以下に、本願の開示する通信品質測定装置及び通信品質測定方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により開示技術が限定されるものではない。
図1は、実施例1に係る通信品質測定装置を含む通信システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、通信システム1は、コアネットワーク10と、基地局20−1,20−2と、移動局30−1〜30−3と、位置情報測定装置40と、通信品質測定装置100とを有する。基地局20−1,20−2は、上位のネットワークであるコアネットワーク10と有線接続されている。移動局30−1〜30−3は、各基地局20−1,20−2との間で双方向の無線通信を行う。また、位置情報測定装置40は、上位のネットワークであるコアネットワーク10と有線接続されている。位置情報測定装置40は、コアネットワーク10及び基地局20−1,20−2を介して移動局30−1〜30−3の位置情報をGPS機能を用いて測定する。通信品質測定装置100は、基地局20−1,20−2及び位置情報測定装置40と有線接続されている。
通信品質測定装置100は、基地局20−1,20−2から基地局20−1,20−2と移動局30−1〜30−3との無線通信(以下適宜「無線通信」という)の通信品質を算出するための情報を収集する。そして、通信品質測定装置100は、収集した情報を用いて無線通信の通信品質を算出する。無線通信の通信品質は、例えば、無線通信によって送受信されるデータの通信速度又は該データの通信量である。無線通信の通信品質は、通信品質測定装置100に記憶される。
一方、通信品質測定装置100は、位置情報測定装置40から各移動局30−1〜30−3の位置情報を収集する。そして、通信品質測定装置100は、収集した位置情報を用いて移動局30−1〜30−3の位置する領域を特定する。各移動局30−1〜30−3の位置する領域は、通信品質測定装置100に記憶される。
そして、通信品質測定装置100は、各移動局30−1〜30−3の位置する領域ごとに通信品質を関連付ける。各移動局30−1〜30−3の位置する領域ごとに関連付けられた通信品質は、通信品質測定装置100に記憶される。
次に、実施例1に係る通信品質測定装置の構成について説明する。図2は、実施例1に係る通信品質測定装置の一例を示すブロック図である。図2に示すように、通信品質測定装置100は、基地局通信I/F(InterFace)部110と、位置情報測定装置通信I/F部120と、記憶部130と、制御部140とを有する。
基地局通信I/F部110は、基地局20との間でデータや信号の送受信を行うための通信インタフェースである。例えば、基地局通信I/F部110は、基地局20から無線通信の通信品質を算出するための情報を受信する。
位置情報測定装置通信I/F部120は、位置情報測定装置40との間でデータや信号の送受信を行うための通信インタフェースである。例えば、位置情報測定装置通信I/F部120は、位置情報測定装置40から移動局30の位置情報を受信する。
記憶部130は、制御部140による各種処理の実行に用いられるデータやプログラム等を格納する。記憶部130は、メモリやハードディスクなどの記憶装置である。記憶部130は、通信品質管理部131、地図データ管理部132、移動局領域管理部133及び通信品質分布管理部134を有する。
通信品質管理部131は、移動局と基地局との無線通信の通信品質を記憶する。図3は、実施例1における通信品質管理部の一例を示す図である。図3に示すように、通信品質管理部131は、移動局識別子、測定時刻、通信速度及び最大通信速度を対応付けて記憶する。移動局識別子は、移動局を識別する識別子である。測定時刻は、移動局と基地局との無線通信の通信品質が測定(算出)された時刻である。通信速度は、移動局と基地局との無線通信によって送受信されるデータの通信速度である。通信速度は、無線通信の通信品質の一例である。最大通信速度は、移動局と基地局との無線通信によって送受信されるデータの通信速度の理論上の最大値である。最大通信速度は、通信品質管理部131に予め格納されている。
例えば、図3の1行目は、移動局識別子が「aaa」である移動局と基地局との無線通信の通信速度が、時刻「12:05:36」において、理論上の最大値「1.5」Mbpsよりも低い「300」kbpsであることを示す。
地図データ管理部132は、地図上の複数の地域の緯度及び経度を含む地図データを記憶する。図4は、実施例1における地図データ管理部の一例を示す図である。図4に示すように、地図データ管理部132は、エリア番号、緯度及び経度を対応付けて地図データとして記憶する。エリア番号は、地図を区分して得られた複数の地域それぞれを識別する識別子である。緯度は、エリア番号によって識別される地域の緯度の範囲を示す。経度は、エリア番号によって識別される地域の経度の範囲を示す。
例えば、図4の1行目は、エリア番号が「A1」である地域の緯度の範囲が「35.730541xx〜35.730641xx」であり、同地域の経度の範囲が「139.712941yy〜139.713041yy」であることを示す。
移動局領域管理部133は、移動局の位置する領域である移動局領域に関する情報を記憶する。図5は、実施例1における移動局領域管理部の一例を示す図である。図5に示すように、移動局領域管理部133は、移動局識別子、測定時刻、緯度、経度及びエリア番号を対応付けて記憶する。移動局識別子は、移動局を識別する識別子である。測定時刻は、位置情報測定装置40が移動局の位置情報を測定した時刻である。緯度は、移動局の位置情報としての緯度である。経度は、移動局の位置情報としての経度である。エリア番号は、移動局領域を識別する識別子であり、図3に示したエリア番号に対応する。
