JP2017036982A - マスダンパの試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータの加振振動数が比較的低く、かつ支持部材の剛性が比較的高いような場合でも、マスダンパの性能パラメータを適切に算出することができるマスダンパの試験装置を提供する。【解決手段】試験装置1は、剛性を有し、マスダンパ21の一端部に連結された支持部材5と、マスダンパ21の他端部に連結され、マスダンパ21に所定の加振振動数の加振力を入力するアクチュエータ6と、剛性を有し、支持部材5とマスダンパ21の一端部との間、及び、マスダンパ21の他端部とアクチュエータ6との間の少なくとも一方に直列に設けられ、支持部材5及びマスダンパ21の回転マス24を含む振動系の固有振動数を調整するための調整部材9L、9Rと、を備える。アクチュエータ6からマスダンパ21への加振力の入力中に検出されたマスダンパ21の抵抗力に応じて、マスダンパ21の性能を表す性能パラメータが算出される。【選択図】図1

Description

本発明は、剛性を有する伝達部材とともに付加振動系を構成し、回転マスを有するとともに、構造物の振動を抑制するためのマスダンパの性能を試験するマスダンパの試験装置に関する。
従来、この種のマスダンパの試験装置として、例えば非特許文献1に開示されたものが知られている。この従来の試験装置は、鋼材で構成された上下左右のフレームを井桁状に組み合わせた試験フレームと、試験フレーム内に設けられたアクチュエータと、ロードセルを備えている。マスダンパは、筒部と、筒部に対して軸線方向に移動可能なねじ軸と、筒部に対するねじ軸の移動に伴って回転する回転マスを有している。マスダンパの筒部は、連結部材を介して右フレームに取り付けられ、ねじ軸は、ロードセルを介してアクチュエータに取り付けられており、マスダンパの抵抗力が、ロードセルによって検出される。また、アクチュエータは、左フレームに取り付けられている。
以上の構成の試験装置では、アクチュエータからの所定の加振振動数の加振力がねじ軸に入力されるとともに、当該加振力の入力中に検出されたマスダンパの抵抗力に応じて、回転マスの回転慣性質量などのマスダンパの性能を表す性能パラメータが算出される。また、算出された性能パラメータに基づいて、マスダンパの性能が評価される。
木田英範、他4名、"実大加振実験に基づく同調粘性マスダンパーの解析モデルに関する検証"、構造工学論文集、Vol.56B、2010年3月、日本建築学会、第143頁の図19など
上述したように、従来の試験装置では、マスダンパの筒部が、右フレームに連結部材を介して取り付けられており、ねじ軸が、ロードセルを介してアクチュエータに取り付けられている。このため、右フレーム及び連結部材の全体の剛性が比較的高いことにより、右フレーム及び連結部材の全体の剛性とマスダンパの回転慣性質量とによって定まる振動系の固有振動数が、アクチュエータの加振振動数よりもかなり高いときには、検出されるマスダンパの抵抗力に含まれる振動数成分のうち、振動系の固有振動数に相当する成分が大きくなる。これにより、後述する図8に示すように、検出されたマスダンパの抵抗力に不規則なうねりが表れる結果、抵抗力に基づいて性能パラメータを適切に算出できず、ひいては、マスダンパの性能を適切に評価することができなくなってしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、アクチュエータの加振振動数が比較的低く、かつ支持部材の剛性が比較的高いような場合でも、マスダンパの性能パラメータを適切に算出することができるマスダンパの試験装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、剛性を有する伝達部材とともに付加振動系を構成し、回転マスを有するとともに、構造物の振動を抑制するためのマスダンパの性能を試験するマスダンパの試験装置であって、剛性を有し、マスダンパの軸線方向の一端部に連結された支持部材と、マスダンパの軸線方向の他端部に連結され、マスダンパに所定の加振振動数の加振力を入力するアクチュエータと、剛性を有し、支持部材とマスダンパの一端部との間、及び、マスダンパの他端部とアクチュエータとの間の少なくとも一方に直列に設けられ、支持部材及び回転マスを含む振動系の固有振動数を、加振振動数に近づけるように調整するための調整部材と、マスダンパの抵抗力であるダンパ抵抗力を検出するダンパ抵抗力検出手段と、アクチュエータからの加振力がマスダンパに入力されているときに検出されたダンパ抵抗力に応じて、マスダンパの性能を表す性能パラメータを算出する性能パラメータ算出手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、支持部材が、回転マスを有するマスダンパの軸線方向の一端部に連結され、アクチュエータが、マスダンパの軸線方向の他端部に連結されており、アクチュエータからの所定の加振振動数の加振力が、マスダンパに入力される。また、マスダンパの抵抗力であるダンパ抵抗力が検出される。さらに、アクチュエータからの加振力がマスダンパに入力されているときに検出されたダンパ抵抗力に応じて、マスダンパの性能を表す性能パラメータが、性能パラメータ算出手段によって算出される。
