JP7121216B1 - 管理システム、管理方法及び管理プログラム - Google Patents

管理システム、管理方法及び管理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7121216B1
JP7121216B1 JP2022098978A JP2022098978A JP7121216B1 JP 7121216 B1 JP7121216 B1 JP 7121216B1 JP 2022098978 A JP2022098978 A JP 2022098978A JP 2022098978 A JP2022098978 A JP 2022098978A JP 7121216 B1 JP7121216 B1 JP 7121216B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reduction
amount
credit
product
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022098978A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023181030A (ja
Inventor
信弘 渡邉
伊武樹 嶋崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunze Ltd filed Critical Gunze Ltd
Priority to JP2022098978A priority Critical patent/JP7121216B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7121216B1 publication Critical patent/JP7121216B1/ja
Publication of JP2023181030A publication Critical patent/JP2023181030A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

Figure 0007121216000001
【課題】マスバランス方式に従った環境負荷の低減量の管理を容易にするための管理システム等を提供する。
【解決手段】管理システムは、第1算出部と、第2算出部と、記憶部と、クレジット管理部とを備える。第1算出部は、プラスチック材料の仕入れに応じて、仕入れ質量と、環境負荷を低減する度合いを表すパラメータとに基づき、クレジットの増加量を算出する。第2算出部は、製品の譲渡または生産のいずれかに応じて、クレジットの減少量を算出する。記憶部は、初期残高を記憶する。クレジット管理部は、初期残高と、増加量と、減少量とに基づいて、クレジットの残高を更新する。
【選択図】図1

Description

本開示は、管理システム、管理方法及び管理プログラムに関する。
地球環境への負荷を低減する取り組みの1つとして、環境に配慮した材料を原料に用いてプラスチック製品を製造することが行われている。環境に配慮した材料としては、例えばバイオ資源(動植物に由来する有機性の資源)、生分解性材料、プラスチック製品からリサイクルされた再生原料、製造に係る温室効果ガスの実質的な排出量が抑制された材料等が挙げられる。環境に配慮した材料の中には、上に挙げられたうちの2つ以上に該当する材料も含まれ得る。
上記取り組みを促進するためのアプローチの1つに、マスバランス方式がある。マスバランス方式とは、例えば非特許文献1に開示されるように、石油や石炭等の化石資源と、バイオ資源とを原料とする製品の生産を行う場合において、最終製品の出荷量に対するバイオ資源の使用量を算出し、この使用量を特定製品に割り当てる方式である。マスバランス方式によれば、バイオ資源を原料に含む製品と、そうでない製品とを峻別するべく、製造ラインを個別に用意して管理しなくても、特定製品についてバイオ資源を使用したものである旨を謳うことが出来る。
http://www.env.go.jp/recycle/ref072830_1.pdf
非特許文献1にも例示されるように、マスバランス方式では、特定製品に割り当てられるバイオ資源の使用量を担保するため、バイオ資源を含む原料から最終製品に至るまでの管理が行われる。ここで、マスバランス方式は、バイオ資源だけではなく、生分解性材料、プラスチック製品や中間品からリサイクルされた再生原料、及び製造に係る温室効果ガスの実質的な排出量が抑制された材料についても適用され得る。こうした材料を使用して、マスバランス方式に従い、製品に割り当てられる環境負荷の低減量を担保するためには、材料及び製品に係る環境負荷の低減量の管理を容易にするためのシステムが求められる。
本開示は、マスバランス方式に従った環境負荷の低減量の管理を容易にするための管理システム、管理方法及び管理プログラムを提供することを目的とする。
本開示の第1観点に係る管理システムは、第1算出部と、第2算出部と、記憶部と、クレジット管理部とを備える。第1算出部は、所定の期間中における1または複数の種類のプラスチック材料の仕入れに応じて、前記プラスチック材料の種類ごとの仕入れ質量と、前記種類ごとの環境負荷を低減する度合いを表すパラメータとに基づき、前記環境負荷の低減量を数値化するクレジットの増加量を算出する。第2算出部は、前記所定の期間中における前記1または複数の種類のプラスチック材料を原料に含む製品の譲渡または生産のいずれかに応じて、前記クレジットの減少量を算出する。記憶部は、前記所定の期間の開始時における前記クレジットの初期残高を記憶する。クレジット管理部は、前記初期残高と、前記増加量と、前記減少量とに基づいて、前記クレジットの残高を更新する。前記第2算出部は、前記所定の期間中に譲渡される製品の質量と、前記譲渡される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出する、または、前記所定の期間中に生産される製品の質量と、前記生産される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出する。
本開示の第2観点に係る管理システムは、第1観点に係る管理システムであって、前記パラメータは、バイオマス度、再生原料の含有割合、生分解性材料の含有割合、及び前記プラスチック材料の製造に係る実質的な温室効果ガス排出削減量の少なくとも1つである。
本開示の第3観点に係る管理システムは、第1観点または第2観点に係る管理システムであって、前記製品は、プラスチックフィルムである。
本開示の第4観点に係る管理システムは、第1観点から第3観点のいずれかに係る管理システムであって、前記第2算出部は、前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ及び比重に少なくとも基づいて、譲渡される前記プラスチックフィルムの質量を算出する。
第4観点によれば、製品の質量を直接計測しなくても、製品管理上の既存のデータに基づいて、譲渡される製品の質量を容易に算出することができる。また、製品に付随する副資材の質量を考慮する必要がなく、これを特定するための煩雑な作業を省略することができる。
本開示の第5観点に係る管理システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る管理システムであって、前記第2算出部は、前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ及び比重に少なくとも基づいて、生産される前記プラスチックフィルムの質量を算出する。
