JP7122868B2 - 飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法 - Google Patents

飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7122868B2
JP7122868B2 JP2018104397A JP2018104397A JP7122868B2 JP 7122868 B2 JP7122868 B2 JP 7122868B2 JP 2018104397 A JP2018104397 A JP 2018104397A JP 2018104397 A JP2018104397 A JP 2018104397A JP 7122868 B2 JP7122868 B2 JP 7122868B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beverage
beverages
less
wateriness
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018104397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019208369A (ja
Inventor
彰宏 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Soft Drinks Co Ltd filed Critical Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority to JP2018104397A priority Critical patent/JP7122868B2/ja
Publication of JP2019208369A publication Critical patent/JP2019208369A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7122868B2 publication Critical patent/JP7122868B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Description

本発明は、飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法に関する。
現代の健康志向において、低カロリー飲料の需要は高く、可溶性固形分(Bx)が低い飲料が求められている。一方、飲料を低Bx化すると水っぽい味わいになることが知られており、従来は低Bx化による水っぽい味わいを隠すために高甘味度甘味料などで甘さをある程度付与していた。しかしながら、近年では、高甘味度甘味料のような人工甘味料の使用は、その味の面と人工的なイメージとによって敬遠される傾向にある。
また、水分摂取と共に、ミネラルの摂取も渇望されており、止渇性飲料に食塩を含有させることが多い。
特許文献1には、紅茶飲料において、2-メチル酪酸エチルを含む複数の香味成分を所定の比率にすることを必須の条件として、甘酸っぱさと新鮮感に優れた飲料となることが記載されている。また、特許文献2には、2-フルフリルメルカプタンによって、ダイエット効果が得られることが記載されている。
特開2015-133915号公報 特開2009-23964号公報
通常、飲料に食塩を含有させると対比効果により味が濃くなるため、適量の食塩を含有させる場合に香味的な問題が生じることはなかった。しかし、低Bxの飲料、特にBxが4未満の飲料では、食塩による対比効果が薄れるため、より一層水っぽさが増すという課題が生じることがわかった。
なお、特許文献1,2のいずれにも、本発明の課題である低カロリーでありつつも、水っぽさを低減することについては、何ら記載されていない。
そこで、本発明者は、砂糖及び/又は果糖を含有し、糖度が低く、かつミネラル摂取が可能な飲料における水っぽさを低減すべく観点から、鋭意検討を行った。その結果、特定の成分を用いることで、低カロリーでありつつも、水っぽさを低減できる飲料が得られることが見出され、本発明が完成された。
本発明によれば、
糖度が4.0未満であり、
砂糖及び/又は果糖と、
食塩と、
以下の成分(a),(b)のうち少なくとも1つ以上を含む、飲料が提供される。
(a)フルフリルメルカプタン 0.05ppb以上
(b)2-メチル酪酸エチル 5ppb以上
本発明によれば、
上記の飲料が透明な容器に充填された容器詰め飲料が提供される。
本発明によれば、
糖度が4.0未満である飲料において、砂糖及び/又は果糖と、食塩と、以下の成分(a),(b)のうち少なくとも1つ以上を含むように調製する、飲料の水っぽさの低減方法が提供される。
(a)フルフリルメルカプタン 0.05ppb以上
(b)2-メチル酪酸エチル 5ppb以上
本発明によれば、低カロリーでありながらも、水っぽさが低減されたミネラル摂取が可能な飲料に関する技術を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下であることを表す。
