JP7118233B2 - 電波散乱体及び電波散乱体を備える電波を減衰させるための部材 - Google Patents

電波散乱体及び電波散乱体を備える電波を減衰させるための部材 Download PDF

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Description

本発明は、入射する電波を減衰させるための電波散乱体及び電波散乱体を備える電波を減衰させるための部材に関する。
近年、電波(特にミリ波)を情報通信媒体とした情報検知手段の検討が、自動車、家電、ライフサイエンス分野等の分野において進んでいる。例えば、自動車の技術分野において、例えば、24~81GHzの周波数の電波を用いたレーダにより障害物を検知して自動でブレーキをかけたり、周辺車両の速度や車間距離を測定して自車の速度や車間距離を制御したりする、衝突予防システムがある。衝突予防システム等が正常に動作するには、誤認防止のため、不要な電波(ノイズ)をできるだけ受信しないようにすることが重要である。
図1は、そのような衝突予防システムに用いられるレーダの設置例で、自動車のバンパー38内にレーダ36と、レーダ36に対するカバー部材31が配置される例を示している。レーダ36は、カバー部材31の側周壁34で取り囲むように取り付けられている。レーダ36から照射された電波β1は、通常、バンパー38を透過するが、なかにはバンパー38で反射(多重反射を含む)し、レーダ36やレーダ36近傍に到達するもの(電波β2)がある。そのため、レーダの誤作動が生じる場合がある。
このような誤作動を防止するために、カバー部材31の表面に電波吸収体を設けて、不要な電波を吸収して排除し、電波β2がレーダ36に到達する量を抑制し、レーダ36の誤作動を防止する技術が提案されている。電波吸収体としては、例えば、下記特許文献1に示されるように、電波を吸収する炭素粒子を混合した電波吸収体が提案されている。また、例えば、下記特許文献2に示されるように、電波を散乱する散乱体を混合した電波吸収体が提案されている。なお、電波入射面に多数の凹部が形成されていることも記載されているが、散乱体を含有させることが前提となっている。
また、バンパー38による反射波が特定の方向に強い電波とならないように、バンパー38の反射点や遮蔽板の必要な箇所に、表面を、入射する電波を乱反射させる形状とした部材を設けて反射波のエネルギーを分散させる技術も提案されている(下記特許文献3)。
特開2001-230587号公報 特開2004-153135号公報 特許第5696781号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような電波吸収体は、炭素粒子を混合するためコストが高くなり、また混合する炭素粒子が重いために電波吸収体の重量が大きくなってしまう。
また、特許文献2に示されるような電波吸収体は、散乱体(第2の誘電材料)を混合するためコストが高くなり、また散乱体を電波吸収体内で分散させて配置するために工夫が必要となる。
本発明者らは、入射電波を透過する樹脂組成物のみからなる部材でも、その形状を工夫することによって、部材から出射する電波を散乱させることができ、それによって出射電波の単位面積あたりの強さを減衰させることができることを見出した。すなわち、入射電波が透過する樹脂組成物中に、炭素粒子等の誘電損材料や酸化鉄粉等の磁性損材料や散乱体を混合する必要なく入射電波を減衰することができること、また、入射電波を乱反射させる構成とは異なる構成で入射電波を減衰することができることを見出した。図2は、このような新規構成による出射電波の散乱を示す概念図である。
本発明は、新規な構成により、炭素粒子等の誘電損材料や酸化鉄粉等の磁性損材料や散乱体を混合する必要なく入射電波を透過して減衰することができる部材を提供することを目的の1つとする。
本発明の1つの態様は、入射する電波の少なくとも一部が透過し、透過した電波は散乱状態で出射するように構成され、樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる電波散乱体を提供するものである。
前記樹脂組成物は、前記樹脂組成物からなる厚み3mmの平板に対して垂直に入射する電波の少なくとも20%を透過させるものとすることができる。
前記電波散乱体は、一方が電波入射面を、他方が出射面を構成する少なくとも2つの面を有し、前記2つの面の少なくとも一方に電波の散乱を生じさせる構造部が形成されているものとすることができる。
前記構造部は、少なくとも1つの凸部及び/又は穴部から構成されているものとすることができる。
入射電波の波長をλとしたとき、前記凸部の高さが0.26λ以上であり、前記凸部の幅が0.12λ以上であり、且つ、前記凸部の間隔が5.1λ以下であるか、及び/又は、前記穴部の深さが0.26λ以上であり、前記穴部の幅が5.1λ以下であり、且つ、前記穴部の間隔が0.12λ以上であるものとすることができる。
前記樹脂組成物は、複素比誘電率を有し、10~300GHzのいずれかの周波数で比誘電率の虚部ε''が0.1以下であるものとすることができる。
前記樹脂組成物は10~300GHzのいずれかの周波数で比誘電率の実部ε'が2以上、4以下であるものとすることができる。
本発明の1つの態様は、前記電波散乱体を備える電波を減衰させるための部材を提供するものである。
前記電波を減衰させるための部材は、成型体であり、前記電波散乱体が、その少なくとも一部に形成されたものとすることができる。
前記電波を減衰させるための部材は、レーダのカバー部材であるものとすることができる。
本発明の1つの態様は、前記レーダのカバー部材にレーダが取り付けられたレーダアッセンブリを提供するものである。
本発明の1つの態様は、前記電波を減衰させるための部材を含むバンパーを提供するものである。
本発明の1つの態様は、前記部材、前記レーダアッセンブリ、及び/又は、前記バンパーを備えた車両を提供するものである。
上述のとおり、不要電波を吸収(減衰)させる技術は従来から存在する。特許文献1に記載の技術は、電波が入射する樹脂層内に積極的に電波損失材料を導入し、この電波損失材料によって不要電波を吸収(減衰)させるものである。特許文献2に記載の技術は、電波が入射する樹脂層内に電波を散乱させる散乱体(たとえば空気)を含有させ、樹脂層内部での内部散乱を起こさせることにより不要電波を吸収(減衰)させるものである。特許文献3に記載の技術は、入射する電波を積極的に乱反射させ減衰させたり、反射により入射波に対する反射波の角度を変更することで、不要電波を抑制するものである。
このように、特許文献1~3に記載の従来から知られている技術と、本発明の、樹脂層を透過する電波を散乱させて減衰させる技術とは、異なる技術と考えられる。
本発明によれば、新規な構成により、炭素粒子等の誘電損材料や酸化鉄粉等の磁性損材料や散乱体を混合する必要なく入射電波を減衰することができる部材を提供することができる。
以下、本発明による電波散乱体の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
衝突予防システムに用いられるレーダの設置例を示す図である。 新規構成による出射電波の散乱を示す概念図である。 本発明による電波散乱体の1つの実施形態を示す斜視図である。 本発明による電波散乱体の1つの実施形態を示す平面図である。 図4のV-V断面図である。 散乱率の測定方法の概略を説明する図である。 散乱状態と散乱率の測定方法との関係を示す概念図である。 実測値に基づく透過減衰量と凸部の高さの関係を示す図である。 スカラー回折理論に基づく透過率と凸部の高さの関係を示す図である。 異なる幅の凸部を配置したユニットが繰り返された形状の電波散乱体の例の断面図である。 実施例14のサンプルと実施例3のサンプルについて各角度の透過減衰量を比較して示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の断面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の断面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 電波散乱体の支持部に穴部を設けた構成の例の平面図と断面図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 本発明による電波散乱体の他の実施形態の平面図を示す図である。 凸部体積率の概念を説明する図である。 本発明による電波を減衰させるための部材の1つの実施形態の斜視図である。 本発明による電波を減衰させるための部材の1つの実施形態の平面図である。 図20AのY-Y断面図である。 図20BのZ-Z断面図である。 本発明による電波を減衰させるための部材の他の実施形態の平面図である。 図21AのG-G断面図である。 本発明による電波を減衰させるための部材の1つの実施形態の側周壁の内面に形成される凸条を説明する図である。 本発明による電波を減衰させるための部材の1つの実施形態の側周壁の内面に形成される凸条の変形例を説明する図である。 本発明による電波を減衰させるための部材の1つの実施形態の側周壁の内面に形成される凸条の変形例を説明する図である。 本発明によるレーダアッセンブリの1つの実施形態の斜視図である。 本発明によるバンパーの1つの実施形態の概要を示す図である。 本発明による車両の1つの実施形態の概要を示す図である。 反射減衰量の測定方法の概略を説明する図である。 透過率の算出におけるカーブフィッティングの例を示す図である。 透過率の算出におけるカーブフィッティングの例を示す図である。
[電波散乱体]
本発明の電波散乱体は、入射する電波の少なくとも一部が透過し、透過した電波は散乱状態で出射するように構成され、樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる。
本発明の電波散乱体は、前記樹脂組成物は、前記樹脂組成物からなる厚み3mmの平板に対して垂直に入射する電波の少なくとも50%を透過させるものである。この透過率は、65以上とすることが好ましく、85%以上とすることがさらに好ましい。少なくとも、この好ましい透過率とすることにより、誘電損材料等の添加が不要となり、軽量化や低コストでの生産が可能となる。電波散乱体の透過率を、電波散乱体を構成する樹脂組成物からなる厚み3mmの平板に対して垂直に入射する電波の透過率で規定しているのは、以下の理由による。1つは、電波散乱体の形状によって、総入射電力と総出射電力の比が変わることである。もう1つは、総出射電力を測定することが困難であることである。上述のように、本発明は、入射電波を透過する樹脂組成物のみからなる部材でも、その形状を工夫することによって、部材から出射する電波を散乱させるものであるから、出射電波の散乱を生じさせない形状の代表的な形状である平板状の樹脂組成物からなる部材の透過率で特性を規定することは合理的である。
図3は、本発明による電波散乱体の1つの実施形態を示す斜視図である。図4は、本発明による電波散乱体の1つの実施形態を示す平面図である。図5は、図4のV-V断面図である。
電波散乱体1は、第1の主面2及び第2の主面3を有する支持部4と、第1の主面2には、電波の散乱を生じさせる構造部5が形成されている。構造部5は、複数の凸部6から構成されている。本実施形態では凸部6は凸条で、いずれも同一方向に延びており、互いに平行に形成されている。
電波散乱体1は、取付対象等の大きさにもよるが、その幅Qおよび長さP(図4参照)は、いずれも通常1~50cmに形成されるものであり、より好ましくは1.5~40cmに形成されるものであり、3~30cmに形成されるものがさらに好ましい。また、図5に示される支持部3の厚みT1は、強度と重量とのバランスの点から、通常、0.5~10mmの範囲に設計されることが好ましく、0.7~5mmの範囲に設計されることがより好ましく、1~3mmの範囲に設計されることがさらに好ましい。また、凸部6の高さHを含めた電波散乱体1の厚みT2は、十分な電波散乱効果を発揮することはできる点から、通常0.5~20mmの範囲に設計されることが好ましく、1~15mmの範囲に設計されることがより好ましく、2~10mmの範囲に設計されることがさらに好ましい。
凸部6の高さHは、入射電波の波長をλとしたとき、0.26λ以上の範囲に設計されることが好ましく、0.51λ以上1.5λ以下の範囲に設計されることがより好ましく、0.77λ以上1.3λ以下の範囲に設計されることがさらに好ましい。
凸部6の、第1の主面2から立ち上がる部位における幅寸法Wは、入射電波の波長をλとしたとき、0.26λ以上の範囲に設計されることが好ましく、0.26λ以上3.1λ以下の範囲に設計されることがより好ましく、凸部6がドット状の場合は0.51λ以上3.1λ以下の範囲に設計されることがさらに好ましい。
また、隣り合う凸部6の間隔Sは、入射電波の波長をλとしたとき、5.1λ以下の範囲に設計されることが好ましく、0.26λ以上3.1λ以下の範囲に設計されることがより好ましく、0.51λ以上2.6λ以下の範囲に設計されることがさらに好ましい。ここで、さらに好ましい間隔Sの範囲は、凸部6が凸条の場合は、0.26λ以上2.8λ以下、凸部6がドット状の場合は、0.51λ以上2.6λ以下である。なお、間隔Sは、対向する、凸部6が第1の主面2から立ち上がる部位間において測定される値である。
凸部6の高さH、幅W、及び間隔Sは、入射電波の波長をλとしたとき、0.26λ 以上、0.12λ以上、及び5.1λ以下の範囲に設計されることが好ましく、0.51λ以上1.5λ以下、0.26λ 以上3.1λ以下、及び0.26λ以上3.1λ以下の範囲に設計されることがより好ましく、0.51λ以上1.5λ以下、0.26λ 以上3.1λ以下、及び0.51λ以上2.6λ以下の範囲に設計されることがさらに好ましい。ここで、さらに好ましい高さH、幅W、及び間隔Sの範囲は、凸部6が凸条の場合は、0.51λ以上1.5λ以下、0.26λ 以上3.1λ以下、及び0.26λ以上2.8λ以下であり、凸部6がドット状の場合は、0.51λ以上1.5λ以下、0.51λ以上3.1λ以下、及び0.51λ以上2.6λ以下である。
凸部6の高さH、幅W、間隔Sに対する電波散乱体の性能は、本願実施例に記載するような方法でサンプルを作成して評価することで検証してもよいし、電磁界解析シミュレーションにより検証してもよい。
上述のように、本発明の電波散乱体は、入射する電波の少なくとも一部が透過し、透過した電波は散乱状態で出射するように構成されるものであるが、「透過した電波が散乱状態で出射する」とは、散乱率が、下記のような測定による測定値に基づいて、所定の値(後述の「散乱率III」が1.0%以上)であることを意味する。ここで、散乱率としては、電波散乱体に入射した電波の直進透過波に対する散乱波の比率である「散乱率I」と、透過波全体に対する散乱波の比率である「散乱率II」または「散乱率III」を考える。
散乱率の測定方法について説明する。図6は、散乱率の測定方法の概略を説明する図である。図7は、散乱状態と散乱率の測定方法との関係を示す概念図である。透過減衰量をJIS R 1679を参照して、下記に示す手順にしたがって、電波送受信機(EAS03、キーコム社製)を用いて、60-90GHzにおいて測定する。透過減衰量は下記の式(1)で算出される値の絶対値で示される。

