JP7126977B2 - 交通流導出装置、交通流導出方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
一方、ネットワークのトモグラフィ分野において、ネットワーク管理者が自身の網設計に活用するため、管理下にある観測地点において流量を観測し、管理外にあるOrigin(出発地点)と、Destination(目的地点)との組合せごとに内訳を推定する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この技術では、パッシブ計測による方式を使用し、ネットワークを流れるパケットの特性に着目し、ルータなどの定点で観測される流量に基づいて、出発地点と到着地点との組み合わせごとに内訳を推定する。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の交通流導出装置において、前記第3導出部は、前記第1交通量と前記第2交通量との各々に重み付けを行うことによって、前記第3交通量を導出する。
(3)本発明の一態様は、上記(2)に記載の交通流導出装置において、前記第3導出部は、前記観測地点での交通量に基づいて、交通量が多いほど前記第1交通量の重み付けを大きくするとともに前記第2交通量の重み付けを小さくし、交通量が少ないほど前記第1交通量の重み付けを小さくするとともに前記第2交通量の重み付けを大きくする。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
(交通流導出システム)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る交通流導出システムの構成例を示す図である。図1において、交通流導出システム1は、観測装置10-1から観測装置10-n(nは、n>1の整数)と、交通流導出装置100とを備える。
観測装置10-1から観測装置10-nの各々は、観測地点に設置されている。観測地点の一例は、交差点と、道路とである。図1に示される例では、観測装置10-1から観測装置10-nの各々が、交差点の信号に設置されている例が示されている。
観測装置10-1から観測装置10-nの各々と、交通流導出装置100とは、通信網50を介して互いに、接続される。通信網50は、例えば、無線基地局、Wi-Fiアクセスポイント、通信回線、プロバイダ、インターネットなどを含む。なお、通信網50は、一部にローカルなネットワークを含んでもよい。
観測装置10-1から観測装置10-nの各々の一例は、観測地点の交通量を取得する装置を備えている。観測地点の交通量を取得するための装置の一例は、撮像装置である。以下、一例として、観測装置10-1から観測装置10-nの各々が、撮像装置を備える場合について説明を続ける。
観測装置10-1から観測装置10-nの各々は、撮像装置が、定期又は不定期に、観測地点から定点観測した結果に基づいて、観測装置10-1から観測装置10-nの各々が設置された観測地点の交通量を導出し、観測装置の識別情報と、導出した交通量を示す情報と、定点観測した時刻を示す情報とを含み、交通流導出装置100を宛先とする交通流量通知を作成する。観測装置10-1から観測装置10-nの各々は、作成した交通流量通知を、交通流導出装置100へ送信する。
交通流導出装置100は、記憶している観測装置の識別情報と、交通量を示す情報と、定点観測した時刻を示す情報とを関連付けた一又は複数の情報に基づいて、出発地点と目的地点との組み合わせで表される特定の経路の交通量の内訳を導出する。つまり、交通流導出装置100は、出発地点と、目的地点との間の一又は複数の経路のうち、特定の経路に含まれる交通量の内訳を導出する。交通流導出装置100は、特定の経路の交通量の内訳の導出結果を表示する。
以下、観測装置10-1から観測装置10-nのうち任意の観測装置を、観測装置10と記載する。次に、観測装置10と、交通流導出装置100とついて、詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態の交通流導出システムを構成する観測装置と、交通流導出装置との一例を示す図である。
観測装置10は、通信部11と、情報処理部12と、記憶部16と、撮像部17と、各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン18とを備える。
通信部11は、通信網50に接続された交通流導出装置100などの外部装置と通信して、データの送受信を行う。具体的には、通信部11は、有線で、通信網50と接続される。また、通信部11は、WiFi(登録商標)、LTEなどの無線通信技術で無線通信を行う無線デバイスによって構成されてもよい。通信部11は、情報処理部12が出力した交通流量通知を、交通流導出装置100へ送信する。
記憶部16は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部16には、情報処理部12により実行されるアプリKAPが記憶される。
アプリKAPは、観測装置10に、観測地点から撮像させる。アプリKAPは、観測装置10に、撮像させることによって得られた観測地点の画像を示す情報に基づいて、その観測地点の交通量を導出させる。アプリKAPは、観測装置10に、観測装置の識別情報と、導出させた交通量を示す情報と、定点観測した時刻を示す情報とを含み、交通流導出装置100を宛先とする交通流量通知を作成させる。アプリKAPは、観測装置10に、作成させた交通流量通知を、交通流導出装置100へ送信させる。
撮像部17は、観測装置10が設置された位置から撮像し、撮像することによって得られる観測対象の画像(観測地点から撮像される対象の画像)を示す情報を、情報処理部12へ出力する。
情報処理部12は、例えば、受付部13と、導出部14と、作成部15として機能する。
受付部13は、撮像部17が出力した観測対象の画像を示す情報を取得し、取得した観測対象の画像を示す情報を受け付ける。受付部13は、受け付けた観測対象の画像を示す情報を、導出部14へ出力する。
