の回転位置が補正される(修正される)。
回転体525は、当該回転体525の骨格を構築する円形のフレーム531及びフレーム531の外周部分を覆う略円筒状且つ厚さが一定の導光部532により構成されている。図12に示すように、フレーム531は、モータ526の出力軸が固定される中心部としてのハブ535と、導光部532が固定される上記外周部分としての環状のリム536と、ハブ535及びリム536を繋ぐスポーク537とにより構成されている。
詳しくは、リム536は、回動中心軸線CLを中心とする左右1組の円環部541と、それら円環部541を連結する長尺状の連結部542とを有している。導光部532は、連結部542にフレーム531の外側から重ね合わされた状態で固定手段を用いて当該連結部542に固定されている。本実施の形態に示すフレーム531については無色透明な合成樹脂製となっており且つ上記固定手段として無色透明な接着剤が用いられている。これは、導光部532が目視される場合に、フレーム531や当該フレーム531への固定部分(固定手段)を目立ちにくくさせるための工夫である。
図13に示すように、導光部532の内側には背景表示装置529が配設されている。背景表示装置529は、海辺を模した絵柄が付与された装飾シート581と、当該装飾シート581の背後に位置し装飾シート581へ光を照射するバックライト582と、装飾シート581及びバックライト582が搭載されたホルダ583とを有し、ホルダ583がベース体524に固定されることでベース体524と一体化されている。装飾シート581は絵柄が付与されたシート面が遊技機前方(中央開口85側)を向くようにして配設されており、導光部532の内面部552にフレーム531の内側から隙間を隔てて対向している。これにより、導光部532を通じて装飾シート581に描かれた背景を遊技機前方から視認可能となっている。なお、装飾シート581は、光透過性を有しているものの有色不透明となっており、当該装飾シート581を通じてその奥側に位置するバックライト582等を視認不可となるように構成されている。
バックライト582は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって点灯/消灯の切り替えがなされる。バックライト582が点灯することにより、当該バックライト582からの光は装飾シート581を通過し、装飾シート581が明るく発光することとなる。
次に図14を参照して、導光部532の発光に係る構成について説明する。フレーム531のリム536には、導光部532に対してベース体524側とは反対側から当接する当接部543が形成されている。この当接部543によって導光部532の左右位置が規定されている。導光部532における当接部543とは反対側(ベース体524側)の端部については、リム536から側方に延出している。ベース体524には、この延出している部分(端部)が挿入される挿入部561が形成されている。
挿入部561は、導光部532側に開放された溝状をなしており、この開放部分(以下、第1開放部564という)を通じて導光部532の端部が挿入部561へ挿入されている。挿入部561の底部562を挟んで導光部532とは反対側には、複数の発光体572(詳しくはLED)が実装された発光基板571が配設されている。発光基板571は報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140によって当該発光基板571の発光制御が行われる。
挿入部561の底部562には、各発光体572に合わせて貫通孔563が複数形成されており、発光基板571に実装された発光体572が当該貫通孔563を通じて導光部532の端面554と対峙している。各発光体572の光軸は上記回転体525の回動中心軸線CLと同じ方向を向いており、それら発光体572からの光が導光部532の端面554に照射される。なお、ベース体524(挿入部561を含む)については有色不透明な合成樹脂材料製となっており、光を吸収する機能が付与されている。これにより、挿入部561からの光漏れが抑制されている。なお、本実施の形態においては、導光部532の端面554は、回動中心軸線CLと直交する仮想平面上に位置しており、発光体572と端面554との距離は何れの回動位置においても一定となるように構成されている。
図15の概略図に示すように、発光体572からの光は、導光部532の外面部551及び内面部552にて反射を繰り返して、当該導光部532における反対側の端面へ向かう。ここで、導光部532の外面部551には、微細な凹凸からなる光放出部553が形成されている。導光部532に供給された光は、この光放出部553に到達することで、遊技機前方へ放出されることとなる。光放出部553については、後述する各種図柄に対応しており、光放出部553が発光することで導光部532の外面部551にそれら図柄が表示される構成となっている。言い換えれば、光放出部553が発光していない場合には図柄が非表示となる。なお、光放出部553については微細な凹凸により形成されているため、遊技ホールの照明等の環境光が導光部532に移り込むことにより、通常であれば実質的に視認不可又はきわめて困難である光放出部553について目視が可能となり得る。詳細については後述するが、本実施の形態に示す可変表示ユニット500においてはこのような不都合の発生を抑える工夫がなされている。
本実施の形態に示す回転体525については、回動方向に分けて設けられた複数の導光パネル555~557を組み合わせることで全体として略円筒状をなす導光部532が構築されている。以下、図16を参照して、導光部532の具体的構成について補足説明する。
導光パネル555~557は、透明な合成樹脂製となっており、何れも厚さが一定且つ曲率が一定となる板状をなしている。また、回転体525の回動方向における長さ寸法及び回動中心軸線CL方向の幅寸法についても同一となっており、上記光放出部553(表示される図柄)を除きその外観が同一となるように形成されている。導光パネル555~557は、上記固定手段である透明な接着剤を用いてフレーム531のリム536(詳しくは連結部542)に各々固定されているものの、それら導光パネル555~557については互いに非固定となっている。
上述したように、導光部532における一方の端部が挿入部561に挿入される構成では、光の供給効率の向上等を図る上で、挿入部561の内面と導光部532とを極力近接させることが好ましい。しかしながら、このような構造とする上では、製造誤差や経時変化によって導光パネル555~557に歪みが生じることへ配慮して両者の隙間にある程度の余裕代を加味する必要がある。ここで、本実施の形態においては、導光パネル555~557を互いに非固定とすることにより、導光パネル555~557を固定した場合に生じえる歪みを回避することが可能となっている。これにより、上記余裕代を極力小さくすることが可能となっている。
なお、導光部532を用いて回転体525を構築した場合には、可変表示ユニット500における表現力を向上させることができる反面、回転体525の重量が嵩みやすくなる。これは、回転体525を回転/停止させる際の応答性を低下させる要因になると懸念される。この点、本実施の形態においては、図16(b)に示すように、導光パネル555~557については厚さ方向における重なりが回避されている。これにより、導光部532の重量増を抑え、応答性の低下を抑制している。
導光パネル555~557間の境界部位BP1においては、隣り合う導光パネル555~557が隙間を隔てて相対向している。これは、製造誤差等によって導光パネル555~557が大きさにばらつきが生じた場合に、境界部位BP1にて導光パネル555~557同士が強干渉することを回避する工夫である。導光パネル555~557の強干渉を回避することで、それら導光パネル555~557に上記歪等の変形が生じることを抑制できる。
また、図16(b)に示すように、境界部位BP1については、フレーム531の連結部542に対して回動方向にずれており、各導光パネル555~557については回動方向における両端が非固定(自由端)となっている。これは、境界部位BP1から接着剤による固定箇所を離す工夫である。
次に、図17を参照して、挿入部561について補足説明する。挿入部561は、導光部532において開口522から遊技機前方に張り出している部分に沿って延びている。挿入部561における上下両側の開放部分(以下、第2開放部565という)については、端部に向けて徐々に幅が大きくなるように拡張されている。これにより、第2開放部565を境界部位BP1が通過する際の引っ掛かりを抑制している。
第2開放部565を拡張した場合には、サイドライト528からの光漏れ生じやすくなる。これに対して、本実施の形態では第2開放部565についてはともに後向きとなるように、詳しくは後斜め後方を向くように形成されている。これにより、第2開放部565から光が漏れる場合に当該光を遊技者の目に入りにくくする工夫である。
なお、挿入部561の底部562についても、導光部532との距離が当該挿入部561の上下両端に向けて大きくなるように形成することも可能である。このような構成とすれば、境界部位BP1が挿入部561を通過する際の引っ掛かりを一層好適に抑制することができる。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、パチンコ機10の電気的構成について図18のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサ611a~611eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサ611a~611eの一部として、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口ユニット83(上作動口83a、下作動口83b)及びスルーゲート84などの各種入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた検知センサがそれぞれ接続されており、これら検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて主制御装置162のMPU602により各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した作動口83a,83b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、可変入賞装置82の開閉扉を開閉動作させる可変入賞駆動部82c、下作動口83bの電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部91c、及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口が開閉されるように、MPU602において可変入賞駆動部82cの駆動制御が実行される。また、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部91cの駆動制御が実行される。また、MPU602によって主表示ユニット87の表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報等が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板605は主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板605には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部26~28やスピーカ部29、遊技盤ユニット80に設けられた可変表示ユニット500を制御するものである。特に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力された各種コマンドに基づいて各遊技回における演出態様、例えば可変表示ユニット500における図柄の変動表示態様の概要(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示(確定表示)させる図柄の組み合わせの種類)を決定する機能を有している。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87の表示の設定、可変表示ユニット500の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図19の概略図に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、可変表示ユニット500にて外れ変動が行われる場合のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87及び可変表示ユニット500における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ631において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア632に格納される。
保留球格納エリア632は、上作動口用保留エリアRa及び下作動口用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、第1エリアRa1,Rb1、第2エリアRa2,Rb2、第3エリアRa3,Rb3、第4エリアRa4,Rb4を備えており、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ631に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアRa1~Ra4,Rb1~Rb4に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリアRa1,Rb1~第4エリアRa4,Rb4には、上作動口83a又は下作動口83bへの入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1,Rb1→第2エリアRa2,Rb2→第3エリアRa3,Rb3→第4エリアRa4,Rb4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアRa1~Ra4,Rb1~Rb4が設けられていることにより、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア632には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口83a又は下作動口83bへの入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、主表示ユニット87の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアRa1,Rb1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」~「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」~「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口83bの電動役物91におけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数種の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードにおいて低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート84への入賞に基づき役物用結果表示部にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用結果表示部における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0~19」が通常大当たり結果に対応しており、「20~29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口83a又は下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留エリアREに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU602では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な可変表示ユニット500を備え、開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、可変表示ユニット500における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、可変表示ユニット500に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
ここで、図20を参照して各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び当該変動表示の概要について説明する。図20は可変表示ユニット500における表示の概要を説明するための説明図である。なお、以下の説明においては、左ドラムに係る構成については識別用の符号の末尾に「L」、中ドラムに係る構成については識別用の符号の末尾に「M」、右ドラムに係る構成については識別用の符号の末尾に「R」を付与して適宜区別する。
可変表示ユニット500には、左・中・右の3つの図柄列が設定されており、これら各図柄列に対応させて左変動表示領域DL、中変動表示領域DM、右変動表示領域DRが設けられている。可変表示ユニット500においては、各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(例えば上から下)にスクロールするように変動表示される。各変動表示領域DL,DM,DRには、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
図21の(a)~(j)に示すように、上記図柄として、「1」~「9」の数字である9種類の主図柄と、貝殻を模した絵図柄である副図柄とにより構成されている。奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「高確率図柄」に相当し、当該高確率図柄が揃うことで特別遊技状態たる大当たり状態に突入し、さらにその後、高確率時の状態に移行する。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「低確率図柄」に相当し、当該低確率図柄が揃うことで大当たり状態に移行するが、かかる場合には高確率時の状態には移行しない。
図22(各ドラムの導光部532を平面的に示した概略図)に示すように、左図柄列及び中図柄列は、9個の主図柄が副図柄を挟んで降順に配列されている。これに対して、右図柄列は、9個の主図柄が副図柄を挟んで昇順に配列されている。なお、図22においては、説明の便宜上、導光部532に設けられた光放出部553が発光した状態を示している。
図20の説明に戻り、可変表示ユニット500には、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、左上がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際しては、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に図柄の変動表示が停止され、有効ラインL1~L5の何れかに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
上述したリーチ表示が行われる場合には、最初に左変動表示領域DLにおいて図柄の変動表示が終了され、さらに右変動表示領域DRにおいて図柄の変動表示が終了された状態において、有効ラインL1~L5の少なくともいずれかに同一の数字が付された図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況下において中変動表示領域DMにおいて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
図19の説明に戻り、変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87における変動表示時間と、可変表示ユニット500における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、可変表示ユニット500による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0~249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり249)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~199であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=200~249であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、可変表示ユニット500における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、主表示ユニット87における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に記憶された停止結果テーブルが参照される。
ここで、図23の概略図を参照して、可変表示ユニット500における図柄表示について補足説明する。既に説明したように、本実施の形態に示す回転体525は導光部532を有しており、サイドライト528から導光部532に光が供給されることで、図柄が表示される。導光部532は透明となっており、当該導光部532を通じて背景表示装置529を視認可能となっている。このため、遊技機前方から可変表示ユニット500を見た場合には、背景の手前に図柄が浮かんでいるかのように見える。本実施の形態においては特に、背景表示装置と、導光部532の表示面である外面部551とが離されており、図柄と背景との離れが協調されている。
次に、図24の概略図を参照して、サイドライト528を構成する発光体572と図柄表示位置との関係について説明する。本実施の形態においては、発光体572が導光部532の端部に沿って一列となるように配列されている(図17参照)。これら発光体572については、導光部532に形成された各光放出部553のうち有効ラインL1(上段)に位置する光放出部553へ光を供給する上段用の発光体572aと、有効ラインL2(中段)に位置する光放出部へ光を供給する中段用の発光体572bと、有効ラインL3(下段)に位置する光放出部へ光を供給する下段用の発光体572cと、上段用の発光体572aの上側に配設された中央開口85における上限用の発光体572dと、上段用の発光体572a及び中段用の発光体572bの間に配設された中間用の発光体572eと、中段用の発光体572b及び下段用の発光体572cの間に配設された中間用の発光体572fと、下段用の発光体572cの下側に配設された中央開口85における下限用の発光体572gとに大別される。
上段用の発光体572aが点灯することにより、上段に位置する光放出部553から光が放出され当該上段に図柄が浮かび上がることとなる(表示されることとなる)。中段用の発光体572bが点灯することにより、中段に位置する光放出部553から光が放出され当該中段に図柄が浮かび上がることとなる(表示されることとなる)。下段用の発光体572cが点灯することにより、下段に位置する光放出部553から光が放出され当該下段に図柄が浮かび上がることとなる。
本実施の形態においては、回転体525の回動によって光放出部553が上段用の光供給範囲及び中段用の光供給範囲を跨いで移動する場合がある。これらの光供給範囲については、中間の発光体572eによる光の供給範囲を介して連なっている。中間の発光体572eからの光の供給によって上段~中段を移動する際に図柄が見えづらくなることが回避されている。また、回転体525の回動によって光放出部553が中段用の光供給範囲及び下段用の光供給範囲を跨いで移動する場合がある。これらの光供給範囲については、中間の発光体572fによる光の供給範囲を介して連なっている。中間の発光体572fからの光の供給によって中段~下段を移動する際に図柄が見えづらくなることが回避されている。
なお、中央開口85外から有効ラインL1上へ光放出部553が移る際には、当該光放出部553が上限用の発光体572dからの光の供給範囲を通過することで、有効ラインL1に到達する前から図柄の表示が開始されることとなる。また、有効ラインL3上から中央開口85外へ光放出部553が移る際には、当該光放出部553が下限用の発光体572gからの光の供給範囲を通過することで、有効ラインL3から外れた後も図柄の表示が継続される。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU602にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの各種処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、図25のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込み、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、上記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、報知・演出制御装置140に対して、保留記憶数と対応する保留ランプ部98を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア635にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
(作動口用の入賞処理)
ここで、図26及び図27のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口83aに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が上作動口83aに入球したと判定した場合には、ステップS202に進み、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS203では、上作動口83aに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上作動口83aへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204では、大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201にて遊技球が上作動口83aに入賞していないと判定した場合にはステップS205に進む。ステップS205では、遊技球が下作動口83bに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が下作動口83bに入球したと判定した場合には、ステップS206に進み、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、ステップS202,S206にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S701にて払出制御装置242に対して送信される。
続くステップS207では、下作動口83bに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下作動口83bへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS204にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、ステップS201,S205の両処理にてそれぞれ否定判定をした場合、すなわち上作動口83a及び下作動口83bのいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ここで、図27を参照して、ステップS204の情報取得処理について説明する。
(情報取得処理)
情報取得処理においては先ずステップS301にて、保留球格納エリア632の保留数記憶領域FEに格納された始動保留球数N、詳しくは上作動口83a及び下作動口83bのうち当該情報取得処理の契機となった入球部に係る始動保留球数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS305では、作動口83a,83bへの入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置140に認識させるべく保留コマンドの設定処理を実行し、本情報取得処理を終了する。ステップS305の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて報知・演出制御装置140に送信されることとなる。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図28のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401~S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、可変表示ユニット500による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87の作動口用表示部の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS405では、作動口ユニット83に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア633に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、上記スルーゲート用表示部の表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ステップS401~S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化する。このため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS501の遊技回制御処理を図29~図30のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図29のフローチャートに示すように、ステップS501にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503~ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506~ステップS508の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、主表示ユニット87の作動口用表示部が変動表示中であるか否かを判定する。作動口用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS503~ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア632に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて保留球格納エリア632の保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にて主表示ユニット87における変動表示及び可変表示ユニット500における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について詳細に説明する。
(データ設定処理)
データ設定処理では先ず、保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留球数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続いて、今回の設定処理の対象が上作動口83aへの入球に基づいている場合には、保留エリアREの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留エリアREの各エリアRa1~Ra4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRa1~第4エリアRa4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアするとともに、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
今回の設定処理の対象が下作動口83bへの入球に基づいている場合には、保留エリアREの第1エリアRb1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留エリアREの各エリアRb1~Rb4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリアRb1~第4エリアRb4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRb1のデータをクリアするとともに、第2エリアRb2→第1エリアRb1、第3エリアRb3→第2エリアRb2、第4エリアRb4→第3エリアRb3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図28)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140においては、シフト時コマンドを受信することで、保留情報のシフトが発生した旨を把握する。
(変動開始処理)
