JP7124789B2 - 吸遮音部材 - Google Patents

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本発明は、音源から発せられる音を吸音及び遮音可能な吸遮音部材に関し、より具体的には、吸遮音に寄与する形状を備えた基材と、基材を補強する補強材とを備えた吸遮音部材に関する。
この種の吸遮音部材は、騒音対策の観点から各種の構造体に用いられており、とりわけ車両の構成部材に好適に用いられている。この吸遮音部材は、一般的にヘルムホルツの共鳴原理を利用して騒音を吸音する基材を備えており、この種の基材として、中空な凸部と、凸部の内外を連通する連通部とを備えた板状の部材を使用している。そして基材は、その構成素材によって吸音性や遮音性に差がでることが知られており、例えばセルロース系繊維の積層体は優れた吸遮音性を有することが知られている。
ここで基材の吸遮音性に着目して素材を選択した場合、その素材によって吸遮音部材の剛性が左右されるといった事態は極力回避すべきである。そこで特許文献1及び特許文献2には、紙製の部材の剛性を確保する技術が開示されており、より具体的には二枚のシート紙を貼り合わせることでその剛性を確保する技術が開示されている。例えば特許文献1の技術では、円ディンプル形成紙を、平らなライナ紙で補強する技術が開示されている。この特許文献1の技術では、円ディンプル形成紙の面方向に、楕円形状のディンプル(窪み)が複数設けられており、各ディンプルの底側が円ディンプル形成紙の裏側に突出している。そこで円ディンプル形成紙の裏側をライナ紙で覆いつつ、このライナ紙を各ディンプルの底側に接着することにより、円ディンプル形成紙を補強することとしている。また特許文献2の技術では、上述の円ディンプル形成紙に相当するシート同士を互いに接着している。そこで特許文献1及び2の技術を適用して、基材の一側に別のシート材を貼り合わせて補強することにより、吸遮音部材の剛性を確保することが考えられる。
特開2000‐6276号公報 特開2006‐1036号公報
ところで吸遮音部材の補強に際しては、補強用のシート材が原因となって、基材の吸遮音性が損なわれるといった事態は極力回避すべきである。例えば特許文献1及び2の技術を素直に適用して、基材の一側にシート材を貼着した場合、このシート材の貼着が原因となって基材が反り返るように変形することが懸念される。このような基材の変形は、剛性の低下を招くとともに、凸部内の体積が変わってしまう原因ともなり、所望の吸遮音性を確保する上で好ましいものではない。さらに補強用のシート材が凸部の連通部を塞いだ場合には、基材の吸音性が著しく低下することとなり、特に複数のシート材を用いる場合に連通部の閉塞が生じやすくなる。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、吸遮音部材の剛性を、基材の吸遮音性を極力維持しつつ確保することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の吸遮音部材は、吸遮音に寄与する形状を備えた基材と、基材を補強する補強材とを備えている。この種の構成では、吸遮音部材の剛性を、基材の吸遮音性を極力維持しつつ確保できることが望ましい。そこで本発明の吸遮音部材では、第一の補強材が、音源を臨む基材の一側に固着され、第二の補強材が、一側とは反対の基材の他側に固着されている。また基材は、第一の補強材と第二の補強材とに交互に当接するように曲げ形成されている板材であるとともに、両補強材の間の隙を埋めるように突出している中空の凸部を複数有している。そして第一の補強材で閉塞された凸部内の第一空間部と、隣り合う凸部同士の間に設けられ且つ第二の補強材で閉塞された第二空間部とは、凸部の内外を連通する連通部にてつながっており、連通部の第二空間部側の開口は、第一の補強材と第二の補強材の間に配置する凸部の側壁部に設けられている。そして第1発明の吸遮音部材の基材は、複数のセルロース系繊維が積層して一体化されたパルプモールド成形体であるとともに、基材の内面が第一の補強材側に向けられ、内面よりも大きな凹凸形状を有する基材の外面が第二の補強材側に向けられている。
本発明では、第一の補強材と第二の補強材とによって基材をその一側と他側とからバランスよく補強している。このため基材の意図しない変形を極力回避することができ、吸遮音部材の剛性をより適切に確保することが可能となる。また本発明の吸遮音部材では、各補強材と基材とによって二種類の空間部を設け、さらに両空間部を連通部にて連通することで、優れた吸遮音性の確保に資する構成となっている。そして連通部の第二空間部側の開口を両補強材の間に配置する凸部の側壁部に設けたことで、各補強材による連通部の閉塞を極力回避することが可能となっている。
第2発明の吸遮音部材は、第1発明の吸遮音部材において、基材は、隣り合う凸部の間の底壁部に設けられた面状の第一固着面と、凸部の頂に設けられた面状の第二固着面とを有し、第一固着面に、板状に形成された第一の補強材が固着され、第二固着面に、板状に形成された第二の補強材が固着されている。本発明では、基材に設けられた第一固着面と第二固着面に対応する補強材を面的に固着できるため、吸遮音部材の剛性をより確実に確保することが可能となっている。
第3発明の吸遮音部材は、吸遮音に寄与する形状を備えた板状の基材と、基材を補強する補強材とを備えた吸遮音部材において、第一の補強材が、音源を臨む基材の一側に固着され、第二の補強材が、一側とは反対の基材の他側に固着され、基材は、第一の補強材と第二の補強材とに交互に当接するように曲げ形成されている板材であるとともに、両補強材の間の隙を埋めるように突出している中空の凸部を複数有し、第一の補強材で閉塞された凸部内の第一空間部と、隣り合う凸部同士の間に設けられ且つ第二の補強材で閉塞された第二空間部とは、凸部の内外を連通する連通部にてつながっており、連通部の第二空間部側の開口は、第一の補強材と第二の補強材の間に配置する凸部の側壁部に設けられており、基材は、隣り合う凸部の間の底壁部に設けられた面状の第一固着面と、凸部の頂に設けられた面状の第二固着面とを有し、第一固着面に、板状に形成された第一の補強材が固着され、第二固着面に、板状に形成された第二の補強材が固着されており、基材には、複数の凸部と複数の底壁部とが密集して設けられている密集領域が形成されているとともに、音源側から見た密集領域の平面視を基準として、所定の方向を一方向とし且つ一方向に直交する方向を他方向とした場合、密集領域には、凸部と底壁部の少なくとも一方の部が一方向に並列することで形成された第一列部位と、凸部と底壁部の少なくとも一方の部が一方向に並列することで形成された第二列部位とが、他方向に隣接して設けられているとともに、第一列部位に凸部が設けられている場合には、その他方向における隣に第二列部位に設けられた底壁部が配置され、第一列部位に底壁部が設けられている場合には、その他方向における隣に第二列部位に設けられた凸部が配置されている。
本発明では、密集領域において、凸部同士又は底壁部同士が他方向に隣接しないようこれらをバランスよく配置している。このため本発明では、凸部同士又は底壁部同士を一方向及び他方向の双方で隣接させる場合に比して、吸遮音部材の吸遮音性や剛性の確保に資する構成となっている。
第4発明の吸遮音部材は、第2発明又は第3発明の吸遮音部材において、凸部が角柱状に形成されて、第二固着面の外形形状が概ね多角形をなしている。本発明では、第二固着面が概ね多角形に形成されているため、凸部を複数形成する場合にこれらの第二固着面同士をより密集させて配置しておくことが可能となる。このため本発明では、基材の単位面積当たりの凸部の数を比較的自由に調整することができ、吸遮音部材の吸遮音性の調整が容易な構成となっている。
第5発明の吸遮音部材は、第2発明~第4発明のいずれかの吸遮音部材において、第一の補強材から第二の補強材に向かう方向を吸遮音部材の厚み方向とした場合、基材は、第二の補強材に固着されている一般凸部と、吸遮音部材の厚み方向への突出量が一般凸部よりも小さい中間凸部とを有している。そして中間凸部の頂には面状の中間面部が設けられているとともに、中間面部は、第一固着面と第二固着面の厚み方向における中間位置に配置されている。本発明では、両固着面の間に形成された中間凸部の中間面部によって、吸遮音部材の一側又は他側への反り返りを極力阻止することができ、吸遮音部材の優れた剛性の確保に資する構成となっている。
第6発明の吸遮音部材は、第1発明~第5発明のいずれかの吸遮音部材において、音源側から見た基材の平面視を基準として、第一の補強材と第二の補強材とは、基材の全てを覆うように固着されている板状の部材である。本発明では、基材を覆うように各補強材を設けたため、吸遮音部材の優れた剛性の確保に資する構成となっている。