導出部14は、受付部13が出力した観測対象の画像を示す情報を取得し、取得した観測対象の画像を示す情報に基づいて、観測地点の交通量を導出する。具体的には、導出部14は、観測対象の画像を示す情報に基づいて、観測地点を通過する車両の流量を導出する。ここで、車両の流量とは、単位時間当たりに、観測地点を通過する車両の数で表されてもよい。導出部14は、導出した観測地点の交通量を示す情報を、作成部15へ出力する。
作成部15は、導出部14が導出した観測地点の交通量を示す情報を取得し、取得した観測地点の交通の流量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報と含み、交通流導出装置100を宛先とする交通流量通知を作成し、作成した交通流通知を、通信部11へ出力する。
交通流導出装置100は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、サーバ、又は産業用コンピュータ、あるいはその他の情報処理機器として実現される。
交通流導出装置100は、通信部110と、情報処理部120と、記憶部130と、各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
通信部110は、通信網50に接続された観測装置10などの外部装置と通信して、データの送受信を行う。具体的には、通信部110は、有線で、通信網50と接続される。また、通信部110は、WiFi(登録商標)、LTEなどの無線通信技術で無線通信を行う無線デバイスによって構成されてもよい。通信部110は、観測装置10が送信した交通流量通知を受信し、受信した交通流量通知を、情報処理部120へ出力する。
プログラム131は、例えば、オペレーティングシステムであり、ユーザやアプリケーションプログラムとハードウェアの中間に位置し、ユーザやアプリケーションプログラムに対して標準的なインターフェースを提供すると同時に、ハードウェアなどの各リソースに対して効率的な管理を行う。
アプリ132は、交通流導出装置100に、観測装置10が送信した交通流量通知を受信させる。アプリ132は、交通流導出装置100に、受信させた交通流量通知に含まれる観測装置の識別情報と、交通量を示す情報と、定点観測した時刻を示す情報とを取得させ、取得させた観測装置の識別情報と、交通量を示す情報と、定点観測した時刻を示す情報とに基づいて、出発地点と、目的地点との組合せで表現される特定の経路での交通流量の内訳を導出させる。アプリ132は、交通流導出装置100に、特定の経路での交通流量の内訳の導出結果を、表示部160に表示させる。
図3は、交通流量情報の一例を示す図である。図3に示される例では、識別番号「No.1」と、観測装置の識別情報「OA0001」と、観測時刻情報「**年**月**日**時**分」と、交通流量情報「TF0001」とが関連付けられ、識別番号「No.2」と、観測装置の識別情報「OA0002」と、観測時刻情報「**年**月**日**時**分」と、交通流量情報「TF0002」とが関連付けられる。図2に戻り説明を続ける。
図4は、位置情報の一例を示す図である。図4に示される例では、識別番号「No.1」と、観測装置の識別情報「OA0001」と、観測装置の位置情報「(++,++)」とが関連付けられ、識別番号「No.2」と、観測装置の識別情報「OA0002」と、観測装置の位置情報「(++,++)」とが関連付けられる。図2に戻り説明を続ける。
情報処理部120は、例えば、受付部121と、導出部122として機能する。
受付部121は、通信部110が出力した交通流量通知を取得し、取得した交通流量通知に含まれる交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを受け付ける。受付部121は、受け付けた交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを関連付けて、記憶部130の交通流量情報133に記憶する。
導出部122は、記憶部130の交通流量情報133に記憶されている観測装置の識別情報と、定点観測時刻を示す情報と、交通量を示す情報とを関連付けた情報のうち、第1時間範囲で取得された情報を取得する。導出部122は、取得した情報に含まれる観測装置の識別情報に基づいて、観測装置が設置されている位置情報を、記憶部130の位置情報134から取得し、取得した位置情報と、定点観測時刻を示す情報と、交通量を示す情報とを関連付ける。導出部122は、関連付けた情報、つまり、位置情報と、交通量を示す情報との時系列データに基づいて、出発地点と、目的地点との組合せで表される特定の経路を有する交通の流量の内訳を導出する。
図5は、パッシブ計測によるネットワークのトモグラフィ機能を説明するための図である。ここで、パッシブ計測とは、定点観測によって得られる情報に基づいて推定を行う方式である。ネットワークのトモグラフィ分野において、ネットワーク管理者が自身の網設計に活用するため、管理下にある観測地点において流量を観測し、管理外にあるOriginおよびDestinationの組合せごとに内訳を推定する技術である。
導出部122は、ネットワークのトモグラフィ機能を適用することによって、出発地点と目的地点との間の一又は複数の経路のうち、特定経路に含まれる交通量の内訳を導出する。ここで、ネットワークのトモグラフィ機能とは、ネットワーク中の一部のノードを観測ノードとし、観測ノード間で送受信されたパケットの振る舞いから、ネットワークの内部状態を導出するための手法である。
図5において、「0」と、「1」と、「2」と、「3」とは、サブネットワークにおけるノード(Node)であり、交差点を含む道路に該当する。
「a」と、「b」と、「c」とは、リンク(Link)であり、観測装置10が、観測する地点である観測地点から観測する対象に該当する。
一例として、出発地点から目的地点へのフローとして、「0」から「3」、「3」から「2」へのフローと、「1」から「3」、「3」から「2」へのフローと、「0」から「3」、「3」から「1」へのフローとを考える。
X_i(t):観測時刻tにおける直接は観測できないフローiの流量
Y_j(t):観測時刻tにおける観測地点jで観測される集約流量