第5観点によれば、製品の質量を直接計測しなくても、製品生産上の既存のデータに基づいて、生産される製品の質量を容易に算出することができる。また、製品に付随する副資材の質量を考慮する必要がなく、これを特定するための煩雑な作業を省略することができる。
本開示の第6観点に係る管理システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る管理システムであって、前記譲渡される前記プラスチックフィルムの各々に対して割り当てられる、1または複数の前記パラメータの入力を受け付ける入力受付部をさらに備える。前記第2算出部は、一の前記パラメータが割り当てられた前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ、比重及び前記一のパラメータに少なくとも基づいて前記減少量を算出する。
第6観点によれば、製品を譲渡する時点で各製品についてパラメータを設定することができるので、現在のクレジットの残高に応じた柔軟な対応が可能となる。また、入力受付部を介して設定されたパラメータと、厚み、幅、長さ及び比重とに少なくとも基づいて減少量が算出されるため、クレジットの管理が容易である。
本開示の第7観点に係る管理システムは、第1観点から第6観点のいずれかに係る管理システムであって、前記生産される前記プラスチックフィルムの各々に対して割り当てられる、1または複数の前記パラメータの入力を受け付ける入力受付部をさらに備える。前記第2算出部は、一の前記パラメータが割り当てられた前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ、比重及び前記一のパラメータに少なくとも基づいて前記減少量を算出する。
第7観点によれば、製品を生産する時点で各製品についてパラメータを設定することができるので、現在のクレジットの残高に応じた柔軟な対応が可能となる。また、入力受付部を介して設定されたパラメータと、プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ及び比重とに少なくとも基づいて減少量が算出されるため、クレジットの管理が容易である。
本開示の第8観点に係る管理システムは、第1観点から第7観点のいずれかに係る管理システムであって、前記記憶部は、前記プラスチックフィルムが属する所定の単位を識別する識別情報と、前記プラスチックフィルムに割り当てられた前記パラメータと、前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ及び比重とが関連付けられた製品情報をさらに記憶する。
第8観点によれば、既存の製品管理システム(生産管理システムや在庫管理システム等)と連携、または一元化したクレジットの管理が可能となる。また、製品のトレーサビリティの担保が容易になる。
本開示の第9観点に係る管理システムは、第1観点から第8観点のいずれかに係る管理システムであって、前記製品情報を、物理的なラベルに出力する出力部をさらに備える。
第9観点によれば、より確実に製品のトレーサビリティを担保することができる。
本開示の第10観点に係る管理方法は、記憶装置に接続される1または複数のコンピュータが実行する管理方法であって、以下のことを含む。また、本開示の第11観点に係る管理プログラムは、記憶装置に接続される1または複数のコンピュータに、以下のことを実行させる。
・所定の期間中における1または複数の種類のプラスチック材料の仕入れに応じて、前記プラスチック材料の種類ごとの仕入れ質量と、前記種類ごとの環境負荷を低減する度合いを表すパラメータとに基づき、前記環境負荷の低減量を数値化するクレジットの増加量を算出すること
・前記所定の期間中における前記1または複数の種類のプラスチック材料を原料に含む製品の譲渡または生産のいずれかに応じて、前記クレジットの減少量を算出すること
・前記記憶装置に、前記所定の期間の開始時における前記クレジットの初期残高を保存すること
・前記初期残高と、前記増加量と、前記減少量とに基づいて、前記クレジットの残高を更新すること。
なお、前記クレジットの減少量を算出することは、前記所定の期間中に譲渡される製品の質量と、前記譲渡される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出すること、または、前記所定の期間中に生産される製品の質量と、前記生産される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出することである。
本開示によれば、環境負荷の低減量を数値化するクレジットという概念が導入される。本開示において、クレジットは、環境負荷を低減する材料の仕入れに応じて増加し、当該材料を原料に含む製品の譲渡または生産に応じて減少するものとして扱われる。そして、材料の仕入れに応じて算出されるクレジットの増加量と、製品の譲渡または生産に応じて算出されるクレジットの減少量とに基づいて、クレジット残高が更新される。これにより、材料の仕入れ、製品の譲渡または生産といった既存の事業活動を通じて、環境負荷の低減可能量、実現されたと認証されるべき環境負荷の低減量、及び製品に現在割り当てが可能な環境負荷の低減量を容易に管理することができる。
一実施形態に係る管理システムの電気的構成を示すブロック図。 材料情報データベースの一例を示す図。 生産情報の一例を示す図。 在庫情報の一例を示す図。 仕入れに応じた管理システムの動作の流れを示すフローチャート。 仕入れ入力画面の一例を示す図。 生産に応じた管理システムの動作の流れを示すフローチャート。 生産入力画面の一例を示す図。 生産入力画面の一例を示す図。 譲渡に応じた管理システムの動作の流れを示すフローチャート。 譲渡入力画面の一例を示す図。 譲渡入力画面の一例を示す図。 管理システムのラベル出力動作の流れを示すフローチャート。 ラベル出力画面の一例を示す図。 ラベル出力画面の一例を示す図。
以下、図面を参照しつつ、本開示の一実施形態に係る管理システム、管理方法及び管理プログラムについて説明する。
<1.管理システムの構成>
図1は、本実施形態に係る管理システム1の電気的な構成を示すブロック図である。管理システム1は、プラスチック製品の材料仕入れ、生産及び譲渡といった事業活動において、マスバランス方式に従った環境負荷の低減量(クレジット)を容易に管理するためのシステムである。管理システム1は、例えば製品の材料仕入れを管理するための調達管理システム、製品の生産工程を管理するための生産管理システム、在庫を管理するための在庫管理システム、及び販売活動を管理するための販売管理システムのうち少なくとも1つとして構成されてもよい。あるいは、管理システム1は、既存の上記システムとデータを共有し、連携して動作するように構成されてもよい。
図1に示すように、本実施形態の管理システム1は、コンピュータ2、入力受付部3、出力部4及び表示部5を備える。コンピュータ2は、汎用のコンピュータであってよく、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、I/Oインターフェース22、RAM(Random Access Memory)23、及び不揮発性で書き換え可能な記憶装置24を備える。これらの要素は、互いにバス線を介して接続されており、相互に通信可能である。コンピュータ2は、CD-ROM、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体11から、あるいはインターネット等のネットワークを介して、管理プログラム10(以下、単に「プログラム10」とも称する)をインストールすることにより管理システム1を構成する要素となる。
