<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。
ここで、遊技盤24の構成を図4〜図7に基づいて説明する。なお、図5〜図7においては、遊技盤24に対して前方から組み付けられる各種役物を取り外した状態で示している。
図6及び図7に示すように、遊技盤24は、透明樹脂により形成された透明盤300と、当該透明盤300に対して演出用の光を後方から照射する照射板400と、透明盤300と照射板400との間に配置され装飾用の図柄(絵柄)等が施された装飾シート350と、を備えている。また、照射板400の後方には、これら装飾シート350及び照射板400を透明盤300に対して取り付ける取付ベース450が設けられている。これら透明盤300、装飾シート350、照射板400及び取付ベース450はいずれも略矩形状をなしており、装飾シート350と照射板400とを挟み込んだ状態で、透明盤300に対して取付ベース450が組み付けられている。
透明盤300の前面には、遊技領域PEが形成されており、当該遊技領域PEは樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている(図2、図4参照)。
透明盤300の構成について、図4及び図5を用いて詳細に説明する。
透明盤300の前面側には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域PEの上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる(図2参照)。
透明盤300には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。また、装飾シート350において透明盤300の各開口部に対応する位置には、型抜き加工等によって前後方向に貫通する開口部が形成されている。これら各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
各開口部について詳細には、図5に示すように、一般入賞口31に対応する位置には、一般入賞口用開口部31aが形成されており、可変入賞装置32に対応する位置には可変入賞用開口部32dが形成されており、上下の作動口33,34に対応する位置には作動口用開口部33aが形成されており、スルーゲート35に対応する位置にはスルー用開口部35aが形成されており、可変表示ユニット36に対応する位置には表示用開口部36aが形成されている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが透明盤300の背面側(遊技盤24の背面側)に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、透明盤300の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域PEから排出される。また、透明盤300には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて透明盤300に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aについて説明する。電動役物34aは、下作動口34に遊技球が入賞しにくい閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、閉鎖状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り換えられる。
上作動口33を構成する作動口ケースは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケースの上辺長(すなわち上作動口33の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケースと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口33の作動口ケースが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケースの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
なお、上作動口33の作動口ケースを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケースを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケースの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
可変入賞装置32は、透明盤300の背面側(遊技盤24の背面側)へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れ当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
次に、透明盤300の後方側に配置された、装飾シート350及び照射板400について、図4〜図7に加えて図8を参照して説明する。
図8に示すように、装飾シート350は複数のシート材により構成されており、より具体的には、前方から第1図柄シート351、遮蔽シート352、第2図柄シート353の順で積層されている。なお、図においては各シート351〜353をよりわかり易く表現するため、実際の厚み(1mm未満)よりも厚く記載している。
照射板400は、装飾シート350の後方に配置されており、前面に発光手段としてのLED410が複数配設されている。LED410は、演出制御装置82に接続されており、演出制御装置82のMPU242によりそれぞれ個別に発光制御が行われる。
第1図柄シート351には、図8(b1)に示すように、例えば遊技機の遊技内容を示す第1図柄P1が略全面に施されている。なお、以下の説明では、第1図柄P1のうちの代表的な図柄(イルカ)を第1装飾図柄P1aと表現する(図では、センターフレーム42の左右上方に示している)。第1図柄シート351において第1装飾図柄P1aは彩度の低い紺色系の色が施されており、また、第1図柄シート351において第1装飾図柄P1a以外の領域(背景、第1図柄P1全体)も紺色系の色が施されている。ここで、彩度の低い色が施される図柄は、光が照射されると(特に図柄間の境界が)見えにくくなる特性を有している。そのため、第1図柄シート351に光が照射されると、第1装飾図柄P1aやその背景(第1図柄P1)は見えにくくなる。
第1図柄シート351の後方に設けられた遮蔽シート352は、後方から照射される光の強度が所定強度以上であれば同照射される光を透過し、所定強度未満であれば照射される光を遮蔽する光特性を有している。照射板400に設けられたLED410がON制御されることにより照射される光は、遮蔽シート352に所定強度以上の光として照射されるようになっている。また、遮蔽シート352は、所定強度以上の光が照射されると無色透明に見える特性を有している。
遮蔽シート352の後方に設けられた第2図柄シート353には、図8(b2)に示すように、第1図柄P1とは異なる複数の第2図柄P2(P2a,P3,P4)が施されている。なお、以下の説明では、第2図柄P2のうちの代表的な図柄(女の子)を第2装飾図柄P2aと表現する。また、第2図柄シート353には、遊技内容を文字にて表現した第3図柄P3(例えば、「SUPER LUCKY」)と、これら第1装飾図柄P1a,第2装飾図柄P2aや第3図柄P3とは異なる図柄であって小範囲に施された第4図柄P4(例えば、星)と、が施されている。第2装飾図柄P2aはセンターフレーム42の左上方に配置され、第3図柄P3はセンターフレーム42の右上方に配置され、第4図柄P4はセンターフレーム42の側方(左右)に配置されている。第2図柄シート353において、第2装飾図柄P2a、第3図柄P3及び第4図柄P4とは異なる部分には、彩度の低い灰色の背景色が施されている。また、第2装飾図柄P2a、第3図柄P3及び第4図柄P4は、彩度の高い原色系の色が施されている。ここで、彩度の高い色が施される図柄は、光が照射されると(特に図柄間の境界が)見え易くなる特性を有している。特に、彩度の低い部分との差はより明りょうとなり、見え易くなる。そのため、第2図柄シート353に光が照射されると、第2装飾図柄P2a、第3図柄P3及び第4図柄P4と、背景との差が明りょうとなり、第2装飾図柄P2a、第3図柄P3及び第4図柄P4は見え易くなる。
第1図柄シート351の背面は凹凸形状をなしており、後方から照射された光を拡散する拡散面351aを有している。そのため、LED410が発光制御されると、当該LED410からの光は第1図柄シート351における拡散面351aで反射拡散され、照射板400のLED410と前後に対応する部分のみではなく、シート全体的に明るく見えるようになる。上記のとおり、第1装飾図柄P1a及び第1図柄シート351の背景はいずれも彩度の低い紺色系の色が施されているため、照射板400からの光が照射されるとこれら第1装飾図柄P1a及び第1図柄シート351は見えにくくなる。また、照射板400からの光が遮蔽シート352に照射されると、当該遮蔽シート352は無色透明となる。そして、上記のとおり、第2図柄シート353に光が照射されると、第2装飾図柄P2a、第3図柄P3及び第4図柄P4は見え易くなる。その結果、遮蔽シート352の後方の第2図柄シート353が視認可能となる。
ここで、図8(b1)及び図8(b2)に示すように、第1図柄シート351における第1図柄P1と第2図柄シート353における各図柄P2〜P4とは、前後方向に重なる領域に施されている。すなわち、照射板400のLED410のON/OFFによって、第1図柄P1が見えるか第2図柄P2、第3図柄P3及び第4図柄P4が見えるかが異なっている。
すなわち、図8(a1)に示すように、照射板400のLED410が発光制御されていない状況では、遮蔽シート352へ照射される光の強度が所定強度未満であり、当該LED410からの光は遮蔽シート352により遮蔽される。その結果、第2図柄シート353の各図柄P2〜P4は前方から視認できず、第1図柄シート351の第1図柄P1が前方から視認可能となる(図8(b1))。また、図8(a2)に示すように、照射板400のLED410が発光制御されている状況では、遮蔽シート352へ照射される光の強度が所定強度以上となり、当該LED410からの光は遮蔽シート352を透過する。その結果、第2図柄シート353の各図柄P2〜P4は前方から視認可能となり、一方、第1図柄シート351の第1図柄P1は前方から視認できなくなる(図8(b2))。
照射板400のLED410は、前方の第2図柄シート353に施された各図柄P2〜P4に対応付けてグループ分けされている。すなわち、照射板400において、第2図柄P2の後方には複数の第2図柄LED(女の子用LED)411が配設され、第3図柄P3の後方には複数の第3図柄LED(文字用LED)412が配設され、第4図柄P4の後方には複数の第4図柄LED(星用LED)413が配設されている。
各LED411〜413と各図柄P1〜P4や各装飾図柄P1a,P2aの位置関係等について、図9を参照しながら説明する。なお、図9において、各図柄P1〜P4をそれぞれドットハッチの濃さを異ならせて表示している。また、図9においては、各LED411〜413と各図柄P1〜P4や各装飾図柄P1a,P2aとの位置関係をよりわかり易くするため、各図柄P1〜P4や各装飾図柄P1a,P2aが配置された位置は他の図と若干変更して示している。
第2図柄シート353と照射板400との間には、所定の間隔(本実施形態では約1.5cm)により第1空間E1が形成されている。第2図柄LED411と第2図柄P2との間には遮蔽物が存在せず、第2図柄LED411からの光は第1空間E1において拡散されて第2図柄P2に照射される。そのため、第2図柄LED411からの光は、当該第2図柄LED411よりも大きい第2図柄P2略全体に対してまんべんなく照射され、第2図柄P2は全体的に明るく見える。
第2図柄シート353における第3図柄P3の背面の位置には、上記第1空間E1において第3図柄P3の後方を筒状に囲う遮蔽筒360が固定されている(図6、図7参照)。遮蔽筒360は、第2図柄シート353における第3図柄P3の外周(より詳細には、第3図柄P3の文字の輪郭)の背面と、照射板400における第3図柄LED412の外周と、を覆うように第2図柄シート353から照射板400まで延在させて形成されている。遮蔽筒360は遮蔽部材により形成されており、光を遮蔽する機能を有する。遮蔽筒360の内部は空洞となっており、また、遮蔽筒360の内面は鏡面加工が施されている。これにより、第2図柄シート353において第3図柄P3へは他のLED411,413からの光が直接照射されず、第3図柄P3へは第3図柄LED412からの光のみが照射される。したがって、照射板400において第3図柄LED412がON制御されない状況では第3図柄P3は前方から視認することができず、第3図柄LED412がON制御されることによって第3図柄P3を視認することが可能となる。また、上記のように遮蔽筒360を第3図柄P3の文字に合わせた形状としたことにより、これら文字をより鮮明に映し出すことが可能となっている。
特に、後述するように、第3図柄P3は遊技状態の内容を示唆する図柄として用いられており、第3図柄P3を視認させたい遊技状態とは異なる遊技状態であるのにもかかわらず第3図柄P3が視認可能となってしまうと、遊技者が混乱してしまう可能性がある。また、その第3図柄P3が施されていることが事前に察知されることによって、第3図柄P3を視認可能としても、その驚きの効果を十分に発揮することができない可能性もある。そこで、上記のように遮蔽筒360を設ければ、光の入り込みが抑制され、第3図柄LED412以外のLEDがON制御されることによる第3図柄P3が視認可能となることを好適に回避することが可能となる。
第2図柄シート353における第4図柄P4の背面の位置には、上記第1空間E1において導光部370が固定されている(図6、図7参照)。当該導光部370は、第4図柄LED413に隣接する位置まで延在させて設けられており、第4図柄P4は導光部370よりも広い面積で施されている。第4図柄LED413からの光は、導光部370によって中心部に集光されるため、第4図柄LED413が第4図柄P4に向けて照射されると、第4図柄P4は、その中心が最も明るく、外周に向けて暗くなるように見える。
導光部370は、特に第4図柄P4の星の中心に配置されており、また、導光部370の外周は光を遮蔽する部材は設けられていない。そのため、第4図柄LED413がON制御されると、第4図柄P4においては、導光部370が接する中心が最も明るく、外側に向かうほど暗くなるように見える。
また、導光部370は、その太さが異なるように複数種類設けられている。導光部370が太いほど、第4図柄LED413からの光を広い範囲で導光させることができ、また、導光部370が細いほど、第4図柄LED413からの光を狭い範囲で導光させることができる。つまり、第4図柄P4が施された面積に応じて、導光部370の太さが設定されている。
以上のように、照射板400において各LED411〜413がON制御されることにより、第1図柄シート351における第1図柄P1が視認できなくなるとともに、ON制御されたLEDに対応する図柄P2〜P4が視認可能となる。上記のとおり、第1図柄シート351の図柄が見えるか、第2図柄シート353の図柄が見えるかは、照射板400からの光の照射によって定まるものであり、このような機能を有する装飾シート350を用いることで、LEDのON/OFF制御といった簡素な構成で、視認可能な図柄を異ならせる演出を実現することができる。
そして、各LED411〜413の配置や、第1空間E1、遮蔽筒360、導光部370等を設けることで、第2図柄シート353の各図柄P2〜P4の視認性が向上されている。具体的には、第1空間E1を介して装飾シート350に光を照射する構成としたことによって、LED410の光が拡散されて少ないLEDによってシート全体に光を照射することが可能となっている。そして、第3図柄P3の文字には遮蔽筒360を設けたことで、第3図柄LED412からの光が漏れないで鮮明に見えるだけでなく、他のLEDがON制御された場合に第3図柄P3に光が到達することも抑制され、第3図柄LED412がON制御されていないのにもかかわらず、第3図柄P3が視認可能となってしまう事象が回避されている。そして、第4図柄P4の星には、その中心位置に接するように導光部370を設けたことで、第4図柄LED413をON制御することで中心が明るく輝いているかのような演出とすることが可能となる。
さらに本実施形態では、第2図柄シート353だけでなく、第1図柄シート351の図柄の視認性を向上させる工夫も施されている。その構成について、図10〜図13を用いて説明する。なお、図10、図12及び図13においても、各シート350の厚みは実際よりも厚く記載している。また、図10、図12及び図13は、パチンコ機10の横方向(左右方向)の断面を上方から見た概略図であり、図の関係上、横方向の長さは実際のものよりも短く記載している。なお、他の断面図においても同様である。
図10に示すように、透明盤300の周縁部には後方に向けて起立させた前方周縁部310が形成されており、照射板400の後方の取付ベース450の周縁部には前方に向けて起立させた後方周縁部460が形成されている。そして、これら前後の周縁部310,460を重ね合わせて形成されるハウジング内に、装飾シート350と照射板400とが取り付けられている。
後方周縁部460は装飾シート350及び照射板400の厚みをあわせた長さよりも長くなるように前方に起立させて形成されている。装飾シート350の前面は後方周縁部460の前端と面一となるように配設され、照射板400の後面は後方周縁部460の後端(取付ベース450において前方を向く取付面451の前端)と面一となるように配設されている。このような配置によって、装飾シート350と照射板400との間に、上記の第1空間E1が設けられている。
前方周縁部310の後方への起立量は上記第1空間E1の厚みよりも若干短くなっている。この前方周縁部310の後端と、上記の後方周縁部460の前端と、を当接させて、透明盤300と取付ベース450とが組み付けられることによって、後方周縁部460の前端(装飾シート350の前面)から透明盤300の後面までの間に、所定の間隔(本実施形態では約1.0cm)により第2空間E2が形成されている。
前方周縁部310の内側(センターフレーム42側)には、側方基板500が取り付けられており、当該側方基板500には内側に向けて側方LED510が配設されている。より詳しくは、図5に示すように、側方LED510は左右一対設けられており、上下方向に延びて端部を除く全体に亘って配置されている。側方LED510は、第2空間E2内に光を照射するものであり、特に、第1図柄シート351の前面に対して光を照射するものである。側方基板500は、演出制御装置82に接続されており、演出制御装置82のMPU242により制御されることによって、側方LED510のON/OFF制御が行われる。
本実施形態において、第2空間E2内には、装飾シート350を前方から遮蔽する遮蔽物は基本的には設けられておらず、上記のとおり、透明盤300が無色透明に形成されていることから、透明盤300及び第2空間E2を介して装飾シート350が前方から視認可能となっている。ただし、透明盤300において外レール部52の外側部分は、前方からの視認が不可となるように不透明処理が施されている。そのため、側方LED510は前方からの視認が困難又は不可能となっている。
側方LED510によって第1図柄シート351の前面に対して光が照射されることによって、第1図柄P1の視認性が向上する。既に説明したとおり、後方の照射板400からの光が照射されていない状況においては、第2図柄シート353の各図柄P2〜P4ではなく第1図柄シート351の第1図柄P1が視認可能となっている。しかし、その第1図柄P1の視認性を向上させようとして後方から光を照射してしまうと、かえって第1図柄P1の視認性が低下してしまう。かといって、透明盤300の前方(遊技盤24の前方)から第1図柄シート351に対して光を照射しようとしても、遊技盤24の前面側には誘導レール51、52や釘38、その他各種役物33〜36等の遮蔽物が配置されており、これらによって光が遮られてしまう可能性がある。
特に、このように遮蔽された状態で光を照射してしまうと、その遮蔽物の影がそのまま第1図柄シート351の前面に対して投影されてしまい、さらに第1図柄シート351の視認性が低下してしまう要因となり得る。そして、上記のとおり、第1図柄シート351は彩度の低い色が第1図柄P1や背景に施されているため、影が生じることによる視認性の低下はより顕著なものといえる。
そこで、第2空間E2を利用して、側方LED510からの光を第1図柄シート351に照射することで、遮蔽物によって光が遮られないし、且つ遮蔽物の影によって第1図柄シート351の視認性が逆に低下してしまう事象の発生が回避されている。
また、第2空間E2を設けずに、透明盤300に対して装飾シート350を張り付けて設ける構成も考えられる。このようにすれば、装飾シート350の装飾が空間を介さずに直接透明盤300から視認可能となり、装飾シート350の装飾の視認性が向上し得るものとも考えられる。しかし、装飾シート350は上記のように後方からの光の照射を受けるものであり、熱の発生が懸念される。そうすると、装飾シート350からの熱が透明盤300へ伝導して透明盤300の熱変形が発生する可能性もある。そればかりか、装飾シート350や透明盤300の接着に関して熱による剥がれ等が生じ、気泡が入るなど、意匠性の低下も懸念される。そこで、上記のように第2空間E2を設けることで、これらの問題をも解消することが可能となっている。
第2空間E2の前後方向の距離は、第1空間E1の前後方向の距離よりも短く設定されている。装飾シート350に対して後方から光を照射する第1空間E1においては、前後方向の距離が長いほど、まんべんなく光が照射されるといえる。一方で、第2空間E2においては、側方から光を照射する構成であるため、前後方向の距離が短いほど装飾シート350に対する光の入射角は小さくなり、回析等によってよりまんべんなく光が装飾シート350に届くものと考えられる。そして、遊技機の限られたスペースを利用する、という観点からすると、両空間E1,E2の前後方向の距離は短い方が好ましい。そこで、これらの事情を勘案して、第1空間E1の前後方向の距離と、第2空間E2の前後方向の距離と、を第2空間E2の方が短くなるように設定した。これにより、限られたスペースに設けられた両空間E1,E2を用いて、装飾シート350に対して光を好適に照射することが可能となる。