本発明に係る第1発明によれば、吸遮音部材の剛性を、基材の吸遮音性を極力維持しつつ確保することができる。また第2発明によれば、吸遮音部材の剛性をより確実に確保することができる。また第3発明によれば、吸遮音部材の剛性と基材の吸遮音性をバランスよく確保することができる。また第4発明によれば、吸遮音部材の剛性を、基材の吸遮音性を適切に調整しつつ確保することができる。また第5発明によれば、吸遮音部材の剛性をより適切に確保することができる。そして第6発明によれば、吸遮音部材の剛性を更に確実に確保することができる。
車両の概略透視側面図である。 車両の一部の概略断面図である。 基材の拡大斜視図である。 吸遮音部材の概略拡大断面図である。 密集領域を示す基材の斜視図である。 密集領域の概略拡大上面図である。 ヘルムホルツ共鳴器の概略図である。 音の移動経路を示す車両の概略透視側面図である。 実施形態2の基材の概略上面図である。 実施形態3の基材の概略上面図である。 実施形態4の吸遮音部材の概略断面図である。 実施形態4の基材の概略上面図である。 実施形態5の基材の概略上面図である。 実施形態6の基材の概略上面図である。 実施形態7の基材の概略上面図である。 実施形態8の基材の概略上面図である。 三点曲げ試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、図1~図17を参照して説明する。図1、図2及び図8には、便宜上、車両の前後方向と上下方向を示す矢線を図示する。また図3~図7及び図9~図16では、吸遮音部材又は基材が車両に取付けられた状態を基準として、吸遮音部材又は基材の前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。
[実施形態1]
図1に示す車両2は、外形をなす車両ボディ3と、車両ボディ3で囲まれた車室4と、吸遮音部材10とを有している。吸遮音部材10は、車室4の床面4a側に設置されているボード状の部材であり、後述する上下一対の補強材11,12と、基材13とを有している。この吸遮音部材10では、後述する基材13が吸遮音に寄与する形状を有することで、車室内外から発せられた音を吸遮音することが可能となっている。そして吸遮音部材10では、基材13を所望の素材で形成した上で、後述する上下一対の補強材11,12によって剛性を確保することとしている。この種の構成では、吸遮音部材10の剛性を、基材13の吸遮音性に配慮しつつ確保することが望ましく、各補強材11,12によって基材13の吸遮音性が損なわれるといった事態は極力回避すべきである。そこで本実施形態では、後述する構成によって、吸遮音部材10の剛性を、基材13の吸遮音性を極力維持しつつ確保することとした。以下、各構成について詳述する。
[第一の補強材、第二の補強材]
図2に示す第一の補強材11と第二の補強材12は、後述する基材13を補強するための部材である。これら各補強材11,12は、いずれも概ね平板状に形成されており、床面4aに沿うように配置されている。そして第一の補強材11と第二の補強材12の外形寸法は、上下方向から見た面積で規定でき、後述する基材13の外形寸法以上に設定することが望ましい。本実施形態では、各補強材11,12の外形寸法を基材13の外形寸法と概ね同一に設定することで、各補強材11,12が、後述するように上下対称となるように配置されて基材13全面を覆うように配設される。
ここで図2に示す各補強材11,12の素材として、後述する基材13を補強可能な各種の素材を用いることができ、音の通過を許容する各種の素材を用いることが好ましい。この種の素材として、樹脂製やエラストマ(ゴムを含む)製の板材、車両ボディと同種又は異種の金属製の板材、後述の基材13と同種の素材からなる板材、布帛や皮革などからなる板材を例示できる。そして各補強材11,12の少なくとも一部は、後述の基材13よりも剛性に優れる素材で形成することが望ましく、例えば樹脂製や金属製の板材は曲げ剛性に優れているため、素材として好適に使用することができる。なお軽量性と剛性の確保の観点から、繊維を含有した樹脂製の板材(繊維強化プラスチック)を各補強材11,12に用いることができ、この種の繊維として、耐衝撃性に優れているガラス繊維やカーボン繊維やアラミド繊維を例示できる。
[基材、底壁部]
図2~図4に示す基材13は、所定の外形寸法(面積)を有する板状の部材であり、第一の補強材11と第二の補強材12の間に挟み付けられた状態で配設されている(基材13の素材は後述)。この基材13は、図2に示すように第一の補強材11と第二の補強材12に交互に接するように曲げ形成されており、吸遮音に寄与する形状として、底壁部14と、複数の凸部15及び連通部30(詳細後述)を有している。ここで底壁部14は、図2及び図3を参照して、基材13の下面をなす上方視で六角形状とされた板状部位であるとともに、この底壁部14全体が第一固着面13Aとなっている。そして底壁部14で形成された第一固着面13Aは、第一の補強材11の上面にあてがわれた状態で面接触している。なお基材13の底壁部部分では、隣り合う底壁部14の間に立壁状のリブ(図示省略)を凸設することができ、このリブによって底壁部14同士を区分けしておくことが可能となる。
[凸部]
図2及び図3に示す複数の凸部15は、それぞれ第一の補強材11と第二の補強材12の間の上下の隙を埋めるように底壁部14から上方に突出している部位である。これら各凸部15は、概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、一つの凸部15を例にその詳細を説明する。図3に示す凸部15は、概ね六角柱状をなす中空部位であり、その外形形状は、頂側の上面をなす第二固着面13Bと、周面をなす六つの側壁部21~26とで形成されている。そして第二固着面13Bは、上方視で第一固着面13Aと同形同寸とされた六角形状の板状部位であり、図2に示す第二の補強材12の下面にあてがわれた状態で面接触している。なお凸部15の下側は、底壁部14が配置されておらず解放状となっており、第一の補強材11で蓋をされた状態となっている。
[側壁部]
また図3に示す六つの側壁部21~26は、第二固着面13Bの対応する辺と底壁部14とをつなぐ部分であり、図2に示す第一の補強材11と第二の補強材12の間に配置されている。そして凸部15では、対をなす側壁部同士がハット断面形状をなすように配置されており、構造的に強度性が高められている。例えば凸部15の前側に配置されている前側壁部21とその対向位置にある後側壁部22とは、図4に示すように第二固着面13Bから底壁部14に向かうにつれて次第に互いに離れる方向に傾斜している。こうして凸部15をハット断面形状として強度性を高めることにより、第二の補強材12を通して凸部15に対して上下方向から荷重がかけられた場合においても、この凸部15の形状を適切に維持することが可能となっている。
[連通部]
図2~図4に示す連通部30は、凸部15の内外を連通する部位であるとともに、後述する第一空間部41と第二空間部42をつなぐ部位でもある。ここで各凸部15には、概ね同一構成の連通部30が設けられているため、以下に、一つの凸部15を一例に連通部30の詳細を説明する。図4に示す凸部15の連通部30は、凸部15の後側壁部22の一部を利用して形成されている部位であり、凸部15の内外を連通する通路部32を有している。そして連通部30は、傾斜状の後側壁部22に対して上下方向に突出する筒状の部位とみなすことができ、上下方向において所定の長さ寸法L1を有している。
また図4に示す通路部32は、気体の通過を許容する開口面積Sの通路であり、連通部30の軸線方向に沿って後側壁部22を厚み方向(図4の上下方向)に貫通している。この通路部32は、連通部30の下端で凸部15内に開口する第一開口OP1と、連通部30の上端で開口する第二開口OP2とを有している。そして第二開口OP2は、本発明の連通部の第二空間部側の開口に相当する部分である。この第二開口OP2は、第一の補強材11と第二の補強材12の間に配置する凸部15の後側壁部22に設けられており、後述する第二空間部42を臨む位置に配置されている。ここで連通部30においては、後述するヘルムホルツの共鳴原理により、通路部32の開口率を調節することで吸音すべき音の周波数を設定することが可能となっている。そして連通部30(通路部32)は、後側壁部22に複数又は単数設けることができ、連通部30を単数形成する場合には、通路部32の開口面積Sと後側壁部22の面積の割合で開口率を規定することができる。また複数の連通部30を設ける場合には、全ての通路部32の合計開口面積と後側壁部22の面積の割合で開口率を規定することができる。
[密集領域]
そして図5を参照して、基材13には、複数の凸部15と底壁部14とが密集して設けられた密集領域28を形成することができる。例えば本実施形態の基材13では、上方(第一の音源側)から見た平面視を基準として、概ね四角形状(菱形状)の密集領域28,28Xが複数形成され、これら各密集領域28,28Xが前後左右に隣接して配置されている(図5では、便宜上、特定の密集領域に特定の符号28を付し、その他の密集領域には共通の符号28Xを付すとともにその外形のみ図示する)。そして各密集領域28,28Xでは、同一の配置パターンで底壁部14と凸部15とが密集して配置されているため、以下に、一つの密集領域28を例にその配置パターンを説明する。
