JP7123290B2 - ターボファン - Google Patents

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Description

本開示は、ターボファンに関するものである。
従来、ターボファンのシュラウド内面では空気の流れの剥離が生じ、その剥離は主として羽根の負圧面側に生じている。ターボファンは、これにより羽根に抵抗が生じてファン効率の低下を招くという問題がある。この問題を解決するため、回転軸に固定されるハブとラッパ状に広がるシュラウドとを同軸状に対向配置し、これら両者間に複数枚の羽根を配置してなる羽根車を備え、下記の構成を有するターボファンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のターボファンは、シュラウドに連通口を設けることによってシュラウド外面(高圧側)とシュラウド内面(低圧側)との差圧を利用した還流を作り、上記の剥離の抑制及び剥離に起因する問題の解決を試みている。また、特許文献1に示すような連通口は、シュラウドのうち羽根の負圧面側に位置する部分に設けられることによって、羽根の負圧面側に生じる空気の流れの剥離をより効果的に抑制できる。
特開2001-65493号公報
しかし、ターボファンは、主にシュラウドと主板と複数枚の羽根とに分けてそれぞれ製造され、それらが接着されて作られることが多い。そして、シュラウドにおいて羽根と接着される部分には、シュラウドの外側に凸となるような窪み(以下、凸構造という)が設けられ、一方羽根にはこの凸構造に嵌合するような出っ張りが設けられる場合が多い。このような凸構造を有するターボファンにおいては、凸構造の回転下流側の圧力が低くなるため、凸構造がないターボファンと比べて連通口を流れる還流速が小さくなり空気の流れの剥離を抑制する効果が低くなる或いは得られないといった課題がある。
本開示は、上記のような課題を解決するためのものであり、シュラウドの外側に凸構造を有するターボファンでも、連通口を流れる還流速を十分に得ることを可能とし、シュラウドの内面における空気の流れの剥離を抑制できるターボファンを提供するものである。
本開示に係るターボファンは、回転軸が接続されるハブを備えた主板と、主板と対向して配置されたシュラウドと、主板とシュラウドとの間に配置された複数の羽根と、を有し、シュラウドは、複数の羽根が取り付けられる嵌合部に、シュラウドの外部に凸となり内側に複数の羽根のそれぞれの端部が挿入される複数の凸構造を有し、シュラウドの回転方向において、ある対象物より前方側を回転上流側と定義し、ある対象物より後方側を回転下流側と定義した場合に、シュラウドには、複数の羽根のうち、隣り合う羽根と羽根との間で、かつ、複数の凸構造のそれぞれの回転下流側に位置する部分に、貫通孔である連通口が形成されており、複数の凸構造はそれぞれ、連通口の回転上流側の部分に、回転方向に凸構造を横断する溝を構成する溝部を有するものである。
本開示に係るターボファンは、羽根を嵌合するための凸構造のうち連通口の回転上流に当たる部分に溝を設けることによって、連通口の入口部の空気の圧力を高め十分な還流速を有する還流を得ることができる。そのため、本開示に係るターボファンは、この還流によるコアンダ効果によってシュラウドの内面における空気の流れの剥離を抑制できる。
実施の形態1に係るターボファンを示す斜視図である。 実施の形態1に係るターボファンの要部を示す断面図である。 実施の形態1に係るターボファンの要部を示す平面図である。 実施の形態2に係るターボファンの要部を示す平面図である。 実施の形態3に係るターボファンの要部を示す平面図である。 実施の形態4に係るターボファンの要部を示す平面図である。 図6に示す外周側凸部の一例を概念的に表した平面図である。 図6に示す外周側凸部の他の一例を概念的に表した側面図である。 実施の形態1~4に係るターボファンの効率特性の一例を示す棒グラフである。
以下、実施の形態に係るターボファン100について図面を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」及び「後」等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。
実施の形態1.
[ターボファン100の構成]
図1は、実施の形態1に係るターボファン100を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係るターボファン100の要部を示す断面図である。図3は、実施の形態1に係るターボファン100の要部を示す平面図である。図1に示す回転方向Rは、ターボファン100が回転する方向である。また、回転軸RSは、ターボファン100の仮想の回転軸である。図1~図3を用いて、実施の形態1に係るターボファン100について説明する。
ターボファン100は、モータ等(図示は省略)によって回転駆動され、回転軸RSの軸方向から気体を吸入し、回転で生じる遠心力により、径方向外方へ空気を強制的に送出するものである。
図1に示すように、実施の形態1に係るターボファン100は、モータ等の回転軸が接続されるハブ1と、当該ハブ1を中央に備えた円盤状の主板2と、空気の吸い込み口13から吹き出し口23にかけてラッパ状に拡径変化するシュラウド3と、を有する。ターボファン100は、主板2と、シュラウド3とが対向配置されている。また、ターボファン100は、主板2とシュラウド3との間に複数の羽根4を有する。
(ハブ1)
