JP7123828B2 - 超電導コイル導体および超電導コイル導体の製造方法 - Google Patents

超電導コイル導体および超電導コイル導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超電導コイル導体および超電導コイル導体の製造方法に関する。
高温超電導材料は、NbTiやNbSnなどの液体ヘリウム温度(4.2K)近傍で運転される従来の超電導材料に比べてはるかに高温領域で利用できる。そのため、近年、高温超電導材料は、様々な超電導応用機器への開発が進められている。従来の超電導線材が丸線や平角導体であったのに対し、高温超電導線材は、一般的にはテープ状の導体である。特に、高磁場特性に優れるRE123超電導線材は、テープ状の基材上に中間層や酸化物超電導層が形成されており、コーテッドコンダクタと呼ばれている。なお、RE123超電導線材は、希土類元素(RE)、バリウム(Ba)、銅(Cu)を含む酸化物材料であり、REBCO線材などとも呼ばれている。
このようなテープ状の超電導線材を巻き回してコイルを形成する場合、電気的絶縁を確保するため、超電導線材にポリイミドテープが巻きつけられている。所定の軸を中心として同心円状にテープ状の超電導線材を巻き回してなる超電導コイル導体は、高磁場中での臨界電流特性に優れ、機械的強度が高いなどの特長を有し、強磁場マグネットへの応用に最適である。
しかしながら、前記した超電導コイル導体は、冷却時におけるポリイミドテープの熱収縮が、基材、中間層、酸化物超電導層などの導体素材の熱収縮に対して相対的に大きい。従って、コイル巻線内部に半径方向の引張応力が生じ、テープ状の超電導線材の端部から剥離が生じるという問題があった。具体的には、テープ状の超電導線材の中間層や酸化物超電導体層などが、基材から剥がれるという問題があった。その結果、前記した超電導コイル導体には、酸化物超電導体層が破壊されて電流輸送特性が劣化し、所定の磁場が発生できなくなったり、コイル焼損などが生じて超電導コイル導体の信頼性を低下させたりするなど種々の問題が生じていた。
そのような剥離による問題に対する対策として、例えば、非特許文献1には、接着力が弱く容易に樹脂含浸部が離形するパラフィンによってコイルを樹脂含浸する例が開示されている。また、非特許文献2には、コイルターン間を分離させることを目的として難接着性の材料(テフロン(登録商標))を共巻にする方法が開示されている。
TEION KOGAKU (J. Cryo. Super. Soc. Jpn.) Vol.48 No.4(2013) TEION KOGAKU (J. Cryo. Super. Soc. Jpn.) Vol.50 No.3(2015)
前記した剥離による問題に対して、REBCO線材を用いた超電導コイル導体の多くは、巻線のターン間の結合をなくす構造を採用している。しかし、このような構造を採用する超電導コイル導体は、強磁場を発生させてその巻線部に強大な電磁力がかかると、ターン間の結合がないため、その強大な電磁力によって巻線に局所的な変形が生じ、線材の電流輸送特性が劣化してしまう。
なお、液体冷媒を用いない伝導冷却方式を採用する場合、REBCO線材を用いた超電導コイル導体は、巻線内の良好な冷却のため、巻線内部に樹脂を充填して良好な熱接触(熱伝達)を得るようにすることが重要である。そのため、REBCO線材を用いた超電導コイル導体は、樹脂によって強固に一体化したコイル巻線とすることが望ましい。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、テープ状の超電導線材の剥離が生じ難く、強固に一体化された超電導コイル導体および超電導コイル導体の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る超電導コイル導体は、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材と、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の熱収縮率が0.3%以下であり、前記超電導線材に巻き回される繊維と、互いに隣接する一方の前記超電導線材および前記繊維と、他方の前記超電導線材および前記繊維と、の間を充填する樹脂と、を備える。
本発明によれば、テープ状の超電導線材の剥離が生じ難く、強固に一体化された超電導コイル導体および超電導コイル導体の製造方法を提供できる。
