JP2007179348A - 交通状況予測方法およびその装置ならびにプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】交通状況予測装置20は、現在および過去の交通情報を取り込み、また、予測対象リンクごとに一以上の伝播元リンクが対応付けされ、さらに伝播元リンクごとに伝播時間と重み係数から構成される予測パラメータを生成し、先に取り込まれた交通情報と予測パラメータとを用いた予測モデルによって未来の交通状況を予測演算し、その結果を出力する。
【選択図】図1
Description
しかしながら、現況情報では時間の経過に伴い交通状況が大きく変化する場合に精度が著しく悪化するため、未来の交通状況を高精度に予測することがのぞまれている。
また、複数の交通渋滞予測方法を用い、その予測精度が高い予測方法による渋滞状況を選択出力し、高速道路や一般道路といった道路の種別や特性、あるいは予測先時間の長短にかかわらず、高い精度で将来の交通渋滞状況を予測することのできる交通渋滞予測方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2に開示された技術によれば、高速道路や一般道路といった道路の種別や特性にかかわらず、高い精度で将来の交通渋滞状況を予測することができるが、将来の交通状況の変化を予測して最短の旅行時間の経路を探索する場合を考えると、途中で予測方法を切り替えた場合、そこで得られる予測値が不連続になり、結果的に経路探索の精度の低下を招くといった不都合を有する。
図1に示されるように、交通情報システムは、車両12に搭載される車載装置13と、交通情報センタが管理運営するコンピュータ14と、交通状況予測装置20とから構成される。車載装置13は、交通状況予測装置20とは、無線基地局11、およびネットワーク10を介して接続される。また、交通状況予測装置20は、交通情報センタのコンピュータ14ともネットワーク10を介して接続される。
なお、交通情報は、各管理機関が管轄するエリアを単位として配信される。例えば、一般道路に関する交通情報は都道府県ごとに分割され、高速道路に関する交通情報は日本道路公団(JH)の各支社などの各管理局、首都高速道路公団、阪神高速道路公団といった公団ごとにそれぞれ分割され配信される。この交通情報を配信する単位である管理機関は、以降では、情報源と呼ばれる。
すなわち、ここで配信される交通情報は現況交通情報であり、未来の交通情報(予測交通情報)は含まれない。また、前記した交通情報のそれぞれには情報源を示すコード(情報源コード)が含まれる。また、交通情報は、基本的にはリンク単位のものであり、実際には地図上の領域を分割して得られるメッシュ領域の識別コード(メッシュコード)、リンク種別の識別コード(リンク区分)、リンクの識別コード(リンク番号)の3つのコードの組み合わせ毎に作成された時刻(現在時刻)とともに配信される。前記3つのコードの組み合わせを、以降では単にリンクという。
そして、その受信した情報を、ディスプレイに表示される地図画面上に重畳表示し、あるいは簡易図形に変換して表示する。さらに、出発地(現在地)と目的地の間の経路探索機能及び経路誘導機能も備える。
交通状況予測装置20は、交通情報センタ(コンピュータ14)から通信装置を介して現況交通情報を受信し、演算装置が記憶装置を使用して未来の交通情報(予測交通情報)を生成する。また、車載装置13からの要求、例えば、指定した予測先時間における指定メッシュに関する予測交通情報の要求や、指定される出発日時、出発地、目的地における最短経路情報の要求に応じて、予測交通情報や最短経路情報を取得し、要求のあった車載装置13に対して通信装置を介して配信する機能も備えている。
車載装置13のユーザからの要求には、指定した予測先時間におけるメッシュ毎の予測交通情報ダウンロード要求や最短経路情報の要求などがある。ユーザからの要求は、予測情報配信部24に転送され、車載装置13からのプローブ情報、および交通情報センタ(コンピュータ14)からの現況交通情報は、情報受信・蓄積部22に転送される。情報受信・蓄積部22は、データ・要求受信部21を介して転送されるプローブ情報と、現況交通情報とを蓄積DB30に蓄積する。
統計DB31は、交通状況予測部23において、過去に蓄積されたリンクごとの交通情報を元に、予測対象日の日種(曜日、平日/土曜/休日、五十日、天気等)に対応して作成され、ここで作成されたデータが格納されるデータベースである。例えば、交通情報としてリンク旅行時間を対象にする場合、予測対象日の日種に該当する過去の日が複数日あったとして、それらの同一時間帯に関するリンク旅行時間の平均値や中央値等の統計値がリンクの統計旅行時間に該当する。また、交通情報として渋滞長や渋滞度などのリンク渋滞情報を対象にする場合も同様に、同一時間帯に関する各データに関する平均値等の統計値がリンクの統計渋滞情報に該当する。すなわち、統計DB31は、リンク、日種、時刻をキーに旅行時間や渋滞情報を検索するために利用される。
予測DB32は、交通状況予測部23によって生成される予測交通情報が格納されるデータベースである。予測DB32に含まれるデータの一例は、図2に示したとおりである。この予測DB32は、予測情報配信部24、および経路探索部25によってアクセスされ、ここで必要な予測交通情報が検索され出力される。
受信したユーザ要求が最短経路情報のダウンロードである場合、予測情報配信部24は、ユーザ要求に含まれる出発地、目的地、および出発日時のデータを経路探索部25に送信し、経路探索部25から送信データに関する最短経路情報を受信し、受信した最短経路情報を所定のダウンロード用フォーマットデータに変換して車載装置13へ送信する。