次に、ステップS505の変動開始処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS601にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、当否抽選モードが低確率モードである場合には、ROM603の当否テーブル記憶エリア621に記憶された低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、当否抽選モードが高確率モードである場合には、ROM603の当否テーブル記憶エリア621に記憶された高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS602では、ステップS601における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS603にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が確変大当たり結果に対応した情報に含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が上作動口83aへの入球に対応している場合には上作動口83a用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が下作動口83bへの入球に対応している場合には下作動口83b用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS604では、ステップS603における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS605にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS606にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS602にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS607にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS605~ステップS607の各停止結果設定処理では、主表示ユニット87に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603の停止結果テーブル記憶エリアに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS605及びステップS606では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。具体的には、ステップS605では確変大当たりフラグを格納し、ステップS606では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS605~ステップS607のいずれかの処理を実行した後は、ステップS608にて、変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、先ず、上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、今回の遊技回において可変表示ユニット500Wにてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生とする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM603のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
大当たり結果である場合又は外れ結果であってもリーチ発生に対応している場合には、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM604の各種カウンタエリア634に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
詳細については後述するが、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
一方、大当たり結果ではなく且つ外れ結果であってリーチ発生に対応していない場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア623に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理の説明に戻り、ステップS608にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS609にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS609にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図28)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置140は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における可変表示ユニット500での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように可変表示ユニット500を制御する。その後、ステップS610にて主表示ユニット87の作動口用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図29)の説明に戻り、主表示ユニット87が変動表示中である場合には、ステップS506~ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図25)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示ユニット87における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS505~ステップS507のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示ユニット87にて停止表示されるように当該主表示ユニット87を制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図28)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
既に説明したように本実施の形態では、可変表示ユニット500における図柄の変動表示態様の概要が主制御装置162からのコマンドを参照して報知・演出制御装置140により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細が当該報知・演出制御装置140によって決定される構成となっている。具体的には、報知・演出制御装置140のMPU652では、所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として変動表示制御処理が実行され、この変動表示制御処理にて図柄の変動表示態様の概要等が特定される。ここで、図31のフローチャートを参照して変動表示制御処理について説明する。
(変動表示制御処理)
変動表示制御処理においては、先ずステップS701にて遊技回中であるか否か、すなわち可変表示ユニット500にて1遊技回分の図柄の変動表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS702に進み、主制御装置162から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS702にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS702にて肯定判定をした場合には、ステップS703にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
ステップS701の説明に戻り、当該ステップS701にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS704に進む。ステップS704では主制御装置162から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS704にて否定判定をした場合には、ステップS705にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更を行う処理である。
ステップS704にて肯定判定をした場合にはステップS706に進み、当該ステップS706にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、図柄の変動表示や実行されている演出を当該遊技回に係る抽選結果に対応するようにして終了させる(確定停止させる)。具体的には、可変表示ユニット500にて図柄を確定停止させるよう制御する。かかる処理では、スピーカ部29やランプ部26を駆動制御することで確定停止に対応する演出を行う。その後、本変動終了用処理を終了する。
(変動開始用処理)
ここで、図32のフローチャートを参照して、ステップS703の変動開始用処理について補足説明する。変動開始用処理は、主制御装置162から送信された変動用コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。変動開始用処理では、遊技回用の演出としてリーチ表示等の変動表示態様や確定表示させる図柄組合せを決定する。
変動開始処理においては、先ずステップS801にて今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置162から変動用コマンドが送信される場合には種別コマンドも併せて送信される。ステップS1201では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS2101では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU652のレジスタに記憶する。
続くステップS802では、ステップS801にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、続くステップS803にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の停止結果を決定する(停止結果決定処理を行う)。停止結果決定処理においては、確変大当たり結果である場合に、一の有効ラインL1~L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、通常大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1~L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインL1~L5は抽選等によってランダムに決定される。ROM653の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインL1~L5とアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM654に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM654の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
また、大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の変動表示態様を決定する(変動表示態様決定処理(演出パターン決定処理)を行う)。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合、その結果はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様決定処理では、ROM653の各種テーブルエリアに記憶されているリーチ表示用の変動表示パターンテーブルを取得し、今回受信している変動用コマンドの変動表示時間及び種別コマンドにおける遊技結果に対応したノーマルリーチ表示又はスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM654のパターンアドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下に示す変動表示態様決定処理においてもROM653の変動表示パターンテーブル記憶エリアから対応する変動表示パターンテーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応した演出パターンを決定する。そして、演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報をRAM654のパターンアドレス記憶エリアに記憶する。
ステップS802にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS804に進む。ステップS804では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS805に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。リーチ発生用の演出設定処理では演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。前者については、上記ステップS803の処理と同様であるため説明を援用する。本処理は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1~L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1~L5上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS804にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS806に進む。ステップS806では、通常外れ用の演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理は完全外れに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。
ステップS803、ステップS805、ステップS806のいずれかの処理を実行した後は、ステップS807に進む。ステップS807では、今回の遊技回における演出を実行するべく可変表示ユニット500の表示制御(変動表示制御)を行う。これにより、各ドラムユニット523が回転を開始する。また、上記ステップS803、ステップS805、ステップS806にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部29やランプ部26の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
以下、図33~図35を参照して、可変表示ユニット500における図柄の変動表示態様について補足説明する。図33は変動表示態様と大当たり期待度との関係を示す概略図、図34は後述する特殊変更非対応のノーマルリーチの流れを示す概略図、図35は後述する特殊変更対応のノーマルリーチの流れを示す概略図である。
図33に示すように、本実施の形態における図柄の変動表示態様は、完全外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの3つに大別される。ノーマルリーチ及びスーパーリーチについてはリーチ表示へ移行するまでの図柄の変動表示態様が共通化されており、少なくともリーチ表示へ移行するまでは、それまでの図柄の変動表示態様からノーマルリーチ及びスーパーリーチの何れに移行するかが非明示となっている。
ノーマルリーチ及びスーパーリーチを比較した場合、リーチ表示移行後の中図柄のスクロール速度に差が設けられている。詳しくは、ノーマルリーチの場合には、スーパーリーチの場合と比較して中図柄のスクロール速度が低くなるように設定されている。ノーマルリーチと比べてスーパーリーチの方が大当たり結果となって特別遊技状態へ移行する期待度が高い。このため、特別遊技状態への移行に期待する遊技者は、スーパーリーチへ移行することに期待して図柄の変動表示に注目するものと想定される。
(特殊変更非対応のノーマルリーチ)
図34では外れ結果対応のノーマルリーチの流れを例示している。図34(a)に示すように、作動口83a,83bへの入球に基づいて遊技回が開始されると、各変動表示領域DL,DM,DRにて図柄の変動表示、詳しくは各変動表示領域DL,DM,DRを上側から下側へ縦断するようにしたスクロール表示が開始される。
その後は、左図柄列→右図柄列の順に停止表示され、図34(b)に示す例では、有効ラインL4上に停止表示された「7」図柄及び有効ラインL5上に停止表示された「6」図柄によって2つのリーチラインが形成されている。
リーチラインが形成された直後の所定のタイミングでは、図34(c)に示すように、中図柄列のスクロール速度が第1定常速度(低速)となり且つこれに合わせて左図柄列及び右図柄列にてリーチラインを形成していない他の図柄が非表示となる。具体的には、左変動表示領域DLの中段用の発光体572bLと右変動表示領域DRの中段用の発光体572bRとが消灯することで、中段に表示されていた副図柄が非表示となる。
本実施の形態に示す可変表示ユニット500においては図柄の表示に導光部532とサイドライト528とを併用しており、サイドライト528からの光の供給が停止されることで、図柄が非表示となる。導光部532に形成された光放出部553については目を凝らせば図柄の模様を識別不可能ではないが、他の図柄等が周辺で発光していることも相まって当該模様の識別は困難となる。
その後は、図34(d)→図34(e)に示すように中変動表示領域DMにて中図柄列のスクロール表示が継続され、最終的に中変動表示領域DMの中段に「4」図柄が停止表示されることで、外れ結果である旨が遊技者に明示される。
本実施の形態においては、ノーマルリーチ及びスーパーリーチに係る遊技回の一部にて中図柄列が停止した後に再変動表示され、中図柄が入れ替わる場合がある(以下、特殊変更という)。このような特殊変更が発生した場合には、ノーマルリーチ及びスーパーリーチの何れにおいても大当たり期待度が高くなる。ここで、図35を参照して、当該特殊変更の流れについて説明する。
(特殊変更対応のノーマルリーチ)
作動口83a,83bへの入球に基づいて遊技回が開始されると、各変動表示領域DL,DM,DRにて図柄の変動表示、詳しくは各変動表示領域DL,DM,DRを上側から下側へ縦断するようにしたスクロール表示が開始される。その後は、左図柄列→右図柄列の順に停止表示され、図35(a)に示す例では、有効ラインL2上に停止表示された「7」図柄によって1つのリーチラインが形成されている。
リーチラインが形成された直後の所定のタイミングでは、図35(b)に示すように、中図柄列のスクロール速度が第1定常速度(低速)となり且つこれに合わせて左図柄列及び右図柄列にてリーチラインを形成していない他の図柄が非表示となる。具体的には、左変動表示領域DLの上段用の発光体572aL及び下段用の発光体572cLと、右変動表示領域DRの上段用の発光体572aR及び下段用の発光体572cRとが消灯することで、上段及び中段に表示されていた副図柄が非表示となる。
その後は、図35(c)に示すように中図柄列がスクロール表示を継続し、図35(d)に示すように有効ラインL2に「7」図柄以外の図柄を一旦停止表示させる。中図柄列が一旦停止表示されてから、所定の待機期間を経過したタイミングでは、図35(e)に示すように、中図柄列が非表示となる。具体的には、中変動表示領域DM用の全ての発光体572が消灯することで中図柄列が非表示となる。
その後は、図35(f)に示すように、中図柄列が再表示された場合には、有効ラインL2上に位置する図柄が副図柄から「8」図柄に入れ替わり、当該遊技回が外れ結果である旨が明示される。その後、確定表示期間を経過することで、非表示となっていた他の図柄についても再表示され、3×3の計9個の図柄が表示されることとなる。
ここで、図36~図38のフローチャートを参照して、変動表示制御処理(図31)における変動中用処理について説明する。
(変動中用処理)
図36に示すように、変動中用処理においては、ステップS901にてサイドライト528及びバックライト582の点灯/消灯の切り替え判定を行い、続くステップS902にて強制的に発光を規制する対象を決定するための発光規制処理を行い、ステップS903ではそれらステップS901及びS902における設定事項に基づいてサイドライト528及びバックライト582の発光制御とモータ526の駆動制御とを行う。
(発光・駆動設定処理)
図37に示すように、発光・駆動設定処理においては先ず、ステップS1001にてRAM654の各種フラグ格納エリアに特殊変動表示移行フラグが格納されているか否かを判定する。この特殊変動表示移行フラグは、上述した図柄の特殊変更が行われる場合に格納され、該当遊技回が終了した場合に消去されるフラグである。ステップS1001にて否定判定をした場合には、ステップS1002に進む。
ステップS1002では、RAM654の各種フラグ格納エリアにリーチ表示移行フラグが格納されているか否かを判定する。リーチ表示移行フラグは、リーチ表示平行する場合に格納され、上記特殊変更へ移行する場合又は該当遊技回が終了する場合に消去されるフラグである。ステップS1002にて否定判定をした場合には、ステップS1003に進む。
ステップS1003では左変動表示領域DLにて左図柄列を停止表示させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1003にて肯定判定をした場合には、ステップS1004に進み、左ドラム(回転体525L)の停止用処理を実行する。具体的には、左ドラム用のモータ526Lへの駆動信号の出力を停止するためのフラグをセットする。上記ステップS903の発光・駆動制御処理においてはこのフラグと、変動開始時に決定された停止図柄とに基づいて、左変動表示領域DLに当該図柄が停止表示されるように停止制御が行われることとなる。
ステップS1003にて否定判定をした場合には、ステップS1005に進む。ステップS1005では、右変動表示領域DRにて右図柄列を停止表示させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1005にて否定判定をした場合には、そのまま本発光・駆動制御処理を終了する。
ステップS1005にて肯定判定をした場合には、ステップS1006に進み、右ドラム(回転体525R)の停止用処理を実行する。具体的には、右ドラム用のモータ526Rへの駆動信号の出力を停止するためのフラグをセットする。上記ステップS903の発光・駆動制御処理においてはこのフラグと、変動開始時に決定された停止図柄とに基づいて、右変動表示領域DRに当該図柄が停止表示されるように停止制御が行われることとなる。
ステップS1006にて停止用処理を実行した後はステップS1007に進み、今回の遊技回がリーチ表示に対応しているか否かを判定する。ステップS1007にて否定判定をした場合には、そのまま本発光・駆動設定処理を終了する。ステップS1007にて肯定判定をした場合には、ステップS1008に進む。
ステップS1008ではサイドライトの一部消灯用処理を実行する。この一部消灯用処理においては、左ドラムのサイドライト528L及び右ドラムのサイドライト528Rについて、リーチラインを形成していない図柄を非表示とすべく、一部の発光体572を消灯させるためのフラグをセットする。上記ステップS903の発光・駆動制御処理においてはこのフラグと、変動開始時に決定された図柄の停止位置(有効ライン)とに基づいて、一部の発光体572を消灯させるように発光制御が行われる。
続くステップS1009では背景表示装置529のバックライト582の点灯用処理を行う。具体的には、バックライト582を点灯させるためのフラグをセットする。上記ステップS903の発光・駆動制御処理においてはこのフラグに基づいて、バックライト582を点灯させるように発光制御が行われる。
本実施の形態においては、リーチ表示への移行に伴って背景が点灯表示され、大当たりが発生する可能性がある旨が示唆される構成となっている。詳細については後述するが、バックライト582を点灯させることにより、非表示とされた図柄に対応する光放出部553を目立ちにくくさせている。
その後は、ステップS1010にてRAM654の各種フラグ格納エリアに、リーチ表示移行フラグをセットして、本発光・駆動設定処理を終了する。
ステップS1002の説明に戻り、当該ステップS1002にて肯定判定をした場合、すなわちRAM654の各種フラグ格納エリアにリーチ表示移行フラグがセットされている場合には、ステップS1011に進む。ステップS1101では特殊変動表示への移行タイミングであるか否かを判定する。すなわち、図35に示したような特殊変更を実行するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1011にて否定判定をした場合には、ステップS1012に進む。ステップS1012では中図柄列の変動表示速度(スクロール速度)を変更するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1012にて否定判定をした場合には、そのまま本発光・駆動設定処理を終了する。ステップS1021にて肯定判定をした場合には、ステップS1013にて変動表示速度変更用処理を実行した後、本発光・駆動設定処理を終了する。
変動表示速度変更処理においては、中図柄の変動表示速度を変更させるためのフラグをセットする。上記ステップS903の発光・駆動制御処理においてはこのフラグに基づいて、中図柄列の変動表示速度を所定の速度となるように中ドラムのモータ526の駆動制御を行う。具体的には、今回のリーチ表示がノーマルリーチである場合には、中図柄列の変動表示速度が第1所定速度(低速)となるように回転体525Mの回転速度を制御し、スーパーリーチである場合には変動表示速度が第2所定速度(高速)となるように回転体525Mの回転速度を制御する。
ステップS1011の説明に戻り、当該ステップS1011にて肯定判定をした場合、すなわち特殊変動表示への移行タイミングである場合には、ステップS1014に進む。ステップS1014では、中ドラム(回転体525M)の一時停止用処理を実行する。具体的には、中ドラムを一時停止させるためのフラグをセットする。上記ステップS903の発光・駆動制御処理においてはこのフラグに基づいて、中ドラム用のモータ526Mへの駆動信号の出力を停止する。これにより、中変動表示領域DMには、変動開始時に設定された3つの図柄が停止表示されることとなる。なお、この時点でリーチライン上に一時停止される中図柄については、当該リーチラインにおける図柄組合せが外れ結果に対応する図柄組合せとなるように設定されている。
続く、ステップS1015にてRAM654の各種フラグ格納エリアに格納されているリーチ表示移行フラグを消去し、ステップS1016にてRAM654の各種フラグ格納エリアに特殊変動表示移行フラグをセットした後は、本発光・駆動設定処理を終了する。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて肯定判定をした場合、すなわちRAM654の各種フラグ格納エリアに、特殊変動表示移行フラグが格納されている場合には、ステップS1016にて特殊変動表示用処理を実行した後、本発光・駆動設定処理を終了する。以下、図38を参照して、特殊変動表示用処理について説明する。
(特殊変動表示用処理)
特殊変動表示用処理においては先ず、ステップS1101にて、上記特殊変更すなわち図柄の入れ替え表示を開始するタイミングであるか否かを判定する。ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1102に進む。
ステップS1102では中ドラム用サイドライトの消灯用処理を実行する。具体的には、サイドライト消灯用のフラグをセットする。上記ステップS903の発光・駆動制御処理においては、このフラグに基づいて中ドラム用サイドライトを消灯させる処理を行う。これにより、中図柄列を構成する各図柄が非表示となり、中変動表示領域DMに一時停止表示されていた各図柄が非表示となる。
続くステップS1103では中ドラムの駆動用処理を実行する。具体的には、中ドラムの再駆動用のフラグをセットする。上記ステップS903の発光・駆動制御処理においては、このフラグに基づいて中ドラムを回動させる。つまり、サイドライト528Mからの光の供給が行われていない状況下にて中ドラムが回動する。中ドラムについては、今回の遊技結果に対応した図柄組合せ(最終停止図柄組合せ)を構成する図柄(最終停止図柄)に対応した光放出部553が上記リーチライン上に位置する状態となるようにして回動する。
なお、特殊変更時の中ドラムの回動方向については、(1)上記境界部位BP1が中変動表示領域DMを通過する回数が最小になること、(2)回動量が最小になることの2つの条件に基づいて規定されている。例えば、正方向に中ドラムを回動させた場合には1つの境界部位BP1が中変動表示領域DMを通過し、逆方向に中ドラムを回動させた場合には2つの境界部位BP1が中変動表示領域DMを通過するような場合には、回動方向として正方向が設定される構成となっている。なお、これら(1)~(2)の各条件については、(2)よりも(1)が優先され、図柄が非表示となっている状況下にて中変動表示領域DMを境界部位BP1が移動することで、中ドラムが回動している事実を遊技者に悟られにくくしている。
ステップS1101の説明に戻り、当該ステップS1101にて否定判定をした場合には、ステップS1104にて図柄入替(特殊変更)の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1104にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊変動表示用処理を終了する。ステップS1104にて肯定判定をした場合には、ステップS1105に進む。ステップS1105では、中ドラム用サイドライトの一部点灯用処理を実行する。具体的には、一部点灯用のフラグをセットする。
上記ステップS903の発光・駆動制御処理においては、このフラグに基づいて中ドラム用サイドライトの一部点灯処理を実行する。具体的には、中変動表示領域DMにおける上段、中段、下段のうちリーチライン上に位置している部分へ光の供給を開始し、それ以外の部部へは光の供給を停止したままとする。例えば、今回形成されているリーチラインが中段を跨いでいる場合には、中段に対応する発光体572bを点灯させ、それ以外の発光体572a,572c~572gについては消灯させたままとする。これにより、突如として中図柄が入れ替わり、遊技結果の表示へのインパクトを強化できる。
以下、図39及び図40のタイミングチャートを参照してリーチ表示の流れについて補足説明する。図39は特殊変更非対応のリーチ表示の流れを示すタイミングチャート、図40は特殊変更対応のリーチ表示の流れを示すタイミングチャートである。
(特殊変更非対応のリーチ表示)
図39に示すように、特殊変更非対応のリーチ表示に係る遊技回が開始するta1のタイミングでは、各ドラムのサイドライト528L,528M,528Rが全て点灯しており、且つ背景表示装置529のバックライト582については消灯している。この状態にて各モータ526L,526M,526Rに駆動信号が出力されることで、各変動表示領域DL,DM,DRにて図柄列のスクロール表示が開始される。
変動開始後のta2のタイミングでは左ドラム用のモータ526Lへの駆動信号の出力が停止され、予め設定された回動位置にて左ドラムが停止する。これにより、左変動表示領域DLに予め設定された3つの図柄が停止表示されることとなる。続くta3のタイミングでは右ドラム用のモータ526Rへの駆動信号の出力が停止され、予め設定された回動位置にて右ドラムが停止する。これにより、右変動表示領域DRに予め設定された3つの図柄が停止表示されることとなる。
図39に示す例では、予め設定された有効ライン上に同一の図柄が停止されることでリーチラインが形成され、リーチ表示へと移行している。このta3のタイミングにて、背景表示装置529のバックライト582が点灯し、リーチ表示への移行が強調されている。また、ta3のタイミングでは、左変動表示領域DLに停止表示されている図柄のうちリーチラインを形成していないものについては非表示となるようにサイドライト528Lを構成する発光体572Lの一部が消灯される。また、右変動表示領域DRに停止表示されている図柄のうちリーチラインを形成していないものについても非表示となるようにサイドライト528Rを構成する発光体572Rの一部が消灯される。なお、この状況下においても、中ドラム用のサイドライト528Mを構成する発光体572Mについては全て点灯した状態に維持されている。
リーチ表示移行後のta4のタイミングでは、中変動表示領域DMにて図柄が停止表示され、遊技結果に対応する図柄組合せが形成される。これにより、遊技者に遊技結果が明示される。その後は、図柄の確定表示期間を経過したta5のタイミングにて、各サイドライト528を構成する発光体572が全点灯となり、バックライト582が消灯される。
(特殊変更対応のリーチ表示)
図40に示すように、特殊変更対応のリーチ表示に係る遊技回が開始するtb1のタイミングでは、各ドラムのサイドライト528L,528M,528Rが全て点灯しており、且つ背景表示装置529のバックライト582については消灯している。この状態にて各モータ526L,526M,526Rに駆動信号が出力されることで、各変動表示領域DL,DM,DRにて図柄列のスクロール表示が開始される。