観測点aでの集約フロー(Aggregated flow)(観測されるフロー(observed flow)は、「0」から「3」、「3」から「2」へのフローと、「0」から「3」、「3」から「1」へのフローとである。「0」から「3」、「3」から「2」へのフローを、「0→3→2(ac)」と記載し、「0」から「3」、「3」から「2」へのフローを、「0→3→2(ab)」と記載する。
同様に、観測点cでの集約フローは、「0」から「3」、「3」から「2」へのフローと、「1」から「3」、「3」から「2」へのフローとを含む。「0」から「3」、「3」から「2」へのフローを、「0→3→2(ac)」と記載し、「1」から「3」、「3」から「2」へのフローを、「1→3→2(bc)」と記載する。
x_i(m):フローiの流量がmである確率
{x_i(m)}:フローiの流量がm以下である確率
y_j(m):観測地点jで観測される流量がm以下である確率
y_jk(m):観測地点j,kで観測される流量がいずれもm以下である確率
このとき、以下の式(1)と、式(2)との関係式が成り立つ。
Y_a(t)=X_ac(t)+X_ab(t) (1)
Y_c(t)=X_ac(t)+X_bc(t) (2)
式(1)と、式(2)とを、行列式で表すと、式(3)が得られる。
表示部160は、導出部122が出力した交通量の内訳を示す情報を表示する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る交通流導出システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。図6に示される例では、交通流導出システム1が、観測装置10-1と、観測装置10-2と、交通流導出装置100とを備える場合について説明する。
(ステップS1)
観測装置10-1において、撮像部17は、観測地点の画像情報を生成し、生成した観測地点の画像情報を、情報処理部12へ出力する。
(ステップS2)
観測装置10-1において、情報処理部12の受付部13は、撮像部17が出力した観測地点の画像情報を取得し、取得した観測地点の画像情報を、導出部14に出力する。導出部14は、受付部13が出力した観測地点の画像を示す情報を取得し、取得した観測地点の画像を示す情報に基づいて、観測地点の交通の流量を導出する。導出部14は、導出した観測地点の交通の流量を示す情報を、作成部15へ出力する。
(ステップS3)
観測装置10-1において、作成部15は、導出部14が導出した観測地点の交通の流量を示す情報を取得し、取得した観測地点の交通の流量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報と含み、交通流導出装置100を宛先とする交通流量通知を作成し、作成した交通流通知を、通信部11へ出力する。
(ステップS4)
観測装置10-1において、通信部11は、作成部15が出力した交通流量通知を取得し、取得した交通流量通知を、交通流導出装置100へ送信する。
観測装置10-2において、撮像部17は、観測地点の画像情報を生成し、生成した観測地点の画像情報を、情報処理部12へ出力する。
(ステップS6)
観測装置10-2において、情報処理部12の受付部13は、撮像部17が出力した観測地点の画像情報を取得し、取得した観測地点の画像情報を、導出部14に出力する。導出部14は、受付部13が出力した観測地点の画像を示す情報を取得し、取得した観測地点の画像を示す情報に基づいて、観測地点の交通の流量を導出する。導出部14は、導出した観測地点の交通の流量を示す情報を、作成部15へ出力する。
(ステップS7)
観測装置10-2において、作成部15は、導出部14が導出した観測地点の交通の流量を示す情報を取得し、取得した観測地点の交通の流量を示す情報と、観測装置10の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報と含み、交通流導出装置100を宛先とする交通流量通知を作成し、作成した交通流通知を、通信部11へ出力する。
(ステップS8)
観測装置10-2において、通信部11は、作成部15が出力した交通流量通知を取得し、取得した交通流量通知を、交通流導出装置100へ送信する。
交通流導出装置100の通信部110は、観測装置10-1が送信した交通流量通知を受信し、受信した交通流量通知を、情報処理部120へ出力する。また、交通流導出装置100の通信部110は、観測装置10-2が送信した交通流量通知を受信し、受信した交通流量通知を、情報処理部120へ出力する。
交通流導出装置100の情報処理部120の受付部121は、通信部110が出力した観測装置10-1からの交通流量通知を取得し、取得した交通流量通知に含まれる観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを取得し、取得した観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを受け付ける。
交通流導出装置100の情報処理部120の受付部121は、通信部110が出力した観測装置10-2からの交通流量通知を取得し、取得した交通流量通知に含まれる観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを取得し、取得した観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを受け付ける。
(ステップS10)
交通流導出装置100の受付部121は、受け付けた観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを関連付けて、記憶部130の交通流量情報133に記憶する。
(ステップS11)
交通流導出装置100の導出部122は、記憶部130の交通流量情報133に記憶されている観測装置の識別情報と、定点観測時刻を示す情報と、観測地点の交通量を示す情報とを関連付けた情報のうち、第1時刻範囲で取得された情報を取得する。導出部122は、取得した情報に含まれる観測装置の識別情報に基づいて、観測装置が設置されている位置情報を、記憶部130の位置情報134から取得し、取得した位置情報と、定点観測時刻を示す情報と、観測地点の交通量を示す情報とを関連付ける。導出部122は、関連付けた情報に基づいて、出発地と、目的地との組合せで表される特定の経路を有する交通量の内訳を導出する。