前述した構成によれば、従来の試験装置と異なり、支持部材とマスダンパの一端部との間、及び、マスダンパの他端部とアクチュエータとの間の少なくとも一方には、支持部材及び回転マスを含む振動系の固有振動数を加振振動数に近づけるように調整するための調整部材が、直列に設けられている。このため、アクチュエータの加振振動数が比較的低く、かつ支持部材の剛性が比較的高いような場合でも、上記の振動系の固有振動数を、アクチュエータの加振振動数に近づけるように調整することができる。これにより、検出されたダンパ抵抗力に含まれる振動数成分のうち、加振振動数に相当する成分を大きくすることができるので、前述したようなうねりを抑制でき、ひいては、ダンパ抵抗力に応じた性能パラメータの算出を適切に行うことができる。
また、この種のマスダンパの試験装置では、支持部材は一般的に設けられるものであるのに対し、そのような既存の支持部材をそのまま用いるとともに、調整部材を上述したように部分的に設けるだけで、上述した効果を容易に得ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のマスダンパの試験装置において、軸線方向に貫通する第1挿入孔を有し、マスダンパの他端部及びアクチュエータの一方に連結された第1連結部材と、軸線方向に貫通する第2挿入孔を有し、軸線方向において第1連結部材と対向する第2連結部材と、をさらに備え、調整部材は、第1連結部材の軸線方向の両側にそれぞれ配置された一対の皿ばねユニットを有し、一対の皿ばねユニットの各々は、軸線方向に積層された複数の皿ばねで構成されており、第1及び第2挿入孔ならびに一対の皿ばねユニットに挿入されるとともに、第2連結部材を、一対の皿ばねユニットを介して第1連結部材に係止する係止部材をさらに備え、マスダンパの他端部及びアクチュエータの他方は、第2連結部材に連結されるとともに、第2連結部材、皿ばねユニット及び第1連結部材を介して、マスダンパの他端部及びアクチュエータの一方に連結されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1連結部材が、マスダンパの軸線方向に貫通する第1挿入孔を有しており、マスダンパの他端部及びアクチュエータの一方に連結されている。また、第2連結部材が、軸線方向に貫通する第2挿入孔を有しており、軸線方向において第1連結部材と対向している。請求項1に係る発明の説明で述べた調整部材は、第1連結部材の軸線方向の両側にそれぞれ配置された一対の皿ばねユニットを有しており、各皿ばねユニットは、軸線方向に積層された複数の皿ばねで構成されている。さらに、第1及び第2挿入孔ならびに一対の皿ばねユニットには、係止部材が挿入されており、この係止部材によって、第2連結部材が、一対の皿ばねユニットを介して第1連結部材に係止されている。また、第2連結部材には、マスダンパの他端部及びアクチュエータの他方が連結されており、当該他方は、第2連結部材、皿ばねユニット及び第1連結部材を介して、マスダンパの他端部及びアクチュエータの前記一方に連結されている。
アクチュエータからの加振力の入力によって、アクチュエータが連結された第1及び第2連結部材の一方(以下「一方の連結部材」という)が他方(以下「他方の連結部材」という)側に移動するときには、アクチュエータからの加振力は、一方の連結部材から、第1及び第2連結部材の間に配置された皿ばねユニット及び他方の連結部材を介して、マスダンパに伝達される。一方、アクチュエータからの加振力の入力により一方の連結部材が他方の連結部材と反対側に移動するときには、アクチュエータからの加振力は、一方の連結部材から、一方の連結部材と反対側に配置された皿ばねユニット及び他方の連結部材を介して、マスダンパに伝達される。以上により、アクチュエータによる加振力を、一方の連結部材、一対の皿ばねユニット及び他方の連結部材を介して、マスダンパに適切に伝達することができる。また、調整部材を複数の皿ばねで構成しているので、皿ばねの数や積層の仕方を設定するだけで、振動系の固有振動数を容易かつ適切に調整することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のマスダンパの試験装置において、第1及び第2連結部材を軸線方向に移動可能に、かつ回転不能に支持するガイド機構をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、ガイド機構によって、第1及び第2連結部材が軸線方向に移動可能に、かつ回転不能に支持されているので、アクチュエータによる加振力をマスダンパに適切に伝達しながら、マスダンパの回転マスの反力トルクにより第1及び第2連結部材などが回転するのを防止でき、ひいては、ダンパ抵抗力に応じた性能パラメータの算出を、より適切に行うことができる。
