以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施形態に係る走行支援装置1は、図1に示すように、車外環境センサ2、車両センサ3、ナビゲーションシステム4、走行制御装置5、アクチュエータ6及びコントローラ7を備える。本発明の実施形態に係る走行支援装置1は、例えば車両に搭載可能である。以下において、本発明の実施形態に係る走行支援装置1が搭載される車両を「自車両」と称する。
車外環境センサ2は、自車両の外側の車外環境を検出するセンサである。車外環境センサ2の種類や数は適宜設定可能である。車外環境センサ2は、例えばレーザレンジファインダ(LRF)やレーダ等の測距装置を含む。測距装置は、例えば、自車両の周囲に存在する物体、自車両と物体との相対位置、自車両と物体との距離を検出する。また、測距装置は、自車両と自車両の前方の路面との距離を検出してもよい。自車両の進行に伴って自車両の前方の路面を走査することにより、路面粗さ(路面の起伏状況)を測定できる。測距装置は、検出した測距データを車外環境情報として、走行制御装置5及びコントローラ7へ出力する。
車外環境センサ2は、例えばステレオカメラや単眼カメラ等のカメラを含む。カメラは、自車両の周囲に存在する物体や、車線境界線(例えば白線)等の道路標示、縁石やガードレール等の地物、前方の路面等を撮影した撮影データを車外環境情報として、走行制御装置5及びコントローラ7へ出力する。
車両センサ3は、自車両の現在の状態(挙動)を検出するセンサである。車両センサ3の種類や数は適宜設定可能である。車両センサ3は、例えば自車両のバネ上の車体の6軸運動、及びバネ下の上下方向、左右方向及び前後方向の3軸運動を自車両の現在の状態(挙動)として検出する。以下、上下方向、左右方向及び前後方向の3軸運動を「バウンス」と表記する。また、自車両の挙動は、例えば、バネ上のバウンスの変位と、バネ上のピッチ角の変位、ロール角の変位、及びヨー角の変位と、バネ下のバウンスの変位と、バネ上のバウンスの速度と、バネ上のピッチ角速度、ロール角速度、及びヨー角速度と、バネ下のバウンスの速度と、バネ上のバウンスの加速度と、バネ上のピッチ角加速度、ロール角加速度、及びヨー角加速度と、バネ下のバウンスの加速度とのうち、少なくとも1つを含む。
例えば車両センサ3は、バネ上のバウンスの変位と、バネ上のピッチ角の変位、ロール角の変位、及びヨー角の変位と、バネ下のバウンスの変位を検出してよい。更に、車両センサ3は、バネ上のバウンスの速度と、バネ上のピッチ角速度、ロール角速度、及びヨー角速度と、バネ下のバウンスの速度を検出してよい。更に、車両センサ3は、バネ上のバウンスの加速度と、バネ上のピッチ角加速度、ロール角加速度、及びヨー角加速度と、バネ下のバウンスの加速度を検出してよい。
車両センサ3は、自車両の車輪速を検出する車輪速センサを含んでもよい。更に、車両センサ3は、自車両の車室内の乗員の配置、重さ及び動き、並びに車室内の荷物の配置、重さ及び動きを検出するカメラや圧力センサを含んでもよい。車両センサ3は、自車両の現在の状態を示す車両状態情報を走行制御装置5及びコントローラ7へ出力する。
ナビゲーションシステム4は、ナビコントローラ、測位装置、地図データベース、及び通信部を備える。ナビコントローラは、ナビゲーションシステム4の情報処理動作を制御する電子制御ユニット(ECU)である。測位装置は、自車両の現在位置を測定する。測位装置は、例えば複数の航法衛星から電波を受信して自車両の現在位置を取得するGPS受信機等の全地球型測位システム(GNSS)受信機である。測位装置は、慣性航法装置であってもよい。
地図データベースは、高精度地図等の地図情報を記憶している。地図情報には、ノードとリンクで示される道路地図と、道路地図座標における道路種別(例えば一般道路や高速道路)、道路幅、道路形状、道路勾配、車線数、法定速度(制限速度)に関する情報とが少なくとも含まれている。例えば、道路地図における道路は道路毎にリンク番号で識別されており、リンク番号毎に道路種別、道路幅、道路形状、道路勾配、車線数、法定速度(制限速度)に関する情報が対応付けられている。更に、各道路の車線毎にリンク番号が設定されている。
通信部は、自車両の外部の通信装置との間で無線通信を行う。通信部による通信方式は、例えば公衆携帯電話網による無線通信や、車車間通信、路車間通信、又は衛星通信であってよい。ナビゲーションシステム4は、通信部によって外部装置から道路地図データや、自車両の外側の車外環境の情報を取得してもよい。ナビゲーションシステム4は、例えば車外環境として、自車両の周囲の風の向きや風の強さの情報を取得してよい。ナビゲーションシステム4は、通信部によって外部装置から取得した車外環境の情報をコントローラ7へ出力する。