変動開始後のtb2のタイミングでは左ドラム用のモータ526Lへの駆動信号の出力が停止され、予め設定された回動位置にて左ドラムが停止する。これにより、左変動表示領域DLに予め設定された3つの図柄が停止表示されることとなる。続くtb3のタイミングでは右ドラム用のモータ526Rへの駆動信号の出力が停止され、予め設定された回動位置にて右ドラムが停止する。これにより、右変動表示領域DRに予め設定された3つの図柄が停止表示されることとなる。
図40に示す例では、予め設定された有効ライン上に同一の図柄が停止されることでリーチラインが形成され、リーチ表示へと移行している。このtb3のタイミングにて、背景表示装置529のバックライト582が点灯し、リーチ表示への移行が強調されている。また、tb3のタイミングでは、左変動表示領域DLに停止表示されている図柄のうちリーチラインを形成していないものについては非表示となるようにサイドライト528Lを構成する発光体572Lの一部が消灯される。また、右変動表示領域DRに停止表示されている図柄のうちリーチラインを形成していないものについても非表示となるようにサイドライト528Rを構成する発光体572Rの一部が消灯される。なお、この状況下においても、中ドラム用のサイドライト528Mを構成する発光体572Mについては全て点灯した状態に維持されている。
リーチ表示移行後のtb4のタイミングでは、中変動表示領域DMにて図柄が一時停止表示され、外れ結果に対応する図柄組合せが形成される。このtb4のタイミング以降が上記特殊変更(特殊変動表示)である。なお、tb4のタイミングまでの一連の流れについては、図39に示した特殊変更非対応のリーチ表示におけるta4のタイミングまでの流れと同様である。
外れ結果に対応する図柄組合せが一時停止表示されたtb4のタイミングから所定の待機期間(確定表示期間よりも僅かに短い期間)を経過したtb5のタイミングでは、中ドラム用のサイドライト528Mを構成する発光体572Mが全て消灯し、中変動表示領域DMに停止表示されていた図柄が一時的に非表示となる。特殊変更による図柄の入れ替えについては、最大で3回繰り返される場合があるが、図40に示す例ではこの入れ替えが2回発生する場合について例示している。
tb5のタイミングにて発光体572Mが非表示となった直後には、中ドラム用のモータ526Mへ駆動信号が出力され、リーチライン上に位置している光放出部553Mが入れ替えられることとなる。入替完了後のtb6のタイミングでは、発光体572Mのうちリーチラインに対応するものを点灯させ、それ以外を消灯させたまま維持する。これにより、リーチライン上の中図柄が突如として別の図柄に入れ替わったかのように見せることができる。
tb6のタイミングにて表示された図柄組合せについても外れ結果に対応しており、その後、2回目の特殊変更が開始される。具体的には、図柄組合せが表示されたtb6のタイミングから所定の待機期間(確定表示期間よりも僅かに短い期間)を経過したtb7のタイミングでは、中ドラム用のサイドライト528Mを構成する発光体572Mが全て消灯し、中変動表示領域DMに停止表示されていた図柄が一時的に非表示となる。
tb7のタイミングにて発光体572Mが非表示となった直後には、中ドラム用のモータ526Mへ駆動信号が出力され、リーチライン上に位置している光放出部553Mが入れ替えられることとなる。入替完了後のtb8のタイミングでは、発光体572Mのうちリーチラインに対応するものを点灯させ、それ以外を消灯させたまま維持する。これにより、リーチライン上の中図柄が突如として別の図柄に入れ替わったかのように見せることができる。図40に示す遊技回については外れ結果に対応しているため、最終的に停止表示(確定表示)された図柄組合せについても、外れ結果に対応したものとなる。
以上詳述した特殊変更が行われる最中はバックライト582は点灯状態に維持されており、バックライト582からの光は各ドラム(導光部532)を通じて遊技機前方に照射される。これは、遊技ホール等の照明からの環境光が導光部532に移り込む際に、光放出部553の模様が浮かび上がる等することを抑制するための工夫である。
以上詳述した可変表示ユニット500の各ドラム(詳しくは導光部532)については、回動方向に分割された複数の導光パネル555~557が組み合わされてなり、導光パネル555~557間に境界部位BP1が生じている。これら境界部位BP1が変動表示領域に位置する機会が多くなることは、可変表示ユニット500の見栄えを低下させて、上記各種表示演出を行うことで遊技への注目度の向上を図る上で妨げになると懸念される。本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑えるべく導光部532に形成された光放出部553の配列と、境界部位BP1の位置と、変動表示領域との関係が工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図22及び図41を参照して、当該工夫について説明する。図41については、左ドラムを例示しているが、中ドラム及び右ドラムについても境界部位BP1と変動表示領域との関係については同様である。なお、図41においては説明の便宜上、光放出部553が発光している状態を示している。
図22に示したように、各ドラムの導光部532には、回動方向に配列された複数の光放出部553が設けらている。これら光放出部553については主図柄及び副図柄に対応しており、サイドライト528から供給された光が光放出部553から放出されることで「1」~「9」の各主図柄や「貝殻」を模した副図柄が表示される。
図41(a)に示すように、回動方向における主図柄の大きさは副図柄の大きさよりも大きくなっている。それら主図柄及び副図柄の間に境界部位BP1を配設した上で、当該境界部位BP1と主図柄との間に形成される空白部分が当該境界部位BP1と副図柄との間に形成される空白部分よりも小さくなるように主図柄側へ偏倚させている。
図41に示す例では、「6」図柄(詳しくは「6」図柄用の光放出部553)と副図柄(詳しくは副図柄用の光放出部553)との間に境界部位BP1が設けられている。「6」図柄が変動表示領域における上段に停止した状態では、境界部位BP1が変動表示領域の上限位置よりも上側、すなわち遊技機前方から視認不可となる範囲に位置している(図41(b)参照)。これに対して、「6」図柄が変動表示領域の直下(枠外)に停止した状態では、境界部位BP1が変動表示領域の下限位置よりも下側、すなわち遊技機前方から視認不可となる範囲に位置している(図41(c)参照)。
一般的に製造の容易化等を図る上では、副図柄用の光放出部からの距離と主図柄用の光放出部からの距離とが同じになるように境界部位を設定するものと想定される。しかしながら、このような構成では境界部位を変動表示領域から外れた位置に停止させる機会が増やすことが困難になると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成によれば、境界部位に最寄となる図柄を変動表示領域の上段や下段に停止させた場合であっても、境界部位BP1が遊技者の目に入る機会を減らすことにより、上記不都合の発生を抑制することができる。このように、本実施の形態に示す境界部位BP1の位置については、境界部位BP1を目立ちにくくさせるという明確な技術的意義がある。
また、本実施の形態においては、各ドラムを回動させて図柄のスクロール表示を行っている最中に境界部位BP1が目立つことを抑制する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図42を参照して、当該工夫について説明する。図42は発光性制御処理を示すフローチャート、図42(b)は規制対象のシフトの様子を示す概略図である。
図36にて説明したように、報知・演出制御装置140のMPU652にて実行される変動中用処理は上述した発光・駆動設定処理、発光規制処理、発光・駆動制御処理を有してなる。図42(a)に示すように、発光規制処理においては先ず、ステップS1201にて境界部位BP1の位置を特定する。次に、サイドライト528を構成する各発光体572のうちステップS1202にて規制対象となるものを特定する。具体的には、ステップS1201にて特定した境界部位BP1の側方に位置する発光体を特定する。続くステップS1203では、ステップS1202にて特定した発光体を発光規制の対象として設定する。上記発光・駆動制御処理においては、発光・駆動設定処理にて設定された内容に関係なく、ステップS1203にて設定された対象を消灯させる処理を行う。
図42(b)に示すように、図柄列の回動に伴って境界部位BP1が移動すると、それに追従するようにして、当該境界部位BP1の側方に位置する発光体572が消灯状態に切り替わる。つまり、境界部位BP1への光の供給が抑制されることとなる。このような構成とすることで、境界部位BP1が発光する等して目立つことを抑制できる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば以下の優れた効果を奏する。
可変表示ユニット500においては、サイドライト528からの光が導光部532に形成された光放出部553から放出されることで図柄が表示される。図柄についてはサイドライト528を点灯/消灯させることで表示/非表示に切り替えることが可能であり、発光色を変化させることで絵柄の色を変化させることも可能となる。このように、導光部532及びサイドライト528を併用して可変表示ユニット(「絵柄表示手段」に相当)を構築することは図柄の表示態様を多様化し遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
サイドライト528からの光が供給される供給状態から非供給状態となることで図柄が視認不可又は視認困難(非表示)となる。このように、図柄を表示/非表示に切替可能とすることにより、可変表示ユニット500により遊技者に提供される情報を遊技状況に応じて制限することができる。また、図柄の変動表示を行う場合の表示態様の多様化にも寄与できる。
サイドライト528からの光が導光部532の端面554に照射される構成とすることにより、図柄を目視にて確認する際に光源が目につくことを抑制できる。
変動表示領域に表示される図柄を変更する場合には、上記供給状態にて回転体525(導光部532)が回動することで、図柄が当該動作の方向に動いているように見せることができる。このように、光源ではなく導光部532を移動させる構成とすれば、配線の長さ等によって図柄の変更態様が制限されることを好適に回避できる。また、光源の位置を固定することができるため、同一位置にて表示される図柄を入れ替えることが可能となり、図柄を変動表示等する場合であっても、遊技者が注目すべき箇所を統一することができる。これは、図柄表示の見逃しを抑制したり遊技者の疲労を軽減したりする上で好ましい構成である。
導光部532の動作方向は、サイドライト528(詳しくは発光体572)における光の照射方向と直交する方向となるように設定されている。このような構成とすれば、導光部532の動作に伴って当該導光部532における光の照射対象(端面554)と発光体572との距離の変化を抑制できる。これは、発光体572からの光が端面554に照射されるまでに拡散される等して光放出部553への光の供給量が不足することを抑制する上で好ましい。
光放出部553は、導光部532の動作方向に並べて設けられており、サイドライト528を構成する発光体572についても導光部532の動作方向に並べて設けられている。これら発光体572を個別に発光制御することにより、変動表示領域に表示される図絵数を変更可能となっている。このように、個別に発光制御可能な複数の発光体572を併用して表示される図柄の数を遊技状況等に応じて増減させることが可能となることにより、可変表示ユニット500における表現力を飛躍的に向上させることができる。
光放出部553が微小な凹凸によって構成されている場合には、遊技ホールの照明等の環境光等が光放出部にて拡散されるため光放出部553の位置や形状の目視による特定を完全に不可能とすることは困難となる。つまり、よく目を凝らすことで光放出部553の形状や位置が把握される可能性がある。そこで、本実施の形態に示したように、バックライト582から導光部532へ光を照射させる構成とすれば、バックライト582からの光によって環境光等を紛らわせて、光放出部553の形状や位置の把握を困難とすることができる。これは、サイドライト528の供給状態/非供給状態の切り替えによって図柄を突如として出現させる場合のインパクトを強化する上で好ましい。
導光部532体を動作させる場合には、よく目を凝らすことで光放出部553を目印として導光部532が動作中であることが特定される可能性を否定できない。これは、サイドライト528を非供給状態としたまま導光部532を動作させて突如として図柄を入れ替える場合のインパクトを低下させる要因になる。そこで、図柄を入れ替える場合には、上記実施の形態に示したように、サイドライト528による導光部532への光の供給が停止され且つバックライト582により導光部532へ光が照射されている状況下にて導光部532を動作させる構成とすれば、バックライト582からの光によって環境光等を紛らわせることができる。これにより、導光部532が動作中であることをわかりづらくし、上記不都合の発生を抑制できる。なお、バックライト582からの光は変動表示領域全域に照射されるため、光放出部553の形状等や導光体の動作状況等の特定を分かりづらくする効果を好適に発揮させることができる。
略円環状をなす導光部532が回動することにより、当該導光部532(端面554)における光の供給箇所が変更される。これにより、導光部532にて図柄が変動表示されることとなる。導光部532が略円環状をなしているため、導光部532の回動方向を反転させることなく図柄の変動表示を継続することができる。つまり、導光部532を用いた動的表示を行い表現力等を強化する上で、導光部532が過度に大型化することを抑制できる。これは、遊技者の注目度の向上を図る上で好ましい構成である。
サイドライト528から導光部532の端面554までの距離が何れの回動位置においても一定となる。このため、光の供給箇所の移り変わりに応じて(例えば動作隙を担保する等の理由で)サイドライト528の位置や向きを変更する必要がない。故に、可変表示ユニット500における光供給に係る構成を簡素化できる。
サイドライト528は、発光体572(LED)の光の照射方向が回動中心軸線CLと同じ方向となるように構成されており、光の照射方向と光放出部553の配列方向(回動方向)とが交差することとなる。つまり、複数の光放出部553を併用する上でそれら光放出部553が光の照射方向に並ぶことが回避される。故に、回動位置に応じて表示される図柄を切り替える場合に、表示対象となっていない図柄に光が供給されることを抑制し、本来表示されるべきでない図柄が薄っすらと発光するといった不都合の発生を好適に回避できる。
導光部532が略円環状をなしている構成においては、導光部532にてフレーム531(リム536)から延出している部分(端部)が挿入される挿入部561を設け、この挿入部561にサイドライト528を配設することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、導光部532の動きが不安定になる等した場合であっても、光の照射位置に近接する箇所(挿通部)にて当該導光部532の位置ずれを抑制できる。これにより、光の供給機能を安定して発揮させることができる。
また、回転体525を保持しているベース体524に挿入部561が設けられているため、導光部532との隙間を極力小さくすることができる。これは、挿入部561と導光部532との強干渉を抑制したり、挿入部561からの光漏れを抑制したりする上で好ましい。
導光部532が可動式となっている構成においては、導光部532と挿入部561とが接触して導光部532が傷ついた場合に、その部分にて光漏れ等が発生しやすくなると懸念される。これは、光放出部553への光の供給効率を低下させる要因になる。そこで、本実施の形態に示したように、挿入部561と導光部532の外面部551及び内面部552との間に隙間を形成して挿入部561と導光部532との接触を回避することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
上述した導光部532については、回動方向にて複数のピース(導光パネル555~557)に分割することで製造の容易化や製造コストの軽減に寄与できる。しかしながら、このような構成では、仮に各ピースの境界(エッジ)となる部分が挿通部の開放部分(入口部分)に引っ掛かた場合には、導光部532の挙動が乱れると想定される。そこで、本実施の形態に示したように開放部分に向けて上記隙間が大きくなるように形成し、エッジと挿入部561との引っ掛かりを抑えることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。なお、開放部分(入口部分)を拡張する構成においては、この部分から光が漏れやすくなる。そこで、開放部分を遊技機後側に向けることにより、仮に光が漏れる場合であってもそれを目立ちにくくさせることができる。
上記実施の形態に示したように回動方向に並設された複数の導光パネル555~557によって導光部532を構成することにより、導光部532の形状を略円環状とすることができる。このような構成とすれば、例えば1の導光板を環状に形成する場合と比較して、ドラムユニット523の製造の容易化や製造コストの低減に寄与できる。ここで、並設された複数の導光パネル555~557を相互に結合等した場合には、製造ばらつき等に起因した歪が発生し得る。導光部532の端面554へ光を供給する構成においては、このような歪の影響によってサイドライト528と端面554との位置関係がばらつくことで、図柄表示機能が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、導光パネル555~557を互いに非固定の状態でフレーム531に装着することにより、上記不都合の発生を抑制できる。これは、導光部532を用いて図柄の変動表示を行う場合の見栄えの低下を抑制して、遊技者の注目度の向上を図る上で好ましい。
上述したように複数の導光パネル555~557を組み合わせて1の導光部532を構成する場合には、導光パネル555~557間の境界部位BP1が目立つことで当該導光部532の見栄えが低下する。これは、遊技者の注目度の向上を図る上で好ましくない。また、導光部532をフレーム531に固定する構成においては、当該導光部532におけるフレーム531への固定箇所が非固定箇所と外観上相違し得る。ここで、本実施の形態では、各導光パネル555~557にて回動方向両側の端部が自由端となっており、導光パネル555~557同士の境界部位BP1から固定箇所を遠ざけている。これにより、遊技者の視界に固定箇所が入った場合に視線が上記境界部位BP1に誘導されることを抑制し、複数の導光パネル555~557の組み合わせにより1の導光部532を構成したことによる見栄えの低下を抑えることができる。
複数の導光パネル555~557によって導光部532を構成する場合には、それら導光パネル555~557の境界部位BP1を極力目立ちにくくすることが好ましい。ここで、サイドライト528を構成する発光体572(LED)は、所定方向に光を照射する構成となっており、導光パネル555~557における回動方向両側の端面は、当該所定方向に延びている構成、すなわち光の照射方向と境界部位BP1の延びる方向とが一致する構成とすることにより、境界部位BP1が発光することを抑制できる。これは、上記見栄えの向上を図る上で好ましい。なお、境界部位BP1については図柄の非配設領域(ブランク領域)に位置するが、この境界部位おBP1が回動中心軸線CL方向に延びているため、当該境界部位BP1に配慮して図柄の非配設領域が過度に大きくなることを抑制できる。
導光パネルの数(分割数)を過度に多くなると、変動表示領域(有効ライン)に導光パネル間の境界部位が停止する機会が多くなる。これは可変表示ユニットの見栄えを低下させる要因になると懸念される。そこで、本実施の形態に示したように、変動表示領域に停止し得る図柄の上限数よりも各導光パネル555~557に配設される図柄の数が多くなるようにして分割数を規定すれば、境界部位BP1が変動表示領域に停止する機会を減らすことができる。これにより、複数の導光パネルを併用することによる弊害を緩和できる。
<変形例1>
上記第1の実施の形態では、回転体525(ドラム)を回動可能に保持しているベース体524に「発光部」としてのサイドライト528を配設したが、これに限定されるものではない。回転体525にサイドライト528に相当する構成と搭載することも可能である。但し、このような構成とした場合には、ドラムの重量が更に嵩むこととなり、回動/停止時の応答性が低下すると想定される。故に、望ましくは上記第1の実施の形態に示したようにベース体524にサイドライト528を配設して、回転体525の軽量化を図るとよい。
<変形例2>
上記第1の実施の形態では、境界部位BP1の回動位置に応じて発光体572の一部(境界部位BP1への光の供給源となるもの)を消灯させることにより、当該境界部位BP1への光の供給を規制する構成とした。境界部位BP1への光の供給を規制するための具体的構成については任意であり、例えば境界部位BP1を側方から覆うシール材等の遮蔽手段を設けてもよい。
但し、導光部532の端部が挿入部561へ挿入される点に鑑みた場合、製造ばらつきや経時劣化との影響により、当該遮蔽手段が挿入部561の壁面等に接触する可能性を否定できない。このように接触の可能性がある状況下にて遊技機の稼働が続けば、遮蔽手段が摩耗等して遮蔽機能が低下し得る。この対策として、例えば導光部532と挿入部561との隙間を大きくすることにより、そのような不都合の発生を抑制できるものの、当該隙間が大きくなることは挿入部561からの光漏れを抑える機能や光の供給効率の向上を図る上で好ましくない。このような事情に配慮した場合、上記第1の実施の形態に示すように、発光制御によって境界部位BP1への光の供給を規制することには遊技機の耐久性を好適に向上させることができるという技術的意義がある。
<変形例3>
上記第1の実施の形態では、導光部532を構成する導光パネル555~557同士を非結合としたが、これに限定されるものではなく、導光パネル555~557同士を結合してもよい。但し、導光パネル555~557に歪み等の変形が製造時や製造後に発生し得る点に鑑みれば、導光パネル555~557同士を非結合としてそのような変形等を許容する(境界部位BP1にて吸収する)構成とすることが好ましい。
<変形例4>
上記第1の実施の形態では、導光パネル555~557の境界部位BP1に隙間を設けたが、導光パネル555~557同士が境界部位BP1にて当接させる構成を否定するものではない。
<変形例5>
上記第1の実施の形態では、挿入部561の内面と導光部532とを非接触としたが、これに限定されるものではない。例えば挿入部561側に導光部532を案内するガイドローラを設けてもよい。但し、導光部532については、その表面に傷等が発生することで、光路が変化して光放出部553への供給効率が低下する可能性がある。このような事情に鑑みた場合には、導光部532にてガイドローラと接触する部分に保護部材等を配設することが好ましい。
<変形例6>
上記第1の実施の形態では、回転体525をモータ526を介してベース体524に取り付ける構成としたが、回転体525が導光部532を有することで重量が嵩む点に鑑みれば、ベース体524によって回転体525を回動可能に保持し、モータ526によって回転体525を動作させる構成とすることも可能である。
<変形例7>
上記第1の実施の形態では、導光部532を3つの導光パネル555~557の組み合わせにより構成したが、導光部532をいくつの導光パネルにより構成するかは任意である。但し、このような場合であっても、1の導光パネルに形成される光放出部の数(すなわち図柄の数)が変動表示領域に停止し得る図柄の上限数よりも多くすることが好ましい。
<変形例8>
上記第1の実施の形態では、導光部532を回動可能に保持する構成したが、必ずしもこれに限定されるものではない。導光部が移動することで中央開口85から視認可能となる図柄を変更させることができるのであれば足り、例えば導光部をスライド移動可能に保持する構成としてもよい。
<変形例9>
上記第1の実施の形態では、導光部532を円筒状に形成したが、これに限定されるものではない。例えば導光部532を円盤状に形成し、その板面が遊技機前方を向くように配設してもよい。この場合、回転体の回動中心軸線の向きを前後方向に変更するとよい。
<変形例10>
上記第1の実施の形態では、リーチ表示に移行した場合にバックライト582を点灯させる構成としたが、少なくとも特殊変更(特殊変動表示)が実行される場合にバックライト582が点灯している構成となっているのであれば足り、それ以外の期間にてバックライト582を点灯させるか否かについては任意である。
<変形例11>
上記第1の実施の形態では、特殊変更(特殊変動)が実行される場合に、回転体525の動作を停止させた後に、サイドライト528を消灯させて、回転体525の再動作が完了した後に、サイドライト528を点灯させる構成としたが、サイドライト528の消灯期間を利用して回転体525を動作させるための具体的構成については、これに限定されない。例えば、上記構成に代えて又は加えて、回転体525の動作中にサイドライト528を消灯させた後、回転体525の動作が完了した後に、サイドライト528を点灯させる構成とすることも可能である。
また、特殊変更によって図柄の入れか表示を行う場合には、中ドラムの回転体525Mの回転速度が相対的に遅い変動表示態様(例えばノーマルリーチ)と、相対的に速い変動表示態様(例えばスーパーリーチ)とが設定されている場合には、回転速度に応じて、光の供給/停止のタイミングを変えることも可能である。例えば、リーチライン上に図柄が一時停止される場合には、一時停止期間を長くすることで、図柄を確認する余裕が増す。しかしながら、単に一時停止期間を長くした場合には特殊変更時の再変動回数に係る制約が強くなり得る。そこで、一時停止の直前に光の供給を再開すれば、図柄を確認する余裕を増やすことができる。但し、このような構成では回転体の回転速度によって実質的に上記余裕代が変化する。そこで、回転速度が相対的に速い場合には、回転速度が相対的に遅い場合よりも光供給の開始タイミングを早める構成としたり、リーチラインよりも上流側の一部についても光の供給範囲としたりするとよい。
<変形例12>
上記第1の実施の形態では、「発光部」としてのサイドライト528を固定式、且つ「導光体」としての導光部532を可動式としたが、この関係を逆にすることも可能である。すなわち、固定式の導光部に対して発光部を移動させることで図柄を変動表示させることも可能である。この場合であっても、導光部に形成された光放出部の配列方向と発光部の移動方向とを揃えることが好ましい。
<変形例13>
上記第1の実施の形態では、導光部532を略円環状に形成したが、1の方向への動作によって変動表示領域に表示される図柄を変更することができるのであれば足り、導光部532については円環状に限定されない(例えば、一部に凹み等が形成されることを否定するものではない)。
<変形例14>
従来の遊技機においては例えば図柄を高速で変動表示させることにより、実質的に図柄を識別不可となるようにすることは可能である。しかしながら、このような動きは図柄表示手段の耐久性向上の妨げになる。特に、本実施の形態に示したように、回転体が導光部を具備する構成においては例えば紙等を具備する場合と比較して重量が嵩むため、そのような不都合が顕著になると懸念される。
そこで、回転体525の回転中にサイドライト528からの光の供給を停止させることで導光部532に表示されている図柄を突如として消すことができる。このようにサイドライト528の発光制御によって外観を大きく変化させる(識別性を変化させる)構成とすれば、表示態様の多様化を図りつつ、それに起因した耐久性の低下を好適に抑制できる。
例えば、図柄の変化の過程を明示する表示態様と、図柄の変化の過程を非明示とする表示態様とを併用するとよい。このような構成とすれば、図柄の可変動表示の態様を好適に多様化できる。
<変形例15>
図柄の特殊変更時に導光部532の動きを分かりにくくする上では、サイドライト528の消灯と同時に導光部532の動作を開始させてもよいし、サイドライト528の消灯後に導光部532の動作を開始させてもよい。また、導光部532の動作完了後にサイドライト528を点灯させてもよいし、導光部532の動作完了と同時にサイドライト528を点灯させてもよい。
<変形例16>
特殊変更を行う場合の中図柄の停止表示期間(一時停止期間)を確定表示期間(最終停止期間)と一致させてもよいし、一致させなくてもよい。例えば、特殊変更における絵柄の入替回数によって一時停止期間を変更させてもよい。具体的には、入替が3回発生する場合 < 2回発生する場合 < 1回発生する場合の順に各一時停止期間が長くなるように差を設けることも可能である。この場合、一時停止期間が短い場合には、その分光の供給開始のタイミングを速くすることで、絵柄を視認可能となる期間を確保するとよい。詳しくは、絵柄の入替が1回の場合の一時停止期間が最終停止期間と一致し、絵柄の入替が2回の場合の一時停止期間が最終停止期間よりも0.2sec短く、絵柄の入替が3回の場合の一時停止期間が最終停止期間よりも0.4sec短い場合には、その短縮されている分だけ光の供給再開を先行させる構成(導光部532の動作中に供給を再開させる構成)とするとよい。
<変形例17>
光放出部553が有効ライン上に位置する期間についてのみ当該光放出部553に光を供給し、有効ラインから外れた場合には光の供給を停止することで絵柄のコマ送り表示を行う構成(第2の特殊変更)としてもよい。この場合、低速変動表示対応のノーマルリーチと高速変動表示対応のスーパーリーチとを比較した場合には、前者よりも後者の方が絵柄の視認性が低下し得るため、後者の場合には有効ラインから僅かに外れている場合であっても光の供給が行われるようにして視認性を担保することが好ましい。例えば、光の供給を停止させるタイミングを前者よりも遅延させたり、光の供給を再開させるタイミングを前者よりも先行させたりするとよい。
<変形例18>
上記第1の実施の形態では、特殊変更を行う場合には、その過程にて導光部532を停止させない(動作を継続させる)構成としたが、これに限定されるものではない。特殊変更の過程で導光部532を一時停止させる構成とすることも可能である。
<変形例19>
特殊変更時に入れ替えられる図柄が遊技者によって事前に特定されることを抑制する上では、導光部532の動作期間及び動作停止から光供給再開までの待機期間のうち前者の占める割合を大きくして、後者の占める割合を小さくすることが好ましい。
<変形例20>
上記第1の実施の形態では、フレーム531を合成樹脂製としたが、これに限定されるものではない。フレーム531を金属製とすることも可能である。
<変形例21>
上記第1の実施の形態に示したフレーム531と導光パネル555~557を一体成型することも可能である。このような構成とすれば、フレームと導光パネルとを固定する固定手段やそれに付随する構成(例えばリム536に相当する部分)が不要となる。これは、可変表示ユニットの見栄えを向上させる上で好ましい。
なお、各導光パネル555~557に対応させてフレーム531を回転方向に3分割してなる各フレーム部を対応する導光パネル555~557と一体成型し、それら3つのピースを固定手段等を用いて相互に固定することで回転体を構築することも可能である。このような分割構造とすることで、成型が困難になることを抑制できる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態に示す可変表示ユニット500Xは、図柄を変動表示させるための主たる構成については上記第1の実施の形態に示した可変表示ユニット500と同様であるものの、背景表示装置529Xにより表示される背景が遊技状況に応じて切替可能となっている点で可変表示ユニット500と構成が相違している。以下、図43を参照して、本実施の形態における可変表示ユニット500Xについて説明する。図43は可変表示ユニット500Xの横断面図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については符号を流用しつつ符号の末尾に「X」を追加しているが、相違点等の説明をしていないものについては基本的に第1の実施の形態に示した各種構成と同一である。
図43に示すように、本実施の形態に示す背景表示装置529Xについては、サイズ等の違いはあるものの、基本構成が第1の実施の形態に示したドラムユニット523、詳しくはベース体524、回転体525、モータ526、位置検知センサ527、サイドライト528と同一となっている。具体的には、背景表示装置529Xは、ハウジング521への取付部を構成する板状のベース体724Xと、ベース体724Xによって保持された回転体725Xとを有してなる。
回転体725Xはモータ726Xを介してベース体724Xに搭載されている。具体的にはモータ726Xがベース体724Xに固定されており、そのモータ726Xの出力軸に回転体725Xが固定されている。モータ726Xの出力軸はドラムユニット723Xの並設方向(左右方向)に延びており、当該出力軸の軸線を中心に回転体725Xが回転する構成となっている。本実施の形態に示す回転体725Xの回動中心軸線については、回転体525Xの回動中心軸線CLと一致している(同軸となっている)。このように、回動中心軸線を揃えることで、各回転体525X,725Xの動作隙を小さくしている。なお、以下の説明においては、回転体725Xの回動中心軸線についても「回動中心軸線CL」と記載する。
モータ526は報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140によって駆動制御が行われる構成となっている。モータ726Xはステッピングモータであり、出力される駆動信号のパルス数によって回転体725Xの回転位置の調整が可能となっている。
なお、ベース体724Xには、回転体725Xの回転位置を検知する位置検知センサが搭載されている。位置検知センサは報知・演出制御装置140に接続されており、報知・演出制御装置140は位置検知センサからの検知情報(検知信号)に基づいて回転体725Xの回転位置を把握する。外力の影響や動作不良等の発生によって回転体725Xの回転位置にずれが生じた場合には、把握した位置情報に基づいて回転体725Xの回転位置が補正される(修正される)。