この密集領域28では、図5を参照して、中心Cに配置された六角形状の底壁部14を囲むように、凸部15が四角形をなすように並ぶ列と、底壁部14が四角形をなすように並ぶ列とが交互に複数(図では3つずつ)形成されている(図5では、便宜上、底壁部にハッチをつけることで凸部と区別しているとともに、一部の凸部と底壁部にのみ対応する符号を付す)。そして四角形をなす各列は、密集領域28の外側に向かうにつれて次第に寸大となっているとともに、密集領域28の最外郭は、最も大きな四角形状の底壁部14の列で構成されている。そして密集領域28は、凸部15の列(凸状)と底壁部14の列(凹状)とが交互に配置されることで、前後方向において凹凸形状となり且つ左右方向においても凹凸形状となっている。このように密集領域28を前後左右に凹凸形状に形成することで、基材13の前後方向及び左右方向の剛性を高めてその板形状を極力維持することが可能となり、吸遮音部材10の意図しない反り返りの発生を極力回避できる。
[第一列部位及び第二列部位(凸部と底壁部との配置関係)]
さらに図5に示す密集領域28では、上方から見た平面視を基準として、凸部15の前後と左右のいずれかに底壁部14が隣接し、底壁部14の前後と左右のいずれかに凸部15が隣接して配置された状態となっている。例えば図6を参照して、密集領域28の中で左右に延びる底壁部14の列を第一列部位29Aとした場合、第一列部位29Aは、底壁部14が並列することで下方に凸状とされている。また第一列部位29Aの前後には、凸部15の列である第二列部位29Bがそれぞれ配置されており、これら各第二列部位29Bは、凸部15が並列することで上方に凸状とされている。そして密集領域28では、各第一列部位29Aにおいて底壁部14同士が左右方向に並んでいる一方で、これら各底壁部14の前後方向における隣には、対応する第二列部位29Bの凸部15が配置された状態となっている。また同様に各第二列部位29Bにおいて凸部15同士が左右方向に並んでいる一方で、これら各凸部15の前後方向における隣には、対応する第一列部位29Aの底壁部14が配置された状態となっている。そして本実施形態では、左右方向が、本発明の所定の方向である一方向に相当し、前後方向が、一方向に直交する他方向に相当する。こうして隣り合う第一列部位29Aと第二列部位29Bが異なる凹凸形状を有して、凸部15と底壁部14とが前後にバランス良く配置されることにより、後述する吸遮音部材10の吸遮音性や剛性の確保に資する構成となる。
また図5及び図6に示す密集領域28では、各底壁部14と各凸部15とが密集して配置されることで、第一固着面13Aと第二固着面13Bとがバランスよく配置された状態となっている。とくに本実施形態では、各固着面13A,13Bが、ともに六角形状に形成されているため、上面視において隙間なく充填されるように密集して配置しておくことが可能となっている。すなわち各第一列部位29Aでは、隣り合う第一固着面13Aが、対応する辺同士を左右に対向させた状態で配置され、各第二列部位29Bでは、隣り合う第二固着面13Bが、対応する辺同士を左右に対向させた状態で配置されている。そして前後に隣り合う第一固着面13Aと第二固着面13Bも、対応する辺同士を前後に対向させた状態で配置されている。
[基材の素材]
ここで図2~図6に示す基材13の素材として、音の吸音や遮音に適した素材を用いることができ、凸部15の外形を維持可能な剛性を備えた素材を用いることが好ましい。この種の素材として、セルロース系繊維や動物繊維や鉱物繊維や無機繊維などの繊維積層体、車両ボディ3と同種又は異種の金属製の板材、各種の樹脂(エラストマを含む)やゴム製の板材を例示できる。なかでも繊維積層体は、吸音性能や遮音性能に優れているとともに金属や樹脂に比して軽量であるため、基材13の素材として好適に用いることができる。そして本実施形態では、基材13の素材として、複数のセルロース系繊維を積層状態で一体化した素材を用いている。この種のセルロース系繊維として、植物繊維(天然繊維)や再生繊維や精製繊維や半合成繊維等の各種のセルロース系繊維を使用でき、原料調達の利便性やリサイクル性を考慮するとパルプ(詳細後述)から得られるセルロース系繊維を好適に使用することができる。そして基材13の表面は、セルロース系繊維が密に交絡して一体化されることで適度な硬さを有しており、車室内外の音を適度に遮音することが可能となっている。
[吸遮音部材の形成手法]
また図2~図6に示す基材13の形成手法は、用いるべき素材に応じて適宜設定可能である。例えば本実施形態では、成形型(図示省略)を用いたパルプモールド成形によって、セルロース系繊維を積層状態で一体化した素材で基材13を形成している。このパルプモールド成形の成形型は、外面をなしている成形面と、成形面に沿うように配置された網材と、成形面に開口する液体吸入部とを備えている。成形面には、凸部15を形成すべき複数の凸状部が適宜の間隔で設けられており、隣り合う凸状部の間は、底壁部14を形成するための平坦部となっている。また網材は、液体の通過を許容するがセルロース系繊維の通過は実質的に許容しないネット状の部材であり、成形面の概ね全面を覆うように設置されている。また液体吸入部は、後述するように液体を成形型内に吸引するための部位であり、液体吸入部の開口を、成形面の適宜の位置に複数設けることができる。この液体吸入部は、図示しないポンプと、吸引された液体を所定場所に移送する成形型内の図示しない流路(図示省略)とを有している。
そして成形型を、セルロース系繊維を含む液状の原液(詳細後述)に浸した状態として、液体吸入部から原液の液体を吸入しつつ、網材の上にセルロース系繊維を積層させる。例えば成形型を上下逆にして成形面を原液中に浸したのち、この成形面に開口する液体吸入部から原液の液体を吸引する。そうすると液体に含まれるセルロース系繊維は、成形型の外面を覆う網材を通過できないため、網材上に徐々に積層していくこととなる。そして所望の積層量(詳細後述)のセルロース系繊維が網材上に積層されたのちに、成形型を原液から引き揚げ、積層したセルロース系繊維を乾燥させて一体化させる。こうして図4に示す基材13の大まかな外形が、セルロース系繊維を積層状態で一体化した素材で形成され、さらに凸部15には、連通部30(外形部分)が一体化した状態で形成される。そこで基材13を、成形型から取外して乾燥させたのち、連通部30に通路部32を設けて凸部15の内外を連通する。なお通路部32は、連通部30の形成と同時に形成することができ、この場合には、通路部形成用の棒状又は板状の突起部を成形面に突設しておくことが望ましい。
ここで図4に示す基材13の平均厚み寸法(乾燥後のセルロース系繊維の平均積層量)は、基材13の適度な剛性を確保できる限り特に限定しない。例えば基材13を車両用の内装材として用いる場合、基材13の平均厚み寸法は、典型的に1.5mm~15mmの範囲に設定でき、軽量性確保の観点等から2.0mm~8.0mmの範囲に設定することが望ましい。なお連通部30の長さ寸法L1を後側壁部22の厚み寸法で稼ぐ場合には、連通部を形成すべき後側壁部22部分の厚み寸法を、その他の壁部とは独立に設定することができる。すなわち上述の後側壁部22部分の厚み寸法は、連通部30の性能に応じて適宜設定することができ、上述の平均厚み寸法の範囲から逸脱していてもよい。
[原液]
また原液の形成手法は特に限定しないが、一般的な形成手法として、所定量(例えば固形分含量が0.5重量%以上となる量)のパルプを水に投入したのち、これらがスラリー状となるまで撹拌する手法を例示できる。そしてパルプとして、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ及び非木材パルプを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、特にリサイクル性の観点などから古紙パルプを用いることが望ましい。この種の古紙パルプとして、離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプを例示でき、この古紙パルプの原材料は、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙や無選別古紙から得ることができる。また化学パルプとして、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹亜硫酸パルプ、広葉樹亜硫酸パルプを例示できる。また機械パルプとして、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)を例示できる。そして非木材パルプとして、ケナフ、麻、葦等の非木材繊維を原料とするパルプを例示できる。