ナビゲーションシステム4は、自車両の現在位置から目的地までの走行経路を設定し、設定した走行経路に従って乗員に経路案内を行う。走行経路は、車線単位で設定してもよく、道路単位で設定してもよい。更にナビゲーションシステム4は、設定した走行経路の情報を、自車両の走行計画として走行制御装置5及びコントローラ7へ出力する。例えば、ナビゲーションシステム4は、設定した走行経路の地図情報を走行制御装置5及びコントローラ7へ出力する。
走行制御装置5は、自車両の自動運転を行うECUである。ここで、本発明の実施形態における自動運転とは、加速、操舵及び制動の少なくともいずれかを自動で制御する走行制御を含み、加速、操舵及び制動のすべてを自動で制御する走行制御も含む。走行制御装置5は、自車両の自動運転時に、車外環境センサ2からの車外環境情報と、車両センサ3からの車両状態情報とに基づき、ナビゲーションシステム4により設定された走行経路を自車両に走行させる走行軌道(トラジェクトリ)を生成する。
走行制御装置5は、走行軌道を生成する際に、まず、ナビゲーションシステム4により設定された走行経路上を自車両が自動で走行するための運転行動計画を決定する。運転行動計画とは、自車両を走行させる車線と、この車線を走行させるのに要する運転行動とを定めた、中長距離の範囲における車線レベルでの運転行動の計画である。例えば運転行動計画は、前方に存在する交差点を右折するシーンにおいて、交差点の手前何m地点で右折レーンに車線変更するか等の運転行動を定めた計画である。
そして、走行制御装置5は、運転行動計画に従って自車両を走行させるための軌道候補を、自車両の運動特性等に基づき生成する。走行制御装置5は、軌道候補の各々の将来リスクを評価して、最適な軌道を選択し、自車両に走行させる走行軌道として設定する。走行軌道は、自車両の目標操舵角のほか、自車両の速度計画やそのための加減速を含む。走行制御装置5は、選択した走行軌道に基づき、アクチュエータ6に対して制御信号を出力することにより、アクチュエータ6を制御してもよい。
更に、走行制御装置5は、運転行動計画及び走行軌道を、自車両の走行計画としてコントローラ7へ出力する。なお、走行制御装置5の機能の全部又は一部は、ナビゲーションシステム4又はコントローラ7に内蔵されていてもよい。また、走行制御装置5の代わりに、ナビゲーションシステム4が運転行動計画を決定及び走行軌道の設定を実行してもよい。この場合、ナビゲーションシステム4が、運転行動計画及び走行軌道を、自車両の走行計画としてコントローラ7へ出力してもよい。
更に、走行制御装置5は、走行計画に従って走行する時に予定されている自動運転レベルを走行計画としてコントローラ7へ出力する。自動運転レベルは、例えば、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)により制定された基準で区分けできる。具体的に、自動運転レベル1では、加速、操舵及び制動のいずれかを自動で行う。自動運転レベル2では、加速、操舵及び制動のうち複数の操作を自動で行い、乗員に監視義務が課せられている。自動運転レベル3では、加速、操舵及び制動をすべて自動で行い、自動走行中には乗員に監視義務が課せられていないが、自動運転システムの要請により乗員が対応する。自動運転レベル4では、加速、操舵及び制動をすべて自動で行い、乗員は運転に全く関与しない。
アクチュエータ6は、走行制御装置5又はコントローラ7からの電気的な制御信号を機械的な運動に変換して自車両を制御する駆動装置である。アクチュエータ6の種類及び数は適宜設定可能である。例えば、アクチュエータ6は、ステアリングアクチュエータ、アクセル開度アクチュエータ、ブレーキ制御アクチュエータ、及び能動型サスペンションを含む。
ステアリングアクチュエータは、走行制御装置5からの制御信号に応じて自車両の操舵角度を制御する。アクセル開度アクチュエータは、走行制御装置5からの制御信号に応じて自車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータは、走行制御装置5からの制御信号に応じて自車両の制動量を制御する。能動型サスペンションは、車体側部材と車輪側部材との間に介装され、コントローラ7からの制御信号に応じて能動型サスペンションに設けられた油圧シリンダの作動圧が調整される。
能動型サスペンションの一例を図2に示す。能動型サスペンション8は、車体側部材10と車輪11FL,11FR,11RL,11RRの各車輪側部材14との間に各々介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ18FL,18FR,18RL,18RRと、油圧シリンダ18FL,18FR,18RL,18RRの作動圧を個別に調整する圧力制御弁20FL,20FR,20RL,20RRを備える。