例えば、図5の1行目は、移動局識別子が「aaa」である移動局が、時刻「12:21:33」において、緯度が「35.730645xx」であり、かつ、経度が「139.712945yy」である位置に存在し、移動局領域がエリア番号「A4」の地域であることを示す。
通信品質分布管理部134は、移動局領域に関連付けられた通信品質を通信品質分布として記憶する。図6は、実施例1における通信品質分布管理部の一例を示す図である。図6に示すように、通信品質分布管理部134は、エリア番号、測定時刻、通信速度及びサンプル数を対応付けて記憶する。エリア番号は、移動局領域を識別する識別子であり、図5に示したエリア番号に対応する。測定時刻は、移動局と基地局との無線通信の通信品質が測定(算出)された時刻である。通信速度は、移動局と基地局との無線通信によって送受信されるデータの通信速度又は通信速度の平均値である。サンプル数は、通信速度の平均値を求める際に用いられる通信速度のサンプル数である。
例えば、図6の1行目は、エリア番号が「A1」である地域の通信速度又は通信速度の平均値が、時刻「12:27:22」において、「650」kbpsであることを示す。
制御部140は、通信品質測定装置100を制御する制御部である。制御部140は、CPU(Central Processing Unit)及び該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現される。或いは、制御部140は、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて実現しても良い。制御部140は、通信品質算出部141、移動局領域特定部142、関連付け部143、通信品質表示部144及び通信品質送信部145を有する。
通信品質算出部141は、基地局通信I/F部110を介して基地局20から無線通信の通信品質を算出するための情報(以下適宜「通信品質算出用情報」という)を収集する。具体的には、通信品質算出部141は、図7に示すように、基地局により終端されるRLC(Radio Link Control)レイヤを監視し、通信品質算出用情報を所定の測定時間の間にRLCレイヤから収集する。通信品質算出用情報は、例えば、移動局の識別子、理論上送信可能なTB(Transport Block)数、再送TB数を含む実際のTB数、及びACK応答を受信したRLC PDU(Protocol Data Unit)中のU−Planeの総データ量等である。なお、図7は、通信品質算出部による処理の一例を説明するための説明図である。
通信品質算出部141は、基地局20から収集した通信品質算出用情報を用いて無線通信の通信品質を算出する。本実施例では、通信品質算出部141は、無線通信の通信品質として、無線通信によって送受信されるデータの通信速度を算出する。ここで、所定の測定時間「T」secの間に基地局20のRLCレイヤから収集された理論上送信可能なTB数が「X」であり、再送TB数を含む実際のTB数が「Y」であるものとする。また、ACK応答を受信したRLC PDU(Protocol Data Unit)中のU−Planeの総データ量が「M」byteであるものとする。X=Yが成立する場合には、通信品質算出部141は、U−Planeのデータが有効であると判断する。すなわち、U−Planeの無線リソースに空きが存在せず、全ての無線リソースが使用されている場合に、通信品質算出部141は、U−Planeのデータが有効であると判断する。一方、X>Yが成立する場合には、通信品質算出部141は、U−Planeのデータが無効であると判断する。これは、X>Yが成立する場合には、U−Planeの無線リソースに空きが存在するため、かかるU−Planeのデータは通信品質の算出対象から除外されるのが適当であるからである。そして、通信品質算出部141は、有効であると判断されたU−Planeの総データ量と所定の測定時間とを基にして上記通信速度を算出する。通信速度は、以下の式(1)を用いて算出される。そして、通信品質算出部141は、算出した通信速度と現時刻とを移動局の識別子ごとに通信品質管理部131に格納する。
S=M/T ・・・ (1)
ただし、
S:通信速度(bps)
M:U−Planeの総データ量(bit)
T:所定の測定時間(sec)
移動局領域特定部142は、位置情報測定装置通信I/F部120を介して位置情報測定装置40から移動局30の位置情報を収集する。具体的には、移動局領域特定部142は、移動局30の位置情報としての緯度及び経度を、移動局30の識別子及び位置情報の測定時刻とともに位置情報測定装置40から収集する。そして、移動局領域特定部142は、収集した移動局30の緯度及び経度と位置情報の測定時刻とを移動局30の識別子ごとに移動局領域管理部133に格納する。
移動局領域特定部142は、収集した移動局30の位置情報を用いて移動局領域を特定する。具体的には、移動局領域特定部142は、収集した移動局30の位置情報を地図データ管理部132に通知する。そして、移動局領域特定部142は、移動局30の位置情報としての緯度及び経度を含む地域のエリア番号の応答を地図データ管理部132から受け付ける。そして、移動局領域特定部142は、移動局30の位置情報と地域のエリア番号とを対応付けて移動局領域管理部133に格納することによって、移動局領域を特定する。