なお、図5に示すように、側方LED510は、遊技盤24の左右両端に設けられているとともに、遊技盤24の上端に設けられている。以下の説明では、これらを分けて、それぞれ、左方LED520、右方LED530、上方LED540ともいう。各LED520〜540は、演出制御装置82によってそれぞれ、別々に駆動制御される。
ここで、透明盤300、装飾シート350及び照射板400はそれぞれ別々に取り外し又は取り付けが可能となっている。より具体的には、透明盤300と照射板400との取付ネジ(図示略)を取り外して、透明盤300から照射板400を後方に向けて取り外すと、装飾シート350も照射板400と一体的に透明盤300から取り外される。また、装飾シート350と照射板400との取付ネジ(図示略)を取り外せば、照射板400から装飾シート350を前方に向けて取り外すことが可能となっている。そのため、透明盤300、装飾シート350及び照射板400の点検・交換作業の容易化が図られている。つまり、例えばこれら部材のうちの一部が故障等した場合であっても、その故障した部分だけを交換すればよいし、特に遊技機の意匠的な要素である装飾シート350や照射板400のみを交換すると、意匠性のみを変更する機種変更にも対応することが可能となる。
さらに、側方LED510(左方LED520、右方LED530、上方LED540)も、透明盤300、装飾シート350及び照射板400とは別々に取り外しが可能となっている。すなわち、側方LED510は第2空間E2に設けられており、照射板400を透明盤300から取り外すことで容易にアクセス可能となる。そのため、側方LED510を取り外す際には、透明盤300、装飾シート350及び照射板400の交換を要さず、部品交換の容易化やコストの削減が図られている。
図11に示すように、左右のLED520,530が第1図柄シート351に照射されると、当該第1図柄シート351に反射した反射光が生じる。上記のように左右のLED520,530は遊技盤24の左右両端に設けられているため、例えば第1図柄シート351に対して略鉛直に光を照射する構成と比較すると、その光の入射角度は大きくなる。そのため、LED520,530からの光の反射光の反射角度も大きくなり、その結果、遊技機前方に着席する遊技者に直接照射されることが抑制されている。これにより、遊技者がLED520,530を直接視認することによるまぶしさが低減されている。また、第1図柄P1を明るく照らして視認性を向上しつつも、入射角度を大きくすることで光の映り込みを低減することが可能となっている。そして、遊技盤24の略中央部に配設される図柄表示装置41からの光の強度は、これらLED520,530からの反射光の強度よりも基本的には大きいものとなっている。そのため、側方LED510により第1図柄シート351の視認性を向上しつつも、表示画面Gの視認性を逆に低下してしまう事象を回避している。
さらに、図12に示すように、側方LED510(左方LED520)からの光は、装飾シート350における第1図柄シート351に直接照射されるもの(以下、直接光W1という)と、所定の部位に反射してから第1図柄シート351に照射されるもの(以下、反射光W2という)と、に大別される。既に説明したとおり、遊技盤24の略中央にはセンターフレーム42が取り付けられており、当該センターフレーム42は取付ベース450に対して前方から組み付けられている。センターフレーム42の外周面(側方LED510を向く面)421は鏡面加工が施されており、側方LED510からの光が外周面421により反射されることで、上記の反射光W2となる。そして、図11において拡大して示すように、第1図柄シート351において第1図柄P1には、直接光W1と反射光W2とが逆方向からそれぞれ照射される。
ここで、第1図柄シート351においては、前面から図柄が印刷されることによって第1図柄P1が施されている。そのため、第1図柄シート351の前面には、若干の凸凹が生じることもある。このような凸凹面に対して、鉛直に光を照射すれば影は発生し得ないが、本実施形態のように直接光W1は、第1図柄シート351に対して傾斜させて照射される。そのため、上記凸凹の程度によっては、若干の影が発生し得るものと考えられる。そこで、外周面421による反射光W2を直接光W1の反対側から照射するようにしたことで、一方からの光の影を、他方からの光によって打ち消すことが可能となる。
センターフレーム42は、遊技盤24の前方からフランジ422を介して固定(例えばネジ止め)されている。本実施形態では、このフランジ422の裏面(遊技盤24、透明盤300の前面と当接する面)にも鏡面加工が施されている。そのため、側方LED510からの光は、センターフレーム42の外周面421だけでなく、フランジ422の裏面においても反射して第1図柄シート351に照射される。これにより、側方LED510からの光の照射範囲が広がるだけでなく、外周面421からの反射光よりも第1図柄シート351への入射角度が大きくなり、より影が生じにくくなる。
センターフレーム42の外周面421は、第2空間E2にも延在させて形成されている。そのため、第2空間E2において照射される光(照射板400からの光)を反射拡散する機能も有しており、一の部材に機能の集約化を行うことが可能となり、部材点数の削減によりコスト削減を図ることができる。
特に、本実施形態のように透明盤300を用いる場合、センターフレーム42の周縁部にLEDを設けようとすると、その配線が前方から視認されてしまい、意匠性の低下を招きかねない。これに対して、上記のように反射光を用いれば、センターフレーム42にLEDを設ける必要がなく、その配線による不都合も生じない。
以上のように、側方LED510をON制御することによって、第1図柄シート351における第1図柄P1の視認性が向上する。さらに、側方LED510は、透明盤300を介して遊技機前方にも照射される。
図13に示すように、側方LED510(左方LED520)から前方へ照射される光は、透明盤300を介して直接前方へ照射されるもの(以下、前直接光W3という)と、所定の部位に反射してから前方へ照射されるもの(以下、前反射光W4という)と、に大別される。
前直接光W3は、側方LED510から内側に向けて照射されるとともに、前方へ傾斜させて照射される。上記の通り側方LED510は左方、右方、上方のそれぞれに配置されている。そのため、パチンコ機10の前方の中心部に、側方LED510からの前直接光W3が集中することになる。この場合、前直接光W3が集中する焦点は、遊技機前方に着席する遊技者の顔よりも後方となる位置(パチンコ機10と遊技者との略中間位置)となるように、側方LED510の照射角度が調節されている。そのため、前直接光W3を直接視認することで生じるまぶしさが低減されている。
さらに、パチンコ機10において上作動口33や下作動口34への入賞に基づく当否判定の結果は、表示画面Gにおいて表示される。図4に示すように、表示画面Gは、遊技盤24の略中央位置に配置されている。そのため、前直接光W3が集中する焦点は、表示画面Gと前後方向に重なる位置に存在するといえる。このようにすることで、表示画面Gによる表示演出と、側方LED510を用いた光の演出と、を視線を移動させることなく視認可能とし、両者を関連付けて演出効果を高めることができる。
既に説明したとおり、上作動口33と下作動口34とはユニット化されて遊技盤24に取り付けられている。この両作動口33,34の外周面(側方LED510を向く面)331は、センターフレーム42のものと同様に、鏡面加工が施されており、側方LED510からの光が外周面331により反射されることで、前反射光W4となる。但し、両作動口33,34の取り付けに際して用いられるフランジ332は、上記センターフレーム42のものとは異なり、透明樹脂により形成されており、その裏面も鏡面加工は施されていない。そのため、外周面331に反射した前反射光W4は、フランジ332を透過し、遊技機前方に照射される。このようにすることで、前反射光W4によって両作動口33,34の位置を注目させることが可能となる。特に、両作動口33,34は、開閉実行モードへ移行させるか否かの当否抽選の契機となる入球部であり、このような入球部へいかに入球させるか(当否抽選を受けるか)が遊技の肝となる。その点、このような作動口33,34への注目度を向上させる意義は大きいといえる。
ここで、作動口33,34は遊技盤24において横方向の略中央位置に配置されており、左右の側方LED510(520,530)からの距離が最も遠い位置に配置されているといえる(図4参照)。そのため、外周面331に対する入射角度は、横方向において側方LED510に近い位置よりも大きくなり、その分、前反射光W4が透明盤300に対して照射される位置も、作動口33,34から離れた位置になる。遊技領域PEを流下する遊技球が作動口33,34へ入球するか否かは、遊技球の流下経路上において作動口33,34の直近にて決定されることもあれば、それよりも上流側において決定されることもある。具体的には、作動口33,34の入口等にてはじかれて入球しなかったりする場合もあれば、作動口33,34の入口付近に到達するよりも以前において、釘38等によって流下経路がずれて同作動口33,34へ到達しにくい経路へ振り分けられることもある。そこで、本実施形態における前反射光W4のように、作動口33,34から離れた位置に向けて照射する構成とすれば、特に作動口33,34へ到達する以前の経路に注目させることが可能となる。
付け加えると、作動口33,34のように役物として遊技盤24に取り付けられているものに対しては、当該役物に新たに発光手段(LED等)を取り付けることは可能であるものの、役物が存在しない流下経路においては、発光手段を取り付けようとしてもその取付対象が存在しないため、当該流下経路を光らせることは役物自体を光らせるよりも困難な場合が多い。そして、本実施形態のように、透明盤300を用いた構成においては、当該透明盤300の背面に発光手段を設けても、それが丸見えとなってしまい、意匠的に好ましくない。そこで、上記のように、前反射光W4を用いる構成とすれば、役物が存在しない流下経路であっても、そこを部分的に光らせて関心を寄せさせることが可能となる。
図2の説明に戻り、内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
さらに、演出制御装置82には、遊技盤用発光部としてLED410,510が接続されており、これらLED410,510のON/OFF制御を実行する。
表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組合せの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図15に基づいて説明する。図15は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図15(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図15(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組合せが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図16に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における図柄列Z1〜Z3の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア〜第4エリアには、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図17を用いて説明する。図17に示すように、当否テーブルとしては、図17(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図17(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図17(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図17(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。これらの違いについては後に説明する。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図18を用いて説明する。図18に示すように、振分テーブルとしては、図18(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図18(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図18(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図18(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、上作動口33と下作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードである。したがって、特別外れ結果となったとしても、大入賞口32aへの遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
上記のように特別外れ結果を設定することで、可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を演出として用いることができる。ここで、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行するのみであり、その後には上記通常遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置32の挙動及び下作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、図17(a)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は大当たり当選となる乱数の値と同様に2個である。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合には、図17(b)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は、大当たり当選となる乱数の値の数及び低確率モードで特別外れ結果となる乱数の値の数よりも少ない1個である。このように特別外れ結果となる乱数の値の数を、高確率モード下における大当たり当選となる乱数の値の数よりも少なくすることで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率よりも大当たり当選となる確率を高くすることができる。また、特別外れ結果となる乱数の値の数を、低確率モード下よりも高確率モード下の方を少なく設定することで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率を低確率モード下よりも低くすることができる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性があるリーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組合せが成立する可能性のあるリーチ図柄の組合せを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図15の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することが容易な又はできる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間と、図柄表示装置41におけるメイン表示領域Pにおける変動表示時間と、をMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、上作動口33への入球が発生したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に上作動口用の入賞検知フラグを格納し、下作動口34への入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリア235に下作動口用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート35を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、演出制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の保留発光部46を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、図20及び図21のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図21のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした上作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、下作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、下作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした下作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。
ステップS306の保留コマンドの設定処理にて設定される保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて演出制御装置82に送信されることとなるが、保留コマンドには上作動口33及び下作動口34への入賞のうちいずれの作動口への入賞に基づくものであるかの情報が含まれており、演出制御装置82においては当該保留コマンドを受信することにより保留表示領域Ga,Gbにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信したコマンドが上作動口33への入賞に対応している場合には、上作動口用の保留表示領域Gaに上記保留用画像を表示させるための処理を実行する。保留表示領域Gaにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば上作動口用の始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Ga1に保留画像が表示され、始動保留記憶数RaNが4であれば全ての保留表示領域Ga1〜Ga4に保留画像が表示されるようになっている。また、演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信したコマンドが下作動口34への入賞に対応している場合には、下作動口用の保留表示領域Gbに保留画像を表示させるための処理を実行する。保留表示領域Gbにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば下作動口用の始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Gb1に保留画像が表示され、始動保留記憶数RbNが4であれば全ての保留表示領域Gb1〜Gb4に保留画像が表示されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図22のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物34aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物34aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図23〜図25のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS605にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS606では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図22)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留発光部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS609では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS610では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS611にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS612では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図22)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留発光部46における表示や、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図17(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図17(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS702又はステップS703の処理の後は、ステップS704〜ステップS712にて、今回の遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリア224に記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)が参照される。