更に、能動型サスペンション8は、圧力制御弁20FL,20FR,20RL,20RRに所定圧力の作動油を供給側配管21Sを介して供給すると共に、圧力制御弁20FL,20FR,20RL,20RRからの戻り油を戻り側配管21Rを通じて回収する油圧源22と、油圧源22及び圧力制御弁20FL,20FR,20RL,20RR間の供給側配管21Sに介挿された蓄圧用のアキュムレータ24F,24Rを備える。
油圧シリンダ18FL,18FR,18RL,18RRのそれぞれは、シリンダチューブ18aを有する。シリンダチューブ18aには、軸方向に貫通孔を有するピストン18cにより隔設された下側の圧力室Lが形成され、ピストン18cの上下面の受圧面積差と内圧とに応じた推力を発生する。シリンダチューブ18aの下端が車輪側部材14に取付けられ、ピストンロッド18bの上端が車体側部材10に取付けられている。
圧力室Lの各々は、油圧配管38を介して圧力制御弁20FL,20FR,20RL,20RRの出力ポートに接続されている。また、油圧シリンダ18FL,18FR,18RL,18RRの圧力室Lの各々は、絞り弁32を介してバネ下振動吸収用のアキュムレータ34に接続されている。また、油圧シリンダ18FL,18FR,18RL,18RRの各々のバネ上、バネ下相当間には、比較的低いバネ定数であって車体の静荷重を支持するコイルスプリング36が配設されている。圧力制御弁20FL,20FR,20RL,20RRのそれぞれは、スプールを摺動自在に内装した円筒状の弁ハウジングとこれに一体的に設けられた比例ソレノイドとを有する3ポート比例電磁減圧弁で構成されている。
比例ソレノイドの励磁コイルに供給する指令電流i(制御量)を調整することにより、弁ハウジング内に収容されたポペットの移動距離、即ちスプールの位置が制御される。これにより、供給ポート及び出力ポート又は出力ポート及び戻りポートを介して油圧源22と油圧シリンダ18FL,18FR,18RL,18RRとの間で流通する作動油が制御される。このように、能動型サスペンション8では、圧力制御弁20FL,20FR,20RL,20RRの指令電流i(制御量)を調整して油圧シリンダ18FL,18FR,18RL,18RRが発生する推力を制御することにより、自車両の車体挙動を抑制する。
図3は、励磁コイルに加えられる指令電流i(:iFL,iFR,iRL,iRR)と圧力制御弁20FL,20FR,20RL,20RRの出力ポートから出力される制御圧Pとの関係を示す。ノイズを考慮した最小電流値iMINのときには、制御圧Pは最低制御圧PMINとなり、この状態から電流値iを増加させると、電流値iに比例して直線的に制御圧Pが増加し、最大電流値iMAXのときには、油圧源22の設定ライン圧に相当する最高制御圧PMAXとなる。参照符号iNは中立指令電流,参照符号PNは中立制御圧を示す。
図1に示したコントローラ7は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサと、記憶装置等の周辺部品とを含むECUである。記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。プロセッサは、記憶装置に格納されるコンピュータプログラムを実行することにより、以下に説明するコントローラ7の機能を実現する。なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ7を実現してもよい。例えばコントローラ7は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)等を有していてもよい。
コントローラ7は、車外環境センサ2から出力された車外環境情報と、車両センサ3から出力された車両状態情報と、ナビゲーションシステム4から出力された走行計画及び車外環境情報と、走行制御装置5から出力された走行計画とに基づき、アクチュエータ6を制御する。本発明の実施形態では、コントローラ7が、アクチュエータ6として、ステアリングアクチュエータ、アクセル開度アクチュエータ、ブレーキ制御アクチュエータ、及び能動型サスペンションをそれぞれ制御する場合を例示する。
コントローラ7は、図4に示すように、車両情報取得部41、車外情報取得部42、走行計画取得部43、及びモデル予測制御部44を備える。車両情報取得部41は、車両センサ3から出力される車両状態情報を取得する。車両状態情報は、例えば、横方向加速度、並びにロール軸まわり及びヨー軸まわりの変位、速度及び加速度の情報を含んでよい。