ここで、移動局領域特定部142が移動局領域を特定する処理の一例を説明する。例えば、移動局30の位置情報としての緯度が「35.730645xx」であり、経度が「139.712945yy」であるものとする。また、地図データ管理部132において、エリア番号「A4」に対応付けて緯度の範囲「35.730641xx〜35.730741xx」と経度の範囲「139.712941yy〜139.713041yy」とが記憶されているものとする。この場合、移動局領域特定部142は、移動局30の位置情報としての緯度及び経度を含む地域のエリア番号「A4」の応答を地図データ管理部132から受け付ける。続いて、移動局領域特定部142は、移動局30の位置情報としての緯度及び経度と、地域のエリア番号「A4」とを対応付けて移動局領域管理部133に格納することによって、エリア番号が「A4」である地域を移動局領域として特定する。
また、移動局領域特定部142は、地図上の複数の地域の中から測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を含む地域を移動局領域として特定する。具体的には、移動局領域特定部142は、移動局領域管理部133を参照して、移動局識別子が同一となるエントリにおいて測定時刻が連続する同一のエリア番号を検出した場合に、同エリア番号に対応する地域を移動局領域として特定する。そして、移動局領域特定部142は、測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を含む地域が移動局領域として特定された場合に、その旨を関連付け部143に通知する。
関連付け部143は、移動局領域特定部142によって特定された移動局領域ごとに通信品質算出部141によって算出された通信品質を関連付ける。具体的には、関連付け部143は、測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を含む地域が移動局領域として特定された旨の通知を移動局領域特定部142から受け付けると、この通知を契機として、同地域の識別子に通信品質を関連付ける。そして、関連付け部143は、移動局領域(すなわち、地域の識別子)に関連付けられた通信品質を通信品質分布として通信品質分布管理部134に格納する。
ここで、移動局領域特定部142及び関連付け部143による関連付け処理の一例を説明する。図8は、実施例1における関連付け処理の一例を説明するための図である。図8において、上の図は、図5で示した移動局領域管理部133であり、下の図は、図3で示した通信品質管理部131である。図8の上の図に示すように、移動局領域特定部142は、移動局領域管理部133を参照して、移動局識別子が「aaa」となるエントリにおいて、測定時刻が連続する同一のエリア番号「A1」を検出する。この場合、移動局領域特定部142は、エリア番号「A1」に対応する地域を移動局領域として特定する。このため、移動局領域特定部142は、測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を含む地域、すなわち、エリア番号「A1」に対応する地域が移動局領域として特定された旨を関連付け部143に通知する。
一方、関連付け部143は、エリア番号「A1」に対応する地域が移動局領域として特定された旨の通知を移動局領域特定部142から受け付けたことを契機として、以下の処理を行う。すなわち、関連付け部143は、図8の上の図に示すように、移動局領域管理部133を参照して、エリア番号「A1」と、エリア番号「A1」に対応する移動局識別子「aaa」及び連続する測定時刻「12:26:23」,「12:28:35」とを取得する。続いて、関連付け部143は、図8の下の図に示すように、通信品質管理部131を参照して、移動局領域管理部133から取得した移動局識別子「aaa」と合致するエントリを検索する。関連付け部143は、検索されたエントリのうち測定時刻が「12:26:23」〜「12:28:35」の間に存在するエントリを特定する。関連付け部143は、特定したエントリの通信速度「650」kbpsを通信品質管理部131から取得し、取得した通信速度「650」kbpsをエリア番号「A1」に関連付けて通信品質分布管理部134に格納する。さらに、関連付け部143は、特定したエントリの測定時刻「12:27:22」をエリア番号「A1」に関連付けて通信品質分布管理部134に格納し、サンプル数をインクリメントする。
なお、関連付け部143は、移動局領域に通信品質(通信速度)が既に関連付けられている場合、すなわち、通信品質分布管理部134のサンプル数が0以外である場合には、以下の処理を行う。すなわち、関連付け部143は、通信速度の平均値を算出し、算出した通信速度の平均値を通信品質分布管理部134の通信速度に格納する。通信速度の平均値は、以下の式(2)を用いて算出される。
S1=((Sa×N)+Snew)/(N+1) ・・・ (2)
ただし、
S1:通信速度の平均値(bps)
Sa:前回算出された通信速度の平均値(bps)
N:サンプル数(N>0)
Snew:通信品質管理部131から今回抽出された通信速度(bps)
図2の説明に戻る。通信品質表示部144は、通信品質分布管理部134に格納された情報に基づいて、所定の表示部に対する表示画面を生成する。具体的には、通信品質表示部144は、複数の移動局領域に対応する地図上の複数の地域に、関連付け部143によって移動局領域ごとに関連付けられた通信品質を表示する表示画面を生成する。図9は、実施例1における通信品質表示部によって生成された表示画面の一例を示す図である。
例えば、通信品質表示部144は、図6に示した通信品質分布管理部134に格納された情報に基づいて、図9に示すような表示画面を生成する。すなわち、通信品質表示部144は、複数の移動局領域「A1」〜「A9」に対応する地図上の複数の地域に、関連付け部143によって移動局領域ごとに関連付けられた通信品質を表示する表示画面を生成する。例えば、通信品質分布管理部134は、移動局領域「A1」に対応する地図上の地域に、移動局領域「A1」に関連付けられた通信品質としての通信速度「650」kbpsを表示する表示画面を生成する。また、例えば、通信品質分布管理部134は、移動局領域「A2」に対応する地図上の地域に、移動局領域「A2」に関連付けられた通信品質としての通信速度「300」kbpsを表示する表示画面を生成する。