回転体725Xは、当該回転体725Xの骨格を構築する円形のフレーム731Xと、フレーム731Xの外周部分を覆う略円筒状の導光部732X(導光パネル755X~757X)と、導光部732Xの外面に張り付けられた装飾シート781X~783Xとにより構成されている。フレーム731Xは、モータ726Xの出力軸が固定される中心部としてのハブ735Xと、導光部732Xが固定される上記外周部分としての環状のリム736Xと、ハブ735X及びリム736Xを繋ぐスポーク737Xとにより構成されている。
詳しくは、リム736Xは、回動中心軸線CLを中心とする左右1組の円環部と、それら円環部を連結する長尺状の連結部とを有している。導光部732Xは、連結部にフレーム731Xの外側から重ね合わされた状態で固定手段(接着剤)を用いて当該連結部に固定されている。
フレーム731Xのリム736Xには、導光部532に対してベース体524側とは反対側から当接する当接部743Xが形成されている。この当接部743Xによって導光部732Xの左右位置が規定されている。導光部732Xにおける当接部743Xとは反対側(ベース体724X側)の端部については、リム736Xから側方に延出している。ベース体724Xには、この延出している部分(端部)が挿入される挿入部761Xが形成されている。
挿入部761Xは、導光部732X側に開放された溝状をなしており、この開放部分を通じて導光部732Xの端部が挿入部761Xへ挿入されている。挿入部761Xの底部762Xを挟んで導光部732Xとは反対側には、複数の発光体772X(詳しくはLED)が実装された発光基板771Xが配設されている。発光基板771Xは報知・演出制御装置140に接続されており、当該報知・演出制御装置140によって当該発光基板771Xの発光制御が行われる。
挿入部761Xの底部には、各発光体772Xに合わせて貫通孔が複数形成されており、発光基板771Xに実装された発光体772Xが当該貫通孔を通じて導光部732Xの端面754Xと対峙している。各発光体772Xの光軸は上記回転体725Xの回動中心軸線CLと同じ方向を向いており、それら発光体772Xからの光が導光部732Xの端面754Xに照射される。なお、ベース体724X(挿入部761Xを含む)については有色不透明な合成樹脂材料製となっており、光を吸収する機能が付与されている。これにより、挿入部761Xからの光漏れが抑制されている。
発光体772Xからの光は、導光部732Xの外面部及び内面部にて反射を繰り返して、当該導光部732Xにおける反対側の端面へ向かう。ここで、導光部732Xの外面部のほぼ全域には、微細な凹凸からなる光放出部が形成されている。図柄表示用の導光部532Xにおいては光放出部の形成範囲が一部に限定されていたのに対して、導光部732Xにおける光放出部の形成範囲にはそのような限定がされていない。つまり、本実施の形態における導光部732Xについては上記第1の実施の形態に示した照明手段(バックライト582)としての機能を有している。
導光部732Xに供給された光は、当該導光部732Xの光放出部に到達することで、遊技機前方へ放出され、当該光が装飾シート781X~783Xの何れかを通過することにより当該装飾シート781X~783Xが明るく発光することとなる。
本実施の形態においては、ドラムを構成する回転体525Xと背景表示装置529を構成する回転体725Xとが相対向し、回転体725Xよりも一回り大きい回転体525Xの内に当該回転体725Xの大部分が収容されている。回転体525Xと回転体725Xとはともに可動物であるため、両者の間には相応の動作隙が必要になる。但し、このような動作隙が大きくなりすぎた場合には、背景表示が上手く行われなくなると懸念される。本実施の形態においては、このような事情に配慮して、動作隙を小さくする工夫がなされていることを特徴の1つとしている。
図43に示すように、ベース体524Xには、フレーム531Xのハブ535Xに係合する係合凹部591Xが形成されており、ハブ535Xが係合凹部591Xに係合することでベース体524Xが回動可能な状態でフレーム531Xに組みつけられている。モータ526Xはベース体524Xを挟んでフレーム531Xとは反対側(ドラムユニットの外側)に配設されており、当該フレーム531Xに対して固定されている。このような構成とすることで、モータ526Xの出力軸に加わる重量負担を減らし、回転体525Xを回動させる際の振れを抑制している。
他方で、ベース体724Xには、フレーム731Xのハブ735Xに係合する係合凹部791Xが形成されており、ハブ735Xが係合凹部791Xに係合することでベース体724Xが回動可能な状態でフレーム731Xに組みつけられている。モータ726Xはベース体724Xを挟んでフレーム731Xとは反対側(ドラムユニットの外側)に配設されており、当該フレーム731Xに対して固定されている。このような構成とすることで、モータ726Xの出力軸に加わる重量負担を減らし、回転体725Xを回動させる際の振れを抑制している。
このような構成として、回転体525X,725Xの振れを抑制すれば、内外2重に回転体525X,725Xを配設する場合に、それら回転体525X,725X間の動作隙を小さくすることができる。
図44(a)の概略図に示すように、本実施の形態に示す回転体725Xについても、回転体525Xと同様に回動方向に分けて設けられた複数の導光パネル755X~757Xを組み合わせることで全体として略円筒状をなす導光部732Xが構築されている。導光パネル755X~757Xは、透明な合成樹脂製となっており、何れも厚さが一定且つ曲率が一定となる板状をなしている。また、回転体725Xの回動方向における長さ寸法及び回動中心軸線CL方向の幅寸法についても同一となっており、その外観が同一となるように形成されている。導光パネル755X~757Xは、固定手段である透明な接着剤を用いてフレーム731Xのリム736X(詳しくは連結部)に各々固定されているものの、それら導光パネル755X~757Xについては互いに非固定となっている。
上述したように、導光部732Xにおける一方の端部が挿入部761Xに挿入される構成では、光の供給効率の向上等を図る上で、挿入部761Xの内面と導光部732Xとを極力近接させることが好ましい。しかしながら、このような構造とする上では、製造誤差や経時変化によって導光パネル755X~757Xに歪みが生じることへ配慮して両者の隙間にある程度の余裕代を加味する必要がある。ここで、本実施の形態においては、導光パネル755X~757Xを互いに非固定とすることにより、導光パネル755X~757Xを固定した場合に生じえる歪みを回避することが可能となっている。これにより、上記余裕代を極力小さくすることが可能となっている。
なお、導光部732Xを用いて回転体725Xを構築した場合には、可変表示ユニットにおける表現力を向上させることができる反面、回転体725Xの重量が嵩みやすくなる。これは、回転体725Xを回転/停止させる際の応答性を低下させる要因になると懸念される。この点、本実施の形態においては、導光パネル755X~757Xについては厚さ方向における重なりが回避されている。これにより、導光部732Xの重量増を抑え、応答性の低下を抑制している。
導光パネル755X~757X間の境界部位BP2においては、隣り合う導光パネル755X~757Xが隙間を隔てて相対向している。これは、製造誤差等によって導光パネル755X~757Xが大きさにばらつきが生じた場合に、境界部位BP2にて導光パネル755X~757X同士が強干渉することを回避する工夫である。導光パネル755X~757Xの強干渉を回避することで、それら導光パネル755X~757Xに上記歪等の変形が生じることを抑制できる。
なお、本実施の形態に示す挿入部761Xについても、導光部732Xにおいてハウジング521の開口522(図13参照)から遊技機前方に張り出している部分に沿って延びている。挿入部761Xにおける上下両側の開放部分については、端部に向けて徐々に幅が大きくなるように拡張されている。これにより、当該開放部を境界部位BP2が通過する際の引っ掛かりを抑制している。因みに、上記開放部を拡張した場合には、サイドライト728Xからの光漏れ生じやすくなる。これに対して、本実施の形態では上記開放部についてはともに後向きとなるように、詳しくは後斜め後方を向くように形成されている。これは、当該開放部から光が漏れる場合に当該光を遊技者の目に入りにくくする工夫である。
導光パネル755X~757Xには、装飾シート781X~783Xが各々貼り付けられている。装飾シート781X~783Xは、導光パネル755X~757Xの外面部と同じ大きさとなっており且つ光透過性を有している点では共通であるものの、描かれた絵柄については相違している。具体的には、導光パネル755Xに装着された装飾シート781Xについては昼間の砂浜を模した絵柄が付与されており、導光パネル756Xに装着された装飾シート782Xについては夕方の砂浜を模した絵柄が付与されており、導光パネル757Xに装着された装飾シート783Xについては夜の砂浜を模した絵柄が付与されている。
回転体725Xが回動することで、遊技機前方から視認可能となる背景が切り替わることとなる。ここで、図44(b)を参照して、遊技状態と背景との関係について補足説明する。サポートモードが低頻度サポートモード且つ抽選モードが低確率モードとなる第1通常遊技状態においては上記背景として昼間の砂浜が表示される。サポートモードが高頻度サポートモード且つ抽選モードが低確率モードとなる第2通常遊技状態、サポートモードが高頻度サポートモード且つ抽選モードが高確率モードとなる第3通常遊技状態においては上記背景として夕方の砂浜が表示される。大当たり結果となった場合に移行する特別遊技状態(開閉実行モード)においては、においては上記背景として夜の砂浜が表示される。このようにして、遊技状態に応じて背景の表示を切り替えることにより、遊技者に遊技状態が示唆される。
本実施の形態においては、内外2重の回転体を用いて背景及び図柄が表示される。このような構成においては、照明手段への電力供給経路を確保する上で内側の回転体について照明手段を内蔵することが困難になる。この点、照明手段として機能する導光部732Xを用いて回転体725Xを構築することにより、上記課題が好適に解決される。
<変形例1>
上記第2の実施の形態では、回転体525X用のモータ526Xと、回転体725X用のモータ726Xとがドラムユニットの外側へ突出する構成とした。このような構成とした場合には、左右横並びとなるドラムユニットの間の隙間が大きくなり、各図柄列の離れが大きくなる。以下、このような事情に配慮した変形例について説明する。
図45の概略図に示すように、フレーム531Y,731Yのハブ535Y,735Yをドラムユニットの内側へ凸となるように形成し、それらハブ535Y,735Yに対して回動中心軸線CL側からベース体524Y,724Yの係合凸部591Y,791Yが係合する構成とする。係合凸部591Y,791Yを中空として、この中空部分にモータ526Y,726Yを配設(収容)することにより、それらモータ526Y,726Y張り出しを軽減できる。これにより、上記隙間を小さくし、各図柄列の離れを抑制できる。
<変形例2>
上記第2の実施の形態では、導光部732Xを装飾シート781X~783X用の照明手段としたが、これに限定されるものではない。導光部732Xについても導光部532Xと同様に所定の絵柄を表示する構成とすることも可能である。例えば、装飾シート781X~783Xに記載された絵柄と同様の絵柄を表示可能となるように導光部732Xの光放出部を形成してもよい。このような構成とする場合、導光部732Xを通じて奥側が視認可能となることは好ましくない。そこで、導光部732Xの内面側に無地のシート材等を設け、奥側を視認不可となるように規制するとよい。
<変形例3>
上記第2の実施の形態では、導光パネル755X~757X毎に装飾シート781X~783Xを個別に装着する構成としたが、3つの導光パネル755X~757Xを跨ぐようにして1の装飾シートを装着する構成とすることも可能である。このような構成とすれば、導光パネル755X~757X間の境界部位BP2を覆うことで当該境界部位BP2を目立ちにくくさせることができる。
<変形例4>
上記第2の実施の形態では、3つの背景によって4つの遊技状態を示唆する構成としたが、背景の数と遊技状態の数とを一致させる構成とすることも可能である。
<変形例5>
上記第1の実施の形態の各変形例に示した構成を本実施の形態に示した可変表示ユニットに適用することも可能である。
<第3の実施の形態>
本実施の形態においては、可変表示ユニットの基本構造については第2の実施の形態と同様であるものの、当該可変表示ユニットを用いて遊技状態毎に異なる表示演出を実行する構成となっている点で第2の実施の形態と構成が相違している。以下、図46を参照して本実施の形態における可変表示ユニットについて説明する。図46は可変表示ユニットの横断面図である。
可変表示ユニットを構成する各ドラムユニット723Zは、ベース体524Z、回転体525Z、モータ526Z、サイドライト528Z等からなる第1表示ユニットと、ベース体724Z、回転体725Z、モータ726Z、サイドライト728Z等からなる第2表示ユニットとに大別される。第1表示ユニットについては、上作動口83a(図6参照)への入球に基づく抽選結果を報知する機能を有しており、当該抽選にて確変大当たり結果となった場合には上記有効ラインL1~L5の少なくとも何れかに確変大当たり結果に対応する図柄組合せを停止表示し、当該抽選にて通常大当たり結果となった場合には有効ラインL1~L5の少なくとも何れかに通常大当たり結果に対応する図柄組合せを停止表示する構成となっている。なお、ベース体524Z、回転体525Z、モータ526Z、サイドライト528Zについては、上記第2の実施の形態に示したベース体524Y、回転体525Y、モータ526Y、サイドライト528Yと同一であるため詳細な説明を省略する。
回転体725Zは、導光部732Zと、当該導光部732Zが搭載されたフレーム731Zとを有しており、導光部732Zが複数の導光パネル755Z~758Zが組み合わされてなる点で第2の実施の形態に示した導光部732Yと構成が一致している。但し、導光部732Yではその外面部に装飾シート781Y~783Yが取り付けられていたのに対して、本実施の形態に示す導光部732Zでは導光部732Zの内面部にシート材781Z~783Zが取り付けられている点で第2の実施の形態と相違している。
シート材781Z~783Zについては光透過性が付与されていないため、シート材781Z~783Zを通じてその奥側を視認不可となっている。シート材781Z~783Zについては何れも無地となっており、背景等の絵柄、すなわち回転体725Zの回動位置を特定する足がかりとなるような情報を有していない。これに対して、導光部732Zの外面部751Zに形成された光放出部753Z(図47参照)については、導光部532Zと同様に光放出部753Zから光が放出されることで、所定の図柄等が表示される構成となっている。つまり、第2の実施の形態に示した導光部732Yについては照明手段として機能していたのに対して、本実施の形態に示す導光部732Zについては絵柄表示手段として機能している。なお、光放出部753Zから光が放出されていない状況では、上記図柄等が非表示となり、光放出部753Zを目視で特定することは実質的に不可又は困難となる。
ここで、図47を参照して、導光部732Zに形成された光放出部753Z、すなわち光放出部753Zによって表示される図柄等について説明する。図47においては説明の便宜上、各光放出部753Zが発光して図柄等が表示された状態を示している。
導光部732Zを構成している導光パネル755Zには、左右の3つの導光パネル755Zに跨るようにして1の絵柄が記載されている。具体的には、砂浜を示す絵柄が記載されている。導光パネル755Zが遊技機前方を向いた状態にてサイドライト728Zから光が供給されることにより、砂浜の背景が表示されることとなる。
導光パネル756Z~757Zには、「男の子」図柄、「ベル」図柄、「リプレイ」図柄、「7」図柄、「BAR」図柄が所定の順序で配列されている。図示は省略するが、第2表示ユニットについても、第1表示ユニットと同様に、複数の有効ラインが設定されており、16R対応の確変大当たり結果となった場合には有効ラインの少なくとも何れかに「7」「7」「7」の図柄組合せを停止表示し、4R対応の通常大当たり結果となった場合には「7」「7」「BAR」の図柄組合せを停止表示し、外れ結果となった場合にはこれら図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する構成となっている(図48参照)。
なお、本実施の形態においては、遊技状況に応じて導光パネル755Zにより砂浜の背景を表示する場合と導光パネル756Z~757Zにより図柄を表示する場合とに切り替えられることとなるが、砂浜の背景と図柄とが変動表示領域に同時に停止表示されることはない。
第2表示ユニットにおける有効ラインについては、図20に示した各有効ラインL1~L5(第1表示ユニットの有効ライン)と遊技機前方から見た場合に一致するように構成されており、有効ラインを前後に重複させることで、遊技者の理解の容易化を図っている。以下、第2表示ユニットの有効ラインについても有効ラインL1~L5と記載する。
上記第1の実施の形態や第2の実施の形態では、上作動口83aに係る遊技回と下作動口83bに係る遊技回とが所定の順序で実行され、各遊技回が重ならない構成としたが、本実施の形態においては上作動口83aに係る遊技回と下作動口83bに係る遊技回とが並行して行われる構成となっている点で相違している。以下、このような遊技の流れを実現すべく主制御装置162のMPU602及び報知・演出制御装置140のMPU652にて実行される各種処理について、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。先ず、図49~図53を参照して、本実施の形態において主制御装置162のMPU602により実行される遊技回制御処理について説明する。
(遊技回制御処理)
本実施の形態における遊技回制御処理では、先ずステップS1301にて特別遊技状態(開閉実行モード)中である否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
ステップS1301にて肯定判定をした場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1302にて上作動口83aへの入賞に係る遊技回用の遊技回制御処理(上作動口対応遊技回制御処理,上作動口用制御処理)を実行し且つステップS1303にて下作動口83bへの入賞に係る遊技回用の遊技回制御処理(下作動口対応遊技回制御処理、下作動口用制御処理)を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。これら2つの制御処理については、基本的な流れが共通となっている。以下、先ず図50及び図51を参照して上作動口用制御処理について説明し、その後、図52及び図53を参照して下作動口用制御処理との相違点を中心に下作動口用制御処理について説明する。
(上作動口用制御処理)
図50に示すように、上作動口用制御処理では、先ずステップS1401にて、上作動口83aに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット87の上作動口用表示部が変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における遊技回中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に上作動口用の遊技回中フラグ(遊技回中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。上作動口用の遊技回中フラグは、上作動口用表示部にて変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
遊技回中でない場合には、ステップS1401にて否定判定をして、ステップS1402に進む。ステップS1402では、下作動口83bに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット87の下作動口用表示部が変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における遊技回中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に下作動口用の遊技回中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。下作動口用の遊技回中フラグは、下作動口用表示部にて変動表示を開始させる場合に格納され、抽選結果(遊技結果)に対応した絵柄等が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
ステップS1402にて肯定判定をした場合にはステップS1403に進む。ステップS1403では下作動口83bに係る遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS1403にて肯定判定をした場合には、そのまま本上作動口用制御処理を終了する。ステップS1403又はステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1404に進む。
ステップS1404では、保留球格納エリア632の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である上作動口用保留記憶数CRN(詳しくは上作動口83aに係る保留情報の数)が「0」か否かを判定する。上作動口用保留記憶数CRNが「0」である場合には、そのまま遊技回制御処理を終了する。一方、上作動口用保留記憶数CRNが「0」でない場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405ではデータ設定処理を行う。
上作動口83aのデータ設定処理では、先ず上作動口用保留記憶数CRNを1ディクリメントする。その後、上作動口用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを第1実行エリアAE1に移動し、上作動口用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータがクリアされると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、上作動口用の保留数表示部にて点灯中のLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、保留情報が追加された際に実行される点灯処理とは逆に、上作動口用の保留数表示部のLEDが右側から順に消灯させる。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS1406にて上作動口用表示部における絵柄の変動表示及び可変表示ユニットにおける図柄の変動表示を開始させるための上作動口用の変動開始処理(上作動口用変動開始処理)を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、図51を参照して、ステップS1406の上作動口用変動開始処理について説明する。
(上作動口用変動開始処理)
上作動口用変動開始処理においては先ず、ステップS1501にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、上作動口用の当否テーブルを参照して、第1実行エリアに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が上述した大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS1501における判定結果が大当たり結果である場合には、ステップS1502にて肯定判定をしてステップS1503に進む。
ステップS1503では種別判定処理を実行する。種別判定処理では、第1実行エリアに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が、通常大当たり結果に対応した情報群、確変大当たり結果に対応した情報群の何れかに含まれているかを特定する。
ステップS1504では大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット87の主表示部D(上作動口用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS1504では、大当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS1504では、今回の遊技結果が、通常大当たり結果及び確変大当たり結果の何れかであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。具体的には、通常大当たり結果である場合には通常大当たりフラグを格納し、確変大当たり結果である場合には確変大当たりフラグを格納する。
ステップS1504の設定処理を実行した後は、ステップS1505に進む。ステップS1505では下作動口83bに係る遊技回が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS1505にて肯定判定をした場合には、ステップS1506に進む。ステップS1506ではRAM604の各種フラグ格納エリア635に強制終了フラグを格納する。下作動口83bに係る遊技回(絵柄の変動表示)が実行されている場合には、この強制終了フラグに基づいて下作動口83bに係る遊技回(絵柄の変動表示)が途中で強制的に終了されることとなる。より詳しくは、上作動口83aに係る遊技回が大当たり結果に対応している場合であって且つ当該遊技回における確定表示が行われるタイミングを超えて下作動口83bに係る遊技回が実行され得る場合には、下作動口83bに係る遊技回が短縮され上作動口83aに係る遊技回の終了とともに下作動口83bに係る遊技回についても終了することとなる。このような場合には、下作動口83bに係る遊技回にて停止表示される絵柄は外れ結果に対応するものとなる。
ステップS1502の説明に戻り、ステップS1501における判定結果が外れ結果である場合には当該ステップS1502にて否定判定をし、ステップS1507に進む。ステップS1507では外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。
具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部D(上作動口用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄を、ROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。
ステップS1506,S1507の処理を実行した後、又はステップS1505にて否定判定をした場合には、ステップS1508に進む。ステップS1508では変動表示時間(表示継続時間)の設定処理を実行する。
ステップS1508の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS1509にて変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動開始コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置140では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することが可能である。この点、変動開始コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動開始コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
ステップS1509の設定処理を実行した後は、ステップS1510に進み、主表示ユニット87における上作動口用表示部の変動表示を開始した後、本上作動口用変動開始処理を終了する。ステップS1510の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に上作動口用の遊技回中フラグを格納する。これにより、以降の処理では上作動口83aに係る遊技回(例えば変動表示)が実行されている最中であることを特定可能となる。
再び図50の説明に戻り、ステップS1401にて肯定判定をした場合、すなわち上作動口83aに係る遊技回中であると判定した場合には、ステップS1407に進む。ステップS1407では、下作動口83bに係る遊技回であって大当たり結果に対応する遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1407にて否定判定をした場合には、ステップS1408に進む。
ステップS1408では上記ステップS1508にて設定された変動表示時間を経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1408にて否定判定をした場合には、ステップS1409にて変動表示用処理を実行した後、本上作動口用制御処理を終了する。ステップS1409の変動表示用処理においては、上作動口用表示部を構成する各種LEDを点灯/消灯させる処理を行うことにより、絵柄を変動表示させる。
ステップS1408にて肯定判定をした場合にはステップS1411に進む。ステップS1411では変動終了処理を実行する。変動終了処理では、事前に決定された態様となるようにして上作動口用表示部にて絵柄を停止表示させるように主表示ユニット87の表示制御を行う。すなわち、例えば抽選結果(遊技結果)に対応する絵柄の確定表示が実行される。なお、RAM604の各種フラグ格納エリア635に格納されている上作動口用の遊技回中フラグについては、当該確定表示が終了した際に消去される。
続くステップS1412にて変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。ステップS1412にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図28)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、変動終了コマンドを受信したことに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。具体的には、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回の遊技結果等に対応した図柄の組み合わせを可変表示ユニットの第1表示ユニットにて確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置140にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
ステップS1412の処理を実行した後は、ステップS1413に進み、遊技回数カウンタの更新処理を実行する。遊技回数カウンタは、上記第2通常遊技状態にて高頻度サポートモードを継続する遊技回数を特定するためのカウンタであり、遊技回が実行される毎に「1」ずつ減算される。遊技回数カウンタが「0」になった場合には、ステップS1414にて肯定判定をステップS1415に進む。ステップS1415ではRAM604の各種フラグ格納エリアに格納されている高頻度サポートモードフラグを消去する。続くステップS1416にて高頻度サポートモード終了コマンドを設定した後、本上作動口用制御処理を終了する。高頻度サポートモード終了コマンドについては、通常処理(図28)のステップS401にて報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、このコマンドを受信したことに基づいて、表示演出モードを切り替える。
ステップS1407にて肯定判定をした場合には、ステップS1410にて停止絵柄の書替処理を実行し、上記ステップS1411~S1416の各処理を実行した後、本上作動口用制御処理を終了する。停止結果の書替処理においては、外れ結果に対応する絵柄を停止表示させるようにして停止結果を書き替える。
次に、図52及び図53を参照して、下作動口用制御処理について説明する。
(下作動口用制御処理)
図19に示すように、下作動口用制御処理では、先ずステップS1601にて下作動口83bに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット87の下作動口用表示部が変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における遊技回中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に下作動口用の遊技回中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。下作動口用の遊技回中フラグは、下作動口用表示部にて変動表示を開始させる場合に格納され、その絵柄が停止表示されて確定表示が終了する場合に消去される。
遊技回中でない場合には、ステップS1601にて否定判定をしてステップS1602に進む。ステップS1602では、上作動口83aに係る遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット87の上作動口用表示部が変動表示~確定表示中であるか否か、すなわち1遊技回分の遊技の実行中であるか否かを判定する。
ステップS1602にて肯定判定をした場合にはステップS1603に進む。ステップS1603では上作動口83aに係る遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS1603にて肯定判定をした場合には、そのまま本下作動口用制御処理を終了する。ステップS1603にて否定判定をした場合、又はステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1604に進む。ステップS1604では、保留球格納エリア632の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である下作動口用保留記憶数CRN(詳しくは下作動口83bに係る保留情報の数)が「0」か否かを判定する。下作動口用保留記憶数CRNが「0」である場合には、そのまま遊技回制御処理を終了する。一方、下作動口用保留記憶数CRNが「0」でない場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605ではデータ設定処理を行う。
