JP7121652B2 - 免制振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、免制振装置に関する。
免震層に減衰効果を発揮させるために設置される粘性ダンパーは、ダンパー両端に生じる相対速度のべき乗に比例した反力(減衰力)を生じ、回転式粘性ダンパーはボールねじ機構により粘性体に作用する相対速度を増幅して大きな減衰抵抗力を得る仕組みとなっている。
近年、長周期地震動の問題がクローズアップされ、従来のダンパーではストローク不足となる場合も生じることから、対応策が求められている。大ストロークのダンパーを新規に設計製造することが考えられるが、大ストロークで高速に対応できるボールねじ機構が必要になる上、この装置を大ストロークで加振試験する装置も要することから、容易に対応できるものではない。
これに対し、2つのダンパーを直列にしてストロークを稼ぐ方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014-114867号公報
しかしながら、2つのダンパーを直列にした場合、2つのダンパーの減衰特性を同じに設定しても装置毎のばらつきがあるため、2つのダンパー変位が同一にはならず、中立位置からドリフトして、本体のストロークが稼げなくなってしまうという問題がある。また、2つのダンパーを直列にすることから全長がかなり長くなり、自重によるたわみが生じる虞がある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、直列に配置した2つのダンパーの変位を同一にすることができる免制振装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る免制振装置は、第1方向に相対変位可能な第1部材と第2部材との間に設けられる免制振装置において、前記第1部材に連結される第1回転式粘性ダンパーと、前記第2部材に連結され前記第1回転式粘性ダンパーと減衰特性が等しい第2回転式粘性ダンパーと、が同軸に連結された減衰機構を有し、前記第1回転式粘性ダンパーは、軸線方向が前記第1方向となる向きに配置され、前記第1部材および前記第2部材と前記第1方向に相対移動可能な第1外筒と、前記第1外筒の内部に同軸に配置され、前記第1外筒の内部において軸線回りに回転可能な第1内筒と、前記第1外筒と前記第1内筒との間に封入された第1粘性体と、前記第1外筒の内部に同軸に配置されて前記第1内筒と連結され、前記第1外筒の内部において前記第1内筒とともに軸線回りに回転可能な第1ボールナットと、前記第1部材に連結されるとともに、前記第1外筒の内部に同軸に挿入されて前記第1ボールナットと螺合する第1ボールねじと、を有し、前記第2回転式粘性ダンパーは、軸線方向が前記第1方向となる向きに配置され、前記第1部材および前記第2部材と前記第1方向に相対移動可能な第2外筒と、前記第2外筒の内部に同軸に配置され、前記第2外筒の内部において軸線回りに回転可能な第2内筒と、前記第2外筒と前記第2内筒との間に封入された第2粘性体と、前記第2外筒の内部に同軸に配置されて前記第2内筒と連結され、前記第2外筒の内部において前記第2内筒とともに軸線回りに回転可能な第2ボールナットと、前記第2部材に連結されるとともに、前記第2外筒の内部に同軸に挿入されて前記第2ボールナットと螺合する第2ボールねじと、を有し、前記第1ボールねじおよび前記第2ボールねじは、いずれか一方が右ねじであり、他方が左ねじであり、前記第1外筒と前記第2外筒とが連結されるとともに、前記第1内筒と前記第2内筒とが連結され、互いに連結された前記第1内筒および前記第2内筒を介して前記第1ボールナットと前記第2ボールナットとが連結されていることを特徴とする。
本発明では、第1回転式粘性ダンパーと第2回転式粘性ダンパーとは、第1ボールねじおよび第2ボールねじのいずれか一方が右ねじで、他方が左ねじであること以外は、同じ構成となる。本発明の免制振装置は、このような2台の回転式粘性ダンパーを直列に配置して、第1外筒と第2外筒とを連結し、第1内筒と第2内筒とを連結した装置であるため、第1回転式粘性ダンパーおよび第2回転式粘性ダンパーの双方の内筒と外筒の回転量が同じとなり、双方の変位量(ボールねじの外筒に対する相対変位)を同一にすることができる。