本実施形態に係る超電導コイル導体の構成の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係る超電導コイル導体における繊維の一例を示す表である。 本実施形態に係る超電導コイル導体の構成の一例を示す拡大図である。 本実施形態に係る超電導コイル導体における繊維を束ねた素線の幅と厚さとの関係を示す図である。 本実施形態に係る超電導コイル導体の製造方法の内容を説明するフローチャートである。 実施例および比較例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性の一例を示すグラフである。 引張試験の様子を示す模式図である。 実施例に係る超電導コイル導体の臨界電流特性の一例を示すグラフである。 比較例に係る超電導コイル導体の臨界電流特性の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、実施形態を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係などが誇張、変形、あるいは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、平面図とその断面図において、各部材のスケールや間隔が一致しない場合もある。また、以下の説明では、同一の名称および符号については原則として同一または同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する場合がある。また、本明細書において、「上」、「下」などは構成要素間の相対的な位置を示すものであって、絶対的な位置を示すことを意図したものではない。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
≪超電導コイル導体の構成≫
まず、図1を参照して、本実施形態に係る超電導コイル導体100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る超電導コイル導体100の構成の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、超電導コイル導体100は、超電導線材10と、繊維20と、樹脂(図示せず)と、を備えている。超電導線材10は、テープ状の基材11と、基材11上に積層される中間層12と、中間層12上に積層される酸化物超電導層13と、酸化物超電導層13上に積層される保護層14と、保護層14上に積層される安定化層15と、基材11、中間層12、酸化物超電導層13、保護層14および安定化層15の外側を囲む絶縁層16と、を備えている。超電導線材10は、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるとともにテープ状をなしている。熱収縮率とは、ある物体の温度が1K下がったときに、その物体に生ずる収縮の割合をいう。熱収縮率が高いほど温度が1K下がったときの収縮の割合(変化量)が大きくなる。繊維20は、絶縁層16の外側を囲むように巻き回されている。
超電導コイル導体100は、繊維20が巻き回されたテープ状の超電導線材10が、所定の軸を中心として同心円状に巻き回されている。なお、超電導線材10は、所定の軸を中心として時計回りに巻き回されてもよいし、反時計回りに巻き回されてもよい。そして、超電導コイル導体100は、さらに、互いに隣接する一方の超電導線材10および繊維20と、他方の超電導線材10および繊維20と、の間に樹脂を含浸させて硬化させている(すなわち、これらの間を樹脂で充填している)。このようにすると、一方の超電導線材10および繊維20と、他方の超電導線材10および繊維20とが樹脂により強固に結合されるので、強固に一体化できる。
基材11は、例えば、機械的強度の良好なニッケル(Ni)基合金などの金属材料を用いることができるが、これらに限定されない。
中間層12は、例えば、セリウム(Ce)などの金属酸化物材料を用いることができるが、これらに限定されない。
酸化物超電導層13は、前記したようにREBCO線材を用いることができる。酸化物超電導層13は、例えば、イットリウム系(Y系)の超電導材料などを用いることができるが、これらに限定されない。
保護層14や安定化層15は、例えば、銀(Ag)などの金属材料などからなり、さらに銅(Cu)などを用いることができるが、これらに限定されない。
絶縁層16は、例えば、ポリイミドなどを用いることができるが、これらに限定されない。超電導コイル導体100の絶縁部は、この絶縁層16と、繊維20と、樹脂(含浸材)とで構成されている。このうち、絶縁層16と、樹脂とが絶縁材として機能する。
繊維20は、熱収縮率が小さい材料、かつ、電気的絶縁性に優れる材料で形成されることが好ましい。具体的には、繊維20は、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の熱収縮率が0.3%以下である材料で形成されることが好ましい。
ここで、図2の表に示すように、REBCO線材を構成する材料の293Kから77Kに冷却したときの熱収縮率は概ね0.3%である。
一方、図2の表に示すように、超電導コイル導体100の絶縁部において絶縁材として挿入されるポリイミドやエポキシ樹脂の293Kから77Kに冷却したときの熱収縮率は概ね1.2%であるから、REBCO線材の熱収縮率とは4倍の開きがある。