地図DB33には、メッシュコードごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータを含んで格納されている。リンクデータは、リンク番号ごとにリンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報、リンクを含む道路の種別情報、リンクの長さを示すリンク長情報、リンクの制限速度を示す規制速度情報、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンク番号などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。また、地図データには、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の道路構造物の情報(例えば、名称、種別、座標情報など)も含まれている。
図3に示されるように、交通状況予測部23は、交通情報取得部231と、予測演算選択処理部232と、高速道路向け交通状況予測演算処理部233と、一般道路向け交通状況予測演算処理部234と、渋滞情報生成出力部235とで構成される。なお、図3に示される、蓄積DB30、統計DB31、予測DB32、地図DB33は、図2に示したそれぞれのデータベースと同様である。
予測演算選択処理部232は、現在の交通情報に含まれる情報源、およびリンク区分に関する情報を参照し、リンク区分が、高速道路、有料道路、自動車専用道路のいずれかに該当する場合に高速道路向け交通状況予測演算処理部233による予測演算処理を実行させ、いずれにも該当しない場合、一般道路向け交通状況予測演算処理部234による予測演算処理を実行させる機能を持つ。
このため、高速道路向け交通状況予測演算処理部233は、予測リンク情報ファイル330と、予測リンク情報生成部331と、類似度算出部332と、予測パラメータ生成部333と、予測パラメータ情報ファイル334と、予測パラメータ取得部335と、渋滞伝播型予測判定部336と、予測交通状況生成出力部337と、予測交通状況補正処理部338とで構成される。
類似度算出部332は、予測対象リンクの交通情報と、伝播元リンクの交通情報をそれぞれに用意された伝播時間だけ過去にシフトさせた交通情報との間の類似度を算出して予測パラメータ生成部333へ転送する機能を持つ。
予測パラメータ取得部335は、交通状況の予測時、予測パラメータ情報ファイル334から、予測パラメータ生成部333により生成された予測パラメータを取得して渋滞伝播型予測判定部336へ転送する機能を持つ。
予測交通状況生成出力部337は、1以上ある伝播元リンクのうち、旅行速度が所定の自由走行速度よりも高速であると判定されたリンクの割合が所定値を超えると判定されたときに、現在の交通情報を予測交通情報として予測交通状況補正処理部338へ出力する。また、旅行速度が所定の自由走行速度よりも高速であると判定されたリンクの割合が所定値以下であると判定されたときに、交通情報と予測パラメータとを用い、現在から予測対象時刻までの時間幅を示す予想先時間における予想旅行速度を求め、予想対象リンクに含まれるリンク長を予想旅行速度で除算して予想旅行時間を算出し、予測交通状況補正処理部338へ転送する機能を持つ。
このため、一般道路向け交通状況予測演算処理部234は、統計交通情報取得部341と、統計型予測判定部342と、乖離度算出部343と、予測交通状況生成出力部344とで構成される。
統計型予測判定部342は、過去の統計情報が所定割合以上有効であり、かつ、予測先時間の統計交通情報が有効であることを判定して乖離度算出部343による乖離度の計算を起動する機能を持つ。乖離度算出部343は、現在および過去の交通情報と統計交通情報との類似性を定量的に示す乖離度を算出する機能を持ち、ここで算出された乖離度に関するデータは、予測交通状況生成出力部344へ転送される。
予測交通状況生成出力部344は、乖離度を閾値と比較して小と判定されたとき、現在から予測対象時刻までの時間幅を示す予測先時間に応じて補正される乖離度と統計交通情報との加算によって未来の交通状況を予測演算し、一方、乖離度を閾値と比較して大と判定されたとき、予測先時間に応じて決定される統計交通情報と現在の交通情報の各重み係数を、統計交通情報と現在の交通情報のそれぞれに乗じたものを加算して未来の交通状況を予測演算し、それぞれ予測DB32に格納する。
図4に示されるように、車載装置13は、演算処理部40と、ディスプレイ41と、データ記憶装置42と、音声入出力装置43と、入力装置44と、車輪速センサ45と、地磁気センサ46と、ジャイロセンサ47と、GPS(Global Positioning System)受信装置48と、車内LAN(Local Area Network)装置49と、ネットワーク通信装置50と、FM多重放送受信装置51と、ビーコン通信装置52とから構成される。
また、データ記憶装置42に記憶されている地図データと統計交通情報、または交通状況予測装置20から受信した予測交通情報、あるいは交通情報センタ(コンピュータ14)から受信した現況交通情報とを用いて、ユーザにより設定される現在位置(出発地)と、目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置43やディスプレイ41を用いてユーザに対して推奨経路を誘導案内する。
データ記憶装置42は、CD−ROM、DVD−ROM、HDD、あるいはICカードのような記録媒体、およびこれら記録媒体の読み取り、あるいは書き込み装置で構成されている。これら記録媒体には、地図データや統計交通情報などの各種データが格納されている。