(ステップS12)
交通流導出装置100の導出部122は、特定の経路を有する交通量の内訳の導出結果を、表示部160へ出力する。表示部160は、導出部122が出力した特定の経路を有する交通量の内訳を示す情報に基づいて、特定の経路を有する交通量の内訳を示す情報を表示する。
図6では、交通流導出システム1が、観測装置10を二台備える場合について説明したが、観測装置10の数は、一台でもよいし、三台以上でもよい。
前述した第1の実施形態では、観測地点一例として、交差点と、道路とである場合について説明したが、この例に限られない。例えば、観測地点の一例として、建物の内部としてもよい。
前述した第1の実施形態では、観測装置10が、撮像することによって得られた観測地点の画像を示す情報に基づいて、交通流導出装置100が、その観測地点の交通量を導出する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、観測地点で、赤外線あるいはレーザーレーダーなどを用いた動体、車体を検出した結果に基づいて、交通流導出装置100が、その観測地点の交通量を導出してもよい。
前述した第1の実施形態では、交通流導出装置100が、特定の経路を有する交通量の内訳を示す情報を表示する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、交通流導出装置100が、特定の経路を有する交通量の内訳を示す情報を、予め設定された宛先へ送信してもよい。
前述した第1の実施形態では、観測地点の交通量を取得するための装置の一例として、撮像装置を適用した場合について説明したが、この例に限られない。例えば、観測地点の交通量を取得するための装置の一例として、観測地点を走行する車両の速度に基づいて、観測地点の交通量を取得してもよい。
第1の実施形態の交通流導出システム1によれば、交通流導出装置100は、パッシブ計測によって計測された複数の異なる観測地点の各々での交通量を示す情報を受け付ける受付部121と、受付部121が受け付けた複数の交通量を示す情報の各々の時系列データに基づいて、ネットワークのトモグラフィ機能によって、出発地点と目的地点との間の一又は複数の経路のうち、特定経路に含まれる交通量の内訳である第1交通量を導出する導出部122とを備える。
ネットワークのトモグラフィ技術を交通流推定に適用することによって、複数の観測地点において計測された交通量の時間推移のデータから特定の出発地点と、目的地点との間の交通流の内訳を導出できる。特定の出発地点と、目的地点との間の交通流の内訳を導出することによって、都市設計や乗り合いタクシー、カーシェアリングの配車計画へ応用できる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る交通流導出システムの構成例を示す図である。図7において、交通流導出システム1aは、観測装置10-1から観測装置10-n(nは、n>1の整数)と、端末装置20-1から端末装置20-m(m、m>1の整数)と、交通流導出装置100aとを備える。nとmとは同じ値であってもよいし、異なっていてもよい。
端末装置20-1から端末装置20-mの各々は、車両に乗車しているユーザによって保持される。ここでは、端末装置20-1を保持するユーザから端末装置20-mを保持するユーザの各々が、車両30-1から車両30-mに乗車している場合について説明を続ける。
端末装置20-1から端末装置20-mの各々と、交通流導出装置100aとは、通信網50を介して互いに、接続される。
端末装置20-1から端末装置20-mの各々は、保持するユーザが移動する経路を示す情報(以下「経路情報」という)を導出する機能を備えている。
端末装置20-1から端末装置20-mの各々は、定期又は不定期に、経路情報を導出し、端末装置の識別情報と、導出した経路情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを含み、交通流導出装置100aを宛先とする経路情報通知を作成する。端末装置20-1から端末装置20-mの各々は、作成した経路情報通知を、交通流導出装置100aへ送信する。
交通流導出装置100aは、端末装置20-1から端末装置20-mの各々が送信した経路情報通知を受信し、受信した経路情報通知に含まれる端末装置の識別情報と、経路情報を示す情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを受け付け、受け付けた端末装置の識別情報と、経路情報を示す情報と、経路情報を生成した時刻を示す情報とを関連付けて記憶する。
交通流導出装置100aは、記憶している観測装置の識別情報と、交通量を示す情報と、定点観測した時刻を示す情報とを関連付けた一又は複数の情報に基づいて、出発地点と目的地点との組み合わせで表される特定の経路の交通量の内訳を導出する。つまり、交通流導出装置100は、出発地点と、目的地点との間の一又は複数の経路のうち、特定の経路に含まれる交通量の内訳を導出する。ここで、導出された交通量を「第1交通量」と呼ぶ。
交通流導出装置100aは、記憶している端末装置の識別情報と、経路情報を示す情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを関連付けた一又は複数の情報に基づいて、出発地点と目的地点との組み合わせで表される特定の経路の交通量の内訳を導出する。つまり、交通流導出装置100aは、出発地点と、目的地点との間の一又は複数の経路のうち、特定の経路に含まれる交通量の内訳を導出する。ここで、導出された交通量を、「第2交通量」と呼ぶ。
交通流導出装置100aは、導出した第1交通量と、第2交通量とに基づいて、第3交通量を導出する。交通流導出装置100aは、導出した第3交通量を、表示する。