そして原液には、図4に示す基材13の性能向上に寄与する添加剤を添加しておくことができる。この種の添加剤として、サイズ剤、乾燥紙力剤や湿潤紙力剤等の紙力増強剤、PH調整剤、濾水性向上剤、消泡剤、嵩高剤、歩留剤、防菌剤、防カビ剤、填料、染料を例示できる。なかでも水の浸透を防いで耐水性向上に寄与するサイズ剤、乾燥状態時の破断強さ(強度性)向上に寄与する乾燥紙力剤、湿った時の強度性向上に寄与する湿潤紙力剤の少なくとも一種を原液に添加することが好ましい。そしてサイズ剤として、ロジン系サイズ剤、AKD系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)系サイズ剤、石油系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤を例示できる。また乾燥紙力剤として、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂等のポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン性澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂を例示できる。また湿潤紙力剤として、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂(又はその変性物)を例示できる。なお原液に対する各添加剤の添加量は、基材13に所望の性能を付与できる限り特に限定しない。例えばサイズ剤は、0.5重量%~5重量%の範囲で添加することができ、1.0重量%以上添加することが望ましい。また乾燥紙力剤は、0.5重量%~5重量%の範囲で添加することができ、3.0重量%以上添加することが望ましい。また湿潤紙力剤は、2重量%~15重量%の範囲で添加することができ、4.0重量%以上添加することが望ましい。
[基材の内面と外面]
こうして製造された図4の基材13は、複数のセルロース系繊維が積層して一体化されることで適度な強度を有し且つ相対的に軽量となっている。またパルプモールド成形によると、網材側に配置された基材13の内面13aは、網材に接した状態で形成されるため比較的平滑な状態となっている。これとは異なり基材13の外面13bは、セルロース系繊維の積層量に差が出ることにより、内面13aに比して大きな凹凸形状が形成される。そして大きな凹凸形状を有する外面13bは、その反対側の内面13aに比して反射音の拡散性能に優れているため、特定方向で反響が繰り返されて音(残響音など)が増幅されるといった事態を極力回避することができる。このため車室内の静音性向上を図る場合には、基材13の配設時に、基材13の外面13bを第二の補強材12側(車室内側)に向け、基材13の内面13aを第一の補強材11側に向けておくことが望ましい。
[吸遮音部材の形成]
図2及び図4に示す吸遮音部材10の形成に際しては、第一の補強材11を、基材13の下側に固着して車室外の第一の音源を臨む位置に配設しておく。このとき第一の補強材11を、基材13の下側にあてがいつつ、各底壁部14の各第一固着面13Aに面的に固着しておく(具体的な固着手法は後述)。こうすることで第一の補強材11は、各第一固着面13Aに安定的に固着された状態となり、車室外側から見た場合に基材13の全てを被覆するように配設される。また第二の補強材12を、基材13の上側に固着して車室内の第二の音源を臨む位置に配設しておく。このとき第二の補強材12を、基材13の上側にあてがいつつ、各凸部15の頂に設けられた各第二固着面13Bに面的に固着しておく。こうすることで第二の補強材12は、各第二固着面13Bに安定的に固着された状態となり、車室内側から見た場合に基材13の全てを被覆するように配設される。こうして形成された吸遮音部材10は、各補強材11,12と基材13とが段ボールのように多層構造をなし、剛性の確保に資する構成となっている。そして本実施形態では、第一の音源を臨む基材13の上側が、本発明の音源を臨む基材13の一側に相当し、基材13の下側が、本発明の一側とは反対の基材13の他側に相当する。
[吸遮音部材の剛性]
そして基材13では、上述の通り、図5及び図6に示す各密集領域28において、第一固着面13Aと第二固着面13Bとが、上面視において隙間なく充填されるようにバランスよく配置された状態となっている。このように各固着面13A,13Bをバランス良く密集させておくことにより、図4に示す各補強材11,12を、固着性(接着性)に偏りを極力生じさせることなく、上下にバランスよく基材13に固着しておくことが可能となる。こうして吸遮音部材10では、第一の補強材11と第二の補強材12とによって基材13を上下からバランスよく補強することで、基材13の意図しない反り返り(変形)を極力回避することができる。さらに本実施形態では、各凸部15を六角柱状(ハニカム状)に形成したことで、吸遮音部材10の内部を各凸部15にて構造的に補強しておくことができる。このため本実施形態では、各補強材11,12と凸部15とによって剛性を確保することができ、車室側から入力された荷重を吸遮音部材10にて適切に受け止めることが可能となる。
ここで図4に示す各補強材11,12と基材13の固着手法として、各補強材11,12に熱をかけて基材13に融着させる手法や、各種の接着剤を用いる手法を例示できる。例えば本実施形態では、各補強材11,12と基材13とを、これらの間に設けられた固着層ALを介して固着しており、この固着層ALは接着剤が固化することで形成されている。この種の接着剤として、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂系接着剤、セメントやセラミックなどの無機系接着剤、天然ゴムやデンプンなどの天然系接着剤、ニトロセルロースなどの半合成系接着剤、プロロプレンゴムやニトリルゴムなどのゴム系樹脂系接着剤、エラストマなどの複合系接着剤を例示できる。なかでも樹脂系接着剤は、優れた接着強度を有し、また液状や固体状で用いることができるため(付与手法の自由度が高いため)、各補強材11,12と基材13の固着に好適に使用できる。なお熱可塑性樹脂製の接着剤(いわゆるホットメルト接着剤)として、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)を例示できる。また熱硬化性樹脂の接着剤として、エポキシ樹脂、ポリアロマティック樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エステル樹脂を例示できる。
[吸遮音部材の吸遮音性(第一空間部,第二空間部)]
図1に示す車両2では、吸遮音部材10が、車室4の床面4a側に設置されて、車室外側(第一の音源)と車室内側(第二の音源)とから発せられた音を吸音及び遮音することが可能である。すなわち図2に示す吸遮音部材10では、基材13が、第一の補強材11と第二の補強材12とに交互に当接するように曲げ形成されている板状部材であって、両補強材11,12の間の隙を埋めるように突出している中空の凸部15を複数有している。そして第一の補強材11と第二の補強材12の間には、第一の補強材11で閉塞された凸部15内の第一空間部41と、隣り合う凸部15同士の間に設けられ且つ第二の補強材12で閉塞された第二空間部42とが形成されている。これら第一空間部41と第二空間部42は、後述するヘルムホルツの共鳴原理を利用して、連通部30に入射された音を減衰して吸音するための空間である。そして吸遮音部材10では、基材13を曲げ変形させて凸部15を複数設けることにより、両補強材11,12を利用して各空間部41,42を設けることが可能となっている。
そして図2に示す第一空間部41と第二空間部42は、凸部15の一部で形成され且つ凸部15の内外を連通する連通部30にてつながっている。さらに連通部30の第二開口OP2は、第一の補強材11と第二の補強材12の間に配置する凸部15の後側壁部22に設けられている。このように連通部30を、凸部15の一部を利用して形成することにより、これらが別体となっている場合に比して、基材13の構造をシンプル化することができる。さらに連通部30の第二空間部側の第二開口OP2は、凸部15の後側壁部22に設けられて、第一の補強材11の上方で且つ第二の補強材12の下方に配置されている。このように後側壁部22に第二開口OP2を設けたことで、各補強材11,12で連通部30が塞がれるといった事態を極力阻止することができる。
[ヘルムホルツの共鳴原理]
ここでヘルムホルツの共鳴原理を図7に示すヘルムホルツ共鳴器50を基に説明すると、このヘルムホルツ共鳴器50では、吸音される音の周波数を、共鳴器の内部空間51と連通部52の構成で規定できる。すなわちヘルムホルツ共鳴器50において、共鳴器の内部空間51の内部体積をV(cm)、共鳴器の連通部52の長さをL(cm)、共鳴器の連通部52の開口OPの半径をa(cm)、音速をc(cm/s)としたとき、共鳴器の連通部52に入射する音の周波数f(Hz)は、以下の式(1)により求めることができる。そしてヘルムホルツ共鳴器50では周波数fの音を吸音可能であり、この周波数fは、共鳴器の内部空間51の体積Vと連通部52の長さLの平方根に反比例し、共鳴器の連通部52の開口面積πa(開口率)の平方根に正比例する。
