本発明の第1の側面によると、1以上の通行可能な区画の少なくとも一部における交通流に影響するイベントを示すメッセージであって、前記影響された位置を示す位置情報と関連付けられた前記メッセージを検証及び/又は改良する方法であって、
前記位置情報を使用して選択された通行可能な区間に沿った複数の装置の移動と関連する位置データを取得する工程と、
前記メッセージを検証及び/又は改良するために前記位置データを使用する工程と
を備える方法が提供される。
本発明によると、交通流に影響するイベントを示すメッセージは、前記メッセージからの影響された位置を示す位置情報を使用して選択された通行可能な区間に沿った複数の装置の移動に関連する位置データを使用して検証及び/又は改良される。位置データ又は“プローブ”データは、前記区間に沿った装置従って車両の実際の移動と関連し、交通メッセージの精度をチェックするための、適切にはメッセージを改良(洗練)するために方法を提供する。
本発明の更なる側面によると、1以上の通行可能な区画の少なくとも一部における交通流に影響するイベントを示すメッセージであって、前記影響された位置を示す位置情報を含む前記メッセージを検証及び/又は改良するシステム、選択的にはサーバ、であって、
前記位置情報を使用して選択された通行可能な区間に沿った複数の装置の移動と関連する位置データを取得する手段と、
前記メッセージを検証及び/又は改良するために前記位置データを使用する手段と
を備えるシステムが提供される。
当業者によって理解されるように、本発明のこの更なる側面は、適切には本発明の任意の他の側面についてここで記載した本発明の好適且つ選択的な特徴の任意の1つ以上又は全てを含むことができ且つ好適には含む。明示的に述べられていなくても、本発明のシステムは、本発明の側面又は実施形態の何れかにおける本発明の方法に関して記載された任意の工程を実行する手段を備えてもよく、逆もまた同じである。
本発明はコンピュータ実装発明であり、本発明の側面又は実施形態の何れかに関して記載された工程の何れかは1以上のプロセッサのセットの制御の下で実行されてもよい。前記システムに関して記載された工程の何れかを実行する手段は、1以上のプロセッサのセットであってもよい。
本発明の方法の前記工程は、排他的にサーバ上で実行されてもよく、いくつかをサーバで且つその他をナビゲーション装置で任意の組み合わせで実行されてもよく、又は排他的にナビゲーション装置で実行されてもよいことが理解されよう。サーバ上での1以上の前記工程の実行は効率的であり、ナビゲーション装置にかかる計算負荷を低減する。あるいは1以上の工程がナビゲーション装置で実行されるなら、これはネットワーク通信に必要な任意のバンド幅を低減する。
本発明の方法は、各々が1以上の通行可能な区画の少なくとも一部における交通流に影響するイベントを示す1以上のメッセージに適用されてもよい。本発明は、ここで記載の実施形態の何れかに従って複数のそうしたメッセージを検証及び/又は改良することに及ぶ。ここで検証及び/又は改良される“メッセージ”又は“(複数の)メッセージ”への言及は、本発明に従った検証及び/又は改良を受ける前記、各又はあるメッセージに及ぶ。前記メッセージ又は複数のメッセージは、(複数の)“初期”メッセージと呼ばれてもよい。異なるメッセージは、同一又は異なるソースから取得されてもよく、同一又は異なる方法で扱われてもよい。
前記検証/改良された(複数の)メッセージ又は類似のものへの言及は、本発明に従った検証及び/又は改良を受けた後の前記検証及び/又は改良されたメッセージへの言及として理解されるべきである。
検証される前記メッセージは、1以上の区画の少なくとも一部上の交通流に影響するイベントを示す。
ここで使用される用語“通行可能な区間”は、1以上の通行可能な区画の少なくとも一部により規定される。前記区間は、任意の一又は複数の区画の一部で構成されてもよく、及び/又は1以上の区画全体を含んでもよい。
ここで言及される前記通行可能な(複数の)区画は、電子地図によりカバーされるエリア内の(複数の)区画であり、前記地図は、当該地図によりカバーされる前記エリア内の通行可能な区画を表す複数の区画を含む。前記又は各通行可能な区間(ひいては通行可能な(複数の)区画)は、好適には通行可能な道路区間(又は通行可能な道路区画)であるが、本発明は通行可能な区間又は区画の任意の形式に及ぶ。
“前記イベントにより影響される”通行可能な区間への言及は、交通流が前記イベントにより影響される通行可能な区間への言及として理解されるべきである。そうした区間は、簡潔に“影響された通行可能な区間”と呼ばれてもよい。同様に、(前記イベントにより)影響された1以上の通行可能な区画の少なくとも一部への言及がなされてもよい。
本発明の実施形態が、道路区画及び区間を参照して記載される。本発明は、経路、川、運河、自転車道、引き船道、鉄道線路等の区画等の、他の種類の区画から構成される他の通行可能な区間にも適用名農であってもよいことが認識されるべきである。参照の便宜上、これらは一般に道路区画又は区間と呼ばれる。
実施形態において、前記方法は、検証及び/又は改良される前記メッセージを受信する工程を備える。前記メッセージはサーバで受信されてもよい。実施形態において、前記位置データを取得する工程及び前記メッセージを検証及び/又は改良するために前記位置データを使用する工程は、サーバで実行される。前記方法は、前記サーバで前記メッセージを受信する工程を更に備えてもよい。前記サーバは、1以上のソースから交通メッセージを受信し且つ様々な目的で交通データの検証及び/又は改良されたソースを提供するために前記メッセージを検証及び/又は改良するように構成された“交通サーバ”であってもよい。好適な実施形態では、前記システムは、前記メッセージを検証及び/又は改良する工程を実行するように構成された、サーバを備えるか、あるいはサーバである。
検証及び/又は改良される前記(複数の)メッセージは、1以上のソースから、好適には複数のソースから取得されてもよい。多数のソースからメッセージを収集して前記メッセージを検証及び/又は改良することによって、本発明は、より高質なデータの統合されたソースを提供してもよい。前記メッセージは、好適にはサードパーティメッセージである。例えば、前記メッセージは、交通メッセージチャネル(TMC)又はサードパーティプロバイダから受信された他のそうしたメッセージであってもよい。サードパーティは、道路管理者、あるいは異なるソースから取得されたデータに基づく交通メッセージのプロバイダであってもよい。一般に、交通流に影響するかもしれないイベント、例えば道路工事、に関する情報は、道路管理者によって前記メッセージの配布に責任のあるサードパーティへ送られるだろう。
もちろん、本発明は、サードパーティから受信されたメッセージを検証及び/又は改良することに限定されるものではなく、前記方法は、1以上の通行可能な区画の少なくとも一部における交通流に影響するイベントを示す前記メッセージを生成する工程に及んでもよい。これらの実施形態では、前記方法は、前記メッセージを生成して前記位置データを使用して当該メッセージを検証及び/又は改良することを含む。例えば、実施形態において、前記方法は、電子地図によってカバーされるエリアでの時間に関して複数の装置の移動に関する位置データを取得する工程であって、前記地図は当該地図によりカバーされた前記エリア内の通行可能な区画を表す複数の区画を含む前記工程と、1以上の前記通行可能な区画の少なくとも一部上における交通流に影響するイベントの存在を推測するために前記データを使用する工程と、前記イベントを示すメッセージを生成する工程とを備えてもよい。そのような工程は好適にはサーバで実行される。前記メッセージを検証及び/又は改良する工程は、この生成されたメッセージと関連して実行される。例えば、メッセージはサーバで生成されて、その後、送信される前、例えばユーザ及び/又はナビゲーション装置に提供される前の改善という第2のステージで検証及び/又は改良を受けてもよい。前記メッセージの生成及び以降のその検証及び又は改良は、同一の又は異なる場所で実行されてもよい。例えば、これらの工程は同一の又は異なるサーバで実行されてもよい。
本発明は、検証及び/又は改良されたメッセージを提供するために初期メッセージを検証及び/又は改良する工程を含む。結果として生じる検証及び/又は改良されたメッセージは様々な方法で使用されてもよい。もし明示されなくても、前記検証及び/又は改良されたメッセージに関する工程では、適切に前記メッセージ又はそれに基づく情報を使用してもよいことが理解されるだろう。前記メッセージに基づく前記情報は、前記メッセージにより示される情報の一部あるいはそこから導出される情報であってもよい。例えば、前記工程は、前記検証及び/又は改良されたメッセージに含まれる情報の一部のみを使用する工程を含んでもよい。
実施形態において、前記方法は、前記検証及び/又は改良されたメッセージ又はそれに基づく情報を送信する工程を備える。この工程はサーバで実行されてもよい。好適には前記メッセージ又はそれに基づく情報はナビゲーション装置又は車両のADASシステムに送信される。これは任意の適当な方法で実行されてもよい。前記ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置に基づく車両であってもよく、PND又は一体型装置であってもよい。
本発明は、前記検証及び/又は改良されたメッセージ、あるいはそれに基づく情報を使用することに及ぶ。従って、前記メッセージは送信されてもよく、それに基づく情報が使用されてもよい。前記検証及び/又は改良されたメッセージ、あるいはそれに基づく情報を使用する工程は、好適にはナビゲーション装置又はADASによって実行される。前記ナビゲーション装置は一体型車載ナビゲーション装置又はPNDであってもよい。
前記メッセージ又はそれに基づく情報は、ユーザ例えば運転手に出力されてもされなくてもよい。例えば、前記メッセージ又は情報は、ADAS又はナビゲーション装置によって車両の運転手へ表示されてもよい。他の構成では、前記情報又はメッセージは、必ずしも前記情報をユーザへ出力することなく、例えば(初期経路計算又は再計算であってもよい)経路計画において前記情報を使用してもよいADASへの入力として使用されてもよい。前記メッセージ又はそれに基づく情報が前記車両のユーザ、例えば運転手に提供される実施形態では、これは直接又は間接に行われてもよい。例えば所与の位置における道路工事を特定するメッセージは、そうした道路工事が存在するという警告をユーザへ提供するために使用されてもよく、あるいは、前記情報と共にユーザへ表示されている電子地図を改良するために使用されてもよい。他の構成では、前記メッセージ又はそれに基づく情報は、車両と関連付けられていない経路計画アプリケーション、例えばwebベースのアプリケーション、を介してユーザへ出力されてもよい。
いくつかの実施形態において、前記方法は、電子地図を改良するために前記メッセージ又は当該メッセージに基づく情報を使用する工程を備える。前記地図は、前記イベントに関する情報で改良される。前記地図は、前記イベントの地理的位置、前記イベントにより影響される通行可能な区間の空間範囲及び/又は地理的位置、交通流に影響する前記イベントの重要度及び種類及び/又は前記影響される区間に沿った予定移動速度を示す情報のうち1以上を示す情報で改良されてもよい。地図の改良は、経路計画システムにより提供された区画上における交通流に影響するイベントを示すwebベースの電子地図を改良するために、ナビゲーション装置又はADASにより実行されてもよく、あるいはサーバにより実行されてもよい。従って、前記地図は、ナビゲーション装置、ADAS、又は、任意の経路計画装置と関連付けられたディスプレイ、によって表示された地図であってもよい。