通信品質送信部145は、関連付け部143によって移動局領域ごとに関連付けられた通信品質を外部装置に送信する。具体的には、通信品質送信部145は、通信品質分布管理部134に記憶された通信品質分布、すなわち、エリア番号、測定時刻、通信速度及びサンプル数の組みを通信品質として外部装置に送信する。なお、外部装置は、例えば、基地局20や移動局30等の通信システム1に含まれる各種の装置である。
次に、実施例1に係る通信品質測定装置を含む通信システムの動作を説明する。図10は、実施例1に係る通信品質測定装置を含む通信システムの動作(通信品質算出時)を説明するためのシーケンス図である。
図10に示すように、基地局20と移動局30との無線通信が実行されている際に(ステップS101)、通信品質測定装置100の通信品質算出部141は、基地局20から通信品質算出用情報を収集する(ステップS102)。
通信品質算出部141は、基地局20から収集した通信品質算出用情報を用いて無線通信の通信品質を算出する(ステップS103)。本実施例では、通信品質算出部141は、無線通信の通信品質として、無線通信によって送受信されるデータの通信速度を算出する。
通信品質算出部141は、算出した通信速度を現時刻及び移動局の識別子とともに通信品質管理部131に格納する(ステップS104)。
図11は、実施例1に係る通信品質測定装置を含む通信システムの動作(移動局領域特定時)を説明するためのシーケンス図である。
図11に示すように、通信品質測定装置100の移動局領域特定部142は、位置情報測定装置40から移動局30の位置情報を収集する(ステップS111)。移動局領域特定部142は、収集した移動局30の位置情報を地図データ管理部132に通知する(ステップS112)。
地図データ管理部132は、移動局領域特定部142から通知された移動局30の位置情報としての緯度及び経度を含む地域を探索する(ステップS113)。地図データ管理部132は、移動局30の位置情報としての緯度及び経度を含む地域が探索された場合に、同地域のエリア番号を移動局領域特定部142に応答する(ステップS114)。
移動局領域特定部142は、移動局30の位置情報としての緯度及び経度を含む地域のエリア番号の応答を地図データ管理部132から受け付ける。移動局領域特定部142は、移動局30の位置情報とエリア番号とを対応付けて移動局領域管理部133に格納することによって、移動局領域を特定する(ステップS115)。
図12は、実施例1に係る通信品質測定装置を含む通信システムの動作(関連付け処理時)を説明するためのシーケンス図である。
図12に示すように、通信品質測定装置100の移動局領域特定部142は、測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を含む地域を移動局領域として特定する(ステップS121)。測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を含む地域が移動局領域として特定されると、移動局領域特定部142は、同地域が移動局領域として特定された旨を関連付け部143に通知する(ステップS122)。
関連付け部143は、測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を含む地域が移動局領域として特定された旨の通知を移動局領域特定部142から受け付ける。関連付け部143は、受け付けた通知を契機として、以下の処理を行う。すなわち、関連付け部143は、移動局領域管理部133を参照して、測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を含む地域のエリア番号と、該エリア番号に対応する移動局識別子及び連続する測定時刻とを取得する(ステップS123)。
続いて、関連付け部143は、通信品質管理部131から通信速度を取得する(ステップS124)。すなわち、関連付け部143は、通信品質管理部131を参照して、取得した移動局識別子と合致するエントリを検索し、検索されたエントリのうち測定時刻が連続する測定時刻の間に存在するエントリを特定する。関連付け部143は、特定したエントリの通信速度を通信品質管理部131から取得する。
続いて、関連付け部143は、通信品質管理部131から取得した通信速度をステップS123にて取得したエリア番号に関連付けて通信品質分布管理部134に格納する(ステップS125)。
以上のように実施例1によれば、通信品質測定装置100において、通信品質算出部141は、移動局30との無線通信を行う基地局20から通信品質算出用情報を収集し、収集した通信品質算出用情報を用いて通信品質を算出する。移動局領域特定部142は、位置情報測定装置40から移動局30の位置情報を収集し、収集した位置情報を用いて移動局30の位置する移動局領域を特定する。関連付け部143は、移動局領域ごとに通信品質を関連付ける。これにより、通信品質を測定するための処理負荷を移動局側に負わせることを回避するとともに、無線通信の状態に応じた動的な通信品質の算出を行うことができる。結果として、移動局の処理負荷の増大を回避しつつ移動局の位置する領域ごとの通信品質を高精度に測定することが可能となる。