〔実施形態〕
<飲料>
本実施形態の飲料は、
糖度が4.0未満であり、
砂糖及び/又は果糖と、
食塩と、
以下の成分(a),(b)のうち少なくとも1つ以上を含む。
(a)フルフリルメルカプタン 0.05ppb以上
(b)2-メチル酪酸エチル 5ppb以上
本実施形態の飲料は、砂糖及び/又は果糖と、食塩とを含み、糖度が4.0未満であることを前提として、特定の成分(a),(b)を特定量配合することで、ミネラル摂取を可能とするとともに、低カロリーでありながらも、水っぽさを低減できるものである。また、本実施形態の飲料は、成分(a),(b)を単に配合するのではなく、特定の範囲の配合量とすることによって、より一層効果的に水っぽさを低減できるものである。
なお、「水っぽさ」とは、飲料の水分量を示すのではなく、飲料を喫飲した際に、味が薄く、水そのものの味が感じられる状態を意図する。
以下、本実施形態の飲料の詳細について説明する。
[(a)フルフリルメルカプタン]
成分(a)の濃度の下限値は、0.05ppbであるが、好ましくは、0.5ppb以上、より好ましくは、5ppb以上、さらに好ましくは、10ppb以上である。
一方、成分(a)の濃度の上限は、水っぽさと後味とのバランスを良好にする観点から、好ましくは、3000ppb以下、より好ましくは、1000ppb以下、さらに好ましくは、500ppb以下である。
成分(a)の濃度を、かかる数値範囲とすることで、水っぽさを低減できる。
[(b)2-メチル酪酸エチル]
成分(b)の濃度の下限値は、5ppbであるが、好ましくは、50ppb以上、より好ましくは、500ppb以上である。
一方、成分(b)の濃度の上限は、水っぽさと後味とのバランスを良好にする観点から、好ましくは、100000ppb以下、より好ましくは、50000ppb以下さらに好ましくは、5000ppb以下である。
成分(b)の濃度を、かかる数値範囲とすることで、水っぽさを低減できる。
本実施形態において、成分(a),(b)の含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS、アジレント・テクノロジー社製、7890GC/5975MSD)を用いた固相マイクロ抽出法(SPME)法により定量することができる。定量には、標準添加法を用いることができるが、必要に応じて絶対検量線法を用いてもよい。なお、上記測定サンプルについて3サンプルずつ準備し、その定量結果の平均値を測定結果とすることができる。準備した測定サンプルを含む20mLバイアル瓶を、50℃で10分間の加熱処理を施した後、当該バイアル瓶の気相部分にシグマアルドリッチ社製のSPMEファイバー(DVB/CAR/PDMS)を挿入し、5分間、揮発成分を捕集した。このSPMEファイバーをGC/MSに設置し、300秒間焼成することにより、捕集した揮発成分を脱離することができる。
[砂糖(ショ糖)]
砂糖は、いわゆる甘味料の一成分であり、二糖である。砂糖が含まれる形態は特に限定されず、果汁等の天然物に含まれるものであってもよい。
砂糖の濃度の下限は、低いほどよく特に限定されないが、飲料全体に対して、0.01g/L以上が好ましく、0.5g/L以上がより好ましい。一方、砂糖の濃度の上限は、低カロリーとするため、20g/L以下が好ましく、15g/L以下がより好ましい。
[果糖]
果糖は、いわゆる甘味料の一成分であり、単糖である。果糖は、本発明の効果に影響を与えない限り、高果糖液糖や果糖ブドウ糖液糖等の異性化糖、果汁等の天然物に含まれるものであってもよい。
果糖の濃度の下限は、低いほどよく特に限定されないが、飲料全体に対して、0.01g/L以上が好ましく、0.5g/L以上がより好ましい。一方、果糖の濃度の上限は、低カロリーとするため、20g/L以下が好ましく、15g/L以下がより好ましい。
本実施形態の飲料は、砂糖、果糖の少なくともいずれか一方を含めばよいが、嗜好性を多様にする観点から、砂糖および果糖をともに含むことが好ましい。
[食塩]
食塩とは、塩化ナトリウムを主成分とする食用の塩をいう。食塩は、精製塩といった塩化ナトリウムそのものであってもよく、海塩、岩塩、天塩、および山塩等であってもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いでもよい。本実施形態の飲料は食塩を含有することにより、ミネラルを摂取可能である。
本実施形態の飲料は食塩との組み合わせにおいて水っぽさ低減の効果を発揮する。食塩の濃度の下限は、0.005g/L以上が好ましく、0.01g/L以上がより好ましい。一方、食塩の濃度の上限は、飲料の良好な嗜好性を維持する観点から、好ましくは2.0g/L以下であり、より好ましくは、1g/L以下であり、さらに好ましくは、0.6g/L以下である。
食塩の濃度は、イオンクロマトグラフ法で分析することができる。すなわち、飲料中の塩化物イオン濃度が、食塩濃度の指標となる。
[その他成分]
本実施形態の飲料は、本発明の効果が得られる限りにおいて、上記以外の種々の成分を含んでもよい。例えば、上記以外の香気成分、上記果糖およびショ糖以外の甘味料、酸味料、pH調整剤、果汁、各種栄養成分、着色料、希釈剤、酸化防止剤、増粘安定剤等を含んでもよい。