ハブ1は、ターボファン100の回転軸RSに沿って投影的に見た場合に円形をなしており、図1に示すように、主板2側からシュラウド3側に向かって山状に盛り上がる略円錐台形状に形成されている。なお、ハブ1の形状は、上記形状に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。ハブ1には、モータ等の回転軸が接続される。
(主板2)
主板2は、ハブ1を備え、モータ等の駆動によりハブ1と共に回転する回転体である。主板2は、ハブ1が中央に設けられた円盤状に形成されている。主板2は、平板状に形成されているが、主板2の形状は当該形状に限定されるものではない。例えば、主板2は、ハブ1を中心に山状に形成されてもよく、すなわち、傾斜面を有する円環状に形成されてもよい。
(シュラウド3)
シュラウド3は、主板2と対向して配置されている。シュラウド3は、ターボファン100において空気を吸い込む側の導風壁を形成している。また、シュラウド3は、複数の羽根4と連結することで、各羽根4の先端の位置関係を維持し、かつ、複数の羽根4の強度を補強している。
シュラウド3は、上述したようにラッパ状に形成されており、空気の吸い込み口13から吹き出し口23にかけて開口径が拡大するように形成されている。換言すれば、シュラウド3は、径方向の外側から中央側に向かって山状に盛り上がっている。そして、シュラウド3の中央には、空気の吸い込み口13が形成されている。
ターボファン100は、図1に示すように、シュラウド3の内周側の端部となる内周縁31によって空気の吸い込み口13が形成されている。図2に示すように、シュラウド3は、吸い込み口13から主板2に近づくほど径が大きくなるように形成されている。シュラウド3は、回転軸RSに沿った断面において、主板2側に膨らむ湾曲状に形成されている。すなわち、シュラウド3は、回転軸RSの軸方向に見た平面視において円環状に形成されており、回転軸RSに沿った断面において断面形状が弧状に形成されている。
円環状に形成されたシュラウド3の外周縁を構成する側板外周縁部33は、シュラウド3の構成部分の中で径が最も大きく、主板2に最も近い位置に配置されている。ターボファン100は、シュラウド3の側板外周縁部33と、主板2の外周縁を構成する主板外周縁部22とによって、側板外周縁部33と主板外周縁部22との間に吹き出し口23が形成されている。
側板外周縁部33は、シュラウド3の径方向の外周端部であり、上述したように、シュラウド3の外周縁を構成する。主板外周縁部22は、主板2の径方向の外周端部であり、主板2の外周縁を構成する。吹き出し口23は、ターボファン100の回転によって、吸い込み口13からターボファン100の内部に吸い込まれた空気が吐出される開口部である。
<連通口7>
図1に示すように、シュラウド3には、複数の羽根4のうち、隣り合う羽根4と羽根4との間で、かつ、後述する複数の凸構造5のそれぞれの回転下流側に位置する部分に、連通口7が形成されている。換言すれば、シュラウド3は、羽根4の回転下流側3aに位置する部分に、シュラウド外面3c側からシュラウド内面3d側へ空気を還流させる連通口7が設けられている。シュラウド外面3cは、シュラウド3の外面であり、主板2と対向する側とは反対側の壁面である。また、シュラウド外面3cは、羽根4が設けられていない側の壁面である。シュラウド内面3dは、シュラウド3の内面であり、主板2と対向する側の壁面である。シュラウド内面3dは、羽根4が設けられている側の壁面である。
連通口7は、シュラウド3を貫通する貫通孔である。連通口7の開口形状は、図3に示すように、シュラウド3と同心の円弧形状であってもよいし、開口部の径方向位置、あるいは、開口幅が周方向に変化する形状でもよい。
図1及び図3に示すように、連通口7は、羽根4の回転下流側3aに形成されており、連通口7は、回転方向Rにおいて、羽根4に対して後方に形成されている。すなわち、連通口7は、最も近くに位置する羽根4に対し、羽根4の翼内面4b側に形成されており、羽根4の負圧面側に形成されている。
また、連通口7の開口位置は、図2に示すように、回転軸RSに沿った断面において、流入側端部7aが流出側端部7bに比べてターボファン100の内周側に位置している。流入側端部7aは、連通口7のシュラウド外面3c側の開口部である。流出側端部7bは、連通口7のシュラウド内面3d側の開口部である。
<凸構造5>
シュラウド3は、シュラウド3と羽根4とを互いに嵌合させるため、複数の羽根4が取り付けられる嵌合部30に、シュラウド3の外部に凸となり、内側に複数の羽根4の端部のそれぞれが挿入される複数の凸構造5を有する。すなわち、シュラウド3は、シュラウド3と羽根4とを互いに嵌合させるため、シュラウド3のうち羽根4と接する部分には凸構造5が設けられている。
凸構造5は、シュラウド3において、シュラウド外面3c側に凸になるように形成されている。凸構造5は、シュラウド内面3d側が羽根4の上端部と嵌合するように窪んでいる。凸構造5は、シュラウド内面3d側が開口した、中空の柱状に形成されている。
凸構造5は、図1及び図3に示すように、羽根4の上縁部の形状に沿って形成されている。凸構造5は、回転方向Rに対して後ろ向きに延びるように形成されている。また、凸構造5は、シュラウド3の内周側と外周側との間に延びており、回転方向Rにおいて、内周側に位置する一方の端部5a1は、外周側に位置する他方の端部5b1の前方に位置している。換言すれば、凸構造5は、シュラウド3の内周側と外周側との間に延びており、回転方向Rにおいて、外周側に位置する一方の端部5b1は、内周側に位置する他方の端部5a1の後方に位置している。回転方向Rにおいて、凸構造5の一方の端部5a1は、他方の端部5b1に対して上流側に位置しており、凸構造5の他方の端部5b1は、一方の端部5a1に対して下流側に位置している。