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて、開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。また、地図データには、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の道路構造物の情報(例えば、名称、種別、座標情報など)も含まれている。
入力装置44は、ユーザからの指示を取り込むマンマシンインタフェースであり、スクロールキーや縮尺変更キーなどのハードウェアスイッチ、ジョイスティック、あるいはディスプレイ41上に実装されるタッチパネル、音声入力用のマイクなどで構成される。
車輪速センサ45は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から走行距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から曲がった角度を計測する。また、地磁気センサ46は、地球が保持している磁場を検知し、移動体が向いている方角を検出する。更に、ジャイロセンサ47は、光ファイバファイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。
また、GPS受信装置48は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体(車両12)とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3基以上の衛星との間で測定することで移動体の現在位置、進行速度、および進行方位を測定する。
車載装置13は、ネットワーク通信装置50を介し、定期的に、あるいはユーザからの要求に応じて、交通状況予測装置20にアクセスし、予測交通情報や最短経路情報を受信し、データ記憶装置42に記憶させる。
また、ビーコン通信装置52は、交通情報センタ(コンピュータ14)からの現況交通情報が各地域の交通管制センタへ送信され、交通管制センタが路上の通信装置であるビーコンを介して送信する詳細な現況交通情報(リンク旅行時間情報など)を受信する。
以下、図5〜図18を参照しながら本発明実施形態にかかわる交通状況予測装置を含む交通情報システムの動作について詳細に説明する。
図5に示すフローチャートにおいて、交通状況予測装置20は、まず、車載装置13から、無線基地局1、ネットワーク10、ならびに、内部のデータ・要求受信部21、予測情報配信部24のそれぞれを介して転送される、出発地、目的地、および出発日時に関するデータを経路探索部25に設定する(ステップS50)。このことにより、経路探索部25は、出発地、および目的地の座標から、出発地、および目的地を含む経路探索領域に含まれる各メッシュコードを特定する。
次に、経路探索部25は、特定したメッシュコードに相当する地図DB33に登録されているリンクデータを読み込む(ステップS51)。続いて経路探索部25は、特定したメッシュコード、および出発日時を基に、メッシュコードごとに出発日時以降に関する各候補リンクの予測交通情報(予測旅行時間)を、予測DB32を検索することによって入手する(ステップS52)。
但し、ステップS57での処理が行われていない場合、つまり、ヒープテーブルにリンクが登録されていない初期段階では、抽出リンクの終了ノードを開始ノードとするリンクを候補リンクとして選出する代わりに、出発地が存在する、あるいは出発地に近接する少なくとも1つのリンクを、候補リンクとして選出する(ステップS53)。
図6に、ヒープテーブルのデータ構造の一例が表形式で示されている。図6に示されるように、ヒープテーブルには、候補リンクごとにレコード(表の1行分に相当)が登録される。レコードは、候補リンクのリンク番号、該候補リンクのコスト(旅行時間)、終了ノードが該候補リンクの開始ノードと接続する接続元リンクのリンク番号、出発地から候補リンクまでの総コスト、および後記するステップS57で抽出リンクとして設定済みか否かを示す抽出フラグの各データを登録するためのそれぞれのフィールドから構成されている。
経路探索部25は、続いて、候補リンクの各々について、出発地から当該候補リンクまでの総コストを算出する。具体的には、ヒープテーブルに登録されている抽出リンクの総旅行時間に、候補リンクの注目時間帯における旅行時間を加算し、その加算結果を候補リンクの総コストとする。そして、ヒープテーブルに各候補リンクのレコードを追加する。続いて、追加した各レコードの各フィールドに、対応する候補リンクのリンク番号、候補リンクのコスト、抽出リンク(接続元リンク)のリンク番号、出発地から候補リンクまでの総コストを登録する。また、抽出フラグのフィールドには、未だ抽出リンクに設定されていないことを示す抽出フラグ「未」を登録する(ステップS55)。
ステップS56の処理において、経路探索部25は、目的地リンクが存在しなければ、次に、ヒープテーブルに登録されている各候補リンクのレコードを総コストの小さい順にソートし、抽出フラグのフィールドが「未」である候補リンク(以下、未抽出リンクと呼ぶ)の中で、最も上位に位置する未抽出リンクを抽出するなどして、ヒープテーブルから総コストが最小の未抽出リンクを抽出する。そして、現在の抽出リンクをこの未抽出リンクに変更し、この未抽出リンクの抽出フラグを「未」から「済」に変更する(ステップS57)。そしてS53の処理に戻る。