その結果、2台の回転式粘性ダンパーを直列して一体化した免制振装置において、安価に大ストロークで高速度に対応した免制振装置を実現することができる。免震層の変位をu、速度をv、としたとき2台の回転式粘性ダンパー変位はともにu/2、v/2となる。すなわち、本発明によれば、回転式粘性ダンパーのストロークと最大速度を2倍にした装置を得ることができる。
また、本発明に係る免制振装置では、前記第1外筒および前記第2外筒の前記第1部材および前記第2部材との前記第1方向以外の相対変位を規制する外筒変位規制部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、免制振装置に、第1方向と異なる方向の負荷がかかった場合に、第1外筒および第2外筒が撓むなど変形することを防止することができる。
例えば、第1方向が水平方向で第1外筒と第2外筒とが水平方向に配列されて連結され、第1外筒と第2外筒とを連結した長さが長い場合に、第1外筒および第2外筒が自重で撓んだり、第1外筒および第2外筒に大きな曲げモーメントが作用したりすることを防止することができる。
また、本発明に係る免制振装置では、2つの前記減衰機構が並列に設けられ、2つの前記減衰機構のうちの一方の第1減衰機構は、前記第1ボールねじが右ねじであり、前記第2ボールねじが左ねじであり、2つの前記減衰機構のうちの他方の第2減衰機構は、前記第1ボールねじが左ねじであり、前記第2ボールねじが右ねじであり、前記第1減衰機構の前記第1外筒および前記第2外筒と、前記第2減衰機構の前記第1外筒および前記第2外筒と、は、軸方向の相対変位が拘束されていてもよい。
このような構成とすることにより、第1部材と第2部材とにそれぞれ右ねじと左ねじのボールねじが接続され、第1減衰機構の内筒(第1内筒および第2内筒)と第2減衰機構の内筒(第1内筒および第2内筒)とが互いに逆方向に回転することになり、第1減衰機構および第2減衰機構の両端に生じるトルクが相殺されて軸力だけとなる。なお、第1減衰機構と第2減衰機構とを並列させずに、いずれか1組だけ設けた場合は、ボールねじのリードをL、各々に作用する軸力をNとすると、トルクT=NL/2πがそれぞれ減衰機構の両端に作用する。
また、第減衰機構と第2減衰機構とを並列させずに、いずれか1組だけ設けた場合は、免制振装置中央部にある外筒に両側の回転式粘性ダンパーのボールねじ機構それぞれからトルクTが作用し、トルク2Tに対して外筒(第1外筒および第2外筒)が回転しないようにする必要がある。
これに対し、ボールねじが逆向きとなる2組の第1減衰機構と第2減衰機構を並列配置した場合は、第1減衰機構の外筒(第1外筒および第2外筒)と第2減衰機構の外筒(第1外筒および第2外筒)とに互いに逆向きのトルクが作用する。これにより、第1減衰機構と第2減衰機構の外筒の上下に双方に跨がるように鋼板を設け、鋼板と双方の外筒とを回転自在に接合(係留)すれば、鋼板に作用するトルクが相殺され外筒や鋼板が回転する虞がなくなる。なお、外筒の上下の鋼板にボルト穴を設け、ボルトを挿入して張力を入れない程度に先端を外筒に固定すれば、外筒と鋼板を回転自在に接合でき、減衰機構の軸直交方向に変位した場合にも容易に対応できる。
本発明によれば、直列に配置した2つの回転式粘性ダンパーの変位を同一にすることができる。
本発明の実施形態による免制振装置の一例を示す側面図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線断面図である。 図3のC-C線断面に対応する図である。
以下、本発明の免制振装置の実施形態について、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の免制振装置1は、建物の免震層11に設けられている。免震層11の上側の構造体を上部構造体12(第1部材)とし、下側の構造体を下部構造体13(第2部材)とする。上部構造体12と下部構造体13とは水平方向(第1方向)に相対変位可能に構成されている。
図2に示すように、免制振装置1は、それぞれ2台の回転式粘性ダンパーを連結した第1減衰機構2と、第2減衰機構3と、を有している。第1減衰機構2と第2減衰機構3とは、それぞれ上部構造体12および下部構造体13に連結され、並列配置されている。