実施の形態1に係るターボファン100は、上記構成のターボファン100において、凸構造5のうち連通口7の回転上流側に当たる部分に、回転上流側から回転下流側に空気の流れを通過させるための溝部5cが設けられている。複数の凸構造5はそれぞれ、連通口7の回転上流側の部分に、シュラウド3の回転方向Rに凸構造5を横断する溝を構成する溝部5cを有している。
溝部5cは、凸構造5に形成された溝であり、凸構造5において、シュラウド3の回転方向Rに沿って形成されている。なお、回転上流側とは、ターボファン100の回転方向Rにおいて、ある対象が他の対象の前方、あるいは、回転方向側に位置していることを表している。また、回転下流側とは、回転方向Rにおいて、ある対象が他の対象の後方、あるいは、反回転方向側に位置していることを表している。すなわち、シュラウド3の回転方向Rにおいて、ある対象物より前方側を回転上流側と定義し、ある対象物より後方側を回転下流側と定義する。
ここで、図3に示すように、ターボファン100の仮想の回転軸RSからの距離を距離rと定義する。また、連通口7の開口部が距離Ra<距離r<距離Rbの範囲に位置し、溝部5cの出口部が、距離Rc<距離r<距離Rdの範囲に位置するとする。この場合、溝部5cと連通口7とは、距離Ra<距離Rc<距離Rb、又は、距離Ra<距離Rd<距離Rbを満たすように形成されている。
なお、距離Raは、回転軸RSと、連通口7の内周側の内縁部7a2との間の距離であり、距離Rbは、回転軸RSと、連通口7の外周側の外縁部7a1との間の距離である。また、出口部は、回転方向Rにおいて、連通口7の形成側の溝部5cの開口部である。そして、距離Rcは、溝部5cの出口部において、回転軸RSと、溝部5cの内周側の内縁部51cとの間の距離であり、距離Rdは、溝部5cの出口部において、回転軸RSと、溝部5cの外周側の外縁部51dとの間の距離である。
複数の凸構造5はそれぞれ、内周側凸部5aと、外周側凸部5bと、を有している。シュラウド3の凸構造5は、連通口7の回転上流側に当たる部分に設けられた溝部5cによって、内周側凸部5aと外周側凸部5bとに分かれている。内周側凸部5aは、溝部5cに対してシュラウド3の内周側に位置しており、外周側凸部5bは、溝部5cに対してシュラウド3の外周側に位置している。すなわち、内周側凸部5aは、溝部5cで隔てられた凸構造5のうちターボファン100の内周側に位置する部分である。また、外周側凸部5bは、溝部5cで隔てられた凸構造5のうちターボファン100の外周側に位置する部分である。溝部5cは、シュラウド外面3cと、内周側凸部5aの側壁と、外周側凸部5bの側壁と、によって形成されている。
(羽根4)
羽根4は、主板2の回転時に主板2と共に回転し、主板2の中心から外周側へと向かう気流を発生させる。羽根4は、後傾した羽根である。複数の羽根4は、主板2とシュラウド3との間に配置され、主板2とシュラウド3とに取り付けられている。複数の羽根4はそれぞれ、ターボファン100の回転軸RSの軸方向において、一端側が主板2に接合され、他端側がシュラウド3に接合されている。
複数の羽根4は、図1に示すように、回転軸RSを中心とする円周上に配置されており、各羽根4は、主板2の周方向に所定の間隔をあけて配置されている。羽根4は、主板2の回転方向Rに対して後ろ向きに延びるように形成されている。複数の羽根4はいずれも、内周端41が外周端42よりも回転軸RSに近い位置にあるように形成されている。内周端41は、羽根4の前縁を構成し、外周端42は、羽根4の後縁を構成する。羽根4の前縁は、羽根4の後縁に対して回転方向R側に位置する。
羽根4は、回転軸RSを中心とする径方向において、一方の面に翼外面4aを有し、他方の面に翼内面4bを有する。羽根4において、翼外面4aは正圧面であり、翼内面4bは負圧面である。回転軸RSから遠い方の面である翼外面4aは、回転方向Rの後方になる程、回転軸RSから離れた位置にある。また、回転軸RSに近い方の面である翼内面4bは、翼外面4aと所定の間隔をとりながら、同様に、回転方向Rの後方になる程、回転軸RSから離れた位置にある。当該所定の間隔に相当する羽根4の厚さは、中央側から内周端41及び外周端42に近づくにつれて徐々に厚みが小さくなっている。すなわち、羽根4は、回転軸RSに垂直な面における断面が一般的な翼形状に近似している。
図2及び図3に示すように、羽根4の上縁部には、凸構造5の内周側凸部5aと、外周側凸部5bとに合わせた形状の出っ張り部45が設けられている。ターボファン100は、羽根4の出っ張り部45が凸構造5の内周側凸部5a及び外周側凸部5bに挿入され、羽根4とシュラウド3とが嵌合される。
[ターボファン100の動作]
ターボファン100は、ハブ1に接続されたモータの回転によって、主板2が回転すると、主板2に固定された羽根4が回転軸RSを中心に周方向に移動する。そして、主板2が回転方向Rに回転すると、ターボファン100の外の空気は、吸い込み口13を通じて主板2及びシュラウド3と複数の羽根4とによって囲まれた空間に吸い込まれる。そして、ターボファン100は、羽根4が主板2と共に回転することで、主板2及びシュラウド3と複数の羽根4とによって囲まれた空間に吸い込まれた空気を隣接する羽根4同士の間に通して、径方向外方に送り出す。
この際、図2に示すように、ターボファン100の内部を流れる空気の流れは、ターボファン100から吐出された後、そのまま半径方向へ流れる主流A1と、シュラウド3の上部へ循環する循環流A2とに分かれる。