10Log|Pi/P0|・・・(1) (Pi:受信電力、P0:送信電力)
図6にその概略を示すとおり、サンプルホルダ11、ミリ波レンズ12、送信機9および受信機10を配置する。送信器9からは、直径150mmの電波が送信される。サンプルホルダ11には何もセットしない状態で電波の送受信を行って、透過減衰量が0dB(電波が全量透過)の状態を各サンプルの面方向に対する垂直入射の透過減衰量測定の基準とする。次に、サンプルホルダ11にサンプルをセットした後、図7に示すように受信機を各サンプルの面方向に対して垂直な、送信器9から受信機10に向かう方向に対して0°,15°,30°,45°,60°,75°の角度にそれぞれ設置して電波の送受信を行い、76.5GHzにおける透過減衰量を測定する。なお、電波散乱体の構造体が凸条の場合は、その第1の主面に形成される凸条の長手方向が、入射波の電界の振幅方向と垂直な状態で測定する。0°,15°,30°,45°,60°,75°の各角度での透過減衰量の測定値に基づいて、上記の式(1)から各Pi/P0(受信/送信電力比)を算出し、算出された各Pi/P0(受信/送信電力比)に基づいて、下記の式(2.1)、(2.2)によって散乱率I、散乱率IIを算出する。

(散乱率I)=(15°,30°,45°,60°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計)/(0°でのPi/P0(受信/送信電力比))×100・・・(2.1)

(散乱率II)=(15°,30°,45°,60°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計)/(0°,15°,30°,45°,60°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計))×100・・・(2.2)

ここで、散乱率Iをd1、散乱率IIをd2とすると、下記の式(2.3)で換算することができる。

d2=(100d1/(100+100d1))×100・・・(2.3)
さらに、上記の散乱率の測定方法において、透過波の受信角度の刻みを5°間隔とし、下記の式(2.4)によって散乱率IIIを算出する。

(散乱率III)=(15°,20°,25°,30°,35°,40°,45°,50°,55°,60°,65°,70°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計)/
(0°,5°,10°,15°,20°,25°,30°,35°,40°,45°,50°,55°,60°,65°,70°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計)×100・・・(2.4)
第1の主面2に電波の散乱を生じさせる構造部5が形成されていない部材の例である、後述の比較例1~5の平板状部材の散乱率IIは、0.1%~0.2%であったため、上記のように、「透過した電波が散乱状態で出射する」とは、散乱率IIIが1.0%以上であることを意味するものとした。
なお、散乱率は、理想的には、0°方向の電波の電力に対して、それ以外の角度方向に3次元的に散乱した電波の電力をすべて合算した電力の比に基づいたものとすべきであるが、現時点では、それを測定することが技術的に困難であるため、散乱率を上記の式(2.1)、(2.2)、(2.4)のよう規定した。また、そのように規定された散乱率に基づいて、上述のように「透過した電波が散乱状態で出射する」とは、散乱率IIが1.0%以上であることを意味するものとした。
比較例1にかかるサンプルは凸部が形成されていないため、0°方向に設置して受信した電力に対する15,30,45,60,75°に受信機を設置して受信した電力総量の比である散乱率が、0.06%であり、透過した電波のほとんどが散乱していない。これに対し、凸部が形成された後述の実施例3の散乱電波比率は、385.38%であり、透過した電波が散乱状態となっていることが分かる。
凸部を形成することにより、透過した電波を散乱状態で出射することができるメカニズムとしては、複数のメカニズムが関連していると考えられるが、1つの主なメカニズムは、凸部が回折格子として働いていることが考えられる。
そこで、凸部の断面が矩形の場合を例にとって、回折理論により考察する。図8は、上記の測定方法により算出された、後述の実施例4、4.1、4.2、4.3、4.4、のサンプルの透過減衰量と凸部の高さの関係を示す図である。図8から、凸部の高さが3mmのときに最も大きな透過減衰量を示し、凸部の高さが3mmから離れるにつれ、透過減衰量は減少する傾向が認められた。
光の回折においては、断面が矩形の回折格子では、0次光透過率をI0,誘電率実部をεr、凸部高さをh、波長をλとすると、以下の関係式が成り立つことが知られている(スカラー回折理論)。
Figure 0007118233000001
λを76.5GHzの波長3.92mmで固定した場合、I0はεrとhの関数となり、実施例と同様にεrを2.6とした場合に、凸部の高さとI0の関係は図9に示される通りである。図9からも分かるように、凸部の高さが3mmのときに最も低いI0を示し、高さが3mmから離れるにつれ、I0は上昇する傾向が認められる。ここで、0次光透過率I0は全透過光の内の直進透過光の強度の割合を示し、本発明における直進透過波の透過減衰量に対応するものと考えることができる。そうすると、実測により得られた図8の挙動と、図9による理論が概ね近い挙動を示したことから、本発明における電波散乱体は光のスカラー回折理論と関連しているものと推察される。したがって、誘電率実部εrと凸部高さhを制御することにより、対象とする電波の周波数に対して適切な電波散乱体を得ることができる。
また、ブラッグの法則によると、回折による散乱波の方向(角度)は凸部の周期(幅と間隔を合計した長さ)によって決まる。凸部と凸部の間を透過した回折波同士は、強め合い、弱めあいの干渉縞を形成する。このとき、強め合っている部分が散乱波として観測される。透過した電波が強め合う角度、または弱めあう角度については以下の式(4)、(5)で表される。(d:周期 m;整数)

強め合う場合:dsinθ=mλ・・・(4)
弱めあう場合:dsinθ=(m+1/2)λ・・・(5)

