JP7124582B2 - 炭化珪素半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素半導体装置に関するものである。
炭化珪素は、従来から半導体装置に幅広く用いられている珪素に比べてバンドギャップが広いことから、高耐圧の半導体装置等に用いられている。このような炭化珪素を用いた半導体装置では、耐圧等の観点より、基板の第1の面にソース電極、第2の面にドレイン電極が形成されている構造のいわゆる縦型トランジスタがある。このような縦型のトランジスタでは、基板の一方の面に溝が形成され、溝の内部を埋め込むことによりゲート電極が形成されている。
特開2009-259896号公報 特開2017-139441号公報
上記のような縦型のトランジスタ等の炭化珪素半導体装置では、オン抵抗を低くするため、チャネル層のチャネル抵抗を下げること、ノイズによる誤動作等を防ぐため、ゲートしきい値電圧を高くすること、の双方が求められている。
本実施形態の一観点によれば、炭化珪素半導体装置は、第1導電型の炭化珪素半導体の第1層と、第1層の上の第1導電型とは異なる第2導電型の炭化珪素半導体の第2層と、第2層の上の第1導電型の炭化珪素半導体の第3層と、第3層、前記第2層、前記第1層の一部に側面を有する溝と、溝の内部に設けられた絶縁膜と、溝の内部の絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、を有する縦型トランジスタである。更に、第2層と第3層との界面における第2導電型の不純物元素の濃度は、第2層における第2導電型の不純物元素の濃度のピークの値の半分の値を超えている。また、第1層と第2層との界面における第2導電型の不純物元素の濃度は、第2層における第2導電型の不純物元素の濃度のピークの値の半分の値未満、1/20以上である。
本開示によれば、炭化珪素半導体装置において、チャネル層のチャネル抵抗を下げるとともに、ゲートしきい値電圧を高くすることができる。
図1は炭化珪素半導体装置の構造図である。 図2は本開示の実施形態の炭化珪素半導体装置の不純物濃度の説明図である。 図3は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(1)である。 図4は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(2)である。 図5は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(3)である。 図6は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(4)である。 図7は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(5)である。 図8は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(6)である。 図9は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(7)である。 図10は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(8)である。 図11は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(9)である。 図12は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(10)である。 図13は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(11)である。 図14は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(12)である。 図15は本開示の第1の実施形態の炭化珪素半導体装置の製造方法の工程図(13)である。 図16は本開示の第2の実施形態の炭化珪素半導体装置の構造図である。
実施するための形態について、以下に説明する。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。また本明細書の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。ここで結晶学上の指数が負であることは、通常、数字の上に"-"(バー)を付すことによって表現されるが、本明細書では数字の前に負の符号を付すことによって結晶学上の負の指数を表現している。また、本開示のエピタキシャル成長は、ホモエピタキシャル成長である。
