JP7122954B2 - シリカ含有水の膜分離方法及びシリカ含有水の膜分離システム - Google Patents

シリカ含有水の膜分離方法及びシリカ含有水の膜分離システム Download PDF

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Description

本発明は、逆浸透膜を用いたシリカ含有水の膜分離方法、及びその実施に好適な膜分離システムに関する。
工業用水、井水、市水等を被処理水とし、これらの被処理水から純水を製造するために逆浸透膜(RO膜)装置が利用されている。RO膜装置は、RO膜により塩類等の不純物成分を分離して、被処理水を不純物成分が濃縮された濃縮水と、不純物成分濃度の低い透過水とに分離する。
シリカ(SiO)は自然水に含まれる成分であり、被処理水中のシリカはRO膜の濃縮水側表面にシリカスケールとして析出する。このシリカスケールはRO膜を閉塞させ、RO膜装置の処理効率を低下させてしまう。
RO膜表面へのシリカスケールの析出を抑制するために、スケール分散剤が汎用されている。また、特許文献1には、シリカを含む被処理水のpHを10.0~12.0の範囲に調整し、且つ当該被処理水の水温を25~40℃の範囲に調整した後に、当該被処理水をRO膜装置に供給して、RO膜装置から排出される濃縮水中のシリカ濃度を550mg/L以上とすることにより、スケール分散剤や阻止率向上剤などの追加の薬剤を添加せずに、高濃度にシリカを濃縮しながらRO膜の閉塞を抑制できることが記載されている。
特開2017-74574号公報
本発明者らが検討を重ねた結果、特許文献1に記載の技術のように被処理水のpHを高めてRO膜処理に付した場合には、膜面にシリカスケールが生じにくい一方で、RO膜の荷電物質の阻止性能が低下し、透過水の純度の向上には制約があることがわかってきた。この問題に対処するには、例えば複数段のRO膜処理とすることが考えられる。しかし、このような対処は設置面積やコストの増大を招く。
そこで本発明は、シリカ含有水(シリカを含有する被処理水)をRO膜により処理する膜分離方法であって、RO膜表面へのシリカスケールの析出を抑制し、かつシリカ含有水中の荷電物質(塩類等)を高効率に分離・除去することができるシリカ含有水の膜分離方法を提供することを課題とする。また本発明は、上記膜分離方法を実施するのに好適な膜分離システムを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、pH5.0~7.0の範囲におけるナトリウム(Na)イオンの阻止率の変動幅が一定幅以上である特性のRO膜を用いることにより、シリカ含有水のpHを10.0以上に高めて膜面へのシリカスケールの析出を抑制した状態でRO膜処理を行っても、このRO膜は、シリカ含有水中の荷電物質の阻止能が十分に高い状態を維持できることを見出した。本発明はこの知見に基づきさらに検討を重ねて完成されるに至ったものである。
本発明の上記課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
シリカ含有水を逆浸透膜により処理する膜分離方法であって、
前記膜分離方法は、前記シリカ含有水のpHを10.0以上に高めるpH調整工程と、pHを10.0以上に高めた前記シリカ含有水を逆浸透膜処理に付す膜処理工程とを有し、
前記逆浸透膜が、pH5.0~7.0の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1.0%以上である、シリカ含有水の膜分離方法。
〔2〕
前記逆浸透膜が、有効圧力1MPaにおける透過流束が0.6m/m/d以上のポリアミド系逆浸透膜である、〔1〕に記載のシリカ含有水の膜分離方法。
〔3〕
前記膜処理工程が単段の逆浸透膜処理である、〔1〕又は〔2〕に記載のシリカ含有水の膜分離方法。
〔4〕
前記膜処理工程の前段において、前記シリカ含有水をNa形の陽イオン交換樹脂に通水する、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のシリカ含有水の膜分離方法。
〔5〕
シリカ含有水を逆浸透膜により処理する膜分離システムであって、
前記膜分離システムは、前記シリカ含有水のpHを10.0以上に高めるpH調整手段と、pHを10.0以上に高めた前記シリカ含有水を処理する逆浸透膜装置とを有し、
前記逆浸透膜装置が有する逆浸透膜が、pH5.0~7.0の範囲におけるナトリウムイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1.0%以上である、シリカ含有水の膜分離システム。