そのため、これらが巻き回されたコイルが77Kに冷却されるとポリイミドやエポキシ樹脂を含む絶縁部の体積収縮が相対的に大きくなり、超電導線材10に対して引張力を生じさせることが、前述したような剥離の問題に繋がっている。従って、冷却時の線材剥離防止のためには、絶縁部の熱収縮率を線材(REBCO線材を構成する材料)と同等もしくはそれよりも小さくすることが有効である。
さらに、絶縁部に熱収縮率がREBCO線材を構成する材料に比べて小さいものを配置すれば、当該材料が配置された絶縁部は冷却により相対的に体積が膨張したことになる。そのため、図1に示すように、超電導コイル導体100には、矢印Aに示す力より大きな矢印Bに示す力を働かせることができる。つまり、絶縁部に存在する繊維20が当該熱収縮率を満たすことで、超電導コイル導体100には、超電導線材10の剥離を促進させるように働く力(矢印Aに示す力)より大きな超電導線材10の剥離を抑制させるように働く力(矢印Bに示す力)が働くことになる。
従って、繊維20が当該熱収縮率を満たすことで、超電導コイル導体100において、冷却時における超電導線材10の端部からの剥離を生じ難くすることができる。また、繊維20が、超電導コイル導体100において、超電導線材10の剥離が開始する開始箇所(例えば、中間層12、酸化物超電導層13などの端部)に巻き回されることによって機械的に補強することが可能になる。これにより、超電導コイル導体100において、冷却時における剥離力発生を抑制するとともに、剥離力に対する補強構造を実現することが可能になる。
上述の条件を満たす繊維20の材料としては、無機材料として、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維などが挙げられる。
また、上述の条件を満たす繊維20の材料としては、有機材料として、例えば、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などが挙げられる。有機材料として具体的には、ケブラー(登録商標)、ザイロン(登録商標)などが挙げられる。また、無機材料に有機材料を混ぜた混紡などが挙げられる。例えば、ガラス繊維にアラミド繊維およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維のうちの少なくとも一種を混ぜた混紡とすることで、繊維20の強度を高めることができる。
また、上述の条件を満たす繊維20の材料として前記したものの他にも、例えば、ステンレス、鉄または銅などの金属繊維が挙げられる。有機材料よりもヤング率の高い金属繊維を適用することで超電導線材10の端部での剥離を防止する補強をより高めることができる。また、超電導磁石の安定性を改善するために高温超電導コイルで採用されるメタルインシュレーション(Metal Insulation:MI)巻線において、超電導コイル導体100における各巻線層間(隣接する超電導線材10と超電導線材10との間)の接触抵抗を容易に制御でき、これにより磁場整定時間を制御することが可能になる。
例えば、ステンレスを適用する場合、ステンレス極細線の直径は50μm程度、ステンレス極細線の巻きピッチは0.1mm程度であることが好ましい。また、ステンレスを適用する場合、機械的強度が強いステンレス極細線では、互いに編み込まれることなく1本で巻き回すことが可能である。この際、超電導線材10は蛇行やエッジワイズ歪みを抑制するため、溝つきガイドを通して送られ、ステンレス極細線は超電導線材10の所定位置に巻き回される。ステンレス極細線の前記巻きピッチが所定の値を満たすように、ステンレス極細線の巻き回し速度と超電導線材10の送り速度とを同期させることが好ましい。なお、溝つきガイドには、ステンレス極細線が通る部分のみ隙間を空けることによって、ステンレス極細線の巻線張力を当該溝つきガイドが受けるようにすることが可能である。
なお、繊維20は、図3に示すように、互いに絡むように編み込まれていることが好ましい。繊維20が編み込まれることで繊維20と超電導線材10との分離を防止することができ、また、繊維20自身の強度を高めることができる。
エポキシ樹脂などの含浸材に含浸され、硬化させた超電導コイル導体100を劣化させないためには、1)剥離応力の発生を抑制すること、2)線材端部の剥離防止補強をすること、3)応力集中させない(分散させる)ことが重要である。超電導線材10を包み込むように編み込まれた繊維20は、樹脂含浸して硬化させた樹脂と一体となり、超電導線材10にかかる外力をならすバッファとしての役割を持つとともに、一体化された樹脂の割れを防ぐ補強となり、樹脂割れ近傍の超電導線材10への局所的な力の伝達を防止できる。
繊維20は、超電導線材10の表面を30%以上90%以下の範囲で覆うことが好ましい。超電導線材10の表面が繊維20によってこのような範囲で覆われることで、超電導コイル導体100の剥離防止効果が発揮される。