〔1〕 本開示の一態様に係る半導体装置は、第1導電型の炭化珪素半導体の第1層と、前記第1層の上の前記第1導電型とは異なる第2導電型の炭化珪素半導体の第2層と、前記第2層の上の前記第1導電型の炭化珪素半導体の第3層と、前記第3層、前記第2層、前記第1層の一部に側面を有する溝と、前記溝の内部に設けられた絶縁膜と、前記溝の内部の前記絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、を有する縦型トランジスタであって、前記第2層と前記第3層との界面における前記第2導電型の不純物元素の濃度は、前記第2層における前記第2導電型の不純物元素の濃度のピークの値の半分の値を超えており、前記第1層と前記第2層との界面における前記第2導電型の不純物元素の濃度は、前記第2層における前記第2導電型の不純物元素の濃度のピークの値の半分の値未満、1/20以上である。
縦型のトランジスタ等の炭化珪素半導体装置では、オン抵抗を低くするため、チャネル層のチャネル抵抗を下げること、ノイズによる誤動作等を防ぐため、ゲートしきい値電圧を高くすることの双方が求められている。しかしながら、チャネル層のチャネル抵抗を下げることと、ゲートしきい値電圧を高くすることは、トレードオフの関係が強く、双方をともに良好にすることは容易ではない。
このため、本願発明者は、n型となる不純物元素及びp型の不純物元素をドープする範囲と濃度に着目し、不純物濃度が高く、薄いチャネル層を得ることについて、鋭意検討を重ねた。この結果、チャネル層とコンタクト層との界面におけるp型の不純物元素の濃度は、チャネル層におけるp型の不純物元素の濃度のピークの値の半分の値を超える。かつ、ドリフト層とチャネル層との界面におけるp型の不純物元素の濃度は、チャネル層におけるp型の不純物元素の濃度のピークの値の半分の値未満、1/20以上とする。このように、p型の不純物元素及びn型の不純物元素をドープすることにより、チャネル層のチャネル抵抗を下げることと、ゲートしきい値電圧を高くすることの双方を両立することができることを見出した。本願は、このように見出された知見に基づくものである。
〔2〕 前記第1層は、第1導電型の不純物元素と、第2導電型の不純物元素とを含んでおり、1<(第1導電型の不純物元素の濃度)/(第2導電型の不純物元素の濃度)≦2である。
〔3〕 前記第1層は炭化珪素単結晶基板の第1の面に形成されているものであって、前記第3層に接するソース電極と、前記炭化珪素単結晶基板の前記第1の面とは反対の第2の面に設けられたドレイン電極と、を有する。
〔4〕 前記炭化珪素単結晶基板のポリタイプは4Hであり、前記第3層の表面はSi面であり、前記溝の側面は、前記第3層の表面に対し垂直である。
〔5〕 前記炭化珪素単結晶基板のポリタイプは4Hであり、前記第3層の表面はC面であり、前記溝の側面は、前記第3層の表面に対し50°以上、60°以下である。
〔6〕 前記第2層における実効ドーピング濃度のピークの値は、5.0×1017cm-3以上、3.0×1018cm-3以下である。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)について詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔第1の実施形態〕
最初に、炭化珪素半導体装置である縦型のトランジスタについて、図1に基づき説明する。尚、以下の炭化珪素半導体装置の構造の図面では、便宜上、炭化珪素半導体装置を形成している各々の層の膜厚や幅等は実際とは異なっている。
図1に示される縦型トランジスタとなる炭化珪素半導体装置は、炭化珪素単結晶基板10の第1の面10aの上に、第1のn型層21、p型層22、第2のn型層23が順に形成されている。また、第2のn型層23、p型層22、第1のn型層21を除去することにより溝30が形成されている。溝30は、第2のn型層23の表面に対し、側面30aが垂直となるように形成されており、溝30の側面30aは、第2のn型層23、p型層22、第1のn型層21の一部により形成されている。溝30の内部の側面30a及び底面30b、溝30の近傍の第2のn型層23の上には、ゲート絶縁膜40が形成されており、溝30の内部のゲート絶縁膜40の上には、ゲート電極51が形成されている。
また、溝30より離れたゲート絶縁膜40が形成されていない領域には、p型となる不純物元素をイオン注入することにより、不純物濃度の高い高濃度p型領域24が形成されている。ゲート電極51の上には、ゲート電極51の全体を覆うように層間絶縁膜61が形成されており、更に、層間絶縁膜61を覆うバリアメタル層62が形成されている。