〔6〕
前記逆浸透膜が、有効圧力1MPaにおける透過流束が0.6m/m/d以上のポリアミド系逆浸透膜である、〔5〕に記載のシリカ含有水の膜分離システム。
〔7〕
前記逆浸透膜装置が単段である、〔5〕又は〔6〕に記載のシリカ含有水の膜分離システム。
〔8〕
前記逆浸透膜装置の前段において、pHを10.0以上に高めた前記シリカ含有水を処理するNa形の陽イオン交換装置を有する、〔5〕~〔7〕のいずれかに記載のシリカ含有水の膜分離システム。
本発明のシリカ含有水の膜分離方法は、シリカ含有水をRO膜処理に付すことを含み、RO膜表面へのシリカスケールの析出を抑制し、かつシリカ含有水中の荷電物質を高効率に分離・除去することができる。また、本発明のシリカ含有水の膜分離システムは、本発明の上記膜分離方法を実施するのに好適である。
図1は、本発明の膜分離システムの一実施形態を示す系統図である。
本発明のシリカ含有水の膜分離方法(以下、単に「本発明の方法」とも称す。)の好ましい実施形態について以下に説明する。
本発明の方法では、RO膜処理に付す被処理水(原水)としてシリカ含有水を用いる。シリカは自然水に含まれる成分であり、工業用水、井水、市水等の一般的に用いられる原水にはシリカが含まれている。したがって、原水は通常、シリカ含有水である。本発明の方法に用いるシリカ含有水中のシリカ濃度に制限はなく、通常は1~2000mg/Lであり、1~500mg/Lが好ましく、1~150mg/Lがより好ましい。
本発明の方法は、シリカ含有水のpHを10.0以上に高めるpH調整工程と、pH調整工程においてpHを10.0以上に高めたシリカ含有水をRO膜処理に付す膜処理工程とを少なくとも有している。
<pH調整工程>
pH調整工程では、被処理水であるシリカ含有水のpHを10.0以上に高める。このpHは、pH調整工程に付されたシリカ含有水の温度におけるpHである。
シリカ含有水のpHの調整は、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤をシリカ含有水に添加することにより行うことができる。アルカリ剤は水溶液の形態であることが好ましい。シリカ含有水へのアルカリ剤の添加は、シリカ含有水のpHをモニタリングしながら行うことが好ましい。また、シリカ含有水の性状が安定である場合には、シリカ含有水に一定の添加率でアルカリ剤を連続的に添加しながら、pHを高めたシリカ含有水を続くRO膜処理へと連続的に付すこともできる。
このpH調整工程により、シリカ含有水のpHを10.0~12.0とすることが好ましく、pHを10.5~11.5とすることがより好ましい。
シリカ含有水のpHが10.0未満であると、RO膜表面にシリカが析出しやすく、経時的にRO膜の閉塞が生じて処理効率が低下する。また、シリカ含有水のpHを12.0以下とすることにより、RO膜の劣化を効果的に抑えることができる。
<膜処理工程>
膜処理工程では、pH調整工程によりpHが10.0以上に高められたシリカ含有水をRO膜処理に付す。RO膜処理に使用するRO膜は、pH5.0~7.0(pH5.0以上7.0以下)の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1.0%以上という特性を有する。ここで、RO膜の特性を決定するためのNaイオン阻止率は下記式により求める。
-阻止率算出式-
Naイオンの阻止率(%)=100-100×{[A/((B+C)/2)]}
A:透過水中のNaイオン濃度(mg/L)
B:給水中のNaイオン濃度(mg/L)
C:濃縮水中のNaイオン濃度(mg/L)
上記のRO膜のNaイオン阻止率を決定するための給水及びRO膜処理条件は下記の通りとする。
-給水-
NaClを50mg/Lの濃度で含有するNaCl水溶液
-RO膜処理条件-
水温25℃、透過流束0.65m/m/d、回収率(注)15%
(注):回収率(%)=100×[RO膜処理における透過水の量(m/h)]/[RO膜処理に付した給水の量(m/h)]
pH5.0~7.0の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差(%)は、pH5.0~7.0の範囲における阻止率(%)の最大値から、pH5.0~7.0の範囲における阻止率(%)の最小値を差し引くことにより決定される。