車両センサ3から出力される車両状態情報が変位情報である場合、車両情報取得部41は、変位情報を微分することにより速度情報と加速度情報を算出できる。車両センサ3から出力される車両状態情報が速度情報である場合、車両情報取得部41は、速度情報を積分することにより変位情報を算出し、速度情報を微分することにより加速度情報を算出できる。車両センサ3から出力される車両状態情報が加速度情報である場合、車両情報取得部41は、加速度情報を積分することにより変位情報と速度情報を算出できる。車両情報取得部41は、取得した車両状態情報をモデル予測制御部44へ出力する。
車外情報取得部42は、車外環境センサ2から出力された自車両の外側の車外環境を示す車外環境情報を取得する。車外環境情報は、例えば、自車両の前方の道路の路面粗さ、路面に発生している路面振動、自車両の前方の道路の路面摩擦係数を含んでよい。更に、車外情報取得部42は、ナビゲーションシステム4から出力された自車両の周囲の風の向きや風の強さを示す車外環境情報を取得してよい。車外情報取得部42は、取得した車外環境情報をモデル予測制御部44へ出力する。
走行計画取得部43は、自車両がこれから走行する予定の走行計画を取得する。例えば、走行計画取得部43は、ナビゲーションシステム4により設定された設定経路、及びその地図情報を走行計画として取得してもよい。また、走行計画取得部43は、走行制御装置5が決定した運転行動計画、及び走行軌道を走行計画として取得してもよい。また、走行計画取得部43は、走行制御装置5により行われる予定の自動運転制御の自動運転レベルを走行計画として取得してもよい。また、走行計画取得部43は、自車両がこれから走行する予定の地図情報に含まれる道路形状と、自車両がこれから走行する時の車速計画とを、走行計画として取得してもよい。走行計画取得部43は、取得した走行計画をモデル予測制御部44へ出力する。
モデル予測制御部44は、モデル予測制御を行う。モデル予測制御は、制御対象の出力を予測し、現時刻から所定時刻までの将来の有限区間(予測区間)における制御性能を示す評価関数を最小化する制御量を、最適化問題等を用いて探索するものである。モデル予測制御部44は、車両情報取得部41により取得された車両状態情報と、車外情報取得部42により取得された車外環境情報と、走行計画取得部43により取得された走行計画とに基づくモデル予測制御を行い、アクチュエータ6としてのステアリングアクチュエータ、アクセル開度アクチュエータ、ブレーキ制御アクチュエータ、能動型サスペンションの制御量をそれぞれ算出する。
モデル予測制御部44は、状態予測器51、重み設定部52、評価部53、及び最適化部54を備える。状態予測器51は、車両情報取得部41により取得された現在の自車両の状態と、車外情報取得部42により取得された車外環境と、走行計画取得部43により取得された自車両の走行計画と、最適化部54により算出されたアクチュエータ6の制御量の候補とに基づき、予測区間における将来の自車両の状態(挙動)を予測する。このため、状態予測器51は、車両情報取得部41により取得された現在の自車両の状態と、車外情報取得部42により取得された車外環境と、走行計画取得部43により取得された自車両の走行計画と、最適化部54により算出されたアクチュエータ6の制御量の候補とに応じて発生する自車両の挙動がモデル化された予測モデルを有する。
予測モデルは、例えば、車両情報取得部41により取得された現在の自車両の状態と、車外情報取得部42により取得された車外環境と、走行計画取得部43により取得された自車両の走行計画と、最適化部54により算出されたアクチュエータ6の制御量の候補とに応じて発生する自車両の挙動が、微分方程式により表現されたモデルであってよく、深層ニューラルネットワーク(DNN)等の学習器で構成されるモデルであってもよい。
例えば、状態予測器51は、予測区間における将来の自車両の車体の状態(挙動)として、バネ上のバウンスの変位、速度及び加速度、並びにピッチ軸、ロール軸及びヨー軸まわりの変位、速度及び加速度、バネ下のバウンスの変位、速度及び加速度を予測してよい。状態予測器51は、予測した将来の自車両の車体の状態量を評価部53へ出力する。
重み設定部52は、走行計画取得部43により取得された自車両がこれから走行する走行計画と、車外情報取得部42により取得された車外環境情報と、状態予測器51により予測された自車両の挙動とに基づき、自車両の挙動に対する評価値を算出する。例えば、重み設定部52は、アクチュエータ6の制御量を評価するための評価関数の各状態変数の重みを評価値として設定する。
例えば、モデル予測制御部44によるモデル予測制御において、以下の式(1)で表す評価関数J1を用いることができる。
J1= Wa * Roll_dis + Wb * Roll_vel + Wc * Roll_acc