ただし、透明性の観点からは、飲料は、着色料を実質的に含まないか、含むとしても少量であることが好ましい。
例えば、上記果糖およびショ糖以外の甘味料としては、ブドウ糖、グラニュー糖、乳糖、および麦芽糖等の糖類、キシリトール、およびD-ソルビトール等の低甘味度甘味料が挙げられる。甘味料は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
ただし、高甘味度甘味料は、健康志向や需要者の嗜好性等の観点から、含まないことがよい。
例えば、上記の酸味料としては、クエン酸三ナトリウムなどのクエン酸塩、無水クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、フィチン酸、アスコルビン酸又はそれらの塩類等が挙げられる。
[糖度(ブリックス値)]
本実施形態の飲料の糖度の上限は、4.0未満である。飲料をより低カロリーとする観点から、糖度を低くしてもよく、より好ましくは、3.1以下、さらに好ましくは2.1以下である。また、本実施形態の飲料の糖度の下限は、0.3以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、さらに好ましくは1.5以上である。これによれば、飲料に適度な甘みを付与することができる。
[pH]
本実施形態の飲料の20℃におけるpHは、3.2~4.6であることが好ましく、3.3~4.2であることがより好ましく、3.5~4.0であることがさらに好ましい。これにより、水っぽさを低減しつつ、後味を良好に保持できる。
なお、pHの測定は、市販のpH測定器を用いるなどして行うことができる。pHの調整は、例えば、特定酸の量を変えることや、pH調整剤を用いることなどにより行うことができる。
[酸度(クエン酸酸度:Ac)]
本実施形態の飲料の酸度は、特に限定されないが、適切な酸度に調整されることで、水っぽさを低減しつつ、後味を良好に保持できる。
具体的には、クエン酸の相当量として換算した値(クエン酸度)において、上限が、好ましくは0.15%以下であり、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下である。クエン酸度の好ましい下限は特になく、0%より大きい値である。
[透明性]
本実施形態の飲料の波長420nmにおける吸光度は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.3以下であり、さらに好ましくは0.1以下である。ここで、特段の材料や製法を用いていない通常のコーヒー飲料は、焙煎されたコーヒー豆に由来する褐色の色を呈している。これに対し、本実施形態の飲料は、通常のコーヒー飲料とは異なるものであり、波長420nmにおける透明性が得られるものである。
また、本実施形態の飲料は、波長650nmにおける吸光度は、好ましくは0.06以下であり、より好ましくは0.04以下であり、さらに好ましくは0.01以下である。すなわち、本実施形態の飲料は、透明性が高い飲料であり、いわゆる止渇目的で喫飲されるニアウォーターとすることができる。
[製造方法、容器など]
本実施形態の飲料は、果糖及び/又は砂糖、食塩、上記成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上、および必要に応じて添加されるその他の成分を、定法に従って水に均一に混合することで得ることができる。
本実施形態の飲料は、加熱殺菌され、容器に詰められた状態の容器詰め飲料としてもよい。なお、各成分の調合タイミングは、殺菌処理前に限られず、特定の成分、例えば、揮発性が相対的に高い香気成分を殺菌処理後に調合してもよい。
容器としては、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶等が挙げられる。
さらに飲料を外観から観察し、透明性、色などを確認できる観点から、容器は透明であることが好ましく、具体的にはペットボトルまたは無着色の瓶が好ましい。また、取扱性、流通性、携帯性等の観点から、容器はペットボトルであることが好ましい。
<飲料の水っぽさの低減方法>
本実施形態の飲料の水っぽさの低減方法は、糖度が4.0未満である飲料において、砂糖及び/又は果糖と、食塩と、以下の成分(a)、(b)のうち少なくとも1つ以上を含むように調製するものである。
(a)フルフリルメルカプタン 0.05ppb以上
(b)2-メチル酪酸エチル 5ppb以上
これにより、低カロリーでありながらも、飲料の水っぽさが低減できる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
[1]
糖度が4.0未満であり、
砂糖及び/又は果糖と、
食塩と、
以下の成分(a),(b)のうち少なくとも1つ以上を含む、飲料。
(a)フルフリルメルカプタン 0.05ppb以上
(b)2-メチル酪酸エチル 5ppb以上
[2]
波長420nmにおける吸光度が0.5以下である、[1]に記載の飲料。