経路探索部25は、前記した処理を、構成リンクの接続元リンクがなくなるまで、つまり、構成リンクが出発地あるいは出発地に近接するリンク(以下、出発地リンクという)になるまで繰り返すことで、最短経路を構成する各構成リンクを決定する。それから、最短経路の情報として、最短経路を構成する各構成リンクのリンクデータ、およびステップS52の処理により入手した予測交通情報(予測旅行時間)を、出発時刻の情報とともに予測情報配信部24へ転送する(ステップS58)。
また、車載装置13においても、前記した経路探索部25、予測DB32、および地図DB33と同様の機能およびデータを備えており、交通状況予測装置20から予測交通情報をダウンロードすることにより、あるいは、車載装置13に備えられた統計DB31を読み込むことにより未来の予測交通情報を取得し、前記した経路探索処理を実行することにより同様に事前に予測される渋滞を避けた最短時間経路を提供することができる。
図7は、交通状況予測装置20の交通状況予測部23による交通状況予測処理の全体的な流れを示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートにおいて、まず、情報受信・蓄積部22は、交通情報センタ(コンピュータ14)から送信されてきた現況交通情報を読み込んで交通状況予測部23に転送する(ステップS70)。続いて、交通状況予測部23は、転送された現況交通情報に含まれる情報源コードから、交通情報の対象道路が高速道路であるか一般道路であるかの判定を行う(ステップS71)。判定には、情報源ごとに高速道路であるか一般道路であるかを定めたリンク区分のデータを参照することによってなされる。ここで、高速道路とは、高速道路、有料道路、自動車専用道路のいずれかに該当する場合をいい、一般道路とはそのいずれにも該当しない道路をいう。
ここで、予測処理の方法を、高速道路と一般道路で別々にしているのは、その特性を考慮して予測精度を向上させるためである。例えば、統計交通情報は、一般道路では比較的精度がよい傾向があるが、高速道路では一般道路に比較して事故等の突発事象に対して大きく影響を受けることなどから精度が悪化することが多い。一方、高速道路においては、渋滞が発生しても回避するための分岐点がランプ(インターチェンジ)やジャンクションに限られるため、一般道に比べて渋滞が発生すると大きく延伸しやすい傾向がある。本発明は、この特性を考慮して高精度な交通状況予測を実現することを主旨としている。
まず、高速道路向け予測処理の詳細な説明に先立ち、高速道路向け予測パラメータの生成処理について、図3に示す交通状況予測部23(高速道路向け交通状況予測演算処理部233)の内部構成機能ブロック図、および図8、図9に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
高速道路向け予測パラメータは、蓄積DB30に蓄積されている過去の交通情報を用いて定期的に更新されるべきものであるが、パラメータによってその更新周期は異なる。例えば、地図DB33に格納されているリンク情報のみから生成できるリンク番号、リンク長、規制速度、伝播元リンクなどの予測リンク情報は、地図DB33の更新時期に応じて更新すればよく、通常は、1年に1〜2回程度である。
一方、自由走行速度や予測先時間別の各種パラメータ(切片、係数、伝播時間)などの予測パラメータ情報は、過去の交通情報に応じて生成されるべきものであるから、ある程度の更新頻度が必要であり、例えば1週間に1回か1ヶ月に1回程度の更新頻度にすればよい。したがって、予測リンク情報を生成した後に、予測パラメータ情報を生成する手順となる。
次に、予測リンク情報生成部331は、リンク情報に含まれるリンクの接続情報を用いて、予測対象リンクに1次的に接続しているリンク、および、さらに接続しているリンク(予測対象リンクのn次接続リンク(n≧2))などを伝播元リンクの候補として順次検索していく(ステップS81)。
前記判定の条件については、例えばリンク長が短くないこと(例えば100m以上)、本線道路であること(側道、ランプ、渡り線ではないこと)、予測対象リンクから所定距離以上離れていないこと、などのうち少なくとも一つ以上を満たすことが挙げられる。伝播元リンクを、さらに蓄積DB30を読み込んで交通情報が提供されているリンクに絞り込んでもよい。
予測リンク情報生成部331は、ステップS80で抽出された全ての予測対象リンクに関して前記した処理が終了しているか否かを判定し(ステップS84)、終了していれば(YES)、ステップS85の処理へ進み、終了していなければ終了するまで前記したステップS81〜ステップS83の処理を繰り返す。予測リンク情報生成部331は、ステップS84でYESと判定されると、予測リンク情報ファイルとして、予測対象リンクと伝播元リンクの対応関係、リンク長、規制速度などを類似度算出部332へ出力し、処理を終了する(ステップS85)。
類似度算出部332は、まず、予測パラメータ情報を生成するのに必要な各種情報を読み込む(ステップS90)。ここで読み込む情報は、予測リンク情報生成部331により生成される予測リンク情報ファイルと、蓄積DB30に格納されている過去の交通情報である。過去の交通情報に必要な日数としては、例えば、最近の1週間分程度でよいが、なるべく最新のデータを対象とした方が最新の伝播の傾向をより正確に捉えることができることに留意するとよい。
次に、類似度算出部332は、全ての伝播時間に関してステップS91の処理が終了したか否かを判定し(ステップS92)、終了した場合(YES)には予測パラメータ生成部333へ算出した類似度に関するデータを転送してステップS93の処理へ進み、終了していない場合(NO)には終了するまで伝播時間を変更してステップS91の処理を繰り返す。