また、第2のn型層23及び高濃度p型領域24の一部の上にNi膜を成膜し、熱処理をすることにより、Niと第2のn型層23及び高濃度p型領域24に含まれるSi(シリコン)とが合金化し、NiSiによりオーミックコンタクト層52aが形成されている。このようにオーミックコンタクト層52aを形成することにより、コンタクト抵抗を低くすることができる。オーミックコンタクト層52a及びバリアメタル層62の上には、Al等によりソース電極52が形成されており、ソース電極52の上には、パッシベーション膜63が形成されている。また、炭化珪素単結晶基板10の第1の面10aとは反対の第2の面10bには、Ni膜を成膜し熱処理をすることにより、オーミックコンタクト層53aが形成されており、オーミックコンタクト層53aの上には、ドレイン電極53が形成されている。
第1のn型層21は、n型ドリフト層であり、n型となる不純物元素が比較的低い濃度でドープされている層である。p型層22は、p型チャネル層であり、pとなる不純物元素がドープされている層である。第2のn型層23は、高濃度のn型コンタクト層であり、第1のn型層21よりも、n型となる不純物元素の濃度が高い層である。高濃度p型領域24は、高濃度のp型コンタクト領域であり、p型層22よりも、p型となる不純物元素の濃度が高い。尚、本願においては、第1のn型層21を第1層、p型層22を第2層、第2のn型層23を第3層と記載する場合がある。
図1に示される縦型の炭化珪素半導体装置では、ゲート電極51に所定の電圧が印加されると、p型層22のゲート絶縁膜40の近傍の領域にチャネルが形成され、第1のn型層21と第2のn型層23との間が導通する。これにより、ソース電極52とドレイン電極53との間に電流が流れ、炭化珪素半導体装置がオンになる。尚、ゲート電極51に所定の電圧が印加されていない場合には、p型層22にはチャネルは形成されず、ソース電極52とドレイン電極53との間には電流は流れないため、炭化珪素半導体装置はオフ状態となる。
図1に示される縦型の炭化珪素半導体装置は、炭化珪素単結晶基板10の第1の面10aに炭化珪素エピタキシャル層が形成されている炭化珪素エピタキシャル基板が用いられている。炭化珪素エピタキシャル層にはn型となる不純物元素がドープされている。この炭化珪素エピタキシャル層の表面より、p型となる不純物元素としてAl(アルミニウム)をイオン注入することによりp型層22が形成され、n型となる不純物元素としてP(リン)をイオン注入することにより第2のn型層23が形成される。炭化珪素エピタキシャル層のイオン注入では、イオン注入される不純物元素のイオンの加速電圧等を変化させることにより、不純物元素のイオンがイオン注入される深さを変えることができる。このようにして、炭化珪素エピタキシャル層の表面側に第2のn型層23を形成し、第2のn型層23よりも深い領域にp型層22を形成する。炭化珪素エピタキシャル層において、不純物元素がイオン注入されたp型層22、第2のn型層23を除く領域が、第1のn型層21となる。また、高濃度p型領域24は、炭化珪素エピタキシャル層の表面より、p型となる不純物元素としてAlをイオン注入することにより形成する。
縦型の炭化珪素半導体装置では、チャネル層となるp型層22のチャネル抵抗を低くすること、ゲート電極51に印加されるゲート電圧のゲートしきい値電圧を高くすること、ソース電極52とドレイン電極53との間における耐圧を高くすることが求められている。チャネル層となるp型層22のチャネル抵抗を低くすることにより、炭化珪素半導体装置のオン抵抗を低くすることができる。また、ゲート電極51におけるゲートしきい値電圧が低いと、ノイズ等の影響により炭化珪素半導体装置が誤ってオンとなりやすいことから、ゲートしきい値電圧は高い方が好ましい。また、ソース電極52とドレイン電極53の間の耐圧を高くすることにより、炭化珪素半導体装置を高耐圧にすることができる。
ところで、縦型の炭化珪素半導体装置では、p型層22におけるチャネル抵抗を低くすることと、ゲートしきい値電圧を高くすることは、トレードオフの関係にあり、双方の要求を満たすことは容易ではない。
(炭化珪素半導体装置)
次に、第1の実施形態における炭化珪素半導体装置について説明する。尚、炭化珪素単結晶基板10における炭化珪素のポリタイプは4Hである。4Hのポリタイプの炭化珪素は、電子移動度、絶縁破壊電界強度等が、他のポリタイプよりも優れているからである。本実施形態における炭化珪素半導体装置は、図1に示される縦型の炭化珪素半導体装置において、ゲートしきい値電圧を高くするためp型層22の不純物濃度を高くするとともに、p型層22の膜厚を薄くしたものである。Rchをチャネル抵抗、チャネル層となるp型層22の膜厚をL、p型層22におけるキャリアの移動度をμとし、比例定数をkとした場合、これらは、下記の数1に示す式の関係にある。