いくつかの実施形態において、前記メッセージ又はそれに基づく情報は、前記イベントにより影響される通行可能な区間に沿った経路の車線レベルのビューを提供するために使用される。
好適な実施形態において、前記メッセージ又はそれに基づく情報は、経路の生成に使用される。これは、車両と関連付けられているかどうかに関わらず、ナビゲーション装置、経路計画装置、又はADASシステムによって実行されてもよい。例えば、前記情報は、前記イベントにより影響される前記区間を回避する経路又は新規経路を生成するために使用されてもよい。本発明は、ナビゲーションコンテキスト(context)において移動に影響するかもしれないイベントに関する情報を提供する上で特に役立つが、本発明は、ナビゲーション機能を含まない経路計画システムにも適用可能である。例えば、これらは設定等の前にホームで経路を計画するためにユーザによって使用されるシステムであってもよい。そのようなシステムは、ラップトップ、デスクトップ又は他の計算装置、又は移動電話等を介して実施されてもよい。いくつかの実施形態において、前記メッセージ又はそれに基づく情報は、webベースの経路計画システムを介した経路の生成に使用される。
いくつかの実施形態において、前記メッセージ又はそれに基づく情報は、経路に沿った移動時間の推定に使用される。例えば、前記メッセージは、移動時間又は到着時間のより正確な推定を提供できる前記影響される区間に沿った予定移動時間の指標を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、前記メッセージ又はそれに基づく情報は、運転手へ前記イベントに関する警報又は警告を提供するために使用される。これは、ナビゲーション装置、ADASを介して発行されてもよく、経路計画アプリケーションを介して計画された経路に関し、電子メール警告又は類似のものの形式にできる。
ADASを使用する実施形態において、前記メッセージ又はそれに基づく情報は、前記システムの任意の機能、例えば前記システムの自動車線支援及び/又は走行制御機能への入力として、及び/又は運転モードを選択するために、使用されてもよい。前記メッセージは、前記影響される区間を介した経路を判定するために使用できる、あるいは、例えば精神的作業負荷の増大予測によって運転手の精神的意識を運転のタスクに戻すための機能をトリガするために使用されてもよい、交通条件に関する情報を提供する。
従って、本発明によれば、前記方法は、電子地図を改良(機能強化)するために、警報又は警告を運転手に提供するために、予定到着時間を判定するために、経路の予定タイミングを判定するために、及び/又は経路を生成するために、及び/又はADASへの入力として、前記検証及び/又は改良されたメッセージ又はそれに基づく情報を使用する工程を備えてもよい。これらの工程の何れかは、車両ベースのナビゲーション装置、例えばPND又は一体型装置、ADAS、又は、ナビゲーション機能が必要とされない任意の適切な、例えばwebベースの経路計画アプリケーションを使用して実施されてもよい。
代替的又は追加的に、実施形態において、前記方法は前記検証及び/又は改良されたメッセージを示すデータを格納する工程を備えてもよい。前記データは、単純に前記メッセージであってもよいし、あるいは、それを示す任意の方法、例えばそれへのポインタ等であってもよい。好適にはそうした工程はサーバにより実行される。前記メッセージを示す前記データは、検証及び/又は改良されたメッセージのデータベースに格納されてもよい。そうしたデータベースは、サードパーティへ、オリジナルのメッセージが取得された同一のサードパーティへさえ、“洗練された”メッセージとして提供され得る、より高質なメッセージのボディを提供できる。前記メッセージは、より高質なデータとして通常のチャネルを介して配布されてもよい。前記メッセージは、代替的又は追加的に、サードパーティによる他の目的のために、例えば前記パーティー又は別のパーティーにより提供された前記オリジナルのメッセージの質制御として使用されてもよい。他のアプリケーションにおいて、前記検証及び/又は改良されたメッセージは、本発明に従った検証及び/又は改良の前の、前記オリジナルのメッセージと比較されてもよい。これは、前記オリジナルのメッセージの質制御処理の一部として、あるいは、ソースから取得されたデータをプライシング(価値付け)(pricing data)するために使用できる質尺度(質測度)を前記メッセージに割り当てるために、実行されてもよい。従って、メッセージは格納されてもよいし、即座に送信あるいは使用されてもされなくてもよい。
さらなる実施形態では、前記方法は、前記検証及び/又は改良されたメッセージを検証及び/又は改良メッセージデータベースに格納する工程を備える。本発明は、その何れかの実施形態に係る発明に従って検証及び/又は改良されたメッセージのデータベースに及ぶ。
本発明の更なる側面によると、検証及び/又は改良された交通メッセージのデータベースが提供される。各メッセージは、(ここで記載したように)本発明に従った方法により取得されている。
これらの更なる側面における本発明は、本発明の他の側面及び実施形態に関して記載した任意の又は全ての特徴を含んでもよい。
本発明の任意の側面又は実施形態によると、交通流に影響する前記イベントは、1以上の通行可能な区画の少なくとも一部に沿って交通流に影響する任意の種類であってもよい。好適な実施形態において、前記イベントは、道路工事、車線閉鎖又は道路閉鎖である。しかしながら、他の例示的なイベントは、(任意の理由で生じる)ボトルネック(あい路、狭い道、交通量が多く渋滞が起る場所)又は車線制限を含んでもよい。1以上の通行可能な区画の少なくとも一部に沿った交通流に影響し、且つ、検証及び/又は改良のためのメッセージが提供されてもよい、多数の可能性のあるイベントが存在することが理解されるだろう。様々な要因が交通流に影響する。短期間の間交通流に影響しうるラッシュアワー、故障、事故等、これらの要因のいくつかは一時的である。本発明は、一時的に交通流に対して長く継続して影響するイベントに大抵適用可能である。そうしたイベントは、少なくとも一日かそこら続くかもしれない道路工事、車線閉鎖、道路閉鎖等を含んでもよい。これは、前記メッセージを検証及び/又は改良するために、前記メッセージの位置情報を使用して選択された前記通行可能な区間に沿った車両と関連付けられた装置の移動に関する位置データを使用することに本発明が依存するからである。メッセージの検証及び/又は改良は、所望の精度への検証又は改良を可能にするために取得されている有意な量のこの“プローブ”データに依存するであろうことが理解されるだろう。一般に、これは、本発明の前記方法が、交通流ひいては収集されるプローブデータのレベルに依存して、少なくとも24時間に渡って交通流に影響するイベントに大抵適用可能であることを意味するが、異なるイベントに対しては、より短期間又はより長期間が適切かもしれない。例えば、イベントが夜にのみ通行可能な区間に影響する場合、より長い期間がプローブデータの役立つボディを収集するために必要とされてもよい。交通量が多い場合、有用な量のプローブデータが数時間のうちに収集されてもよい。それ故実施形態において、前記イベントは一時的なイベントである。前記イベントは少なくとも24時間という期間を有してもよい。
本発明によると、検証及び/又は改良される前記メッセージは影響される位置を示す位置情報と関連付けられる。前記影響される位置は、交通流が前記イベントにより影響される位置である。前記位置情報は、点位置又はより好適には拡張(広がりを持つ)位置を示してもよい。実施形態において、前記位置情報は、前記イベントの位置を示し、及び/又は、前記イベントにより交通流が影響されると考えられる初期通行可能な区間を特定する。例えば、前記メッセージは、必ずしも交通流が影響される区間を特定することなく、道路工事が所与の交差点に存在することを単に述べるかもしれない。他の構成において、前記メッセージは、前記道路工事によって影響された道路区間、例えば、高速道路のジャンクションxからジャンクションyまで、を特定してもよい。任意のイベントにおいて、そうした情報は、位置データが取得される前記通行可能な区間を選択するために使用される。言い換えると、それは、前記メッセージを改良又は検証するために位置データが解析される前記通行可能な区間を判定するために使用される。
本発明によると、前記方法は、前記メッセージを検証及び/又は改良するために前記メッセージと関連付けられた前記位置情報を使用して選択された通行可能な区間に沿った複数の装置の移動に関する位置データを取得及び使用する工程を含む。好適には前記位置データは、時間に関して装置の位置を示す。言い換えると、前記位置データは好適には時間データと関連付けられている。
前記位置データは、必ずしも具体的に本発明の目的のために受信されていない位置データであってもよい。例えば、前記データは、関連するデータがフィルタリング(除去)されてもよい“プローブ”データの既存のデータベースから取得されたデータであってもよい。いくつかの構成において、前記データを取得する工程は、前記データ、すなわち以前に受信及び格納されている前記データにアクセスする工程を備えてもよい。しかながら、前記位置データを取得する工程は、好適には前記装置から前記データを取得、例えば受信する工程を備える。これは、以下に議論するように、履歴データではなく“ライブ”データの使用を可能にする。好適には、前記受信されたデータは位置データであり関連付けられた時間データである。前記方法が前記装置から前記データを取得又は受信する工程を含む構成において、本発明の他の工程を実行することへ進む前に前記受信された位置データを格納する工程を前記方法がさらに備えてもよいことが想像されよう。しかしながら、好適な実施形態において、できる限りそれらが最新の状態となる方法でメッセージが改良されることを確実にするために、遅延は最小化される。好適には、前記データは、検証及び/又は改良される前記メッセージに応じて収集される。言い換えると、前記データは、メッセージを検証及び/又は改良する目的で、前記選択された通行可能な区間に関して具体的に収集される。
実施形態において、前記位置データは、各々が異なる時間における装置の位置を表す複数の位置又はプローブ軌跡の形式である。
実施形態において、前記位置データ、及び好適には関連するタイミングデータは、サーバで受信される。例えば、前記サーバは、複数の装置、例えば位置データを提供するために使用される複数のナビゲーション装置と関連付けられたナビゲーションシステムのサーバであってもよい。
好適には、前記位置データは、時間に関する装置の移動に関するものであり、前記装置により取られた経路の位置的な“軌跡”を提供するために使用されてもよい。上述したように、前記データは前記装置から受信され、又は最初に格納されてもよい。前記装置は、本発明の目的のために前記位置データ及び十分な関連するタイミングデータを提供可能な任意の移動装置であってもよい。前記装置は、位置判定機能を有する任意の装置であってもよい。一般に、前記装置は、GPS又はGSM装置を備えてもよい。そうした装置は、ナビゲーション装置、位置決め機能を有する移動通信装置、位置センサ等を含んでもよい。前記装置は、好適には車両と関連付けられている。これらの実施形態において、前記装置の位置は前記車両の位置に対応するであろう。前記装置は、前記車両、例えば組み込みセンサ又はナビゲーション装置と一体化されていてもよく、あるいは、ポータブルナビゲーション装置等の前記車両と関連付けられた別体の装置であってもよい。もちろん、前記位置データは、異なる装置の組み合わせから、又は単一の種類の装置、例えば車両と関連付けられた装置から取得されてもよい。