第1減衰機構2は上部構造体12と連結される第1回転式粘性ダンパー4A(4)と、下部構造体13と連結される第2回転式粘性ダンパー5A(5)を有している。第1回転式粘性ダンパー4Aと第2回転式粘性ダンパー5Aとは、減衰特性が同じで直列に連結されている。
第1回転式粘性ダンパー4Aは、上部構造体12および下部構造体13と水平方向に相対移動可能な第1外筒41と、第1外筒41の内部に同軸に配置され、第1外筒41と軸線回りに相対回転可能な第1内筒42と、第1外筒41と第1内筒42との間に封入された第1粘性体43と、第1外筒41の内部に同軸に配置されて第1内筒42と連結され、第1外筒41の内部において第1内筒42とともに軸線回りに回転可能な第1ボールナット44と、上部構造体12に連結されるとともに、第1外筒41の内部に同軸に挿入されて第1ボールナット44とボールを介して螺合する第1ボールねじ45と、を有している。
第1ボールねじ45は、右ねじとなっている。第1ボールナット44は、第1ボールねじ45がボールを介して螺合可能なネジ部を有している。
第1ボールねじ45は、軸線方向の一方の端部が上部構造体12に第1クレビス46を介してピン接合され、他方の端部側が第1外筒41に挿入されている。第1クレビス46は、第1ボールねじ45を上下方向に延びる軸線回りに水平面内において回動可能に上部構造体12に連結している。
第1ボールねじ45は、第1クレビス46を介して上部構造体12と連結されていることにより、その軸線回りの回転を拘束されている。
第1ボールねじ45と第1ボールナット44とが軸線方向に相対変位すると、第1ボールねじ45は軸線回りの回転が拘束されているため、第1ボールナット44が第1ボールねじ45の周りを回転する。このように、第1ボールねじ45と第1ボールナット44との軸線方向に相対変位が回転運動に変換される。
これにより、第1ボールねじ45に連結されている第1内筒42も回転する。第1内筒42と第1外筒41との間には第1粘性体43が封入されていることにより、第1粘性体43によって第1内筒42の回転が減衰する。
第2回転式粘性ダンパー5Aは、上部構造体12および下部構造体13と水平方向に相対移動可能な第2外筒51と、第2外筒51の内部に同軸に配置され、第2外筒51と軸線回りに相対回転可能な第2内筒52と、第2外筒51と第2内筒52との間に封入された第2粘性体53と、第2外筒51の内部に同軸に配置されて第2内筒52と連結され、第2外筒51の内部において第2内筒52とともに軸線回りに回転可能な第2ボールナット54と、下部構造体13に連結されるとともに、第2外筒51の内部に同軸に挿入されて第1ボールナット44とボールを介して螺合する第2ボールねじ55と、を有している。
第2ボールねじ55は、左ねじとなっている。第2ボールナット54は、第2ボールねじ55がボールを介して螺合可能なネジ部を有している。
第2ボールねじ55は、軸線方向の一方の端部が下部構造体13に第2クレビス56を介してピン接合され、他方の端部側が第2外筒51に挿入されている。第2クレビス56は、第2ボールねじ55を上下方向に延びる軸線回りに水平面内において回動可能に上部構造体12に連結している。
第2ボールねじ55は、第2クレビス56を介して上部構造体12と連結されていることにより、その軸線回りの回転を拘束されている。
第2ボールねじ55と第2ボールナット54とが軸線方向に相対変位すると、第2ボールねじ55は軸線回りの回転が拘束されているため、第2ボールナット54が第2ボールねじ55の周りを回転する。このように、第2ボールねじ55と第2ボールナット54との軸線方向に相対変位が回転運動に変換される。
これにより、第2ボールねじ55に連結されている第2内筒52も回転する。第2内筒52と第2外筒51との間には第2粘性体53が封入されていることにより、第2粘性体53によって第2内筒52の回転が減衰する。
第1回転式粘性ダンパー4Aと第2回転式粘性ダンパー5Aとは、第1回転式粘性ダンパー4Aの第1ボールねじ45における上部構造体12と連結される側と、第2回転式粘性ダンパー5Aの第2ボールねじ55における下部構造体13と連結される側と、が互いに離間するように反対向きで直列に配置される。第1回転式粘性ダンパー4Aと第2回転式粘性ダンパー5Aとは、第1外筒41と第2外筒51とが相対変位、相対回転しないように固定され、第1内筒42と第2内筒52とが相対変位、相対回転しないように固定されている。このため、第1内筒42と第2内筒52との回転量が同一となり、それぞれに連結されている第1ボールナット44と第2ボールナット54との回転量も同一となる。