本発明の第1実施形態による試験装置を、これが適用されたマスダンパとともに概略的に示す図である。 試験装置の第1連結部材、第2連結部材及び一対の皿ばねユニットなどを拡大して示す図である。 試験装置の制御装置などを示すブロック図である。 (a)〜(i)試験装置の皿ばねの数と積層の仕方のバリエーションの一例を示す図である。 図4(a)〜(i)に示すバリエーションの各々における皿ばねのたわみと荷重の関係を示す図である。 マスダンパの断面図である。 第1実施形態におけるマスダンパのダンパ変位とダンパ抵抗力との関係を示す図である。 比較例におけるマスダンパのダンパ変位とダンパ抵抗力との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態による試験装置を、これを適用したマスダンパとともに概略的に示す図である。 本発明の第3実施形態による試験装置を、これを適用したマスダンパとともに概略的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1は、第1実施形態による試験装置1を、これが適用されたマスダンパ21とともに概略的に示している。このマスダンパ21は、剛性を有する伝達部材(図示せず)とともに付加振動系を構成し、建物などの構造物の振動を抑制するためのものであり、本出願人による特許第5314201号の図3などに記載されたマスダンパと同様に構成されている。まず、このマスダンパ21の構成及び動作について、簡単に説明する。
図1及び図6に示すように、マスダンパ21は、内筒22、ボールねじ23、回転マス24、及び制限機構25を有している。内筒22は、円筒状の鋼材で構成されている。内筒22の一端部は開口しており、他端部は、自在継ぎ手を介して第1フランジ26に取り付けられている。
また、ボールねじ23は、ねじ軸23aと、ねじ軸23aに多数のボール23bを介して回転可能に螺合するナット23cを有している。ねじ軸23aの一端部は、上述した内筒22の開口に収容されており、ねじ軸23aの他端部は、自在継ぎ手を介して第2フランジ27に取り付けられている。また、ナット23cは、軸受け28を介して、内筒22に回転可能に支持されている。なお、図1では便宜上、ねじ軸23aの符号を省略している。なお、ねじ軸23aは、後述するアクチュエータ6からの加振力が入力されていないときには、図6に示す所定の中立位置にある。
回転マス24は、比重の大きな材料、例えば鉄で構成され、円筒状に形成されている。また、回転マス24は、内筒22及びボールねじ23を覆っており、軸受け29を介して、内筒22に回転可能に支持されている。回転マス24と内筒22の間には、一対のリング状のシール30、30が設けられている。これらのシール30、30、回転マス24及び内筒22によって形成された空間には、シリコンオイルで構成された粘性体31が充填されている。
以上のように構成されたマスダンパ21では、内筒22及びねじ軸23aの間に相対変位が発生すると、この相対変位がボールねじ23で回転運動に変換された状態で、制限機構25を介して回転マス24に伝達されることによって、回転マス24が回転する。
制限機構25は、リング状の回転滑り材25aと、複数のねじ25b及びばね25c(2つのみ図示)で構成されている。マスダンパ21の軸線方向に作用する荷重(以下「軸荷重」という)が、ねじ25bの締付度合に応じて定まる制限荷重に達するまでは、回転マス24は、ナット23cと一体に回転する。一方、マスダンパ21の軸荷重が制限荷重に達すると、回転滑り材25aとナット23c又は回転マス24との間に滑りが発生する。
次に、図1〜図3を参照しながら、試験装置1について説明する。以下の説明では、便宜上、図1の上側及び下側をそれぞれ「上」及び「下」とし、左側及び右側をそれぞれ「左」及び「右」、手前側及び奥側をそれぞれ「前」及び「後」とする。図1に示すように、試験装置1は、井桁状に一体に設けられた上下左右のフレーム2、3、4、5と、マスダンパ21に所定の加振振動数の加振力を入力するためのアクチュエータ6と、アクチュエータ6をマスダンパ21に連結するための第1連結部材7、第2連結部材8及び左右の皿ばねユニット9L、9Rと、第1及び第2連結部材7、8を、下フレーム3上に左右方向に移動可能に支持するガイド機構10を備えている。第1及び第2連結部材7、8、左右の皿ばねユニット9L、9R、ガイド機構10、ならびにマスダンパ21は、上下左右のフレーム2〜5で区画された空間に配置されている。
アクチュエータ6は、例えばソレノイドで構成されており、左フレーム4に取り付けられた本体部6aと、後述するロードセル13を介して第2連結部材8に連結されたプランジャ6bを有している。アクチュエータ6は、後述する制御装置15(図3参照)で制御され、それにより、プランジャ6bから加振力が出力される。
上記の各フレーム2〜5、第1及び第2連結部材7、8は、鋼材で構成されている。右フレーム5には、鋼材で構成された連結部材16を介して、前述したマスダンパ21の第1フランジ26が連結されており、マスダンパ21の軸線は、左右方向に延びている。なお、連結部材16を省略して、第1フランジ26を右フレーム5に直接、連結してもよい。また、第1連結部材7は、下フレーム3の左右方向の中央部に配置され、第2連結部材8は、下フレーム3の左部に配置されており、両者7、8は、左右方向において互いに対向している。さらに、第1及び第2連結部材7、8には、左右の皿ばねユニット9L、9Rを取り付けるための第1挿入孔7a及び第2挿入孔8aがそれぞれ形成されている。各挿入孔7a、8aは、上下一対及び前後一対を1組とする計4つの挿入孔(各2つのみ図示)から成り、左右方向に貫通している。また、第1連結部材7の右面、すなわち第2連結部材8と反対側の面には、マスダンパ21の第2フランジ27が取り付けられている。