+ Wd * Pitch_dis + We * Pitch_vel + Wf * Pitch_acc
+ Wg * Yaw_dis + Wh * Yaw_vel + Wi * Yaw_acc
+ Wj * Bounce_dis + Wk * Bounce_vel + Wl * Bounce_acc
…(1)
ここで、Roll_disはロール角変位の状態変数、Roll_velはロール角速度の状態変数、Roll_accはロール角加速度、Pitch_disはピッチ角変位の状態変数、Pitch_velはピッチ角速度の状態変数、Pitch_accはピッチ角加速度の状態変数、Yaw_disはヨー角変位の状態変数、Yaw_velはヨー角速度の状態変数、Yaw_accはヨー角加速度の状態変数、Bounce_disはバウンス変位の状態変数、Bounce_velはバウンス速度の状態変数、Bounce_accはバウンス加速度の状態変数を示す。
また、Waはロール角変位の重み、Wbはロール角速度の重み、Wcはロール角加速度の重み、Wdはピッチ角変位の重み、Weはピッチ角速度の重み、Wfはピッチ角加速度の重み、Wgはヨー角変位の重み、Whはヨー角速度の重み、Wiはヨー角加速度の重み、Wjはバウンス変位の重み、Wkはバウンス速度の重み、Wkはバウンス加速度の重みを示す。
モデル予測制御では、評価関数を最小化するように制御を行うため、重み設定部52により設定される重みが大きいほど、その重みで重み付けされた状態変数に対応する自車両の挙動の抑制量が大きくなる。このため、重み設定部52は、走行計画に従ってこれから走行する時に優先して抑制したい自車両の挙動に対応する状態変数の重みを大きくするように、各状態変数の重みを調整する。例えば、走行計画に従ってこれから走行する時に、自車両の状態量が増加すると予測される状態変数の重みを大きくし、且つ自車両の状態量が減少すると予測される状態変数の重みを小さく調整してもよい。
例えば、自車両が車線変更や右左折等のために旋回する場合には、直進する場合と比較して、ロール角変位、ロール角速度、ロール角加速度、ヨー角変位、ヨー角速度、ヨー角加速度等が相対的に大きくなる。このため、重み設定部52は、走行計画に含まれる走行経路、運転行動計画、走行軌道、道路形状等に基づき、走行計画が旋回を予定していることを認識した場合には、旋回動作中のロール角変位、ロール角速度、ロール角加速度、ヨー角変位、ヨー角速度、ヨー角加速度をより抑制するように、旋回動作中のロール角変位、ロール角速度、ロール角加速度、ヨー角変位、ヨー角速度、ヨー角加速度のそれぞれの重みを、旋回動作の開始前と比較して相対的に大きくし、且つこれら以外の重みを相対的に小さくするように事前に調整してもよい。
また、自車両の走行制御が加減速を含む場合には、一定速度で走行する場合と比較して、ピッチ角変位、ピッチ角速度、ピッチ各加速度、バウンス変位、バウンス速度、バウンス加速度等が相対的に大きくなる。このため、重み設定部52は、走行計画に含まれる車速計画等に基づき、走行計画が加減速を予定していることを認識した場合には、加減速が発生する区間のピッチ角変位、ピッチ角速度、ピッチ各加速度、バウンス変位、バウンス速度、バウンス加速度を抑制するように、加減速が発生する区間のピッチ角変位、ピッチ角速度、ピッチ各加速度、バウンス変位、バウンス速度、バウンス加速度のそれぞれの重みを、加減速が発生しない区間と比較して相対的に大きくし、且つこれら以外の重みを相対的に小さくするように事前に調整してもよい。
例えば、図5に示すように、自車両100が走行計画に従って走行する時に、自車両100が矢印D1で模式的に示すように右旋回(右折)する予定である場合を考える。重み設定部52は、走行計画に基づき、右旋回開始前の重みに対して異なる右旋回時の重みを、右旋回の開始時点から調整して設定する。
例えば図6に示すように、上記式(1)の評価関数J1の状態変数に対応させて、ロール角変位の重みWaを14.6%、ロール角速度Wbを10.7%、ロール角加速度の重みWcを8.1%、ピッチ角変位の重みWdを7.5%、ピッチ角速度の重みWeを11.6%、ピッチ角加速度の重みWfを0.9%、ヨー角変位の重みWgを13.1%、ヨー角速度の重みWhを5.5%、ヨー角加速度の重みWiを9.2%、バウンス変位Wjを10.3%、バウンス速度の重みWkを8.4%、バウンス加速度の重みWlを0.1%にそれぞれ設定する。例えば、右旋回時のロール角変位の重みWa、ロール角速度Wb、ロール角加速度の重みWc、ヨー角変位の重みWg、ヨー角速度の重みWh、ヨー角加速度の重みWiは、右旋回開始前よりもそれぞれ大きく調整されている。
