JP5393396B2 - 掃除機の吸い込みノズル - Google Patents

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本発明は、掃除機本体からの吸引ホースの先端に着脱自在に装着される掃除機の吸い込みノズルに関するものである。
掃除機本体からの吸引ホースの先端に着脱自在に装着されるこの種の吸い込みノズルの従来例として、例えば、下記に示す特許文献1が挙げられる。
特開2000−225080号公報(特許第3167978号)
前記特許文献1は、下面に横長の吸い込み口を開口し、この吸い込み口の前側と後側に走行車輪を備えた真空掃除機の吸い込みノズルにおいて、ノズル底面に前記吸い込み口の長さ方向に直交して前後に延びる多数の平行突条を設け、左右に隣り合う突条の間の吸い込み口側は該吸い込み口に落ち込む様に凹んでおり、吸い込み口を挟む前後の凹み部に吸い込み口に接近してゴム板等の可撓性板を突条の向きとに直交して突条間を塞ぐ様に設け、該可撓性板と突条がノズル底面から突出する高さはほぼ同じとし、走行車輪が床面に接したとき、突条が床面から僅か離れるようにしたものである。
図10は上記特許文献1に示されているノズル本体81の側面図を示し、ノズル本体81の下面の前後には走行車輪82、83が回動自在に設けられている。ノズル本体81の下面の前部側には吸い込み口84が横方向の略全長にわたって形成されており、この吸い込み口84の前方と後方にはゴム板85、86がそれぞれ設けられている。
また、中空体のノズル本体81の背面側には、掃除機本体からの吸引ホースの先端が接続されるパイプ状の継手88が設けられており、この継手88はノズル本体81に対して揺動自在且つ回転自在となっている。
図11は、ノズル本体81を裏面から見た要部拡大図を示し、上部がノズル本体81の前部を示し、下部がノズル本体81の後部を示している。横方向に形成されている吸い込み口84に直交して前方及び後方に突条と呼ばれているルーバー87、90が平行にそれぞれ突設されている。
前方側の各ルーバー87の間に吸い込み口84に接近してゴム板91がルーバー87を塞ぐ形でそれぞれ配設されている。また、後方側のルーバー90の間に吸い込み口84に接近してゴム板92がルーバー90間を塞ぐ形でそれぞれ配設されている。
上記ルーバー87、90はそれぞれノズル底面93より1〜3mm程度床面側に突出しており、走行車輪82、83が床面94(図10参照)に接した状態で、床面94から1〜2mm程度離れ、ルーバー87、90の下面が床面94に接触しないようになっている。また、ルーバー87の基部にはノズル底面93より一段凹んだ溝95が該ルーバー87の長手方向に沿ってそれぞれ凹設されている。
特許文献1においては、上記の構成により、各ルーバー87、90間に空気流入路が形成されることになり、空気の流れが確保され絨毯などの床材が吸い込み口84の内部へ強い吸引力で吸いつけられることを防いでいる。
また、ルーバー87、90とゴム板91、92との間の狭い隙間に吸引力が作用することにより、該隙間を通過する空気の流れはゴム板91、92が存在しない場合に比べてより高速となり、床材表面の塵埃を吹き飛ばす力及び高速流によってエゼクター作用により、絨毯、畳等の床材の内部の塵埃を強力に吸い上げている。
しかしながら、特許文献1に記載されているノズル本体81は、図10に示すように、その下面は床面94と平行に形成されているために、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、絨毯の毛足は、短いものから長いもの、あるいは繊維が細い緻密なものから太い荒いものまで千差万別である。特に毛足が長く繊維が密な傾向にあるものなどは、空気流がその内部において得にくい。
そのような絨毯表面をノズル本体81にて吸い込みながら前方向に移動させる時、前に押し出す力を継手88に加えることで、ノズル本体81をさらに下方へ押し付ける力が生じる。それに伴い、前部の走行車輪82は絨毯の毛足の中に沈み込み働きを失うと共に、毛足が吸い込み口84の長手方向前後のエッジ部周辺で、押しつぶされ、とても密になり、吸い込み口84に吸い込まれる空気の通りにくい状態を作る。そして、その結果として掃除機の負圧による吸引力によってノズル本体81は、さらに絨毯に強く押し付けられる状態となり、ノズル本体81の絨毯への張り付き現象を生じて、前方向へのノズルの移動は重く困難な状態を呈するに至る。