さらに、繊維20は、束ねられることが好ましい。この束ねられた繊維20は、撚られていない、または、撚りピッチが20mmより長いことが好ましい。なお、撚りピッチとは、繊維20の単線が束ねられた繊維20の周りを360°回転するのに要する距離をいう。繊維20が巻き回される箇所には超電導電流が流れないため、この束ねられた繊維20の撚りピッチを必要以上に短くすると、超電導コイル導体100における電流密度を低下させる原因になる。すなわち、束ねられた繊維20が、超電導線材10上でほぐれて広がり、超電導線材10上に薄い繊維層を形成することができれば、超電導コイル導体100における電流密度の低下を回避できる。
従って、束ねられた繊維20は、撚られていない、または、比較的長い撚りピッチで超電導線材10に巻き回されることが好ましい。束ねられた繊維20が、超電導線材10上に薄い繊維層を形成できるように、束ねられた繊維20に含まれる各繊維20の本数や撚りピッチなどを適宜調整することが好ましい。
また、繊維20は、図4に示すように、超電導線材10に対して平行な方向における繊維20を束ねた素線21の幅をWとし、超電導線材10に対して垂直な方向における繊維20を束ねた素線21の厚さをtとする場合、W>30tを満たすことが好ましい。例えば、超電導線材10に対して平行な方向における繊維20を束ねた素線21の幅が4.00mm(W=4.00mm)である場合、超電導線材10に対して垂直な方向における繊維20を束ねた素線21の厚さは0.13mm(t=0.13mm)未満であることが好ましい。
ここで、再度図2の表を参照して、超電導コイル導体100に適用される繊維20の一例について説明する。なお、図2の表において、推定値は括弧付きで表記している。
繊維20としては、以下のような有機繊維を適用することができる。
繊維20としては、例えば、有機繊維「ケブラー29」を適用することができる。「ケブラー29」の室温での線膨張係数は4.0×10-6-1である。極低温まで線膨張係数が変わらないとして熱収縮率を推定すると、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の「ケブラー29」の熱収縮率は0.09%となる。また、絶対温度を293Kから4Kまで下げた際の「ケブラー29」の熱収縮率は0.12%となる。
繊維20としては、例えば、有機繊維「ケブラー49」を適用することができる。「ケブラー49」の室温での線膨張係数は4.9×10-6-1である。極低温まで線膨張係数が変わらないとして熱収縮率を推定すると、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の「ケブラー49」の熱収縮率は0.11%となる。また、絶対温度を293Kから4Kまで下げた際の「ケブラー49」の熱収縮率は0.14%となる。
繊維20としては、例えば、有機繊維「ザイロン」を適用することができる。「ザイロン」の室温での線膨張係数は-6.0×10-6-1である。極低温まで線膨張係数が変わらないとして熱収縮率を推定すると、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の「ザイロン」の熱収縮率は-0.13%となる。また、絶対温度を293Kから4Kまで下げた際の「ザイロン」の熱収縮率は-0.17%となる。
繊維20としては、例えば、有機繊維「ダイニーマ」(登録商標)を適用することができる。絶対温度を293Kから4Kまで下げた際の「ダイニーマ」の熱収縮率は-0.16%となる。また、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の「ダイニーマ」の熱収縮率は-0.14%となる。
また、繊維20としては、以下のような無機繊維を適用することができる。
繊維20としては、例えば、無機繊維「Eガラス」を適用することができる。「Eガラス」の室温での線膨張係数は5.6×10-6-1である。極低温まで線膨張係数が変わらないとして熱収縮率を推定すると、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の「Eガラス」の熱収縮率は0.12%となる。また、絶対温度を293Kから4Kまで下げた際の「Eガラス」の熱収縮率は0.16%となる。
繊維20としては、例えば、無機繊維「Tガラス」を適用することができる。「Tガラス」の室温での線膨張係数は2.8×10-6-1である。極低温まで線膨張係数が変わらないとして熱収縮率を推定すると、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の「Tガラス」の熱収縮率は0.06%となる。また、絶対温度を293Kから4Kまで下げた際の「Tガラス」の熱収縮率は0.08%となる。
ガラス繊維は熱収縮率が小さく引張応力発生の抑制に効果が大きいが、ガラス繊維を超電導線材10に編組する際に超電導線材10のエッジで切れることがあるため、切れ難いアラミド繊維などとの混紡を利用することが好ましい。