式1:f=(c/2π)×√(πa/(V(L×0.6a)))
そして図2に示す第一空間部41の体積と第二空間部42の体積とは、吸音すべき音の周波数に応じて適宜設定でき、これら両空間部41,42の数によって吸遮音部材10の大まかな性能が決定される。例えば本実施形態では、図5及び図6に示す密集領域28の単位面積当たりの凸部15の数を調整することで、吸遮音部材10の大まかな性能を設定することができる。このとき第二固着面13Bが概ね多角形に形成されているため、凸部15を複数形成する場合にこれらの第二固着面13B同士をより密集させて配置しておくことが可能となる。このため本実施形態では、基材13(密集領域28)の単位面積当たりの凸部15の数を比較的自由に調整することができ、吸遮音部材10の吸遮音性の調整が容易な構成となっている。
また上述のヘルムホルツの共鳴原理では、共鳴器の連通部52を長くするに従って、入射する音の周波数f(Hz)が次第に小さくなっていく。そして本実施形態では、図4に示すように傾斜状とされた後側壁部22に連通部30を設けたことにより、連通部30の構成(長さや向き等)を、吸音すべき音に応じて比較的自由に変更することが可能となっている。例えば低周波の音を効率良く吸音する場合には、連通部30の長さ寸法L1を長くして後側壁部22から突出させておく。そして連通部30を上下方向に長くする場合、この連通部30を、傾斜状とされた後側壁部22から上方に向けて自然な形で延長することができる。また基材13では、隣り合う凸部15同士が、上方に向かうにつれて次第に離間している。このため連通部30を、凸部15の後側壁部22から後方に向けて長くする際に、その後方に位置する他の凸部15の前側壁部21に邪魔されるといった事態を極力回避することができる。このため本実施形態では、連通部30の長さ寸法L1を、吸音すべき音に応じて比較的自由に変更することが可能となっており、特に低周波の音を吸音する際に好適な構成となっている。
[車室外から発せられた音(車外音)の遮音及び吸音]
図2に示す吸遮音部材10は、上述の構成を備えることにより、異なる音源から発せられた音をより効率的に吸音及び遮音することが可能となっている。例えば図8を参照して、車室外の音源(第一の音源)から発せられた車外音SD1を吸遮音部材10で吸音及び遮音する。この車外音SD1は、車室内側(図の上側)に向けて移動する際に第一の補強材11と凸部15(各壁部)とで遮音されるとともに、連通部30に入射して第二空間部42にて吸音される。このとき車外音SD1は、第一空間部41内で開口する第一開口OP1から通路部32内に入射されたのち、第二開口OP2から第二空間部42に侵入することとなる。そして本実施形態では、上述のとおり第二開口OP2が各補強材11,12で塞がれていないため、車外音SD1をより効率的に第二空間部42で吸音することができる。
[車室内から発せられた音(車内音)の遮音及び吸音]
また図8を参照して、車室内の音源(第二の音源)から発せられた車内音SD2を吸遮音部材10で吸音及び遮音する。この車内音SD2は、車室外側(図の下側)に向けて移動する際に第二の補強材12と凸部15(各壁部)とで遮音されるとともに、連通部30に入射して第一空間部41にて吸音される。このとき車内音SD2は、第二空間部42内で開口する第二開口OP2から通路部32内に入射されたのち、第一開口OP1から第一空間部41に侵入することとなる。そしてこの場合においても、第二開口OP2が各補強材11,12で塞がれていないため、車内音SD2をより効率的に第一空間部41で吸音することができる。そして図1及び図8を参照して、車室4内においては、車内音SD2のほかに、車外音SD1が車室4内で反射する反射音が含まれる。そこで本実施形態の基材13は、凹凸状の外面13bを車両2の車室内側に向けた状態で配置されており、この外面13bは、大きな凹凸形状を有して音の拡散性能に優れている。このため吸遮音部材10によれば、残響音等の増幅を極力回避しつつ、車内音SD2や反射音を遮音等できるため、車室4内の静音性向上に資する構成となっている。
以上説明した通り本実施形態では、第一の補強材11と第二の補強材12とによって基材13をその一側と他側とからバランスよく補強している。このため基材13の意図しない変形を極力回避することができ、吸遮音部材10の剛性をより適切に確保することが可能となり、所望の耐久性を確保することができる。特に本実施形態では、基材13を、セルロース系繊維の積層体で形成しているため、吸遮音性と軽量性の双方を確保することが可能となり、更に環境面での配慮もなされている。また本実施形態の吸遮音部材10では、各補強材11,12と基材13とによって二種類の空間部41,42を設け、さらに両空間部41,42を連通部30にて連通することで、優れた吸遮音性の確保に資する構成となっている。そして連通部30の第二空間部42側の開口(OP2)を両補強材11,12の間に配置する凸部15の側壁部(22)に設けたことで、各補強材11,12による連通部30の閉塞を極力回避することが可能となっている。このため本実施形態によれば、吸遮音部材10の剛性を、基材13の吸遮音性を極力維持しつつ確保することができる。
さらに本実施形態では、基材13に設けられた第一固着面13Aと第二固着面13Bに対応する補強材を面的に固着できるため、吸遮音部材10の剛性をより確実に確保することが可能となっている。また本実施形態では、第二固着面13Bが概ね多角形に形成されているため、凸部15を複数形成する場合にこれらの第二固着面13B同士をより密集させて配置しておくことが可能となる。このため本実施形態では、基材13の単位面積当たりの凸部15の数を比較的自由に調整することができ、吸遮音部材10の吸遮音性の調整が容易な構成となっている。また本実施形態では、密集領域28において、凸部15同士又は底壁部14同士が他方向に隣接しないようこれらをバランスよく配置している。このため本発明では、凸部15同士又は底壁部14同士を一方向及び他方向の双方で隣接させる場合に比して、吸遮音部材10の吸遮音性や剛性の確保に資する構成となっている。そして本実施形態では、基材13を覆うように各補強材11,12を設けたため、吸遮音部材10の優れた剛性の確保に資する構成となっている。
[実施形態2]
図9に示す実施形態2の吸遮音部材では、実施形態1の吸遮音部材とほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。実施形態2の吸遮音部材110は、実施形態1の吸遮音部材と同一の基本構成(第一の補強材,第二の補強材,基材113)を有しているが、基材113の第一固着面113Aと第二固着面113Bとが、上方視で三角形状とされている点が実施形態1と異なっている。すなわち吸遮音部材110の基材113には、複数の凸部115と底壁部114が密集して配置された密集領域128が形成されている(図9では、一部の凸部と底壁部にのみ対応する符号を付すとともに、底壁部にハッチをつけることで凸部と区別している)。この密集領域128では、隣り合う凸部115の間を埋めるように三角形状の底壁部114(第一固着面113A)が形成されている。また基材113には、三角柱状の凸部115が複数形成されており、各凸部115の頂に三角形状の第二固着面113Bが形成されている。
そして本実施形態の基材113では、第一固着面113Aと第二固着面113Bとが、ともに形の崩れにくい最小の辺で構成された三角形状をなしている。さらに各底壁部114と各凸部115とが密集して配置されることで、三角形状をなす第一固着面113Aと第二固着面113Bとが、上面視において隙間なく充填されるようにバランスよく配置された状態となっている。このため本実施形態では、各補強材と基材113(各固着面113A,113B)とによって剛性を確保することができ、車室側から入力された荷重を吸遮音部材110によって適切に受け止めることが可能となる。
[第一列部位及び第二列部位(凸部と底壁部との配置関係)]
また本実施形態の密集領域128においては、図9に示すように、凸部115の前後と左右の双方に底壁部114が隣接し、底壁部114の前後と左右の双方に凸部115が隣接して配置された状態となっている。例えば密集領域128の中で左右に延びる底壁部114と凸部115の特定の列を第一列部位29Cとした場合、この第一列部位29Cでは、底壁部114と凸部115とが交互に形成されている。すなわち第一列部位29Cでは、凸部115の左右方向における隣に底壁部114が配置され、底壁部114の左右方向における隣に凸部115が配置されている。また第一列部位29Cの前後には、凸部115と底壁部114とが交互に形成された第二列部位29Dがそれぞれ配置されている。そして本実施形態では、各第二列部位29Dが、第一列部位29Cと配置が逆となるように(凹凸形状が異なるように)底壁部114と凸部115とが交互に形成されている。このため両列部位29C,29Dを前後方向から見た場合、第一列部位29Cの凸部115の隣に第二列部位29Dの底壁部114が配置され、第一列部位29Cの底壁部114の隣に第二列部位29Dの凸部115が配置されている。こうして隣り合う第一列部位29Cと第二列部位29Dが異なる凹凸形状を有して、凸部115と底壁部114とが前後左右にバランス良く配置されることにより、吸遮音部材110の吸遮音性や剛性の確保にさらに資する構成となる。
