JP7117771B2 - 掃除機用吸込みノズル - Google Patents
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Description
そこで、吸引率を高めるために、上記前方・後方弾性板片を下方へ大きく突出させて、吸込み口近傍の真空度や空気流の速度のさらなる向上を目指すことが考えられた。
ところが、清掃する際に、前方・後方弾性板片がフローリングや絨毯等の清掃床面に接触すると、抵抗が増加して操作性が悪くなるといった問題があった。特に、清掃床面と壁面による隅部に沿って吸込みノズルを左右方向へ横移動させる際に、掃除機使用者が重く感じてしまうという問題があった。
つまり、吸引率(吸引量)と操作性の両立が非常に困難であった。
本発明に係る掃除機用吸込みノズルは、図1乃至図3に示すように、左右横長状に形成されたノズル本体1と、ノズル本体1の左右中央部の後部1bに先端部9aが揺動(首振り)自在に連結される接続管9と、を備えている。そして、接続管9の基端部(後端部)に、図示省略するが、吸引ポンプ等の吸込み力発生手段を内有する掃除機本体が接続可能である。
吸込み口5は、左右中央部50から左右両端部52,52夫々にゆくにしたがって前方に進む傾斜辺部51,51を有する底面視V字形状である。図例においては、吸込み口5の左右中央部50と左右両端部52,52は、底面視で、左右方向に平行状に配設されている。
多数の突条6,6は、吸込み口5の開口前端縁5aに対して直交状に配設される前側突条6Aと、吸込み口5の開口後端縁5bに対して直交状に配設される後側突条6Bと、を有している。
また、多数の後側突条6Bの内の複数(少なくとも2つ)は、底面視で、開口後端縁5bよりも前方へ突出する前方延長片部62を有している。複数の前方延長片部62は、ノズル本体1の左右方向中心線に関して左右対称位置に配設されている。また、前方延長片部62は、開口後端縁5bから第2突出寸法Ebだけ突出している。
また、後方弾性板片7Bは、開口後端縁5bに沿って隣り合う後側突条6B,6Bの間に配設されている。
吸込み口5の左右中央部50と傾斜辺部51とが接する近傍において隣り合う後側突条6B,6Bの間に、後方弾性板片7Bを、2片(枚)配設して、(前方側と同様に)空気流入路を形成している。
また、吸込み口5の傾斜辺部51に対応して隣り合う後側突条6B,6Bの間に、後方弾性板片7Bは、1片(枚)配設して、後側突条6Bとの間に、空気流入路を形成している。
そして、図3に示すように、複数の走行車輪8の下端8dが接する水平面状の仮想面を、仮想基準平面Sと呼ぶ。この仮想基準平面Sは、走行車輪8の下端8dが、フローリングのような硬い清掃床面Gに接地した場合を想定した設計上の仮想車輪接地面とも呼べる。さらに、ノズル本体1(弾性板片7や走行車輪8等)を、清掃床面Gに接触させていない状態を、清掃床面非接触状態と呼ぶ。
言い換えると、清掃床面Gに接地した場合を想定した走行車輪8の下端8dよりも、弾性板片7の下端7dを、所定の下方突出寸法Edだけ、下方へ突出させている。
なお、突条6(前側突条6A及び後側突条6B)は、仮想基準平面S(走行車輪8の下端8d)及び弾性板片7の下端7dよりも上方位置に配設されている。
さらに、多数の弾性板片7がV字形状に並設しているため、弾性板片7によって、空気が、複雑な乱流や渦流を発生させながら吸込み口5の左右中央部50へ向かって流れる。
したがって、吸込み力が最も強い左右中央部50に、空気流によって粉塵等のゴミが搬送され、確実に吸込む。
例えば、ノズル本体1を、図5に矢印Yで示すように左右一方向に横移動させると、弾性板片7には、清掃床面Gから左右他方への反力Fが作用する。
ここで、図5(A)に示すように、実施形態は、多数の弾性板片7が傾斜状姿勢であるため、左右他方への反力Fを受けると、弾性板片7が前方又は後方へ弯曲するように弾性変形して反力Fを受け流す、或いは、弾性変形することで反力Fを吸収することができる。
ところが、図5(B)に示す参考例のように、横一文字状の弾性板片70であると、左右他方への反力Fに対して、対向するように受けるため、弾性変形しにくく(反力を軽減できず)、弾性板片70による摩擦抵抗が大きくなって、左右方向に滑らせるのが困難となる。つまり、図5(A)は、弾性板片7による摩擦抵抗が軽減され、小さい力で(軽く容易に)ノズル本体1を左右方向に滑らせることが可能である。なお、参考例の弾性板片70は、材質や下方突出寸法Ed等の寸法は図5(A)と同様である。
下限値未満であると、密封シール材のような作用が得られにくく、真空度や空気流速度の向上が望めない。また、上限値を越えると、弾性板片7と清掃床面Gとの間の摩擦力が増加して、走行車輪8による走行が困難になる虞れがある。