λを固定した場合、変数は強め合う角度θと周期dのみなので、周期によって散乱波の角度が変わることになる。表1には、周期dを変化させたときの回折波が強め合う角度、すなわち散乱波の角度の変化が示されている。
Figure 0007118233000002
これに対し、表2は後述の実施例3に対応し、長さPが150mm、幅Qが150mmのサンプルを作成し、散乱率の測定に用いる装置で、0°,15°,30°,45°,60°,75°の各角度に受信機を設置し、透過減衰量を測定した結果を示している。
Figure 0007118233000003
表2から、最も透過減衰量の小さい角度、すなわち散乱波が観測されている角度は30°と考えられる。実施例3のサンプルの凸部の幅は4mm、間隔も4mmなので周期dは8となり、表1におけるd=8の散乱波の方向29°にほぼ一致することが確認できる。よって、本発明の電波散乱体は、ブラッグの法則とも関連しているものと推察される。したがって、式(4)、(5)に基づいて凸部の間隔を適切に配置することができる。
以上の考察から、電波散乱体の凸部が回折格子として働いていることが推察されるので、以下のような構成とすることにより、特定方向への強い電波の出射を抑制することができると考えられる。上述のように、ブラッグの法則から、単一の幅、間隔(周期)を繰り返した場合、特定方向において回折波が強め合う。そこで、幅と間隔の繰り返し構造中に異なる幅を混合させると、特定方向へ強め合うことを抑制し、方向に対して透過減衰量の均一化が図られ、特定方向への強い電波の出射を抑制することができることが考えられる。
これらの検討にあたっては、光の回折理論を参考にしたが、これをミリ波に応用することは容易ではない。なぜならば、電波、特にミリ波や準ミリ波は、可視光より3桁以上も波長が大きいことも考慮する必要があるからである。例えば、ミリ波は可視光よりも直進性が低く(回折が起こりやすく)、可視光と比較してプラスチック壁や紙などの物体を透過しやすいなどの特徴があるため、このような特徴を考慮した設計が必要となる。
例として、図10に示すような、幅2mm,4mm,8mmの凸条を間隔4mmで順に配置したユニットを繰り返す形状の後述の実施例14の電波散乱体と、幅4mmの凸条を間隔4mmで配置した形状の実施例3の電波散乱体を比較してみる。表3,図11は実施例14のサンプルと実施例3のサンプルについて上記の測定で、0°,15°,30°,45°,60°,75°の各角度に受信機を設置し、透過減衰量を測定した結果を示している。
Figure 0007118233000004
実施例3の電波散乱体ではブラッグの法則通り、30°付近で回折波が強め合うのに対し、実施例14の電波散乱体のように異なる幅の凸条を混合させた場合は、特定方向への強め合いが現れず、方向に対して均一な透過減衰量を得られていることが確認できた。
したがって、本発明の電波散乱体において、回折が主要因として働く場合には、異なる幅や間隔を混合させる構成とすることにより、方向に対して透過減衰量の均一化が図られ、特定方向への強い電波の出射を抑制することができる。
上記の実施形態では、凸部6が、凸条であり、その長手方向を横切る断面が矩形の形状に形成されているが、凸部6の形状は、これに限定されるものではなく、任意の他の適切な形状とすることができる。例えば、図12に示すようにその断面形状が三角形であってもよいし、図13に示すようにその断面形状が円形であってもよい。断面形状が矩形以外の形状(例えば、三角形や円形)の場合は、上述の回折による散乱に、屈折による散乱も加わり、散乱の度合いがより大きくなると考えられる。
また、上記の実施形態では、凸部6が、長手方向に連続的な凸条であったが、長手方向に断続的な凸条としてもよい。更には、凸部6がドット状に形成されてもよい。図14は、凸部6の形状を正四角錐(断面形状が二等辺三角形)とし、間隔Sを0として行列状に配置した電波散乱体の例の平面図である。また、図15は、凸部6の形状を半球(断面が半円)とし、間隔Sを0として行列状に配置した電波散乱体の例の平面図である。これらの例では、凸部6が行列状に配置されているが、凸部6の配置の形態はこれに限定されるものではなく、例えば千鳥状配置といった他の任意の適切な配置とすることができる。
また、凸部6がドット状で四角柱(断面形状が矩形)を行列状に配置したり、千鳥状に配置することもできる。図16は、凸部6の形状を正四角柱(断面形状が矩形)とし、所定の間隔Sで行列状に配置した電波散乱体の例の平面図である。図17は、凸部6の形状を正四角柱(断面形状が矩形)とし、所定の間隔Sで千鳥列状に配置した電波散乱体の例の平面図である。また、図18は、凸部6の形状を正六角柱(断面形状が矩形)とし、所定の間隔Sでハニカム配置した電波散乱体の例の平面図である。
凸部6が凸条である場合は、電波は、回折格子類似の性質により、主に凸条の長さ方向に垂直な方向に散乱され、特に凸条の長さ方向にはほとんど散乱されない。これに対して、凸部6がドット状の場合、特に平面視で点対称な形状の場合は、平面視で全方位に散乱されるので、凸部6が凸条の場合に比べて、より均一に電波を散乱させることができる。また、凸部6がドット状の場合、その配置によって電波の散乱方向を操作することができる。上記の図16、図17、図18には、上記のような凸部6の形状と配置における電波の散乱方向が示されている。各図の右側の図は、各図の左側の図の凸部6の形状と配置における、透過波の有限要素法による電磁界シミュレーションの結果を示す図である。整列配置の場合、隣接する凸部6の4方向へ電波が散乱されるのに対し、ハニカム配置、千鳥配置と配置方法を変化させることで、電波の拡散方向を増やすことができる。電波の散乱方向が増えるほど単位面積当たりの電波密度が低下するので、特定方向への強い電波の出射をさらに抑制することができる。
また、上記の実施形態では、凸部6が、互いに平行な凸条として形成されているが、必ずしも凸条が互いに平行に形成されていなくてもよい。例えば、図19に示す後述の実施例84の電波散乱体のように、凸条がジグザグ状に配置されるように形成されていてもよいし、図20に示す後述の実施例85の電波散乱体のように、凸条が放射状に配置されるように形成されていてもよい。ただし、凸条が互いに平行に形成されていると、設計が容易となるため好ましい。
また、上記の実施形態では、凸部6が、一直線状の凸条として形成されているが、凸条の形状は、これに限定されるものではなく、任意の他の適切な形状に形成されているものとすることができる。例えば、図21に示すように、ジグザグに折れ曲がった形状に形成されていてもよいし、図22に示すように、波状の形状に形成されていてもよい。
また、凸条を泥や汚れが付着しやすい場所に形成する場合は、凸条の長手方向が地面に対して垂直な方向に設置されていると、汚れがたまりにくいため好ましい。
また、上記の実施形態では、構造部が凸部から構成されていたが、構造部を穴部から構成してもよいし、凸部及び穴部から構成してもよい。ここで、「穴部」は、凹部すなわち有底穴、及び貫通穴の両方を含む概念である。
上記の実施形態のように凸部を設けると、凸部の分だけ電波散乱体を作製するために使用する材料が多くなり、電波散乱体の重量が増加してしまう。そこで、支持部に穴部を設けることにより、電波散乱体の重量の増加を抑制することができる。図23は、電波散乱体の支持部に穴部を設けた構成の例の平面図とそのX-X断面図である。上記の実施形態における電波散乱体と同様に、電波散乱体1は、第1の主面2及び第2の主面3を有する支持部4と、第1の主面2には、電波の散乱を生じさせる構造部5が形成されている。構造部5は、複数の凸部6から構成されている。本実施形態では凸部6は凸条で、いずれも同一方向に延びており、互いに平行に形成されている。これに加えて、隣接する凸部6の間に円筒状の穴7が設けられている。穴部7は、幅(直径)がV、深さがDであり、隣接する穴部7の間隔がUで行列状に配置されている。穴部7は、厚みT3の底部が設けられている。このような構成によれば、上述のように、電波散乱体の重量の増加を抑制することができるのみならず、支持部4のうちの穴部7に隣接する残存部も、凸部6に加えて、入射電波の散乱に寄与するものと考えられる。また、図23では穴部の形状が円柱状であるが、必ずしも円形状である必要はなく、例えば三角柱状や四角柱状といった任意の他の適切な形状とすることができる。
なお、穴部7は貫通穴としてもよいが、例えば、上記の「背景技術」の項で述べたような自動車のバンパー内に配置されたカバー部材に本実施形態の電波散乱体を適用する場合は、カバー部材としての機能である防汚機能(泥などによるレーダ表面の汚染防止)を低下させないために、貫通穴ではく、有底の穴とすることが好ましい。
また、上記の実施形態では、電波散乱体に形成される、電波の散乱を生じさせる構造部は、第1の主面、すなわち電波入射面に形成されたものであったが、構造部は、第2の主面、すなわち電波の出射面に形成されても電波の散乱状態を生じさせることができるので、電波の出射面に形成されてもよいし、電波入射面及び電波の出射面の両方に形成されてもよい。電波入射面及び電波の出射面の両方に凸部を設ける場合、両方の凸部の高さの合計が上述の好適範囲とすればよい。電波入射面及び電波の出射面の両方に凸部及び/又は穴部を形成する場合は、電波の出射面の電波入射面に形成された凸部及び/又は穴部に対向する位置に凸部及び/又は穴部を形成することでより優れた透過減衰量が得られやすい。図24は、図5に示される構造の電波散乱体に対して、電波の出射面の、電波入射面に形成された凸部に対向する位置に凸部を形成し、両方の凸部の高さの合計が、図5の凸部6と同じHである電波散乱体の例の断面図である。
また、凸部の形状を階段状としてもよい。図25は、凸部の形状が2段の階段状である電波散乱体の例の断面図である。このような構成によれば、下段部分に加えて、上段部分も入射電波の散乱に寄与するものと考えられる。
上述のように、入射電波の波長をλとしたとき、凸部の高さは0.26λ以上であり、凸部の幅は0.26以上であり、且つ、凸部の間隔は5.1λ以下であることが好ましいところ凸部の高さ、幅、間隔は、穴部の深さ、間隔、幅にそれぞれ相当することを考えると、入射電波の波長をλとしたとき、凸部の高さは0.26λ以上であり、凸部の幅は0.26以上であり、且つ、凸部の間隔は5.1λ 以下であるか、及び/又は、穴部の深さは0.26λ以上であり、穴部の間隔は0.26λ以上であり、且つ、穴部の幅は5.1λ以下であることが好ましい。
また、凸部の高さ及び穴部の深さは、0.51λ以上の範囲に設計されることがより好ましく、0.77λ以上の範囲に設計されることがさらに好ましい。
また、凸部の、第1の主面から立ち上がる部位における幅、及び穴部の、隣り合う第1の主面から立ち下がる部位における間隔は、0.26λ以上の範囲に設計されることがより好ましく、0.51λ以上の範囲に設計されることがさらに好ましい。
また、隣り合う凸部の間隔及び穴部の幅は、3.10λ以下の範囲に設計されることがより好ましく、2.04λ以下の範囲に設計されることがさらに好ましい。なお、上述と同様に、隣り合う凸部の間隔は、対向する、凸部が第1の主面から立ち上がる部位間において測定される値であり、穴部の幅は、対向する、穴部が第1の主面から立ち下がる部位間において測定される値である。
また、後述の凸部体積率は、3%以上の範囲に設計されることが好ましく、3.8%以上の範囲に設計されることがより好ましく、15%以上の範囲に設計されることがさらに好ましく、16.7%以上の範囲に設計されることがさらに好ましく、25%以上の範囲に設計されることがさらに好ましい。また、凸部体積率は、90%以下の範囲に設計されることがさらに好ましく、85.2%以下の範囲に設計されることがより好ましく、65%以下の範囲に設計されることがさらに好ましく、60.9%以下の範囲に設計されることがさらに好ましく、55%以下の範囲に設計されることがさらに好ましく、50.0%以下の範囲に設計されることがさらに好ましい。
ここで、凸部体積率は、構造部の単位構造空間の体積に対する単位構造内の凸部の体積の割合である。単位構造は、構造部における、単一の凸部に対応する構造である。単位構造空間は、単位構造の底面を底面とし、底面から単位構造内の凸部の最大高さの距離だけ離れた、底面と平行な面を上面とし、単位構造の底面の境界線を通り単位構造の底面に垂直な面を側面とし、該底面、上面、及び側面で囲まれる空間である。例えば、図26の平面図とF-F断面図に示されるような支持部4が平板状の形状で、凸部6がドット状で、底面の一辺の長さがWの正四角錐の形状を有し、間隔Sで行列状に配置されている電波散乱体1の場合、単位構造8は、図26において、網掛けで示される部分であり、単位構造空間81は、単位構造8の底面83(一辺の長さが(W+S)の正方形)を底面とし、凸部6の高さHを高さとする直方体の空間となる。
凸部の高さ、幅、及び間隔、並びに穴部の深さ、間隔、及び幅、凸部体積率に対する電波散乱体の性能は、実施例に記載するような方法でサンプルを作成して評価することで検証してもよいし、電磁界解析シミュレーションにより検証してもよい。