さらに、第1ボールナット44と螺合する第1ボールねじ45と第2ボールナット54に螺合する第2ボールねじ55の回転量も同一となり、第1ボールねじ45のストローク量と第2ボールねじ55のストローク量とが同一となる。なお、第1ボールねじ45は右ねじで第2ボールねじ55は左ねじとなるため、同一方向に回転すると第1ボールナット44および第2ボールナット54に対する軸線方向の変位方向は逆方向となり、互いに近接する方向、互いに離間する方向に同じだけ変位する。
第2減衰機構3は、上部構造体12と連結される第1回転式粘性ダンパー4B(4)と、下部構造体13と連結される第2回転式粘性ダンパー5B(5)を有している。第1回転式粘性ダンパー4Bと第2回転式粘性ダンパー5Bとは、減衰特性が同じで直列に連結されている。
第2減衰機構3の第1回転式粘性ダンパー4Bは、第1減衰機構2の第1回転式粘性ダンパー4Aにある第1ボールねじ45および第1ボールナット44を左ねじとした構成である。
第2減衰機構3の第2回転式粘性ダンパー5Bは、第1減衰機構2の第2回転式粘性ダンパー5Aにある第2ボールねじ55および第2ボールナット54を右ねじとした構成である。
第2減衰機構3においても、第1回転式粘性ダンパー4Bと第2回転式粘性ダンパー5Bとは、第1減衰機構2の第1回転式粘性ダンパー4Aと第2回転式粘性ダンパー5Aと同様に直列に連結されている。
第1減衰機構2と第2減衰機構3とは、並列に配置されている。
免制振装置1には、第1減衰機構2と第2減衰機構3とを連結する連結枠6が設けられている。
連結枠6は、鋼板を箱形に形成した部材であり、第1減衰機構2の第1外筒41と第2減衰機構3の第1外筒41とを一体に囲繞する枠体61と、枠体61を第1減衰機構2の第1外筒41と第2減衰機構3の第2外筒51とに係留する連結ボルト62と、を有している。
枠体61は、第1減衰機構2の第1外筒41と第2減衰機構3の第1外筒41とを緊結せず、第1減衰機構2の第1外筒41と第2減衰機構3の第1外筒41との間には隙間が形成されている。
連結ボルト62は、枠体61を第1減衰機構2の第1外筒41および第2減衰機構3の第1外筒41に固定させるのではなく、連結ボルト62の軸線回りに枠体61と、第1減衰機構2の第1外筒41および第2減衰機構3の第1外筒41と、が相対回転可能に連結されている。連結ボルト62は、軸線が上下方向となる向きで枠体61と第1減衰機構2の第1外筒41および第2減衰機構3の第1外筒41とを連結している。このため、第1減衰機構2の第1外筒41および第2減衰機構3の第1外筒41は、枠体61の内側において上下方向に延びる軸線回りに回転(水平面に沿った回転)が可能となっている。
本実施形態では、上部構造体12と下部構造体13とが相対変位し、第1減衰機構2および第2減衰機構3がそれぞれ第1クレビス46および第2クレビス56の軸線回りに回動したとしても、連結枠6によって第1減衰機構2の第1外筒41および第2減衰機構3の第1外筒41とは平行な状態に維持される。
また、本実施形態では、連結枠6の枠体61に支持され、下部構造体13の上面を転動可能なベアリング63(外筒変位規制部)が設けられている。ベアリング63は、下部構造体13の上面に設けられたステンレス板131を転動するように構成されている。ベアリング63は、ステンレス板131上を転動することにより、下部構造体との摩擦が低減されている。
第1減衰機構2および第2減衰機構3の自重は、枠体61およびベアリング63を介して下部構造体13に伝達されている。
次に、上述した本実施形態による免制振装置1の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による免制振装置1では、第1回転式粘性ダンパー4と第2回転式粘性ダンパー5とは、第1ボールねじ45または第2ボールねじ55のいずれか一方が右ねじで、他方が左ねじであること以外は、全く同じ回転式粘性ダンパーである。そして、免制振装置1は、このような2台の第1回転式粘性ダンパー4と第2回転式粘性ダンパー5とを直列して一体化した装置である。