CPU20は、プログラム10を読み出して実行することにより、仮想的に第1算出部200、第2算出部201、クレジット管理部202、ラベル生成部203及び入力処理部204として動作する。各部200~204の動作は、後述する。なお、プログラム10は全体がROM21に格納されてもよいし、その少なくとも一部が記憶装置24に格納されてもよい。RAM23及び記憶装置24は、適宜CPU20の演算に使用される。
記憶装置(記憶部)24は、ハードディスク等で構成することができる。記憶装置24には、後述する材料情報データベース(DB)240、生産情報データベース(DB)241、在庫情報データベース(DB)242、製品情報データベース(DB)243及びクレジット残高244等が保存される。
I/Oインターフェース22は、入力受付部3、出力部4、表示部5及び他のコンピュータと有線または無線によりデータ通信を行うための通信インターフェースとして機能する。
入力受付部3は、マウス、キーボード、タッチパネル等で構成することができ、コンピュータ2に対するユーザからの操作及びデータの入力を受け付ける。入力受付部3により受け付けられたデータは、入力処理部204によって適宜処理される。なお、ここでいうユーザとは、マスバランス方式に従い、環境への負荷を低減したプラスチック製品の生産及び販売を行う事業者の従業員等であり得る。
出力部4は、コンピュータ2が保有するデータの印刷を行うプリンタであり、種類は特に限定されない。印刷が行われる媒体としては、紙、プラスチックフィルム、硬質のプラスチックカード等、特に限定されない。
表示部5は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等で構成することができ、管理システム1が管理する情報等をユーザに対し表示する。表示部5がタッチパネルディスプレイとして構成される場合は、入力受付部3を兼ねていてもよい。
なお、管理システム1は、コンピュータ2をホストとし、コンピュータ2に通信可能に接続される1または複数のコンピュータ2aをクライアントとして備える構成であってもよい。コンピュータ2aは、例えば汎用のパーソナルコンピュータである。この場合、各コンピュータ2aは、通信網を介してコンピュータ2にアクセスし、CPU20に処理を行わせたり、RAM23及び記憶装置24に保存される情報を読み出したりすることができるように構成される。この場合、後述される処理は、コンピュータ2及び2aのいずれが行ってもよく、これらのコンピュータ間で分担して行われてもよい。また、材料情報DB240、生産情報DB241、在庫情報DB242及び製品情報DB243の少なくとも一部は、コンピュータ2の外部の記憶装置(記憶部)に保存されていてもよい。
<2.各データベースの内容>
以下、管理システム1において、クレジット管理のために適宜利用される、材料情報DB240、生産情報DB241、在庫情報DB242及び製品情報DB243の内容について順に説明する。
[材料情報DB]
本実施形態において、プラスチック材料は、主として熱可塑性樹脂のペレットであり、質量単位で仕入れがなされる。環境に配慮したと認証されるプラスチック材料において、環境負荷を低減する度合いは、特定のパラメータによって示される。以下、このパラメータを、「低減パラメータ」と称する。
管理システム1において、1種類のプラスチック材料は、材料情報によって特定される。材料情報は、プラスチック材料を特定する情報と、低減パラメータとが少なくとも関連付けられた情報であり、本実施形態では、品番と、低減パラメータと、比重とが関連付けられた情報である。各プラスチック材料の材料情報は、例えば図2に示すような表で一覧化され、材料情報DB240として記憶装置24内に予め保存される。
なお、材料情報DB240は、ユーザの操作に応じて適宜書き換えが可能であり、新たな種類のプラスチック材料の情報を追加したり、既存の材料情報を修正及び削除したりすることができる。
[生産情報DB]
本実施形態において、プラスチック製品は、主としてプラスチックフィルムである。本実施形態では、原料とするプラスチック材料の品番及び質量割合、層構成ならびに生産方法が同一のプラスチックフィルムは、フィルム名称によって特定される。さらに、原料とする各プラスチック材料について、(質量割合)×(比重)を算出し、これを合算することにより、プラスチックフィルムの比重が予め算出される。さらに、一のフィルム名称が付されたプラスチックフィルムについて、1または複数の寸法規格(厚み、幅、長さ)が予め定められる。1または複数の寸法規格には、寸法規格番号が付される。寸法規格番号を参照することにより、プラスチックフィルムの厚み、幅及び長さが特定される。
これらの情報は、プラスチックフィルムの生産情報として互いに関連付けられ、例えば図3に示すようなデータ2410としてまとめられる。フィルム名称ごとのデータ2410は、生産情報DB241として一括され、記憶装置24内に予め保存される。
なお、生産情報DB241は、ユーザの操作に応じて適宜書き換えが可能であり、新たなフィルム名称のプラスチックフィルム及び新たな寸法規格の情報を追加したり、既存の生産情報を修正及び削除したりすることができる。
[在庫情報DB]
在庫情報は、生産済みのプラスチックフィルムを管理するための情報である。在庫情報は、例えば図4に示すような表形式のデータ2420であり、フィルム名称と、寸法規格番号と、プラスチックフィルムが属する所定の単位を識別する識別情報とが少なくとも関連付けられた情報である。識別情報としては、例えばプラスチックフィルムの生産ロットを識別する情報が挙げられる。フィルム名称及び寸法規格番号は、生産情報DB241と共通であり、これにより、製品情報から生産情報、ひいては材料情報へと遡った参照が可能となる。
プラスチックフィルムは、通常、芯材に巻き付けられ、表面を保護シートで覆われたロールの形態で生産され、在庫として管理される。在庫情報には、寸法規格番号ごとのロールの数量(在庫数)がさらに関連付けられる。在庫数は、該当するプラスチックフィルムの生産及び譲渡に応じて適宜更新され、記憶装置24内に保存される。このようにして、各フィルム名称及び各寸法規格番号に対するデータ2420が蓄積され、在庫情報DB242として記憶装置24内に保存される。
[製品情報DB]
管理システム1上では、生産情報DB241または在庫情報DB242で管理されるプラスチックフィルムに対し、ユーザが低減パラメータを割り当てることができる。つまり、フィルム名称及び寸法規格番号が同じプラスチックフィルムについて、異なる低減パラメータと、これを割り当てる数量とを選択することが可能である。後述するように、生産情報または在庫情報をベースとして特定数量のプラスチックフィルムに低減パラメータが割り当てられると、識別情報と、低減パラメータと、プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ及び比重とが関連付けられた製品情報が生成され、記憶装置24内に保存される。このような製品情報が蓄積され、製品情報DB243を構成する。これにより、マスバランス方式の導入に伴う管理負担を過度に増大させることなく、環境負荷の低減が認証されたプラスチックフィルム及び通常のプラスチックフィルムの管理を容易に行うことができる。
<3.低減パラメータ>