Figure 0007124582000001
数1に示す式によれば、キャリアの移動度μが低下すると、チャネル抵抗Rchが高くなり、p型層22の膜厚Lが薄くなるとチャネル抵抗Rchが低くなる。
ゲートしきい値電圧を高くするためにp型層22の不純物濃度を高くすると、p型層22におけるキャリアの移動度μが低下し、チャネル抵抗Rchが高くなってしまう。このため、p型層22の膜厚Lをできるだけ薄くすることにより、チャネル抵抗Rchが高くなること抑制し、更には、チャネル抵抗Rchを低くする。これにより、ゲートしきい値電圧を高くすることと、チャネル抵抗Rchを低くすることの両立を図るものである。
本実施形態における炭化珪素半導体装置は、図2に示されるような不純物元素の濃度分布プロファイルを有している。図2は、図1に示される炭化珪素半導体装置において、第2のn型層23とゲート絶縁膜40及びソース電極52のオーミックコンタクト層52aとの界面より、炭化珪素半導体層の深さ方向における不純物元素の濃度分布を示している。図2においては、ドナーとなるn型の不純物元素のPの濃度(Nd)、アクセプタとなるp型の不純物元素のAlの濃度(Na)、n型の不純物元素の濃度とp型の不純物元素の濃度の差である実効ドーピング濃度(|Na-Nd|)を示す。
尚、n型の不純物元素の濃度及びp型の不純物元素の濃度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry:二次イオン質量分析)により測定することができる。また、実効ドナー濃度(Nd-Na)とは、ドナーとなるn型の不純物元素の濃度(Nd)からアクセプタとなるp型の不純物元素の濃度(Na)を引いた値である。また、実効アクセプタ濃度(Na-Nd)とは、アクセプタとなるp型の不純物元素の濃度(Na)からドナーとなるn型の不純物元素の濃度(Nd)を引いた値である。本願においては、実効ドナー濃度(Nd-Na)及び実効アクセプタ濃度(Na-Nd)について、実効ドーピング濃度(|Na-Nd|)と記載する場合がある。
本実施形態の炭化珪素半導体装置においては、第2のn型層23の表面より深さ方向に約0.27μmまでの領域では、n型の不純物元素の濃度(Nd)がp型の不純物元素の濃度(Na)よりも多くn型となっており、この領域が第2のn型層23となる。従って、第2のn型層23の膜厚は、約0.27μmであり、第2のn型層23における実効ドナー濃度(Nd-Na)のピークの値は、約2×1019cm-3である。
次に、第2のn型層23の表面より深さ方向に約0.27μmから約0.57μmまでの領域では、p型の不純物元素の濃度(Na)がn型の不純物元素の濃度(Nd)よりお多くp型となっており、この領域がp型層22となる。従って、p型層22の膜厚は、約0.30μmであり、p型層22におけるp型の不純物元素であるAlの濃度(Na)のピークの値は約2×1018cm-3である。尚、p型層22における実効アクセプタ濃度(Na-Nd)のピークの値は、5.0×1017cm-3以上、3.0×1018cm-3以下であることが好ましく、図2においては、このピークの値は、約1.5×1018cm-3となっている。
次に、第2のn型層23の表面より深さ方向に約0.57μmよりも深い領域では、n型の不純物元素の濃度(Nd)がp型の不純物元素の濃度(Na)よりも多くn型となっており、この領域が第1のn型層21となる。第1のn型層21においては、p型層22との界面近傍を除き、実効ドナー濃度(Nd-Na)の値は、2×1016~3×1016cm-3で略一定である。
従って、第2のn型層23の表面より約0.27μmの深さの位置に、第2のn型層23とp型層22との界面が形成され、この界面においては、n型の不純物元素の濃度(Nd)とp型の不純物元素の濃度(Na)は略等しく、約1.5×1018cm-3である。この値は、p型層22におけるp型の不純物元素の濃度(Na)のピークの値の半分の値となる約1×1018cm-3よりも大きい。