また、上記の実施形態では、入射電波が、電波散乱体の主面に対して垂直に入射される場合について説明したが、入射電波が、電波散乱体の主面に対して斜めに入射された場合でも出射する電波に散乱状態を生じさせることができる。表4は、実施例2に対応し、長さPが150mm、幅Qが150mmのサンプルを作成し、散乱率の測定に用いる装置で測定された、入射角度を変えた場合の透過減衰量の変化の例を示すものである。
Figure 0007118233000005
表4から、入射電波が、電波散乱体の主面に対して斜めに入射された場合でも出射する電波に散乱状態を生じさせることができることが分かる。
また、上記の実施形態では、支持部が平板であったが、支持部は湾曲したものであってもよい。
また、上記の実施形態では、入射電波としてミリ波の電波を例にとって説明したが、入射電波の波長は、ミリ波に限定されるものではなく、他の任意の適切な波長とすることができる。
[電波を減衰させるための部材]
本発明の電波を減衰させるための部材は、上述の電波散乱体を備える。
図27は、本発明による電波を減衰させるための部材の1つの実施形態である、電波を減衰させるための部材が、[背景技術]の項において図1により示した例におけるカバー部材31である場合の実施形態の斜視図である。
電波を減衰させるための部材であるカバー部材31は、電波散乱体1と同様に樹脂組成物からなる成型体であり、基本的な構成は電波散乱体1と同様である。よって、電波散乱体1と同じ構成の箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
カバー部材31は、図27に示すように、その上面39に第1開口部32を有し、その下面40に第2開口部33を有し、全体が中空の角錐台状に形成されている。そして、その側周壁34の内面35に、上下方向に延びる複数の凸条6が形成されている。なお、カバー部材31は、通常、上面39が取付対象に接するように取り付けられる。
カバー部材31は、図28Aに平面図を示し、図28BにそのY-Y断面図を示し、図28CにそのZ-Z断面図を示すように、取付対象およびレーダ36の大きさ等にもよるが、その高さLが、通常0.5~25cmに形成されるものであり、より好ましくは1~20cmに形成されるものであり、2~15cmに形成されるものがさらに好ましい。また、その長さMおよび奥行きNは、いずれも通常1~50cmに形成されるものであり、より好ましくは1.5~40cmに形成されるものであり、3~30cmに形成されるものがさらに好ましい。
カバー部材31は、側周壁34の内面35に複数の凸条6が形成されており、これらは、いずれも上下方向(上面39と下面40と結ぶ方向)に延びており、互いに平行になるように形成されている。凸条6の幅が内面35から遠ざかるにつれて小さくなっており、側周壁34の内面35に対する凸条6の立ち上がり角度θが鋭角に形成されている。
上記構成によれば、カバー部材31の側周壁34の内面35に複数の凸条6が特殊な形状で形成されているため、誘電率の異なる複数の材料を用いて複数の層が積層されていなくても充分な電波吸収能を発揮することができる。このため、特定形状の部材を形成後に金属材等からなる層を積層する必要がなく、成型体として提供することができる。また、側周壁34の内面35に対する凸条6の立ち上がり角度θが鋭角に形成されており、また、凸条6が上下方向に延びているため、金型からの抜けが容易であり生産効率が高められている。
なお、上記実施形態では、カバー部材31の全体が角錐台状に形成されているが、全体形状はこれに限られず、例えば、図29A、図29Bに示されるように、円錐台状であってもよい。ただし、全体形状が角錐台状に形成される場合はもちろん、円錐台状に形成される場合において、その内面35に形成される複数の凸条6は、金型からの抜けの容易性を考慮して形状や配置を設計する必要がある。
また、上記実施形態では、カバー部材31の全体が角錐台状(四角錘台状)に形成されているが、n角(ただし、nは正の整数)錘状であってもよい。また、カバー部材31の形状は錐台状に限定されるものではなく、取付対象やレーダ36の形状等に柔軟に合わせて、板状やレーダ波の出射方向とは反対方向に拡開する錐台状等の任意の適切な形状とすることができる。
そして、上記実施形態では、側周壁34の内面35に形成される複数の凸条6が、図30Aに示されるように、それぞれ側周壁34の内面35において、上下方向(上面39と下面40と結ぶ方向)に一続き(連続的)に形成されているが、複数の凸条6は、それぞれ断続的に形成されていてもよい。しかし、複数の凸条6が一続き(連続的)に形成されていると、金型からの抜けが容易となる傾向がみられる。
また、上記実施の形態では、側周壁34の内面35に形成される複数の凸条6が、図30Bに示されるように、上面39と側周壁34との境界部から立ち上がり、下面40に向かって一続き(連続的)に形成されているが、22Cに示すように、複数の凸条6は、上面39の周縁部からなだらかに立ち上がるようにしてもよく、その立ち上がりは、上記上面39と上記凸条6の上面とが連続して繋がるように、カーブを画くように徐々に立ち上がるものであってもよい。このように、複数の凸条6が、上面39と凸条6の上面とが連続して繋がるように形成されていると、より金型からの抜けが容易となる傾向がみられる。
さらに、上記実施形態では、側周壁34の内面35に形成される複数の凸条6が、図30Aに示されるように、角錐台の同じ面において互いに平行に形成されているが、 必ずしも上記複数の凸条4が互いに平行に形成されていなくてもよい。例えば、側周壁34の各面において、上記の図20の配置のような、その上面39から下面40に向かって複数の凸条6が末広がりに配置され、カバー部材31の下面40から内側を見た場合に複数の凸条6が上面39から放射状に延びるように形成されていてもよい。また、上記の図19の配置のような、複数の凸条6がジグザグ状に配置されるように形成されていてもよい。ただし、金型からの抜けが 容易である点で、図29Aに示されるように、複数の凸条6が角錐台の同じ面において平行に形成されていることが好ましい。
そして、上記実施形態では、上面39に第1開口部32を有し、下面40に第2開口部33を有しているが、上面39は必ずしも第1開口部32を有していなくてもよい。上面39が第1開口部32を有していない場合、上面39の内側にレーダ36を配置すればよい。レーダ36をカバー部材31内に配置すると、レーダ36とカバー部材31とを同時に取付対象に設置することができるという利点を有する。
上記の実施形態では、電波散乱体がカバー部材に一体成形されて電波を減衰させるための部材を構成するものであったが、カバー部材とは別体の電波散乱体が、カバー部材に取り付けられて電波を減衰させるための部材を構成してもよい。
また、上記の実施形態では、電波を減衰させるための部材としてレーダのカバー部材を例にとって説明したが、電波を減衰させるための部材は、これに限定されるものではなく、他の任意の適切な用途の部材とすることができる。
[レーダアッセンブリ]
本発明のレーダアッセンブリは、上述のレーダのカバー部材にレーダが取り付けられたものである。
図31は、本発明によるレーダアッセンブリの1つの実施形態の斜視図である。レーダアッセンブリ10の基本的な構成は上述のレーダのカバー部材31及びレーダ36と同様である。カバー部材31とレーダ36と同じ構成の箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。図31に示されるように、カバー部材31の上面39にレーダ36が取り付けられ、レーダアッセンブリ10を構成している。
[バンパー]
本発明のバンパーは、上述の電波を減衰させるための部材を含む。図32は、本発明によるバンパーの1つの実施形態の概要を示す図である。[背景技術]の項において図1に示した衝突予防システム、及び図31に示したレーダアッセンブリと同じ構成の箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。図32に示されるように、車両11のバンパー38内側のシャシー(図示せず)にはレーダアッセンブリ10が配置されており、レーダアッセンブリ10の側方には電波を減衰させるための部材である電波減衰板91が配置されている。また、バンパー38には、電波散乱体である電波減衰エリア92が成形されている。カバー部材に電波散乱体が成形されている場合は、電波減衰板91、電波減衰エリア92は省略してもよい。また、カバー部材に電波散乱体が成形されていない場合は、電波減衰板91及び/又は電波減衰エリア92が備えられることができる。レーダアッセンブリ10はバンパー38に取り付けられてもよい。
[車両]
本発明の車両は、上述の電波を減衰させるための部材、レーダアッセンブリ、及び/又は、バンパーを備える。
図33は、本発明による車両の1つの実施形態の概要を示す図である。レーダアッセンブリ10の基本的な構成は上述のレーダのカバー部材31及びレーダ36と同様である。カバー部材31とレーダ36と同じ構成の箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。図33に示されるように、車両11のバンパー38内には電波を減衰させるための部材であるレーダのカバー部材を含むレーダアッセンブリ10が配置されている。電波を減衰させるための部材、レーダアッセンブリは、任意の組み合わせで任意の適切な位置に配置することができる。
<樹脂組成物>
樹脂組成物は、樹脂を主成分とする。「主成分」とは、樹脂組成物全体の重量に対して、下限が、50重量%以上、もしくは60重量%以上、もしくは70重量%以上であり、上限が、99重量%以下、もしくは90重量%以下、もしくは80重量%以下の重量のものを意味する。
樹脂組成物の主成分である樹脂は、特に限定するものではないが、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂、A SA樹脂、AES樹脂、PMMA等のアクリル樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、液晶ポリマー、EPDM、PPS、PEEK、PPE、ポリサルフォン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性エラストマー、アクリルエラストマー等があげられ、なかでも、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリアミド樹脂が好ましく用いられる。エポキシ樹脂やアクリル樹脂などの光硬化樹脂やシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂も硬化工程が必要であるが、使用可能である。
樹脂組成物を構成する樹脂は、単独でもしくは複数種類を併用して用いることができる。すなわち、単独で用いる場合は、樹脂組成物からなる電波散乱体の機械的特性が優れるものとなり、複数種類の樹脂を併用する場合は、強度と靭性とのバランスが優れるものとなる。複数種類の樹脂を併用する場合、例えば、ポリプロピレンとEPDM(エチレンプロピ レンジエンゴム)とを組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物には、フィラーを混合してもよい。混合するフィラーとしては、例えば、着色のためのカーボンブラック、強度向上のための、タルク、グラスファイバー、鉱物などの無機物、柔軟性を向上させるための軟化剤がある。
上記強度向上のためのタルクとしては、補強性及び成型性(射出成型など)の観点から、その粒子径D50は小さい方が好ましく、その範囲は0.8~50μm、好ましくは2~30μm、更に好ましくは5~20μmである。
上記強度向上のためのガラスファイバーの長さは長い方が好ましいが、加工中に折れてしまうため、1~5mmの長さがあればよい。更に強度を高めるには、ガラス繊維のロービングを含浸ダイスに導き、フィラメントの間に溶融した熱可塑性樹脂を均一に含浸させた後、必要な長さ(通常は5~20mm)に切断する製法がある。また、ガラスファイバーの形状は一般には円柱状であるが、成型時の歪を低減させるため、偏平な断面形状を有するガラス繊維を用いてもよい。
上記強度向上のための鉱物としては、炭酸カルシウム、シルカ、クレー、マイカ、シリカバルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタンなどがあるが、価格の観点から、炭酸カルシウムやシリカが好ましい。
上記の着色のためのカーボンブラックは、例えば、JIS K 6217又はJIS K6221に準拠して測定されるDBP吸収量が100 ml/100g以下である。また、着色力の観点からは、粒子径が小さく、比表面積の大きなものが好ましいが、価格の安価な汎用のカーボンブラックも使用出来る。
上記軟化剤としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルなどがあるが、使用する樹脂と相溶性のよいものを選択するのが好ましい。