[3]
波長650nmにおける吸光度が0.06以下である、[1]又は[2]に記載の飲料。
[4]
高甘味度甘味料を実質的に含まない、[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の飲料。
[5]
[1]乃至[4]のいずれか一つに記載された飲料が透明な容器に充填された容器詰め飲料。
[6]
糖度が4.0未満である飲料において、砂糖及び/又は果糖と、以下の成分(a),(b)のうち少なくとも1つ以上を含むように調製する、飲料の水っぽさの低減方法。
(a)フルフリルメルカプタン 0.05ppb以上
(b)2-メチル酪酸エチル 5ppb以上
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実験1]食塩による水っぽさ低減作用の糖度による影響の検証
<対照例1、参考例1、比較例1~4>
表1に示す配合比率となるように、各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について以下の測定、および評価を行い、結果を表1に示した。なお、表1中の「-」は、配合されていないことを示す。
<測定(物性)>
・糖度(Bx):糖用屈折計示度「RX-5000α」株式会社アタゴ製を用いてブリックス値を測定した。飲料の液温は20℃とした。
・pH:東亜ディーケーケー社製 GST-5741Cにて測定した値(20℃)とした。
・吸光度(D420:波長420nm、D650:波長650nm):飲料を光路長1cmのセルに入れて、市販の分光光度計で測定した値とした。なお、吸光度測定は、20℃の温度条件下、石英セルを用いて実施した。
<評価>
・官能評価:実施例および比較例の飲料(20℃)それぞれを、熟練した5名のパネラーが試飲し、以下の評価基準に従い、「味の濃さの良さ」、「後味の良さ」、「塩味の強さ」、「水っぽさがある」それぞれについて、7段階(1~7点)評価を実施し、その平均点を求めた。また、評価する際は、対照例1の飲料を対照品(基準値4点)として評価を実施した。また、「水っぽさがある」については、各比較例に対して0.6点以上評点が小さくなる場合について、水っぽさが低減されたものと判断した。なお、評価は、数値が大きいほど、香味が強いことを表す。
・評価基準
「味の濃さの良さ」、「後味の良さ」、「塩味の強さ」、「水っぽさがある」
7点・・・対象品よりも非常に強い
6点・・・対象品よりも強い
5点・・・対象品よりもわずかに強い
4点・・・対象品と同等の強さ
3点・・・対象品よりもわずかに弱い
2点・・・対象品よりも弱い
1点・・・対象品よりも非常に弱いか全く感じない
Figure 0007122868000001
表1より、対照例1と参考例1とを対比すると、Bxが4.0の場合は、食塩により、水っぽさが軽減され、塩味が強くなり、また、後味が良くなることが分かる。一方、比較例1~4のようにBxが4.0未満の場合において、比較例1と2、比較例3と4とをそれぞれ対比すると、食塩の添加により、逆に水っぽさが増強されることが分かる。
[実験2]食塩含有時の香気成分有無による違いの検証
<対照例1、実施例1,2、比較例4,5>
表2に示す配合比率となるように、香気成分(フルフリルメルカプタン、2-メチル酢酸エチル、2-メチルブタノール)を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌した後、香気成分を調合し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験1と同様にして、測定および評価を行い、結果を表2に示した。なお、表2中の「-」は、配合されていないことを示す。
Figure 0007122868000002
表2に示すように、比較例4に対して、フルフリルメルカプタン、2-メチル酪酸エチルをそれぞれ適量含む実施例1,2では水っぽさが改善された。一方、2-メチルブタノールを含む比較例5では、実施例1,2で発揮された効果が得られなかった。
[実験3](a)フルフリルメルカプタンの濃度による違いの検証
<対照例1、実施例1,3~6、比較例4>
表3に示す配合比率となるように、香気成分(フルフリルメルカプタン)を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌した後、香気成分を調合し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験1と同様にして、測定および評価を行い、結果を表3に示した。なお、表3中の「-」は、配合されていないことを示す。
Figure 0007122868000003
表3に示すように、フルフリルメルカプタンを適量含む実施例1,3~6では、水っぽさが顕著に改善された。
[実験4](b)2-メチル酪酸エチルの濃度による違いの検証
<対照例1、実施例2,7~10、比較例4>