前記複数の装置から取得された前記位置データは“プローブデータ”と呼ばれてもよいことが理解されるだろう。例えば車両と関連付けられた装置から取得された前記データは、車両プローブデータと呼ばれてもよい。それ故、ここでのプローブデータへの言及は、用語“位置データ”と交換可能であるとして理解されるべきであり、前記位置データは簡単のためプローブデータと呼ばれてもよい。この方法では、複数のタイムスタンプが付与された位置データは、好適には、位置決め機能を有する複数の装置、例えばポータブルナビゲーション装置(PND)等のナビゲーション装置から、キャプチャ(補足)/アップロードされる。好適な実施形態において時間データが装置により位置データと共に提供されるが、タイミングデータは別途判定されて、受信された位置データと関連付けられうることが想像されよう。
好適な実施形態において、前記方法は、電子地図のエリア内の複数の装置の移動に関する位置データを取得、好適には受信する工程と、前記地図は当該地図によりカバーされる前記エリア内の通行可能な区画を表す複数の区画を含み、(1以上の通行可能な区画の少なくとも一部により規定される)前記選択された通行可能な区間について、前記通行可能な区間に沿った装置の移動に関する位置データを取得するために前記位置データをフィルタリングする工程とを備える。
本発明によると、前記メッセージを検証及び/又は改良するために使用される前記データは、前記初期メッセージと関連付けられた前記位置情報を使用して選択された通行可能な区間に沿った装置の移動に関する位置データである。上述したように、前記位置情報は、前記イベントの位置及び/又は前記イベントにより交通流が影響されると考えられる通行可能な区間であってもよい、影響位置を特定する。これは、位置データが取得される前記通行可能な区間が適切に選択されるのを可能にする。実施形態において、選択された前記通行可能な区間は、前記位置情報により特定されるイベント位置及び/又は通行可能な区間を含む。疑義を回避するために、ここでの前記“初期通行可能な区間”への言及は、検証及び/又は改良される前記初期メッセージにおいて特定される区間に及ぶ一方、前記“選択された通行可能な区間”への言及は、前記初期メッセージと関連付けられた前記位置情報を使用して選択されて、位置データが判定される、区間に及ぶ。
前記位置情報が、前記イベントにより交通流が影響されると考えられる初期通行可能な区間を特定する好適な実施形態において、前記選択された通行可能な区間は、前記初期通行可能な区間を含み、好適にはそれよりも長い。従って、前記選択された通行可能な区間は、前記初期通行可能な区間及び好適にはその一端又は好適には両端を越えて延びる部分を含む。前記初期の区間の両端(一端)を越えて延びる(複数の)部分は、好適には前記両端(一端)と連続している。例えば、前記選択された通行可能な区間は、一端又は両端において所定距離、例えば2kmだけ、前記位置情報により特定された初期の通行可能な区間を拡張することにより提供されてもよい。これにより、前記オリジナルのメッセージ不正確な位置又は空間範囲を示した場合に、前記イベントにより交通流が影響される区間の地理的位置又は空間範囲に関する情報が、前記位置データを使用して検証及び、適切に洗練されることが可能になるかもしれない。前記位置データは、実際に影響される区間の正確な判定を可能にする。もちろん、他の構成において、前記選択された区間は前記初期通行可能な区間に対応(一致)しうる。
好適には、前記メッセージを検証及び/又は改良するために取得されて使用される前記位置データは、“ライブ”位置データである。ライブデータは、相対的に現在のものであり前記通行可能な区間で起こっていることの指標を提供するデータと考えられてもよい。従って、前記データは、現在の状況には正確に関連しないかもしれないが“履歴”データと比べると“ライブ”であるという点で、“疑似のライブ”であってもよい。前記ライブデータは、一般に、最新30分以内の前記選択された通行可能な区間における装置の移動に関してもよい。いくつかの実施形態において、前記ライブデータは、最新15分、10分又は5分以内の前記選択された通行可能な区間における装置の移動に関してもよい。好適には履歴データは、前記メッセージを検証及び/又は改良するために使用されない。実施形態において、前記メッセージを検証及び/又は改良することは、履歴プロファイル、例えば、前記選択された通行可能な区間又は前記区間を規定する(複数の)区画の速度プロファイル、を参照せずに実行される。
いくつかの実施形態において、前記ライブデータは、前記選択された通行可能な区間に沿った1以上のライブ移動速度を含む。前記ライブ移動速度は、一般にGPSプローブから算出されてもよい。このデータは、区間における実際の状況の最新の指標を提供するように、関連してもよい。前記プローブデータに加えて、携帯電話ネットワークからのデータ、道路環状生成データ、(ANPR−自動ナンバープレート認識を含む)交通カメラからのデータを含む、区間に沿った移動に関するライブデータを取得するために他のソースのデータが使用されてもよい。一般的に、前記データは前記区間を構成する(複数の)区画への参照によるだろう。
好適な実施形態において、改良/検証される前記メッセージは、前記イベントにより交通流が影響されると考えられる通行可能な区間を特定する情報を少なくとも含む(前記“初期の”通行可能な区間)。前記初期通行可能な区間の特定は、その地理的位置、及び、実施形態において、その空間範囲に関する情報を提供する。前記情報は、前記影響区間の開始地点及び終了地点を特定してもよい。前記初期通行可能な区間の特定は、地理的座標のセット又は任意の適当な参照システムへの参照によるものであてもよい。前記メッセージは、代替的又は追加的に、前記イベントの地理的位置を示す情報を含んでもよい。前記メッセージにおいて提供されるこの位置情報は、本発明に従った検証及び/又は改良を受けてもよい“粗な”情報であると考えられてもよい。例えば、特に、交通流が影響される領域の空間範囲に関する情報は、サードパーティのレポートでは、精度が低い又は少なくとも不正確であるかもしれず、そのような情報を洗練又は提供することは特に有用であることが明らかになっている。例えば、レポートは、所与の高速道路のジャンクションx及びyの間の道路工事により交通流が影響されていることに及んでもよい。実際、移動速度が実際に影響される前記区間はかなり短いかもしれない。さらに、イベントがより長期間である場合、異なるステージの構築が到達されるにつれて、前記正確な影響区間は時間とともに変化するかもしれない。交通メッセージは、任意の所与の時間に実際に影響される前記区間の正確な長さ及び期間の指標を与えない、工事の全期間ジャンクション間の全区間を特定し続けてもよい。
改良/検証される前記メッセージは、交通流に対する前記イベントの影響度を示す情報を含んでもよい。これは、相対的又は絶対的に、例えば影響区間に沿った移動の予定速度又は時間の観点であってもよい、質的又は量的スケールに関する中断レベルの観点であってもよい。
実施形態において、改良/検証される前記メッセージは、イベントの種類、例えば道路工事、道路閉鎖、車線閉鎖、を示す情報を含んでもよい。
前記メッセージを検証及び/又は改良する工程は、前記メッセージの任意の一部又は全内容に関してそうした工程を実行する工程を含んでもよい。
前記取得された位置データは、前記メッセージを検証及び/又は改良するために任意の適当な方法で使用されてもよい。これは、検証、改良、前記イベントに関する更なる情報及び/又はその交通流への影響の任意の組み合わせを含んでもよい。前記選択された通行可能な区間に沿って移動する複数の装置から取得された位置データ、好適にはライブデータの使用は、前記データが正しくて実際の状況を反映していることを少なくともダブルチェックする方法を提供し、追加の情報が前記メッセージを洗練させるために取得されるのを可能にしてもよい。例えば、上述したように、いくつかのイベント、例えば道路工事は、数か月続くかもしれないし、その位置が時間と共に変化するように“移動可能”かもしれない。そうした状況では、オリジナルのメッセージにおいて提供された情報が未だに関連することを検証すること、そして、適切にその情報を更新又は洗練させることが重要である。
好適な実施形態において、前記方法は、前記イベントの地理的位置、及び、前記イベントにより交通流が影響される通行可能な区間、好適には空間範囲の特定のうち一方又は両方に関する情報を検証、改良、及び/又は提供するために前記位置データを使用する工程を備える。例えば、影響区間を示す情報が与えられない場合、本発明は、そうした情報を提供する際に、前記オリジナルのメッセージを改良してもよい。
代替的及び/又は追加的に、前記方法は、前記イベントにより交通流が影響される通行可能な区間を通じた予定移動速度又は移動時間に関する情報を検証、改良、及び/又は提供するために、前記位置データを使用する工程を備えてもよい。
代替的又は追加的に、前記方法は、前記イベントにより影響される通行可能な区間を通じた予定移動経路、好適には車線レベルの経路、に関する情報を検証、改良、及び/又は提供するために、前記位置データを使用する工程を備えてもよい。例えば、いくつかの道路工事は、車両が、ある車線に沿ってのみ移動できるように、又は、高速道路の舗装路肩を利用させられるように、通常の車線コースにおける逸脱を必要としてもよい。そうした情報は、前記影響区間を通る経路を示す電子地図の車線レベルビューを改良するために使用されてもよい。
代替的又は追加的に、前記方法は、交通流への前記イベントの影響度に関する情報を検証、改良、及び/又は提供するために、前記位置データを使用する工程を備えてもよい。例えば、メッセージは、イベントが交通流に対して中程度の影響を与えていることを示してもよいが、位置データは、前記イベントが前記選択された通行可能な区間に重要な影響を与えていないことを示してもよく、すなわち、その結果、移動速度は有意に影響されない。これにより、前記影響が所与の閾値未満であるなら、前記メッセージがディスカウント(無視)される、すなわち無効であると認定されることになる。このようにして無効化されたメッセージは、さらに使用されることはなく、例えば、“洗練された”データのデータベースに格納されなくてもよく、又は、経路計画に使用されず又はナビゲーション装置又はユーザへ提供されなくてもよい。逆に、イベントが、前記メッセージの検証を必要とするほど重要且つ十分な影響をエリア内の交通流に与えていると考えられる場合、前記メッセージは、単純に“有効”とマークされてもよく、あるいは、例えば前記イベントに割り当てられる重要度のレベル等を洗練させるためにさらに改良されてもよい。
任意の実施形態において、前記メッセージを改良又は検証するために取得されたデータは、前記メッセージと関連付けられてもよく、例えばそれと関連して格納されてもよい。前記データは、前記オリジナルのメッセージにより示される既存データを補足又は交換してもよい。
好適な実施形態において、前記位置データは、前記選択された通行可能な区間に沿った前記装置の移動速度を示すデータ(“速度データ”)を取得するために使用され、前記メッセージを検証及び/又は改良する工程では前記速度データを使用する。移動速度を示すデータを取得するために位置又は“プローブ”データを使用する技術は十分確立されている。例えば、国際公開第2009/053411号は、プローブデータから平均速度データを取得する方法を記載しており、その全内容が参照によりここに組み込まれる。ここで説明されたメッセージを検証及び/又は改良する工程の何れかは、以下のような任意の実施形態に従って速度データを使用してもよい。