また、第2のn型層23の表面より約0.57μmの深さの位置に、p型層22と第1のn型層21との界面が形成され、この界面においては、n型の不純物元素の濃度(Nd)とp型の不純物元素の濃度(Na)は略等しく、約1.5×1017cm-3である。この値は、p型層22におけるp型の不純物元素の濃度(Na)のピークの値の半分の値となる約1×1018cm-3よりも小さく、1/20の値となる約1×1017cm-3以上である。尚、p型層22と第1のn型層21との界面におけるn型の不純物元素の濃度(Nd)の値が、p型層22におけるp型の不純物元素の濃度(Na)のピークの値の半分以上である場合には、有効な厚さのp型層22が形成されない。また、p型層22と第1のn型層21との界面におけるn型の不純物元素の濃度(Nd)をp型層22におけるp型の不純物元素の濃度(Na)のピークの値の1/20以上にすることにより、p型層22を薄くすることができる。
従って、本実施形態においては、不純物元素のイオン注入により形成される第1のn型層21、p型層22、第2のn型層23において、p型層22の界面におけるn型の不純物元素の濃度(Nd)を高くすることにより、p型層22の膜厚を薄くしている。即ち、イオン注入によりp型層22を形成する場合、不純物元素を所望の深さに正確に注入することは困難であり、図2に示すような濃度分布が生じてしまう。このため、第1のn型層21とp型層22との界面、p型層22と第2のn型層23との界面において、n型の不純物元素の濃度(Nd)を高くして、p型の不純物元素の濃度が比較的高い領域に、これらの界面を形成する。これにより、2つの界面に挟まれたp型層22における不純物濃度を高くするとともに、p型層22の膜厚を薄くすることができ、p型層22におけるチャネル抵抗を低くするとともに、ゲートしきい値電圧を高くすることが可能となる。
更に、本実施形態においては、ソース電極52とドレイン電極53との間における耐圧を向上させるため、第1のn型層21における実効ドナー濃度(Nd-Na)の値が略一定となるように形成されている。具体的には、n型の不純物元素の濃度(Nd)とp型の不純物元素の濃度(Na)との関係は、下記の数2に示す式を満たすように形成されている。尚、下記の数2に示す式は、1<(第1導電型の不純物元素の濃度)/(第2導電型の不純物元素の濃度)≦2と表すことも可能である。
Figure 0007124582000002
濃度比(Nd/Na)が1より大きいのは、第1のn型層21がn型であるからであり、濃度比(Nd/Na)を2以下にすることにより、第1のn型層21における実効ドナー濃度(Nd-Na)の値を略一定にすることができる。
本実施形態における炭化珪素半導体装置においては、溝30の側面30aは第2のn型層23の表面に対し垂直となるように形成されており、第2のn型層23の表面はSi面となっている。本願において、上記の垂直とは、厳密な意味での垂直を意味するものではなく、垂直とみなされる範囲であって、本実施形態における効果を奏する範囲で幅を有していることを意味する。
(炭化珪素半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態における炭化珪素半導体装置の製造方法について、図3~図14に基づき説明する。
最初に、図3に示すように、炭化珪素単結晶基板10の第1の面10aの上に、炭化珪素エピタキシャル層11を形成する。炭化珪素エピタキシャル層11は、n型となる不純物元素としてPを添加した炭化珪素のエピタキシャル成長により形成する。
次に、図4に示すように、炭化珪素エピタキシャル層11の表面11aより、p型となる不純物元素としてAlをイオン注入することにより、p型層22を形成する。p型層22は、炭化珪素エピタキシャル層11の表面11aより0.30μm~0.37μmにおけるAlの濃度がピークとなり、このピークにおけるAlの濃度が約2.0×1018cm-3となるようにイオン注入することにより形成する。p型層22では、Alをイオン注入することにより、n型の不純物元素の濃度よりもp型の不純物元素の濃度が高くなるためp型となる。
次に、図5に示すように、炭化珪素エピタキシャル層11の表面11aより、n型となる不純物元素としてPをイオン注入することにより、第2のn型層23を形成する。第2のn型層23は、炭化珪素エピタキシャル層11の表面11aの近傍におけるPの濃度がピークとなり、このピークにおけるPの濃度が約2.0×1019cm-3となるようにイオン注入することにより形成する。第2のn型層23では、Pをイオン注入することにより、p型の不純物元素の濃度よりもn型の不純物元素の濃度が高くなるためn型となる。この際、炭化珪素エピタキシャル層11の表面11aより0.50μm~0.60μmにおけるPの濃度が1.0×1017cm-3以上となるようにイオン注入することにより形成する。これにより、膜厚が約0.3μmとなる薄いp型層22を形成する。このように、イオン注入により、p型層22及び第2のn型層23を形成することにより、炭化珪素エピタキシャル層11において、第2のn型層23、及び、p型層22を除く領域が、第1のn型層21となる。