なお、ノズル本体81を後ろ方向に継手88で引く場合は、ノズル本体81は床から離れようとする力を受けるので、前方向に動かそうとする上述の問題は起こらない。
そこで、ノズル本体81を前に押し出す時が問題であり、毛足が吸い込み口84の長手方向前後のエッジ部周辺で、押しつぶされないようにすることが要点となる。この要点を解決することで、掃除機の負圧によるノズル本体81の絨毯への必要以上の吸い付き、すなわち、張り付き現象を防ぎ、前方向へのノズル本体81のスムーズな移動を実現することができる。
また、図11に示すように、吸い込み口84の前後に配設している各ルーバー87、90は、前後方向に一直線状に配置されているために、ノズル本体81を前後に通過させて塵埃を吸引しても、ルーバー87、90の下面に対応して位置している塵埃が床面94上に残り、各ルーバー87、90に対応して塵埃が筋状に残ってしまうという問題もあった。
各ルーバー87、90に対応している箇所以外は綺麗に塵埃を吸引することができるものの、ルーバー87、90に対応した部分には塵埃が筋状に残り、この残った筋状の塵埃を吸引するために、ノズル本体81を何回も横方向や前後方向に動かす必要があり、塵埃を綺麗に吸引するのに手間取るという問題があった。
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、毛足が長く繊維が密な傾向にある床材において、ノズル本体を前方に動かした場合にも、床材にノズル本体が押し付けられず、張り付かず、吸引力が落ちない程度に、自然な掃除動作の中で床材との適度で適切な隙間を、吸い込み口を容易に浮き上がらせることで確保することを目的とした掃除機の吸い込みノズルを提供するものである。
そこで、本発明の請求項1に記載の掃除機の吸い込みノズルでは、ノズル本体1の下面に横方向に長い吸い込み口12を開口し、前記吸い込み口12の前後に、該吸い込み口12とは直交する方向に所定間隔毎に空気流入路を形成する突条のルーバー13、30をそれぞれ形成し、
前記吸い込み口12より後方であって前記ノズル本体1の横方向の略全長にわたる突条40を該ノズル本体1の下面に突設し、この突条40より後方にかけて所定の角度θで床面より遠ざかる方向に該ノズル本体1の下面に傾斜面41を形成し、前記ノズル本体1の下面の四隅であって前記吸い込み口12の前後に走行車輪34、35が回転自在に設けられ、前記走行車輪34、35の下部は前記ノズル本体1の下面より突出していることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載の掃除機の吸い込みノズルによれば、吸い込み口12より後方であって前記ノズル本体1の横方向の略全長にわたる突条40を該ノズル本体1の下面に突設し、この突条40より後方にかけて所定の角度θで床面より遠ざかる方向に該ノズル本体1の下面に傾斜面41を形成していることで、ノズル本体1の後部を力点として下方に押すと、後部の走行車輪35は毛足の長い絨毯等の床材内に沈み込むことで、前記突条40が支点として作用し、ノズル本体1の前部、すなわち、吸い込み口12を床面から浮き上がらせることができ、そのため、毛足の長い絨毯等の床材が空気流入路に密着していても、ノズル本体1の前部が浮き上がって毛足が吸い込み口12の長手方向前後のエッジ部周辺で、押しつぶされないようになり、よって、空気流入路に空気が流入して、吸引力を復帰させて、塵埃を吸引することができ、また、ノズル本体1は傾斜面41を滑り台にして、すなわち、傾斜面41に設けたルーバー30の効果によるところの摩擦面を小さくしているので、絨毯等の床面をよく滑り、ノズル本体1の前方向の動きを、走行車輪35が働かなくても、さらにスムーズにすることができる。
また、従来のようにノズル本体1の後部のエッジ部分を支点としてノズル本体1の前部を浮き上がらせるのではなく、吸い込み口12に近い突条40の部分を支点としてノズル本体1の前部を浮き上がらせているので、吸い込み口12の開口面が床材よりあまり離れることがない。そのため、吸い込み力ないし吸引力が従来のように落ちることがなく、毛足が長い絨毯等の床材の場合であっても、一定の吸引力を保持できて、強力に塵埃を吸引することができる。