これにより、第1回転式粘性ダンパー4の第1内筒42と第2回転式粘性ダンパー5の第2内筒52とは、同じ回転量となり、第1回転式粘性ダンパー4の第1外筒41と第2回転式粘性ダンパー5の第2外筒51とは、同じ回転量となる。その結果、第1回転式粘性ダンパー4の第1外筒41に対する第1ボールねじ45の相対変位量と、第2回転式粘性ダンパー5の第2外筒51に対する第2ボールねじ55の相対変位量と、を同一にすることができ、免制振装置1の変位は第1回転式粘性ダンパー4の変位と第2回転式粘性ダンパー5の変位の和となる。
従って、本実施形態の免制振装置1のように、2台の回転式粘性ダンパーを直列して一体化することにより、安価かつ大ストロークで、高速度に対応した免制振装置を実現することができる。
免震層11の変位をu、速度をv、としたとき2台の回転式粘性ダンパー4,5の変位は、ともにu/2、v/2となる。すなわち、本実施形態によれば、免制振装置1のストロークおよび最大速度を回転式粘性ダンパー4,5の2倍にすることができる。
また、本実施形態による免制振装置1は、直列に連結された第1回転式粘性ダンパー4および第2回転式粘性ダンパー5における第1ボールねじ45が右ねじであり、第2ボールねじ55が左ねじである第1減衰機構2と、直列に連結された第1回転式粘性ダンパー4および第2回転式粘性ダンパー5における第1ボールねじ45が左ねじであり、第2ボールねじ55が右ねじである第2減衰機構3と、が並列に配置され、第1減衰機構2の第1外筒41および第2外筒51と、第2減衰機構3の第1外筒41および第2外筒51と、は、第1方向以外の相対変位が拘束されている。
このような構成とすることにより、上部構造体12および下部構造体13にそれぞれ右ねじのボールねじと左ねじのボールねじとが接続されるため、第1減衰機構2の内筒(第1内筒42および第2内筒52)と第2減衰機構3の内筒(第1内筒42および第2内筒52)とは、互いに逆方向に回転することになり、第1減衰機構2および第2減衰機構3の両端に生じるトルクが相殺されて合力はほぼ軸力だけとなる。なお、第1減衰機構2と第2減衰機構3とを並列させずに、いずれか1組だけ設けた場合は、ボールねじのリードをL、軸力をNとすると、トルクT=NL/2πがそれぞれ第1減衰機構2および第2減衰機構3の両端に作用する。
また、第1減衰機構2と第2減衰機構3とを並列させずに、いずれか1組だけ設けた場合は、装置中央部にある外筒(第1外筒41および第2外筒51)に両側の回転式粘性ダンパーのボールねじ機構(ボールねじおよびボールナット)それぞれからトルクTが作用し、トルク2Tに対して外筒が回転しないようにする必要がある。
これに対し、ボールねじが逆向きとなる2組の第1減衰機構2および第2減衰機構3を並列配置した場合は、2組の外筒に互いに逆向きのトルクが作用することから、双方の外筒を上下において枠体61と回転自在に接合(係留)すれば、枠体61に作用するトルクが相殺され外筒や枠体61が回転する虞がない。
また、本実施形態による免制振装置1は、第1減衰機構2および第2減衰機構3の自重が、枠体61およびベアリング63を介して下部構造体13に伝達するように構成されている。
これにより、第1減衰機構2および第2減衰機構3における第1外筒41と第2外筒51とを連結した長さが長い場合でも、第1外筒41および第2外筒51が自重で撓んだり、第1外筒41および第2外筒51に大きな曲げモーメントが作用したりすることを防止することができる。
以上、本発明による免制振装置1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、免制振装置1は、水平方向に相対変位する上部構造体12と下部構造体13との間の免震層11に設けられているが、上下方向や水平方向および上下方向に対して斜めとなる方向に相対変位する上部構造体12と下部構造体13との間に設けられて、上部構造体12と下部構造体13との相対変位を減衰させるように構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、免制振装置1の第1減衰機構2と第2減衰機構3とが並列に設けられているが、1つの減衰機構のみが構成されていてもよい。