ちなみに、本発明に用いる樹脂組成物を構成する樹脂とフィラーの、とりわけ好ましい組み合わせとしては、樹脂としてポリプロピレン、ポリエチレンを用い、補強性フィラーとしてタルクを用いたもの、もしくは樹脂としてポリアミド樹脂を用い、補強性フィラーとしてグラスファイバーがあげられる。
本発明に用いる樹脂組成物は、樹脂および補強材、軟化剤以外の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、難燃剤、耐衝撃性改善剤、補強剤、相溶化剤、耐候性改善剤、酸化防止剤、顔料、染料等があげられる。
上記フィラーを混合した樹脂組成物は、例えば、一軸あるいは多軸の混練機、ラボプラストミル等のバッチ式ミキサー、ロール混練機等で所定の配合で混合(混練)したり、溶媒を用いて、溶解あるいは懸濁した状態で混合したりして得ることができる。生産性の点で、とりわけ混練機や バッチ式ミキサーで混合する方法が好ましく用いられる。
上記樹脂組成物を用いた自動車のバンパー内に配置されたカバー部材の成型方法としては、射出成型、プレス成型、ブロー成型、真空成型や切削加工や光硬化性樹脂を使用した造形、3Dプリンターを使用した造形などがある。
上記成形法の中でも、生産性に優れる射出成型が好ましい。射出成型に用いる樹脂組成物は、一般に2軸の混練機で材料を混合させ、混合された樹脂をペレット状に成型する。この樹脂ペレットを射出成型機に投入し、溶融させた後、所定の形状を有する金型に注入し、冷却・固化させた後に取り出すことで成型体を得ることが出来る。
樹脂組成物は、前記樹脂組成物からなる厚み3mmの平板に対して垂直に入射する電波の少なくとも20%を透過させるものとすることができる。
樹脂組成物は、複素比誘電率を有し、10~300GHzのいずれかの周波数で比誘電率の虚部ε''が0.1以下であることが好ましく、0.07以下であるように設計されることがより好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。比誘電率の虚部ε''がこのような値であるとき、樹脂組成物は、誘電損材料や磁性損材料を含ませる必要がなく、軽量化や低コストでの生産が可能となる。また、比誘電率の虚部ε''がこのような値であるとき、樹脂組成物は、対応する周波数の電波を吸収しないものであることが一般的に知られている。
樹脂組成物は10~300GHzのいずれかの周波数で比誘電率の実部ε'が2以上、4以下であることが好ましく、2.1以上、3.5以下であることがより好ましく、2.2以上、3.0以下であることがさらに好ましい。
本発明の電波散乱体について、以下の実施例を用いて更に説明する。なお、本発明の電波散乱体は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
〔実施例1〕
アクリルエラストマー(クラレ社製、LA2330)のペレットを50t真空プレス機(名庄プレス社製、MS-VPF-50)を用いて、熱板温度160℃、押圧時間20秒間の条件でプレス成形し、厚み3.0mmの平板状に加工した。得られた平板状の樹脂成型物を切削し、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、同様にして、厚み2.0mmの平板状のアクリルエラストマーを得て、これを切削し、凸部(凸条)として、長手方向に対して垂直方向の断面形状が矩形で、高さHが2.0mm、幅Wが4.0mm、長さが50mmの直方体を所定数作製した。これらを支持部の一方の表面に、隣り合う凸条の間隔Sが4.0mmとなるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例2〕
凸条の高さHを4.0mmとした以外は、実施例1と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例3〕
樹脂組成物として、ポリプロピレン板(誘電率の実部2.3、虚部0.0)を用いた以外は、実施例2と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例4〕
ポリプロピレン(日本ポリプロ社製、EA9HD)100重量部、着色用のカーボンブラック(旭カーボン社製、 #50(ヨウ素吸着量 23mg/g DBP吸収量 63ml/100g))7.3重量部を、投入口からポリプロピレン、カーボンブラックの順に投入し、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、200℃で溶融混練して樹脂組成物を作製した。
ラボプラストミルから樹脂組成物を取り出し、50t真空プレス機(名庄プレス社製、MS-VPF-50)を用いて、熱板温度200℃、押圧時間20秒間の条件でプレス成形し、厚さ3mmの平板状に加工した。加工した樹脂組成物を、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmとなるように切り取り、支持部を作製した。
同様にして、厚み2.0mmの平板状に加工した樹脂組成物を得て、これを切削し 、凸部(凸条)として、長手方向に対して垂直方向の断面形状が矩形で、高さHが3.0mm、幅Wが4.0mm、長さ50mmの直方体を所定数作製した。これらを支持部の一方の表面に、隣り合う凸条の間隔Sが4.0mmとなるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例4.1〕
凸条の高さHを2.0mmとした以外は、実施例4と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例4.2〕
凸条の高さHを2.5mmとした以外は、実施例4と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例4.3〕
凸条の高さHを4.0mmとした以外は、実施例4と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例4.4〕
凸条の高さHを6.0mmとした以外は、実施例4と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例5〕
実施例4と同様に作製された樹脂組成物を、50t真空プレス機(名庄プレス社製、MS-VPF-50)を用いて、熱板温度200℃、押圧時間20秒間の条件でプレス成形し、厚さ3mmの平板状に加工した。加工した樹脂組成物を、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3mmとなるように切り取り、支持部を作製した。
同様に、実施例4と同様に作製された樹脂組成物を、50t真空プレス機(名庄プレス社製、MS-VPF-50)を用いて、熱板温度200℃、押圧時間20秒間の条件でプレス成形し、厚さ5.0mmの平板状に加工した。凸部(凸条)として、厚さ5.0mmの平板状に加工した樹脂組成物を2枚貼り合わせたものを切削して、高さHが9.0mm、底面の一辺Wが9.0mmの正四角錐が隣り合う正四角錐の間隔Sが0.0mmとなるように行列状に並ぶように作製した。これを支持部の一方の表面に、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例6〕
凸条の高さHを1.0mmとした以外は、実施例1と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例7〕
凸条の高さHを3.0mm、凸条の幅Wを1.0mm、隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例1と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-1に示す。
〔実施例8〕
凸条の高さHを3.0mm、凸条の幅Wを16mm、隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例1と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-2に示す。
〔実施例9〕
凸条の高さHを3.0mm、隣り合う凸条の間隔Sを20mmとした以外は、実施例1と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-2に示す。
〔実施例10〕
凸部として、Φ12.7mmのポリプロピレン球(1-6602-06、アズワン株式会社販売)を半分に切断し、断面が円弧、高さ6.4mm、幅12.7mmの半球を作製した。これを、実施例3で作製された幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmのポリプロピレンの平板状の支持部の一方の表面に、隣り合う半球の間隔Sが0.0mmとなるように行列状に並ぶように支持部に配列し、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-2に示す。
〔実施例11〕
本実施例は、図23の実施形態に対応するものである。厚み2.4mmの平板状のポリプロピレン(誘電率の実部2.3、虚部0.0)を短冊状に切削し、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みDが2.4mmの平板状の支持部を作製した。この支持部にΦ8の貫通孔を3.0mmの間隔Uで、行列状に支持部の全面にわたって穴あけ機で開けた。次に、厚み2.0mmのポリプロピレン板(誘電率の実部2.3、虚部0.0)を切削して、長手方向に対して垂直方向の断面形状が矩形で、高さがH2.0mm、幅Wが2.0mm、長さが50mmの直方体を所定数作製した。これらを支持部の一方の表面に、隣り合う凸条の間隔Sが9.0mmで、凸条と貫通孔が重ならないように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せた。更に、ポリプロピレン板(誘電率の実部2.3、虚部0.0)を切削し、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT3が1.0mmの平板状部材を作製し、支持部の他方の表面に、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて 、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-2に示す。
〔実施例12〕
厚み1.0mmの板状のナイロン6(誘電率の実部3.5、虚部0.065)を短冊状に切削し、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が1.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、凸部(凸条)として、厚み1.0mmの板状のナイロン6(誘電率の実部3.5、虚部0.0)を切削して、長手方向に対して垂直方向の断面形状が矩形で、高さHが1.0mm、幅Wが4.0mm、長さ50mmの直方体を所定数作製した。これらを支持部の一方の表面に、隣り合う凸条の間隔Sが4.0mmとなるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-2に示す。
〔実施例13〕
凸条の高さHを2.0mmとした以外は、実施例12と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-2に示す。
〔実施例14〕
実施例2と同様にして、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、凸部(凸条)として、厚み4.0mmのポリプロピレン板(誘電率の実部2.3、虚部0.0)を切削して、長手方向に対して垂直方向の断面形状が矩形で、高さHが4.0mm、幅Wが2.0mm、長さ50mmの直方体、高さHが4.0mm、幅Wが4.0mm、長さ50mmの直方体、及び高さHが4.0mm、幅Wが8.0mm、長さ50mmの直方体を所定数作製した。これらを支持部の一方の表面に、幅2.0mm,4.0mm,8.0mmの凸条を間隔4.0mmで順に配置したユニットが繰り返されるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表5-2に示す。
〔実施例15〕
凸条の幅Wを2.0mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例16〕
凸条の高さHを2.0mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例17〕
凸条の高さHを3.0mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例18〕
凸条の高さHを5.0mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例19〕