低減パラメータとしては、プラスチック材料及び製品が環境負荷を低減する度合いを表すパラメータであれば、特に限定されない。本実施形態では、低減パラメータは、バイオマス度(%)である。バイオマス度とは、プラスチック材料または製品において使用された原料におけるバイオ資源の質量割合であり、高ければ高いほど環境への負荷がより低減されたことを示す。なお、原料がバイオ資源を含むか否かは、その原料に含まれる全炭素原子中に放射性炭素(C14)が105.5pMC程度含まれるか否かで確認することができる。放射性炭素(C14)の有無は、ISO16620-2:2015に基づいて、加速器質量分光計を用いて測定することができる。
管理システム1では、環境負荷の低減量を数値化するため、「クレジット」の概念が導入される。クレジットは、仕入れ材料に含まれるバイオ資源の質量の増加に応じて増加し、当該バイオ資源を消費した質量に応じて減少するものとして扱われる。このため、後述するように、材料の仕入れ時にはクレジット増加量が算出され、製品の生産時または譲渡時にはクレジット減少量が算出される。さらに、管理システム1では、クレジット増加量及びクレジット減少量に基づいてクレジット残高がリアルタイムに更新される。
<4.管理システムの動作>
[仕入れに応じた動作]
図5は、一定期間における仕入れに応じた管理システム1の動作の流れを示すフローチャートである。一定期間とは、管理システム1において便宜上定められる期間であって、ユーザが適宜その開始時期と終了時期とを設定することができる。また、生産及び譲渡についても共通の期間が設けられる。以下、図を参照しつつ、仕入れに応じた管理システム1の動作について説明する。
本実施形態では、各種類のプラスチック材料の仕入れは、質量単位で行われるものとする。ユーザは、プラスチック材料の仕入れに応じて、入力受付部3を介して、プラスチック材料の種類ごとの仕入れ質量を入力するための仕入れ入力画面を呼び出す操作を行う。これにより、入力受付部3が、ユーザからの操作を受け付ける(ステップS1)。
続いて、入力処理部204が、仕入れ入力画面W1(図6参照)を生成し、表示部5に表示する(ステップS2)。仕入れ入力画面W1は、例えば行R0,R1,...,Rn及び列C1,C2,C3からなる表と、当期クレジット残高を表示する欄F1とを含む。行R0には、「品番」「低減パラメータ(%)」及び「仕入れ質量(t)」等の見出しが表示される。一方、行R1以下の列C1及びC2には、行R0の見出しに対応したデータがそれぞれ表示される。すなわち、列C1には、品番を表す「pla-1」等が、列C2には、同じ行の列C1の品番に対応する低減パラメータ「15」等が、それぞれ表示される。これらのデータは、材料情報DB240を参照して表示される。
この時点で、行R1以下の列C3は空白のセルの列となっている。ユーザは、入力受付部3を介して1つのセルを選択した後、選択済みのセルに対応する品番のプラスチック材料の仕入れ質量を入力する。これにより、入力受付部3が、ユーザからの仕入れ質量の入力を受け付ける(ステップS3)。
入力処理部204は、ステップS3において受け付けられた入力に応じ、仕入れ質量を仕入れ入力画面W1のセル内に表示する(ステップS4)。
第1算出部200は、ステップS4と並行してまたはこれと前後して、クレジット増加量を算出し、RAM23または記憶装置24に保存する(ステップS5)。クレジット増加量は、各列における(低減パラメータ/100)×(仕入れ質量)の合計で算出することができる。すなわち、本実施形態におけるクレジット増加量とは、プラスチック材料の仕入れによって実質的に取得されるバイオ資源の総量である。クレジット増加量により、仕入れによる環境負荷の低減可能量の増加分が数値化される。
クレジット管理部202は、ステップS5において算出されたクレジット増加量を、記憶装置24に保存されているクレジット残高244に加算し、加算後のクレジット残高を記憶装置24に保存する(ステップS6)。このように、クレジット管理部202は、クレジット増加量が算出される度に、これに基づいてクレジット残高244を更新する。なお、一定期間の開始時において記憶装置24に保存されているクレジット残高244は、前記から繰り越された初期残高として扱うことができる。従って、クレジット管理部202は、初期残高とクレジット増加量とに基づいてクレジット残高244を更新する。
さらに、ステップS6において、クレジット管理部202は、更新されたクレジット残高244を、当期クレジット残高として欄F1内に表示する。これにより、ユーザはリアルタイムで保有するクレジットを確認することができ、当期の生産計画及び販売計画を立案し易くなる。
上記ステップS1~S6は、プラスチック材料の現物を取得したタイミングでその都度実行されてもよいし、プラスチック材料の取得が確定的となったタイミングでその都度実行されてもよい。
[生産に応じた動作]
図7は、一定期間におけるプラスチックフィルムの生産に応じた管理システム1の動作の流れを示すフローチャートである。この動作は、バイオ資源の消費を、製品の生産と連動させる場合に行われる。そして、1つの生産ロットにおいては、通常、同一のフィルム名称及び寸法規格番号で特定される、実質的に同一のプラスチックフィルムのロールが複数本生産される。
以下では、フィルム名称「pf-1」、寸法規格番号1のプラスチックフィルムを、1ロット分生産する場合を例にして説明する。プラスチックフィルム「pf-1」は、低減パラメータが0%のプラスチック材料「pla-3」を30質量%、低減パラメータが35%のプラスチック材料「pla-1」を70質量%含有するものとする。この場合、材料情報DBを元に算出されるプラスチックフィルム「pf-1」の比重は、1.025(=1.2×0.3+0.95×0.7)となる。この比重は、生産情報DB241に予め格納されている。
ユーザは、入力受付部3を介して、生産されるプラスチックフィルム「pf-1」についてのデータを入力するための生産入力画面を呼び出す操作を行う。この操作は、例えばプラスチックフィルム「pf-1」のフィルム名称及び寸法規格番号を選択または入力することを含んでもよい。これにより、入力受付部3が、ユーザからの操作を受け付ける(ステップS21)。
続いて、入力処理部204が、生産入力画面W2を生成し、表示部5に表示する(ステップS22)。生産入力画面W2は、例えば図8Aに示すように、ステップS21で選択または入力されたフィルム名称及び生産ロット番号の欄F2、表T1、表T2及び当期クレジット残高の欄F3を含む。この時点では、欄F2に生産ロット番号は表示されない。また、欄F3には、現時点で記憶装置24に保存されているクレジット残高244が表示される。
表T1は、プラスチックフィルム「pf-1」の寸法、比重、1ロール当たりの質量及びロールの生産数を表示する表である。「厚み(μm)」「幅(mm)」「長さ(m)」「比重」の各見出しの下のセルには、それぞれプラスチックフィルム「pf-1」の厚み、幅、長さ及び比重のデータが表示される。これらのデータは、例えばステップS21において入力されたフィルム名称及び寸法規格番号から、生産情報DB241を参照することにより表示される。また、「質量(t)」の見出しの下のセルには、厚み、幅、長さ及び比重のデータから自動計算された質量(=厚み×幅×長さ×比重)が表示される。この質量は、ロール1本あたりの質量を示す。
表T2は、割り当てられる低減パラメータの値、ロールの数量及びこれらから換算されるバイオ資源の質量を表示する表である。ステップS22の時点では、表T2の「低減パラメータ(%)」「数量(本)」及び「質量(t)」の各見出しの下は、空白のセルとなっている。また、表T2の最終行には、ロールの数量及びバイオ資源の質量の合計を表すためのセルが用意されている。
ユーザは、入力受付部3を介して「生産数(本)」の見出しの下の空白のセルを選択し、当該生産ロットにおいて生産される予定のロール数を入力するとともに、欄F2に当該生産ロットの番号を入力する。これにより、入力受付部3が、ユーザからのロールの生産数及び生産ロット番号の入力を受け付ける(ステップS23)。