左右の皿ばねユニット9L、9Rは、マスダンパ21の性能を適切に評価するために、右フレーム5やマスダンパ21の回転マス24などから成る振動系の固有振動数を調整するためのものである。図1及び図2に示すように、左右の皿ばねユニット9L、9Rの各々は、上下一対及び前後一対を1組とする計4つの皿ばねユニットから成り(各2つのみ図示)、第1連結部材7の左側及び右側にそれぞれ配置されていて、左右方向に直列及び/又は並列に積層された複数の皿ばね9aで構成されている。皿ばね9aの数及び積層の仕方の設定の詳細については、後述する。なお、図1及び図2では便宜上、左右の皿ばねユニット9L、9Rの各々の皿ばね9aの符号を、1つのみ付している。
また、第2連結部材8の第2挿入孔8aの各々には、ボルト11が左方から挿入されており、ボルト11はさらに、左右方向に貫通する左皿ばねユニット9Lの中央の孔、第1連結部材7の第1挿入孔7a、及び、左右方向に貫通する右皿ばねユニット9Rの中央の孔に挿入されていて、ボルト11の右端部には、ダブルナット12が締め付けられている。これらのボルト11及びダブルナット12により、第2連結部材8は、左右の皿ばねユニット9L、9Rを介して第1連結部材7に係止されている。この場合、ボルト11へのダブルナット12の締め付けは、圧縮力が左右の皿ばねユニット9L、9Rに付与されないように行われる。なお、ボルト11を、第2挿入孔8aにねじ込むことで第2連結部材8に固定するように構成してもよい。
前記ガイド機構10は、下フレーム3の上面の左右方向の中央部に取り付けられ、左右方向に延びるレール10aと、レール10aに、複数のボール(図示せず)を介して係合する第1スライド部材10b及び第2スライド部材10cを有している。第1及び第2スライド部材10b、10cは、レール10aに対して左右方向にのみ移動可能であり、回転不能である。第1及び第2スライド部材10b、10cの上面には、第1及び第2連結部材7、8がそれぞれ取り付けられている。
試験装置1はさらに、第2連結部材8に連結されたロードセル13と、第1連結部材7の近傍に設けられた変位センサ14(図1及び図2には図示せず。図3参照)と、前記制御装置15を備えている。ロードセル13は、例えばひずみゲージ式のものであり、第2連結部材8に作用する荷重を、マスダンパ21の抵抗力(以下「ダンパ抵抗力」という)PMDとして検出し、その検出信号を制御装置15に出力する。なお、ロードセル13として、静電容量式のものや他の適当なタイプのものを用いてもよい。
変位センサ14は、例えばレーザー式のものであり、マスダンパ21の内筒22に対するねじ軸23の変位(以下「ダンパ変位」という)DMDを検出し、その検出信号を制御装置15に出力する。なお、変位センサ14として、接触式のものや他の適当なタイプのものを用いてもよい。制御装置15は、アクチュエータ6を駆動するための電源や、整流器、CPU、RAM、ROM、I/Oインターフェースなどの組み合わせで構成されている。
以上の構成の試験装置1では、アクチュエータ6から互いに異なる所定の複数の加振振動数の加振力(例えば正弦波の変位制御)が出力されるとともに、この加振力が、第1及び第2連結部材7、8ならびに左右の皿ばねユニット9L、9Rを介して、マスダンパ21に入力される。この場合、アクチュエータ6からの加振力の入力により第2連結部材8が第1連結部材7側に移動するときには、アクチュエータ6からの加振力は、第2連結部材8から、左皿ばねユニット9L及び第1連結部材7を介して、マスダンパ21に伝達される。一方、アクチュエータ6からの加振力の入力により第2連結部材8が第1連結部材7と反対側に移動するときには、アクチュエータ6からの加振力は、第2連結部材8から、右皿ばねユニット9R及び第1連結部材7を介して、マスダンパ21に伝達される。また、制御装置15により、当該加振力の入力中に検出されたダンパ抵抗力PMD及びダンパ変位DMDに応じて、マスダンパ21の最大速度抵抗力Qv、減衰係数Ceq(等価粘性減衰係数)及び(回転マス24の)回転慣性質量miが算出されるとともに、算出された最大速度抵抗力Qv、減衰係数Ceq及び回転慣性質量miに基づいて、マスダンパ21の性能が評価される。この最大速度抵抗力Qvは、内筒22に対するねじ軸23aの速度が最大であるときのダンパ抵抗力PMDである。
この場合、上記の各種のパラメータを精度良く算出するために、右フレーム5、第1及び第2連結部材7、8、左右の皿ばねユニット9L、9R、連結部材16ならびにマスダンパ21の回転マス24から成る振動系の固有振動数が、アクチュエータ6の加振振動数とほぼ同じになるように、各皿ばねユニット9L、9Rの皿ばね9aの数及び積層の仕方(直列/並列)が設定される。ここで、右フレーム5、第1及び第2連結部材7、8、左右の皿ばねユニット9L、9R、ならびに連結部材16の全体の剛性(以下「支持部材全体剛性」という)をKとすると、振動系の固有振動数Fは、次式(1)で表される。この場合、回転慣性質量miとして、マスダンパ21の仕様書に記載された設計値が用いられる。
F=sqrt{K/mi}/2π ……(1)
また、上記の支持部材全体剛性Kは、右フレーム5の剛性をkf、第1及び第2連結部材7、8の剛性を含む皿ばねユニット9L(右皿ばねユニット9R)の剛性をku、連結部材16の剛性をkeとすると、次式(2)で表される。