次に、図6に示すように、炭化珪素エピタキシャル層11の表面11aより、第2のn型層23、p型層22及び第1のn型層21の一部にp型となる不純物元素としてAlをイオン注入することにより、高濃度p型領域24を形成する。高濃度p型領域24では、Alをイオン注入することにより、n型の不純物元素の濃度よりもp型の不純物元素の濃度が高くなるためp型となる。具体的には、炭化珪素エピタキシャル層11の表面11aとなる第2のn型層23の上に、高濃度p型領域24が形成される領域に開口部を有する不図示のハードマスクを酸化シリコン等により形成してイオン注入を行う。これにより、ハードマスクの開口部の炭化珪素エピタキシャル層11にイオン注入をすることができ、このようなイオン注入により高濃度p型領域24が形成される。
次に、図7に示すように、第2のn型層23の表面より、炭化珪素エピタキシャル層を一部除去することにより溝30を形成し、溝30の側面30aに、第2のn型層23、p型層22、第1のn型層21の一部を露出させる。具体的には、第2のn型層23の表面にフォトレジストを塗布し、露光装置により露光、現像を行うことにより、溝30が形成される領域に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの開口部において、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)により、第2のn型層23、p型層22、第1のn型層21の一部を除去することにより、溝30を形成する。尚、溝30の底面30bでは、第1のn型層21が露出している。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。
次に、図8に示すように、溝30の側面30a及び底面30b、第2のn型層23等の上にゲート絶縁膜40を形成する。
次に、図9に示すように、溝30の内部のゲート絶縁膜40の上にポリシリコンを成膜することによりゲート電極51を形成する。
次に、図10に示すように、ゲート絶縁膜40及びゲート電極51の上に、層間絶縁膜61を形成する。
次に、図11に示すように、ゲート電極51及びゲート電極51の周囲を除き層間絶縁膜61及びゲート絶縁膜40を除去することにより、高濃度p型領域24及び第2のn型層23の一部を露出させる。
次に、図12に示すように、層間絶縁膜61及びゲート絶縁膜40を覆うバリアメタル層62を窒化チタン膜を成膜することによりを形成する。具体的には、層間絶縁膜61、高濃度p型領域24及び第2のn型層23の上に窒化チタン膜を成膜し、更に、窒化チタン膜の上にフォトレジストを塗布した後、露光装置による露光、現像を行うことにより不図示のレジストパターンを形成する。このレジストパターンは、第2のn型層23の上のソース電極52が形成される領域に開口を有しており、この後、レジストパターンの形成されていない領域の窒化チタン膜をRIE等のドライエッチングにより除去し、第2のn型層23等を露出させる。これにより、残存する窒化チタン膜により、バリアメタル層62が形成される。
次に、図13に示すように、露出している第2のn型層23及び高濃度p型領域24の上に、オーミックコンタクト層52aを形成し、炭化珪素単結晶基板10の第2の面10bの上に、オーミックコンタクト層53aを形成する。オーミックコンタクト層52a及びオーミックコンタクト層53aは、スパッタリング等によりNi膜を成膜し、熱処理を行うことにより、炭化珪素のSiとNi膜とを合金化し、NiSi合金層にすることにより形成する。
次に、図14に示すように、オーミックコンタクト層52a及びバリアメタル層62の上にソース電極52を形成し、オーミックコンタクト層53aの上にドレイン電極53を形成する。ソース電極52及びドレイン電極53は、Al等の金属膜により形成する。
次に、図15に示すように、ソース電極52の上にパッシベーション膜63を形成する。
以上の工程により、本実施形態における炭化珪素半導体装置を製造することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態における縦型トランジスタとなる炭化珪素半導体装置は、図16に示されるように、V字状の溝130が形成されている構造のものである。このため第2のn型層23の表面はC(炭素)面となっている。具体的には、第2のn型層23、p型層22、第1のn型層21を除去することによりV字状の溝130が形成されている。V字状の溝130は、第2のn型層23の表面に対し、側面130aが55°±5°、即ち、50°以上、60°以下の範囲で傾斜しており、V字状の溝130の側面130aは、第2のn型層23、p型層22、第1のn型層21の一部により形成されている。V字状の溝130の内部の側面130a及び底面130b、V字状の溝130の近傍の第2のn型層23の上には、ゲート絶縁膜140が形成されており、V字状の溝130の内部のゲート絶縁膜140の上には、ゲート電極151が形成されている。