具体的には、先ずステップS704にて、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705〜ステップS711において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS705では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて第1結果表示部用の振分テーブル(図18(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS707にて第2結果表示部用の振分テーブル(図18(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS706又はステップS707の処理の後は、ステップS708にて、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS709にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。またステップS709では、今回の遊技回の当否判定結果が、いずれの確変大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS709では、明示2R確変フラグ(明示2R確変大当たりフラグ)、非明示2R確変フラグ(非明示2R確変大当たりフラグ)、15R確変フラグ(15R確変大当たりフラグ)のいずれかを格納する。その後、ステップS713に進む。
一方、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS708にて否定判定をし、ステップS710に進む。ステップS710では、通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS711にて、今回の遊技回の当否判定結果が、通常大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS711では、通常フラグ(通常大当たりフラグ)を格納する。その後、ステップS713に進む。
また、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS712に進む。ステップS712では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。またステップS712では、今回の遊技回の当否判定結果が、外れ結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS712では、通常外れフラグ、特別外れフラグのいずれかを格納する。その後、ステップS713に進む。
ステップS709、ステップS711、ステップS712のいずれかの処理を実行した後は、ステップS713にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、今回の遊技回の遊技結果及びリーチ表示の発生の有無によって、対応する変動表示時間テーブルをROM203から取得して、今回の変動種別カウンタCSの値に応じた変動表示時間を設定する。具体的には、本実施形態においては、当否抽選の結果が開閉実行モードへ移行する結果(いずれかの大当たり結果及び特別外れ結果)である場合又は同当否抽選の結果が通常外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっており、リーチ発生用の変動表示時間テーブルが参照される。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチとスーパーリーチとが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ及びスーパーリーチそれぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
一方、リーチ非発生用変動表示時間テーブルでは、始動保留記憶数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。
なお、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタCSの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図25)の説明に戻り、ステップS713の後は、ステップS714にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS714にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS715にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図23)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図19)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS709、ステップS710及びステップS712のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組合せを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図26のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS801では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS803にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図19)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS805では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS806では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS807にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「2」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS808にて、ラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。
ステップS807又はステップS808の処理を実行した後は、ステップS809にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図22)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS810では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
また、外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり及び特別外れ信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり及び特別外れ信号出力状態とする。これにより、大当たり及び特別外れ信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり及び特別外れ信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS811に進む。ステップS811では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS812にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、ラウンドカウンタエリアRCやタイマエリアTの値に応じて可変入賞駆動部32cを駆動制御して、大入賞口32aを開放状態と閉鎖状態との切換を行う。この場合、高頻度入賞モードである開閉実行モードと低頻度入賞モードである開閉実行モードとで、セットされるラウンドカウンタエリアRCやタイマエリアTの値が異なり、開放状態とされる回数や期間が高頻度入賞モードのほうが低頻度入賞モードよりも多く(長く)なるように可変入賞駆動部32cの切換制御を行う。
ステップS812にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS813にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS814にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS815にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、RAM204に15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。また、RAM204に非明示2R確変フラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び低頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。さらには、RAM204に通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。そして、いずれのフラグも格納されていない場合、すなわち、今回の開閉実行モードの契機が特別外れ結果であった場合には、その特別外れ結果となった遊技回の遊技状態が開閉実行モードの終了後において維持される。
ステップS815の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS816にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。つまり、ラウンド表示部RSにおけるラウンド表示は、開閉実行モードが開始される場合に開始され、開閉実行モードが終了される場合に終了される。この場合に、開閉実行モードが低頻度入賞モードである場合には高頻度入賞モードに比べ、大入賞口32aの開閉回数が少なく且つ大入賞口32aの開放時間及び閉鎖時間が短く設定されている。したがって、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示されている期間は、高頻度入賞モードよりも短い。さらに言うと、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに停止表示される結果表示は、遊技回が終了する場合に開始され、次の遊技回が開始されるまで継続される。したがって、開閉実行モードに移行する場合には、上記結果表示は、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示される前から表示が開始され、当該ラウンド回数の内容の表示が終了された後まで継続される。つまり、結果表示は、ラウンド回数の内容の表示よりも長期間に亘って維持される。
その後、ステップS817にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ、特別外れフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
次に、各種演出を実行するための電気的構成及び制御処理について説明する。
<演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について>
演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図27のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242は、主制御装置81から受信する各種コマンドに基づいて、各種演出を実行するための処理を行う。受信したコマンドは、MPU242のRAM244に設けられたコマンド格納エリア248に格納される。そして、その格納されたコマンドを解析等する処理を行い、各種演出を実行する。
MPU242の出力側には、遊技盤24に設けられたLED410,510、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリアに記憶される。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<各種演出に関する処理>
次に、演出制御装置82のMPU242にて実行される各種演出に関する処理について説明する。この処理としては各種演出用処理が設けられており、当該各種演出用処理は、MPU242にて所定周期(例えば2msec周期)で定期的に起動される処理となっている。
以下に、図28のフローチャートを参照しながら、各種演出用処理について説明する。
先ず、ステップS901では保留制御用処理を実行する。この処理では、主制御装置81から保留表示制御用コマンド(シフトコマンドや保留コマンド)を受信したことに基づく演出内容(保留表示や保留予告の内容)を設定するための処理を行う。続くステップS902では、変動表示制御処理を実行する。この処理では、主制御装置81から遊技回制御用コマンド(変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等)を受信したことに基づく演出内容(遊技回の内容)を設定するための処理を行う。
続くステップS903では、発光制御処理を実行する。この処理では、演出制御装置82に接続されている遊技盤用発光部としてのLED410,510の発光制御を実行する。発光制御処理については、後に詳細に説明する。続くステップS904では、デモ画面用処理を実行する。この処理では、所定期間に亘って遊技が行われていない、又は行われていても遊技回が実行されていない場合等に図柄表示装置41の表示画面Gにてデモ画面を表示させるための処理を実行する。
そして、ステップS905にて、演出についてのその他の処理を行ってから、各種演出用処理を終了する。当該その他の処理では、演出用の各種発光部45〜47,63やスピーカ部64等の各種設定や初期化等を行うための処理を実行する。なお、演出制御装置82に可動役物が接続されている構成では、この処理にて当該可動役物の初期位置の設定処理等が行われる。また、このその他の処理では、遊技状態の移行に合わせた演出用コマンド(開閉実行モード用コマンドや、サポートモードや抽選モードの移行に対応するコマンド)を受信したことに基づく演出を行うための処理を行う。
<発光制御処理>
ステップS903の発光制御処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1001では、遊技状況把握処理を実行する。この処理では、直前の保留制御用処理(ステップS901)において設定される保留予告の実行の有無やその種類、変動表示制御処理(ステップS902)において設定される遊技回用の演出内容、遊技状態、等の各種遊技状況を把握する処理を実行する。例えば、保留予告の実行の有無やその種類や、遊技回用の演出内容や遊技状態については、ステップS901やステップS902にてRAM244の保留用記憶エリア250にその内容を記憶する処理が行われ、遊技状況把握処理ではこの保留用記憶エリア250を参照してそれらの内容を把握する。
続くステップS1002では、ステップS1001にて把握した内容に対応する発光番号の読み出し処理を実行するとともに、その読み出した発光番号に対応する発光制御パターンを把握する処理を実行する。発光番号と発光制御パターンとは、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に発光パターンテーブルとして記憶されている。
発光パターンテーブルでは、図30に示すように、各種遊技状況に対応付けてON/OFF制御するLEDのグループが定められている。なお、図30においては、第4図柄LED413や、上方LED540については省略して示している。
現状の遊技状況としてステップS903にてデモ画面が設定されている状況としては、発光番号は「0」が設定されており、この「0」に対応する発光制御パターンとしては、いずれのLED411,412,520,530もOFF制御されるように設定されている。
遊技回は実行されていないものの、発射ハンドル54が操作されている状況では、発光番号は「1」が設定されており、この「1」に対応する発光制御パターンとしては、照射板400における各LED411,412はいずれもOFF制御されるものの、側方LED520,530はいずれもON制御されるように設定されている。
遊技回が開始された後であって、リーチ非発生の状況では、発光番号は「2」〜「9」が設定されており、これらの発光番号に対応する発光制御パターンとしては、照射板400における各LED411,412はいずれもOFF制御され、側方LED520,530もいずれもOFF制御されるように設定されている。
遊技回が実行されている状況であって、リーチが行われている状況では、発光番号は「10」〜「19」が設定されており、これらの発光番号に対応する発光制御パターンとしては、照射板400のうち第2図柄LED411がON制御され、第3図柄LED412はOFF制御される。そして、側方LED510のうち、第2図柄P2側の左方LED520はOFF制御され、第2図柄P2と反対側の右方LED530はON制御されるように設定されている。
遊技回が実行されている状況であって、リーチ後に大当たり結果に対応する図柄が確定表示されている状況にあっては、発光番号は「20」〜「29」が設定されており、これらの発光番号に対応する発光制御パターンとしては、照射板400のうち第3図柄LED412がON制御され、第2図柄LED411はOFF制御される。そして、側方LED510のうち、第3図柄P3側の右方LED530はOFF制御され、第3図柄P3と反対側の左方LED520はON制御されるように設定されている。
開閉実行モード開始時におけるオープニング期間である状況では、発光番号は「30」〜「39」が設定されており、これらの発光番号に対応する発光制御パターンとしては、照射板400の各LED411,412がON制御されるとともに、側方LED520,530はいずれもOFF制御されるように設定されている。
開閉実行モード中の各ラウンド遊技が行われている状況では、発光番号が「40」〜「49」が設定されており、これらの発光番号に対応する発光制御パターンとしては、照射板400側の各LED411,412と、側方LED520,530と、が交互にON/OFF制御されるように設定されている。
なお、遊技状況に応じて複数の発光番号が設定されており、各発光番号によって、各LED411,412(413),520,530(540)の制御パターン(ON/OFFの期間やそれぞれの切換タイミング)が異なるように設定されている。これら複数の発光番号については、主制御装置81から受信する遊技状況を示す各種コマンドに基づいていずれの番号(制御パターン)を選択するかを決定する構成としてもよいし、例えば各種カウンタエリア249から発光番号の抽選用カウンタを取得して、当該カウンタに基づいてランダムに決定する構成としてもよい。また、これら両者を組合せて、例えば同じ遊技状況であっても遊技結果によって選択される番号が異なり得るように抽選用のカウンタと抽選テーブルとを設定してもよい。
その他、発光パターンテーブルでは、各LED411〜413、520〜540をそれぞれ個別にON/OFF制御可能なようにテスト用の発光番号が割り振られている。例えば、遊技機に設けられた操作ボタン等を特定操作(通常遊技状態では操作し得ない操作が好ましい)することで、それぞれテスト用の発光番号を読み出し可能とするとよい。操作ボタンとしては、遊技機背面側などの施錠装置を解除することで操作可能となる位置に設けることで、遊技者がむやみにテスト用の発光番号の読み出し処理を行ってしまうことを防止することができる。
発光制御処理(図29)の説明に戻り、発光番号の読み出し処理を行った後は、ステップS1003にて対応するLEDの発光制御を実行してから、本発光制御処理を終了する。
ここで、各遊技状況と、遊技機前方から視認可能な図柄の関係について図30に加えて、図31を参照しながら説明する。図31(a1)〜図31(a6)は側方LED520,530のON/OFF制御の様子を示し、図31(b1)〜図31(b6)は遊技盤24を前方から見た表示画面Gや図柄の様子を示している。
デモ画面である状況では、図31(a1)及び図31(b1)に示すように、いずれのLED411,412,520,530もOFF制御されており(発光番号「0」)、遊技盤24は全体的に暗く、更に、遊技回も実行されていないことから表示画面Gも暗くなる(輝度が低くなるように設定されており、遊技回中よりも暗く、電源OFF時よりも明るい状態)ように設定されている。この場合、遊技機としては消費電力を抑制することができるし、遊技者としてはその遊技機が空き台であることを容易に理解することができる。
遊技者が遊技を開始して発射ハンドル54を操作して遊技球を発射させると、図31(a2)及び図31(b2)に示すように、照射板400における各LED411,412はOFF制御のままであるものの、側方LED520,530はいずれもON制御される(発光番号「1」)。そして、遊技回は開始前であるため、遊技盤24において表示画面Gを除く領域は明るく表示され、第1図柄シート351における第1図柄P1(P1a)が前方から明りょうに視認可能となる。また、表示画面Gは上記デモ画面の状態と同じように輝度が低くなるように設定されており、遊技回中と比較して暗くなるようになっている。
遊技球が作動口33,34へ入球し、遊技回が開始されると、図31(a3)及び図31(b3)に示すようにいずれのLED411,412,520,530もOFF制御される(発光番号「2」〜「9」)。その一方で、遊技回が開始されることから、表示画面Gは明るく表示される。その結果、第1図柄P1(P1a)の視認性は低下するものの、遊技者の関心は表示画面Gに移行するものと考えられる。
遊技回においてリーチが発生すると、図31(a4)及び図31(b4)に示すように、左方LED520はOFF制御される一方で、右方LED530はON制御される。そして、照射板400においては、第2図柄LED411はON制御され、第3図柄LED412はOFF制御される。その結果、遊技盤24の左方には第2図柄P2(P2a)が視認可能となり、右方には第1図柄P1(P1a)が視認可能となる。
遊技回において大当たり結果の確定報知となると、図31(a5)及び図31(b5)に示すように、左方LED520はON制御される一方で、右方LED530はOFF制御される。そして、照射板400においては、第2図柄LED411はOFF制御され、第3図柄LED412はON制御される。その結果、遊技盤24の左方には第1図柄P1(P1a)が視認可能となり、右方には第3図柄P3が視認可能となる。
開閉実行モードのオープニング時においては、図31(a6)及び図31(b6)に示すように、側方LED520,530はいずれもOFF制御される一方で、照射板400における各LED411,412はいずれもON制御される。その結果、遊技盤24の左方には第2図柄P2(P2a)が視認可能となり、右方には第3図柄P3が視認可能となる。