上述のような繊維20が設けられたテープ状の超電導線材10を、所定の軸を中心として同心円状に巻き回す。その後、互いに隣接する一方の超電導線材10(より具体的には、超電導線材10および繊維20)と、他方の超電導線材10(より具体的には、超電導線材10および繊維20)と、の間に含浸材(樹脂)を含浸させて硬化させ、一体化する。含浸材としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂など公知の樹脂を使用することができる。
以上に述べた本実施形態に係る超電導コイル導体100によれば、テープ状の超電導線材10と、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の熱収縮率が、REBCO線材(超電導線材10)の熱収縮率と同等の0.3%以下であり、前記した超電導線材10に巻き回される繊維20と、を備える。これにより、本実施形態に係る超電導コイル導体100は、超電導線材10の剥離が生じ易いという従来の問題を回避できる。そのため、本実施形態に係る超電導コイル導体100は、剥離力に対する補強構造を高めることができ、高い信頼性を実現できる。
また、本実施形態に係る超電導コイル導体100によれば、超電導線材10の局所的な劣化を防止できるため、コイル巻線全体に隙間なく含浸材(樹脂)を充填することが可能になる。これにより、超電導線材10の剥離が生じることで樹脂含浸できないという従来の問題、すなわち、強固に一体化できないという従来の問題を回避できる。つまり、本実施形態に係る超電導コイル導体100は、互いに隣接する超電導線材10と超電導線材10との間を強固に一体化でき、高い信頼性を実現できる。
≪超電導コイル導体の製造方法≫
次に、図5を参照して、本実施形態に係る超電導コイル導体100の製造方法(以下、単に「本製造方法」ということがある)について説明する。図5は、本実施形態に係る超電導コイル導体100の製造方法の内容を説明するフローチャートである。
図5に示すように、本製造方法は、第1巻き回し工程S1と、第2巻き回し工程S2と、樹脂含浸硬化工程S3と、を含む。本製造方法は、これらの工程についてはこの順に行う。
第1巻き回し工程S1は、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材10に、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の熱収縮率が0.3%以下となる繊維20を巻き回す工程である。第1巻き回し工程S1は、超電導線材10の周囲に繊維20を巻き回すことができればどのような巻回機でも行うことができる。
第2巻き回し工程S2は、繊維20を巻き回した超電導線材10を、所定の軸を中心として同心円状に巻き回す工程である。第2巻き回し工程S2は、繊維20を巻き回した超電導線材10を、所定の軸を中心として同心円状に巻き回すことができればどのような巻回機でも行うことができる。
樹脂含浸硬化工程S3は、互いに隣接する一方の超電導線材10およびこれに巻き回した繊維20と、他方の超電導線材10およびこれに巻き回した繊維20と、の間に含浸材(樹脂)を含浸させた後、硬化させる工程である。樹脂含浸硬化工程S3における前記した樹脂の含浸は、例えば、樹脂を容れた槽内に、第2巻き回し工程S2で同心円状に巻き回した超電導線材10を浸漬することが挙げられる。また、樹脂含浸硬化工程S3における前記した樹脂の硬化は、用いた樹脂の硬化方法に応じた任意の手段で行うことができる。任意の手段としては、例えば、用いた樹脂が熱硬化性のものであれば所定の温度に加熱できる加熱装置を挙げることができ、紫外線硬化性のものであれば紫外線を照射できる紫外線照射装置を挙げることができる。また、樹脂が硬化剤との反応により硬化する場合は、硬化剤を添加した後、所定時間放置することが挙げられる。
なお、本製造方法は、これら以外の工程を含んでいてもよく、上述の方法に限られるものではない。
本製造方法によれば、前述した本実施形態に係る超電導コイル導体100を好適に製造できる。つまり、本製造方法によれば、超電導線材10の剥離が生じ易いという従来の問題を回避でき、互いに隣接する超電導線材10と超電導線材10の間が強固に一体化された超電導コイル導体100を製造できる。
次に、本発明の効果を確認した実施例について、比較例と対比して説明する。
<実施例に係る超電導コイル導体の製造>
実施例に係る超電導コイル導体は、次のようにして製造した。
テープ状の超電導線材に、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の熱収縮率が0.3%以下となる下記繊維20を巻き回した(前記した第1巻き回し工程S1に相当する)。
次いで、繊維を巻き回した超電導線材を、所定の軸を中心として同心円状に巻き回した(前記した第2巻き回し工程S2に相当する)。