K=(kf・ku・ke)
/(ku・ke+kf・ke+kf・ku) ……(2)
図4(a)〜(i)は、皿ばね9aの数と積層の仕方(直列/並列)のバリエーションの一例を示しており、図5は、各バリエーションにおける皿ばね9aのたわみ(mm)と荷重(kN)の関係(以下「たわみ−荷重関係」という)を示している。なお、図4(a)〜(i)では便宜上、皿ばね9aの符号を1つのみ付している。また、図5において、Raは、皿ばね9aが1つであるとき(図4(a))のたわみ−荷重関係を表し、Rbは、2つの皿ばね9aを直列に積層したとき(図4(b))のたわみ−荷重関係を、Rcは、3つの皿ばね9aを直列に積層したとき(図4(c))のたわみ−荷重関係を、それぞれ表している。
さらに、図5において、Rdは、2つの皿ばね9aを並列に積層したとき(図4(d))のたわみ−荷重関係を表し、Reは、並列に積層した2つの皿ばね9aを1組として直列に2組、積層したとき(図4(e))のたわみ−荷重関係を表し、Rfは、並列に積層した2つの皿ばね9aを1組として直列に3組、積層したとき(図4(f))のたわみ−荷重関係を表している。また、図5において、Rgは、3つの皿ばね9aを並列に積層したとき(図4(g))のたわみ−荷重関係を表し、Rhは、並列に積層した3つの皿ばね9aを1組として直列に2組、積層したとき(図4(h))のたわみ−荷重関係を表しており、Riは、並列に積層した3つの皿ばね9aを1組として直列に3組、積層したとき(図4(i))のたわみ−荷重関係を表している。
皿ばね9a単体の剛性をksとすると、皿ばね9aを並列にn個、積層したときには、左皿ばねユニット9L(右皿ばねユニット9R)の剛性kuは、n・ksとなる。また、皿ばね9aを直列にn個、積層したときには、左皿ばねユニット9L(右皿ばねユニット9R)の剛性kuは、ks/(n+1)となる。皿ばね9aの数と積層の仕方(直列/並列)を、図4に示すような各種のバリエーションを適宜、用いて設定することにより、振動系の固有振動数が、アクチュエータ6の加振振動数とほぼ同じになるように調整される。
また、前述した制御装置15によるマスダンパ21の最大速度抵抗力Qv、減衰係数Ceq及び回転慣性質量miの算出と、マスダンパ21の性能の評価は、次のようにして行われる。
[最大速度抵抗力Qvの算出]
アクチュエータ6からの定常加振力(例えば正弦波の変位制御)の入力中、ダンパ抵抗力PMD及びダンパ変位DMDに応じ、ねじ軸23aが前記中立位置(図6参照)にあるときに、すなわち、内筒22に対するねじ軸23aの速度が最大であるときに検出されたダンパ抵抗力PMDを、最大速度抵抗力Qvとしてサンプリングする。この場合、ねじ軸23aが、アクチュエータ6からの加振力により左右方向に往復動することから明らかなように、最大速度抵抗力Qvとして、正値の最大速度抵抗力+Qvと、負値の最大速度抵抗力−Qvが得られる。このため、これらの+Qv及び−Qvの各々の絶対値の平均値を、マスダンパ21の最大速度抵抗力Qvとして算出する。
[減衰係数Ceqの算出]
まず、アクチュエータ6からの定常加振力(例えば正弦波の変位制御)の入力中、ダンパ抵抗力PMD及びダンパ変位DMDを、所定時間(例えば1msec)ごとに、互いに関連づけてサンプリングするとともに、当該サンプリングを、ねじ軸23aが定常応答の1サイクル分、往復動するまで、すなわち、中立位置に位置していたねじ軸23aが、左右に往復動して中立位置に再度、戻るまで行う。次いで、サンプリングした複数のダンパ抵抗力PMD及びダンパ変位DMDを用いて、次式(3)によって、履歴面積ΔWを算出する。ここで、iは、サンプリングされたダンパ抵抗力PMD及びダンパ変位DMDのサンプリング番号であり、nは、サンプリングされたダンパ抵抗力PMD及びダンパ変位DMDの個数である。
Figure 2017036982
次に、サンプリングされた複数のダンパ変位DMDのうちの最大のものを最大変位DMDMAXとして設定するとともに、算出された履歴面積ΔW、最大変位DMDMAX及びアクチュエータ6の加振振動数ωを用い、次式(4)によって、マスダンパ21の減衰係数Ceqを算出する。
Ceq=ΔW/(π・ω・DMDMAX2) ……(4)
[回転慣性質量miの算出]
まず、減衰係数Ceqの算出の場合と同様、アクチュエータ6からの定常加振力(例えば正弦波の変位制御)の入力中、ダンパ抵抗力PMD及びダンパ変位DMDを、所定時間ごとに、互いに関連づけてサンプリングするとともに、当該サンプリングを、ねじ軸23aが定常応答の1サイクル分、往復動するまで行う。次いで、サンプリングされた複数のダンパ抵抗力PMDのうち、ダンパ変位DMDが最大になったとき(マスダンパ21が最も伸びたとき)、又は最小になったとき(マスダンパ21が最も縮んだとき)にサンプリングされたPMDを、最大慣性力Qmaxとして設定する。
次に、サンプリングされた複数のダンパ変位DMDを2回微分することによって、そのときどきにおける内筒22に対するねじ軸23aの加速度を算出するとともに、算出された複数の加速度のうちの最も大きいものを、最大加速度δmax(≒ω2・DMDMAX)として設定する。次いで、最大加速度δmax時の設定された最大慣性力Qmaxを、設定された最大加速度δmaxで除算することによって、マスダンパ21の回転慣性質量miを算出する。