評価部53は、状態予測器51により予測された自車両の将来の状態量と、重み設定部52により設定された重みとに基づき、評価関数の値(コスト)を算出することにより、予測区間におけるアクチュエータ6の制御量の候補の制御性能を評価する。例えば、評価部53は、上記式(1)の評価関数J1を用いて、状態予測器51により予測された自車両の将来の状態量に対応する状態変数を、重み設定部52により設定された重みで重み付けすることによりコストを算出する。評価部53は、算出したコストを最適化部54へ出力する。
最適化部54は、評価部53により算出されたコストを最小化するように、アクチュエータ6の制御量の候補を最適化する。最適化部54は、例えば、評価関数の微分値を用いる反復手法に基づき制御量の候補を最適化してよい。また例えば、最適化部54は、試行錯誤的に最適解を直接探索する発見的手法に基づき制御量の候補を最適化してもよい。発見的手法として、例えば遺伝的アルゴリズム、粒子群最適化、人工蜂コロニーアルゴリズムを使用してよい。最適化部54は、探索によって最適化されたアクチュエータ6の制御量を、アクチュエータ6へ出力する。
モデル予測制御部44は、アクチュエータ6の制御量の候補が最適化されるまで、アクチュエータ6の制御量の候補の算出、自車両の状態の予測、コストの算出の一連の処理を所定回数だけ繰り返すことで、コストを最小化した最終的な制御量を決定する。例えば、図7Aの曲線L1,L2は、1回目及び2回目の処理周期で最適化部54によりそれぞれ算出された、現在時刻t0から所定時刻tpまでの予測区間Tpにおけるアクチュエータ6の制御量の一例を示す。図7Bの曲線L3,L4は、1回目及び2回目の処理周期で状態予測器51によりそれぞれ予測された、現在時刻t0から所定時刻tpまでの予測区間Tpにおける自車両の状態量の一例を示す。図7Cは、評価部53により処理周期毎に算出されたコストの変化を示す。
(走行支援方法)
次に、図8のフローチャートを参照して、本発明の実施形態に係る走行支援方法の一例を説明する。
ステップS1において、ナビゲーションシステム4及び走行制御装置5は、自車両の走行計画を決定する。ステップS2において、車両センサ3は、現在の自車両の状態を検出する。車外環境センサ2は、自車両の外側の車外環境を検出する。
ステップS3において、最適化部54は、予測区間におけるアクチュエータ6の制御量の候補の初期値を決定する。ステップS4において、状態予測器51は、車両センサ3により検出された現在の自車両の状態と、車外環境センサ2により検出された車外環境と、ナビゲーションシステム4及び走行制御装置5により決定された予測区間における自車両の走行計画と、最適化部54により決定された予測区間におけるアクチュエータ6の制御量の候補とに基づき、自車両が走行計画に従って走行する時の予測区間における車体の状態量を予測する。
ステップS5において、重み設定部52は、ナビゲーションシステム4及び走行制御装置5により決定された予測区間における自車両の走行計画と、状態予測器51により予測された予測区間における車体の状態量とに基づき、自車両の将来の挙動に対する評価値を算出する。例えば、重み設定部52は、上記式(1)の評価関数J1を用いて、走行計画に従って走行する時に自車両の車体に発生する挙動を抑制するように、評価関数J1の各状態変数の重みを評価値として設定する。
ステップS6において、評価部53は、状態予測器51が予測した状態量と、重み設定部52により設定された重みとに基づき、評価関数のコストを算出することにより、最適化部54により決定された予測区間におけるアクチュエータ6の制御量の候補の制御性能を評価する。
ステップS7において、最適化部54は、評価部53が算出したコストに基づき、予測区間におけるアクチュエータ6の制御量の候補が最適化されたか否かを判定する。例えば最適化部54は、コストが閾値以下になった場合やコストが最小値になった場合に制御量の候補が最適化されたと判定してよい。
ステップS7においてアクチュエータ6の制御量の候補が最適化されていないと判定された場合に、ステップS8へ移行する。ステップS8において、最適化部54は、所定の最適化アルゴリズムを用いて、アクチュエータ6の制御量の候補を再計算する。その後、ステップS4の手順に戻る。
一方、ステップS7においてアクチュエータ6の制御量の候補が最適化されたと判定された場合に、最適化部54は、最適化されたと判定された時点でのアクチュエータ6の制御量の候補を最終的な制御量としてアクチュエータ6に出力する。アクチュエータ6は、最適化部54により出力された制御量に応じて自車両の挙動を抑制するように自車両を制御する。
(実施形態の効果)