凸条の高さHを7.0mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例20〕
凸条の高さHを3.0mmとした以外は、実施例12と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例21〕
凸条の高さHを9.0mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例22〕
凸条の高さHを12mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例23〕
凸条の幅Wを1.0mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例24〕
凸条の高さHを3.0mm、凸条の幅Wを16mmとした以外は、実施例2と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例25〕
凸条の幅Wを16mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-1に示す。
〔実施例26〕
隣り合う凸条の間隔Sを20mmとした以外は、実施例4と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例27〕
隣り合う凸条の間隔Sを20mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例28〕
凸部の高さHを2.0mm、凸条の幅Wを1.0mm、隣り合う凸条の間隔Sを1.0mmとした以外は、実施例12と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例29〕
隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例28と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例30〕
凸条の幅Wを12mmとした以外は、実施例28と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例31〕
凸条の幅Wを12mm、隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例28と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例32〕
凸部の高さHを6.0mm、凸条の幅Wを1.0mm、隣り合う凸条の間隔Sを1.0mmとした以外は、実施例3と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例33〕
隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例32と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例34〕
凸条の幅Wを12mmとした以外は、実施例32と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例35〕
凸条の幅Wを12mm、隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例32と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-2に示す。
〔実施例36〕
実施例12と同様にして、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、厚み2.0mmの板状のナイロン6(誘電率の実部3.5, 虚部0.065)を切削し、高さHが2.0mm、底面の一辺の長さWが1.0mmの正四角柱を作製した。これを支持部の一方の表面に、隣り合う正四角柱の間隔Sが1.0mmとなるように行列状に並ぶように支持部に配列し、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合わせて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-3に示す。
〔実施例37〕
隣り合う正四角柱の間隔Sを12mmとした以外は、実施例36と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-3に示す。
〔実施例38〕
正四角柱の幅Wを12mmとした以外は、実施例36と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-3に示す。
〔実施例39〕
正四角柱の幅Wを12mm、隣り合う正四角柱の間隔Sを12mmとした以外は、実施例36と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-3に示す。
〔実施例40〕
支持部として、実施例3と同様の幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状のポリプロピレン(誘電率の実部2.3, 虚部0.0)を用い、正四角柱の作製において、厚みが6.0mmのポリプロピレン板(誘電率の実部2.3, 虚部0.0)を用いて、正四角柱の高さHを6.0mmとした以外は実施例36と同様にして、電波散乱体を作製した得られた電波散乱体の特性を表6-3に示す。
〔実施例41〕
隣り合う正四角柱の間隔Sを12mmとした以外は、実施例40と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-3に示す。
〔実施例42〕
正四角柱の幅Wを12mmとした以外は、実施例40と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-3に示す。
〔実施例43〕
正四角柱の幅Wを12mm、隣り合う正四角柱の間隔Sを12mmとした以外は、実施例40と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-3に示す。
〔実施例44〕
実施例12と同様にして、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、厚み2.0mmの板状のナイロン6(誘電率の実部3.5, 虚部0.065)を切削し、凸部(凸条)として、長手方向に対して垂直方向の断面形状が二等辺三角形で、高さHが2.0mm、断面の二等辺三角形の底辺の長さ(幅)Wが1.0mm、長さが50mmの三角柱を所定数作製した。これらを支持部の一方の表面に、隣り合う凸条の間隔Sが1.0mmとなるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合わせて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-4に示す。
〔実施例45〕
隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例44と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-4に示す。
〔実施例46〕
凸条の幅Wを12mmとした以外は、実施例44と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-4に示す。
〔実施例45〕
凸条の幅Wを12mm、隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例44と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-4に示す。
〔実施例48〕
支持部として、実施例3と同様の幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状のポリプロピレン(誘電率の実部2.3, 虚部0.0)を用い、三角柱の作製において、厚みが6.0mmのポリプロピレン板(誘電率の実部2.3, 虚部0.0)を用いて、凸条の高さHを6.0mmとした以外は実施例44と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-4に示す。
〔実施例49〕
隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例48と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-4に示す。
〔実施例50〕
凸条の幅Wを12mmとした以外は、実施例48と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-4に示す。
〔実施例51〕
凸条の幅Wを12mm、隣り合う凸条の間隔Sを12mmとした以外は、実施例48と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-4に示す。
〔実施例52〕
隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例28と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例53〕
隣り合う凸条の間隔Sを11mmとした以外は、実施例19と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例54〕
隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例30と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例53〕
隣り合う凸条の間隔Sを11mmとした以外は、実施例31と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例56〕
隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例32と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例57〕
隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例34と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例58〕
隣り合う凸条の間隔Sを11mmとした以外は、実施例35と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例59〕
正四角柱の幅Wを2.0mmとした以外は、実施例36と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例60〕
正四角柱の幅Wを2.0、隣り合う正四角柱の間隔Sを10mmとした以外は、実施例37と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例61〕
隣り合う正四角柱の間隔Sを11mmとした以外は、実施例39と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例62〕
正四角柱の幅Wを2.0mmとした以外は、実施例40と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例63〕
正四角柱の幅Wを2.0mmとした以外は、実施例41と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例64〕
隣り合う正四角柱の間隔Sを11mmとした以外は、実施例43と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-5に示す。
〔実施例65〕
隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例44と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例66〕
隣り合う凸条の間隔Sを11mmとした以外は、実施例45と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例67〕
隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例48と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例68〕
隣り合う凸条の間隔Sを11mmとした以外は、実施例51と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例69〕