そして、互いに隣接する一方の超電導線材およびこれに巻き回した繊維と、他方の超電導線材およびこれに巻き回した繊維との間に含浸材(樹脂)を含浸させた後、硬化させて実施例に係る超電導コイル導体を製造した(前記した樹脂含浸硬化工程S3に相当する)。
繊維以外の構成要素(基材11、中間層12、酸化物超電導層13、保護層14、安定化層15、絶縁層16、含浸材など)は、実施例と後記する比較例とで全て等しい。超電導線材10および繊維20の詳細は、下記の通りである。
〔超電導線材10〕
幅:4.05mm
厚さ:0.13mm
〔繊維20〕
繊度:250[dtex](繊維10000mあたりのグラム数)
物質:ケブラー(登録商標)(「東レ・デュポン株式会社」)
比重:1.44g/cm
換算直径:0.15mm
編組:8本掛け~16本掛け
ケブラー被覆厚さ(片側):0.065mm(=0.13mm÷2)
〔含浸材〕
材料:エポキシ樹脂
<比較例に係る超電導コイル導体の製造>
比較例に係る超電導コイル導体は、次のようにして製造した。
比較例に係る超電導コイル導体は、前記した第1巻き回し工程を行わないで製造した。
具体的には、用意したテープ状の超電導線材を、所定の軸を中心として同心円状に巻き回した(前記した第2巻き回し工程S2に相当する)。
そして、互いに隣接する一方の超電導線材と他方の超電導線材との間に樹脂を含浸させた後、硬化させて比較例に係る超電導コイル導体を製造した(前記した樹脂含浸硬化工程S3に相当する)。
すなわち、実施例に係る超電導コイル導体は、テープ状の超電導線材に繊維が巻き回された構成を有するが、比較例に係る超電導コイル導体は、テープ状の超電導線材に繊維が巻き回されていない構成を有する点で相違している。
<ヒートサイクル試験の比較>
次に、図6を参照して、実施例に係る超電導コイル導体および比較例に係る超電導コイル導体の冷却時における熱ひずみによる特性劣化について説明する。
上述の製造方法で製造した実施例に係る超電導コイル導体に対して、極低温から室温、室温から極低温というヒートサイクルを所定回数(例えば、30回)繰り返すヒートサイクル試験を施し、ヒートサイクル試験終了後の電流電圧特性をグラフにプロットした。
同様に、上述の製造方法で製造した比較例に係る超電導コイル導体に対して、極低温から室温、室温から極低温というヒートサイクルを所定回数(例えば、30回)繰り返すヒートサイクル試験を施し、ヒートサイクル試験終了後の電流電圧特性をグラフにプロットした。
そして、ヒートサイクル試験終了後における実施例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性と、ヒートサイクル試験終了後における比較例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性と、を比較して、繊維補強による効果を検証した。
図6は、実施例に係る超電導コイル導体および比較例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性の一例を示すグラフである。図6において、横軸は電流[A]を示しており、縦軸は超電導コイル導体の両端電圧[mV]を示している。円(○)がプロットされているグラフは、実施例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性を示している。三角(△)がプロットされているグラフは、比較例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性を示している。
図6に示すように、実施例に係る超電導コイル導体には、超電導コイル導体の両端電圧が0mVから2mVまでの間で約110Aの電流が流れた。これに対して、比較例に係る超電導コイル導体には、超電導コイル導体の両端電圧が0mVから2mVまでの間で約40Aの電流しか流れなかった。
すなわち、サーマルサイクル試験終了後において、実施例に係る超電導コイル導体は、比較例に係る超電導コイル導体より大きな電流が流れた。
この結果から、比較例に係る超電導コイル導体は、実施例に係る超電導コイル導体より巻線部に大きな熱ひずみが発生していると考えられた。そして、これにより、比較例に係る超電導コイル導体は、実施例に係る超電導コイル導体より特性劣化が大きくなることがわかった。
従って、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に繊維が巻き回された構成を有する超電導コイル導体は、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に繊維が巻き回されていない構成を有する超電導コイル導体と比べて、冷却時における熱ひずみによる影響が緩和され、より大きな電流を流すことが可能であることが示された。また、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に繊維が巻き回された構成を有する超電導コイル導体は、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に繊維が巻き回されていない構成を有する超電導コイル導体と比べて、電流電圧特性の劣化が小さいことが示された。