[マスダンパ21の性能の評価]
以上のようにして算出された最大速度抵抗力Qvが所定の基準抵抗力よりも小さいという条件、減衰係数Ceqが所定の基準減衰係数よりも小さいという条件、及び、回転慣性質量miが所定の基準質量よりも小さいという条件の少なくとも1つが成立しているときには、マスダンパ21の性能が低いと評価される。以下、これらの最大速度抵抗力Qv、減衰係数Ceq及び回転慣性質量miを総称して適宜、「性能パラメータ」という。
また、図7は、第1実施形態におけるダンパ変位DMDとダンパ抵抗力PMDとの関係を示しており、図8は、比較例におけるダンパ変位DMDCとダンパ抵抗力PMDCとの関係を示している。この比較例は、前述した従来の試験装置のように、アクチュエータ6を、皿ばねユニット9L、9Rを介さずに、マスダンパ21に直接、連結した場合の例である。
図7に示すように、第1実施形態によれば、検出されたダンパ抵抗力PMDに、不規則なうねりが表れておらず、このことから、PMDに含まれる振動数成分のうち、アクチュエータ6の加振振動数ωに相当する成分が大きくなっていることが分かる。これに対して、図8に示すように、比較例では、検出されたダンパ抵抗力PMDCに、不規則なうねりが表れており、このことから、PMDCに含まれる振動数成分のうち、アクチュエータ6の加振振動数ωに相当する成分以外の右フレーム5や回転マス24などから成る振動系の固有振動数に相当する成分が大きくなり、この成分がうねりとして表れていることが分かる。
以上のように、第1実施形態によれば、右フレーム5が、マスダンパ21の第1フランジ26に連結され、アクチュエータ6が、マスダンパ21の第2フランジ27に連結されており、アクチュエータ6からの所定の加振振動数の加振力が、マスダンパ21に入力される。また、マスダンパ21の抵抗力であるダンパ抵抗力PMDが、ロードセル13によって検出される。さらに、アクチュエータ6からの所定の加振振動数ωの加振力がマスダンパ21に入力されているときに検出されたダンパ抵抗力PMDに基づいて、マスダンパ21の性能を表す性能パラメータ(最大速度抵抗力Qv、減衰係数Ceq、回転慣性質量mi)が算出される。
また、前述した従来の試験装置と異なり、マスダンパ21の第2フランジ27とアクチュエータ6との間には、右フレーム5及び回転マス24を含む振動系の固有振動数を調整するための左右の皿ばねユニット9L、9Rが、直列に設けられており、各皿ばねユニット9L、9Rは、左右方向(マスダンパ21の軸線方向)に積層された複数の皿ばね9aで構成されている。さらに、複数の皿ばね9aの数や積層の仕方を設定することによって、上記の振動系の固有振動数が、アクチュエータ6の加振振動数ωとほぼ同じになるように調整される。これにより、加振振動数ωが比較的低く、かつ右フレーム5の剛性が比較的高いような場合でも、検出されたダンパ抵抗力PMDに含まれる振動数成分のうち、加振振動数ωに相当する成分を大きくすることができるので、前述したようなうねりを抑制でき、ひいては、ダンパ抵抗力PMDに応じた性能パラメータの算出を適切に行うことができる。
また、この種のマスダンパの試験装置では、右フレーム5は一般的に設けられるものであるのに対し、そのような既存の右フレーム5をそのまま用いるとともに、皿ばねユニット9L、9Rを上述したように部分的に設けるだけで、上述した効果を容易に得ることができる。さらに、この場合、皿ばね9aの数や積層の仕方を設定するだけで、振動系の固有振動数を容易かつ適切に調整することができる。
また、第1連結部材7が、第2フランジ27に連結されており、この第1連結部材7は、左右方向(マスダンパ21の軸線方向)に貫通する第1挿入孔7aを有している。また、第2連結部材8が、左右方向に貫通する第2挿入孔8aを有し、左右方向において第1連結部材7と対向している。第1連結部材7の左側及び右側には、左右の皿ばねユニット9L、9Rがそれぞれ配置されており、第1及び第2挿入孔7a、8aならびに一対の皿ばねユニット9L、9Rに挿入されたボルト11に、ダブルナット12を締め付けることによって、第2連結部材8が、皿ばねユニット9L、9Rを介して、第1連結部材7に係止されている。また、第2連結部材8には、アクチュエータ6が連結されており、アクチュエータ6は、第2連結部材8、皿ばねユニット9L、9R及び第1連結部材7を介して、マスダンパ21の第2フランジ27に連結されている。
アクチュエータ6からの加振力の入力により第2連結部材8が第1連結部材7側に移動するときには、アクチュエータ6からの加振力は、第2連結部材8から、左皿ばねユニット9L及び第1連結部材7を介して、マスダンパ21に伝達される。一方、アクチュエータ6からの加振力の入力により第2連結部材8が第1連結部材7と反対側に移動するときには、アクチュエータ6からの加振力は、第2連結部材8から、右皿ばねユニット9R及び第1連結部材7を介して、マスダンパ21に伝達される。以上により、アクチュエータ6による加振力を、第2連結部材8、一対の皿ばねユニット9L、9R及び第1連結部材7を介して、マスダンパ21に適切に伝達することができる。