表4に示す配合比率となるように、香気成分(2-メチル酢酸エチル)を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌した後、香気成分を調合し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験1と同様にして、測定および評価を行い、結果を表4に示した。なお、表4中の「-」は、配合されていないことを示す。
Figure 0007122868000004
表4に示すように、2-メチル酪酸エチルを適量含む実施例2,7~10では、水っぽさが顕著に改善された。
[実験5]糖度3.1の場合の検証
<対照例1、比較例2、実施例11,12>
表5に示す配合比率となるように、香気成分(フルフリルメルカプタン、2-メチル酢酸エチル)を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合した後、香気成分を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験1と同様にして、測定および評価を行い、結果を表5に示した。なお、表5中の「-」は、配合されていないことを示す。
Figure 0007122868000005
表5に示すように、フルフリルメルカプタン、2-メチル酪酸エチルをそれぞれ適量含む実施例11,12では、糖度3.1の場合でも、水っぽさが顕著に改善された。
[実験6]食塩の濃度による違いの検証
<比較例6,7、実施例1,2,13~20>
表6、表7に示す配合比率となるように、香気成分(フルフリルメルカプタン、2-メチル酢酸エチル)を除く各成分を水中で均一に混合して飲料を調合した後、香気成分を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌し、容器に詰めた。これにより容器詰め飲料を得た。
得られた飲料について、上記実験1と同様にして、測定および評価を行い、結果を表6、表7に示した。
Figure 0007122868000006
Figure 0007122868000007
表6に示すように、フルフリルメルカプタンを適量含む実施例1,13~16では、食塩の濃度を0.005g/L以上となる値とすることにより、食塩を含有しない比較例6に対して水っぽさが顕著に改善されることが確認された。また、表7に示すように、2-メチル酪酸エチルを適量含む実施例2,17~20では、食塩の濃度を0.005g/L以上となる値とすることにより、食塩を含有しない比較例7に対して水っぽさが改善されることが確認された。なお、食塩濃度がそれぞれ0.05、0.10g/Lである実施例18,2では、水っぽさの改善効果が顕著である実施例17,19,20に比べて、改善幅が若干小さくなった。これは、表1に示した比較例3,4の結果から、食塩添加により水っぽさが助長されることを考慮すると、十分に水っぽさの改善効果が発揮されているといえる。

Claims (6)

  1. 糖度が4.0未満であり、
    砂糖及び/又は果糖と、
    食塩と、
    以下の成分(a),(b)のうち少なくとも1つ以上を含む、飲料。
    (a)フルフリルメルカプタン 0.05ppb以上
    (b)2-メチル酪酸エチル 5ppb以上
  2. 波長420nmにおける吸光度が0.5以下である、請求項1に記載の飲料。
  3. 波長650nmにおける吸光度が0.06以下である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 高甘味度甘味料を実質的に含まない、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の飲料。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載された飲料が透明な容器に充填された容器詰め飲料。
  6. 糖度が4.0未満である飲料において、砂糖及び/又は果糖と、食塩と、以下の成分(a),(b)のうち少なくとも1つ以上を含むように調製する、飲料の水っぽさの低減方法。
    (a)フルフリルメルカプタン 0.05ppb以上
    (b)2-メチル酪酸エチル 5ppb以上
JP2018104397A 2018-05-31 2018-05-31 飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法 Active JP7122868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018104397A JP7122868B2 (ja) 2018-05-31 2018-05-31 飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018104397A JP7122868B2 (ja) 2018-05-31 2018-05-31 飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019208369A JP2019208369A (ja) 2019-12-12
JP7122868B2 true JP7122868B2 (ja) 2022-08-22

Family