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
前面に遊技領域PEが形成された透明盤300を透明樹脂により形成し、当該透明盤300の後方に装飾シート350を設けた。そして、装飾シート350において、所定強度以上の光を透過し所定強度未満の光を遮蔽する遮蔽シート352の前後に第1図柄シート351と第2図柄シート353とを配置し、装飾シート350の後方から所定強度以上の光を照射可能な照射板400を設けた。これにより、照射板400から所定強度以上の光を照射すれば当該光は遮蔽シート352を透過して第2図柄シート353の図柄を透明盤300を介して前方から視認可能となるし、照射板400からの光を所定強度未満(OFF)とすれば遮蔽シート352を背景として第1図柄シート351の図柄を透明盤300を介して前方から視認可能となる。このようにすることで、遊技盤24において同一領域にて複数種類の図柄を別々に視認させることが可能となる。
特に、遊技機において演出を派手にして遊技者の関心を寄せさせる工夫が必要となるところ、表示画面を大型にして同表示画面上の演出によって遊技者の関心を寄せさせる試みがなされている。一方で、遊技機本来の楽しみとしては、遊技球の流下態様を見て楽しむものであり、表示画面の大型化によって遊技領域が圧迫されることは好ましくない。その観点からすると、遊技盤を透明樹脂等によって形成し、背面に大型の表示画面を設ける遊技機とすれば、表示画面の大型化と遊技領域の確保を両立させることも可能と考えられる。しかし、表示画面を大型なものとすると、遊技機の製造コストが増大してしまうことも懸念される。そればかりか、遊技盤には、表示画面を囲う囲み部材としてのセンターフレームが設けられており、同センターフレームによって表示画面前方への遊技球の落下が抑制されている。そして、センターフレームが不透明樹脂等によって形成されると、表示画面の表示領域とそれ以外の領域とが区別可能となるものの、せっかく広く確保した遊技領域を流下する遊技球の動作が、かえって見にくくなってしまう、といった問題も生じ得る。
そこで、本実施形態のように、表示画面Gと装飾シート350とを併用し、多彩な演出については表示画面Gに委ね、表示図柄の切換演出については装飾シート350で行う構成とすることによって、演出用の領域と遊技領域とをいずれも広く確保するとともに、製造コストを抑えつつ、演出の多様化を図ることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
透明盤300と装飾シート350との間に所定の間隔により形成される第2空間E2を設けた。そして、上記第2空間E2において、装飾シート350へ光を照射する発光部としての側方LED510を設けた。これにより、後方からの光の強度によって前方から視認可能となる図柄を異ならせることが可能な装飾シート350において、後方からの光が照射されていない場合、又は光の強度が弱い場合の、図柄の視認性を向上することができる。すなわち、後方からの光の強度を強くすれば第2図柄シート353の各図柄P2〜P4の視認性は向上し、第1図柄シート351の図柄の視認性については、後方からの光をOFFとするとともに、前方から後方への光の回り込みを抑制することで視認性を向上している。さらに、上記のように側方LED510を前方から照射させることにより、第1図柄シート351の図柄の視認性を向上することが可能となる。
特に、第1図柄シート351に対して前方から光を照射しようとする場合、遊技盤24の前方から光を照射する構成も考えられる。しかし、遊技盤24(透明盤300)の前面側には誘導レール51,52や釘38等が配置されており、当該役物の影が第1図柄シート351に投影されると、かえって図柄の視認性が低下してしまいかねない。そこで、上記誘導レール51,52や釘38よりも後方である第2空間E2において側方LED510を設けたことで、誘導レール51,52や釘38の影の映り込みを回避し、好適に図柄の視認性を向上させることが可能となる。
側方LED510は、遊技盤24の側部から第1図柄シート351へ光を照射するため、第1図柄シート351へ鉛直に光を照射する構成と比較して、第1図柄シート351への入射角度は小さくなる。そのため、第1図柄シート351からの反射光の反射角度も小さくなり、遊技機前方に着席する遊技者へ直接照射されにくくなる。これにより、側方LED510の光を遊技者が直接視認することによるまぶしさを低減するとともに、第1図柄シート351への光の映り込みが抑制され、第1図柄P1の視認性がより高くなる。
さらに、側方LED510からの光は、センターフレーム42の外周面421に反射して第1図柄シート351へ照射される場合もある。このように、入射角度が大きい光を左右(上下)両方向から照射することで、仮に第1図柄シート351に凹凸があってもその凹凸によって影が生じにくい。特に、第1図柄シート351の第1図柄P1は略紺色を主体とした彩度の低い色が施されているため、影が生じると第1図柄P1の視認性は極端に低下し得るものといえる。そこで、上記のようにすることで、側方LED510からの光によって影は生じにくくなり、彩度の低い色の図柄であっても視認性が低下してしまう事象を回避することができる。
センターフレーム42の取り付けに際して用いられるフランジ422の背面においても鏡面加工を施したことにより、当該フランジ422の背面によって反射された光を更に第1図柄シート351へ照射することができる。よって、より効率的に側方LED510の光を第1図柄シート351へ照射することが可能となる。
側方LED510の光は、センターフレーム42の外周面421の他、作動口33,34の取り付けユニットにおける外周面331においても反射する。そして、外周面331により反射した反射光(前反射光W4)は、透明盤300において作動口33,34から若干離れた位置に照射される。これにより、作動口33,34へ入球することに関して注目している遊技者に対して、単に作動口33,34へ入球するか否かだけでなく、その作動口33,34へ到達するまでの経路(上記前反射光W4が照射される位置)も含めて関心を寄せさせることができる。このようにすることで、遊技球の動作に対する関心をより高めることが可能となり、遊技領域PEを広く確保した効果をもより効果的に高めることができる。
上記のように第2空間E2においては、側方LED510によって装飾シート350(第1図柄シート351)を照射する構成とする一方、第1空間E1においては、照射板400のLED410によって後方から装飾シート350を照射する構成とした。このように、別々の空間E1,E2において光をそれぞれ照射する構成としたため、照射対象は同じ装飾シート350であっても、その照射効果を明確に異ならせることができる。つまり、第1空間E1においては、装飾シート350を後方から照らして、第1図柄シート351と第2図柄シート353との視認性を異ならせ、第2空間E2においては、装飾シート350を側方から照らして、第1図柄シート351の図柄の視認性を向上させる。仮にこれらを同一の空間でそれぞれ照射しようとすると、光の回析等によって両機能が干渉し合いう可能性が生じ、それぞれの照射効果を別々のタイミングで得ることが困難となるからである。
第1空間E1においては、前後方向の距離が長いほど、装飾シート350に対して光をまんべんなく照射することが可能となる。また、第2空間E2においては、前後方向の距離が短いほど、装飾シート350に対する入射角が小さくなり、光を装飾シート350全体に照射することが可能となる。そして、遊技機の限られたスペースを利用する、といった観点からは、いずれの空間E1,E2においても前後方向の距離が短くなることが好ましい。そこで、各空間E1,E2の前後方向の距離を、第1空間E1の方が第2空間E2よりも短くなるようにした。このようにすることで、遊技機の限られたスペースを利用して、各空間E1,E2における光の照射を好適に実施することが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、透明盤300と装飾シート350との間の第2空間E2を利用して、所定の演出を実行する。
図32(a)に示すように、本実施形態においては、第2空間E2に可動役物600が設けられている。可動役物600は不透明な樹脂材料により略円盤状に形成されており、前面に装飾が施されている。図32(c)に示すように、可動役物600は、遊技盤24の左上部に設けられており、より具体的には、センターフレーム42の左上方に配置されている。
可動役物600には、可動役物駆動部610が接続されている。また、可動役物駆動部610は、演出制御装置82に接続されている。演出制御装置82のMPU242により可動役物駆動部610が駆動制御されることによって、可動役物600は、上記のセンターフレーム42の左上方に配置される待機位置(第1位置)と、当該待機位置から右下方に移動して図柄表示装置41の表示画面Gと前後方向に重なる演出位置(第2位置)と、に移動可能となっている。より具体的には、可動役物駆動部610が駆動制御されていない状況では可動役物600は待機位置に配置され、可動役物駆動部610が駆動制御されている状況では可動役物600は演出位置に配置される。そして、可動役物600と表示画面Gとが前後方向に重なる面積は、演出位置に配置される場合の方が待機位置に配置されるよりも広くなっている。
可動役物600の厚さは第2空間E2の厚さよりも薄く形成されており、第2空間E2において透明盤300や装飾シート350に擦れずに動作可能となっている。これにより、透明盤300や装飾シート350の損傷を回避することが可能となる。
また、可動役物駆動部610は、センターフレーム42の内部(センターフレーム42と前後方向に重なる位置)に収納されており、当該可動役物駆動部610を遊技機前方から視認することはできない。
装飾シート350の第2図柄シート353において、可動役物600が待機位置に配置される状況にて当該可動役物600と前後方向に重なる位置には、第5図柄P5が施されている。第5図柄P5は遊技回の遊技結果を教示する内容の図柄となっており、具体的には「当」の文字が表示されている。第1の実施形態で説明したとおり、第2図柄シート353の後方に配置される照射板400から所定強度以上の光が照射されると、第2図柄シート353に施された図柄が前方から視認可能となり、同光が照射されないと、第2図柄シート353に施された図柄は視認できない。なお、第2図柄シート353に施された図柄が視認できない状態では、上記の第1図柄シート351における第1装飾図柄Pa1が視認可能となっている。なお、上記のとおり、可動役物600が不透明樹脂により形成されていることから、可動役物600が待機位置に配置されている状況においては、仮に照射板400から所定強度以上の光が照射されていても、第5図柄P5は前方から視認できない。
演出制御装置82のMPU242では、図32(b)に示す、役物演出用処理を実行する。役物演出用処理は、所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
先ずステップS1101では、役物動作タイミングか否かを判定する。ちなみに、演出制御装置82のRAM244の各種カウンタエリア249には、遊技回の変動表示時間をカウントする経過カウンタが設けられており、遊技回の開始に際して当該経過カウンタに変動表示時間に対応する数値情報が入力される。また、ROM243の各種テーブル記憶エリア245には、各遊技回の変動表示時間の長さに応じた各種演出パターンが記憶された演出パターンテーブルが設けられている。そしてMPU242では、演出パターンテーブルと現状の経過カウンタとを参照することによって、現状の演出内容を把握することが可能となっている。
ステップS1101では、現状の演出内容の把握処理の一環として、可動役物600の動作タイミングか否かを判定する。動作タイミングである場合には、ステップS1102に進み、可動役物駆動部610の駆動制御を開始して、可動役物600を待機位置から演出位置へ移動させる。また、ステップS1102では、照射板400における第5図柄P5に対応する(第5図柄P5の後方に位置する)LEDをON制御する。これにより、第5図柄P5は、前方から視認可能となる。
ステップS1101にて否定判定した場合、又はステップS1102の処理を実行した後は、ステップS1103にて役物復帰タイミングか否かを判定する。かかる処理でも、上記の演出パターンテーブルと経過カウンタとが参照される。可動役物600の復帰タイミングである場合には、ステップS1104にて可動役物駆動部610の駆動制御を終了して、可動役物600を待機位置に移動させる。また、ステップS1104では、照射板400における第5図柄P5に対応するLEDをOFF制御する。これにより、第5図柄P5は、前方から視認できなくなる。ステップS1103にて否定判定した場合、又はステップS1104の処理を実行した後は、役物演出用処理を終了する。
図による詳細な説明は省略するが、可動役物600が演出位置に移動する際には、表示画面Gにおいて可動役物600が移動したこと(それとともに遊技結果が報知されること)を教示するエフェクト等の演出が行われる。
なお、ステップS1102やステップS1104にて可動役物駆動部610の駆動制御とともに、照射板400の発光制御を行う構成について説明したが、可動役物駆動部610は駆動制御する一方で照射板400の発光制御は行わないパターンや、照射板400の発光制御は行う一方で可動役物駆動部610の駆動制御は行わないパターンも存在する。いずれのパターンが選択されるかは、遊技回の開始に際して起動される変動表示制御処理(ステップS902)にて、今回の遊技回の遊技結果と変動表示時間とに基づいて決定される。
すなわち、可動役物600が待機位置に存在する場合には照射板400からの光の強度によらず第1図柄シート351及び第2図柄シート353の図柄は前方から視認できない。可動役物600が待機位置から演出位置に移動した場合であっても、照射板400からの光の強度が所定強度未満であれば(OFF制御されれば)、第1図柄シート351の図柄は視認できる一方で第2図柄シート353の図柄(第5図柄P5)は視認できない。可動役物600が待機位置から演出位置に移動した場合であって、照射板400からの光の強度が所定強度以上であれば(ON制御されれば)、第1図柄シート351の図柄は視認できない一方で第2図柄シート353の図柄(第5図柄P5)は視認可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、透明盤300と装飾シート350との間の第2空間E2に可動役物600を配置したことで、装飾シート350における図柄を視認できる状態と視認できない状態とに切り換えることが可能となる。つまり、第1の実施形態において説明したように、装飾シート350は、後方からの光が所定強度未満であれば第1図柄シート351の図柄が視認可能となり、後方からの光が所定強度以上であれば第2図柄シート353の図柄が視認可能となる、といった2段階の状態を作り出すことが可能となっている。これに加え、可動役物600によって装飾シート350を遮蔽する状態と遮蔽しない状態とに切り換えることで、第1図柄シート351や第2図柄シート353の図柄の視認性に変化を生じさせることが可能となる。
可動役物600を透明盤300の後方に配置したことで、可動役物600の動作領域を確保するために遊技領域PEを圧迫する必要が生じない。これにより、限られた遊技領域PEを圧迫することなく、可動役物を設けることができる。特に、可動役物の演出は表示演出とは異なり実際の動作を伴うため、演出効果は絶大なものとなり得る。その一方で、その動作範囲を広くとると、遊技機内の限られた領域において、他の構成(特に遊技領域PE)を圧迫しかねない。そこで、上記のように、透明盤300と装飾シート350との間の第2空間E2を利用して、可動役物600を動作させることで、限られた領域内において役物動作の動作範囲を最大限に設定することが可能となる。
また、可動役物600を透明盤300の後方に配置したことで、可動役物600の動作領域を遊技球との衝突が生じない領域に設定することが可能となる。可動役物600のように演出用の動作部が、遊技球と衝突し得る位置に配置されると、当該可動役物の動作によって遊技球の流下態様に変化が生じてしまい、意図的に流下態様が変更されたのでは、と遊技者が不信感を抱いてしまう可能性もある。そこで、上記実施形態のようにすることで、可動役物600の動作範囲に遊技球が侵入する恐れがなく、遊技者に不信感を与えることなく、可動役物を利用した演出効果を得ることが可能となる。
可動役物600の動作に応じて、側方LED510のON/OFF制御を行う構成としてもよい。可動役物600が第2空間E2に存在することから、側方LED510からの光は可動役物600に到達し得る。そこで、例えば、可動役物600が動作するタイミングや動作する若干前のタイミングにおいて側方LED510をON制御すると、可動役物600が動作することを、当該可動役物600自体や表示画面Gによるエフェクト演出だけでなく、側方LED510からの光によっても把握することができ、当該動作演出への注目度をより効果的に高めることができる。また、可動役物600が待機位置から演出位置に移動した後において、側方LED510からの光を装飾シート350へ照射すれば、第5図柄P5ではなく第1図柄P1を視認させたい場合などにおいては、第1図柄P1の視認性が向上する。すなわち、側方LED510のスポットライト的な効果を利用すれば、第5図柄P5が視認可能となって大当たり結果が報知されるか、それとも当該大当たり結果が報知されないか(すなわち外れ結果である可能性が高いか)、といった点について、より関心を持たせることが可能となる。
可動役物600と装飾シート350との間に光を照射する構成としてもよい。具体的には、例えば、可動役物600の背面に第1図柄シート351を照らす発光手段としてのLEDを設ける、また、例えば、側方LED510の光の指向性をより高める、センターフレーム42の外周面421側の可動役物600と装飾シート350との間に発光手段(LED)を設けたりする、等の構成としてもよい。このようにすることで、可動役物600が待機位置に配置されている状況において、当該可動役物600の周縁部から光が前方に漏れることで、あたかも照射板400から可動役物600に対して光が照射されているように見せることができる。これにより、実際に照射板400をON制御することなく、可動役物600が演出位置に移動すれば第5図柄P5が表示されるのでは、と期待させることができ、当該動作演出への注目度を高めることができる。
なお、可動役物600の側面に、センターフレーム42の外周面421のように鏡面加工を施してもよい。このようにすれば、側方LED510からの光を可動役物600の側面によって反射させることが可能となる。ここで、センターフレーム42の外周面421は固定である一方、可動役物600は動作可能であることから、可動役物600の側面にて反射した反射光が装飾シート350へ照射される位置も可動役物600の位置によって変化する。そのため、センターフレーム42の外周面421からの反射光のような効果だけでなく、可動役物600の動作によって照射させる位置を変化させ、視認可能とする図柄を変化させる、といった効果も期待することができる。
<可動役物の配置の変形例>
可動役物を第1空間E1に設けてもよい。以下、可動役物を第1空間E1に設ける変形例について説明する。
第1の変形例としては、図33に示すように、装飾シート350と照射板400との間の第1空間E1に、上記実施形態と同様の可動役物600を設ける。上記実施形態と同様に、可動役物600は、可動役物駆動部610を駆動制御することにより、第1空間E1内に配置される待機位置と、表示画面Gと前後方向に重なる演出位置とに移動可能となっている。
これにより、例えば、(1)可動役物600を待機位置に配置するとともに、照射板400のLED410をOFF制御する(第1図柄P1が視認可能)、(2)可動役物600を演出位置に配置するとともに、照射板400のLED410をOFF制御する(第1図柄P1が視認可能)、(3)可動役物600を演出位置に配置するとともに、照射板400のLED410をON制御(第5図柄が視認可能)、(4)可動役物600を待機位置に配置するとともに、照射板400のLED410をON制御する(第1図柄P1が視認可能)、といった様々な演出パターンを実現することができる。
特に本変形例によれば、照射板400をON制御しても可動役物600が待機位置に配置されていれば第5図柄P5を視認することができず((4)のパターン)、また、可動役物600が待機位置から演出位置に移動しても照射板400をON制御しなければ第5図柄P5を視認することができない((2)のパターン)。すなわち、可動役物600を装飾シート350の背後において視認不可の状況で移動させることができ、照射板400をON制御して第5図柄P5が視認可能となる際の驚きをより増すことが可能となる。
また、可動役物600の前面に装飾シート350へ光を照らす発光手段(LED)を設けてもよい。このようにすれば、可動役物600の位置変化を伴わずに、当該可動役物600の前面の発光手段のON/OFF制御によって、第5図柄P5の視認性を変化させることができる。よって、演出パターンの多様化を図ることができる。
さらに、装飾シート350として、遮蔽シート352だけを設けてもよい。遮蔽シート352は、光を照射すれば透明となるし、照射しなければ不透明となる特性を有しているところ、上記のように可動役物600の前方の第5図柄P5の視認性だけでなく、可動役物600自体の視認性を光の制御によって変化させることができる。
なお、可動役物600と表示画面Gとの位置関係は、少なくとも可動役物600が待機位置や演出位置のいずれに配置される場合であっても表示画面Gによって干渉されない位置であればよい。より具体的には、表示画面Gが第1空間E1や第2空間E2よりも後方に配置される構成であれば、いずれの位置に配置される場合であっても、同空間内にて移動する範囲では表示画面Gに干渉されずに可動役物600は動作することができる。
上記のように可動役物を設ける構成において、可動役物を遊技者による操作に基づいて変位させる構成としてもよい。この場合、例えば前扉枠14の前部に遊技者が操作可能な操作部を設ける。そして、当該操作部を操作したことに基づいて、位置を変化させる構成とする。可動役物の位置の変化は、単に操作部が操作されたことだけでなく、連打操作やタイミング操作など、遊技機の指示内容に即した操作が行われたことを変位条件としてもよい。このように遊技者が可動役物の変位に介入可能とすれば、自らの操作によって可動役物が変位したような気分にさせることができ、遊技への積極参加を促し、遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