入力処理部204は、ステップS23において受け付けられた入力に応じ、欄F2には生産ロット番号を、選択されたセルには生産数を、それぞれ表示する(ステップS24)。例えば、ステップS23で生産ロット番号「12345」及び生産数「100」が入力された場合、欄F2には生産ロット番号「12345」が、選択されたセルには「100」が、それぞれ表示される(図8B参照)。
続いて、ユーザは、入力受付部3を介して表T2内の「低減パラメータ(%)」及び「数量(本)」の見出しの下の空白のセルを選択し、各セルに割り当てる低減パラメータ(%)及びロールの数量を入力する。これにより、入力受付部3が、ユーザからの低減パラメータ(%)及びロールの数量の入力を受け付ける(ステップS25)。表T2の行数は、割り当てられる低減パラメータの数に応じて増減してもよい。
入力処理部204は、ステップS25において受け付けられた入力に応じ、選択されたセルに、低減パラメータ及びロールの数量を表す数値を順次表示する(ステップS26)。例えば、プラスチックフィルム「pf-1」100本に対し、30本に低減パラメータ0%が、別の30本に15%が、残る40本に50%がそれぞれ割り当てられた場合、生産入力画面W2は図8Bのようになる。
再び図7を参照して、第2算出部201は、各低減パラメータに対するバイオ資源の質量ならびにロールの数量及びバイオ資源の質量の合計をそれぞれ算出し、これを各セルに表示する(ステップS27)。各低減パラメータに対するバイオ資源の質量は、(低減パラメータ/100)×(数量)×(1ロール当たりの質量)により算出され、表T2の「質量(t)」の見出しの下のセルに表示される。また、ロールの数量の合計及びバイオ資源の質量の合計は、それぞれ一番下のセルに表示される。第2算出部201は、バイオ資源の質量の合計を、クレジット減少量としてRAM23または記憶装置24に保存する。クレジット減少量は、実現されたと認証されるべき環境負荷の低減量であると言える。
ユーザは、ステップS27で算出されたクレジット減少量が、クレジット残高244を超えない範囲で低減パラメータ及びロールの数量の組み合わせを定めることができる。このため、第2算出部201は、ステップS25で入力が受け付けられた低減パラメータ及びロールの数量から算出されるクレジット減少量が、クレジット残高244を超えるような場合、ユーザに対する警告を表示部5に表示させてもよい。
クレジット管理部202は、ステップS27において算出されたクレジット減少量を、記憶装置24に保存されているクレジット残高244から減算し、減算後のクレジット残高を記憶装置24に保存する(ステップS28)。このように、クレジット管理部202は、クレジット減少量が算出される度に、これに基づいてクレジット残高244を更新する。従って、クレジット管理部202は、初期残高及びクレジット増加量に加え、クレジット減少量にも基づいてクレジット残高244を更新する。
クレジット管理部202は、さらにステップS28において、更新されたクレジット残高244を、当期クレジット残高として生産入力画面W2の欄F3内に表示する。
ステップS22で参照された生産情報、ステップS23で受け付けられた生産ロット番号、ならびにステップS25で受け付けられた低減パラメータ及びロール数量は、互いに関連付けられ、製品情報として記憶装置24に保存される。
[譲渡に応じた動作]
図9は、プラスチックフィルムの譲渡に応じた管理システム1の動作の流れを示すフローチャートである。この動作は、バイオ資源の消費を、製品の譲渡と連動させる場合に行われる。このため、図9に示す動作は、基本的に図7に示す動作に代えて行われる。以下では、フィルム名称「pf-1」、生産ロット番号「12345」のプラスチックフィルムを、50本譲渡する場合を例にして説明する。
ユーザは、入力受付部3を介して、譲渡されるプラスチックフィルム「pf-1」についてのデータを入力するための譲渡入力画面を呼び出す操作を行う。この操作は、例えばプラスチックフィルム「pf-1」のフィルム名称及び生産ロット番号「12345」を選択または入力することを含んでもよい。これにより、入力受付部3が、ユーザからの操作を受け付ける(ステップS31)。
続いて、入力処理部204が、譲渡入力画面W3を生成し、表示部5に表示する(ステップS32)。譲渡入力画面W3は、例えば図10Aに示すように、ステップS31で選択または入力されたフィルム名称及び生産ロット番号の欄F4、表T3、表T4及び当期クレジット残高の欄F5を含む。欄F4には、フィルム名称「pf-1」及び生産ロット番号「12345」が表示される。欄F5には、現時点で記憶装置24に保存されているクレジット残高244が表示される。
表T3は、生産入力画面W2の表T1と同様のデータを表す表であり、これらのデータは、例えばステップS31において入力されたフィルム名称から、在庫情報DB242を参照することにより表示される。ただし、表T3では、表T1における「生産数(本)」の見出しに代わり、「在庫数(本)」の見出しが表示され、下のセルには、現在在庫として残るロールの数が表示される。また、「質量(t)」の見出しの下のセルには、表T1と同様に、1ロール当たりの質量(=厚み×幅×長さ×比重)が表示される。
表T4は、譲渡されるロールに割り当てられる低減パラメータの値、譲渡されるロールの数量及びこれらから換算されるバイオ資源の質量を表示する表である。ステップS32の時点では、表T4の「低減パラメータ(%)」「数量(本)」及び「質量(t)」の各見出しの下は、空白のセルとなっている。また、表T4の最終行には、ロールの数量及びバイオ資源の質量の合計を表すためのセルが用意されている。
ユーザは、入力受付部3を介して表T4内の「低減パラメータ(%)」及び「数量(本)」の見出しの下の空白のセルを選択し、各セルに割り当てる低減パラメータ(%)及び譲渡されるロールの数量を入力する。これにより、入力受付部3が、ユーザからの低減パラメータ(%)及び譲渡されるロールの数量の入力を受け付ける(ステップS33)。表T2の行数は、割り当てられる低減パラメータの数に応じて増減してもよい。
入力処理部204は、ステップS33において受け付けられた入力に応じ、当該セルに、低減パラメータ及びロールの数量を表す数値を表示する(ステップS34)。例えば、譲渡するプラスチックフィルム「pf-1」50本に対し、5本に低減パラメータ0%が、15本に15%が、残りの30本に50%がそれぞれ割り当てられた場合、譲渡入力画面W3は図10Bのようになる。
再び図9を参照して、第2算出部201は、各低減パラメータに対するバイオ資源の質量ならびにロールの数量及びバイオ資源の質量の合計をそれぞれ算出し、これを各セルに表示する(ステップS35)。各低減パラメータに対するバイオ資源の質量は、(低減パラメータ/100)×(数量)×(質量)により算出され、表T4の「質量(t)」の見出しの下のセルに表示される。また、ロールの数量の合計及びバイオ資源の質量の合計は、それぞれ一番下のセルに表示される。第2算出部201は、バイオ資源の質量の合計を、クレジット減少量としてRAM23または記憶装置24に保存する。クレジット減少量は、実現されたと認証されるべき環境負荷の低減量であると言える。
ユーザは、ステップS35で算出されたクレジット減少量が、クレジット残高244を超えない範囲で低減パラメータ及びロールの数量の組み合わせを定めることができる。このため、第2算出部201は、ステップS33で入力が受け付けられた低減パラメータ及びロールの数量から算出されるクレジット減少量が、クレジット残高244を超えるような場合、ユーザに対する警告を表示部5に表示させてもよい。