次に、実施例2について説明する。実施例2に係る通信システムの構成は、図1に示した実施例1における通信システムの構成と同様である。図13は、実施例2に係る通信品質測定装置の一例を示すブロック図である。図13に示すように、実施例2では、実施例1と共通する構成要素には、同一の参照符号を用いると共に、その詳細な説明は省略する。実施例2が実施例1と異なる点は、関連付け処理の処理内容及び通信品質の表示手法である。具体的には、実施例1では、地図上の複数の地域の識別子に通信品質を関連付け、地図上の複数の地域ごとに通信品質を表示するものとした。これに対して、実施例2では、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域の識別子に通信品質を関連付け、図形領域ごとに通信品質を表示する。
図13に示すように、通信品質測定装置200は、図2に示した記憶部130及び制御部140に代えて、記憶部230及び制御部240を有する。記憶部230は、通信品質管理部231、地図データ管理部132、移動局領域管理部233及び通信品質分布管理部234を有する。
通信品質管理部231は、移動局と基地局との無線通信の通信品質を記憶する。図14は、実施例2における通信品質管理部の一例を示す図である。図14に示すように、通信品質管理部231は、移動局識別子、測定時刻及び通信量を対応付けて記憶する。移動局識別子は、移動局を識別する識別子である。測定時刻は、移動局と基地局との無線通信の通信品質が測定(算出)された時刻である。通信量は、移動局と基地局との無線通信によって送受信されるデータの通信量である。通信量は、無線通信の通信品質の一例である。
例えば、図14の1行目は、移動局識別子が「aaa」である移動局と基地局との無線通信の通信量が、時刻「12:05:36」において、「3」kbyteであることを示す。
移動局領域管理部233は、移動局の位置する領域である移動局領域に関する情報を記憶する。図15は、実施例2における移動局領域管理部の一例を示す図である。図15に示すように、移動局領域管理部233は、移動局識別子、測定時刻、緯度、経度、移動範囲識別子及び図形領域識別子を対応付けて記憶する。移動局識別子は、移動局を識別する識別子である。測定時刻は、位置情報測定装置40が移動局の位置情報を測定した時刻である。緯度は、移動局の位置情報としての緯度である。経度は、移動局の位置情報としての経度である。
移動範囲識別子は、移動局が始点となる地点から終点となる他の地点へ移動した場合の移動局の移動範囲を識別するための識別子である。ある地点の位置が移動局の移動範囲の始点位置となる場合には、移動範囲識別子にSx(xは1以上の整数)が設定される。一方、ある地点の位置が移動局の移動範囲の終点位置となる場合には、移動範囲識別子にEx(xは1以上の整数)が設定される。一組のSx及びExは、移動局の1つの移動範囲に相当する。
図形領域識別子は、移動範囲識別子によって識別される移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域を識別するための識別子である。図形領域は、移動局領域の一例である。なお、図形領域の詳細については、後に説明する。
例えば、図15の1行目及び2行目は、移動局識別子が「aaa」である移動局が、始点位置「S1」から終点位置「E1」へ移動した場合に、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域が「P」であることを示す。
通信品質分布管理部234は、移動局領域に関連付けられた通信品質を通信品質分布として記憶する。図16は、実施例2における通信品質分布管理部の一例を示す図である。図16に示すように、通信品質分布管理部234は、移動局識別子、測定時刻、緯度、経度、移動範囲識別子、図形領域識別子、通信量及び通信量密度を対応付けて記憶する。このうち、移動局識別子、測定時刻、緯度、経度、移動範囲識別子及び図形領域識別子は、図15に示した移動局識別子、測定時刻、緯度、経度、移動範囲識別子及び図形領域識別子にそれぞれ対応する。
通信量は、移動局が移動範囲の始点位置から終点位置まで移動するまでの期間に、移動局と基地局との無線通信によって送受信されるデータの通信量である。通信量密度は、図形領域の単位面積当たりの通信量を示す。通信量密度は、通信品質密度の一例である。
例えば、図16の1行目及び2行目は、移動局の移動範囲の始点位置「S1」及び終点位置「E1」を含む図形領域「P」の通信量が、移動局「aaa」が始点位置から終点位置まで移動する期間において、「3.5」kbyteであることを示す。また、図16の1行目及び2行目は、移動局の移動範囲の始点位置「S1」及び終点位置「E1」を含む図形領域「P」の通信量密度が、移動局「aaa」が始点位置から終点位置まで移動する期間において、「5000」kbyte/m2であることを示す。
制御部240は、通信品質算出部241、移動局領域特定部242、関連付け部243、通信品質表示部244及び通信品質送信部145を有する。
通信品質算出部241は、基地局通信I/F部110を介して基地局20から通信品質算出用情報を収集する。具体的には、通信品質算出部241は、基地局により終端されるRLCレイヤを監視し、通信品質算出用情報を所定の測定時間の間にRLCレイヤから収集する。通信品質算出用情報は、例えば、移動局の識別子、ACK応答を受信したRLC PDU(Protocol Data Unit)中のU−Planeの総データ量等である。
通信品質算出部241は、基地局20から収集した通信品質算出用情報を用いて無線通信の通信品質を算出する。本実施例では、通信品質算出部241は、無線通信の通信品質として、無線通信によって送受信されるデータの通信量を算出する。ここで、所定の測定時間「T」secの間に基地局20のRLCレイヤから収集されたU−Planeの総データ量が「M」byteであるものとする。通信品質算出部241は、測定時間「T」secが経過した時刻におけるU−Planeの総データ量を通信量として算出する。通信品質算出部241は、算出した通信量と現時刻とを移動局の識別子ごとに通信品質管理部231に格納する。