下作動口83bのデータ設定処理では、先ず下作動口用保留記憶数CRNを1ディクリメントする。その後、下作動口用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを第2実行エリアに移動し、下作動口用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。
このデータシフト処理は、第1~第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータがクリアされると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。そして、下作動口用の保留数表示部にて点灯中のLEDを1つ消灯させる。この消灯処理では、保留情報が追加された際に実行される点灯処理とは逆に、下作動口用の保留ランプ部のLEDが右側から順に消灯されるようになっている。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS1606にて主表示ユニット87(主表示部D)における絵柄の変動表示及び可変表示ユニット(詳しくは第2表示ユニット)における図柄の変動表示を開始させるための下作動口用の変動開始処理(下作動口用変動開始処理)を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、図53を参照して、ステップS1606の下作動口用変動開始処理について説明する。
(下作動口用変動開始処理)
下作動口用変動開始処理においては先ず、ステップS1701にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、下作動口用の当否テーブルを参照して、第2実行エリアに格納された各種情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が上述した大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。ステップS1701における判定結果が大当たり結果である場合には、ステップS1702にて肯定判定をしてステップS1703に進む。
ステップS1703では種別判定処理を実行する。種別判定処理では、第2実行エリアに格納された各種情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報と、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルとを参照して、上記把握した種別判定用の情報が通常大当たり結果に対応した情報群及び確変大当たり結果に対応した情報群の何れに含まれているかを特定する。
ステップS1704では大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、当該遊技回において主表示ユニット87の主表示部D(下作動口用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄をROM603に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには主表示部Dに停止表示される絵柄が複数設定されており、ステップS1704では、大当たり結果に応じた絵柄を示す情報をRAM604に記憶する。また、ステップS1704では、今回の遊技結果が、通常大当たり結果及び確変大当たり結果の何れかであるかをMPU602にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア635に格納する。具体的には、通常大当たり結果である場合には通常大当たりフラグを格納し、確変大当たり結果である場合には確変大当たりフラグを格納する。
ステップS1704の設定処理を実行した後は、ステップS1705に進む。ステップS1705では上作動口83aに係る遊技回が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS1705にて肯定判定をした場合には、ステップS1706に進む。ステップS1706ではRAM604の各種フラグ格納エリア635に強制終了フラグを格納する。上作動口83aに係る遊技回(絵柄の変動表示)が実行されている場合には、この強制終了フラグに基づいて上作動口83aに係る遊技回(絵柄の変動表示)が途中で強制的に終了されることとなる。より詳しくは、下作動口83bに係る遊技回が大当たり結果に対応している場合であって且つ当該遊技回における確定表示が行われるタイミングを超えて上作動口83aに係る遊技回(外れ結果対応)が実行され得る場合には、上作動口83aに係る遊技回が短縮され下作動口83bに係る遊技回の終了とともに上作動口83aに係る遊技回についても終了することとなる。このような場合には、上作動口83aに係る遊技回にて停止表示される絵柄は外れ結果に対応するものとなる。
ステップS1702の説明に戻り、ステップS1701における判定結果が外れ結果である場合には、ステップS702にて否定判定してステップS1707に進む。
ステップS1707では外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において主表示ユニット87の主表示部D(下作動口用表示部)に最終的に停止表示させる絵柄を、ROM603に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。
ステップS1706又はステップS1707の処理を実行した後、又はステップS1705にて否定判定をした場合には、ステップS1708に進む。ステップS1708では変動表示時間(表示継続時間)の設定処理を実行する。
ステップS1708の変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS1709にて変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間は、リーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して取得される変動表示時間と異なっているため、変動開始コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である報知・演出制御装置140では変動表示時間の情報からリーチ発生の有無を特定することが可能である。この点、変動開始コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動開始コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
ステップS1709の設定処理を実行した後は、ステップS1710に進み、主表示ユニット87における下作動口用表示部の変動表示を開始した後、本下作動口用変動開始処理を終了する。ステップS1710の処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に下作動口用の遊技回中フラグを格納する。これにより、以降の処理では下作動口83bに係る遊技回(例えば変動表示)が実行されている最中であることを特定可能となる。
再び図52の説明に戻り、ステップS1601にて肯定判定をした場合、すなわち下作動口83bに係る遊技回中であると判定した場合には、ステップS1608に進む。ステップS1608では上作動口83aに係る遊技回であって大当たり結果に対応する遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1608にて否定判定をした場合には、ステップS1609に進む。
ステップS1609では変動表示時間を経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1609にて否定判定をした場合には、ステップS1610にて変動表示用処理を実行した後、本下作動口用制御処理を終了する。ステップS1610の変動表示用処理においては、下作動口用表示部を構成する各種LEDを点灯/消灯させる処理を行うことにより、絵柄を変動表示させる。
ステップS1609にて肯定安定をした場合にはステップS1612に進む。ステップS1612では変動終了処理を実行する。変動終了処理では、事前に決定された態様となるようにして下作動口用表示部にて絵柄を停止表示させるように主表示ユニット87の表示制御を行う。
続くステップS1613にて変動終了コマンドを設定する。ステップS1613にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図28)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、変動終了コマンドを受信したことに基づいて、その遊技回における演出を終了させるための処理を実行する。また、報知・演出制御装置140では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回の遊技結果等に対応した図柄の組み合わせを可変表示ユニット500Zの第2表示ユニットに確定表示(最終停止表示)させる。なお、変動終了コマンドが送信されずに、報知・演出制御装置140にて独自に遊技回用の演出を終了させる構成としてもよい。
ステップS1613の処理を実行した後は、ステップS1614に進み、遊技回数カウンタの更新処理を実行する。遊技回数カウンタは、上記第2通常遊技状態にて高頻度サポートモードを継続する遊技回数を特定するためのカウンタであり、遊技回が実行される毎に「1」ずつ減算される。遊技回数カウンタが「0」になった場合には、ステップS1615にて肯定判定をしステップS1616に進む。ステップS1616ではRAM604の各種フラグ格納エリアに格納されている高頻度サポートモードフラグを消去する。続くステップS1617にて高頻度サポートモード終了コマンドを設定した後、本下作動口用制御処理を終了する。高頻度サポートモード終了コマンドについては、通常処理(図28)のステップS401にて報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、このコマンドを受信したことに基づいて、表示演出モードを切り替える。
ステップS1608にて肯定判定をした場合には、ステップS1611にて停止絵柄の書替処理を実行し、上記ステップS1612~S1617の各処理を実行した後、本上作動口用制御処理を終了する。停止結果の書替処理においては、外れ結果に対応する絵柄を停止表示させるようにして停止結果を書き替える。
以上詳述したように、本実施の形態においては、上作動口83aに係る遊技回と下作動口83bに係る遊技回とが同時進行する構成となっている。但し、遊技状態によって各遊技回にて設定される変動表示時間に差が設けられており、遊技進行の主たる対象が遊技状態によって切り替わる。以下、図54を参照して、遊技状態と変動表示時間との関係について補足説明する。
サポートモードが低頻度サポートモード且つ抽選モードが低確率モードとなる第1通常遊技状態においては、上作動口83aへの入球に基づいて実行される遊技回について設定される変動表示時間が1~20secとなる。外れ結果に対応する遊技回については特に、上作動口83aに係る保留数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように差が設けられており、遊技が速やかに進行させつつも上作動口83aへの入球が発生したにも関わらず保留情報が取得されないといった機会を減らすことが可能となっている。他方、下作動口83bへの入球に基づいて実行される遊技回にて設定される変動表示時間については一律600secとなる。つまり抽選結果が大当たり結果及び外れ結果の何れであっても変動表示時間は600secとなる。このように、第1通常遊技状態においては、上作動口83aに係る遊技回が優先的に進行することとなる。
これに対して、サポートモードが高頻度サポートモード且つ抽選モードが高確率モードとなる第2通常遊技状態、サポートモードが高頻度サポートモード且つ抽選モードが低確率モードとなる第3通常遊技状態においては、設定される変動表示時間の関係が第1通常遊技状態とは逆になる。つまり、上作動口83aへの入球に基づいて実行される遊技回について設定される変動表示時間が一律600secとなる。つまり抽選結果が大当たり結果及び外れ結果の何れであっても変動表示時間は600secとなる。他方、下作動口83bへの入球に基づいて実行される遊技回にて設定される変動表示時間については1~10secとなる。外れ結果に対応する遊技回については特に、下作動口83bに係る保留数が多くなるほど変動表示時間が短くなるように差が設けられており、遊技が速やかに進行させつつも下作動口83bへの入球が発生したにも関わらず保留情報が取得されないといった機会を減らすことが可能となっている。このように、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態においては、下作動口83bに係る遊技回が優先的に進行することとなる。
本実施の形態においては、第1表示ユニットにより表示される図柄によって抽選結果が報知され、第2表示ユニットにより表示される図柄によって抽選結果が報知される構成となっており、各遊技状態に応じて主たる遊技進行の対象が切り替わることに合わせて、各表示ユニットのサイドライトの点灯/消灯を切り替える構成となっている。以下、図55及び図56を参照して、遊技状態と発光態様との関係について説明する。
主として上作動口83aへの入球に基づいて遊技が進行する第1通常遊技状態においては、第1表示ユニットのサイドライト528Z及び第2表示ユニットのサイドライト728Zが基本的に点灯状態に維持される(図55参照)。第1通常遊技状態においては、第2表示ユニットの回転体725Zが上述した砂浜の背景が遊技機前方を向いた状態に維持され、当該砂浜の背景の前で上作動口83aに対応する図柄が可変表示される。つまり、図56(a)に示すように、第1表示ユニットの図柄と第2表示ユニットの背景とを視認可能となる。
これに対して、主として下作動口83bへの入球に基づいて遊技が進行する第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態においては、基本的に第1表示ユニットのサイドライト528Zが消灯状態に維持され、第2表示ユニットのサイドライト728Zが点灯状態に維持される(図55参照)。これらの遊技状態においては、一部の例外を除き、第1表示ユニットにおける図柄については非表示となり、第2表示ユニットによって表示される図柄の視認を妨げない構成となっている。つまり、基本的には、図56(b)に示すように、第2表示ユニットの図柄のみが視認可能となる。
特別遊技状態においては、当該特別遊技状態への移行契機となった図柄組合せの表示が継続される。つまり、第1表示ユニットにて大当たり結果対応の図柄組合せが停止表示されている場合には、背景が非表示となって当該図柄組合せの表示が継続され、第2表示ユニットにて大当たり結果対応の図柄組合せが停止表示されている場合には、当該図柄組合せの表示が継続される。
ここで、報知・演出制御装置140のMPU652においては定期処理の一環として遊技回用の制御処理が実行される。遊技回用の制御処理は、上作動口83aへの入球に基づく遊技回に対応する上作動口用表示処理と、下作動口83bへの入球に基づく遊技回に対応する下作動口用表示処理とを含む。以下、図57~図59を参照して、上作動口用表示処理について説明する。
なお、第1通常遊技状態においては基本的に第1表示ユニット用のサイドライト528Zが点灯状態且つ第2表示ユニット用のサイドライト728Zが点灯状態に維持され、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態においては基本的に第1表示ユニット用のサイドライト528Zが消灯状態且つ第2表示ユニット用のサイドライト728Zが点灯状態に維持される。
(上作動口用表示処理)
図57に示すように、上作動口用制御処理においては先ず、ステップS1801にて、第1通常遊技状態中であるか否かを判定する。ステップS1801にて肯定判定をした場合にはステップS1802にて上作動口用メイン制御処理を実行し、ステップS1801にて否定判定をした場合にはステップS1803にて上作動口用特殊制御処理を実行する。
(上作動口用メイン制御処理)
図58に示すように、上作動口用メイン制御処理においては先ず、ステップS1901にて下作動口83bに係る遊技回にて大当たり結果に対応する図柄組合せを確定表示(最終停止表示)させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1901にて否定判定をした場合には、ステップS1902に進む。
ステップS1902では上作動口83aに係る遊技回中であるか否かを判定する。ステップS1902にて否定判定をした場合には、ステップS1903に進む。ステップS1903では上作動口83aに係る遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1903にて否定判定をした場合にはそのまま本上作動口用メイン処理を終了する。ステップS1903にて肯定判定をした場合には、ステップS1904に進む。
ステップS1904では第1表示ユニットの駆動制御開始処理を実行する。これにより、第1表示ユニットを構成する各モータ526Zへ駆動信号が出力され、各回転体525Zが動作を開始する。続くステップS1905では第1表示ユニットのサイドライト528の発光制御処理を実行する。これにより、すでにサイドライト528への電力供給がなされている場合には当該電力供給が継続され、サイドライト528への電力供給の一部又は全てが行われていない場合には、それらサイドライト528への電力供給が開始される。
ステップS1902の説明に戻り、当該ステップS1902にて肯定判定をした場合、すなわち上作動口83aに係る遊技回中である場合には、ステップS1906に進む。ステップS1906では上作動口83aに係る遊技回にて図柄組合せを確定表示させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS1906にて肯定判定をした場合には、ステップS1907に進む。
ステップS1907では第1表示ユニットの停止制御処理を実行する。これにより、第1表示ユニットを構成するすべての回転体525Zが停止し、抽選結果に対応した図柄組合せが停止表示されることとなる。一方、ステップS1906にて否定判定をした場合には、ステップS1908に進み第1表示ユニットの変動中用の発光・駆動制御処理を実行する。これにより、左図柄列及び右図柄列が停止表示されてリーチ表示へと移行したり、中図柄列が特殊変更されたりする。この場合の、表示演出の具体的な流れについては上記第1の実施の形態と同様である。
ステップS1901の説明に戻り、当該ステップS1901にて肯定判定をした場合、すなわち下作動口83bに係る遊技回にて大当たり結果に対応する図柄組合せを確定表示させるタイミングである場合には、ステップS1909に進む。ステップS1909では、第1表示ユニット用のサイドライト528Zを全て消灯させるべく消灯制御処理を実行する。つまり、第1通常遊技状態中に下作動口83bに係る遊技回が進行して、第2表示ユニットにて大当たり結果に対応した図柄組合せが停止表示される場合には、第1表示ユニットにおける図柄が非表示となり、背後の第2表示ユニットにより表示される図柄組合せの視認を妨げない構成となっている。
その後、ステップS1910では第1表示ユニットの各回転体525Zを停止表示させるべく強制停止制御処理を実行する。各回転体525Zを強制停止させる場合には、外れ結果に対応する光放出部553Zの組み合わせが変動表示領域に停止されるものの、ステップS1909にてサイドライト528Zからの光の供給が停止されているため、これらの光放出部553Zが発光することはない。
(上作動口用特殊制御処理)
次に、遊技が下作動口83bへの入球に基づいて進行する第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態である場合に実行される上作動口用特殊制御処理について説明する。図59に示すように、上作動口用特殊制御処理においては先ず、ステップS2001にて下作動口83bに係る遊技回にて大当たり結果に対応する図柄組合せを確定表示(最終停止表示)させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2001にて否定判定をした場合には、ステップS2002に進む。
ステップS2002では上作動口83aに係る遊技回中であるか否かを判定する。ステップS2002にて否定判定をした場合には、ステップS2003に進む。ステップS2003では、上作動口83aに係る遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS2003にて否定判定をした場合には、そのまま本上作動口用特殊制御処理を終了する。
ステップS2003にて肯定判定をした場合には、ステップS2004にて第1表示ユニットの駆動制御開始処理を実行した後、本上作動口用特殊制御処理を終了する。第1表示ユニットの駆動制御開始処理により、第1表示ユニット用の各モータ526Zへの駆動信号の出力が開始され、各回転体525Zが動作を開始する。但し、第1表示ユニット用のサイドライト528については、消灯状態に維持されるため、第1表示ユニットにおける図柄については非表示のままとなる。つまり、各回転体525Zが空転することとなる。
ステップS2002の説明に戻り、当該ステップS2002にて肯定判定をした場合には、ステップS2005に進む。ステップS2005では、上作動口83aに係る遊技回にて図柄組合せの確定表示が行われている最中であるか否かを判定する。ステップS2005にて否定判定をした場合には、ステップS2006に進む。
ステップS2006では、上作動口83aに係る遊技回にて図柄組合せを確定表示(最終停止表示)させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2006にて否定判定をした場合には、ステップS2010にて第1表示ユニットの変動中用の駆動制御処理を実行する。これにより、各回転体525の回転/停止等が制御される。但し、この場合についても第1表示ユニット用のサイドライト528が消灯しているため、図柄が表示されないままとなる。
ステップS2006にて肯定判定をした場合には、ステップS2007に進む。ステップS2007では、第1表示ユニットの停止制御処理を実行する。今回の遊技回が大当たり結果に対応している場合には、大当たり結果に対応する図柄組合せ用の光放出部553Zが有効ラインL1~L5の何れかに停止され、今回の遊技回が外れ結果に対応している場合には、外れ結果に対応する図柄組合せ用の光放出部553Zが有効ラインL1~L5に停止される。
続くステップS2008では今回の遊技結果が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS2008にて否定判定をした場合には、そのまま本上作動口用特殊制御処理を終了する。ステップS2008にて肯定判定をした場合には、ステップS2009に進み、第1表示ユニット用のサイドライト528Zの発光制御処理を実行する。これにより、大当たり図柄組合せが形成されるライン上の光放出部553Zにのみサイドライト528Zから光が供給され、第1表示ユニットに突如として大当たり結果に対応する図柄組合せが出現することとなる。
ステップS2005の説明に戻り、当該ステップS2005にて肯定判定をした場合、すなわち確定表示中である場合には、ステップS2011に進む。ステップS2011では確定表示期間が経過して確定表示を終了させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2011にて否定判定をした場合にはそのまま本上作動口用特殊制御処理を終了する。ステップS2011にて肯定判定をした場合には、ステップS2012に進む。ステップS2012では今回の遊技結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップS2013に進み第1表示ユニットのサイドライト528の発光を特別遊技状態が終了するまで延長させるべく発光延長制御処理を実行する。
以上詳述したように、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態中に上作動口83aに係る遊技回にて大当たり結果となった場合には、その結果のみが第1表示ユニットにて表示され、当該表示は特別遊技状態の終了まで継続されることとなる。これに対して、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態中に上作動口83aに係る遊技回にて外れ結果となった場合には、同じくその結果に応じて回転体525Zが停止されるものの、外れ結果に対応した図柄組合せは非表示のままとなる。
(下作動口用表示処理)
次に、図60~図62を参照して下作動口用制御処理について説明する。図60に示すように、下作動口用制御処理においては先ず、ステップS2101にて、第2通常遊技状態又は第3通常遊技状態中であるか否かを判定する。ステップS2101にて肯定判定をした場合にはステップS2102にて下作動口用メイン制御処理を実行し、ステップS2101にて否定判定をした場合にはステップS2103にて下作動口用特殊制御処理を実行する。
(下作動口用メイン制御処理)
図61に示すように、下作動口用メイン制御処理においては先ず、ステップS2201にて上作動口83aに係る遊技回にて大当たり結果に対応する図柄組合せを確定表示(最終停止表示)させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2201にて否定判定をした場合には、ステップS2202に進む。
ステップS2202では下作動口83bに係る遊技回中であるか否かを判定する。ステップS2202にて否定判定をした場合には、ステップS2203に進む。ステップS2203では下作動口83bに係る遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS2203にて否定判定をした場合にはそのまま本下作動口用メイン処理を終了する。ステップS2203にて肯定判定をした場合には、ステップS2204に進む。
ステップS2204では第2表示ユニットの駆動制御開始処理を実行する。これにより、第2表示ユニットを構成する各モータ726Zへ駆動信号が出力され、各回転体725Zが動作を開始する。上述したように、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態においては基本的に第2表示ユニットのサイドライト728Zが点灯状態に維持されるため、回転体725Zが動作を開始することで、第2表示ユニットにて図柄の変動表示が開始されることとなる。
ステップS2202の説明に戻り、当該ステップS2202にて肯定判定をした場合、すなわち下作動口83bに係る遊技回中である場合には、ステップS2205に進む。ステップS2205では下作動口83bに係る遊技回にて図柄組合せを確定表示(最終停止表示)させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2205にて肯定判定をした場合には、ステップS2206に進む。
ステップS2206では第2表示ユニットの停止制御処理を実行する。これにより、第2表示ユニットを構成するすべての回転体725Zが停止し、抽選結果に対応した図柄組合せが停止表示されることとなる。一方、ステップS2205にて否定判定をした場合には、ステップS2207に進み第2表示ユニットの変動中用の発光・駆動制御処理を実行する。これにより、左図柄列及び右図柄列が停止表示されてリーチ表示へと移行したり、中図柄列が特殊変更されたりする。この場合の、表示演出の具体的な流れについては上記第1の実施の形態と同様である。
ステップS2201の説明に戻り、当該ステップS2201にて肯定判定をした場合、すなわち上作動口83aに係る遊技回にて大当たり結果に対応する図柄組合せを確定表示させるタイミングである場合には、ステップS2208に進む。ステップS2208では、第2表示ユニット用のサイドライト728Zを全て消灯させるべく消灯制御処理を実行する。つまり、第2通常遊技状態又は第3通常遊技状態中に上作動口83aに係る遊技回が進行して、第1表示ユニットにて大当たり結果に対応した図柄組合せが停止表示される場合には、第2表示ユニットにおける図柄が非表示となり、遊技者に提供される情報が過多となって遊技者を困惑させることを抑制している。
その後、ステップS2209では第2表示ユニットの各回転体725Zを停止表示させるべく強制停止制御処理を実行する。各回転体725Zを強制停止させる場合には、外れ結果に対応する光放出部753Zの組み合わせが変動表示領域に停止されるものの、ステップS2208にてサイドライト728Zからの光の供給が停止されているため、これらの光放出部753Zが発光することはない。
(下作動口用特殊制御処理)
次に、遊技が上作動口83aへの入球に基づいて進行する第1通常遊技状態である場合に実行される下作動口用特殊制御処理について説明する。図62に示すように、下作動口用特殊制御処理においては先ず、ステップS2301にて上作動口83aに係る遊技回にて大当たり結果に対応する図柄組合せを確定表示(最終停止表示)させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2301にて否定判定をした場合には、ステップS2302に進む。
ステップS2302では下作動口83bに係る遊技回中であるか否かを判定する。ステップS2302にて否定判定をした場合には、ステップS2303に進む。ステップS2303では、下作動口83bに係る遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS2303にて否定判定をした場合には、そのまま本下作動口用特殊制御処理を終了する。
ステップS2303にて肯定判定をした場合には、ステップS2304に進む。ステップS2304では第2表示ユニットのサイドライトの特殊制御処理を実行し、続くステップS2305では第2表示ユニットの駆動制御処理を実行する。これにより、第2表示ユニット用の各モータ726Zへの駆動信号の出力が開始され、各回転体725Zが動作を開始する。この場合、背景用の光放出部753Zと図柄用の光放出部753Zとが所定の周期で変動表示領域を通過することとなるが、図柄用の光放出部753Zが変動表示領域を通過する期間はサイドライト728Zからの光の供給が一時停止される。これにより、遊技者からみて背景が点滅表示しているかのようになる。
ステップS2302の説明に戻り、当該ステップS2302にて肯定判定をした場合には、ステップS2306に進む。ステップS2306では、下作動口83bに係る遊技回にて図柄組合せの確定表示が行われている最中であるか否かを判定する。ステップS2306にて否定判定をした場合には、ステップS2307に進む。
ステップS2307では、下作動口83bに係る遊技回にて図柄組合せを確定表示(最終停止表示)させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2307にて否定判定をした場合には、ステップS2311にて第2表示ユニットの変動中用の発光・駆動制御処理を実行する。これにより、各回転体725Zの回転位置に応じてサイドライト728Zが点灯/消灯に切り替わり、背景が点滅表示される一方、第2表示ユニットにおける図柄については非表示となる。なお、第1通常遊技状態にて下作動口83bに係る遊技回が実行される場合には、上述したリーチ表示を経由することなく確定表示のタイミングとなった場合に各回転体725Zが停止することとなる。
ステップS2307にて肯定判定をした場合には、ステップS2308に進む。ステップS2308では、第2表示ユニットの停止制御処理を実行する。今回の遊技回が大当たり結果に対応している場合には、大当たり結果に対応する図柄組合せ用の光放出部753Zが有効ラインL1~L5の何れかに停止され、今回の遊技回が外れ結果に対応している場合には、外れ結果に対応する図柄組合せ用の光放出部753Zが有効ラインL1~L5に停止される。
続くステップS2309では今回の遊技結果が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS2309にて否定判定をした場合には、そのまま本下作動口用特殊制御処理を終了する。ステップS2309にて肯定判定をした場合には、ステップS2310に進み、第2表示ユニット用のサイドライト728Zの発光制御処理を実行する。これにより、大当たり図柄組合せが形成されるライン上の光放出部753Zにのみサイドライト728Zから光が供給され、第2表示ユニットに突如として大当たり結果に対応する図柄組合せが出現することとなる。
ステップS2306の説明に戻り、当該ステップS2306にて肯定判定をした場合、すなわち確定表示中である場合には、ステップS2312に進む。ステップS2312では確定表示期間が経過して確定表示を終了させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2312にて否定判定をした場合にはそのまま本上作動口用特殊制御処理を終了する。ステップS2011にて肯定判定をした場合には、ステップS2313に進む。ステップS2313では今回の遊技結果が大当たり結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップS2313に進み第2表示ユニットのサイドライト728Zの発光を特別遊技状態が終了するまで延長させるべく発光延長制御処理を実行する。