第1空間E1に可動役物を設ける第2の変形例としては、図34に示すように、可動役物として、照射板400からの光を反射する反射板700を設ける。反射板700は回動軸701により回動可能となっており、図示しない駆動部により、図34(a)の第1角度と、図34(b)の第2角度と、の間で回動する。照射板400において、反射板700の後方には、反射用LED415が設けられており、当該反射用LED415からの光は、第1角度又は第2角度のいずれかに配置される反射板700によって反射される。
第1空間E1には、第1角度に配置される反射板700からの反射光を受ける第1固定反射板710が設けられているとともに、第2角度に配置される反射板700からの反射光を受ける第2固定反射板720が設けられている。両固定反射板710,720は、回動せず、図示しない取付部によって照射板400(又は取付ベース450)に固定されている。第2図柄シート353において、第1固定反射板710の前方の領域には第6図柄P6が施されており、第2固定反射板720の前方の領域には第7図柄P7が施されている。照射板400において、両固定反射板710,720の後方には対応するLEDは設けられていない。
上記構成において、反射板700が第1角度に配置されている状況で反射用LED415がON制御されると、第2図柄シート353において第6図柄P6が視認可能となる。一方で、反射板700が第2角度に配置されている状況で反射用LED415がON制御されると、第2図柄シート353において第7図柄P7が視認可能となる。このようにすることで、照射板400においてLEDを共用することができ、構成の簡素化を図ることが可能となる。
第6図柄P6や第7図柄P7としては、例えば、発射態様の変更を指示する図柄としてもよい。具体的には、第6図柄P6(及び第1固定反射板710)を遊技盤24におけるセンターフレーム42の左上方に配置し、第7図柄P7(及び第2固定反射板720)を遊技盤24におけるセンターフレーム42の右上方に配置する。第6図柄P6としては、例えば「左打ち」といった文字表示とし、第7図柄P7としては、例えば「右打ち」といった文字表示とする。また、遊技状態として、センターフレーム42の左側を流下させるように遊技球を発射させたほうが(すなわち左打ちをしたほうが)遊技者にとって有利となる状態と、センターフレーム42の右側を流下させるように遊技球を発射させたほうが(すなわち右打ちしたほうが)遊技者にとって有利となる状態と、を設定する。そして、遊技状態に応じて有利となる側の図柄を表示させるように反射板700の角度を変更する。このようにすれば、遊技盤24の左右方向全体を使用して発射位置と発射態様とが関係付けられるため、表示画面Gにおいて発射態様を指示するよりも遊技者に発射態様をわかり易く指示することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、第2空間E2を遊技球の通路として利用する。
本実施形態では、上記各実施形態における上作動口33及び下作動口34の位置(センターフレーム42の下方)に特別作動口333が設けられている。特別作動口333は、当該特別作動口333から入球した遊技球を遊技盤24の後方に誘導する誘導通路が、上記各実施形態における作動口33,34からの誘導通路と異なっている。
本実施形態における誘導通路としては、図35(a)及び図35(b)に示すように、特別作動口333から入球した遊技球をそのまま遊技盤24後方に向けて誘導する第1後方通路334と、当該第1後方通路334において第2空間E2において横方向(左方向)に分岐させる横通路335と、横通路335の横端(左端)に到達した遊技球を後方へ誘導する第2後方通路336と、により構成されている。第1後方通路334及び第2後方通路336は後方に向けて下り傾斜となっており、また、横通路は分岐位置から横端に向けて(左方に向けて)下り傾斜となっており、これらの傾斜によって遊技球は、第1後方通路334又は第2後方通路336から遊技盤24後方へ排出される。なお、両後方通路334,336は遊技盤24の後方において図示しない排出通路にて合流して排出される。
特別作動口333において第2空間E2よりも前方には、特別作動口333への入球を検知する検知センサ338が設けられている。当該検知センサ338は主制御装置81に接続されており、特別作動口333への入球に基づいて開閉実行モードへ移行させるか否かの当否抽選(移行抽選)等が行われる。これは、上記実施形態において、上作動口33や下作動口34へ入球した場合と同様である。
第2空間E2において、第1後方通路334の側壁を形成する壁部の一部として横通路335との分岐部分には、可動壁部337が設けられている。可動壁部337は、第1後方通路334の他の壁部(左壁部)と面一となる非分岐状態と、第1後方通路334の他の壁部と交差し横通路335への開口を生じさせる分岐状態と、に変位可能となっている。可動壁部337は図示しない駆動部に接続されており、当該駆動部が演出制御装置82により駆動制御されることにより、非分岐状態と分岐状態とに切り換えられる。非分岐状態と分岐状態との切り換えについて、より詳細には後に説明するが、特別作動口333に遊技球が入球したことに基づく当否抽選の結果によって、上記非分岐状態と分岐状態との切り換えが行われる。
可動壁部337が非分岐状態である状況では、図36(a)に示すように、特別作動口333から入球した遊技球は、第1後方通路334によってそのまま遊技盤24の後方へ排出される。一方、可動壁部337が分岐状態である状況では、図36(b)に示すように、特別作動口333から入球した遊技球は、第1後方通路334を通過するとともに第2空間E2における分岐部分にて横通路335へ導出され、その後、第2後方通路336により遊技盤24の後方へ排出される。
すなわち、本実施形態では、特別作動口333へ入球した遊技球は、第1後方通路334により遊技盤24の後方に排出される場合と、横通路335へ分岐してから第2後方通路336により遊技盤24の後方に排出される場合と、がある。
ここで、第1後方通路334の横壁部は、遊技球の直径よりも高く形成されているとともに、可動壁部337を含めて通路の外面が鏡面加工が施されている。一方、横通路335の前壁部及び第2後方通路336の横壁部は遊技球の半径と略同じ高さで形成されているとともに、透明樹脂により形成されている。そのため、第1後方通路334を通過する遊技球に対しては、図37(a1)に示すように、側方LED510からの光が照射されず、当該第1後方通路334の壁部に反射する。一方で、第1後方通路334から横通路335へ導出された遊技球に対しては、図37(a2)に示すように、側方LED510からの光が照射され、当該光は遊技球に反射して遊技機前方へ照射される。これにより、遊技者は、遊技球が横通路335へ導出されたことを把握することができる。
さらに、図35(a)に示すように、装飾シート350における第2図柄シート353の横通路335後方位置には、第8図柄P8(例えば、「CHANCE」の文字表示、図37(b2)参照)が施されている。また、照射板400において第8図柄P8の後方位置には通過用LED416が設けられている。上記各実施形態と同様に、通過用LED416がOFF制御されると第8図柄P8は前方から視認できず、通過用LED416がON制御されると第8図柄P8が前方から視認可能となる。第1後方通路334により遊技盤24の後方に排出される場合には、通過用LED416はON制御されず(OFF制御されて)、第8図柄P8は視認できない。一方、横通路335を介して第2後方通路336により遊技盤24の後方に排出される場合には、通過用LED416はON制御されて(OFF制御されず)、第8図柄P8は視認可能となる。
以下、これらの制御に関する処理について、図38〜図41を参照しながら説明する。図38は、保留用の確認処理を示すフローチャートである。保留用の確認処理は、主制御装置81におけるタイマ割込み処理(図19)の一処理(ステップS305)として実行される処理である。
保留用の確認処理では、ステップS1201にて、保留球格納エリア232の各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア232の総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。その後、ステップS1202〜S1206にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1202にて、特別作動口333への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1203では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1204に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1202にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1205に進み、図8(a)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1204又はステップS1205の後はステップS1206に進み、ステップS1202にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選又は特別外れ結果に対応しているか否かを判定する。大当たり当選又は特別外れ結果に対応している場合には、ステップS1207にてMPU202のレジスタに大当たり情報又は特別外れ情報を記憶し、そのまま本保留用の確認処理を終了する。
一方、ステップS1206にて否定判定をした場合には、ステップS1208に進む。ステップS1208では、特別作動口333への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS1209では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1208にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1209の処理を実行した後はステップS1210に進み、ステップS1208にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1211にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
次に、ステップS306の保留コマンドの設定処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。保留コマンドの設定処理は、保留情報の当否判定結果と変動表示時間(スーパーリーチ発生の有無)とを演出制御装置82側へ把握させるための処理である。
先ずステップS1301では、上記ステップS1207において記憶された情報として、いずれかの大当たり結果に対応する情報が記憶されているか否かを判定する。いずれかの大当たり結果に対応する情報が記憶されている場合には、ステップS1302にて大当たり用保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。ステップS1301にて大当たり結果に対応する情報が記憶されていない場合には、ステップS1303にてスーパーリーチ発生に対応する情報が記憶されているか否かを判定する。スーパーリーチ発生に対応している情報が記憶されている場合には、ステップS1304にて外れスーパーリーチ用保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1303にて否定判定した場合には、通常外れ保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。これらステップS1302、ステップS1304、又はステップS1305にて設定された保留コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS401にて演出制御装置82へ送信される。演出制御装置82は、受信した保留コマンドに基づいて、保留発光部45の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Gaにて保留用画像を変更するための処理を実行する。
次に、演出制御装置82のMPU242にて実行される保留制御用処理(ステップS901)について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、保留制御用処理は、演出制御装置82にて周期的に実行される各種演出用処理(図28)の一環として行われる処理であり、保留表示制御用コマンドを受信したことに基づいて、保留用画像の表示を変更したり、保留予告を行うための処理を実行する。
ここで、保留予告とは、取得した保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて、当該保留情報が当否判定の対象となった場合の当否判定の結果に対応する情報を特定し、その特定した内容に基づいて、当該当否判定の結果に対応する報知を図柄表示装置41や表示発光部63等で行うものである。より具体的には、例えば、保留予告としては、所定の遊技結果となる保留情報を取得したことに基づいて、その保留情報についての遊技回よりも前の遊技回の停止結果を、所定図柄の組合せ(所謂チャンス目)となるように設定したり、その保留情報についての遊技回よりも前の遊技回において所定のキャラクタを出現させたりする演出等である。その他にも、例えば、保留予告としては、保留用画像を用いて、対応する保留情報の遊技結果に応じた種類の保留用画像が表示されるようにする(例えば、保留情報が大当たり結果であれば金色や赤色の保留用画像が選択され易く、外れ結果であってもいずれかのリーチ表示が行われる保留情報であれば緑色の保留用画像が選択され易く、リーチ表示が行われない外れ結果であれば白色の保留用画像が選択され易くするなどして、保留用画像の種類に応じて開始前の遊技回の遊技結果を予測させる)演出等も該当する。
そして、本実施形態では、この保留予告の一種として、特別作動口333へ入球した遊技球の振分を行う構成としている。
さて、保留制御用処理では、先ずステップS1401にて保留コマンドを受信しているか否かを判定する。主制御装置81から受信する保留コマンドは、演出制御装置82のRAM244に設けられたコマンド格納エリア248に格納される。コマンド格納エリア248は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。ステップS1401の判定に際しては、コマンド格納エリア248における今回の読み出し対象のエリアに保留コマンドを受信しているか否かを判定する。
保留コマンドを受信している場合には、ステップS1402にて、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた副側保留記憶数SNを1加算する処理を実行する。副側保留記憶数SNは主制御装置81側の共通保留数CRNに対応するものであり、特別作動口333(上記各実施形態においては上作動口33及び下作動口34)への入賞に基づく全保留数を反映するものである。
続くステップS1403では、保留情報把握処理を実行する。保留情報把握処理では、受信した保留コマンドに含まれる情報(遊技結果の情報、スーパーリーチ表示の有無等)を把握する。またステップS1403では、把握した情報を保留用記憶エリア260に記憶させる。
そして、続くステップS1404にて保留予告用処理を実行する。保留予告用処理では、例えば、受信した保留コマンド(今回取得した保留情報)に基づいて保留予告を実行するか否かを決定し、保留予告を実行する場合には、それに基づいて遊技回用の演出内容を変更して保留予告を実行するための処理を実行する。かかる処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1405では、保留増加用処理を実行する。この処理では、保留情報の増加に対応させて保留発光部45の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の増加に対応するコマンドを出力する。このコマンドには、副側保留記憶数SNの情報や、上記ステップS1404にて決定した保留予告の内容の情報が含まれている。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、キャラクタROM256に記憶されている保留用画像データ記憶エリアから当該コマンドの内容に対応する保留画像に対応するデータを読み出し、副側保留記憶数SNに対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4へ表示させるように図柄表示装置41を制御する。例えば、保留画像を異ならせることによって保留予告を行う構成においては、表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、保留予告に対応する保留用画像を表示するように図柄表示装置41を制御する。これにより、保留用画像を用いた保留予告が当該保留用画像に対応する保留情報の遊技回よりも前のタイミングで実行される。ステップS1405の処理を実行した後は、保留制御用処理を終了する。
一方、ステップS1401にて保留コマンドを受信していない場合は、ステップS1406にてシフトコマンドを受信しているか否かを判定する。シフトコマンドを受信していない場合には、そのまま保留制御用処理を終了し、シフトコマンドを受信している場合は、ステップS1407にて副側保留記憶数SNを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1408にて、シフト処理を実行する。シフト処理では、保留用記憶エリア260における各記憶エリアのデータを下位の保留エリアにシフトさせる処理を実行する。また、シフト処理では、保留情報の減少に対応させて保留発光部45の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の減少に対応するコマンドを出力する。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、対応する単位保留表示領域Ga1〜Gs4の表示を変更させるように図柄表示装置41を制御する。ステップS1408の処理を実行した後は、保留制御用処理を終了する。
次に、ステップS1404の保留予告用処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501では、今回読み出した保留コマンドが大当たり用保留コマンド又は外れスーパーリーチ用保留コマンドであるかを判定する。いずれかの保留コマンドである場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502では、分岐処理を実行する。分岐処理では、可動壁部337の駆動部を駆動制御することにより、可動壁部337を分岐状態に変位させる。続くステップS1503では、発光抽選処理を実行する。かかる抽選処理では、ROM243から抽選テーブルを取得するとともに、RAM244から抽選用のカウンタを取得して、通過用LED416をON制御するか否かの抽選を行う。この抽選の当選確率は任意であるが、本実施形態では大当たり結果である場合の50%が当選し、外れスーパーリーチである場合の20%が当選するように設定されており、大当たり結果のほうが当選確率が高くなるように設定されている。
ステップS1503にて発光抽選処理を実行した後は、ステップS1504にて当選結果であったか否かを判定し、当選結果であった場合には、ステップS1505にて通過用LED416をON制御する発光制御処理を実行する。
ステップS1501又はステップS1504にて否定判定した場合、若しくはステップS1505の処理を実行した後は、ステップS1506にて表示用のその他の処理を実行してから、本保留予告用処理を終了する。この処理では、受信した保留コマンドに含まれる遊技結果の情報等に基づいて、保留表示領域Gaに表示する保留画像の種類を決定する。例えば、遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合には、所定の確率で通常の保留画像とは色や形が異なる保留画像を表示したり、遊技結果が通常外れ結果であってもスーパーリーチである場合には上記の通常の保留画像とは色や形が異なる保留画像を表示したりする。
以上のように、本実施形態では、特別作動口333への入賞に基づいて取得される保留情報が所定の結果(大当たり結果又は外れスーパーリーチ)であった場合には、保留予告の一種として、当該特別作動口333へ入球した遊技球が、横通路335へ導出される。横通路335は遊技機前方から視認可能であることから、当該横通路335を通過することを把握すれば、遊技者は、今回入球した遊技球により取得された保留情報が大当たり結果である期待度が高いことを把握することができる。これにより、遊技領域PEから排出後ですら遊技球の動作に関心を寄せさせることができ、注目度向上を図ることが可能となる。
また、遊技球が横通路335へ導出されると、側方LED510からの光が当該遊技球に反射して遊技機前方へ照射される。そのため、遊技者は、横通路335へ遊技球が導出されたことに遊技者は気付き易い。これにより、せっかく遊技球を分岐させたのにもかかわらず、それが見逃されてしまうことを抑制することができる。
さらに、遊技球が横通路335へ導出された場合において、ステップS1503の発光抽選に当選すると、通過用LED416がON制御されて第8図柄P8が視認可能となる。これにより、今回取得された保留情報が大当たり結果である期待度が更に高まり、より一層の注目度向上を図ることができる。
なお、本実施形態において、ステップS1502の分岐処理及びステップS1505の発光制御処理では、所定期間が経過するまでその制御状態(可動壁部337を分岐状態とする制御、及び通過用LED416のON制御)を維持する構成としているが、次の保留コマンドを受信したことに基づいてこれらの制御状態を元の制御状態(可動壁部337を非分岐状態とする制御、及び通過用LED416のOFF制御)に戻す構成としてもよい。このようにすれば、後続の遊技球までもが横通路335へ導出されてしまうことを抑制することができる。但し、通過用LED416のON制御は所定期間(例えば3sec)に亘って維持する構成とするほうが、第8図柄P8の見逃しを抑制することができる。
<振分を用いた保留予告の変形例>
本実施形態の変形例を、図42を参照しながら説明する。
上記実施形態では、横通路335へ分岐後、そのまま第2後方通路336を介して遊技盤24後方へ排出する構成としたが、本変形例では、横通路335へ分岐後、所定期間に亘って、当該分岐された遊技球を保持する構成とする。
