JP7120164B2 - Dcdcコンバータの制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
入力電源の電圧を、半導体スイッチング素子のオンオフ動作によって所望の出力電圧に変換するDCDCコンバータにおいて、
前記DCDCコンバータの出力電圧をフィードバックした値とDCDCコンバータの出力電圧目標値との偏差をとり、該偏差に対して比例ゲインおよび積分ゲインを乗じてPI制御演算を行い、該PI制御演算の出力値に基づいて誤差デューティ値を演算する第1のデューティ値演算部と、
前記DCDCコンバータの入力電源電圧と前記出力電圧目標値の比から演算した基本デューティ値を前記誤差デューティ値に加算して、前記半導体スイッチング素子のオンオフ期間の比率を定めるデューティ値を演算する第2のデューティ値演算部と、
前記DCDCコンバータが起動してから設定時間経過後に、DCDCコンバータの出力電圧が、出力電圧目標値よりも小さく設定した第1の設定電圧未満であるときに、前記第1のデューティ値演算部の比例ゲインおよび積分ゲインを増大させ、DCDCコンバータの出力電圧が、出力電圧目標値よりも大きく設定した第2の設定電圧以上になったときに、前記第2のデューティ値演算部で演算されたデューティ値を0%とするパラメータ値変更部と、を備え、
前記第2のデューティ値演算部により演算されたデューティ値に基づいて前記半導体スイッチング素子のゲート信号のデューティ比を決定することを特徴としている。
前記第2のデューティ値演算部により演算されたデューティ値に対して、DCDCコンバータの起動後の設定時間は比例上昇し、前記設定時間経過後に固定値となるリミット係数によって制限処理を施すリミット処理部を備えたことを特徴とする。
前記DCDCコンバータは前記入力電源を共通とする複数の出力回路を備えることを特徴とする。
入力電源の電圧を、半導体スイッチング素子のオンオフ動作によって所望の出力電圧に変換するDCDCコンバータの制御方法であって、
前記DCDCコンバータの出力電圧をフィードバックした値とDCDCコンバータの出力電圧目標値との偏差をとり、該偏差に対して比例ゲインおよび積分ゲインを乗じてPI制御演算を行い、該PI制御演算の出力値に基づいて誤差デューティ値を演算する第1のデューティ値演算ステップと、
前記DCDCコンバータの入力電源電圧と前記出力電圧目標値の比から演算した基本デューティ値を前記誤差デューティ値に加算して、前記半導体スイッチング素子のオンオフ期間の比率を定めるデューティ値を演算する第2のデューティ値演算ステップと、
前記DCDCコンバータが起動してから設定時間経過後に、DCDCコンバータの出力電圧が、出力電圧目標値よりも小さく設定した第1の設定電圧未満であるときに、前記第1のデューティ値演算ステップの比例ゲインおよび積分ゲインを増大させ、DCDCコンバータの出力電圧が、出力電圧目標値よりも大きく設定した第2の設定電圧以上になったときに、前記第2のデューティ値演算ステップで演算されたデューティ値を0%とするパラメータ値変更ステップと、
前記第2のデューティ値演算ステップにより演算されたデューティ値に基づいて前記半導体スイッチング素子のゲート信号のデューティ比を決定するステップと、を備えたことを特徴とする。
(2)請求項2に記載の発明によれば、演算されたデューティ値に対してクッション性能を持たせたリミット処理を施すことができ、急激なリミット処理を防ぐことができる。
(3)請求項3に記載の発明によれば、高速処理ができない安価なマイクロコンピュータでの複数電源出力制御を実現することができる。
例えばバッテリ入力電圧=108V、出力電圧目標値=24Vの場合、DutyはDuty=24V/108V=22.2%となる。さらに、出力電圧目標値とAD変換した出力電圧値との差分をPI制御演算することによって誤差デューティ値=ΔDutyが演算され、加算器28において、ΔDutyがベースDutyに対して加算・減算されて、クッション・リミット処理前のDuty1が出力される。
図7のバッテリ入力電圧値VBinが急変した場合(例として、108Vから60Vに変動したとする)を考える。制御は、200μsec毎しかPWMスイッチングDutyを変化させる事ができないため、バッテリ入力電圧値VBinの急変から所定時間(最長200μsec)は、Duty=24V/108V=22.2%で固定されているために、出力電圧Voutは、VBin×Duty=60V×22.2%=13.32Vに向かって急変してしまう。
前記と同様にバッテリ入力電圧値が変動した場合、制御周期インターバル間(最長200μsec)は、前述のとおり制御によるDutyの修正はできないが、次に制御周期でのバッテリ入力電圧値変動を検出した後は、バッテリ入力電圧値を基にしたDuty値(図1のベースDuty)が以下のように再計算される。
(1)急激な入力電圧変動が発生しても、制御によって出力電圧変動が抑えられる。
(2)追加使用するバッテリ入力電圧検出値は、既存の制御(DCDCコンバータの出力電圧制御以外の制御)で使用するケースが多い。そのケースでは追加するハードウェアは不要である(従来方式に対する変更は、ソフトウェアのみでよい)。つまり、本発明によるDCDCコンバータやバッテリフォークリフト等の搭載機器のサイズやコストのアップは伴わない。
(3)高速処理ができない安価なマイクロコンピュータでの複数電源出力制御が実現可能となる。