本発明の実施の形態におけるノズル本体の平面図である。 本発明の実施の形態におけるノズル本体の側面図である。 本発明の実施の形態における図1のA−A断面図である。 本発明の実施の形態における図1のB−B断面図である。 本発明の実施の形態における要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態におけるノズル本体の裏面図である。 本発明の実施の形態におけるノズル本体の要部拡大平面図である。 本発明の実施の形態におけるノズル本体の要部拡大斜視図である。 本発明の実施の形態における説明図である。 従来例のノズル本体の側面図である。 従来例のノズル本体の裏面から見た要部拡大図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のノズル本体1の平面図を示し、図2はノズル本体1の側面図を、図3は図1のA−A断面図をそれぞれ示している。また、図4は図1のB−B断面図を、図5は図3の要部拡大断面図をそれぞれ示している。
プラスティック製で中空体からなるノズル本体1は、上ケース2と下ケース3とで外殻を形成しており、周側部にはゴム製の緩衝材4が設けてあり、掃除中に家具等に当たっても傷を付けないようになっている。
また、ノズル本体1の後面側の上ケース2と下ケース3との間には略T字状の軸支部5が揺動自在に設けられており、この軸支部5の後部に掃除機本体からの吸引ホース(図示せず)の先端が接続される円筒状で略J字状とし先端に至るほど細径とした継手6が回動自在に連結されている。
図2及び図4に示すように、ノズル本体1の上面の両側には、複数の長孔7を有するよろい窓状の吸い込み部10がそれぞれ配設されていて、掃除機本体の駆動時にこの吸い込み部10から空気がノズル本体1の内部へ吸い込まれる。
図6はノズル本体1の裏面図を示し、図7は図6の要部拡大図を、図8は要部の概略拡大斜視図をそれぞれ示している。ノズル本体1の下面には横方向の略全長にわたって吸い込み口12が開口しており、この吸い込み口12に対して前部側のノズル本体1の下面には、所定の間隔毎に突条のルーバー13が該吸い込み口12に直交する形で一体に平行に突設されている。
ノズル本体1の各ルーバー13間の底面14の前部は図8に示すように湾曲しており、各ルーバー13は底面14より1〜3mm程度突出している。また、ノズル本体1の底面14には空気吸い込み用の穴15、16が穿孔されており、一方の穴16からは該穴16と連通して略八字状に溝17が底面14に凹設されている。
また、ルーバー13間の底面14の両側には前後方向(吸い込み口12の長手方向と直交する方向)に溝20がそれぞれ凹設されていて、この溝20に前記溝17が連通している。この溝20の前部は底面14の形状と同様に湾曲しており、溝20の前面側は開口した状態となっている。
各ルーバー13間の吸い込み口12に近い底面14には二股状のゴム板21がそれぞれ配設されており、ゴム板21の中央部と該ゴム板21の両側の端面とルーバー13の側面との間にはそれぞれ隙間22、23が形成されている。前記ゴム板21は、ルーバー13の下面より1〜2mm程度下方へ突出している。
ここで、各ルーバー13間の底面14、両側の溝20、17、ゴム板21にて形成される隙間22、23等にて空気流入路が形成される。
吸い込み口12より後方のノズル本体1の下面にも、上記ルーバー13と同様な突条のルーバー30が所定の間隔毎に該吸い込み口12に直交する形で一体に平行に突設されている。
ここで、図6及び図7に示すように、後部の各ルーバー30は、前部の各ルーバー13とは前後方向に一直線状にならないように、各ルーバー13に対して横方向にずらして配設している。そして、各ルーバー30は、ノズル本体1の下ケース3の後部の縁部付近まで延設して一体に突設されている。
各ルーバー30は、下ケース3の底面32より1〜3mm程度突出している。また、ノズル本体1の下ケース3の底面32には空気吸い込み用で横方向に長い穴33が穿孔されている。各ルーバー30間で吸い込み口12に近接した位置の底面32にはゴム板31がそれぞれ設けられており、このゴム板31は、ルーバー30の下面より1〜2mm程度下方へ突出している。
また、図6に示すように、ノズル本体1の下ケース3の下面の四隅には走行車輪34、35がそれぞれ回転自在に設けられている。
なお、ノズル本体1の走行車輪34、35が床面に接した状態で、各ルーバー13、30の下面は床面から1〜2mm程度離れるようになっており、また、ゴム板21、31は床面に若干接触して絨毯等の床材の塵埃をはたき出して吸引するようになっている。
なお、ノズル本体1における吸引動作自体は本発明の要旨ではないので、その説明は省略する。
ここで、図6に示すように、ノズル本体1の下面に各ルーバー30と直交する形で横方向の略全長にわたって突条40が一体に形成されている。この突条40の下面と各ルーバー30の下面とは面一となっている。