<引張試験の比較>
次に、図7乃至図9を参照して、実施例に係る超電導コイル導体および比較例に係る超電導コイル導体の引張荷重印加状態における電流電圧特性について説明する。
上述の製造方法によって製造した実施例に係る超電導コイル導体に対して引張荷重を印加し、液体窒素中(絶対温度77K)での臨界電流を測定した。実施例に係る超電導コイル導体に流す電流を徐々に増やし、電界が1μV/cmとなった際における電流を臨界電流として定義した。さらに、引張荷重を徐々に増やし(0.1MPa~5.2MPa程度)、実施例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性が劣化するまで同様の試験を繰り返した。
同様に、上述の製造方法によって製造した比較例に係る超電導コイル導体に対して引張荷重を印加し、液体窒素中(絶対温度77K)での臨界電流を測定した。比較例に係る超電導コイル導体に流す電流を徐々に増やし、電界が1μV/cmとなった際における電流を臨界電流として定義した。さらに、引張荷重を徐々に増やし(0.1MPa~1.2MPa程度)、比較例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性が劣化するまで同様の試験を繰り返した。
そして、実施例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性が劣化する際の引張荷重と、比較例に係る超電導コイル導体の電流電圧特性が劣化する際の引張荷重と、を比較して、各超電導コイル導体に発生する剥離状態を評価した。
試験条件を以下に示す。
〔引張試験機700〕
図7は、引張試験の様子を示す模式図である。
図7に示すように、引張試験機700は、試験体70の下方から矢印X1方向に向かって試験体70を引っ張るFRP701を備えている。また、引張試験機700は、試験体70の上方から矢印X2方向に向かって試験体70を引っ張るFRP702を備えている。さらに、引張試験機700は、電圧タップ703aおよび電圧タップ703bなどを備えている。試験体70とFRP701との間、および試験体70とFRP702との間は、それぞれ接着剤704で固定されている。
〔試験温度〕
絶対温度77K(液体窒素中)
〔試験体70〕
実施例に係る超電導コイル導体
比較例に係る超電導コイル導体
〔接着剤704〕
硬化温度:室温
材料:2液混合エポキシ接着剤
接着面積:縦×横=4mm×20mm
図8は、実施例に係る超電導コイル導体の臨界電流特性の一例を示すグラフである。横軸は、初期状態の臨界電流Icで規格化された電流(NORMALIZED CURRENT)[a.u.]を示しており、縦軸は、電圧(VOLTAGE)[μV]を示している。
図9は、比較例に係る超電導コイル導体の臨界電流特性の一例を示すグラフである。横軸は、初期状態の臨界電流Icで規格化された電流(NORMALIZED CURRENT)[a.u.]を示しており、縦軸は、電圧(VOLTAGE)[μV]を示している。
図8に示すように、実施例に係る超電導コイル導体は、引張荷重が4.2MPaを超えると臨界電流特性が劣化することがわかった。すなわち、実施例に係る超電導コイル導体は、引張荷重が0.1MPaから4.0MPaまでは臨界電流Icが略変化しないことがわかった。しかしながら、実施例に係る超電導コイル導体は、引張荷重が4.2MPaを超えて増え続けると、図8中の点線矢印に示すように、臨界電流Icが小さくなることがわかった。
図9に示すように、比較例に係る超電導コイル導体は、引張荷重が1.1MPaを超えると臨界電流特性が劣化することがわかった。すなわち、比較例に係る超電導コイル導体は、引張荷重が0.1MPaから1.0MPaまでは臨界電流Icが略変化しないことがわかった。しかしながら、比較例に係る超電導コイル導体は、引張荷重が1.0MPaを超えて増え続けると、図9中の点線矢印に示すように、臨界電流Icが小さくなることがわかった。
この結果から、比較例に係る超電導コイル導体は、実施例に係る超電導コイル導体より小さな引張荷重で臨界電流特性が劣化することがわかった。また、比較例に係る超電導コイル導体は、実施例に係る超電導コイル導体より小さな引張荷重で剥離が発生してしまうことがわかった。
従って、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に繊維が巻き回された構成を有する超電導コイル導体は、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に繊維が巻き回されていない構成を有する超電導コイル導体と比べて引張荷重に対して耐性が高く、剥離が生じ難いことが示された。また、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に繊維が巻き回された構成を有する超電導コイル導体は、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に繊維が巻き回されていない構成を有する超電導コイル導体と比べて臨界電流特性の劣化が小さいことが示された。