そして、循環流A2のうちの一部は、連通口7を通る還流A3としてターボファン100の内部へ吸い込まれる。ターボファン100は、還流A3によるコアンダ効果によって、シュラウド内面3dの空気の流れの剥離が抑制される。なお、図2及び図3に示す空気流A4は、シュラウド外面3cに沿って流れる空気の流れである。また、空気流A4は、循環流A2のうち連通口7を通らない空気の流れである。
[ターボファン100の作用効果]
ターボファン100は凸構造5を有し、凸構造5は、連通口7の回転上流側の部分に、シュラウド3の回転方向Rに凸構造5を横断する溝を構成する溝部5cを有している。ターボファン100は、溝部5cによって、凸構造5の回転上流側から回転下流側に空気が流れるため、凸構造5の回転下流側に生じる負圧を解消することができる。そのため、ターボファン100は、連通口7の内外の差圧を大きくし連通口7を通過する還流を誘起することができ、シュラウド内面3dに生じる空気の流れの剥離を効果的に抑制することができる。
より詳細には、ターボファン100は、連通口7の回転上流側に当たる部分に設けられた溝部5cによって、内周側凸部5aと外周側凸部5bとに分かれた凸構造5を有する。上記構成を有するターボファン100は、羽根4の上方に凸構造5を有するターボファン100であっても、溝部5cによって、凸構造5の回転上流側から回転下流側に空気が流れるため、凸構造5の回転下流側に生じる負圧が解消される。
そのため、ターボファン100は、特許文献1に示すような凸構造5を有さないターボファンと同様に、ターボファン100の回転運転時に連通口7の流入側端部7aと連通口7の流出側端部7bとの差圧を得ることができ、還流A3が誘起される。ターボファン100は、還流A3によってシュラウド内面3dにコアンダ効果が生じ、空気の流れの剥離が効果的に抑制される。ターボファン100は、シュラウド3の内面における空の気流れの剥離を抑制できることによって、ターボファン100の高効率化を実現することができる。
一方、ターボファンの凸構造5に溝部5cが設けられていない場合には、ターボファンは、凸構造5の影響を受けて連通口7の流入側端部7aの圧力が低下し、連通口7の流入側端部7aと連通口7の流出側端部7bとの差圧が小さくなる。そのため、凸構造5に溝部5cが設けられていないターボファンは、還流A3の流速が小さくなり、シュラウド3の内面における空気の流れの剥離を抑制する効果を得られない。
また、ターボファン100は、凸構造5の内周側凸部5aと、外周側凸部5bとに合わせた形状の出っ張り部45を羽根4に設け、シュラウド3と羽根4とを嵌合させることにより、凸構造5の機能であるシュラウド3と羽根4との篏合性が損なわれることはない。
また、溝部5cと連通口7とは、距離Ra<距離Rc<距離Rb、又は、距離Ra<距離Rd<距離Rbを満たすように形成されている。そのため、ターボファン100は、回転方向Rにおいて、溝部5cと連通口7とは、重なる位置に形成されており、溝部5cによって、凸構造5の回転上流側から回転下流側に空気が流れるため、凸構造5の回転下流側に生じる負圧を解消することができる。そのため、ターボファン100は、連通口7の内外の差圧を大きくし連通口7を通過する還流を誘起することができ、シュラウド内面3dに生じる空気の流れの剥離を効果的に抑制することができる。
実施の形態2.
[ターボファン100Aの構成]
図4は、実施の形態2に係るターボファン100Aの要部を示す平面図である。なお、図1~図3のターボファン100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態2に係るターボファン100Aは、実施の形態1に係るターボファン100における溝部5cの構成を更に特定するものである。従って、以下の説明では、図4を用いて、溝部5cの構成を中心に説明する。
実施の形態2に係るターボファン100Aは、溝部5cの流路幅を実施の形態1と比較して回転上流側3bで大きくし、回転下流側3aで小さくすると共に、回転上流側3bから回転下流側3aへかけて流路幅を徐々に縮小する形状にしたものである。すなわち、実施の形態2に係るターボファン100Aは、シュラウド3の回転に伴い溝部5cに流入する空気の流れる方向において、溝部5cの幅を空気の入口側から出口側にかけて徐々に縮小するように形成されている。
実施の形態2に係るターボファン100Aの溝部5cにおいて、回転上流側3bの溝部5cの流路幅を上流側流路幅W21とし、回転下流側3aの流路幅を下流側流路幅W22と定義する。この場合、ターボファン100Aは、上流側流路幅W21が下流側流路幅W22よりも大きくなるように形成されている。すなわち、ターボファン100Aは、「上流側流路幅W21>下流側流路幅W22」を満たすように形成されている。
また、図3に示すように、実施の形態1に係るターボファン100の溝部5cにおいて、回転上流側3bの溝部5cの流路幅を上流側流路幅W11とし、回転下流側3aの流路幅を下流側流路幅W12と定義する。実施の形態1に係るターボファン100は、例えば、上流側流路幅W11と下流側流路幅W12とは略等しい大きさ(上流側流路幅W11=下流側流路幅W12)である。なお、実施の形態1に係るターボファン100の流路幅は、当該大きさに限定されるものではない。例えば、実施の形態1に係るターボファン100は、上流側流路幅W11が下流側流路幅W12よりも大きくなるように形成されてもよい。