ステップS2301の説明に戻り、当該ステップS2301にて肯定判定をした場合には、ステップS2315に進む。ステップS2315では第2表示ユニットの強制停止制御処理を実行する。つまり、第1通常遊技状態にて上作動口83aに係る遊技回にて大当たり結果となる図柄組合せが停止表示される場合には、第2表示ユニットについても各回転体725Zを強制的に停止させる。この場合、第2表示ユニットについては何れの有効ラインL1~L5上にも大当たり結果に対応する光放出部753Zの組み合わせが停止しないように調整される。
以上詳述したように、第1通常遊技状態中に下作動口83bに係る遊技回にて大当たり結果となった場合には、その結果のみが第2表示ユニットにて表示され、当該表示は特別遊技状態の終了まで継続されることとなる。これに対して、第1通常遊技状態中に下作動口83bに係る遊技回にて外れ結果となった場合には、同じくその結果に応じて回転体525Zが停止されるものの、外れ結果に対応した図柄組合せは非表示のままとなる。
低頻度サポートモード対応の第1通常遊技状態と高頻度サポートモード対応の第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態とを比較した場合に、前者よりも後者の方が作動口への入球頻度が高くなる。このような事情に配慮して、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態では設定される変動表示時間を短くし、遊技進行の円滑化を図っている。第1表示ユニットにおける光放出部553Z(図柄)の配列と、第2表示ユニットにおける光放出部753Z(図柄)の配列とを比較した場合に、前者では1の図柄列に各図柄が1つずつ配設されているのに対して、後者では1の図柄列に各図柄が複数ずつ配設されている。これは、設定された図柄を停止表示させるまでの所要期間を極力短くして、遊技進行時の図柄表示の応答性を高める工夫である。
上作動口83aへの入球に基づく抽選の結果については第1表示ユニットにて表示され、下作動口83bへの入球に基づく抽選の結果については第2表示ユニットにて表示される。このように、上作動口83a用の表示部と下作動口83b用の表示部とを個別に設けることにより、遊技者は何れの作動口への入球に基づいて遊技が進行しているかを速やかに把握することができる。但し、このように作動口毎に表示部を設けた場合には、注目すべき箇所が散在することで遊技者の負担が増加したり抽選結果の見逃しが増えたりすると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、一方の表示部を通じて他方の表示部を視認可能となるように構成しているため、表示部間での視線の移動量を小さくすることができる。故に、作動口毎に個別となる表示部を設けて独自性を強化しつつも、それに起因した上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。これにより、遊技への注目度向上効果を好適に強化できる。
第1表示ユニットに係る表示部と第2表示ユニットに係る表示部とが平行となっている。このため、第1表示部における図柄表示と第2表示部における図柄表示とで視認性に大きな差が生じることを抑制できる。
第1表示部における図柄の変動表示領域と第2表示部における図柄の変動表示領域とが前後に重なっている。このような構成とすれば、遊技者が一方の表示部に注目している状況下にて他方の表示部にて図柄の変動表示を行う場合に、演出を派手にしたり無駄にアクセントを付与したりすることなく当該変動表示が見逃される機会を好適に減らすことができる。なお、抽選結果に対応した図柄組合せが停止表示される位置(有効ライン)を第1表示部及び第2表示部にて前後に重ねることにより、多数の図柄を停止表示させる構成であってもどの図柄組合せが今回の抽選結果に対応しているかの識別を容易とすることができる。
上述したように、停止表示位置(有効ライン)や変動表示領域を前後に重ねる構成においては、各表示部にて表示される図柄群を外観上相違させることにより、何れの表示部にて図柄が表示されたかについて識別力を向上させることができる。特に、有効ラインを前後で揃える構成においては、第1表示部における図柄と第2表示部における図柄とが混在することで、例えば各表示部にて外れ結果に対応する図柄組合せが停止表示されているにも関わらず、あたかも大当たり結果に対応する図柄組せが停止表示されているかのように見えてしまうことを好適に回避できる。
第1通常遊技状態における変動表示モードにおいては基本的に第2表示部における図柄が非表示となり、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態における変動表示モードにおいては基本的に第1表示部における図柄が非表示となる。このような構成とすれば、第1表示部における表示と第2表示部における表示との混同を好適に抑制できる。
各抽選手段による抽選が並行して行われる構成では、第1通常遊技状態中に下作動口83bへの入賞に基づく抽選にて大当たり結果となったり、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態中に上作動口83aへの入賞に基づく抽選にて大当たり結果となったりする可能性がある。このような場合に、当選した側の表示部ではない表示部を代用して当選結果を報知する構成とすることも可能であるが、これは遊技者の困惑させる要因になり得る。他方で、抽選結果を表示するまでの過程にて図柄の変動表示を行った場合には、両表示部にて図柄の変動表示が重複することとなり、遊技者に提供させる情報が過多となる。この点、本実施の形態に示したように、第2通常遊技状態及び第3通常遊技状態中に上作動口83aへの入賞に基づく抽選にて大当たり結果となった場合には、第1表示部にて当選結果に対応する図柄を停止させた状態で表示させ、第1通常遊技状態中に下作動口83bへの入賞に基づく抽選にて大当たり結果となった場合には、第2表示部にて当選結果に対応する図柄を停止させた状態で表示させる構成とすることにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
<変形例1>
上記第3の実施の形態では、第2表示ユニットに背景表示機能を付与したが、少なくとも下作動口83bに係る遊技回用の図柄表示を実行する機能を有しているのであれば足り、背景表示機能については省略することも可能である。
<変形例2>
上記第3の実施の形態では、第1通常遊技状態中に第2表示ユニットのサイドライト728を点灯状態とする構成としたが、第1通常遊技状態中はサイドライト728を消灯状態とする構成としてもよい。
<変形例3>
上記第3の実施の形態では、第1表示ユニット及び第2表示ユニットの一方にて図柄の変動表示を行っている場合には、他方にて図柄の変動表示を行わない(詳しくは、回転体が回動しているとしても光供給は行わない)構成としたが、これに限定されるものではない。各表示ユニットにおける図柄の変動表示を並行して行う構成とすることも可能である。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、作動口83a,83bへの入球に基づく抽選にて高確率モードへ移行するか否かを決定する構成となっていたが、本実施の形態においては作動口83a,83bへの入球に基づく抽選を契機として移行した特別遊技状態中に可変入賞装置82内に設けられた有利入球部への入球が発生した場合に高確率モードへ移行する構成となっている点で、第1の実施の形態と構成が相違しており、このような遊技性の違いに合わせて遊技領域PEの右ルートの構成が一部工夫されている点を特徴の1つとしている。具体的には、右ルートに配設された可変入賞装置82に内蔵された振分ユニット810と、右ルートにて当該可変入賞装置82の上流位置(斜め上方)に配設されたステージユニット830からなる遊技機構800を備えている点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、図63~図66を参照して当該遊技機構800について説明する。図63は遊技機構800を示す概略図、図64は振分ユニット810のステージ部を上方からみた概略図、図65は振分ユニットの各種状態を示す概略図、図66はステージユニット830を示す概略図である。なお、図63においては、説明の便宜上振分ユニット810とステージユニット830とを横並びとなるように記載している。
(振分ユニット810)
先ず、図63の右側に記載した振分ユニット810について説明する。振分ユニットは、遊技球が転動可能に形成されたステージ部811を有している。ステージ部811には、遊技球が通過可能な入球口として、第1入球口812、第2入球口813、第3入球口814が形成されている(図64参照)。それら各入球口812~814は何れも上方に開放されており、遊技球よりも僅かに大きくなっている。第1入球口812は第1連絡通路815を通じて不利側の通路である第1分岐通路部818に繋がっており、第2入球口813は第2連絡通路816を通じて同じく第1分岐通路部818に繋がっている。これに対して、第3入球口814は第3連絡通路817を通じて有利側の通路である第2分岐通路部819(上記有利入球部)に繋がっている。
特別遊技状態中に第1分岐通路部818へ遊技球が入球した場合には、遊技者に所定数の賞球が払い出される。これに対して特別遊技状態中に第2分岐通路部819への入球が発生した場合には、遊技者に所定数の賞球が払い出されるとともに当該特別遊技状態の終了後に移行する通常遊技状態にて抽選モードが高確率モードとなる。このように、第2分岐通路部819の方が第1分岐通路部818よりも遊技者に有利となるように優遇されているため、遊技者は可変入賞装置82に流入した遊技球が第3入球口814に入球することを期待して遊技を行うものと想定される。
ステージ部811については、各入球口812~814に向けて下り傾斜しており、ステージ部811上を当該傾斜に沿って転動する過程で入球口812~814の何れかに入球する。なお、ステージ部811については可変入賞装置82のハウジングの壁面によって囲まれている。これにより、ステージ部811に到達した遊技球が入球口812~814以外を通じて当該ステージ部811から離脱することが回避されている。
振分ユニット810には、第1入球口812及び第2入球口813への入球を規制する規制手段としての可動体821が設けられている。可動体821は、ステージ部811の下方に位置するベース部822と、当該ベース部822から上方に起立する第1柱状部823及び第2柱状部824を有している。
第1柱状部823は、その先端部が第1連絡通路815に下方から挿入されており、当該第1柱状部823の上面823aが第1連絡通路815における底面の一部を形成している。また、第2柱状部824についても、その先端部が第2連絡通路816に下方から挿入されており、当該第2柱状部824の上面824aが第2連絡通路816における底面の一部を形成している。
可動体821については、可変入賞装置82のハウジングによって昇降可能に保持されている。図65(a)に示す下限位置に可動体821が待機している状態では、第1入球口812及び第2入球口813への遊技球の入球が可能となっており、ステージ部811に到達した遊技球が有利側の第3入球口814へ入球する確率は約1/3となる。
これに対して、図65(b)に示す上限位置に可動体821が待機している状態では、第1入球口812及び第2入球口813への入球が規制される。具体的には、柱状部823,824の上面823a,824aによってステージ部811の転動面が補完され、第1入球口812及び第2入球口813に向けて転動する遊技球は、それら第1入球口812及び第2入球口813を素通りする。これにより、ステージ部811に到達した遊技球が有利側の第3入球口814へ入球する確率は約1/1となる。
本実施の形態においては、可動体821が上限位置へと移動した場合に当該上限位置に待機する待機期間を上記ステージユニット830を利用して多様化していることを特徴の1つとしている。以下、ステージユニット830について説明する。
図63に示すように、ステージユニット830については振分ユニット810と同様に遊技球が転動するステージ部831を有しており、右ルートを流下する遊技球の一部、詳しくは右ルートに配設された特別入球口88に流入した遊技球が当該ステージ部831へ案内される構成となっている。
ステージ部831は、その中心部に向けて緩やかに下り傾斜となるすり鉢状をなしており、当該中心部には上方に開放された中央開口832が形成されている(図56(b)参照)。ステージ部831に案内された遊技球は、中央開口832を中心として回動しながら中央開口832へと近づき、当該中央開口832へと流入することとなる。
中央開口832は、ステージ部831における遊技球の排出通路833の入口部分を構成している。排出通路833は鉛直方向に延びており、排出通路833を通過した遊技球は、当該排出通路833の下方に設けられた案内通路836へと流入し、当該案内通路836を経由して可変入賞装置82の直上となる位置へ案内される。つまり、右ルートへ発射された遊技球のうちステージユニット830を経由したものについても可変入賞装置82への入球の余地がある。
ステージユニット830については上記可動体821と同様に鉛直方向にて昇降可能に保持されており、当該ステージユニット830に併設されたストッパ834によって上限位置及び下限位置が規定されている。図示は省略しているが、ステージユニット830は、付勢手段(詳しくはばね部材)によって上限位置へ付勢されており、ステージ部831に遊技球が載っていない状態では当該上限位置に待機する構成となっている。但し、ステージ部831に少なくとも1の遊技球が載った場合には、当該遊技球の重さにより上記付勢手段の付勢力に抗してステージユニット830は降下する。なお、下限位置を超える移動については上記ストッパ834によって阻止されることとなる。
本実施の形態に示す振分ユニット810の可動体821とステージユニット830とはリンク部材840を介して連結されている。リンク部材840は、可動体821とステージユニット830との中間位置にて回動可能に軸支されており、この軸支箇所(中心軸線CL2)を中心に回動する。なお、軸支箇所については可動体821側に偏倚して設定されている。これは、可動体821を昇降させるために必要となる力を小さくする工夫である。
リンク部材840の一端側に位置するステージユニット830が降下した場合には、それに連動してリンク部材840の他端側に位置する可動体821が上昇する。これにたいして、ステージユニット830が上昇した場合には、それに連動して可動体821が降下する。ここで、図67及び図68を参照して、特別遊技状態における遊技の流れについて例示する。
特別遊技状態へ移行すると可変入賞装置82が開放され、右ルートを流下する遊技球が大入賞口へ流入することとなる。大入賞口へ流入した遊技球は振分ユニット810のステージ部811に案内される。
図67に示すように、ステージユニット830のステージ部831上に遊技球が載っていない状況(停留していない状況)では、振分ユニット810の第1入球口812及び第2入球口813が開放されており、有利側の第3入球口814への入球確率は約1/3となる。
ステージユニット830のステージ部831上に遊技球が載ると、当該遊技球に押されてステージユニット830が下限位置へと降下し、それに連動して振分ユニット810の可動体821が上限位置へと移動する。この状態では、図68に示すように、第1入球口812及び第2入球口813への入球が不可となり、入球先が実質的に第3入球口814に絞られることとなる。つまり、有利側である第3入球口814への入球確率は一時的にではあるが1/1となる。
図68→図67に示すように、ステージ部831上に位置している遊技球が中央開口832を通じてステージユニット830から離脱すると、上記付勢力によってステージユニット830が上限位置へと復帰する。これに連動して、可動体821が下限位置へと復帰し、当該可動体821による第3入球口814への入球サポートが終了することとなる。
ここで、ステージユニット830のステージ部831に転動する遊技球については、最終的には中央開口832を通じて当該ステージ部831から排出されるものの、当該ステージ部831における滞在期間については様々となる。つまり、ステージ部831へ到達した際の移動速度や着地位置等の微妙な違いによって滞在期間が長短相違することとなる。このため、可動体821によって第3入球口814への入球がサポートされる期間が長短相違することとなる。
本実施の形態に示すステージユニット830のステージ部831については、複数の遊技球が同時に転動(滞在)可能となるように構成されており、且つ中央開口832については複数の遊技球が同時に通過不可となる大きさとなっている。これにより、複数の遊技球がステージ部831上に載ることにより上記入球サポートの期間が長くなる。故に、特別遊技状態においては、ステージ部831に少しでも多くの遊技球が案内されることを期待して遊技が行われることとなる。
なお、本実施の形態に示す振分ユニット810においては、上面823a,824a上に遊技球が載った場合には、当該遊技球の重さによって可動体821が降下しようとするため、サポート期間が短縮される可能性がある。但し、ステージ部831の面積については、可動体821の柱状部823,824の上面823a,824aの総面積よりも大きくなっている。これにより、上記事象が多発することを抑制している。
ステージユニット830のステージ部831に遊技球が載ることで振分ユニット810の可動体821が下限位置から上限位置へ変位し、ステージ部831から遊技球が離脱することで可動体821が上限位置から下限位置へ復帰する。ここで、ステージ部831における遊技球の転動態様(例えば遊技球の転動方向や転動速度)に応じてステージ部831に滞在する滞在期間に差が生じる。つまり、可動体821が上限位置に位置する期間については上記滞在期間に左右されることとなる。このようにして遊技機構800の動きが単調になることを抑制することにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
ステージユニット830のステージ部831の昇降動作に連動して可動体821が下限位置/上限位置に変位する。ここで、ステージ部831の動作方向を上下とすることにより、ステージ部831の動きにつられて遊技球の挙動が変化することを抑制できる。これは、ステージ部831上に遊技球が待機する待機期間の偏りを緩和する上で好ましい。
遊技球の重さを利用してステージユニット830を昇降させる構成においては、駆動力が遊技球の重さに依存する。本実施の形態に示したように、回動可能に保持されたリンク部材840の一端側にステージユニット830を配設し、他端側に可動体821を配設してそれらステージユニット830及び可動体821の動きを上下に互い違いとなるように形成することで、出力の伝達ロスを軽減することができる。これは、駆動力が小さいことを前提とした上で、遊技機構800の動作の確実性を高める上で好ましい。
ステージ部831は複数の遊技球が同時に転動可能となるように形成されている。上述したように遊技球の重さを可動体821を変位させる動力として利用する構成では、ステージ部831上に位置し得る遊技球の数によって変位速度(応答性)を変化させることができる。このように遊技球の数に応じて応答性が変化する構成とすれば、可動体821が上限位置に維持される期間の更なる多様化に貢献できる。
ステージユニット830に形成された排出通路833は中央開口832から鉛直方向に延び鉛直通路となっている。このような構成とすれば、排出通路833を通過する遊技球に押される等して、ステージユニット830の待機位置への復帰が遅れる等することを回避できる。これにより、可動体821を下限位置/上限位置に変位させる場合の応答性の向上に寄与できる。
中央開口832は、複数の遊技球が同時に通過できない大きさとなっている。このため、ステージ部831上を複数の遊技球が転動する場合には、それら遊技球がステージ部831から順次離脱することとなり、一気に離脱することが回避される。このため、ステージ部831上に位置する遊技球の数に応じて可動体821が上限位置に待機する期間(例えば作用期間)を多様化できる。
<変形例1>
上記第4の実施の形態では、可動体821が上限位置に配置された場合に、柱状部823,824の上面823a,824aがステージ部811における遊技球の転動面を補完する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、図69の概略図に示すように、可動体821Aが上限位置に配置された場合に、柱状部823A,824Aがステージ部811における遊技球の転動面よりも上方に突出する構成とすることも可能である。これにより、入球口812A,813Aへの入球を規制しつつも、柱状部823A,824Aの上面823aA,824aAに遊技球が載る機会を減らすことができる。
<変形例2>
上記第4の実施の形態では、振分ユニット810の可動体821の移動方向(上下方向)と、ステージユニット830の移動方向(上下方向)とを揃える構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、図70の概略図に示すように、入球口812Bを開閉するシャッタ825Bと、当該シャッタ825Bを閉位置へ付勢する付勢手段とを追加し、当該シャッタ825Bが可動体821Bの上昇に伴い上記付勢手段の付勢力に抗して閉位置から開位置へスライド移動する構成とすることも可能である。このような構成とすれば、シャッタ825B上に遊技球が載ったとしても、その重さによって可動体821Bが押し下げられることを回避できる。
<変形例3>
上記第4の実施の形態においては、右ルートに配設された特別入球口88へ入球した遊技球がステージユニット830(ステージ部831)へ案内される構成とした。ステージ部831へ案内された遊技球の移動速度のばらつきを大きくする上では、図71の概略図に示すように、特別入球口88Cとステージ部831とを繋ぐ連絡通路88bCを傾斜させるとよい。特別入球口88Cの開口88aCに対して傾斜方向と同じ側から遊技球が流入する場合と、傾斜方向とは反対側から遊技球が流入する場合とで、挙動に差が生じる。後者よりも前者の方が遊技球の流入の勢いが削がれにくくなるため、ステージ部831に到達した際の移動速度の差を顕著なものとすることができる。これは、可動体821によるサポート期間の幅を大きくする上で好ましい。
また、移動速度の差を設ける上では、上記連絡通路88bCを以下のように変更することも可能である。すなわち、図72(a)の概略図に示すように、連絡通路88bDを途中位置にて第1分岐通路88cD及び第2分岐通路88dDに分岐させて、その分岐位置に遊技球を第1分岐通路88cD及び第2分岐通路88dDに振り分ける振分手段88gDを配設する。そして、第1分岐通路88cD及び第2分岐通路88dDに遊技球を減速させる減速部88eD,88fDを各々配設し、各分岐通路88cD,88dDを通過した時点での遊技球の移動速度に差を生じさせるとよい。
なお、この概念をステージ部831に適用して、当該ステージ部831における遊技球の滞在期間に流路に応じた差を生じさせてもよい。
<変形例4>
上記第4の実施の形態では、ステージユニット830のステージ部831をすり鉢状として、遊技球の滞在期間を多様化したが、滞在期間に差を設けるための具体的構成については任意である。例えば、図72(b1)の概略図に示すように、ステージユニット830Eに通過所要期間が相対的に短くなる第1流路88cEと相対的に長くなる第2流路88dEを設け、通過した流路によって滞在期間に差が生じる構成とすることも可能である。この場合、第1流路88cE/第2流路88dEの一方から他方への遊技球の移動を許容することにより、滞在期間の更なる多様化に寄与できる。例えば、図72(b2)の概略図に示すように、第1流路88cEを第2流路88dEよりも上方にオフセットした上で、第1流路88cEにおける遊技球の転動面を第2流路88dE側に下り傾斜させるとよい。
<変形例5>
上記第4の実施の形態では、ステージユニット830のステージ部831上に1個の遊技球が載ることで、当該ステージユニット830が降下を開始する構成としたが、降下開始の契機となる遊技球の数についてはこれに限定されるものではない。例えば、2つの遊技球が載ることで降下を開始する構成としてもよいし、3つ以上の遊技球が載ることで降下を開始する構成としてもよい。
<変形例6>
上記第4の実施の形態では、第3入球口814への入球に基づいて高確率モードへ移行する構成について例示したが、少なくとも入球口812~814に有利度の差が設けられているのであれば足り、第3入球口814への入球によって特別遊技状態におけるラウンド遊技が継続される構成とすることも可能である。また、振分ユニットを可変入賞装置82に適用する必要はなく、当該可変入賞装置82とは別に設けてもよい。この場合、第1入球口812及び第2入球口813へ入球した場合には大当たりの抽選が実行され、第3入球口814へ入球した場合には大当たりが確定する構成とすることも可能である。
<変形例7>
上記第4の実施の形態では、第1入球口812及び第2入球口813よりも第3入球口814が遊技者に有利となるように有利度の差を設けたが、この関係を逆にすることも可能である。すなわち、第1入球口812及び第2入球口813よりも第3入球口814が遊技者に不利となるように有利度の差を設けてもよい。
<変形例8>
上記ステージユニット830上に遊技球が滞在している期間に亘って可動体が作動状態となるように構成されているのであれば足り、その作用については必ずしも「遊技球の振分」である必要はない。例えば、演出用の可動装飾体を動作用にステージユニット830に相当する構成を適用してもよい。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、導光部532,732を回動式としたが、これに限定されるものではない。導光部の動作態様については任意であり、例えばスライド式とすることも可能である。スライド式とする場合のスライド方向についても、光放出部553,753の配列方向(図柄の配列方向)と同じ方向とすることが好ましい。
(2)上記各実施の形態では、第1表示ユニットにおける図柄のスクロール方向(上下方向)と、第2表示ユニットにおける図柄のスクロール方向(上下方向)とを揃える構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1表示ユニットにおける図柄のスクロール方向と第2表示ユニットにおける図柄のスクロール方向とが交差するように構成とすることも可能である。
(3)上記各実施の形態に示した光放出部553,753の加工方向については任意である。例えば、エッジング加工によって「光放出部」としての凹凸を形成してもよいし、レーザー加工やモールド成形によって形成してもよいし、印刷によって形成してもよい。
(4)上記各実施の形態では、導光部532,732の表面に微細な凹凸を形成することで光放出部553,753を構成したが、導光部における光放出のための具体的構成については任意である。例えば、導光部に当該導光部の基部とは屈折率が異なる媒体を内包させて、当該媒体に到達した光が導光部から放出される構成とすることも可能である。
(5)上記各実施の形態では、第1表示ユニットの表示面と、第2表示ユニットの表示面とを平行としたがこれに限定されるものではない。各表示ユニットが動作する上で動作隙が確保されているのであれば足り、第1表示ユニットの表示面と第2表示ユニットの表示面とが異なる向きを向くように構成してもよい。
(6)上記各実施の形態では、サイドライト528から導光部532への光の供給が停止している状況下にて、当該導光部532を動作させることで当該導光部532の動きを目立ちにくくさせたが、このような技術的思想を具現化する上では、少なくとも光の供給が停止されている期間の少なくとも一部を導光部532の動作期間として利用しているのであれば足り、供給が停止されている期間の全てを動作期間として利用する必要は必ずしもない。
(7)上記各実施の形態では、導光パネル555~557の境界部位BP1が回転体525の回動中心軸線CLと同じ方向に延びる構成としたが、これに限定されるものではない。回動中心軸線CLの方向と交差する方向に延びる構成とすることも可能である。
(8)上記各実施の形態では、3つのドラムによって抽選結果に対応する図柄組合せを表示する場合について例示したが、ドラムの数については任意である。例えば、1つであってもよいし、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
(9)上記各実施の形態では、主制御装置162にて保留情報に基づく抽選を行う場合に当該抽選と同時(詳しくは抽選の直後)に主表示ユニットにおける作動口用表示部における絵柄の変動表示及び可変表示ユニット500の変動表示領域における図柄の変動表示を開始する構成としたが、これに限定されるものではない。当該抽選に先立って作動口用表示部における絵柄の変動表示や可変表示ユニット500の変動表示領域における図柄の変動表示を開始する構成とすることも可能である。
(10)上記各実施の形態においては、上作動口83aに係る抽選と、下作動口83bに係る抽選とに有利度の差を設けない構成としたが、各抽選に有利度の差を設けてもよい。例えば、上作動口83aに係る抽選よりも下作動口83bに係る抽選の方が遊技者に有利となるように構成してもよい。
(11)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1:特開2005-074175号公報)。」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.所定の開始条件(作動口83a,83bへの入賞)が成立したことに基づいて絵柄の可変表示を開始し、抽選手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)による抽選結果に対応した絵柄を停止表示させる絵柄表示手段(可変表示ユニット500及び報知・演出制御装置140)を備えている遊技機であって、
前記絵柄表示手段は、複数の光放出部(光放出部553)が形成された導光体(導光部532)及び前記導光体の端面(端面554)へ光を供給する発光部(サイドライト528)を有し、前記発光部から前記導光体へ光が供給されている場合に当該光が前記光放出部から放出されることにより前記絵柄が表示されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示す絵柄表示手段においては、発光部からの光が導光体に形成された光放出部から放出されることで絵柄が表示される。絵柄については発光部を点灯/消灯させることで表示/非表示に切り替えることが可能であり、発光色を変化させることで絵柄の色を変化させることも可能となる。このように、導光体及び発光部を併用して絵柄表示手段を構築することは絵柄の表示態様を多様化し、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
なお、以下の特徴A2~特徴A14に示す各技術的思想を本特徴に適用することも可能である。
特徴A2.所定の開始条件(作動口83a,83bへの入賞)が成立したことに基づいて絵柄の可変表示を開始し、抽選手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)による抽選結果に対応した絵柄を停止表示させる絵柄表示手段(可変表示ユニット500及び報知・演出制御装置140)を備えている遊技機であって、
前記絵柄表示手段は、
発光部(サイドライト528)と、
光放出部(光放出部553)が形成され、前記発光部から供給された光が前記光放出部から放出されることにより前記絵柄が表示されるように構成された導光体(導光部532)と、
前記導光体及び前記発光部の少なくとも何れかを動作させて前記発光部から前記導光体への光の照射箇所を変更させることにより前記導光体に表示される前記絵柄を変更する変更手段(報知・演出制御装置140)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A2に示す絵柄表示手段においては、発光部からの光が導光体に形成された光放出部から放出されることで絵柄が表示される。そして、導光体及び発光部の少なくとも何れかを動作させて導光体における光の照射箇所を変更させることにより導光体に表示される絵柄が変更される。このような構成とすれば、絵柄の表示を斬新なものとすることができ、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴A3.前記発光部は、前記導光体の端面(端面554)に対峙するように配設されており、
前記変更手段は、前記発光部からの光の前記端面への照射箇所を変更するように構成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
発光部からの光が導光体の端面に照射される構成とすることにより、絵柄を目視にて確認する際に光源が目につくことを抑制できる。
特徴A4.前記導光体に表示される前記絵柄は、前記発光部から前記導光体へ光が供給されていない非供給状態(消灯状態)となっている場合には、視認不可又は前記発光部から前記導光体へ光が供給されている供給状態(点灯状態)と比べて視認困難となることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、供給状態から非供給状態となることで絵柄が視認不可又は視認困難(以下、非表示ともいう)となる。このように、絵柄を表示/非表示に切替可能とすることにより、絵柄表示手段により遊技者に提供される情報を遊技状況に応じて制限することができる。また、絵柄の可変表示を行う場合の表示態様の多様化にも寄与できる。
特徴A5.前記変更手段は、前記供給状態にて前記導光体及び前記発光部の少なくとも何れかを動作させて前記導光体における前記光の照射箇所を変更させる構成となっていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
絵柄の変更に際して、光を供給する供給状態にて導光体及び発光部の少なくとも何れかを動作させる構成とすれば、絵柄が当該動作の方向に動いているように見せることができる。
特徴A6.前記絵柄表示手段は、前記導光体を動作可能に保持する保持部(ベース体524)を有し、