次に、予測パラメータ生成部333は、ソートされた伝播時間を元に予測先時間kごとに最適な伝播時間を決定する(ステップS93)。例えば、最も類似度の高い伝播時間がτ1であったとする。ここで、予測先時間kが前記τ1以下の場合にはτ1を予測先時間kにおける当該伝播元リンクの伝播時間に決定する。しかし、予測先時間kが前記τ1よりも大きい場合には2番目に類似度の高い伝播時間τ2と比較し、予測先時間kがそれ以下になるような伝播時間が見つかるまで検索を続ける。以下、このようにして決定された伝播時間だけ過去にシフトさせた伝播元リンクの交通情報を単に伝播元リンクの交通情報という。
続いて、予測パラメータ生成部333は、予測先時間ごとに伝播元リンクの除外処理を行う(ステップS95)。この除外処理においては、決定された伝播元リンクの交通情報に関する類似度と予め設定される所定の閾値とを比較することにより、絶対的に類似性が低いと判定される伝播元リンクqを予測に用いる伝播元リンクから除外する。すなわち、予測パラメータである予測先時間kにおける伝播元リンクqの重み係数bq(k)をゼロに設定する。更に、伝播元リンク同士の相互相関係数を算出することにより、所定の閾値を超える伝播元リンクペアが見つかった場合には、そのうちの一方を同様に除外するようにしてもよい。これは後記する予測パラメータの算出(重回帰分析)の精度を向上するための一つの手段である。
予測パラメータ生成部333は、更に、前記したステップS91〜S96までの処理を全ての予測先時間について繰り返す(S97)。また、ステップS91〜ステップS97までの処理を全ての予測対象リンクについて繰り返す(ステップS98)。最後に、算出された予測パラメータを、予測パラメータ情報ファイル334に出力する(ステップS99)。
伝播元リンクの情報には、メッシュコード、リンク番号、リンク長、自由走行速度(交通が自由流である場合の旅行速度に相当する)が含まれる。また、予測対象リンク情報においては、さらに予測先時間#1〜#n毎の各種予測パラメータ(切片b0、係数b1〜bm、伝播時間τ1〜τm)が含まれている。ここで、予測先時間とは、予測対象とする未来の時間を意味し、例えば、5分後、10分後、…、180分後等を意味する。
次に、前記により生成された予測パラメータを用いた高速道路向け予測処理について、図3に示す交通状況予測部23(高速道路向け交通状況予測演算処理部233)の内部構成機能ブロック図、および図10に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
図10に示すフローチャートにおいて、高速道路向け交通状況予測演算処理部233は、前記した予測パラメータを読み込み、また、交通情報取得部231は、蓄積DB30から、現在から所定期間過去まで遡った期間の交通情報を読み込み、高速道路向け交通状況予測演算処理部233へ転送する(ステップS100)。ここで、予測パラメータは、過去の交通情報を元に事前に作成されるものであり、交通状況予測処理の際にはメモリ上に予測パラメータ情報ファイル334として展開され、予測パラメータ取得部335は、前記したメモリ(予測パラメータ情報ファイル334)を参照することにより、この予測パラメータを取得し、渋滞伝播型予測判定部336へ転送する。
具体的に、渋滞伝播型予測判定部336は、各伝播元リンクの伝播時間τに基づき、現在時刻tから伝播時間τだけ過去の時点(t−τ)における伝播元リンクの交通情報を参照し、ここで、全伝播元リンクの交通情報が存在することが確認された場合、予測可能(YES)と判定し、予測交通状況生成出力部337による渋滞伝播型予測処理(ステップS102)に進む。前記以外の場合には予測不可能(NO)と判定し、後記する一般道路向け予測処理(ステップS73)に進む。
ここで、予測交通状況生成出力部337は、各伝播元リンクの伝播時間τに基づき、現在時刻tから伝播時間τだけ過去の時点(t−τ)における伝播元リンクの交通情報を参照し、全伝播元リンクのうち旅行速度が自由走行速度よりも高速であるようなリンクが所定割合を超えた場合には、予測対象リンクの交通状況が変化しないと判定(NO)し、ステップS104の処理を実行する。一方、前記以外の場合には交通状況が必ずしも変化しないわけではない(つまり変化する)と判定(YES)し、ステップS103の処理を実行する。
予測処理においては、先に読み込んだ予測パラメータと過去の交通情報を用い、以下の演算式(1)によって、現在時刻tよりk時間未来の予測旅行速度V(t+k)を算出する。
一方、ステップS102の処理でNOと判定されると、予測交通状況生成出力部337は、交通状況が今後も現状の状態のまま維持される(変化しない)と予測し、予測先時間にかかわらず渋滞伝播型予測処理を実行することなく、現況旅行時間を予測旅行時間として設定する(ステップS104)。
前記した補正処理にあたり、予測旅行時間の重み係数をap、現況旅行時間の重み係数をar、統計旅行時間の重み係数をasとしたとき、図13に示されるように、予測先時間に応じて各重みの合計が1.0になるように予め定められ、予測交通状況補正処理部338が持つメモリテーブル(不図示)上に展開される。予測交通状況補正処理部338は、このメモリテーブルを参照し、各旅行時間を加重平均処理することにより、予測先時間ごとの予測旅行時間を補正する。