本発明の実施形態によれば、自車両がこれから走行する走行計画を取得し、走行計画に従って走行する時の自車両の挙動を予測する。そして、自車両がこれから走行する走行計画に基づき、予測された自車両の挙動に対する評価値として算出し、評価値に基づき、車両を制御するアクチュエータ6の制御量を算出する。これにより、自車両の挙動が動的に変化する場合でも、自車両に将来生じる挙動の変化を考慮して、アクチュエータ6の特性を事前に調整することができる。このため、自車両の挙動が動的に変化した直後の自車両の挙動が動的に変化する場合でも、自車両の制御の遅れを軽減することができる。したがって、走行計画上の走行シーンに合わせて自車両の挙動を抑制するようにアクチュエータ6の特性を設定することができ、乗員の乗り心地を向上させることができる。
更に、例えば自車両の複数の挙動に対応する複数の評価値を算出し、複数の評価値に基づき、自車両の複数の挙動の制御割合を決定する。これにより、自車両の複数の挙動を抑制するようにアクチュエータ6の特性を設定することができ、乗員の乗り心地を向上させることができる。
更に、自車両の挙動を予測する時に用いる走行計画が、自車両が自動で走行するために算出した車両運動計画を含むことにより、車両運動計画に基づき自動運転を実行しているときの乗り心地を改善することができる。一般的に、自動運転の実行時は、手動運転時と比較して、乗員の乗り心地の感じ方が異なる。また、同じ道路を走行したとしても、自動運転時は手動運転時と異なる挙動が発生するように制御が実行される可能性がある。これに対して、自動運転の制御に合わせてアクチュエータ6の特性を事前に設定することができるので、自動運転の実行時に乗員に与える違和感を軽減することができる。
更に、自車両の挙動を予測する時に用いる走行計画が、車両が自動で走行するために算出した走行軌跡を含む。これにより、自動運転の制御に合わせてアクチュエータ6の特性を事前に設定することができるので、自動運転の実行時に乗員に与える違和感を軽減することができる。
更に、自車両の挙動を予測する時に用いる走行計画が、道路形状を地図から取得した道路形状と、車両がこれから走行する時の車速計画を含む。これにより、自動運転の制御に合わせてアクチュエータ6の特性を事前に設定することができるので、自動運転の実行時に乗員に与える違和感を軽減することができる。
更に、車両の挙動を評価する評価関数の状態変数に対する重みを評価値として設定し、設定した重みで重み付けした評価関数を最小化するように制御量を算出する。これにより、評価関数を用いたモデル予測制御において、今後の環境変化に対して事前に評価関数の重みを調整するので、モデル予測制御の性能を向上させることができる。
(第1変形例)
本発明の実施形態の第1変形例として、走行計画に従って自動運転レベルが切り替わることを予定している場合に、自動運転レベルに応じて評価関数の各重みの制御割合を調整する場合を説明する。
例えば、自動運転レベルは、高精度地図の有無や、高速道路や市街地等で異なる走行状況の複雑さ(難易度)に応じて切り替えてもよい。自動運転レベルに応じて、乗員の車外の監視義務の有無が異なる。そして、自車両の同一の挙動であっても、乗員の車外の監視義務の有無に応じて、乗員が感じる乗り心地が変化する。そこで、走行計画に従って将来的に自動運転レベルが切り替わり、乗員の車外の監視義務の有無が変化することを予定している場合には、乗員の乗り心地を向上させるように評価関数の重みを変化させる。
本発明の実施形態の第1変形例では、アクチュエータ6として能動型サスペンションの制御量の評価指標である評価関数J2を用いる。評価関数J2は、例えば以下の式(2)で表すことができる。
J2 = Wa * a1 + Wv * v1 …(2)
ここで、a1はバネ上加速度の状態変数、v1はバネ上速度の状態変数である。また、Waはバネ加速度成分の重み、Wvはバネ速度成分の重みを示す。
例えば図9に示すように、自車両100が走行予定の道路L11の区間S11,S12において、走行計画上、自動運転レベルを変化させる場合を考える。走行計画上、道路L11の区間S11は自動運転レベル4に設定され、乗員に車外の監視義務が課されない。乗員に監視義務が課されていない場合、乗員はバネ上加速度が小さい方が乗り心地が良いことが推定される。このため、図4に示した重み設定部52は、現在から区間S11の終了時点までは、乗員に監視義務が課される場合と比較して、バネ上加速度をより抑制するように、バネ上加速度の重みWaを大きくし、且つバネ上速度の重みWvを小さく設定する。
一方、区間S12では、走行計画上、自動運転レベル3に設定されており、乗員に車外の監視義務が課され、自動運転システムが乗員への車外の注意を求める。乗員が車外を監視する場合、バネ上速度が小さい方が、乗員は車外を監視し易いことが推定される。このため、図4に示した重み設定部52は、乗員に監視義務が課されていない区間S11が終了し、乗員に監視義務が課される区間S12の開始時点から、バネ上速度をより抑制するように、バネ上速度Wvの重みを大きくし、且つバネ上加速度の重みWaを小さくするように調整する。