実施の形態2に係るターボファン100Aは、上流側流路幅W21が上流側流路幅W11よりも大きくなるように形成されており、下流側流路幅W22が下流側流路幅W12よりも小さくなるように形成されている。すなわち、ターボファン100Aは、「上流側流路幅W21>上流側流路幅W11」かつ「下流側流路幅W22<下流側流路幅W12」を満たすように形成されている。
実施の形態2に係るターボファン100Aは、連通口7の径方向の開口幅を下流側流路幅W22と合わせた大きさに形成してもよい。すなわち、実施の形態2に係るターボファン100Aは、連通口7の径方向の開口幅を、実施の形態1に係るターボファン100の連通口7の径方向の開口幅と比較して小さくしてもよい。
[ターボファン100Aの作用効果]
実施の形態2に係るターボファン100Aは、シュラウド3の回転に伴い溝部5cに流入する空気の流れる方向において、溝部5cの幅を空気の入口側から出口側にかけて徐々に縮小するように形成されている。このような構成によれば、実施の形態2に係るターボファン100Aは、実施の形態1に係るターボファン100と比較して大きな風量の空気の流れを縮流させて連通口7に流入させることができる。そのため、実施の形態2に係るターボファン100Aは、実施の形態1に係るターボファン100と比較して還流A3の流速が大きくなり、空気の流れの剥離を抑制する効果を一層得ることができる。
このような構成によれば、溝部5cを通過する空気の流れは縮流されて連通口7に流入するため、実施の形態2に係るターボファン100Aは、溝部5cの幅が一定の場合のターボファンと比較して少ない空気の流量で還流A3の大きな流速を得ることができる。したがって、実施の形態2に係るターボファン100Aは、ターボファンの風量特性を悪化させることなく還流による空気の流れの剥離を抑制する効果を得ることができる。
また、実施の形態2に係るターボファン100Aは、下流側流路幅W22が下流側流路幅W12よりも小さくなるように形成されていると共に、連通口7の開口幅が実施の形態1に係るターボファン100の連通口7の開口幅よりも小さく形成されている。このような構成によれば、実施の形態2に係るターボファン100Aは、より少ない風量で十分な流速の還流A3を得ることができる。そのため、実施の形態2に係るターボファン100Aは、局所的にシュラウド内面3dにおける空気の流れの剥離を抑制することができると共に、還流A3によるターボファン100Aの風量特性の悪化を抑えることができる。
実施の形態3.
[ターボファン100Bの構成]
図5は、実施の形態3に係るターボファン100Bの要部を示す平面図である。なお、図1~図4のターボファン100等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態3に係るターボファン100Bは、実施の形態1に係るターボファン100、又は、実施の形態2に係るターボファン100Aにおける溝部5cの構成を更に特定するものである。従って、以下の説明では、図5を用いて、溝部5cの構成を中心に説明する。
実施の形態3に係るターボファン100Bの溝部5cは、内周側入口角部5d、外周側入口角部5e、内周側出口角部5f、及び、外周側出口角部5gを有する。内周側入口角部5d、外周側入口角部5e、内周側出口角部5f、及び、外周側出口角部5gは、溝部5cの一部を構成する。なお、図示は省略しているが、実施の形態1に係るターボファン100及び実施の形態2に係るターボファン100Aも、内周側入口角部5d、外周側入口角部5e、内周側出口角部5f、及び、外周側出口角部5gを有している。
内周側入口角部5d及び外周側入口角部5eは、ターボファン100Bの回転時に溝部5cに流れ込む空気の流れに対して、空気の入口を構成する入口側の角部である。
内周側入口角部5dは、内周側凸部5aの内側前壁部5a11と内側壁部5a12とによって形成される出隅である。内側前壁部5a11は、内周側凸部5aの回転方向R側の壁面であり、ターボファン100Bの回転時に、空気の流れと対向する壁面である。内側壁部5a12は、内周側凸部5aの外周側の壁面を構成する壁であり、溝部5cの溝の内周側の壁面を構成する壁である。
外周側入口角部5eは、外周側凸部5bの外側前壁部5b11と外側壁部5b12とによって形成される出隅である。外側前壁部5b11は、外周側凸部5bの回転方向R側の壁面であり、ターボファン100Bの回転時に、空気の流れと対向する壁面である。外側壁部5b12は、外周側凸部5bの内周側の壁面を構成する壁であり、溝部5cの溝の外周側の壁面を構成する壁である。
内周側出口角部5f及び外周側出口角部5gは、ターボファン100Bの回転時に溝部5cに流れ込んだ空気の流れに対して、空気の出口を構成する出口側の角部である。
内周側出口角部5fは、内周側凸部5aの内側後壁部5a21と内側壁部5a12とによって形成される出隅である。内側後壁部5a21は、内周側凸部5aの回転方向Rとは逆側の壁面であり、ターボファン100Bの回転時に、溝部5cから空気が流出する側の壁面である。
外周側出口角部5gは、外周側凸部5bの外側後壁部5b21と外側壁部5b12とによって形成される出隅である。外側後壁部5b21は、外周側凸部5bの回転方向Rとは逆側の壁面であり、ターボファン100Bの回転時に、溝部5cから空気が流出する側の壁面である。