以下、端末装置20-1から端末装置20-mのうち任意の端末装置を、端末装置20と記載する。次に、第2の実施形態の交通流導出システム1aについて、第1の実施形態の交通流導出システム1とは異なる端末装置20と、交通流導出装置100aとついて、詳細に説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態の交通流導出システムを構成する観測装置と、端末装置と、交通流導出装置との一例を示す図である。
端末装置20は、通信部21と、情報処理部22と、記憶部26と、測位部27と、各構成要素を図8に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン28とを備える。
通信部21は、通信網50に接続された交通流導出装置100aなどの外部装置と通信して、データの送受信を行う。具体的には、通信部21は、有線で、通信網50と接続される。また、通信部21は、WiFi(登録商標)、LTEなどの無線通信技術で無線通信を行う無線デバイスによって構成されてもよい。通信部21は、情報処理部22が出力した経路情報通知を、交通流導出装置100aへ送信する。
アプリTAPは、端末装置20に、端末装置の位置を測位させる。アプリTAPは、端末装置20に、端末装置の位置の測位結果に基づいて、目的地点までの経路を導出させる。アプリTAPは、端末装置20に、端末装置の識別情報と、導出させた経路情報と、経路情報を導出させた時刻を示す情報とを含み、交通流導出装置100aを宛先とする経路情報通知を作成させる。アプリTAPは、端末装置20に、作成させた経路情報通知を、交通流導出装置100aへ送信させる。
測位部27は、端末装置20の位置を測位し、測位することによって得られた位置情報を、情報処理部22へ出力する。位置情報の一例は、経度と、緯度とで表される。
情報処理部22は、例えば、受付部23と、導出部24と、作成部25として機能する。
受付部23は、測位部27が出力した位置情報を取得し、取得した位置情報を受け付ける。受付部23は、受け付けた位置情報を、導出部24へ出力する。
導出部24は、受付部23が出力した位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、経路情報を導出する。具体的には、導出部24は、位置情報に基づいて、現在の位置から、目的地点までの経路を導出する。導出部24は、導出した経路情報を、作成部25へ出力する。
作成部25は、導出部24が導出した経路情報を取得し、取得した経路情報と、端末装置20の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報と含み、交通流導出装置100aを宛先とする経路情報通知を作成し、作成した経路情報通知を、通信部21へ出力する。
交通流導出装置100aは、パーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、サーバ、又は産業用コンピュータ、あるいはその他の情報処理機器として実現される。
交通流導出装置100aは、通信部110と、情報処理部120aと、記憶部130aと、各構成要素を図8に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン150とを備える。
通信部110は、観測装置10が送信した交通流量通知を受信し、受信した交通流量通知を、情報処理部120へ出力する。また、通信部110は、端末装置20が送信した経路情報通知を受信し、受信した経路情報通知を、情報処理部120aへ出力する。
アプリ132aは、交通流導出装置100aに、観測装置10が送信した交通流量通知を受信させる。アプリ132aは、交通流導出装置100aに、受信させた交通流量通知に含まれる観測装置の識別情報と、交通量を示す情報と、定点観測した時刻を示す情報とを取得させ、取得させた観測装置の識別情報と、交通量を示す情報と、定点観測した時刻を示す情報とに基づいて、出発地点と、目的地点との組合せで表現される特定の経路での交通流量の内訳である第1交通流量を導出させる。
アプリ132aは、交通流導出装置100aに、端末装置20が送信した経路情報通知を受信させる。アプリ132aは、交通流導出装置100aに、受信させた経路情報通知に含まれる端末装置の識別情報と、経路情報と、経路情報を導出した時間を示す情報とを取得させ、取得させた端末装置の識別情報と、経路情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とに基づいて、出発地点と、目的地点との組合せで表現される特定の経路での交通流量の内訳である第2交通流量を導出させる。アプリ132aは、交通流導出装置100aに、導出させた第1交通流量と、第2交通流量とに基づいて、第3交通流量を導出させる。アプリ132aは、交通流導出装置100aに、第3交通流量を出力させる。
図9は、経路情報の一例を示す図である。図9に示される例では、識別番号「No.1」と、端末装置の識別情報「TE0001」と、経路情報を導出した時刻を示す情報である導出時刻情報「**年**月**日**時**分」と、経路情報「RI0001」とが関連付けられ、識別番号「No.2」と、端末装置の識別情報「TE0002」と、導出時刻情報「**年**月**日**時**分」と、経路情報「RI0002」とが関連付けられる。図8に戻り説明を続ける。
情報処理部120aは、例えば、受付部121aと、第1導出部122a-1と、第2導出部122a-2と、第3導出部122a-3として機能する。
受付部121aは、通信部110が出力した交通流量通知を取得し、取得した交通流量通知に含まれる交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを受け付ける。受付部121aは、受け付けた交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを関連付けて、記憶部130aの交通流量情報133に記憶する。
受付部121aは、通信部110が出力した経路情報通知を取得し、取得した経路情報通知に含まれる経路情報と、端末装置の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを受け付ける。受付部121aは、受け付けた経路情報と、端末装置の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを関連付けて、記憶部130aの経路情報135に記憶する。