クレジット管理部202は、ステップS35において算出されたクレジット減少量を、記憶装置24に保存されているクレジット残高244から減算し、減算後のクレジット残高を記憶装置24に保存する(ステップS36)。このように、クレジット管理部202は、クレジット減少量が算出される度に、これに基づいてクレジット残高244を更新する。
クレジット管理部202は、さらにステップS36において、更新されたクレジット残高244を、当期クレジット残高として譲渡入力画面W3の欄F3内に表示する。また、クレジット管理部202は、ステップS32で参照された在庫情報の在庫数から譲渡されるロールの数量を減算し、減算後の在庫数を記憶装置24に保存することにより、在庫情報を更新してもよい。
さらに、ステップS32で参照された在庫情報及びステップS33で受け付けられた低減パラメータ及びロール数量は、互いに関連付けられ、製品情報として記憶装置24に保存される。
上記ステップS31~S36は、例えば販売契約成立時、販売時、及び出荷時等、譲渡に係るいずれのタイミングでも実行されてよい。
[ラベル出力動作]
本実施形態に係る管理システム1は、上述したクレジット管理機能の他、製品としてのプラスチックフィルムの管理を容易にするためのラベル出力機能をさらに有する。ここでいうラベルとは、プラスチックフィルムの製品情報を表示する物理的なラベルであり、例えばプラスチックフィルムのロールに貼付することが可能なシールラベルである。図11は、管理システム1のラベル出力動作の流れを示すフローチャートである。以下、説明する。
ユーザが入力受付部3を操作してラベルの出力を指示すると、入力受付部3は、ラベル出力を指示するユーザからの操作を受け付ける(ステップS41)。この操作は、特定のプラスチックフィルムのフィルム名称、生産ロット番号及び寸法規格番号を選択または入力する操作を含む。
ラベル生成部203は、ステップS41で選択または入力されたフィルム名称、生産ロット番号及び寸法規格番号に基づいて製品情報DB243を検索し、該当する製品情報を読み出す。ラベル生成部203は、読み出した製品情報をラベルに出力するためのラベル出力画面W4を生成する(ステップS42)。
ラベル出力画面W4は、例えば図12Aに示すように、表T5、表T6及び出力ボタン画像I1等を含む。表T5は、読み出した製品情報に含まれるフィルム名称、生産ロット番号、寸法及び比重を表示する。ただし、表T5の「低減パラメータ(%)」の見出しの横は空白のセルとなっている。表T6は、読み出した製品情報に含まれる低減パラメータと、これに対するラベルの印刷数とを表示する。ステップS42の時点では、表T6の「印刷数(枚)」の見出しの下は空白のセルとなっている。また、出力ボタン画像I1は非アクティブ化されている。
ユーザは、入力受付部3を介して表T6内の「印刷数(枚)」の見出しの下の空白のセルを選択し、各低減パラメータに応じて印刷を所望するラベルの枚数を入力する。これにより、入力受付部3が、ユーザから、各低減パラメータに応じたラベルの枚数の入力を受け付ける(ステップS43)。
入力処理部204は、ステップS43において受け付けられた入力に応じ、選択されたセルに、ラベルの枚数を表す数値を順次表示するとともに、出力ボタン画像I1をアクティブ化する(ステップS44)。例えば、低減パラメータ0%に対し印刷数5枚が、15%に対し15枚が、50%に対し30枚がそれぞれ入力された場合、ラベル出力画面W4は図12Bのようになる。
続いて、ユーザが入力受付部3を介して出力ボタン画像I1を押下すると、入力受付部3がこれを受け付け、ラベル生成部203にラベル出力を指示する(ステップS45)。
ラベル生成部203は、表T5の空白のセルに、表T6のいずれかの低減パラメータの値を代入した表データを作成し、この表データのラベル基材への印刷を、当該低減パラメータに応じた印刷数だけ出力部4に行わせる(ステップS46)。ラベル生成部203は、全ての低減パラメータについて、同作業を行う。これにより、表T5の空白のセルが「0」で埋められた表が5枚のラベル基材に、「15」で埋められた表が15枚のラベル基材に、「50」で埋められた表が30枚のラベル基材に、それぞれ印刷される。これにより、プラスチックフィルムの生産ロット、低減パラメータ、厚み、幅、長さ及び比重が関連付けられた製品情報を表示する物理的なラベルが生成される。
上記ラベルは、例えばプラスチックフィルムのロールを覆う保護シート等に貼付することができる。これにより、管理システム1と連動した在庫現物の管理が容易となるとともに、トレーサビリティが担保される。また、製品情報は、文字及び数字等でラベル基材に印刷されるのではなく、ラベル生成部203によりコード化されて、光学的に読み取り可能な1次元コードや2次元コードの形態でラベル基材に印刷されてもよい。
<5.特徴>
管理システム1は、既存の調達管理システム、製品の生産工程を管理するための生産管理システム、在庫を管理するための在庫管理システム、及び販売活動を管理するための販売管理システム等との統合または連携が可能である。これにより、マスバランス方式を容易に導入することが可能となり、環境付加価値製品の生産及び販売が促進される。また、管理システム1においては、クレジット残高がリアルタイムに更新される。これにより、マスバランス方式に従いつつ、製品への低減パラメータの割り当てを柔軟に行うことができる。
プラスチック製品がプラスチックフィルムである場合、管理システム1では、従来から使用されている値(厚み、幅、長さ及び比重の規格値、または生産ラインでモニタリングされる値)を利用してクレジット減少量が算出される。このため、生産されたプラスチックフィルムの質量を1つ1つ実測し、記録を管理する作業を省略することができ、容易にクレジットを管理することができる。また、プラスチックフィルムのロールに伴う芯材や保護シート等の副資材の質量を考慮せずともクレジット減少量が算出できる点においても、上記管理方法は優れている。
<6.変形例>
以上、本開示の幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<6-1>
低減パラメータは、バイオマス度に限定されない。低減パラメータは、例えば再生原料の含有割合、生分解性材料の含有割合、及び前記プラスチック材料の製造に係る実質的な温室効果ガス排出削減量であり得る。再生原料は、プラスチック製の中間品や製品を1回以上リサイクルして得られる材料である。生分解性材料は、典型的には生分解性プラスチックであり、微生物の働きにより完全に消費され、最終的に二酸化炭素、水、メタン等の自然的副産物のみを生じる材料である。実質的な温室効果ガス排出削減量は、例えば生産にクリーンエネルギーを使用することにより削減された温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロン類等)の排出量や、カーボンニュートラルに基づいて削減されたと認証される温室効果ガスの排出量等である。
<6-2>
材料情報、生産情報、在庫情報及び製品情報は、上記実施形態で説明した形態に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、材料情報、生産情報、在庫情報及び製品情報のうち少なくとも2つは統合された形態であってもよい。また、仕入れ入力画面W1、生産入力画面W2、譲渡入力画面W3及びラベル出力画面W4の構成も、上記実施形態で説明した構成に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、各画面W1~W4に表示される情報がまとめて表示される1つの画面が生成されてもよいし、タブ形式で表示する情報を切り替えられる画面が生成されてもよい。