溝部5cは、シュラウド外面3cと、内周側凸部5aの内側壁部5a12と、外周側凸部5bの外側壁部5b12と、によって形成されている。実施の形態3に係るターボファン100Bは、溝部5cの一部を構成する内周側入口角部5d、外周側入口角部5e、内周側出口角部5f、及び、外周側出口角部5gがラウンド形状に形成されている。内周側入口角部5d、外周側入口角部5e、内周側出口角部5f、及び、外周側出口角部5gのラウンド形状は、それぞれ異なる形状に形成されてもよい。なお、ラウンド形状とは、丸みを帯びた形状であり、例えば、R形状、あるいは、面取りされた形状である。
ターボファン100Bは、回転上流側3bの2つの角部のラウンドと、回転下流側3aの2つの角部のラウンドと、を大きくとることによって、溝部5cを通過する空気の流れの入口圧力損失及び出口圧力損失を効果的に低減することができる。すなわち、ターボファン100Bは、溝部5cにおいて、回転上流側3bの内周側入口角部5d及び外周側入口角部5eの2つの角部の曲率を小さくすることによって、溝部5cを通過する空気の流れの入口圧力損失を効果的に低減することができる。また、ターボファン100Bは、溝部5cにおいて、回転下流側3aの内周側出口角部5f及び外周側出口角部5gの2つの角部の曲率を小さくすることによって、溝部5cを通過する空気の流れの出口圧力損失を効果的に低減することができる。
また、ラウンド形状とする角部は、必ずしも内周側入口角部5d、外周側入口角部5e、内周側出口角部5f、及び、外周側出口角部5gの全ての角部でなくてもよい。ターボファン100Bは、内周側入口角部5d、外周側入口角部5e、内周側出口角部5f、及び、外周側出口角部5gのうち、少なくとも1つの角部をラウンド形状とすれば圧力損失の低減を図ることができる。また、ターボファン100Bは、シュラウド3の回転に伴い溝部5cに流入する空気の流れる方向において、溝部5cの空気の流れの入口側と出口側の少なくとも一方の角部がラウンド形状に形成されてもよい。
[ターボファン100Bの作用効果]
ターボファン100Bは、凸構造5の溝部5cにおいて、溝部5cの空気の流れの入口側と出口側とに設けた角部のラウンド形状によって、溝部5cを通過する空気流A4の入口圧力損失と出口圧力損失とがそれぞれ低減される。したがって、ターボファン100Bは、溝部5cを構成する角部にラウンド形状がない場合と比較して連通口7の流入側の圧力が高くなり、還流A3の流速を増幅することができる。そのため、ターボファン100Bは、シュラウド内面3dに発生する空気の流れの剥離を効果的に抑制することができ、ターボファン100Bのより一層の高効率化を実現することができる。
また、ターボファン100Bは、シュラウド3の回転に伴い溝部5cに流入する空気の流れる方向において、溝部5cの空気の流れの入口側と出口側の少なくとも一方の角部がラウンド形状に形成されてもよい。この構成によって、ターボファン100Bは、溝部5cを通過する空気の流れの入口圧力損失又は出口圧力損失が減少するため、溝部5cの空気の流れの入口側及び出口側にラウンド形状を施さないターボファンと比較して連通口7の入口部の圧力が上昇する。そのため、当該構成を有するターボファン100Bは、還流A3の流れが一層促進され、還流A3による空気の流れの剥離を抑制する効果も一層促進される。
実施の形態4.
[ターボファン100Cの構成]
図6は、実施の形態4に係るターボファン100Cの要部を示す平面図である。なお、図1~図5のターボファン100等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態4に係るターボファン100Cは、実施の形態1に係るターボファン100、実施の形態2に係るターボファン100A、及び、実施の形態3に係るターボファン100Cの外周側凸部5bの形状を更に特定するものである。従って、以下の説明では、図6を用いて、外周側凸部5bの構成を中心に説明する。
実施の形態4に係るターボファン100Cは、図6に示す通り、実施の形態1、2又は3に記載の凸構造5の外周側凸部5bを連通口7に沿うように延長したものである。凸構造5の外周側凸部5bは、シュラウド3の側板外周縁部33と、連通口7との間に延びるように形成されている。外周側凸部5bにおいて、シュラウド3の側板外周縁部33と、連通口7との間に延びるように形成されている部分を延長部5hという。
外周側凸部5bは、外側前壁部5b11、外側壁部5b12、外側後壁部5b21、及び、外側外壁部5b22を側壁とし、四角柱状に形成されている。外側壁部5b12は、上述したように、外周側凸部5bの内周側の壁面を構成する壁であり、外周側凸部5bの内周側において、外側前壁部5b11と外側後壁部5b21とを接続する側壁である。外側外壁部5b22は、外周側凸部5bの外周側の壁面を構成する壁であり、外周側凸部5bの外周側において、外側前壁部5b11と外側後壁部5b21とを接続する側壁である。外周側凸部5bの外側壁部5b12は、連通口7の外周側の外縁部7a1に沿って形成されている。
図7は、図6に示す外周側凸部5bの一例を概念的に表した平面図である。図6に示すように、ターボファン100の径方向において、外周側凸部5bの幅を幅W3と定義する。幅W3は、ターボファン100の径方向において、外側壁部5b12と外側外壁部5b22との間の距離である。外周側凸部5bは、図7に示すように、延長部5hの幅W3が回転上流側R1から回転下流側R2に向けて徐々に縮小してもよい。すなわち、延長部5hは、外側前壁部5b11側の幅W3が、外側後壁部5b21側の幅W3よりも大きく形成されており、幅W3が外側前壁部5b11側から外側後壁部5b21側に向かうにつれて徐々に小さくなるように形成されている。