すなわち、横通路335の中途(第2後方通路336との連結位置であって第2後方通路336よりも上流側)にて、前後に移動可能であって、当該横通路335を遮蔽するシャッタ340を設ける。シャッタ340は、シャッタ駆動部341に接続されており、当該シャッタ駆動部341が演出制御装置82により駆動制御されることによって、前方に配置され横通路335を遮蔽する遮蔽状態と、後方に配置され横通路335を遮蔽しない非遮蔽状態とに変位する。
例えば、図42(a1)に示すように、横通路335へ遊技球が導出された場合に、シャッタ駆動部341を駆動制御して遮蔽状態とする。この場合、上記実施形態と同様に、図42(b1)に示すように、第8図柄P8を視認可能とする。そして、図42(a2)に示すように、シャッタ340が遮蔽状態であるため、横通路335において遊技球はシャッタ340と当接する位置で保持される。この状況においても、図42(b2)示すように、第8図柄P8は視認可能な状態が維持される。また、可動壁部337は非分岐状態に復帰するため、後続の遊技球は第1後方通路334を介して遊技盤24後方に排出される。
そして、所定契機として、例えば、当該シャッタ340に保持された遊技球に対応する保留情報に係る遊技回の開始時において、シャッタ340を遮蔽状態から非遮蔽状態に復帰させる。その結果、シャッタ340と当接して保持されていた遊技球は、第2後方通路336を介して遊技盤24後方へ排出される。この場合、図42(b3)に示すように、第8図柄P8は視認可能な状態を維持するとよい。また、表示画面Gにおいては、図42(c)に示すように、今回開始される遊技回が、シャッタ340に保持されていた遊技球の保留情報に対応する遊技回であることを教示するように、例えば「激アツ」といった文字表示を行う。
以上のように、特別作動口333への入球に基づいて、当該入球した遊技球を用いて保留予告を行うことで、遊技球の動作に対して関心を寄せさせることが可能となり、更に、その遊技球を保留予告の対象となっている遊技回まで横通路335に保持しておくことで、保留予告の対象となっている遊技回との関係を明確に教示することが可能となる。よって、遊技球の動作への関心をより一層高めることが可能となる。
特に、遊技領域PE内において遊技球を利用した演出を行おうとしても、遊技球の流下態様がその演出によって変化してしまうと遊技者に不信感を与えかねないため、流下態様を変更しない範囲で演出を行う必要があると考えられる。一方で、特別作動口333への入球後においては、透明盤300によって当該遊技球を視認可能であるものの、既に遊技領域PEから排出された後であるため、その遊技球を演出にいかように使用しても、遊技の公平性は担保され得る。そこで、上記変形例のようにすれば、遊技球自体を用いた斬新な演出とすることが可能となり、遊技の注目度を劇的に高めることができる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、各種入球部への入球を検知する検知センサ等の設置個所について、スルーゲート35への入賞を検知する検知センサ35bを例として、詳しく説明する。
既に説明したとおり、透明盤300と当該透明盤300の後方に配置される装飾シート350との間に第2空間E2が設けられている。そこで、その第2空間E2を利用して、装飾シート350の前面よりも前方に検知センサ35bを設ける。
例えば、図43(a)に示すように、スルーゲート35に設けられた検知センサ35bを、遊技球の通過を検知する開口部35cを遊技領域PEへ突出させ(透明盤300の前面よりも前方へ突出させ)、当該開口部を上方に向けて設置する。この場合、検知センサ35bの後端が、透明盤300の後面よりも後方に突出したとしても、上記のように第2空間E2が設けられていることから、検知センサ35bの後端は装飾シート350に干渉しない。
図43(b)に示すように、検知センサ35bの開口部35cを前方に向けて設置して、前方から後方へ移動する遊技球を検知する構成としてもよい。このような場合、前後方向における検知センサ35bの設置範囲は検知センサ35bの厚みとなるため、より設置範囲の前後方向における省スペース化を図ることができる。
なお、開口部35cを横方向に向けて設置して、横方向へ移動する遊技球を検知する構成としてよい。このような場合であっても、少なくとも装飾シート350の前方に検知センサ35bが配置されれば、装飾シート350に干渉しない範囲で検知センサ35bを設けることができ、例えば、設置のために装飾シート350に開口部を設ける等をしなくてもよくなる。
上記構成において、第2空間E2の間隔や検知センサ35bの大きさ、設置の向きにもよるが、少なくとも検知センサ35bと装飾シート350との間に隙間を設ける構成とするとよい。このようにすれば、検知センサ35bと装飾シート350との間の熱伝導を抑制することができる。検知センサ35bに熱が伝わると検知結果にノイズが生じ易くなり得るし、装飾シート350に熱が伝わると誤表示が発生し易くなる。そのため、上記のように隙間を設ければ、これらのノイズや誤表示の発生を抑制することができる。
さらに、上記のように隙間を設ければ、検知センサ35bからの配線を通す領域として利用することも可能である。すなわち、図43(a)や図43(b)に示すように、検知センサ35bからの配線を、隣接する側方基板500に接続する。このようにすれば、配線を遊技盤24の後方に通すための専用の貫通孔を設ける必要が生じず、構成の簡素化を図ることができるし、装飾シート350の表示領域を当該貫通孔によって浸食してしまう事象を回避することができる。
以上のように、検知センサ35bの設置領域として第2空間E2を利用すれば、球排出通路の自由度も向上する。すなわち、遊技領域PEや第2空間E2の前側において遊技球を検知すれば、その後の排出通路は、上記第3の実施形態のように演出用に利用することも可能である。よって、検知センサ35bの設置方法を上記のようにして意匠性を高めつつも、さらにそれを演出用に利用することも可能となる。
検知センサ35bからの配線を、隣接する側方基板500に接続する構成とすることで、配線を前方から見にくくすることができる。特にスルーゲート35においては、遊技盤24において左右方向の端側に設けられているため、側方基板500と近い領域に配置されているといえる。そこで、上記のようにすることで、短い配線で側方基板500に接続することができ、配線が丸見えとなってしまうといった遊技機の意匠性を低減する事象を回避することが可能となる。
なお、配線を短くするという観点からすると、設置する検知センサに近い箇所に接続可能であればよく、例えば、センターフレーム42内に所定の基板(例えば保留発光部ようの基板)を設け、当該基板に対してセンサからの配線を接続する構成としてもよい。
さらに、配線をより見にくくする、という観点からすると、装飾シート350に配線用の穴を設け、当該穴に配線を挿入するとともに、装飾シート350の後方の基板(例えば照射板400)に対して接続する構成としてもよい。装飾シート350は通常であれば(後方からの光が所定強度以上でなければ)前方から視認できない構成であるため、配線を隠す、という効果は、上記構成においても奏することが可能である。
上記実施形態において、側方基板500は演出制御装置82に接続される構成であったが、主制御装置81へ接続される構成としてもよい。このようにすれば、検知センサ35bの検知結果を演出制御装置82を介さずに主制御装置81へ出力することが可能となる。なお、側方基板500として、演出制御装置82用の基板と、主制御装置81の基板と、を両者を設ける構成としてもよいし、一の基板で両装置81,82へ別々に接続可能な構成としてもよい。
上記実施形態では、検知センサ35bの設置領域について詳しく説明したが、他の役物の設置領域として、第2空間E2を利用してもよい。例えば、メイン表示部43や役物用表示部44を有する装飾部材39を設置する領域として利用してもよい。具体的には、上記各実施形態では、遊技領域PEの右下方に各表示部43,44を有する装飾部材39を設置したが、図44(a1)や図44(a2)のように、遊技領域PEの後方に装飾部材39を設置してもよい。図44(a1)では、センターフレーム42の右上方において透明盤300の後方に設置し、図44(a2)では、センターフレーム42の左下方において透明盤300の後方に設置した例を示している(図44(b)参照)。既に説明したとおり、上記各実施形態における装飾部材39は、遊技球の落下が規制された位置に設けられている。すなわち、両表示部43,44を設置するために遊技領域PEが浸食されているといえる。これに対して、本変形例のようにすれば、遊技領域PEを広く確保しつつも、表示部43,44を設けることが可能となる。
上記変形例においても、表示部43,44からの配線を、側方基板500等の隣接する基板に接続する構成としてもよい。
また、両表示部43,44を第2空間E2ではなく第1空間E1に設ける構成としてもよい。そして、第2図柄シート353において両表示部43,44に対応する図柄を設ける。このようにすれば、表示部43,44が発光表示されると、装飾シート350における第2図柄シート353の図柄が視認可能となり、発光表示されていない状況ではそれを視認することができなくなる。例えば、遊技回が行われていない状況や、デモ画面が表示されている状況等においては、表示部43,44を表示させない、又は発光強度を低下させる構成とすれば、表示部43,44を発光表示させなければ、前回の遊技回の遊技結果が把握できなくなり、前任者の遊技結果(例えば確変状態)を把握して、それに基づいて台を選択するような行為を抑制することができ、遊技の公平性を担保することができる。
センサの設置領域の変形例として、図45に示すように、振動検知センサや磁石検知センサ等の不正検知センサ200の設置領域として第2空間E2や第1空間E1を利用してもよい。この場合、例えば、当該不正検知センサ200を第1空間E1に設置するとともに、不正検知センサ200が設置されていることの注意喚起としての文字表示を透明盤300や装飾シート350に施す。図45(a)に示すように、通常時は不正検知センサ200を視認することはできないが、例えば、所定のタイミング(デモ表示中等)において、後方の照射板400のLED410をON制御することで当該不正検知センサ200を視認可能とすれば、単に文字表示による注意喚起や、センサそのものが前方から視認可能となっているよりも、より注意を惹き易くなる。これにより、不正行為の抑止効果をより高めることが可能となる。
また、図45(b)に示すように、不正検知センサ200を第2空間E2に設置する構成とし、所定のタイミングにおいて側方LED510により当該不正検知センサ200を照射する構成としても、上記の注意喚起を促す効果を奏することができる。
この場合、例えば、レーザー光のように光の指向性を高める構成とすれば、照射された不正検知センサ200をより局所的に光らせることが可能となり、注意喚起効果を高めることができる。照射される部位(光が直接照射される不正検知センサ200の部位や、反射光が透明盤300に照射される部位)において光拡散部を設ければ、指向性の高い光が照射されてもその照射光が拡散するため、より見やすくなる。これらの構成は、側方LED510等の直接光又は反射光を前方へ照射する他の構成に適用しても同等の効果を奏することができる。
また、照射する部位としては、例えば可変入賞装置32のように狙うべき対象としてもよい。右打ちと左打ちとで、入球率が異なるようなゲージ構成に適用すれば、発射態様を示唆する構成としても利用することができる。
<他の実施形形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、上記各実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)装飾シート350に施す図柄を、表示画面Gに表示される図柄と関連付けてもよい。例えば、図46に示すように、装飾シート350の第2図柄シート353において、センターフレーム42の左右に、それぞれ魚群の図柄(P9、P10)を設ける。そして、照射板400において、これら図柄P9、P10の後方に対応するLEDを設ける。表示画面Gにおいては、遊技回の所定のタイミングで図柄P9や図柄P10と略同等の魚群が左右方向に横切る魚群演出を設定する。
図47(b)のフローチャートに示すように、演出制御装置82におけるMPU242の処理として、魚群演出用処理を設ける。魚群演出用処理では、ステップS1601にて演出開始タイミングか否かを判定し、開始タイミングであれば、ステップS1602にて右魚群P9に対応するLEDの発光制御を行ってから、本処理を終了する。この場合、図47(a)に示すように、センターフレーム42の右側に魚群P9が表示される。ステップS1601にて否定判定した場合には、表示画面Gにおける魚群演出の開始タイミングであるか否かを判定し、開始タイミングであれば、ステップS1604にて、右魚群P9に対応するLEDをOFF制御するとともに、表示画面Gにおける魚群演出を実行するように表示制御装置212を表示制御してから、本処理を終了する。この場合、図47(a2)に示すように、表示画面Gにおいて魚群演出が実行される。ステップS1603にて否定判定した場合には、ステップS1605にて表示画面Gにおける魚群演出の終了タイミングであるか否かを判定する。終了タイミングであれば、ステップS1606にて表示画面Gの魚群演出を終了させるとともに、左魚群P10に対応するLEDのON制御を開始してから、本処理を終了する。また、ステップS1605にて否定判定した場合にはそのまま本処理を終了する。この場合、図47(a3)に示すように、センターフレーム42の左側に魚群P10が表示される。
以上のようにすることで、表示画面Gの大型化を行わなくても、装飾シート350の表示と、表示画面Gの表示と、を連動させたダイナミックな演出とすることができる。ここで、装飾シート350と表示画面Gとの境界部分にセンターフレーム42が介在しているため、左右の魚群P9,P10と表示画面Gにおける表示上の魚群とが、見た目上若干異なっていても、センターフレーム42を通過するように見える(一旦見えなくなる)ため、見た目上の違いによる違和感を与えにくくなる。
(2)上記(1)の変形例において、RTC(リアルタイムクロック)等を用いて、遊技ホールの島全体、又は隣接する遊技機と連動した演出を行ってもよい。すなわち、隣接する遊技機と当該遊技機とにおいて、魚群が横方向に流れていく演出を次々と繰り広げることでよりダイナミックな演出とすることができる。上記のとおり、装飾シート350は、遊技盤24の左右両端にまで延在しているため、表示画面Gよりも、隣接する遊技機と近い位置まで装飾シート350が延在しているといえる。そのため、このような、装飾シート350を用いて隣接する遊技機と連動する演出を行えば、表示画面を用いた連動演出よりもはるかに連動性の高い演出とすることができ、演出効果を劇的に高めることが可能となる。
(3)上記各実施形態において、第1空間E1及び第2空間E2のいずれか一方、又は両方を設けず、透明盤300、装飾シート350、照射板400を当接させる構成としてもよい。但し、透明盤300と装飾シート350との間に第2空間E2を設けることで、第1図柄シート351の視認性を向上させたり、熱変形による気泡を生じにくくすることができるし、装飾シート350と照射板400との間に第1空間E1を設けることで、LED410をある程度拡散した状態で装飾シート350に照射することが可能となり、局所的に明るくなってしまうことを抑制したり、LEDの数を少なくすることが可能となる、といった効果を奏することができる。これらの効果等を奏するためには、空間E1、E2を設ける構成のほうがより好ましい。
また、両空間E1、E2の前後の幅は上記のものに限定されない。第1空間E1であれば、光拡散機能を有する程度であればよい。また、第2空間E2であれば、側方LED510を設けることが可能な程度の幅であればよい。また、側方LED510からの光の指向性を高めれば、より幅狭とすることも可能である。但し、球通路や役物、センサ等を設ける構成においては、それらが設置可能な程度の幅であることが好ましい。
(4)側方LED510の設ける位置は、遊技盤24の端部に限定されず、例えばセンターフレーム42の外周面421に設置してもよい。
(5)装飾シート350における第1図柄シート351や第2図柄シート353に施された各図柄について、図柄の内容や配色は上記のものに限定されない。
(6)各シート351〜353は、第1図柄シート351の図柄(装飾)と第2図柄シート353の図柄(装飾)との視認性が切り替わる構成であれば、上記のものに限定されない。例えば、液晶素子のように電圧のON/OFFにより指向性が異なることでそれぞれのシートの図柄の視認性が切り替わる構成としてもよい。
(7)第2の実施形態のように、第1空間E1や第2空間E2において可動役物を動作させる構成において、その動作方向は上記のものに限定されない。具体的には、透明盤300の面と略平行となる方向だけでなく、当該面と交差する方向(前後方向)に動作する構成としてもよい。この場合、第1空間E1や第2空間E2の前後の幅の範囲で動作する構成としてもよいし、第1空間E1と第2空間E2とを行き来可能な可動役物としてもよい。
(8)第2の実施形態において、可動役物は、通常時はセンターフレーム42内部に収容されており、所定のタイミングで、第1空間E1や第2空間E2へ移動する構成としてもよい。このような場合であっても、動作と装飾シート350との連動性によって、演出を多彩なものとすることができる。
(9)第2の実施形態において、可動役物の前面に表示画面を設ける構成としてもよい。このようにすれば、装飾シート350による図柄なのか、可動役物の表示画面なのか、をわかりにくくすることができるし、両者を連動させた斬新な演出を創出することができる。
(10)可動役物は単数に限定されず、複数であってもよい。複数であればあるほど演出パターンの多様化が図られる。
(11)第3の実施形態のように、遊技領域PEから排出された遊技球を演出用に利用する構成においては、例えば、当否抽選自体は作動口への入球時(センサ通過時)に行われており、所定の結果(例えば大当たり結果)であるに、通常時とは異なる所定の通過部(例えばVゾーン)を通過する構成としてもよい。このようにすれば、あたかも所定の通過部を通過することで大当たり結果となる役物のように見せることが可能となり、興趣向上を図ることができる。
(12)第3の実施形態において、少なくとも遊技領域PEから排出される際に、その遊技球を検知センサによって検知する構成とすれば、当該遊技球は遊技領域PEから排出された遊技球として取り扱うことが可能である。そのため、遊技領域PEの後方において視認可能な領域で可動役物等によって振分が行われず、視認不可能な領域によって振分が行われる構成としてもよい。
例えば、大当たり結果に対応する遊技球を、遊技盤24の後方に貯留しておく構成とし、遊技ホールの管理者が当該貯留された遊技球の数を数えれば、外部出力端子99から出力された大当たり信号の出力回数と、実際の大当たり回数との整合をとることができ、不正が行われていないかのチェックをより入念に行うことが可能となる。
(13)第4の実施形態において、第1空間E1や第2空間E2にセンサ等を設ける構成としたが、センサと共に基板も第1空間E1や第2空間E2に設ける構成としてもよい。
(14)光を照射対象に照射する構成において、第1空間E1や第2空間E2を密閉空間とせずに非密閉空間とすると、空間内のチリ等によって光が拡散して照射する光の経路も前方から視認可能となる。このようにすることで、照射対象に光が照射されている様をより明確に見せることが可能となる。
(15)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の各特徴群に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、前面に遊技領域が形成された遊技盤を有し、当該遊技領域を遊技球が流下することで遊技が進行するものがある(例えば特開2004−81853号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.前面に遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域PE)が形成され、透明性を有する遊技盤(透明盤300)と、
前記遊技盤の遊技機後方となる位置に配置され、前記遊技盤を通して遊技機前方から視認可能とされた装飾手段(装飾シート350)と、
前記遊技盤と前記装飾手段との間に前後方向に所定間隔をおいた空間部(第2空間E2)を形成するように、前記遊技盤と前記装飾手段とを位置決めする位置決め手段(前方周縁部310)と、
前後方向にみて前記遊技盤と前記装飾手段との間に配置され、前記装飾手段を照らすことが可能な発光手段(側方LED510)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技盤の後方に装飾手段が配置されているため、遊技領域を流下する遊技球によって装飾手段が汚れたり傷ついたりすることがない。一方、装飾手段は遊技盤より後方に配置されている結果、遊技ホール等からの光が届きにくくなり得る。そこで、空間部を設けて装飾手段へ光を照射するようにしたことで、上記装飾手段の損傷等を防止しつつも、装飾手段を明るくして意匠性を向上させることができる。よって、遊技への関心を高め、注目度向上に寄与することが可能となる。
特徴A2.前記遊技盤前面には前記遊技領域を流下する遊技球の流下方向を変化させることが可能な釘(釘38等)が設けられており、
前記釘は、前記空間部へ突出しないように設けられていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、空間部を用いた発光手段からの光が役物等によって邪魔されない。よって、装飾手段へより好適に光を照射することが可能となる。
特に、装飾手段に対して光を照射する構成とすれば、装飾手段が見やすくなって意匠性が高められるものと考えられるが、仮に遊技盤の前方から光を照射する構成としてしまうと、遊技盤前面に設けられた釘によって影が生じてしまい、かえって装飾手段が見にくくなってしまう可能性がある。そこで、特徴A1に記載したように、空間部に発光手段を設けたことで、釘に邪魔されることなく装飾手段を照らすことが可能となる。
なお、「遊技球の流下方向を変化させることが可能な釘」は、「遊技球の流下方向を変化させることが可能な進路変更手段」とも言い換えることができる。