前記変更手段は、前記導光体を動作させて前記導光体における前記光の照射箇所を変更させる構成となっていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
発光部(光源)ではなく導光体自体を移動させる構成とすれば、配線の長さ等によって絵柄の変更態様が制限されることを好適に回避できる。また、発光部の位置を固定することができるため、同一位置に表示される絵柄を入れ替えることが可能となり、絵柄を可変表示等する場合であっても、遊技者が注目すべき箇所を統一することができる。これは、絵柄表示の見逃しを抑制したり遊技者の疲労を軽減したりする上で好ましい構成である。
特徴A7.前記導光体の動作方向は、前記発光部における光の照射方向と交差する方向となるように設定されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
導光体の動作に伴って当該導光体における光の照射対象(端面)と発光部との距離の変化を抑制できる。これは、発光部からの光が端面に照射されるまでに拡散される等して光放出部への光の供給量が不足することを抑制する上で好ましい。
特徴A8.前記光放出部は、前記導光体の動作方向に並べて設けられており、
前記発光部として、前記導光体の動作方向に並べて設けられた第1発光部及び第2発光部を有し、
前記絵柄表示手段は、前記第1発光部及び前記第2発光部を個別に発光制御することにより、表示される絵柄の数を変更可能となっていることを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。
個別に発光制御可能な第1発光部及び第2発光部を併用して表示される絵柄の数を遊技状況等に応じて増減させることが可能となることにより、絵柄表示手段における表現力を飛躍的に向上させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記光放出部は、前記導光体の動作方向に配列されており、前記発光部として、前記導光体の動作方向に並べて設けられた第1発光部及び第2発光部を有し、前記絵柄表示手段は、前記第1発光部及び前記第2発光部を個別に発光制御することにより、前記動作方向において前記所定の表示位置に表示される絵柄の数を変更可能となっていることを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A9.前記絵柄表示手段は、前記導光体の動作中に前記発光部からの光の供給を停止させる手段を有していることを特徴とする特徴A4乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
従来の遊技機においても例えば絵柄を高速で可変表示させることにより、実質的に絵柄を識別不可となるようにすることは可能である。しかしながら、このような動きは絵柄表示手段の耐久性向上の妨げになる。特に、導光体については紙等と比較して重量が嵩むため、そのような不都合が顕著になると懸念される。
ここで、本特徴に示す構成においては、発光部からの光の供給を停止させることで導光体に表示されている絵柄が突如として消すことができる。このように発光部の発光制御によって外観を大きく変化させる(識別性を変化させる)構成とすれば、表示態様の多様化を図りつつ、それに起因した耐久性の低下を好適に抑制できる。
例えば、絵柄の変化の過程を明示する表示態様と、絵柄の変化の過程を非明示とする表示態様とを併用するとよい。このような構成とすれば、絵柄の可変表示の態様を好適に多様化できる。
特徴A10.前記発光部は、第1発光部であり、当該第1発光部からの光が所定の表示位置に位置する前記光放出部から放出されることで当該所定の表示位置に前記絵柄が表示される構成となっており、
前記光放出部は、凹凸状をなしており、
前記絵柄表示手段は、前記導光体において前記所定の表示位置に位置する部分へ遊技機後方から光を照射可能な第2発光部(背景表示装置529のバックライト582)を有していることを特徴とする特徴A6乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
光放出部が微小な凹凸によって構成されている場合には、遊技ホールの照明等の環境光等が光放出部にて拡散されるため光放出部の位置や形状の目視による特定を完全に不可能とすることは困難となる。つまり、よく目を凝らすことで光放出部の形状や位置が把握される可能性がある。そこで、本特徴に示すように、第2発光部から導光体へ光を照射させる構成とすれば、第2発光部からの光によって環境光等を紛らわせて、光放出部の形状や位置の把握を困難とすることができる。これは、第1発光部の供給状態/非供給状態の切り替えによって絵柄を突如として出現させる場合のインパクトを強化する上で好ましい。
特徴A11.前記変更手段は、前記第1発光部による前記導光体への光の供給が停止され且つ前記第2発光部により前記導光体へ光が照射されている状況下にて前記導光体を動作させる手段を有していることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
導光体を動作させる場合には、よく目を凝らすことで光放出部を目印として導光体が動作中であることが特定される可能性を否定できない。これは、第1発光部を非供給状態としたまま導光体を動作させて突如として絵柄を入れ替える場合のインパクトを低下させる要因になる。そこで、絵柄を入れ替える場合には、本特徴に示すように、第1発光部による導光体への光の供給が停止され且つ第2発光部により前記導光体へ光が照射されている状況下にて導光体を動作させる構成とすれば、第2発光部からの光によって環境光等を紛らわせることができる。これにより、導光体が動作中であることをわかりづらくし、上記不都合の発生を抑制できる。
特徴A12.前記第2発光部は、前記所定の表示位置に前記光放出部が位置している場合に、前記導光体にて当該光放出部が形成されている部位及び当該光放出部が形成されていない部位の両方に対して光を照射可能となるように構成されていることを特徴とする特徴A10又は特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第2発光部からの光は所定の表示位置に位置する光放出部及びその周辺部位に照射されるため、光放出部の形状等や導光体の動作状況等の特定を分かりづらくする効果を好適に発揮させることができる。
特徴A13.前記導光体は、透明性を有し、前記絵柄が表示される部分を通じてその奥側に位置する遊技装置(背景表示装置529)を遊技機前方から視認可能となるように構成されており、
前記絵柄は、前記発光部から前記導光体へ光が供給されていない非供給状態(消灯状態)となっている場合には視認不可又は前記発光部から光が供給されている供給状態(点灯状態)と比べて視認困難となるように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、供給状態から非供給状態となることで絵柄が視認不可又は視認困難となる。これにより、導光体を通じてその奥側に位置する遊技装置の視認性を変化させることができる。例えば、遊技装置における演出をメインとして遊技を進行させる場合には、非供給状態に切り替えて絵柄を視認不可又は困難とすることで、当該絵柄が遊技装置の視認の邪魔になることを好適に回避できる。
特徴A14.前記絵柄表示手段は、
前記導光体を通じて遊技機前方から視認可能な表示装置(第2表示ユニット)と、
前記表示装置にて前記絵柄の可変表示を行う表示制御手段(報知・演出制御装置140のMPU652にて第2表示ユニットの発光・駆動制御を実行する機能)と
を有し、
前記絵柄として、前記導光体に表示される第1絵柄と、前記表示装置に表示される第2絵柄とが設けられており、
前記導光体に表示される前記第1絵柄は、前記発光部から前記導光体へ光が供給されていない非供給状態(消灯状態)となっている場合には視認不可又は前記発光部から前記導光体へ光が供給されている供給状態(点灯状態)と比べて視認困難となり、
前記表示制御手段は、前記非供給状態では前記表示装置にて前記第2絵柄の可変表示を実行する一方、前記供給状態では前記表示装置における前記第2絵柄の可変表示を実行しない構成となっていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A14によれば、導光体による絵柄の可変表示と表示装置による絵柄の可変表示との一方に注目している状況下にて他方が視認性を低下させる要因になることを抑制できる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1:特開2005-074175号公報)。」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示手段(可変表示ユニット500及び報知・演出制御装置140)を備えている遊技機であって、
前記絵柄表示手段は、
所定の中心軸線(回動中心軸線CL)を中心とする環状又は略環状をなし、当該所定の中心軸線を中心に回動可能に設けられ、外周面(外面部551)の一部が遊技機前方を向くようにして配置された導光部(導光部532)と、
前記導光部にて前記所定の中心軸線と同じ方向を向く端面(端面554)へ光を供給する発光部(サイドライト528)と
を有し、
前記外周面には、前記導光部の回動方向に並べて複数の光放出部(光放出部553)が設けられており、
前記導光部は、前記発光部から供給された光が前記光放出部から前記導光部の外側へ放出されることにより前記絵柄を表示する構成となっており、
前記導光部が前記所定の中心軸線を中心として回動することにより、当該導光部の前記端面において前記発光部から光が供給される供給箇所が変更されることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、環状又は略環状をなす導光部が回動することにより、当該導光部(端面)における光の供給箇所が変更される。これにより、導光部にて絵柄が可変表示されることとなる。導光部が環状又は略環状をなしているため、導光部の回動方向を反転させることなく絵柄の可変表示を継続することができる。つまり、導光部を用いた動的表示を行い表現力等を強化する上で、導光部が過度に大型化することを抑制できる。これは、遊技者の注目度の向上を図る上で好ましい構成である。
なお、本特徴に示す構成を「所定の取得条件(作動口83a,83への入賞)が成立した場合に特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて保留情報を取得する機能)と、前記情報取得手段によって取得された情報に基づいて抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)と、前記抽選手段による抽選結果を報知する報知手段(主表示ユニット87)と、遊技の進行に応じて絵柄を可変表示する絵柄表示手段(可変表示ユニット500及び報知・演出制御装置140)とを備えている遊技機であって、前記絵柄表示手段は、所定の中心軸線(回動中心軸線CL)を中心とする環状又は略環状をなし、当該所定の中心軸線を中心に回動可能に設けられ、外周面(外面部551)の一部が遊技機前方を向くようにして配置された導光部(導光部532)と、前記導光部にて前記中心軸線方向を向く端面(端面554)へ光を供給する発光部(サイドライト528)とを有し、前記外周面には、前記導光部の回動方向に並べて複数の光放出部(光放出部553)が設けられており、前記導光部は、前記発光部から供給された光が前記光放出部から放出されることにより前記絵柄を表示する構成となっており、前記導光部が前記所定の中心軸線を中心として回動することにより、当該導光部の前記端面において前記発光部から光が供給される供給箇所が変更されることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B2.前記供給箇所が変更されることにより、前記複数の光放出部のうち光の放出対象となる光放出部が切り替わることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
本特徴に示すように光の放出対象となる光放出部を切り替える構成とすれば、所定の表示位置に表示される絵柄を変更する(入れ替える)ことができる。このように、表示される絵柄を入れ替える構成とすれば、絵柄表示手段による表示について見た目を大きく変化させることが可能となる。
特徴B3.前記導光部は、円環状をなしており、前記端面が前記所定の中心軸線と直交する平面上に位置していることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、発光部から導光部の端面までの距離が何れの回動位置においても一定となる。このため、光の供給箇所の移り変わりに応じて発光部の位置や向きを変更する必要がない。故に、絵柄表示手段における光供給に係る構成を簡素化できる。
特徴B4.前記発光部は、光の照射方向が前記所定の中心軸線と同じ方向となるように構成されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4に示す構成においては、光の照射方向と光放出部の配列方向とが交差することとなる。つまり、複数の光放出部を併用する上でそれら光放出部が光の照射方向に並ぶことが回避される。故に、回動位置に応じて表示される絵柄を切り替える場合に、表示対象となっていない絵柄に光が供給されることを抑制し、本来表示されるべきでない絵柄が薄っすらと発光するといった不都合の発生を好適に回避できる。
特徴B5.前記導光部には、当該導光部の回動方向に前記光放出部の配設領域と非配設領域とが交互となるように形成されており、
前記導光部の前記端面にて前記非配設領域に対応する部分には光の通過を規制する規制部が設けられていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5に示すように、配設領域と非配設領域とを交互に配した上で、非配設領域に対応する部分に規制部を設けることで、光の供給経路が非配設領域を跨ぐことを抑制できる。これにより、特徴B4に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴B6.前記導光部と、当該導光部が固定されたフレーム(フレーム531)によって回転体(回転体525)が構成されており、
前記導光部にて前記端面が形成されている側の端部は、前記フレームから側方に延出しており、
前記導光部の前記端部が挿通される挿通部(挿入部561)を備え、
前記挿通部にて前記端面と対峙している部分に前記発光部が配設されていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B3等に示したように、導光部が円環状をなしている構成においては、導光部にてフレームから延出している部分(端部)が挿通される挿通部を設け、この挿通部に発光部を配設することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、導光部の動きが不安定になる等した場合であっても、光の照射位置に近接する箇所(挿通部)にて当該導光部の位置ずれを抑制できる。これにより、光の供給機能を安定して発揮させることができる。
なお、挿通部を有色不透明として発光部を隠すことで、絵柄表示手段の見栄えを好適に向上させることができる。
特徴B7.前記絵柄表示手段は、前記回転体を回動可能に保持するベース体(ベース体524)を有し、前記挿通部は前記ベース体に設けられていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、回転体を保持しているベース体に挿通部を設けることで、導光部との隙間を極力小さくすることができる。これは、挿通部と導光部との強干渉を抑制したり、挿通部からの光漏れを抑制したりする上で好ましい。
特徴B8.前記挿通部は、前記導光部の外周面及び内周面に隙間を隔てて対峙していることを特徴とする特徴B6又は特徴B7に記載の遊技機。
発光部と導光部との位置関係を変化させる構成においては、導光部と挿通部とが接触して導光部が傷ついた場合に、その部分にて光漏れ等が発生しやすくなると懸念される。これは、光放出部への光の供給効率を低下させる要因になる。そこで、本特徴に示すように、導光部の外周面及び内周面との間に隙間を形成して挿通部と導光部との接触を回避することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B9.前記挿通部は、前記導光部の回動方向における元側に開放されており、この開放部分に向けて前記隙間が大きくなるように拡張されていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上述した導光部については、例えば回動方向にて複数のピースに分割することで製造の容易化や製造コストの軽減に寄与できる。しかしながら、このような構成では、仮に各ピースの境界(エッジ)となる部分が挿通部の開放部分(入口部分)に引っ掛かた場合には、導光部の挙動が乱れると想定される。そこで、本特徴に示すように開放部分に向けて上記隙間が大きくなるように形成し、エッジと挿通部との引っ掛かりを抑えることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B10.前記挿通部の前記開放部分は遊技機後方を向く成分を有していることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B9に示したように開放部分(入口部分)を拡張する構成においては、この部分から光が漏れやすくなる。そこで、開放部分を遊技機後側に向けることにより、仮に光が漏れる場合であってもそれを目立ちにくくさせることができる。
以上詳述した特徴B1~特徴B10に特徴A群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1:特開2005-074175号公報)。」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技進行に伴って絵柄を可変表示する絵柄表示手段(可変表示ユニット500)を備えている遊技機であって、
前記絵柄表示手段は、
光透過性を有し、第1光放出部(例えば「6」図柄対応の光放出部553)及び第2光放出部(例えば「7」図柄対応の光放出部553)が形成され、前記第1光放出部が所定の表示位置(有効ライン)に位置する第1状態と前記第2光放出部が前記所定の表示位置に位置する第2状態とに切替可能な導光部(導光部532)と、
前記導光部を駆動させる駆動部(モータ525)と、
前記駆動部の駆動制御を行うことにより前記導光部を前記第1状態及び前記第2状態に切り替える駆動制御手段(報知・演出制御装置140のMPU652における駆動制御機能)と、
前記導光部の端面へ光を供給する発光部(サイドライト528)と、
前記発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置140のMPU652における発光制御機能)と
を有し、
前記絵柄として、前記第1状態にて前記発光部から供給された光が前記第1光放出部から放出されることにより表示される第1絵柄(例えば「6」図柄)と、前記第2状態にて前記発光部から供給された光が前記第2光放出部から放出されることにより表示される第2絵柄(例えば「7」図柄)とを含み、
前記発光制御手段は、前記第1状態から前記第2状態に切り替える場合に、前記発光部による光の供給を停止させる供給停止手段を有し、
前記駆動制御手段は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えに際して前記供給停止手段により前記光の供給が停止されている期間の少なくとも一部を、前記駆動部を駆動させる駆動期間として利用するように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、第1状態から第2状態への切り替えの際には、発光部による光供給の停止期間(消灯期間)を利用して導光部が動作する。このような構成とすれば、駆動部の動きを遊技者に悟られにくくし、突如として所定の表示位置に表示されている絵柄が入れ替わったかのように見せることができる。このような斬新な表示によれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴C2.前記供給停止手段は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えに際して前記導光部が動作を開始する前に又は前記導光の動作の開始と同時に、前記発光部による光の供給を停止させる手段を有していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、所定の表示位置に表示される絵柄の入替に際して、導光部の動きだしが目立ちにくくなる。これにより、特徴C1に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記駆動制御手段は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えに際して前記供給停止手段により前記光の供給が停止された後に、前記駆動部の駆動部を開始させる手段を有していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴C3.前記供給停止手段は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えに際して前記導光部が動作を開始した後に、前記発光部による光の供給を停止させる手段を有していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C3によれば、移動中の絵柄が突如として消え、絵柄の表示が再開された場合には別の絵柄に入れ替わっているように見せることができる。このような目ための変化を設けることで、絵柄表示の単調化を好適に抑制できる。
特徴C4.前記発光制御手段は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えに際して前記導光部の動作が停止した後に、前記光の供給を再開させる手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
光放出部の入替完了後に光の供給が開始されると、所定の表示位置に突如として異なる絵柄(入れ替わった絵柄)が出現することで見たのインパクトを強化できる。
特徴C5.前記導光部の動作が停止してから前記光の供給が再開されるまでの待機期間は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えに際して前記導光部が動作する動作期間よりも短くなっていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C4に示したように、導光部の動作停止後に光の供給を再開する構成では、再開までの待機期間が長くなることで、次に表示される図柄が遊技者によって目視で特定される可能性が高まる。なぜならば、遊技ホール等の環境光等が光放出部に照射されることでよく目を凝らした場合に光放出部の外形等が特定され得るからである。そこで、本特徴に示すように、絵柄の入替を行う場合に待機期間を短くすることでそのような不都合の発生を抑制できる。
特徴C6.前記発光制御手段は、前記導光部の前記第1状態から前記第2状態への切り替えに際して、当該第2状態への切り替わりに先行して前記光の供給を開始させる手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば所定の表示位置にて絵柄のコマ送り表示等を行う場合には、導光部の動作速度(例えばスクロール速度又は変動速度)が速くなると、当該所定の表示位置における絵柄の表示期間が短くなる。これは絵柄を目視で特定することが難しくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように、光の供給を先行させる構成とすれば、このような不都合を抑制できる。これは、導光部の動作速度を速くして絵柄の切り替え等の応答性を高める上で好ましい。
特徴C7.前記駆動制御手段は、
前記導光部を第1の速度で動作させて前記第1状態から前記第2状態に切り替える第1制御手段と、
前記導光部を前記第1の速度よりも速い第2の速度で動作させて前記第1状態から前記第2状態に切り替える第2制御手段と
を有し、
前記発光制御手段は、前記第2制御手段により前記第1状態から前記第2状態への切り替えがなされる場合に、当該第2状態への切り替わりに先行して前記光の供給を開始させる手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば所定の表示位置にて絵柄のコマ送り表示等を行う場合には、導光部の動作速度(例えばスクロール速度又は変動速度)が速くなると、当該所定の表示位置における絵柄の表示期間が短くなる。これは絵柄を目視で特定することが難しくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように、相対的に遅い第1の速度及び相対的に速い第2の速度のうち後者にて導光部が動作する場合に光の供給再開を先行させる構成とすれば、このような不都合を抑制できる。
特徴C8.前記所定の表示位置に絵柄を停止表示させる停止表示期間として第1期間及び当該第1期間よりも短い第2期間とが設けられており、
前記発光制御手段は、前記第1状態から前記第2状態への入れ替えに際して、前記第2状態における絵柄の停止表示期間として前記第2期間が設定されている場合に、当該第2状態への切り替わりに先行して前記光の供給を開始させる手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
所定の表示位置における絵柄の停止表示期間が短くなると、当該絵柄の目視による特定が困難になる。そこで、このような場合(相対的に短い第2期間が設定されている場合)には、第2状態への切り替わりに先行して光の供給再開させる構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C9.前記駆動制御手段は、前記第1状態から前記第2状態への切り替えを行う場合であって前記発光制御手段による光の供給が停止される場合には、当該切り替えの過程にて前記導光部を途中停止させない構成となっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C1等に示した絵柄の入替を行う場合には、その過程が目視にて特定可能となることでインパクトが低下すると懸念される。特に、導光部を透明にする等して光放出部を見えづらくした場合であっても、導光部が停止している状態では当該光放出部が特定され得る。そこで、第1状態から第2状態への切り替えの際には、その過程にて導光部を途中停止させない構成とすることで、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C10.前記発光制御手段は、前記第1状態から前記第2状態に切り替える場合に、前記発光部による光の供給を継続する供給継続手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至特徴C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C10に示す構成と特徴C1等に示した構成を併用すること、すなわち絵柄の切り替えの過程を見せる構成と見せない構成とを併用することにより、表示される絵柄を突如として入れ替える場合のインパクトを強化できる。
以上詳述した特徴C1~特徴C10に特徴A~B群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1:特開2005-074175号公報)。」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.所定の開始条件(作動口83a,83bへの入賞)が成立したことに基づいて、絵柄を可変表示する絵柄表示手段(可変表示ユニット500)を備えている遊技機であって、
前記絵柄表示手段は、
回動可能に保持されたベース体(ベース体524)と、
透明性を有し、前記ベース体の回動方向に並設された複数の導光板(導光パネル555~557)と、
前記導光板の端面であって前記回動方向と交差する方向を向く端面へ光を供給する発光部(サイドライト528)と
を備え、
前記導光板は、それら導光板が互いに非固定の状態で前記ベース体に装着されていることを特徴とする遊技機。
特徴D1に示すように回動方向に並設された複数の導光板によって絵柄表示手段(詳しくは導光ユニット)を構成することにより、絵柄表示手段の形状等を例えば略環状とすることができる。このような構成とすれば、例えば1の導光板を環状に形成する場合と比較して、絵柄表示手段の製造の容易化や製造コストの低減に寄与できる。ここで、並設された複数の導光板を相互に結合等した場合には、製造ばらつき等に起因した歪が発生し得る。導光板の端面へ光を供給する構成においては、このような歪の影響によって発光部と端面との位置関係がばらつくことで、絵柄表示機能が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、複数の導光体を互いに非固定の状態でベース体に装着することにより、上記不都合の発生を抑制できる。これは、導光板を用いて絵柄の可変表示を行う場合の見栄えの低下を抑制して、遊技者の注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴D2.前記導光板は、前記回動方向における当該導光板の中間部分にて前記ベース体に固定されており、前記回動方向における両側の端部が自由端となっていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D1に示したように複数の導光板を組み合わせて1の導光ユニットを構成する場合には、導光板間の境界部分が目立つことで当該導光ユニットの見栄えが低下する。これは、遊技者の注目度の向上を図る上で好ましくない。また、特徴D1に示したように導光板をベース体に固定する構成においては、当該導光板におけるベース体への固定箇所が非固定箇所と外観上相違し得る。ここで、本特徴に示す構成では、各導光体にて回動方向両側の端部が自由端となっており、導光体同士の境界部分から固定箇所を遠ざけている。これにより、遊技者の視界に固定箇所が入った場合に視線が上記境界部分に誘導されることを抑制し、複数の導光体の組み合わせにより1の導光ユニットを構成したことによる見栄えの低下を抑えることができる。
特徴D3.前記回動方向にて隣り合う前記複数の導光板は、それら導光板において当該回動方向を向く端面が隙間を隔てて相対向するようにして配設されていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3に示すように、隣り合う導光板を回動方向における端面が隙間を隔てて相対向するように配設することにより、導光板の製造誤差等によって導光板同士が接触することを抑制できる。これは、特徴D1に示した歪等の発生を抑える上で好ましい。
また、各導光板を内外2重とならないようにして配設されることは、ユニットの重量増を抑え、絵柄表示手段を動作させる際の応答性の低下を抑制する上で有利である。
特徴D4.前記発光部は、所定方向に光を照射する構成となっており、
前記導光板における前記回動方向両側の端面は、前記所定方向に延びていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D1等に示したように複数の導光板によって導光ユニットを構成する場合には、それら導光体の境界部分を極力目立ちにくくすることが好ましい。ここで、本特徴に示すように、光の照射方向と境界部分(端面)の延びる方向とを揃えることにより、境界部分が発光することを抑制できる。これは、絵柄表示手段の見栄えの向上を図る上で好ましい。
特徴D5.前記絵柄表示手段は、前記発光部からの光が前記導光板に形成された光放出部から放出されることで前記絵柄を表示するものであり、前記ベース体の回動方向にて前記光放出部の配設領域と非配設領域とが交互となるように構成されており、
前記導光板間の境界部分は、前記非配設領域に位置しており、
前記発光部は、前記ベース体の回動中心軸線方向に光を照射する構成となっており、
前記導光板における前記回動方向両側の端面は、前記回動中心軸線方向に延びていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D1等に示したように複数の導光板によって導光ユニットを構成する場合には、それら導光体の境界部分を極力目立ちにくくすることが好ましい。ここで、本特徴に示すように、光の照射方向と境界部分(端面)の延びる方向とを揃えることにより、境界部分が発光することを抑制できる。これは、絵柄表示手段の見栄えの向上を図る上で好ましい。
また、境界部分については絵柄の非配設領域(ブランク領域)に位置するが、この境界部分が回動中心軸線方向に延びているため、当該境界部分に配慮して絵柄の非配設領域が過度に大きくなることを抑制できる。
特徴D6.前記絵柄表示手段は、前記発光部からの光が前記導光板に形成された光放出部から放出されることで前記絵柄を表示するものであり、前記ベース体の回動方向にて前記光放出部の配設領域と非配設領域とが交互となるように構成されており、
前記導光板間の境界部分は、前記非配設領域に位置していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D6に示すように、導光板間の境界部分が絵柄の非配設領域(ブランク領域)に位置する構成とすれば、境界部分から光が漏れる等して当該境界部分が目立ったり、光の供給効率が低下したりすることを抑制できる。
特徴D7.前記導光板は、いずれも厚さが同一となる曲面状をなすように形成されており、それら導光体の外面によって前記ベース体の回動中心軸線を中心とする円環状の1の仮想面が形成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、上記導光ユニットの回動位置に応じて光の供給対象となる導光体を入れ替えることが可能となり、絵柄表示手段の構造の複雑化を抑制できる。
特徴D8.前記導光板にて前記ベース体の回動中心方向を向く各端面であって前記発光部からの光が供給される各端面は、同一平面上に位置していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D8によれば、導光体ごとに発光部と端面(光の照射箇所)との距離関係が相違することを抑制し、光の供給効率の向上に寄与できる。