ID=68843750

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018104397A Active JP7122868B2 (ja) 2018-05-31 2018-05-31 飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7122868B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022190847A1 (ja) * 2021-03-10 2022-09-15

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015156282A1 (ja) 2014-04-07 2015-10-15 サントリー食品インターナショナル株式会社 果実風味が付与された飲料
JP2016127818A (ja) 2015-02-25 2016-07-14 サントリー食品インターナショナル株式会社 果実フレーバーを含有する透明飲料
JP2018007633A (ja) 2016-07-15 2018-01-18 アサヒ飲料株式会社 ヨーグルト様高清澄飲料およびヨーグルト様高清澄飲料の後味改善方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015156282A1 (ja) 2014-04-07 2015-10-15 サントリー食品インターナショナル株式会社 果実風味が付与された飲料
JP2016127818A (ja) 2015-02-25 2016-07-14 サントリー食品インターナショナル株式会社 果実フレーバーを含有する透明飲料
JP2018007633A (ja) 2016-07-15 2018-01-18 アサヒ飲料株式会社 ヨーグルト様高清澄飲料およびヨーグルト様高清澄飲料の後味改善方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Food Science and Technology Research,2014年,20(3),pp.647-654
J. Agric. Food Chem.,1996年,44,pp.537-543
ブログ「michi の ひとりごと」に掲載された2018年 5月22日付け記事「アサヒ飲料『クリアラテ from おいしい水 600ml』試飲」,2018年 5月22日,[オンライン],[検索日:2022年 2月 7日],URL,https://ameblo.jp/michi--0103/entry-12377163024.html

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019208369A (ja) 2019-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6301562B1 (ja) リナロールを含有する無色透明飲料
EP3689155A1 (en) Colorless transparent beverage containing potassium
JP6902007B2 (ja) 炭酸ガスボリュームが高い炭酸飲料
JP7122868B2 (ja) 飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法
JP6830110B2 (ja) カリウム含有無色透明飲料
AU2018337453B2 (en) Colorless transparent beverage containing calcium
TW201936061A (zh) 含有沉香醇之無色透明飲料
JP7117112B2 (ja) 飲料、容器詰め飲料および飲料の乳風味および茶風味増強方法
JP6470880B1 (ja) ナトリウム含有無色透明飲料
JP7308018B2 (ja) 飲料、容器詰め飲料および飲料の苦みの抑制方法
JP2024026758A (ja) 飲料、容器詰め飲料および飲料の水っぽさの低減方法
TW202017483A (zh) 含有鎂之無色透明飲料
JP7191553B2 (ja) 飲料、容器詰め飲料および飲料の後味および口当たり改善方法
JP2021087357A (ja) コーヒー風味炭酸飲料
JP2020156376A (ja) 炭酸飲料、および炭酸飲料の茶風味向上方法
JP7377672B2 (ja) 炭酸飲料、および炭酸飲料の茶風味向上方法
JP6917404B2 (ja) ナトリウム含有無色透明飲料
JP6923577B2 (ja) マグネシウム含有無色透明飲料
JP6889730B2 (ja) カルシウム含有無色透明飲料
JP7010657B2 (ja) 炭酸飲料、容器詰め炭酸飲料および炭酸飲料のヨーグルト風味増強方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7122868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150