好適な実施形態において、前記選択された通行可能な区間に沿った装置の移動速度を示すデータは、前記通行可能な区間に沿った複数の位置に対して取得される。これにより、影響区間のより正確な開始地点及び終了地点が特定されることが可能になるかもしれない。いくつかの実施形態において、前記方法は、前記選択された通行可能な区間に沿った距離に関して前記選択された通行可能な区間に沿った装置の移動速度を示すデータを表すプロファイルを取得する工程と、前記プロファイルを前記メッセージの検証及び/又は改良に使用する工程とを備える。そうしたプロファイルは“空間速度プロファイル”と呼ばれてもよい前記プロファイルは連続したプロファイルであってもよい。連続プロファイルは、実際の測定位置間を内挿することによって、複数の連続した位置に関してデータを効果的に提供してもよい。
前記選択された通行可能な区間に沿った移動速度の考慮は、より正確に前記位置及び交通流への影響度を判定するために使用されてもよい。ここで使用される前記速度データは、速度を示す任意の方法であってもよく、実際の速度ではなく前記選択された区間又はその一部に沿った移動時間であってもよい。前記移動速度を示すデータは、好適には、前記選択された通行可能な区間の速度分布プロファイルを示すデータに基づくものである。前記選択された通行可能な区間に沿った複数の位置についての速度データが使用される好適な実施形態において、各位置の速度分布に基づく速度データが取得されて使用される。平均速度が使用されてもよい。しかしながら、本発明によると、好適には(前記又は各位置の)前記速度データはパーセンタイル(百分位数)速度であるか又はこれに基づくものである。前記パーセンタイル速度は、速度分布プロファイルデータにより示されてもよい速度である。前記パーセンタイル速度は、好適にはメジアン(中央値)よりも高い、すなわち50番目のパーセンタイル(百分位数)速度よりも高いパーセンタイル速度である。より高い速度パーセンタイル、例えば道路区画のx番目のパーセンタイル(百分位数)を使用することによって、前記速度データは、前記区間に沿って移動する車両のうち最も速い(100−x)%の運転速度を反映するだろうと考えられている。これらの相対的に最も速い車両の速度は、前記区間における交通流に影響するイベントによって引き起こされる速度低下を検出するための適当なインジケータを提供してもよい。好適には前記パーセンタイル速度は、70番目以上のパーセンタイル速度、又は75番目以上のパーセンタイル速度である。いくつかの実施形態において、90番目以上のパーセンタイル速度等の、85番目以上のパーセンタイル速度が使用される。使用される前記パーセンタイル速度のレベルは、以下の議論から明らかになるように、メッセージのどの側面が検証及び/又は改良されるのかに依存してもよい。従って、これらの実施形態において、好適には、前記選択された通行可能な区間に沿った複数の位置の各々について装置のパーセンタイル速度を示すデータが取得される。
前記選択された通行可能な区間に沿った位置に関して、前記速度データ、及び好適にはパーセンタイル速度データ、又は速度分布から取得された他のデータが、前記メッセージを検証及び/又は改良するために使用されてもよいいくつかの好適な方法が記載されるだろう。明示的に述べられていなくても、そして文脈がそうでないことを要求しない限り、速度データへの以下の任意の言及は、上述の任意の形式の速度データ、及び、好適には速度分布に基づく速度データ、例えばパーセンタイル速度データ、及び最も好適にはメジアン(中央値)超のパーセンタイルについての速度データに及んでもよいことが理解されるだろう。
速度データは、前記メッセージの有効性を判定するために、すなわち前記メッセージを検証等するために使用されてもよいし、そうでなくてもよい。実施形態において、前記メッセージの有効性を判定する前記方法は、好適には前記選択された通行可能な区間に沿った複数の異なる位置の各々について、前記位置データから取得された移動速度を示すデータ、好適にはパーセンタイル速度と、閾値速度とを比較する工程を備える。前記メッセージの有効性又はその逆の判定は、任意の方法で前記速度データ及び前記閾値に基づいてもよい。実施形態において、前記方法は、前記速度データが、好適には複数の位置の各々について、前記閾値より上の又は前記閾値より上の所与の量の速度、好適にはパーセンタイル速度を示す場合に、前記メッセージが有効ではないと判定する工程を備える。前記方法は、前記速度データが、好適には前記複数の位置の各々について、前記閾値より未満の又は前記閾値未満の所与の量の速度、好適にはパーセンタイル速度を示す場合に、前記メッセージが有効であると判定する工程を備えてもよい。もちろん、前記有効性の判定は追加の工程を含んでもよく、前記選択された通行可能な区間に沿った所与の位置において又は所与の移動距離に渡って、閾値より上又は下、あるいは前記閾値に対して所与のマージンで上又は下であると判定されている速度に基づいてもよい。いくつかの構成において、有効性の判定は、この及び更なるテストに基づいてなされてもよい。これらの好適な実施形態において、前記パーセンタイル速度は、好適には、75番目以上、85番目以上等の、前記メジアン(中央値)より上のパーセンタイル速度、例えば90番目のパーセンタイル速度である。
このようにして、前記相対的に最も速い複数の車両が、前記閾値より上の速度で、高速に前記選択された通行可能な区間に沿って移動したと考えられる場合、前記イベントは交通速度に有意な影響を与えておらず、前記メッセージは無効であることが導出できる。逆に、前記最も速い複数の車両が前記閾値速度未満で移動した場合、実施形態において、前記選択された通行可能な区間に沿って通常予測される交通流に影響するイベントが存在すると判定できるので、前記メッセージが検証される。
これらの実施形態において、速度データは、好適には前記選択された通行可能な区間に沿った複数の位置の実質的に連続したセットについて考慮される。実施形態において、前記方法は、前記選択された通行可能な区間に沿った距離に関して前記パーセンタイル速度を表すプロファイルを取得する工程と、前記プロファイルが、前記選択された通行可能な区間に沿った任意の所与の位置において、閾値速度を、又は、前記閾値速度未満の所定量を、下回るかどうか判定する工程とを含む。前記メッセージの有効性又はその逆の判定は、所与の長さよりも大きい距離に対して前記閾値を下回るプロファイルに基づいてもよい。
閾値速度を使用する任意の実施形態において、前記閾値速度は、メッセージの検証等を可能にするように適切に選択されてもよい。前記閾値速度は、前記選択された通行可能な区間に沿った予定移動速度に基づいてもよい。好適には、前記閾値速度は、前記選択された通行可能な区間についての、履歴データ、例えば平均速度又は速度プロファイルデータに基づくものである。これは、前記区間を規定する区画又は複数の区画についての対応データに基づいてもよい。履歴速度プロファイルは、例えば道路工事等の交通流に影響する一時的要因により影響されないように、一般に比較的長い時間スケールに渡って集計される。
前記速度データは、代替的又は追加的に、交通流へのイベントの影響度を判定するために使用されてもよい。これは、前記メッセージにおける対応データを検証するために、又は、重要度データを追加することによって前記メッセージを改良するために、使用されてもよい。そうした実施形態は、上述したように、メッセージの検証と類似の方法で実施されてもよいが、交通流への前記イベントの影響の大きさ又は相対的な大きさを追加的に考慮してもよい。実施形態において、前記方法は、交通流への前記イベントの影響の重要度を判定するために前記選択された通行可能な区間に沿った複数の装置の移動速度を示すデータを使用する工程を備える。前記移動速度は、好適には、前記選択された通行可能な区間に沿った位置又は複数の位置において異なる装置が移動した速度を表す速度分布に基づくものであり、最も好適にはパーセンタイル速度を示す。前記影響の重要度は任意の方法で判定されてもよい。実施形態において、前記重要度は、前記選択された通行可能な区間に沿った1以上の位置について、前記速度データにより示される移動速度、好適にはパーセンタイル速度と閾値速度との比較によって評価されてもよい。前記閾値速度は、上記のようにして、例えば履歴速度に基づいて、取得されてもよい。前記重要度は、前記速度データにより示される移動速度と前記閾値速度との間の差に基づいてもよい。前記重要度データは、量的又は質的な観点であってもよい。例えば、前記移動速度と閾値速度との差は、適切なスケールを使用して重要度レベル又は重要性レベルと関連付けられてもよい。実施形態において、前記方法は、重要度データと前記メッセージとを関連付ける工程をさらに備えてもよい。
前記位置データの使用が特に有用である1つのエリアは、交通流が前記イベントにより実際に影響される通行可能な区間を特定する。前記位置データに従って実際に影響されると判定された前記通行可能な区間(“実際に影響される区間”)に関するデータが取得されて前記メッセージと関連付けられてもよく、あるいは、任意の対応データ、例えば前記メッセージと既に関連付けられた初期区間の特定、例えば前記区間の空間範囲及び/又は位置、を洗練させるために使用されてもよい。好適な実施形態において、前記影響される通行可能な区間を特定する工程は、前記影響区間の空間範囲及び/又は地理的位置を判定する工程を備えてもよい。前記空間範囲は、前記区間の長さに及ぶ。
好適な実施形態において、前記方法は、前記位置データ、例えば速度データ、に従って交通流が前記イベントにより影響される通行可能な区間を特定するために、前記選択された通行可能な区間に沿った複数の装置の移動に関する前記位置データ又は好適には速度データを使用する工程をさらに備える。速度データが好適には使用されるが、他の種類の位置データが前記影響エリアを判定するために使用されてもよい。好適には、前記方法は、前記区間の空間範囲及び/又は地理的位置を判定する工程を備える。好適には、前記方法は、移動方向における前記影響区間の開始地点及び終了地点を示すデータを判定する工程を含む。前記方法は、前記メッセージと、前記区間を示す情報、及び好適には影響されると判定された前記区間の前記空間範囲及び/又は位置、とを関連付けることによって、前記メッセージを改良する工程を備えてもよい。
上述したように、前記メッセージを検証及び/又は改良する工程で使用された前記選択された通行可能な区間は、前記初期メッセージと関連付けられた前記位置情報を使用して選択される。交通流が前記イベントにより影響されると考えられる初期通行可能な区間を前記位置情報が示しているいくつかの実施形態において、前記選択された区間は、前記初期通行可能な区間を含むが、好適には前記初期区間の一端又は両端において更なる区間を含む。これは、前記位置データの考慮により特定されて実際に影響されると判定された前記区間は、元々特定された前記初期区間の一端又は両端を越えて延びてもよいことを意味する。実施形態において、前記位置データに基づいて前記イベントにより影響されると判定された前記通行可能な区間は、前記初期の区間とは異なっており、実施形態において前記初期通行可能な区間よりも短い。影響されると判定された前記区間は、前記初期区間と重複してもよいし、しなくてもよい。いくつかの実施形態において、影響されると判定された前記区間は前記初期区間の一部である。本発明は、従って、前記関連するエリア内の実際の移動に関するデータに基づいて前記影響区間の真の範囲が特定されることを可能にする。実際に影響されると判定された前記区間は、一般に、位置データが取得される前記選択された通行可能な区間よりも短い。