本実施形態における炭化珪素半導体装置は、V字状の溝130を形成することにより、p型層22における不純物元素の濃度が高くなっても、チャネルが形成された際のキャリアの移動度の低下を防ぐことができる。V字状の溝130は、熱エッチングにより形成することができる。具体的には、熱エッチングにより、側面130aが{0-33-8}面となるV字状の溝130が形成され、V字状の溝130の側面130aでは、第2のn型層23、p型層22、第1のn型層21の一部が露出する。この後、V字状の溝130の側面130a及び底面130b、第2のn型層23等の上にゲート絶縁膜140を形成し、更に、V字状の溝130の内部のゲート絶縁膜140の上にポリシリコンを成膜することによりゲート電極151を形成する。
尚、上記以外の内容については、第1の実施形態と同様である。
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
10 炭化珪素単結晶基板
10a 第1の面
10b 第2の面
11 炭化珪素エピタキシャル層
11a 表面
21 第1のn型層
22 p型層
23 第2のn型層
24 高濃度p型領域
30 溝
30a 側面
30b 底面
40 ゲート絶縁膜
51 ゲート電極
52 ソース電極
52a オーミックコンタクト層
53 ドレイン電極
53a オーミックコンタクト層
61 層間絶縁膜
62 バリアメタル層
63 パッシベーション膜
130 V字状の溝
130a 側面
130b 底面
140 ゲート絶縁膜
151 ゲート電極

Claims (5)

  1. 第1導電型の炭化珪素半導体の第1層と、
    前記第1層の上の前記第1導電型とは異なる第2導電型の炭化珪素半導体の第2層と、
    前記第2層の上の前記第1導電型の炭化珪素半導体の第3層と、
    前記第3層、前記第2層、前記第1層の一部に側面を有する溝と、
    前記溝の内部に設けられた絶縁膜と、
    前記溝の内部の前記絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
    を有する縦型トランジスタであって、
    前記第2層と前記第3層との界面における前記第2導電型の不純物元素の濃度は、前記第2層における前記第2導電型の不純物元素の濃度のピークの値の半分の値を超えており、
    前記第1層と前記第2層との界面における前記第2導電型の不純物元素の濃度は、前記第2層における前記第2導電型の不純物元素の濃度のピークの値の半分の値未満、1/20以上であり、
    前記第1層は、前記第1導電型の不純物元素と、前記第2導電型の不純物元素とを含んでおり、
    1<(第1導電型の不純物元素の濃度)/(第2導電型の不純物元素の濃度)≦2
    である炭化珪素半導体装置。
  2. 前記第1層は炭化珪素単結晶基板の第1の面に形成されているものであって、
    前記第3層に接するソース電極と、
    前記炭化珪素単結晶基板の前記第1の面とは反対の第2の面に設けられたドレイン電極と、
    を有する請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 前記炭化珪素単結晶基板のポリタイプは4Hであり、
    前記第3層の表面はSi面であり、
    前記溝の側面は、前記第3層の表面に対し垂直である請求項に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 前記炭化珪素単結晶基板のポリタイプは4Hであり、
    前記第3層の表面はC面であり、
    前記溝の側面は、前記第3層の表面に対し50°以上、60°以下である請求項に記載の炭化珪素半導体装置。
  5. 前記第2層における実効ドーピング濃度のピークの値は、5.0×1017cm-3以上、3.0×1018cm-3以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
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