また、第1減衰機構2および第2減衰機構3が複数ずつで構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1減衰機構2および第2減衰機構3それぞれの第1外筒41および第2外筒51を囲む連結枠6が設けられ、連結枠6に下部構造体13の上面に沿って転動するベアリング63が設けられているが、転動するベアリング63に代わり低摩擦のすべり材を用いてもよく、このような連結枠6やベアリング63が設けられていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、第1回転式粘性ダンパー4は、第1クレビス46を介して上部構造体12と回動可能に連結され、第2回転式粘性ダンパー5は、第2クレビス56を介して下部構造体13と回動可能に連結されている。これに対し、第1回転式粘性ダンパー4は、第1クレビス46を介して上部構造体12に連結され、第2回転式粘性ダンパー5は、鉛直軸まわりに回転自在なトラニオンを介して下部構造体13に連結されていてもよい。
1 免制振装置
2 第1減衰機構
3 第2減衰機構
4 第1回転式粘性ダンパー
5 第2回転式粘性ダンパー
12 上部構造体(第1部材)
13 下部構造体(第2部材)
41 第1外筒
42 第1内筒
43 第1粘性体
44 第1ボールナット
45 第1ボールねじ
51 第2外筒
52 第2内筒
53 第2粘性体
54 第2ボールナット
55 第2ボールねじ
63 ベアリング

Claims (3)

  1. 第1方向に相対変位可能な第1部材と第2部材との間に設けられる免制振装置において、
    前記第1部材に連結される第1回転式粘性ダンパーと、
    前記第2部材に連結され前記第1回転式粘性ダンパーと減衰特性が等しい第2回転式粘性ダンパーと、が同軸に連結された減衰機構を有し、
    前記第1回転式粘性ダンパーは、軸線方向が前記第1方向となる向きに配置され、前記第1部材および前記第2部材と前記第1方向に相対移動可能な第1外筒と、
    前記第1外筒の内部に同軸に配置され、前記第1外筒の内部において軸線回りに回転可能な第1内筒と、
    前記第1外筒と前記第1内筒との間に封入された第1粘性体と、
    前記第1外筒の内部に同軸に配置されて前記第1内筒と連結され、前記第1外筒の内部において前記第1内筒とともに軸線回りに回転可能な第1ボールナットと、
    前記第1部材に連結されるとともに、前記第1外筒の内部に同軸に挿入されて前記第1ボールナットと螺合する第1ボールねじと、を有し、
    前記第2回転式粘性ダンパーは、軸線方向が前記第1方向となる向きに配置され、前記第1部材および前記第2部材と前記第1方向に相対移動可能な第2外筒と、
    前記第2外筒の内部に同軸に配置され、前記第2外筒の内部において軸線回りに回転可能な第2内筒と、
    前記第2外筒と前記第2内筒との間に封入された第2粘性体と、
    前記第2外筒の内部に同軸に配置されて前記第2内筒と連結され、前記第2外筒の内部において前記第2内筒とともに軸線回りに回転可能な第2ボールナットと、
    前記第2部材に連結されるとともに、前記第2外筒の内部に同軸に挿入されて前記第2ボールナットと螺合する第2ボールねじと、を有し、
    前記第1ボールねじおよび前記第2ボールねじは、いずれか一方が右ねじであり、他方が左ねじであり、
    前記第1外筒と前記第2外筒とが連結されるとともに、前記第1内筒と前記第2内筒とが連結され、互いに連結された前記第1内筒および前記第2内筒を介して前記第1ボールナットと前記第2ボールナットとが連結されていることを特徴とする免制振装置。
  2. 前記第1外筒および前記第2外筒の前記第1部材および前記第2部材との前記第1方向以外の相対変位を規制する外筒変位規制部を有することを特徴とする請求項1に記載の免制振装置。
  3. 2つの前記減衰機構が並列に設けられ、
    2つの前記減衰機構のうちの一方の第1減衰機構は、前記第1ボールねじが右ねじであり、前記第2ボールねじが左ねじであり、
    2つの前記減衰機構のうちの他方の第2減衰機構は、前記第1ボールねじが左ねじであり、前記第2ボールねじが右ねじであり、
    前記第1減衰機構の前記第1外筒および前記第2外筒と、前記第2減衰機構の前記第1外筒および前記第2外筒と、は、軸方向の相対変位が拘束されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の免制振装置。
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