好適には、前記位置データに従って前記イベントにより影響された前記通行可能な区間を特定する工程、最も好適には、その空間範囲及び/又は地理的位置を判定する工程は、前記選択された通行可能な区間に沿った位置に関して複数の装置の移動速度を表すプロファイルの参照により実行される。前記移動速度は、好適には速度分布に基づくものであり、最も好適にはパーセンタイル速度である。特に好適な実施形態において、前記実際の影響区間を示すデータは、前記選択された通行可能な区間に沿った位置に関して前記選択された通行可能な区間に沿った複数の装置の移動速度を表すプロファイルを使用して判定される。
影響されると判定された通行可能な区間が前記位置データに基づいて特定される実施形態において(“実際の影響区間”)、前記区間の空間範囲を判定することと関連しているか否かに関わらず、前記影響区間は、前記選択された通行可能な区間に沿った位置に関して移動速度の相対変化の参照により、及び/又は、閾値速度の参照により、特定されてもよい。前記閾値速度は絶対閾値又は相対閾値であってもよい。例えば、前記閾値速度は、例えば履歴データに基づく、前記選択された通行可能な区間に沿った“予定”移動速度を示してもよく、前記予定閾値を下回る速度への降下、又は前記閾値を所与の量下回ることが前記実際の影響区間の開始を示すと見なされ、前記予定速度又はその所与のマージン内の速度へと戻ると、前記実際の影響区間の終了と見なされてもよい。他の実施形態において、前記実際の影響区間の範囲は、任意の絶対閾値を参照せずに判定されてもよく、それ自身の位置に関した速度データのみ参照することにより実行されてもよい。例えば、前記選択された区間に沿った所与の大きさよりも大きな、すなわち所与の相対閾値よりも大きな速度降下が、前記実際の影響区間の開始を示すと考えられてもよい。前記実際の影響区間の終了は、以前の速度に戻ること、又は、所与の相対閾値よりも大きな速度増加により示されてもよい。そうした車線等に沿った前記実際の影響区間の範囲を特定するために多数のテストが実行されてもよいことが理解されるだろう。もちろん、複数の実際の影響区間が特定されてもよい。例えば、前記選択された区間に沿った非影響領域により分離された複数の影響領域が存在すると考えられてもよい。前記影響区間が特定されると、その空間範囲及び/又は地理的位置が判定されてもよい。
前記実際に影響された通行可能な区間が位置データを使用して特定される実施形態においては、速度データ等を使用するかどうかに関わらず、それを示す適当な位置情報が前記メッセージと関連付けられてもよい。好適には、前記データは前記区間の長さ及び位置の両方を示す。これは、座標の参照によるものであってもよく、国際公開第2010/000706号及び国際公開第2010/066717号に記載のOpenLR(商標)system等の地図アグノスティック位置参照システムを使用してもよく、両出願の全内容が参照によりここに組み込まれる。
前記実際の影響区間の空間範囲が、検証及び/又は改良される前記メッセージにより示されるように交通流が影響される前記初期区間の空間範囲とは異なる実施形態において、前記方法は、前記初期のメッセージと関連付けられた空間範囲情報を修正する工程を備えてもよい。前記修正は、より短い、より長い等の、異なる道路区間が影響されることを示すために前記情報を修正する工程を備えてもよい。実施形態において、前記方法は、前記初期区間の指標を、前記実際の影響区間の指標と交換する工程を備える。あるいは、新規(又は交換)メッセージが、前記実際の影響区間の空間範囲を表す情報と共に生成されてもよく、前記初期のメッセージに代えて配信されてもよい。
前記イベントの地理的位置を示すデータの検証又は改良は、速度データを使用した前記影響区間の判定と類似の方法で実行されてもよい例えば、前記地理的位置は、前記影響区間の参照地点(基準地点)、例えば開始地点、又は最も大きな影響がある地点等、として見なされてもよい。
いくつかの実施形態において、前記方法は、(例えば前記位置データに基づいて影響されると判定された)交通流が影響される通行可能な区間に沿った予定移動速度を示すデータを取得するために前記位置データを使用する工程と、前記予定移動速度データと前記メッセージとを関連付ける工程とを備える。これらの実施形態において、前記方法は、前記速度データと前記メッセージとを関連付けることによって前記メッセージを検証及び/又は改良する工程を備える。もちろん、そうしたデータが前記メッセージと既に関連付けられているなら、前記データは、前記オリジナルのデータが正確でなくてもよい範囲まで前記メッセージを検証又は改良するために使用されてもよい。これらの実施形態において、交通流が影響される前記区間は、前記位置データを使用して判定されてもよい。従って、これらの実施形態において、前記方法は、前記位置データを使用して影響される区間を判定する工程を更に備える。これは、必ずしもそうした判定を実行する必要はないが、前記区間の空間範囲を判定する工程の一部として実行されてもよい。例えば、前記選択された区間上で速度降下が存在する領域が前記影響領域としてみなされてもよく、前記領域の両端を必ずしも正確に判定することなく予定速度値が取得されてもよい。
前記選択された通行可能な区間に沿った複数の装置の移動速度を示す速度データを取得するために前記位置データが使用される好適な実施形態において、好適には前記方法は、前記予定速度データを提供するために前記速度データを使用する工程を備える。例えば、前記速度データは前記予定速度データとして使用されてもよく、そうでなければ前記予定速度データはそれに基づいてもよい。好適には、前記予定速度データは、前記選択された通行可能な区間の前記位置データを使用して取得された速度分布に基づくものであり、最も好適にはパーセンタイル速度に基づくものである。前記パーセンタイル速度は、好適にはメジアン(中央値)速度よりも大きく、70番目又は75番目のパーセンタイル以上の速度であってもよい。しかしながら、前記パーセンタイル速度は、最速ではなく典型的な移動速度をより表すために前記イベントの有効性又は重要度を評価するのに使用されたものよりも小さくてもよい。前記予定速度データは、交通流が前記イベントにより影響されると考えられる、例えば前記速度が所与の閾値を下回る又は前記区間に沿った他の位置に対して下がる、前記選択された通行可能な区間に沿った任意の位置又は複数の位置における移動速度を示してもよい。実施形態において、前記予定移動速度は、前記位置データに基づいて交通流が実際に影響されると考えられる前記通行可能な区間に沿った移動速度を示す。これは上述したように判定されてもよい。前記選択された通行可能な区間に沿った異なる位置についての前記位置データを使用して速度データが取得される好適な実施形態において、前記影響エリアを通じた、例えば判定された場合には前記実際の影響区間を通じた、移動速度の代表として適当な予定速度が判定されてもよい。前記予定速度データは、前記区間に沿った異なる複数の位置の速度データを使用して取得された区間ごとの単一の速度値に基づいてもよく、又は、異なる複数の位置について取得された複数の速度に基づく複数の異なる速度を示してもよい。
本発明に従った実際の位置データに基づいている、例えば前記位置データに基づいて判定された実際の影響区間等の、影響区間を通じた予定移動速度を示すデータを関連付けることは、前記影響区間における現在の運転速度のより正確な反映を提供し、経路についてより正確に推定された走行時間が取得されるのを可能にする。
前記メッセージを検証及び/又は改良するのに使用される速度データを取得するために前記位置データが使用される様々な実施形態が記載されている。しかしながら、前記位置データは他の方法で使用されてもよい。例えば、道路工事等のイベントは、例えば車線閉鎖又は一時的な車線のリダイレクション等による、領域を通じた通常経路に対するいくつかの変更を含んでもよい。従って、一実施形態において、前記位置データは、(前記位置データを使用して判定されたような)前記イベントにより影響された区間に沿った予定移動経路を判定するために使用される。好適には前記経路は車線レベルの経路である。前記方法は、上述したような経路を表示する工程を更に備えてもよい。これらの実施形態は、前記実際の影響区間を特定する、又は前記実際の影響区間の特定を確認する方法も提供してもよい。
本発明に従った任意の方法は、少なくとも部分的にソフトウェア、例えばコンピュータプログラムを使用して実施されてもよい。従って、本発明は、本発明の任意の側面又は実施形態に従った方法を行うために、又はナビゲーション装置及び/又はサーバに実行させるために実行可能なコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムにも及ぶ。
同様に、本発明は、データ処理手段を備えるシステム又は装置を動作するために使用される時に、前記データ処理手段と併せて前記装置又はシステムに本発明の方法の工程を実行させるソフトウェアを含むコンピュータソフトウェアキャリアに及ぶ。そうしたコンピュータソフトウェアキャリアは、ROMチップ、CD ROM又はディスク等の非一時的物理記憶媒体であり、有線の電子信号、光学信号又は衛星等への無線信号等の信号でありうる。本発明は、機械により読み出される時に前記機械を本発明の任意の側面又は実施形態の方法を動作させる命令を含む機械可読媒体を提供する。
実現例に関係なく、本発明に従って使用されるナビゲーション装置は、プロセッサ、メモリ、並びに前記メモリ内に格納されたデジタル地図データを備える。プロセッサ及びメモリは協働して、ソフトウェアオペレーティングシステムが確立される実行環境を提供する。装置の機能性を制御可能にするため及び種々の他の機能を提供するために、1つ以上の追加のソフトウェアプログラムが提供される。本発明のナビゲーション装置は、GPS(全地球測位システム)信号受信/処理機能性を含むのが好ましい。装置は、情報がユーザに中継されるようにする1つ以上の出力インタフェースを備える。出力インタフェースは、表示装置に加えて可聴出力用スピーカを含む。装置は、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1つ以上の物理ボタンを含む入力インタフェースを備える。
他の実施形態において、ナビゲーション装置は、特定のナビゲーション装置の一部を形成しない処理装置のアプリケーションにより少なくとも一部実現される。例えば本発明は、ナビゲーションソフトウェアを実行するように構成された適切なコンピュータシステムを使用して実現される。システムは、例えば移動電話又はラップトップである移動又はポータブルコンピュータシステムであってもよく、あるいはデスクトップシステムであってもよい。
明示的に述べられていない場合でも、任意の側面における本発明は、相互に排他的ではない程度に本発明の他の側面又は実施形態について記載された任意の又は全ての特徴を含んでもよいことが理解されるだろう。特に、方法又は装置で実行されてもよい様々な実施形態の動作が記載されているが、これらの動作の任意の1つ以上又は全ては、方法又は装置において、所望のように、適切に、任意の組み合わせで実行されてもよいことが理解されるだろう。
ここでは明示的に述べられていないが、“データ”、例えば“速度データ”への言及は、所与のパラメータ、例えば速度等を示す何らかの任意のデータに及ぶものとして理解されるべきである。