特徴A3.前記装飾手段は装飾絵柄が付された装飾シートであることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成のように、装飾手段を装飾シートとすると装飾絵柄の印刷等の容易化が図れたり、装飾手段自体が薄くなり、遊技盤を含めた遊技盤構成品の肉厚化を防止することができる。一方で、シート状であるため、平面的な装飾となり易く、意匠性が低下しかねない。特に、当該シートが板状の遊技盤に張り付けてあるような構成では、仮に装飾絵柄を立体的に見えるように印刷したとしても、当該板状の遊技盤の形状との関係でその装飾絵柄も平面的に見え易くなる。その点、特徴A1に記載したように、装飾シートを遊技盤と空間部を隔てて設けることで、遊技盤の形状によらず装飾絵柄を見易くすることができる。
特徴A4.前記空間部において、前記発光手段からの光を受けて反射する反射部(外周面421、331)を設け、
前記反射部からの反射光が、前記装飾手段へ照射されるようにしたことを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、発光手段からの直接光だけでなく、反射部からの反射光によっても装飾手段が照らされる。よって装飾手段の視認性や意匠性をより向上させることができる。
特徴A5.前記遊技盤には、表示画面(表示画面G)を有する表示装置(図柄表示装置41)と、当該表示装置を囲む囲み部材(センターフレーム42)とが設けられており、
前記囲み部材は、前記空間部へ延在させて形成されており、
前記反射部は、前記囲み部材において前記空間部へ延在させた部位に形成されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面を囲う囲み部材といった、既存の構成を利用して特徴A3の効果を奏することができる。
なお、囲み部材が空間部へ延在させて形成される構成としたが、空間部から(又は空間部後方から)前方へ向けて囲み部材が延在させて形成される構成としても同様の効果を得ることができる。要は、囲み部材の一部が空間部に存在するように形成されていればよい。
また、上記空間部に存在する反射部を、囲み部材の遊技盤に対する取付用の部品によって形成してもよい。このようにすれば、反射用の鏡面加工を施す際の容易化を図ることができる。
特徴A6.前記囲み部材は、前記遊技盤に対して前方から重ね合わせて取り付ける取付部(フランジ422)によって取り付けられており、
前記反射部は、当該取付部の前記遊技盤に対する重ね合わせ面にも形成されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、取付部を介して反射される光をも、装飾手段に照射することができる。これにより、照射光を漏れなく利用することができ、光の演出をより好適に実現することができる。
特徴A7.前記発光手段は、前記装飾手段に対して入射角が鈍角となるように光を照射するものであり、
一の発光手段からの光と、他の発光手段からの光又は前記一の発光手段からの反射光とが、前記装飾手段を挟んで両端から照らされる構成であることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、入射角が鈍角となるようにすれば、入射角を鋭角にする構成と比較して発光手段から装飾手段の照射対象までの距離を長く確保でき、その分発光手段の配置位置の自由度が向上する。その一方で、入射角が鈍角となると、装飾手段に影が生じ易くなる。その点、上記構成では、装飾手段の両方向(例えば左右両方向)から照射するようにしたため、一方の光によって上記生じ得る影を他方の光によってかき消すことができる。よって装飾手段をより見やすくすることが可能となる。
特徴A8.前記発光手段は、前記遊技盤の周縁部に対応する位置(前方周縁部310)に配置されており、
当該周縁部には、当該発光手段を遊技機前方から視認困難又は視認不可能とする遮蔽部が形成されていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、発光手段自体は遊技機前方から確認することが困難となり、装飾手段への光だけを確認することができるようになる。よって、遊技機の意匠性をより向上させることができる。
<特徴B群>
特徴B1.前面に遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域PE)が形成され、透明性を有する遊技盤(透明盤300)と、
前記遊技盤の前面に配置され、前記遊技領域に遊技球を誘導可能なレール(内レール部51、外レール部52)と、
前記遊技領域において前記遊技盤の表面から遊技機前方へ突出された複数の釘(釘38)と、
前記遊技盤の遊技機後方となる位置に配置されており、絵柄が形成され、かつ前記遊技盤を通して遊技機前方から前記絵柄を視認可能とされた絵柄形成体(装飾シート350、特に第1図柄シート351)と、
を備えている遊技機。
上記構成によれば、レールや釘を設ける対象(遊技盤)と、絵柄を施す対象(絵柄形成体)とを分離して前後に配置したことから、絵柄を施した部分にレールや釘を埋設することによって絵柄がつぶれて見栄えが悪くなる、といった事象を回避することができる。よって、遊技機構成部品の意匠性を高め、遊技への関心を寄せさせることが可能となる。
特徴B2.前記絵柄形成体は、前記遊技盤と別々に遊技機から取り外しが可能であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技ホールにおいて部品交換の容易化が図られるし、例えば、機種の装飾部分(絵柄形成体)だけを交換する等も可能となり、機種変更に要するコスト低減だけでなく交換に際して発生する廃棄部品を減らすことが可能となる。
特徴B3.前記遊技盤の遊技機後方となる位置に配置されており、前記絵柄形成体に対して光を照射する照射手段(照射板400、側方LED510)を備え、
前記照射手段は、前記遊技盤及び前記絵柄形成体と別々に取り外しが可能であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、絵柄形成体に対して光が照射されるため、絵柄の視認性が向上する。このような構成において、照射手段を別々に取り外し可能とすれば、仮に照射手段の電飾等に故障が発生してもそれを取り換えるだけでよく、遊技盤や絵柄形成体までも取り換える必要が生じない。よって、絵柄の視認性を向上しつつも、メンテナンスの容易化を図ることができる。
特徴B4.前記絵柄形成体の遊技機後方となる位置に配置されており、絵柄が形成され、かつ前記遊技盤及び前記絵柄形成体を通して遊技機前方から前記絵柄を視認可能とされた第2絵柄形成体(装飾シート350)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機前方から絵柄形成体及び第2絵柄形成体のそれぞれが視認可能となる。つまり、絵柄形成体と第2絵柄形成体が積層され、その積層された形成体のそれぞれの絵柄が遊技盤を介して視認可能となる構成である。このようにすれば、それぞれの形成体の絵柄の組み合わせによって、絵柄構成の自由度を向上させることができる。
なお、第2絵柄形成体との関係で、絵柄形成体を第1絵柄形成体と表現してもよい。
特徴B5.前記遊技盤と前記絵柄形成体との間に前後方向に所定間隔をおいた空間部を形成するように、前記遊技盤と前記絵柄形成体とを位置決めする位置決め手段(前方周縁部310)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技盤と絵柄形成体との間には空間部が形成されるため、仮に遊技盤におけるレールや釘と、絵柄形成体における絵柄とが、前後方向に重なる位置に配置されることとなったとしても、遊技者が視線を傾ければ(斜めから見れば)前後方向に重ならないように見える。これにより、絵柄形成体における絵柄(の一部)がどのようにしても見えなくなってしまう事象を回避することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.前面に遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域PE)が形成され、透明性を有する遊技盤(透明盤300)と、
前記遊技盤の前面に配置され、前記遊技領域に遊技球を誘導可能なレール(内レール部51、外レール部52)と、
前記遊技盤の遊技機後方となる位置に配置され、前記遊技盤を通して遊技機前方から視認可能とされた装飾手段(装飾シート350)と、
前後方向にみて前記遊技盤より後方に配置され、前記装飾手段を照らすことが可能な発光手段(側方LED510)と、
を備え、
前記発光手段は、正面視で前記レールの外側に配置されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技盤の後方に装飾手段が配置されているため、遊技領域を流下する遊技球によって装飾手段が汚れたり傷ついたりすることがない。一方、装飾手段は遊技盤より後方に配置されている結果、遊技ホール等からの光が届きにくくなり得る。そこで、遊技盤後方に配置された発光手段により光が照射される構成としたので、装飾手段が薄暗くならず、装飾手段を見易くすることができる。
そればかりか、発光手段はレール外側に配置されているので装飾手段に干渉しない結果、遊技領域後方の遊技領域を装飾の用途に十分に活用できる。また、レール外側に発光手段を配置したので、遊技機前方から発光手段そのものを見えないようにすることが可能となる。そして、発光手段が遊技盤後方にある結果、レール外側に配置してもレールに光通し孔を形成する等の手間がなくなる。
以上の結果、装飾手段の視認性を好適に高めることができ、遊技へ関心を寄せさせることが可能となる。
特徴C2.前記発光手段は、前記装飾手段に対して入射角度が鈍角となるように光を照らすものであって、前記遊技盤における正面視で略中央部分に配置される前記装飾手段に対して光を照らすことが可能な構成であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成のように、遊技領域の端側に設けられるレールよりも外側から、略中央に向けて光を照射することが可能な構成であれば、遊技領域全体に光を照射可能であるといえる。そのため、装飾手段や照射対象の配置の自由度を向上させ、特徴C1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴C3.前記遊技盤において、正面視で前記レールの外側部分には、後方の視認を不可又は困難とする遮蔽部が形成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、レールの外側に配置される発光手段を視認しにくくさせることができる。特に、レールの外側であれば後方の視認が不可又は困難として装飾手段の視認性を低下させても、レールの内側の遊技領域と比較して、意匠性は低下しにくい。そこで、上記構成のようにすることで、遊技機の意匠性を向上させて遊技への関心を高めることができる。
特徴C4.前記遊技盤の周縁を後方に向けて形成された周縁部(前方周縁部310)を有し、
前記発光手段は、前記周縁部に設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技盤を周縁を後方に向けて肉厚に形成すれば、発光手段の取り付け部位を新たに用意しなくても当該位置に設けることが可能となる。よって、構成の簡素化を図ることができる。特に、遊技盤の周縁は当該遊技盤の強度確保のため、厚み方向の長さをある程度確保する必要がある。そのため、その強度確保のための構成を、上記発光手段の取付位置に用いることが可能となり、機能の集約化による部材点数の削減を図ることができる。
特徴C5.前記周縁部は、前記遊技盤の後方に配置される遊技機構成品の配置位置を定めることが可能に形成されていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
上記構成によれば、後方に配置される遊技機構成品の位置決め機能と、上記特徴C5に記載した発光手段の配置位置とを、周縁部にて兼用することができる。
なお、遊技機構成品は、装飾手段であってもよく、他の板材(照射板400)であってもよい。
特徴C6.前記発光手段から前記装飾手段における照射対象までに光を透過可能な透過空間(第2空間E2)が形成されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、発光手段からの光が透過されて照射対象に照射されるため、光の経路に邪魔がなく、より照射対象へ直接的な光を届けることができる。よって、照射対象の視認性を向上させることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記装飾手段における照射対象に対して、前記発光手段からの光が遮断されずに到達する」とも言い換えることが可能である。
特徴C7.前記遊技盤と前記装飾手段との間に前後方向に所定間隔をおいた空間部(第2空間E2)を形成するように、前記遊技盤と前記装飾手段とを位置決めする位置決め手段(前方周縁部310)を有し、
前記透過空間は、前記空間部により形成されるものであることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技盤と装飾手段との間に所定間隔をおいた空間部を設けることで、発光手段からの光の経路を確保可能となり、装飾手段の視認性を向上させることができる。ここで、空間部を隔てることで、装飾手段が遊技盤に直接的に触れる構成と比較して、遊技ホール等の光が装飾手段に届きにくくなる。これに対して、発光手段を備えているため、空間部を設けることで、かえって装飾手段を見易くすることが可能となるし、上記遊技ホール等の光のような間接的な光と異なり、遊技演出用の光を照射することで、遊技状況等に合わせた光演出を実現することが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
<特徴D群>
特徴D1.前面に遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域PE)が形成され、透明性を有する遊技盤(透明盤300)と、
前記遊技盤と前後方向にみて重なる位置に配置され、前記遊技盤を通して遊技機前方から視認可能とされた装飾手段(装飾シート350)と、
前記装飾手段の遊技機後方となる位置に配置され、前記装飾手段を後方から照らすことが可能な発光手段(照射板400)と、
を備え、
前記装飾手段は、前記発光手段から前記装飾手段に到達する光の強さが第1状態である場合には、第1装飾(第2図柄P2等)を遊技機前方から視認可能とし、前記光の強さが前記第1状態よりも弱い又は前記光が届かない第2状態である場合には、前記第1装飾とは異なる第2装飾(第1図柄P1)を遊技機前方から視認可能とするように変化する機能を有することを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、装飾手段に到達する光の状態によって映し出される装飾が、第1装飾になったり第2装飾になったりするので、発光手段の切り替え(または装飾手段の相対移動)によって、同じ装飾手段であるのにもかかわらず複数の装飾効果を付与することができる。よって、遊技への関心を高め、注目度向上に役立てることが可能となる。
特徴D2.前記装飾手段は、前記発光手段からの光の強さが前記第2状態である場合には前記第1状態である場合よりも光を透過しにくい構成であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、発光手段からの光の透過率を利用して、第1装飾をみせるか第2装飾をみせるかを異ならせることができる。これにより、発光手段の切り替えだけで、異なる装飾を見せることが可能となり、簡素な構成によって装飾効果を高めることができる。
特徴D3.前記装飾手段は、前記第1装飾が施された第1装飾シート(第1図柄シート351)と、前記第2装飾が施された第2装飾シート(第2図柄シート353)とを有し、前記第2装飾シートは、前記第1装飾シートの前方に積層されてなることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1装飾と第2装飾とを別々の装飾シートに施す構成となり、装飾手段の製法の簡素化を図ることができる。また、例えば特徴D2に本構成を適用するのであれば、積層された装飾シートに対する光の透過率を利用して、いずれの装飾を視認可能とするかを定めることができる。つまり、第2装飾が施された第2装飾シートを、第1装飾が施された第1装飾シートの前方に積層したため、第2装飾が前、第1装飾が後に配置される関係となる。このようにすることで、光の透過率を利用して、第1装飾シートまで光が透過するか、第2装飾シートまで光が透過するか、によって各装飾の視認性を変化させることが可能となる。
特徴D4.前記第1装飾シートと前記第2装飾シートとの間に設けられ、前記発光手段からの光の強さが前記第1状態である場合には当該光を透過し、前記第2状態である場合には前記光を透過しない遮蔽シート(遮蔽シート352)を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成のように、遮蔽シートを両装飾シートに挟み込むといった簡素な構成で、第1装飾シートの装飾をみせるか、第2装飾シートの装飾をみせるかを異ならせることができる。
特徴D5.前記装飾手段において前記第1装飾と前記第2装飾とは、前後方向に重なる位置に配置されていることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、光の状態によって、同じ部位であっても異なる装飾を見せることができる。よって、限られた遊技領域を利用して複数の装飾効果を付与することができる。
特徴D6.前記装飾手段の遊技機前方となる位置に配置され、前記装飾手段を前方から照らすことが可能な第2発光手段(側方LED510)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、装飾手段を後方から照らす発光手段の状態の切り替えに、第2発光手段の発光制御を組み合わせることによって、第1装飾や第2装飾の視認性に変化を与えることができる。例えば、前方から光が照らされている状態だと、装飾手段へ注目度させる効果を期待できるだけでなく、装飾手段の表面の視認性も向上するものと考えられる。但し、この状態において、後方からの光の強く照らされると逆に上記表面は見えにくくなり、後方からの光が弱いほうが見えやすくなる。逆に、前方から光が照らされていない状態だと、装飾手段の表面の視認性は低下するものと考えられるが、後方からの光の強さによっては、上記のものと逆の関係となる。このように、前後から照らされる光の強さの関係を利用することで、装飾手段の視認性に変化を与えることができる。
なお、第2発光手段との関係で、発光手段を第1発光手段と表現してもよい。
特徴D7.前記発光手段と前記装飾手段との間に前後方向に所定間隔をおいた空間部(第1空間E1)を形成するように、前記発光手段と前記装飾手段とを位置決めする位置決め手段(後方周縁部460)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、発光手段と装飾手段とを密接させて光を照らす構成と比較して、発光手段からの光が拡散された状態で装飾手段に届くことになり、装飾手段に対する発光手段のサイズを小さくしたり数を減らしたりすることが可能となる。
特徴D8.前記空間部に設けられ、前記発光手段からの光を前記装飾手段における特定部位に導光する導光部(導光部370)を備えていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、発光手段からの光を特定部位に導くことで、特定部位を局所的に光らせることができ、特定部位における光の状態(第1状態/第2状態)を変化させることが可能となる。これにより、当該特定部位における装飾(第1装飾/第2装飾)の切り替えを局所的に行うことができる。
なお、特定部位を第1装飾や第2装飾が設けられている位置とすると、光の状態の切り替えによる視認性の切り替えを装飾が設けられた位置において効果的に行うことが可能となる。
特徴D9.前記空間部に設けられ、前記発光手段からの光が、前記発光手段から前記装飾手段への方向と交差する方向へ照らされることを遮蔽する遮蔽手段(遮蔽筒360)を備えていることを特徴とする特徴D7又は特徴D8に記載の遊技機。
上記構成によれば、発光手段からの光が装飾手段への方向へ向けてのみ照らされる。これにより、発光手段からの光が照らされる部分と照らされない部分とを、発光手段の状態変化を伴わずに(すなわち発光手段を発光させたまま)実現することが可能となる。また、逆に、遮蔽手段によって光が遮られることによって、発光手段の状態変化による影響が装飾手段へ及び箇所と及ばない箇所とを設けることが可能となる。よって、装飾手段の装飾効果を高めることができる。
なお、前記空間部において遮蔽手段によって囲まれた領域を設け、当該領域における装飾手段側に発光手段からの光が照らされる対象を設け、また、当該領域における発光手段側にその対象専用の発光手段を設ける構成としてもよい。このようにすると、当該専用の発光手段の状態変化によって、他の領域の視認性に変化を生じさせることなく、当該領域の視認性を変化させることが可能となる。
また、上記のように遮蔽手段によって囲まれた領域を設ける場合、内側の壁部に光反射機能を有するように鏡面加工を施すと、発光手段から拡散される光を囲まれた領域内で集中させることができ、当該囲まれた領域の装飾手段側の視認性を向上させることが可能となる。
特徴D10.前記装飾手段の前記第1装飾の一種として、文字が施された文字装飾部(第3図柄P3)を有し、
前記遮蔽手段は、前記文字装飾部の文字の周縁に設けられていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
上記構成によれば、遮蔽手段によって文字装飾部の視認性を向上させることができる。特に、文字は、それが確認できるだけではなく、読むことが可能である程度の視認性が求められるところ、上記のように視認性を向上させる必要性があるといえる。
特徴D11.前記発光手段を複数有し、それら複数の発光手段を個別に発光制御することが可能な制御手段(演出制御装置82における発光制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各発光手段の個別制御を行うことで、視認性を変化させたい部分だけの制御が可能となる。よって、装飾パターンの多様化を図ることができる。
<特徴E群>
特徴E1.前面に遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域PE)が形成され、透明性を有する第1の板体(透明盤300)と、
前記第1の板体の遊技機後方となる位置に配置された第2の板体(装飾シート350、照射板400)と、
前記第1の板体と前記第2の板体との間に配置された可動手段(可動役物600等)と、