また、各旅行時間の重み係数をリンクや時間帯ごとにその精度特性に応じて機械的に決定してもよいが、このようにするとシステムが複雑になり、また交通情報センタ(コンピュータ14)から送られてくる交通情報に含まれるノイズ成分や事故などの突発事象の影響を受けて一時的に特異な重み係数になることが考えられる。このような事態を防ぐため、経験的または総合的に重み係数を決定するようにしてもよい。また、この補正ステップ自体を省略してもよい。
一方、渋滞情報生成出力部235は、予測DB32から読み込まれる予測旅行速度と、予め定められた渋滞度判定閾値とを比較することにより、予測旅行速度の渋滞度を決定する(ステップS106)。ここで、渋滞度は、例えば、渋滞なし(順調)、混雑(軽度の渋滞)、渋滞(重度の渋滞)の3レベルで表現される。そして、渋滞度判定閾値は、例えば、一般道路の場合には、予測旅行速度が10km/h未満の場合に渋滞、10km/h以上20km/h未満の場合に混雑、20km/h以上の場合に渋滞なしと設定され、同様に、高速道路の場合には、予測旅行速度が20km/h未満の場合に渋滞、20km/h以上40km/h未満の場合に混雑、40km/h以上の場合に渋滞なしと設定するようにすればよい。
高速道路向け交通状況予測演算処理部233は、最後に、全ての予測対象リンクに関して予測処理が終了しているかどうかを判定し(ステップS108)、終了していなければ残りの予測対象リンクについてステップS101〜ステップS107の処理を繰り返す。終了していれば高速道路向け交通状況予測演算処理を終了する。
次に、一般道路向け予測処理(図7、ステップS73)の詳細について、図3に示す交通状況予測部23(一般道路向け交通状況予測演算処理部234)の機能構成ブロック図、および、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
統計型予測判定部342は、読み込んだ過去の交通情報と統計交通情報とから統計型予測が実行可能か否かの判定を行う(ステップS111)。統計型予測判定部342は、読み込んだ過去の交通情報のうち所定割合以上が有効であり、かつ予測先時間の統計交通情報が有効であれば、統計型予測が可能である(YES)と判定してステップS112の処理へ進む。前記以外の場合には予測不可能(NO)と判定し、予測処理を実行することなくステップS117の処理へ進む。
乖離度Dは、予測時点tの近過去における交通状況が統計交通情報によって表される交通状況とどの程度類似しているか、あるいはかけ離れているかを定量的に表すもので、例えば次の演算式(2)によって定義される。
また、乖離度として、前記した演算式(2)の代わりに、以下に示す演算式(4)で表されるD'(t)で定義してもよい。
ステップS113の処理で乖離度が小である(YES)と判定された場合、予測交通状況生成出力部344は、乖離度小の統計型予測処理を実行する(ステップS114)。乖離度小の統計型予測処理においては、近過去においては統計交通情報が表す交通状況に近いため近未来においても統計交通情報に傾向は類似していると予測され、例えば、乖離度D(t)を用いた以下の演算式(5)によって現在時刻tからk時間未来の予測旅行速度V(t+k)を算出する。
乖離度大の統計型予測処理において、予測交通状況生成出力部344は、近過去においては統計交通情報が表す交通状況に近くないため直近の未来においては統計交通情報よりも現況交通情報に近く、より未来になると統計交通情報と傾向が類似すると予測する。この考えに基づき、予測交通状況生成出力部344は、以下の演算式(7)によって現在時刻tからk時間未来の予測旅行速度V(t+k)を算出する。
次に、高速道路向け予測処理と同様、渋滞情報生成出力部235は、ステップS114またはステップS115で算出された予測旅行速度と、予め定められた渋滞度判定閾値とを比較することにより、予測旅行速度の渋滞度を決定する。また、予測交通状況生成出力部344は、予測対象リンクのリンク長を予測旅行速度で除することにより予測旅行時間を算出して予測DB32に格納する(ステップS116)。
一般道路向け交通状況予測演算処理部234は、最後に、全ての予測対象リンクに関して予測処理が終了しているか否かを判定し(ステップS118)、終了していなければ残りの予測対象リンクについてステップS111〜ステップS117の処理を繰り返す。終了していれば一般道路向け予測処理を終了する。
次に、交通状況予測部23の渋滞情報生成出力部235が、高速道路向け交通状況予測演算処理部233、あるいは、一般道路向け交通状況予測演算処理部234により予測された交通情報を用い、予測先時間における渋滞の程度が現在に比べて悪化するか、緩和するか、あるいは変化しないことを表す渋滞傾向情報を生成し、車載装置13に送信し表示するときの動作について説明する。
前記した渋滞傾向情報生成処理は、交通状況予測部23で実行され、前記した交通状況予測処理結果を用い、以下の手順に従い生成され、出力される。
続いて、平滑処理が実施された現況旅行時間T、および予測旅行時間Tpを以下の演算式(8)に適用し、予測先時間k(1≦k≦n)に関する旅行時間変化率R(t+k)を算出する。
ここで生成された渋滞傾向情報は、車載装置13からの要求に応じて、予測情報配信部24、ネットワーク10、無線基地局11経由で配信される。
図18において、線分は、3レベル(渋滞、混雑、渋滞なし)に分けられる現況交通情報(渋滞度)を表し、アイコンは渋滞傾向情報を表している。また、図18中、符号60は、車載装置13の現在位置、符号61は現在時刻を示す。そして、符号62〜70は、それぞれ渋滞度と渋滞傾向情報を併用表示したものである。例えば、符号62は渋滞緩和傾向にある「渋滞」を表し、符号63は渋滞悪化傾向にある「渋滞」を表す。同様に、符号64、符号65、符号66、符号67のそれぞれは、渋滞緩和傾向にある「混雑」、渋滞悪化傾向にある「混雑」、渋滞緩和傾向にある「渋滞なし」、渋滞悪化傾向にある「渋滞なし」を表す。また、符号68〜符号70は、渋滞傾向情報のアイコンが表示されていないが、これは渋滞の度合が現在の状況と変化がない傾向を意味する。したがって、符号68、符号69、符号70は、それぞれ、変化がない「渋滞」、変化がない「混雑」、変化がない「渋滞なし」であることを示す。