移動局領域特定部242は、位置情報測定装置通信I/F部120を介して位置情報測定装置40から移動局30の位置情報を収集する。具体的には、移動局領域特定部242は、移動局30の位置情報としての緯度及び経度を、移動局30の識別子予備位置情報の測定時刻とともに位置情報測定装置40から収集する。そして、移動局領域特定部242は、収集した移動局30の緯度及び経度と位置情報の測定時刻とを移動局30の識別子ごとに移動局領域管理部233に格納する。
移動局領域特定部242は、収集した移動局30の位置情報を用いて移動局領域を特定する。具体的には、移動局領域特定部242は、移動局30の位置情報を移動局の移動範囲の始点位置として移動局領域管理部233に格納する。例えば、移動局領域特定部242は、移動局領域管理部233において、移動局30の位置情報としての緯度及び経度に対応する移動範囲識別子に始点位置を示す「Sx」を設定する。その後、移動局領域特定部242は、移動局30の位置情報を再度収集した場合には、移動局30の位置情報を移動局の移動範囲の終点位置として移動局領域管理部233に格納する。例えば、移動局領域特定部242は、移動局領域管理部233において、移動局30の位置情報としての緯度及び経度に対応する移動範囲識別子に終点位置を示す「Ex」を設定する。続いて、移動局領域特定部242は、測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置として含む図形領域を生成し、生成した図形領域を移動局領域として特定する。移動局領域特定部242は、特定した図形領域の識別子を移動局領域管理部233に格納する。
ここで、移動局領域特定部242によって生成される図形領域の詳細について説明する。移動局領域特定部242によって生成される図形領域(以下単に「図形領域」という)は、移動局の行動範囲を可視化するための図形領域である。図形領域は、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む領域であれば如何なる図形領域であってもよい。例えば、図形領域は、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を互いに対向する二辺の中点位置として含む長方形領域である。また、例えば、図形領域は、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を長軸の両端位置として含む楕円領域である。以下では、図形領域が移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を互いに対向する二辺の中点位置として含む長方形領域であるものとする。移動局領域特定部242は、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置と、テンプレートとなる図形領域である基準図形領域とに基づいて、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域を生成する。
以下、図形領域の生成処理の一例について説明する。まず、移動局領域特定部242は、基準図形領域の面積を算出する。基本図形領域の一例を図17に示す。基準図形領域は、移動局の移動範囲の始点位置「Sx」及び終点位置「Ex」を互いに対向する二辺の中点位置として含む長方形領域である。すなわち、基準図形領域は、移動局の使用者が歩く速度を67(m/min)とし、移動局の所有者が歩いた時間をt(min)とし、移動局の所有者が歩いた道幅を10(m)とした場合の移動局の移動範囲を可視化することによって得られる長方形領域である。かかる基準図形領域の面積は、以下の式(3)を用いて算出される。
Sbasic=67×t×10 ・・・ (3)
ただし、
Sbasic:基準図形領域の面積(m2)
t:始点位置「Sx」の位置情報の測定時刻と終点位置「Ex」の位置情報の測定時刻との差に相当する時間(min)
続いて、移動局領域特定部242は、始点位置「Sx」と終点位置「Ex」との距離を算出する。始点位置「Sx」の(緯度,経度)を(Xs,Ys)とし、終点位置「Ex」の(緯度,経度)を(Xe,Ye)とすると、緯度の差idosa及び経度の差keidosaは、それぞれ以下の式(4)及び式(5)により表される。
idosa=(π/180)×(Xe−Xs) ・・・ (4)
keidosa=(π/180)×(Ye−Ys) ・・・ (5)
ただし、Xs、Ys、Xe及びYeは、10進法を用いて変換された値である。
始点位置「Sx」と終点位置「Ex」との南北方向の距離dns、及び東西方向の距離dewは、それぞれ以下の式(6)及び式(7)により表される。
dns=r×idosa ・・・ (6)
dew=r×keidosa×cos((π/180)×Xe) ・・・ (7)
式(6)から得られたdnsと、式(7)から得られたdewとを用いて、始点位置「Sx」と終点位置「Ex」との距離dは、以下の式(8)に示されるように、算出される。
続いて、移動局領域特定部242は、基準図形領域と面積が同一である長方形領域の幅、すなわち、移動局の移動範囲の始点位置「Sx」及び終点位置「Ex」を互いに対向する二辺の中点位置として含む長方形領域の幅wを算出する。すなわち、移動局領域特定部242は、以下の式(9)を用いて幅wを算出する。
w=Sbasic/d ・・・ (9)