上記の実施形態の利点は以下に記載され、上記の各実施形態の更なる詳細及び特徴は添付の従属請求項及び以下の詳細な説明中で定義される。
特にPNDを参照して、本発明の好適な実施形態を以下に説明する。尚、本発明の教示はPNDに限定されず、ナビゲーション機能性を提供するためにナビゲーションソフトウェアを実行するように構成されるどんな種類の処理装置にも例外なく適用可能である。従って、本出願において、ナビゲーション装置は、PND、車両に内蔵されたナビゲーション装置、あるいは実際はナビゲーションソフトウェアを実行する演算リソース(デスクトップ又はポータブルパーソナルコンピュータ(PC)、移動電話、あるいはポータブルデジタルアシスタント(PDA)等)として実現されるかに関わらず、どんな種類のナビゲーション装置も含む(それらに限定されない)ことを意図する。さらに、本発明は、装置の位置データを取得する機能を有する装置に適用可能であるが、それはナビゲーション又は経路計画機能を提供しなくてもよい。例えば、そうした装置は車両内に配置でき、車両から又は車両自身の位置判定、例えばGPSシステムから位置データを取得する、車両のインストルメントパネル(計器板)を介して速度推奨を提供するように構成される。
上記の条件を考慮して、図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す。そのようなシステムは既知であり、種々の目的で使用される。一般に、GPSは、連続した位置、速度、時間及びいくつかの例においては無数のユーザに対する方向情報を判定できる衛星無線を使用したナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして知られていたGPSは、極めて正確な軌道で地球を周回する複数の衛星を含む。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は自身の場所をどんな数の受信ユニットにも中継できる。
特にGPSデータを受信できる装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合にGPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号のみから判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現すると、受信機は、3つの既知の位置を利用して衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは既知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算により既知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
図1に示すように、GPSシステム全体を図中符号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期である可能性が高い。GPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するものとして示される。
各衛星120から継続的に送信されたスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成された非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信装置140は、GPS受信装置140に対する少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得し、三角測量によりその2次元位置を計算することが当業者には理解される。追加の信号を取得した結果、全部で4つの衛星120から信号160を取得することになり、それによりGPS受信装置140は、その3次元位置を既知の方法で計算できる。
図2は、本発明の好適な一実施形態により使用可能なナビゲーション装置200の電子構成要素をブロック構成要素の形式で例示的に示す図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に配置される。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の何らかの既知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の何らかの種類の表示画面を含むことができる。特に好適な構成において、入力装置220及び表示画面240はタッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、それによりユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために表示画面240の一部分に触れるだけでよい。
ナビゲーション装置は、例えば可聴出力装置(例えば、スピーカ)である出力装置260を含んでもよい。出力装置260がナビゲーション装置200のユーザに対する可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアも含むことができると理解されるべきである。
ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置220に動作可能に接続され且つ入力装置220から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、出力接続245を介して表示画面240及び出力装置260の少なくとも一方に動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリリソース230に動作可能に結合され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。メモリリソース230は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリ及び例えばフラッシュメモリ等のデジタルメモリである不揮発性メモリを含む。外部I/O装置280は、例えばイヤホン等の外部リスニングデバイスを含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばイヤホン又はヘッドホンへの接続のため及び/又は移動電話への接続のためにハンズフリー動作及び/又は音声起動動作を行うカーステレオユニット等の他の何らかの外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、ナビゲーション装置200とインターネット又は例えば他の何らかのネットワークとの間のデータ接続を確立するため、並びに/あるいはインターネット又は例えば他の何らかのネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機である。図中符号250で示されるアンテナ及び受信機は図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は別個に配置された構成要素であってもよく、アンテナは例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
更に、図2に示す電子構成要素は従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成は本出願の範囲に含まれると考えられる。例えば図2に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信していてもよい。従って、本出願のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
更に、図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自転車、オートバイ、自動車又は船舶等の乗り物に既知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するためにドッキング場所から取外し可能である。
次に図3を参照すると、ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば既知のBluetooth技術を介するデジタル接続等)を確立する移動装置(不図示)(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる何らかの装置等)を介して、サーバ302との「モバイル」ネットワーク接続又は電気通信ネットワーク接続を確立してもよい。その後、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置は、サーバ302とのネットワーク接続(例えば、インターネットを介する)を確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車両に搭載されて走行するため移動装置であってもよく、多くの場合は移動装置である)とサーバ302との間に確立される。
例えばインターネット(ワールドワイドウェブ等)を使用した移動装置(サービスプロバイダを介する)とサーバ302等の別の装置との間のネットワーク接続の確立は、既知の方法で行われる。これは、例えばTCP/IP階層プロトコルの使用を含む。移動装置は、CDMA、GSM、WAN等のどんな数の通信規格も利用できる。
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われる。
更に、ナビゲーション装置200は、移動装置とのデータ接続を完了し、例えば既存のBluetooth技術を介して既知の方法でインターネット及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完了する。この場合、データプロトコルは、例えばGSM規格に対するデータプロトコル規格であるGPRS等のどんな数の規格も利用できる。
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含むか、あるいはオプションとしてナビゲーション装置200の内部アンテナを使用する)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ且つ/あるいは例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール、すなわちSIMカード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、何らかの移動装置と同様の方法で、例えばインターネットを介してナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
GPRS電話設定の場合、多様な移動電話の機種、製造業者等と共に正しく動作するために、Bluetooth対応のナビゲーション装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新可能である。
図3において、ナビゲーション装置200は、多くの異なる構成のいずれかにより実現可能な汎用通信チャネル318を介してサーバ302と通信しているものとして示される。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、サーバ302及びナビゲーション装置200は通信できる(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。