このように、従来の予測交通情報に渋滞傾向情報を併用することによって、単なる3レベルの渋滞度から予測情報(渋滞傾向情報)を加味したより詳細な交通情報提供ができるようになる。例えば、経路前方のリンクが現時点において渋滞であった場合、ドライバは、その渋滞傾向が悪化するのか緩和するのかまでも知ることができる。渋滞傾向が悪化を示す場合には迂回行動の意思決定を、渋滞傾向が緩和を示す場合には経路変更せずに進むことの意思決定を、それぞれ従来に比べてしやすくなり、従って、利便性が向上する。
11 無線基地局
12 車両
13 車載装置
14 交通情報センタ(コンピュータ)
20 交通状況予測装置
21 データ・要求受信部
22 情報受信・蓄積部
23 交通状況予測部
24 予測情報配信部
25 経路探索部
30 蓄積DB
31 統計DB
32 予測DB
Claims (14)
- 少なくとも、記憶装置と、演算装置と、通信装置とで構成される交通状況予測装置により、現在および過去の交通情報を用いて未来の交通状況を予測する交通状況予測方法であって、
前記交通状況予測装置は、
前記通信装置を介して現在および過去の交通情報を外部から取り込む第1のステップと、
交通状況の伝播現象を用いた予測モデルを構成する予測パラメータであり、予測対象リンクごとに関連する一以上の伝播元リンクが対応付けられ、前記伝播元リンクごとに伝播時間と重み係数とから成る、交通状況の伝播現象を用いた予測モデルを構成する予測パラメータを生成し、前記記憶装置に格納する第2のステップと、
前記交通情報と、前記記憶装置から読み出される予測パラメータとを用いた前記予測モデルに基づき前記演算装置によって未来の交通状況を予測演算し、前記通信装置を介してその予測交通情報を出力する第3のステップと、
を有することを特徴とする交通状況予測方法。 - 前記第2のステップは、
リンク属性情報を含む地図データから前記予測対象リンクにn次接続しているリンク(n≧1)を検索し、前記検索されたリンクのうち、予測対象リンクから所定距離内にあるリンク、リンク長が所定長より長いリンク、リンク種別が本線であるリンク、交通情報が提供されているリンク、の少なくとも一つに該当するリンクを前記伝播元リンクとして設定するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交通状況予測方法。 - 前記第2のステップは、
前記予測対象リンクの交通情報と、前記伝播元リンクの交通情報をそれぞれに用意された伝播時間だけ過去にシフトさせた交通情報との間の類似度を算出し、類似度が最も高い伝播時間を前記伝播元リンクの伝播時間として決定し、前記予測対象リンクの交通情報と、前記選択された伝播時間に基づいて過去にシフトされた伝播元リンクの交通情報とを用い、前記各交通情報の誤差が最小となる前記重み係数を算出するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交通状況予測方法。 - 前記第3のステップは、
一以上ある前記伝播元リンクのうち、旅行速度が所定の自由走行速度よりも高速であると判定されたリンクの割合が所定値を超えると判定されたときに、現在の交通情報を予測交通情報とするステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交通状況予測方法。 - 前記第3のステップは、
一以上ある前記伝播元リンクのうち、旅行速度が所定の自由走行速度よりも高速であると判定されたリンクの割合が所定値以下であると判定されたときに、前記交通情報と前記予測パラメータとを用い、現在から予測対象時刻までの時間幅を示す予想先時間における予想旅行速度を求め、前記予想対象リンクに含まれるリンク長を前記予想旅行速度で除算して予想旅行時間を算出するステップと、
前記予測パラメータに含まれる重み係数と、前記予測先時間に応じて決定される、過去の交通情報が統計処理された統計情報と現在の交通情報の各重み係数のそれぞれによって算出される各旅行時間を加重平均処理し、予測先時間ごとの前記予想旅行時間を補正するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の交通情報予測方法。 - 少なくとも、記憶装置と、演算装置と、通信装置とで構成される交通状況予測装置を用い、現在および過去の交通情報を用いて未来の交通状況を予測する交通状況予測方法であって、
前記交通状況予測装置は、
前記通信装置を介して外部から現在および過去の交通情報を取り込み、かつ、前記過去の交通情報を統計処理して得られる統計交通情報を取り込む第1のステップと、
現在および過去の交通情報と前記統計交通情報との類似性を定量的に示す乖離度を算出する第2のステップと、
前記乖離度と前記統計交通情報とを用い、前記演算装置によって未来の交通状況を予測演算し、その結果生成される予測交通情報を、前記通信装置を介して出力する第3のステップと、
を有することを特徴とする交通状況予測方法。 - 前記第3のステップは、
前記乖離度を閾値と比較して小と判定されたとき、現在から予測対象時刻までの時間幅を示す予測先時間に応じて補正される前記乖離度と前記統計交通情報との演算によって未来の交通状況を予測するステップと、