図8は、図6に示す外周側凸部5bの他の一例を概念的に表した側面図である。図6に示すように、ターボファン100の回転軸RSの軸方向において、外周側凸部5bの高さを高さHと定義する。高さHは、回転軸RSの軸方向において、外周側凸部5bの天面部5b23と、シュラウド外面3cとの間の距離である。外周側凸部5bは、図8に示すように、延長部5hの高さHが回転上流側R1から回転下流側R2に向けて徐々に縮小してもよい。すなわち、延長部5hは、外側前壁部5b11側の高さHが、外側後壁部5b21側の高さHよりも大きく形成されており、高さHが外側前壁部5b11側から外側後壁部5b21側に向かうにつれて徐々に小さくなるように形成されている。
実施の形態4に係るターボファン100Cの外周側凸部5bは、延長部5hの幅W3と高さHとの少なくとも一方が回転上流側R1から回転下流側R2に向かって徐々に縮小するように形成されてもよい。
また、実施の形態4に係るターボファン100Cは、実施の形態3に係るターボファン100Bと同様に溝部5cの空気の流れの入口側と出口側の少なくとも一方の角部をラウンド形状としてもよい。
[ターボファン100Cの作用効果]
実施の形態4に係るターボファン100Cの外周側凸部5bは、連通口7に沿って回転下流側に延長され、シュラウド3の側板外周縁部33と、連通口7との間に延びるように形成されている延長部5hを有している。実施の形態4に係るターボファン100Cは、延長部5hによって、実施の形態1~3に係るターボファン100等において、延長部5hがない場合には連通口7に流入せず流れていたシュラウド外面3cの空気流A4の一部をせき止めることができる。すなわち、実施の形態4に係るターボファン100Cは、延長部5hが設けられていない場合には連通口7を通らずシュラウド3の外部を循環していた空気の流れの一部が、延長部5hによってせき止められ連通口7へ流入するようになる。
実施の形態4に係るターボファン100Cは、延長部5hによってシュラウド外面3cの空気流A4の一部を連通口7に流入させることができ、還流A3の流速を増幅することができる。その結果、実施の形態4に係るターボファン100Cは、シュラウド内面3dに発生する空気の流れの剥離を効果的に抑制し、ターボファン100Cの高効率化を図ることができ、また、発生する騒音を低減することができる。
また、実施の形態4に係るターボファン100Cの外周側凸部5bは、延長部5hの幅W3と高さHとの少なくとも一方が回転上流側R1から回転下流側R2に向かって徐々に縮小するように形成されている。実施の形態4に係るターボファン100Cは、当該構成によって、凸構造5によって生じる圧力抵抗を低減させることができるため一層の高効率化を促進することができる。
また、実施の形態4に係るターボファン100Cは、溝部5cの角部にラウンド形状を施すことによって、実施の形態3に係るターボファン100Bと同様に圧力損失を低減することができる。
実施の形態5.
[ターボファン100の構成]
図9は、実施の形態1~4に係るターボファン100等の効率特性の一例を示す棒グラフである。実施の形態5では、実施の形態1~4に係るターボファン100等について具体的な実施の一例を示す。図9の横軸は、ターボファンの種類を示している。「特許文献1」は、特許文献1に基づくターボファンであり、「溝なし」は、後述する基本構成のターボファンである。なお、特許文献1に基づくターボファンは、凸構造5を有していない。「形態1」は、基本構成のターボファンに対し溝部5cが設けられた、実施の形態1に係るターボファン100である。「形態2」は、基本構成のターボファンに対し溝部5cが設けられた、実施の形態2に係るターボファン100Aである。「形態3」は、基本構成のターボファンに対し溝部5cが設けられた、実施の形態3に係るターボファン100Bである。「形態4」は、基本構成のターボファンに対し溝部5cが設けられた、実施の形態4に係るターボファン100Cである。図9の縦軸は、ターボファンのファン効率を示している。
基本構成のターボファンは、外周半径が共に120mmの主板2及びシュラウド3を対向配置し、高さ50mmの羽根4を7枚備えている。また、基本構成のターボファンは、各羽根4とシュラウド3との嵌合部30に高さ約10mmの凸構造5を有している。また、基本構成のターボファンは、シュラウド3の外周縁から15mmの位置に幅1mmの連通口7が設けられている。この連通口7は、凸構造5の回転下流側近傍の位置から回転方向Rに対して20度にわたって設けられている。すなわち、連通口7は、凸構造5の回転下流側近傍の位置から反回転方向側に向かって20度にわたって設けられている。
実施の形態5に係るターボファン100は、上述した基本構成のターボファンに対して、実施の形態1~4のいずれか1つ以上に記載の溝部5cが施されている。溝部5cは、連通口7の回転上流にあたる位置に設けられており、溝部5cの幅は連通口7の幅よりも大きく形成されている。
実験では上述した各構成のターボファンを1000min-1で回転させ、補助送風機を用いて所定の風量に調整したときのファン効率を測定し評価した。ファン効率とは、ファンによる空気出力すなわち静圧と風量との積を、ファンの駆動に必要な軸動力で除したものと定義する。このとき実施の形態1~4に係るターボファン100等の溝部5cの各組合せに対するファン効率の一例を図9に示している。