サーバ302は、不図示の他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200との間で情報を送信及び送出するために、送信機308及び受信機310に動作可能に更に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び/又は他の伝搬信号を含む。送信機308及び受信機310は、ナビゲーションシステム200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は信号送受信機に組み合わされてもよい。
サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、大量のナビゲーションデータ及び地図情報を含む。また、大容量記憶装置312はサーバ302とは別個の装置であってもよく、あるいはサーバ302に組み込まれてもよい。
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を更に含む。尚、これらの装置はサーバ302以外の装置と通信するために更に使用可能である。更に、送信機320及び受信機322はナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は単一の送受信機に組み合わされてもよい。
サーバメモリ306に格納されたソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。
通信チャネル318は特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成可能である。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、変換器、無線周波数(RF)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は、例えばルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
1つの例示的な構成において、通信チャネル318は電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に対応できてもよい。更に、通信チャネル318は衛星通信に対応できる。
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は要求される信号を含むが、それらに限定されない。例えば信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信可能である。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に配置されるネットワークサーバを含んでもよい。
サーバ302はデスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318はパーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されたケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータがナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してサーバ302にナビゲーション装置200を接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を受信してもよい。情報は、自動的に又はユーザがサーバ302にナビゲーション装置200を接続する際に定期的に更新されてもよく、並びに/あるいは例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間により継続して又は頻繁に接続が確立される際により動的に更新されてもよい。多くの動的計算のため、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も同様に、多くの場合はサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
図2において上述したように、ナビゲーション装置200は、プロセッサ210、入力装置220及び表示画面240を含む。入力装置220及び表示画面240は、例えば情報の入力(直接入力、メニュー選択等を介する)及びタッチパネル画面を介する情報の表示の双方を可能にするために一体型入力表示装置に一体化される。当業者には既知であるように、そのような画面は例えば接触入力LCD画面である。更にナビゲーション装置200は、例えば音声入力/出力装置等の何らかの追加の入力装置220及び/又は何らかの追加の出力装置241も含むことができる。
図4は、ナビゲーション装置200を示す斜視図である。図4に示すように、ナビゲーション装置200は、一体型入力表示装置290(例えば、タッチパネル画面)及び図2の他の構成要素(内部GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム230等を含むが、それらに限定されない)を含むユニットであってもよい。
ナビゲーション装置200はアーム292上に位置してもよく、アーム292自体は吸着カップ294を使用して車両のダッシュボード/窓等に固定されてもよい。このアーム292は、ナビゲーション装置200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。ナビゲーション装置200は、例えばアーム292にナビゲーション装置292を嵌合接続することにより、ドッキングステーションのアーム292にドッキングされるか又は接続される。この場合、ナビゲーション装置200は、アーム292上で回動可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解除するには、例えばナビゲーション装置200上のボタンが押下される。ナビゲーション装置とドッキングステーションとを接続及び分離する他の同様に適切な構成は当業者には既知である。
本発明の方法を実施するために使用されてもよいナビゲーション装置のある特徴を説明する背景として、図1乃至図4が提供される。
本発明のいくつかの好適な実施形態が図5乃至図7を参照することにより記載される。
図5は、本発明の一実施形態に従った方法を実行するために使用されてもよい例示的なシステムを説明する。システム400は、交通メッセージ検証及び/又は改良サーバ402、サードパーティ交通メッセージプロバイダ404及び複数のPND406を含む。サードパーティ交通メッセージプロバイダ、例えばサーバ404は、データによると1以上の道路区画の少なくとも一部により構成された第1の道路区間上で交通流に影響を与えている、イベント、例として道路工事を示す交通メッセージ408を送信するように構成される。これらのメッセージは、交通メッセージチャネル(TMC)メッセージの形式であってもよく、任意の方法で、例えばFM無線ネットワークを介したブロードキャストで送信されてもよく、無線通信ネットワークを使用して送られてもよい。各メッセージは、ある基準コードを参照することにより、イベントの性質及び第1の影響道路区間の位置を特定する情報を含む。他の情報も含まれてもよい。
もちろん、交通メッセージは、道路管理者又は任意の他のプロバイダによって提供されてもよい。実際、必ずしもサードパーティに起因するメッセージではなくてもよく、その場合、本発明の方法は、既に生成されたメッセージを検証又は更に洗練させるために使用されてもよい。それは、瞬間的ではないものの一時的な影響を交通流に与えることが予測される他の種類のイベント、例えば、道路閉鎖、車線閉鎖等に関してもよい。例えば、24時間以上続く影響を与えると予測されるイベントが、特に本発明に適用可能である。
交通メッセージ408は、交通メッセージ検証及び/又は改良サーバ402で受信されて、ここで記載される方法に従って検証及び改良を受ける。検証及び/又は改良されると、結果として生じるメッセージは、サーバ402により検証及び/又は改良メッセージのデータベースに格納され、追加的に複数のPND306の各々に対して適切に送信される。メッセージは、代替的又は追加的にADASに送信されてもよく、又は、例えばwebベースのシステムを介して経路計画アプリケーションにアクセス可能に構成されてもよい。これらの場合、メッセージはそうしたアプリケーションのサーバへ提供されてもよい。もちろん、メッセージ自体を送信するのではなく、メッセージの任意の部分又は複数の部分、又はそれに基づく情報等が、送信されてもよいし、使用されてもよい。
図6を参照して、メッセージの検証及び/又は改良がサーバ402により実行されてもよい一実施形態が記載される。サーバへの参照は単に例示的なものであって、そうした方法は他の装置、例えばナビゲーション装置、ADAS、又は適切に構成されたプロセッサを有する任意の計算装置によって、少なくとも一部が、又は排他的に、実施されてもよいことが理解されるだろう。分散システムが使用されてもよい。
ステップ1において、交通メッセージが、サーバにおいて例えばサードパーティプロバイダから受信される。メッセージは、イベントが、特定の(“初期の”)道路区間上の交通量に影響を与えている道路工事であることを特定する。
ステップ2において、ライブプローブデータが、位置決め機能を有する複数の装置から、例えば、交通メッセージで特定された初期の道路区間、及び追加的に初期の道路区間のどちらかの端部における2kmの長さの更なる道路区間を含む、選択された道路区間に沿って移動する車両内に配置されたPNDから、取得される。データは、以前の15分以下の移動に関するものであるという点で“ライブ”である。プローブデータは、時間に関して複数の区画に沿った、装置、例えば車両の移動を表すタイムスタンプ付き位置データであり、選択された道路区画に沿った各装置の移動を表す複数のプローブ軌跡の形式である。
プローブデータを収集する際は、統計的に意味のある結果を提供するために十分な量のデータを取得する必要がある。最新の速度観察に基づいて最新の速度情報を提供するために、及び、信頼性のある速度分位数(速度クオンタイル)を計算するために十分な統計的基礎を提供するために、ある数の速度観察が収集されている時にデータの評価が可能であると判定するアルゴリズムが使用されてもよい(第1の閾値t1;全ての観察された道路区画の最小値)。測定された速度が(閾値t1より大きい)第2の閾値t2を超過するなら、データ収集はリセットされて、新しいデータが収集される。以前の評価ステータスは、新しい評価のために十分な観察が収集されるまで保持される。必要な数の速度観察を収集するのにかかる時間は、関連する区画に渡る交通の量に依存するだろう。より混雑した区画についてはこの時間は比較的短いかもしれないが、一方、交通量が少ない他の区画については比較的長いかもしれない。関連する複数の区画に関するデータが、収集されて処理されなければならないのであれば、所与のメッセージについて関連する量の観察を収集するのにかかる時間は、事実上、本発明が適用可能なイベントの期間を制限するかもしれない。短いライブイベント、例えば事故は、一般に、メッセージを検証又は改良する用に関連データが収集されて処理されるのを可能にするのに十分な期間ではないだろう。必要なデータを収集するのにどのくらいかかりそうかに依存してイベントの影響期間はより短く又はより長くできるが、一般に、本発明は、一時的ではあるが、少なくとも24時間続くイベントに適用可能である。300−400の速度観察、すなわちプローブ軌跡から十分かもしれないことが分かっている。