突然図7のDCDCコンバータの負荷電流が大きくなった場合、スイッチング素子(FET)のPWMDutyは所定時間(最長200μsec)では一定のため、過渡的なエネルギーは、出力側に接続している電解コンデンサC143の電荷の放電によって電圧を維持しようと動作する。そして放電された電荷は、一次側(バッテリ1)からスイッチング素子(TR22)のスイッチングによってエネルギーを補給する必要がある。
前記と同様に負荷電流が急に大きくなった場合、制御周期インターバル間(最長200μsec)は、前述のとおり制御によるΔDutyの修正はできないが、出力電圧値Voutが目標値の90%未満の値になったときには、ステップS3のように比例ゲイン・積分ゲインを通常の数値Kp0,Ki0から、より大きなゲインKp1,Ki1に入れ替えることで、図4の誤差デューティ値ΔDutyおよびリミット処理後のデューティ値Duty2をより早く大きくし、出力電圧の過渡的な低下を最小限に抑える。
(1)急激な負荷電流変動が発生しても、制御によって出力電圧変動が抑えられる。
(2)追加使用するバッテリ電圧検出値は、既存の制御(DCDCコンバータの出力電圧制御以外の制御)で使用するケースが多い。そのケースでは追加するハードウェアは不要である(従来方式に対する変更は、ソフトウェアのみでよい)。つまり、本発明によるDCDCコンバータやバッテリフォークリフト等の搭載機器のサイズやコストのアップは伴わない。
(3)高速処理ができない安価なマイクロコンピュータでの複数電源出力制御が実現可能となる。
11…減算器
12…PI制御の比例項
13…PI制御の積分項
14,28…加算器
15,25…演算回路
17…リミッタ
26…クッション処理部
30…デューティ値変更部
40…ゲイン変更部
100…制御装置
101…ADコンバータ
102…CPU
103a~103c…PWM出力部
104a~104d…ゲート回路
TR8~TR11,TR22,TR27…スイッチング素子
TF2…トランス
C93,C111,C143,C157…電解コンデンサ
L4,L5,L6…リアクトル
Z1~Z3…負荷
Claims (4)
- 入力電源の電圧を、半導体スイッチング素子のオンオフ動作によって所望の出力電圧に変換するDCDCコンバータにおいて、
前記DCDCコンバータの出力電圧をフィードバックした値とDCDCコンバータの出力電圧目標値との偏差をとり、該偏差に対して比例ゲインおよび積分ゲインを乗じてPI制御演算を行い、該PI制御演算の出力値に基づいて誤差デューティ値を演算する第1のデューティ値演算部と、
前記DCDCコンバータの入力電源電圧と前記出力電圧目標値の比から演算した基本デューティ値を前記誤差デューティ値に加算して、前記半導体スイッチング素子のオンオフ期間の比率を定めるデューティ値を演算する第2のデューティ値演算部と、
前記DCDCコンバータが起動してから設定時間経過後に、DCDCコンバータの出力電圧が、出力電圧目標値よりも小さく設定した第1の設定電圧未満であるときに、前記第1のデューティ値演算部の比例ゲインおよび積分ゲインを増大させ、DCDCコンバータの出力電圧が、出力電圧目標値よりも大きく設定した第2の設定電圧以上になったときに、前記第2のデューティ値演算部で演算されたデューティ値を0%とするパラメータ値変更部と、を備え、
前記第2のデューティ値演算部により演算されたデューティ値に基づいて前記半導体スイッチング素子のゲート信号のデューティ比を決定することを特徴とするDCDCコンバータの制御装置。 - 前記第2のデューティ値演算部により演算されたデューティ値に対して、DCDCコンバータの起動後の設定時間は比例上昇し、前記設定時間経過後に固定値となるリミット係数によって制限処理を施すリミット処理部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のDCDCコンバータの制御装置。
- 前記DCDCコンバータは前記入力電源を共通とする複数の出力回路を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のDCDCコンバータの制御装置。
- 入力電源の電圧を、半導体スイッチング素子のオンオフ動作によって所望の出力電圧に変換するDCDCコンバータの制御方法であって、
前記DCDCコンバータの出力電圧をフィードバックした値とDCDCコンバータの出力電圧目標値との偏差をとり、該偏差に対して比例ゲインおよび積分ゲインを乗じてPI制御演算を行い、該PI制御演算の出力値に基づいて誤差デューティ値を演算する第1のデューティ値演算ステップと、
前記DCDCコンバータの入力電源電圧と前記出力電圧目標値の比から演算した基本デューティ値を前記誤差デューティ値に加算して、前記半導体スイッチング素子のオンオフ期間の比率を定めるデューティ値を演算する第2のデューティ値演算ステップと、
前記DCDCコンバータが起動してから設定時間経過後に、DCDCコンバータの出力電圧が、出力電圧目標値よりも小さく設定した第1の設定電圧未満であるときに、前記第1のデューティ値演算ステップの比例ゲインおよび積分ゲインを増大させ、DCDCコンバータの出力電圧が、出力電圧目標値よりも大きく設定した第2の設定電圧以上になったときに、前記第2のデューティ値演算ステップで演算されたデューティ値を0%とするパラメータ値変更ステップと、
前記第2のデューティ値演算ステップにより演算されたデューティ値に基づいて前記半導体スイッチング素子のゲート信号のデューティ比を決定するステップと、を備えたことを特徴とするDCDCコンバータの制御方法。
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