<6-3>
上記実施形態のステップS21~S28、及びステップS31~S36では、低減パラメータの割り当てがロール単位で行われた。そして、ロール1本あたりの質量と、各低減パラメータと、各低減パラメータについて指定されたロール数量とに基づいてクレジット減少量が算出された。しかしながら、低減パラメータの割り当ては、各低減パラメータに応じたプラスチックフィルムの長さの指定で行うこともできる。この場合、各低減パラメータと、各低減パラメータについて指定された長さと、厚みと、幅と、比重とに基づいてクレジット減少量を算出してもよい。
<6-4>
上記実施形態では、同一の生産ロットに属する製品間で異なる低減パラメータを割り当てる場合について説明したが、管理システム1は、異なる生産ロットに属する製品間で異なる低減パラメータを割り当てる場合にも適用することができる。
<6-5>
低減パラメータの割り当ては、1度行われた後であっても、クレジット残高の範囲内で適宜変更が可能である。また、上記実施形態では製品の生産または譲渡に応じて低減パラメータの割り当てが行われたが、いずれの場合にも割り当てが行われるように管理システム1を構成することもできる。例えば、製品の生産時に低減パラメータが割り当てられた場合であっても、製品の譲渡時にこれを変更することができるように管理システム1を構成してもよい。クレジット残高244及び製品情報DB243等は、低減パラメータの割り当ての変更に応じて、適宜書き換えられてよい。
<6-6>
プラスチックフィルム製品は、プラスチックフィルムに限られない。
1 管理システム
2 コンピュータ
3 入力受付部
4 出力部
24 記憶装置(記憶部)

Claims (11)

  1. 所定の期間中における1または複数の種類のプラスチック材料の仕入れに応じて、前記プラスチック材料の種類ごとの仕入れ質量と、前記種類ごとの環境負荷を低減する度合いを表すパラメータとに基づき、前記環境負荷の低減量を数値化するクレジットの増加量を算出する第1算出部と、
    前記所定の期間中における前記1または複数の種類のプラスチック材料を原料に含む製品の譲渡または生産のいずれかに応じて、前記クレジットの減少量を算出する第2算出部と、
    前記所定の期間の開始時における前記クレジットの初期残高を記憶する記憶部と、
    前記初期残高と、前記増加量と、前記減少量とに基づいて、前記クレジットの残高を更新するクレジット管理部と
    を備え、
    前記第2算出部は、前記所定の期間中に譲渡される製品の質量と、前記譲渡される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出する、または、前記所定の期間中に生産される製品の質量と、前記生産される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出する、
    管理システム。
  2. 前記パラメータは、バイオマス度、再生原料の含有割合、生分解性材料の含有割合、及び前記プラスチック材料の製造に係る実質的な温室効果ガス排出削減量の少なくとも1つである、
    請求項1に記載の管理システム。
  3. 前記製品は、プラスチックフィルムである、
    請求項1または請求項2に記載の管理システム。
  4. 前記第2算出部は、前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ及び比重に少なくとも基づいて、譲渡される前記プラスチックフィルムの質量を算出する、
    請求項3に記載の管理システム。
  5. 前記第2算出部は、前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ及び比重に少なくとも基づいて、生産される前記プラスチックフィルムの質量を算出する、
    請求項3に記載の管理システム。
  6. 前記譲渡される前記プラスチックフィルムの各々に対して割り当てられる、1または複数の前記パラメータの入力を受け付ける入力受付部
    をさらに備え、
    前記第2算出部は、一の前記パラメータが割り当てられた前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ、比重及び前記一のパラメータに少なくとも基づいて前記減少量を算出する、
    請求項3に記載の管理システム。
  7. 前記生産される前記プラスチックフィルムの各々に対して割り当てられる、1または複数の前記パラメータの入力を受け付ける入力受付部
    をさらに備え、
    前記第2算出部は、一の前記パラメータが割り当てられた前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ、比重及び前記一のパラメータに少なくとも基づいて前記減少量を算出する、
    請求項3に記載の管理システム。
  8. 前記記憶部は、前記プラスチックフィルムが属する所定の単位を識別する識別情報と、前記プラスチックフィルムに割り当てられた前記パラメータと、前記プラスチックフィルムの厚み、幅、長さ及び比重とが関連付けられた製品情報をさらに記憶する、
    請求項3に記載の管理システム。
  9. 前記製品情報を、物理的なラベルに出力する出力部
    をさらに備える、
    請求項8に記載の管理システム。
  10. 記憶装置に接続される1または複数のコンピュータが実行する管理方法であって、
    所定の期間中における1または複数の種類のプラスチック材料の仕入れに応じて、前記プラスチック材料の種類ごとの仕入れ質量と、前記種類ごとの環境負荷を低減する度合いを表すパラメータとに基づき、前記環境負荷の低減量を数値化するクレジットの増加量を算出することと、
    前記所定の期間中における前記1または複数の種類のプラスチック材料を原料に含む製品の譲渡または生産のいずれかに応じて、前記クレジットの減少量を算出することと、
    前記記憶装置に、前記所定の期間の開始時における前記クレジットの初期残高を保存することと、
    前記初期残高と、前記増加量と、前記減少量とに基づいて、前記クレジットの残高を更新することと
    を含み、
    前記クレジットの減少量を算出することは、前記所定の期間中に譲渡される製品の質量と、前記譲渡される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出すること、または、前記所定の期間中に生産される製品の質量と、前記生産される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出することである、
    管理方法。
  11. 記憶装置に接続される1または複数のコンピュータに、
    所定の期間中における1または複数の種類のプラスチック材料の仕入れに応じて、前記プラスチック材料の種類ごとの仕入れ質量と、前記種類ごとの環境負荷を低減する度合いを表すパラメータとに基づき、前記環境負荷の低減量を数値化するクレジットの増加量を算出することと、
    前記所定の期間中における前記1または複数の種類のプラスチック材料を原料に含む製品の譲渡または生産のいずれかに応じて、前記クレジットの減少量を算出することと、
    前記所定の期間の開始時における前記クレジットの初期残高を前記記憶装置に保存することと、
    前記初期残高と、前記増加量と、前記減少量とに基づいて、前記クレジットの残高を更新することと
    を実行させ、