[実施形態3]
図10に示す実施形態3の吸遮音部材では、実施形態2の吸遮音部材とほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。実施形態3の吸遮音部材210では、実施形態2の吸遮音部材と同一の基本構成(第一の補強材,第二の補強材,基材213)を有しているが、基材213の第一固着面213Aと第二固着面213Bが、上方視で四角形状とされている点が実施形態2と異なっている。すなわち吸遮音部材210の基材213には、複数の凸部215と底壁部214が密集して配置された密集領域218が形成されている(図10では、一部の凸部と底壁部にのみ対応する符号を付すとともに、底壁部にハッチをつけることで凸部と区別している)。この密集領域218では、隣り合う凸部215の間を埋めるように四角形状の底壁部214(第一固着面213A)が形成されている。また基材213には、四角柱状の凸部215が複数形成されており、各凸部215の頂に四角形状の第二固着面213Bが形成されている。
そして本実施形態の基材213では、第一固着面213Aと第二固着面213Bとを、ともに四角形状とすることで、吸音周波数制御の構造計算が比較的容易となり、吸音すべき音の周波数の調整に適した構成となっている。また基材213をパルプモールド成形にて成形する場合、各固着面213A,213Bを四角形状とすることで、この基材213を所望の形状に成形しやすくなる。すなわち基材213の成形に際しては、端末の形状の設計、成形型の作成、網の貼り合わせる繋ぎ目処理等の工程を行うこととなる。これら各工程は、各固着面213A,213Bの形状に応じて難易度が左右され、例えば各固着面213A,213Bの角が鋭角状とされていたり辺が湾曲状とされていたりすることで各工程の手間が増える傾向にある。そこで本実施形態では、各固着面213A,213Bをともに四角形状として、各工程の手間を省くことにより、基材213を所望の形状に精度良く成形しやすい構成となっている。
[実施形態4]
図11及び図12に示す実施形態4の吸遮音部材では、実施形態1の吸遮音部材とほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。実施形態4の吸遮音部材310は、図11を参照して、実施形態1の吸遮音部材と同一の基本構成(各補強材11,12,基材313)を有するが、複数種類の凸部315,316が設けられている点が実施形態1と異なっている。すなわち吸遮音部材310の厚み方向を、第一の補強材11から第二の補強材12に向かう上下方向で規定した場合、基材313には、一般凸部315と、厚み方向への突出量が相対的に小さい中間凸部316が設けられている。ここで一般凸部315は、実施形態1の凸部に相当する部位であり、その頂に第二固着面313Bが設けられている(図11では、便宜上、挿通部を省略している)。そして基材313を左右方向から見た場合、第一固着面313Aをなす底壁部314と、中間凸部316と、第二固着面313Bを備えた一般凸部315とがこの順で形成されている。
そして図11に示す中間凸部316の頂には面状の中間面部313Cが設けられている。この中間面部313Cは、図12に示すように、第一固着面313A及び第二固着面313Bと同様に六角形状をなす平坦面となっている。このため本実施形態においても、各底壁部314と各一般凸部315と各中間凸部316とが密集して配置されることで、第一固着面313Aと第二固着面313Bと中間面部313Cとが、上面視において隙間なく充填されるようにバランスよく配置される。すなわち一つの第一固着面313Aを基準とした場合、この第一固着面313Aの各辺には、第二固着面313Bと中間面部313Cとが交互に隣接して配置された状態となっている。
さらに図11を参照して、中間凸部316の中間面部313Cは、第一固着面313Aと第二固着面313Bの厚み方向における中間位置に配置されている。このため本実施形態の吸遮音部材310の内部には、第一の補強材11と第二の補強材12と中間面部313Cとによって三層構造が上下にバランス良く形成され、この三層構造によって、吸遮音部材310の反り返りを極力阻止することが可能となっている。さらに本実施形態の吸遮音部材310では、一般凸部315と中間凸部316の内部を連通しておくことで、第一空間部の体積を大きくとることができる。なお一般凸部315と中間凸部316とを分割しておくことで、一般凸部315と中間凸部316とで異なる周波数の音を吸音することも可能である。
[各固着面の充填パターン]
ここで基材には、一定の規則性で各種の多角形の固着面を上面視において極力隙間なく充填されるように配置でき、この種の充填パターンは無数に存在し、必要に応じてボロノイ図を用いることもできる。そこで以下に示す実施形態5と実施形態6では、第一固着面と第二固着面とを異形の多角形で形成する例を説明し、実施形態7と実施形態8では、複数種類の第一固着面と複数種類の第二固着面を組み合わせて形成する例を説明する。なお実施形態5~8の吸遮音部材では、実施形態1等の吸遮音部材とほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。
[実施形態5]
図13に示す実施形態5の吸遮音部材410は、実施形態1の吸遮音部材と同一の基本構成(第一の補強材,第二の補強材,基材413)を有するが、第一固着面413Aと第二固着面413Bが異形である点が実施形態1と異なっている。すなわち本実施形態では、底壁部414の第一固着面413Aが三角形状をなすとともに、凸部415の第二固着面413Bが六角形状をなしている(図13では、一部の各固着面にのみ対応する符号を付すとともに、第一固着面にハッチをつけることで第二固着面と区別している)。また基材413は、斜め格子状に形成されたリブLBによって正三角形状の区画に区分けされており、各区画には、三つの第一固着面413Aと、一つの第二固着面413Bがそれぞれ配置されている。
そこで図13中の太線で示す区画を例に、各固着面413A,413Bの配置パターンを説明する。この正三角形状の区画では、三つの角部にそれぞれ三角形状の第一固着面413Aが形成されており、これら各第一固着面413Aは、その頂点を区画の角部の頂点に一致させた状態で配置されている。また区画の中央には、正六角形状の第二固着面413Bが形成されており、この第二固着面413Bによって、各第一固着面413Aの間の部分が埋められている。そして第二固着面413Bの辺には、対応する第一固着面413Aの底辺と、リブLBとが交互に隣接した状態となっている。こうして本実施形態の基材413では、形の崩れにくい三角形状の第一固着面413Aと、構造的に剛性の高い六角形状の第二固着面413Bが、上面視において区画内に隙間なく充填されるようにバランスよく配置された状態となっている。さらに基材413には、斜め格子状のリブLBが形成されているため、吸遮音部材410の剛性の確保に資する構成となっている。
[実施形態6]
図14に示す実施形態6の吸遮音部材510は、実施形態1の吸遮音部材と同一の基本構成(第一の補強材,第二の補強材,基材513)を有するが、第一固着面513Aと第二固着面513Bが異形である点が実施形態1と異なっている。すなわち本実施形態では、底壁部514の第一固着面513Aが三角形状をなすとともに、凸部515の第二固着面513Bが四角形状をなしている(図14では、一部の各固着面にのみ対応する符号を付すとともに、第一固着面にハッチをつけることで第二固着面と区別している)。また基材513は、井桁格子状に形成されたリブLBによって正四角形状の区画に区分けされており、各区画には、四つの第一固着面513Aと、一つの第二固着面513Bがそれぞれ配置されている。
そこで図14中の太線で示す区画を例に、各固着面513A,513Bの配置パターンを説明する。この正四角形状の区画では、四つの角部にそれぞれ三角形状の第一固着面513Aが形成されており、これら各第一固着面513Aは、その頂点を区画の角部の頂点に一致させた状態で配置されている。また区画の中央には、菱形状(正四角形状)の第二固着面513Bが形成されており、この第二固着面513Bによって、各第一固着面513Aの間の部分が埋められている。そして第二固着面513Bの辺には、対応する第一固着面513Aの底辺が隣接した状態となっている。こうして本実施形態の基材513では、形の崩れにくい三角形状の第一固着面513Aと、吸音性の調整に最適な菱形(四角形状)の第二固着面513Bが、上面視において区画内に隙間なく充填されるようにバランスよく配置された状態となっている。さらに基材513には、井桁格子状のリブLBが形成されているため、吸遮音部材510の剛性の確保に資する構成となっている。