凸部の高さHを4.0mm、正四角柱の幅Wを4.0mm、隣り合う正四角柱の間隔Sを4.0mmとした以外は、実施例40と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例70〕
各正四角柱の配置を、斜め方向に隣りあう正四角柱の側稜が接し、縦方向及び横方向に隣り合う正四角柱の間隔Sが4.0mmの千鳥状配置とした以外は、実施例69と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例71〕
凸部の高さHを4.0mm、凸条の幅Wを4.0mmとした以外は、実施例48と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例72〕
凸部の高さHを4.0mm、凸条の幅Wを4.0mm、隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例48と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例73〕
凸部の高さHを4.0mm、凸条の幅Wを4.0mm、隣り合う凸条の間隔Sを3.0mmとした以外は、実施例48と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例74〕
凸部の高さHを4.0mm、凸条の幅Wを4.0mm、隣り合う凸条の間隔Sを4.0mmとした以外は、実施例48と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例75〕
UV硬化性アクリル樹脂(誘電率の実部2.5、虚部0.050)を、3Dプリンタ(キーエンス社製、アジリスタ)を用いて、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状部材に成型し、支持部を作製した。同様に、UV硬化性アクリル樹脂を、3Dプリンタ(キーエンス社製、アジリスタ)を用いて、高さHが4.0mm、底面の一辺の長さWが4.0mmの正四角錐に成型した。これを支持部の一方の表面に、隣り合う正四角錐の間隔Sが2.0mmとなるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例76〕
隣り合う正四角錐の間隔Sを4.0mmとした以外は、実施例75と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-6に示す。
〔実施例77〕
実施例3と同様にして、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、Φ8.0mm、長さが50mmのポリプロピレンの円柱(誘電率の実部2.3、虚部0.0)を半分に切断し、凸部(凸条)として、長手方向に対して垂直方向の断面形状が半円で、高さHが4.0mm、断面の半円の直径(幅)Wが8.0mm、長さが50mmの半円柱を所定数作成した。これらを支持部の一方の表面に、隣り合う凸条の間隔Sが1.0mmとなるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合わせて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-7に示す。
〔実施例78〕
隣り合う凸条の間隔Sを2.0mmとした以外は、実施例77と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-7に示す。
〔実施例79〕
隣り合う凸条の間隔Sを3.0mmとした以外は、実施例77と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-7に示す。
〔実施例80〕
隣り合う凸条の間隔Sを4.0mmとした以外は、実施例77と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-7に示す。
〔実施例81〕
半球の作製において、Φ12.7mmのポリプロピレン球(1-6602-05、アズワン株式会社販売)を用い、各半球の配置を、周囲の6つの半球との間隔Sが全て2.0mmの最密配置とした以外は、実施例10と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-7に示す。
〔実施例82〕
隣り合う半球の間隔Sを4.0mmとした以外は、実施例81と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-7に示す。
〔実施例83〕
実施例75と同様にして、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、UV硬化性アクリル樹脂(誘電率の実部2.5、虚部0.050)を、3Dプリンタ(キーエンス社製、アジリスタ)を用いて、高さHが5.0mm、底面の一辺の長さが2.0mm(幅Wが4.0mm)の正六角柱を作成した。これを支持部の一方の表面に、周りの6つの正六角柱との間隔Sがすべて2.0mmとなるようにハニカム配置で支持部に配列し、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合わせて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-7に示す。
〔実施例84〕
本実施例は、図19の実施形態に対応するものである。凸部6の幅Wを2.0mmとし、凸条の配置を図19に示されるようにジグザク状とした以外は、電波散乱体を作製した。凸条の具体的な配置は以下の通りである。各凸条の高さHは4.0mm、幅Wは2.0mm、長さは、50mmであった。8つの凸条を、一番左に配置される凸条の一方の端部が支持部の隅に略一致するように配置し、隣り合う凸条の一方の端部同士の間隔(対向する、凸部6が第1の主面2から立ち上がる部位間において測定される値)が8mmで、隣り合う凸条の他方の端部が接するように配置した。このような配置において、凸条の長手方向の中点の位置に関して、隣り合う凸条同士の間隔は4mmとなった。得られた電波散乱体の特性を表6-8に示す。
〔実施例85〕
本実施例は、図20の実施形態に対応するものである。凸部6の幅Wを2.0mmとし、凸条の配置を図20に示されるように放射状とした以外は、電波散乱体を作製した。凸条の具体的な配置は以下の通りである。各凸条の高さHは4.0mm、幅Wは2.0mm、長さは、50mmである。1つの凸条を支持部の上辺と下辺の中点を結ぶ直線上に配置した。次に、この凸条の両側に、凸条を、隣り合う凸条の上端部が接し、隣り合う凸条の下端部同士の間隔が8mmとなるように配置した。さらに、これらの凸条の各々の外側に、凸条を、隣り合う凸条の上端部が接し、隣り合う凸条の下端部同士の間隔が8mmとなるように配置した。得られた電波散乱体の特性を表6-8に示す。
〔実施例86〕
本実施例は、図25の実施形態に対応するものである。実施例3と同様にして、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、厚み2.0mmのポリプロピレン板を切削し、凸部(凸条)として、長手方向に対して垂直方向の断面形状が矩形で、高さが2.0mm、幅が4.0mm、長さが50mmの直方体を所定数作製した。これらを支持部の一方の表面に、隣り合う凸条の間隔Sが4.0mmとなるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せた。次に、厚み2.0mmのポリプロピレン板を切削し、凸部(凸条)として、長手方向に対して垂直方向の断面形状が矩形で、高さが2.0mm、幅が2.0mm、長さが50mmの直方体を所定数作製し、これらの各々を、上記の幅4.0mmの凸条の各々の表面に、幅方向の中心が互いに一致するように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-8に示す。
〔実施例87〕
本実施例は、図24の実施形態に対応するものである。支持部の他方の表面にも、支持部の一方の表面に貼り合わされた凸条に対向する位置に高さHが2.0mmの凸条を貼り合わせた以外は、実施例16と同様にして、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-8に示す。
〔実施例88〕
実施例3と同様にして、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状の支持部を作製した。次に、厚み4.0mmのポリプロピレン板を切削し、長手方向に対して垂直方向の断面形状が矩形で、高さHが4.0mm、幅Wが12mm、長さが50mmの直方体を所定数作製した後、得られた3つの直方体を互いに両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合せて、凸部(凸条)として、高さHが12mm、幅Wが12mm、長さが50mmの直方体を所定数作製した。これらを支持部の一方の表面に、隣り合う凸条の間隔Sが12mmとなるように、両面テープ(日東電工社製、No.5000NS)を用いて貼り合わせて、電波散乱体を作製した。得られた電波散乱体の特性を表6-8に示す。
〔比較例1〕
厚み3.0mmのポリプロピレン板(誘電率の実部2.3、虚部0.0)を切削し、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状部材を作製した。得られた平板状部材の特性を表5-2に示す。
〔比較例2〕
実施例4と同様に作製された樹脂組成物を、50t真空プレス機(名庄プレス社製、MS-VPF-50)を用いて、熱板温度200℃、押圧時間20秒間の条件でプレス成形し、厚さ3.0mmの平板状に加工した。加工した樹脂組成物を、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmとなるように切り取り、平板状部材を作製した。得られた平板状部材の特性を表5-2に示す。
〔比較例3〕
樹脂組成物として、アクリルエラストマー(クラレ社製、LA2330)を用いた以外は、比較例1と同様にして、平板状部材を作製した。得られた平板状部材の特性を表5-2に示す。
〔比較例4〕
厚み3.0mmのポリプロピレン板(誘電率の実部3.5、虚部0.065)を切削し、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状部材を作製した。得られた平板状部材の特性を表5-2に示す。
〔比較例5〕
UV硬化性アクリル樹脂(誘電率の実部2.5、虚部0.050)を、3Dプリンタ(キーエンス社製、アジリスタ)を用いて、幅Qが50mm、長さPが50mm、厚みT1が3.0mmの平板状部材に成型した。得られた平板状部材の特性を表6-8に示す。
Figure 0007118233000006
Figure 0007118233000007
Figure 0007118233000008
Figure 0007118233000009
Figure 0007118233000010
Figure 0007118233000011
Figure 0007118233000012
Figure 0007118233000013
Figure 0007118233000014
Figure 0007118233000015
[評価]
(寸法の測定)
電波散乱体の寸法、電波散乱体に形成される凸部の高さ、幅、長さ、隣接する凸部間の間隔は、ノギスを用いて測定した。
(散乱率の測定)
上記の[電波散乱体]の項で説明したのと同様の測定方法で散乱率を測定した。透過減衰量をJIS R 1679を参照して、下記に示す手順にしたがって、電波送受信機(EAS03、キーコム社製)を用いて、60~90GHzにおいて測定した。透過減衰量は下記の式(1)で算出される値の絶対値で示される。
10Log|Pi/P0|・・・(1) (Pi:受信電力、P0:送信電力)
図6にその概略を示すとおり、サンプルホルダ11、ミリ波レンズ12、送信機9および受信機10を配置する。送信器9からは、直径150mmの電波が送信された。送信機9および受信機10を配置し、サンプルホルダ11には何もセットしない状態で電波の送受信を行って、透過減衰量が0dB(電波が全量透過)の状態を各電波散乱体の面方向に対する垂直入射の透過減衰量測定の基準とした。次に、サンプルホルダ11に電波散乱体をセットした後、受信機を各サンプルの面方向に対して垂直な、送信器9から受信機10に向かう方向に対して0°,15°,30°,45°,60°,75°の角度にそれぞれ設置して電波の送受信を行い、76.5GHzにおける透過減衰量を測定した。なお、電波散乱体の構造体が凸条の場合は、その第1の主面に形成される凸条の長手方向が、入射波の電界の振幅方向と垂直な状態で測定した。0°,15°,30°,45°,60°,75°の各角度での透過減衰量の測定値に基づいて、上記の式(1)から各Pi/P0(受信/送信電力比)を算出し、算出された各Pi/P0(受信/送信電力比)に基づいて、下記の式(2.1)、(2.2)によって散乱率I、散乱率IIを算出した。