そして、図5に示すように、前記突条40を境としてノズル本体1の下面は所定の角度を持たせた傾斜面41を形成している。すなわち、突条40より後方にかけて所定の角度θで床面より遠ざかる方向に該ノズル本体1の下面に傾斜面41を形成している。ノズル本体1の軸支部5を力点として下方に押した時に、後部の走行車輪35が毛足の長い絨毯内に沈み込むことで、この突条40が支点として作用し、ノズル本体1の前部を床面より浮き上がらせることができる。
図9に示すように、軸支部5を力点として下方に押した際に、ノズル本体1の吸い込み口12の前部のエッジ部分が床面から浮き上がる寸法Lを1〜4mm程度となるように、傾斜面41の角度θを1〜6°の範囲に設定する。
これにより、毛足の長い絨毯等の床材の表面をノズル本体1で吸引していって、各ルーバー13、30間の空気流入路に毛足が吸着してノズル本体1が前方向に移動しにくくなった場合には、軸支部5の部分を下方に押すことで、後部の走行車輪35が毛足の長い絨毯等の床材内に沈み込み、この走行車輪35が沈み込むことで、突条40を支点としてノズル本体1の前部が浮き上がり、毛足が吸い込み口12の長手方向前後のエッジ部周辺で、押しつぶされないようになり、よって、空気流入路に空気が流入して、吸引力を復帰させて、塵埃を吸引することができ、また、ノズル本体1を前方向にスムーズに移動させることができる。
また、ノズル本体1は傾斜面41を滑り台にして、すなわち、傾斜面41に設けたルーバー30の効果によるところの摩擦面を小さくしているので、絨毯等の床面をよく滑り、ノズル本体1の前方向の動きを、走行車輪35が働かなくても、さらにスムーズにすることができる。
このように、毛足が長く繊維が密な傾向にある床材において、ノズル本体1を前方に動かした場合にも、床材にノズル本体1が押し付けられず、張り付かず、吸引力が落ちない程度に、自然な掃除動作の中で床材との適度で適切な隙間を、吸い込み口12を容易に浮き上がらせることで確保することができる。
また、従来のようにノズル本体1の後部のエッジ部分を支点としてノズル本体1の前部を浮き上がらせるのではなく、吸い込み口12に近い突条40の部分を支点としてノズル本体1の前部を浮き上がらせているので、吸い込み口12の開口面が床材よりあまり離れることがない。そのため、吸い込み力ないし吸引力が従来のように落ちることがなく、毛足が長い絨毯等の床材の場合であっても、一定の吸引力を保持できて、強力に塵埃を吸引することができる。
なお、上記突条40はルーバー30と同じ高さ寸法としていて、フローリング等の硬い床材では突条40を支点として動作させることができないが、毛足が長い絨毯等の床材では後部の走行車輪35が床材に埋まるため、突条40を支点として容易に動作させることができる。
また、力点に対する支点を突条40とし、この突条40をゴム板31の後方に設けていたが、この支点をゴム板31側に近づけた位置に設けるようにしても良い。さらに、この突条40は底面32の面上位置からルーバー30と略同じ高さの間なら、どんな高さでも良い。
また、吸い込み口12の前後に設けた各ルーバー13、30は、従来のように前後方向に一直線状に形成せずに、前後のルーバー13、30は横方向にずらせているので、ノズル本体1を前後方向に移動させるだけで、従来のように塵埃を筋状に残すことなく、塵埃を綺麗に吸引することができる。
1 ノズル本体
5 軸支部
12 吸い込み口
13 ルーバー
30 ルーバー
40 突条
41 傾斜面

Claims (1)

  1. ノズル本体(1)の下面に横方向に長い吸い込み口(12)を開口し、
    前記吸い込み口(12)の前後に、該吸い込み口(12)とは直交する方向に所定間隔毎に空気流入路を形成する突条のルーバー(13)(30)をそれぞれ形成し、
    前記吸い込み口(12)より後方であって前記ノズル本体(1)の横方向の略全長にわたる突条(40)を該ノズル本体(1)の下面に突設し、この突条(40)より後方にかけて所定の角度(θ)で床面より遠ざかる方向に該ノズル本体(1)の下面に傾斜面(41)を形成し
    前記ノズル本体(1)の下面の四隅であって前記吸い込み口(12)の前後に走行車輪(34)(35)が回転自在に設けられ、
    前記走行車輪(34)(35)の下部は前記ノズル本体(1)の下面より突出している
    ことを特徴とする掃除機の吸い込みノズル。
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