[実施形態7]
図15に示す実施形態7の吸遮音部材610は、実施形態1の吸遮音部材と同一の基本構成(第一の補強材,第二の補強材,基材613)を有するが、複数種類の第一固着面613A及び第二固着面613Bを有する点が実施形態1と異なっている。すなわち本実施形態では、底壁部614の第一固着面613Aが三角形状又は六角形状をなすとともに、凸部615の第二固着面613Bが三角形状又は六角形状をなしている(図15では、一部の各固着面にのみ対応する符号を付すとともに、第一固着面にハッチをつけることで第二固着面と区別している)。また基材613は、斜め格子状に形成されたリブLBによって正三角形状の区画に区分けされており、各区画には、第一固着面613Aと第二固着面613Bがそれぞれ複数又は単数配置されている。
そこで図15中の太線で示す各区画600~604を例に、各固着面613A,613Bの配置パターンを説明する。ここで中央に位置する基本区画600では、実施形態5と同様の配置パターンで、三つの第一固着面613Aと一つの第二固着面613Bが形成されている。すなわち基本区画600では、三つの角部にそれぞれ三角形状の第一固着面613Aが形成されており、これら各第一固着面613Aは、その頂点を区画の角部の頂点に一致させた状態で配置されている。また区画の中央には、正六角形状の第二固着面613Bが形成されており、この第二固着面613Bによって、各第一固着面613Aの間の部分が埋められている。そして第二固着面613Bの辺には、対応する第一固着面613Aの底辺と、リブLBとが交互に隣接した状態となっている。
また基本区画600の前後左右に位置する周辺区画601~604では、基本区画600とは逆のパターンで第一固着面613Aと第二固着面613Bとが配置されている(なお周辺区画では、ハッチをつけた部分が第一固着面613Aであり、ハッチをつけていない部分が第二固着面613Bである)。例えば一つの周辺区画601を例に説明すると、この周辺区画601では、三つの角部にそれぞれ三角形状の第二固着面613Bが形成されており、これら各第二固着面613Bは、その頂点を区画の角部の頂点に一致させた状態で配置されている。また区画の中央には、正六角形状の第一固着面613Aが形成されており、この第一固着面613Aによって、各第二固着面613Bの間の部分が埋められている。こうして本実施形態の基材613では、各固着面613A,613Bの形状として、形の崩れにくい三角形状と、構造的に剛性の高い六角形状とを採用し、さらに各固着面613A,613Bを前後左右にバランスよく配置している。このため本実施形態の基材613は、吸遮音部材610の剛性の確保に特に資する構成となっている。
[実施形態8]
また図16に示す実施形態8の吸遮音部材710は、実施形態1の吸遮音部材と同一の基本構成(第一の補強材,第二の補強材,基材713)を有するが、複数種類の第一固着面713A及び第二固着面713Bを有する点が実施形態1と異なっている。すなわち本実施形態では、底壁部714の第一固着面713Aが三角形状又は四角形状をなすとともに、凸部715の第二固着面713Bが三角形状又は四角形状をなしている(図16では、一部の各固着面にのみ対応する符号を付すとともに、第一固着面にハッチをつけることで第二固着面と区別している)。また基材713は、井桁格子状に形成されたリブLBによって正四角形状の区画に区分けされており、各区画には、第一固着面713Aと第二固着面713Bがそれぞれ複数又は単数配置されている。
そこで図中の太線で示す各区画700~704を例に、各固着面713A,713Bの配置パターンを説明する。ここで中央に位置する基本区画700では、実施形態6と同様の配置パターンで、四つの第一固着面713Aと一つの第二固着面713Bが形成されている。すなわち基本区画700では、四つの角部にそれぞれ三角形状の第一固着面713Aが形成されており、これら各第一固着面713Aは、その頂点を区画の角部の頂点に一致させた状態で配置されている。また区画の中央には、菱形(正四角形状)の第二固着面713Bが形成されており、この第二固着面713Bによって、各第一固着面713Aの間の部分が埋められている。そして第二固着面713Bの辺には、対応する第一固着面713Aの底辺が隣接した状態となっている。
また基本区画700の前後左右に位置する周辺区画701~704では、基本区画700とは逆のパターンで第一固着面713Aと第二固着面713Bとが配置されている(なお周辺区画では、ハッチをつけた部分が第一固着面713Aであり、ハッチをつけていない部分が第二固着面713Bである)。例えば一つの周辺区画703を例に説明すると、この周辺区画703では、四つの角部にそれぞれ三角形状の第二固着面713Bが形成されており、これら各第二固着面713Bは、その頂点を区画の角部の頂点に一致させた状態で配置されている。また区画の中央には、正四角形状の第一固着面713Aが形成されており、この第一固着面713Aによって、各第二固着面713Bの間の部分が埋められている。こうして本実施形態の基材713では、各固着面713A,713Bの形状として、形の崩れにくい三角形状と、吸音性の調整に最適な菱形(四角形状)とを採用することにより、吸遮音部材710の剛性と吸音性の確保に特に資する構成となる。
[試験例]
以下、本実施形態を試験例に基づいて説明するが、本発明は試験例に限定されない。下記の[表1]は、実施例1と比較例1の吸遮音部材の三点曲げ試験の結果を示す表である。また図17は、実施例1と比較例1の三点曲げ試験の結果を示すグラフである。
[実施例1]
実施例1では、基材を、パルプモールド成形にて製造し、その際の原液として、所定量の古紙パルプを水に投入してスラリー状としたものを使用した。また基材には、複数の凸部を等間隔で複数形成し、隣り合う凸部同士の間に底壁部を格子状に形成した。各凸部は、20mm角の第二固着面を備えた四角柱状(高さ寸法18mm)とし、各凸部の間に設けた底壁部(第一固着面)は5mm幅に形成した。また図4に示すように凸部の後側壁部に連通部を設け、この連通部の長さ寸法を0.3cmに設定し、通路部の開口寸法をφ20mmに設定した。また各補強材として、繊維強化プラスチックの平板材(ポリプロピレン70%、ポリエチレン10%、ガラスファイバ20%含有)を用いた。そして図4に示すように基材の第一固着面に第一の補強材を熱融着にて固着し、基材の第二固着面に第二の補強材を同工法で固着することにより、実施例1の吸遮音部材を形成した。
[比較例1]
また比較例1では、実施例1と同様の手順で比較例1の基材を作成した。そして基材の上側のみに補強材を固着して比較例1の吸遮音部材を形成した。
[三点曲げ試験]
本試験では、三点曲げ試験用の試験機(SHIMADZU社製、商品名AG-X)を用い、支点間距離を100mm、ヘッドスピードを50mm/minに設定した。また実施例1の吸遮音部材から、150mm×50mmの試験体を切り出し、N=2にて三点曲げ試験を実施した。そして本試験では、試験体の格子凸面(第二の補強材)を上にした状態で試験機にセットし、試験体の両端を下支えした状態とした。つぎに常温環境の下、試験体の中央に曲げデバイス(ヘッド)を入力して本試験を実施した。また同様の手法にて比較例1の吸遮音部材の三点曲げ試験を実施したが、下面に割れ亀裂が発生した時点で試験を停止したため、実施例1と同様の荷重をかけることができなかった。
Figure 0007124789000001
[試験結果及び考察]
[表1]及び[図17]を参照して、比較例1の吸遮音部材は、弾性率勾配と最大曲げ荷重が極端に低いため、曲げ変形しやすく剛性に劣ることがわかった。これとは異なり実施例1の吸遮音部材は、弾性率勾配と最大曲げ荷重が高いことから、曲げ変形しにくく優れた剛性を備えていることがわかった。この試験結果は、第一の補強材と第二の補強材とで基材をバランスよく補強したためと考えられる。また実施例1の吸遮音部材では、基材の連通部の第二空間部側の開口が両補強材の間に配置されていた。このため実施例1の吸遮音部材によれば、各補強材による連通部の閉塞を極力回避することができ、基材の吸遮音性を維持できることがわかった。このことから実施例1によれば、吸遮音部材の剛性を、基材の吸遮音性を極力維持しつつ確保できることが判明した。
本実施形態の吸遮音部材10等は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、第一の補強材11と第二の補強材12の構成(形状,寸法,配設位置,配設数等)を例示したが、これら各補強材の構成を限定する趣旨ではない。例えば補強材は、平板状のほか各種の形状を取ることができ、吸遮音部材の用途に応じて形状や寸法を設定することが可能である。例えば第一の補強材と第二の補強材の少なくとも一方に立壁状のリブを設けることにより、吸遮音部材の剛性を高めることも可能である。また基材の一側と他側とに補強材を設ける場合のほか、基材の厚み方向における側面に別の補強材を設けることも可能である。また第一の補強材と第二の補強材の外形寸法は独自に設定することが可能である。例えば第一の補強材と第二の補強材の少なくとも一方を基材から突出させ、この突出した部分に、他の部材と連結するための連結部を設けることもできる。また基材に、特に剛性を確保すべき部分と、相対的に剛性を要求されない部分とがある場合、剛性を確保すべき部分にのみ各補強材を配置することもできる。