本発明の方法において、pH5.0~7.0の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1.0%以上となる特性のRO膜を用いることにより、シリカスケールの発生を抑えるべくシリカ含有水のpHを10.0以上に高めてRO膜処理を行っても、シリカ含有水中に存在する荷電物質を十分に高い阻止率で除去することができる。この理由は定かではないが、次のように推定される。
RO膜にはポリアミド系とセルロース系の2種類が知られており、いずれもカルボキシ基を有している。このカルボキシ基は、COO+H⇔COOHの平衡状態にあり、pHが低いほど平衡は右辺側に移動し(すなわちCOOHの割合が多くなり)、pHが高いほど平衡は左辺側へと移動する(すなわちCOOの割合が多くなる)。RO膜はこのCOO-によって、カチオン性、アニオン性荷電物質の引き寄せ、反発をバランスさせ、阻止性能に繋げている。
pH5.0~7.0の範囲においてNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1.0%以上であるRO膜は、pH5.0~7.0という弱酸の条件において、COOの割合の変動が大きく、等電点となるpHが高いと推定される。
他方、pH5.0~7.0の範囲においてNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1%よりも小さいRO膜は、pH5.0~7.0という弱酸の条件において、COOの変動が小さく、等電点となるpHが低いと推定される。pHが10.0以上になると、等電点となるpHが低いRO膜のカチオン性、アニオン性荷電物質の引き寄せ、反発のバランスが崩れやすく、阻止性能低下に繋がったと考えられる。
本発明に用いるRO膜は、pH5.0~7.0の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差の上限に特に制限はない。前記の最大阻止率と最小阻止率との差は通常は10.0%以下であり、5.0%以下であることも好ましい。
RO膜処理に用いるRO膜は、耐アルカリ性の観点からポリアミド系RO膜が好ましい。また、透水性の観点から、有効圧力1MPaにおける透過流束が0.6m/m/d(day、日)以上のポリアミド系RO膜が好ましい。有効圧力1MPaにおける透過流束の上限に特に制限はない。例えば、10.0m/m/d以下とするのが実際的であり、5.0m/m/d以下のポリアミド系RO膜を用いることも好ましい。この透過流束は温度25℃における透過流束である。
「有効圧力」とは、JIS K3802:2015「膜用語」に記載の、平均操作圧から浸透圧差および二次側圧を差し引いた、膜に働く有効な圧である。なお、平均操作圧は、膜の一次側における膜供給水の圧力(運転圧力)と濃縮水の圧力(濃縮水出口圧力)の平均値で、以下の式により表される。
平均操作圧=(運転圧力+濃縮水出口圧力)/2
本発明の方法において、RO膜処理の段数は特に制限されない。本発明の方法は、このRO膜処理を単段としても十分に高い阻止率を実現できる。すなわち、本発明の方法では、シリカ含有水をpH10.0以上としてもRO膜処理により荷電物質を十分に除去することができるため、RO膜処理を複数段としなくても、シリカスケールの発生を十分に抑えながら目的の純度の透過水を得ることが可能となる。
本発明の方法は、RO膜処理の前段において、シリカ含有水をNa形の陽イオン交換樹脂に通水する形態とすることも好ましい。Na形の陽イオン交換樹脂への通水により、シリカ含有水がマグネシウムやカルシウム等の硬度成分を多く含む場合にはこれらを効果的に除去することができ、硬度成分由来のスケールの発生も十分に抑えることができる。このNa形の陽イオン交換樹脂への通水は、上記pH調整工程に付す前のシリカ含有水を通水させる形態としてもよいし、上記pH調整工程後のシリカ含有水を通水させる形態としてもよい。
本発明の方法において、RO膜処理における透過水の回収率は5~20%とすることが好ましい。また、RO膜処理に付される、pHが10.0以上に高められたシリカ含有水の温度は5~40℃が好ましく、25~35℃がより好ましい。すなわち、pHが10.0以上に高められたシリカ含有水は、上記温度条件下でRO膜処理に付されることが好ましい。
本発明の方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の方法を実施するシステムの一形態を示す系統図である。このシステムは、シリカ含有水(I)が流通するシリカ含有水流通管(1)と、このシリカ含有水流通管(1)に接続する、アルカリ剤(II)が流通するアルカリ剤流通管(2、pH調整手段)と、シリカ含有水とアルカリ剤が合流した合流液が流通する合流液流通管(3)と、RO膜(4)を備えたRO膜装置(7)と、濃縮水(III)が流通する濃縮水流通管(5)と、透過水(IV)が流通する透過水流通管(6)とを有する。図1の形態ではRO膜装置(7)は単段に設けられている。