言い換えると、横長状かつ横断面コの字状の棒状の第1基端部71Aと、第1基端部71Aの下面に下方突出状(垂下状)に設ける多数の前方弾性板片7A,7Aとを、有する弾性材から成る一体成形品の第1部材を備え、さらに、横長状かつ横断面コの字状の棒状の可撓性の第2基端部71Bと、第2基端部71Bの下面に下方突出状(垂下状)に設ける多数の後方弾性板片7B,7Bとを、有する弾性材から成る一体成形品の第2部材を備えている。横断面コの字状とすることで弾性変形しやすく、ノズル本体1のケーシング11を構成するケーシング上部材及びケーシング下部材の組み付けが容易になる。
比較例は、図示省略するが、吸込み口5が横一文字状で、前方・後方弾性板片7A,7Bが吸込み口5に沿って横一文字に並設され、かつ、前突条6と後突条6が左右方向同位置であり、さらに、清掃床面接触状態で弾性板片7が清掃床面Gから上方へ離間している(清掃床面非接触状態で弾性板片7が仮想基準面Sよりも上方位置にある)ものである。
また、図7の性能試験結果は、絨毯の上面に、小麦粉25gを散布して、その小麦粉を、実施例と比較例夫々で、吸引したときの吸引量(吸引率)の結果である。
図6と図7の結果から明らかなように、実施例は、比較例に比べて、吸引量(吸引率)が優れていると言える。これは、弾性板片7のV字形状の配列によって、上述の左右中央部50にゴミを誘導して吸込んでいることや、弾性板片7による上述の真空度や空気流速度の向上によるものである。
図8の結果から明らかなように、実施例は、比較例に比べて、吸引量(吸引率)が優れていると言える。図6と図7の試験結果よりも実施例と比較例とで大きな差が生じた理由としては、実施例が、シーツの浮き上がりによる吸込み口5の閉塞や空気流入路の閉塞を、突条6,6で確実に、防止しているためである。
参考例は、図示省略するが、吸込み口5が横一文字状で、前方・後方弾性板片7A,7Bが吸込み口5に沿って横一文字に並設され、かつ、前側突条6Aと後側突条6Bが左右方向同位置であり、さらに、清掃床面接触状態で弾性板片7が清掃床面Gから下方へ突出している(弾性板片7の厚さや下方突出寸法Ed等の各寸法が実施例と同じ)ものである。
図9の結果から明らかなように、実施例は、フローリングと絨毯の両方に於て、参考例よりも小さい力で横移動できている。これは、弾性板片7をV字形状に並設したことで、摩擦抵抗が低減していると言える。
5a 開口前端縁
5b 開口後端縁
6 突条
6A 前側突条
6B 後側突条
7A 前方弾性板片
7B 後方弾性板片
7d 下端
8 走行車輪
8d 下端
10 底壁面
50 左右中央部
51 傾斜辺部
52,52 左右両端部
S 仮想基準平面
Claims (2)
- 底壁面(10)から下方突出状の複数の走行車輪(8)と、上記底壁面(10)に開設された横長状の吸込み口(5)と、該吸込み口(5)の開口前端縁(5a)の近傍で上記底壁面(10)から下方突出状に設けられた多数の前方弾性板片(7A)と、上記吸込み口(5)の開口後端縁(5b)の近傍で上記底壁面(10)から下方突出状に設けられた多数の後方弾性板片(7B)と、を有する掃除機用吸込みノズルに於て、
清掃床面非接触状態において、複数の上記走行車輪(8)の下端(8d)が接する水平面状の仮想基準平面(S)よりも、上記前方弾性板片(7A)及び上記後方弾性板片(7B)の下端(7d)は、下方へ突出し、
底面視において、上記吸込み口(5)は、左右中央部(50)から左右両端部(52)(52)夫々にゆくにしたがって前方に進む傾斜辺部(51)(51)を有するV字形状であって、
多数の上記前方弾性板片(7A)は、底面視V字形状の上記吸込み口(5)の開口前端縁(5a)に平行状として、底面視V字形状に並設され、
多数の上記後方弾性板片(7B)は、底面視V字形状の上記吸込み口(5)の開口後端縁(5b)に平行状として、底面視V字形状に並設され 、
上記底壁面(10)から下方突出状に多数の突条(6)が連設され、
上記多数の突条(6)は、上記吸込み口(5)の開口前端縁(5a)に対して直交状に配設される前側突条(6A)と、上記吸込み口(5)の開口後端縁(5b)に対して直交状に配設される後側突条(6B)と、を有し、上記前側突条(6A)及び上記後側突条(6B)は、上記吸込み口(5)に沿って千鳥状に配設され ていることを特徴とする掃除機用吸込みノズル。 - 清掃床面非接触状態において、上記前方弾性板片(7A)及び上記後方弾性板片(7B)の下端(7d)は、上記仮想基準平面(S)よりも0.2mm以上2.5mm以下で下方へ突出している請求項1記載の掃除機用吸込みノズル。
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JPH0231721A (ja) * | 1988-07-20 | 1990-02-01 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 充電式掃除機 |
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2018
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