前記可動手段を前記第1の板体と前記第2の板体との空間(第1空間E1又は第2空間E2)内で移動させる駆動手段(可動役物駆動部610)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技領域を流下する遊技球と干渉することなく可動手段を自由に配置することができ、且つ当該可動手段を自由に移動させることができる。このように、遊技領域を平面的に活用するのではなく奥側を含めて立体的に活用すれば、限られた領域において演出効果を好適に高めることが可能となる。
特徴E2.前記可動手段よりも後方となる位置に配置される所定の演出手段(表示画面G)と、
前記演出手段を制御する演出制御手段(演出制御装置82による各種演出用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可動手段は、前記所定の演出手段と前後方向に重なる第1位置と、前記第1位置よりも前記所定の演出手段と前後方向に重なる面積が小さくなる又は重ならない第2位置とに移動可能であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動手段が第2位置から第1位置に移動すると、所定の演出手段と前後方向に重なる面積が増え、これら可動手段と所定の演出手段とを関連付けた演出を行うことが可能となる。そして、そのような演出を行わない場合には、可動手段を第2位置に配置しておけば、所定の演出手段と前後方向に重なる面積が減るため、所定の演出手段に注目している遊技者からすると可動手段は前方から見えにくくなる。よって、第1位置に移動してきた際の驚きの効果を向上させ、上記可動手段と所定の演出手段とを関連付けた演出の注目度を高めることができる。
特徴E3.前記第1の板体は、前記可動手段が前記第2位置に配置される状況で、前記可動手段を前方から遮蔽する遮蔽手段(装飾シート350)を備えていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2位置に配置される可動手段が遮蔽手段によって遮蔽され、前方から視認困難又は視認不可となる。これにより、第1位置に移動した際の驚きの効果をより向上させることが可能となる。
特徴E4.前記第1の板体の状態を、前記可動手段を遊技機前方から視認可能な第1状態と、当該第1状態よりも視認困難又は視認不可能な第2状態とに切り換える切換手段(装飾シート350、演出制御装置82により発光制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1の板体の後方に設けられた可動手段の視認性が、第1の板体の状態によって変化する。これにより、可動手段による演出効果を高めることができる。
特徴E5.前記切換手段は、前記可動手段の位置変化を伴わずに前記第1状態と前記第2状態との切り換えを実行可能であることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動手段を駆動手段によって動作させずに可動手段の視認性を変化させることができる。これにより、例えば、可動手段の動作前に視認性を向上させて(第1状態として)可動手段に注目させてから動作させる、等の演出を行うことができ、演出パターンの多様化を図ることが可能となる。
特徴E6.前記駆動手段は、前記切換手段により前記第1の板体が前記第2状態に切り換えられている状況で、前記可動手段を移動させることが可能な構成であることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1の板体によって可動手段の視認性が低下している状態で可動手段が動作すると、遊技者はそれを把握することが困難となる。これにより、例えばその後に可動手段が出現することによる驚きの効果を向上させることが可能となる。
特徴E7.前記第2の板体は、前記第1の板体を介して遊技機前方から視認可能であることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機前方から視認可能な第2の板体の前を可動手段が移動する。例えば第2の板体に印刷等により装飾を施す構成とすると、遊技領域が形成された第1の板体と、装飾が施された第2の板体と、の間の空間を可動手段が移動する構成となる。これにより、各構成にそれぞれ機能を分担させ、構成の簡素化を図ることができる。また、例えば部品交換等を行う場合には、必要最小限の交換部品数とすることが可能となる。
特徴E8.前記可動手段に対して光を照らすことが可能な発光手段(照射板400)を備え、
前記発光手段からの光は前記第1の板体又は前記第2の板体に対しても照らされる場合があり、前記第1の板体又は前記第2の板体に前記発光手段からの光が照らされると、当該第1の板体又は当該第2の板体における照射部位の視認性が変化し得る構成であることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動手段は、第1の板体と第2の板体との間を移動するだけでなく、発光手段によっても照らされる。これにより、可動手段による演出効果をより高めることが可能となる。そればかりか、発光手段からの光は第1の板体又は第2の板体に対しても照射される場合があり、照射されるとその部位の視認性が変化する。すなわち、可動手段を光によって照らす演出と、第1の板体又は第2の板体における光による視認性の変化の演出と、を組み合わせることによって、演出の組み合わせパターンを多様化させ、遊技への注目度向上に役立てることが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.前面に遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域PE)が形成され、透明性を有する第1の板体(透明盤300)と、
前記第1の板体の遊技機後方となる位置に配置され、前記第1の板体を通して遊技機前方から視認可能とされた第2の板体(装飾シート350)と、
前記第1の板体と前記第2の板体との間に前後方向に所定間隔をおいた空間部(第2空間E2)を形成するように、前記第1の板体と前記第2の板体とを位置決めする位置決め手段(前方周縁部310)と、
前記第1の板体に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(特別作動口333)と、
前記入球部に入球した遊技球を排出する排出通路(第3の実施形態における誘導通路)と、
を備え、
前記排出通路は、
前記空間部において前記第2の板体の前面側を所定方向へ遊技球を案内する第1通路部(横通路335)と、
前記第1通路部によって案内された遊技球を前記第2の板体の後方へ案内する第2通路部(第2後方通路336)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1の板体が透明であることにより、遊技領域と無関係に第2の板体によって各種装飾、演出効果を発揮させることができる。そして、入球部に入球した遊技球の排出通路が空間部において所定方向に遊技球を案内する構成を有していることから、上記第2の板体による装飾、演出効果と、遊技球の動作とを連動させた斬新な遊技機とすることができる。
特徴F2.前記所定方向とは、遊技機正面視で横方向を含む方向であることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球の流下スピードが縦方向と比較して遅くなる。そのため、遊技球が所定方向へ案内されたことを、見逃されにくくすることが可能となる。
特徴F3.前記第1通路部における遊技機後方側の壁部の一部は、前記第2の板体によって形成されており、
前記第2の板体において前記第1通路部の壁部をなす部位には、前記第1通路部へ遊技球が案内されることを報知する報知手段(第8図柄P8)が設けられていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1通路部の壁部の一部を第2の板体によって兼用可能となるだけでなく、その第2の板体に報知手段を設ければ、第1通路部へ遊技球が案内されることを、第1通路部を通過する遊技球の動作だけでなく、第1通路部自体によっても把握することが可能となる。よって、第2の板体の装飾、演出効果と遊技球の動作との関連性を報知手段によってより密接なものとすることができ、演出効果を高めることが可能となる。
特徴F4.前記入球部に遊技球が入球したことを検知する検知手段(検知センサ338)を備え、
前記検知手段は、前記排出通路において前記第2の板体よりも前方の位置に設けられていることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部へ入球したことをいち早く検知することが可能となる。特に、排出通路において、その後に第2の板体の装飾等との関連性を高める演出を行う場合には、少なくとも第2の板体後方へ案内されるよりも前(遊技球が視認可能な状況)において、当該演出を行うべきであり、上記構成とすることの意義が生じるものと考えられる。
特徴F5.前記空間部に設けられ、前記第1通路部を通過する遊技球に対して光を照らす発光手段(側方LED510)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、空間部を利用して遊技球に光を照らすことで、遊技領域(第1の板体側)に設けられる釘や役物等による遮蔽物がなく、発光手段の位置や光の経路の自由度が向上する。そして、第2の板体による装飾等や遊技球の動作に光の演出も加わり、演出の重厚化が図られる。
特徴F6.前記発光手段からの光が前記第1通路部を通過する遊技球に照らされて遊技機前方へ反射されるように、前記第1通路部及び前記発光手段の位置が定められていることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球に光が反射して、その光が遊技機前方へ照射されることで、遊技球が第1通路部へ案内されたことに気付き易くなる。
特徴F7.前記排出通路は、
前記入球部に入球した遊技球を前記第1通路部を介することなく前記第2の板体の後方へ案内可能な第3通路部(第1後方通路334)と、
前記入球部に入球した遊技球を前記第1通路部側へ案内するか前記第3通路部側へ案内するかを切り換える切換手段(可動壁部337)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、切換手段によって、空間部を通過して第2の板体後方へ排出されるか、そのまま排出されるか、を切り換えることができる。よって、特徴F1のように第2の板体による装飾、演出効果と遊技球の動作とを関連付けた演出を行うことも可能であるし、行わないことも可能となる。特に、遊技機には各種演出用の構成(表示画面や発光部など)が設けられており、遊技状況によって注目させるべき個所が異なり得る。その点、上記構成のようにすれば、遊技状況によって入球部へ入球した遊技球の動作を利用した演出を好適に実現することが可能となる。
特徴F8.前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、保留情報を取得する情報取得手段と(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記保留情報を、複数の数である所定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段により記憶されている保留情報について、遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記情報記憶手段により記憶されている所定の保留情報について、当該所定の保留情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで、当該所定の保留情報が前記付与判定の対象となった場合の前記付与判定の結果に対応する情報を特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切換手段は、前記先特定手段の特定結果が所定結果であったことに基づいて遊技球の案内先の切り換えを実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、切換手段による遊技球の案内先の切り換えは、付与判定手段による付与判定が行われるよりも先のタイミングで実行される。そのため、付与判定の結果が報知されるよりも先に、すなわち、入球部への入球が発生した時点で、その結果(先特定手段による特定結果)を把握することができる。よって、単に付与判定の結果が報知されるのを見て楽しむ、という遊技だけではなく、遊技球が入球部に入球していずれの方向に振り分けられるかを見て楽しむ、という遊技が追加され、遊技への注目度をより高めることが可能となる。
特徴F9.前記切換手段は、前記第1通路部へ案内されるように前記切り換えを実行した契機となった保留情報に係る遊技球の次の遊技球を、前記第3通路部へ案内されるように遊技球の案内先の切り換えを実行可能であることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
上記構成によれば、案内先の切り換え対象となった遊技球をより明確に把握させることができる。すなわち、後続の遊技球も第3通路部側へ案内されてしまうと、どの遊技球が先特定手段の特定対象となったかがわかりにくくなってしまう。そこで、上記のようにすれば、そのような不都合が生じずに、より好適に注目度を高めることが可能となる。
特徴F10.前記第1通路部に設けられ、当該第1通路部に案内された遊技球を貯留する貯留状態と貯留しない非貯留状態とに切換可能な貯留手段(シャッタ340)を備えていることを特徴とする特徴F8又は特徴F9に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技領域から排出された遊技球であれば、演出用に貯留されていても、遊技者に不公平感を与えにくい。そして、このような貯留状態とにすれば、遊技球が排出通路を駆け抜けてしまって、それを見逃してしまう事象を抑制することができる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が前面に形成された遊技盤(透明盤300)と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35)と、
前記入球部に設けられ、当該入球部に入球した遊技球を検知する検知手段(検知センサ35b)と、
前記遊技盤と所定の間隔を隔てて設けられた演出用の演出板(装飾シート350)と、
前記検知手段からの検知結果を把握する制御装置(主制御装置81)と、
を備え、
前記検知手段と前記制御装置との間の配線が、前記所定の間隔により形成される空間部(第2空間E2)に配置されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、発射手段から発射された遊技球が遊技領域を流下して、遊技球が入球部に入球すると、その検知結果が制御装置にて把握される構成において、遊技領域が形成された遊技盤の背後には所定の間隔を隔てて演出板が設けられており、その所定の間隔により形成される空間部に検知手段と制御装置との間の配線が配置されている。このようにすれば、演出板に穴を開けて演出板の裏から制御装置へ配線を接続したりしなくてもよくなり、遊技盤の背後の構成(配線等)を簡素なものとすることができる。特に、遊技盤の背後には様々な制御装置や配線が配置されており、不正行為等によって何らかの操作が行われても、装置や配線が混在していると、それを見つけることが困難となり得る。そこで、上記構成のようにすれば、配線の簡素化を図り、不正行為を未然に防ぐことが可能となる。
特徴G2.前記空間部には、演出用の基板(側方基板500)が配置されており、前記検知手段と前記制御装置とは、当該基板を介して接続されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、基板を介することで配線を長くする必要が生じない。よって、より配線関係を整理整頓することが可能となる。
特徴G3.前記基板は、前記遊技盤の周縁部に設けられていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技盤の周縁部においては、遊技盤の強度確保のため、厚み方向の長さをある程度確保する必要がある。そこで、その周縁部において基板を設ければ、基板を設けるために所定の間隔を広く確保する必要が生じず、限られたスペース内で特徴G1,G2の効果を奏することが可能となる。
特徴G4.前記入球部は、遊技領域の周縁部に設けられていることを特徴とする特徴G2又は特徴G3に記載の遊技機。
上記構成によれば、基板までの配線をより短くすることが可能となる。
特徴G5.遊技球を遊技領域(遊技領域PE)に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が前面に形成された遊技盤(透明盤300)と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(スルーゲート35)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与するか否かの付与判定を実行する付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて、第1画面にて遊技回用動作を実行し、当該付与判定の結果に対応する停止結果として当該遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記第1画面の表示制御実行する第1遊技回制御手段(演出制御装置82による表示制御用処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて、前記第1画面とは異なる画面であって当該第1画面よりも小さい第2画面にて遊技回用動作を実行し、当該付与判定の結果に対応する停止結果として当該遊技回用動作を終了することを遊技回の1回として、前記第2画面の表示制御実行する第2遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記遊技盤と所定の間隔を隔てて設けられ、演出用の演出板(装飾シート350)と、
を備え、
前記遊技盤は透明性を有するように形成されており、
前記第2画面は、前記所定の間隔に設けられていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第2画面を遊技盤の背面に設けても、遊技盤が透明であるため、第2画面を遊技機前方から視認することができる。よって、第2画面を例えば遊技領域の外に設ける必要が生じない。このようにすることで、限られた遊技領域を圧迫することなく、第1画面や第2画面を設けることが可能となる。
<特徴H群>
特徴H1.所定条件が成立したことに基づいて、表示画面(表示画面G)にて演出を行う演出実行手段(演出制御装置82による表示制御用処理を実行する機能)と、
遊技機前方から視認可能となるように、前記表示画面に対して前後方向に重ならない領域に設けられた特定表示部(装飾シート)と、
を備え、
前記特定表示部は、照射される光の強度が第1状態である場合には第1装飾を視認可能とし、照射される光の強度が第2状態である場合には第2装飾を視認可能とするように構成されており、
前記第2装飾は、前記表示画面における特定演出(魚群演出)で使用される所定キャラクタの一部(魚群)として利用されるものであることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、表示画面の特定演出で使用される所定キャラクタの一部を特定表示部にて第2装飾として表示する。そして、例えば、特定演出において第2装飾を用いれば、表示画面の大きさ以上に、特定演出における所定キャラクタを表示することが可能となり、よりダイナミックな演出とすることができる。
ここで、表示画面の大型化は、コストが増大するだけでなく、常に大型な表示画面にて演出を行うと、遊技者の目の疲労も懸念される。そこで、通常時は第2装飾を視認させず(第1装飾を視認させ)、特定演出時に第2装飾を視認させれば、表示画面を大きくし過ぎなくても、上記のダイナミックな演出を実現可能となる。
特徴H2.前記特定演出は、前記表示画面において前記所定のキャラクタが所定方向へ移動する演出であり、
前記第2装飾は、前記表示画面と前記所定方向において並設されていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出中の所定のキャラクタが所定方向へ移動する演出を、表示画面の所定方向の幅以上に、第2装飾を使ってダイナミックに実現することができる。
特徴H3.前記第2装飾は、前記表示画面における前記所定方向の両方向の所定箇所に並設されていることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴H2の効果を両方向に広げて奏することができる。
特徴H4.前記表示画面と前記特定表示部との境界には、後方を遮蔽する遮蔽部材(センターフレーム42)が設けられていることを特徴とする特徴H2又は特徴H3に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面上の所定のキャラクタと、第2装飾とを利用した演出において、表示画面と特定表示部との境界に遮蔽部材が存在するため、所定のキャラクタが一旦視認できない状態となるような演出とすることができる。これにより、表示画面上の所定のキャラクタと、第2装飾とが、若干の見た目上の違いがあっても、一旦見えなくなることで、違和感を低減することができる。
特徴H5.前記第2装飾は、前記表示画面における前記所定方向の両方向の所定箇所に並設されており、
前記特定表示部において一方の第2装飾を表示させ、その後当該第2装飾を表示させないように制御し、
さらに、前記表示画面において前記特定演出を実行し、
その後、前記特定演出において他方の第2装飾を表示させ、その後当該第2装飾を表示させないように制御することが可能な構成であることを特徴とする特徴H2乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出を好適に実行することができる。
特徴H6.前記特定表示部の前方には、遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成されていることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、表示画面を大型化せず、且つ、遊技領域を圧迫せず、特徴H1等の優れた効果を奏することができる。
上述した各特徴に示す技術的思想のいずれか1つを他の特徴に適用してもよいし、複数の特徴に示した技術的思想を組み合わせて他の特徴に適用してもよい。また、各特徴に示す構成の一部を抽出して他の特徴に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。