第1導出部122a-1は、第1の実施形態の交通流導出装置100の導出部122を適用できる。つまり、第1導出部122a-1は、出発地点と、目的地点との組合せで表される特定の経路を有する交通の流量の内訳である第1交通流量を導出する。第1導出部122a-1は、導出した第1交通流量を示す情報を、第3導出部122a-3へ出力する。
例を挙げて、具体的に説明する。第2導出部122a-2は、アクティブ計測によって、第2交通流量を導出する。アクティブ計測とは、サンプリングされた観測対象について詳細を把握し、全量に対して一部の観測対象の属性の比率を求め、全量をその比率で按分することによって、導出する手法である。アクティブ計測を行うことによって、直接は観測できない対象についても、その属性を導出できる。アクティブ計測は、サンプリング率が高く、サンプリング数が多いほど精度が高い。
仮に、図5に示したパッシブ計測によるネットワークのトモグラフィ機能を説明するための図において、観測地点aを通過する車両Y_a(t)台のうち、割合Pの車両に乗車しているユーザが保持する端末装置20が、経路情報を送信する機能を備え、経路情報を送信する機能を有する端末装置20を保持するユーザが乗車している車両のうち割合Z_1が観測地点bに移動し、割合Z_2が観測地点cに移動した場合について説明する。この場合には、式(7)と、式(8)とが成り立つ。
式(7)と、式(8)とにおいて、「Y_a(t)」を時刻tからdt秒間にaを通過した車両の台数とし、「Z_1」を時刻tからZ×dt秒間にaを通過し、aを通過した後にbに移動した車両の割合としてもよい。第2導出部122a-2は、導出した第2交通流量を示す情報を、第3導出部122a-3へ出力する。
サンプリング計測を行った場合、サンプル数が多く、全量に対するサンプルの比率が高いほど、その推定精度が高くなることが知られている。
ここで、定性的に第1交通流量の精度と、第2交通流量の精度とを整理する。
図10は、交通流量の精度の比較例を示す図である。図10において、横軸は交通量であり、縦軸は精度である。また、図10において、破線は、計算ができなかったことを示している。図10には、第1交通量と、第2交通量とについて示されている。
図10に示すように、交通量が少ない場合には、第2交通流量と比較して、第1交通流量の精度が高くなり、交通量が多い場合には、第1交通流量と比較して、第2交通流量の精度が高くなるのが分かる。
図10によれば、交通量が少ない場合には、第1交通流量を重視し、交通量が多くなるにしたがって、第2交通流量を重視することによって、第1交通流量と、第2交通流量との一方を使用した場合と比較して、交通流量の精度が改善される。
具体的には、第3導出部122a-3は、重み付き平均を用いて、第3交通流量を導出する。例えば、第3導出部122a-3は、式(9)に基づいて、第3交通流量を導出する。
式(9)において、「X_ac,estimate(t)」は、観測時刻tにおける直接は観測できないaからcへのフローである。「x_ac,tomography(t)」は、観測時刻tにおける直接は観測できないaからcへの第1交通流量である。「x_ac,proportion(t)」は、観測時刻tにおける直接は観測できないaからcへの第2交通流量である。aは、第1交通流量をどの程度重視するかを意味する重み係数である。重み係数は、交通量、ネットワークのトモグラフィ機能での観測地点の密度、按分方式におけるプローブの普及率に依存する。例えば、aは交通量が多いほど小さく、少ないほど大きくなる値とする。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る交通流導出システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。図11に示される例では、交通流導出システム1aが、観測装置10-1と、観測装置10-2と、端末装置20-1と、端末装置20-2と、交通流導出装置100aとを備える場合について説明する。
ステップS21からステップS28は、図6を参照して説明したステップS1からステップS8を適用できる。
(ステップS29)
端末装置20-1において、測位部27は、端末装置20-1に位置を測位し、測位することによって得られる位置情報を、情報処理部22へ出力する。情報処理部22の受付部23は、測位部27が出力した位置情報を取得し、取得した位置情報を、導出部24に出力する。導出部24は、受付部23が出力した位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、経路情報を導出する。導出部24は、導出した経路情報を、作成部25へ出力する。
(ステップS30)
端末装置20-1において、作成部25は、導出部24が導出した経路情報を取得し、取得した経路情報と、端末装置20-1の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報と含み、交通流導出装置100aを宛先とする経路情報通知を作成し、作成した経路情報通知を、通信部21へ出力する。
(ステップS31)
端末装置20-1において、通信部21は、作成部25が出力した経路情報通知を取得し、取得した経路情報通知を、交通流導出装置100aへ送信する。
端末装置20-2において、測位部27は、端末装置20-2に位置を測位し、測位することによって得られる位置情報を、情報処理部22へ出力する。情報処理部22の受付部23は、測位部27が出力した位置情報を取得し、取得した位置情報を、導出部24に出力する。導出部24は、受付部23が出力した位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、経路情報を導出する。導出部24は、導出した経路情報を、作成部25へ出力する。
(ステップS33)
端末装置20-2において、作成部25は、導出部24が導出した経路情報を取得し、取得した経路情報と、端末装置20-2の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報と含み、交通流導出装置100aを宛先とする経路情報通知を作成し、作成した経路情報通知を、通信部21へ出力する。