さらに、ガイド機構10によって、第1及び第2連結部材7、8が左右方向に移動可能に、かつ回転不能に支持されているので、アクチュエータ6による加振力をマスダンパ21に適切に伝達しながら、回転マス24の反力トルクにより第1及び第2連結部材7、8などが回転するのを防止でき、ひいては、ダンパ抵抗力PMDに基づく性能パラメータの算出を、より適切に行うことができる。
なお、第1実施形態では、左右の皿ばねユニット9L、9Rに、圧縮力があらかじめ付与されていないが、ボルト11にダブルナット12を強く締め付けることによって付与してもよく、このことは、後述する他の実施形態についても同様に当てはまる。皿ばねユニット9L、9Rに圧縮力を付与した場合には、ダンパ抵抗力PMDがこの圧縮力に達するまでは、左右の皿ばねユニット9L、9Rの双方の剛性が発揮され、圧縮力に達した後に、左右の皿ばねユニット9L、9Rの一方の剛性が発揮される。すなわち、この場合には、皿ばねユニット9L、9Rがバイリニアな剛性特性を有するので、この点を考慮して、皿ばね9aの数や積層の仕方を設定するのが好ましい。
また、図9は、本発明の第2実施形態による試験装置41を概略的に示している。この試験装置41は、第1実施形態による試験装置1と比較して、本発明における振動系の固有振動数を調整するための調整部材として、左右の皿ばねユニット9L、9Rに加え、長さ調整用の左右の鋼管(スペーサ)42L、42Rをさらに備える点のみが異なっている。
図9に示すように、左鋼管42Lは、ボルト11における第2連結部材8と左皿ばねユニット9Lとの間に設けられるとともに、挿入されており、右鋼管42Rは、ボルト11における右皿ばねユニット9Rとダブルナット12の間に設けられるとともに、挿入されている。なお、左鋼管42Lと左皿ばねユニット9Lとの位置関係、及び、右鋼管42Rと右皿ばねユニット9Rとの位置関係は、上記と逆の位置関係でもよく、任意である。第2実施形態では、右フレーム5、第1及び第2連結部材7、8、皿ばねユニット9L、9R、鋼管42L、42R、連結部材16ならびにマスダンパ21の回転マス24から成る振動系の固有振動数が、アクチュエータ6の加振振動数とほぼ同じになるように、各皿ばねユニット9L、9Rの皿ばね9aの数及び積層の仕方(直列/並列)が設定される。
以上の構成により、第2実施形態によれば、第1実施形態による効果を同様に得ることができる。
なお、第2実施形態では、鋼管42L、42Rの数は、1つであるが、2つ以上でもよい。また、第2実施形態では、鋼管42L、42Rを、第1連結部材7の左右の両側に設けているが、第1連結部材7の左右の一方の側にのみ設けてもよい。さらに、第2実施形態では、本発明における調整部材として、皿ばねユニット9L、9R及び鋼管42L、42Rを併用しているが、鋼管42L、42Rのみを用いてもよい。その場合には、鋼管42L、42Rの剛性及び/又は数を設定することによって、前述したような振動系の固有振動数の調整が行われる。
また、図10は、本発明の第3実施形態による試験装置51を概略的に示している。この試験装置51は、第1実施形態による試験装置1と比較して、本発明における調整部材として、左右の皿ばねユニット9L、9Rに加え、ゴムユニット52をさらに備える点のみが異なっている。
図10に示すように、マスダンパ21の第1フランジ26は、ゴムユニット52を介して、連結部材16に連結されている。第3実施形態では、右フレーム5、第1及び第2連結部材7、8、皿ばねユニット9L、9R、連結部材16、ゴムユニット52ならびにマスダンパ21の回転マス24から成る振動系の固有振動数が、アクチュエータ6の加振振動数とほぼ同じになるように、各皿ばねユニット9L、9Rの皿ばね9aの数及び積層の仕方(直列/並列)が設定される。
以上の構成により、第3実施形態によれば、第1実施形態による効果を同様に得ることができる。
なお、第3実施形態では、ゴムユニット52の数は、1つであるが、2つ以上でもよい。さらに、第3実施形態では、本発明における調整部材として、皿ばねユニット9L、9R及びゴムユニット52を併用しているが、第2実施形態の鋼管42L、42Rをさらに併用したり、皿ばねユニット9L、9Rに代えて鋼管42L、42Rを用いたり、皿ばねユニット9L、9Rを省略し、ゴムユニット52のみを用いてもよいことは、もちろんである。後者の場合には、ゴムユニット52の剛性及び/又は数を設定することによって、前述したような振動系の固有振動数の調整が行われる。また、上記のいずれの場合にも、ゴムユニット52を、アクチュエータ6とマスダンパ21の間に設けてもよい。
なお、本発明は、説明した第1〜第3実施形態(以下、総称して「実施形態」という)に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、本発明における調整部材として、皿ばねユニット9L、9Rや、鋼管42L、42R、ゴムユニット52を用いているが、これらに代えて又はこれらとともに、剛性を有する他の適当な部材、例えばコイルばねなどを用いてもよい。また、実施形態では、第1フランジ26を右フレーム5に、第2フランジ27をアクチュエータ6に、それぞれ連結しているが、これとは逆に、第1フランジ26をアクチュエータ6に、第2フランジ27を右フレーム5に、それぞれ連結してもよい。さらに、実施形態では、第1連結部材7をマスダンパ21に、第2連結部材8をアクチュエータ6に、それぞれ連結しているが、これとは逆に、第1連結部材7をアクチュエータ6に、第2連結部材8をマスダンパ21に、それぞれ連結してもよい。