続いて、移動局領域特定部242は、幅wの大きさに応じて図形領域P及び図形領域Qのうちのいずれか一方を選択し、選択した図形領域を生成する。具体的には、移動局領域特定部242は、3≦w≦300が成立する場合には、図18に示す図形領域Pを選択し、図形領域Pを生成する。図形領域Pは、移動局の移動範囲の始点位置「Sx」及び終点位置「Ex」を互いに対向する二辺の中点位置として含む長方形領域である。図形領域Pにおいて、横の長さはdであり、縦の長さはwである。また、移動局領域特定部242は、w>300が成立する場合には、図19に示す図形領域Qを選択し、図形領域Qを生成する。図形領域Qは、移動局の移動範囲の始点位置「Sx」及び終点位置「Ex」を対角線の両端とする正方形である。図形領域Qにおいて、対角線の長さはdである。
また、移動局領域特定部242は、測定時刻が連続する同一の移動局の2つの位置情報を移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置として含む図形領域が移動局領域として特定された場合に、その旨を関連付け部243に通知する。
図13の説明に戻る。関連付け部243は、移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域が移動局領域として特定された旨の通知を移動局領域特定部242から受け付けると、この通知を契機として、同図形領域の識別子に通信品質を関連付ける。図形領域の識別子に関連付けられる通信品質には、通信量と通信量密度が含まれる。通信量とは、移動局が移動範囲の始点位置から終点位置まで移動するまでの期間に、移動局と基地局との無線通信によって送受信されるデータの通信量である。また、通信量密度は、通信量を図形領域の面積で除算することによって得られる値である。そして、関連付け部243は、同図形領域の識別子に関連付けられた通信品質を通信品質分布として通信品質分布管理部234に格納する。
ここで、移動局領域特定部242及び関連付け部243による関連付け処理の一例を説明する。移動局領域特定部242は、図15に示す移動局領域管理部233を参照して、移動局識別子が「aaa」となるエントリにおいて、測定時刻が連続する2つの位置情報を移動局の移動範囲の始点位置「S1」及び終点位置「E1」として含む図形領域「P」を特定する。このため、移動局領域特定部242は、図形領域「P」が移動局領域として特定された旨を関連付け部243に通知する。
一方、関連付け部243は、図形領域「P」が移動局領域として特定された旨の通知を移動局領域特定部242から受け付けたことを契機として、以下の処理を行う。すなわち、関連付け部243は、移動局領域管理部233を参照して、図形領域「P」と、図形領域「P」に含まれる始点位置「S1」及び終点位置「E1」に対応する移動局識別子「aaa」と、連続する測定時刻「12:05:36」及び「12:27:22」とを取得する。続いて、関連付け部243は、図14に示す通信品質管理部231を参照して、移動局領域管理部233から取得した移動局識別子「aaa」と合致するエントリを検索する。関連付け部243は、検索されたエントリのうち測定時刻が「12:05:36」及び「12:27:22」である2つのエントリを特定する。関連付け部243は、移動局が始点位置「S1」から終点位置「E1」まで移動するまでの期間「12:05:36」〜「12:27:22」に、移動局と基地局との無線通信によって送受信されるデータの通信量「3.5」kbyteを算出する。関連付け部243は、算出した通信量「3.5」kbyteを図形領域「P」に関連付けて通信品質分布管理部234に格納する。また、関連付け部243は、通信量「3.5」kbyteを図形領域「P」の面積で除算することによって通信量密度「5000」kbyte/m2を算出する。関連付け部243は、算出した通信量密度「5000」kbyte/m2を図形領域「P」に関連付けて通信品質分布管理部234に格納する。
図13の説明に戻る。通信品質表示部244は、通信品質分布管理部234に格納された情報に基づいて、所定の表示部に対する表示画面を生成する。具体的には、通信品質表示部244は、関連付け部243によって図形領域の識別子に関連付けられた通信品質密度を通信品質密度の大きさに応じて変化する表示態様で図形領域上に表示する表示画面を生成する。図20は、実施例2における通信品質表示部によって生成された表示画面の一例を示す図である。
例えば、通信品質表示部244は、図20に示すように、通信品質分布管理部234に格納された通信品質密度としての通信量密度を、通信量密度の高低に応じて色が変化する表示態様で図形領域上に表示する表示画面を生成する。通信量密度の高低に応じて色が変化する表示態様とは、例えば、通信量密度が高いほど色が濃くなる表示態様である。
次に、実施例2に係る通信品質測定装置を含む通信システムの動作を説明する。図21は、実施例2に係る通信品質測定装置を含む通信システムの動作(通信品質算出時)を説明するためのシーケンス図である。
図21に示すように、基地局20と移動局30との無線通信が実行されている際に(ステップS201)、通信品質測定装置200の通信品質算出部241は、基地局20から通信品質算出用情報を収集する(ステップS202)。
通信品質算出部241は、基地局20から収集した通信品質算出用情報を用いて無線通信の通信品質を算出する(ステップS203)。本実施例では、通信品質算出部241は、無線通信の通信品質として、無線通信によって送受信されるデータの通信量を算出する。
通信品質算出部241は、算出した通信量を現時刻及び移動局の識別子とともに通信品質管理部231に格納する(ステップS204)。
図22は、実施例2に係る通信品質測定装置を含む通信システムの動作(移動局領域特定時)を説明するためのシーケンス図である。