(ステップS34)
端末装置20-2において、通信部21は、作成部25が出力した経路情報通知を取得し、取得した経路情報通知を、交通流導出装置100aへ送信する。
交通流導出装置100aの通信部110は、観測装置10-1が送信した交通流量通知を受信し、受信した交通流量通知を、情報処理部120aへ出力する。また、交通流導出装置100aの通信部110は、観測装置10-2が送信した交通流量通知を受信し、受信した交通流量通知を、情報処理部120aへ出力する。情報処理部120aの受付部121aは、通信部110が出力した観測装置10-1からの交通流量通知を取得し、取得した交通流量通知に含まれる観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを取得し、取得した観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを受け付ける。情報処理部120aの受付部121aは、通信部110が出力した観測装置10-2からの交通流量通知を取得し、取得した交通流量通知に含まれる観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを取得し、取得した観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを受け付ける。
交通流導出装置100aの通信部110は、端末装置20-1が送信した経路情報通知を受信し、受信した経路情報通知を、情報処理部120aへ出力する。また、交通流導出装置100aの通信部110は、端末装置20-2が送信した経路情報通知を受信し、受信した経路情報通知を、情報処理部120aへ出力する。情報処理部120aの受付部121aは、通信部110が出力した端末装置20-1からの経路情報通知を取得し、取得した経路情報通知に含まれる経路情報と、端末装置の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを取得し、取得した経路情報と、端末装置の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを受け付ける。情報処理部120aの受付部121aは、通信部110が出力した端末装置20-2からの経路情報通知を取得し、取得した経路情報通知に含まれる経路情報と、端末装置の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを取得し、取得した経路情報と、端末装置の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを受け付ける。
(ステップS36)
交通流導出装置100aにおいて、受付部121aは、受け付けた観測地点の交通量を示す情報と、観測装置の識別情報と、定点観測した時刻を示す情報とを関連付けて、記憶部130aの交通流量情報133に記憶する。受付部121aは、受け付けた経路情報と、端末装置の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報とを関連付けて、記憶部130aの交通流量情報133に記憶する。
(ステップS37)
交通流導出装置100aにおいて、第1導出部122a-1は、記憶部130aの交通流量情報133に記憶されている観測装置の識別情報と、定点観測時刻を示す情報と、観測地点の交通量を示す情報とを関連付けた情報のうち、第1時刻範囲で取得された情報を取得する。第1導出部122a-1は、取得した情報に含まれる観測装置の識別情報に基づいて、観測装置が設置されている位置情報を、記憶部130aの位置情報134から取得し、取得した位置情報と、定点観測時刻を示す情報と、観測地点の交通量を示す情報とを関連付ける。第1導出部122a-1は、関連付けた情報に基づいて、出発地と、目的地との組合せで表される特定の経路を有する交通量の内訳である第1交通流量を導出する。第1導出部122a-1は、導出した第1交通流量を示す情報を、第3導出部122a-3へ出力する。
交通流導出装置100aの第2導出部122a-2は、記憶部130aの経路情報135に記憶されている端末装置の識別情報と、経路情報を導出した時刻を示す情報と、経路情報とを関連付けた情報のうち、第1時刻範囲で取得された情報を取得する。第2導出部122a-2は、取得した情報に基づいて、出発地と、目的地との組合せで表される特定の経路を有する交通量の内訳である第2交通流量を導出する。第2導出部122a-2は、導出した第2交通流量を示す情報を、第3導出部122a-3へ出力する。
(ステップS39)
交通流導出装置100aの第3導出部122a-3は、第1導出部122a-1が出力した第1交通流量を示す情報を取得し、第2導出部122a-2が出力した第2交通流量を示す情報を取得する。第3導出部122a-3は、取得した第1交通流量を示す情報と、第2交通流量を示す情報とに基づいて、第3交通流量を導出する。
(ステップS40)
交通流導出装置100aの第3導出部122a-3は、第3交通流量を示す情報を、表示部160へ出力する。表示部160は、第3導出部122a-3が出力した第3交通流量を示す情報に基づいて、特定の経路を有する交通量の内訳を示す第3交通流量を示す情報を表示する。
図11では、交通流導出システム1aが、観測装置10を二台備え、端末装置20を二台備える場合について説明したが、この限りでない。観測装置10の数は、一台でもよいし、三台以上でもよい。端末装置200の数は、一台でもよいし、三台以上でもよい。
前述した第2の実施形態では、交通流導出装置100aが、特定の経路を有する交通量の内訳を示す第3交通流量を示す情報を表示する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、交通流導出装置100aが、第3交通流量を示す情報を、予め設定された宛先へ送信してもよい。