(散乱率I)=(15°,30°,45°,60°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計)/(0°でのPi/P0(受信/送信電力比))×100・・・(2.1)

(散乱率II)=(15°,30°,45°,60°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計)/(0°,15°,30°,45°,60°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計))×100・・・(2.2)

ここで、散乱率Iをd1、散乱率IIをd2とすると、下記の式(2.3)で換算することができる。

d2=(100d1/(100+100d1))×100・・・(2.3)
さらに、上記の散乱率の測定方法において、透過波の受信角度の刻みを5°間隔とし、下記の式(2.4)によって散乱率IIIを算出した。

(散乱率III)=(15°,20°,25°,30°,35°,40°,45°,50°,55°,60°,65°,70°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計)/
(0°,5°,10°,15°,20°,25°,30°,35°,40°,45°,50°,55°,60°,65°,70°,75°でのPi/P0(受信/送信電力比)の合計)×100・・・(2.4)
(比誘電率及び透過率の測定)
図34は、反射減衰量の測定方法の概略を説明する図である。まず、比較例1~4の平板状部材について、反射減衰量をJIS R 1679を参照して、下記に示す手順にしたがって、電波送受信機(EAS02、キーコム社製)を用いて、70~90GHzにおいて測定した。図17にその概略を示すとおり、サンプルホルダ11と送受信機13とを配置し、上記サンプルホルダ11に基準金属をセットして電波の送受信を行った。上記基準金属には、材料ステンレス板、サイズΦ150mm、厚み2mmを使用した。このとき、反射減衰量が0dB(電波が全量反射)を水準とし、各平板状部材の面方向に対する垂直入射の反射減衰量測定の基準とした。そして、上記基準金属の代わりにサンプルホルダ11に各平板状部材をセットして電波の送受信を行い、反射減衰量を測定した。
次に、後述の(透過減衰量の測定)の項での測定方法と同様の測定方法で、比較例1~4の平板状部材について、透過減衰量を測定した。
続いて、測定された比較例1~4の平板状部材の反射減衰量と直進透過波の透過減衰量の値を用いて、透過率を以下のようにして算出した。
空気のインピーダンスをZ0、比透磁率μr(=μr'-jμr'')、比誘電率をεr(=εr'-jεr'')、波長をλとすると、材料インピーダンスZ、伝播定数γは以下の式(6)(7)で表される。
Figure 0007118233000016
対象の厚みをdとしたとき、上記Zとγから、伝送線路理論により、反射減衰量、透過減衰量は以下の式(8)、(9)で表される。
透過減衰量(dB)=20log{2/(A+B/Z0+CZ0+D)}・・・(8)
反射減衰量(dB)=20log{(A+B/Z0-CZ0-D)/(A+B/Z0+CZ0+D)・・・(9)
ここで、A=cosh(γd),B=Zsinh(γd),C=(1/Z)sinh(γd),D=cosh(γd)である。
このとき、μr、及び予想される所定のεrを式(6)、(7)へ代入し、得られたZ,γおよび実測した厚みdに基づいて、70~90GHzにおける反射減衰量、透過減衰量を式(8)、(9)からそれぞれ算出する。
実測値から算出された反射減衰量の曲線と上記の式(6)、(7)、(9)から算出された反射減衰量の曲線、及び実測値から算出された透過減衰量の曲線と上記の式(6)~(8)から算出された透過減衰量の曲線に対し、最小二乗法によるカーブフィッティングを行い、尤もらしいεrを導き、これを各平板状部材の比誘電率とする。図35A、図35Bは、このカーブフィッティングの例を示す図である。予想される所定のεrをεr':3.50、εr'':0.20としたとき、図35Aに示されるように、両曲線は乖離しているが、εrを変化させることによって最小二乗法によるカーブフィッティングを行うことにより、両曲線間の誤差が最も小さくなるεrがεr':2.73、εr'':0.06が求まり、このとき、両曲線は、図35Bに示されるようにフィットする。
導かれたεrを用い、再び式(6)、(7)に代入して得られたZ、γに基いて、以下の式(10)により、厚さdを3mmとしたときの透過率(%)を算出する。
透過率(%)=2/(A+B/Z0+CZ0+D)×100 ・・・(10)
(透過減衰量の算出)
測定装置の相違、測定周波数の装置、送信電波の直径、直進透過波のみ透過減衰量を測定した以外は、上記の(散乱率)の項で説明したのと同様の測定方法で透過減衰量を測定した。透過減衰量をJIS R 1679を参照して、下記に示す手順にしたがって、電波送受信機(EAS02、キーコム社製)を用いて、70~90GHzにおいて測定した。透過減衰量は下記の式(1)で算出される値の絶対値で示される。
10Log|Pi/P0|・・・(1) (Pi:受信電力、P0:送信電力)
図6にその概略を示すとおり、サンプルホルダ11、ミリ波レンズ12、ミリ波レンズ12、送信機9および受信機10を配置した。送信器9からは、直径30mmの電波が送信された。送信機9および受信機10を配置し、サンプルホルダ11には何もセットしない状態で電波の送受信を行って、透過減衰量が0dB(電波が全量透過)の状態を各電波散乱体の面方向に対する垂直入射の透過減衰量測定の基準とした。次に、サンプルホルダ11に各サンプルをセットして電波の送受信を行い、76.5GHzにおける透過減衰量を測定した。なお、実施例の電波散乱体について、サンプルは幅Qが50mm、長さPが50mmの支持体に指定の凸部を付与したものであり、凸条の場合はその主面に形成される凸条の長手方向が、入射波の電界の振幅方向と垂直な状態で測定した。また、測定位置について、検体中心部に加え、左右に5mm、10mmずらした計5か所を測定し、その平均値を評価した。
(評価)
表5-1~5-2、表6-1~6-8から以下のことが分かった。直進透過波の透過減衰量が、各比較例では、0~2dBであったのに対して、各実施例では、2.9dB以上と各比較例を上回った。すなわち各実施例の電波散乱体において、効果的に直進透過波を減衰させることができた。
また、表5-1~5-2、表6-1~6-8から以下のことが分かった。直進透過波の透過減衰量が、各比較例では、0~2dBであったのに対して、凸部6の高さH、幅W、及び間隔Sを、入射電波の波長をλとしたとき、0.51λ以上1.5λ以下、0.26λ 以上3.1λ以下、及び0.51λ以上2.6λ以下とした実施例1~4.4、8、9、11、13、14、16~19、21、54、57、60、61、63、69、70、72~76、78~82(凸部6が凸条の場合は、0.51λ以上1.5λ以下、0.26λ 以上3.1λ以下、及び0.26λ以上2.8λ以下とした実施例1~4.4、7、8、9、11、13、14、16~19、21、23、33、37、38、42、46、47、49、50、33、46、47、52~58、65~68、78~80、凸部6がドット状の場合は、0.51λ以上1.5λ以下、0.51λ以上3.1λ以下、及び0.51λ以上2.6λ以下とした実施例37、42、59~64、69、70、72~76、81、82)では、4.0dB以上となり、各比較例を上回った。すなわち各実施例の電波散乱体において、さらに効果的に直進透過波を減衰させることができた。
また、表5-1~5-2、表6-1~6-8から以下のことが分かった。直進透過波の透過減衰量が、凸部体積率が0%の各比較例では、0~2dBであったのに対して、凸部体積率が3%以上90%以下では、5.0dB以上を達成できる場合があり、凸部体積率が15%以上65%以下では、10.0dB以上を達成できる場合があり、凸部体積率が25%以上55%以下では、15.0dB以上を達成できる場合があった。すなわち上記の凸部体積率を有する電波散乱体において、効果的に直進透過波を減衰させることができる場合があることが分かった。
また、実施例11は良好な透過減衰量を示した。よって、電波散乱体の支持部に穴部を設けた構成が、電波散乱体の重量の増加を抑制しつつ、直進透過波の良好な減衰を達成することができることが分かる。
表3、図10は、実施例4と実施例14の各受信角度における透過減衰量を示すものである。表3、図10から以下のことが分かった。実施例4では、特定の方向である30°の受信角度で透過減衰量が大きくなっているが、実施例14では、受信角度の各方向で透過減衰量が均一化されており、特定の方向に強い電波が出射しないため、効果的に強い電波の出射を抑制することができた。よって、幅と間隔の繰り返し構造中に異なる幅を混合させることにより、特定方向へ強め合うことを抑制し、どの出射方向においても効果的に強い電波の出射を抑制することができると考えられる。
以上、本発明を特定の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明は、図示し説明した構成以外にも、幾多の変更が可能である。したがって、本発明は、図示し説明した構成に限定されるものではなく、その範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ定められるべきである。
1 電波散乱体
2 第1の主面
3 第2の主面
4 支持部
5 構造部
6 凸部
7 穴部
8 単位構造
81 単位構造空間
83 単位構造の底面
10 レーダアッセンブリ
11 車両
31 カバー部材
H 凸部の高さ
W 凸部の幅
S 凸部の間隔
D 穴部の深さ
U 穴部の間隔
V 穴部の幅

Claims (12)

  1. 波長がλの10GHz~300GHzの入射電波を散乱させるための電波散乱体であって、
    樹脂を主成分とする樹脂組成物からなり、
    一方が電波入射面を、他方が出射面を構成する2つの面を有し、
    前記電波入射面に入射する電波の少なくとも一部が前記電波散乱体を透過し、前記電波散乱体を透過した電波が前記出射面から散乱状態で出射するように構成され、
    前記2つの面の少なくとも一方に前記出射面から出射する電波の散乱を生じさせる構造部が形成され、
    前記構造部は、3つ以上の凸部及び/又は3つ以上の穴部を含み、
    前記3つ以上の凸部の高さが0.51λ以上1.5λ以下であり、前記3つ以上の凸部の幅が0.26λ以上3.1λ以下であり、且つ、前記3つ以上の凸部の間隔が0.26λ以上3.1λ以下であり、前記3つ以上の凸部の高さが略同一であり、前記3つ以上の凸部の幅が略同一であり、且つ、前記3つ以上の凸部について隣接する凸部の間隔が略同一であるか、
    及び/又は、
    前記3つ以上の穴部の深さが0.51λ以上1.5λ以下であり、前記3つ以上の穴部の幅が0.26λ以上3.1λ以下であり、且つ、前記3つ以上の穴部の間隔が0.26λ以上3.1λ以下であり、前記3つ以上の穴部の深さが略同一であり、前記3つ以上の穴部の幅が略同一であり、且つ、前記3つ以上の穴部について隣接する穴部の間隔が略同一である電波散乱体。
  2. 請求項1に記載した電波散乱体であって、前記樹脂組成物は、前記樹脂組成物からなる厚み3mmの平板に対して垂直に入射する電波の少なくとも50%を透過させるものである電波散乱体。
  3. 請求項1又は2記載の電波散乱体であって、前記樹脂組成物は、複素比誘電率を有し、前記入射電波の周波数で比誘電率の虚部ε''が0.1以下である電波散乱体。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載の電波散乱体であって、前記樹脂組成物は前記入射電波の周波数で比誘電率の実部ε'が2以上、4以下である電波散乱体。
  5. 請求項1~のいずれか1項に記載の電波散乱体を備える電波を減衰させるための部材。
  6. 前記電波を減衰させるための部材は、成型体であり、請求項1~のいずれか1項に記載の電波散乱体が、その少なくとも一部に形成された請求項に記載の部材。
  7. 前記電波を減衰させるための部材は、レーダのカバー部材である請求項又はに記載の部材。
  8. 請求項に記載のレーダのカバー部材にレーダが取り付けられたレーダアッセンブリ。
  9. 請求項又はに記載の電波を減衰させるための部材を含むバンパー。
  10. 請求項7のいずれか1項に記載の部材を備えた車両。
  11. 請求項8に記載のレーダアッセンブリを備えた車両。
  12. 請求項9に記載のバンパーを備えた車両。
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