前記乖離度を閾値と比較して大と判定されたとき、前記予測先時間に応じて決定される前記統計交通情報と現在の交通情報の各重み係数と、前記統計交通情報と現在の交通情報との演算によって未来の交通状況を予測するステップと、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の交通状況予測方法。 - 少なくとも、記憶装置と、演算装置と、通信装置とで構成される交通状況予測装置を用い、現在および過去の交通情報を用いて未来の交通状況を予測する交通状況予測方法であって、
前記交通状況予測装置は、
前記通信装置を介して外部から現在及び過去の交通情報を取り込む交通情報取得ステップと、
交通状況の伝播現象を用いた予測モデルを構成する予測パラメータであり、予測対象リンクごとに関連する一以上の伝播元リンクが対応付けられ、前記伝播元リンクごとに伝播時間と重み係数とから成る、交通状況の伝播現象を用いた予測モデルを構成する予測パラメータを生成し、前記交通情報と、前記記憶装置から読み出される予測パラメータとを用いた前記予測モデルに基づき未来の交通状況を予測演算して出力する高速道向け交通状況予測演算処理ステップと、
前記過去の交通情報を統計処理して得られる統計交通情報を取り込み、現在および過去の交通情報と前記統計交通情報との類似性を定量的に示す乖離度を算出し、前記乖離度と前記統計交通情報とを用い未来の交通状況を予測演算して出力する一般道路向け交通状況予測演算処理ステップと、
前記現在の交通情報に含まれる情報源およびリンク区分に関する情報を参照し、前記リンク区分が、高速道路、有料道路、自動車専用道路のいずれかに該当する場合に前記高速道向け交通状況予測演算処理ステップを実行させ、いずれにも該当しない場合、前記一般道向け交通状況予測演算処理ステップを実行させる予測演算処理選択ステップと、
を有することを特徴とする交通状況予測方法。 - 現在の交通情報と前記予測演算した交通状況とを用い、現在から予測対象時刻までの時間幅を示す各予測先時間における渋滞の程度を現在と比較して変化率として定量化し、前記変化率と閾値とを比較してあらかじめ定義された渋滞傾向情報を選択出力する渋滞傾向情報生成ステップと、
を更に有することを特徴とする請求項1、請求項6、または、請求項8のいずれか1項に記載の交通状況予測方法。 - 現在および過去の交通情報を用いて未来の交通状況を予測する交通状況予測装置であって、
前記現在および過去の交通情報を取り込む交通情報取得部と、
予測対象リンクごとに関連する一以上の伝播元リンクが対応付けられ、前記伝播元リンクごとに伝播時間と重み係数とから成る、交通状況の伝播現象を用いた予測モデルを構成する予測パラメータを生成する予測パラメータ生成部と、
前記交通情報と、前記予測パラメータとを用いた前記予測モデルに基づき未来の交通状況を予測演算し、その予測交通状況を出力する予測交通状況生成出力部と、
を備えたことを特徴とする交通状況予測装置。 - 現在および過去の交通情報を用いて未来の交通状況を予測する交通状況予測装置であって、
前記現在および過去の交通情報を取り込み、更に、前記過去の交通情報を統計処理して得られる統計交通情報を取り込む交通情報取得部と、
現在および過去の交通情報と前記統計交通情報との類似性を定量的に示す乖離度を算出する乖離度算出部と、
前記乖離度と前記統計交通情報とを用いて未来の交通状況を予測演算し、その予測交通状況を出力する予測交通状況生成出力部と、
を備えたことを特徴とする交通状況予測装置。 - 現在および過去の交通情報を用いて未来の交通状況を予測する交通状況予測装置であって、
前記現在及び過去の交通情報を取り込む交通情報取得部と、
予測対象リンクごとに関連する一以上の伝播元リンクが対応付けられ、前記伝播元リンクごとに伝播時間と重み係数とから成る、交通状況の伝播現象を用いた予測モデルを構成する予測パラメータを生成し、前記交通情報と前記予測パラメータとを用いた前記予測モデルに基づき未来の交通状況を予測演算し、その予測交通状況を出力する、高速道路向け交通状況予測演算処理部と、
前記過去の交通情報を統計処理して得られる統計交通情報を取り込み、現在および過去の交通情報と前記統計交通情報との類似性を定量的に示す乖離度を算出し、前記乖離度と前記統計交通情報とを用いて未来の交通状況を予測演算する一般道路向け交通状況予測演算処理部と、
前記現在の交通情報に含まれる情報源およびリンク区分に関する情報を参照し、前記リンク区分が、高速道路、有料道路、自動車専用道路のいずれかに該当する場合に前記高速道路向け交通状況予測演算処理部による予測演算処理を実行させ、いずれにも該当しない場合、前記一般道路向け交通状況予測演算処理部による予測演算処理を実行させる予測演算選択処理部と、
を備えたことを特徴とする交通状況予測装置。 - 現在の交通情報と前記予測演算した交通状況とを用い、現在から予測対象時刻までの時間幅を示す各予測先時間における渋滞の程度を現在と比較して変化率として定量化し、前記変化率と閾値とを比較してあらかじめ定義された渋滞傾向情報を選択出力する渋滞情報生成出力部、
を更に備えたことを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の交通状況予測装置。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の交通状況予測方法を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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