合流液流通管(3)内を流通する合流液は、アルカリ剤の作用によりpHが10.0以上へと高められている。また、RO膜装置(7)が有するRO膜は、上述のように、pH5.0~7.0の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1.0%以上となる特性を有するものである。上記合流液はRO膜装置(7)によるRO膜処理に付され、合流液中の荷電物質が濃縮された濃縮水(III)と荷電物質が除去された透過水(IV)とに分離される。
上記システムは、合流液流通管(3)に合流液のpHをモニタリングするpHモニタリング装置(図示せず)を備えていることも好ましい。また、アルカリ剤流通管(2)には、アルカリ剤の流通量を調節する調節弁(図示せず)が設置されていることも好ましい。上記のpHモニタリング装置からの信号により上記調節弁が自動制御され、合流液を目的のpHに自動調整する形態とすることもできる。
上記システムは、RO膜装置(7)の前段において、上述したNa形の陽イオン交換装置(図示せず)を有する形態とすることも好ましい。
本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[調製例] 試験液の調製
純水にシリカと塩化ナトリウムを添加して、導電率が4000~4500μS/cm、シリカ濃度が100mg/Lであるシリカ含有水(被処理水)を得た。得られたシリカ含有水を、図1からアルカリ剤流通管(2)を除いた構成のシステムを用いて膜分離処理に付した。詳細を以下に示す。
[実施例1]
RO膜装置のRO膜として、ダウ・ケミカル社製のポリアミド系RO膜「BW30HR」を用いた。このRO膜は、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が2.0%、有効圧力1MPaあたりの透過水量が1.0m/m/dであった。
上記で調製した試験液を、アルカリ剤(4質量%濃度のNaOH水溶液)を用いて下表に示すpHに調整し、これを5m/hでRO膜装置に供給し、透過水0.8m/hと濃縮水4.2m/hに分離した。濃縮水は全量ブローした。
[実施例2]
RO膜装置のRO膜として、ダウ・ケミカル社製のポリアミド系RO膜「BW30XFR」を用いた。このRO膜は、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が1.2%、有効圧力1MPaあたりの透過水量が1.0m/m/dであった。
上記で調製した試験液を、実施例1と同じアルカリ剤を用いて下表に示すpHに調整し、これを5m/hでRO膜装置に供給し、透過水0.8m/hと濃縮水4.2m/hに分離した。濃縮水は全量ブローした。
[実施例3]
RO膜装置のRO膜として、日東電工社製のポリアミド系RO膜「CPA5-LD」を用いた。このRO膜は、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が3.5%、有効圧力1MPaあたりの透過水量が0.8m/m/dであった。
上記で調製した試験液を、実施例1と同じアルカリ剤を用いて下表に示すpHに調整し、これを5m/hでRO膜装置に供給し、透過水0.8m/hと濃縮水4.2m/hに分離した。濃縮水は全量ブローした。
[実施例4]
RO膜装置のRO膜として、ダウ・ケミカル社製のポリアミド系RO膜「SEAMAXX」を用いた。このRO膜は、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が2.5%、有効圧力1MPaあたりの透過水量が0.6m/m/dであった。
上記で調製した試験液を、実施例1と同じアルカリ剤を用いて下表に示すpHに調整し、これを5m/hでRO膜装置に供給し、透過水0.8m/hと濃縮水4.2m/hに分離した。濃縮水は全量ブローした。
[比較例1]
RO膜装置のRO膜として、日東電工社製のポリアミド系RO膜「LFC3-LD」を用いた。このRO膜は、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が0.1%、有効圧力1MPaあたりの透過水量が1.0m/m/dであった。
上記で調製した試験液を、実施例1と同じアルカリ剤を用いて下表に示すpHに調整し、これを5m/hでRO膜装置に供給し、透過水0.8m/hと濃縮水4.2m/hに分離した。濃縮水は全量ブローした。