図22に示すように、通信品質測定装置200の移動局領域特定部242は、位置情報測定装置40から移動局30の位置情報を収集する(ステップS211)。移動局領域特定部242は、収集した移動局30の位置情報を移動局の移動範囲の始点位置として移動局領域管理部233に格納する(ステップS212)。
その後、移動局領域特定部242は、位置情報測定装置40から移動局30の位置情報を再度収集する(ステップS213)。移動局領域特定部242は、収集した移動局30の位置情報を移動局の移動範囲の終点位置として移動局領域管理部233に格納する(ステップS214)。
続いて、移動局領域特定部242は、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域を生成し、生成した図形領域を移動局領域として特定する(ステップS215)。移動局領域特定部242は、特定した図形領域の識別子を移動局領域管理部233に格納する(ステップS216)。
図23は、実施例2に係る通信品質測定装置を含む通信システムの動作(関連付け処理時)を説明するためのシーケンス図である。
図23に示すように、通信品質測定装置200の移動局領域特定部242は、移動局領域管理部233を参照して、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域を移動局領域として特定する(ステップS221)。移動局領域特定部242は、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域が移動局領域として特定された旨を関連付け部243に通知する(ステップS222)。
関連付け部243は、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域が移動局領域として特定された旨の通知を移動局領域特定部242から受け付ける。関連付け部243は、受け付けた通知を契機として、以下の処理を行う。すなわち、関連付け部243は、移動局領域管理部233を参照して、図形領域の識別子と、図形領域に含まれる始点位置及び終点位置に対応する移動局識別子と、連続する測定時刻とを取得する(ステップS223)。
続いて、関連付け部243は、通信品質管理部231から通信量を取得する(ステップS224)。すなわち、関連付け部243は、通信品質管理部231を参照して、移動局領域管理部233から取得した移動局識別子と合致するエントリを検索し、検索されたエントリのうち連続する測定時刻と一致する2つのエントリを特定する。関連付け部243は、移動局が始点位置から終点位置まで移動する期間に、移動局と基地局との無線通信によって送受信されるデータの通信量を算出(取得)する。
続いて、関連付け部243は、ステップS224にて取得した通信量を図形領域の面積で除算することによって通信量密度を算出する(ステップS225)。
続いて、関連付け部243は、ステップS225にて算出した通信量密度をステップS223にて取得した図形領域の識別子に関連付けて通信品質分布管理部234に格納する(ステップS226)。
以上のように実施例2によれば、通信品質測定装置200において、移動局領域特定部242は、移動局の移動範囲の始点位置及び終点位置を含む図形領域を移動局領域として特定する。関連付け部243は、移動局領域として特定された図形領域の識別子に通信品質を関連付ける。これにより、移動局の移動に追従した局所的な通信品質の管理を行うことができる。結果として、移動局の位置する領域ごとの通信品質をさらに高精度に測定することが可能となる。ひいては、通信品質測定装置200の利用者が移動局の位置する領域ごとの通信品質を局所的に改善することが可能となる。
なお、実施例1及び2の通信品質測定装置100,200は、次のようなハードウェア構成により実現することができる。図24は、通信品質制御装置のハードウェア構成例を示す図である。通信品質測定装置100,200は、ハードウェアとしては、図24に示す通信品質測定装置100により実現される。すなわち、図24に示すように、通信品質測定装置100は、通信インタフェース100a、通信インタフェース100b、CPU(Central Processing Unit)100c、HDD(Hard Disk Drive)100d及びメモリ100eを有する。メモリ100eは、例えば、SDRAM等のRAM、ROM、フラッシュメモリにより構成される。基地局通信I/F部110及び位置情報測定装置通信I/F部120は、それぞれ通信インタフェース100a及び通信インタフェース100bにより実現される。制御部140,240は、例えばCPU100cにより実現される。記憶部130,230は、例えばCPU100c及びHDD100dにより実現される。
また、上記説明における各種の処理は、予め用意されたプログラムをCPU100cに実行させることによっても実現できる。すなわち、制御部140,240によって実行される各処理に対応するプログラムが予めHDD100dまたはメモリ100eに記憶され、各プログラムがCPU100cへ読み出されてプロセスとして機能してもよい。また、各プログラムは、必ずしも予めHDD100dまたはメモリ100eに記憶される必要はない。すなわち、例えば、通信品質測定装置100に接続可能なフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード、メモリカード等の可搬の記録媒体に各プログラムが予め記録され、各プログラムがCPU10bへ読み出されてプロセスとして機能してもよい。また例えば、インターネット、LAN、WAN等を介して無線または有線により通信品質測定装置100に接続されるコンピュータまたはサーバ等に各プログラムが予め記憶され、各プログラムがCPU100cへ読み出されてプロセスとして機能してもよい。