受信したデータは、選択された道路区間の長さに沿った複数の位置の各々について速度分布を取得するために、例えば、選択された道路区間を構成する道路区画に対してデータをマッチングすること、個々のプローブ軌跡を束(バンドル)にすること等の任意の適切な処理を受けてもよい。この分布は、選択された道路区間に沿った位置に関して複数の装置の所与のパーセンタイル(百分位数)速度を表すプロファイルを取得するために使用される−ステップ3。パーセンタイル速度は、例示的な一実施形態では、90番目のパーセンタイル速度である。あるいは、75番目又は80番目又は85番目のパーセンタイル速度、あるいは、メジアン(中央値)よりも大きい任意の他の適当な速度が使用されてもよい。プローブの最速の10%の速度を表す、90番目のパーセンタイル速度の使用は、複数の区画に沿った移動速度に関して、道路工事、又は、任意の他の交通流に影響するイベントの影響を反映するのに特に有用であると考えられている。関連するプローブデータが収集されると、適切な解析により様々な異なるパーセンタイル速度プロファイルが取得されてもよいことが理解されるだろう。
図7は、関連する速度分位数(速度クオンタイル)を説明する例示的なプロファイルを説明しており、この場合は、選択された道路区間に沿った長手方向位置に対する、90番目のパーセンタイルである。これは、初期メッセージを改良する目的で考慮されている道路区間であり、メッセージで元々特定された初期の道路区間よりも長いものである。
図6に戻ると、図7に示される種類の速度プロファイルは様々な方法で使用されてもよく、適当なアルゴリズムを使用して実施されてもよい。速度プロファイルは、オリジナルのメッセージが有効であるかどうか―ステップ4、すなわち、それが特定するイベントが実際に交通流に重要な影響を生じさせるかどうか、を判定するために使用されてもよい。例えば、もし、90番目のパーセンタイル速度について結果として生じる速度プロファイルが、(オリジナルのメッセージにより影響されているとして特定された初期区間、及びどちらかの側に2kmの区間を含む)前記選択された道路区間に渡って連続的に高速であることを示すなら、イベントが存在するかもしれない範囲まで、道路区画に沿って移動する運転手の運転挙動に重要な影響を与えていないことが分かる。これは、履歴速度プロファイルに基づいてもよい、90番目の速度パーセンタイルの閾値速度との比較により判定されてもよい。履歴速度プロファイルは、比較的より長い期間に渡るプローブ軌跡の集合に基づいてもよく、その結果、比較的一時的なイベントから生じる現在の速度変化は、プロファイルに影響すると想定されないだろう。従って、履歴速度プロファイルは、通常想定されてもよい速度を示す閾値を設定するために使用できる。メッセージが無効であると分かったなら、検証されず、さらに考慮されることはない。それは、交通サーバにより格納されたメッセージのデータベースに追加されず、PNDへ送られない。
メッセージが有効であると考えられるなら、第2のテストが、メッセージの相対的重要性、すなわち、交通流に対するイベントの影響の重要度(影響度)を判定してもよい−ステップ5。これは、履歴速度に基づいて90番目のパーセンタイル速度を閾値速度と比較することにより実行されてもよい。閾値速度を下回るパーセンタイル速度の有意な降下は、イベントが道路区間に沿った移動速度に重大な影響を与えていることを示すだろうし、メッセージは、それが複数のPNDに伝えられて、適切に、交通サーバのデータベースに格納されるべきであるという重要度レベルであると考えられる。嗜好に依存して、ステップ5において有効と判定された任意のメッセージは複数のPNDに伝えられてもよく、あるいは、そうしたメッセージのみがさらに第2のテストを通過し、すなわち閾値テストに基づいた有意な重要度である。
ステップ6において、(図7に示されるような)速度プロファイルが、交通流がイベントにより影響される道路区間のより正確な空間範囲を判定するために使用される。プロファイルが、相対及び絶対閾値を使用して評価された、パーセンタイル速度の有意な変化を示す場合、これは、道路区間の開始位置、及び道路区間の終了位置を示してもよい。このようにして、速度データは、イベント、例えば道路工事により影響された道路区間のより正確な局所化を提供するために使用されてもよい。より正確な空間局所化情報がメッセージと関連して格納される。これは、PNDへ送られる場合、メッセージと一緒に送信され、すなわち、オリジナルのメッセージを改良する。
図7を参照することにより、道路工事により影響された道路区間のより正確な空間的局所化の系統的論述が記載されるだろう。この図において、矢印Aは初期のメッセージで道路工事により影響されていると示された初期の道路区間を示す。第1の道路区間、及びどちらかの側に更に2kmの道路区間を含む選択された道路区間に沿った距離に関する、所与の、例えば90番目の、速度パーセンタイルを表すプロファイルから分かるように、交通流が影響される実際の道路区間は、実際はより短い区間、注釈付きのBである。これは、パーセンタイル速度が一時的により低い値への降下を経験する区間である。従って、メッセージにおいて影響されていると特定された道路区間は、この道路区間Bに対応するようにトリミングされてもよく、それは“実際に影響された道路区間”と呼ばれることができ、道路区間Bの対応する開始地点及び終了地点が改良されたメッセージに含まれる。これは、イベント、例えば道路工事が、例えば到達されている異なる施工段階により、移動可能、すなわち定期的に位置を変える場合に特に有用であるかもしれない。従来の交通メッセージは一般にそうした位置の変化を考慮していない。
ステップ7において、影響道路区間に沿った予定移動速度を示す速度は、収集されたプローブデータに基づいて判定されて、メッセージと関連付けられてもよい。これは、有利には、プローブデータを使用して判定された速度分布から取得されたパーセンタイル速度である。そのパーセンタイル速度は、メッセージの有効性を考慮する、又はより正確な空間的局所化を実行するときに使用されるものよりも低いパーセンタイル速度、例えば75番目のパーセンタイル速度であってもよい。これは、“ライブ”プローブデータにより示されるような実際の運転状況に基づいて影響区間に沿った可能性の高い移動速度の指標を提供してもよい。この速度情報は有用であり、従来の履歴速度プロファイルを使用して到達可能であるよりも、例えばPNDにより移動時間の改良された推定がなされるのを可能にする。速度情報は、電子地図への改良としてメッセージが受信されると、例えば改良されたメッセージと組み合わせて、PNDにより表示されてもよい。
上記は、受信された交通メッセージに関して実行されてもよい多数の改良又は検証のステップの一例を与えるものであることが理解されるだろう。これらの全てのステップが実施される必要はなく、ステップの順序が所望のように選択されてもよい。ステップが実行されることに依存して、結果として生じる改良は、例えば、イベントの重要度、イベントの空間的局在性、予定移動速度およびメッセージと関連付けられた移動経路に関する新しいデータと共に、改良/検証された交通メッセージを取得するために使用され、それによって改良及び検証された交通メッセージを提供する。ステップ8において、改良/検証されたメッセージは、交通サーバのデータベースに格納され、複数のPNDへ送信される。PNDは、メッセージを使用して様々な機能を実行してもよい。メッセージはユーザに対して表示等されてもよく、ここに含まれた情報は、経路計算、表示された電子地図の改良、移動時間/到着時間の推定、影響道路区間を通る経路の車線レベルにおける詳細ビューの提供、運転手への警報又は警告の提供等、のうちの何れか又は全てを含むステップで使用されてもよい。
PNDに提供されるのではなく、又はPNDに提供されることに加えて、メッセージは、車両のADASへ提供されてもよく、そこに含まれる情報がシステムへの入力として使用されてもよい。例えば、これは、PNDに関して議論したのと同様の方法で、ADASが、ユーザに警報又は警告を提供すること、経路を計算すること、移動時間/到着時間を推定すること、ADASの制御下で表示された電子地図にメッセージに基づく情報又は影響区間を通る経路の車線レベルのビューを表示させること、に帰結してもよい。もちろん、ADASは、メッセージに基づく情報をユーザに出力しなくてもよいし、その様々な機能においてそこに含まれる情報を単純に使用してもよい。情報は、車線支援、及び/又は、ASASのアダプティブクルーズコントロール(車間距離制御)の特徴、例えば運転というタスクへ運転手の精神的注意を戻すこと、又はメッセージにより示された交通状況の重要度に依存してある運転モードをトリガすること、に使用されてもよい。
PND又はADASを使用して伝達されるかどうかによらず、本発明に従って交通メッセージへなされた改良は、運転手又はユーザに対して改良された経験を提供できることが理解されるだろう。例えば、必ずしもナビゲーション機能を有しない、経路計画アプリケーションの、メッセージがユーザへ伝達されるなら、イベント、例えば道路工事の実際の影響を考慮してより経路が正確に計画されることが可能になるという利点も得られる。
交通サーバにより格納された改良/検証されたメッセージは、様々なソースから受信されたメッセージに基づく、より高品質且つ最新の交通メッセージの改良されたデータベースを提供する。これは、サードパーティに提供されてもよいより高品質なデータのセットを提供する。改良/検証されたメッセージは、それらが基づく初期メッセージと比較されてもよく、所与のプロバイダ、例えばサードパーティ交通メッセージプロバイダ又は道路管理者から取得されたメッセージの質を評価する方法を提供することが想定される。これは、所与のソースから取得されたデータについて質フィードバックを提供すること又はプライシング(価値付け)構造を設定することに使用されてもよい。
(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)この明細書に開示された全ての特徴、及び/又は、開示された任意の方法又はプロセスのステップの全ては、そうした特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である場合を除いて、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。
(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)この明細書に開示された各特徴は、そうではないと明示的に述べられていない限り、同一、同等又は類似の目的を提供する代替特徴により置き換えられてもよい。従って、そうではないと明示的に述べられていない限り、開示された各特徴は、汎用の一連の同等又は類似の特徴の一例である。
本発明は、先述の任意の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)この明細書に開示された特徴の、任意の新規な1つ、又は任意の新規な組み合わせに及び、開示された任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規な1つ、又は任意の新規な組み合わせに及ぶ。特許請求の範囲は、単純に前述の実施形態をカバーするものと解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の範囲に該当する任意の実施形態もカバーする。