また本実施形態では、基材13の構成を例示したが、基材の構成を限定する趣旨ではない。例えば凸部の形状として、各種の角柱形状のほか、円柱状や円錐台状や半球状などの各種の立体形状を採用できる。そして複数の凸部は、それぞれ独立に形状や寸法(体積)を設定することが可能であり、各凸部の形状に応じて吸遮音部材を屈曲変形や湾曲変形しておくことができる。また吸遮音部材では、ハット断面をなすように各側壁部の少なくとも一つを傾斜状とすることができ、例えば本実施形態では、後側壁部のみを傾斜状とすることが可能である。なお側壁部は、直線的に傾斜していてもよく、階段状などのように屈曲して傾斜していてもよく、曲面をなすように湾曲して傾斜していてもよい。また連通部は、凸部の各壁部に複数又は単数形成することができる。そして吸遮音部材では、二つ以上の第一空間部と一つ以上の第二空間部を設けることができ、これら各空間部の体積は、それぞれ独立に設定可能である。
また隣り合う凸部同士は、それぞれ分割されていてもよく、隣り合う側壁部で一体化されていてもよい。また隣り合う底壁部は、リブによって分割されていてもよく、一体化されていてもよい(連通状態とされていてもよい)。例えば底壁部は、凸部の間に格子状に設けることが可能であり、凸部も、底壁部の間に格子状に設けることが可能である。また基材には、複数又は単数の密集領域を設けることができ、基材全面を密集領域とすることも可能である。なお密集領域を複数設ける場合には、各密集領域における凸部と底壁部の配置パターンを独立に設定することができる。そして第一固着面と第二固着面の外形形状は、各種の形状からそれぞれ独立に設定可能であり、例えば上面視において隙間なく(又は区画内に隙間なく)充填されるように配置可能な多角形状の組み合わせの中から選択することが可能である。
また本実施形態では、吸遮音部材の製造方法を例示したが、製造方法を限定する趣旨ではない。また各実施形態の構成は、適宜組み合わせて用いることが可能である。なお吸遮音部材は、基材の一側に配置されている音源(本実施形態では第一の音源)を主に吸遮音できるように構造体に設置することも可能である。そして本実施形態の吸遮音構造は、車両の内装品や外装品などの車両の構成部材のほか、家屋や防音壁などの各種の構造体に用いることができる。
2 車両
3 車両ボディ
4 車室
4a 床面
10 吸遮音部材
11 第一の補強材
12 第二の補強材
13 基材
13a 基材の内面
13b 基材の外面
13A 第一固着面
13B 第二固着面
14 底壁部
15 凸部
21 前側壁部
22 後側壁部
23~26 その他の側壁部
28,28X 密集領域
29A 各第一列部位
29B 各第二列部位
30 連通部
32 通路部
41 第一空間部
42 第二空間部
50 ヘルムホルツ共鳴器
51 内部空間
52 連通部
AL 固着層
OP1 第一開口
OP2 第二開口
SD1 車外音
SD2 車内音
110 実施形態2の吸遮音部材
113 基材
113A 第一固着面
113B第二固着面
114 底壁部
115 凸部
128 密集領域
29D 第二列部位
29C 第一列部位
210 実施形態3の吸遮音部材
213 基材
213A 第一固着面
213B 第二固着面
214 底壁部
215 凸部
218 密集領域
310 実施形態4の吸遮音部材
313 基材
313A 第一固着面
313B 第二固着面
313C 中間面部
314 底壁部
315 一般凸部
316 中間凸部
410 実施形態5の吸遮音部材
413 基材
413A 第一固着面
413B 第二固着面
414 底壁部
415 凸部
510 実施形態6の吸遮音部材
513 基材
513A 第一固着面
513B 第二固着面
514 底壁部
515 凸部
610 実施形態7の吸遮音部材
600 基本区画
601~604 周辺区画
613 基材
613A 第一固着面
613B 第二固着面
614 底壁部
615 凸部
710 実施形態8の吸遮音部材
700 基本区画
701~704 周辺区画
713 基材
713A 第一固着面
713B 第二固着面
714 底壁部
715 凸部
LB リブ

Claims (6)

  1. 吸遮音に寄与する形状を備えた板状の基材と、前記基材を補強する補強材とを備えた吸遮音部材において、
    第一の補強材が、音源を臨む前記基材の一側に固着され、第二の補強材が、一側とは反対の前記基材の他側に固着され、
    前記基材は、前記第一の補強材と前記第二の補強材とに交互に当接するように曲げ形成されている板材であるとともに、両補強材の間の隙を埋めるように突出している中空の凸部を複数有し、
    前記第一の補強材で閉塞された前記凸部内の第一空間部と、隣り合う凸部同士の間に設けられ且つ前記第二の補強材で閉塞された第二空間部とは、前記凸部の内外を連通する連通部にてつながっており、前記連通部の第二空間部側の開口は、前記第一の補強材と前記第二の補強材の間に配置する前記凸部の側壁部に設けられており、
    前記基材は、複数のセルロース系繊維が積層して一体化されたパルプモールド成形体であるとともに、前記基材の内面が前記第一の補強材側に向けられ、前記内面よりも大きな凹凸形状を有する前記基材の外面が第二の補強材側に向けられている吸遮音部材。
  2. 前記基材は、隣り合う凸部の間の底壁部に設けられた面状の第一固着面と、前記凸部の頂に設けられた面状の第二固着面とを有し、
    前記第一固着面に、板状に形成された前記第一の補強材が固着され、前記第二固着面に、板状に形成された前記第二の補強材が固着されている請求項1に記載の吸遮音部材。
  3. 吸遮音に寄与する形状を備えた板状の基材と、前記基材を補強する補強材とを備えた吸遮音部材において、
    第一の補強材が、音源を臨む前記基材の一側に固着され、第二の補強材が、一側とは反対の前記基材の他側に固着され、
    前記基材は、前記第一の補強材と前記第二の補強材とに交互に当接するように曲げ形成されている板材であるとともに、両補強材の間の隙を埋めるように突出している中空の凸部を複数有し、
    前記第一の補強材で閉塞された前記凸部内の第一空間部と、隣り合う凸部同士の間に設けられ且つ前記第二の補強材で閉塞された第二空間部とは、前記凸部の内外を連通する連通部にてつながっており、前記連通部の第二空間部側の開口は、前記第一の補強材と前記第二の補強材の間に配置する前記凸部の側壁部に設けられており、
    前記基材は、隣り合う凸部の間の底壁部に設けられた面状の第一固着面と、前記凸部の頂に設けられた面状の第二固着面とを有し、
    前記第一固着面に、板状に形成された前記第一の補強材が固着され、前記第二固着面に、板状に形成された前記第二の補強材が固着されており、
    前記基材には、複数の前記凸部と複数の前記底壁部とが密集して設けられている密集領域が形成されているとともに、
    音源側から見た前記密集領域の平面視を基準として、所定の方向を一方向とし且つ一方向に直交する方向を他方向とした場合、前記密集領域には、前記凸部と前記底壁部の少なくとも一方の部が一方向に並列することで形成された第一列部位と、前記凸部と前記底壁部の少なくとも一方の部が一方向に並列することで形成された第二列部位とが、他方向に隣接して設けられているとともに、
    前記第一列部位に前記凸部が設けられている場合には、その他方向における隣に前記第二列部位に設けられた前記底壁部が配置され、前記第一列部位に前記底壁部が設けられている場合には、その他方向における隣に前記第二列部位に設けられた前記凸部が配置されている吸遮音部材。
  4. 前記凸部が角柱状に形成されているとともに、前記第二固着面の外形形状が概ね多角形をなしている請求項2又は3に記載の吸遮音部材。
  5. 前記第一の補強材から前記第二の補強材に向かう方向を前記吸遮音部材の厚み方向とした場合、前記基材は、前記第二の補強材に固着されている一般凸部と、前記吸遮音部材の厚み方向への突出量が前記一般凸部よりも小さい中間凸部とを有し、
    前記中間凸部の頂には面状の中間面部が設けられているとともに、前記中間面部は、前記第一固着面と前記第二固着面の厚み方向における中間位置に配置されている請求項2~4のいずれか一項に記載の吸遮音部材。
  6. 音源側から見た前記基材の平面視を基準として、前記第一の補強材と前記第二の補強材とは前記基材の全てを覆うように固着されている板状の部材である請求項1~5のいずれか一項に記載の吸遮音部材。
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