本発明の実施形態の第1変形例によれば、乗員による車外の監視義務の有無に応じて評価関数の重みを調整することにより、乗員の乗り心地を向上させることができる。例えば、乗員に車外の監視義務が課され、自動運転システムが乗員への車外の注意を求める場合は、バネ上速度の重みを増やすことによりバネ上速度を低減し、乗員に車外を監視させ易くすることができる。なお、バネ上速度の重みを増大させると共に、或いはバネ上速度の重みを増大させる代わりに、ピッチ角速度の重みを増大させてもよい。ピッチ角速度の重みを増大させ、ピッチ角速度を低減することによっても、乗員に車外を監視させ易くすることができる。
更に、走行計画上、乗員による車外の監視義務の有無が変化する場合でも、走行計画に基づき評価関数の重みを事前に調整することができるので、乗員による車外の監視義務の有無が変化した直後の制御の遅れを軽減することができる。
(第2変形例)
本発明の実施形態の第2変形例として、走行計画に従って走行する道路の路面粗さ(路面の起伏状態)が変化することが予定されている場合に、路面粗さに応じて評価関数の重みの割合の調整する場合を説明する。
例えば、図4に示した車外情報取得部42が、ナビゲーションシステム4の地図データベースに含まれる、走行計画に従って自車両が走行予定の道路の路面粗さの情報を取得してもよい。或いは、車外情報取得部42が、車外環境センサ2により自車両の前方の道路の路面粗さを検出することにより、路面粗さの情報を取得してもよい。
例えば図12に示すように、自車両100が走行計画に従って走行予定の道路R12の区間S21,S22で路面粗さが変化する場合を考える。例えば、路面粗さはISO8608によりレベル分けされ、路面が粗い(路面の起伏が大きい)ほど路面粗さレベルが高くなるように定義されている。図12に示した区間S21は、ISO8608に準拠した路面粗さレベル7であり、区間S22は区間S21よりも粗く、ISO8608に準拠した路面粗さレベル9とする。
例えば、本発明の実施形態の第2変形例では、アクチュエータ6として能動型サスペンションの制御量の評価指標である上記式(2)の評価関数J2を用いる。重み設定部52は、区間S21では、区間S22の場合と比較して、評価関数J2のバネ上速度の重みを相対的に小さく、且つバネ上加速度の重みを相対的に大きく調整する。この場合、路面粗さレベルに応じて、自車両のサスペンションの最大ストローク量は、図13に太い実線で示すように変化する。区間S21の路面粗さレベル7では、自車両のサスペンションの最大ストローク量は0.06m程度である。
図13に太い実線で示すように、路面粗さレベル9に変化すると、サスペンションの最大ストローク量が上限値である0.08mを超えることが予定される。そこで、重み設定部52は、区間S22に進入したときにサスペンションの最大ストローク量が上限を超えることが予定される場合には、ストローク量を抑制するように評価関数の重みを事前に調整する。例えば、重み設定部52は、バネ上加速度の重みを小さくすると共に、バネ上速度の重みを大きくする。これにより、路面粗さレベルに応じて、自車両のサスペンションの最大ストローク量は、図13に細い実線で示すように変化する。区間S22の路面粗さレベル9では、自車両のサスペンションの最大ストローク量は0.08程度に抑制することができる。
本発明の実施形態の第2変形例によれば、走行計画に従って自車両が走行予定の道路の路面粗さの情報に基づき、評価関数のバネ上速度及びバネ上加速度等の重みを事前に調整することで、自車両が走行する道路の路面粗さが変化した時点から制御の遅れなく、サスペンションの最大ストローク量を適切に調整することができる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の実施形態では、状態予測器51が、自動運転に使用される走行計画を用いて自車両の状態を予測する場合を例示したが、これに限定されない。即ち、状態予測器51が、手動運転時に乗員へのルート案内に使用される走行計画を用いて自車両の状態を予測してもよい。
また、本発明の実施形態では、上記式(1)の評価関数J1及び上記式(2)の評価関数J2を例示したが、評価関数はこれに限定されず、適宜設定可能である。例えば、上記式(1)の評価関数J1の要素として、ロール角加加速度、ピッチ角加加速度、ヨー角加加速度、バウンス加加速度のそれぞれの状態変数及び重みを追加してもよい。また、上記式(1)の評価関数J1の状態変数の一部が無くてもよい。