特徴D9.前記絵柄表示手段は、抽選手段(主制御装置162のMPU602における抽選機能)による抽選結果に基づいて所定の表示位置(有効ラインL1~L5)に絵柄を停止表示させるものであり、
前記複数の導光板の各々に形成される光放出部の数は、前記所定の表示位置に表示される絵柄の数の上限数よりも多くなるように構成されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D8のいずれか1つに記載の遊技機。
導光体の数(分割数)を過度に多くなると、上記所定の表示位置に導光体の境界部分が停止する機会が多くなる。これは絵柄表示手段の見栄えを低下させる要因になると懸念される。そこで、本特徴に示すように、所定の表示位置に停止する絵柄の上限数よりも各導光体に配設される絵柄の数が多くなるようにして分割数を規定すれば、境界部分が所定の表示位置に停止する機会を減らすことができる。これにより、複数の導光体を併用することによる弊害を緩和できる。
以上詳述した特徴D1~特徴D9に特徴A~C群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1:特開2005-074175号公報)。」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられた第1始動入球部(例えば上作動口83a)への入球が発生した場合に第1特別情報(例えば上作動口83aに係る保留情報)を取得する第1特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて上作動口83aへの入球に基づく情報取得処理を実行する機能)と、
前記第1特別情報取得手段により取得された第1特別情報を記憶可能な第1取得情報記憶手段(RAM604の上作動口用保留エリアRa)と、
前記第1取得情報記憶手段に記憶されている第1特別情報に基づいて第1抽選処理(大当たり等の抽選)を順次行う第1抽選手段(主制御装置162のMPU602にて上作動口83aへの入球に基づく抽選処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられた第2始動入球部(例えば下作動口83b)への入球が発生した場合に第2特別情報(下作動口83bに係る保留情報)を取得する第2特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて下作動口83bへの入球に基づく情報取得処理を実行する機能)と、
前記第2特別情報取得手段により取得された第2特別情報を記憶可能な第2取得情報記憶手段(RAM604の下作動口用保留エリアRb)と、
前記第2取得情報記憶手段に記憶されている第2特別情報に基づいて第2抽選処理(大当たり等の抽選)を順次行う第2抽選手段(主制御装置162のMPU602にて下作動口83bへの入球に基づく抽選処理を実行する機能)と、
第1表示部(例えば第1表示ユニットの回転体525Z)及び第2表示部(例えば第2表示ユニットの回転体725Z)を有し、それら第1表示部及び第2表示部の各々にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(可変表示ユニット500Z)と、
前記第1抽選手段により前記第1抽選処理が行われる場合に、前記第1表示部にて前記第1抽選処理の結果に対応する絵柄表示を行う第1表示制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて上作動口83aに係る遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第2抽選手段により前記第2抽選処理が行われる場合に、前記第2表示部にて前記第2抽選処理の結果に対応する絵柄表示を行う第2表示制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて下作動口83bに係る遊技回制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記第1表示部は透明性を有し、当該第1表示部を通じて前記第2表示部を視認可能となっていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、第1始動入球部への入球に基づく抽選の結果については第1表示部にて表示され、第2始動入球部への入球に基づく抽選の結果については第2表示部にて表示される。このように、第1始動入球部用の第1表示部と第2始動入球部用の第2表示部とを個別に設けることにより、遊技者は何れの始動入球部への入球に基づいて遊技が進行しているかを速やかに把握することができる。但し、このように始動入球部毎に表示部を設けた場合には、注目すべき箇所が散在することで遊技者の負担が増加したり抽選結果の見逃しが増えたりすると懸念される。この点、本特徴に示すように、第1表示部を通じて第2表示部を視認可能となるように構成しているため、第1表示部に注目する場合と第2表示部に注目する場合とで視線の移動量を小さくすることができる。故に、始動入球部毎に個別となる表示を設けて独自性を強化しつつも、それに起因した上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。これにより、遊技への注目度向上効果を好適に強化できる。
特徴E2.前記第1表示部及び前記第2表示部は、当該第1表示部の表示面(外面)と当該第2表示部の表示面(外面)とが平行となるように配設されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、第1表示部における絵柄表示と第2表示部における絵柄表示とで視認性に大きな差が生じることを抑制できる。
特徴E3.前記第1表示制御手段は、前記第1表示部にて絵柄を可変表示させた後に前記第1抽選手段による抽選結果に対応した絵柄組合せを停止表示させる手段を有し、
前記第2表示制御手段は、前記第2表示部にて絵柄を可変表示させた後に前記第2抽選手段による抽選結果に対応した絵柄組合せを停止表示させる手段を有し、
前記第1表示部にて絵柄が可変表示される場合の可変表示領域と、前記第2表示部にて絵柄が可変表示される場合の可変表示領域とが遊技機正面視にて前後に重なっていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1表示部における絵柄の可変表示領域と第2表示部における絵柄の可変表示領域とが前後に重なる構成とすれば、遊技者が一方の表示部に注目している状況下にて他方の表示部にて絵柄の可変表示を行う場合に、演出を派手にしたり無駄にアクセントを付与したりすることなく当該可変表示が見逃される機会を好適に減らすことができる。
特徴E4.前記第1表示制御手段は、前記第1表示部にて絵柄を可変表示させた後に前記第1抽選手段による抽選結果に対応した絵柄組合せを第1有効ライン上に停止表示させる手段を有し、
前記第2表示制御手段は、前記第2表示部にて絵柄を可変表示させた後に前記第2抽選手段による抽選結果に対応した絵柄組合せを第2有効ライン上に停止表示させる手段を有し、
前記第1有効ラインに絵柄組合せが停止表示される場合の停止表示領域と、前記第2有効ラインに絵柄組合せが停止表示される場合の停止表示領域とが遊技機正面視にて前後に重なっていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、抽選結果に対応した絵柄組合せが停止表示される停止表示領域を第1表示部及び第2表示部にて前後に重ねることにより、どの絵柄組合せが今回の抽選結果に対応しているかの識別を容易とすることができる。
なお、有効ライン上に停止表示された絵柄組合せによって抽選結果を報知する構成においては、第1表示部における有効ラインと第2表示部における有効ラインとが遊技機正面視にて前後に重なる構成とすることも可能である。
特徴E5.前記第1表示部に表示される絵柄群と、前記第2表示部に表示される絵柄群とが外観上相違していることを特徴とする特徴E3又は特徴E4に記載の遊技機。
特徴E3及び特徴E4に示したように、停止表示領域や可変表示領域を前後に重ねる構成においては、各表示部にて表示される絵柄群を外観上相違させることにより、何れの表示部にて絵柄が表示されたかについて識別力を向上させることができる。
特に、特徴E4に示したように、有効ラインを前後で揃える構成においては、第1表示部における絵柄と第2表示部における絵柄とが混在することで、例えば各表示部にて外れ結果に対応する絵柄組合せが停止表示されているにも関わらず、あたかも大当たり結果に対応する絵柄組せが停止表示されているかのように見えてしまうことを好適に回避できる。
特徴E6.前記第1表示制御手段及び前記第2表示制御手段による前記第1表示部及び前記第2表示部の表示制御モードとして、前記第1表示部にて絵柄を可変表示させる一方で前記第2表示部における絵柄の可変表示を規制する第1制御モードと、前記第2表示部にて絵柄を可変表示させる一方で前記第1表示部における絵柄の可変表示を規制する第2制御モードとを有し、
前記第1制御モード及び前記第2制御モードにおいては、可変表示が規制されている期間中は当該規制の対象となっている表示部における絵柄が非表示となるように構成されていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E6によれば、第1制御モードにおいては第2表示部における絵柄を非表示とし、第2制御モードにおいては第1表示部における絵柄を非表示とすることにより、第1表示部における表示と第2表示部における表示との混同を好適に抑制できる。
特徴E7.前記第1表示制御手段は、前記第2制御モード中に前記第1抽選手段による抽選に当選した場合には、当該当選の結果に対応した絵柄を前記第1表示部にて停止させた状態で表示させる第1特別表示手段を有し、
前記第2表示制御手段は、前記第1制御モード中に前記第2抽選手段による抽選に当選した場合には、当該当選の結果に対応した絵柄を前記第2表示部にて停止させた状態で表示させる第2特別表示手段を有していることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
各抽選手段による抽選が並行して行われる構成では、第1制御モード中に第2抽選手段による抽選に当選したり、第2制御モード中に第1抽選手段による抽選に当選したりする可能性がある。このような場合に、当選した側の表示部ではない表示部を代用して当選結果を報知する構成とすることも可能であるが、これは遊技者の困惑させる要因になり得る。他方で、抽選結果を表示するまでの過程にて絵柄の可変表示を行った場合には、両表示部にて絵柄の可変表示が重複することとなり、遊技者に提供させる情報が過多となる。この点、本特徴に示すように、第2制御モード中に第1抽選手段による抽選に当選した場合には、第1表示部にて当選結果に対応する絵柄を停止させた状態で表示させ、第1制御モード中に第2抽選手段による抽選に当選した場合には、第2表示部にて当選結果に対応する絵柄を停止させた状態で表示させる構成とすることにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴E8.前記第1表示部は、透明性を有し所定方向に並ぶようにして複数の光放出部が形成された第1導光部(導光部532Z)と、前記第1導光部へ光を供給する第1発光部(サイドライト528Z)と、前記第1導光部を前記所定方向に動作させる第1駆動部(モータ526Z)とを有し、前記第1発光部からの光が前記第1導光部に形成された光放出部から放出されることにより前記絵柄が表示される構成となっており、
前記第1表示制御手段は、前記駆動部を駆動制御する駆動制御手段(報知・演出制御装置140のMPU652における駆動制御機能)を有し、当該駆動制御手段によって前記第1導光部を動作させることにより、絵柄の可変表示を行う構成となっていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E7のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1表示部を可動式の第1導光部、発光部、駆動部により構成すれば、必要に応じて第1表示部における絵柄を表示/非表示に切り替えることができる。これにより、背後に位置する第2表示部との共存を好適に実現することができる。
特徴E9.前記第1発光部は、前記第1表示部及び前記第2表示部の並設方向と交差する方向へ光を照射する構成となっており、
前記第1発光部からの光は、前記第1導光部の端面へ供給されるように構成されていることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
特徴E9によれば、第1発光部からの光は第1表示部及び第2表示部の並設方向と交差する方向へ光を照射され、第1導光部の端面へ供給される。このような構成とすれば、第1発光部からの光が第2表示部側へ照射される等して絵柄表示が分かりづらくなることを抑制できる。
特徴E10.前記第1表示制御手段は、前記第1発光部を発光制御する発光制御手段(報知・演出制御装置140のMPU652における発光制御機能)を有し、
前記発光制御手段及び前記駆動制御手段は、前記第2表示制御手段により前記第2表示部における絵柄表示が行われている場合に、前記第1発光部を消灯状態としたまま前記第1導光部を動作させる特別制御手段を有していることを特徴とする特徴E8又は特徴E9に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2表示部にて絵柄表示が行われている場合に第1導光部を動作させたとしても第1表示部における絵柄は非表示のままとなっているため、当該第1導光部の動作によって遊技者が困惑することを回避できる。
特徴E11.前記特別制御手段は、前記第1導光部の動作が停止した後に前記第1発光部を点灯状態とするように構成されていることを特徴とする特徴E10に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2表示部にて絵柄表示が行われている場合であっても、消灯状態で第1導光部を動作させた後に第1発光部を点灯状態とすることにより、第1始動入球部に係る抽選結果を報知することができる。このような構成とすれば、抽選結果の報知の過程にて第2表示部における絵柄表示が分かりづらくなることを好適に抑制できる。
特徴E12.前記第1導光部は、円環状又は略円環状をなしており、当該第1導光部の中心軸線を中心として回動可能に保持されており、
前記第2表示部は、前記第1導光部の内側に配設されていることを特徴とする特徴E8乃至特徴E11のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1導光部を円環状又は環状に形成して、その中心軸線を中心に回動させる構成とすれば、第1表示部における絵柄の可変表示機能を確保しつつ、当該第1表示部と第2表示部との離れを小さくすることができる。
特徴E13.前記第2表示部は、透明性を有し前記所定方向に並ぶようにして複数の光放出部が形成された第2導光部(導光部732Z)と、前記第2導光部へ光を供給する第2発光部(サイドライト728Z)と、前記第2導光部を前記所定方向に動作させる第2駆動部(モータ726Z)とを有し、前記第2発光部からの光が前記第2導光部に形成された光放出部から放出されることにより前記絵柄が表示される構成となっており、
前記第2導光部は、円環状又は略円環状をなしており、当該第1導光部の中心軸線を中心として回動可能に保持されており、
前記第2表示制御手段は、前記駆動部を駆動制御する駆動制御手段(報知・演出制御装置140のMPU652における駆動制御機能)を有し、当該駆動制御手段によって前記第2導光部を動作させることにより、絵柄の可変表示を行う構成となっており、
前記第1発光部は前記第1導光部の中心軸線方向へ光を照射し、前記第2発光部は前記第2導光部の中心軸線方向へ光を照射する構成となっていることを特徴とする特徴E8乃至特徴E12のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第1表示部(第1導光部)と第2表示部(第2導光部)とを近接させつつ、第1発光部からの光が第2導光部に供給されたり、第2発光部からの光が第1導光部に供給されたりすることを抑制できる。
特徴E14.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられた第1始動入球部(例えば上作動口83a)への入球が発生した場合に第1特別情報(例えば上作動口83aに係る保留情報)を取得する第1特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて上作動口83aへの入球に基づく情報取得処理を実行する機能)と、
前記第1特別情報取得手段により取得された第1特別情報を記憶可能な第1取得情報記憶手段(RAM604の上作動口用保留エリアRa)と、
前記第1取得情報記憶手段に記憶されている第1特別情報に基づいて第1抽選処理(大当たり等の抽選)を順次行う第1抽選手段(主制御装置162のMPU602にて上作動口83aへの入球に基づく抽選処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられた第2始動入球部(例えば下作動口83b)への入球が発生した場合に第2特別情報(下作動口83bに係る保留情報)を取得する第2特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて下作動口83bへの入球に基づく情報取得処理を実行する機能)と、
前記第2特別情報取得手段により取得された第2特別情報を記憶可能な第2取得情報記憶手段(RAM604の下作動口用保留エリアRb)と、
前記第2取得情報記憶手段に記憶されている第2特別情報に基づいて第2抽選処理(大当たり等の抽選)を順次行う第2抽選手段(主制御装置162のMPU602にて下作動口83bへの入球に基づく抽選処理を実行する機能)と、
第1表示部(例えば第1表示ユニット)及び第2表示部(例えば第2表示ユニット)を有し、前記第1表示部及び前記第2表示部の各々にて絵柄を可変表示可能な絵柄表示手段(例えば可変表示ユニット500Z)と、
前記第1抽選手段により前記第1抽選処理が行われることに先立って又は前記第1抽選手段により前記第1抽選処理が行われたことに基づいて前記第1表示部において絵柄の可変表示を開始させ、前記第1抽選処理の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記第1取得情報記憶手段に記憶されている第1特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御可能な第1遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて上作動口83aに係る遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第2抽選手段により前記第2抽選処理が行われることに先立って又は前記第2抽選手段により前記第2抽選処理が行われたことに基づいて前記第2表示部において絵柄の可変表示を開始させ、前記第2抽選処理の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記第2取得情報記憶手段に記憶されている第2特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御可能な第2遊技回制御手段(例えば主制御装置162のMPU602にて下作動口83bに係る遊技回制御処理を実行する機能)と
を備え、
前記第1表示部及び前記第2表示部は当該第1表示部が手前側且つ前記第2表示部が奥側となるようにして前後に並設されており、前記第2表示部は前記第1表示部を通じて遊技機前方から視認可能となっていることを特徴とする遊技機。
特徴E14によれば、第1始動入球部への入球に基づく抽選の結果については第1表示部にて表示され、第2始動入球部への入球に基づく抽選の結果については第2表示部にて表示される。このように、第1始動入球部用の第1表示部と第2始動入球部用の第2表示部とを個別に設けることにより、遊技者は何れの始動入球部への入球に基づいて遊技が進行しているかを速やかに把握することができる。但し、このように始動入球部毎に表示部を設けた場合には、注目すべき箇所が散在することで遊技者の負担が増加したり抽選結果の見逃しが増えたりすると懸念される。この点、本特徴に示すように、第1表示部を通じて第2表示部を視認可能となるように構成しているため、第1表示部に注目する場合と第2表示部に注目する場合とで視線の移動量を小さくすることができる。故に、始動入球部毎に個別となる表示を設けて独自性を強化しつつも、それに起因した上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。これにより、遊技への注目度向上効果を好適に強化できる。
なお、上記特徴E2~特徴E13に示した各技術的思想を特徴E14に適用することも可能である。
また、以上詳述した特徴E1~特徴E14に特徴A~D群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴F群>
以下の特徴F群は、「パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度、ひいては遊技への注目度を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、遊技球の動きによって遊技への注目度を向上させる上では、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴F1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技機前方から視認可能な位置に設けられた遊技装置(遊技機構800)と
を備えている遊技機であって、
前記遊技装置は、前記遊技領域を流下する遊技球が転動可能な転動面(ステージ部831)と、第1位置及び第2位置に変位可能な可動部(可動体821)とを有し、前記転動面上に遊技球が載ることで前記可動部が前記第1位置から前記第2位置へ変位し、前記転動面から遊技球が離脱した場合に前記可動部が前記第2位置から前記第1位置へ変位する構成となっており、
前記転動面上に遊技球が滞在する期間が遊技球の転動態様に応じて相違するように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、転動面に遊技球が載ることで可動部が第1位置から第2位置へ変位し、転動面から遊技球が離脱することで可動部が第2位置から第1位置へ復帰する。ここで、転動面における遊技球の転動態様(例えば遊技球の転動方向や転動速度)に応じて転動面上に滞在する滞在期間に差が生じる。つまり、可動部が第2位置に位置する期間については上記滞在期間に左右されることとなる。このようにして遊技装置の動きが単調になることを抑制することにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技機前方から視認可能な位置に設けられた遊技装置(遊技機構800)とを備えている遊技機であって、前記遊技装置は、前記遊技領域を流下する遊技球が転動可能な転動面(ステージ部831)と、第1位置及び第2位置に変位可能な可動部(可動体821)とを有し、前記転動面上に遊技球が載ることで前記可動部が前記第1位置から前記第2位置へ変位し、前記転動面から遊技球が離脱した場合に前記可動部が前記第2位置から前記第1位置へ変位する構成となっていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴F2.前記転動面が形成されたステージ部は昇降可能に保持されており、
前記ステージ部が付勢力に抗して待機位置から降下位置へ降下することで前記可動部が前記第1位置から前記第2位置へ変位し、前記ステージ部が前記付勢力によって降下位置から待機位置へ復帰することで前記可動部が前記第2位置から前記第1位置へ変位することを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、転動面が形成されたステージ部の昇降動作に連動して可動部が第1位置/第2位置に変位する。ここで、ステージ部の動作方向を上下とすることにより、ステージ部の動きにつられて遊技球の挙動が変化することを抑制できる。これは、転動面上に遊技球が待機する待機期間の偏りを緩和する上で好ましい。
特徴F3.前記ステージ部は、前記転動面に載っている遊技球の重さによって前記待機位置から前記降下位置へ移動するように構成されていることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
本特徴に示すように転動面上に位置する遊技球の重さを利用する構成とすれば、例えば転動面上の遊技球を検知するセンサや当該センサの検知結果に基づいて可動部を変位させるアクチュエータ等の電気的構成が不要となる。故に、遊技への注目度の向上を図りつつ、それに起因した構成の複雑化を抑制できる。これは、特徴F1等に示した構成の利用促進を図る上で好ましい。
特徴F4.前記遊技装置は、前記ステージ部と前記可動部とを繋ぎ且つそれらステージ部及び可動部の中間位置にて回動可能に保持されたリンク部(リンク部材840)を有し、上下方向にて前記ステージ部と前記可動部とが互い違いに変位するように構成されていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F3に示したように遊技球の重さを利用してステージ部を昇降させる構成においては、駆動力が遊技球の重さに依存する。本特徴に示すように、回動可能に保持されたリンク部の一端側にステージ部を配設し、他端側に可動部を配設してそれらステージ部及び可動部の動きを上下に互い違いとなるように形成することで、出力の伝達ロスを軽減することができる。これは、駆動力が小さいことを前提とした上で、遊技装置の動作の確実性を高める上で好ましい。
特徴F5.前記リンク部の回動中心部は、前記ステージ部及び前記可動部のうち前記可動部側に偏倚するようにして配設されていることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
本特徴に示すように回動中心部を可動部寄りとすれば、遊技球の重さを利用して可動部を変位させる上で許容できる可動部の重さを大きくすることができる。これは、遊技装置の設計自由度等を高める上で好ましい。
特徴F6.前記ステージ部は、前記転動面上を複数の遊技球が同時に転動可能となるように形成されていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F5のいずれか1つに記載の遊技機。
上述したように遊技球の重さを可動部を変位させる動力として利用する構成では、転動面上に位置し得る遊技球の数によって変位速度(応答性)を変化させることができる。このように遊技球の数に応じて応答性が変化する構成とすれば、可動部が第2位置に維持される期間の更なる多様化に貢献できる。
特徴F7.前記転動面には、上方に開放され、遊技球が通過可能な出口部分(中央開口832)が形成されており、
前記ステージ部には、前記出口部分を通過した遊技球が通過する排出通路(排出通路833)が形成されており、
前記排出通路は前記出口部分から鉛直方向に延び鉛直通路であることを特徴とする特徴F3乃至特徴F6のいずれか1つに記載の遊技機。
ステージ部に排出通路が形成されている構成においては、本特徴に示すように、排出通路を鉛直通路とすることで、排出通路を通過する遊技球に押される等して、ステージ部の待機位置への復帰が遅れる等することを回避できる。これにより、可動部を第1位置/第2位置に変位させる場合の応答性の向上に寄与できる。
特徴F8.前記転動面には、上方に開放され、遊技球が通過可能な出口部分(中央開口832)が形成されており、
前記出口部分は、複数の遊技球が同時に通過できない大きさとなっていることを特徴とする特徴F3乃至特徴F7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F8によれば、転動面上を複数の遊技球が転動する場合には、それら遊技球が転動面から順次離脱することとなり、一気に離脱することが回避される。このため、転動面上に位置する遊技球の数に応じて可動部が第2位置に待機する期間(例えば作用期間)を多様化できる。
特徴F9.前記転動面における遊技球の移動経路には、当該転動面における遊技球の滞在期間が長短相違する複数の移動経路が含まれていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、転動面に到達した遊技球が何れの移動経路を通過するかによって転動面における遊技球の滞在期間に差が生じる。このような構成とすれば、遊技者は遊技球の移動経路に注目することで、滞在期間をある程度推測することが可能となる。このように、僅かながら遊技者の推測を可能とすることは遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴F10.前記転動面は、前記複数の移動経路のうち1の移動経路から他の移動経路への遊技球の移動が可能となるように形成されていることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
移動経路間での遊技球の移動を許容することにより、滞在期間の更なる多様化を簡易に実現できる。
特徴F11.前記転動面へ遊技球を案内する案内部(連絡通路88bD)を備え、当該案内部は前記転動面へ移る遊技球の移動速度が相違する複数の流路を有していることを特徴とする特徴F2乃至特徴F10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、転動面に移る際の遊技球の移動速度を相違させる構成とすれば、転動面における遊技球の滞在期間の差を大きくすることができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴F1に適用することも可能である。
特徴F12.前記転動面が形成された前記ステージ部は第1ステージ部であり、
前記遊技装置は、所定の入球部(入球口812,813)を含む複数の入球部が設けられた第2ステージ部(ステージ部811)を有し、前記可動部が前記第2位置に配置された状態では前記第1位置に配置された状態と比較して前記所定の入球部への入球が困難となるように構成されていることを特徴とする特徴F2乃至特徴F11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F12によれば、可動部が第2位置に配置されることで所定の入球部への入球が困難になるが、この期間については転動面上に遊技球が滞在する期間に左右されることとなる。このようにして所定の入球部への入球が困難になる期間を多様化すれば、遊技者に対して第1ステージ部及び第2ステージ部上の遊技球の動きへの注目を好適に促すことができる。
特徴F13.前記第1ステージ部は、前記転動面に載っている遊技球の重さによって前記待機位置から前記降下位置へ移動するように構成されており、
前記遊技装置は、前記第1ステージ部と前記可動部とを繋ぎ且つそれら第1ステージ部及び可動部の中間位置にて回動可能に保持されたリンク部(リンク部材840)を有し、上下方向にて前記第1ステージ部と前記可動部とが互い違いに変位するように構成されており、
前記可動部は、前記第2位置に配置された状態にて前記第2ステージ部のステージ面の一部を形成するステージ面形成部(柱状部823,824の上面823a,824a)を有し、
前記ステージ面形成部は、当該ステージ面形成部の面積が前記第1ステージ部における前記転動面の面積よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴F12に記載の遊技機。
遊技球の重さを利用して第1ステージ部を降下させ、それに連動して可動部を上昇させる構成においては、可動部(ステージ面形成部)上に遊技球が載ることで、当該可動部が下方に沈むこととなる。これは、遊技装置の動きの多様化を図る上では好ましいものの、このような動きが多発して、状態が細かく変化する構成では、遊技装置に注目している遊技者の疲労が増すと懸念される。そこで、本特徴に示すように、ステージ面形成部の面積を第1ステージ部の転動面の面積よりも小さくして、ステージ面形成部上の遊技球の数が転動面上の遊技球の数を上回る機会を減らすことにより、上記細かな状態変化を抑制し、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴F14.前記第1ステージ部は、前記転動面に載っている遊技球の重さによって前記待機位置から前記降下位置へ移動するように構成されており、
前記遊技装置は、前記第1ステージ部と前記可動部とを繋ぎ且つそれら第1ステージ部及び可動部の中間位置にて回動可能に保持されたリンク部(リンク部材840)を有し、上下方向にて前記第1ステージ部と前記可動部とが互い違いに変位するように構成されており、
前記可動部は、前記第1位置に配置された状態にて前記所定の入球部に流入した遊技球が通過する通路の底部を形成する通路形成部(柱状部823,824の上面823a,824a)を有し、当該可動部が前記第2位置に配置されることにより前記通路形成部が前記所定の入球部から上方に突出した状態となるように構成されていることを特徴とする特徴F12又は特徴F13に記載の遊技機。
本特徴に示すように可動部の通路形成部によって第2ステージ部における排出用の通路(底部)を形成し、この通路形成部が所定の入球部から上方に突出した状態となるように構成すれば、所定の入球部に向かう遊技球が可動部に載ることを抑制できる。これにより、第2ステージへ到達した遊技球によって所定の入球部への入球を困難とする期間が短縮されることを好適に回避できる。
なお、以上詳述した特徴F1~特徴F14に特徴A~E群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
上述した各特徴に示す技術的思想のいずれか1つを他の特徴に適用してもよいし、複数の特徴に示した技術的思想を組み合わせて他の特徴に適用してもよい。また、各特徴に示す構成の一部を抽出して他の特徴に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。