第2の実施形態の交通流導出システム1aによれば、交通流導出装置100aは、パッシブ計測によって計測された複数の異なる観測地点の各々での交通量を示す情報と、アクティブ計測によって計測された一又は複数の経路情報とを受け付ける受付部121aと、受付部121aが受け付けた複数の交通量を示す情報の各々の時系列データに基づいて、ネットワークのトモグラフィ機能によって、出発地点と目的地点との間の一又は複数の経路のうち、特定経路に含まれる交通量の内訳である第1交通量を導出する第1導出部122a-1と、受付部121aが受け付けた一又は複数の経路情報に基づいて、複数の異なる観測地点の各々を走行する車両のうち、経路情報を送信する機能を有する車両の割合に基づいて、経路の交通量である第2交通量を導出する第2導出部122a-2と、第1導出部122a-1が導出した第1交通量と、第2導出部122a-2が導出した第2交通量とに基づいて、第3交通量を導出する第3導出部122a-3とを備える。
第2の実施形態の交通流導出システム1aでは、以下の3つの前提を考慮することによって、精度を向上できる。
(1)観測地点間の車両の移動時間
(2)車両によって移動時間が異なること
(3)あるフローの流量が別のフローの流量に影響を与えること
(1)から(3)の前提は、交通量が少ない場合には無視することが可能である。しかし、交通量が多い場合には、(1)から(3)の前提を無視できない。(1)から(3)を無視した場合には、交通量の精度が悪化し、場合によっては、交通量の計算処理の途中で、確率分布に負の値をとってしまい、複素数が出てしまうなど計算処理が終了しない場合があった。
第2の実施形態の交通流導出装置100aは、ネットワークのトモグラフィ機能によって、出発地点と目的地点との間の一又は複数の経路のうち、特定経路に含まれる交通量の内訳である第1交通量を導出することと、一又は複数の経路情報に基づいて、複数の異なる観測地点の各々を走行する車両のうち、経路情報を送信する機能を有する車両の割合に基づいて、経路の交通量である第2交通量を導出することとを併用することによって、交通量が多い場合と少ない場合との何れに場合においても、導出される第3交通量の精度を向上できる。
例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
Claims (5)
- パッシブ計測によって計測された複数の異なる観測地点の各々での交通量を示す情報と、アクティブ計測によって計測された一又は複数の経路情報とを受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた複数の前記交通量を示す情報の各々の時系列データに基づいて、ネットワーク中の一部のノードを観測ノードとし、観測ノード間で送受信されたパケットの振る舞いから、前記ネットワークの内部状態を導出するための手法であるネットワークのトモグラフィ機能によって、出発地点と目的地点との間の一又は複数の経路のうち、特定経路に含まれる交通量の内訳である第1交通量を導出する第1導出部と、
前記受付部が受け付けた一又は複数の前記経路情報に基づいて、複数の異なる前記観測地点の各々を走行する車両のうち、前記経路情報を送信する機能を有する車両の割合に基づいて、前記経路の交通量である第2交通量を導出する第2導出部と、
前記第1導出部が導出した前記第1交通量と、前記第2導出部が導出した第2交通量とに基づいて、第3交通量を導出する第3導出部と
を備える交通流導出装置。 - 前記第3導出部は、前記第1交通量と前記第2交通量との各々に重み付けを行うことによって、前記第3交通量を導出する、請求項1に記載の交通流導出装置。
- 前記第3導出部は、前記観測地点での交通量に基づいて、交通量が多いほど前記第1交通量の重み付けを大きくするとともに前記第2交通量の重み付けを小さくし、交通量が少ないほど前記第1交通量の重み付けを小さくするとともに前記第2交通量の重み付けを大きくする、請求項2に記載の交通流導出装置。
- パッシブ計測によって計測された複数の異なる観測地点の各々での交通量を示す情報とアクティブ計測によって計測された一又は複数の経路情報とを受け付けるステップと、
前記受け付けるステップで受け付けた複数の前記交通量を示す情報の各々の時系列データに基づいて、ネットワーク中の一部のノードを観測ノードとし、観測ノード間で送受信されたパケットの振る舞いから、前記ネットワークの内部状態を導出するための手法であるネットワークのトモグラフィ機能によって、出発地と目的地との間の経路の交通量である第1交通量を導出するステップと、
前記受け付けるステップで受け付けた一又は複数の前記経路情報に基づいて、複数の異なる前記観測地点の各々を走行する車両のうち、前記経路情報を送信する機能を有する車両の割合に基づいて、前記経路の交通量である第2交通量を導出するステップと、
前記第1交通量を導出するステップで導出した前記第1交通量と、第2交通量を導出する前記ステップで導出した第2交通量とに基づいて、第3交通量を導出するステップと
を有する、交通流導出装置が実行する交通流導出方法。 - 交通流導出装置のコンピュータに、
パッシブ計測によって計測された複数の異なる観測地点の各々での交通量を示す情報とアクティブ計測によって計測された一又は複数の経路情報とを受け付けるステップと、
前記受け付けるステップで受け付けた複数の前記交通量を示す情報の各々の時系列データに基づいて、ネットワーク中の一部のノードを観測ノードとし、観測ノード間で送受信されたパケットの振る舞いから、前記ネットワークの内部状態を導出するための手法であるネットワークのトモグラフィ機能によって、出発地と目的地との間の経路の交通量である第1交通量を導出するステップと、
前記受け付けるステップで受け付けた一又は複数の前記経路情報に基づいて、複数の異なる前記観測地点の各々を走行する車両のうち、前記経路情報を送信する機能を有する車両の割合に基づいて、前記経路の交通量である第2交通量を導出するステップと、
前記第1交通量を導出するステップで導出した前記第1交通量と、前記第2交通量を導出するステップで導出した第2交通量とに基づいて、第3交通量を導出するステップと
を実行させる、コンピュータプログラム。
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