[比較例2]
RO膜装置のRO膜として、東レ社製のポリアミド系RO膜「TML-D」を用いた。このRO膜は、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が0.1%、有効圧力1MPaあたりの透過水量が0.8m/m/dであった。
上記で調製した試験液を、実施例1と同じアルカリ剤を用いて下表に示すpHに調整し、これを5m/hでRO膜装置に供給し、透過水0.8m/hと濃縮水4.2m/hに分離した。濃縮水は全量ブローした。
[比較例3]
RO膜装置のRO膜として、日東電工社製のポリアミド系RO膜「ESPA2-LD」を用いた。このRO膜は、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が0.5%、有効圧力1MPaあたりの透過水量が1.6m/m/dであった。
上記で調製した試験液を、実施例1と同じアルカリ剤を用いて下表に示すpHに調整し、これを5m/hでRO膜装置に供給し、透過水0.8m/hと濃縮水4.2m/hに分離した。濃縮水は全量ブローした。
上記各実施例及び比較例の結果を下表に示す。
Figure 0007122954000001
上記表に示されるように、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が1.0%よりも小さなRO膜を用いてシリカ含有水を膜分離処理した場合、シリカ含有水が中性であれば荷電物質を十分に阻止できる。しかし、シリカ含有水のpHが上昇するにつれて荷電物質の阻止率が低下しやすいことがわかる(比較例1~3)。
これに対し、pH5~7の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率の差が1.0%以上のRO膜を用いてシリカ含有水を膜分離処理した場合には、シリカ含有水のpHを上昇させても荷電物質の阻止率が十分に高い状態を保てることがわかった(実施例1~4)。
I シリカ含有水(被処理水)
II アルカリ剤
III 濃縮水
IV 透過水
1 シリカ含有水(被処理水)流通管
2 アルカリ剤流通管
3 合流液流通管
4 逆浸透膜
5 濃縮水流通管
6 透過水流通管
7 RO膜装置

Claims (8)

  1. シリカ含有水を逆浸透膜により処理する膜分離方法であって、
    前記膜分離方法は、前記シリカ含有水のpHを10.5越え11.5以下に高めるpH調整工程と、pHを10.5越え11.5以下に高めた前記シリカ含有水を逆浸透膜処理に付す膜処理工程とを有し、
    前記シリカ含有水のシリカ濃度が1~2000mg/Lであり、
    前記逆浸透膜が、pH5.0~7.0の範囲におけるNaイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1.0%以上である、シリカ含有水の膜分離方法。
  2. 前記逆浸透膜が、有効圧力1MPaにおける透過流束が0.6m/m/d以上のポリアミド系逆浸透膜である、請求項1に記載のシリカ含有水の膜分離方法。
  3. 前記膜処理工程が単段の逆浸透膜処理である、請求項1又は2に記載のシリカ含有水の膜分離方法。
  4. 前記膜処理工程の前段において、前記シリカ含有水をNa形の陽イオン交換樹脂に通水する、請求項1~3のいずれか1項に記載のシリカ含有水の膜分離方法。
  5. シリカ含有水を逆浸透膜により処理する膜分離システムであって、
    前記膜分離システムは、前記シリカ含有水のpHを10.5越え11.5以下に高めるpH調整手段と、pHを10.5越え11.5以下に高めた前記シリカ含有水を処理する逆浸透膜装置とを有し、
    前記シリカ含有水のシリカ濃度が1~2000mg/Lであり、
    前記逆浸透膜装置が有する逆浸透膜が、pH5.0~7.0の範囲におけるナトリウムイオンの最大阻止率と最小阻止率との差が1.0%以上である、シリカ含有水の膜分離システム。
  6. 前記逆浸透膜が、有効圧力1MPaにおける透過流束が0.6m/m/d以上のポリアミド系逆浸透膜である、請求項5に記載のシリカ含有水の膜分離システム。
  7. 前記逆浸透膜装置が単段である、請求項5又は6に記載のシリカ含有水の膜分離システム。
  8. 前記逆浸透膜装置の前段において、前記シリカ含有水を処理するNa形の陽イオン交換装置を有する、請求項5~7のいずれか1項に記載のシリカ含有水の膜分離システム。
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