また、実施形態では、第1連結部材7を第2フランジ27と別個に設けているが、第1連結部材7を省略し、第2フランジ27を第1連結部材として兼用してもよい。同様に、実施形態では、第2連結部材8をアクチュエータ6と別個に設けているが、第2連結部材8を省略し、アクチュエータ6のプランジャ6bの端部を、第2連結部材として兼用してもよい。その場合には、ロードセル13は、第1連結部材7と第2フランジ27の間、又は、第1フランジ26と右フレーム5の間に設けられる。なお、プランジャ6bの端部を第2連結部材として兼用しない場合にも、ロードセル13を上述したように設けてもよいことは、もちろんである。さらに、実施形態では、本発明における係止部材として、ボルト11及びダブルナット12を用いているが、他の適当な係止部材、例えばリベットなどを用いてもよい。また、実施形態では、ガイド機構10を設けているが、省略してもよい。
さらに、実施形態では、本発明における性能パラメータとして、最大速度抵抗力Qv、減衰係数Ceq及び回転慣性質量miを算出しているが、これらのうちの1つ又は2つを算出してもよく、これらに代えて又はこれらとともに、制限機構25の前述した制限荷重を算出してもよい。また、実施形態では、アクチュエータ6の制御と性能パラメータの算出を、制御装置15で行っているが、それぞれ別個の装置で行ってもよい。さらに、実施形態では、本発明による試験装置1、41、51を、粘性体31及び制限機構25を有するマスダンパ21に適用しているが、両者31、25の少なくとも一方を有しないタイプのマスダンパに適用してもよい。以上の実施形態に関するバリエーションを適宜、組み合わせて採用してもよいことは、もちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 試験装置
5 右フレーム(支持部材)
6 アクチュエータ
7 第1連結部材
7a 第1挿入孔
8 第2連結部材
8a 第2挿入孔
9L 左皿ばねユニット(調整部材)
9R 右皿ばねユニット(調整部材)
9a 皿ばね
10 ガイド機構
11 ボルト(係止部材)
12 ダブルナット(係止部材)
13 ロードセル(抵抗力検出手段)
15 制御装置(性能パラメータ算出手段)
21 マスダンパ
24 回転マス
26 第1フランジ(マスダンパの軸線方向の一端部)
27 第2フランジ(マスダンパの軸線方向の他端部)
41 試験装置
42L 左鋼管(調整部材)
42R 右鋼管(調整部材)
51 試験装置
52 ゴムユニット(調整部材)
PMD ダンパ抵抗力

Claims (3)

  1. 剛性を有する伝達部材とともに付加振動系を構成し、回転マスを有するとともに、構造物の振動を抑制するためのマスダンパの性能を試験するマスダンパの試験装置であって、
    剛性を有し、前記マスダンパの軸線方向の一端部に連結された支持部材と、
    前記マスダンパの前記軸線方向の他端部に連結され、前記マスダンパに所定の加振振動数の加振力を入力するアクチュエータと、
    剛性を有し、前記支持部材と前記マスダンパの前記一端部との間、及び、前記マスダンパの前記他端部と前記アクチュエータとの間の少なくとも一方に直列に設けられ、前記支持部材及び前記回転マスを含む振動系の固有振動数を、前記加振振動数に近づけるように調整するための調整部材と、
    前記マスダンパの抵抗力であるダンパ抵抗力を検出するダンパ抵抗力検出手段と、
    前記アクチュエータからの加振力が前記マスダンパに入力されているときに検出された前記ダンパ抵抗力に応じて、前記マスダンパの性能を表す性能パラメータを算出する性能パラメータ算出手段と、
    を備えることを特徴とするマスダンパの試験装置。
  2. 前記軸線方向に貫通する第1挿入孔を有し、前記マスダンパの前記他端部及び前記アクチュエータの一方に連結された第1連結部材と、
    前記軸線方向に貫通する第2挿入孔を有し、前記軸線方向において前記第1連結部材と対向する第2連結部材と、をさらに備え、
    前記調整部材は、前記第1連結部材の前記軸線方向の両側にそれぞれ配置された一対の皿ばねユニットを有し、当該一対の皿ばねユニットの各々は、前記軸線方向に積層された複数の皿ばねで構成されており、
    前記第1及び第2挿入孔ならびに前記一対の皿ばねユニットに挿入されるとともに、前記第2連結部材を、前記一対の皿ばねユニットを介して前記第1連結部材に係止する係止部材をさらに備え、
    前記マスダンパの前記他端部及び前記アクチュエータの他方は、前記第2連結部材に連結されるとともに、当該第2連結部材、前記皿ばねユニット及び前記第1連結部材を介して、前記マスダンパの前記他端部及び前記アクチュエータの前記一方に連結されていることを特徴とする、請求項1に記載のマスダンパの試験装置。
  3. 前記第1及び第2連結部材を前記軸線方向に移動可能に、かつ回転不能に支持するガイド機構をさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載のマスダンパの試験装置。
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