    前記クレジットの減少量を算出することは、前記所定の期間中に譲渡される製品の質量と、前記譲渡される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出すること、または、前記所定の期間中に生産される製品の質量と、前記生産される製品に割り当てられる前記パラメータとに基づいて前記減少量を算出することである、
    管理プログラム。
JP2022098978A 2022-06-10 2022-06-20 管理システム、管理方法及び管理プログラム Active JP7121216B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022098978A JP7121216B1 (ja) 2022-06-10 2022-06-20 管理システム、管理方法及び管理プログラム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022094229 2022-06-10
JP2022098978A JP7121216B1 (ja) 2022-06-10 2022-06-20 管理システム、管理方法及び管理プログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022094229 Division 2022-06-10 2022-06-10

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7121216B1 true JP7121216B1 (ja) 2022-08-17
JP2023181030A JP2023181030A (ja) 2023-12-21

Family

ID=89306946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022098978A Active JP7121216B1 (ja) 2022-06-10 2022-06-20 管理システム、管理方法及び管理プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7121216B1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006505027A (ja) 2002-07-20 2006-02-09 シカゴ クライメイト エクスチェンジ,インコーポレイティド 排出量削減取引システム及び方法
JP2010191832A (ja) 2009-02-20 2010-09-02 Hitachi Ltd カーボントレーサビティ管理システム
WO2021144994A1 (ja) 2020-01-18 2021-07-22 株式会社ティービーエム 廃水油脂を利用したco2削減クレジット演算システム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004038268A (ja) * 2002-06-28 2004-02-05 Toshiba Corp リサイクル・環境負荷評価のための評価支援装置、方法、およびプログラム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006505027A (ja) 2002-07-20 2006-02-09 シカゴ クライメイト エクスチェンジ,インコーポレイティド 排出量削減取引システム及び方法
JP2010191832A (ja) 2009-02-20 2010-09-02 Hitachi Ltd カーボントレーサビティ管理システム
WO2021144994A1 (ja) 2020-01-18 2021-07-22 株式会社ティービーエム 廃水油脂を利用したco2削減クレジット演算システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023181030A (ja) 2023-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5386639B2 (ja) データベース、データ管理サーバ、およびデータ管理プログラム
CN103201755A (zh) 用于实现履行管理的方法和系统
US20110173529A1 (en) Template processing engine for business systems
CN102207861A (zh) 一种业务中个性化信息展现方法
CN104182225A (zh) 一种通用移动信息系统适配方法与装置
JP2012247964A (ja) 進捗管理装置、及び進捗管理プログラム
Ke et al. Customer-Country diversification and inventory efficiency: Comparative evidence from the manufacturing sector during the pre-pandemic and the COVID-19 pandemic periods
CN112381485A (zh) 一种物料需求计划计算方法及相关设备
CN101702216A (zh) 一种支持多种库存业务配置的方法
CN101369329A (zh) 一种在erp系统中关联单据的方法及装置
Alfieri Workload simulation and optimisation in multi-criteria hybrid flowshop scheduling: a case study
JP7310143B2 (ja) 情報処理装置及びプログラム
JP7121216B1 (ja) 管理システム、管理方法及び管理プログラム
US20110276359A1 (en) Information processing apparatus, cost forecast calculation method, and cost forecast calculation program
WO2023238599A1 (ja) 管理システム
JP2010044572A (ja) 生産計画立案方法、その実行プログラム及びその実行装置
CN104199648A (zh) 一种通用移动信息系统适配方法与装置
CN109684339B (zh) 供需单据的调整方法、装置、计算机设备和存储介质
Sahling Integration of vendor selection into production and remanufacturing planning subject to emission constraints
WO2022172534A1 (ja) 部品構成決定支援装置、部品構成決定支援方法およびプログラム
JPWO2018079647A1 (ja) 工程管理装置、工程管理方法およびプログラム
JP2014049107A (ja) 人材情報システム
CN102819565A (zh) 随意自订编号自动生成系统及方法
WO2017094100A1 (ja) サプライチェーン評価装置、およびサプライチェーン評価方法
WO2012073555A1 (ja) データ管理システム、データ管理方法、およびデータ管理プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220620

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7121216

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150