なお、図9の「形態1」は、基本構成のターボファンに対し溝部5cが設けられた、実施の形態1に係るターボファン100のファン効率を示している。また、「形態1、2」は、実施の形態1のターボファン100に、実施の形態2の流路幅の構成を追加したターボファン100Aのファン効率を示している。また、「形態1、2、3」は、実施の形態1のターボファン100に、実施の形態2の流路幅の構成及び実施の形態3の角部のラウンド形状の構成の双方を追加したターボファンのファン効率を示している。また、「形態1、2、3、4」は、実施の形態1のターボファン100に、実施の形態2の流路幅の構成、実施の形態3の角部のラウンド形状の構成、及び、実施の形態4の延長部の構成の全てを追加したターボファンのファン効率を示している。
図9に示すように、実施の形態1を施したターボファン100は、「溝なし」のターボファンと比較してファン効率が上昇する。また、実施の形態1及び2の両方を施したターボファン100Aは、凸構造5を有しても、凸構造5がなく連通口7を有した特許文献1に記載のターボファンと近いファン効率を示している。さらに、図9から、ターボファンは、実施の形態3に係るターボファン100Bの溝部5c、あるいは、実施の形態3及び4に係るターボファン100C等の溝部5cが施されることによって、特許文献1のターボファンを上回るファン効率を示すことがわかる。
上記の各実施の形態1~5は、互いに組み合わせて実施することが可能である。また、以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 ハブ、2 主板、3 シュラウド、3a 回転下流側、3b 回転上流側、3c シュラウド外面、3d シュラウド内面、4 羽根、4a 翼外面、4b 翼内面、5 凸構造、5a 内周側凸部、5a1 端部、5a11 内側前壁部、5a12 内側壁部、5a21 内側後壁部、5b 外周側凸部、5b1 端部、5b11 外側前壁部、5b12 外側壁部、5b21 外側後壁部、5b22 外側外壁部、5b23 天面部、5c 溝部、5d 内周側入口角部、5e 外周側入口角部、5f 内周側出口角部、5g 外周側出口角部、5h 延長部、7 連通口、7a 流入側端部、7a1 外縁部、7a2 内縁部、7b 流出側端部、13 吸い込み口、22 主板外周縁部、23 吹き出し口、30 嵌合部、31 内周縁、33 側板外周縁部、41 内周端、42 外周端、45 出っ張り部、51c 内縁部、51d 外縁部、100 ターボファン、100A ターボファン、100B ターボファン、100C ターボファン、A1 主流、A2 循環流、A3 還流、A4 空気流、H 高さ、R 回転方向、R1 回転上流側、R2 回転下流側、RS 回転軸、Ra 距離、Rb 距離、Rc 距離、Rd 距離、W11 上流側流路幅、W12 下流側流路幅、W21 上流側流路幅、W22 下流側流路幅、r 距離。

Claims (6)

  1. 回転軸が接続されるハブを備えた主板と、
    前記主板と対向して配置されたシュラウドと、
    前記主板と前記シュラウドとの間に配置された複数の羽根と、
    を有し、
    前記シュラウドは、
    前記複数の羽根が取り付けられる嵌合部に、前記シュラウドの外部に凸となり内側に前記複数の羽根のそれぞれの端部が挿入される複数の凸構造を有し、
    前記シュラウドの回転方向において、ある対象物より前方側を回転上流側と定義し、ある対象物より後方側を回転下流側と定義した場合に、
    前記シュラウドには、
    前記複数の羽根のうち、隣り合う羽根と羽根との間で、かつ、前記複数の凸構造のそれぞれの回転下流側に位置する部分に、貫通孔である連通口が形成されており、
    前記複数の凸構造はそれぞれ、
    前記連通口の回転上流側の部分に、前記回転方向に前記凸構造を横断する溝を構成する溝部を有するターボファン。
  2. ターボファンの仮想の回転軸からの距離を距離rと定義し、
    前記仮想の回転軸と前記連通口の内周側の縁部との間の距離を距離Raと定義し、
    前記仮想の回転軸と前記連通口の外周側の縁部との間の距離を距離Rbと定義し、
    前記仮想の回転軸と前記溝部の内周側の縁部との間の距離を距離Rcと定義し、
    前記仮想の回転軸と前記溝部の外周側の縁部との間の距離を距離Rdと定義し、
    前記連通口の開口部が、距離Ra<距離r<距離Rbの範囲に位置し、
    前記溝部の出口部が、距離Rc<距離r<距離Rdの範囲に位置するとした場合に、
    前記溝部と前記連通口とは、距離Ra<距離Rc<距離Rb、又は、距離Ra<距離Rd<距離Rbを満たすように形成されている請求項1に記載のターボファン。
  3. 前記シュラウドの回転に伴い前記溝部に流入する空気の流れる方向において、前記溝部の幅が空気の入口側から出口側にかけて徐々に縮小するように形成されている請求項1又は2に記載のターボファン。
  4. 前記シュラウドの回転に伴い前記溝部に流入する空気の流れる方向において、前記溝部の空気の入口側及び出口側の少なくとも一方の角部がラウンド形状に形成されている請求項1~3のいずれか1項に記載のターボファン。
  5. 前記複数の凸構造はそれぞれ、
    前記溝部に対して前記シュラウドの内周側に位置する内周側凸部と、
    前記溝部に対して前記シュラウドの外周側に位置する外周側凸部と、
    を有し、
    前記外周側凸部は、
    前記連通口に沿って回転下流側に延長され、前記シュラウドの外周縁部と、前記連通口との間に延びるように形成された延長部を有する請求項1~4のいずれか1項に記載のターボファン。
  6. 前記外周側凸部は、
    前記延長部の幅と高さとの少なくとも一方が回転上流側から回転下流側に向かって徐々に縮小するように形成されている請求項5に記載のターボファン。
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