上述の評価結果から、熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材10と、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の熱収縮率が0.3%以下であり、超電導線材10に巻き回される繊維20と、互いに隣接する一方の超電導線材10および繊維20と、他方の超電導線材10および繊維20と、の間を充填する樹脂と、を備えることで、剥離が生じ難く、強固に一体化された信頼性の高い超電導コイル導体100を実現できることがわかった。
以上、本発明に係る超電導コイル導体および超電導コイル導体の製造方法について実施形態および実施例により詳細に説明したが、本発明の主旨はこれに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本発明は、高温超電導線材を備える高温超電導磁石に適用でき、特に、核磁気共鳴装置、がん治療装置、高エネルギー粒子線加速器、重イオン加速器などに適用することができる。
10 超電導線材
11 基材
12 中間層
13 酸化物超電導層
14 保護層
15 安定化層
20 繊維
100 超電導コイル導体
S1 第1巻き回し工程
S2 第2巻き回し工程
S3 樹脂含浸硬化工程

Claims (9)

  1. 熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材と、
    絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の熱収縮率が0.3%以下であり、前記超電導線材に巻き回される繊維と、
    互いに隣接する一方の前記超電導線材および前記繊維と、他方の前記超電導線材および前記繊維と、の間を充填する樹脂と、
    を備えることを特徴とする超電導コイル導体。
  2. 前記超電導線材は、
    テープ状の基材と、
    前記基材上に積層される中間層と、
    前記中間層上に積層される酸化物超電導層と、
    前記酸化物超電導層上に積層される保護層と、
    前記保護層上に積層される安定化層と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル導体。
  3. 前記繊維は、
    互いに編み込まれている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル導体。
  4. 束ねられた前記繊維は、
    撚られていない、または、撚りピッチが20mmより長い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル導体。
  5. 前記超電導線材に対して平行な方向における前記繊維を束ねた素線の幅をWとし、前記超電導線材に対して垂直な方向における前記繊維を束ねた素線の厚さをtとする場合、
    W>30tを満たす、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル導体。
  6. 前記繊維は、
    前記超電導線材の表面を30%以上90%以下の範囲で覆う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル導体。
  7. 前記繊維は、
    ガラス繊維、アラミド繊維およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維のうちの少なくとも一種を用いたものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル導体。
  8. 前記繊維は、
    ステンレス、鉄または銅である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル導体。
  9. 熱収縮率が異なる複数の部材を含んでなるテープ状の超電導線材に、絶対温度を293Kから77Kまで下げた際の熱収縮率が0.3%以下となる繊維を巻き回す第1巻き回し工程と、
    前記繊維を巻き回した前記超電導線材を、所定の軸を中心として同心円状に巻き回す第2巻き回し工程と、
    互いに隣接する一方の前記超電導線材およびこれに巻き回した前記繊維と、他方の前記超電導線材およびこれに巻き回した前記繊維と、の間に樹脂を含浸させた後、硬化させる樹脂含浸硬化工程と、
    を含むことを特徴とする超電導コイル導体の製造方法。
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